JPH01304886A - Dnaの精製方法 - Google Patents

Dnaの精製方法

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JPH01304886A
JPH01304886A JP13531488A JP13531488A JPH01304886A JP H01304886 A JPH01304886 A JP H01304886A JP 13531488 A JP13531488 A JP 13531488A JP 13531488 A JP13531488 A JP 13531488A JP H01304886 A JPH01304886 A JP H01304886A
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JP
Japan
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dna
adsorbent
water
soluble polymer
solution
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Application number
JP13531488A
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English (en)
Inventor
Tadashi Kikyoya
正 桔梗谷
Tatsuo Yamamoto
達夫 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、 DNAの精製方法に関し、さらに詳しくは
、 DNA 、 RNA 、  タンパク、多糖類、脂
質などの各種菌体成分を含む菌体溶菌液から、プラスミ
ドDNA 、  ファージDNAなどのDNAを高純度
で単離・精製する方法に関する。
(従来の技術) バイオテクノロジーの発展に伴い、遺伝子DNAの単離
、精製および塩基配列決定が頻繁に行われている。しか
し、各種技術の進歩にもかかわらず。
その操作は繁雑な手作業を必要とし、長時間と多大の労
力とを要する。そのため、このような作業は基礎および
応用開発において、研究者にとって大きな負担となって
いる。バイオテクノロジーの特に応用技術の展開のため
には、これらの作業を短時間で完了できるような技術が
望まれる。特に。
DNAの配列分析、 DNAの構築、構築されたDNA
配列に所望の遺伝子が正しく入っているかのチエ’7り
などを行う目的のためには、これに使用するための所望
のDNAを短時間で単離し、精製することが必要である
。各種研究のためには、特に菌体からDNA (特に、
プラスミド、ファージなどのDNA)を迅速に分離して
精製することが望まれる。
菌体からDNAを比較的迅速に単離・精製する方法とし
ては、ボイリング法、アルカリ法、クリャ−ドライゼー
ト法などが採用されている。これらのうち、アルカリ法
でDNAを単離するにはまず。
菌体をアルカリと界面活性剤(SDS、  )リドンX
−100など)とで溶菌させ、溶菌後に該アルカリを中
和する。クリヤードライゼート法では、アルカリの代わ
りにリゾチームが用いられる。このような操作により菌
体に含まれるタンパクなどが溶解すると同時にDNA 
 (宿主DNA、プラスミドDNA、ファージDNAな
ど)が変性され、2本鎖DNA(ds DNA)から−
本tiDNA(ss DNA) となる。次いで、これ
をpH5程度の酸性条件にすると、溶解していたタンパ
クなどが析出すると同時にss DNAがもとのds 
DNAに戻ろうとする。しかし9分子量の大きな宿主D
NAは容易に戻ることが出来ず、 ss DNAの状態
のまま残存し、タンパクなどが析出される際に共沈する
(凝集沈澱)。他方1分子量が比較的小さいうえに2本
鎖がよじれあった状態で安定に存在するプラスミドDN
Aでは、この中和処理により直ちにもとの2本鎖DNA
に戻ることができ、析出することはない。従って、この
中和後の溶菌液を遠心分離すると、大部分の宿主DNA
は沈澱として除去され。
プラスミドDNA 、ファージDNAなどを含有する溶
液が得られる。同様に、上記ボイリング法では。
アルカリ処理工程の代わりに加熱工程が設けられ。
加熱によりDNAおよびタンパクは変性を受ける。
DNAは、上記アルカリ法の場合と同様にss DNA
となり、その後、徐冷によりds DNAに戻るが、こ
のとき、アルカリ法の場合と同様に分子量の差により宿
主DNAとプラスミドDNAとに分離される。
このようにして宿主DNAの大部分が除去され。
主として目的とするプラスミドDNAやファージDNA
を含む溶液が得られるが、該溶液中には、さらに。
RNA 、各種タンパク、多糖類・宿主DNAの一部お
よびその断片などが混入している。例えば、プラスミド
口N^を単離して配列決定を行う際には、特にRNAに
よる妨害が大きいため9通常、このRNAはリボヌクレ
アーゼ処理により低分子化され、ポリエチレングリコー
ル沈澱により除去される。しかし、リボヌクレアーゼは
安定性が高いため、使用後に完全に除去することが難し
い。リボヌクレアーゼは高活性であるため、場合によっ
てはその後の反応に使用される必要なRNAが分解され
るという欠点がある。さらにこのような方法は、上記の
ように、いずれも遠心操作やピペッティング操作などの
多数の複雑な手作業による操作工程を必要とするため、
自動化がなされにくい、そして。
これらの操作は手作業であるためDNへの回収率や純度
などにもバラツキが生じ、技術差による個人間の格差も
大きい。
リボヌクレアーゼを用いず、菌体や細胞からDNAを1
段階で単離・精製する方法として、ヒドロキシアパタイ
トカラムを使用する方法が提案されている。(j、A、
Be1andら、 J、Chroaatography
+ 174+177−186(1979) )。この方
法によれば、まず、菌体をあらかじめ溶菌し、これに、
尿素8M(8モル/2)リン酸緩衝液(リン酸0.24
M)、  ドデシル硫酸ナトリウム(SDS;  0.
