JP2014231880A - 緩衝器 - Google Patents

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幹郎 山下
Mikiro Yamashita
幹郎 山下
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Abstract

【課題】異音の発生を抑制することができる緩衝器の提供。【解決手段】作動流体が封入されるシリンダ2と、一端側がシリンダ2内に挿入され他端側がシリンダ2の外部に延出される中空のピストンロッド21と、ピストンロッド21の一端側に連結されてシリンダ2内を2室に区画するピストンと、一端側がシリンダ2側に固定されるとともに他端側がピストンロッド21内に挿入されて、ピストンロッド21のシリンダ2に対する変位に応じて変化可能な可変オリフィス225をピストンロッド21の一端側とで構成するメータリングピン31と、を備え、ピストンロッド21には、メータリングピン31に摺接する防振部材213が設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、緩衝器に関する。
緩衝器には、ピストンおよびピストンロッドのシリンダに対するストローク位置によって減衰力を変えることができるメータリング式の緩衝器がある。この種の緩衝器の中には、ピストンロッドに螺合されるナットの内周側にディスクバルブを配してメータリングピンとの間に可変オリフィスを形成するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−168038号公報
ところで、メータリングピンに振動を生じることがあり、これに起因して異音を発生する可能性があった。
本発明は、異音の発生を抑制することができる緩衝器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ピストンロッドに、メータリングピンに摺接する防振部材を設けた。
本発明によれば、異音の発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る緩衝器を示す正断面図である。 本発明の第1実施形態に係る緩衝器の一方の通路面積調整機構周辺の部分拡大正断面図である。 本発明の第1実施形態に係る緩衝器のピストン周辺の部分拡大正断面図である。 本発明の第1実施形態に係る緩衝器のナット周辺を示すもので、(a)は他方の通路面積調整機構を含む部分拡大正断面図、(b)は部分拡大側断面図である。 本発明の第1実施形態に係る緩衝器のストローク位置とオリフィスの通路面積との関係を示す線図である。 本発明の第1実施形態に係る緩衝器のロッドガイド周辺の部分拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る緩衝器から摩擦部材を除いた場合のストローク位置に対する減衰力の特性を示す線図である。 本発明の第1実施形態に係る緩衝器によるストローク位置に対する減衰力の特性を示す線図である。 本発明の第2実施形態に係る緩衝器を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る緩衝器のピストンおよびナット周辺の部分拡大断面図である。
「第1実施形態」
以下、本発明に係る第1実施形態について図1〜図8を参照して説明する。以下の説明では理解を助けるために、図の下側を一方側および下側とし、逆に図の上側を他方側および上側として定義する。
第1実施形態の緩衝器1は、位置感応の減衰力調整式である。第1実施形態の緩衝器1は、図1に示すように、いわゆる複筒型の油圧緩衝器であり、作動液体としての油液が封入されるシリンダ2を有している。シリンダ2は、円筒状の内筒3と、この内筒3よりも大径で内筒3を覆うように同心状に設けられる有底円筒状の外筒4と、外筒4の上部開口側を覆うカバー5とを有しており、内筒3と外筒4との間にリザーバ室6が形成されている。
外筒4は、略円筒状の胴部材7と、胴部材7の下部側に嵌合固定されて胴部材7を閉塞する底部材8と、胴部材7の上部側に嵌合固定される略円筒状の口元部材9とからなっている。
口元部材9は、下部の外周部に形成された小径部10において胴部材7に圧入されて嵌合固定されており、この小径部10よりも上側は小径部10より大径の大径部11となっている。この大径部11の外周部には、オネジ12が形成されている。また、口元部材9は、下部の内周部が小径内周部13となっており、上部内周部が、小径内周部13よりも大径の大径内周部14となっている。
カバー5は、筒状部15と筒状部15の上端側から径方向内方に延出する内フランジ部16とを有しており、筒状部15の内周部にはメネジ17が形成されている。カバー5は、口元部材9の上端開口部に被せられており、その筒状部15に形成されたメネジ17において口元部材9のオネジ12に螺合されて固定されている。
内筒3内には、ピストン18が摺動可能に嵌装されている。このピストン18は、内筒3内を上室19と下室20との2室に区画している。内筒3内の上室19および下室20内には作動流体としての油液が封入され、内筒3と外筒4との間のリザーバ室6内には作動流体としての油液とガスとが封入される。
シリンダ2内にはピストンロッド21の一端側が挿入されており、ピストンロッド21の他端側はシリンダ2の外部へと延出されている。ピストン18は、このピストンロッド21のシリンダ2内側の一端側に連結されている。内筒3および外筒4の一端開口側の口元部材9には、ロッドガイド22が嵌合されており、口元部材9にはロッドガイド22よりもシリンダ2のさらに外部側にシール部材23が装着されている。ロッドガイド22には、シール部材23よりシリンダ2の内部側の位置に摩擦部材24が設けられている。ロッドガイド22、シール部材23および摩擦部材24は、いずれも環状をなしており、ピストンロッド21は、これらロッドガイド22、摩擦部材24およびシール部材23のそれぞれの内側に摺動可能に挿通されてシリンダ2の外部へ延出されている。
ここで、ロッドガイド22は、ピストンロッド21を、その径方向移動を規制しつつ軸方向移動可能に支持して、このピストンロッド21の移動を案内する。シール部材23は、その内周部で、軸方向に移動するピストンロッド21の外周部に摺接して、内筒3内の油液と外筒4内のリザーバ室6の高圧ガスおよび油液とが外部に漏洩するのを防止する。摩擦部材24は、その内周部でピストンロッド21の外周部に摺接して、ピストンロッド21に摩擦抵抗を発生させる。なお、摩擦部材24は、シールを目的とするものではない。
ロッドガイド22は、その外周部が、下部よりも上部が大径となる段差状をなしており、下部において内筒3の上端の内周部に嵌合し上部において外筒4の口元部材9の大径内周部14に嵌合する。外筒4の底部材8上には、内筒3内の下室20とリザーバ室6とを画成するベースバルブ25が設置されており、このベースバルブ25に内筒3の下端の内周部が嵌合されている。カバー5の内フランジ部16とシール部材23との間には、円環状の押さえ部材33が配置されており、カバー5は、外筒4のオネジ12にメネジ17において螺合されると、内フランジ部16において押さえ部材33およびシール部材23を、内筒3に嵌合されたロッドガイド22とによって挟持する。
ピストンロッド21は、ロッドガイド22、摩擦部材24およびシール部材23に挿通されて外部へと延出されるロッド本体26と、ロッド本体26のシリンダ2内側の端部に螺合されて一体的に連結される先端ロッド27と、先端ロッド27に螺合されるナット210とからなっている。ロッド本体26の径方向の中央には、軸方向に沿う挿入穴28が、先端ロッド27側から反対側の端部近傍の途中位置まで形成されている。また、先端ロッド27の径方向の中央には、軸方向に沿う貫通穴29が形成されている。これら挿入穴28と貫通穴29とがピストンロッド21の径方向中央に形成される挿入穴30を構成しており、よって、ピストンロッド21は中空構造となっている。ピストンロッド21のこの挿入穴30内に、メータリングピン31が挿入されている。メータリングピン31は、これよりもシリンダ2側に設けられたベースバルブ25に一端側が固定されており、その他端側が、ピストンロッド21の挿入穴30内に挿入されている。挿入穴30とメータリングピン31との間は、ピストンロッド21内で油液が流動可能なロッド内通路(第2の通路)32となっている。
ピストンロッド21のロッド本体26の外周側には、軸方向のピストン18側に円環状のピストン側バネ受35が、軸方向のピストン側バネ受35のピストン18とは反対側に円環状のロッドガイド側バネ受36が、それぞれ設けられている。これらピストン側バネ受35およびロッドガイド側バネ受36は、ロッド本体26を内側に挿通させることでロッド本体26に沿って摺動可能となっている。これらピストン側バネ受35およびロッドガイド側バネ受36の間には、コイルスプリングからなるリバウンドスプリング38が、その内側にロッド本体26を挿通させるようにして介装されている。ロッドガイド側バネ受36の軸方向のリバウンドスプリング38とは反対には円環状の弾性材料からなる緩衝体39が設けられている。緩衝体39もロッド本体26を内側に挿通させることでロッド本体26に沿って摺動可能となっている。
上述の緩衝器1は、例えば一方側が車体により支持され、他方側が車輪側に連結される。具体的には、図1に示すピストンロッド21にて車体側に連結され、シリンダ2のピストンロッド21の突出側とは反対側が車輪側に連結される。なお、上記とは逆に、緩衝器1の他方側が車体により支持され、緩衝器1の一方側が車輪側に固定されるようにしても良い。
車輪が走行に伴って振動すると該振動に伴ってシリンダ2とピストンロッド21との位置が相対的に変化するが、上記変化は図1に示すピストンロッド21に形成されたロッド内通路32の流体抵抗により抑制される。以下で詳述するごとくピストンロッド21に形成されたロッド内通路32の流体抵抗は振動の速度や振幅により異なるように作られており、振動を抑制することにより、乗り心地が改善される。上記シリンダ2とピストンロッド21との間には、車輪が発生する振動の他に、車両の走行に伴って車体に発生する慣性力や遠心力も作用する。例えばハンドル操作により走行方向が変化することにより車体に遠心力が発生し、この遠心力に基づく力が上記シリンダ2とピストンロッド21との間に作用する。以下で説明する通り、第1実施形態の緩衝器1は車両の走行に伴って車体に発生する力に基づく振動に対して良好な特性を有しており、車両の走行時における高い安定性が得られる。
図2に示すように、ロッド本体26の先端ロッド27側の端部には、挿入穴28よりも大径で挿入穴28に連通するネジ穴43が形成されている。先端ロッド27には、図2に示すロッド本体26側から順に、通路穴49、図3に示す通路穴50および通路穴51が、いずれも径方向に貫通するように形成されている。これら通路穴49〜51は、いずれも貫通穴29に直交している。
先端ロッド27は、図2に示すように軸方向のロッド本体26側から順に、外周部にオネジ54が形成されたネジ軸部55と、フランジ部56と、保持軸部57とを有している。ネジ軸部55は、先端ロッド27をロッド本体26に一体化する際にロッド本体26のネジ穴43にオネジ54において螺合されることになる。フランジ部56は、その際にロッド本体26を当接させるため、ネジ軸部55およびロッド本体26よりも大径の外径となっている。保持軸部57は、フランジ部56よりも小径となっており、軸方向のフランジ部56とは反対側の部分に図4(a)に示すオネジ61が形成されている。保持軸部57のオネジ61よりもフランジ部56側に、上記した通路穴49〜51が形成されている。
図2に示すように、ピストン側バネ受35は、円筒状部65と、円筒状部65の軸方向一端側から径方向外側に延出する中間胴部66と、中間胴部66の外周部から軸方向の円筒状部65とは反対側に突出する円筒状の押圧部67とを有している。このピストン側バネ受35は、円筒状部65をリバウンドスプリング38の内側に配置した状態で中間胴部66の軸方向の円筒状部65側の端面においてリバウンドスプリング38の軸方向の端部に当接する。ピストン側バネ受35は、中間胴部66の軸方向の押圧部67側の端面において先端ロッド27のフランジ部56に当接可能となっている。中間胴部66の軸方向の円筒状部65側の内周部は、円筒状部65の内径と同径となっており、中間胴部66の軸方向の押圧部67側の内周部は、円筒状部65の内径よりも大径の段差部68となっている。この段差部68には、摺動部材69が嵌合固定されており、この摺動部材69がロッド本体26の外周面を摺動する。押圧部67には、径方向に貫通する複数の貫通穴70が形成されている。
先端ロッド27の保持軸部57には、フランジ部56側から順に、複数枚のディスク73と、一枚のディスク74と、複数枚の付勢ディスク75と、一枚の開閉ディスク76と、一枚の中間ディスク77と、一枚の中間ディスク78と、一枚の当接ディスク79と、通路形成部材80とが設けられている。
