JPS6213594A - 塗装性と耐食性に優れたＳｎ系被覆容器用鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、塗装性、塗装後耐食性、塗装経時後の塗料密
着性（所謂、二次塗料密着性〕、及び耐食性、端面の耐
食性に優れたＳｎ被覆層を施し次容器用鋼板に関するも
のである。

（従来の技術） 塗装して使用される容器用鋼板として、特開昭５５−６
９２９７号公報のようＫＳｎメッキ層に金属Ｃｒ層と水
和酸化物を主体とする酸化クロム層の二層被膜組成から
なるクロメート被膜層を施したＳｎ系被覆鋼板があり、
塗料密着性、塗装後耐食性がすぐれている。

また、Ｓｎ系被覆層を有する容器用鋼板の耐食性を向上
せしめた鋼板に、例えば特開昭５７−２３０９１号公報
、或いは特開昭６０−５８８４号公報のように、Ｎ１系
下地被覆層を有するＳｎ系被覆鋼板がある。

これらの鋼板は、下地被覆層とＳｎ被覆層の重畳効果、
下地被覆層の効果による均一緻密な合金層の生成による
地鉄露出部の減少等により耐食性の向上を計ったもので
ある。

上記のようなＳｎ系被覆容器用鋼板は、その特性を生か
して一部では使用されているものの、必ずしも充分に満
足すべき塗装性と耐食性が得られているとは云い難い点
があった。

（発明が解決しようとする問題点〕 近年容器用鋼板の特性は、製缶方式の多様化、或いは消
費者の高級化指向に対応してより優れた塗装性、貯蔵時
に鋳発生が生じにくいなど諸性能の向上或いは缶コスト
の低減化に対処した容器用鋼板の薄手化に対処してより
優れた耐食性の向上（即ち、耐食寿命の向上〕等が要求
されている。

例えば、ネックドイン缶のように変形缶の増大に対応し
て、従来以上に苛酷な加工を受けた部分の塗装後の耐食
性の向上或いは長期貯蔵された場合の塗料密着性向上等
が望まれている。

また、缶蓋用素材として、従来以上に開は易さが要求さ
れ１缶蓋素材の板厚減少、スコア加工部の板厚減少等に
対応して、加工部の塗装後の耐食性、塗料密着性向上が
必要とされると同時に、スコア加工部の缶蓋外面におい
ては鉄面が露出し大スコア剪断部分の耐食性向上、特に
耐錆性の向上が要求されている。

また、イージーオーブン・エンド缶蓋のタブに鉄系の素
材を用−る場合には、素材端面の耐食性、特に耐錆性が
要求される。

また、王冠には、王冠端面の耐錆性の向上或いは王冠加
工部分の塗装後耐食性、塗料密着性の向上等が要求され
ている。

さらに、溶接製缶方式においては、溶接端面部の耐食性
、塗装性に一層の向上が要求されている。

また、内容物の多様化に対して或いは変形缶等の如き加
工により被覆層（Ｓｎ被覆層、塗膜層）が損傷等を受け
ても、地鉄からのＷｅ溶出が少なく、穿孔腐食が生じに
くい、耐食性能、耐食寿命の優れた素材開発の要求が高
い。これらの要求に対処して本発明者らは種々検討した
結果、上記したような従来の容器用鋼板（所謂ブリキ）
は、メッキ原板に耐食性向上元素が意識的に添加されて
いなりアルミキルド鋼板が使用され’（いるため、Ｓｎ
メ。

キ層とメッキ原板との間のカップル腐食電流が極めて大
きいことを知見した。

その結果として、缶内のごとき酸素が殆んど存在しない
雰囲気において、メッキ原板はＳｎのアノード溶解によ
り腐食速度が大きいため、塗膜欠陥部や塗膜の疵付き部
においてもＳｎの溶解により塗膜が剥離し易く、塗膜を
剥離した部分から腐食が著しく進行する事が分った。

また、缶外面の腐食環境等においては、メッキ原板の剪
断部端面或いはメッキ欠陥部では鉄の７ノード溶解によ
って鉄の腐食が進行し錆の発生、或いは穿孔腐食を生じ
、また塗膜欠陥部や塗膜庇付き部で鋼素地の腐食による
錆の発生や穿孔腐食を起して耐食寿命を劣化する事も分
った。

