JPH0138198Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、合板と組み合わせてコンクリート型
枠パネルを構成するための枠材、即ち、一側辺に
コンクリート型枠板取り付け部を備えると共に、
長さ方向適当間隔置きにパネル結合用クリツプの
ピン孔を設けたコンクリート型枠パネル用枠材に
関するものである。

（従来の技術） 第２図は、上記のような従来のコンクリート型
枠パネル用枠材１を使用して構成したコンクリー
ト型枠パネルを示しており、前記枠材１は、その
一側辺に連設された型枠板取り付け部２に於い
て、型枠板（合板）３の長辺両側辺に皿頭ボルト
とナツト等の固定具４を介して取り付けられてお
り、長さ方向適当間隔置きにパネル結合用クリツ
プのピン孔５が設けられている。前記合板２の短
辺両側辺には木製棧木６が取り付けられている。

このように構成されたコンクリート型枠パネル
は、現場での使用状態に於いて隣接するパネルど
うしが、前記枠材１に設けられているピン孔５と
パネル結合用クリツプにより互いに結合される。
第２図及び第３図に一般的なパネル結合用クリツ
プ７を示しているが、図示のようにこのパネル結
合用クリツプ７は、ピン８の一端に屈曲したＵク
リツプ部材９を連設したものであつて、互いに隣
接して重なる２本の前記枠材１のピン孔５に前記
ピン８を挿入した状態で当該２本の枠材１に前記
Ｕクリツプ部材９を嵌合させるものであるが、こ
のＵクリツプ部材９の上辺部（Ｕターン部）９ａ
が前記枠材１の側縁１０から突出することにな
る。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のように、使用状態に於いて併用されるパ
ネル結合用クリツプ７のＵクリツプ部材上辺部
（Ｕターン部）９ａが前記枠材１の側縁１０から
突出していると、このコンクリート型枠パネルの
背部に各パネルを一体化するために当て付けられ
るバタ材を、前記クリツプの枠材から突出する部
分に乗り上げない位置に配置しなければならな
い。一方、前記バタ材の配置位置は前記パネルの
合板に現場で開けられたセパレーター貫通孔の位
置によつて決まるので、このセパレーター貫通孔
の穿孔作業時にバタ材が前記パネル結合用クリツ
プに干渉しない穿孔位置を求めなければならず、
実際には殆どこのような配慮はなされないので、
バタ材が前記クリツプ上に乗り上げてコンクリー
ト型枠の組立が出来なくなる場合が多分にあつ
た。このような場合には、セパレーターの取り付
け位置を変えてバタ材の位置を変えなければなら
ず、労力と時間の大きなロスとなつていた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記のような問題点を解決するために
成されたものであつて、その特徴は、一側辺にコ
ンクリート型枠板取り付け部を備えると共に、長
さ方向適当間隔置きにパネル結合用クリツプのピ
ン孔を設けたコンクリート型枠パネル用枠材に於
いて、前記ピン孔に対して一定距離を隔てた枠材
他側辺位置に、前記パネル結合用クリツプの上辺
部が遊嵌する凹入部を設けた点にある。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

第１図は本考案の枠材１１を示し、枠材本体１
２の一側辺から断面Ｌ形に連設された型枠板取り
付け部１３、この型枠板取り付け部１３に適当間
隔置きに設けられたボルト孔１４、前記枠材本体
１２に適当間隔置きに設けられたパネル結合用ピ
ン孔１５、及びこの各ピン孔１５に対して一定距
離を隔てた箇所に於いて前記枠材本体１２の他側
辺に設けられた凹入部１６を備えている。各ピン
孔１５と凹入部１６との間の距離は、前記パネル
結合用クリツプ７のピン８とＵクリツプ部材９の
上辺部（Ｕターン部）９ａとの間の距離に等し
い。