複数枚のディスク73は、いずれも有孔円板状をなしており、ピストン側バネ受35の押圧部67の内径よりも小径の外径となっている。ディスク74は、ディスク73よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。複数枚の付勢ディスク75は、いずれも有孔円板状をなしており、ピストン側バネ受35の押圧部67の先端部の外径と略同径の外径となっている。
開閉ディスク76は、有孔円板状をなしており、付勢ディスク75の外径と略同径の外径となっている。開閉ディスク76の外周側には、軸方向の一面から軸方向他側に凹み軸方向の他面から軸方向他側に突出する円環状の開閉部83が形成されている。
中間ディスク77は、有孔円板状をなしており、開閉ディスク76よりも小径の外径となっている。中間ディスク78は、中間ディスク77と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。また、中間ディスク78の外周側には、複数の切欠78Aが形成されている。当接ディスク79は、有孔円板状をなしており、開閉ディスク76と同径の外径となっている。当接ディスク79の径方向中間部には、C字状の貫通穴79Aが形成されている。
通路形成部材80は、有孔円板状をなしており、当接ディスク79よりも小径の外径となっている。通路形成部材80の内周側には複数の切欠80Aが設けられている。中間ディスク78の外周部に形成された上記の切欠78Aと、当接ディスク79の径方向中間位置に形成された上記の貫通穴79Aと、通路形成部材80の内周部に形成された上記の切欠80Aとが通路86を形成している。この通路86は、中間ディスク78の径方向外側つまり上室19を通路穴49に連通させている。
ピストン側バネ受35により押圧されない状態で、複数の付勢ディスク75は平坦形状をなしており、開閉ディスク76の開閉部83を当接ディスク79から離間させている。ここで、開閉ディスク76の開閉部83と当接ディスク79との隙間と、中間ディスク78、当接ディスク79および通路形成部材80に形成された通路86とがオリフィス88を構成しており、このオリフィス88と、先端ロッド27の通路穴49とが、上室19とロッド内通路32とを連通させる通路(第2の通路)89を構成している。
主に複数の付勢ディスク75の付勢力によって、ピストン側バネ受35は、その中間胴部66を先端ロッド27のフランジ部56から軸方向に離間させている。この状態で、ピストンロッド21がシリンダ2から突出する伸び側つまり上側に移動すると、ピストン側バネ受35、リバウンドスプリング38、図1に示すロッドガイド側バネ受36および緩衝体39も、ピストンロッド21と共にロッドガイド22側に移動することになり、所定位置で緩衝体39がロッドガイド22に当接する。
さらにピストンロッド21が突出方向に移動すると、緩衝体39が潰れた後、緩衝体39およびロッドガイド側バネ受36が、シリンダ2に対して停止状態となり、その結果、ピストンロッド21と共に移動するピストン側バネ受35がリバウンドスプリング38を縮長させることになり、その際のリバウンドスプリング38の付勢力がピストンロッド21の移動に対して抵抗となる。このようにして、シリンダ2内に設けられたリバウンドスプリング38が、ピストンロッド21に弾性的に作用してピストンロッド21の伸び切りを抑制することになる。なお、このようにリバウンドスプリング38がピストンロッド21の伸び切りの抵抗となることで、搭載された車両の旋回時の内周側の車輪の浮き上がりを抑制して車体のロール量を抑えることになる。
ここで、ピストンロッド21が突出方向に移動して緩衝体39がロッドガイド22に当接すると、ピストン側バネ受35は、上記したようにロッドガイド側バネ受36との間でリバウンドスプリング38を縮長させる前に、リバウンドスプリング38の付勢力によって、図2に示す押圧部67で当接する複数の付勢ディスク75および開閉ディスク76を変形させながら、若干軸方向のフランジ部56側に移動して中間胴部66をフランジ部56に当接させる。このように、リバウンドスプリング38の付勢力によりピストン側バネ受35が押圧部67で付勢ディスク75および開閉ディスク76を変形させると、開閉ディスク76の開閉部83が当接ディスク79に当接することになり、オリフィス88を閉塞させて上室19とロッド内通路32との通路89を介する連通を遮断する。
ピストン側バネ受35、リバウンドスプリング38、図1に示すロッドガイド側バネ受36および緩衝体39は、シリンダ2内に設けられ一端が図2に示す付勢ディスク75を介して開閉ディスク76を押圧可能であって他端がシリンダ2の端部側の図1に示すロッドガイド22に当接可能なバネ機構90を構成している。このバネ機構90は、そのバネ力により図2に示す付勢ディスク75および開閉ディスク76の付勢力に抗してこれら付勢ディスク75および開閉ディスク76を閉弁方向に変形させる。そして、このバネ機構90と、オリフィス88を開閉する開閉ディスク76および当接ディスク79とが、ピストンロッド21の位置により変化するリバウンドスプリング38の付勢力に応じてオリフィス88つまり通路89の通路面積を調整する通路面積調整機構91を構成している。オリフィス88は、言い換えればピストンロッド21の位置に感応して通路面積が可変となる可変オリフィスになっている。
上記通路面積調整機構91による、緩衝器1のストローク位置に対するオリフィス88の通路面積は、図5に示す実線のようになっている。つまり、オリフィス88の通路面積は、縮み側の全ストローク範囲および伸び側の所定位置S3までは、中立位置(1Gの位置(水平位置に停止した車体を支持する位置))を含んで最大の一定値であり、伸び側の所定位置S3でバネ機構90が付勢ディスク75の付勢力に抗して開閉ディスク76を閉じ始めると、伸び側ほど比例的に小さくなり、開閉ディスク76の開閉部83が当接ディスク79に当接する所定位置S4で最小となり、所定位置S4よりも伸び側では最小の一定値になる。
図3に示すように、ピストン18は、先端ロッド27に支持されるピストン本体95と、ピストン本体95の外周面に装着されて内筒3内を摺動する円環状の摺動部材96とによって構成されている。
ピストン本体95には、上室19と下室20とを連通させ、ピストン18の上室19側への移動つまり伸び行程において上室19から下室20に向けて油液が流れ出す複数(図3では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路(第1の通路)101と、ピストン18の下室20側への移動、つまり縮み行程において下室20から上室19に向けて油液が流れ出す複数(図3では断面とした関係上一カ所のみ図示)の通路(第1の通路)102とが設けられている。つまり、複数の通路101と複数の通路102とが、ピストン18の移動により上室19と下室20との間を作動流体である油液が流れるように連通する。通路101は、円周方向において、それぞれ間に一カ所の通路102を挟んで等ピッチで形成されており、ピストン18の軸方向一側(図3の上側)が径方向外側に軸方向他側(図3の下側)が径方向内側に開口している。
そして、これら半数の通路101に対して、減衰力を発生する減衰力発生機構104が設けられている。減衰力発生機構104は、ピストン18の軸方向の一端側である下室20側に配置されている。通路101は、ピストンロッド21がシリンダ2の外に伸び出る伸び側にピストン18が移動するときに油液が通過する伸び側の通路を構成しており、これらに対して設けられた減衰力発生機構104は、伸び側の通路101の油液の流動を規制して減衰力を発生させる伸び側の減衰力発生機構となっている。
また、残りの半数を構成する通路102は、円周方向において、それぞれ間に一カ所の通路101を挟んで等ピッチで形成されており、ピストン18の軸線方向他側(図3の下側)が径方向外側に軸線方向一側(図3の上側)が径方向内側に開口している。
そして、これら残り半数の通路102に、減衰力を発生する減衰力発生機構105が設けられている。減衰力発生機構105は、ピストン18の軸方向の他端側である軸線方向の上室19側に配置されている。通路102は、ピストンロッド21がシリンダ2内に入る縮み側にピストン18が移動するときに油液が通過する縮み側の通路を構成しており、これらに対して設けられた減衰力発生機構105は、縮み側の通路102の油液の流動を規制して減衰力を発生させる縮み側の減衰力発生機構となっている。
ピストン本体95は、略円板形状をなしており、その中央には、軸方向に貫通して、上記した先端ロッド27の保持軸部57を挿通させるための挿通穴106が形成されている。ピストン本体95の下室20側の端部には、伸び側の通路101の一端開口位置の外側に、減衰力発生機構104を構成するシート部107が、円環状に形成されている。ピストン本体95の上室19側の端部には、縮み側の通路102の一端開口位置の外側に、減衰力発生機構105を構成するシート部108が、円環状に形成されている。
ピストン本体95において、シート部107の挿通穴106とは反対側は、シート部107よりも軸線方向高さが低い段差状をなしており、この段差状の部分に縮み側の通路102の他端が開口している。また、同様に、ピストン本体95において、シート部108の挿通穴106とは反対側は、シート部108よりも軸線方向高さが低い段差状をなしており、この段差状の部分に伸び側の通路101の他端が開口している。
伸び側の減衰力発生機構104は、圧力制御型のバルブ機構であり、軸方向のピストン18側から順に、複数枚のディスク111と、一枚の当接ディスク112と、一枚の減衰バルブ本体113と、一枚のディスク114と、複数枚のディスク115と、一枚のディスク116と、一枚のディスク117と、一つのシート部材118と、一枚のディスク119と、一枚のディスク120と、一枚のディスク121と、複数枚のディスク122と、一枚のディスク123と、一枚のディスク124と、一つの規制部材125とを有している。
シート部材118は、軸直交方向に沿う有孔円板状の底部131と、底部131の内周側に形成された軸方向に沿う円筒状の内側円筒状部132と、底部131の外周側に形成された軸方向に沿う円筒状の外側円筒状部133とを有している。底部131は、内側円筒状部132および外側円筒状部133に対し軸方向の一側にずれており、底部131には、軸方向に貫通する複数の貫通穴134が形成されている。内側円筒状部132の内側には、軸方向の底部131側に先端ロッド27の保持軸部57を嵌合させる小径穴部135が形成されており、軸方向の底部131とは反対側に小径穴部135より大径の大径穴部136が形成されている。シート部材118の外側円筒状部133には、その軸方向の底部131側の端部に、環状のシート部137が形成されており、このシート部137にディスク119が着座する。
シート部材118の底部131と内側円筒状部132と外側円筒状部133とで囲まれた軸方向の底部131とは反対側の空間と、シート部材118の貫通穴134とは、減衰バルブ本体113にピストン18の方向に圧力を加えるパイロット室(第2の通路)140となっている。先端ロッド27の上記した通路穴51と、シート部材118の大径穴部136と、後述するディスク116,117に形成されたオリフィス151とが、ロッド内通路32とパイロット室140とに接続されて、このパイロット室140にロッド内通路32を介して上室19および下室20から油液を導入可能なパイロット室流入通路(第2の通路)141を構成している。
複数枚のディスク111は、ピストン18のシート部107よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。当接ディスク112は、ピストン18のシート部107よりも大径の外径を有しシート部107に着座可能な有孔円板状をなしている。
減衰バルブ本体113は、当接ディスク112の外径と同径の外径を有する有孔円板状のディスク145と、ディスク145のピストン18とは反対の外周側に固着されたゴム材料からなる円環状のシール部材146とからなっている。当接ディスク112と減衰バルブ本体113とピストン18のシート部107とが、ピストン18に設けられた通路101とシート部材118に設けられたパイロット室140との間に設けられてピストン18の伸び側への移動によって生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる伸び側の減衰バルブ147を構成している。よって、この減衰バルブ147はディスクバルブとなっている。なお、当接ディスク112およびディスク145には、ピストンロッド21の保持軸部57を挿通させる中央の孔以外に軸方向に貫通する部分は形成されていない。
減衰バルブ本体113のシール部材146は、シート部材118の外側円筒状部133の内周面に接触して、減衰バルブ本体113と外側円筒状部133との隙間をシールする。よって、減衰バルブ本体113とシート部材118との間の上記したパイロット室140は、減衰バルブ本体113に、ピストン18の方向、つまりシート部107に当接ディスク112を当接させる閉弁方向に内圧を作用させる。減衰バルブ147は、パイロット室140を有するパイロットタイプの減衰バルブであり、当接ディスク112がピストン18のシート部107から離座して開くと、通路101からの油液をピストン18とシート部材118との間の径方向の通路148を介して下室20に流す。
