JPH01260438A

JPH01260438A - 感光物質用包装材料

Info

Publication number: JPH01260438A
Application number: JP8814288A
Authority: JP
Inventors: Mutsuo Akao; 睦男赤尾
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1988-04-12
Filing date: 1988-04-12
Publication date: 1989-10-17

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は感光物質用包装材料に関するものであり、さら
に詳しくは単層フィルムだけでも物理強度、遮光性、ヒ
ートシール性が良好な改良された感光物質用包装材料に
関するものである。

〔従来の技術〕

感光材料のように、光に曝されるとその品質価値を失う
ものについては、光を完全に遮る包装袋が使用されてい
る。この包装袋には上記遮光性のほか被包装物の大きさ
や重量に応じた十分な物理強度、即ち引張り強度、引裂
き強度、衝撃穴あけ強度等が必要であり、さらに、開口
部のヒートシールによる密封を行う関係上、ヒートシー
ル適性が必要である。また、感光材料と包装袋との摩擦
による帯電を防止するために帯電防止性も必要である。

従来このような包装袋に使用される樹脂フィルムとして
は、遮光性物質を含有した高圧法分岐状低密度ポリエチ
レン（以下ＬＤＰＥと表示）樹脂フィルム層とアルミニ
ウム箔層と晒クラフト紙層とをＬＤＰＥ樹脂溶融押出し
接着層で順次積層した積層フィルムがあった。

また、単層フィルムでは、写真感光材料遮光袋のように
種々の特性を要求される包装袋に用いるのは難しいとこ
ろから、感光度の低い軽量で保護あて紙に入った写真感
光材料や軽量の印画紙用として、一部に用いられるカー
ボンブラックを含む厚手のＬＤＰＥ樹脂遮光性フィルム
があった。

また、本発明者等もロール状感光材料や１　ｋｇ以上の
重（てエツジのシャープなシート状感光材料の包装材料
（特に密封性遮光袋）として、物理強度が大きい一軸延
伸高密度ポリエチレン（以後ＨＤＰＥと表示）樹脂フィ
ルムを用いたクロスラミネートフィルムに、遮光性物質
と帯電防止剤のうち少なくともいずれか一方を含有する
ＬＤＰＥ樹脂フィルムを積層した積層フィルムを提案し
た（実公昭５６−１９０８７号公報）。さらに、ヒート
シール性と遮光性を改善した安価なりロスラミネートフ
ィルムを有する包装材料も提案した（実公昭６１−２０
５９０号公報）。

さらに、物理強度が大きく、かつヒートシール適性が優
れ、しかも安価な包装材料として、直鎖状低密度ポリエ
チレン（以後Ｌ−ＬＤＰＥと表示）樹脂にカーボンブラ
ックを添加した樹脂組成からなるＬ−ＬＤＰＥ樹脂遮光
性フィルム層を用いた積層フィルムよりなる包装材料を
提案した（特開昭６１−１８９９３６号公報、特開昭６
２−１８５４７号公報）。

さらに、また、金属蒸着フィルムを用いた包装材料とし
て、金属蒸着フィルム層の両側に、５０重量％以上のＬ
−ＬＤＰＥ樹脂を含み、かつ片側又は両側に０．３〜３
０重量％の遮光性物質を含むＬ−ＬＤＰＥ樹脂系ポリマ
ー層を積層した感光材料用包装材料を提案した（特開昭
６１−５４９３４号公報）。

〔発明が解決しようとする課題〕

前記従来のＬＤＰＥ樹脂フィルム層を有するアルミニウ
ム箔層と晒クラフト紙層との積層フィルムは、厚さが厚
く、剛性が大きいので包装作業性が悪く、且つ物理強度
（引裂強度）も小さく、カーリングが大きく、高価で、
ヒートシール適性が悪く、包装作業中や輸送中に塵が発
生したり、穴があいたり、裂けたり、ヒートシール部が
剥がれたりして遮光性や防湿性やガスバリヤ性を確保す
ることが困難であった。

厚手のカーボンブラックを含む単層ＬＤＰＥ樹脂遮光性
フィルムは、物理強度が小さく、ヒートシール性が悪く
、感光物質の品質を１００％確保することは困難であっ
た。

実公昭５６−１９０８７号公報及び実公昭６１−２０５
９０号公報で提案したクロスラミネートフィルムを有す
る包装材料は、引裂き強度や引張り強度等の物理強度が
大巾に向上するので、重量物質用包装材料として優れて
おり、最近まで実用化されていた。しかし、ヒートシー
ル層に一軸延伸ＨＤＰＥ樹脂フィルムを用いるので、剛
性が大きくて包装作業性が悪く、ヒートシール適性が劣
り、また接着層の厚さや一軸延伸ＨＤＰＥ樹脂フィルム
の延伸倍率のバラツキによりカーリングやヒートシール
強度、物理強度の変化が発生し、加工包装工程でトラブ
ルが発生したり、輸送工程中で時々剥がれたり破れたり
することがあった。

