JP7448379B2 - ウェットシート - Google Patents

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Description

本発明は、ウェットシートに関する。
従来、赤ちゃんのおしりふき、大人用の身体またはおしりふきなどとして、不織布、紙などのシート材に薬液を含浸させたウェットシートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5694660号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された薬液は、水を主成分とするため、油分を多く含む便や皮脂といったおしりの汚れの拭き取り性能があまり高くなく、多くの枚数のウェットシートを使用する必要があった。また、水を主成分とする薬液は、あまり保湿性が高くないという課題があった。
これに対して、油剤を含む乳液は、汚れの拭き取り性能と保湿性に優れているが、白濁しやすく、操業性が低いという課題があった。
本発明の課題は、少ない枚数で汚れをしっかりと拭き取ることができ、保湿性に優れ、操業性の高いウェットシートを提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、ウェットシートであって、
油剤であるシア脂と乳化剤であるトリイソステアリン酸PEG-20グリセリル及びPEG―8(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズとが配合されたウェットシート用乳液が基材シートに含浸され、
前記油剤は、0.001質量%~0.100質量%配合され、
前記油剤と前記乳化剤の合計量と、の重量比率は1:4~1:19であり、
相対的に繊維密度が大きい高繊維密度領域と、前記高繊維密度領域よりも相対的に繊維密度が小さい低繊維密度領域と、を備え、
前記高繊維密度領域と前記低繊維密度領域との高低差は50μm~100μmであり、
前記高繊維密度領域の繊維目付けは40g/m ~60g/m であって、前記低繊維密度領域の繊維目付けは10g/m ~20g/m であり、
前記高繊維密度領域と前記低繊維密度領域との面積比は2:8~8:2であることを特徴とするウェットシート。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のウェットシートにおいて、
前記ウェットシート用乳液には、1質量%~10質量%の保湿剤が配合されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のウェットシートにおいて、
前記基材シートは、コットンが1質量%~10質量%含まれた不織布であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のウェットシートにおいて、
前記ウェットシート用乳液が、前記基材シートの乾燥質量に対して200質量%~500質量%含浸されていることを特徴とする。
本発明によれば、少ない枚数で汚れをしっかりと拭き取ることができ、保湿性に優れ、操業性の高いウェットシート用乳液及びウェットシートを提供することができる。
杉綾模様のウェットシートを示す平面図である。 縞模様のウェットシートを示す平面図である。 格子模様のウェットシートを示す平面図である。 メッシュ模様のウェットシートを示す平面図である。 曲線模様のウェットシートを示す平面図である。 図1~図5のVI-VIの部分の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[ウェットシート]
図1は、本実施の形態に係るウェットシートSを示す平面図である。
ウェットシートSは、所定の繊維からなる基材シート10に対して、精製水に各種成分を添加したウェットシート用乳液を含浸させたものであって、例えば、赤ちゃんのおしりふき、大人用の身体またはおしりふきなどに使用される清掃用シートである。
なお、このウェットシートSは、製品形態では、開閉蓋により密閉可能とされたシート取出口を有する密閉容器等の包装手段内に収容することができる。
使用に際しては、ウェットシートSを容器又は袋内に直に入れたもの、或いはウェットシートSを直に入れた袋を容器内に入れたものから、使用者が取出口を開けて内部のシートを引き出して使用する。
[基材シート]
