JP2003343333A - エンジンの始動制御装置 - Google Patents

エンジンの始動制御装置

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JP2003343333A
JP2003343333A JP2002148652A JP2002148652A JP2003343333A JP 2003343333 A JP2003343333 A JP 2003343333A JP 2002148652 A JP2002148652 A JP 2002148652A JP 2002148652 A JP2002148652 A JP 2002148652A JP 2003343333 A JP2003343333 A JP 2003343333A
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Japan
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engine
starting
state
rotation speed
speed
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Application number
JP2002148652A
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English (en)
Inventor
Naoki Kobayashi
小林  直樹
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Mikuni Corp
Original Assignee
Mikuni Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電子制御により燃料を噴射する二輪車等のエン
ジンにおいて、燃料の無駄を防止しつつ、始動性を向上
させる。 【解決手段】キック式の始動ユニット13、インジェク
タ10、エンジン1が始動中、始動完了、エンストのい
ずれの状態にあるかを判定する判定手段、インジェクタ
10による燃料の噴射を制御する制御手段を備え、判定
手段は、エンジンの回転数を検出する回転センサ3及び
回転数演算器21、エンジンの回転数の変化量を検出す
る一次遅れフィルタ22及び変化量演算器23を有し、
エンジン回転数N及び変化量Dに基づいて始動の際のエ
ンジン状態を判定する。これにより、2回連続してキッ
ク操作がなされた場合でも、エンジン状態が確実に判定
されて、エンスト状態で燃料をカットしつつも、確実な
始動が行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子制御により燃
料を噴射するエンジンの始動制御装置に関し、特に、キ
ック式あるいはリコイル式の始動ユニットを備え二輪車
あるいはレジャービークル等に搭載されるエンジンの始
動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等に搭載されるエンジンの始動制
御装置としては、例えば、特公昭64−4064号公
報、実用新案登録第2572307号公報、特公平5−
35263号公報等に記載されたものが知られている。
これらの始動制御装置は、エンジンの始動に際して、エ
ンジンの状態が始動中の状態、始動が完了した状態、エ
ンスト状態等のいずれの状態にあるかを判定し、その判
定結果に基づいて、それそれぞれのエンジン状態に応じ
た燃料噴射及び点火時期等の制御を行なう。
【0003】これら始動制御の対象となるエンジンは、
クランクシャフトを最初に回転させる始動ユニットとし
て、バッテリ電源により駆動されるスタータモータを用
いたセル式のエンジンである。そして、エンジンが始動
中、始動完了、エンスト等のいずれの状態にあるかを判
定するにあたり、特公昭64−4064号公報に開示の
始動制御装置においてはエンジン回転数のみの情報に基
づいて、実用新案登録第2572307号公報に開示の
始動制御装置においてはエンジン回転数とバッテリ電圧
との情報に基づいて、特公平5−35263号公報に開
示の始動制御装置においてはエンジン回転数とスタータ
信号との情報に基づいて、それぞれエンジン状態を判定
するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、二輪車、レ