1%)およびエチレンジアミン四酢酸(HDT^;10
+sM)を含む緩衝液を加える。
これを、上記と同様の緩衝液であらかじめ処理したヒド
ロキシアバ多イトカラムに通液すると、溶菌液中のDN
Aのみが選択的にヒドロキシアパタイト(吸着剤)に吸
着される。上記吸着条件下においてはds DNAのみ
が吸着され、 ss DNAなどは吸着されない(リン
酸塩濃度が0.15M以下であれば。
ある程度は吸着される)。尿素濃度が8Mと高いた、め
、非特異的なタンパクの吸着もほとんど起こらない。d
s DNAを吸着したヒドロキシアパタイトカラムに2
次に+ 105Mリン酸緩衝液を流して上記吸着に用い
た緩衝液中の尿素、 SO5などを除去する。
さらに0.3Mリン酸緩衝液を通液することにより吸着
したds DNAを溶離させ、これを回収する。
しかし、上記ヒドロキシアパタイトカラムを使用する方
法においても、目的とするプラスミドDNA。
ファージDNAなどのDNAに加えて宿主(ホスト)菌
体または細胞由来のds DNAの混入が避けられない
。これは、宿主由来のDNAの分子量が大きいため、た
とえ1本鎖であってもヒドロキシアパタイトとの親和性
を有するためである。この宿主由来のDNAを除去する
には、上記アルカリ法、クリヤードライゼート法または
ボイリング法における遠心分離後の上清をカラムにかけ
る方法が有効である。しかし、このような前処理を行・
うと操作工程が増すため、自動化が困難となる。さらに
アルカリ法を用いた場合には、宿主DNへの一部が切断
されて低分子化し、これらが混入するという欠点もある
さらに上記ヒドロキシアパタイトカラムを使用する方法
には別の欠点もある。つまり、この方法で回収されたd
s DNAは、上記0.3Mリン酸緩衝液の溶液として
得られるため、そのまま使用することができない。なぜ
なら、リン酸塩はエタノールなどのアルコールに対する
溶解度が低いため1次工程においてエタノール沈澱によ
りds DNAを回収しようとするとds DNAと同
時にリン酸塩が多量に析出し、この析出したリン酸塩を
除去することが困難であるからである。そのため、透析
などの方法によりリン酸塩を除去する必要がある。この
ように、透析という煩雑な操作を必要とし、そのためd
s DNAの回収率が悪いという欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の課題を解決するものであり。
その目的とするところは、菌体溶菌液からプラスミドD
NA 、ファージDNAなどのON八を、短時間のうち
に高純度で、かつ煩雑な操作を必要とすることなく、単
離・精製する方法を提供することにある。本発明の他の
目的は、上記菌体溶液に含有される宿主菌体または細胞
由来のDNA (宿主DNA)やRNAを効果的に除去
し、J:記プラスミドDNAやファージDNAを自動的
に単離・精製し得る方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 発明者らは上記Be1andらのヒドロキシアパタイト
カラムを使用する方法において1例えば、クリヤーライ
ゼート法による溶菌液を遠心分離することなくそのまま
カラムにかければ、操作工程が簡略化され得ると考えた
。しかし、宿主DNAが遠心分離によって系内から除去
されていないため、これらの一部がヒドロキシアパタイ
トに吸着する。
そのためこれら宿主DNAが混入し、高純度のプラスミ
ド(ファージ)  DNAは得られなかった。
発明者らはさらに、プラスミドDNA 、  ファージ
DNAなどのDNAを、宿主DNAが混入することな(
単離・精製する方法を検討した。その結果、吸着クロマ
トグラフィーを用いた単離・精製方法において水溶性ポ
リマーを存在させることが効果的であることを見い出し
1本発明を完成するに至った。
本発明のDNAの精製方法は、溶菌菌体と分子量i 、