ディスク114は、ディスク145の外径よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。複数枚のディスク115は、ディスク111と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク116は、ディスク115と同径の外径を有する有孔円板状をなしており、外周側に複数の切欠116Aが形成されている。ディスク117は、ディスク115と同径の外径を有する有孔円板状をなしており、内周側に複数の切欠117Aが形成されている。ディスク116の切欠116Aとディスク117の切欠117Aとは、連通してオリフィス151を形成しており、上記したように、このオリフィス151によってシート部材118の大径穴部136内とパイロット室140とが連通する。
ディスク119は、シート部材118のシート部137よりも大径の外径を有し、シート部137に着座可能な有孔円板状をなしている。ディスク119には、外周側に複数の切欠119Aが形成されており、径方向の中間部に切欠119Aに繋がる貫通穴119Bが形成されている。ディスク120は、ディスク119の外径と同径の外径を有している。ディスク120には、径方向の中間部に貫通穴120Aが形成されている。ディスク121は、ディスク119の外径と同径の外径を有している。ディスク121には、外周側に複数の切欠121Aが形成されている。複数枚のディスク122は、いずれもディスク119の外径と同径の外径を有している。
ディスク119〜122とシート部137とが、シート部材118に設けられたパイロット室140と下室20との間の油液の流れを抑制するディスクバルブ153を構成している。ディスク119の切欠119A、貫通穴119B、ディスク120の貫通穴120Aおよびディスク121の切欠121Aは、ディスク119がシート部137に当接状態にあってもパイロット室140を下室20に連通させるオリフィス154を形成している。ディスクバルブ153は、ディスク122がディスク121から離れたり、ディスク119がシート部137から離れたりすることで、オリフィス154よりも広い通路面積でパイロット室140を下室20に連通させる。ディスク124は、剛性の高い規制部材125に当接しており、ディスクバルブ153の開方向への変形時にディスク122に当接してディスクバルブ153の規定以上の変形を規制する。
縮み側の減衰力発生機構105も、伸び側と同様、圧力制御型のバルブ機構であり、軸方向のピストン18側から順に、複数枚のディスク161と、一枚の当接ディスク162と、一枚の減衰バルブ本体163と、一枚のディスク164と、複数枚のディスク165と、一枚のディスク166と、一枚のディスク167と、一つのシート部材168と、一枚のディスク169と、一枚のディスク170と、一枚のディスク171と、複数枚のディスク172と、一枚のディスク173と、複数枚のディスク174とを有している。
シート部材168は、軸直交方向に沿う有孔円板状の底部181と、底部181の内周側に形成された軸方向に沿う円筒状の内側円筒状部182と、底部181の外周側に形成された軸方向に沿う円筒状の外側円筒状部183とを有している。底部181は、内側円筒状部182および外側円筒状部183に対し軸方向の一側にずれており、底部181には、軸方向に貫通する複数の貫通穴184が形成されている。内側円筒状部182の内側には、軸方向の底部181側に先端ロッド27の保持軸部57を嵌合させる小径穴部185が形成されており、軸方向の底部181とは反対側に小径穴部185より大径の大径穴部186が形成されている。シート部材168の外側円筒状部183には、その軸方向の底部181側の端部に、環状のシート部187が形成されており、このシート部187にディスク169が着座する。
シート部材168の底部181と内側円筒状部182と外側円筒状部183とで囲まれた軸方向の底部181とは反対側の空間と、シート部材168の貫通穴184とは、減衰バルブ本体163にピストン18の方向に圧力を加えるパイロット室(第2の通路)190となっている。先端ロッド27の上記した通路穴50と、シート部材168の大径穴部186と、後述するディスク166,167に形成されたオリフィス201とが、ロッド内通路32とパイロット室190とに接続されて、このパイロット室190にロッド内通路32を介して上室19および下室20から油液を導入可能なパイロット室流入通路(第2の通路)191を構成している。
複数枚のディスク161は、ピストン18のシート部108よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。当接ディスク162は、ピストン18のシート部108よりも大径の外径を有しシート部108に着座可能な有孔円板状をなしている。
減衰バルブ本体163は、当接ディスク162の外径と同径の外径を有する有孔円板状のディスク195と、ディスク195のピストン18とは反対の外周側に固着されたゴム材料からなる円環状のシール部材196とからなっている。当接ディスク162と減衰バルブ本体163とピストン18のシート部108とが、ピストン18に設けられた通路102とシート部材168に設けられたパイロット室190との間に設けられてピストン18の縮み側への移動によって生じる油液の流れを抑制して減衰力を発生させる縮み側の減衰バルブ197を構成している。よって、この減衰バルブ197はディスクバルブとなっている。なお、当接ディスク162およびディスク195には、ピストンロッド21の保持軸部57を挿通させる中央の孔以外に軸方向に貫通する部分は形成されていない。
減衰バルブ本体163のシール部材196は、シート部材168の外側円筒状部183の内周面に接触して、減衰バルブ本体163と外側円筒状部183との隙間をシールする。よって、減衰バルブ本体163とシート部材168との間の上記したパイロット室190は、減衰バルブ本体163に、ピストン18の方向、つまりシート部108に当接ディスク162を当接させる閉弁方向に内圧を作用させる。減衰バルブ197は、パイロット室190を有するパイロットタイプの減衰バルブであり、当接ディスク162がピストン18のシート部108から離座して開くと、通路102からの油液をピストン18とシート部材168との間の径方向の通路198を介して上室19に流す。
ディスク164は、ディスク195の外径よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。複数枚のディスク165は、ディスク161と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク166は、ディスク165と同径の外径を有する有孔円板状をなしており、外周側に複数の切欠166Aが形成されている。ディスク167は、ディスク166と同径の外径を有する有孔円板状をなしており、内周側に複数の切欠167Aが形成されている。ディスク166の切欠166Aとディスク167の切欠167Aとは、連通してオリフィス201を形成しており、上記したように、このオリフィス201によってシート部材168の大径穴部186内とパイロット室190とが連通する。
ディスク169は、シート部材168のシート部187よりも大径の外径を有し、シート部187に着座可能な有孔円板状をなしている。ディスク169には、外周側に複数の切欠169Aが形成されており、径方向の中間部に切欠169Aに繋がる貫通穴169Bが形成されている。ディスク170は、ディスク169の外径と同径の外径を有している。ディスク170には、径方向の中間部に貫通穴170Aが形成されている。ディスク171は、ディスク169の外径と同径の外径を有している。ディスク171には、外周側に複数の切欠171Aが形成されている。複数枚のディスク172は、いずれもディスク169の外径と同径の外径を有している。
ディスク169〜172とシート部187とが、シート部材168に設けられたパイロット室190と上室19との間の油液の流れを抑制するディスクバルブ203を構成している。ディスク169の切欠169A、貫通穴169B、ディスク170の貫通穴170Aおよびディスク171の切欠171Aは、ディスク169がシート部187に当接状態にあってもパイロット室190を上室19に連通させるオリフィス204を形成している。ディスクバルブ203は、ディスク172がディスク171から離れたり、ディスク169がシート部187から離れたりすることでオリフィス204よりも広い通路面積でパイロット室190を上室19に連通させる。複数枚のディスク174は、ディスク169〜172の開方向への変形時にディスク172に当接してディスク169〜172の規定以上の変形を規制する。
図4(a)に示すように、先端ロッド27の先端のオネジ61には、ナット210が螺合されている。ナット210は、締め付けられることにより、図2に示す複数枚のディスク73、ディスク74、複数枚の付勢ディスク75、開閉ディスク76、中間ディスク77、中間ディスク78、当接ディスク79、通路形成部材80、複数枚のディスク174、ディスク173、複数枚のディスク172、ディスク171、ディスク170、ディスク169、図3に示すシート部材168、ディスク167、ディスク166、複数枚のディスク165、ディスク164、減衰バルブ本体163、当接ディスク162、複数枚のディスク161、ピストン18、複数枚のディスク111、当接ディスク112、減衰バルブ本体113、ディスク114、複数枚のディスク115、ディスク116、ディスク117、シート部材118、ディスク119、ディスク120、ディスク121、複数枚のディスク122、ディスク123、ディスク124および規制部材125を、図2に示す先端ロッド27のフランジ部56との間に挟持する。
図4(a)に示すように、ナット210は、ナット本体211と、カバー部材212と、防振部材213とからなっている。ナット本体211は、環状をなしており、その内周部には、軸方向の中間部から一側に、先端ロッド27のオネジ61に螺合されるメネジ320を有する大径穴部321が形成されている。また、ナット本体211の内周部には、軸方向他側の端部に、大径穴部321より小径で先端ロッド27の貫通穴29と同径の中径穴部322が形成されている。さらに、ナット本体211の内周部には、大径穴部321と中径穴部322との間に、中径穴部322よりも小径の小径穴部323が形成されている。
ナット本体211の外周部には、軸方向における大径穴部321と同側の端部にフランジ部324が形成されており、このフランジ部324とは反対側にこれよりも小径の小径外径部325が形成されている。そして、フランジ部324と小径外径部325との間は、これらの中間径の中間径部326となっており、この中間径部326にオネジ327が形成されている。ナット本体211には、径方向に沿って、小径外径部325と中径穴部322とを繋ぐように通路穴328が形成されている。
カバー部材212は、環状をなしており、その内周部には、軸方向の中間部から一側に、ナット本体211のオネジ327に螺合されるメネジ330を有する大径穴部331が形成されている。また、カバー部材212の内周部には、軸方向他側の端部に、大径穴部331より小径でナット本体211の中径穴部322と同径の小径穴部332が形成されている。さらに、カバー部材212の内周部には、大径穴部331と小径穴部332との間に、これらの中間径の中径穴部333が形成されている。カバー部材212には、軸方向の大径穴部331の中径穴部333とメネジ330との間に、図4(b)にも示す通路穴334が、径方向に沿って形成されている。
カバー部材212は、メネジ330においてナット本体211のオネジ327に螺合されると、大径穴部331の中径穴部333側の底面を、ナット本体211のフランジ部324とは反対側の端面に当接させる。この状態で、ナット本体211の小径外径部325と、カバー部材212の大径穴部331との間に室336が形成されることになり、この室336を介してナット本体211の通路穴328とカバー部材212の通路穴334とが連通する。
また、ナット本体211のフランジ部324とは反対側の端面と、カバー部材212の中径穴部333の内周面および底面とによって、ナット210には、径方向外方に凹む保持溝337が内周面に形成される。この保持溝337が、防振部材213を保持する。
防振部材213には、内側にメータリングピン31が挿通される。防振部材213は、その内周部においてメータリングピン31の外周部を摺接させることになる。なお、図4(a)においては、メータリングピン31を仮想線(二点鎖線)で示し、防振部材213を、メータリングピン31が挿通される前の自然状態で示している(メータリングピン31に食い込んでいるわけではない)。