従うて、本発明はこれらの問題点を解決する九めに、メ
ッキ原板の鋼成分を調整する事によってメッキ原板自体
の耐食性を向上せしめるとともＫＳｎ系被覆層とメッキ
原板との間のカップル腐食電流な減少せしめることＫよ
って、腐食環境におけるＳｎ被覆層或いは地鉄のアノー
ド腐食による溶解を抑制し、塗装後針食性経時後の塗料
密着性及び塗膜欠陥部等における耐食性などの劣化を防
止するとともに、被覆層欠陥部の穿孔腐食による耐食性
の劣化を防止し、さらには端面部等から錆の発生を防止
した高性能なＳｎ被覆層の容器用鋼板を提供するもので
ある。

（問題点の解決手段〕 すなわち本発明要旨は、 （１）　　重量幅で、 Ｃ：０．１５１以下、酸可溶Ａｊ　：　０．００５〜０
．１０係、　Ｃｒ　；　１．５〜１１％を含有し、残部
が鉄及び不可避的不純物からなる鋼板に１片面当りの付
着量が３０−０η／ｍ”以上のＳｎ被覆層、その上に金
属Ｃｒ量換算で片面当りの付着量が１．５〜１５０１１
９／ｍ”のクロメート系被膜層を施した塗装性と耐食性
に、　優れたＳｎ系被覆容器用鋼板。

、（２）重量幅で、 Ｃ；’０．１５１以下、酸可溶Ａｌ　；　０．００５〜
０．１０　’１４Ｃｒ　；　１−５〜１１　憾ｓを含有
し、さらＩＣ’ｒｌ、Ｎｂ。

Ｚｒ　ｅ　Ｖ　Ｏ１種又は２１！１以上で０．０３〜０
．５０１を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からな
る鋼板に、片面当りの付着量が３００　ｍｇ／ｍ２以上
のＳｎ被覆層、その上に金属Ｃｒ量換算で片面当りの付
着量が１６５〜１５０　ｍｇ／ｍ２のクロメート系被覆
層を施した塗装性と耐食性に優れ７ｔ８ｎ系被覆容器用
鋼板。

（３）　　重量幅で。

Ｃ：０．１５４以下、酸可溶Ａｔ；　０．００５〜０．
１０係、Ｃｒ；１．５〜１１１を含有し残部が鉄及び不
可避的不純物からなる鋼板に片面当りの付着量が３００
１１ｍｇ／ｍ２以上のＳｎ被覆層を施した後、加熱溶融
処理を施し、続いて金属Ｃｒ量換算で片面当りの付着量
が１．５〜１５０１１１９７ｍ”のクロメート系被膜層
を施すことを特徴とする塗装性と耐食性に優れたＳｎ系
被覆容器用鋼板の製造法。

（４）重量幅で、 Ｃ；０．１５４以下、酸可溶Ａｌ・；　０．００５〜０
．１０優、Ｃｒ　；　１．５〜１１　％、を含有し、さ
らに↑１参Ｎｂ　ｐ　Ｚｒ　ｅ　Ｖ　Ｏ１種又は２種以
上で０．０３〜０．５０憾を含有し、残部が鉄及び不可
避的不純物からなる鋼板に片面当りの付着量が３００８
９７ｍ”以上のＳｎ被覆層を施した後、加熱溶融処理を
施し、続いて金属Ｃｒ量換算で片面当りの付着量が１．
５−１５０ａＰ／−のクロメート系被膜層を施すことを
特徴とする塗装性と耐食性忙優れたＳｎ系被覆容器用鋼
板の製造法。

にある。

（作用） 以下に本発明の詳細について説明する。

転炉、電炉等の溶解炉で溶製された溶鋼を連続鋳造法、
または造塊、分塊法を経てスラブとし、熱間圧延、冷間
圧延さらに焼鈍工程を経て、重量幅でｃ；ｏ、ｌｓ幅ｍ
下、酸可溶Ａｌ　：　０．００５〜０．５０１Ａ、Ｏｒ
　”、　１．５〜１１優を含有し残部が鉄および不可避
的不純物からなるメ、＝？原板或−はこれにＴＩ。

Ｎｂ　、Ｚｒ　ｅ　Ｖ　Ｏ１種又は２種以上で０．０３
〜０．５％含有したメッキ原板を使用する。

Ｓｎ被覆容器用鋼板は使用される腐食環境において、Ｓ
ｎ被覆層との複合効果による耐食性及び塗装性向上効果
から、鋼中のＣｒ含有量は１．５１以上、好ましくは３
係以上である。

