JP7441204B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器に関する。
液圧機器のシール装置は、車両の車体と車輪との間に介装されて減衰力を発揮して車体と車輪の振動を抑制する緩衝器や建設機械のブームやアーム等を駆動するシリンダ装置といった液圧機器に利用されている。
緩衝器に適用されたシール装置は、たとえば、ロッドの外周にナットで保持される主ピストン分割体と副ピストン分割体との二つのピストン分割体を有して構成したピストンにおける主ピストン分割体と副ピストン分割体との間をシールするシールリングを備えている(たとえば、特許文献1参照)。
ピストンは、シリンダ内にピストンで区画した伸側室と圧側室とを連通する通路を備えている、また、通路を開閉する2つのリーフバルブがそれぞれ対応する主ピストン分割体と副ピストン分割体とに組み付けられている。
シールリングは、副ピストン分割体から突出する筒部内に嵌合されて筒部内を閉鎖する円盤状の主ピストン分割体の外周に周方向に沿って設けられた環状溝内に収容されており、筒部の内周に密着して主ピストン分割体と副ピストン分割体との間をシールする。
このように構成されたシール装置によれば、作動油がバルブを迂回して主ピストン分割体と副ピストン分割体との間を通過するのをシールリングで阻止できるので、緩衝器に設計通りに減衰力を発揮させ得る。
特開2017-96453号公報
このようにシール装置では、主ピストン分割体と副ピストン分割体との間をシールするために、主ピストン分割体の副ピストン分割体の筒部内に嵌合される部位の外周に環状溝を設けて、シールリングを当該環状溝に収容した後、主ピストン分割体を筒部に挿入する作業が必要となる。
シールリングが環状溝から脱落しないように、シールリングの内径は、主ピストン分割体の筒部内へ嵌合される部分の外径よりも小径に設定されていて、環状溝へのシールリングの装着にはシールリングの拡径が必須となる。
そして、シールリングが主ピストン分割体と副ピストン分割体との間を適切にシールするためには、副ピストン分割体の筒部に強く押し当てられる必要があり、シールリングの外径が筒部の内径よりも大きく設定されていて、シールリングは筒部内に圧縮状態で挿入される。よって、シールリングを装着した主ピストン分割体を副ピストン分割体の筒部への挿入は、シールリングの圧縮を伴う。
シールリングは、たとえば、加硫ゴムで形成されているが、環状溝から抜け出しの防止と筒部への押圧力の確保の他にも耐久性の観点から硬いものが利用される場合があり、環状溝への装着および筒部内への主ピストン分割体の嵌合の作業は作業者に大きな負担を強いている。
ここで、作業者の負担を軽減して作業性を向上するため、シールリングに自己潤滑性を持たせたり、シールリングの表面処理を施したりして、シールリングと主ピストン分割体や筒部との間に生じる摩擦力を低減する試みがある。
しかしながら、このようにシールリングに処理を施してシールリングと主ピストン分割体や筒部との間に生じる摩擦力が低減されると、シールリングが環状溝内で軸方向へ動きやすくなって、伸側室や圧側室から低い圧力を受けるだけでもシールリングが環状溝内で動いてしまう場合がある。
よって、緩衝器が極低速で動き始めた際にシールリングが環状溝内で動いて、シールリングの移動分だけ通路内の容積が変化するため、見かけ上、容積変化分の作動油がリーフバルブを迂回して主ピストン分割体と副ピストン分割体との間を通過したのと同じ効果を生んでしまう。
すると、緩衝器が極低速で伸縮する際にリーフバルブを通過する作動油が減少するため、緩衝器は狙い通りに減衰力を発揮できず、減衰力の発生に時間遅れが生じるといった現象が引き起こされる。
他にも、ピストンの外周に環状溝を設けてピストンが摺動するシリンダに摺接するシールリングを収容した場合もシールリングが動くと見かけ上作動油がバルブを迂回してシリンダとピストンとの間を通過したのと同じになる。シリンダ内にフリーピストンで気室を設ける場合に、フリーピストンの外周にシリンダに摺接するシールリングを収容する場合もシールリングの環状溝内での移動によってバルブを通過する作動油量が減少する。緩衝器ではなくシリンダ装置でもシリンダ内に圧油を供給した際にシールリングが動くと、見かけ上、シールリングの移動分に応じた作動油がシリンダ内に供給されないので、シリンダ装置でも推力発生に時間遅れが生じる。
このように、緩衝器やシリンダ装置といった液圧機器におけるシール装置では、シールリングの組付、液圧機器の組立における作業性の向上を狙ってシールリングの摩擦力を低減すると液圧機器の減衰力や推力の発生に時間遅れが生じるという不都合が生じてしまう。
そこで、本発明は、減衰力の発生の時間遅れを抑制しつつも組立作業性を向上できる緩衝器の提供を目的としている。
前記した課題を解決するために、本発明の緩衝器は、シリンダと、シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入され、シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するとともに、伸側室と圧側室とを連通する通路を有するピストンと、シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるとともにピストンに連結されるロッドと、通路を開閉するバルブとを備え、ピストンは、環状の外側部材と、外側部材の内側に挿入される内側部材と、外側部材と内側部材の一方に設けられた環状溝内に収容されて、外側部材と内側部材の他方に当接して、外側部材と内側部材との間の液体の通過を抑止するシールリングとを有し、シールリングは、滑剤を配合したゴムによって形成されて自己潤滑性を有しており、環状溝に収容されない状態で環状溝の底部を向く底部対向面に軸線を中心とした円筒面を有するとともに自己復元力によって前記円筒面を前記環状溝の底部に密着させており、バルブは、通路に直列に設けられる主弁体と副弁体とを有し、主弁体は、ピストン速度が中高速域で減衰力を発生し、副弁体は、ピストン速度が極低速域で減衰力を発生し、主弁体は、外側部材と内側部材の一方に取り付けられ、副弁体は、外側部材と内側部材の他方に取り付けられる。
このように構成された緩衝器によれば、シールリングが自己潤滑性を備えているので環状溝への組付性を向上できるとともに、シールリングの底部対向面に円筒面を有しているので、シールリングに自己潤滑性を持たせても、シールリングと環状溝の底部との間に大きな摩擦力を生じさせてシールリングの環状溝内での軸方向の移動を規制できる。よって、このように構成された緩衝器によれば、バルブを通過する流量が少なくならず、動き始めから設計通りに減衰力を発生でき、減衰力の発生が時間的に遅れるのを防止できる。
