JPH01233213A - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JPH01233213A
JPH01233213A JP63058816A JP5881688A JPH01233213A JP H01233213 A JPH01233213 A JP H01233213A JP 63058816 A JP63058816 A JP 63058816A JP 5881688 A JP5881688 A JP 5881688A JP H01233213 A JPH01233213 A JP H01233213A
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adhesive
lecithin
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Takashi Nakagawa
隆司 中川
Tadao Kawamori
唯夫 河盛
Michiari Hashimoto
橋本 通有
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、薬物を経皮的に投与しうる貼付剤。
特に該薬物の経皮吸収性を高めた貼付剤およびその製造
方法に関する。
(従来の技術) 全身もしくは局部での薬効を得るために、経皮投与形の
製剤である貼付剤を用い、薬物(生理活性物質)を皮膚
を介して吸収させることが行われている。この経皮投与
法は、従来の経口投与法に比べて利点が多い。例えば、
薬物を経口投与すると、腸で吸収された薬物は肝臓へ循
環して代謝を受けるため、その薬効を発揮する前にかな
りの量が分解されてしまう。これに対して、経皮投与法
では、吸収された薬物は体内の初回循環時に肝臓を通過
しない。そのため、肝臓での代謝により薬効が大幅に減
じるということがない。特に非ステロイド系抗炎症剤の
場合は、経口投与すると胃腸障害を生じやすいが、経皮
投与ではこのような胃腸障害が生じにくいという利点を
有する。薬物の吸収性をコントロールすれば、薬物が短
時間に大量に吸収されるために起こる副作用を軽減する
ことが可能となる。長時間にわたり一定の血中濃度を維
持できれば薬物の投与回数を減らすこともできる。
しかし、貼付剤を用いて薬物を投与しても、該薬物が皮
膚を透過しにくく生体利用率(バイオアベイラビリティ
)が低くなる場合が多い。そのため、貼付剤中に存在す
る薬物の絶対量を高め、必要量の薬物を経皮吸収される
試みがなされている。
例えば、特開昭60−185713号公報には、貼付剤
軟膏剤、クリーム製剤などの基剤中に薬物を飽和溶解度
以上の量で含有させ、該薬物を再結晶微粒子の状態で分
散させた経皮吸収製剤が開示されている。例えば貼付剤
を皮膚表面に貼付し、基剤中に熔解している薬物が経皮
吸収されると、基剤中に微粒子状で存在する薬物が順次
溶解して溶解状態の薬物が補充される。そのため、薬物
量が該薬物の飽和溶解度以下である従来の製剤に比べて
多量の薬物を投与することが可能であると考えられる。
しかし、実際には9粒子状で存在する薬物は基剤中へ再
溶解しに<<、そのため薬物の皮膚を通しての吸収効率
は予期したほど高くはない。
薬物の吸収性を高めるために吸収促進剤を含有する貼付
剤も数多く調製されている。吸収促進剤としては、一般
に、サリチル酸、尿素、ジメチルスルホキシド、プロピ
レングリコール、グリセリン、ジメチルスルホキシドな
ど数多(の化合物が用いられて、いる。しかし、いずれ
の場合にも薬物の経皮吸収性は必ずしも良好とはいえな
い。薬物として上記非ステロイド系抗炎症剤を投与する
場合については、ホスファチジルコリンなどのリン脂質
を粘着剤中に含有させ、該非ステロイド系抗炎症剤の皮
膚下における貯留性を増大させて薬効を高める方法が、
特開昭58−150508号公報および特開昭61−1
72833号公報に開示されている。リン脂質を添加す
ることにより抗炎症効果はやや高くなるが、その効果は
治療上満足を得ることができる程高くはない。このよう
に、薬物を効果的に吸収させうる貼付剤はいまだ得られ
ていないのが現状である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり。