 ooo〜500 、000の水溶性ポリマーとを、水
溶性ポリマーの終濃度が0.01〜20重量%となるよ
うに含む水溶性ポリマー含有溶菌液を調製する工程;該
溶菌液を吸着剤と接触させて、該溶菌液中のDNAを該
吸着剤に吸着・担持させる工程;および該DNAを吸着
・担持する吸着剤に該吸着剤と強い相互作用を有する溶
離液を接触させて、該DNAを溶出させる工程を包含し
、そのことにより上記目的が達成される。
本発明に用いられる水溶性ポリマーとしては。
電荷を持たない中性の水溶性ポリマーが好ましく。
このような水溶性ポリマーとしては、デキストラン、ポ
リエチレングリコール、フィコール、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドンなどが用いられる。これら
の水溶性ポリマーの分子量はt 、 ooo 〜500
 、000が好ましく、特ニ3,000−100,00
0の分子量のポリマーが好適に用いられる。水溶性ポリ
マーの分子量が、 500,000を越えると溶液の粘
度が高くなるため取り扱いが困難になり、また。
分子量が1,000未満では本発明の効果を奏さない。
水溶性ポリマーは、終濃度が0.01〜20重世%、好
ましくは1〜10重量%となるように溶菌液に添加され
る。なお、終濃度とは、吸着剤と接触される直前の水溶
性ポリマー含有溶菌液の中の水溶性ポリマーの濃度を意
味する。菌体を含む液に水溶性ポリマーを添加し、これ
を溶菌させてもよい。水溶性ポリマーの終濃度が高すぎ
ると溶液の粘度が高くなるため取り扱いが困難になり、
また、 o、oi重量%未満の終濃度では本発明の効果
を奏さない。
本発明に用いられる吸着剤としては1例えば。
ds DNAのみを選択的に吸着しうるヒドロキシアパ
タイト、逆相系吸着剤、またはイオン交換体が用いられ
る。特にヒドロキシアパタイトを用いると。
宿主DNAに加えてRNAが効果的に除去される。上記
吸着剤のうち逆相系吸着剤としては、 C−18,C−
8゜C−3系などの疎水性相互作用による吸着能を有す
る吸着剤が挙げられる。イオン交換体としては。
−級アミン系、二級アミン系(例えば、アミノエチル基
を側鎖に有するイオン交換体)、三級アミン系(例えば
、ジエチルアミノエチル基を側鎖に有するイオン交換体
)、および四級アミン系のカチオン交換体が好ましい。
溶離液は、使用する吸着剤の種類により異なるが1例え
ば吸着剤としてヒドロキシアパタイトを用いる場合には
、該吸着剤を構成する成分(アニオンおよびカチオン)
の少な(とも一方、好ましくは両方と強い相互作用を有
する溶媒、ことに。
難溶性の塩を形成しうる塩溶液が使用され得る。
そのような塩溶液のなかでは、解離定数が小さいアニオ
ンとカチオンとの組合せでなる塩の溶液であり、かつD
NAなどの核酸との親和性が高いものが好適である。さ
らに水やアルコール系溶媒に可溶であり、エタノール沈
澱により析出することのない塩が選択される。例えば、
使用される塩のアニオン成分としては炭酸;および蟻酸
、酢酸、プロピオン酸などの有機酸が好適である。カチ
オン成分としては、アンモニア;ジエチルアミン、トリ
エチルアミンなどのアルキルアミン類;エタノールアミ
ン、プロパツールアミンなどのアルカノールアミン類;
およびピリジン、アニソノなどの芳香族アミン類が好適
である。このような成分でなる塩を含む溶離液としては
、特にトリエチルアミン炭酸緩衝液が好適である。トリ
エチルアミン炭酸緩衝液は揮発性であるため、  DN
Aを含む溶出液の溶媒を留去したり凍結乾燥することに
よりDNAのみを高純度で回収することが可能となる。
上記溶離液の濃度は2例えば、トリエチルアミン炭酸緩
衝液を使用する場合には、該緩衝液の濃度は10III
M以上、好ましくは50mM〜2M、 さらに好ましく
は100mM〜1Mの範囲である。このように、 50