ジャービークル等に搭載されるエンジン、その他の発動
機等比較的小排気量のエンジンにおいても、電子制御に
より燃料を噴射する電子制御燃料噴射システムの採用が
検討されており、この場合も同様に、エンジンの始動に
際して、エンジン状態(始動中、始動完了、エンスト)
に応じた燃料噴射、点火等の制御を行なう必要がある。
【0005】一方、エンジン状態を判定する際に、セル
式ではなくキック式あるいはリコイル式の始動ユニット
を採用する二輪車、レジャービークル等に搭載のエンジ
ンにおいては、スタータモータが無く又バッテリ電圧の
低下が起こらないため、スタータ信号、バッテリ信号等
に基づいた判定が行なえず、利用できる運転情報として
は回転数検出センサにより検出されるエンジン回転数N
だけに限られる。そこで、エンジン回転数Nだけに基づ
いてエンジン状態を判定し、始動制御を行なう場合を考
えると、図5に示すように、始動が完了したと判定され
る始動完判定回転数Ns、エンストしたと判定されるエ
ンスト判定回転数Neを予め設定することになる。
【0006】そして、図5(a)に示すように、エンジ
ン回転数Nが始動完判定回転数Ns以上になりその後回
転が継続すれば、エンジンは始動完了と判定して、始動
後における通常の燃料噴射及び点火時期等の制御を行な
うことができる。一方、図5(b)に示すように、エン
ジン回転数Nが一旦始動完判定回転数Ns以上に達した
後、エンスト判定回転数Ne以下に低下すると、エンジ
ンは始動完了に至らずエンストしたと判定し、このエン
スト状態においては燃料の噴射量を絞りあるいは非噴射
とする制御を行なうことができる。
【0007】ところで、上記のようにエンジン回転数N
だけの情報に基づいて始動制御を行なう場合において、
1回のキック操作によりエンジンが始動せずエンストし
た場合、運転者は一般的には続けて2回目のキック操作
を行なう。この連続キック操作によるエンジン回転数と
エンジン状態との関係は、図6において、二点鎖線Cで
示すように1回目のキック操作による回転が停止して所
定時間経過した後に2回目のキック操作が行なわれるの
ではなく、実線で示すように1回目のキック操作による
エンジン回転が完全に停止しない状態でかつ即座に2回
目のキック操作が行なわれることになる。
【0008】したがって、エンスト後に即座に始動中の
状態となってもその状態の始まりを認識できる信号が得
られないため、1回目のキック操作でエンスト状態と判
定されると、その判定結果が持続されて、2回目のキッ
ク操作において実際には始動中のエンジン回転数に達し
た状態であってもエンスト状態と判定されるため、始動
中の状態に応じた燃料噴射が行なわれず、連続的にキッ
ク操作が行なわれる限りエンジンが始動し難いあるいは
始動しないという問題を生じる。
【0009】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであり、その目的とするところは、キック式、リコ
イル式等の始動ユニットを備えるエンジンにおいて、始
動の際のエンジン状態を確実に判定でき、この判定結果
に基づいて、燃料噴射、点火等の始動制御を確実に行な
えるエンジンの始動制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエンジンの
始動制御装置は、操作力により回転始動力を発生させる
始動ユニットと、電子制御により燃料を噴射する燃料噴
射ユニットと、始動ユニットによりエンジンを始動させ
る際にエンジンが始動中、始動完了、エンストのいずれ
の状態にあるかを判定する判定手段と、判定手段による
判定結果に基づいて燃料噴射ユニットによる燃料の噴射
を制御する制御手段とを備えたエンジンの始動制御装置
であって、上記判定手段は、エンジンの回転数を検出す
る回転数検出手段と、エンジンの回転数の変化量を検出
する変化量検出手段とを有し、回転数検出手段及び変化
量検出手段の検出結果に基づいてエンジンの状態を判定
する、ことを特徴としている。この構成によれば、判定
手段は、回転数検出手段から得られるエンジン回転数
と、変化量検出手段から得られるエンジン回転数の変化
量とに基づいて、エンジンの状態を判定することにな
る。したがって、エンジン回転数だけの情報では判定で
きなかった状態でも、エンジン回転数の変化量を情報と
して加えることで、より厳密な判定が行なわれ、この判