また、タテー軸延伸フィルムとヨコー軸延伸フィルムを
延伸軸が交差するように積層したクロスラミネートフィ
ルムは、２種類の延伸フィルム成形機を使用するため、
高価な積層フィルムになっていた。

特開昭６１−１８９９３６号公報や特開昭６２−１８５
４７号公報等で提案した、Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂にカーボン
ブラックを添加した樹脂組成を用いた単層Ｌ−ＬＤＰＥ
樹脂遮光フィルムを有する包装材料は、安価でヒートシ
ール適性も良好で、引裂き強度や衝撃穴あけ強度も優れ
ており、感光物質用包装材料としては非常に優れている
。しかし、重量製品や感光物質を包装する場合は、ヤン
グ率が小さいため、Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂遮光フィルムには
、穴や破れは発生しないが、伸ばされ薄くなり遮光性や
防湿性が十分に確保できないときがあった。また、密度
が０．９２５ｇ／ｃ＋１以下のＬ−ＬＤＰＥ樹脂を用い
たフィルムでは滑性が不足するだけでなく、ブロッキン
グが発生しやすかった。

特開昭６１−５４９３４号公報で提案した包装材料は、
引裂き強度等の物理強度が向上しているが、金属蒸着フ
ィルムの片側だけに遮光性物質を含むＬ−ＬＤＰＥ樹脂
系フィルム層を積層した包装材料は、カーリングが大き
く加工適性の劣るものであった。

また、両側に融点が略同じＬ−ＬＤＰＥ樹脂系フィルム
を積層した場合は、ヒートシール装置に特殊加工を施ざ
ないと、外側になる層が溶融破壊されて、ピンホールが
発生したり強度劣化を起こすだけでな（外観も悪くして
いた。

このために、ヤング率が大きく耐熱性があるアルミニウ
ム真空蒸着ナイロンフィルムやポリエステルフィルム等
と積層した、積層フィルムとして実用化されたが、カー
リングが非常に大きい上にこれらアルミニウム真空蒸着
ナイロンフィルム等は高価であった。

本発明は以上の問題点を解決し、単層フィルムでも物理
強度が優れ、ブロッキングの発生が少な（、ヒートシー
ル性が非常に優れ、カーリングがほとんど発生せず、塊
状の不均一故障の発生がなく、複層にした場合でもこれ
を内層に用いることにより写真性能的に安全で感光材料
の品質を１００％確保できる感光物質用包装材料を提供
することを目的としている。さらにチューブ状の袋とし
て用いた場合は感光物質の挿入性が優れた、非常に高価
な防湿・遮光袋を簡単に提供できるようにすることを目
的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記目的を達成するためになされたものであ
って、特殊樹脂組成のポリオレフィン樹脂遮光性フィル
ムを用いることにより解決したものである。

即ち、本発明の感光物質用包装材料は、メルトインデッ
クスが０．６〜１５ｇ／１０分、密度が０．９３１〜０
．９６５ｇ／ａ＋３のポリエチレン樹脂が０．５〜４０
重量％、メルトインデックスが０，６〜ｌｏｇ／１０分
、密度が０．９１９〜０．９３０ｇ／ｃｆｆｌの直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂が４０重量％以上、カーボンブ
ラックが０．１〜２０重量％、脂肪酸及び／又は脂肪酸
化合物が０．０１重量％以上、酸化防止剤が０．０１〜
２．０重量％含まれている単層のポリオレフィン樹脂遮
光性フィルムを具備していることを特徴として構成した
ものである。

本発明の感光物質用包装材料は、用いるポリオレフィン
樹脂遮光性フィルムの組成が、特殊特性を有するＬ　−
Ｌ　Ｄ　Ｐ　Ｅ樹脂とポリエチレン樹脂とを配合した特
殊な樹脂組成であるため、Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂フィルムの
持つ特性を確保しながら、その欠点である性質を特殊特
性を有するポリエチレン樹脂で補いさらに向上した性質
を示す。また、フィルムのヘイズを大きくして１０％以
上の遮光性向上効果を現わすことが判明した（カーボン
ブラック添加量を１０％以上減少しても路間−の遮光性
が確保できることが判明した）。

本発明の感光物質用包装材料に使用されるポリオレフィ
ン樹脂遮光性フィルムの構成成分の一つである前記ポリ
エチレン樹脂は、メルトインデックス（ＪＩＳ　Ｋ６７
６０測定法による。以下Ｍｌと表示）が０．６〜１５ｇ
／１０分、密度（ＪＩＳ　Ｋ６７６０測定法による６）
が０．９３１〜０．９６５ｇ／ｃｄ、特に好ましいのは
Ｍｌが１．０〜５．０ｇ／１０分、密度が０．９４１〜
０．９５８ｇ／ｃ−である。

この特定のポリエチレン樹脂を０．５〜４０重量％用い
る。０．５重量％未満ではＬ−ＬＤＰＥ樹脂の欠点であ
る低ヤング率、低抗張力、ブロッキング、滑性不足等を
改良することができず、またフィルム成形性が悪く、ド
ローダウンの発生やバブル安定性不足等を生じフィルム
成形が出来てもブロッキングや抗張力不足による片伸び
等により製袋適性に欠は実用化が困難である。

