JPH0128042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、フオークリフトによる荷役作業に用
いるパレツト上に積載された積荷の荷崩れを防止
するパレツト用の荷崩れ防止具に関する。

〔従来技術とその問題点〕

荷役作業の効率化を図るために、従来からフオ
ークリフトのフオーク挿入部を有する木製、鋼製
あるいはフアイバ製の方形パレツトが使用されて
おり、該パレツト上に積載された積荷をフオーク
リフトによつてパレツトごと持ち上げて運搬し、
トラツク、貨車あるいは船舶等に積み込んで輸送
することとしている。

しかし、このようにパレツト上に積載されて運
搬される積荷が、例えば粉状物、粒状物を入れた
多数のポリエチレン袋等である場合には、積み重
ねた袋の表面が非常に滑りやすく、フオークリフ
トでパレツトを持ち上げる際に荷崩れを生じてし
まうという問題がある。

このため、従来においては、積荷の上に四方か
ら荷締ロープを直接掛け渡してパレツトに縛り付
けるか、あるいは第３図に示す如く所定の単位で
多数積み重ねられたポリエチレン袋Ｎ，Ｎ…の周
囲に伸縮自在な合成樹脂で成るストレツチフイル
ムＦを巻き付けて、その上から荷締ロープで縛る
こととしている。

しかし、前者の場合には、荷締ロープを緊締す
る際に当該ロープと接触するポリエチレン袋が摩
擦によつて破損するおそれがあると同時に、運搬
中の振動等により荷締ロープの隙間からポリエチ
レン袋が抜け出して脱落し、荷締ロープが緩んで
荷崩れを生じさせるおそれがある。また、後者の
場合には、ストレツチフイルムＦを伸長しながら
積荷の周囲に巻き付け、その巻付終端部を当該フ
イルムＦの表面に対して熱融着させて固定しなけ
ればならないから、作業能率が非常に悪いという
欠点を有すると共に、一度使用したフイルムＦは
積荷から取り外す際に前記熱融着部で破断される
から使い捨てにせざるを得ず、非常に不経済であ
つた。

なお、上記のごとき荷崩れの問題や、使い捨て
の問題を解決し得る荷崩れ防止具として、実開昭
51−116247号公報には、方形パレツトの表面サイ
ズに合わせて伸縮性ある布地で四角筒形の袋状に
縫合形成されたバツグ内に積荷を収容するように
したものが提案されている。

この荷崩れ防止具は、まず、バツグの底部と、
当該底部の外面に添設されたパレツト係止用バン
ドとの間にパレツト全体を挿通し、パレツト係止
用バンドでバツグをパレツトに係止させた状態で
バツグの底をパレツト上に載せて装着させる。

次いで、パレツト上に載置されたバツグ内に積
荷を詰め込んで収容し、バツグ内が積荷でいつぱ
いになると、バツグの内壁に取り付けた帯状の各
結束片を積荷の上面に沿わせ、その先端に設けた
結締ロープで各結束片を互いに緊密に結合してバ
ツグ内の積荷を一体化させる。

そして最後に、バツグの口に沿つて環状に設け
られた結締ロープを引つ張つてバツグの口を巾着
袋のように絞つて括ることにより、積荷全体がバ
ツグ内に完全に被包されることとなる。

しかしながら、この荷崩れ防止具にあつては、
パレツト上に積載される積荷を完全に収容し得る
大型のバツグを縫合形成しなければならず、また
当該バツグの内外には夫々結束片やパレツト係止
用バンド等も縫着しなければならないから、その
製造コストが非常に高くなる。

また、使用に際しては、重いパレツトを持ち上
げて、これをバツグの底部と、その外面に設けら
れたパレツト係止用バンドとの間に挿通させなけ
ればならないという装着上の面倒がある。

また、パレツト上に載置して装着させたバツグ
は剛直性があるものではなく、その口が窄みやす
いから、荷積作業を行う時はバツグの口を一々手
で開きながら積荷を詰め込まなければならないと
いう面倒がある。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、極めて簡便な操作によつてパ
レツト上に積載された積荷に装着することができ
ると共に、パレツト上に積載された積荷が傷つい
たり脱落することなく、パレツトに対して強固に
縛り付けて荷崩れを完全に防止することができ、
しかも安価で製作して繰り返し何度も使用できる
荷崩れ防止具を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