第１図は、容器内に腐食促進液を充填した場合のＳｎ被
覆層とＣｒ含有鋼板との間のカップル腐食電流を測定し
たもので、カップル腐食電流はＣｒ含有量１．５〜１１
憾の範囲で極めて小さい。一方、第２図は、容器外面を
腐食促進液に浸漬しな場合のＳｎ被覆層とＣｒ含有鋼板
とのカップル腐食電流を測定したもので、カップル腐食
電流はＣｒ含有量の増加に減少し、Ｃｒ含有量３チ以上
で極めて小さいＯ この結果、従来のようにＣｒを不可避的不純物程度含有
する鋼板ではＳｎ被覆層との間のカッグル腐食電流が極
めて大きい九め被覆層欠陥部や加工時だおいて生成され
た被覆層庇付き欠陥部が存在する容器内面においてはＳ
ｎ被覆層の犠牲防食作用による溶解で消失が著しくなる
。したがって本発明では、Ｓｎ被覆層の溶解によって低
下する耐食寿命を鋼中Ｃｒ添加によって防止しようとす
るものである。

また、容器外面の腐食環境においても上記の如き欠陥部
や被覆層の端面部における地鉄露出部の腐食速度が著し
く、赤錆ヤ穿孔腐食を発生してＳｎ被覆鋼板の耐食寿命
を著しく低下するが、本発明のごときＣｒ含有鋼板を用
いる事によって防止する事ができる。

このように耐食寿命の劣化は、塗装して使用する場合に
、加工、運搬時に発生した地鉄に達する塗膜欠陥部或い
は被覆層端面部で誘発されるものである。

すなわち、Ｓｎの犠牲防食作用によるアノード溶解が著
しい容器内面等の腐食環境では、Ｓｎの溶解と腐食生成
物の生成によって塗膜フクレ（所謂、ブリスター）を発
生し、また塗膜腐食環境に長期間曝された場合の塗膜剥
離を生じ易くなる等の原因ｆよって塗膜性能を劣化する
。また、Ｓｎ被覆層はカソード（貴）であるが、地鉄の
アノード溶解が著しい腐食環境においては、塗膜性能の
劣化を生じにくいものの、地鉄露出部の欠陥部から穿孔
腐食を著しく促進させ、塗膜後の耐食性を劣化する。こ
のような塗装後の性能劣化は、Ｃｒ含有鋼のメッキ原板
と用いる事によって防止する事ができる。

一般にＳｎ被覆鋼板を如何に厳格な管理に基いて製造し
てもぎンホール、不メッキ等の被覆層欠陥を皆無くする
事は困難であり、また使用時に加工部等の生成により地
鉄に達する被覆層欠陥部が生成される。それと同時に、
Ｓｎ被覆鋼板の端面が地鉄面に露出されて使用される状
態〔例えば溶接缶の溶接部、缶蓋のスコア加工部、王冠
の端面等〕は極めて多い。

従って、本発明はＳｎ被覆層とメッキ原板との間のカッ
プル腐食電流を著しく減じるＣｒを必須成分とする鋼板
をメッキ原板として用いる事によってＳｎ被覆鋼板のメ
ッキ欠陥部や端面部、Ｓｎ被覆層の溶解速度が著しく抑
制される。その結果、Ｓｎ被覆層自体の耐食寿命の増加
とまたメッキ原板の耐食性の向上効果が相まつ℃、耐食
寿命にすぐれたＳｎ系被覆鋼板を製造する。

ｉたこの効果は、塗装されて使用される場合におりても
塗膜経時後の密着性或いは塗装後の耐食性に向上をもた
らす。

一方、Ｓｎ被覆層はメッキ原板に比して、電位的に貴（
カソード〕な場合には、メッキ欠陥部や端面部等におい
【地鉄の優先・腐食速度を著しく抑制する。その結果、
地鉄露出部分の穿孔腐食や赤錆発生を抑制し耐食寿命の
延長効果が著しく大きい。また、塗装して使用する場合
も、穿孔腐食な抑制するとともに、地鉄腐食生成物の生
成を抑制して塗膜剥離が防止され、塗膜密着性と塗装後
耐食性を著しく改善する。

而して、このような効果を得るためのＣｒ含有量は、前
記したように、１．５〜１１％、好ましくは３〜９俤で
ある。Ｃｒ含有量が１．５係未満では、Ｓｎ被覆層とメ
ッキ原板とのカッグル腐食電流の減少効果が得られず、
またメッキ原板自体の耐食性向上効果が得られない。

