JP7433572B1 - 数値制御装置および数値制御方法 - Google Patents

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Abstract

第1の発明では、振動切削を実行可能な振動周波数と主軸回転速度との組み合わせを含む複数の振動切削条件を取得する取得部と、指令された振動切削の振動周波数および指令主軸回転速度に基づき、取得された複数の振動切削条件のそれぞれに含まれる主軸回転速度のうちの1つを切削指令毎に選択する主軸回転速度選択部と、を備え、主軸回転速度選択部は、選択した主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度の平均値に近づくように主軸回転速度を選択する、数値制御装置が提供される。第2の発明では、振動切削のための振動切削波形を生成する波形生成部と、主軸の回転位相に合わせて切削指令毎に振動切削が実行されるように、振動切削波形の開始位置を決定する主軸基準位相計算部と、を備える、数値制御装置が提供される。

Description

本開示は、切削加工を行う工作機械を制御する数値制御装置および数値制御方法に関する。
切削加工を行う工作機械は、ワークに工具を接触させながら工具およびワークの相対運動を行わせることで、ワークを切削する。ワークの表面を削る切削加工では、工具を低周波で振動させながら切削を行う振動切削が行われることがある。振動切削では、工具の振動周期と主軸の回転速度とを同期させる。振動切削によると、工具によるワークの切削を中断させる区間を工具の移動経路に生じさせることで、切り屑を分断しながらワークを切削することが可能となる。切り屑が短く分断されることによって、ワークまたは工具に切り屑が絡みつくことによる加工精度の低下を防止することができる。また、切り屑が短く分断されることによって、切り屑がワークに接触することによるワークの傷付きを低減できる。
特許文献1には、振動切削の振動周波数と主軸回転速度との組み合わせを含んだ振動条件を複数準備しておき、振動切削を開始する際に、振動切削の振動周波数が振動切削の振動周波数としては設定することができない周波数領域を示す無効周波数領域を避けるように、指令された主軸回転速度に最も近い主軸回転速度が含まれる振動条件を選択し、選択した振動条件に基づいて、振動切削の制御を行う数値制御装置が開示されている。
特許第5901871号公報
上記のように、振動切削を実行する場合において、加工プログラムにより指令された主軸回転速度とは異なる主軸回転速度で加工を行う場合、指令された主軸回転速度と実際に工作機械に対して設定される主軸回転速度との差が大きくなると、オペレータが加工プログラムを作成する際に想定した加工時間と実際の加工時間との差も大きくなる。特に、指令主軸回転速度よりも小さい主軸回転速度となる振動条件を選択して加工を行う場合には加工時間が延びることになるため、生産管理や生産効率の観点から、加工時間の短縮化の実現が望まれる。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、振動切削加工における効率改善を実現可能な数値制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示は、振動切削を工作機械に実行させる数値制御装置であって、振動切削を実行するための振動切削波形を生成する波形生成部と、振動切削時の1振動あたりの送り軸の移動量、振動切削時の1振動あたりの送り軸の前進量、および、振動切削時の1振動あたりの送り軸の後退量に基づいて、振動切削開始時の主軸の回転位相と振幅一定の定常振幅の振動切削を開始する時点の主軸の回転位相との差である基準位相差を算出し、算出した基準位相差に基づいて、主軸の回転位相に合わせて切削指令毎に振動切削が実行されるように、振動切削波形の開始位置を決定する主軸基準位相計算部と、を備えることを特徴とする。
本開示にかかる数値制御装置は、指令された主軸回転速度と実際に工作機械に設定される主軸回転速度との差を考慮して振動切削を実行することで、振動切削加工における効率改善を実現できる、という効果を奏する。
実施の形態1にかかる数値制御装置の構成例を示す図 実施の形態1にかかる数値制御装置が振動切削加工の制御を行う際に使用可能な振動切削条件のリストの一例を示す図 実施の形態1にかかる数値制御装置が工作機械に振動切削を実行させる制御動作の一例を示すフローチャート 実施の形態2にかかる数値制御装置の構成例を示す図 実施の形態2にかかる数値制御装置の制御演算部において算出する基準位相差と後退開始位置との関係を示す図 実施の形態2にかかる数値制御装置の制御演算部が基準位相差の算出および後退開始位置の決定を行う動作の一例を示すフローチャート 実施の形態3にかかる数値制御装置の構成例を示す図 実施の形態3にかかる数値制御装置の制御演算部において算出する基準位相差と後退開始位置との関係を示す図 実施の形態3にかかる数値制御装置の制御演算部が基準位相差の算出および後退開始位置の決定を行う動作の一例を示すフローチャート 実施の形態4にかかる数値制御装置の構成例を示す図 実施の形態4にかかる数値制御装置の主軸回転速度選択部の動作の一例を示すフローチャート 実施の形態4にかかる数値制御装置が振動切削加工の制御を行う際に使用可能な振動切削条件のリストの一例を示す図 実施の形態4にかかる数値制御装置が工作機械に振動切削を実行させる制御動作の一例を示すフローチャート 実施の形態1にかかる数値制御装置が備える制御演算部のハードウェア構成例を示す図
以下に、本開示の実施の形態にかかる数値制御装置および数値制御方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる数値制御装置1の構成例を示す図である。数値制御(Numerical Control:NC)装置1は、切削加工を行う工作機械を制御するコンピュータである。数値制御装置1による制御の対象である工作機械は、振動切削を含む加工を行う。工作機械は、駆動機構により被駆動体を振動させることによる振動切削を行う。
数値制御装置1は、入力操作部2、出力部3、および制御演算部4を備える。図1には、数値制御装置1と、工作機械の構成要素である駆動部7とを示す。駆動部7は、制御演算部4に接続されている。数値制御装置1は、加工プログラムに従って各種指令を生成する。数値制御装置1は、生成された各種指令を駆動部7へ出力することによって、工作機械を制御する。なお、駆動部7は、工作機械とは独立した要素であってもよい。