mM以下の低濃度であってもDNAを溶出することが可
能である。
逆相系吸着剤またはイオン交換体を用いる場合には、溶
離液は特に限定されず、それぞれDNAを吸着させ、そ
して溶出させ得る2通常の逆相クロマトグラフィーまた
はイオン交換クロマトグラフィーに使用される溶離液が
用いられる。これらの溶離液の種類、濃度、 pnなと
の条件は、 DNAの吸着および溶出について最適であ
るように、前もって調べておくことが望ましい。
本発明方法によりプラスミドDNA 、 ファージDN
AなどのDNAの精製を行うには、まずアルカリ法。
ボイリング法などの常法により調製した溶菌液に。
水溶性ポリマーを添加する。溶菌前の菌体に水溶性ポリ
マーを添加しておき、これに溶菌剤を添加して水溶性ポ
リマー含有溶菌液を得ることもできる。このようにして
得られた水溶性ポリマーを含む溶菌液中には、所望のプ
ラスミドDNAやファージDNAの他、宿主DNA由来
のss DNA、 RNA 、タンパク、多糖類、脂質
などが含まれる。次いで、この溶菌液を、吸着剤9例え
ばヒドロキシアパタイトと接触させる。ヒドロキシアパ
タイトを充填したカラムなどが好適に利用され1例えば
、 0.05M〜0.25Mのリン酸緩衝液を溶離液と
して通液することにより、溶菌液中のds DNAが選
択的に吸着される。溶菌液中のss DNA、  RN
A、蛋白質、多糖類。
脂質などは吸着されない。次に、 ds DNAを吸着
・担持する吸着剤に、前記溶離液を接触させる。例えば
、 ds DNAを吸着・担持するヒドロキシアパタイ
トにトリエチルアミン炭酸緩衝液を接触させると、炭酸
イオンがヒドロキシアパタイトのカルシ   ″ラムと
結合して難溶性の炭酸カルシウムを生成し。
ds DNAはヒドロキシアパタイトから脱着する。例
えば、ヒドロキシアパタイトカラムのベツド容量の2倍
量のトリエチルアミン炭酸緩衝液を通液することにより
、吸着されているds DNAのほぼ全量を回収するこ
とができる。このようにして回収される溶出液を通常の
エタノール沈澱処理に付すことにより精製ds DNA
が得られる。溶出液中のトリエチルアミン炭酸塩はエタ
ノールに相溶するため。
ds DNAに混入してその純度を低下させることがな
い。エタノール沈澱処理の代わりに溶媒の減圧留去や凍
結乾燥を行うことによってもトリエチルアミン炭酸塩が
揮発・除去され(脱塩が達成され)で高純度のds D
NAが得られる。
本発明の方法においては、水溶性ポリマーが溶菌液中に
含有されるため、上記吸着剤を用いた処理により得られ
る目的とするプラスミドDNAやファージD N Aに
宿主DNAが混入することがない。その理由は明らかで
はないが1例えば9次の理由が考えられる:1)水溶性
ポリマーの添加により溶菌液の粘度が若干上昇し、その
結果カラム充填剤粒子間における該溶菌液の流れが良好
になり、 ds DNAの吸着時に宿主DNAが吸着さ
れずに通過する;2)水溶性ポリマーにより高い分子量
を有する宿主DNAが凝集し、これが強固に吸着剤に結
合し、溶離液により容易に溶出されない;および3)宿
主DNAと水溶性ポリマーとが結合することにより、吸
着剤との親和性の低い複合体を形成し、吸着剤に吸着さ
れない。
このように2本発明方法によりプラスミドDNAおよび
/またはファージDN^が、宿主DNAの混入を受ける
ことな(高純度で単離・精製される。
(実施例) 以下に本発明を実施例つき説明する。
実1瀾土 (PEG添加溶菌液からの、ヒドロキシアパタイトを用
いたプラスミドDNAの精製) (A)菌体の培養および溶菌ニブラスミドpUc18を
含有する大腸菌JM109株を5 mlのLB培地中で
1晩培養した。この培養液1゜5戚を5.00Orpm
にて5分間遠心分離し、菌体を沈澱させた。
得られた菌体を、2XTE緩衝液(20mM )リス・