基材シート10は、所定の繊維を繊維素材として、例えば、スパンレース、エアスルー、エアレイド、ポイントボンド、スパンボンド、ニードルパンチ等の周知の技術により製造される不織布である。所定の繊維としては、例えば、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットン等のセルロース系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができるが、コットンが1質量%~10質量%配合されていることが好ましく、これにより、乳液の含浸されたウェットシートSをより肌への刺激が少ないものにすることができる。
なお、ウェットシートSは、複数枚の基材シート10をプライ(積層)加工することにより形成しても、1枚の基材シート10から形成してもよい。ウェットシートSが多層構造である場合は、コットンが内層に6%~10%、外層に0~4%含まれていると薬液保持性を高めることができ、内層に0%~4%、外層に6%~10%含まれていると使用者がより水分感を感じられるようになる。なお、内層と外層におけるコットンの含有割合としては上記のものに限られず、各層に均一な割合で含有されていてもよい。
また、基材シート10は、紙で形成されていてもよい。
この基材シート10は、例えば、図1に示すように、高繊維密度領域11からなる凸部と、低繊維密度領域12からなる凹部とを有しており、この高繊維密度領域11と低繊維密度領域12とが交互に配置されることで、所定の模様が形成されている。
所定の模様としては、例えば、図1に示すように、所定間隔ごとに逆方向に折り曲がる線により、連続したV字状部が形成される杉綾模様が挙げられる。
なお、本発明においては、杉綾模様のV字状部の角度(線の折り曲がる角度)は特に限定されないが、例えば5°~60°とすることで、乳液の拡散性及び液透過性を最も良好にすることができる。
また、基材シート10に形成される模様としては、杉綾模様以外にも、例えば、縞模様、格子模様、メッシュ模様、曲線模様などを用いることもできる。図2~図5は、それぞれ、縞模様(図2)、格子模様(図3)、メッシュ模様(図4)、曲線模様(図5)が形成された基材シート10を示している。
なお、図1~図5では、説明の便宜のため、高繊維密度領域11の部分に網点を付している。
また、本明細書でいう「高繊維密度領域11」とは、低繊維密度領域12よりも繊維密度が大きい領域であることを意味し、密度は低繊維密度領域12よりも大きければ特に限定されない。
また、「低繊維密度領域12」とは、高繊維密度領域11よりも繊維密度が小さい領域であることを意味し、密度は高繊維密度領域11よりも小さければ特に限定されない。
基材シート10が、高繊維密度領域11と低繊維密度領域12とを有することによって、肌への接触面積が少なくなり、肌への摩擦が低減できる。これにより、肌への刺激を少なくすることができるので、本発明のウェットシートSは、肌の敏感な人や乳幼児などであっても利用することができるものとなっている。
また、線状の凹部(低繊維密度領域12)を有することにより、平坦な基材シートと比較して液拡散性及び液透過性が優れるため、基材シート10にはムラなく均一に乳液が塗布されることとなる。
高繊維密度領域11と低繊維密度領域12とによって形成される各模様における線本数は、3本/cm~7本/cmであることが好ましい。
ここで、本明細書でいう線本数(本/cm)とは、1cmあたりに、線状の高繊維密度領域11及び線状の低繊維密度領域12が何本分存在するかを意味している。
すなわち、平行に設けられた線状の高繊維密度領域11及び線状の低繊維密度領域12に平行な方向に対して垂直な方向(本数が最も多くなる方向)に何本存在するかを意味している。つまり、4本/cmのときは、1cmに線状の高繊維密度領域11及び低繊維密度領域12が2本ずつ設けられていることを意味する。
線本数が3本/cm未満であると、基材シート10の表面が平坦に近づくため、一旦捕捉された汚れが転着し易くなる。また、線本数が7本/cmを超えると、高繊維密度領域11と低繊維密度領域12とで形成される空間の容積が小さくなり過ぎるため、低繊維密度領域12に所望の量の汚れを確保できないようになる。
図6は、図1~図5におけるVI-VIの部分の断面図である。
高繊維密度領域11の裏面からの高さ(厚さ)Hmは、例えば、200μm以上、600μm未満が好ましく、低繊維密度領域12の裏面からの高さ(厚さ)Hdは、例えば、150μm以上、200μm未満が好ましい。