定結果の基づいて、より正確な燃料噴射等の制御が行な
われる。
【0011】上記構成において、判定手段は、エンジン
の回転数が所定時間以上検出されない状態から初めて検
出されたときエンジンが始動中の状態にあると判定し、
エンジンの回転数が所定の第1判定回転数以上となった
ときエンジンが始動完了の状態にあると判定し、エンジ
ンの回転数が第1判定回転数以上になった後に所定の第
2判定回転数以下となったときエンジンがエンストの状
態にあると判定する、構成を採用できる。この構成によ
れば、最初のエンジン始動操作から所定の時間経過した
後に再び始動操作が行なわれるような場合においては、
最初にエンジン回転数が検出されてから第1判定回転数
に達するまで、第1判定回転数以上になったとき、その
後第2判定回転数以下になったときのそれぞれのエンジ
ン状態(始動中、始動完了、エンスト)を、エンジン回
転数だけの情報で判定することができる。
【0012】上記構成において、判定手段は、変化量検
出手段により検出された変化量が、予め設定された変化
量判定値以上となったときに、エンジンがエンストの状
態から始動中の状態に移行したと判定する、構成を採用
できる。この構成によれば、判定手段は、エンジン回転
数の変化量が変化量判定値より小さい状態から変化量判
定値以上になったとき、エンジンの状態がエンスト状態
から始動中の状態になったと判定する。したがって、エ
ンストと判定され得るエンジン回転数と始動中と判定さ
れ得るエンジン回転数とが連続的に生じる場合でも、エ
ンスト状態から始動中の状態への切り替わりを確実に判
定でき、エンジン状態に応じた最適な燃料噴射等の制御
(例えば、エンスト状態で燃料噴射を絞りあるいはカッ
トし、始動中の状態で所定の燃料噴射を行なうような制
御)が行なわれる。
【0013】上記構成において、回転数検出手段は、エ
ンジンの回転数を検出する回転センサと、回転センサの
出力信号に基づいて回転数を演算する回転数演算器とを
含み、変化量検出手段は、回転数演算器の出力信号の一
次遅れ成分を出力する一次遅れフィルタと、回転数演算
器の出力信号と一次遅れフィルタの出力信号との差分を
演算し変化量として出力する変化量演算器とを含む、構
成を採用できる。この構成によれば、回転センサにより
エンジン回転数に応じた信号が検出されると、その信号
に基づいて回転数演算器が実際のエンジン回転数を算出
する。また、得られたエンジン回転数が一次遅れフィル
タを通され、変化量演算器がエンジン回転数と一次遅れ
フィルタを経たエンジン回転数との差分を算出して、そ
の値をエンジン回転数の変化量として出力する。このよ
うな簡単な構成により、エンジン回転数の変化量を求め
ることができる。
【0014】上記構成において、判定手段によりエンジ
ンがエンストの状態にあると判定されたとき、制御手段
は燃料噴射ユニットによる燃料の噴射を停止させる、構
成を採用できる。この構成によれば、エンストの状態に
おいて燃料噴射が停止されるため、無駄な燃料噴射を防
止でき、特に、エンストから始動中の状態に連続的に切
り替わるような場合に、エンストの状態では燃料噴射を
停止させて、始動中の状態では即座に燃料噴射を行なわ
せることができる。これにより、連続的な始動操作(例
えば、連続的なキック始動操作)が行なわれる場合に
も、エンジン状態が確実に判定されて、最適な燃料噴射
等の制御が行なわれ、これにより、エンジンを確実に始
動させることができる。
【0015】上記構成において、始動ユニットとして
は、キック力によりクランクシャフトを回転させるキッ
ク式ユニット又は巻回された紐を引っ張ることによりク
ランクシャフトを回転させるリコイル式ユニットを備え
た、構成を採用できる。この構成によれば、始動ユニッ
トとしてキック式あるいはリコイル式のユニットを備え
た電子制御燃料噴射型のエンジンにおいて、その始動性
を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しつつ説明する。図1及び図2は、
本発明に係る始動制御装置を適用するエンジン及びその
制御システムを示す構成図である。この始動制御装置が
適用されるエンジンは、小排気量の二輪車用のガソリン
エンジンである。全体のシステムとしては、図1に示す
ように、エンジン1のクランクシャフト2の回転数を検
出する回転センサ3、点火プラグ4、点火コイル5、水
温センサ6、吸気温センサ7、スロットルポジションセ