その目的とするところは、含有する薬物を効果的に皮膚
を通じて吸収させうる貼付剤を提供することにある。本
発明の他の目的は、含有される薬物の経皮吸収性を高め
、かつ皮膚に対する刺激性がなく生体に対して安全な吸
収補助剤を含有する貼付剤を提供することにある。本発
明のさらに他の目的は2例えば、非ステロイド系抗炎症
剤においては9局所および全身に対してその薬効を持続
させることが可能である貼付剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、1日あたりの薬物投与回数
を減らし、使用しやすく、かつ患者のコンプライアンス
を得ることのできる貼付剤を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の貼付剤は、支持体の片面に粘着剤層が設けられ
た貼付剤であって、該粘着剤層が、薬物。
およびレシチンおよび/またはソルビタン脂肪酸エステ
ルを含み、かつ、該薬物が該粘着剤層中に均一に分散さ
れ、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の貼付剤の製造方法は、薬物、レシチンおよび/
またはソルビタン脂肪酸エステル、および粘着基剤を溶
媒に均一に溶解させる工程;および得られた溶液を支持
体の片面に塗布し乾燥させる工程、または、得られた溶
液を剥離紙表面に塗布し乾燥後、形成された粘着剤層表
面に支持体を密着させる工程;を包含し、そのことによ
り上記目的が達成される。
本発明の貼付剤に用いられるレシチンとは、ホスファチ
ジルコリン(狭義のレシチン)をはじめとし、自然界に
広く分布するグリ七ロリン脂質を指していう。レシチン
には、上記ホスファチジルコリンの他、ホスファチジル
エタノールアミン。
ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、
ホスファチジン酸などがある。これらのうちの一種以上
を含有し、容易に入手し得るレシチン含有物としては、
大豆レシチン、卵黄レシチン。
水素添加レシチンなどがある。
上記ソルビタン脂肪酸エステルは、炭素数lO〜26、
好ましくは4〜22の脂肪酸(飽和脂肪酸および不飽和
脂肪酸のいずれであってもよい)と、ソルビトールとの
エステル化物である。それには。
ソルビタンモノラウレート ソルビクンモノパルミテー
ト、ソルビクンモノオレエート、ソルビタンセスキオレ
エート、ソルビタントリオレエートなどがある。
上記レシチンおよび/またはソルビタン脂肪酸エステル
は、基剤中における薬物の溶解度を増し。
その結果、薬物の利用率を高める働きを有する。
これらの化合物は1通常、後述の粘着基剤中に。
それぞれの飽和溶解度を越えない範囲で含有される。そ
の濃度は、粘着基剤の組成などにより異なるが9通常、
粘着基剤100重量部に対して0.5〜50重量部、好
ましくは1〜20重量部の範囲である。
過少であると薬物の粘着基剤への溶解性が向上しないた
め、後述のように、多量の薬物を実質的に非晶質の状態
で含有させることができない。過剰であっても含を量に
比例した薬物の経皮吸収促進効果は得られないばかりか
、粘着剤の粘着力が低下するという欠点がある。レシチ
ンおよび/またはソルビタン脂肪酸エステルの量は、粘
着基剤の粘着力や該基剤中の薬物の拡散速度を低下させ
ない範囲において、基剤に対する飽和濃度に近い高濃度
であることが好ましい。
使用される薬物(生理活性物質)は経皮投与により皮膚
を透過し1局所的にもしくは全身的に薬効をもたらすも
のであればよく、特に限定されない。例えば、非ステロ
イド系抗炎症剤、ステロイド類、抗高血圧剤、麻酔剤、
抗真菌剤、抗てんかん剤、冠血管拡張剤、ホルモン剤お
よび抗ヒスタミン剤が挙げられる。
非ステロイド系抗炎症剤としては、ピロキシカム、フェ
ニルブタシン、アセチルサリチル酸、フルフェナム酸、
メフェナム酸、イブプロフェン。
ケトプロフェン、フルルビプロフェン、スリンダク、イ
ンドメタシン、ジクロフェナック、アルクロフェナック
、フェンブエン、チノリジン、エモルファゾンなどがあ
る。ステロイド類としては。
プレドニゾロン、プロピオン酸クロベタゾールなどのコ
ルチコステロイド類がある。抗高血圧剤としては、クロ