４０重量％を超えるとの引裂き強度が小さくなり、縦、
横の引裂き強度のバランスが悪化し破袋しやすくなる。

また、カーボンブラックの添加により本発明で得られる
効果とは反対に各物理特性やヒートシール性等が悪化す
る。また、塊状の不均一故障の発生が多くなり外観が悪
化するだけでなく感光物質に悪影響を及ぼす。

ポリエチレン樹脂のＭｌが０．６ｇ／１０分未満ではフ
ィルム成形性が悪く、且つ縦方向に大きく分子配向しや
すく、縦、横の物理強度のバランスが良いフィルムを得
ることができにくい。また塊状の不均一故障が多発して
感光物質を傷っけやす（なる、Ｍｌが１５ｇ／１０分超
えると物理強度が低下し、ヤング率や抗張力が小さく、
フィルム成形性が悪く実用化が困難である。

ポリエチレン樹脂の密度が０．９３１ｇ／ｃｊ未満ては
ブロッキング防止性に優れた高ヤング率のポリオレフィ
ン樹脂遮光性フィルムを得ることができにくい。密度が
０．９６５ｇ／ｃｒ１超えると、フィルム成形性が悪く
、且つ縮方向に大きく分子配向しやすく、縦、横の物理
強度のバランスが悪い。また塊状の不均一な故障が多発
して感光物質を傷つけやすくなる。その上に高価になり
実用化困難である。

本発明の感光物質用包装材料に使用されるポリオレフィ
ン樹脂遮光性フィルムの構成成分の１つであるＬ　−Ｌ
　Ｄ　Ｐ　Ｅ樹脂は、Ｍｌが０．６〜１０ｇ／１０分、
密度が０．９１９〜０．９３０ｇ／ｃｍ３の範囲のＬ−
ＬＤＰＥ樹脂である。

Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂は、第３のポリエチレン樹脂と称され
、中低密度、高密度両ポリエチレン樹脂の利点を併せも
つ省エネルギー、省資源という時代の要請に合致する低
コスト、高強度の樹脂である。この樹脂は低圧法又は高
圧改良法でエチレンと炭素数が３〜１３個、好ましくは
４〜ｌＯ個のα−オレフィンを共重合させたコポリマー
でエチレン含有量が８５〜９９．５モル％の線状の直鎖
に短分岐をもった構造の低中密度のポリエチレン系樹脂
である。

α−オレフィンとしてはブテン−１、オクテン−１１ヘ
キセン−１，４−メチルペンテン−１、ヘプテン−１、
などが使用され、その量はポリマーの０．５〜１５モル
％程度である。密度は一般に低中密度ポリエチレン樹脂
程度とされているが市販品では０．８７〜０．９５ｇ／
ｃｆｆｌもっとも一般的なＬ−ＬＤＰＥ樹脂としては０
．９０〜０．９４ｇ／ｃＩ１１の範囲内にあるものが多
い。本発明で用いることができるのはこの中の密度が０
．９１９〜０．９３０ｇノｃｒＡのＬ−ＬＤＰＥ樹脂で
ある。このＬ−ＬＤＰＥ樹脂の具体例を商品名で示せば
、Ｇレジン、ＴＵＦＬ　ＩＮ　（ＵＣＣ社）、ダウレッ
クス（ダウケミカル社）、スフレア　　“−（デュポン
カナダ社）、マーレックス（フィリップス社）、ネオゼ
ックスとウルトゼックス（三井石油化学）、目方すニレ
ックス（日本石油化学）、ＮＵＣポリエチレン−ＬＬ、
ＴＵＦＴＨＥＮＥ　（日本ユニカー）、出光ポリエチレ
ンＬ、ＭＯＲＥＴＥＣ（出光石油化学）、スタミレック
ス（ＤＳＭ社）、などが挙げられる。これらのＬ−ＬＤ
ＰＥ樹脂はポリオレフィン樹脂遮光性フィルム中４０重
景％以上を占める。

４０重量％未満ではＬ−ＬＤＰＥ樹脂を添加して縦、横
の引裂き強度を大きくする効果が少ない。

特に単層の薄いＬ−ＬＤＰＥ樹脂を含むポリオレフィン
樹脂遮光性フィルムだけでは引裂き強度や衝撃穴あけ強
度、耐ピンホール性等が不十分になり感光物質用包装材
料としては実用化困難である。

Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂のＭｌが０．６未満では、樹脂の流動
性が不足するのでフィルム成形性が悪化し、ＭＩがＬｏ
ｇ／１０分を超えると物理強度が低下し、引裂き強度や
衝撃穴あけ強度が不十分で、且つブロッキングが発生し
やすくなる。

Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂の密度が０．９１９ｇ／ｃｄ未満では
、α−オレフィンの量が多いため重合性が悪く、高価で
あり、ヤング率や抗張力が小さく単一層フィルムのみで
は本発明の目的を達成するフィルムを得ることが困難で
ある。