工作機械は、NC工作機械である。工作機械は、ワークに工具を接触させながら工具およびワークの相対運動を行わせることで、ワークを切削する。工作機械は、切削によりワークから不要な部分を除去することによって、ワークを目的の形状へ加工する。実施の形態1において、工作機械は、1軸以上の駆動軸によって工具とワークとを相対的に移動させながら、工具を用いてワークを加工する。実施の形態1において、工作機械は、例えば、駆動部7によりワークを回転させながら駆動部7によりX軸方向とZ軸方向との2方向へ工具を移動させることによって、ワークを加工する。X軸は、例えば鉛直方向の軸である。Z軸は、例えば水平面に平行な軸である。X軸とZ軸とは、互いに垂直である。なお、X軸は鉛直方向の軸に限られず、Z軸は水平面に平行な軸に限られないものとする。X軸およびZ軸は、工作機械の構成に合わせて適宜設定可能である。
駆動部7は、サーボモータ71x、検出器72x、およびサーボ制御部73xを備える。サーボモータ71xは、X軸駆動機構を構成する。X軸駆動機構は、ワークを切削する工具またはワークをX軸方向へ駆動する駆動機構である。実施の形態1では、X軸駆動機構は、工具をX軸方向へ駆動する駆動機構とする。サーボモータ71xは、X軸駆動機構の動力源である。検出器72xは、サーボモータ71xの回転位置とサーボモータ71xの回転速度とを検出する。検出器72xは、サーボモータ71xの回転位置を示す位置情報とサーボモータ71xの回転速度を示す速度情報とをサーボ制御部73xへ出力する。
数値制御装置1は、工具をX軸方向へ駆動するための指令をサーボ制御部73xへ出力する。サーボ制御部73xは、数値制御装置1からの指令と、検出器72xからの位置情報および速度情報とに基づいて、サーボモータ71xのフィードバック(FeedBack:FB)制御を行う。駆動部7は、サーボモータ71xのFB制御により、X軸方向に工具を動作させる。また、駆動部7は、振動切削の際に検出器72xにより検出された位置情報を数値制御装置1へ出力することにより、X軸方向についての振動移動量を示す情報を数値制御装置1へ出力する。振動移動量は、振動切削におけるワークに対する工具の移動量である。以下、駆動部7から数値制御装置1へ出力される振動移動量の情報を、FB振動移動量と称する。すなわち、駆動部7は、X軸方向についてのFB振動移動量を数値制御装置1へ出力する。
また、駆動部7は、サーボモータ71z、検出器72z、およびサーボ制御部73zを備える。サーボモータ71zは、Z軸駆動機構を構成する。Z軸駆動機構は、ワークを切削する工具またはワークをZ軸方向へ駆動する駆動機構である。実施の形態1では、Z軸駆動機構は、工具をZ軸方向へ駆動する駆動機構とする。サーボモータ71zは、Z軸駆動機構の動力源である。検出器72zは、サーボモータ71zの回転位置とサーボモータ71zの回転速度とを検出する。検出器72zは、サーボモータ71zの回転位置を示す位置情報とサーボモータ71zの回転速度を示す速度情報とをサーボ制御部73zへ出力する。
数値制御装置1は、工具をZ軸方向へ駆動するための指令をサーボ制御部73zへ出力する。サーボ制御部73zは、数値制御装置1からの指令と、検出器72zからの位置情報および速度情報とに基づいて、サーボモータ71zのFB制御を行う。駆動部7は、サーボモータ71zのFB制御により、Z軸方向に工具を動作させる。また、駆動部7は、振動切削の際に検出器72zにより検出された位置情報を数値制御装置1へ出力することにより、Z軸方向についてのFB振動移動量を数値制御装置1へ出力する。
工作機械は、1つまたは2つ以上の刃物台を備える。駆動機構は、刃物台および工具を駆動する。刃物台および工具は、駆動機構により駆動される被駆動体である。工具は、刃物台に取り付けられている。駆動部7には、刃物台ごとに、サーボモータ71x,71z、検出器72x,72z、およびサーボ制御部73x,73zの組が備えられる。
また、駆動部7は、主軸モータ71s、検出器72s、および主軸制御部73sを備える。主軸モータ71sは、主軸を回転させる。主軸は、ワークを回転させる軸である。検出器72sは、主軸モータ71sの回転位置と主軸モータ71sの回転速度とを検出する。検出器72sは、主軸モータ71sの回転位置を示す位置情報と主軸モータ71sの回転速度を示す速度情報とを主軸制御部73sへ出力する。
数値制御装置1は、主軸を回転させるための指令を主軸制御部73sへ出力する。主軸制御部73sは、数値制御装置1からの指令と、検出器72sからの位置情報および速度情報とに基づいて、主軸モータ71sのFB制御を行う。駆動部7は、主軸モータ71sのFB制御により、ワークを回転動作させる。
工作機械は、1つのワークを加工するものでも、2つ以上のワークを同時に加工するものでもよい。工作機械が2つ以上のワークを同時に加工するものである場合、駆動部7には、主軸モータ71s、検出器72s、および主軸制御部73sの組が2つ以上備えられる。工作機械が2つ以上のワークを同時に加工するものである場合、工作機械には、例えば、2つ以上の刃物台が備えられる。
入力操作部2は、制御演算部4に情報を入力する入力手段である。入力操作部2は、例えば、キーボード、タッチパネル、ボタン、またはマウスといった機器を備える。入力操作部2は、例えば、工作機械のオペレータ、または工作機械の保守員によって操作される。入力操作部2は、コマンド、加工プログラム番号、または、振動切削に関連するパラメータといった情報を受け付け、受け付けた情報を制御演算部4へ入力する。加工プログラム番号は、後述する記憶部43の加工プログラム記憶エリア432に格納される加工プログラムの中のいずれか1つの加工プログラムを示す情報である。
出力部3は、制御演算部4によって処理された情報を出力する出力手段である。出力部3は、例えば、液晶表示装置などの表示手段を備える。出力部3は、制御演算部4によって処理された情報を画面に表示する。なお、出力部3は、表示手段を備えるものに限られない。出力部3は、スピーカ等の音声デバイスを備えるものでもよい。また、出力部3は、数値制御装置1の外部の装置へ情報を出力するものであってもよい。例えば、数値制御装置1がネットワークに接続され、ネットワークに接続された表示装置、または、ネットワークに接続されたコンピュータへ、出力部3がネットワークを介して情報を送信することとしてもよい。
制御演算部4は、入力制御部41、データ設定部42、記憶部43、出力制御部44、解析処理部45、制御信号処理部46、PLC(Programmable Logic Controller)回
路部47、補間処理部48、加減速処理部49、および軸データ入出力部50を備える。図1に示す構成では制御演算部4の内部にPLC回路部47が配置されることとしたが、制御演算部4の外部にPLC回路部47が配置されてもよい。