ニジン、ニフェジピン、プロプラノロールなどがある。
麻酔剤としては、リドカイン。
ペンシカインなどがある。抗真菌剤としては、クロトリ
マゾール、ペンタマイシンなどがある。抗てんかん剤と
しては、ニトラゼバム、メブロバメートなどがある。冠
血管拡張剤としては、ニトログリセリン、イソソルビド
ジナイトレートなどがある。ホルモン剤としては、エス
トラジオールなどがある。抗ヒスタミン剤としては、塩
酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルイミダゾールなどが
ある。
これらの薬物は、該薬物の飽和溶解度を越える量で基剤
中に含有される。かつその配合量は、少なくとも該薬物
の1日当たりの常用量販上であることが好ましい。配合
量は、薬物の種類、粘着基剤の組成、得られる貼付剤の
使用目的などにより異なるが1例えば、薬物として非ス
テロイド系抗炎症剤を配合する場合には、後述の粘着基
剤100重量部あたり0.5〜40!i量部、好ましく
は1〜25重量部の割合で配合される。薬物の量が過少
であると充分に薬効が得られず、かつ薬効の持続効果が
得られない。過剰であると薬物が粘着剤層から析出し、
粘着力が低下する。
本発明の貼付剤の粘着基剤としては、貼付剤を常温で皮
膚に長時間固定しうる粘着力があれば充分であり、特に
限定されない。例えばアクリル系。
ゴム系、シリコーン樹脂系などの粘着剤が使用され得2
通常、アクリル系およびゴム系の粘着剤が用いられる。
アクリル系粘着剤では、その粘着物性などがら。
特に、アルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルを含む重合体および/または共重合
体(他の極性モノマーを共重合成分として含む共重合体
を包含する)が好適に用いられる。上記(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルとしては、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート 2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト。
ドデシル(メタ)アクリレートなどがある。上記他の極
性モノマーとしては(メタ)アクリル酸。
ビニルピロリドン、ダイアセトンアクリルアミド。
(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレ−ト(ポ
リ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの親水性基
を有するモノマーがある。
共重合体中の極性モノマーの含量が高いと、薬物の該共
重合体への溶解性が高くなり、薬物を高含量で含有する
貼付剤を得ることが可能となる。アクリル系粘着剤のう
ちでは、特に、 (メタ)アクリル酸アルキルエステル
と、ビニルピロリドンおよび/またはダイアセトンアク
リルアミドとの共重合体が好適に用いられる。このよう
な共重合体に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルとしては、特に、ブチル(メタ)アクリレート。
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(
メタ)アクリレートなどが好適である。ビニルピロリド
ンおよび/またはダイアセトンアクリルアミドは、上記
共重合体中に通常、5〜50重 “量%、好ましくは1
0〜40重量%の範囲で含有される。50重量%を越え
ると共重合体が固くなり粘着性がやや低下する。
ゴム系粘着剤としては、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、
ポリブテン、ポリイソプレン、ブチルゴム、天然ゴムな
どが挙げられる。シリコ−)ン樹脂系粘着剤としては、
ポリオルガノシロキサンなどのシリコーンゴムが用いら
れる。
本発明の貼付剤には、さらに必要に応じて吸収促進剤や
その他の添加剤が含有される。吸収促進剤としては、N
−アシル−N−メチルグリシン(N−アシルサルコシン
)、脂肪酸ジェタノールアミドおよびポリオキシエチレ
ン付加脂肪酸ジェタノールアミド(POE付加脂肪酸ジ
ェタノールアミド)のうちの少なくとも一種が好適であ