密度が０．９３ｈ／ｃｄを超えると、タテ方向に分子配
向しやすくなり、タテ、ヨコの物理強度のバランスが悪
くなる。

特に耐ピンホール性が不十分になり単層フィルムでは重
量物用フィルムとしては実用化困難である。

本発明の感光物質用包装材料に使用されるポリオレフィ
ン樹脂遮光性フィルムの構成成分の１つであるカーボン
ブラックは、ポリオレフィン樹脂と混練または分散が可
能であり、可視光線及び紫外線等を透過せず、ポリオレ
フィン樹脂フィルムに遮光性を与える。また、カーボン
ブラックはポリオレフィン樹脂フィルムの引裂き強度や
衝撃穴あけ強度、ヒートシール性を改善するだけでなく
、樹脂の酸化防止によるブッの発生防止、ブロッキング
の防止、滑性の向上、有害物質（酸化・還元物質や金属
等）の吸着など、多くの役割を果たす最も重要な物質で
ある。

カーボンブラックは原料によりガスブラック、オイルフ
ァーネスブラック、アントラセンブラック、アセチレン
ブラック、油煙、粉煙、アニマルブラック、ベジタブル
ブラック等に分類される。

カーボンブラックの中ではｐＨ５〜９、平均粒子径１０
〜２００ｍμのものが好ましく、特にｐＨ６〜９のファ
ーネスカーボンブラックが好ましい。このようなｐ＋＋
及び粒子径のものを使用することによって、カブリの発
生が少なく、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が
大きく、混線分散性が優れたカーボンブラックの塊（ブ
ッ）やフィッシュアイ等によるピンホールが発生しにく
い物理強度向上やヒートシール性向上等の数々の利点を
有する遮光性フィルムを得ることができる。

本発明においては、安価で遮光能力が大きく、混線分散
性が優れている点で平均粒子サイズが２００ｍμ以下、
特に５０ＩＩｐ以下のファーネスカーボンブラックが好
ましく、また、高価であるが帯電防止効果の研れたアセ
チレンブラックやケッチエンカーボンブラックやグラフ
ァイトを用いることも場合によっては好ましい。

上記各種カーボンブラックは単独使用でも、２種以上の
併用でもよい。また金属繊維や炭素繊維、金属粉末等と
の併用により導電性を向上させることも好ましい。

そして、このカーボンブラックは０．１〜２０．０重量
％含まれる。

０．１重世％未満ではカーボンブラックの添加効果（遮
光性確保、帯電防止等）が期待できず、混練経費分だけ
コストアップになる。

２０．０重量％を超えるとフィルム物理強度、特に引裂
き強度や衝撃穴あけ強度が低下し、ヒートシール性が悪
化する。

さらにフィルム表面のカーボンブラックにより感光物質
が汚染されたり、カーボンブラックがフィルムから離脱
して感光物質に付着する故障が多発する。

なお、カーボンブラックの添加量は、ポリオレフィン樹
脂遮光性フィルムの単位面積（ｎｆ）当り約０．３〜５
０ｇ／ｆｆｒカ好マシイ。

カーボンブラックを樹脂にブレンドする形態は、コンパ
ウンド法（カラードペレット）、リキッドカラー法、ド
ライカラー法、ダイカラーグラニュー法、マスターバッ
チ法等種々の公知の方法を用いることができるが、ダイ
カラーグラニュー法とマスターバッチ法がコストダウン
、作業場の汚染防止等の点で好ましい。

本発明の感光物質用包装材料に使用されるポリオレフィ
ン樹脂遮光性フィルムの構成成分である脂肪酸及び／又
は脂肪酸化合物は、ポリオレフィン樹脂の重合触媒とし
て添加された感光物質に有害で悪影響を及ぼすハロゲン
化物等を中和により無害化する外、カーボンブラックの
分散性向上、ブロッキングの防止、滑性の向上、製袋適
性の向上等を果たす。また、ポリエチレン樹脂フィルム
、ＬＤＰＥ樹脂フィルム中の添加物の経時変化で生ずる
ブリードアウトによるヒートシール性悪化も、本発明で
用いる夾雑物シール性の優れたＬ−ＬＤＰＥ樹脂を４０
重量％以上用いることと相俟って完全に防止することが
できる。

本発明で使用する代表的な脂肪酸としては、オレイン酸
、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、ナフテン
酸、オクチル酸、フタル酸、アジピン酸、セパチン酸、
アセチルリシノール酸、マレイン酸等の飽和及び不飽和
脂肪酸等である。

代表的な脂肪酸化合物としては、オレイン酸アミド、エ
ルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ビス脂肪酸アミド
、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム
、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステ
アリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、オクチル酸
亜鉛、オレイン酸ブチル、ステアリン酸ブチル等である
。

脂肪酸および脂肪酸化合物は、それぞれ単独または併用
して０．０１重量％以上用いられる。０．０１重量％未
満では上記した各種の効果が得られず、過大に用いると
スクリューのスリップによる樹脂押出し量の低下及び吐
出量の変動、ブリードアウト、ヒートシール性の悪化等
種々の弊害が生ずるので７．０重量％以内が好ましい。

