JPS5848895Y2 - 自動車用ウエザストリツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車、特にサツシュレス構造のドアガラスを
有する自動車の車体側面開口部前縁に装着されて、該前
縁とドアガラス間をシールする自動車用ウェザストリッ
プに関するもので、主として高速走行時における風切り
音の発生を防止することを目的とするものである。

一般に第１図に示す如き・・−トドツブ型自動車など、
サツシュレス構造のドアガラスを有する自動車において
、車体の側面開口部１とドアガラス２との間をシールす
るウェザストリップは、ゴム會たは合成樹脂等の弾性材
により構成されて中空断面を有し、車体側面開口部にビ
ス等により固着されたリテーナにその基部を保持され、
そのシール壁をドアガラスに対向せしめて取付けられて
いる。

第２図は車体側面開口部の前縁部分を示すもので、閉断
面をなすフロントピラー４のフロントピラーインナ４１
に固着されたリテーナ５には、中空断面に形成したウェ
ザストリップ３′の基稲込１が保持され、シール壁３２
とドアガラス２の端縁が対向しており、ドアガラス２が
閉められてその端縁が上記シール壁３２に押し付けられ
ると、シール壁３２はドアガラス２の端縁を包むように
湾曲し、シール性が保持される。

なお図において２０はフロントウィンドガラスである。

ところでウェザストリップ３′の外側壁３３と、これと
対向するモールディング７の取付端部トの間には間隙溝
８が形成されており、自動車の走行時において車体側面
に沿う矢印Ｆの空気流により溝８内の空気が吸い出され
、また溝８の開口に渦流Ｗが発生し、これによる吸出し
音や濁音が風切り音の要因となっている。

そこで本考案はウェザストリップ、特に車体側面開口の
前縁に装着するウェザストリップの外面に容易に変形し
得る薄肉突出部を形成して間隙溝をへだてて対向するモ
ールディング等の車体部材に常時圧接せしめるようにな
し、よって上記間隙溝を密閉することにより、風切り音
の防止をはかったものである。

以下、本考案の実施例を図面により説明する。

第３図に示す第１の実施例において、合成樹脂製の長尺
状のウェザストリップ３ａは、基部３１、内側壁３４、
シール壁３２、外側壁３３よりなり、これ等の間には長
手方向に中空部３５が形成されている。

基部３１および内側壁３４は他の部分に比べて厚肉とし
てあり、内側壁３４には更に中空部３６，３７が形成さ
れている。

上記外側壁３３の外面には、シール壁３２寄りの位置に
舌片状の突出部３８ａが一体に形成しである。

この突出部３８ａは外側壁３３に対して傾斜して基部３
１方向に伸びており、その基端部は外側壁３３と同程度
の肉厚であり、先端部はこれよりも薄肉としである。

第４図に示す第２の実施例では、突出部３８ｂは外側壁
３３の外面の基部３１寄りの位置から、シール壁３２方
向へ伸びている。

他の構造は第１の実施例と実質的に同一である。

第５図に示す第３の実施例では、外側壁３３の外面に、
外側壁３３よりも薄肉の突出部３８ｃが一体に形成され
ている。

この突出部３８ｃは外側壁３３より半円弧状に膨出して
外側壁３３に対して湾曲傾斜面を形成している。

第６図および第７図は、第１の実施例のウェザストリッ
プ３ａの車体側面開口部の前縁を構成するフロントピラ
ーへの装着状態を示すもので、第６図はドア渣たはウィ
ンドガラスが開かれているときの状態、第７図はドアお
よびドアガラスが閉じられているときの状態である。

第６図に示すように、フロントピラーインナ４１および
フロントピラーアウタ４２により閉断面を構成スるフロ
ントピラー４のフロントピラーインナ４１には、リテー
ナ５がビス締めされ、このリテーナ５にはウェザストリ
ップ３ａの基部３１が嵌め込み固定されている。

フロントピラーインナおよびアウタ４１，４２の外側接
合部には、フロントピラーインナ側にモールディング７
の一端がビス締めされ、オたその他端は、フロントピラ
ーアウタ４２に接着剤６により固着されたフロントウィ
ンドガラス２０に当接されて固定され、フロントピラー
４およびフロントウィンドガラス２０の周縁部を覆って
いる。

ウェザストリップ３ａのシール壁３２はドアガラス２の
前縁に対向し、外側壁３３はフロントヒラ−４の外側接
合部に取付けたモールディング７の端部と間隔をおいて
対向し、両者間には間隙溝８が形成されている。