この目的を達成するために、本考案による荷崩
れ防止具は、方形のパレツト上に積載された積荷
の上から当該積荷の上部及び側部に被せられる上
当て部及び側当て部を有する覆シートと、当該覆
シートの各側当て部に沿つて前記積荷の周側部を
囲繞するように支持される中締ロープと、当該中
締ロープにパレツトの四方から係合して前記覆シ
ートをパレツトに縛り付ける荷締ロープとから成
ることを特徴とするものである。

〔考案の作用〕

本考案によれば、まずパレツト上に積荷を積載
し、その後に積荷の上から覆シートを被せる。

そして、覆シートの各側当て部に沿つて積荷の
周側部を囲繞するように支持された中締ロープに
パレツトの四方から荷締ロープを係合させ、当該
荷締ロープの延長端側を順次パレツトに係合させ
て、積荷に被せられた覆シートを中締ロープを介
して引つ張りながらパレツトに縛り付ける。

このとき、荷締ロープと中締ロープは、両者の
緊締力が相互に作用して、決して緩むことのない
非常に強い力で引き締められ、覆シートを被せた
積荷全体が強固に一体化されてパレツトに縛り付
けられる。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す具体的な実施例に基
づいて説明する。

第１図は本考案による荷崩れ防止具の一例を示
す斜視図、第２図はその使用状態を示す斜視図で
ある。

図中、１は方形のパレツトＰに積載された積荷
Ｎ，Ｎ…の上部及び側部に被せられる上当て部２
及び側当て部３ａ〜３ｄを有する覆シートであつ
て、例えば防水加工が施された二枚の長方形のキ
ヤンバス生地等を十字状に交差して重ね合わせ、
その重合部と角隅部を縫合して形成されている。

なお、上当て部２の大きさは、パレツトＰの上
面の面積と略同一に選定されている。

覆シート１の側当て部３ａ〜３ｄの表面には、
夫々その下縁と平行に中締ロープ４を挿通するロ
ープ挿通部５が形成されている。

このロープ挿通部５は、覆シート１と同じキヤ
ンバス生地等の布片をループ状に二つ折りし、そ
の重なり合い端部が夫々側当て部３ａ〜３ｄに縫
い付けられると共に、下端部に所定間隔で例えば
二つの透孔６，６が形成されている。

中締ロープ４は、例えば直径約９mm程度のポリ
エチレン製ロープから成り、覆シート１の側当て
部３ａ〜３ｄに形成された各ロープ挿通部５内に
連通して支持されている。

また、この中締ロープ４には、ロープ挿通部５
の各透孔６を通じて所要長さの荷締ロープ７が係
合されている。

なお、荷締ロープ７としては、例えば幅約19mm
程度のポリプロピレン製バンド等が使用されてい
る。

しかして、まず、パレツトＰ上に積荷となる多
数のポリエチレン袋Ｎ，Ｎ…を積んで行く。

そして、パレツトＰ上に所要数のポリエチレン
袋Ｎ，Ｎ…が積載されると、その上から覆シート
１を被せて、積荷の上部及び側部に覆シート１の
上当て部２及び側当て部３ａ〜３ｄが当たるよう
に整える。

これにより、覆シート１が、パレツトＰ上に積
載された積荷を被包するように装着される。

そして、側当て部３ａ〜３ｄの各ロープ挿通部
５に連通して支持された中締ロープ４の両端を結
び合わせて積荷の周側部を縛る。

この状態で、側当て部３ｂの位置で中締ロープ
４に係合された荷締ロープ７，７と、側当て部３
ｄの位置で中締ロープ４に係合された荷締ロープ
７，７とを、夫々パレツトＰのフオーク挿入部８
内を左右に挿通させて引き出し、反対側から引き
出された荷締ロープ７同士を緊張状態で止め金具
９等により互いに結び合わせる。