本発明の感光物質用包装材料に使用されるポリオレフィ
ン樹脂遮光性フィルムの構成成分の一つである酸化防止
剤は、長時間の連続フィルム成形における樹脂の酸化に
よるブツの発生を抑制し写真感光材料用の遮光袋として
用いた場合プツによる押し傷や擦り傷や圧力力ブリ等の
発生を防止するために用いる。

大きなブッが発生した場合は上記の問題以外にヒートシ
ール不良が発生し、遮光性や防湿性やガスバリヤ性が確
保できず感光物質の品質確保ができなくなる。

酸化防止剤とカーボンブラックを併用することにより酸
化防止の相乗効果が発揮される。

酸化防止剤の代表的例を次に示す。

フェノール系のものとして、ｎ−オクタデシル−３（３
’、５’−ジ−ｔ−ブチル４′ヒドロキシフエニル）プ
ロピネート、２，６ジーｔ−ブチル４−メチルフェノー
ル、２．６ジーし一ブチルーＰ−クレゾール、２，２°
−メチレンビス（４−メチル−６−ｔ−ブチルフェノー
ル）、４．４′−チオビス（３−メチル６−ｔ−ブチル
フェノール）、４，４゛−ブチリデンビス（３−メチル
−６−１−ブチルフェノール）１、ステアリル−β（３
，５−ジー４−ブチル４−ヒドロキシフェニル）プロピ
オネート、１．１．３−トリス（２−メチル−４−ヒド
ロキシ−５−ｔ−ブチルフェニル）ブタン、１，３．５
−　）リメチル−２，４，６−トリス（３，５−ジ−ｔ
−ブチル−４−ヒドロキシベンジル）ベンゼン、オクタ
デシル−３−（３，５−ジーＬ−ブチルー４ヒドロキシ
フェニル）プロピオネート、テトラキス〔メチレン−３
（３°、５′−ジ−ｔ−７’チル−４°−ヒドロキシフ
ェニル）プロピオネートコメタン等がある。

硫黄系のものとして、ジラウリル−３，３“−チオジプ
ロピオネート、シミリスチル−３，３゛−チオジプロピ
オネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、
ジステアリル−３゛−チオジプロピオネート、ジトリデ
シル−３，３°−チオジプロピオネート等がある。

燐系のものとして、トリノニルフェニルフォスファイト
、トリフェニルフォスファイト等である。

また、この他にプラスチックハンドブック（ＫＫ工業調
査会発行）７９４〜７９９頁やプラスチック添加剤デー
タ集（ＫＫ化学工業社発行）３２７〜３２９頁や１’Ｌ
ＡＳＴＩＣＳ　ＡＧＥ　ＥＮＣＹＣＬＯＰＥＤＩＡ進歩
編１９８６（Ｋ　Ｋプラスチック・エージ社発行）２１
１〜２１２頁に開示された各種酸化防止剤等がある。

酸化防止剤は１種類の使用に限定されず２種以上を併用
してもよい。併用することにより酸化防止効果が向上す
る場合もある。例えばフェノール系酸化防止剤とリン系
酸化防止剤の併用や揮発性酸化防止剤と耐熱性酸化防止
剤の併用等である。

特に２．６−ジーｔ−ブチル−ｐ−クレゾール（ＢＨＴ
）や低揮発性の高分子量フェノール型酸化防止剤（商品
名１ｒｅｇａｎｏｘ　１０１０＋　Ｉｒｉｇａｎｏｘ　
１０７６＋ＴｏｐａｎｏｌＣＡ、　Ｉｏｎｏｘ　３３０
等）やジラウリルチオジプロピオネートやジステアリル
チオジプロピオネートやシアルキスフォスフェート等の
１つ以上、特に２つ以上を併用するのが効果的である。

酸化防止剤の添加許容量は感光物質の種類により大きな
差があるが酸化・還元作用を利用しているハロゲン化銀
写真感光材料の場合には酸化防止剤により感光度変動等
の悪影響を受けるので２．０重量％以下にすることが好
ましい。

この添加量範囲内にした時もフェノール系酸化防止剤を
メインとして選ぶことが好ましい。

本発明の感光物質用包装材料に用いるポリオレフィン樹
脂遮光性フィルムはブロッキング防止剤なしでも完全に
ブロッキングを防止可能であるが、特に引裂き強度や衝
撃穴あけ強度や低温物理強度の向上を計るため、密度が
０．９１９〜０．９２５ｇ／ｃｆｆｌのＬ−ＬＤＰＥ樹
脂を８０重量％以上含有する場合には、ブロッキングを
完全に防止するために各種ブロッキング防止剤を添加す
ることがある。

代表的なブロッキング防止剤としては、シリカ、珪藻土
類、カルシウムシリケート、珪酸アルミニウム、タルク
、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、高級脂肪酸ポリ
ビニルエステル、ｎ−オクタデシルウレア、ジカルボン
酸エステルアミド等である。

