JP7496758B2 - 射出成形容器 - Google Patents
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Description
本発明は、射出成形容器に関する。
従来から、例えば下記特許文献１に示されるような容器が知られている。
ところで、近年では、セーブ・フードに対する要請もあって、小ロット・多品種生産に対応可能で、かつガスバリア性を有する射出成形容器が求められている。射出成形は、シート成形等と比べて、材料の無駄が少なく、形状の自由度も増す。
ところで、近年では、セーブ・フードに対する要請もあって、小ロット・多品種生産に対応可能で、かつガスバリア性を有する射出成形容器が求められている。射出成形は、シート成形等と比べて、材料の無駄が少なく、形状の自由度も増す。
しかしながら、射出成形容器においては、ガスバリア性および耐衝撃性を具備させることが困難であるという問題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、ガスバリア性および耐衝撃性を具備させることができる射出成形容器を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明の射出成形容器は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする第１樹脂材料で形成された内層および外層と、前記内層と前記外層との間に設けられ、ポリオレフィン系樹脂よりガスバリア性が高い樹脂材料を主成分とする第２樹脂材料で形成された中間層と、を備えた射出成形容器であって、前記第１樹脂材料および前記第２樹脂材料に、スチレン系エラストマーが含まれ、スチレン系エラストマーは、前記第１樹脂材料に１０ｗｔ％以下、前記第２樹脂材料に８ｗｔ％以下それぞれ含まれるとともに、前記射出成形容器に３ｗｔ％以上１７ｗｔ％以下含まれ、前記内層および前記外層の各曲げ弾性率は、前記中間層の曲げ弾性率の０．２４倍以上０．７２倍以下となっている。
本発明では、内層と外層との間に設けられた中間層が、ポリオレフィン系樹脂よりガスバリア性が高い樹脂材料を主成分とする第２樹脂材料で形成されているので、射出成形容器にガスバリア性を具備させることができる。
第２樹脂材料に、スチレン系エラストマーが含まれているので、ガスバリア性を有する中間層に柔軟性を具備させることが可能になり、射出成形容器に衝撃力が加えられたときに、中間層が、内層若しくは外層から剥離するのを抑制することができる。
スチレン系エラストマーが、第１樹脂材料および第２樹脂材料に含まれているので、接着層を別途設けなくても、中間層と内層および外層との各接着強度を確保すること可能になり、成形設備の複雑化を防ぐことができるとともに、射出成形容器の厚さを抑えつつ、中間層が、内層若しくは外層から剥離するのを確実に抑制することができる。
スチレン系エラストマーが、第１樹脂材料および第２樹脂材料に含まれていることから、透明性を損なわずに、中間層と内層および外層との各接着強度を確保しつつ、ガスバリア性および耐衝撃性を具備させることができる。
内層および外層の各曲げ弾性率が、中間層の曲げ弾性率の０．２４倍以上０．７２倍以下となっているので、ガスバリア性を有する中間層の曲げ弾性率が低く抑えられ、中間層に確実に柔軟性を具備させることができる。
第２樹脂材料に、スチレン系エラストマーが含まれているので、ガスバリア性を有する中間層に柔軟性を具備させることが可能になり、射出成形容器に衝撃力が加えられたときに、中間層が、内層若しくは外層から剥離するのを抑制することができる。
スチレン系エラストマーが、第１樹脂材料および第２樹脂材料に含まれているので、接着層を別途設けなくても、中間層と内層および外層との各接着強度を確保すること可能になり、成形設備の複雑化を防ぐことができるとともに、射出成形容器の厚さを抑えつつ、中間層が、内層若しくは外層から剥離するのを確実に抑制することができる。
スチレン系エラストマーが、第１樹脂材料および第２樹脂材料に含まれていることから、透明性を損なわずに、中間層と内層および外層との各接着強度を確保しつつ、ガスバリア性および耐衝撃性を具備させることができる。
内層および外層の各曲げ弾性率が、中間層の曲げ弾性率の０．２４倍以上０．７２倍以下となっているので、ガスバリア性を有する中間層の曲げ弾性率が低く抑えられ、中間層に確実に柔軟性を具備させることができる。
前記中間層の厚さは、前記内層および前記外層の各厚さより薄くなってもよい。
この場合、中間層の厚さが、内層および外層の各厚さより薄くなっているので、中間層の剛性が高くなるのを抑制することが可能になり、中間層に柔軟性を確実に具備させることができる。
前記内層および前記外層は、前記中間層を全域にわたって覆ってもよい。
この場合、内層および外層が、中間層を全域にわたって覆っているので、中間層と内層および外層との各境界部分が、射出成形容器の外面に露呈するのを防ぐことが可能になり、前記境界部分で生じやすい割れ若しくは剥離の発生を抑制することができる。