一方、Ｃｒ含有量が１１４をこえると、メッキ原板自体
の耐食性向上効果は更に増大するが、Ｓｎ被覆層とのカ
ッグル腐食電流の減少効果が腐食環境によっては得られ
なくなるとともに、Ｓｎ被覆層との充分良好な密着性が
得られにくくなり、溶接性と加工性を劣化する。

上記のように耐食性と塗膜性能からは、ＣＦ添加の効果
が大きいが、本発明にお≠ては下記理由から、Ｃ及び酸
可溶ｋ１．その他の成分についても、その含有量を限定
する。Ｃは含有量の増加にクロムカーバイドの析出が多
くなり、鋼の機械的性質と耐食性を劣化すると同時に、
Ｓｎ系被覆層の均一被覆性を阻害する。

従って、Ｃ含有量は０．１５１以下、好ましくは０．１
０４以下とする。

尚、本発明においてＴＩ　、　Ｎｂ等を添加する場合の
Ｃ含有量は、加工性及びチタンカーバイド等の析出によ
る被覆層の均一被覆性を阻害することから０．０２係以
下が好ましい。

ｋＡは、鋼中に残存する酸可溶ｋＬ　（８ｏＬ　Ａｌ　
）量がｏ、ｏｏｓ慢未満の食合有量は、酸化性ガスによ
る気泡の発生を防止する事が困難であり、鋼の表面欠陥
発生率を著しく高め、鋼素材の耐食性劣化の起点となる
。また、０．１０％を超える過剰な酸可溶ｋＡは、Ａｔ
系酸化物を鋼表面に点在せしめて、耐食性劣化の起点或
いは本鋼板に対して施される被覆層表面においては不メ
ッキ、−ンホール等を発生して、被覆層の健全性を損じ
る。

従うて、本発明においては、酸可溶ａはｏ、ｏｏｓ〜０
．１幅、好ましくは０．０１〜０．０８憾である。

又、本発明は、上記の鋼成分の他ＩＣＴｌ、Ｎｂ。

Ｚｒ　ｅ　Ｖ　０１種又は２種以上で０．０３〜０．５
０％を含有させて、鋼中のＣと結合せしめて含有される
Ｃｒの有効化を計り、更にすぐれた加工性と、耐食性を
向上せしめる。

Ｔ１などの鋼成分の含有量が０．０３％未満ではクロム
カー・々イドの析出を防止して、加工性及び耐食性を向
上せしめる効果が少なく、またその含有量がＯ，ＳＯ＊
を超えると、その効果が飽和に達し経済的でなくなると
共に、これら成分の析出によって素材の硬質化を起し、
加工性を劣化する傾向にある。好ましい含有量は０．０
７５〜０．２０１である。

上記のような組成成分で構成された鋼板をそのまま使用
したのでは、Ｃｒ等を不可避的不純物程度含有する従来
の鋼板に比して、耐食性は優れているものの、容器用素
材として耐食性は充分とはいえない。すなわち、容器に
充填される内容物の有機酸、Ｃｔ−イオンを含有する水
分等によって鉄の溶出を生じ、赤錆の発生も著しい。ま
た、容器外面は、Ｃｔ″″イオンを含有する腐食雰囲気
や高温。

高湿状態で貯蔵された場合、比較的短期間で赤錆を発生
し、鋼板のみでは耐食性が充分でない。さらに、鋼板に
直接塗装しても、腐食雰囲気に長期間曝された場合、塗
膜下に侵入した腐食水溶液によ゛りて鋼板忙腐食生成物
を発生し塗膜剥離を生じて塗膜性能を劣化する。

従って、本発明では容器用素材に要求される耐゛食性及
び塗装性能を付与するために、メッキ原′板にＳｎ被覆
層とクロメート被膜層を施す。

而して、Ｃｒを必須成分として含有する鋼板に３ｎ被覆
層を施した場合、前記したように、Ｓｎ被覆層とメッキ
原板のカップル腐食電流が著しく減少する。

この効果により前記したように、メッキ原板の耐食性向
上効果及びＳｎ被覆層との複合効果によって、腐食環境
における耐食寿命、塗装性能を著しく向上する。

この性能向上効果を得るためのＳｎ被覆方法については
、特に規定されるものではなく、鋼板表面を清浄化、活
性化処理後、電気メッキ法、溶融メッキ法、真空蒸着法
等によって、Ｓｎ被覆層を施す。

