JP7490482B2 - 燃料噴射方法および燃料噴射装置 - Google Patents

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本発明は、燃料噴射方法および燃料噴射装置に係り、特に、キックスタータによるエンジン始動時における燃料噴射方法および燃料噴射装置に関する。
従来から、車載バッテリを有しない車両において、人力でクランクシャフトを回転させてエンジンを始動するキックスタータを備えたものが知られている。キックスタータによるエンジン始動の際には、キックスタータの操作に伴ってクランクシャフトに直結された発電機が回転し、その発電力でECU(エンジン・コントロール・ユニット)および燃料噴射装置のイニシャル処理が完了することで、燃料噴射制御が実行可能となる。
特許文献1には、ECUが起動する際のイニシャル処理にかかる時間を短縮する技術が開示されている。イニシャル処理にかかる時間が短くなれば、エンジンが始動するまでの時間を短縮することができる。
特開2008-223730号公報
しかし、特許文献1では、ECUのイニシャル処理が完了すると共に燃料噴射装置のイニシャル処理が完了してから燃料射制御を開始することを前提としており、燃料噴射装置のイニシャル処理が完了する前に燃料噴射制御を開始することに関しては検討されていなかった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、キックスタータによるエンジン始動時においてエンジンが始動するまでの時間を短縮できる燃料噴射方法および燃料噴射装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、エンジン(E)のクランクシャフト(S)を人力で回転させるキックスタータ(30)と、前記クランクシャフト(S)と同期回転する発電機(50)と、クランク角センサ(40)と、燃料ポンプ(93)から圧送された燃料を噴射する燃料噴射装置(90)と、該燃料噴射装置(90)を制御する制御装置(80)とを含むエンジン始動装置(100)に適用される燃料噴射方法において、前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中に燃料噴射を行う点に第1の特徴がある。
また、前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中の燃料噴射時間(TOUT)は、イニシャル処理後の通常噴射時より長い点に第2の特徴がある。
また、前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中でかつ前記制御装置(80)のイニシャル処理中に燃料噴射を行う点に第3の特徴がある。
また、前記制御装置(80)の起動から最初の燃料噴射までの時間をカウントし、前記時間が短いほど燃料噴射時間が長くなり、一方、前記時間が長いほど燃料噴射時間が通常噴射時に近づく点に第4の特徴がある。
また、前記エンジン始動装置(100)がエンジン(E)の回転速度を算出する回転速度算出手段(81)を含み、前記回転速度算出手段(81)で算出された回転速度が閾値未満の場合に、燃料噴射時間を通常噴射時より長くする点に第5の特徴がある。
さらに、エンジン(E)のクランクシャフト(S)を人力で回転させるキックスタータ(30)と、前記クランクシャフト(S)と同期回転する発電機(50)と、クランク角センサ(40)と、燃料ポンプ(93)から圧送された燃料を噴射する燃料噴射装置(90)と、該燃料噴射装置(90)を制御する制御装置(80)とを含むエンジン始動装置(100)を有する燃料噴射装置において、前記制御装置(80)が、前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中に燃料噴射を行う点に第6の特徴がある。
第1の特徴によれば、エンジン(E)のクランクシャフト(S)を人力で回転させるキックスタータ(30)と、前記クランクシャフト(S)と同期回転する発電機(50)と、クランク角センサ(40)と、燃料ポンプ(93)から圧送された燃料を噴射する燃料噴射装置(90)と、該燃料噴射装置(90)を制御する制御装置(80)とを含むエンジン始動装置(100)に適用される燃料噴射方法において、前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中に燃料噴射を行うので、エンジンの始動を早めることが可能となる。