る。上記吸収促進剤のうち、N−アシル−N−メチルグ
リシンとしては、ラウロイルサルコシン、ミリストイル
サルコシン、°バルミトイルサルコシン、オレオイルサ
ルコシンなどが挙げられる。脂肪酸ジェタノールアミド
としては、ラウロイルジェタノールアミド、カプロイル
ジェタノールアミド、ミリストイルジェタノールアミド
、ヤシ油脂肪酸ジェタノールアミドなどがある。POB
付加脂肪酸ジェタノールアミドとしては、ポリオキシエ
チレンラウロイルジェタノールアミド、ポリオキシエチ
レンヤシ油脂肪酸ジェタノールアミドなどがある。
上記吸収促進剤は、粘着基剤中に、その飽和溶解度に近
い濃度で含有されるのが好ましい。その濃度は粘着基剤
の組成およびレシチンなどの量により異なるが9通常、
基剤100重量部に対して0.2〜30重量部、好まし
くは0.5〜15重量部の割合で含有される。過少であ
ると薬物の経皮吸収促進効果が得られない。過剰である
と粘着基剤の粘着物性が低下し、皮膚表面に貼付した貼
付剤が9例えば発汗により剥離しやすくなる。
その他の添加剤としては、軟化剤、充填剤、老化防止剤
などが挙げられる。軟化剤としては1例えば、ミリスチ
ン酸イソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの脂
肪酸エステル類;およびトリアセチン、クエン酸トリエ
チル、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類が
挙げられる。
貼付剤の支持体としては、貼付剤に通常利用される支持
体が用いられる。このような支持体としては、ポリエチ
レン、ポリエステル、ポリアミド。
ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリウレタン、アルミニウムなどでなるフィルム;
これらのラミネートフィルム;不織布などが挙げられる
上記支持体表面に薬物と、吸収補助剤(レシチンおよび
/またはソルビタン脂肪酸エステル)とを含有する薬物
含有(粘着剤)Nが形成されて貼付剤が得られる。粘着
剤層を形成するには、溶剤塗工法、ホットメルト塗工法
など種々の塗工法が用いられる。なかでも溶剤塗工法が
好適である。
溶剤塗工法で粘着剤層を形成するには1例えば。
粘着基剤を適当な溶媒で稀釈し、これに薬物、およびレ
シチンおよび/またはソルビタン脂肪酸エステル、さら
に必要に応じて上記吸収促進剤や添加剤を加えて均一に
混合して溶解させ、得られた溶液を支持体表面に塗布・
乾燥する。溶液を直接支持体表面に塗布せずに、シリコ
ーン樹脂などをコーティングした剥離紙上に塗布し、乾
燥後に支持体と密着させてもよい。上記溶剤としては、
粘着基剤、薬物などを溶解し得、かつ沸点の低いものが
好ましい。溶剤の種類は、粘着基剤や薬物の種類に応じ
て適宜選択される。例えば、酢酸エチル、シクロヘキサ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、メ
タノール、エタノールなどが用いられる。上記剥離紙と
しては、ポリエステルフィルム、ポリエチレンコート上
質紙、ポリオレフィンコートグラシン紙、ポリプロピレ
ンフィルムなどの片面にシリコーン離型処理を施したフ
ィルムが用いられる。このような剥離紙は、使用時まで
貼付剤の粘着剤層表面を保護するために使用される。ホ
ットメルト塗工法では、上記溶剤塗工法における溶剤を
使用せず9代わりに加熱により粘着基剤、薬物などを均
一に溶解させて支持体や剥離紙上に塗工が行われる。粘
着剤層の厚みも使用目的により異なるが9通常、約30
uI11〜約2rtmである。30μmを下まわると必
要量の薬物を含有することができず、粘着性も不充分で
ある。
2Mを上まわると、特に溶剤塗工の場合は、溶剤を除去
するのが難しくなる。薬物放出性も低下する。
(作用) 本発明により得られる貼付剤の粘着剤層は、調製直後に
おいては、薬物およびレシチンなどが均一に溶解した状
態であり透明である。この貼付剤を室温に保存すると薬
物が徐々に析出する。薬物は、粘着基剤全体にわたり均
一に析出し、該析出物は実質的に非晶質である。つまり
、従来技術に記載したような薬物の再結晶粒子でなく、
アモルファスの状態であるか、もしくは容易に観察し難
