JPH01268895A - 王冠用表面処理鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、王冠のカットエツジ部、加工部の耐赤蛸性に
優れた表面処理鋼板に関する。

〔従来の技術〕

従来から王冠用素材としては、ブリキ、ナイン・フリー
・スチール（金属クロムとクロム水和酸化物の２１−型
）が主として使われている。これらの材料はそのメツキ
金属が錫、クロムであるから電気化学的に鉄より責な電
位を示し、カットエツジ部あるいはメツキ層のピンホー
ル、加工亀裂部を通して露出している、卑な電位を示す
素地鉄の溶解（この溶解した鉄イオンが赤錆となる）を
防止することはできない。鉄に対する犠牲溶解作用を利
用して、赤錆発生を防止するものとして、イージーオー
プン缶蓋ではあるが特開昭４９−８８７３０がある。こ
れ５二よれば０．０１〜１μ（亜鉛の密度を７．１　ｇ
／ａｍ３としてメツキ量に換算すると７１〜７、１００
　ｒｎｇ／ｍ２に相当）の亜鉛メツキｔｉｌｌ上に錫メ
ツキを施すことが提案されている。亜鉛は錫と極めて合
金化し易（、塗装加熱を受けた場合にも極めて薄い亜鉛
メツキ層の場合、亜鉛のもつ耐赤錆防止効果が減じられ
てしまうこと、合金化の程度によって亜鉛の効果が左右
され不安定であることおよび高価な金属である錫を使用
することは、製造コストの点で不利であるという問題を
もっている。

他に、亜鉛層上にクロムメツキを施したイージ−オープ
ン缶蓋用材として特開昭５６−５５５９０では、１〜１
０μｍ　（亜鉛の密度を７．１９／Ｃ１ｌ＋”としてメ
ツキ量に換算すると７．１００〜７１．０００Ｉ！Ｉｇ
／ｍ２に相当）の亜鉛層をもうけ、鋼板中に吸蔵された
水素を捕捉して長期間にわたり逃がさないようにするこ
とを提案している。この亜鉛メツキ緻は、畷蔵水素の捕
捉効果のみに着目して発明されたものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の王冠用素材で製造された王冠が瓶に打栓された後
、さまざまな流通経路を経て消費者に到達するまでの期
間、あるいは消費者に渡ってから開栓されるまでの期間
において、湿潤環境にさらされた場合、カットエツジ部
及び加工部に赤錆が発生することがあり、商品価値を損
うという問題があった。

〔課題を解決するための手段〕 上記課題を解決するために種々検討した結果、鋼板の片
面側に５００〜５．　ＯＯＯ■／ｍ２の亜鉛、その上に
５０〜１５０■／ｍ２の金属クロム、さらにその上にク
ロムとして５〜３０■／ｍ２の水和酸化物クロムを有し
、他面には５０〜３００■／ｍ２の亜鉛、その上ζ二５
０〜１５０　ｍｇ／ｍ２の金属クロム、さらにその上に
５〜３０　ｍｇ／ｍ２の水和酸化物クロムを構成するこ
とによって、目的の鋼板が得られることを知見した。

本発明の表面処理鋼板は、亜鉛が電気化学的に鉄より卑
なる性質を利用し、鉄溶解による赤錆の発生を防止させ
るとともに、金属クロム、クロム水和酸化物を上１−に
もうけることにより白錆の発生を抑えるとともに、優れ
た塗料密着性を兼備させたことにより、王冠用素材とし
て優れた特性をもたせたことに特徴がある。

カットエツジ部、加工部における赤錆の発生防止の観点
からは、亜鉛付着量を増せば効果があるが、亜鉛付着量
の増加は亜鉛自体の１１２ｆ食生成物である白錆が目立
ち商品価値を損うという問題が生じる。特に、この白錆
が王冠内面側の加工部（ロッキングポイント）でビン開
口部に付着したりすることは開栓後に目立ちゃすく商品
価値を損うので王冠内外面で皮膜構成を最適化する検討
を重ね、目的とする王冠用素材を得ることができたもの
である。また、亜鉛層上に金属クロムをもうけたのは、
この金属クロムにより加工部における白錆発生が著しく
抑えられるからであり、本発明の皮膜構成は王冠用素材
として最適なものである。