塩酸−2mMエチレンジアミン四酢酸酢酸H8,0))
to。
g Qに懸濁させ、これに0.2M水酸化ナトリウム−
0,1%ドデシル硫酸ナトリウムを200 μ!加え。
室温で10分間放置し、菌体を完全に溶菌させた。
これに回収率の算出を目的として Jでインビトロ(i
n  vitro )標識されたプラスミドDNA (
’II−pUC18)を約0.1μCi (約5μl)
添加した。この溶菌液に、30%ポリエチレングリコー
ル(PEG)6000を60μ2添加し、約5%の濃度
とした。次いで。
この強アルカリ性溶液に3Mの酢酸カリウムを150μ
!加えて中和した。この操作により、溶液中のPEG終
濃度は3.5%となった。
(B)DNへの精製: (B)−1力ラム操作(吸着) (A)項で得られた溶菌菌体とPEGとを含む水溶液(
PEG含有溶菌液)を、1mlのヒドロキシアパタイト
(吸着剤)を充填したカラムに流速5d/時間でチャー
ジし、菌体成分を吸着させた。PEGの添加により溶液
の粘度が若干上昇したが、カラム操作に問題はなかった
(B)−2力ラム操作(洗浄1) 上記カラムに約20m2の8M尿素−0,24Mリン酸
緩衝液(pH7,0)を流速20In1/時間で1時間
、溶出液の260nmにおける吸光度(ODz、。)が
Oになるまで通液した。
(B)−3カラム操作(洗浄2) 次に、  TE緩衝液(10mM l−リス・塩酸−1
mMエチレンジアミン四酢酸酢酸H7,5))約10m
1を流速20d/時間の割合で30分間通液し、 (B
)−2項に記載された洗浄液の成分である尿素およびリ
ン酸緩衝液を洗い流した。
(B)−4カラム操作(溶離) このカラムに0.1Mトリエチルアミン炭酸緩衝液(p
H8,0)を流速5ml/時間で流した。カラムの出口
に紫外線吸収モニター(UVモニター)を接続して26
0nmの吸光度をモニターしたところ、第1図に曲線で
示す結果が得られた。第1図から溶離液の通液開始後0
.2〜1.2mlの範囲で大部分のプラスミドDNAが
溶出されているのがわかる。カラムからの溶出液の各フ
ラクションの放射活性を液体シンチレーションカウンタ
ーで測定し、各フラクションに含まれる3H標識化プラ
スミドの回収率を調べた。その結果を第1図に棒グラフ
で示す。
第1図から、はぼ95%以上のプラスミドpUC18が
回収されていることがわかる。
(B)−5DNAの単離および純度の評価得られた溶出
液的1 mlに3M酢酸ナトリウムを0.1 d加えて
エタノール沈澱を行った。プラスミドDNA (pUc
18)が4μg回収された。このプラスミド0.2μg
を電気泳動にかけ、核酸染色し、その後バンドをデンシ
トメーターにて読み取ったところ、第2図1に示す泳動
パターンが得られた。第2図において、■は宿主DNA
 、■はoc DN^(ニック(切れ目)の入ったpH
c18プラスミドDN^)、■はccDNAにツクの入
らないpUc1BプラスミドDNA) 。
そして■はRNAを示す。得られた全核酸量(■+■+
■+■)に対する宿主DNA(■)、プラスミドDNA
 (■+■)、またはRNA (■)の割合を求め、収
量とあわせて純度(%)として表1に示す。表1から明
らかなように、プラスミドDNAは99.5%の純度で
得られ、宿主DNAはわずか0.5%であり。
かつRNAは全く検出されなかった。
ル較桝土 (水溶性ポリマー無添加溶菌液からの、ヒドロキシアパ
タイトを用いたプラスミドDNAの精製)PEGを添加
しないで、実施例1と同様の操作を行った。プラスミド
DNA puciaが3.9 μg回収された。このプ
ラスミドDNAの電気泳動パターンを第2図6に、そし
て純度を表1に示す。表1から明らかなように、水溶性
ポリマーが存在しないと宿主DNAの混入が15%と高
値であり、さらに精製を必要とした。
2施1 (口EX添加溶菌液からの、ヒドロキシアパタイトを用