また、本実施の形態の緩衝器は、底部対向面に設けられた円筒面の軸方向の両側に軸方向端部に向かって環状溝の底部から遠ざかるテーパ面或いは湾曲面を備えていてもよい。このように構成されたシール装置によれば、テーパ面或いは湾曲面の形成によって底部対向面における軸方向両側に断面における角度鋭角な角が形成されないため、シールリングの捩れを解消しやすく、組付性を向上できる。また、シールリングの環状溝に対する充填率が大きくなりすぎるのを防止でき、シールリングの摩耗を抑制できる。
また、環状溝が底部の軸方向両側に側壁へ向けて深さが徐々に浅くなるテーパ面或いは湾曲面を有してもよい。このように構成された緩衝器では、シールリングのテーパ面或いは湾曲面に対して環状溝のテーパ面或いは湾曲面が密着するために、シールリングの内周面が底部によって拘束されて、より一層シールリングの軸方向の位置ずれを効果的に抑制できる。さらに、シールリングの環状溝に対する充填率を80%以上90%以下に設定してもよい。このように構成された緩衝器によれば、シールリングが環状溝内で動きづらくなるので、より一層シールリングの軸方向の位置ずれを効果的に抑制できる。
以上より、本発明の液圧機器のシール装置によれば、液圧機器における減衰力や推力の発生の時間遅れを抑制しつつも組立作業性を向上できる。また、本発明の緩衝器によれば、減衰力の発生の時間遅れを抑制しつつも組立作業性を向上できる。
一実施の形態における液圧機器のシール装置が適用された緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態における液圧機器のシール装置が適用された緩衝器のピストン部分の拡大断面図である。 一実施の形態における液圧機器のシール装置が適用された緩衝器のピストンの一部拡大断面図である。 (a)一実施の形態における液圧機器のシール装置のシールリングの断面図である。(b)一実施の形態における液圧機器のシール装置のシールリングの平面図である。 一実施の形態の第1変形例の液圧機器のシール装置におけるシールリングの一部拡大断面図である。 (a)は、一実施の形態の第2変形例の液圧機器のシール装置における内側部材の一部拡大縦断面図である。(b)は、一実施の形態の第3変形例の液圧機器のシール装置における内側部材の一部拡大縦断面図である。(c)は、一実施の形態の第4変形例の液圧機器のシール装置における内側部材の一部拡大縦断面図である。 一実施の形態の第5変形例のシール装置が適用された緩衝器の縦断面図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1および図2に示すように、一実施の形態における液圧機器のシール装置Sは、緩衝器Dを液圧機器として、当該緩衝器Dに適用されている。緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に軸方向へ移動可能に挿入されシリンダ1内を2つの作動室として伸側室L1と圧側室L2とに区画するとともに伸側室L1と圧側室L2とを連通する通路Pを有するピストン2と、シリンダ1内に軸方向へ移動可能に挿入されるロッド3と、通路Pを開閉するバルブVと、シール装置Sとを備えている。そして、本実施の形態の緩衝器Dは、図示しない車両における車体と車軸との間に介装されて使用され、車体および車輪の振動を抑制する。なお、本発明に係るシール装置Sを備えた緩衝器Dの取付対象は、車両に限らず適宜変更できる。また、緩衝器Dは、取付対象に応じて図1に示した上下を逆向きにして取付できる。
つづいて、シール装置Sとシール装置Sが適用された緩衝器Dの具体的な構造について説明する。図1に示すように、シリンダ1は、有底筒状であって、上端内周にロッド3が摺動自在に挿入される環状のロッドガイド10が装着されている。よって、シリンダ1内は、密閉空間とされている。
そして、ロッド3の上端には、ブラケット(図示せず)が設けられており、ロッド3がそのブラケットを介して車体と車軸の一方に連結される。その一方、シリンダ1の底部1aにもブラケット(図示せず)が設けられており、シリンダ1がそのブラケットを介して車体と車軸の他方に連結される。
このようにして緩衝器Dは車体と車軸との間に介装される。そして、車両が凹凸のある路面を走行する等して車輪が車体に対して上下に振動すると、ロッド3がシリンダ1に出入りして緩衝器Dが伸縮するとともに、ピストン2がシリンダ1内を上下(軸方向)に移動する。
また、シリンダ1内のピストン2から見てロッド3とは反対側に、フリーピストン11が摺動自在に挿入されている。フリーピストン11は、シリンダ1内を作動油等の液体が充填される液室Lと気体が充填される気室Gとに区画している。さらに、液室Lは、シリンダ1内に軸方向へ移動可能に挿入されたピストン2によって、2つの作動室としての図1中上方側の伸側室L1と図1中下方側の圧側室L2とに区画される。気室Gには、気体が圧縮された状態で封入されている。なお、緩衝器Dに利用される液体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体の使用もできる。気室Gに充填される気体は、窒素ガス等の不活性ガスを利用するとよいが、これ以外の気体とされてもよい。
ロッド3は、図1および図2に示すように、下端側の外径を小径として形成されて外周にピストン2が装着される小径部3aと、小径部3aの先端外周に設けた螺子部3bと、小径部3aの境に形成された段部3cとを備えて、ロッドガイド10内に通してシリンダ1内に軸方向へ移動可能に挿入されている。
そして、緩衝器Dの伸長時にロッド3がシリンダ1から退出し、その退出したロッド3の体積分シリンダ内容積が増加すると、フリーピストン11がシリンダ1内を上側へ移動して気室Gを拡大させる。反対に、緩衝器Dの収縮時にロッド3がシリンダ1内へ侵入し、その侵入したロッド3の体積分シリンダ内容積が減少すると、フリーピストン11がシリンダ1内を下側へ移動して気室Gを縮小させる。このように本実施の形態における液圧機器としての緩衝器Dは、片ロッド、単筒型の緩衝器として構成されており、伸縮時にフリーピストン11の移動によって気室Gを拡大または縮小させて、シリンダ1に出入りするロッド3の体積補償をする。なお、液室Lと気室Gとの区画をフリーピストン11に替えてブラダやベローズ等を利用して行ってもよい。
また、フリーピストン11による気室Gの設置に替えて、シリンダ1の外周にシリンダ1との間に液体と気体が充填されるリザーバを形成するアウターシェルを設けて、リザーバによってシリンダ1内に出入りするロッド3の体積補償を行ってもよい。なお、リザーバは、シリンダ1の外周にアウターシェルを設ける他にもリザーバを備えたシリンダ1とは独立したタンクを設けてもよい。また、ピストンの両側にロッドを設けて緩衝器Dを両ロッド型の緩衝器としてもよい。
つづいて、ピストン2は、ロッド3の外周にナット30で保持される外側部材としての主ピストン分割体4と、内側部材としての副ピストン分割体5とを備えて構成されている。主ピストン分割体4には、主弁体6,7が積層されており、副ピストン分割体5には、副弁体8が取り付けられており、主弁体6,7および副弁体8とでバルブVを構成している。