第2の特徴によれば、前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中の燃料噴射時間(TOUT)は、イニシャル処理後の通常噴射時より長いので、イニシャル完了時の燃料噴射量に近づけることができる。
第3の特徴によれば、前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中でかつ前記制御装置(80)のイニシャル処理中に燃料噴射を行うので、エンジンの始動を早めることが可能となる。
第4の特徴によれば、前記制御装置(80)の起動から最初の燃料噴射までの時間をカウントし、前記時間が短いほど燃料噴射時間が長くなり、一方、前記時間が長いほど燃料噴射時間が通常噴射時に近づくので、ポンプの昇圧状況に応じて燃料噴射を適量に調整できる。
第5の特徴によれば、前記エンジン始動装置(100)がエンジン(E)の回転速度を算出する回転速度算出手段(81)を含み、前記回転速度算出手段(81)で算出された回転速度が閾値未満の場合に、燃料噴射時間を通常噴射時より長くするので、キックスタータによる始動である場合に、燃料噴射時間を長くしてエンジンの始動性を高めることができる。
第6の特徴によれば、エンジン(E)のクランクシャフト(S)を人力で回転させるキックスタータ(30)と、前記クランクシャフト(S)と同期回転する発電機(50)と、クランク角センサ(40)と、燃料ポンプ(93)から圧送された燃料を噴射する燃料噴射装置(90)と、該燃料噴射装置(90)を制御する制御装置(80)とを含むエンジン始動装置(100)を有する燃料噴射装置において、前記制御装置(80)が、前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中に燃料噴射を行うので、エンジンの始動を早めることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車の右側面図である。 本実施形態に係るエンジン始動装置の全体構成を示すブロック図である。 エンジン始動時の燃料噴射装置の駆動状態を示すタイムチャートである。 イニシャル噴射制御の手順を示すフローチャートである。 エンジン始動時の点火装置の駆動状態を示すタイムチャートである。 固定点火制御の手順を示すフローチャートである。 クランクパルスに基づいて歯欠区間の有無を判定する手法を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車1の右側面図である。自動二輪車1は、パワーユニットPの動力源であるエンジンEの回転動力を、クランクケース12に収納される有段変速機を介して後輪WRに伝達するスポーツ型の鞍乗型車両である。
車体フレーム3を構成するメインフレーム4の前端部には、前輪WFの操舵機構を揺動自在に軸支するヘッドパイプ6が設けられている。操舵機構を構成する左右一対のフロントフォーク7の下端部には、前輪WFが回転可能に軸支されている。フロントフォーク7の上部には、操舵機構を操舵するハンドルバー5が取り付けられている。
ヘッドパイプ6の下方寄りの位置には、パワーユニットPのクランクケース12の前方側を支持するハンガフレーム9が連結されており、メインフレーム4とハンガフレーム9との間には、板状の補強ガセット8が架け渡されている。ヘッドパイプ6から後方に延びて下方に湾曲するメインフレーム4の下端部には、スイングアーム17の前端部を揺動自在に軸支するピボット28が設けられた左右一対のピボットプレート13が固定されている。後輪WRを回転自在に軸支するスイングアーム17は、リヤクッション18によってメインフレーム4に吊り下げられている。
4サイクル単気筒のエンジンEと有段変速機とを一体に構成するパワーユニットPは、ピボットプレート13およびハンガフレーム9によって支持されている。エンジンEのシリンダヘッド10の後部には、燃料噴射装置25を有するスロットルボディ26が固定されており、スロットルボディ26の後部にはエアクリーナボックス21が連結されている。一方、シリンダヘッド10の前部には、車体後方のマフラ19に燃焼ガスを導く排気管11が連結されている。エンジンEのクランクシャフトSの端部には、エンジンEの始動後は発電機として機能するACG50が設けられている。クランクケース12には、人力でクランクシャフトSをクランキングするためのキックスタータ30が設けられている。
