JP6323079B2 - 多層構造スクイズボトル - Google Patents
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Description
前記オレフィン系樹脂がポリエチレンであり、
ボトル胴部での前記ガスバリア性樹脂層の厚みが1.0〜4.0μmであり、且つ該ガスバリア性樹脂層が、エチレン含量が20〜27モル%の範囲にあるエチレン−ビニルアルコール共重合体から形成されており、且つトータル厚みが150〜800μmであることを特徴とする多層構造スクイズボトルが提供される。
本発明によれば、また、上記多層構造スクイズボトルに、粘度(23℃)が500mPa・s以上の高粘性流体が収容されている包装容器が提供される。
本発明において、内外層1,3として使用されるオレフィン系樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)である。
更に内外層1,3中には、必要により、滑剤、改質剤、顔料、紫外線吸収剤等が配合されていてもよい。
接着層5は、内外層1,3を形成するオレフィン系樹脂とガスバリア性樹脂層7との接着性が乏しいために設けられる層であり、これにより、デラミネーションなどの不都合を生じることなくガスバリア性樹脂層7を設けることができ、ガスバリア性樹脂層7の酸素に対するバリア性を有効に発揮させることができるというものである。
本発明において、ガスバリア性樹脂層7は、エチレン−ビニルアルコール共重合体により形成される。
エチレン−ビニルアルコール共重合体は、周知のとおり、酸素バリア性樹脂として代表的な樹脂であるが、本発明では、このようなエチレン−ビニルアルコール共重合体の中でもエチレン含量が少ないもの、具体的には、エチレン含量が20〜30モル%の、特に20〜27モル%の範囲内にあるものが使用される。
例えば、上記のエチレン含量のエチレン−ビニルアルコール共重合体からなるガスバリア性樹脂層7を2つの層に分割して形成することもできる。但し、かかるガスバリア性樹脂層7のトータル厚みは、前述した範囲内になければならない。
また、酸化性有機成分及び遷移金属触媒成分を含む酸素吸収樹脂層をガスバリア性樹脂層7と共に中間層として設けることもできるが、この場合においても、低温下でのスクイズ性が阻害されないように、その厚みはかなり薄くすること(例えば4.0μm以下)が必要である。
尚、実施例1、3及び4は本発明の範囲内に含まれるが、実施例2及び5は本発明の範囲に属さない参考例である。
低密度ポリエチレン樹脂層A(ボトル外面)
接着樹脂層B
ガスバリア性樹脂層(以下でバリア層と呼称する場合がある)
接着樹脂層B
低密度ポリエチレン樹脂層A(ボトル内面)
の3種5層とした。
また、ボトル側壁の総厚みは300μmで、内容量500mlのマヨネーズ用ボトルとし、実施例、比較例により、バリア層樹脂種類とバリア層厚みを、表1に示すように変化させた。
低密度ポリエチレン樹脂層A:住友化学株式会社製F108−2
接着樹脂層B:三菱化学株式会社製L522
ガスバリア性樹脂層C:クラレ株式会社製L171B
エチレン含量27モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
ガスバリア性樹脂層D:日本合成化学工業株式会社製DT2904
エチレン含量29モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
ガスバリア性樹脂層E:日本合成化学工業株式会社製V2504
エチレン含量25モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
ガスバリア性樹脂層F:クラレ株式会社製F101B
エチレン含量32モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
3つの押出し機(以下、上記各樹脂層A,B,Cを構成する樹脂の押出し機を、それぞれ押出し機A、B、Cと言う。)にそれぞれ樹脂ペレットを充填し、各樹脂を加熱しながら可塑化及び混練して押出し、多層ヘッドを用いて、外面側から順に、低密度ポリエチレン樹脂層A、接着樹脂層B、ガスバリア性樹脂層C、接着樹脂層B、低密度ポリエチレン樹脂層Aからなる多層パリソンを形成した。
ついで、キャビティーを有する金型でパリソンを挟み、パリソンに圧縮空気を吹き込んで多層構造スクイズボトルを製造した。
低密度ポリエチレン樹脂層A:90μm(ボトル外面)
接着樹脂層B:2.4μm
ガスバリア性樹脂層C:4μm
接着樹脂層B:2.4μm
低密度ポリエチレン樹脂層A:201.2μm(ボトル内面)
得られた多層スクイズボトルについて、次の評価を行い、その結果を表1に示した。
得られたスクイズボトルに内容物として23℃での粘度が8000mPa・sのマヨネーズを充填し、冷蔵庫(5℃)中で倒立に1日間保管した。取り出したボトルを5℃のままで、手で押し潰して内容物を可能な限り押し出した。
そのボトル重量を測定し、内容物洗浄後のボトルのみの重量を計測し、その差を計算することにより、内容物のボトル内への残存量を求めた。残存量を、次の3段階で評価した。○及び△が製品としての許容範囲内である。
○:残存量が少ない。
△:残存量があるが許容範囲内。
×:残存量が多い。
得られたスクイズボトルを窒素置換した脱気箱に入れ、ボトル内部を窒素置換した。次いで、ボトルに脱気した蒸留水1ccを入れた後、脱気箱中でボトルの開口部にアルミ箔をヒートシールし、ボトルを密封した。