図2に示すように、主ピストン分割体4は、環状の本体部4aと、この本体部4aの下端外周部から下方へ突出する筒部4bとを備えて、シール装置Sにおける外側部材を構成している。そして、本体部4aには、筒部4bの内周側に開口して本体部4aを軸方向に貫通する伸側通路4cと圧側通路4dが形成されている。さらに、その本体部4aの下側(圧側室L2側)には、伸側通路4cの出口を開閉する伸側の主弁体6が積層されるとともに、本体部4aの上側(伸側室L1側)には、圧側通路4dの出口を開閉する圧側の主弁体7が積層されている。
本実施の形態の緩衝器Dにおける伸側と圧側の主弁体6,7は、それぞれ、複数の弾性変形可能なリーフバルブが積層された積層リーフバルブとされている。主弁体6,7のリーフバルブの積層枚数は、所望する減衰力に応じて任意に変更できる。
そして、伸側の主弁体6は、緩衝器Dの伸長時であってピストン速度が中高速域にある場合に開いて、伸側通路4cを伸側室L1から圧側室L2へ向かう液体の流れに抵抗を与える。その一方、圧側の主弁体7は、緩衝器Dの収縮時であってピストン速度が中高速域にある場合に開いて、圧側通路4dを圧側室L2から伸側室L1へ向かう液体の流れに抵抗を与える。
また、伸側と圧側の主弁体6,7を構成する複数のリーフバルブのうちの、最も主ピストン分割体4側に位置する一枚目のリーフバルブの外周部には、それぞれ切欠6a,7aが形成されている。そして、ピストン速度が低速域にあり、伸側と圧側の主弁体6,7が閉弁している場合、液体が切欠6a,7aにより形成されるオリフィスを通って伸側室L1と圧側室L2との間を行き来する。当該液体の流れに対しては、オリフィス(切欠6a,7a)により抵抗が付与される。
前記切欠6a,7aにより形成されるオリフィスは、液体の双方向流れを許容する。そこで、伸側と圧側の主弁体6,7に形成される切欠6a,7aのうちの一方を省略してもよい。また、オリフィスの形成方法は、適宜変更できる。例えば、伸側または圧側の主弁体6,7が離着座する弁座に打刻を形成し、この打刻によりオリフィスを形成してもよい。また、オリフィスをチョークに替えてもよい。さらに、主ピストン分割体4に取り付けられて緩衝器Dに中高速域の減衰力を発生させるための主弁体6,7は、積層リーフバルブ以外でもよく、例えば、ポペットバルブ等であってもよい。
つづいて、副ピストン分割体5は、図2に示すように、主ピストン分割体4の筒部4bの内周に嵌合する環状の嵌合部5aと、嵌合部5aの下端外周部から下方へ突出する筒状のケース部5bと、嵌合部5aを軸方向に貫通してケース部5bの内周側に開口する連通路5cと、嵌合部5aの外周に周方向に沿って設けられた環状溝50とを備えて、内側部材を構成している。そして、嵌合部5aの外周の環状溝50内には、外側部材である主ピストン分割体4の筒部4bの内周に当接して主ピストン分割体4と副ピストン分割体5との間を封止するシールリング12が収容されている。
副ピストン分割体5における環状溝50は、図3に示すように、嵌合部5aの外周の全周に亘って周方向に沿って設けられており、底部51と、底部51の軸方向両端から互いに平行に延びて対向する一対の側壁52,52とで囲われた凹状の溝となっている。
また、底部51は、図3に示すように、図3中の中央に最も溝深さが深い円筒状の底面51aと、底面51aの軸方向両側に上下に連なって側壁52へ向けて深さが徐々に浅くなる湾曲面51b,51bとを備えて全体で1つの凹部を形成している。
このように構成された環状溝50内には、Oリングでなるシールリング12が収容されている。シールリング12は、滑剤を配合したゴム等で形成されており、自己潤滑性を備えている。シールリング12は、図4(a)および(b)に示すように、環状溝50の底部51を向く底部対向面である内周面13の軸方向中央に、シールリング12における軸線Aを中心とした円筒面13aと、内周面13における円筒面13aの軸方向の両側に軸方向端部に向かって底部51から遠ざかる湾曲面13b,13bを備えている。シールリング12の内径は、環状溝50の底部51の最小外径よりも小さくなっている。また、シールリング12の主ピストン分割体4の筒部4bに対向する外周側のシール面14における断面形状は円弧状となっている。
さらに、シールリング12には表面を滑らかにする表面処理が施されており、シールリング12と他部品との間に生じる摩擦力の低減が図られている。なお、自己潤滑性を備えたゴムは、前述したように、ベースとなるゴムに滑剤を配合して得られる。ベースのゴムとしては、シールの用途に用いられるものであれば用いることができ、たとえば、フッ素ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン3元重合体ゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル-ブタジエンゴム等を用いればよい。また、ベースのゴムに配合される滑剤としては、ベースのゴムからブリードして潤滑性を有するものであれば用いることができ、たとえば、シリコーンオイルや変性シリコーンオイル等の油類、パラフィンワックスなどのワックス類、また、脂肪酸や脂肪酸塩、脂肪酸アミドなどの脂肪酸類を用いればよい。
なお、一般的なシールリングの環状溝に対する充填率は、60%から80%の範囲内となっているが、シールリング12の環状溝50に対する充填率(環状溝50の容積でシールリング12の体積を割った値に100を乗じて算出、或いは環状溝50の断面積でシールリング12の断面積を割った値に100を乗じて算出)は、80%以上90%以下に設定されている。充填率の算出に当たり、環状溝50が設けられた副ピストン分割体5の嵌合部5aと、環状溝50内に収容されたシールリング12が密着する主ピストン分割体4の筒部4bとの間に無視できない隙間がある場合、環状溝50の容積と前記隙間における環状溝50に径方向で正対する部分の容積との合計の容積でシールリング12の体積を割った値に100を乗じて充填率が求められる。
このように構成されたシールリング12を環状溝50内に装着するには、主ピストン分割体4に組み付ける前の副ピストン分割体5の嵌合部5aの外周に、図2中上端側からシールリング12を拡径させつつ嵌合させて下方へ移動させて環状溝50のある位置まで移動させる。シールリング12が環状溝50に対向するようになると、縮径して環状溝50内に入り込んで収容される。シールリング12が前述したように自己潤滑性を備えているので、自己潤滑性を備えていないシールリングに比較すると、環状溝50内へ組み付ける作業において嵌合部5aの外周で拡径されたシールリング12と嵌合部5aとの間の摩擦力が低減されるため、シールリング12の組付性が向上されている。