防振部材213は、円環状をなしており、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの弾性ゴム材料からなっている。防振部材213は、自然状態にあるとき、その内周面が、最小内径部341と拡径部342と拡径部343とを有している。最小内径部341は、防振部材213の中で最も小径となっている。拡径部342,343は、最小内径部341から離れるほど大径となるテーパ状をなしている。言い換えれば、防振部材213には、内周側に最小内径部341と最小内径部341の軸方向両側の拡径部342,343とが設けられ、拡径部342,343の境界部分が最小内径部341となっている。防振部材213は、自然状態にあるとき、拡径部342の軸方向長さと、拡径部343の軸方向長さとは同じ長さに形成される。最小内径部341は、これと摺接するメータリングピン31の摺接部分よりも小径となっており、よって、防振部材213は、メータリングピン31に常に所定の締め代をもって接触する。防振部材213は、ナット210とメータリングピン31との隙間をシールするシール部材としても機能する。
防振部材213は、内周部が径方向外側に弾性変形しつつメータリングピン31の外周部に密着する。その際に、防振部材213は、弾性力でメータリングピン31をピストンロッド21に対して同軸状に保持する。そして、ピストンロッド21がシリンダ内外方向に移動すると、防振部材213は、メータリングピン31に摺接しつつピストンロッド21と一体に移動する。
ナット210は、ナット本体211において規制部材125に当接して上記部品を先端ロッド27のフランジ部56との間に挟持することになり、ナット本体211のメネジ320を除く大径穴部321と小径穴部323と中径穴部322と、防振部材213の内周面と、カバー部材212の小径穴部332とが、ロッド本体26の挿入穴28および先端ロッド27の貫通穴29とともにピストンロッド21の挿入穴30を構成している。
図1に示すように、メータリングピン31は、ベースバルブ25に支持される支持フランジ部220と、支持フランジ部220よりも小径で支持フランジ部220から軸方向に延出する大径軸部222と、大径軸部222の支持フランジ部220とは反対側から軸方向に延出するテーパ軸部223と、テーパ軸部223の大径軸部222とは反対側から軸方向に延出する小径軸部224とを有している。大径軸部222は一定径であり、小径軸部224は大径軸部222よりも小径の一定径である。テーパ軸部223は、図1に示すように、大径軸部222の小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223aと、テーパ部223aの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223bと、テーパ部223bの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223cと、テーパ部223cの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなすテーパ部223dと、テーパ部223dの小径軸部224側の端部に連続するとともに小径軸部224側ほど小径となるテーパ状をなして小径軸部224の大径軸部222側の端部に連続するテーパ部223eとを有している。外径差を軸方向長で除算したテーパ量は、テーパ部223d、テーパ部223e、テーパ部223a、テーパ部223b、テーパ部223cの順に大きくなっている。
メータリングピン31は、ピストンロッド21の挿入穴30に挿入されている。メータリングピン31は、ピストンロッド21の挿入穴30との間にロッド内通路32を形成している。図4(a)に示すように、ピストンロッド21のシリンダ2内に配置される一端側に位置するナット本体211の小径穴部323とメータリングピン31との隙間は、ロッド内通路32のうちの下室20と連通するオリフィス(可変オリフィス)225となっている。ナット210の通路穴328,334および室336は、オリフィス225と防振部材213によるシール位置との間のロッド内通路32を下室20に連通させる通路345を構成している。この通路345は、オリフィス(可変オリフィス)225より通路面積が広く設定され、シール部材としての防振部材213をバイパスするバイパス通路の役目を果たしている。
図2に示すオリフィス88を含む通路89と、図4(a)に示すオリフィス225を含むロッド内通路32と、ナット210に形成された通路345とが、図3に示すピストン18の移動により上室19および下室20間を作動流体が流れるように連通させることになる。
図4(a)に示すオリフィス225は、メータリングピン31の大径軸部222が小径穴部323と軸方向位置を合わせると通路面積が最も狭くなる。また、オリフィス225は、メータリングピン31の小径軸部224が小径穴部323と軸方向位置を合わせると通路面積が最も広くなる。さらに、オリフィス225は、メータリングピン31のテーパ軸部223が小径穴部323と軸方向位置を合わせると、テーパ軸部223の小径軸部224側ほど通路面積が徐々に広くなるようになっている。
ピストンロッド21のシリンダ2内に配置される一端側を構成するナット210の小径穴部323と、メータリングピン31とが、ピストンロッド21のシリンダ2に対する変位に応じて通路面積が変化可能なオリフィス225を含みこのオリフィス225の通路面積をピストンロッド21のシリンダ2に対する位置により調整する通路面積調整機構227を構成している。通路面積調整機構227は、言い換えれば、オリフィス225の通路面積をメータリングピン31により調整する。
上記通路面積調整機構227による、緩衝器1のストローク位置に対するオリフィス225の通路面積は、図5に示す破線のようになっている。つまり、オリフィス225の通路面積は、縮み側の所定位置S1よりも縮み側では、小径穴部323と大径軸部222とが軸方向位置を合わせることになって最小の一定値となり、所定位置S1から1G位置を挟んで伸び側の所定位置S2までは小径穴部323とテーパ軸部223とが軸方向位置を合わせることになって伸び側ほど大きくなり、この所定位置S2から伸び側では小径穴部323と小径軸部224とが軸方向位置を合わせることになって最大の一定値となる。
図1に示すように、外筒4の底部材8と内筒3との間には、上記したベースバルブ25が設けられている。このベースバルブ25は、下室20とリザーバ室6とを仕切るベースバルブ部材231と、このベースバルブ部材231の下側つまりリザーバ室6側に設けられるディスク232と、ベースバルブ部材231の上側つまり下室20側に設けられるディスク233と、ベースバルブ部材231にディスク232およびディスク233を取り付ける取付ピン234と、ベースバルブ部材231の外周側に装着される係止部材235と、メータリングピン31の支持フランジ部220を支持する支持板236とを有している。取付ピン234は、ディスク232およびディスク233の径方向中央側をベースバルブ部材231との間で挟持する。
ベースバルブ部材231は、径方向の中央に取付ピン234が挿通される円環状をなしている。ベースバルブ部材231には、下室20とリザーバ室6との間で油液を流通させる複数の通路穴239と、これら通路穴239の径方向の外側にて、下室20とリザーバ室6との間で油液を流通させる複数の通路穴240とが形成されている。リザーバ室6側のディスク232は、下室20から内側の通路穴239を介してリザーバ室6への油液の流れを許容する一方でリザーバ室6から下室20への内側の通路穴239を介しての油液の流れを規制する。ディスク233は、リザーバ室6から外側の通路穴240を介して下室20への油液の流れを許容する一方で下室20からリザーバ室6への外側の通路穴240を介しての油液の流れを規制する。
ディスク232は、ベースバルブ部材231とによって、緩衝器1の縮み行程において開弁して下室20からリザーバ室6に油液を流すとともに減衰力を発生する縮み側の減衰バルブ242を構成している。ディスク233は、ベースバルブ部材231とによって、緩衝器1の伸び行程において開弁してリザーバ室6から下室20内に油液を流すサクションバルブ243を構成している。なお、サクションバルブ243は、主としてピストンロッド21のシリンダ2からの伸び出しにより生じる液の不足分を補うようにリザーバ室6から下室20に実質的に減衰力を発生させることなく液を流す機能を果たす。
係止部材235は、筒状をなしており、その内側にベースバルブ部材231を嵌合させる。ベースバルブ部材231は、この係止部材235を介して内筒3の下端の内周部に嵌合している。係止部材235のピストン18側の端部には径方向内側に延出する係止フランジ部245が形成されている。支持板236は、外周部が係止フランジ部245のピストン18とは反対側に係止され、内周部がメータリングピン31の支持フランジ部220のピストン18側に係止されている。これにより、係止部材235および支持板236がメータリングピン31の支持フランジ部220を取付ピン234に当接する状態に保持する。
図6に示すように、ロッドガイド22は、軸方向一側に大径外径部252が形成され、軸方向他側に大径外径部252よりも小径の小径外径部253が形成された外形形状をなしている。ロッドガイド22は、焼結部品であり、大径外径部252において外筒4の口元部材9の大径内周部14に嵌合し、小径外径部253において内筒3の内周部に嵌合する。
ロッドガイド22の径方向の中央には、大径穴部254と中間穴部255と小径穴部256とが形成されている。大径穴部254は、ロッドガイド22の軸方向の大径外径部252側に形成されている。中間穴部255は、大径穴部254よりも小径であり、ロッドガイド22の軸方向の大径穴部254よりも小径外径部253側に形成されている。小径穴部256は、大径穴部254よりも小径且つ中間穴部255より若干大径であり、ロッドガイド22の軸方向の中間穴部255の大径穴部254とは反対側に形成されている。
大径穴部254には、その内周面および底面に連続して連通溝257が形成されている。連通溝257は、大径穴部254の内周面に軸方向の全長にわたって形成され、大径穴部254の底面に径方向の全長にわたって形成されている。
ロッドガイド22の軸方向の大径外径部252側の端面には、環状凸部258が形成されている。環状凸部258は、ロッドガイド22の軸方向の大径外径部252側の端部から軸方向外方に突出するように形成されている。ロッドガイド22には、環状凸部258の内側に連通穴261が形成されている。連通穴261は、ロッドガイド22の大径外径部252を軸方向に貫通しており、外筒4と内筒3との間のリザーバ室6に連通している。
シール部材23は、シリンダ2の軸方向の一端部に配置され、その内周部においてピストンロッド21のロッド本体26の外周部に圧接することになる。シール部材23は、その内周部で、軸方向に移動するピストンロッド21の外周部に摺接して、内筒3内の油液と外筒4内のリザーバ室6の高圧ガスおよび油液とが、ロッドガイド22とピストンロッド21との隙間、およびロッドガイド22と外筒4との隙間から外部に漏洩するのを防止する。なお、図6においては、ピストンロッド21を仮想線(二点鎖線)で示し、シール部材23を、ピストンロッド21が挿通される前の自然状態で示している(ピストンロッド21に食い込んでいるわけではない)。
シール部材23は、シール部265と円環状の環状部材266とからなる一体成形品のシール部材本体267と、環状のスプリング268と、環状のスプリング269とからなっている。シール部265は、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの摺動性のよい弾性ゴム材料からなっている。環状部材266は、シール部265内に埋設されシール部材23の形状を維持し、固定のための強度を得るためのもので、金属製となっている。
シール部265は、その径方向の内側に、円環筒状のダストリップ272と、円環筒状のオイルリップ273とを有している。ダストリップ272は、環状部材266の内周側のシリンダ内外方向外側から軸方向に沿って環状部材266から離れる方向に延出している。オイルリップ273は、環状部材266の内周側のシリンダ内外方向内側から軸方向に沿って環状部材266から離れる方向に延出している。スプリング268はダストリップ272の外周部に嵌合されており、スプリング269はオイルリップ273の外周部に嵌合されている。
また、シール部265は、その径方向外側に、外周シール274と、円環状のシールリップ275とを有している。外周シール274は環状部材266の外周面を覆っている。シールリップ275は、外周シール274からシリンダ内外方向内側に延出している。さらに、シール部265は、円環状のチェックリップ276を有している。このチェックリップ276は、シール部265の径方向中間部分のシリンダ内外方向内側から、シリンダ内外方向内側に拡径しつつ延出している。
ダストリップ272は、自然状態にあるとき、全体として環状部材266からシリンダ内外方向外側に離れるほど内径が小径となる先細筒状をなしている。ダストリップ272の外周部は、径方向内方に凹む形状をなしており、この部分に上記したスプリング268が嵌合されている。
オイルリップ273は、自然状態にあるとき、全体として環状部材266からシリンダ内外方向内側に離れるほど小径となる先細筒状をなしている。オイルリップ273の外周部は、径方向内方に凹む形状をなしており、この部分に上記したスプリング269が嵌合されている。また、オイルリップ273は、内周部が段差状をなしている。