このとき、高繊維密度領域11と低繊維密度領域12との高低差は、50μm~100μm程度が好ましい。
高低差が50μm未満であると、低繊維密度領域12による捕捉効果を多く期待することができず、所望の拭取り量が確保できないようになり、また、100μmを超えると、基材シート10の厚さが厚くなって、柔軟性や手触り感が損なわれるからである。
また、高繊維密度領域11の繊維目付けは、例えば、40g/m~60g/m程度であるのが好ましく、低繊維密度領域12の繊維目付けは、例えば、10g/m~20g/m程度であるのが好ましい。
繊維目付けが上記範囲を満たすことで、好適な厚みとなり、基材シート10に強度と柔軟性の両者を担保させることができる。
なお、本実施形態では、凸部が高繊維密度領域11であり、凹部が低繊維密度領域12であるとしたが、これに限られず、凸部が低繊維密度領域12であり、凹部が高繊維密度領域11であるとしてもよい。
また、基材シート10は、高繊維密度領域11である凸部と、低繊維密度領域12である凹部を有していることが好ましいが、これに限られず、繊維密度の差を設けなくても構わない。
また、基材シート10における高繊維密度領域11と低繊維密度領域12の面積比は5:5でなくても構わないが、2:8~8:2の範囲内であるのが好ましい。一方が他方の4倍より多く設けられていると、凹凸感が感じられにくくなるので好ましくない。
[ウェットシート用乳液]
ウェットシート用乳液は、主成分が水(精製水)であって、油剤と乳化剤が1:4~1:19の比率で配合され、乳化させたものである。
かかる構成により、本実施の形態のウェットシート用乳液は油分を含むこととなるため、油分を多く含む便や皮脂汚れの汚れ落ちが良い。したがって、乳液を含浸させたウェットシートSは、少ない枚数で汚れをしっかりと拭き取ることができるものとなり、消費者はおしりふきの購入量を減らすことができる。
また、特に、かかる比率で油剤と乳化剤が配合されることにより、ウェットシート用乳液の乳化安定性が向上し、水と油剤が可溶化し、半透明または透明になるため、液中の不純物の有無の確認、pHの測定といった品質管理を行いやすくなり、操業性を高めることができる。
(油剤)
油剤としては、例えば、オレイン酸とステアリン酸を多量に含むことから低粘度でなめらかかつしっとりした感触を示し、浸透性に優れ、また長鎖脂肪酸やフィトステロールが含まれていることから高い保湿性を有するシア脂が用いられる。
なお、油剤としてはシア脂に限られず、エモリエント効果を有するものであれば良く、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、つばき油、ごま油、米ぬか油、サフラワー油、大豆油、コーン油、なたね油、キョウニン油、パーシック油、桃仁油、ひまし油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、ココナッツ油、小麦胚芽油、米胚芽油、月見草油、ハイブリッドヒマワリ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、へーゼルナッツ油、パーム核油、パーム油、やし油、カカオ脂、木ろう、ミンク油、タートル油、卵黄油、牛脂、乳脂、豚脂、馬油、ホホバ油、カルナウバろう、キャンデラろう、米ぬかろう、オレンジラフィー油、みつろう、セラック、ラノリン、モンタンろう、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、軟質流動イソパラフィン、水添ポリイソブチレン、オゾケライト、セレシン、α-オレインフィンオリゴマー、ポリブテン、ポリエチレン等を任意に用いることができる。
油剤は、ウェットシート用乳液の全成分に対して0.001質量%~0.100質量%の割合で配合される。0.001質量%より少ないと油剤の効果があまり発揮されなくなるため望ましくない。また、0.100質量%より多いと、粘性が大きくなり、ベトつきが生じ、使用感が悪化するため望ましくない。
(乳化剤)
また、乳化剤には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の非イオン界面活性剤等が用いられる。
なお、乳化剤は少なくとも2種類以上が配合されるのが望ましい。シア脂等の油脂は、複数種の脂肪酸からなるため、複数種の乳化剤を配合することにより、より乳化しやすくすることができる。