有底筒状の胴部、および前記胴部の上端部に設けられたフランジ部を有し、前記内層、前記外層、および前記中間層は、前記胴部および前記フランジ部に一体に設けられてもよい。
この場合、内層、外層、および中間層が、胴部およびフランジ部に一体に設けられているので、射出成形容器の全域にわたってガスバリア性を具備させることができる。
この発明によれば、ガスバリア性および耐衝撃性を具備させることができる。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る射出成形容器を説明する。
本実施形態に係る射出成形容器１は、図１に示されるように、内層１１、外層１２および中間層１３を備えている。射出成形容器１は、有底筒状の胴部１４、および胴部１４の上端部に設けられたフランジ部１５を有している。射出成形容器１は、フランジ部１５の上面にシールが貼着されるカップ容器となっている。
本実施形態に係る射出成形容器１は、図１に示されるように、内層１１、外層１２および中間層１３を備えている。射出成形容器１は、有底筒状の胴部１４、および胴部１４の上端部に設けられたフランジ部１５を有している。射出成形容器１は、フランジ部１５の上面にシールが貼着されるカップ容器となっている。
内層１１、外層１２、および中間層１３は、胴部１４およびフランジ部１５に一体に設けられている。内層１１および外層１２は、中間層１３を全域にわたって覆っている。内層１１および外層１２は、フランジ部１５における径方向の外端部において、中間層１３を上下方向に跨ぎ互いに接続されて一体に形成されている。
内層１１および外層１２は、ポリオレフィン系樹脂（例えば、ポリプロピレン等）を主成分とする第１樹脂材料で形成されている。内層１１の厚さは、外層１２の厚さより薄くなっている。内層１１の厚さは、例えば１３０μｍ以上２３０μｍ以下（図示の例では１９０μｍ）となっている。外層１２の厚さは、例えば４９０μｍ以上６６０μｍ以下（図示の例では５２５μｍ）となっている。
中間層１３は、内層１１と外層１２との間に設けられ、ポリオレフィン系樹脂よりガスバリア性が高い樹脂材料（例えば、ＥＶＯＨ（エチレン－ビニルアルコール共重合体）等）を主成分とする第２樹脂材料で形成されている。中間層１３の厚さは、内層１１および外層１２の各厚さより薄くなっている。中間層１３の厚さは、例えば４０μｍ以上２１０μｍ以下（図示の例では８５μｍ）となっている。
中間層１３の酸素透過率は、２ｃｃ／ｃｍ２／ｄａｙ・ａｔｍ以下となっている。
酸素透過率は、例えば、Ｍｏｃｏｎ社製ＯＸ－ＴＲＡＮ２／２１を用い、厚さ２０μｍのフィルムを試験片とし、所定の条件下（酸素分圧２１％、外側の温度２３℃、外側の湿度５５％ＲＨ、内側の温度２３℃、内側の湿度６０％ＲＨ）で測定することができる。
酸素透過率は、例えば、Ｍｏｃｏｎ社製ＯＸ－ＴＲＡＮ２／２１を用い、厚さ２０μｍのフィルムを試験片とし、所定の条件下（酸素分圧２１％、外側の温度２３℃、外側の湿度５５％ＲＨ、内側の温度２３℃、内側の湿度６０％ＲＨ）で測定することができる。
内層１１および外層１２の各引張強度（例えばＪＩＳ Ｋ ６２５１に準拠）は、２．０ＭＰａ以上６５．０ＭＰａ以下となっている。内層１１および外層１２の各曲げ弾性率（例えばＪＩＳ Ｋ ７１７１に準拠。以下、同じ）は、例えば９００ＭＰａ以上１８００ＭＰａ以下となっている。中間層１３の曲げ弾性率は、例えば２５００ＭＰａ以上３７００ＭＰａ以下となっている。内層１１および外層１２の各曲げ弾性率は、中間層１３の曲げ弾性率の０．２４倍以上０．７２倍以下となっている。
第１樹脂材料および第２樹脂材料に、スチレン系エラストマーが含まれている。スチレン系エラストマーは、第１樹脂材料に１０ｗｔ％以下、第２樹脂材料に８ｗｔ％以下それぞれ含まれている。
スチレン系エラストマーが、第１樹脂材料に１０ｗｔ％より多く、第２樹脂材料に８ｗｔ％以下より多くそれぞれ含まれると、柔軟性が高くなりすぎ、形状が安定しにくくなる。
スチレン系エラストマーが、第１樹脂材料に１０ｗｔ％より多く、第２樹脂材料に８ｗｔ％以下より多くそれぞれ含まれると、柔軟性が高くなりすぎ、形状が安定しにくくなる。
スチレン系エラストマーは、射出成形容器１に３ｗｔ％以上１７ｗｔ％以下、好ましくは５ｗｔ％以上９ｗｔ％以下含まれている。
射出成形容器１に含まれるスチレン系エラストマーの量が３ｗｔ％未満になると、耐衝撃性を具備させることができず、１７ｗｔ％を超えると、柔軟性が高くなりすぎ、形状が安定しにくくなる。
射出成形容器１に含まれるスチレン系エラストマーの量が３ｗｔ％未満になると、耐衝撃性を具備させることができず、１７ｗｔ％を超えると、柔軟性が高くなりすぎ、形状が安定しにくくなる。
以上説明したように、本実施形態による射出成形容器１によれば、内層１１と外層１２との間に設けられた中間層１３が、ポリオレフィン系樹脂よりガスバリア性が高い樹脂材料を主成分とする第２樹脂材料で形成されているので、射出成形容器１にガスバリア性を具備させることができる。