外側壁３３からは舌片状突出部３８ａが傾斜方向へ伸び
出し、その外側面がモールディング７に圧接し、これに
よって間隙溝８の開口部は密閉されている。

ドアを閉じ、ドアガラス２を上昇せしめると、ウェザス
トリップ３ａのシール壁３２はドアガラス２の前縁によ
り中空部３５方向へ押し込まれてドアガラス前縁を包む
ように変形し、良好なシール性を発揮する。

また、この変形に伴なって突出部３８ａの先端部は外方
に向って押し出され、その先端部外側面はモールディン
グ７に更に強く圧接される。

このようにウェザストリップ３ａの突出部３８ａがモー
ルディング７の内面に圧接されることにより間隙溝８の
開口が密閉されて空気の吸出しや渦流の発生が防止され
、よって高速走行時の風切り音が防止されるのである。

実験結果によれば、１１００Ｋ／ｈでの車内騒音を、第
２図に示す従来のウェザストリップの場合よりも３〜５
ｄＢ低減させることができた。

曾た、本考案のウェザストリップにより、雨水、洗車水
等の侵入を防止することができるとともに、突出部３８
ａによって、モールディング７を取付けているビスおよ
びリテーナ５等が隠蔽されて、外観をよくすることがで
きる。

第２の実施例のウェザストリップ３ｂも、上記実施例と
同様の作用効果を奏する。

この実施例の場合は、突出部３８ｂがドアガラスの開閉
によって変形することの少ない基部３１寄りに設けられ
ているので、ドアガラスの開閉に関係なくほぼ一定の圧
力で車体部材と当接している。

また、取付状態において、突出部３８ｂが雨水等の侵入
する方向に向って設けられているので、雨水等の侵入防
止をより確実に達成することができる。

第３の実施例のウェザストリップ３ｃは、半円弧状に膨
出した薄肉の突出部３８ｃがこれと対向するモールディ
ング７に常に当接し、上記各実施例と同様の作用効果を
奏する。

車体側面開口にウェザストリップを装着した場合、開口
の前縁に沿ってこれと対向するウェザストリップとの間
に間隙溝があると間隙溝での吸出し音や濁音による風切
り音が生じやすい。

そこで本考案は開口の前縁に装着するウェザストＩ）ツ
ブの外面に薄肉の突出部を形成し、間隙溝をへだててウ
ェザストリップと対向する開口前縁の車体部材に常時圧
接するようになしたもので、薄肉の突出部は容易に屈曲
して、ドアガラスが押し当てられることによるウェザス
トリップの変形にかかわらず車体部材との圧接状態を維
持する。

従って、ウェザストリップの外側面と、これと対向する
車体部材との間の間隙溝は常に突出部により密閉されて
いるので、車両走行時において吸出し音や濁音に起因す
る風切り音の発生が防止される。

また上記間隙溝から車体内に雨水、洗車水などが侵入す
るのも防止され、かつ上記間隙溝内部は突出部により隠
蔽されるので、車両の外観向上にも貢献する。

【図面の簡単な説明】

第１図はサツシュレス構造のドアガラスを有するー゛−
トドツブ型型動動車側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線
に沿う従来のウェザストリップの取付構造断面図、第３
図ないし第５図はそれぞれ本考案によるウェザストリッ
プの実施例の断面図、第６図および第７図は第１図のＡ
−Ａ線に沿う本考案のウェザストリップの取付構造断面
図で、第６図はドアガラスの開時、第７図はドアガラス
の閉時の状態を示す。 １・・・・・・車体側面開口部、２・・・・・・ドアガ
ラス、３′・・・・・・従来のウェザストリップ、３ａ
、３ｂ、３ｅ・・・・・・本考案のウェザストリップ、
３３・・・・・・ウェザストリップの外側壁、３８ａ
、３８ｂ 、３８ｃ・・・・・・突出部、４・・・・・
・フロントピラー、８・・・・・・ウェザストリップと
車体部材との間隙溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の側面開口部前縁に装着して、サツシュレス構造の
   ドアガラスと上記前縁とをシールする自動車用ウェザス
   トリップであって、ゴムまたは合成樹脂等の弾性材によ
   り中空断面に構成し、上記前縁の車体部材と間隙溝をへ
   だてて対向する外側壁の外面には、これと一体に該外面
   に対して傾斜方向に突出し上記車体部材に常時当接して
   上記間隙溝の開口を密閉する薄肉の突出部を形成したこ
   とを特徴とする自動車用ウェザストリップ。