例えば、電気メッキ法では、フェロスタン浴、へ□ロｒ
ン浴、ホウフッ化浴等を用いて、陰極電解処理により鋼
板の両面に目的とする付着量でＳｎ被覆層が施される。

そのＳｎ被覆層の付着量は、片面当りの付着量で３００
１１１９７ｍ”以上が必要である。即ち、Ｓｎ被覆層の
付着量が３００■／−２未満では、その均一被覆性を欠
き不メッキ、−ンホールの生成が多くなり、メッキ原板
とＳｎ被覆層との力、ｆル腐食電流が小さくなるといえ
ども、Ｓｎ被覆層の容器内面におけるアノード防食が可
能な範囲が限定されるため、地鉄の溶解を防止する事は
困難である。また、Ｓｎ被覆層がカフードな腐食雰囲気
においても地鉄の露出部が多いため、地鉄のアノード防
食が促進し、地鉄の溶解量が増し、穿孔腐食の危険性を
増大する。

従って、Ｓｎ被覆層量は、片面当りの付着量で３００　
ｑ／ｍ”以上、好ましくは７００　ｍｌｌ／ｍ−以上が
好ましい。特に、Ｓｎ付着量が７００１１１９７ｍ”以
上の場合には、加工により生成される端面が８ｎ被覆層
の力ゾリによるカバーリング（被覆〕効果によって、剪
断面、加工面等の端面の防食効果を一段と助長するので
特に好まじり。

また、Ｓｎ被覆層量の上限は、特に規定されるものでは
ないが、その経済性の点から１５１／ｌｎ”以下、好ま
しくは？、　５１１／ｍ”以下程度の付着量で充分であ
る。

さらに１本発明においては、一層の性能向上を計るため
に、Ｓｎ被覆層を設けてから、Ｓｎの溶融点（２３１℃
）直上から３００℃、好ましくは２４０〜２８０℃の温
度でＳｎ被覆層が加熱溶融処理される。該処理により、
メッキ原板とＳｎ被覆層の合金化反応によって、Ｆｓ　
−Ｓｎ系の合金層がメ、キ原板とＳｎ被覆層の中間層と
して生成され、Ｓｎ被覆層のピンホールが一段と減少す
るため、Ｓｎのアノード防食によるＳｎ被覆層の溶解或
いはＳｎカソードの腐食雰囲気でのメッキ原板からの鉄
溶解が一層抑制されＳｎ被覆鋼板の耐食寿命が一層向上
する。この加熱溶融処理については、特に規定されるも
のではなく、従来のＳｎメッキ鋼板の加熱溶融処理方法
と同じでよい。

例えば、２４０〜２８０℃の加熱温度で０．３〜３秒間
の短時間で加熱溶融処理が、加熱雰囲気としてＮ２がス
雰囲気、ＭＩＸガス雰囲気、或いはフェノールスルフォ
ン酸Ｓｎの水溶液、フェノールスルフォン酸Ｓｎとフィ
チン酸の水溶液やＺ　ｎＣＬ２の水溶液等をフラックス
として塗布として大気中または上記の雰囲気中で行なわ
れる。さらに本発明は、貯蔵時の黄変を防止し塗装性能
を向上するために、クロメート系被膜層を施す。クロメ
ート系被膜層は、その用途、目的に応じて付着量が規制
されるが、全目的に対してはその付着量は金属Ｃｒ量換
算で片面当り１．５〜１５０　ｍｇ／ｍ２の範囲で設け
る。

すなわち、貯蔵時の黄変防止から１．５１１４９７ｍ”
以上あれば充分であり、１．５　ｍｇ／ｍ２未満ではＳ
ｎ被覆層表面の均一被覆性が不充分であり、その後に施
される塗油との複合効果によっても貯蔵時の黄変を防止
する事が困難である。

また、塗装後の性能を確保するためには、Ｓｎ被覆層表
面のクロメート被覆効果を更に向上せしめる事が必要で
あり、その付着量は１．５ｆｍｇ／ｍ２以上、好ましく
は７．５　ｒｎ９／ｍ”以上である。

すなわち、クロメート被膜層が１．５１１１９／ｍ”以
上では、クロメート被膜の均一被覆性を向上し、Ｓｎ被
覆層表面と塗料との付着がクロメート被膜を介して塗料
密着性を一層確保する。

一方、クロメート被膜量の上限は１５０　ｍｇ／ｍ２以
下、好ましくは５０　ｒｎ９／ｍ”以下である。クロメ
ート被膜量が１５０η／ｍスをこえると、前記の効果が
飽和するととも罠、加工によりクロメート被膜にクラッ
クが生成し、またカジリ発生の原因となる。