パワーユニットPの上方には、メインフレーム4を車幅方向に跨ぐ底部形状を有する燃料タンク2が配設されている。メインフレーム4の後方には、シート22等を支持するリヤフレーム20が固定されており、リヤフレーム20の後端上部に、制御装置としてのECU80が配設されている。
図2は、本実施形態に係るエンジン始動装置100の全体構成を示すブロック図である。ECU80には、エンジンEの回転速度Neを算出する回転速度算出手段81と、イニシャル処理手段82と、燃料噴射装置駆動手段83と、点火装置駆動手段84とが含まれる。
ACG50は、クランクシャフトSに固定されている。クランクシャフトSの回転位置は、クランク角センサ40によって検知される。クランク角センサ40は、クランクシャフトSの端部に取り付けられたパルサロータ42と、パルサロータ42に設けられたパルサ歯43の通過を検知してパルス信号を発するパルス発生器41とからなる。10本のパルサ歯43は、歯欠区間44を除いて円形のパルサロータ42の周囲に30度間隔で設けられている。
回転速度算出手段81は、クランク角センサ40の出力に基づいてクランクシャフトSの回転速度Neを算出する。本実施形態に係る自動二輪車1は車載バッテリを具備しておらず、エンジンEの始動はキックスタータ30によって行う。イグニッションスイッチ92をオンに切り替えてキックスタータ30を操作すると、ACG50が回転することで発電が開始される。イニシャル処理手段82は、ACG50が発電した電力が供給されることで、ECU80や燃料ポンプ93に対して駆動準備としてのイニシャル処理を開始する。燃料噴射装置駆動手段83は、イニシャル処理手段82の指令に応じて燃料噴射装置90の最初の駆動を開始する。また、点火装置駆動手段84は、イニシャル処理手段82の指令に応じて点火装置91の最初の駆動を開始する。
図3は、エンジン始動時の燃料噴射装置90の駆動状態を示すタイムチャートである。本実施形態では、エンジン始動時において、燃料ポンプ93のイニシャル処理中に燃料噴射装置90を駆動して燃料噴射を行う点に特徴がある。このタイムチャートは、上から順に、電圧、クランクパルス、CPUの起動状態、燃料ポンプ93の動作、燃料噴射装置90の動作をそれぞれ示している。なお、燃料ポンプ93の動作は、三相ポンプのうちの1相のみを記載しており、残りの2相を省略している。また、本実施形態では三相ポンプを用いているが、DCポンプを用いてもよい。
時刻t=0では、キックスタータ30の操作が開始されてクランクシャフトSが回転を開始し、ACG50による発電が開始される。時刻t1では、徐々に上昇する電圧が所定値に達することでECU80のCPUが起動し、ECU80のイニシャル処理および燃料ポンプ93のイニシャル処理が開始される。
時刻t1~t2の期間Aでは、パルス間時間に基づいてエンジン回転速度Neの算出が行われる。また、時刻t2~t3の期間Bでは、エンジン回転速度Neに基づいてキックスタータ30による始動であるか否かが判断される
時刻t4では、燃料ポンプ90のイニシャル処理中の燃料噴射であるイニシャル噴射が開始される。イニシャル噴射は、図4に示すフローチャートのステップS4で算出される噴射量TOUTの値に基づいて時刻t5まで継続される。なお、燃料噴射装置駆動手段83は、CPU起動後に最初の歯欠区間44を検知した後、パルスをカウントしていき、吸気行程または燃焼行程のタイミングで燃料噴射を行う制御としてもよい。
燃料噴射時間の調整は、あらかじめ用意したテーブルに基づいて行うこともできるし、さらに、ECU80の起動してからの時間t1や、カウントしたパルスの数に応じて変更することもできる。例えば、パルスの数が少ない場合は、燃圧が比較的低いため通常時間+長い時間噴射し、一方、パルスの数が多い場合は、燃圧が比較的高いため通常時間+短い時間噴射することができる。そして、走行中にイグニッションスイッチをオフ→オン操作した場合は、ポンプ燃圧は十分高い状態を維持していると推測されるため、イニシャル噴射を実施しない。また、ECU80の起動してからの時間t1が短いときは、燃圧が比較的低いため通常時間+長い時間噴射し、一方、時間t1が長いときは、燃圧が比較的高いため通常時間+短い時間噴射することができる。