いたプラスミドDNAの精製) 30%PEG 6000水溶液の代わりに10%デキス
トラン+1500 (ファルマシア製1分子量約450
.000 、以下DEXとする)水溶液を用いて、実施
例1と同様の操作を行った。(A)項の操作により溶液
中のDEX終濃度は1.2%となり、これをヒドロキシ
アパタイトカラムにチャージした。プラスミドDNA 
puciaが3.5μg回収された。このプラスミドD
NAの電気泳動パターンを第2図2に、そして純度を表
1に示す。表1から明らかであるように、プラスミドD
NAは純度98%で得られ、宿主DNAは2.0%であ
り、かつRNAは全く検出されなかった。
裏施糎主 (PVA添加溶菌液からの、ヒドロキシアパタイトを用
いたプラスミドDNAの精製) 30%PEG 6000水溶液の代わりに10%ポリビ
ニルアルコール(PVA、分子1100.000)水溶
液を用いて。
実施例1と同様の操作を行った。(^)項の操作により
溶液中のPVA終濃度は1.2%となり、これをヒドロ
キシアパタイトカラムにチャージした。プラスミドDN
A puciaが3.6μg回収された。このプラスミ
ドDNAの電気泳動パターンを第2図3に。
そして純度を表1に示す。表1から明らかであるように
、プラスミドDNAは純度98.5%で得られ。
宿主DN^は1.5%であり、かつRNAは全く検出さ
れなかった。
遺:JtLL (PEG添加溶菌液からの、 DE52を用いたプラス
ミドDNAの精製) 吸着剤としてヒドロキシアパタイトの代わりにイオン交
換セルロースであるDBS2 (ワットマン製)を用い
たこと、および(B)−4項におけるカラム溶離液とし
て0.1Mトリエチルアミン炭酸緩衝液(pH8,0)
の代わりにIM NaC1を用いたこと以外は、実施例
1と同様の操作を行った。プラスミドDNA p[Ic
18を含む核酸が13.7μg回収された。このプラス
ミドDNへの電気泳動パターンを第2図4に、そして純
度を表1に示す。表1から明らかであるように。
宿主DNAの混入は2.0%と低い値であったがRNA
の混入が68%と高値であったため、さらにRNase
処理を行って該RNAを除去した。この操作により。
RN^が混入していないプラスミドDNAが4.1μg
回収された。
1隻貫工 (PEG添加添加ラプラスミド溶液の、 5epPak
−C18を用いたプラスミドDNAの精製) 比較例1で得られた。宿主DNAの混入の多いプラスミ
ドDNAをTE緩衝液(10mM )リス・塩酸−1m
Mエチレンジアミン四酢酸酢酸H7,5))に溶解させ
て粗プラスミド溶液とし、この溶液に30%PEG 6
060を加えてPEGの終濃度を3%とした。この溶液
の200μ2をC−18逆相シリカゲル充填カラムであ
る5epPak−C18(Waters社製)にチャー
ジし、プラスミドDNAを吸着させた。次いで、上記と
同様のTE緩衝液を用いて十分にカラムを洗浄した後、
30%エタノールにてプラスミドDNAを溶出させた。
このエタノ−ル溶出液を回収し、エタノールを揮発除去
した後、エタノール沈澱によりプラスミドDNAを精製
した。
この操作によりプラスミドDNA pUc18が3.2
μg得られた。このプラスミドDNAの電気泳動パター
ンを第2図5に、そして純度を表1に示す。表1から明
らかであるように、プラスミドDNAは純度98%で得
られ、宿主DNAは2,0%であり、 PEGを用いた
この操作により、プラスミドDNAが比較例1よりも精
製されたことが示された。
上較拠I (冑分子量PVA添加溶菌液からの、ヒドロキシアパタ
イトを用いたプラスミドDNAの精製)分子量ioo、
oooのPνへの代わりに分子量600.000のPV
Aを用いて、実施例3と同様の操作を行った。
使用濃度は実施例3と同じであったが、高分子量のポリ
マーを用いると溶液の粘度が上昇し、カラム操作中にカ
ラム充填剤が目詰まりして圧力が上昇した。そのため、