また、クロメート被膜については、塗装性能の向上、４
１１ＦＫ腐食環境に長期間曝された場合の経時塗料密着
性、塗装後耐食性の向上に、金属Ｃｒ層と水利酸化物を
主体とする酸化クロム層からなるクロメート被膜層が有
効である。この被膜構成のクロメート被膜は、金属Ｃｒ
層が片面当りの付着量で１〜３０ｍｐ／ｍ”、水利酸化
物を主体とする酸化クロム層が金属Ｃｒ量換算で５〜５
０ｍｇ／ｍ２の範囲が好ましい。このクロメート被膜層
を設ける方法については、特に規定されるものではなく
、Ｃｒ”イオンを含有するクロム酸、クロム酸塩、重ク
ロム酸塩及びこれらにＳＯ４イオン、７ツ化物を含有す
る水溶液を用いて、浸漬処理又は陰極電解処理が施され
る。例えば、Ｎａ２Ｃｒ２Ｏ７水溶液、ＣｒＯ５−ｐｏ
４　　系水溶液中での浸漬処理或いは陰極電解処理によ
り、水和酸化クロム層を主成分とするクロメート処理が
行なわれる。

ま九、金属Ｃｒ層と水和酸化物を主体とする酸化クロム
層からなるクロメート被膜を設ける場合には、ＣｒＯ３
−８０４−２系浴、Ｃｒｙ、　−Ｎａ□５ｉＦ６−　Ｎ
Ｈ４Ｆ系浴を用いて、電流密度を調整した陰極電解処理
により設けられる。

尚、塗装性能向上のためのクロメート被膜処理は、本発
明の製品に対して、加工後（例えば、ＤＩ成形加工後〕
〈表面清浄化処理を行なって施される場合も同様の効果
が得られる。

（実施例） 以下に、本発明の実施例について説明する。

第１表に示すＣｒ含有量を中心に変化させた鋼成分の鋼
板を用い、３４ｂ　ＮａＯＨ水溶液に界面活性剤を０．
３１添加した脱脂浴を用い脱脂、水洗後に２０１　Ｈ２
Ｓｏ４水溶液を用いて５０℃で電流密度２０Ａ／　ｄｌ
ｎ”で１秒間陽極酸洗、続いて１秒間陰極酸洗、水洗を
行なって、表面の清浄化、活性化処理を行なってから、
第１表に示すＳｎ系被覆層及びクロメート被膜処理層を
設け、各種の性能評価試験を行なった。

尚、その性能評価は以下に示す各方法で実施し、その性
能評価結果は第１表に示す。

この結果、本発明の製品は比較材に較べて、塗装性能、
耐食性能、端面部の耐錆性能等において極めてすぐれた
性能を有し、容器用素材として極めてすぐれた特性を有
する。

Ｏ評価試験法 ■　被覆層欠陥部を対象とした耐食性 ０．２５Ｘ５０Ｘ５０１ｍｌの評価材を用−１端面及び
裏面をシールして、評価面に地鉄に達するスクラッチ疵
を入れ（１，５１クエン酸＋１．５５ｂ　ＮａＣｊ　）
、水溶液４００ゴ中に、温度５０℃で、２８８時間、酸
素の殆んど存在しないＮ２がス通気雰囲気中で浸漬テス
トを行ない、 ■　被覆層欠陥部に相当するスクラッチ庇部からのＦ＠
溶出量及び ■　スクラッチ庇部な評価試験後、断面顕鏡により調査
してその庇部の穿孔腐食の状況により、その耐食性を評
価した。

尚、評価基準は以下の基準により評価を行なった。

■　Ｆ・溶出量・評価 Δ°＝　　　　　　　　　　　　５ｐｐｍ以上〜７．５
ｐｐｍ未満Ｘ　”−’　　　　７．５　ｐｐｍ以上■　
穿孔腐食性・評価 ◎・・・スクツウチ疵部からの最大穿孔腐食深さが板厚
の２５係未満 Ｏ・・・　　　　　　　　　　　　　２５４以上〜４０
幅未満Δ・・・　　　　　　　　　　　　４０係以上〜
６０係未満×・・・スクツウチ疵部からの最大穿孔腐食
深さが板厚の６０４以上 ■　被覆層欠陥部を対象とし九耐食性 ■と同−評価材を用い、地鉄に達するスクラ。