そして、このように環状溝50内に収容されるシールリング12は、環状溝50の底部51の最小外径よりも小さい内径を持っているので、環状溝50内に拡径された状態で収容され、自己復元力によって収縮するために、円筒面13aを底部51における底面51aに密着させる。また、本実施の形態のシール装置Sでは、環状溝50の底部51における底面51aの軸方向両側に湾曲面51b,51bが設けられており、シールリング12も内周面13における円筒面13aの軸方向両側に湾曲面13b,13bを備えていて、シールリング12を環状溝50内に収容すると円筒面13aが底面51aに密着するのみならず、湾曲面13bと湾曲面51bとが密着する。
そして、主ピストン分割体4の筒部4b内に副ピストン分割体5の嵌合部5aを挿入すると、シールリング12は、筒部4bによって圧縮されて外径が縮径するため、自己復元力によって筒部4bの内周面を押圧しつつ筒部4bの内周に密着する。よって、シールリング12は、円筒面13aを環状溝50の底部51に密着させて底部51を緊迫しつつ、外周側のシール面14を筒部4bに強く密着させて、主ピストン分割体4と副ピストン分割体5との間をシールする。また、本実施の形態のシール装置Sでは、シールリング12が環状溝50の底部51を向く底部対向面である内周面13に平坦な円筒面13aを備えているので、シールリング12の円筒面13aの全体が底部51に接するため、シールリング12の内周面13が底部51に接する面積は、単なる断面円形の環状のシールリングが環状溝50内に収容された場合に当該シールリングが底部51に接触する面積よりも広くなる。また、シールリング12が環状溝50の底部51を向く底部対向面である内周面13に平坦な円筒面13aを備えているので、前記自己復元力によって底部51に接する円筒面13aには比較的均一な面圧が作用する。これに対して、単なる断面円形の環状のシールリングが環状溝50内に収容された場合には、シールリングが底部51に接触する部分の軸方向の中央には比較的大きな面圧が作用するものの中央をそれた部分の面圧は低くなる。
よって、本実施の形態のシール装置Sでは、シールリング12の内周面13と環状溝50の底部51との間に大きな摩擦力が生じて環状溝50内において軸方向への移動が規制される。そのため、シールリング12に図3中上下の何れから圧力が作用しても、シールリング12が環状溝50内の中央で位置決めされたままとなり、シールリング12の軸方向となる上下方向への位置ずれが抑制される。なお、シールリング12の内周面13に湾曲面13b,13bが設けられており、底部51にも湾曲面51b,51bが設けられているので、シールリング12の円筒面13aが底面51aに密着する以外に湾曲面13b,13bも環状溝50の底部51における湾曲面51b,51bに密着する。よって、シールリング12の内周面13の全体が底部51に密着してシールリング12と底部51との間で大きな摩擦力が生じるため、本実施の形態のシール装置Sではより一層シールリング12の軸方向の位置ずれ効果的に抑制される。なお、環状溝50の断面形状は、底部51に湾曲面51b,51bを設けずに矩形とされてもよい。
さらに、本実施の形態では、シールリング12の環状溝50に対する充填率が80%以上90%以下と一般的なシールリングの充填率よりも高くなっているので、シールリング12が環状溝50内で動きづらくなるので、より一層シールリング12の軸方向の位置ずれが効果的に抑制される。
また、副ピストン分割体5におけるケース部5bの先端には、ケース部5bの内周から径方向内側へ突出する環状の対向部5dが設けられている。また、ケース部5bの内方に、外径の異なる二つのストッパ部材9,40が収容されている。さらに、ストッパ部材40の図2中下側には副弁体8とストッパ部材41が積層されている。
本実施の形態の副弁体8は、図2に示すように、積層された三枚のリーフバルブで構成されていて、上下で中央のリーフバルブの外径が上下のリーフバルブの外径よりも大径となっている。さらに、上端のリーフバルブとその直上のストッパ部材40との間、および下端のリーフバルブとその直下のストッパ部材41との間には、それぞれ間座20,21が介装されている。
そして、これらのストッパ部材9,40、間座20、副弁体8、間座21およびストッパ部材41は、主弁体7、主ピストン分割体4、主弁体6および副ピストン分割体5に続いてロッド3の小径部3aの外周に順に組付けられ、主弁体7、主ピストン分割体4、主弁体6および副ピストン分割体5とともに段部3cと螺子部3bに螺着されるナット30とによって挟持されてロッド3の小径部3aに固定される。主ピストン分割体4の筒部4b内には、副ピストン分割体5の嵌合部5aが挿入されて、伸側室L1に臨む伸側通路4cと圧側通路4dとが連通路5cおよびケース部5b内を介して圧側室L2に連通される。よって、ピストン2に設けられる通路Pは、伸側通路4cと圧側通路4dと連通路5cおよびケース部5b内で形成されている。また、環状溝50内のシールリング12が筒部4bの内周に密着して、主ピストン分割体4の筒部4bと副ピストン分割体5の嵌合部5aとの間をシールしているので、シール装置Sによって通路P以外に筒部4bと嵌合部5aとの間を液体が通過するのが抑止される。
つづいて、各間座20,21は、外径が副弁体8を構成する各リーフバルブの外径よりも小さい環状板となっている。また、副弁体8は、内周が間座20,21で挟まれた状態で副ピストン分割体5に固定されている。その一方、副弁体8の間座20,21よりも外周側は、間座20,21と副弁体8との当接部の外周縁を支点に上下(軸方向)へ移動できる。
このように、本実施の形態では、副ピストン分割体5に装着された副弁体8の内周が副ピストン分割体5に対して動かない固定端となっている。さらに、副弁体8の外周は、撓んだ際に副ピストン分割体5に対して上下(軸方向の両側)へ動ける自由端となっている。また、副弁体8の内周が固定された状態で、副弁体8における最大の外径を持つ中央のリーフバルブは、副ピストン分割体5におけるケース部5bの内周に設けた対向部5dに極短い幅の環状隙間を介して対向している。
そして、緩衝器Dの動き出しのような、ピストン速度が0(ゼロ)に近い極低速域では、副弁体8が撓まず、副弁体8の自由端が対向部5dと前記環状隙間をあけて対向する。本実施の形態では、相対向する対向部5dと副弁体8の自由端との間にできる環状隙間は非常に狭く、環状隙間における流路面積は、前述の主弁体6,7に形成された切欠6a,7aにより形成される全オリフィスの流路面積よりも小さくなるように設定されている。
他方、緩衝器Dの伸縮時であってピストン速度が低速域、または中高速域にある場合には、副弁体8が上方或いは下側へと撓んで、上下にずれた副弁体8の自由端と対向部5dとの間にできる環状隙間が大きくなり、環状隙間における流路面積が切欠6a,7aにより形成されるオリフィスの流路面積よりも大きくなる。
また、副弁体8が上方或いは下側へと撓んだ際の撓み量が大きくなると、副弁体8は、ストッパ部材40或いはストッパ部材41に径方向の中間部分が当接して支持されるようになる。さらに副弁体8の撓み量が大きくなると、副弁体8における中央のリーフバルブがストッパ部材9或いはナット30の外周縁に当接し、副弁体8は、それ以上の撓みが規制される。