本発明においては使用するポリオレフィン樹脂遮光性フ
ィルムの特性を発揮させるために各種添加剤を添加する
ことができる。

添加剤の代表例を以下に記載するが、本発明はこれに限
定されるものではなく公知のあらゆるものの中から選択
できる。

（添加剤種類）　　　　（代　表　例）（１）　Ｅ［剤
；フタル酸エステル、グリコールエステル、脂肪酸エス
テル、リン酸エステル等（２）安定剤　　；鉛系、カドミニウム系、亜鉛系、ア
ルカリ土類金属系、有機スズ系等（３）帯電防止剤；陽イオン系界面活性剤、陰イオン系
界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両面活性剤、各種カーボンブラック、金属粉末、グラファイト等（４）難燃剤　　；燐酸エステル、ハロゲン化燐酸エス
テル、ハロゲン化物、ｍａｌ物、含燐ポリオール等（５）充填剤　　；アルミナ、カオリン、クレー、炭酸
カルシウム、マイカ、タルク、酸化チタン、シリカ等（６）補強剤　　；ガラスロービング、金属繊維、ガラ
ス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維等（７）着色剤　　；無機顔料（ＡＩ、　ＦｅｚＯ＝、　
Ｔｉ１ｔ、　ＺｎＯ。

ＣｄＳ等）、有機顔料（カーボンブラック、染料等）等（８）発泡剤　　；無機発泡剤（炭酸アンモニア。

重炭酸ソーダ）、有機発泡剤にトロソ系、アゾ系）等（９）劣化防止剤；紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属不
活性化剤、過酸化物分解剤等（１０）カップリング剤ニジラン系、チタネート系、ク
ロム系、アルミニウム系等である。

本発明の感光物質用包装材料に用いる特殊樹脂組成のポ
リオレフィン樹脂遮光性フィルムには各種の熱可塑性樹
脂を添加することも可能である。

、例えば各種のポリオレフィン樹脂であるＬＤＰＥ樹脂
、ＭＤＰＥ樹脂、ポリプロレン樹脂、プロピレン−エチ
レン共重合体樹脂、ＥＶＡ樹脂、ＥＭＡ樹脂、ＥＥＡ樹
脂、ＥＡＡ樹脂、アイオノマー樹脂、エチレンー不飽和
カルボン酸共重合体樹脂、エチレンー不飽和カルボン酸
エステル共重合体樹脂、各種エチレン・アルキルエステ
ル共重合体樹脂、各種エストラマー等である。

本発明の感光物質用包装材料は、前記特殊樹脂組成のポ
リオレフィン樹脂を用いてインフレーションフィルムと
することにより、特に大きな効果を発揮する。

特に、円筒状の感光材料の中でも、直径が２５ｃｍ以上
、長さ５０ｃｍ以上である体積と重量の大きな、バルク
ロールと業界で呼称される製品の包装体としては好適で
ある。

しかし最も効果を発揮するのは、インフレーションフィ
ルム成形法で成形した円筒状のフィルムの底部をヒート
シールした平袋またはガゼツト袋である。

インフレーションフィルムの両端をスリシトして、シー
ト状のフィルムとして他のフレキシブルシートと積層し
た積層フィルムは、さらに優れた特性を付加できるため
特にハロゲン化銀写真感光材料などの包装材料として使
用されるが、最も好ましいのは単層として上記の如き感
光材料のバルクロールや磁気材料のパンケーキ等の包装
体で用いればコスト低減と品質確保が完全となる。

なお積層フィルムの形態で包装袋に用いる場合は、本発
明の感光物質用包装材料であるポリオレフィン樹脂遮光
性フィルムは好ましくは内層に用いられる。

本発明の感光物質用包装材料は、写真感光材料の外、磁
気テープ、食料品、医薬品、化学物質などの感光性の各
種製品の包装に好適である。

中でも最も効果を発揮するのは、僅かなガスや光や湿度
により品質が損なわれる各種ハロゲン化銀写真感光材料
、ジアゾ感光材料、光定着型感熱感光材料、感光性樹脂
感光材料、紫外線硬化型感光材料、転写型熱現像感光材
料、直接ポジ型写真感光材料、自己現像型写真感光材料
、平版印刷用感光材料（ＰＳ版）等の光感光性材料の遮
光袋である。しかしこれらに限定されるものではな（、
種種の包装材料として用いることができる。

〔作用〕

本発明の感光物質用包装材料は、特殊な性能を有するＬ
−ＬＤＰＥ樹脂を４０重量％用いているため、特にタテ
、ヨコの物理強度のバランスのとれた非常に優れた引裂
き強度と衝撃穴あけ強度を確保する。また、カーボンブ
ラックを本発明の樹脂組成中に含む時は、従来のＬＤＰ
Ｅ樹脂やＨＤ　ＰＥ樹脂を用いた感光物質用包装材料で
生じた物理強度の低下やヒートシール性の悪化がなくむ
しろ反対に１０重量％以下の範囲のカーボンブラックの
添加ではカーボンブラック無添加フィルムより引裂き強
度やヒートシール性が向上し酸化防止性能も向上する。