時刻t6ではECUイニシャル処理が終了する。また、時刻t7では、燃料ポンプ93のイニシャル処理が終了して通常動作に切り替わる。燃料ポンプ93のイニシャル処理T2の時間は、ECU80のイニシャル処理T1の時間より長く、イニシャル噴射はECU80のイニシャル処理T1の実行中に行われる。ECU80のイニシャル処理T1は、ECU80の機能が完全に使用可能となった状態で終了する。つまり、ECU80のイニシャル処理T1は、ECU80がクランク角センサ40からのパルスを受け取れるようになったり、燃料ポンプ93に燃料噴射の指示を出せるようになったり等の諸機能が完全に使用可能となった状態で終了する。燃料ポンプ93のイニシャル処理T2は、燃料ポンプ93の電圧値が所定の状態になった場合に終了する。この場合、燃料ポンプ93は、既定の燃料噴射時間で既定量の燃料噴射が可能となる。
図4は、イニシャル噴射制御の手順を示すフローチャートである。ステップS1では、クランクパルス入力があるか否かが判定される。ステップS2では、クランクパルス間時間に基づいてエンジン回転速度Neが算出される。ステップS3では、低Neか否かが判定される。ステップS3で低Neであると判定されると、バッテリレス車におけるキックスタータ30による始動であるとしてステップS4に進む。一方、ステップS3で否定判定されると、走行中にイグニッションスイッチ(メインスイッチ)をオンオフするか、またはリセットが実行されたものとしてステップS5に進む。
キックスタータ30による始動であると判定されると、ステップS4において、噴射量TOUTを、通常噴射量にイニシャル時駆動時間延長を加算した値に設定する。一方、走行中のイグニッションスイッチ操作の場合は、ステップS5において噴射量TOUTをゼロに設定する。ステップS6では、設定したTOUTに応じて燃料噴射信号を出力し、一連の制御を終了する。
燃料ポンプ93のイニシャル処理には、例えば、数十ms程度の時間がかかる。本実施形態では、燃料ポンプ93のイニシャル処理が完了する前に燃料噴射を行うことで、エンジン始動性を高めることができる。また、イニシャル処理中により燃料ポンプ93が発生する燃圧が不足している場合には、噴射時間を延長することで十分な燃料を供給することが可能となる。
上記したように、本実施形態に係る燃料噴射方法によれば、燃料ポンプ93のイニシャル処理中の燃料噴射時間TOUTが、イニシャル処理後の通常噴射時より長いので、イニシャル完了時の燃料噴射量に近づけることができる。また、燃料ポンプ93のイニシャル処理中でかつECU80のイニシャル処理中に燃料噴射を行うので、エンジンの始動を早めることが可能となる。また、燃料噴射を吸気行程または燃焼行程にて行うので、エンジンが始動直後で行程判別が完了していない状態でも、妥当なタイミングで燃料噴射を行うことができる。また、クランク角センサ40から出力されるパルスの数をECU80の起動から最初の燃料噴射までの間にカウントし、パルスの数が少ないほど燃料噴射時間が長くなり、一方、パルスの数が多いほど燃料噴射時間が通常噴射時に近づくので、ポンプの昇圧状況に応じて燃料噴射を適量に調整できる。さらに、エンジン始動装置100がエンジンEの回転速度を算出する回転速度算出手段81を含み、回転速度算出手段81で算出された回転速度が任意に設定される閾値未満の場合に、燃料噴射時間を通常噴射時より長くするので、キックスタータによる始動である場合に、燃料噴射時間を長くしてエンジンの始動性を高めることができる。
図5は、エンジン始動時の点火装置91の駆動状態を示すタイムチャートである。本実施形態では、エンジン始動時において、ECU80のイニシャル処理終了後、エンジンEの行程判別が完了する前に点火装置91を駆動する点に特徴がある。このタイムチャートは、上から順に、エンジンの行程、クランク角、クランクパルスを示し、それ以下には、計22のタイミングが異なる点火装置91の駆動例を示す。
本実施形態では、ECU80のイニシャル処理の終了後、可能な限り早いタイミングで固定点火制御を開始することによりエンジン始動性を高める点に特徴がある。具体的には、イニシャル処理の終了後、3パルス目で点火装置91への通電を開始し、5パルス目で点火を行う。ただ、点火を行うタイミングで、エンジンEの行程が破損領域(図示グレー着色部の圧縮行程または排気行程)にある場合には、点火を行わずにソフトオフ放電を行う、すなわち、破損領域での点火を禁止することでエンジンEを保護する機能を有する。