次に本発明による各メツキ層の限定理由について説明す
る。

王冠の外面側となる鋼板面に施される亜鉛は５００〜ｓ
、　ｏ　ｏ　ｏ■／ｍ２とされる。この外面側として使
用される鋼板面の亜鉛を他面よりも多くしている理由は
、カットエッヂ部の耐赤錆性は主として外面側の亜鉛で
もたせるという技術思想にもとづいている。亜鉛が５０
０■／ｍ２未満ではカット１１１部の赤錆防止効果は劣
る。５．０００　ｍｇ／ｍ２を超えても赤錆防止効果は
充分あるが、亜鉛自体の腐食生成物である白錆が、特に
カットエッヂ近傍から発生するよう（二なるため上限は
５．０００■／ｍ２とした。

この亜鉛上に施される金属クロムは５０〜１５０■／ｍ
２とされるが、この金属クロムによる白錆発生の抑制効
果は著しく、その下限は５０ｍｇ／ｍ２とされる。この
金属クロムは亜鉛メツキ層のみではおおいきれなかった
素地鋼をその上層のクロム水和酸化物とともにカバーす
る効果をもっている。

金属クロムが１５０■／ｍ２を超えると金属クロム層自
体の加工割れが生じやすくなり加工部の耐錆性（赤錆、
白錆）１・は劣ってくる。

最表層の水和酸化物クロムは、金属クロム層に生じ易い
メツキピンホールを充填し、塗装前の貯蔵中の耐錆性確
保、および塗料密着性向上の役割をもち、その範囲はク
ロムとして５〜３０　ｍｇ　／　ｍｇとされる。

以上、王冠の外面側に相当する面について説明したがこ
の面の反対面、即ち王冠内面側に相当する面について次
に説明する。

この鋼板表面に施される亜鉛は５０〜３００ｍｇ／ｍ２
とされる。カットエッヂ部の赤錆防止は亜鉛目付量を多
くした外面側に分担させることを特徴としている本発明
においては、内面側に相当するこの面では塗装加工部の
耐赤錆性、耐白錆性の観点から亜鉛目付量が決定された
。内面塗装加工部において耐赤錆性向上効果の認められ
る下限は５０■／ｍ２である。

亜鉛を増すことにより、耐赤錆性は向上するが亜鉛自体
の腐食生成物である白錆が加工部に見られるよう（二な
り、ビン開ロ部周辺喀二付着し開栓後の商品価値を著し
く損うので上限は３００■／ｍ２となる。この亜鉛上に
施される金属クロムは５０〜１５０１１１ｇ／ｍ２、水
和酸化物クロムは５〜３０■／ｍ２とされ、これらの層
の役割、限定理由は先に外面側で説明した通りである。

〔作　用〕

本発明のように、王冠に要求される耐食性を向上させる
方法として、王冠の外面側となる鋼板面に施された亜鉛
は鉄（二対する犠牲防食作用により主としてカットエッ
チ部の赤錆発生防止に作用し、その上層の金飄クロムは
亜鉛およびおおいきれなかった素地鉄をカバーし亜鉛自
体の腐食生成物である白錆発生を抑制している。他方、
王冠の内面側となる鋼板面に施された亜鉛は塗装加工部
（ロッキングポイント）の赤錆防止、白錆防止に必要な
最適量とすることにより王冠として優れた実用的価値を
もたらしている。