上記のように構成された枠材１１は、第３図に
示すように合板３の側辺に、この合板３と前記ボ
ルト孔１４とを貫通する皿頭ボルト１７とナツト
１８とを利用して固着し、第２図に示すような棧
木６（又は前記枠材１１と同様の金属製枠材）を
併用してコンクリート型枠パネルを構成すること
が出来る。そして、このコンクリート型枠パネル
を隣接するものどうしパネル結合用クリツプ７に
より結合する場合、第３図及び第４図に示すよう
に当該クリツプ７のピン８を隣接する二つの枠材
１１の互いに合致するピン孔１５に挿通した状態
で当該ピン８を中心にＵクリツプ部材９を回転さ
せ、当該Ｕクリツプ部材９を互いに隣接する二つ
の枠材本体１２に嵌合させるのであるが、このと
きＵクリツプ部材９の上辺部（Ｕターン部）９ａ
が両枠材本体１２の互いに並列する凹入部１６内
に嵌合することになり、枠材本体１２の側縁１９
からＵクリツプ部材９が突出しない状態となる。

尚、前記枠材本体１２は厚さ一定の帯状板に構
成しても良いが、第１図及び第３図に示すように
両側辺に外側に張り出す補強用肉厚部２０ａ，２
０ｂを一体成形することにより、使用材料を節減
しながら充分な強度を得ることが出来る。この場
合、図示のように肉厚部２０ａを凹入部１６より
も内側に位置するように構成すれば、凹入部１６
を設けた位置で曲げ強度が著しく低下するのを防
止し得る。

又、第５図に示すように両肉厚部２０ａ，２０
ｂ間の板状部分２１よりも凹入部１６を形成する
板状部分２２を外側に変位させても良い。第６図
は、型枠板取り付け部１３に合板３の側縁に当接
する立ち下がり壁部２３を連設した例を示してお
り、第７図は、合板３の側縁を嵌合させる溝２４
を備えた型枠板取り付け部２５を備えた枠材２６
を示している。このように型枠板取り付け部は如
何なる構造のものであつても良い。

前記凹入部１６は、図示のように一つのピン孔
１５に対して前後等距離の位置に夫々設けて、ク
リツプ７を前後何れ側に回転させても凹入部１６
にＵクリツプ部材上辺部９ａを嵌合させることが
出来るように構成することが出来る。この場合、
一つの凹入部１６が前後二つのピン孔１５の中間
中央位置に位置するように構成すれば、凹入部１
６の個数を減らすことが出来る。又、前後二つの
ピン孔１５の中間に二つの凹入部１６が互いに隣
接するように設けられるような場合には、当該二
つの凹入部１６を連続させて一つの長い凹入部と
することも出来る。

（考案の作用及び効果） 以上のように実施し得る本考案のコンクリート
型枠パネル用枠材は、この枠材を使用して構成し
たコンクリート型枠パネルを前記枠材のピン孔と
パネル結合用クリツプとを利用して隣接するもの
どうし互いに結合した場合、当該クリツプのＵク
リツプ部材上辺部（Ｕターン部）が枠材側縁から
突出しない。

従つて前記パネルの如何なる位置にもバタ材を
当て付けることが出来る。換言すれば、パネルに
セパレーター貫通孔を穿孔する場合にその穿孔位
置が特定されないので、穿孔作業を能率良く行う
ことが出来る。しかもコンクリート型枠を組み立
てた場合、セパレーターの取り付け位置を変更し
てバタ材の位置を前記クリツプに乗り上げない位
置に変位させるような作業が全く不要となり、枠
材組立作業を極めて能率良く行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案枠材の斜視図、第２図は従来の
枠材を使用して構成したコンクリート型枠パネル
の斜視図、第３図は本考案枠材を使用して構成し
たコンクリート型枠パネルの連結構造を示す縦断
面図、第４図は同側面図、第５図乃至第７図は
夫々変形例を示す縦断面図である。 １……従来の枠材、３……合板、７……パネル
結合用クリツプ、８……ピン、９……Ｕクリツプ
部材、９ａ……上辺部（Ｕターン部）、１１，２
６……本考案枠材、１２……枠材本体、１３，２
５……型枠板取り付け部、１４……ボルト孔、１
５……ピン孔、１６……凹入部、１７……皿頭ボ
ルト、１９……枠材側縁、２０ａ，２０ｂ……肉
厚部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一側辺にコンクリート型枠板取り付け部を備え
   ると共に、長さ方向適当間隔置きにパネル結合用
   クリツプのピン孔を設けたコンクリート型枠パネ
   ル用枠材であつて、他側辺に、前記ピン孔に対し
   て一定距離を隔てた位置に於いて、前記パネル結
   合用クリツプの上辺部が遊嵌する凹入部を設けて
   成るコンクリート型枠パネル用枠材。