JPH0118491B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、高抗磁力磁気媒体に対応する高密
度磁気記録に適する磁気ヘツドに関する。

小形化、長時間化のために、高抗磁力磁気媒体
を用いて高密度磁気記録再生を行うビデオテープ
レコーダ（VTR）や一般のテープレコーダ等に
使用される磁気ヘツドは、記録特性と再生特性と
を両立させるために、作動ギヤツプを有して磁気
記録媒体に対向する前部コアと、この前部コアの
後部磁気回路を構成する後部コアとを、夫々特性
の異なる同種あるいは異種の材料を用いて構成
し、両者を互いに接合して性能の向上を図つてい
る。

このような接合形の磁気ヘツドとしては、例え
ば特公昭55−40923号、特開昭56−114114号公報
等に開示されているようなものが知られている。

前者の磁気ヘツドは、第１図に示すように、前
部コア１と後部コア２とを互いに異なる特性のフ
エライト材料を用いて構成し、これらの接合面３
を相互拡散層を介して一体的に結合している。こ
の場合、前部コア１と後部コア２とが同一素性の
材料であるから比較的良好な接合が得られると思
われるが、結合のために特別な熱処理を施さねば
ならないという欠点がある。

また、後者の磁気ヘツドは、第２図に示すよう
に、センダスト製の前部コア４と、フエライト製
の後部コア５との接合面６の後部コア側に接着用
溝７を形成し、この接着用溝７に接着剤８を充填
して、前部コア４と後部コア５とを固着してい
る。

しかしながら、このような金属とフエライトの
ように異種の材料の接合の場合、上述のような構
造では磁気的特性及び機械的強度共に良好な接合
状態を得ることは難しい。

そして、いずれの場合にも前部コアと後部コア
の接合時の位置決め精度を出しにくいという問題
もある。

この発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、上述のような接合形の磁気ヘツドにおいて、
簡単な構造で接合時の幅方向の位置決め精度を向
上し、さらに接合面積を大きくすると共に厚さ方
向のくさび作用によつて、前部コアと後部コアと
が異種の材料であつても常に良好な接合状態を得
ることを目的とする。

そのためこの発明による磁気ヘツドは、前部コ
アと後部コアとの接合部に、前後方向に互いに嵌
合する凹部と凸部及び作動ギヤツプに平行な厚さ
方向にテーパを有して互いに嵌合する凹部と凸部
とを形成し、この前部コアと後部コアとを嵌合さ
せて厚さ方向に押圧固定するようにして上記の目
的を達成するものである。

以下、添付図面の第３図以降を参照して、この
発明の実施例を説明する。

第３図は、この発明の一実施例を示す斜視図で
あつて、前部コアと後部コアとの接合状態を示
す。

第４図は前部コアを裏返して視た斜視図、第５
図は後部コアの斜め前方から視た斜視図である。

前部コア１１はセンダスト製であつて、全体と
して前方に円弧状に突出したかまぼこ形で、一対
の前部コア半体１１ａ，１１ｂを組合せて構成す
る。この前部コア半体１１ａ，１１ｂは、その接
合部分で薄板状で非磁性のギヤツプ形成材を挾持
して厚さ方向に作動ギヤツプ１３を形成してい
る。この作動ギヤツプ１３が形成されている前部
コア１１の前面は、磁気記録媒体に対向配置され
てそれに摺接するため、円弧状に鏡面加工を施し
ている。

後部コア１２は、フエライト製であつて、この
後部コア１２の前方部と前部コア１１の後方部と
が互いに接合され、前部コア１１の後部磁気回路
を構成するものである。

この後部コア１２に対する前部コア１１の左右
方向の位置決めのため、後部コア１２の前面のほ
ぼ中央部に前方に突出する凸部１４を設け、この
凸部１４に対応して前部コア１１の後面に凹部１
５を設けている。

凸部１４の左右両側面は、幅方向（矢印Ａ方
向）に対して直交し、前面は前後方向（矢示Ｂ方
向）に対して直交し、それぞれ厚さ方向（矢示Ｃ
方向）すなわち作動ギヤツプ１３の方向に対して
平行に形成する。そして、この凸部１４のほぼ中
央に、巻線を収納する窓用の溝１６を切り込んで
ある。

凹部１５の深さは、ほぼ凸部１４の突出高さに
合わせ、左右内側面間の幅は、凸部１４の突出幅
にぴつたり適合するようにしておく。

さらに、前部コア１１の凹部１５の左右両側部
分に幅方向に溝状の凹部１７ａ，１７ｂを形成
し、その前後両内面が上下方向にテーパを有し、
溝底に近づく程溝幅が狭まるようになつている。

これに対応して、後部コア１２の前端部の凸部
１４の両側に幅方向に台形状の凸部１８ａ，１８
ｂを形成し、その前後両面が後部コア１２の厚さ
方向にテーパを有している。

このように凹部１５及び凹部１７ａ，１７ｂを
形成した前部コア１１と、凸部１４及び１８ａ，
１８ｂを形成した後部コア１２とを、第３図に示
すように互いに嵌合させることにより、後部コア
１２に対する前部コア１１の幅方向（矢示Ａ方
向）の接合位置を高精度に規制することができ
る。

また、その状態で図示しないねじ又はばねによ
つて接合部を厚さ方向に（矢示Ｃ方向）に押圧し
て、この磁気ヘツドをヘツド台に取付固定する。

それによつて、前部コア１１の凹部１７ａ，１
７ｂのテーパ面と後部コア１２の凸部１８ａ，１
８ｂのテーパ面とのくさび作用によつて両者が強
固に接合されると共に、接合面積も大きくなるた
め、磁気的及び機械的に安定した良好な接合状態
が常に得られる。

以上説明してきたように、この発明によれば、
前部コアと後部コアとの接合を、前後方向に互い
に嵌合する凹、凸部と厚さ方向にテーパを有して
互いに嵌合する凹、凸部とによつて行ない、厚さ
方向に押圧固定するようにしたため、接合時の相
互の位置決め精度が良く、かつ常に良好な接合状
態を安定に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の同種材質によるコア接合形磁気
ヘツドの例を示す斜視図、第２図は、従来の異種
材質によるコア接合形磁気ヘツドの例を示す斜視
図、第３図は、この発明の一実施例を示す斜視
図、第４図は、第３図における前部コアを裏返し
て示す斜視図、第５図は、同じく後部コアを示す
斜視図である。 １１……前部コア、１２……後部コア、１３…
…作動ギヤツプ、１４……凸部、１５……凹部、
１６……巻線を収納する窓用の溝、１７ａ，１７
ｂ……凹部、１８ａ，１８ｂ……凸部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 作動ギヤツプを有して磁気記録媒体に対向す
   る前部コアと、この前部コアの後部磁気回路を構
   成する後部コアとを互いに接合して成る磁気ヘツ
   ドにおいて、前記前部コアと後部コアとの接合部
   に、前後方向に互いに嵌合する凹部と凸部及び前
   記作動ギヤツプに平行な厚さ方向にテーパを有し
   て互いに嵌合する凹部と凸部とを形成し、この前
   部コアと後部コアを嵌合させて前記厚さ方向に押
   圧固定するようにしたことを特徴とする磁気ヘツ
   ド。