入力制御部41は、入力操作部2から入力される情報を受け付けて、受け付けた情報をデータ設定部42へ出力する。データ設定部42は、入力制御部41からの情報を記憶部43に記憶させる。すなわち、入力操作部2が受け付けた入力情報は、入力制御部41およびデータ設定部42を介して記憶部43に書き込まれる。
記憶部43は、不揮発性メモリまたはハードディスクといった、データを保存する装置である。記憶部43は、パラメータ記憶エリア431、加工プログラム記憶エリア432、表示データ記憶エリア433、および共有エリア434を備える。
パラメータ記憶エリア431には、制御演算部4の処理に使用される各種パラメータが格納される。具体的には、パラメータ記憶エリア431には、数値制御装置1を動作させるための制御パラメータ、サーボパラメータ、工具データ、および振動切削に関するパラメータなどが格納される。図2、図12に示す主軸1回転あたりの振動回数(回)、主軸回転速度(r/min)、振動周波数(Hz)は、制御演算部4が振動切削を実行できる条件(切り屑が分断できる条件)を予め計算して、振動切削条件としてパラメータエリア431に保管しておく。振動切削を実行できる条件はオペレータが計算する。オペレータが計算した条件は、振動切削条件を取得する取得部として動作する入力制御41によって取得され、データ設定部42によりパラメータ記憶エリア431に書き込まれる。
加工プログラム記憶エリア432には、ワークの加工に用いられるNCプログラムである加工プログラムが格納される。加工プログラム記憶エリア432に格納される加工プログラムは、1以上のブロックを含む。なお、実施の形態1では、加工プログラムは、工具を移動させる指令である移動指令、主軸を回転させる指令である回転指令、および、工具を振動させる指令である振動指令、といった各種指令を含む。回転指令には主軸の回転速度を指令するパラメータが含まれる。振動指令には、工具の振動に関するパラメータが含まれる。工具の振動に関するパラメータの例は、振幅、振動回数などである。振動回数は、例えば、主軸1回転あたりの振動回数である。
表示データ記憶エリア433には、出力部3により表示される画面のデータである画面表示データが格納される。
共有エリア434には、制御演算部4が各処理を実行する際に一時的に使用するデータが格納される。例えば、入力操作部2が受け付けた加工プログラム番号は、入力制御部41およびデータ設定部42を介して記憶部43の共有エリア434に書き込まれる。
出力制御部44は、記憶部43の表示データ記憶エリア433に格納された画面表示データを出力部3に表示させる。
制御演算部4では、解析処理部45、制御信号処理部46、および補間処理部48が、記憶部43を介して互いに接続されており、記憶部43を介して情報の書き込みおよび情報の読み出しが行われる。以下、解析処理部45、制御信号処理部46、および補間処理部48の間の情報の書き込みおよび読み出しに関し、記憶部43が介されることについての説明を省略する場合がある。
解析処理部45は、記憶部43に接続されている。解析処理部45は、共有エリア434に書き込まれた加工プログラム番号を参照する。解析処理部45は、入力操作部2が選択を受け付け、共有エリア434に書き込まれた加工プログラム番号を参照すると、選択された加工プログラム番号に示される加工プログラムを加工プログラム記憶エリア432内から読み出し、加工プログラムの各ブロック、すなわち加工プログラムの各行について解析処理を行う。解析処理部45は、主軸モータ71sの回転速度の指令であるSコード、工具の移動である軸移動等に関する指令であるGコード、および、機械動作指令であるMコードといった各種コードを解析する。解析処理部45は、加工プログラムの各行の解析処理を終えると、各種コードの解析結果を共有エリア434に書き込む。
解析処理部45は、加工プログラムにSコードが含まれている場合、加工プログラムに含まれているSコードを解析することによって、主軸の回転速度を取得する。解析処理部45は、取得した回転速度を共有エリア434に書き込む。
解析処理部45は、加工プログラムにGコードが含まれている場合、加工プログラムに含まれているGコードを解析することによって、工具送りの条件である移動条件を取得する。かかる移動条件は、X軸方向およびZ軸方向の各々についての刃物台を移動させる速度、ならびに、X軸方向およびZ軸方向の各々についての刃物台の移動先の位置等が含まれる。解析処理部45は、取得した移動条件を共有エリア434に書き込む。
また、解析処理部45は、振動切削についてのGコードが加工プログラムに含まれている場合、加工プログラムに含まれているGコードを解析することによって、振動切削における振動についての条件である振動条件を取得する。振動条件には、例えば、主軸1回転あたりの振動回数と、振幅送り比率とが含まれる。主軸1回転あたりの振動回数は、例えば、振動切削中に主軸が1回転する間の工具の振動回数である。振幅送り比率とは、振動の振幅量と振動1回あたりの工具の移動量との比率である。解析処理部45は、取得した振動条件を共有エリア434に書き込む。
制御信号処理部46は、PLC回路部47に接続されており、PLC回路部47から、工作機械を動作させるリレーなどの信号情報を受け付ける。制御信号処理部46は、受け付けた信号情報を共有エリア434に書き込む。
補間処理部48は、記憶部43および加減速処理部49に接続されている。補間処理部48は、移動条件および振動条件が共有エリア434に書き込まれると、共有エリア434から移動条件および振動条件を読み出す。補間処理部48は、読み出した移動条件および振動条件に基づいて、X軸方向への振動移動量の指令であるX軸指令振動移動量と、Z軸方向への振動移動量の指令であるZ軸指令振動移動量とを生成する。以下、X軸指令振動移動量とZ軸指令振動移動量とを総称して、指令振動移動量とも記載する。補間処理部48は、生成した指令振動移動量を共有エリア434に書き込むとともに、生成した指令振動移動量を加減速処理部49へ出力する。
加減速処理部49は、補間処理部48および軸データ入出力部50に接続されている。加減速処理部49は、補間処理部48から指令振動移動量を取得し、指令振動移動量を、予め指定された加減速パターンに従って加減速が考慮された単位時間あたりの移動指令へ変換する。加減速処理部49は、単位時間あたりの移動指令を軸データ入出力部50へ出力する。