このように、副弁体8の撓みが進むと径方向の中央がストッパ部材40或いはストッパ部材41によって支持された状態で、副弁体8の中央のリーフバルブがストッパ部材9或いはナット30に当接してそれ以上の副弁体8の撓みが規制される。よって、副弁体8が最大限に撓んだ際に、自由端へ向かうに従って傾きが徐々に大きくなるように滑らかに湾曲するように撓むため、副弁体8の撓み支点付近に生じる応力を低減でき、副弁体8の耐久性を向上できる。
また、本実施の形態では、副弁体8が撓んでいない取付初期の状態での自由端の径が、外周側のストッパ部材9およびナット30の副弁体8側の外周径より大きい。このため、副弁体8がストッパ部材9或いはナット30に当接したとき、副弁体8の自由端と対向部5dとの間にできる環状隙間よりも、ストッパ部材9或いはナット30と対向部5dとの間にできる隙間が小さくなって、当該隙間で液体の流れを絞るのを抑制できる。なお、副弁体8は、少なくとも一枚のリーフバルブを有して構成されていればよく、各支持部が当接するリーフバルブも適宜変更できる。
以下、本実施の形態に係る減衰バルブ(バルブ)Vを備えた緩衝器Dの作動について説明する。緩衝器Dの伸長時には、ピストン2がシリンダ1内を上方へ移動して伸側室L1を圧縮し、この伸側室L1の液体が通路Pを通過して圧側室L2へと移動する。当該液体の流れに対しては、伸側の主弁体6、各主弁体6,7の切欠6a,7aにより形成されたオリフィス、または副弁体8により抵抗が付与されるので、伸側室L1の圧力が上昇し、緩衝器Dが伸長作動を妨げる伸側減衰力を発揮する。
反対に、緩衝器Dの収縮時には、ピストン2がシリンダ1内を下方へ移動して圧側室L2を圧縮し、この圧側室L2の液体が通路Pを通過して伸側室L1へと移動する。当該液体の流れに対しては、圧側の主弁体7、各主弁体6,7の切欠6a,7aにより形成されたオリフィス、または副弁体8により抵抗が付与されるので、圧側室L2の圧力が上昇し、緩衝器Dが収縮作動を妨げる圧側減衰力を発揮する。
そして、本実施の形態では、ピストン速度に応じて伸側と圧側の主弁体6,7が開弁したり、副弁体8の外周部(自由端側の端部)が上下に撓んだりして、緩衝器Dがピストン速度に依存した速度依存の減衰力を発生できる。
より詳しくは、ピストン速度が0に近い極低速域にある場合、伸側と圧側の主弁体6,7が閉じるとともに、副弁体8が撓まずにその自由端を対向部5dに対向させている。
そして、緩衝器Dの伸長時にピストン速度が極低速域にある場合、液体が伸側と圧側の主弁体6,7の切欠6a,7aを通って伸側室L1から筒部4b内へと流入し、連通路5cを図2中下向きに流れて、相対向する副弁体8の自由端と対向部5dとの間にできる環状隙間から圧側室L2へと流出する。
反対に、緩衝器Dの収縮時にピストン速度が極低速域にある場合、液体が圧側室L2から相対向する副弁体8の自由端と対向部5dとの間にできる環状隙間からケース部5b内へ流入し、ケース部5b内および連通路5cを図2中上向きに流れて、伸側と圧側の主弁体6,7の切欠6a,7aから伸側室L1へと流出する。
前述のように、相対向する副弁体8の自由端と対向部5dとの間にできる環状隙間の開口面積は非常に小さいので、ピストン速度が極低速域にある場合、緩衝器Dは、その環状隙間を液体が流れる際の抵抗に起因する極低速域の減衰力を発揮する。
ここで、緩衝器Dが極低速で伸縮する際に通路Pを通過する液体量は極少量となるところ、主ピストン分割体4と副ピストン分割体5との間をシールするシールリング12が環状溝50内で軸方向へ変位すると、シールリング12が移動した分だけ副弁体8と対向部5dとの間の環状隙間を通過する液体量が少なくなる。つまり、主ピストン分割体4と副ピストン分割体5との間はシールリング12でシールされているものの、シールリング12が環状溝50内で軸方向へ移動すると、見かけ上、主ピストン分割体4と副ピストン分割体5との間を液体が通過したものと同様の状態となる。環状隙間を通過する液体量が少なくなるということは、環状隙間を通過する流量が減るということであるから、その分、緩衝器Dの減衰力の発生が時間的に遅れる現象が引き起こされる。ところが、本実施の形態の緩衝器Dにおけるシール装置Sでは、シールリング12は、環状溝50の底部51を向く底部対向面となる内周面13に軸線Aを中心とする円筒面13aを備えており円筒面13aの全体が底部51に広い面積で密着するため、底部51との間に大きな摩擦力が生じて環状溝50に対して軸方向移動できなくなる。このように、シールリング12は、内周が拘束されて環状溝50内での軸方向の移動が規制されるために、自己潤滑性を備えて、表面処理されて摩擦力が低減されていても、環状溝50内で軸方向へ移動せず、緩衝器Dの減衰力発生に時間遅れを生じさせない。
また、ピストン速度が高くなり、極低速域から脱して低速域にある場合、伸側と圧側の主弁体6,7は閉じているが、副弁体8の外周部が伸長時には下側へ、収縮時には上側へと撓み、副弁体8の自由端と対向部5dとが上下にずれる。そして、これらの間にできる環状隙間の開口面積が、切欠6a,7aにより形成されるオリフィスの開口面積よりも大きくなる。
このため、ピストン速度が低速域にある場合、緩衝器Dは、伸側と圧側の主弁体6,7の切欠6a,7aにより形成されるオリフィスの抵抗に起因する低速域の減衰力を発揮するようになる。そして、ピストン速度が極低速域からこのような低速域へ移行すると、緩衝器Dの減衰係数が小さくなる。
また、ピストン速度がさらに高くなり、低速域から脱して中高速域にある場合、副弁体8の外周部が上側または下側へ撓んでいるのは勿論、伸長時には伸側の主弁体6が開き、収縮時には圧側の主弁体7が開く。
本実施の形態では、伸側の主弁体6が開くと、その主弁体6の外周部が下側へ撓み、その外周部と主ピストン分割体4との間にできる隙間を液体が通過できるようになる。同様に、圧側の主弁体7が開くと、その主弁体7の外周部が上側へ撓み、その外周部と主ピストン分割体4との間にできる隙間を液体が通過できるようになる。
このため、ピストン速度が中高速域にある場合、緩衝器Dは、伸側または圧側の主弁体6,7の開弁によってできる隙間の抵抗に起因する中高速域の減衰力を発揮する。そして、ピストン速度が低速域からこのような中高速域へ移行すると、緩衝器Dの減衰係数が小さくなる。
なお、中高速域の途中で、伸側と圧側の主弁体6,7の撓み量を規制してもよい。このような場合には、伸側と圧側の主弁体6,7の撓み量が最大となった速度を境に減衰係数が再び大きくなる。