い超微粒子として存在する。このような薬物の状態は、
粘着基剤中にレシチンおよび/またはソルビタン脂肪酸
エステルが存在するために達成される。上記実質的に非
晶質の薬物は再結晶粒子として存在する薬物よりもより
低温で容易に粘着基剤中に拡散し、皮膚を通して吸収さ
れる。そのため薬物の利用効率が高くなる。レシチンお
よび/またはソルビタン脂肪酸エステルが存在するため
薬物の基剤に対する溶解性も高(なり、薬物を高濃度で
粘着基剤中に含有させることが可能となる。
そのため、長時間にわたり薬効を発揮し得る貼付剤が得
られる。レシチンやソルビタン脂肪Mエステルは、粘着
基剤の粘着性を損なうことがないた゛め、粘着剤層と薬
物保持層とを別々に分けて調製することなく1通常の貼
付剤(支持体上に粘着剤層が設けられた貼付剤)の形態
で容易に調製することが可能である。つまり、粘着剤層
は薬物貯留槽としての働きと、粘着剤としての働きとを
あわせ持つ。薬物として例えば、非ステロイド系抗炎症
剤を用いる場合においては、抗炎症作用を局所のみなら
ず、全身的に長期間にわたり発現させることができる。
経口投与を行わないため、消化器障害を起こすことがな
い。
粘着剤層中にさらに薬物の吸収促進剤が含有される場合
には、上記レシチンなどとの相乗効果により、さらに高
い薬物の経皮吸収性が得られる。
このように9本発明の貼付剤を用いると、薬物の1回投
与量を増加させることが可能であり、かつ薬物放出が持
続的になされるため1日あたりの投与回数を減らすこと
が可能であり、患者のコンプライアンスが得られる。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
尖旌拠土 2−エチルへキシルメタクリレート 2−エチルへキシ
ルアクリレートおよびドデシルアクリレート(モル比8
 : 1 : 1)を酢酸エチル中でラウロイルパーオ
キサイドを用いて重合させ、固形分50%1重量平均分
子量109万の共重合体(S[lK)溶液を得た。この
溶液を乾燥して得た共重合体(粘着基剤)100重量部
、ピロキシカム7重量部、大豆レシチン5重量部および
ミリスチン酸イソプロピル(IPM)15重量部を塩化
メチレン330重量部に加え、均一に溶解させた。この
溶液をポリラミネートグラシン剥離紙上に延展し、60
°Cで乾燥し。
厚み80μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層に、
支持体として、ポリエチレンテレフタレートフィルムを
密着させ、剥離紙を有する貼付剤を得た。
(B)貼付剤の評価 次に示す項目について試験を行った。その結果を下表に
示す。後述の実施例2〜9および比較例1〜3の結果も
合わせて下表に示す。
■粘着剤層の外観;貼付剤を室温にて7日間保存した後
、粘着剤層を目視観察し、かつ、必要に応じて偏光顕微
鏡用いて観察を行った。
■薬物の皮膚透過性評価:下記の方法により1nvit
ro拡散セルによる薬物透過性試験を行なった。
24時間後の薬物透過率(%)を下表に示す。この薬物
透過率は、貼付剤を24時間にわたって貼付した場合に
経皮吸収される薬物量の目安となる。薬物吸収量の指標
は、投与薬物量×薬物透過率で示される。
in vitro拡散セルによる薬物透過率測定法;開
口径が25cmのフランツ形拡散セルを準備する。
フランツ形拡散セルのレセプタ一部にはpi(7,2に
調整したリン酸緩衝液を入れ、その外壁部には37°C
の温水を循環させてレセプタ一部の温度を一定に保つ。
ヌードマウスの背部摘出表皮(約3cd)に貼付剤の試
験片を貼付し、該表皮をセルに装着する。皮膚とレセプ
ター液面との間に気泡が入らないように注意してレセプ
ター液を満たす。24時間後にレセプター液をサンプリ
ングし、高速液体クロマトグラフィにより薬物濃度を測
定し、下記式から薬物透過率を算出する。
■ポールタック値: 、yt、s Z 0237 (粘
着テープ・粘着シート試験方法)によりポールタック値
を測定した。
止較炭上 大豆レシチンを加えなかったこと以外は実施例1と同様
である。
夫隻桝l 基剤溶液に、さらにラウロイルサルコシン5重量部を加
えたこと以外は実施例1と同様である。
この貼付剤については、さらに9次の方法で薬物吸収性
の評価を行った。まず、この貼付剤を2.5ciX2.
