JPH0234973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は簡単な構成によつてフイルタを容易に
取り付けられるようにした空調装置のフイルタ取
り付け構造に関する。

（従来の技術） 例えば車両用エアコンの送風ダクトに設けた内
外気取入口のうち、内気取入口には一般に吸入空
気中の塵や埃を除去するためのフイルタが取り付
けられており、このフイルタは経時的な使用によ
り汚れて機能が劣化するため、適時新たなフイル
タとの交換を要し、その交換の都合からフイルタ
を簡便に着脱可能な取り付け構造が望まれてい
る。

従来、このような要請に応ずるものとしては、
例えば実開昭59−23410号公報に開示された技術
がある。すなわち、この公報にはクーラケース内
のエバポレータとブロワとの間に風洩れ防止用の
インシユレータを対向して配置し、このインシユ
レータの間に防塵フイルタを上方から挿入するよ
うにしたフイルタ取り付け構造が示されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、このような従来の構造ではフイルタを
クーラケースの上方から着脱させているため、ク
ーラケースの上部にその分の着脱スペースを要
し、空調装置の設計の自由度を制限するととも
に、上記スペースを確保し得ない空調装置には使
用できないという問題があつた。

本考案はこのような従来の問題を解決し、簡単
な構成によつてフイルタを簡便に着脱し得るとと
もに、吸気ダクトの上下方向に所定の着脱スペー
スを確保し得ない構造の空調装置に即応できるよ
うにした、空調装置のフイルタ取り付け構造を提
供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） このため、本考案の空調装置のフイルタ取り付
け構造は、矩形状の吸気取入口を有し、該取入口
の一側端隅角部に臨ませて係合片を上記取入口の
開口面に対し斜状に突設するとともに、上記係合
片側周縁と相対する上記取入口の開口部周縁に係
止突起を設け、かつ上記取入口の他側端部周辺に
ピンを突設した吸気ダクトと、上記吸気取入口の
開口部に装着可能な矩形のフイルタフレームを有
し、該フレームの一側端部を上記係合片と係合可
能にするとともに、この他側端部に前記ピンと係
合可能な通孔を形成し、かつ上記フレームに上記
係止突起と係合可能な係合舌片を突設したフイル
タを具備し、該フイルタを上記取入口の他側端部
側から側方へ着脱可能にするとともに、該フイル
タの装着時にフイルタフレームの周辺を、前記係
合片と係止突起およびピンとで三点支持するよう
にして、フイルタ装着時における安定性を向上す
るとともに、吸気ダクトの上下方向への着脱スペ
ースを確保し得ない空調装置に適用できるように
したことを特徴としている。

（実施例） 以下、本考案を車両用エアコンの内気取入口に
適用した図示実施例について説明すると、第１図
乃至第７図において１は送風ダクトを構成するダ
クトケースで、そのスクロール部２の外側には吸
気ダクトとしての横長の内気取入ダクト３が前方
へ張り出して成型され、この取入ダクト３の端面
は図示のように前下りの傾斜面をしていて、その
端面に吸気取入口としての横長矩形の内気取入口
４が開口されている。

内気取入口４に近接する内気取入ダクト３の隅
角部には、横長の係合片５が一体に突出成型さ
れ、この係合片５は上記取入ダクト３の端部方向
に沿つて内気取入口４側に漸近する傾斜状に設置
され、また上記係合片５と相対する内気取入ダク
ト３には、該ダクト３と一体の取付片６が突出成
型され、この取付片６の補強片７である係止突起
が実施例の場合、内気取入口４の開口縁の略中央
位置に臨ませて配設されている。

更に、係合片５と反対側の内気取入ダクト３の
側端面には、第５図に示すように略ひずめ形をし
たピン８が突設され、後述するフイルタの係止片
に設けた通孔と嵌合可能にされている。図中、９
は内気取入口４の開口部に格子状に配設された架
橋片で、この架橋片９上にフイルタ１０が装着さ
れている。

フイルタ１０は横長の矩形に形成され、フイル
タネツト１１を張設したフイルタフレーム１２
ａ，１２ｂのうち、長辺側のフイルタフレーム１
２ａの中間位置には、略半円形の係合舌片１３が
外側に突設されている。また、短辺側のフイルタ
フレーム１２ｂのうち、一方のフレーム１２ｂは
他方のそれより幅広に形成され、その内側縁部の
端部寄り側には第７図に示すように掛止片１４が
下向きに突設され、また掛止片１４と同位置のフ
イルタフレーム１２ｂの外側縁部には、固定片１
５が下向きに突設されていて、この固定片１５に
通孔１６が形成されている。図中、１７はフイル
タ１０に格子状に設けられた補強枠である。

（作用） このように構成したフイルタの取り付け構造
は、内気取入ダクト３の端面に係合片５と係止突
起としての補強片７を設け、またその側端面にピ
ン８を突設するとともに、フイルタ１０のフイル
タフレーム１２ａ，１２ｂに係合舌片１３と、通
孔１６を形成した固定片１５を設けるだけで大幅
な改変を要せず、既存の構造を略そのまま活用し
得るから、この種の改変を容易に行なえることと
なる。