シール部材23は、ダストリップ272がシリンダ内外方向の外側に配置され、オイルリップ273がシリンダ内外方向の内側に配置された状態で、外周シール274において外筒4の口元部材9の大径内周部14に密封接触することになる。シール部材23は、この状態で、シール部265の環状部材266の位置がロッドガイド22の環状凸部258とカバー5の内フランジ部16とに挟持される。この際に、シール部材23は、シールリップ275が、ロッドガイド22の環状凸部258と外筒4の口元部材9の大径内周部14との間に配置されて、これらに密封接触する。また、オイルリップ273がロッドガイド22の大径穴部254内に配置される。
そして、シリンダ2に取り付けられた状態のシール部材23には、ダストリップ272およびオイルリップ273の内側にピストンロッド21のロッド本体26が挿通されることになる。この状態で、ピストンロッド21はその一端がシリンダ2の一端から突出することになる。また、この状態で、ダストリップ272は、シリンダ2のピストンロッド21が突出する一端側に設けられ、オイルリップ273は、ダストリップ272のシリンダ内外方向の内側に設けられることになる。
ダストリップ272に嵌合されるスプリング268は、ダストリップ272のピストンロッド21への密着方向の締付力を一定状態に保つためのものである。また、このスプリング268は、設計仕様を満足させるための締付力の調整にも用いられる。オイルリップ273に嵌合されるスプリング269は、オイルリップ273のピストンロッド21への密着方向の締付力を調整する。
シール部265のロッドガイド22側のチェックリップ276は、ロッドガイド22の環状凸部258よりも内側部分に所定の締め代を持って全周にわたり密封接触可能となっている。ここで、ロッドガイド22とピストンロッド21との隙間から漏れ出た油液は、シール部材23のチェックリップ276よりもこの隙間側の主に大径穴部254により形成される室280に溜まることになる。チェックリップ276は、この室280の圧力が、リザーバ室6の圧力よりも所定量高くなった時に開いて室280に溜まった油液を連通穴261を介してリザーバ室6に流す。つまり、チェックリップ276は、室280からリザーバ室6への方向にのみ油液およびガスの流通を許容し逆方向の流通を規制する逆止弁として機能する。
上記のシール部材23は、ダストリップ272がその締め代およびスプリング268による緊迫力でピストンロッド21に密着して密封性を保持することになる。シール部材23は、外部露出時にピストンロッド21に付着した異物の内部への進入を主にこのダストリップ272が規制することになる。シール部材23は、オイルリップ273がその締め代およびスプリング269による緊迫力でピストンロッド21に密着して密封性を保持することになる。シール部材23は、ピストンロッド21の内筒3内への進入時にピストンロッド21に付着した油液が、ピストンロッド21の外部への露出にともなって外部へ漏出することを主にこのオイルリップ273によって規制することになる。
摩擦部材24は、ロッドガイド22の大径穴部254内の底部側に嵌合されることになり、よって、シール部材23よりもシリンダ2の内部側に配置されている。摩擦部材24は、その内周部においてピストンロッド21のロッド本体26の外周部に圧接することになり、ピストンロッド21への摩擦抵抗を発生させる。なお、図6においては、ピストンロッド21を仮想線(二点鎖線)で示し、摩擦部材24を、ピストンロッド21が挿通される前の自然状態で示している(ピストンロッド21に食い込んでいるわけではない)。
摩擦部材24は、円環状の弾性ゴム部291と円環状のベース部292とからなる一体成形品である。弾性ゴム部291は、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの弾性ゴム材料からなっており、ベース部292に固着されている。ベース部292は金属製となっており、弾性ゴム部291の形状を維持し、ロッドガイド22への固定のための強度を得るためのものである。
摩擦部材24は、ベース部292が、底部301と筒部302とからなっている。底部301は有孔円板状をなしており、筒部302は底部301の外周側から軸方向に延びる円筒状をなしている。これら底部301および筒部302は中心軸を一致させており、言い換えれば、底部301に対し筒部302は垂直に延出している。
弾性ゴム部291は、ベース部292と中心軸を一致させた円環状をなしている。弾性ゴム部291は、ベース部292の底部301の内周面を覆うとともに底部301の軸方向の筒部302側を覆っており、底部301から軸方向の筒部302側に延出して設けられている。弾性ゴム部291は、自然状態にあるとき、筒部302から径方向に離間しており、筒部302と対向する外周側が軸方向の底部301側ほど大径となるテーパ面305となっている。弾性ゴム部291は、自然状態にあるとき、その内周面が、最小内径部307と拡径部308と拡径部309とを有している。最小内径部307は、摩擦部材24の中で最も小径となっている。拡径部308は、最小内径部307の軸方向の底部301とは反対側にあって最小内径部307から離れるほど大径となるテーパ状をなしている。拡径部309は、最小内径部307の軸方向の底部301側にあって最小内径部307から離れるほど大径となるテーパ状をなしている。言い換えれば、弾性ゴム部291には、内周側に最小内径部307と最小内径部307の軸方向両側の拡径部308,309とが設けられ、拡径部308,309の境界部分が最小内径部307となっている。弾性ゴム部291は、自然状態にあるとき、拡径部309の最小内径部307と底部301との間の軸方向長さが、拡径部308の軸方向長さよりも長くなっている。
上記構造の摩擦部材24は、ベース部292の軸方向の筒部302側がシリンダ内外方向の外側に配置され、ベース部292の軸方向の底部301がシリンダ内外方向の内側に配置された状態で、ロッドガイド22の大径穴部254に圧入される。このとき、摩擦部材24は、ベース部292の底部301が大径穴部254の底面に当接する。
そして、シリンダ2に取り付けられた状態の摩擦部材24には、弾性ゴム部291の内側にピストンロッド21のロッド本体26が、所定の締め代をもって挿通されることになり、よって、摩擦部材24は、弾性ゴム部291が径方向外側に弾性変形しつつピストンロッド21のロッド本体26に密着する。そして、ピストンロッド21がシリンダ内外方向に移動するとこれに弾性ゴム部291が摺接する。その際に、摩擦部材24は、摩擦特性の調整を行うことになる。
上記のように摩擦部材24を嵌合させた状態でロッドガイド22の大径穴部254と摩擦部材24との間には、大径穴部254に形成された連通溝257によって連通路311が形成されることになり、この連通路311がロッドガイド22の小径穴部256側と大径穴部254側つまり室280側とを連通させる。ロッドガイド22の小径穴部256側は、ピストンロッド21との隙間を介して上室19に連通しており、よって、連通路311は室280と上室19とを連通させて、これらの差圧を小さくする。言い換えれば、連通路311は、摩擦部材24の軸方向両側を連通させて摩擦部材24の軸方向両側の差圧を小さくする。よって、摩擦部材24は、積極的にシールとしての役割を果たすものではない。摩擦部材24および連通路311が、摩擦部材24によってピストンロッド21の摺動抵抗となって緩衝器1に減衰力を発生させる減衰力発生機構312を構成する。
なお、連通路311に代えて、または、連通路311に加えて、摩擦部材24の内周に軸方向両側の差圧を小さくする連通路を設けてもよい。また、連通路311は常時連通していなくとも、例えば、シリンダ2内から外側への逆止弁を設けてもよい。ようは、摩擦部材24が完全なシールとして作用するものでなければよい。
また、図4(a)に示すように、ピストンロッド21に取り付けられた状態の防振部材213には、その内側にメータリングピン31が、所定の締め代をもって挿通されることになり、よって、防振部材213は内周部が径方向外側に弾性変形しつつメータリングピン31に密着する。そして、ピストンロッド21がシリンダ内外方向に移動すると、防振部材213はメータリングピン31に摺接する。その際に、防振部材213も、摩擦特性の調整を行うことになる。
上記のように防振部材213を嵌合させた状態でロッド内通路32の防振部材213の両側は、ナット210に形成された通路345によって基本的に同圧の下室20の圧力となる。言い換えれば、通路345は、防振部材213の軸方向両側の差圧を小さくする。よって、防振部材213も、積極的にシールとしての役割を果たすものではない。防振部材213および通路345が、防振部材213によってピストンロッド21の摺動抵抗となって緩衝器1に減衰力を発生させる減衰力発生機構346を構成する。
第1実施形態の緩衝器1の作動を説明する。第1実施形態の緩衝器1は、通路面積調整機構91,227が設けられていることにより、ストローク位置により減衰力が変化する位置感応機能を有するものとなっている。
ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲では、図1に示す緩衝体39がロッドガイド22に当接し、リバウンドスプリング38を含むバネ機構90が縮長している。これにより、通路面積調整機構91が、図2に示すバネ機構90のピストン側バネ受35によって付勢ディスク75および開閉ディスク76を弾性変形させて開閉ディスク76を当接ディスク79に当接させて通路89を閉塞させることになる。また、この最大長側所定範囲では、図4(a)に示す通路面積調整機構227が、メータリングピン31の小径軸部224の軸方向位置に小径穴部323を合わせてオリフィス225の通路面積を最大にすることになる。この最大長側所定範囲では、ロッド内通路32が上記オリフィス225の通路面積において下室20に連通することになり、図3に示す伸び側の減衰力発生機構104のパイロット室140と、縮み側の減衰力発生機構105のパイロット室190とが、図4(a)に示すナット210の通路345と、オリフィス225を含むロッド内通路32と、図3に示すパイロット室流入通路141,191とを介して共に下室20に連通する。
この最大長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の外部へ延出される伸び行程では、ピストン18が上室19側に移動し、上室19の圧力が上がり下室20の圧力が下がる。すると、上室19の圧力が、ピストン18に形成された伸び側の通路101を介して伸び側の減衰力発生機構104の減衰バルブ147の減衰バルブ本体113および当接ディスク112に作用する。このとき、減衰バルブ本体113および当接ディスク112にシート部107の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室140は、図4(a)に示すナット210の通路345、オリフィス225を含むロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路141を介して下室20に連通しているため、下室20に近い圧力状態となって、パイロット圧が下がることになる。よって、減衰バルブ本体113および当接ディスク112は、受ける差圧が大きくなり、比較的容易にシート部107から離れるように開いて、ピストン18とシート部材118との間の径方向の通路148を介して下室20側に油液を流す。これにより、減衰力は下がる。つまり、伸び側減衰力がソフトの状態となる。
また、この最大長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の内部へ進入される縮み行程では、ピストン18が下室20側に移動し、下室20の圧力が上がり上室19の圧力が下がる。すると、下室20の油圧がピストン18に形成された縮み側の通路102を介して縮み側の減衰力発生機構105の減衰バルブ197の減衰バルブ本体163および当接ディスク162に作用する。このとき、減衰バルブ本体163および当接ディスク162にシート部108の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室190は、図4(a)に示すナット210の通路345、オリフィス225を含むロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路191を介して下室20に連通しているため、下室20に近い圧力状態となり、下室20の圧力上昇と共にパイロット圧も上昇する。
この状態では、ピストン速度が遅い時、パイロット室190の圧力上昇が下室20の圧力上昇に追従可能であるため、減衰バルブ本体163および当接ディスク162は、受ける差圧が小さくなり、シート部108から離れにくい状態になる。よって、下室20からの油液は、図4(a)に示すナット210の通路345、オリフィス225を含むロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路191からパイロット室190を通り、ディスクバルブ203のオリフィス204を介して上室19に流れ、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して比較的減衰力の上昇率が高くなる。