ンサ8、圧力センサ9、燃料を吸気通路内に噴射する燃
料噴射ユニットとしてのインジェクタ10、燃料タンク
11内の燃料をインジェクタ10に向けて供給する燃料
ポンプ12、エンジン1を始動する際に運転者のキック
力によりクランクシャフト2を回転させる始動ユニット
としてのキック式ユニット13、全体の制御を司るエン
ジンコントロールユニット(ECU)14等を備えてい
る。
【0017】そして、上記種々のセンサにより検出され
たエンジン1の運転状態に基づいて、電子回路を備えた
エンジンコントロールユニット14が、その時々の最適
な燃料噴射量すなわち噴射時間及び噴射時期を計算し、
インジェクタ10に制御信号を送ると、インジェクタ1
0からは、エンジン1の運転状態に応じた所定の燃料が
所定のタイミングで噴射される。特に、エンジン1の始
動時においては、エンジン1の状態が始動中、始動完
了、エンストのいずれの状態にあるか判定され、その判
定結果に基づいて最適な燃料噴射となるように始動制御
が行なわれるようになっている。
【0018】ここで、エンジンコントロールユニット1
4には、エンジン1の状態を判定する判定手段、判定手
段による判定結果に基づいてインジェクタ10による燃
料の噴射を制御する制御手段としての機能が含まれてい
る。制御手段は、図2に示すように、入力された情報に
基づいて計算、比較演算等種々の演算処理を行ない、種
々の制御信号を出力するCPU,MPU等からなる制御
部20等により形成されている。
【0019】判定手段は、エンジン1の回転数Nを検出
する回転数検出手段と、エンジン1の回転数Nの変化量
を検出する変化量検出手段とにより形成されている。回
転数検出手段は、図2に示すように、クランクシャフト
2の回転を検出する回転センサ3と、回転センサ3の出
力信号に基づいてエンジン回転数Nを演算する回転数演
算器21とにより形成されている。回転センサ3として
は、電磁式のピックアップ、光学センサ、ホール素子等
いずれかのセンサを用いることができる。
【0020】変化量検出手段は、図2に示すように、回
転数演算器21の出力信号Nの一次遅れ成分Yを出力す
る一次遅れフィルタ22と、回転数演算器21の出力信
号Nと一次遅れフィルタ22の出力信号Yとの差分Dを
変化量として出力する変化量演算器23とにより形成さ
れている。
【0021】一次遅れフィルタ22は、次式(1)、 Y=A・N+(1−A)・Y(n−1) …(1)、 但し、N:エンジン回転数、 Y:出力信号(一次遅れ成分の回転数)、 Y(n−1):前の時点での出力信号、 A:フィルタ定数(0<A≦1)、 で表される。ここで、フィルタ定数Aの値としては、例
えば、0.3程度が設定される。変化量演算器23は、
一次遅れフィルタ22からの出力信号Yと回転数演算器
21からの出力信号Nとの差分、すなわち、D=N−Y
の演算を行なって、Dの値をエンジン回転数の変化量と
して出力する。
【0022】制御部20には、図2に示すように、回転
数演算器21及び変化量演算器23が接続されてそれぞ
れの出力信号が入力され、又、種々のデータを予め記憶
しておく記憶部24が接続されている。記憶部24に
は、エンジン1が始動中から始動完了の状態になったこ
とを判定する際の基準値となる始動完判定回転数Ns、
エンジン1が始動完了の状態からエンストの状態になっ
たことを判定する際の基準値となるエンスト判定回転数
Ne、エンジン回転数Nの変化量D(=N−Y)に基づ
きエンジン1がエンストから始動中の状態になったこと
を判定する基準値となる変化量判定値D、燃料噴射時
間及び時期、点火時期等をマッピングした制御マップ等
のデータが記憶されている。
【0023】尚、上記の構成においては、図2に示すよ
うに、回転数演算器21、一次遅れフィルタ22、変化
量演算器23等の要素は、制御部20とは別個にして示
されているが、制御部20がこれら回転数演算器21、
一次遅れフィルタ22、変化量演算器23等の機能を全
て含むCPU、MPU等として形成されていてもよい。
【0024】ここで、二輪車の運転者が、エンジン1の
始動操作において、キック操作を続けて2回行なった後
にエンジン1が始動した場合を想定すると、回転センサ
3及び回転数演算器21から得られる実際のエンジン回
転数Nと、一次遅れフィルタ22を通して得られる一次
遅れ成分のエンジン回転数Yと、変化量演算器23から
得られる変化量Dとの関係は、図3に示すようになる。
ここで、エンジン1が始動完了に至ったと判定される第