以上、本実施の形態における液圧機器のシール装置Sは、環状の主ピストン分割体(外側部材)4と、主ピストン分割体(外側部材)4の内側に挿入される副ピストン分割体(内側部材)5と、副ピストン分割体(内側部材)5の外周に設けられた環状溝50内に収容されて主ピストン分割体(外側部材)4に当接して主ピストン分割体(外側部材)4と副ピストン分割体(内側部材)5との間の液体の通過を抑止するシールリング12とを備え、シールリング12は、自己潤滑性を有するとともに環状溝50の底部51を向く内周面(底部対向面)13に軸線Aを中心とした円筒面13aを有している。
シールリング12は、環状溝50内に収容された状態で拡径状態となるように設定されている。そして、シールリング12を環状溝50内に装着するには、シールリング12を拡径して嵌合部5aの外周に嵌め込んで嵌合部5aの周面上を滑らせる必要があり、嵌合部5aの外周を緊迫するシールリング12は副ピストン分割体(内側部材)5との間に生じる摩擦力の抵抗を受ける。また、副ピストン分割体(内側部材)5の環状溝50内に装着された状態のシールリング12は、軸方向から見て嵌合部5aから外周がはみ出していて、主ピストン分割体(外側部材)4の筒部4bの内径よりも外径が大きくなっている。よって、シールリング12を装着した副ピストン分割体(内側部材)5を主ピストン分割体(外側部材)4の筒部4b内に嵌合する際に、シールリング12が強く筒部4bに押し付けられて、シールリング12は筒部4bとの間に生じる摩擦力の抵抗を受ける。このように、シールリング12の副ピストン分割体(内側部材)5の環状溝50への装着および主ピストン分割体(外側部材)4への副ピストン分割体(内側部材)5の嵌合の際には、摩擦力の抵抗を受ける。ところが、本実施の形態のシール装置Sでは、シールリング12が自己潤滑性を備えており摩擦力の低減が図られているため、シールリング12の副ピストン分割体(内側部材)5の環状溝50への装着および主ピストン分割体(外側部材)4への副ピストン分割体(内側部材)5の嵌合の際の抵抗が小さくなる。よって、本実施の形態のシール装置Sによれば、副ピストン分割体(内側部材)の嵌合部5aの外周に設けた環状溝50内にシールリング12を装着する作業が容易となるとともに、シールリング12を装着した副ピストン分割体(内側部材)5を主ピストン分割体(外側部材)4の筒部4b内に嵌合する作業も容易となる。なお、主ピストン分割体(外側部材)4への副ピストン分割体(内側部材)5装着性をより一層向上させるために、自己潤滑性を備えたシールリング12の表面を滑らかにする表面処理を施してもよい。
また、本実施の形態のシール装置Sでは、シールリング12の内周面(底部対向面)13に円筒面13aを有しているので、シールリング12に自己潤滑性を持たせても、シールリング12と環状溝50の底部51との間に大きな摩擦力を生じさせてシールリング12の環状溝50内での軸方向の移動を規制できる。
よって、本実施の形態のシール装置Sによれば、シールリング12の環状溝50内での移動によって主ピストン分割体(外側部材)4と副ピストン分割体(内側部材)5との間を液体が、見かけ上、通過する現象が生じるのを防止できる。つまり、シールリング12に自己潤滑性を持たせて摩擦力を低減して、シールリング12の主ピストン分割体4および副ピストン分割体5への組付性を向上させつつも、シール装置Sは、シールリング12の環状溝50内での軸方向の移動を規制できる。よって、本実施の形態のシール装置Sによれば、適用される緩衝器Dにおける減衰力の発生の時間遅れを抑制しつつも組立作業性を向上できる。
なお、円筒面13aは、シールリング12の環状溝50の底部51に対向する内周面13のうち、一部に形成されていても、シールリング12と底部51との接触面積を広くできるので、本願発明の効果を奏することができるが、シールリング12の内周面(底部対向面)13の全体が軸線Aを中心とした円筒面13aとしてもよい。
さらに、シールリング12の軸方向の移動を規制できるので、環状溝50の側壁52,52の幅がシールリング12の軸方向の幅よりも長くシール装置Sが組み上げられた状態でシールリング12に非接触であってもよい。ただし、シールリング12の移動を側壁52,52でも規制できるようシール装置Sが組み上げられた状態で側壁52,52がシールリング12に接触しているようにするとよい。また、本実施の形態のシール装置Sでは、側壁52,52が平行に対向しているが、対向状態は任意に設計変更できる。
また、本実施の形態のシール装置Sにおけるシールリング12は、内周面(底部対向面)13に設けられた円筒面13aの軸方向の両側に軸方向端部に向かって環状溝50の底部から遠ざかる湾曲面13b,13bを備えている。このように構成されたシール装置Sでは、シールリング12を環状溝50内に装着する際に、シールリング12が環状溝50内で捩れて装着されてしまっても、湾曲面13b,13bの形成によって内周面13における軸方向両側に断面における角度が鋭角な角がないために、シールリング12の捩れを解消しやすく、組付性を向上できる。また、シールリング12に対して内周面(底部対向面)13に円筒面13aを設ける都合上、断面円形のシールリングよりも体積が大きくなるため、環状溝50内の容積に占めるシールリング12の体積の割合である充填率が大きくなる。充填率が大きくなると、シールリング12が環状溝50からはみ出す量も多くなり、シールリング12を装着した副ピストン分割体5を主ピストン分割体4に嵌合する際にシールリング12が摩耗する可能性がある。シールリング12の摩耗によって屑が生じて緩衝器D内に取り残されると、緩衝器Dが発生する減衰性能に悪影響を与える可能性がある。これに対して本実施の形態のシール装置Sでは、シールリング12に対して内周面(底部対向面)13に円筒面13aを設けても、円筒面13aの軸方向の両側に湾曲面13b,13bを備えているので、充填率が大きくなりすぎるのを防止できるので、シールリング12の摩耗を抑制でき、緩衝器Dが安定した減衰性能を発揮できる。なお、前述した通り、シールリング12の環状溝50に対する充填率は80%以上90%以下に設定されるとシールリング12が環状溝50内で動きづらくなるので、より一層シールリング12の軸方向の位置ずれを効果的に抑制できる。
なお、図5に示すように、シールリング12の内周面(底部対向面)13の円筒面13aの軸方向の両側に湾曲面13b,13bの代わりにテーパ面13c,13cを設けても、同様に、円筒面13aの軸方向の両側に断面における角度が鋭角な角が形成されないため、シールリング12の組付性の向上と摩耗の抑制といった利点を享受できる。前記充填率が大きくなりすぎるのを防止する観点からは、シールリング12の内周面(底部対向面)13の円筒面13aの軸方向の方側のみに湾曲面13b或いはテーパ面13cを設けてもよい。
また、本実施の形態のシール装置Sでは、環状溝50の底部51は、中央に最も溝深さが深い円筒状の底面51aと、底面51aの軸方向両側に上下に連なって側壁52へ向けて深さが徐々に浅くなる湾曲面51b,51bとを備えている。このように構成されたシール装置Sでは、シールリング12が内周面13における円筒面13aの軸方向両側に湾曲面13b,13bを備える場合、シールリング12を環状溝50内に収容すると円筒面13aが底面51aに密着するのみならず、湾曲面13bと湾曲面51bとが密着するために、シールリング12の内周面13が底部51によって拘束されて、より一層シールリング12の軸方向の位置ずれを効果的に抑制できる。