また、ピストン速度が上記より速い時でも、減衰バルブ本体163および当接ディスク162がシート部108から離れにくい状態であり、下室20からの油液は、図4(a)に示すナット210の通路345、オリフィス225を含むロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路191からパイロット室190を通り、ディスクバルブ203を開きながら、シート部187とディスク169〜172との間を通って、上室19に流れることになり、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して減衰力の上昇率はやや下がることになる。
以上により、縮み行程の減衰力は、伸び行程の減衰力に比べて高くなり、縮み側減衰力がハードの状態となる。
なお、最大長側所定範囲の縮み行程であっても、路面の段差等により生じるインパクトショック発生時等において、ピストン速度がさらに高速の領域になると、パイロット室190の圧力上昇が下室20の圧力上昇に追従できなくなり、縮み側の減衰力発生機構105の減衰バルブ197の減衰バルブ本体163および当接ディスク162に作用する差圧による力の関係は、ピストン18に形成された通路102から加わる開方向の力がパイロット室190から加わる閉方向の力よりも大きくなる。よって、この領域では、ピストン速度の増加に伴い減衰バルブ197が開いて減衰バルブ本体163および当接ディスク162がシート部108から離れることになり、ディスク169〜172とシート部187との間を通る上室19への流れに加え、ピストン18とシート部材168との間の径方向の通路198を介して上室19に油液を流すため、減衰力の上昇を抑えることになる。このときのピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して減衰力の上昇率がほとんどないことになる。よって、ピストン速度が速く周波数が比較的高い、路面の段差等により生じるインパクトショック発生時等において、上記のようにピストン速度の増加に対する減衰力の上昇を抑えることで、ショックを十分に吸収する。
以上、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲は、図7の位置S2よりも伸び側(図7の右側)の範囲であり、図7に実線X1で示すように伸び側減衰力がソフトの状態となり、図7に実線X2で示すように縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性となる。
他方、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲では、リバウンドスプリング38が縮長せず、図2に示す通路面積調整機構91は、リバウンドスプリング38を含むバネ機構90により押圧されずに開閉ディスク76を当接ディスク79から離間させて通路89のオリフィス88の通路面積を最大にする。また、最小長側所定範囲では、図4(a)に示す通路面積調整機構227が、メータリングピン31の大径軸部222の軸方向位置に小径穴部323を合わせてオリフィス225を閉塞させる。この最小長側所定範囲では、ロッド内通路32が図2に示す上記通路89を介して上室19に連通することになり、図3に示す伸び側の減衰力発生機構104のパイロット室140と、縮み側の減衰力発生機構105のパイロット室190とが、ロッド内通路32を介して共に上室19に連通する。
この最小長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の外部へ延出される伸び行程では、ピストン18が上室19側に移動し、上室19の圧力が上がり下室20の圧力が下がる。すると、上室19の圧力が、ピストン18に形成された伸び側の通路101を介して伸び側の減衰力発生機構104の減衰バルブ147の減衰バルブ本体113および当接ディスク112に作用する。このとき、減衰バルブ本体113および当接ディスク112にシート部107の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室140は、図2に示す通路89、ロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路141を介して上室19に連通しているため、上室19に近い圧力状態となり、上室19の圧力上昇と共にパイロット圧も上昇する。
この状態では、ピストン速度が遅い時、パイロット室140の圧力上昇が上室19の圧力上昇に追従可能であるため、減衰バルブ本体113および当接ディスク112は、受ける差圧が小さくなり、シート部107から離れにくい状態になる。よって、上室19からの油液は、図2に示す通路89、ロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路141からパイロット室140を通り、ディスクバルブ153のオリフィス154を介して下室20に流れ、オリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して比較的減衰力の上昇率が高くなる。
また、ピストン速度が上記より速い時でも、減衰バルブ本体113および当接ディスク112がシート部107から離れることなく、上室19からの油液は、図2に示す通路89、ロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路141からパイロット室140を通り、ディスクバルブ153を開きながら、シート部137とディスク119〜122との間を通って、下室20に流れることになり、バルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生する。このため、ピストン速度に対する減衰力の特性は、ピストン速度の上昇に対して減衰力の上昇率はやや下がることになる。
以上により、伸び行程の減衰力は高くなり、伸び側減衰力がハードの状態となる。
また、この最小長側所定範囲にあって、ピストンロッド21がシリンダ2の内部へ進入される縮み行程では、ピストン18が下室20側に移動し、下室20の圧力が上がり上室19の圧力が下がる。すると、下室20の油圧がピストン18に形成された縮み側の通路102を介して縮み側の減衰力発生機構105の減衰バルブ197の減衰バルブ本体163および当接ディスク162に作用する。このとき、減衰バルブ本体163および当接ディスク162にシート部108の方向へのパイロット圧を作用させるパイロット室190は、図2に示す通路89、ロッド内通路32および図3に示すパイロット室流入通路191を介して上室19に連通しているため、上室19に近い圧力状態となり、パイロット圧が下がることになる。よって、減衰バルブ本体163および当接ディスク162は、受ける差圧が大きくなり、比較的容易にシート部108から離れるように開いて、ピストン18とシート部材168との間の径方向の通路198を介して上室19側に油液を流す。
以上により、縮み行程の減衰力は、伸び行程の減衰力に比べて減衰力が低くなり、縮み側減衰力がソフトの状態となる。
以上、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲は、図7の位置S1よりも縮み側(図7の左側)の範囲であり、図7に実線X1で示すように伸び側減衰力がハードの状態となり、図7に実線X2で示すように縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性となる。
第1実施形態の緩衝器1は、通路面積調整機構91,227を備えることによって、以上に述べたように最大長側所定範囲と最小長側所定範囲とでハードとソフトの関係が逆になる反転型の位置感応の減衰力変化特性が得られる。
そして、第1実施形態の緩衝器1は、上記位置感応の減衰力特性を得るための構成に加えて、これとは独立して作動して機能する図6に示す減衰力発生機構312および図4(a)に示す減衰力発生機構346を設け、それぞれの摩擦部材24および防振部材213によって、ピストン速度が微低速であって微振幅入力時のピストンロッド21への作用力を適正化している。つまり、摩擦部材24および防振部材213を用いると、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時に、ピストン速度が0からの動き始めの摩擦領域において、摩擦部材24はピストンロッド21と滑りを生じず弾性ゴム部291の弾性変形によるバネ力が発生し、また防振部材213はメータリングピン31と滑りを生じず弾性変形によるバネ力が発生し、これらのバネ力が作用力となる(動バネ領域)。その後、ある程度(0.1mm)以上ピストンロッド21が動くと、摩擦部材24とピストンロッド21との間で滑りが発生し、防振部材213とメータリングピン31との間に滑りが発生して、動摩擦力が発生することになる(動摩擦領域)。第1実施形態では、摩擦部材24および防振部材213によって、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時の動バネ定数が向上し動摩擦係数が高くなり、摩擦部材24および防振部材213を備えずに通路面積調整機構91,227を備える緩衝器1の減衰力発生機構104,105による減衰力よりも上げることができる。
図8は、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時の緩衝器1の作動領域での減衰力可変特性を示している。この図8から明かなように、図8に破線Z1で示す、減衰力発生機構312,346が設けられていない場合に比べて、図8に実線Z2で示す減衰力発生機構312,346が設けられている場合の方が、図8の位置S2よりも伸び側(図8の右側)の範囲である最大長側所定範囲での伸び側減衰力がハードの状態になり、図8に破線Z3で示す、減衰力発生機構312,346が設けられていない場合に比べて、図8に実線Z4で示す減衰力発生機構312,346が設けられている場合の方が、図8の位置S1よりも縮み側(図8の左側)の範囲である最小長側所定範囲での縮み側減衰力がハードの状態になる。これにより、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時に、良好な減衰力特性を得ることができ、バネ下制振性が向上し乗り心地が向上する。なお、減衰力の設定によっては、1G位置と同等の減衰力にすることができる。
上記した特許文献1に記載のもの等、ピストンロッドのシリンダに対する変位に応じて変化可能な可変オリフィスをピストンロッドとで構成するメータリングピンを設けたものでは、メータリングピンに振動を生じると、これに起因して異音を発生する可能性があった。例えば、メータリングピン自体が振動で異音を発生したり、メータリングピンが振動しピストンロッドに接触して異音を発生したりする可能性があった。
これに対し、第1実施形態の緩衝器1は、ピストンロッド21に設けられた防振部材213が、メータリングピン31に常時摺接するため、メータリングピン31に生じた振動を減衰させることになる。したがって、メータリングピン31の振動に起因して発生する異音を抑制することができる。
また、防振部材213がメータリングピン31をピストンロッド21に対してセンタリングすることになるため、これらの接触による異音の発生を抑制しつつ可変オリフィス225の最小通路面積をより小さくすることができる。上記した最小長側所定範囲においては、通路面積調整機構227が、ロッド内通路32と下室20との連通を抑制することにより、伸び側の減衰力発生機構104のパイロット室140の圧力をロッド内通路32および通路89を介して連通する上室19と同等に高めて、開弁しにくくすることにより、伸び側減衰力をハードの状態としている。このとき、異音の発生を抑制しつつ可変オリフィス225の最小通路面積をより小さくすることができることから、特にピストン速度が微低速域で、最小長側所定範囲においてパイロット室140の圧力をより高くすることができ、伸び側減衰力をよりハードの状態にすることができる。
第1実施形態の緩衝器1は、ピストンロッド21が最大長側所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される最大長側所定範囲で、伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性と、ピストンロッド21が最小長側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される最小長側所定範囲で、伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性とを、ピストンロッド21の位置によってオリフィス88の通路面積を調整する通路面積調整機構91と、ピストンロッド21の位置によってオリフィス225の通路面積を調整する通路面積調整機構227とで得ることができる。このように、油液が流通するオリフィス88およびオリフィス225の通路面積を調整するため、減衰力を滑らかに変化させることが可能となり、搭載車両の乗り心地が良好になる。