1判定回転数としての基準値は始動完判定回転数Ns、
エンジン1が始動完了からエンストに至ったと判定され
る第2判定回転数としての基準値はエンスト判定回転数
Ne、エンジン1がエンストから始動中に切り替わった
と判定される基準値は変化量判定値Dとして設定され
ている。
【0025】尚、変化量判定値Dは、マイナスの値に
設定されており、この値は、エンスト状態において燃料
を非噴射とする場合に、燃料の無駄を極力抑制しつつも
エンジン1の始動性が良くなるように(エンジン回転数
Nが増加し始めた所望のタイミングで燃料を噴射できる
ように)エンジン1の特性にマッチングした最適な値が
設定される。
【0026】図3に基づいて説明すると、エンジン1が
停止した(エンジン回転数が所定の時間以上検出されな
い)状態において、運転者が1回目のキック操作を行な
うと、エンジン回転数Nが、零の状態から始動完判定回
転数Nsに至るまでの領域が始動中の状態と判定され、
始動完判定回転数Ns以上になった領域が始動完了の状
態と判定され、その後エンジン回転数Nが下がり始めて
エンスト判定回転数Ne以下になるとエンストの状態と
判定される。上記それぞれの判定領域においては、制御
部20は、始動中の状態で始動噴射、始動完了の状態で
始動完噴射(通常噴射)、エンストの状態で非噴射とな
る制御を行なう。
【0027】そして、運転者が連続して2回目のキック
操作を行なうと、エンジンの回転が完全に停止する(回
転数Nが完全に零となる)前に、エンジン回転数Nは再
び上昇し始める。このとき、変化量Dが変化量判定値D
以上になる時点をもって、エンジン1がエンストの状
態から始動中の状態になったと判定され、その後、始動
完判定回転数Ns以上になると始動完了の状態に至った
判定される。すなわち、制御部20は、変化量判定値D
を境とするエンストと始動中との状態において、それ
ぞれ非噴射、始動噴射となる制御を行ない、始動完了以
後は始動完噴射(通常噴射)となる制御を行なう。
【0028】次に、エンジン1の始動操作におけるエン
ジン状態の判定処理について、図4のフローチャートに
基づいて説明する。先ず、ステップS1において回転セ
ンサ3からのセンサ信号が最後に得られてから、所定時
間経過したか否かが判断される(ステップS2)。そこ
で、所定時間経過していない場合は、回転数演算器22
によりエンジン回転数Nが計算される(ステップS
3)。一方、所定時間経過している場合は、停止状態と
みなされて回転数=0と設定される(ステップS4)。
【0029】続いて、得られたエンジン回転数Nが、一
次遅れフィルタ22に通されてエンジン回転数Nの一次
遅れ成分が算出され、フィルタ通過後の回転数に係る出
力信号Yが出力される(ステップS5)。続いて、得ら
れたエンジン回転数Nと出力信号Yとに基づいて、変化
量演算器23により変化量Dが計算される(ステップS
6)。
【0030】次に、得られたエンジン回転数Nが、予め
設定された第1判定回転数としての始動完判定回転数N
s以上か否かが判断される(ステップS7)。そこで、
N≧Nsである場合は、エンジン1は始動完了の状態に
あると判定される(ステップS8)。
【0031】一方、N≧Nsでない(N<Ns)の場合
は、ステップS9に進んで、得られたエンジン回転数N
が、予め設定された第2判定回転数としてのエンスト判
定回転数Ne以下か否かが判断される(ステップS
9)。そこで、N≦Neでない(N>Ne)場合は、ス
テップS10に進んで、前のエンジン状態が始動完了の
状態であったか否かが判断される(ステップS10)。
【0032】ステップS10において、前のエンジン状
態が始動完了の状態であったと判断された場合は、エン
ジン1は始動完了の状態にあると判定される(ステップ
S8)。一方、前のエンジン状態が始動完了の状態でな
いと判断された場合は、エンジン1は始動中の状態にあ
ると判定される(ステップS11)。
【0033】ステップS9において、N≦Neであると
判断された場合は、ステップS12に進んで、変化量D
(=N−Y)が、予め設定された変化量判定値D以上
になったか否かが判断される(ステップS12)。そこ
で、D≧Dの場合は、エンジン1は始動中の状態にあ
ると判定される(ステップS11)。
【0034】一方、D≧Dでない(D<D)場合
は、エンジン1はエンストの状態にあると判定される
(ステップS13)。以上により、エンジンの始動操作