軸データ入出力部50は、加減速処理部49および駆動部7に接続されている。軸データ入出力部50は、加減速処理部49から単位時間あたりの移動指令を取得し、単位時間あたりの移動指令を駆動部7へ出力する。また、軸データ入出力部50は、駆動部7からFB振動移動量を取得し、FB振動移動量を加減速処理部49へ出力する。加減速処理部49は、軸データ入出力部50からFB振動移動量を取得すると、取得したFB振動移動量を補間処理部48へ出力する。
補間処理部48は、主軸回転速度選択部481、波形生成部482および振動移動量生成部483を備える。
主軸回転速度選択部481は、振動切削を行う際の主軸の回転速度を選択する。主軸回転速度選択部481は、振動切削に関するパラメータとしてパラメータ記憶エリア431に格納されている複数の主軸回転速度の候補の中の1つを選択する。主軸回転速度選択部481は、記憶部43の共有エリア434を介して、解析処理部45がSコードを解析して得られた主軸の回転速度を取得し、取得した主軸の回転速度に基づいて、主軸回転速度の候補の中の1つを選択し、これを振動切削時の主軸回転速度とする。
波形生成部482は、工具を振動させる際の基本波形を生成する。具体的には、波形生成部482は、記憶部43の共有エリア434を介して解析処理部45から振動条件を取得し、取得した振動条件と、主軸回転速度選択部481で選択された振動切削時の主軸回転速度とに基づいて、振動の基本波形である振動波形を生成する。
振動移動量生成部483は、波形生成部482により生成された振動波形と、工具の移動経路とに基づいて、例えばZ軸方向の振動移動量を求める。具体的には、振動移動量生成部483は、振動前進位置と振動後退位置とを振動ごとに求めることによって、Z軸の振動移動量を生成する。振動前進位置は、工具の移動経路上の位置から、振動波形に示される振幅に相当する距離だけ前進した位置である。振動後退位置は、工具の移動経路上の位置から、振動波形に示される振幅に相当する距離だけ後退した位置である。振動移動量生成部483は、X軸方向の振動移動量についても同様に求める。振動移動量生成部483は、Z軸方向およびX軸方向それぞれの振動移動量を求めることによって、Z軸方向およびX軸方向それぞれの指令振動移動量を生成する。
振動移動量生成部483によって生成された指令振動移動量は、加減速処理部49および軸データ入出力部50を介して駆動部7へ送られる。駆動部7は、振動移動量生成部483から送られた指令振動移動量に基づいて振動切削を実行する。駆動部7は、Z軸指令振動移動量に基づいてサーボモータ71zを制御し、X軸指令振動移動量に基づいてサーボモータ71xを制御することによって工具を振動させ、工作機械に振動切削を実行させる。
つづいて、実施の形態1にかかる数値制御装置1が工作機械を制御して振動切削加工を行う動作について、説明する。
図2は、実施の形態1にかかる数値制御装置1が振動切削加工の制御を行う際に使用可能な振動切削条件のリストの一例を示す図である。振動切削条件のリストに含まれる各振動切削条件は、数値制御装置1の内部の処理周期がある周期の時に選択され、工作機械の制御で使用される。数値制御装置1の内部の処理周期は制御周期とも称される。以下の説明では数値制御装置1の内部の処理周期を制御周期と記載する。
振動切削条件は、主軸1回転あたりの振動回数(回)と、主軸回転速度(r/min)と、振動周波数(Hz)との組み合わせを含む。なお、振動周波数とは、振動切削における工具の振動周波数である。振動周波数は、主軸1回転あたりの振動回数および主軸回転速度から一意に定まる。図2は説明しやすくするために、主軸回転速度が高い方(この例では4000r/min)から順に低い方に並べて各振動切削条件を記載している。図2に示すように、振動切削条件に含まれる主軸回転速度および振動周波数は連続的ではなく、離散的になっている。
図2に示す振動切削条件のリストは、数値制御装置1の記憶部43に含まれるパラメータ記憶エリア431に予め格納されている。
実施の形態1にかかる数値制御装置1は、振動切削加工の制御において、図2に示す振動切削条件リストに含まれる振動切削条件の1つに従って、工具を振動させるとともに主軸を回転させる。振動切削条件リストから振動切削条件を選択する方法については後述する。すなわち、実施の形態1にかかる数値制御装置1は、後述する方法で、振動切削条件のリストに含まれる振動切削条件の1つを選択し、選択した振動切削条件に含まれる主軸回転速度となるように主軸の回転速度を制御し、また、選択した振動切削条件に含まれる振動周波数となるように工具の振動を制御する。なお、実施の形態1にかかる数値制御装置1は、例えば、加工プログラムの切削指令毎に振動切削を実行するものとする。
数値制御装置1による工作機械の制御動作では、まず、解析処理部45が、記憶部43の加工プログラム記憶エリア432から加工プログラムを読み出して加工プログラムをブロックごとに解析し、解析結果を共有エリア434に書き込む。
次に、補間処理部48が、解析処理部45による加工プログラムの解析結果を確認し、主軸の回転を指令する回転指令と工具の振動を指令する振動指令とが解析された場合、回転指令が指令する主軸回転速度である指令主軸回転速度と、振動指令が指令する主軸1回転あたりの振動回数である指令振動回数とに基づいて、振動切削条件リストの中から主軸回転速度を選択する。すなわち、振動切削条件の1つを選択する。具体的には、主軸回転速度選択部481が、主軸1回転あたりの振動回数が指令振動回数と同じ振動切削条件の1つを、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度に近づくように、切削指令毎に選択する。なお、指令主軸回転速度は、切削指令毎に変更される場合がある。この場合、主軸回転速度選択部481は、振動切削条件リストの中から選択した主軸回転速度の平均値が指令された主軸回転速度の平均値に近づくように、切削指令毎に振動切削が実行される際の主軸回転速度を選択してもよい。
一例として、振動切削条件リストが図2に示す構成であり、指令主軸回転速度が3700r/min、指令振動回数が0.5回の状態が複数の切削指令(振動切削)にわたって継続する場合の動作を説明する。主軸回転速度選択部481は、図2に示すように、(A)3700r/minが指令された後の最初の切削指令(振動切削)では、1回目主軸回転速度として(B)3750r/minとなる振動切削条件を選択する。主軸回転速度選択部481は、次の切削指令(振動切削)では、2回目主軸回転速度として(C)3636r/minとなる振動切削条件を選択する。また、主軸回転速度選択部481は、次の切削指令(振動切削)では、3回目主軸回転速度として(D)4000r/minとなる振動切削条件を選択する。さらに、主軸回転速度選択部481は、次の切削指令(振動切削)では、4回目主軸回転速度として(E)3529r/minとなる振動切削条件を選択する。この場合、4回目主軸回転速度を選択した時点の主軸回転速度の平均値は3728r/minとなり指令主軸回転速度3700r/minに近づく。切削指令(振動切削)がさらに継続する場合、主軸回転速度選択部481は、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度3700r/minに近づくように、主軸回転側速度の選択を切削指令(振動切削)ごとに繰り返す。