また、環状溝50における底部51は、前述した形状以外にも、たとえば、図6(a)に示すように、図6中の中央に最も溝深さが深くなる円筒状の底面51aと、円筒状の底面51aの上下に連なって側壁52へ向けて深さが徐々に浅くなるテーパ面51c,51cとを備えて全体で凹部を形成してもよい。さらに、環状溝50における底部51は、図6(b)に示すように、図6中の上下方向の中央を一段掘り下げて溝深さを深くして形成した円筒状の底面51dを備えていてもよい。このように底部51の底面51dを形成してもシールリング12の内周面(底部対向面)13における円筒面13aが底面51dに密着して摩擦力を生じさせるため、シールリング12の環状溝50内での軸方向の移動を規制できる。このように、円筒面13aが当接する深い底面51dを設けて底部51に凹状とすると底面51dの軸方向の両側にシールリング12の内周面13に噛み込む角部が形成されるため、シールリング12の拘束力を高めて環状溝50に対する軸方向への移動をより効果的に規制できる。
そしてさらに、環状溝50における底部51は、図6(c)に示すように、軸方向に凹部51eと凸部51fでなる凹凸が連続する形状とされてもよい。このように底部51が凹凸を備えた形状とされると、凸部51fとシールリング12の円筒面13aとが密着して摩擦力を生じさせるとともに、シールリング12の内周面13が底部51に形成された底部51の凹凸に嵌まり込んで拘束されて、シールリング12の環状溝50内での軸方向の移動をより効果的に規制できる。なお、底部51に設けられる凹凸は、シールリング12の環状溝50内での軸方向移動を規制できる限りにおいて、図6(c)の上下方向となる軸方向で部分的に設けられていてもよい。
また、本実施の形態の緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に軸方向に移動可能に挿入されシリンダ1内を伸側室L1と圧側室L2とに区画するとともに伸側室L1と圧側室L2とを連通する通路Pを有するピストン2と、シリンダ1内に軸方向に移動可能に挿入されるとともにピストン2に連結されるロッド3と、通路Pを開閉するバルブVと、シール装置Sとを備え、ピストン2が主ピストン分割体(外側部材)と副ピストン分割体(内側部材)5とを備えている。このように構成された緩衝器Dによれば、極低速で伸縮する際に、見かけ上、液体が通路PにおけるバルブVを迂回して主ピストン分割体(外側部材)と副ピストン分割体(内側部材)5との間を通過する現象をシール装置Sによって抑制できる。したがって、本実施の形態の緩衝器Dによれば、バルブVを通過する流量が少なくならず、動き始めから設計通りに減衰力を発生でき、減衰力の発生が時間的に遅れるのを防止できる。
なお、前述したところでは、環状溝50を内側部材である副ピストン分割体5に設けてシールリング12を副ピストン分割体5に装着しているが、シールリング12を収容する環状溝を外側部材の主ピストン分割体4の副ピストン分割体5に嵌合する部位に設けてもよい。
また、環状溝50の底部51は、本実施の形態では、図3或いは図6に示したように、円筒状の底面51aの他に湾曲面51b,51b或いはテーパ面51c,51cさらには凹凸を有する形状とされているが、全体が円筒状の底面51aのみを持つ形状とされてもよい。つまり、環状溝50の底部51の形状は、少なくともシールリング12の円筒面13aが正対して密着してシールリング12の軸方向移動を規制する摩擦力を生じさせる面を備えていればよい。
なお、シールリング12が外側部材の環状溝に装着される場合には、シールリング12の環状溝の底部に対向する底部対向面は外周面となることから、シールリング12の外周面の少なくとも一部に軸線を中心とする円筒面を設ければよく、環状溝の底部に前記円筒面が正対して密着してシールリング12の軸方向移動を規制する摩擦力を生じさせる面を設ければよい。
また、本実施の形態における緩衝器Dでは、フリーピストン11の外周に環状溝11aが設けられており、環状溝11a内にシリンダ1の内周に摺接するシールリング60が収容されている。よって、シリンダ1を外側部材とし、フリーピストン11を内側部材として、液圧機器のシール装置Sをシリンダ1とフリーピストン11との間のシールに利用してもよい。具体的には、図1に示した緩衝器Dでは、シールリング60の内周面を図4に示したシールリング12と同様に、円筒面60aと円筒面60aの軸方向両側に連なる湾曲面60b,60bとしている。そして、フリーピストン11の環状溝11aの円筒状の底部11bにシールリング60の円筒面を密着させて、シールリング60の軸方向への移動を規制している。ここで、緩衝器Dが極低速で伸縮する際に、シールリング60がフリーピストン11に対して環状溝11a内で軸方向へ移動すると、伸側室L1と圧側室L2とでやり取りされる液体の流量がその分少なくなるので、伸縮し始めで減衰力の発生に時間的に遅れる。これに対して、本実施の形態の緩衝器Dでは、シールリング60の環状溝11a内での軸方向移動が規制されるので、このような緩衝器Dの減衰力の発生の時間的遅れを解消できる。
また、図7に示すように、緩衝器D1は、シリンダ70と、シリンダ70内に軸方向に移動可能に挿入されるロッド71と、シリンダ70内に挿入されてシリンダ70内を2つの作動室としての伸側室L1と圧側室L2とに区画するとともに伸側室L1と圧側室L2とを連通する通路72aを有する隔壁体としてのピストン72と、シール装置S1とを備えて構成されてもよい。シール装置S1は、シリンダ70を外側部材とし、ピストン72を内側部材として、ピストン72の外周に設けられた断面形状が矩形の環状溝72c内に収容されてシリンダ70の内周に密着するシールリング80を備えている。ピストン72は、伸側室L1と圧側室L2とを連通する通路72aと、通路72aに設けられて通路72aを通過する液体の流れに抵抗を与えるバルブ72bとを備えている。シールリング80は、図4に示したシールリング12と同様に、内周に円筒面80aと、円筒面80aの軸方向両側に連なる湾曲面80b,80bとを備えている。
さらに、緩衝器D1は、シリンダ70の外周を覆ってシリンダ70との間に液体と気体とが充填されるリザーバL3を形成するアウターシェル73を備えており、シリンダ70、ロッド71、ピストン72およびアウターシェル73とで緩衝器本体を構成している。