(保湿剤)
また、ウェットシート用乳液には保湿剤を配合しても良い。保湿剤としては、肌への刺激が少ないグリセリン等が用いられ、これを油剤と配合することにより、ウェットシートSの水分保持性を高めることができ、何回もこすらずとも汚れを拭き取れるようになり、肌への刺激を低減させることが可能となる。
保湿剤は、ウェットシート用乳液の全成分に対して1質量%~10質量%の割合で配合される。1質量%より少ないと保湿効果があまり向上せず、10質量%より多いと、ウェットシート用乳液の粘性が高くなりすぎるため、含浸性能が低くなる。また、ベトつきが生じ、使用感が悪化するため望ましくない。
(防腐剤)
その他、ウェットシート用乳液には防腐剤として、ヘキシルグリセリン又はエチルヘキシルグリセリンを配合しても良く、市販品、化学合成法、動物や植物に由来する天然のもの、発酵法又は遺伝子組換法によって得られるもののいずれを使用してもよい。また、ヘキシルグリセリン又はエチルヘキシルグリセリンは幅広い抗菌スペクトルを持ち、高い抗菌効果を有する物質である。また、ヘキシルグリセリン又はエチルヘキシルグリセリンは保湿機能を有し、これを含有することにより、ウェットシートSの水分保持性を高めることができる。
また、防腐剤には安息香酸ナトリウムが含まれる。安息香酸ナトリウムは、例えば、カビ、酵母、好気性菌等に対する抗菌効果を有する物質である。
安息香酸ナトリウムはpH5以下で防腐効果を発揮する。即ち、ウェットシート用乳液のpHが5より大きくなると安息香酸ナトリウムの防腐効果がほとんどなくなってしまう。また、一般に、pHが3より小さくなると強酸性となるため肌への刺激があり、肌荒れの原因となる可能性がある。このため、ウェットシート用乳液のpHは3~5の範囲に調整されることが望ましい。
具体的には、ウェットシート用乳液の全成分に対して、エチルヘキシルグリセリンが0.05質量%~0.10質量%、安息香酸ナトリウムが0.075質量%~0.100質量%の割合で配合される。
或いは、ウェットシート用乳液の全成分に対して、ヘキシルグリセリンが0.1質量%~0.5質量%、安息香酸ナトリウムが0.05質量%~0.10質量%の割合で配合される。
かかる配合をすることで、より効果的に防腐効果を発揮させることができる。
その他、防腐剤には、例えば、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、セチルピリジニウムクロリドやキレート剤等を配合することが可能である。
(含浸率)
また、このウェットシート用乳液の含浸率としては、基材シート10の乾燥質量に対して200質量%~500質量%とすることができる。
なお、基材シート10の乾燥質量の測定条件は、温度25℃、湿度40%である。また、含浸率200質量%とは、乾燥質量が100gの基材シート10に対してウェットシート用乳液が200g含浸されていることを意味し、含浸率500質量%とは、乾燥質量が100gの基材シート10に対してウェットシート用乳液が500g含浸されていることを意味している。
含浸率が200質量%より少ないと、液分が十分に浸透せずに含浸ムラができて、ウェットシート用乳液内の成分が偏在しやすくなり、含浸率が500質量%より多いと、使用時にウェットシート用乳液が垂れやすくなる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[サンプル作成]
始めに、表Iに示す成分と配合比によってベース処方を得た。
Figure 0007448379000001
次いで、以下の各実施例、比較例の配合比でベース処方と、油剤(シア脂)と、非イオン界面活性剤である乳化剤I(トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル)、乳化剤II(PEG―8(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズ)とを配合し、薬液をそれぞれ調合した。
(実施例1)
ベース処方を99.95質量%、油剤を0.01質量%、乳化剤Iを0.02質量%、乳化剤IIを0.02質量%配合した。
(実施例2)
ベース処方を99.80質量%、油剤を0.01質量%、乳化剤Iを0.09質量%、乳化剤IIを0.10質量%配合した。
(比較例1)