このボトルを5℃−40%RHの大気条件下に3ヶ月保存した。その後、ボトル内の酸素濃度をガスクロマトグラフィーにより測定し、3ヶ月間の酸素濃度の増加量からバリア性を評価した。従来の一般的なボトルである比較例4の酸素濃度を基準にして次のように評点化した。○及び△が製品としての許容範囲内である。
〇:酸素濃度増加量が比較例4−20%を下回る。
△:酸素濃度増加量が比較例4±20%内。
×:酸素濃度増加量が比較例4+20%を上回る。
バリア層樹脂を樹脂Dにした以外は実施例1と同様にして多層スクイズボトルを製造し、評価した。評価結果を表1に示した。
バリア層樹脂を樹脂Eにした以外は実施例1と同様にして多層スクイズボトルを製造し、評価した。評価結果を表1に示した。
バリア層厚みを1.0μmにし、各層の厚みを次のとおりにした以外は実施例1と同様にして多層ボトルを製造し、評価した。評価結果を表1に示した。
低密度ポリエチレン樹脂層A:90μm(ボトル外面)
接着樹脂層B:2.4μm
ガスバリア性樹脂層C:1.0μm
接着樹脂層B:2.4μm
低密度ポリエチレン樹脂層A:204.2μm(ボトル内面)
バリア層厚みを7.5μmにし、各層の厚みを次のとおりにした以外は実施例1と同様にして多層スクイズボトルを製造し、評価した。評価結果を表1に示した。
低密度ポリエチレン樹脂層A:90μm(ボトル外面)
接着樹脂層B:2.4μm
ガスバリア性樹脂層C:7.5μm
接着樹脂層B:2.4μm
低密度ポリエチレン樹脂層A:197.7μm(ボトル内面)
バリア層樹脂を樹脂Fにした以外は実施例1と同様にして多層スクイズボトルを製造し、評価した。評価結果を表1に示した。
バリア層樹脂のエチレン量が32モル%と大きいために5℃バリア性が不良であった。
バリア層厚みを0.7μmにし、各層の厚みを次のとおりにした以外は実施例1と同様にして多層スクイズボトルを製造し、評価した。評価結果を表1に示した。
バリア層厚みが小さいために5℃バリア性が不良であった。
低密度ポリエチレン樹脂層A:90μm(ボトル外面)
接着樹脂層B:2.4μm
ガスバリア性樹脂層C:0.7μm
接着樹脂層B:2.4μm
低密度ポリエチレン樹脂層A:204.5μm(ボトル内面)
バリア層厚みを8.0μmにし、各層の厚みを次のとおりにした以外は実施例1と同様にして多層スクイズボトルを製造し、評価した。評価結果を表1に示した。
バリア層厚みが大きいために5℃スクイズ性が不良であった。
低密度ポリエチレン樹脂層A:90μm(ボトル外面)
接着樹脂層B:2.4μm
ガスバリア性樹脂層C:8.0μm
接着樹脂層B:2.4μm
低密度ポリエチレン樹脂層A:197.2μm(ボトル内面)
バリア層厚みを10μmにし、各層の厚みを次のとおりにし、バリア層樹脂を樹脂Fにした以外は実施例1と同様にして多層スクイズボトルを製造し、評価した。評価結果を表1に示した。
このボトルは、5℃スクイズ性が不良であった。
低密度ポリエチレン樹脂層A:90μm(ボトル外面)
接着樹脂層B:2.4μm
ガスバリア性樹脂層F:10μm
接着樹脂層B:2.4μm
低密度ポリエチレン樹脂層A:195.2μm(ボトル内面)
3:外層
5:接着層
7:ガスバリア性樹脂層(エチレン−ビニルアルコール共重合体層)
10:多層構造スクイズボトル
Claims (2)
- オレフィン系樹脂からなる内外層を備え、且つ中間層としてガスバリア性樹脂層を有している多層構造スクイズボトルにおいて、
前記オレフィン系樹脂がポリエチレンであり、
ボトル胴部での前記ガスバリア性樹脂層の厚みが1.0〜4.0μmであり、且つ該ガスバリア性樹脂層が、エチレン含量が20〜27モル%の範囲にあるエチレン−ビニルアルコール共重合体から形成されており、且つトータル厚みが150〜800μmであることを特徴とする多層構造スクイズボトル。 - 請求項1に記載の多層構造スクイズボトルに、粘度(23℃)が500mPa・s以上の高粘性流体が収容されている包装容器。
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JP2014044977A JP6323079B2 (ja) | 2014-03-07 | 2014-03-07 | 多層構造スクイズボトル |
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JP2014044977A JP6323079B2 (ja) | 2014-03-07 | 2014-03-07 | 多層構造スクイズボトル |
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Family Applications (1)
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JP2014044977A Active JP6323079B2 (ja) | 2014-03-07 | 2014-03-07 | 多層構造スクイズボトル |
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- 2014-03-07 JP JP2014044977A patent/JP6323079B2/ja active Active
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