図3は、実施の形態1にかかる数値制御装置1が工作機械に振動切削を実行させる制御動作の一例を示すフローチャートである。数値制御装置1は、図3に示すフローチャートに従った動作を切削指令(振動切削)ごとに実行する。
数値制御装置1は、工作機械に振動切削を実行させる場合、図3に示すように、まず、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度以下か否かを確認する(ステップS1)。このステップS1での確認動作は主軸回転速度選択部481が行う。主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度以下ではない、すなわち、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度よりも大きい場合(ステップS1:No)、数値制御装置1は、指令主軸回転速度より低い主軸回転速度で振動切削を実行するよう駆動部7を制御する(ステップS2)。ステップS2の動作は、具体的には、まず、主軸回転速度選択部481が、主軸1回転あたりの振動回数が指令振動回数と一致する振動切削条件の中から、指令主軸回転速度より低い主軸回転速度が含まれる振動切削条件を選択する。主軸回転速度選択部481は、指令主軸回転速度より低い主軸回転速度が含まれる振動切削条件が複数存在する場合、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度により近づく振動切削条件を選択する。次に、波形生成部482が、主軸回転速度選択部481で選択された振動切削条件に含まれる主軸回転速度と、解析処理部45が加工プログラムを解析して得られた振動条件とに基づいて振動波形を生成する。そして、振動移動量生成部483が、振動波形および工具の移動経路に基づいて指令振動移動量を生成する。次に、加減速処理部49が、指令振動移動量に基づいて単位時間あたりの移動指令を生成し、軸データ入出力部50を介して単位時間あたりの移動指令を駆動部7に出力する。
これに対して、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度以下の場合(ステップS1:Yes)、数値制御装置1は、指令主軸回転速度より高い主軸回転速度で振動切削を実行するよう駆動部7を制御する(ステップS3)。具体的には、まず、主軸回転速度選択部481が、主軸1回転あたりの振動回数が指令振動回数と一致する振動切削条件の中から、指令主軸回転速度より高い主軸回転速度が含まれる振動切削条件を選択する。主軸回転速度選択部481は、指令主軸回転速度より高い主軸回転速度が含まれる振動切削条件が複数存在する場合、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度により近づく振動切削条件を選択する。主軸回転速度選択部481が振動切削条件を選択した後の波形生成部482、振動移動量生成部483および加減速処理部49の動作は、上記のステップS2と同様である。
以上の図3に示すフローチャートに従った動作を数値制御装置1が繰り返し実行することで、図2で(B)~(E)として示したような主軸回転速度の選択が行われることになり、振動切削中の主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度に近づく。
なお、振動切削動作の開始後に実行する初回のステップS1では、指令主軸回転速度を主軸回転速度の平均値として使用する。これにより、初回の動作ではステップS1に続いてステップS3が実行され、指令主軸回転速度より高い主軸回転速度で振動切削を実行するよう駆動部7を制御することになるので、オペレータが加工プログラムを作成する際に想定した加工時間よりも実際の加工時間が長くなってしまう影響を低減することができる。すなわち、主軸回転速度について、加工プログラム作成時にオペレータが意図した指令主軸回転速度とのギャップを一定範囲に抑えることができる。
以上説明したように、実施の形態1にかかる数値制御装置1は、制御対象の工作機械に振動切削を実行させる場合、すなわち、工具の振動を指令する振動指令に従って動作する場合、予め定められた、振動周波数と主軸回転速度との組み合わせを含む複数の振動切削条件の1つを切削指令(振動切削)ごとに選択し、選択した振動切削条件に含まれる主軸回転速度で主軸を回転させる。このとき、数値制御装置1は、主軸回転速度の平均値が回転指令によって指令された主軸回転速度である指令主軸回転速度に近づくように、振動切削条件を選択する。これにより、振動切削の影響で、オペレータが加工プログラムを作成する際に想定した加工時間と実際の加工時間との差が大きくなるのを最小限に抑え、振動切削加工における効率改善を実現できる。
実施の形態2.
実施の形態2では、主軸の回転位相に合わせて切削指令毎に振動切削が実行されるように、振動切削波形の開始位置を決定することで、指令された主軸回転速度に同期した振動切削が実行される場合について説明する。
図4は、実施の形態2にかかる数値制御装置1aの構成例を示す図である。図4では、図1に示した実施の形態1にかかる数値制御装置1と共通の構成要素に同一の符号を付している。本実施の形態では、数値制御装置1と同一の符号が付されている構成要素については説明を省略する。
実施の形態2にかかる数値制御装置1aは、入力操作部2、出力部3、および制御演算部4aを備える。
制御演算部4aは、入力制御部41、データ設定部42、記憶部43、出力制御部44、解析処理部45、制御信号処理部46、PLC回路部47、補間処理部48a、加減速処理部49、および軸データ入出力部50を備える。
補間処理部48aは、波形生成部482、振動移動量生成部483a、主軸基準位相計算部484、および後退開始位置決定部485を備える。
振動移動量生成部483aは、波形生成部482により生成された振動波形と、工具の移動経路と、後述する後退開始位置決定部485で生成される後退開始位置の情報とに基づいて、Z軸方向およびX軸方向それぞれの指令振動移動量を生成する。
主軸基準位相計算部484は、振動切削開始において、後退開始位置を特定するための基準位相差を算出する。