5cmに裁断し、これを5名のパネラ−の上腕に24時
間にわたり貼付した。貼付後の貼付剤から薬物をメタノ
ールによって抽出し、肝LCにてその濃度を測定し、貼
付剤中に存在する薬物の量を求めた。あらかじめ使用し
た貼付剤中の薬物量を測定しておき、下記式により薬物
吸収率(%)を算出した。
薬物吸収率(%) その結果、薬物吸収率は12.8%であった。本貼付剤
100CIITを皮膚表面に貼付すると、−日あたり、
治療上の有効量である約5.4■のピロキシカムを経皮
吸収させ得ることがわかる。
災庭斑主 基剤溶液に、さらにラウロイルサルコシン2重量部を加
えたこと以外は実施例1と同様である。
尖詣±工 基剤溶液に、さらにラウロイルサルコシン2重量部を加
え、大豆レシチンの量を20重量部としたこと以外は実
施例1と同様である。
裏詣■工 基剤溶液に、さらにラウロイルサルコシン10重量部を
加えたこと以外は実施例1と同様である。
災隻尉l 実施例1で得られた共重合体(SDK)溶液(固形分5
0%)に、固形分100重量部に対して、インドメタシ
ン8重量部、大豆レシチン5重量部およびミリスチン酸
イソプロピル(IPM) 15重量部を加えて混合し、
均一な溶液を得た。これをポリエステル剥離紙上に延展
し、60℃で乾燥し、厚み50μmの粘着剤層を形成し
た。この粘着剤層に支持体としてポリエチレンフィルム
を密着させ、剥離紙を有する貼付剤を得た。
実施例ユ 大豆レシチンの代わりにソルビタントリオレエートを用
いたこと以外は実施例6と同様である。
上較桝l 大豆レシチンを加えなかったこと以外は実施例1と同様
である。
尖旌炎■ 2−エチルへキシルアクリレートおよびビニルピロリド
ン(モル比65 : 35)を酢酸エチル中、ラウロイ
ルパーオキサイドを触媒として重合し、固形分35%9
重量平均分子量72万の共重合体溶液を得た。この溶液
を乾燥して得た共重合体(粘着基剤) 100重量部、
ピロキシカム20重量部、大豆レシチン5重量部および
ラウロイルサルコシン5重量部を塩化メチレン330重
量部に加え、均一に溶解させた。この溶液を用い、実施
例1に準じて貼付剤を調製した。
北較m 大豆レシチンおよびラウロイルサルコシンを用いなかっ
たこと以外は実施例8と同様である。
1隻■エ ラウロイルサルコシンの代わりにラウロイルジェタノー
ルアミドを用い、 IPHの量を10重量部としたこと
以外は実施例2と同様である。
(以下余白) 実施例1と比較例1との比較から、レシチンを基剤中に
含有する本発明の貼付剤は、経皮吸収性に優れ、粘着性
も良好であることがわかる。さらに吸収促進剤を含有す
る貼付剤(実施例2)は。
薬物透過性がさらに向上する。レシチンを大量に含有す
る貼付剤(実施例4)については、薬物透過率は向上す
るが、レシチンの量に比例しただけの効果は得られない
。粘着性もやや低下する。吸収促進剤を大量に含有する
貼付剤(実施例5)は。
さらに薬物透過率が向上するが、粘着剤の粘着性が低下
するため1発汗などにより剥離しやすくなる。レシチン
およびソルビタン脂肪酸エステルを含有しない比較例2
の貼付剤については、薬物が結晶化して粘着基剤から析
出するが、レシチンまたはソルビタン脂肪酸エステルを
含有する実施例6および7の貼付剤については、析出す
る薬物は結晶化していない。そのため薬物透過性に優れ