そして、今度は、側当て部３ａの位置で中締ロ
ープ４に係合された荷締ロープ７，７と、側当て
部３ｃの位置で中締ロープ４に係合された荷締ロ
ープ７，７とを、夫々パレツトＰのフオーク挿入
部８内を前後に挿通させて引き出し、反対側から
引き出された荷締ロープ７同士を緊張状態で止め
金具９等により互いに結び合わせる。

このとき、積荷の周側部を囲繞している中締ロ
ープ４が各荷締ロープ７，７…の緊締力によつて
積荷の四方からパレツトＰ側に非常に強い力で引
き締められると同時に、各荷締ロープ７も他の荷
締ロープ７で引つ張られる中締ロープ４の緊張力
を受けて決して緩むことのない強い緊張状態で結
び合わされる。

これにより、積荷の上に被せられた覆シート１
が、ポリエチレン袋Ｎ，Ｎ…全体を一体的に被包
した状態で積荷と共にパレツトＰの四方に強く縛
り付けられることとなる。

以上のように、本考案による荷崩れ防止具は、
パレツトＰ上に積載された積荷の上から覆シート
１を被せるだけで極めて簡単に装着することがで
きる。

つまり、パレツトＰ上に積荷を積載した後に、
積荷の上から被せて装着されるから、従来の荷崩
れ防止具のようにバツグの底とその外面に設けた
パレツト係止用バンドとの間にパレツトを挿通し
て装着させる面倒や、パレツト上に載置した四角
筒形のバツグ内に積荷を詰め込んで積載するとい
う面倒がない。

また、覆シート１は、従来のように四角筒形の
袋状に成形するバツグに比較してその縫合加工が
極めて容易であり、製造コストが非常に安くな
る。

また、パレツトＰ上に積載された積荷の上面に
覆シート１を被せるようにしているから、実施例
のごとく積荷の上に荷締ロープ７，７…を掛け渡
しても積荷となるポリエチレン袋Ｎ，Ｎ…が破損
されることもない。

また、パレツトＰ上の積荷全体が、中締ロープ
４と荷締ロープ７，７…の相互間に作用する緊締
力でパレツトＰに対して強固に縛り付けられる覆
シート１内に一体化して被包されるようになされ
ているから、積荷のポリエチレン袋Ｎ，Ｎ…が荷
締ロープ７の間から脱落することもない。

なお、覆シート１は、上記の形状に限らず、例
えば第４図に示すように、格子状に形成されたも
のであつても良く、また材質もキヤンバス生地に
限らず任意のものを使用することができる。

また、中締ロープ４は、第４図に示すように、
覆シート１の側当て部３ａ，３ｂ…の下端に形成
されたロープ挿通部５よりも下方に撓むような長
さの輪状ロープに形成されている場合であつても
良い。

また、中締ロープ４及び荷締ロープ７の材質及
び断面形状も任意である。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案による荷崩れ防止具
は、パレツト上に積荷を積載した後に、当該積荷
の上から覆シートを被せる極めて簡単な操作によ
つて能率良く装着することができると共に、互い
に係合する中締ロープと荷締ロープの相互間に作
用する緊締力により、覆シートで被包したパレツ
ト上の積荷が強固に一体化された状態でパレツト
に縛り付けられて荷崩れを完全に防止することが
できるという効果がある。

また、安価で製作して何度も繰り返し使用でき
るという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による荷崩れ防止具の一例を示
す全体斜視図、第２図はその使用状態を示す斜視
図、第３図は従来技術の一例を示す斜視図、第４
図は本考案の他の実施例を示す斜視図である。 符号の説明、１……覆シート、２……上当て
部、３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ……側当て部、４…
…中締ロープ、５……ロープ挿通部、７……荷締
ロープ、Ｎ……ポリエチレン袋（積荷）、Ｐ……
パレツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形のパレツト上に積載された積荷の上から当
   該積荷の上部及び側部に被せられる上当て部及び
   側当て部を有する覆シートと、当該覆シートの各
   側当て部に沿つて前記積荷の周側部を囲繞するよ
   うに支持される中締ロープと、当該中締ロープに
   パレツトの四方から係合して前記覆シートをパレ
   ツトに縛り付ける荷締ロープとから成ることを特
   徴とするパレツト用の荷崩れ防止具。