また、設計段階においても、通路面積調整機構91においては、リバウンドスプリング38のバネレートは変えずに開閉ディスク76の特性や中間ディスク78の切欠78Aの面積を変えるのみで反力特性を殆ど変えずに減衰力特性を調整でき、また、通路面積調整機構227においては、メータリングピン31のプロフィールを変えることで、反力特性を変えずに減衰力特性を変えることができる。これにより、設計自由度も高まり、減衰特性のチューニングも容易に行うことができる。
また、上記最大長側特性および最小長側特性が得られることで、バネ上を加振する力を小さく(つまりソフト)し、バネ上を制振する力を大きく(つまりハード)することができ、電子制御なしでスカイフック制御のような上質の乗り心地が得られる。
また、第1実施形態の緩衝器1によれば、摩擦部材24を含む減衰力発生機構312および防振部材213を含む減衰力発生機構346を有するため、微振幅時の動バネ定数の向上と、動摩擦特性の調整が可能となる。具体的には、ピストン速度が微低速であって微振幅の入力時に、減衰力発生機構312および防振部材213を含む減衰力発生機構346が設けられていない場合に比べて、減衰力発生機構312および防振部材213を含む減衰力発生機構346が設けられている場合の方が、最大長側所定範囲での伸び側減衰力がハードの状態になり且つ最小長側所定範囲での縮み側減衰力がハードの状態になる。ここで、位置感応機能を有する緩衝器は、その機能を高めると、操舵入力に対するロール方向の動きおよびピッチ方向の動きが大きくなり、操縦安定性が低下する。つまり、位置感応機能は、加振入力に対してソフトになる機能のため、路面からの外部入力に対しては効果が得られるが、伝達力の応答性が必要な操舵入力も外部からの加振入力のため、ソフトになってしまい、ロール方向の動きおよびピッチ方向の動きが大きくなってしまい、操縦安定性が低下する。操舵時の緩衝器の作動は、ピストン速度が微低速であって微振幅の領域が大半を占め、この領域での減衰力の発生の仕方により、車体の動きが大きく変わる。また、位置感応機能の効果が小さい良路での乗り心地に対しても、ピストン速度が微低速であって微振幅の領域が支配的である。これに対して、本実施形態の緩衝器1によれば、ピストン速度が微低速であって微振幅の領域での伝達力をコントロールするデバイスである摩擦部材24を含む減衰力発生機構312および防振部材213を含む減衰力発生機構346を組み合わせることによって、位置感応機能の課題である、操舵入力に対してロール方向の動きおよびピッチ方向の動きが大きくなってしまうことや、ハンドリングの緩さ、初期応答性の低下といった、操縦安定性を犠牲にすることを生じることなく、乗り心地向上という位置感応機能の効果が十分に得られる。特に微操舵入力に対する車両応答性(ヨー応答性)を向上させることができる。また、乗り心地向上の点では、いわゆるビリザラ感、ブルブル感を低減でき、質感を向上させることができる。
なお、車体に設けられた車輪に取り付けられたタイヤが、パンク発生時も所定距離の走行が可能なランフラットタイヤや、空気圧が240kPa以上の低燃費タイヤである場合に、タイヤの剛性(バネ定数)が高く、バネ下振動が大きくなって乗り心地が悪化傾向となる。摩擦部材24および防振部材213は、周波数が高くなると動バネ力が上がる摩擦特性となっているため、特に、上記したランフラットタイヤや空気圧が240kPa以上の低燃費タイヤを車体に備えた車両に本実施形態の緩衝器1を設け、摩擦部材24および防振部材213によってバネ下共振(15Hz付近)の緩衝器1の伝達力を上げることにより、上記したバネ下制振性を向上させる効果が高い。
ここで、ランフラットタイヤとは、ダイヤのサイドウォール(ショルダー)部分の剛性を強化したタイプや、タイヤ内部に中子を持たせたタイプ等があり、これらに共通して、通常の同じサイズのタイヤ比べ重量が重く、また、タイヤが割けないように剛性が高くなっており、バネ定数が高くなっている。
また、低燃費タイヤとは、転がり抵抗を低めたタイヤで一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)が転がり抵抗係数(RRC)9.0以下(JISD4234,ISO28580)と定義している。このような低燃費タイヤは、転がり抵抗係数を小さくするためにタイヤのバネ定数を高めたり、空気圧を高めるなどしており、結果として、バネ下振動が大きくなって乗り心地が悪化傾向となる。
なお、メータリングピン31の径は上記のように、大径軸部222と小径軸部224との2段階に限られず、3段階以上としても良い。例えば、大径軸部222と小径軸部224との間に大径軸部222よりも小径かつ小径軸部224よりも大径の一定径の中径軸部を設ければ、ピストンロッド21が最大長側所定位置と最小長側所定位置との間の中間所定範囲にあるときに、以下の特性が得られる。
ピストンロッド21が中間所定範囲にあるとき、最小長側所定範囲と同様、通路面積調整機構91が、バネ機構90により押圧せずに開閉ディスク76を当接ディスク79から離間させて通路89の通路面積を最大にしているものの、通路面積調整機構227が、メータリングピン31の中径軸部の軸方向位置に小径穴部323を合わせていてオリフィス225の通路面積を最小長側所定範囲よりも広くする。この中間所定範囲では、パイロット室140およびパイロット室190の圧力は、最小長側所定範囲にあるときよりも下室20の圧力に近くなる。
よって、伸び行程では、パイロット室140の圧力が最小長側所定範囲よりも低くなるため、伸び側の減衰力発生機構104の減衰バルブ147の減衰バルブ本体113および当接ディスク112が受ける差圧が最小長側所定範囲よりも大きくなり、減衰力が最小長側所定範囲にあるときのハードの状態よりは低いが最大長側所定範囲にあるソフトの状態よりは高いミディアムの状態になる。他方、縮み行程では、通路面積調整機構91が、通路89の通路面積を最大にしているため、最小長側所定範囲と同様、減衰力が低く、ソフトの状態となる。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図9および図10に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態では、第1実施形態と一部異なるピストンロッド380が用いられている。第2実施形態のピストンロッド380は、ロッドガイド22、摩擦部材24およびシール部材23に挿通されて外部へと延出されるロッド本体381と、第1実施形態と同様のナット210とからなっている。第2実施形態では、第1実施形態の先端ロッド27は設けられておらず、ロッド本体381に、第1実施形態と同様の防振部材213を含むナット210が螺合されている。なお、図10においても、メータリングピン31を仮想線(二点鎖線)で示し、防振部材213を、メータリングピン31が挿通される前の自然状態で示している(メータリングピン31に食い込んでいるわけではない)。
ロッド本体381の径方向の中央には、軸方向に沿う挿入穴382が、下端側から上端近傍の途中位置まで形成されている。ロッド本体381の挿入穴382と、ナット本体211のメネジ320を除く大径穴部321と小径穴部323と中径穴部322と、防振部材213の内周面と、カバー部材212の小径穴部332とが、ピストンロッド380の径方向中央に形成される挿入穴383を構成している。ピストンロッド380のこの挿入穴383内に、第1実施形態と同様、シリンダ2側に設けられたベースバルブ25に一端側が固定されたメータリングピン31の他端側が挿入され、これら挿入穴383とメータリングピン31との間がロッド内通路384となっている。
ロッド本体381のロッド内通路384を形成する挿入穴382は、上端部から中央部を越えて延在する主穴部401と、下端部のみに形成された、主穴部401よりも小径の小径穴部402とからなっている。ロッド本体381には、上端部から中央部を越えて延在する主軸部404と、主軸部404よりも小径の取付軸部405とが形成されており、取付軸部405の主軸部404とは反対側に、ナット本体211のメネジ320を螺合させるオネジ406が形成されている。主軸部404には、挿入穴382を常時上室19に連通させる連通穴407が径方向に沿って形成されている。連通穴407もロッド内通路384を構成している。
ロッド本体381の取付軸部405には、主軸部404側から順に、規制部材410と、一枚のディスク411と、複数枚のディスク412と、一枚の当接ディスク413と、複数枚のディスク414と、第1実施形態と同様のピストン18と、複数枚のディスク415と、一枚の当接ディスク416と、複数枚のディスク417と、複数枚のディスク418と、一枚のディスク419と、一枚のディスク420と、規制部材421とが設けられている。
規制部材410は、ピストン18のシート部108よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク411は、規制部材410よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク412は、規制部材410よりも大径であってピストン18のシート部108よりも大径の外径を有する有孔円板状をなしている。当接ディスク413は、ディスク412と同径の外径つまりピストン18のシート部108よりも大径の外径を有しシート部108に着座可能な有孔円板状をなしている。当接ディスク413には、外周側にシート部108よりも小径位置まで凹む形状の複数の切欠413Aが形成されている。複数枚のディスク414は、ピストン18のシート部108よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。
複数枚のディスク415は、ピストン18のシート部107よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。当接ディスク416は、ピストン18のシート部107よりも大径の外径を有しシート部107に着座可能な有孔円板状をなしている。当接ディスク416には、外周側にシート部107よりも小径位置まで凹む形状の複数の切欠416Aが形成されている。複数枚のディスク417は、当接ディスク416と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。複数枚のディスク418は、ディスク417と同径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク419は、ディスク418よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。ディスク420は、ディスク419よりも大径の外径を有する有孔円板状をなしている。規制部材421は、ディスク420よりも小径でピストン18のシート部107よりも小径の外径を有する有孔円板状をなしている。
ピストン18のシート部108に設けられた当接ディスク413および複数のディスク412が、縮み側の通路102の油液の流動を規制して減衰力を発生する縮み側の減衰力発生機構430を構成しており、ピストン18のシート部107に設けられた当接ディスク416、ディスク417およびディスク418が、伸び側の通路101の油液の流動を規制して減衰力を発生する伸び側の減衰力発生機構431を構成している。当接ディスク413の切欠413Aは、当接ディスク413がシート部108に当接状態にあっても通路102を上室19に連通させるオリフィス432を形成している。当接ディスク416の切欠416Aは、当接ディスク416がシート部107に当接状態にあっても通路101を下室20に連通させるオリフィス433を形成している。
ロッド本体381の先端のオネジ406には、ナット本体211が内周部に形成されたメネジ320において螺合されている。ナット本体211は、締め付けられると、主軸部404の取付軸部405側の端面との間に、規制部材410とディスク411と複数枚のディスク412と当接ディスク413と複数枚のディスク414とピストン18と複数枚のディスク415と当接ディスク416と複数枚のディスク417と複数枚のディスク418とディスク419とディスク420と規制部材421とを挟持する。