ベース処方を99.98質量%、油剤を0.01質量%、乳化剤Iを0.01質量%配合した。
(比較例2)
ベース処方を99.98質量%、油剤を0.01質量%、乳化剤IIを0.01質量%配合した。
(比較例3)
ベース処方を99.94質量%、油剤を0.01質量%、乳化剤Iを0.05質量%配合した。
(比較例4)
ベース処方を99.94質量%、油剤を0.01質量%、乳化剤IIを0.05質量%配合した。
(比較例5)
ベース処方を99.97質量%、油剤を0.01質量%、乳化剤Iを0.01質量%、乳化剤IIを0.02質量%配合した。
(比較例6)
ベース処方を99.79質量%、油剤を0.01質量%、乳化剤Iを0.10質量%、乳化剤IIを0.10質量%配合した。
上記実施例1-2及び比較例1-6の薬液を用いて、以下の試験1を行った。
[試験1.乳化試験]
実施例1-2及び比較例1-6の薬液をそれぞれ撹拌溶解し、乳化が行われるかを確認する。このとき、薬液が乳化し、色が半透明または透明になった場合を○、薬液が乳化したが色は白濁している場合を△、薬液が乳化せず水層と油層が分離している場合を×とした。
試験1の結果を表IIに示す。
Figure 0007448379000002
[評価]
実施例1-2と比較例1-4とを比較すると、乳化剤を2種類と油剤を配合することで、半透明または透明のウェットシート用乳液を得ることができる。これは、シア脂等の油脂は複数種の脂肪酸からなるため、複数種の乳化剤を配合することでより乳化しやすくなるからである。
加えて、実施例1-2と比較例5との比較から、油剤の割合に対して4倍以上になるように乳化剤を配合することで、ウェットシート用乳液が半透明または透明となる。
また、実施例2及び比較例6に示すように、油剤の割合に対して19倍より多くなるように乳化剤を配合しても、薬液は半透明または透明となるが、油剤と乳化剤を1:19の割合で配合した場合と比べてあまり乳化効果は上がらず、また、乳化剤のコストが増えるので、油剤の割合に対して19倍以下となるように乳化剤を配合するのが望ましい。
[試験2.保湿性試験]
繊維径1.67dtex、繊維長38mmのレーヨンを50%、繊維径1.56dtex、繊維長38mmのPETを50%の割合で水流交絡法により交絡させた、目付60g/mの基材シート10と、下記表IIIに示す割合で配合した実施例3-4、比較例7―8の薬液を作製し、各基材シート10に実施例3-4、比較例7―8の薬液をそれぞれ340質量%ずつ含浸させ、実施例3-4、比較例7―8のウェットシートを作成した。
なお、比較例8の薬液は、実施例3の薬液から油剤、乳化剤及び保湿剤を除き、精製水を加えた、従来品である水ベースの薬液を想定した薬液である。
Figure 0007448379000003
次いで、手首から5cm、8cm、11cm、14cm、17cmの箇所の角質水分量を、Moisture Checker MY707S(スカラ株式会社製)を用いて測定し、下記実施例3―4及び比較例7―9の操作を行った後、各箇所の5分後、10分後、15分後、20分後、25分後、30分後、45分後、60分後の角質水分量について、各実施例及び比較例の操作前からの変化率(%)を測定した。
このような試験を異なる日にそれぞれ3回ずつ行い、各実施例及び比較例の操作後の角質水分量の変化率の平均値を算出した。
(実施例3)
実施例3のウェットシートを用いて手首から14cmの箇所を軽く5回拭き取った。
(実施例4)
実施例4のウェットシートを用いて手首から17cmの箇所を軽く5回拭き取った。
(比較例7)
比較例7のウェットシートを用いて手首から8cmの箇所を軽く5回拭き取った。
(比較例8)
比較例8のウェットシートを用いて手首から11cmの箇所を軽く5回拭き取った。
(比較例9)
手首から5cmの箇所には何も行わなかった。
試験の結果を表IVに示す。
Figure 0007448379000004
[評価]
実施例3―4と比較例7―9を比較すると、油剤と乳化剤とによって乳化した、ウェットシート用乳液が含浸されたウェットシートSで拭き取りを行うことで、水ベースの薬液が含浸されたウェットシートで拭き取りを行った場合よりも保湿性を高められることがわかる。
特に、実施例3と実施例4を比較すると、60分間を通して実施例3の方が角質水分量の増加量が顕著に高いことから、ウェットシート用乳液に保湿剤を配合することで、ウェットシートSの保湿性を更に高められることがわかる。
[試験3.官能評価試験]