次にこのような取り付け構造を利用してフイル
タ１０を取り付ける場合は、フイルタ１０を保持
して、これを第１図に示すように内気取入ダクト
３の側方から挿入し、架橋フレーム９上をスライ
ドさせつつ内気取入口４の長手方向に沿つて移動
させればよい。フイルタ１０の過半部が内気取入
ダクト３上に収容されると、その移動先端側にお
いては幅狭なフイルタフレーム１２ｂの隅角部が
係合片５の基端部と当接し始め、フイルタ１０が
係合片５に誘導されつつスクロール部２側へ移動
して、そのフイルタフレーム１２ａに突設した係
合舌片１３が補強片７と係合する。

このため、フイルタフレーム１２ｂと係合片
５、および係合舌片１３と補強片７が相互に作用
し合つて係合を深め、各接触面での面圧力を増強
する。そして、移動先端側のフイルタフレーム１
２ｂの隅角部が係合片５の先端部に達した際、フ
イルタ１０の移動側後端部、つまり幅広なフイル
タフレーム１２ｂを内気取入ダクト３方向へ押圧
すると、該フレーム１２ｂの内外縁に下向きに突
設した掛止片１４と固定片１５が、第７図に示す
ように内気取入ダクト３の開口縁に位置するフレ
ームの両側に落とし込まれ、これらの間に上記フ
レームが狭持され、かつ固定片１５に形成した通
孔１６内に、内気取入ダクト３の側端面に突設し
たピン８が係入する。

したがつて、フイルタ１０は周辺を係合片５と
補強片７それにピン８の各接触部ないし係合部の
三箇所で支持され、固定されることとなる。その
ため、フイルタ１０は所謂三点支持によつて安定
性が促され、また各接触部には前述のような強力
な面圧力が作用して、互いに緊密な接触関係を維
持するから、フイルタ１０の装着後に車両の走行
等による震動や衝撃を受けても、位置ずれやガタ
を生ずることはない。

一方、こうして取り付けたフイルタ１０を取り
外す場合は、適宜な工具を利用して固定片１５を
外側へ変位させ、通孔１６とピン８との嵌合を解
除するとともに、これを若干引き上げて掛止片１
４と内気取入ダクト３の開口縁との係合を解除し
てから、例えば幅広なフイルタフレーム１２ｂを
保持して、第２図上右方へ引き抜けばよい。

このようにこのフイルタ取り付け構造では、フ
イルタ１０の着脱を内気取入ダクト３の側方から
行なえるから、該ダクト３の上下方向におけるス
ペースを確保し得ない空調装置に好適なものとな
る。

（考案の効果） 本考案の空調装置のフイルタ取り付け構造は以
上のように、矩形状の吸気取入口を有し、該取入
口の一側端隅角部に臨ませて係合片を上記取入口
の開口面に対し斜状に突設するとともに、上記係
合片側周縁と相対する上記取入口の開口部周縁に
係止突起を設け、かつ上記取入口の他側端部周辺
にピンを突設した吸気ダクトと、上記吸気取入口
の開口部に装着可能な矩形のフイルタフレームを
有し、該フレームの一側端部を上記係合片と係合
可能にするとともに、この他側端部に前記ピンと
係合可能な通孔を形成し、かつ上記フレームに上
記係止突起と係合可能な係合舌片を突設したフイ
ルタを具備し、該フイルタを上記取入口の他側端
部側から側方へ着脱可能にしたから、吸気ダクト
の上下方向に着脱スペースを要せず、上記スペー
スを確保し得ない空調装置に適用できる効果があ
る。

また、本考案ではフイルタの装着時に、フイル
タフレームの周辺を、前記係合片と係止突起およ
びピンとで三点支持するようにしたから、フイル
タを強固かつ安定して装着することができ、車両
の走行振動等によるフイルタの位置ずれや、ガタ
の発生を強力に防止できる実用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図はフイルタの装着状況を示す正面図で、一
部を断面図示しており、第３図は第２図の右側面
図、第４図は本考案に適用した吸気ダクトの一例
を示す正面図で、一部を断面図示しており、第５
図は第４図のＡ−A′線に沿う拡大断面図、第６
図は本考案に適用したフイルタの一例を示す正面
図、第７図は第６図のＢ−B′線に沿う拡大断面
図である。 ３……吸気ダクト、４……内気取入口、５……
係合片、７……係止突起、８……ピン、１０……
フイルタ、１３……係合舌片、１５……固定片、
１６……通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 矩形状の吸気取入口を有し、該取入口の一側端
   隅角部に臨ませて係合片を上記取入口の開口面に
   対し斜状に突設するとともに、上記係合片側周縁
   と相対する上記取入口の開口部周縁に係止突起を
   設け、かつ上記取入口の他側端部周辺にピンを突
   設した吸気ダクトと、上記吸気取入口の開口部に
   装着可能な矩形のフイルタフレームを有し、該フ
   レームの一側端部を上記係合片と係合可能にする
   とともに、この他側端部に前記ピンと係合可能な
   通孔を形成し、かつ上記フレームに上記係止突起
   と係合可能な係合舌片を突設したフイルタを具備
   し、該フイルタを上記取入口の他側端部側から側
   方へ着脱可能にするとともに、該フイルタの装着
   時にフイルタフレームの周辺を、前記係合片と係
   止突起およびピンとで三点支持するようにしたこ
   とを特徴とする空調装置のフイルタ取り付け構
   造。