後退開始位置決定部485は、主軸基準位相計算部484で算出された基準位相差に基づいて後退開始位置を決定して後退開始位置の情報を生成する。
制御演算部4aにおいて主軸基準位相計算部484が算出する基準位相差、および後退開始位置決定部485が決定する後退開始位置について、図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態2にかかる数値制御装置1aの制御演算部4aにおいて算出する基準位相差と後退開始位置との関係を示す図である。図5では、振動移動量生成部483aが生成する指令振動移動量によって示される波形である振動切削波形を用いて基準位相差と後退開始位置との関係を示している。図5において、縦の破線は主軸1回転あたりの振動回数(回)が0.5の場合の主軸1回転を示す。図5に示す例では、工具が1回振動する間に主軸が2回転する。すなわち、工具が前進している間に主軸が1回転し、工具が後退している間に主軸が1回転する。このように、図5では、振動切削波形において、主軸の回転位相に合わせて前進から後退に切り替わる位置、および、後退から前進に切り替わる位置が設定されている。
本実施の形態では、図5の振動切削波形で示すように、振動切削における送り軸に関して、(1)1振動あたりの移動量、(2)後退量、および(3)前進量を定義する。図5に示すように、「(3)前進量=(2)後退量+(1)1振動あたりの移動量」の関係が成り立つ。この関係を用いて、主軸基準位相計算部484が図5に示す(5)基準位相差を算出し、後退開始位置決定部485が図5に示す(6)後退開始位置を決定する。(6)後退開始位置は、振動切削を開始後、振動の中心点が後退を開始する位置を示す。ここで、(1)1振動あたりの移動量は、工具の前進中および後退中のそれぞれにおける送り軸の移動量であり、例えば、工具が前進する時間と後退する時間とが同じ場合、移動量の1/2は工具の前進中に発生し、残り1/2は工具の後退中に発生する。この場合、図5に示す(4)振幅は、(1)1振動あたりの移動量の1/2を(2)後退量に加算するか、(1)1振動あたりの移動量の1/2を(3)前進量から減算することで求まる。また、(2)後退量は、1振動あたりの送り軸の後退量、(3)前進量は、1振動あたりの送り軸の前進量である。図5において、前進位置と記載した実線の直線は、振動前進位置の移動経路を示し、後退位置と記載した破線の直線は、振動後退位置の移動経路を示している。
図6は、実施の形態2にかかる数値制御装置1aの制御演算部4aが基準位相差の算出および後退開始位置の決定を行う動作の一例を示すフローチャートである。数値制御装置1aの制御演算部4aは、振動切削を開始する場合に、図6に示すフローチャートに従った動作を実行する。振動切削を開始する場合とは、解析処理部45が加工プログラムを解析して振動切削の開始を示す指令を検出し、この指令に従って補間処理部48aが指令振動移動量を生成する場合を意味する。
制御演算部4aが指令振動移動量を生成する場合、まず、主軸基準位相計算部484が、1振動あたりの移動量を算出する(ステップS11)。具体的には、主軸基準位相計算部484は、解析処理部45による工具の時間あたりの移動量と振動切削指令に含まれる振動条件の1つである主軸1回転あたりの振動回数などの解析結果に基づいて、図5に示す(1)1振動あたりの移動量を算出する。
次に、主軸基準位相計算部484が、振動の後退量を算出する(ステップS12)。具体的には、主軸基準位相計算部484は、前述の工具の時間あたりの移動量と前述の振幅送り比率から図5に示す(2)後退量を算出する。
次に、主軸基準位相計算部484が、1振動あたりの移動量および振動の後退量に基づき振動の前進量を算出する(ステップS13)。具体的には、主軸基準位相計算部484は、ステップS11で算出した1振動あたりの移動量と、ステップS12で算出した振動の後退量とに基づいて、図5に示す(3)前進量を算出する。
次に、主軸基準位相計算部484が、1振動あたりの移動量および振動の前進量に基づき振幅を算出する(ステップS14)。具体的には、主軸基準位相計算部484は、ステップS11で算出した1振動あたりの移動量と、ステップS13で算出した振動の前進量とに基づいて、図5に示す(4)振幅を算出する。
次に、主軸基準位相計算部484が、振幅および1回転あたりの送り移動量に基づき主軸の基準位相差を算出する(ステップS15)。1回転あたりの送り移動量とは、主軸が1回転する間の送り軸の移動量である。ここで、振動切削開始位置から、例えば、図5に示される主軸回転位置の振動切削開始時の初期位置から主軸の基準位相差だけ離れた位置から、振幅が一定となる定常振動の振動切削を開始することで、主軸の回転位相に合わせた振動切削を実行することが可能となる。すなわち、主軸基準位相計算部484は、主軸の回転位相に合わせて切削指令毎に振動切削が実行されるように、振動切削波形の開始位置を決定する。このとき、決定される振動切削開始位置は、例えば、図5に示されるように、後退開始位置であってもよいし、前進位置の移動が開始される初期位置であってもよい。
次に、後退開始位置決定部485が、主軸の前述の基準位相差に基づき後退開始位置を決定する(ステップS16)。具体的には、後退開始位置決定部485は、ステップS15で主軸基準位相計算部484が算出した主軸の基準位相差に基づいて、振動後退位置が移動を開始する時点の主軸の回転位置を決定する。
後退開始位置決定部485が決定した後退開始位置は、振動移動量生成部483aによる指令振動移動量生成処理で使用される。すなわち、振動移動量生成部483aは、後退開始位置決定部485が決定した後退開始位置から振動後退位置が移動を開始するよう、指令振動移動量を生成する。
以上説明したように、実施の形態2にかかる数値制御装置1aは、補間処理部48aにおいて、振動切削波形の位相と主軸の回転位相とが同期するように、振動移動量生成部483aが送り軸の指令振動移動量を生成し、工作機械を制御する。このため、指令主軸回転速度で常に振動切削波形が追従できる。すなわち、どのような主軸回転速度が指令されたとしても、指令された主軸回転速度に同期した振動切削を実行できる。換言すると、オペレータが加工プログラムを作成する際に想定した加工時間で振動切削加工を行うことができるようになる。
また、一般的な工作機械は、定められた主軸回転速度の上限値を超える主軸回転速度が指令された場合はアラートを発して加工動作を停止する機能を有しているが、数値制御装置1aによれば、加工プログラムが指令する主軸回転速度で振動切削を制御するため、振動切削加工時にアラートが発生して加工動作が停止してしまうのを防止できる。
実施の形態3.