粘着力も低下しない。ビニルピロリドンを含有する粘着
基剤を用い、かつレシチンを含有する貼付剤(実施例8
)の場合には、特に粘着基剤中に多量の薬物を含有させ
ることが可能である。
(発明の効果) 本発明によれば、このように、レシチンおよび/または
ソルビタン脂肪酸エステル、および飽和溶解度を越え実
質的に非晶質状態の薬物を粘着基剤中に含有し、薬物の
経皮吸収性に極めて優れた貼付剤が得られる。薬物の吸
収性に優れるため薬物の1回投与量を増加させることが
可能である。薬物放出が持続的になされるため、1日あ
たりの投与回数を減らすことができる。用いられるレシ
チンやソルビタン脂肪酸エステルは皮膚に対する刺激性
がないため、長時間貼付してもかぶれが生じたり、副作
用を示すこともない。さらに、これらが原因となって薬
物を変質させることもなく、薬物が析出したり、粘着物
性が低下することもない。このような貼付剤においては
種々の薬物を経皮吸収させることができ、該貼付剤を用
いたときの治療効果も高い。そのため、含有される薬物
の種類により各種の医療用に利用されうる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、支持体の片面に粘着剤層が設けられた貼付剤であっ
    て、 該粘着剤層が、薬物、およびレシチンおよび/またはソ
    ルビタン脂肪酸エステルを含み、かつ、該薬物が該粘着
    剤層中に均一に分散された、貼付剤。 2、前記粘着剤層が、さらに、該薬物の吸収促進剤を含
    み、該吸収促進剤が、N−アシル−N−メチルグリシン
    、脂肪酸ジエタノールアミドおよびポリオキシエチレン
    付加脂肪酸ジエタノールアミドのうちの少なくとも一種
    である特許請求の範囲第1項に記載の貼付剤。 3、前記粘着剤層の粘着基剤が、(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステルおよび他の極性モノマーの共重合体を主
    成分とする特許請求の範囲第1項に記載の貼付剤。 4、薬物、レシチンおよび/またはソルビタン脂肪酸エ
    ステル、および粘着基剤を溶媒に均一に溶解させる工程
    、および 得られた溶液を支持体の片面に塗布し乾燥させる工程;
    または、得られた溶液を剥離紙表面に塗布し乾燥後、形
    成された粘着剤層表面に支持体を密着させる工程、 を包含する貼付剤の製造方法。 5、前記薬物、レシチンおよび/またはソルビタン脂肪
    酸エステル、および粘着基剤とともに、さらに該薬物の
    吸収促進剤を前記溶媒に溶解させる工程を包含し、 該吸収促進剤がN−アシル−N−メチルグリシン、脂肪
    酸ジエタノールアミドおよびポリオキシエチレン付加脂
    肪酸ジエタノールアミドのうちの少なくとも一種である
    特許請求の範囲第4項に記載の方法。 6、前記粘着剤層の粘着基剤が、(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステルおよび他の極性モノマーの共重合体を主
    成分とする特許請求の範囲第4項に記載の方法。
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