において、エンジン1が始動中、始動完了、エンストの
いずれの状態にあるかの判定が終了する。そして、この
判定結果に基づいて、制御部20が制御信号をインジェ
クタ10に発して、エンジン状態(始動中、始動完了、
エンスト)に応じた最適な燃料噴射(始動噴射、始動完
噴射、非噴射)等の制御を行なう。
【0035】このように、エンジン回転数Nだけでな
く、その変化量D(=N−Y)をも用いて、エンジン1
が如何なる状態にあるかを判定するため、確実な判定を
行なうことができ、それ故に、エンジン1の状態に応じ
た最適な燃料噴射等の制御を行なうことができる。
【0036】したがって、エンストの状態では燃料を非
噴射とする制御を行なって燃料の無駄を防止すると共
に、エンストの状態から始動中の状態への切り替わりを
確実に判定して燃料噴射を行なうことで、始動性を向上
させあるいは確実に始動完了となるようにすることがで
きる。
【0037】上記実施形態においては、エンジンの回転
数の変化量を検出する変化量検出手段として、一次遅れ
フィルタ22を採用した場合を示したが、これに限定さ
れるものではなく、時間Δt当たりの回転数変化ΔN、
すなわち、時間微分値D´=ΔN/Δt(実際には、サ
ンプリング時間Δtごとのエンジン回転数Nの変化Δ
N)を求めて、エンジン1の状態を判定する際の情報と
してもよい。
【0038】また、上記実施形態においては、本発明の
始動制御装置が適用されるエンジンとして、始動ユニッ
トとしてキック式ユニットを備え二輪車等に搭載される
エンジン1を示したが、これに限定されるものではな
く、芝刈り機、その他の作業機等に搭載され、始動ユニ
ットとして巻回された紐(紐状のもの全てを含む趣旨で
ある)を引っ張ることでクランクシャフトを回転させる
リコイル式ユニットを備えたエンジンにおいても、同様
に本発明の始動制御装置を適用できる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るエンジ
ンの始動制御装置によれば、操作力により回転始動力を
発生させる始動ユニット、電子制御による燃料噴射ユニ
ット、エンジンの状態を判定する判定手段、燃料噴射ユ
ニットによる燃料の噴射を制御する制御手段とを備え、
判定手段が、検出されたエンジン回転数及び算出された
エンジン回転数の変化量に基づいてエンジンの状態を判
定するため、エンジン回転数だけの情報では判定できな
かった状態をより厳密に判定でき、それ故に、より正確
な燃料噴射等の制御を行なうことができ、エンジンの始
動性が向上する。
【0040】特に、変化量が予め設定された変化量判定
値以上となったときに、エンジンがエンストの状態から
始動中の状態に移行したと判定することで、エンストと
判定され得るエンジン回転数と始動中と判定され得るエ
ンジン回転数とが連続的に生じる場合でも、エンストの
状態から始動中の状態への切り替わりを確実に判定で
き、エンジン状態に応じた最適な燃料噴射等の制御、例
えば、エンスト状態で燃料噴射を停止し、始動中の状態
で所定の始動噴射を行なうような始動制御を行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの始動制御装置の一実施
形態を示すシステム図である。
【図2】エンジンの状態を判定する判定手段及び制御手
段の構成を示すブロック図である。
【図3】エンジン回転数、一次遅れフィルタの出力信
号、及び変化量の相互の関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係る始動制御装置における判定処理を
示すフローチャートである。
【図5】始動操作におけるエンジン回転数とエンジンの
状態を示すグラフであり、(a)は1回のキック操作で
エンジンが始動完了となった場合、(b)はエンストと
なった場合をそれぞれ示す。
【図6】始動操作において、キック操作を続けて2回し
た場合のエンジン回転数とエンジンの状態を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クランクシャフト 3 回転センサ(回転数検出手段) 4 点火プラグ 5 点火コイル 6 水温センサ 7 吸気温センサ 8 スロットルポジションセンサ 9 圧力センサ 10 インジェクタ(燃料噴射ユニット) 11 燃料タンク 12 燃料ポンプ 13 キック式ユニット(始動ユニット) 14 エンジンコントロールユニット 20 制御部(制御手段) 21 回転数演算器(回転数検出手段) 22 一次遅れフィルタ(変化量検出手段) 23 変化量演算器(変化量検出手段) 24 記憶部 N エンジン回転数 Ns 始動完判定回転数(第1判定回転数) Ne エンスト判定回転数(第2判定回転数) D 変化量 D 変化量判定値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02N 11/08 F02N 11/08 G