ピストンロッド380の径方向中央に形成される挿入穴383に、第1実施形態と同様のメータリングピン31が挿入されている。そして、ピストンロッド380のシリンダ2内に配置される一端側に位置するロッド本体381の小径穴部402とメータリングピン31との隙間は、ロッド内通路384のうちの下室20と連通する側に配置されたオリフィス(可変オリフィス)435となっている。また、ピストンロッド380のシリンダ2内に配置される一端側に位置するナット210の小径穴部323とメータリングピン31との隙間が、ロッド内通路384のうちの下室20と連通する側に配置された第1実施形態と同様のオリフィス(可変オリフィス)225となっている。さらに、ロッド本体381の先端部と、ナット本体211の大径穴部321の内周面および底面と、メータリングピン31との隙間は、中間室437となっている。つまり、ピストンロッド380のシリンダ2内に配置される一端側には、複数、具体的には2カ所のオリフィス435,225が設けられ、隣り合うオリフィス435,225同士の間に中間室437が設けられている。中間室437は、メータリングピン31の位置により通路面積が変化するオリフィス435,225よりも、通路面積が常に広くなっている。ナット210の小径穴部323の径は、ロッド本体381の小径穴部402の径と同等以上となっており、具体的には、小径穴部402の径よりも若干大径になっている。
オリフィス435,225および中間室437を含むロッド内通路384およびナット210の通路345が、上室19および下室20間を、ピストン18の移動により作動流体が流れるように連通させることになる。
オリフィス435,225は、メータリングピン31の大径軸部222が小径穴部402および小径穴部423と軸方向位置を合わせると通路面積が最も狭くなる。また、オリフィス435,225は、メータリングピン31の小径軸部224が小径穴部402および小径穴部423と軸方向位置を合わせると通路面積が最も広くなる。さらに、オリフィス435,225は、メータリングピン31のテーパ軸部223が小径穴部402および小径穴部423と軸方向位置を合わせると、テーパ軸部223の小径軸部224側ほど通路面積が徐々に広くなるようになっている。
いずれもピストンロッド380のシリンダ2内に配置される一端側を構成するロッド本体381の小径穴部402およびナット210の小径穴部423と、メータリングピン31とが、ピストンロッド21のシリンダ2に対する変位に応じて通路面積が変化可能なオリフィス435,225を形成し、これらオリフィス435,225の通路面積をピストンロッド380のシリンダ2に対する位置により調整する。
ピストンロッド380のストローク位置に対するオリフィス435,225の通路面積は、縮み側の所定位置よりも縮み側では、小径穴部402および小径穴部423と、大径軸部222とが軸方向位置を合わせることになって最小の一定値となり、縮み側の所定位置から伸び側の所定位置までは小径穴部402および小径穴部423と、テーパ軸部223とが軸方向位置を合わせることになって伸び側ほど大きくなり、伸び側の所定位置から伸び側では小径穴部402および小径穴部423と、小径軸部224とが軸方向位置を合わせることになって最大の一定値となる。
これにより、第2実施形態では、ピストンロッド380が伸び側の所定位置よりもシリンダ2の外部へ延出される伸び側所定範囲では、伸び行程において上室19の圧力が上がり下室20の圧力が下がると、上室19の油液が、ピストン18に形成された伸び側の通路101を通り伸び側の減衰力発生機構431を介して下室20に流れるとともにロッド内通路384およびナット210の通路345を介しても下室20に流れる。その際に、伸び側の減衰力発生機構431は、ピストン18の速度が遅ければ、当接ディスク416がシート部107に当接した状態であってオリフィス433を介して油液を流すことになり、ピストン18の速度が速ければ、当接ディスク416がシート部107から離間しこれらの隙間を介して油液を流すことになる。
他方、上記した伸び側所定範囲における縮み行程においては、下室20の圧力が上がり上室19の圧力が下がると、下室20の油液が、ピストン18に形成された縮み側の通路102を通り縮み側の減衰力発生機構430を介して上室19に流れるとともにロッド内通路384およびナット210の通路345を介しても上室19に流れる。その際に、縮み側の減衰力発生機構430は、ピストン18の速度が遅ければ、当接ディスク413がシート部108に当接した状態であってオリフィス432を介して油液を流すことになり、ピストン18の速度が速ければ、当接ディスク413がシート部108から離間しこれらの隙間を介して油液を流すことになる。このように最大長側所定範囲では、ロッド内通路384およびナット210の通路345を介しても油液が流れるため、減衰力がソフトの状態となる。
また、ピストンロッド380が縮み側所定位置よりもシリンダ2の内部へ進入される縮み側所定範囲では、伸び行程において上室19の圧力が上がり下室20の圧力が下がると、上室19の油液が、ピストン18に形成された伸び側の通路101を通り伸び側の減衰力発生機構431を介して下室20に流れる一方、ロッド内通路384およびナット210の通路345を介しての下室20側への流れが規制される。その際にも、伸び側の減衰力発生機構431は、ピストン18の速度が遅ければ、当接ディスク416がシート部107に当接した状態であってオリフィス433を介して油液を流すことになり、ピストン18の速度が速ければ、当接ディスク416がシート部107から離間しこれらの隙間を介して油液を流すことになる。
他方、上記した縮み側所定範囲における縮み行程においては、下室20の圧力が上がり上室19の圧力が下がると、下室20の油液が、ピストン18に形成された縮み側の通路102を通り縮み側の減衰力発生機構430を介して上室19に流れる一方、ロッド内通路384およびナット210の通路345を介しての上室19側への流れが規制される。その際に、縮み側の減衰力発生機構430は、ピストン18の速度が遅ければ、当接ディスク413がシート部108に当接した状態であってオリフィス432を介して油液を流すことになり、ピストン18の速度が速ければ、当接ディスク413がシート部108から離間しこれらの隙間を介して油液を流すことになる。このように縮み側所定範囲では、ロッド内通路384およびナット210の通路345を介する油液の流れが規制されるため、減衰力がハードの状態となる。
第2実施形態においては、ロッド内通路384と下室20との連通を絞る部分に、複数のオリフィス435,225を設け、隣り合う可変オリフィス435,225同士の間に、これら可変オリフィス435,225よりも通路面積が広い中間室437を形成している。これにより、中間室437の圧力が上室19の圧力と下室20の圧力との中間の圧力になり、可変オリフィス435の前後の圧力差が小さくなり、可変オリフィス225の前後の圧力差が小さくなって、圧力差に起因した異音の発生を抑制することになる。したがって、縮み側所定範囲における減衰力をよりハードの状態とすることができる。なお、第1実施形態の可変オリフィス225に対して、第2実施形態と同様に、間に中間室437を形成するようにして可変オリフィス435を直列に設けても良い。
以上に述べた実施形態によれば、作動流体が封入されるシリンダと、一端側が前記シリンダ内に挿入され他端側が該シリンダの外部に延出される中空のピストンロッドと、該ピストンロッドの一端側に連結されて前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、一端側が前記シリンダ側に固定されるとともに他端側が前記ピストンロッド内に挿入されて、該ピストンロッドの前記シリンダに対する変位に応じて変化可能な可変オリフィスを前記ピストンロッドの一端側とで構成するメータリングピンと、を備えた緩衝器において、前記ピストンロッドには、前記メータリングピンに摺接する防振部材が設けられていることを特徴とする。ピストンロッドに設けられた防振部材が、メータリングピンに摺接するため、メータリングピンに生じた振動を減衰させることになる。したがって、メータリングピン振動に起因して発生する異音を抑制することができる。
また、作動流体が封入されるシリンダと、一端側が前記シリンダ内に挿入され他端側が該シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、該ピストンロッドの一端側に連結されて前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、該ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、を備え、前記第2の通路は、中空の前記ピストンロッドと、一端側が前記シリンダ側に固定されるとともに他端側が前記ピストンロッド内に挿入されるメータリングピンとの間に形成されており、前記通路面積調整機構は、前記ピストンロッドの一端側と前記メータリングピンとで構成され前記ピストンロッドの前記シリンダに対する変位に応じて変化可能な可変オリフィスを有し、前記ピストンロッドには、前記メータリングピンに摺接する防振部材が設けられていることを特徴とする。ピストンロッドに設けられた防振部材が、メータリングピンに摺接するため、メータリングピンに生じた振動を減衰させることになる。したがって、メータリングピン振動に起因して発生する異音を抑制することができる。
また、前記防振部材を、前記ピストンロッドの先端に設けたナット内部に形成したことを特徴とする。
また、前記防振部材を弾性体で形成したことを特徴とする。
上記実施形態は、複筒式の油圧緩衝器に本発明を用いた例を示したが、これに限らず、外筒をなくしシリンダ2内の下室20の上室19とは反対側に摺動可能な区画体でガス室を形成するモノチューブ式の油圧緩衝器に用いてもよく、あらゆる緩衝器に用いることができる。勿論、上記したベースバルブ25に本発明を適用することも可能である。また、シリンダ2の外部にシリンダ2内と連通する油通路を設け、この油通路に減衰力発生機構を設ける場合にも適用可能である。
なお、上記実施の形態では、油圧緩衝器を例に示したが、流体として水や空気を用いることもできる。
上記実施形態では、摩擦部材24を備えた構成を示したが、微低速域での減衰力は低下するものの、摩擦部材24を無くしても良い。
1 緩衝器
2 シリンダ
18 ピストン
19 上室
20 下室
21,380 ピストンロッド
31 メータリングピン
32,384 ロッド内通路(第2の通路)
89 通路(第2の通路)
91,227 通路面積調整機構
101,102 通路(第1の通路)
147,197 減衰バルブ
213 防振部材
225,435,436 オリフィス(可変オリフィス)

Claims (4)

  1. 作動流体が封入されるシリンダと、
    一端側が前記シリンダ内に挿入され他端側が該シリンダの外部に延出される中空のピストンロッドと、
    該ピストンロッドの一端側に連結されて前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、
    一端側が前記シリンダ側に固定されるとともに他端側が前記ピストンロッド内に挿入されて、該ピストンロッドの前記シリンダに対する変位に応じて変化可能な可変オリフィスを前記ピストンロッドの一端側とで構成するメータリングピンと、を備えた緩衝器において、
    前記ピストンロッドには、前記メータリングピンに摺接する防振部材が設けられていることを特徴とする緩衝器。
  2. 作動流体が封入されるシリンダと、
    一端側が前記シリンダ内に挿入され他端側が該シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
    該ピストンロッドの一端側に連結されて前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、
    該ピストンの移動により前記2室間を作動流体が流れるように連通する第1の通路および第2の通路と、
    前記第1の通路に設けられ、前記ピストンの移動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰バルブと、
    前記ピストンロッドが最大長側所定位置よりも前記シリンダの外部へ延出される範囲で伸び側減衰力がソフトの状態となり且つ縮み側減衰力がハードの状態となる最大長側特性、および、前記ピストンロッドが最小長側所定位置よりも前記シリンダの内部へ進入される範囲で伸び側減衰力がハードの状態となり且つ縮み側減衰力がソフトの状態となる最小長側特性のうちの少なくともいずれか一方の特性となるよう、前記ピストンロッドの位置により前記第2の通路の通路面積を調整する通路面積調整機構と、を備え、
    前記第2の通路は、中空の前記ピストンロッドと、一端側が前記シリンダ側に固定されるとともに他端側が前記ピストンロッド内に挿入されるメータリングピンとの間に形成されており、
    前記通路面積調整機構は、前記ピストンロッドの一端側と前記メータリングピンとで構成され前記ピストンロッドの前記シリンダに対する変位に応じて変化可能な可変オリフィスを有し、
    前記ピストンロッドには、前記メータリングピンに摺接する防振部材が設けられていることを特徴とする緩衝器。
  3. 前記防振部材を、前記ピストンロッドの先端に設けたナット内部に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. 前記防振部材を弾性体で形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
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