例えば、点火装置91の駆動例Cであれば、イニシャル処理の終了後3パルス目で通電を開始し、5パルス目で点火を行うが、駆動例Dであれば、イニシャル処理の終了後3パルス目で通電を開始するものの5パルス目までの間にクランクパルスの歯欠区間が存在することから、クランク角が破損領域にあると判断して5パルス目でソフトオフ放電を行っている。このように破損領域での点火を避けつつ、燃焼行程または吸気行程で可能な限り早いタイミングで点火を行うことにより、エンジンEの始動性を高めることが可能となる。この点火は、いずれも上死点後のタイミングとなるが、燃焼によるトルクを発生させることで次回の正規固定点火の実施につなげることができる。
図6は、固定点火制御の手順を示すフローチャートである。ステップS10では、ECU80のイニシャル処理が終了したか否かが判定される。ステップS11では、バッテリレスキック始動か否かが判定され、肯定判定されるとステップS12に進む。一方、ステップS11で否定判定されると、ステップS15に進んで従来式の固定点火制御に移行して、一連の制御を終了する。
ステップS12では、パルス数のカウントとパルス間時間の保存が行われる。ステップS13では、今回のパルスが3パルス目であるか否かが判定され、肯定判定されるとステップS14に進んで固定点火のための通電が開始される。一方、ステップS13で否定判定されると、ステップS16に進んで今回のパルスが5パルス目か否かが判定され、肯定判定されるとステップS17に進む。
ステップS17では、パルス間時間の比率が算出される。続くステップS18では、5パルス目までの間に歯欠区間がないか否かが判定され、歯欠区間なしとして肯定判定されるとステップS19に進んで固定点火が実施される。一方、ステップS18で否定判定される、すなわち、5パルス目までの間に歯欠区間が存在するために破損領域にあると判定される場合には、ステップS20に進んで固定点火を中止し、一連の制御を終了する。
図7は、クランクパルスに基づいて歯欠区間の有無を判定する手法を示す説明図である。前記したように、歯欠区間の有無は、1つ目のパルスが入力されてから5つ目のパルスが入力されるまでの間に歯欠区間があるか否かを判定するものである。パルス間時間の比率は、今回パルス間時間÷前回パルス間時間によって算出する。この値が3.0または0.3の場合は、歯欠区間があると判定する。歯欠区間の有無を判定するためのパルス間時間の比率は、(1)の例が1.0、(2)の例が3.0、(3)の例が3.0、(4)の例が3.0、(5)の例が0.3、(6)の例が1.0となる。すなわち、(1)と(6)が歯欠なしとして5パルス目で点火制御を実行し、一方、(2)~(5)が歯欠ありとして5パルス目にソフトオフ放電が行われることとなる。
上記したように、本実施形態に係るエンジン点火方法によれば、ECU80のイニシャル処理が終了した後に前記クランク角センサ40から出力されるパルスをカウントし、パルスの数が第1の閾値(本実施形態では3)を超えたときに点火装置91への通電を開始し、パルスの数が第1の閾値より大きい第2の閾値(本実施形態では5)を超えたときに点火装置91による点火を行うので、制御装置のイニシャル処理後、エンジンの行程判別の完了前に点火を行うことが可能となる。これにより、エンジンの始動を早めることができる。また、クランク角センサ40には、パルスが出力されない歯欠区間44が設けられており、パルスのカウントを開始してから第2の閾値を超えるまでの間に歯欠区間44が存在した場合は、点火を禁止するので、逆回転方向のトルクの発生を防止することができる。また、点火装置91により点火を行う区間が、燃焼行程または吸気行程であるので、正回転方向のトルクの発生を促進することができる。また、点火装置91による点火を禁止する区間が、圧縮行程または排気行程であるので、逆回転方向のトルクの発生を防止することができる。さらに、ECU80は、今回パルス間時間÷前回パルス間時間で算出した比率が所定の値を超えていると、歯欠区間44があると判断するので、歯欠区間の検知を正確に行うことができる。