次に本発明の表面処理鋼板の実施方法について説明する
。

電気クロムメツキ（二先立ち微量の亜鉛を施すことによ
り、クロムの陰極電流効率を向上させることを特徴とす
る方法として特公昭４５−３１７２８があるが、本発明
は亜鉛、金属クロム、水和酸化物クロムをたくみｌ：配
置、構成することにより王冠用素材として優れた実用的
価値を見い出したことに特徴があり、その実施方法は特
に規制されるものではなくいずれの方法でもよい。

以下に本発明の実施例について述べる。

〔実施例〕

０、２７　ｍｍのブリキ原板を通常のアルカリ脱脂、酸
洗を行い（１）に示す条件で鋼板の表裏で異なる量およ
び比較例として表裏で同量の亜鉛メツキを施した。次に
（２）に示す条件で金属クロム、クロム水和酸化物を形
成した。

（１）硫酸亜鉛　　　　　　２５０　ａ／１硫酸アンモ
ン　　　　　３０　ｇ／ｌ 浴　　　温　　　　　　　　　　　４５°Ｃ電流密度　
　　　１５〜２５　Ａ／ｄｍ２（２）　　クロム酸　　
　　　　１００９／Ｊ硫　　　酸　　　　　　　　　　
　０−８　　ｇ／ｌ弗化ソーダ　　　　　　　７　ｇ／
ｌ 浴　　　温　　　　　　　　　　　５０’Ｃ電流密度　
　　　１０〜５０　Ａ／ｄｍ２以上述べた条件で作成し
た本発明の実施例と比較例の試料を耐食性試験に供し特
性を評価した。

（イ）耐食試験方法 ビニールフェノール系塗料を４０■／ｄｍ２塗布し１９
０℃×１０分焼付は後、反対面も同じ＜４０Ｔｎｇ／ｄ
ｍ２塗布し１９０°Ｃ×１０分焼付けた後実際の王冠に
打抜き加工した。これらの王冠を瓶に打栓後、正立した
姿勢で水シヤワー１時間、室温放置２３時間のサイクル
を７日間繰り返した後開栓し錆発生を（ロ）に示す５段
階で評価した。

（ロ）　耐錆性評価記号 耐錆性評価結果を第１表に示す。

実施例１，２とも外面Ｃ：施された亜鉛によりカットエ
ツジ部の耐錆性が、亜鉛の少い比較例２゜比較例４（ブ
リキ）より著しく向上している。比較例１は内面側の亜
鉛が本発明の上限を超えているため、瓶口に微少ではあ
るが白錆付着が認められる。比較例３は、金属クロムが
まつたくなく水和酸化物クロムのみの場合であるが、王
冠内面ロッキングポイント部の耐赤錆性、王冠外面加工
部の耐白錆性が劣っている。

〔発明の効果〕

本発明１二よれば、王冠における赤錆発生は目立ち易く
著しく商品価値を低下させていたという問題に対し、亜
鉛を王冠の内外面で異なる量を配置し、さらに金属クロ
ム、水和酸化物クロムと組み合せること１；より、王冠
のカットエツジ部における耐赤錆性、塗装加工部の耐食
性が著しく向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明による王冠用表面処理鋼板の皮膜構成を示
す断面模式図である。 １・・・・・・素地鋼板　　　　２・・・・・・亜鉛メ
ツキ層３・・・・・・金属クロム層 ４・・・・・・水和酸化物クロム層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 鋼板の片面側に５００〜５，０００ｍｇ／ｍ＾２の亜鉛
   、その上に５０〜１５０ｍｇ／ｍ＾２の金属クロム、さ
   らにその上にクロムとして５〜３０ｍｇ／ｍ＾２の水和
   酸化物クロムを有し、他面には５０〜３００ｍｇ／ｍ＾
   ２の亜鉛、その上に５０〜１５０ｍｇ／ｍ＾２の金属ク
   ロム、さらにその上に５〜３０ｍｇ／ｍ＾２の水和酸化
   クロムで構成されていることを特徴とする王冠用表面処
   理鋼板。