また、特定物性を有するポリエチレン樹脂を０゜５〜４
０重量％用いているため、上記Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂の優れ
た特性を確保しながらＬ−ＬＤＰＥ樹脂の欠点である低
ヤング率やブロッキングやメルトフラクチャーの発生お
よび結晶化速度を改善する。また、抗張力もＬ−ＬＤＰ
Ｅ樹脂単独フィルムより向上する結果フィルム成形中の
片伸びが発生し難く、ドロウ−ダウンやシワ、筋の発生
も少なくインフレーションフィルム成形に際しバブルの
安定性が良好でメルトフラクチャーが発生し難く、平滑
性が優れた遮光性フィルムが得られる。

また、Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂とポリエチレン樹脂とのブレン
ドによりヘイズを大きくして、同一カーボンブラック添
加量でも１０％以上の遮光性を向上させている。

また、カーボンブラックと共に酸化防止剤、脂肪酸およ
び／または脂肪酸化合物を用いているため、カーボンブ
ラックの分散性が向上し、カーボンブラックと酸化防止
剤の相乗効果によりポリオレフィン樹脂遮光性フィルム
の酸化によるプッの発生を防止する。また、フィルム成
形性の改善、フィルムの滑性やブロッキング防止性を向
上する。

また、さらにＬ−ＬＤＰＥ樹脂を４０重量％以上用いる
ことにより白粉の発生を防止する。製袋適性や包装適性
に影響を及ぼすカーボンブラックの発生もほとんどない
。

〔実施例〕

本発明の感光物質用包装材料の実施例を第１図から第３
図に基づいて説明する。

第１図から第３図は本発明の感光物質用包装材料の層構
成を示す部分断面図である。

第１図の感光物質用包装材料は、カーボンブラックを含
むポリオレフィン樹脂遮光性フィルム１ａの単層からな
る。

第２図の感光物質用包装材料はカーボンブラックを含む
ポリオレフィン樹脂遮光性フィルム層１ａに接着層３を
介してフレキシブルシート層４を積層した３層で構成さ
れている。

第３図の感光物質用包装材料は、カーボンブランクを含
むポリオレフィン樹脂遮光性フィルム層ｌａに接着層３
を介してカーボンブラックを含むポリオレフィン樹脂遮
光性フィルム層１ａを積層した３層で構成されている。

第４図は比較品■の感光物質用包装材料の層構成を示す
部分断面であって、ＨＤＰＥ樹脂遮光性フィルム５ａの
単層からなっている。

第５図は比較品■の感光物質用包装材料の層構成を示す
部分断面図であって、Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂遮光性フィルム
６ａの単層からなっている。

第６図は従来品Ｉの感光物質用包装材料の層構成を示す
部分断面図であって、ＬＤＰＥ樹脂遮光性フィルム７ａ
の単層からなっている。

次に本発明品■、■、■、比較品■、■及び従来品Ｉの
特性を比較した実験結果について説明する。

本発明品Ｉポリエチレン樹脂としてＭＴが１．１ｇ／１０分、密度
が０．９５４ｇ／ｃｆｆｌのＨＤＰＥ樹脂が１．０重量
％、エチレンとオクテン−１の共重合体樹脂であるＭｌ
が４ｇ／１０分、密度が０．９２５ｇ／ｃｆｆｌのり、
−ＬＤＰＥ樹脂が９５．８５重量％、カーボンブラック
（オイルファーネスカーボンブラックｌ１４４Ｂ、平均
粒子径２１ｍｐ。

ｐＨ７，７，三菱化成■製）が３！を量％、オレイン酸
アミドが０．０３重景％、ステアリン酸カルシウムが０
．０７重量％、酸化防止剤が０．０５重量％の樹脂組成
からなる厚さ７０−の単層インフレーションフィルムよ
りなる包装材料である。

本発明品■ ポリエチレン樹脂としてＭｌが１．１ｇ／１０分、密度
が０．９５４ｇ／ｃ艷のＨＤＰＥ樹脂が１０重景％、エ
チレンとオクテン−１の共重合体樹脂であるＭｌが２、
０　ｇ／１０分、密度が０．９２０ｇ／ｃｍ３のＬ−Ｌ
ＤＰＥ樹脂が８６．８５５重丸、カーボンブラックが３
重量％、オレイン酸アミドが０．０３３重丸、ステアリ
ン酸カルシウムが０．０７重量％、酸化防止剤が０．０
５５重丸の樹脂組成からなる厚さ１０ｎの単層インフレ
ーションフィルムよりなる包装材料である。

本発明品■ ポリエチレン樹脂として密度が０．９３５ｇ／ｃｎ！、
ＭＩが２．０ｇ／１０分のＨＤＰＥ樹脂が１５重量％、
エチレンと４メチルペンテン−１共重合体樹脂であるＭ
ｌが２．１ｇ／１０分、密度が０．９２０ｇ／ｃｍ３の
Ｌ−ＬＤＰＥ樹脂が８１．８５５重丸、カーボンブラッ
クが３重量％、オレイン酸アミドが０．０３重量％、ス
テアリン酸カルシウムが０．０７重量％、酸化防止剤が
０゜０５重量％の樹脂組成からなる厚さ７０μの単層イ
ンフレーションフィルムよりなる包装材料である。

