JPH0134941Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車のフロントワイパーを収納す
るためにボンネツトの後部に形成された凹部とこ
れに連通するフエンダー内部の隙間によつて高速
走行時に生じる風切音を防止する風切音防止構造
に関する。

〈従来の技術〉 フロントワイパーを収納するためにボンネツト
の後部つまり、ボンネツトとフロントガラス下端
との間に凹部が形成された自動車が製造されてい
るが、この凹部は一般にフエンダー内部の隙間と
連通構造となつている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 したがつて、この種の自動車が高速走行を行な
うと、ボンネツトからフロントガラス表面にかけ
て高速の空気流が形成され、この空気流により上
記の凹部に負圧が生じフエンダー内部の隙間から
凹部の両端部に空気が流入し、この流入空気が振
動する等の理由によつて笛のような風切音を発生
する問題があつた。

このために従来では、ボンネツト後部における
凹部の両端部にスポンジゴムを嵌め込みこの部分
を気密状態にシールすることが検討されたが、ス
ポンジゴムでは雨水等を吸収しやすく車体パネル
を腐食させる恐れがあり、表面外観が悪い等の問
題があつた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記の問題点を解決するために以下
のように構成される。

すなわち、本考案は、自動車のボンネツト後部
に設けられたフロントワイパー収納用凹部とこの
凹部に連通するフエンダー内隙間とから生ずる風
切音の防止構造であつて、フエンダーパネル、フ
ロントピラー、フロントガラス、及びボンネツト
パネルで囲まれたワイパー収納用凹部の両側端部
にブロー成形された合成樹脂製で略三角すい形状
のシール部材を嵌め込んで構成される。

このように、ブロー成形された合成樹脂製のシ
ール部材をワイパー収納用凹部の両側端に嵌め込
むことにより、この凹部とフエンダー内隙間との
間が閉鎖され、高速走行時の風切音は防止され
る。また、シール部材はブロー成形された合成樹
脂製であるため、雨水等を吸収することはなく、
また嵌挿時の密着性は良好で、スポンジゴムに比
べ良好な表面外観を形成できる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は自動車のボンネツト後部に形成された
フロントワイパー収納用凹部１の右端を斜上方よ
り見た斜視図を示している。２はフロントガラ
ス、３はボンネツトパネル、４はフエンダーパネ
ル、５は向つて右側のフロントピラーで、ボンネ
ツトパネル３の後部とフロントガラス２の下部と
の間にはフロントワイパー６を収納するためのフ
ロントワイパー収納用凹部１が形成される。７は
このフロントワイパー収納用凹部１の右側端部に
嵌入されるシール部材で、第２図、第３図に示す
ように、フエンダーパネル４の後部上端、フロン
トピラー５の上部、フロントガラス２の右側下
部、ボンネツトパネル３の右側後端部によつて囲
まれる空間に嵌め込まれる。このシール部材７は
合成樹脂のブロー成形により所定の略三角すい形
状に成形され、ブロー成形特有の弾性を具え、押
圧された時の弾性を利用してフエンダーパネル４
の後部上端、フロントピラー５の下部、フロント
ガラス２の下部に密着するように、フロントワイ
パー収納用凹部１の右側端部に押し込められ、こ
のシール部材７はこの箇所の充填シール部材とな
つて、フエンダー内部に通ずる隙間を閉鎖する。
一方、フロントワイパー収納用凹部１の左側端部
にも上記シール部材７と対称形状をもつ同様のシ
ール部材が嵌め込まれ、同様にその箇所における
フエンダー内部に通ずる隙間を閉鎖する。したが
つて、自動車の高速走行時にフエンダー内隙間か
ら吸引される空気流が遮断され、風切音の発生は
防止される。また、合成樹脂のブロー成形により
成形されたシール部材７はフロントワイパー収納
用凹部１に嵌入された状態で、その上面７ａと傾
斜面７ｂが外観上露出するが、スポンジゴムに比
べ表面外観は良く、着色も自由に行なうことがで
きる。また、スポンジゴムに比べブロー成形のシ
ール材は製造が容易で重量も軽く、安価に製造で
き、さらに雨水等を吸水しないためパネルの腐食
の問題は生じない。

〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案の風切音防止構造
によれば、フエンダーパネル、フロントピラー、
フロントガラス、及びボンネツトパネルで囲まれ
たフロントワイパー収納用凹部の両側端部にブロ
ー成形された合成樹脂製で略三角すい形状のシー
ル部材を嵌め込み、この凹部と連通するフエンダ
ー内隙間をシール部材により閉鎖するため、自動
車の高速走行時、フエンダー内隙間から凹部に吸
引される空気流によつて生ずる笛のような風切音
を防止することができる。また、シール部材がブ
ロー成形された合成樹脂製であるため、押圧に対
し適度な弾性があつて嵌挿時の密着シール性が良
く、スポンジゴムに比べ、雨水等を吸水すること
もなく、表面外観を良好に仕上げることができ、
製造も容易で重量も軽く、安価に製造することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は自動車の
ボンネツト後部の右側を上方から見た斜視図、第
２図は斜後方より見たシール部材の斜視図、第３
図は斜前方より見たシール部材の斜視図である。 １……フロントワイパー収納用凹部、２……フ
ロントガラス、３……ボンネツトパネル、４……
フエンダーパネル、５……フロントピラー、７…
…シール部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のボンネツト後部に設けられたフロント
   ワイパー収納用凹部と当該凹部に連通するフエン
   ダー内隙間とから生ずる風切音の防止構造であつ
   て、フエンダーパネル、フロントピラー、フロン
   トガラス、及びボンネツトパネルで囲まれた前記
   フロントワイパー収納用凹部の両側端部に、ブロ
   ー成形された合成樹脂製で略三角すい形状のシー
   ル部材を嵌込んだことを特徴とする自動車の風切
   音防止構造。