JPH0120937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用シートに関し、より詳しくは上
部シートバツクが下部シートバツクに対して傾動
可能なシートバツクの改良に係るものである。

（従来の技術） 従来、この種の車両用シートにおけるシートバ
ツクはその背面部とシートバツクの背面部に設け
られているところのバツクボード上の一点で上部
バツクボードが傾動可能に構成されている（実開
昭58−61065号公報）。そして、シートバツクの折
曲部と上部バツクボードの傾動中心とを近接した
位置に配置し、上部バツクボード側のシートバツ
クを傾動させていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のような従来の車両用シートでは、シート
バツクの背面部が２分割されているから、上部側
のシートバツクを傾動させた際に、上部側と下部
側のシートバツクに隙間が生じ、後部座席の乗員
がその隙間に手を挟むという虞れがあるとともに
外観上好ましくなく、また上部バツクボードの傾
動中心とシートバツクの折曲部とを近接させる必
要があるから、上部バツクボードの傾動中心がシ
ートバツクの分割部により左右されるという問題
点があつた。また、表皮材を用いてシートバツク
の分割部背面に隙間が生じるのを防ぎ、後部座席
の乗員が指等を挟むことを防止せんとしていた
が、表皮材は剛性の点で劣るので有効な指挟みの
防止に至らなかつた。

本考案は、かかる問題点を解決するためになさ
れたもので、上部側のバツクボードを傾けても上
部側と下部側とのバツクボードに隙間が生じるこ
となく、しかもシートバツクの分割部分を制約な
く設定することができる車両用シートを得ること
を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係る車両用シートは、上下に２分割さ
れたシートバツクの分割部背面に上下部シートバ
ツクを連結する中間バツクボードを設け、この中
間バツクボードを、上、下部シートバツクのいず
れか一方に回動可能に取付けるとともに、他方の
シートバツクに摺動可能に取付けたものである。

（作用） この考案においては、中間バツクボードが、シ
ートバツクの分割部背面を覆うから、上部シート
バツクを下部シートバツクに対して傾動させても
シートバツクの分割部背面に隙間が生じることが
なく、しかも上、下部シートバツクを中間バツク
ボードで連結しているから、シートバツクの分割
部を設定するのに何ら制約されることがない。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

図中、１はシートバツクで、中間で上部１ａと
下部１ｂとに２分割されている。２はシートバツ
ク１を構成するシートバツクフレームであり、こ
のシートバツクフレーム２は上部フレーム２ａと
下部フレーム２ｂとから成り、上部フレーム２ａ
はパイプを折曲げ成形して両側パイプ間の背面側
にその両端部に挿通孔２ｄが穿設されたコ字形状
の板状部材２ｃが形成されている。この上部フレ
ーム２ａは下部側のシートバツク１ｂに対して、
前方向に傾動可能に連結されている。

下部フレーム２ｂの上端部にはボードフレーム
３はＬ字形状から成り、折曲部３ａが上部側のシ
ートバツク１ａ方向に形成されている。この折曲
部３ａには長孔３ｂが穿設それ、長手方向に形成
されている。図中、４は下部フレーム２ｂの下端
のフリーヒンヂ部である。下部フレーム２ｂはシ
ートクツシヨンを構成するシートフレームに取付
けられている。

そして、シートバツク１の上部１ａと下部１ｂ
との間にはその背面側にボード５が設けられてお
り、このボード５はコ字形状から成り、折曲部５
ａがシートバツク１の前方向に形成されている。
この両折曲部５ａ，５ａには外側にピン５ｂが取
付けられ、前記上部フレーム２ａの挿通孔２ｄに
板状部材２ｃの内側から回動自在に連結される。
さらに両折曲部５ａ，５ａの内側にはピン５ｃが
設けられ、前記ボードフレーム３の長孔３ｂにボ
ードフレーム３に連結されている。６はバツクボ
ードで、下部側のシートバツク１ｂの背面に取付
けられている。７はヘツドレストで、上部フレー
ム２ａの上部中央に支持される。

上記のように構成された車両用シートにおいて
は、上部シートバツク１ａを図示矢印方向（第３
図ａ参照）へ傾動すると、上部フレーム２ｃは下
部シートバツク１ｂの前側の軸を中心として図示
矢印方向へ移動し、ボード５は上部フレーム２ａ
と一体的に回動しつつ上昇する。一方、ボード５
の下部側のピン５ｃは下部フレーム２ｂの長孔３
ｂ内を上端まで上昇する（第３図ｂ参照）。その
結果ボード５の背面がシートバツク１の上、下部
１ａ，１ｂ間に露出してシートバツク１の上、下
部１ａ，１ｂ間を覆いシートバツク１の背面に隙
間が生じるのを防ぐ。元の状態にするには、上部
シートバツク１ａを矢印とは逆方向に作動させ
る。上部フレーム２ａによりボード５は下部側の
ピン５ｃが長孔３ｂ内を下端まで摺動し、シート
バツク１内にかくれる。また、この剛性のあるボ
ード５により確実に隙間を防ぐことができる。さ
らに、ボード５によつて上、下部フレーム２ａ，
２ｂを連結しているから、上部フレーム２ａの傾
動中心をバツクボード１の背面側の分割部に制約
されることなく設定することができる。

なお、上記実施例では、下部フレーム２ｂのボ
ードフレーム３に長孔３ｂを設けたものを示した
が、上部フレーム２ａに長孔を設けるようにして
もよい。

（考案の効果） 本考案は以上説明したとおり、上下２分割され
たシートバツクの分割部背面に、これらを連結す
る中間バツクボードを設けるという構造により、
上部側のバツクボードを傾動せしめた際にバツク
ボードの背面に隙間が生じることがなく、シート
バツクの分割部を制約なく設定し得る安全な車両
用シートを得ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す車両用シート
の斜視図、第２図は第１図のシートバツクの分解
斜視図、第３図Ａは要部の側面図、第３図Ｂは第
３図Ａの動作状態を示す側面図、第４図は第３図
Ｂの状態の斜視図である。図において、１はシー
トバツク、２はシートバツクフレーム、２ｄは挿
通孔、３ｂは長孔、５はボード（中間バツクボー
ド）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクが上下に２分割され上部シートバ
   ツクが下部シートバツクに対して傾動可能に連結
   された車両用シートにおいて、前記シートバツク
   の分割部背面に中間バツクボードを設け、この中
   間バツクボードの端部を前記上、下部シートバツ
   クのいずれか一方に回動可能に取付け、他端部を
   他方の上、下部シートバツクに摺動可能に取付け
   たことを特徴とする車両用シート。