カラム処理時間が長くかかり。
取り扱いが非常に難しかった。プラスミドDNA pu
cisの収量は1.8μgであり、実施例3に比べて約
半分の量しか回収されなかった。このプラスミドDNA
の電気泳動パターンを第2図7に、そして純度を表1に
示す。表1から明らかなように、高分子量の水溶性ポリ
マーを用いるとプラスミドDNAの収率がよくないうえ
、宿主DNAが8%混入していた。
ル較拠主 (高濃度PEG添加溶菌液からの、ヒドロキシアパタイ
トを用いたプラスミドDNAの精製)30%PIEG 
6000水溶液60μlを用いる代わりに。
50%PE66000水溶液450μ!を用いて実施例
1と同様の操作を行った。(八)項の操作により溶液中
のPEG終濃度は25%となり、これをヒドロキシアパ
タイトカラムにチャージした。高濃度のPEGを用いる
と、比較例2の場合と同様に溶液の粘度が上昇したため
、カラム処理時間が長くかかり、取り扱いが非常に難し
かった。プラスミドDNA pLlc18の収量は2.
1 μgであった。このプラスミドDNAの電気泳動パ
ターンを第2図8に、そして純度を表1に示す。表1か
ら明らかなように、高濃度の水溶性ポリマーを用いると
RNAの混入はなかったが、宿主DNAが7%混入して
いた。
表1 (発明の効果) 本発明方法によれば、このように、菌体溶菌液からプラ
スミドDNA 、  ファージDNAなどのDNAを短
時間のうちに高純度・高収率で、かつ煩雑な操作を必要
とすることなく単離・精製することができる。本法を用
いてプラスミドDNA 、 ファージDNAなどのDN
Aの単離・精製の自動化が可能となる。
このような方法は、 DNAの配列決定、  [lNA
の構築など遺伝子工学の各分野で広く利用され得る。
土−区皿図証単星脱班 第1図は1本発明方法によりヒドロキシアパタイトカラ
ムを用いてPEG添加溶菌液からのプラスミドDNAの
単離・精製を行ったときの溶出液の紫外線吸収をモニタ
ーした結果、およびDNAの指標として加えられた3H
放射活性をモニターした結果を示すグラフ;そして第2
図は2本発明方法および他の方法により得られる精製D
NAの電気泳動パターンである。
以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、溶菌菌体と分子量1,000〜500,000の水
    溶性ポリマーとを、水溶性ポリマーの終濃度が0.01
    〜20重量%となるように含む水溶性ポリマー含有溶菌
    液を調製する工程; 該溶菌液を吸着剤と接触させて、該溶菌液中のDNAを
    該吸着剤に吸着・担持させる工程;および該DNAを吸
    着・担持する吸着剤に該吸着剤と強い相互作用を有する
    溶離液を接触させて、該DNAを溶出させる工程; を包含するDNAの精製方法。
JP13531488A 1988-05-31 1988-05-31 Dnaの精製方法 Pending JPH01304886A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5707812A (en) * 1996-08-06 1998-01-13 Vical Incorporated Purification of plasmid DNA during column chromatography

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5707812A (en) * 1996-08-06 1998-01-13 Vical Incorporated Purification of plasmid DNA during column chromatography

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