比較品１本発明品Ｉのポリエチレン樹脂であるＭｌが１゜１　ｇ
／１０分、密度が０．９５４ｇ／ｄのＨＤＰＥ樹脂が９
７重量％、カーボンブラックが３重量％の樹脂組成から
なる厚さ７０−の単層インフレーションフィルムよりな
る包装材料である。

比較品■ エチレンとブテン−１の共重合体樹脂であるＭＩが１．
０ｇ／１０分、密度が０．８９０ｇ／ｃＴ１のＬ−ＬＤ
ＰＥ樹脂が９７重量％カーボンブラックが３重量％の樹
脂組成からなる厚さ７０１Ｍの単層インフレーションフ
ィルムよりなる包装材料である。

従来品■ 密度が０．９２３ｇ／ｃｒＡ、　Ｍ　Ｉが２．４ｇ／１
０分のＬＤＰＥ樹脂が９７重量％、カーボンブラックが
３重量％の樹脂組成からなる厚さ７０縛の単層インフレ
ーションフィルムよりなる包装材料である以上の実施例は本発明の包装材料の好ましい実施の態様
の代表例を示したものであるが、本発明はこれらに限定
されるものでなく市販の各種のＬ−ＬＤＰＥ樹脂及び他
の公知の素材や熱可塑性樹脂との樹脂組成や他の公知の
接着層、アンカーコート層、フレキシブルシート層との
組合せや公知の表面活性化処理（コロナ放電処理、紫外
線照射処理、火焔処理、グロー放電処理等）等を用いる
ことができる。

実験結果を第１表に示す。

評価は下記による。

◎・・・非常に優れているＯ・・・優れている・・・・可（実用限度内）ム・・・問題あり（改良必要） ×・・・実用不可 ※１ブロッキング防止性上記樹脂組成のインフレーションフィルムを※３の条件
で成形巻き取り後１００”　Ｘ　１００”″の寸法にカ
ミソリで切断し、この切断口の開口のし易から判断した
。

※２ヒートシール通性ホットタック性、夾雑物ヒートシール性、ヒートシール
強度、経時ヒートシール強度、ヒートシール許容温度範
囲の５点を総合した評価 ※３フィルム成形性直径１００鵬、リングクリアランスが１鴫のリングダイ
を用いブロー比１．７６で厚さ１０ｕｍのインフレーシ
ョンフィルムを成形した時のバブルの安定性、ドローダ
ウンの発生、シワ・筋の発生、フィルムの厚薄等を総合
した評価〔発明の効果〕本発明の感光物質用包装材料は単層フィルムだけでも感
光物質用包装材料として必要な特性を総て満足するもの
であって、ブロッキングの発生が無く、柔軟で物理強度
が大きく、フィルム成形性、ヒートシール適性が優れて
いる。

インフレーションフィルムをそのまま用いてバルクロー
ルの密封包装体のような大型重量製品の包装材料とする
とか、また必要寸法に切断後、底部をヒートシールする
だけで簡単に防湿遮光性にすぐれた包装袋を安価に得る
ことができる。

また、カーリングが少なくヒートシール性が良好である
ため、包装作業性も良好で包装作業の生産性が良く包装
材料のコスト低減だけでなく省力化によるコスト低減が
可能である

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図は、本発明の感光物質用包装材料の実
施例の層構成を示す部分断面図である。第４図、第５図は比較品の層構成を示す部分断面図、第
６図は従来品の層構成を示す部分断面図である。１ａ・・・ポリオレフィン樹脂遮光性フィルム層３．３
ａ・・・接着層４．４ａ・・・フレキシブルシート層５ａ・・・ＨＤＰＥ樹脂遮光性フィルム層６ａ・・・Ｌ
−ＬＤＰＥ樹脂遮光性フィルム層７ａ・・・ＬＤＰＥ樹
脂遮光性フィルム層ａ；遮光性物質を含むことを示す特許出願人　富士写真フィルム株式会社代理人　　　弁
理士　国中　改名　はか１名第２図第１図第３区第４図第５図　　　　　第６図

Claims

【特許請求の範囲】

メルトインデックスが０．６〜１５ｇ／１０分、密度が
０．９３１〜０．９６５ｇ／ｃｍ＾３のポリエチレン樹
脂が０．５〜４０重量％、メルトインデックスが０．６
〜１０ｇ／１０分、密度が０．９１９〜０．９３０ｇ／
ｃｍ＾３の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が４０重量％
以上、カーボンブラックが０．１〜２０重量％、脂肪酸
及び／又は脂肪酸化合物が０．０１重量％以上、酸化防
止剤が０．０１〜２．０重量％含まれている単層のポリ
オレフィン樹脂遮光性フィルムを具備していることを特
徴とする感光物質用包装材料