実施の形態2では、指令された主軸回転速度に同期した振動切削を実行するための振動切削波形を生成するために、主軸基準位相計算部484は、1振動あたりの移動量、振動の後退量、および振動の前進量を算出し、算出した1振動あたりの移動量、および振動の前進量を用いて、振動の振幅を算出していた。実施の形態3では、例えば、振動切削指令から、1振動あたりの回転量および1回転あたりの送り移動量を取得し、取得した1振動あたりの回転量および1回転あたりの送り移動量に基づき振動の振幅を算出する場合について説明する。
図7は、実施の形態3にかかる数値制御装置1bの構成例を示す図である。図7では、図1に示した実施の形態1にかかる数値制御装置1と共通の構成要素に同一の符号を付している。本実施の形態では、数値制御装置1と同一の符号が付されている構成要素については説明を省略する。
実施の形態3にかかる数値制御装置1bは、入力操作部2、出力部3、および制御演算部4bを備える。
制御演算部4bは、入力制御部41、データ設定部42、記憶部43、出力制御部44、解析処理部45、制御信号処理部46、PLC回路部47、補間処理部48b、加減速処理部49、および軸データ入出力部50を備える。
補間処理部48bは、波形生成部482、振動移動量生成部483a、主軸基準位相計算部484b、および後退開始位置決定部485を備える。なお、補間処理部48bが備える振動移動量生成部483aの処理は、実施の形態2にかかる数値制御装置1aの補間処理部48aが備える振動移動量生成部483aと同様であるため、説明は省略する。
主軸基準位相計算部484bは、実施の形態2にかかる数値制御装置1aの主軸基準位相計算部484とは異なる方法で基準位相差を算出する。
制御演算部4bにおいて主軸基準位相計算部484bが算出する基準位相差、および後退開始位置決定部485が決定する後退開始位置について、図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態3にかかる数値制御装置1bの制御演算部4bにおいて算出する基準位相差と後退開始位置との関係を示す図である。図8では、実施の形態2の説明で用いた図5と同様に、振動切削波形を用いて基準位相差と後退開始位置との関係を示している。図8に示す例では、図5と同様に、工具が1回振動する間に主軸が2回転する。
本実施の形態では、図8に示すように、(4a)振幅、(5a)基準位相差、および(6a)後退開始位置を定義する。本実施の形態では、実施の形態2で用いた振動の前進量および後退量、1振動あたりの送り軸の移動量を考慮に入れない。
図9は、実施の形態3にかかる数値制御装置1bの制御演算部4bが基準位相差の算出および後退開始位置の決定を行う動作の一例を示すフローチャートである。図9では、図6に示すフローチャートと共通の処理に同一のステップ番号を付している。すなわち、制御演算部4bは、図6に示したステップS11~S14の代わりにステップS21を実行して振幅を求める。
制御演算部4bが基準位相差の算出および後退開始位置の決定を行う動作では、まず、主軸基準位相計算部484bが、1振動あたりの回転量および1回転あたりの送り移動量に基づき振幅を算出する(ステップS21)。具体的には、主軸基準位相計算部484bは、1振動あたりの回転量と1回転あたりの送り移動量とを掛け合わせることで、図8に示す(4a)振幅を求める。なお、1振動あたりの回転量とは、振動切削で工具が1回振動する間の主軸の回転数であり、図8に示す例の場合は2回転となる。ステップS21に続くステップS15およびS16は実施の形態2と同様であるため、説明は省略する。
このように、実施の形態3にかかる数値制御装置1bは、実施の形態2にかかる数値制御装置1aと同様に、振動切削波形の位相と主軸の回転位相とが同期するように振動切削波形を生成するので、実施の形態2にかかる数値制御装置1aと同様の効果を得ることができる。また、実施の形態3にかかる数値制御装置1bは、実施の形態2のような振動の後退量および振動の前進量を算出しなくてもよいため、実施の形態2と比較して、数値制御装置1bにかかる計算負荷を少なくすることができる。また、切削工具が変更されて同一箇所を2回以上加工する場合等に、振動切削指令に含まれる振動条件の1つである主軸1回転あたりの振動回数が変更される場合がある。このとき、上述した実施の形態2では、振幅および基準位相差の計算要素の中にこの主軸1回転あたりの振動回数が含まれているため、この主軸1回転あたりの振動回数の変更の影響を受けて振動切削の開始位置が変わり加工面精度が低下する可能性がある。一方、実施の形態3では、振幅および基準位相差の計算要素の中に振動切削指令に含まれる振動条件の1つである主軸1回転あたりの振動回数は含まれておらず、この主軸1回転あたりの振動回数の変更の影響を受けないため、加工面精度の低下を抑制することができる。また、上述した実施の形態2では、振幅の計算要素の中にこの主軸1回転あたりの振動回数が含まれているため、この主軸1回転あたりの振動回数の変更を考慮して振幅調整しなければならず、振幅調整がしづらくなる。一方、実施の形態3では、振幅の計算要素の中に振動切削指令に含まれる振動条件の1つである主軸1回転あたりの振動回数は含まれておらず、振幅調整する場合にこの主軸1回転あたりの振動回数の変更を考慮しなくてよいため、振幅調整を容易にすることができる。
実施の形態4.
図10は、実施の形態4にかかる数値制御装置1cの構成例を示す図である。図10では、図1に示した実施の形態1にかかる数値制御装置1と共通の構成要素に同一の符号を付している。本実施の形態では、数値制御装置1と同一の符号が付されている構成要素については説明を省略する。
実施の形態4にかかる数値制御装置1cは、入力操作部2、出力部3、および制御演算部4cを備える。
制御演算部4cは、入力制御部41、データ設定部42c、記憶部43、出力制御部44、解析処理部45、制御信号処理部46、PLC回路部47、補間処理部48c、加減速処理部49、および軸データ入出力部50を備える。
データ設定部42cは、振動切削時の主軸回転速度の範囲設定を行う主軸回転速度範囲設定部421を含む。振動切削時の主軸回転速度の範囲設定は例えばオペレータが行う。すなわち、入力操作部2が振動切削時の主軸回転速度の範囲の設定操作をオペレータから受け付け、データ設定部42cの主軸回転速度範囲設定部421が、振動切削時の主軸回転速度の範囲を設定する。
図11は、実施の形態4にかかる数値制御装置1cの主軸回転速度選択部481cの動作の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、主軸回転速度選択部481cは、主軸回転速度の上限値を設定する(ステップS31)。このステップS31では、オペレータが入力操作部2を操作して振動切削時の主軸回転速度の上限値の設定を行う。上限値の設定は、例えば、指令主軸回転速度+2%、指令主軸回転速度+100r/minといった値を目安に行う。主軸回転速度選択部481cは、オペレータが設定した主軸回転速度の上限値を入力制御部41から受け取り、記憶部43のパラメータ記憶エリア431に書き込む。主軸回転速度の上限値は、数値制御装置1cが制御する工作機械の仕様などに基づいて決定するとよい。
補間処理部48bは、主軸回転速度選択部481c、波形生成部482および振動移動量生成部483を備える。
主軸回転速度選択部481cは、振動切削時の主軸の回転速度を選択する。主軸回転速度選択部481cは、実施の形態1にかかる主軸回転速度選択部481と同様に、振動切削に関するパラメータとしてパラメータ記憶エリア431に格納されている複数の主軸回転速度の候補の中の1つを選択する。このとき、主軸回転速度選択部481cは、主軸回転速度範囲設定部421により設定された上限値を超えないように主軸回転速度を選択する。
主軸回転速度選択部481cが主軸回転速度を選択する動作の具体例について、図12を用いて説明する。図12は、実施の形態4にかかる数値制御装置1cが振動切削加工の制御を行う際に使用可能な振動切削条件のリストの一例を示す図である。