なお、自動二輪車の形態、エンジンの形式、燃料噴射装置や点火装置の構造や形態等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。本発明に係る燃料噴射方法およびエンジン点火方法は、自動二輪車に限られず、キックスタータを備えた鞍乗型の三輪車や四輪車等に適用することが可能である。
1…自動二輪車(鞍乗型車両)、30…キックスタータ、40…クランク角センサ、44…歯欠区間、50…ACG(発電機)、80…制御装置、81…回転速度算出手段、90…燃料噴射装置、91…点火装置、93…燃料ポンプ、100…エンジン始動装置、E…エンジン、S…クランクシャフト、TOUT…燃料噴射時間

Claims (5)

  1. エンジン(E)のクランクシャフト(S)を人力で回転させるキックスタータ(30)と、前記クランクシャフト(S)と同期回転する発電機(50)と、クランク角センサ(40)と、燃料ポンプ(93)から圧送された燃料を噴射する燃料噴射装置(90)と、該燃料噴射装置(90)を制御する制御装置(80)とを含むエンジン始動装置(100)に適用される燃料噴射方法において、
    記燃料ポンプ(93)が始動した直後において燃圧が上昇していない状態であるイニシャル処理中に燃料噴射を行い、
    前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中の燃料噴射時間(TOUT)は、イニシャル処理後の通常噴射時より長く、
    前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中でかつ前記制御装置(80)の駆動準備である初期化処理としてのイニシャル処理中に燃料噴射を行い、
    前記制御装置(80)の起動から最初の燃料噴射までの時間をカウントし、前記時間が短いほど燃料噴射時間が長くなり、一方、前記時間が長いほど燃料噴射時間が通常噴射時に近づくことを特徴とする燃料噴射方法。
  2. 前記エンジン始動装置(100)がエンジン(E)の回転速度を算出する回転速度算出手段(81)を含み、
    前記回転速度算出手段(81)で算出された回転速度が閾値未満の場合に、燃料噴射時間を通常噴射時より長くすることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射方法。
  3. 前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理は、前記燃料ポンプ(93)の電圧値が所定の状態になった場合に終了することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射方法。
  4. エンジン(E)のクランクシャフト(S)を人力で回転させるキックスタータ(30)と、前記クランクシャフト(S)と同期回転する発電機(50)と、クランク角センサ(40)と、燃料ポンプ(93)から圧送された燃料を噴射する燃料噴射装置(90)と、該燃料噴射装置(90)を制御する制御装置(80)とを含むエンジン始動装置(100)を有する燃料噴射装置において、
    記制御装置(80)が、前記燃料ポンプ(93)が始動した直後において燃圧が上昇していない状態であるイニシャル処理中に燃料噴射を行い、
    前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中の燃料噴射時間(TOUT)は、イニシャル処理後の通常噴射時より長く、
    前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理中でかつ前記制御装置(80)の駆動準備である初期化処理としてのイニシャル処理中に燃料噴射を行い、
    前記制御装置(80)の起動から最初の燃料噴射までの時間をカウントし、前記時間が短いほど燃料噴射時間が長くなり、一方、前記時間が長いほど燃料噴射時間が通常噴射時に近づくことを特徴とする燃料噴射装置。
  5. 前記燃料ポンプ(93)のイニシャル処理は、前記燃料ポンプ(93)の電圧値が所定の状態になった場合に終了することを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射装置。
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