チ疵を入れた後（１，０１クエン酸＋〇、２５ＩＩＩリ
ン酸）水溶液４００−中に、温度５０℃で、２８８時間
、酸素の殆んど存在しないＮ２ガス通気雰囲気中で浸漬
テストを行ない、■Ｆ・溶出量の測定及びスクラッチ庇
部からの穿孔腐食の状況を調査し、その耐食性の評価を
行なった。

尚、評価基準は■の方法によう念。

■　端面部の評価 ■　板厚０．２５　ｗｍの評価材を剪断した後の端面面
につ≠て、冷凍（−１５℃−３０ｍｉｎ　）→高温・高
湿（温度４９℃、湿度≧９８憾。

６０ｍ１ｎ）−＊室内放置（３０℃で２時間）を１サイ
クルとして、剪断面に錆が発生するサイクル数の観察に
より、その評価な行なうた。

尚、評価基準は以下の方法によった。

◎・・・錆の発生が５サイクル以上で発生Ｏ・・・錆の
発生が４サイクル以上で発生Δ・・・　　ｌ　　３サイ
クル以上で発生×・・・　　　　　２サイクル以下で発
生［Ｆ］　板厚０．２５−の評価材を用−１力、デ絞り
により４４φ×８１深さの加工評価材を作成、剪断面が
下部に位置するようにして、層外曝露試験により、その
端面からの赤錆発生状況を観察して、その耐食性の評価
を行なった。

尚、評価基準は以下の方法によりた。

◎□・・・錆の発生が７日以上の曝露試験で発生Ｏ・・
・　　　　　　　５日以上〜６日以内の曝露試験で発生
〜 Δ・・・　　　＃　　　４日以上〜５日以内の　　　１
Ｘ−−−＃　　　３日以内の曝露試験で発生■　塗膜欠
陥部を対象とした性能評価、■　塗膜性能評価 評価材に対して、エポキシフェノール系塗料を５μ厚さ
く塗装後、地鉄に達するスクラッチ疵を入れ（１，５ｍ
クエン酸＋１．．５１ＮａＣＡ　）水溶液中に、２７℃
で酸素の殆んど存在しないＣＯ２通気雰囲気中で％時間
浸漬テスト後に、乾燥して直ちにセロファンチー！剥離
を行なって、スクラッチ部を中心とした塗膜欠陥部から
の塗膜剥離状況の調査により、容器内面を対象とした経
時後の塗膜性能の評価を行なった。

尚、評価基準は以下の方法によった。

◎・・・スクラッチ部での塗膜剥離が殆んど認められな
い。

○・・・　　　　　　　　　　　　わずかに認められる
。

Δ・・・　　　　　　　　　　　　　明瞭に認められる
。

×・・・　　　　　　　　　　　　　著しく認められる
。

■　塗膜性能評価 評価材に対して、Ｚｎ未顔料入り工デキシーフェノール
系塗料を５．５μ厚さに塗装後、地鉄に達する１日×１
１角の基盤目を１００マス作成して、１．５チクエン酸
水溶液中に、２７℃で酸素の殆んど存在しないＮ２通気
雰囲気中で２４０時間浸漬テスト後に、乾燥して直ちに
セロファンチーブ剥離を行なって、その塗膜状況から容
器内面を対象とした経時後の塗膜性能の評価を行なった
。

尚、評価基準は以下の方法によった。

◎・・・塗膜剥離面積５チ未満 ○・・・　　　　　　５俤以上〜１０％未満Δ・・・　
　　　　１０４以上〜２０ｃ６未満×・・・　　　　　
２０係以上 ■　缶蓋材のスコア加工部を対象とした性能評価板厚０
．２１ｍの評価材を用いて、スコア残厚７５μのイー・
シーオープン缶蓋用加工を行なって、内面相当側をシー
ルして、酸素存在雰囲気下で（１，５１クエン酸＋ｌ、
　５４　ＮａＣｔ）水溶液中で５０’Ｃ，１２０時間浸
漬試験後の性能評価を行なった。

■　塗膜性能評価 上記評価試験後、乾燥して直ちにセロファンチー！剥離
を行なって、その塗膜剥離状況より、容器外面を対象と
した促進試験による経時後の塗膜性能の評価を行なった
。