第２樹脂材料に、スチレン系エラストマーが含まれているので、ガスバリア性を有する中間層１３に柔軟性を具備させることが可能になり、射出成形容器１に衝撃力が加えられたときに、中間層１３が、内層１１若しくは外層１２から剥離するのを抑制することができる。
スチレン系エラストマーが、第１樹脂材料および第２樹脂材料に含まれているので、接着層を別途設けなくても、中間層１３と内層１１および外層１２との各接着強度を確保すること可能になり、成形設備の複雑化を防ぐことができるとともに、射出成形容器１の厚さを抑えつつ、中間層１３が、内層１１若しくは外層１２から剥離するのを確実に抑制することができる。
スチレン系エラストマーが、第１樹脂材料および第２樹脂材料に含まれていることから、透明性を損なわずに、中間層１３と内層１１および外層１２との各接着強度を確保しつつ、ガスバリア性および耐衝撃性を具備させることができる。
スチレン系エラストマーが、第１樹脂材料および第２樹脂材料に含まれていることから、透明性を損なわずに、中間層１３と内層１１および外層１２との各接着強度を確保しつつ、ガスバリア性および耐衝撃性を具備させることができる。
耐衝撃性は、例えばＪＩＳ Ｋ ７２１１－１：２００６等に準拠して評価することができ、接着強度は、例えばＪＩＳ Ｋ ６８５４－２：１９９９等に準拠して評価することができる。
中間層１３の厚さが、内層１１および外層１２の各厚さより薄くなっているので、中間層１３の剛性が高くなるのを抑制することが可能になり、中間層１３に柔軟性を確実に具備させることができる。
内層１１および外層１２が、中間層１３を全域にわたって覆っているので、中間層１３と内層１１および外層１２との各境界部分が、射出成形容器１の外面に露呈するのを防ぐことが可能になり、前記境界部分で生じやすい割れ若しくは剥離の発生を抑制することができる。
内層１１、外層１２、および中間層１３が、胴部１４およびフランジ部１５に一体に設けられているので、射出成形容器１の全域にわたってガスバリア性を具備させることができる。
内層１１および外層１２の各曲げ弾性率が、中間層１３の曲げ弾性率の０．２４倍以上０．７２倍以下となっているので、ガスバリア性を有する中間層１３の曲げ弾性率が低く抑えられ、中間層１３に確実に柔軟性を具備させることができる。
なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、射出成形容器１として、カップ容器を示したが、他の形態の容器でもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および前記変形例を適宜組み合わせてもよい。
１ 射出成形容器
１１ 内層
１２ 外層
１３ 中間層
１４ 胴部
１５ フランジ部
１１ 内層
１２ 外層
１３ 中間層
１４ 胴部
１５ フランジ部
Claims (4)
- ポリオレフィン系樹脂を主成分とする第１樹脂材料で形成された内層および外層と、
前記内層と前記外層との間に設けられ、ポリオレフィン系樹脂よりガスバリア性が高い樹脂材料を主成分とする第２樹脂材料で形成された中間層と、を備えた射出成形容器であって、
前記第１樹脂材料および前記第２樹脂材料に、スチレン系エラストマーが含まれ、
スチレン系エラストマーは、前記第１樹脂材料に１０ｗｔ％以下、前記第２樹脂材料に８ｗｔ％以下それぞれ含まれるとともに、前記射出成形容器に３ｗｔ％以上１７ｗｔ％以下含まれ、
前記内層および前記外層の各曲げ弾性率は、前記中間層の曲げ弾性率の０．２４倍以上０．７２倍以下となっている、射出成形容器。 - 前記中間層の厚さは、前記内層および前記外層の各厚さより薄くなっている、請求項１に記載の射出成形容器。
- 前記内層および前記外層は、前記中間層を全域にわたって覆っている、請求項１または２に記載の射出成形容器。
- 有底筒状の胴部、および前記胴部の上端部に設けられたフランジ部を有し、
前記内層、前記外層、および前記中間層は、前記胴部および前記フランジ部に一体に設けられている、請求項１から３のいずれか１項に記載の射出成形容器。
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| WO2005087864A1 (ja) | 2004-03-11 | 2005-09-22 | Idemitsu Unitech Co., Ltd. | 無機系造核剤含有樹脂組成物、その成形品及びその製造方法 |
| WO2010137659A1 (ja) | 2009-05-28 | 2010-12-02 | 日本合成化学工業株式会社 | Ｅｖｏｈ樹脂組成物並びにこれを用いた成形品及び多層構造体 |
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2020
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