上記実施例3の薬液をレーヨン混不織布に300質量%含浸させたウェットシートSと、上記比較例8の薬液をレーヨン混不織布に300質量%含浸させたウェットシートを用意した。
次いで、95名の被験者に、実施例3、比較例8のウェットシートを、おむつ交換に際した尿汚れ、便汚れの清掃に使用してもらい、汚れを落とすのに必要な枚数の平均値を測定した。
また、各ウェットシートの使用後のおしりの状態について、「おしりが乾燥している」、「おしりがさらっとしている」、「おしりがしっとりとしている」、「おしりがべたっとしている」、「その他」、「わからない」のいずれかで回答してもらった。
試験の結果を表V、表VIに示す。
Figure 0007448379000005
Figure 0007448379000006
[評価]
以上、表Vの実施例3と比較例8を比較すると、尿汚れ又は便汚れのいずれを拭き取る場合でも、実施例3の方がおしりふきを使用する枚数の平均値が少ないことから、従来品である水ベースの薬液を含浸させたウェットシートに比べて、油剤が含まれる本実施形態のウェットシート用乳液を含浸させたウェットシートSの方が尿及び便の汚れの拭き取り性能が高くなっていることがわかる。
また、表VIの実施例3と比較例8を比較すると、実施例3のおしりふきの方が、使用後に「おしりが乾燥している」又は「おしりがさらっとしている」と回答した人数の合計が少なく、「おしりがしっとりとしている」と回答した人数が多いことから、油剤、乳化剤、保湿剤を配合することで、使用者が保湿性を実感できることがわかる。
(実施形態の効果)
以上に示すように、薬液に対して油剤及び乳化剤を配合することで、便ないし尿といった脂が含まれる汚れを落としやすいウェットシート用乳液を生成することができる。
また、特に乳化剤が2種類以上用いられ、油剤と乳化剤の配合比が1:4~1:19であることで、ウェットシート用乳液が十分に乳化して半透明または透明となるため、ウェットシート用乳液や当該ウェットシート用乳液を含浸させたウェットシートSの製造工程における操業性を高めることができる。
また、本実施形態のウェットシート用乳液は、従来の水ベースの薬液に比べて高い保湿性を備えるが、保湿剤を配合することで保湿性を更に高めることができる。
[変形例]
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
例えば、ウェットシートSは赤ちゃんのおしりふき、大人用の身体またはおしりふきなどに使用されるものとしたが、これに限られない。また、ウェットシート用乳液に配合される薬液も、その用途に応じて変更可能である。
S ウェットシート
10 基材シート

Claims (4)

  1. 油剤であるシア脂と乳化剤であるトリイソステアリン酸PEG-20グリセリル及びPEG―8(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズとが配合されたウェットシート用乳液が基材シートに含浸されたウェットシートであって、
    前記油剤は、0.001質量%~0.100質量%配合され、
    前記油剤と前記乳化剤の合計量と、の重量比率は1:4~1:19であり、
    相対的に繊維密度が大きい高繊維密度領域と、前記高繊維密度領域よりも相対的に繊維密度が小さい低繊維密度領域と、を備え、
    前記高繊維密度領域と前記低繊維密度領域との高低差は50μm~100μmであり、
    前記高繊維密度領域の繊維目付けは40g/m ~60g/m であって、前記低繊維密度領域の繊維目付けは10g/m ~20g/m であり、
    前記高繊維密度領域と前記低繊維密度領域との面積比は2:8~8:2であることを特徴とするウェットシート。
  2. 前記ウェットシート用乳液には、1質量%~10質量%の保湿剤が配合されていることを特徴とする請求項1に記載のウェットシート。
  3. 前記基材シートは、コットンが1質量%~10質量%含まれた不織布であることを特徴とする請求項1又は2に記載のウェットシート。
  4. 前記ウェットシート用乳液が、前記基材シートの乾燥質量に対して200質量%~500質量%含浸されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のウェットシート。
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