JPH0141747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案はエレベータのかご室構造の改良に関
するものである。

〔従来技術〕

エレベータのかご室は、かご床の周縁に壁を立
設し、これらの壁の隣接部分を接手部材（以下目
地という）で結合して構成されている。これは例
えば特開昭56−43181号公報に示されており、こ
れを第１図〜第３図により説明する。

図中、１はかご室、２はかご床、３，４はかご
床２の前縁部に立設されその間に出入口５を形成
するそで壁、６，７はかご床２の側縁部に立設さ
れそれぞれそで壁３，４に隣接する側壁、８，９
はかご床２の後縁部に立設され互いに隣接すると
共にそれぞれ側壁６，７に隣接する正面壁、１０
は横断面Ｌ字状の長手部材からなり各壁３，４，
６〜９の四隅隣接部の外側に当接されボルト１１
でそれぞれ壁３，４，６〜９相互を締結する目
地、１２は各壁３，４，６〜９の裏面に接着され
た補強材、１３は各壁３，４，６〜９の上部に結
合された天井である。

すなわち、かご床２の周縁に壁３，４，６〜９
を立設した後、これらは目地１０によつて結合さ
れるが、これはかご室１の外側から行わなければ
ならない。

しかし、昇降路とかご室１の間隙は狭く、かつ
暗い環境で作業をする関係上、据付時間は極めて
長時間を要する。

〔考案の概要〕

この考案は上記不具合を改良するもので、壁の
隣接部の一方に押圧片を、他方に被押圧部を設
け、かつ押圧片に壁の位置を規制する停止部を設
けることにより、短時間で壁板の据付けが完了で
きるようにしたエレベータのかご室を提供するこ
とを目的とする。

〔考案の実施例〕

以下、第４図及び第５図によりこの考案の一実
施例を説明する。

図中、６ａは横断面コ字状に形成された側壁６
の側縁部で、ここにＬ字状の弾性材で形成され先
端が側壁６の前面に沿つて延在し２段に形成され
た停止部１５ａが形成された押圧片１５が締結具
１６により締結されている。８ａ，８ｂは側壁６
と同様の横断面コ字状の側縁部で、８ａはその表
面が側壁６の前面に当接する被押圧部、８ｂは正
面壁８の前面と平行に形成された端部で、ここ
に、穴８ｃが設けられ、その一辺８ｄは被押圧部
８ａ側に入り込んでいる。なお、Ａは押圧片１５
の押圧寸法で、穴８ｃの高さＢは押圧片１５挿入
部の高さＣよりも大に形成されている。

側壁６と正面壁８の隣接部以外の隣接部につい
ても同様に構成されている。

すなわち、押圧片１５が締結された側壁６を立
設し、正面壁８の被押圧部８ａの表面を側壁６の
前面に当接させ、正面壁８を矢印×方向（かご室
１の奥行方向）へ移動させると、被押圧部８ａの
裏面は押圧片１５によつて押圧されると共に、停
止部１５ａが穴８ｃの一辺８ｄに当接するので、
正面壁８の位置は正確に規制され、第５図に示す
ように側壁６と正面壁８は結合される。他の壁
３，４，７，９についても同様である。これらの
作業は、かご室１内から容易に実施できる。

第６図及び第７図もこの考案の他の実施例を示
す。

この実施例では、側壁６の側縁部内側に横断面
Ｌ字状の心材１７が固着され、押圧片１５は側縁
部６ａを挾んで心材１７に締結されている。心材
１７の一辺から締結具１６の通る穴中心までの寸
法Ｄの精度を高くすることは容易であると共に、
側縁部６ａの穴は十分締結具１６の間に遊びを取
つてあけることができるので、側壁６の加工精度
を下げることができ、生産性は向上する。また、
心材１７は側謀６の周囲の補強となるので、側壁
６を薄板で形成することが可能となる。一方、正
面壁８の側縁部内部にも同様の心材１８が固着さ
れ、その一端１８ａは押圧片１５の停止部１５ａ
に当接して、正面壁８の位置を正確に規制する。
なお、穴８ｃの一辺８ｄは心材１８の一端１８ａ
よりも後退した位置まで切り欠かれている。心材
１８が正面壁８の補強になつている点は側壁６の
場合と同様である。

なお、上記各実施例では、各壁３，４，６〜９
の結合について説明したが、そで壁３，４に結合
される戸当り、戸袋柱（いずれも図示しない）等
の結合にも適用し得る。

また、押圧片１５はＬ字状に形成するものとし
たが、これに限らず、他の形状のものでもよい。

〔考案の効果〕

以上述べたとおりこの考案では、エレベータか
ご室の壁の隣接部の一方に壁面に沿つて延在する
押圧片を、他方に被押圧部を設け、かつ押圧片の
壁に位置を規制する停止部を設け、これらの係合
により壁の隣接部を結合するようにしたので、壁
板をかご室内側から結合でき、その据付作業が容
易となり、据付時間を大幅に短縮することができ
る。

また、壁板の剛性を失わず、外観を損じないよ
うにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエレベータのかご室の側面図、
第２図は第１図の−線断面図、第３図は第２
図の部拡大図、第４図はこの考案によるエレベ
ータのかご室の一実施例を示す斜視図で第３図相
当図、第５図は第４図の組立説明用平面図、第６
図はこの考案の他の実施例を示す斜視図、第７図
は第６図の組立説明用平面図である。 １……かご室、２……かご床、３，４……そで
壁、６……側壁、６ａ……側縁部、７……側壁、
８……正面壁、８ａ……被押圧部、８ｂ……コ字
状部（端部）、８ｃ……穴、９……正面壁、１５
……押圧片、１５ａ……停止部。なお、図中同一
符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側縁部がそれぞれコ字状に屈曲されかご床の隅
   部周縁に互いに直交して立設されその一方の前面
   に他方の上記側縁部が当接して形成された壁を有
   するエレベータのかご室において、上記壁の一方
   の側縁部に固定され上記前面に沿つて隙間を隔て
   て水平方向に延在する弾性材からなる押圧片と、
   上記壁の他方の側縁部の上記コ字状部に設けられ
   た穴と、この穴を通じて上記押圧片に圧入されて
   上記押圧片により上記壁の一方の前面に押圧され
   る被押圧部とを備え、上記押圧片に上記被押圧部
   と係合して上記壁の他方の位置を規制する停止部
   を設けたことを特徴とするエレベータのかご室。