尚、評価基準は以下の方法によった。

◎・・・塗膜剥離面積がスコア加工部を中心に０．４０
ｍ未満○・・・　　　　　　　　　　　　０．４０ｗ以
上〜０．６０電未満Δ・・・　　　　　　　　　　　　
０．６０　ｍ以上〜１．０域未満×・・・塗膜剥離面積
がスコア加工部を中心に１．０ｍ以上■　穿孔腐食性評
価 上記評価試験後に、スコア加工部の穿孔腐食状況を断面
顕鋺により調査して、その耐食性を調査した。

尚、評価基準は以下の方法によった。

◎・・・最大穿孔腐食深さがスコア残厚の２（１未満○
・・・　　　　　　　　　　　　２０４以上〜４０チ未
満Δ・・・　　　　　　　　　　　　４０％以上〜６０
’１未満×・・・　　　　　　　　　　　　　　　　６
０憾以上■　成形加工性の評価 板厚０．２８簡の評価材を用い、１５０ｍφのブランク
サイズから深さ６０ｍの円筒絞りを行ない、その割れ発
生状況及び外面の被覆層のカジリ発生状況を検討し、各
評価材の相対比較を行なって、その成形加工性を評価し
た。

尚、評価基準は以下の方法によった。

◎・・・非常に良好 ○・・・良好 Δ・・・劣る ×・・・非常に劣る

【図面の簡単な説明】

第１図は鋼中Ｃｒ添加量とＳｎ被覆層との間の缶内容物
を対象とじ念場合のカップル腐食電流（１，５俤クエン
、０２１・■雰囲気、８ｍ被覆層アノード“〕の関係を
示す図、 第２図は鋼中Ｃｒ添加量とＳｎ被覆層との間の容器外面
を対象とした場合のカップル腐食電流（１４ＮａＳＯ４
＋　０．３５　’６　ＮａＣｔ水溶液、酸素飽和、Ｆ＋
アノード）の関係を示す図である。 代理人　　谷　山　輝　雄・　、ｊ −一〜、、Ｊ 新部興治゛ Ｃｒ遼加量へ）−

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）重量％で、 Ｃ；０．１５％以下、 酸可溶Ａｌ；０．００５〜０．１０％、 Ｃｒ；１．５〜１１％ を含有し残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼板に、片
   面当りの付着量が３００ｍｇ／ｍ＾２以上のＳｎ被覆層
   、その上に金属Ｃｒ量換算で片面当りの付着量が１．５
   〜１５０ｍｇ／ｍ＾２のクロメート系被膜層を施した事
   を特徴とする塗装性と耐食性に優れたＳｎ系被覆容器用
   鋼板。
2. （２）重量％で、 Ｃ；０．１５％以下、 酸可溶Ａｌ；０．００５〜０．１０％、 Ｃｒ；１．５〜１１％、 Ｔｉ、Ｎｂ、Ｚｒ、Ｖの１種又は２種以上で０．０３〜
   ０．５０％ を含有し残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼板に、
   片面当りの付着量が３００ｍｇ／ｍ＾２以上のＳｎ被覆
   層、その上に金属Ｃｒ量換算で片面当りの付着量が１．
   ５〜１５０ｍｇ／ｍ＾２のクロメート系被覆層を施した
   事を特徴とする塗装性と耐食性に優れたＳｎ系被覆容器
   用鋼板。
3. （３）重量％で、 Ｃ；０．１５％以下、 酸可溶Ａｌ；０．００５〜０．１０％、 Ｃｒ；１．５〜１１％、 残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼板に片面当りの付
   着量が３００ｍｇ／ｍ＾２以上のＳｎ被覆層を施した後
   、加熱溶融処理を施し、続いて金属Ｃｒ量換算で片面当
   りの付着量が１．５〜１５０ｍｇ／ｍ＾２のクロメート
   系被膜層を施す事を特徴とする塗装性と耐食性に優れた
   Ｓｎ系被覆容器用鋼板の製造法。
4. （４）重量％で、 Ｃ；０．１５％以下、 酸可溶Ａｌ；０．００５〜０．１０％、 Ｃｒ；１．５〜１１％、 Ｔｉ、Ｎｂ、Ｚｒ、Ｖの１種又は２種以上で０．０３〜
   ０．５０％ を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼板に
   、片面当りの付着量が３００ｍｇ／ｍ＾２以上のＳｎ被
   覆層を施した後、加熱溶融処理を施し、続いて金属Ｃｒ
   量換算で片面当りの付着量が１．５〜１５０ｍｇ／ｍ＾
   ２のクロメート系被膜層を施す事を特徴とする塗装性と
   耐食性に優れたＳｎ系被覆容器用鋼板の製造法。