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作力により回転始動力を発生させる始
    動ユニットと、電子制御により燃料を噴射する燃料噴射
    ユニットと、前記始動ユニットによりエンジンを始動さ
    せる際にエンジンが始動中、始動完了、エンストのいず
    れの状態にあるかを判定する判定手段と、前記判定手段
    による判定結果に基づいて前記燃料噴射ユニットによる
    燃料の噴射を制御する制御手段と、を備えたエンジンの
    始動制御装置であって、 前記判定手段は、エンジンの回転数を検出する回転数検
    出手段と、エンジンの回転数の変化量を検出する変化量
    検出手段とを有し、前記回転数検出手段及び変化量検出
    手段の検出結果に基づいてエンジンの状態を判定する、
    ことを特徴とするエンジンの始動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、エンジンの回転数が所
    定時間以上検出されない状態から初めて検出されたとき
    エンジンが始動中の状態にあると判定し、エンジンの回
    転数が所定の第1判定回転数以上となったときエンジン
    が始動完了の状態にあると判定し、エンジンの回転数が
    前記第1判定回転数以上になった後に所定の第2判定回
    転数以下となったときエンジンがエンストの状態にある
    と判定する、ことを特徴とする請求項1記載のエンジン
    の始動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、前記変化量検出手段に
    より検出された変化量が、予め設定された変化量判定値
    以上となったときに、エンジンがエンストの状態から始
    動中の状態に移行したと判定する、ことを特徴とする請
    求項1又は2に記載のエンジンの始動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記回転数検出手段は、エンジンの回転
    数を検出する回転センサと、前記回転センサの出力信号
    に基づいて回転数を演算する回転数演算器と、を含み、 前記変化量検出手段は、前記回転数演算器の出力信号の
    一次遅れ成分を出力する一次遅れフィルタと、前記回転
    数演算器の出力信号と前記一次遅れフィルタの出力信号
    との差分を演算し変化量として出力する変化量演算器
    と、を含む、ことを特徴とする請求項1ないし3いずれ
    かに記載のエンジンの始動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記判定手段によりエンジンがエンスト
    の状態にあると判定されたとき、前記制御手段は、前記
    燃料噴射ユニットによる燃料の噴射を停止させる、こと
    を特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のエンジ
    ンの始動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記始動ユニットは、キック力によりク
    ランクシャフトを回転させるキック式ユニットである、
    ことを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載のエ
    ンジンの始動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記始動ユニットは、巻回された紐を引
    っ張ることによりクランクシャフトを回転させるリコイ
    ル式ユニットである、ことを特徴とする請求項1ないし
    5いずれかに記載のエンジンの始動制御装置。
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