そして、シリンダ70の下端には、緩衝器本体内に圧側室L2とリザーバL3とを区画するバルブケース74が設けられている。バルブケース74は、圧側室L2とリザーバL3とを連通する通路74aと、通路74aに設けられたバルブ74bと、リザーバL3から圧側室L2へ向かう液体の流れのみを許容する逆止弁74dを備えた吸込通路74cとを備えている。また、シリンダ70およびアウターシェル73の上端には、ロッド71を軸する環状のロッドガイド75が取り付けられおり、シリンダ70およびアウターシェル73の上端の開口部がロッドガイド75によって閉塞されている。このように緩衝器D1は、リザーバL3をシリンダ70とシリンダ70の外周に設けたアウターシェル73との間に備える所謂複筒型の緩衝器とされている。
本実施の形態における緩衝器D1では、ピストン72の環状溝72c内に内周面に円筒面80aを持つシールリング80を装着して、シールリング80の軸方向への移動を規制している。ここで、緩衝器D1が極低速で伸縮する際に、シールリング80がピストン72に対して環状溝72c内で軸方向へ移動すると、通路72aのバルブ72bを介して伸側室L1と圧側室L2とでやり取りされる液体の流量がその分少なくなるので、伸縮し始めで減衰力の発生に時間的に遅れる。これに対して、本実施の形態の緩衝器D1では、シールリング80の環状溝72c内での軸方向移動が規制されるので、このような緩衝器D1の減衰力の発生の時間的遅れを解消できる。
なお、緩衝器D1では、バルブケース74の外周に断面形状が矩形の環状溝74eが設けられており、環状溝74e内にシリンダ70の内周に摺接するシールリング90が収容されている。シールリング90は、図4に示したシールリング12と同様に、内周に円筒面90aと、円筒面90aの軸方向両側に連なる湾曲面90b,90bとを備えている。このように、シリンダ70を外側部材とし、バルブケース74を内側部材として、液圧機器のシール装置S1をシリンダ70とバルブケース74との間のシールに利用してもよい。具体的には、図7に示した緩衝器D1では、バルブケース74の環状溝74e内に内周に円筒面90aを持つシールリング90を装着して、シールリング90の軸方向への移動を規制している。ここで、緩衝器D1が極低速で収縮する際に、シールリング90がバルブケース74に対して環状溝74e内で軸方向へ移動すると、通路74aのバルブ74bを介して圧側室L2からリザーバL3へ移動する液体の流量がその分少なくなるので、収縮し始めで減衰力の発生に時間的に遅れる。これに対して、本実施の形態の緩衝器D1では、シールリング90の環状溝74e内での軸方向移動が規制されるので、このような緩衝器D1の減衰力の発生の時間的遅れを解消できる。このようにシール装置S1は、複筒型の緩衝器D1に利用されてもよく、緩衝器D1の減衰力の発生の時間的遅れを解消できる。
また、シール装置S,S1は、緩衝器D,D1内においてシールリングに液体或いは気体の圧力が作用する箇所に適用可能である。よって、たとえば、外側部材をロッドガイド10とし、内側部材をロッド3として、ロッドガイド10とロッド3との間をロッドガイド10の内周に設けられる環状溝に収容されるシールリングでシールする場合、このシールにシール装置Sを適用できる。また、シール装置S,S1は、緩衝器D,D1以外にもシリンダ内への液体の給排によって伸縮作動するシリンダ装置を液圧機器として適用でき、シリンダ装置にシール装置S,S1を適用すれば、シールリングの軸方向移動によって見かけ上の液体量の減少を抑制でき伸縮作動の開始時の推力発生の時間遅れを解消できる。
なお、バルブ72b,74bは、通路72a,74aを通過する液体の流れに抵抗を与えるバルブであればよく、オリフィスやチョークといった絞りであってもよいし、リーフバルブその他のバルブであってもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
1・・・シリンダ、2・・・ピストン、3・・・ロッド、4・・・主ピストン分割体(外側部材)、5・・・副ピストン分割体(内側部材)、11a,50,72c,74e・・・環状溝、12,60,80,90・・・シールリング、13・・・内周面(底部対向面)、13a,60a,80a,90a・・・円筒面、13b,60b・・・湾曲面、13c・・・テーパ面、11b,51・・・底部(凹部)、72・・・ピストン(隔壁体)、72a,74a,P・・・通路、72b,74b,V・・・バルブ、D,D1・・・緩衝器(液圧機器),L1・・・伸側室(作動室)、L2・・・圧側室(作動室)、L3・・・リザーバ(作動室)、S,S1・・・シール装置

Claims (4)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入され、前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するとともに、前記伸側室と前記圧側室とを連通する通路を有するピストンと、
    前記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されるとともに前記ピストンに連結されるロッドと、
    前記通路を開閉するバルブとを備え、
    前記ピストンは、
    環状の外側部材と、
    前記外側部材の内側に挿入される内側部材と、
    前記外側部材と前記内側部材の一方に設けられた環状溝内に収容されて、前記外側部材と前記内側部材の他方に当接して、前記外側部材と前記内側部材との間の液体の通過を抑止するシールリングとを有し、
    前記シールリングは、滑剤を配合したゴムによって形成されて自己潤滑性を有しており、前記環状溝に収容されない状態で前記環状溝の底部を向く底部対向面に軸線を中心とした円筒面を有するとともに、自己復元力によって前記円筒面を前記環状溝の底部に密着させており、
    前記バルブは、前記通路に直列に設けられる主弁体と副弁体とを有し、
    前記主弁体は、ピストン速度が中高速域で減衰力を発生し、
    前記副弁体は、ピストン速度が極低速域で減衰力を発生し、
    前記主弁体は、前記外側部材と前記内側部材の一方に取り付けられ、
    前記副弁体は、前記外側部材と前記内側部材の他方に取り付けられる
    ことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記シールリングは、前記底部対向面に設けられた円筒面の軸方向の両側に軸方向端部に向かって前記環状溝の底部から遠ざかるテーパ面或いは湾曲面を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記環状溝は、底部の軸方向両側に側壁へ向けて深さが徐々に浅くなるテーパ面或いは湾曲面を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の緩衝器。
  4. 前記シールリングの前記環状溝に対する充填率は、80%以上90%以下に設定される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の緩衝器
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