一例として、主軸回転速度範囲設定部421により設定された範囲が「指令主軸回転速度+2%以下」に設定され、かつ、指令主軸回転速度が3700r/min、指令振動回数が0.5回の場合の動作を説明する。この場合、主軸回転速度選択部481cは、図12に示すように、(a)3700r/minが指令された後の最初の切削指令(振動切削)では、主軸回転速度範囲設定部421により設定された範囲の上限3774r/min以下の(b)3750r/minの振動切削条件を選択する。主軸回転速度選択部481cは、以降の切削指令(振動切削)においても、主軸回転速度が3774r/min以下の振動切削条件の中から、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度3700r/minに近づくように振動切削条件を選択する。
図13は、実施の形態4にかかる数値制御装置1cが工作機械に振動切削を実行させる制御動作の一例を示すフローチャートである。図13では、実施の形態1にかかる数値制御装置1の説明で用いた図3に示すフローチャートと共通の処理に同一のステップ番号を付している。すなわち、数値制御装置1cは、図3に示したステップS3の代わりにステップS4を実行して工作機械を制御する。図13に示すステップS1およびS2は実施の形態1にかかる数値制御装置1が実行する図3のステップS1およびS2と同様であるため、説明は省略する。
数値制御装置1cは、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度以下の場合(ステップS1:Yes)、指令主軸回転速度より高く、かつ上限値以下の主軸回転速度で振動切削を実行するよう駆動部7を制御する(ステップS4)。具体的には、主軸回転速度選択部481cが、主軸1回転あたりの振動回数が指令振動回数と一致する振動切削条件の中から、指令主軸回転速度より高く、かつ上限値以下の主軸回転速度が含まれる振動切削条件を選択する。主軸回転速度選択部481cは、指令主軸回転速度より高く、かつ上限値以下の主軸回転速度が含まれる振動切削条件が複数存在する場合、主軸回転速度の平均値が指令主軸回転速度により近づく振動切削条件を選択する。主軸回転速度選択部481cが振動切削条件を選択した後の動作、すなわち、波形生成部482、振動移動量生成部483、および加減速処理部49の動作は実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
以上説明したように、実施の形態4にかかる数値制御装置1cは、振動切削を行う場合、予め定められた振動切削条件の1つを切削指令(振動切削)ごとに選択し、選択した振動切削条件に含まれる主軸回転速度で主軸を回転させる。このとき、数値制御装置1cは、主軸回転速度が予め設定された上限値以下となるように考慮しつつ、主軸回転速度の平均値が回転指令によって指令される主軸回転速度である指令主軸回転速度に近づくように、振動切削条件を選択する。これにより、上述した実施の形態1と同様に、振動切削の影響で、オペレータが加工プログラムを作成する際に想定した加工時間と実際の加工時間との差が大きくなるのを最小限に抑え、振動切削加工における効率改善を実現できる。また、振動切削時の主軸回転数が工作機械の許容する上限値を超えてしまいアラートが発生し、加工動作が停止する、といったことが発生するのを防止できる。
つづいて、各実施の形態で説明した数値制御装置(数値制御装置1,1a,1b,1c)が備える制御演算部(制御演算部4,4a,4b,4c)のハードウェア構成について説明する。各実施の形態で説明した数値制御装置が備える制御演算部のハードウェア構成は同一であるため、一例として、実施の形態1にかかる数値制御装置1が備える制御演算部4のハードウェア構成を説明する。
図14は、実施の形態1にかかる数値制御装置1が備える制御演算部4のハードウェア構成例を示す図である。
制御演算部4は、図14に示される制御回路100により実現される。制御回路100は、プロセッサ101とメモリ102とを備える。制御回路100は、プロセッサ101がソフトウェアを実行する回路である。
制御演算部4は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ102に格納される。制御回路100では、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が読み出して実行することにより、制御演算部4の各機能を実現する。すなわち、制御回路100は、制御演算部4の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ102を備える。このプログラムは、制御演算部4の手順および方法をコンピュータに実行させる数値制御プログラムである。メモリ102は、プロセッサ101が各種処理を実行する際の一時メモリにも使用される。
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、
マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、またはシステムLSI(Large Scale Integration)などである。メモリ
102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、またはEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、あるいは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
プロセッサ101が実行するプログラムは、コンピュータで実行可能な、データ処理を行うための複数の命令を含むコンピュータ読取り可能かつ非遷移的な(non-transitory)記録媒体を有するコンピュータプログラムプロダクトであってもよい。プロセッサ101が実行するプログラムは、複数の命令がデータ処理を行うことをコンピュータに実行させる。
制御演算部4は、専用のハードウェアにより実現されてもよい。また、制御演算部4の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、制御演算部4の機能の他の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,1a,1b,1c 数値制御装置、2 入力操作部、3 出力部、4,4a,4b,4c 制御演算部、7 駆動部、41 入力制御部、42,42c データ設定部、43 記憶部、44 出力制御部、45 解析処理部、46 制御信号処理部、47 PLC回路部、48,48a,48b,48c 補間処理部、49 加減速処理部、50 軸データ入出力部、71s 主軸モータ、71x,71z サーボモータ、72s,72x,72z 検出器、73s 主軸制御部、73x,73z サーボ制御部、421 主軸回転速度範囲設定部、431 パラメータ記憶エリア、432 加工プログラム記憶エリア、433 表示データ記憶エリア、434 共有エリア、481,481c 主軸回転速度選択部、482 波形生成部、483,483a 振動移動量生成部、484,484b 主軸基準位相計算部、485 後退開始位置決定部。

Claims (4)

  1. 振動切削を工作機械に実行させる数値制御装置であって、
    前記振動切削を実行するための振動切削波形を生成する波形生成部と、
    振動切削時の1振動あたりの送り軸の移動量、振動切削時の1振動あたりの送り軸の前進量、および、振動切削時の1振動あたりの送り軸の後退量に基づいて、振動切削開始時の主軸の回転位相と振幅一定の定常振幅の振動切削を開始する時点の前記主軸の回転位相との差である基準位相差を算出し、算出した前記基準位相差に基づいて、前記主軸の回転位相に合わせて切削指令毎に前記振動切削が実行されるように、前記振動切削波形の開始位置を決定する主軸基準位相計算部と、
    備えることを特徴とする数値制御装置。
  2. 振動切削を工作機械に実行させる数値制御装置であって、
    前記振動切削を実行するための振動切削波形を生成する波形生成部と、
    振動切削時の1振動あたりの回転量、および、主軸が1回転する間の送り軸の移動量に基づいて、振動切削開始時の前記主軸の回転位相と振幅一定の定常振幅の振動切削を開始する時点の前記主軸の回転位相との差である基準位相差を算出し、算出した前記基準位相差に基づいて、前記主軸の回転位相に合わせて切削指令毎に前記振動切削が実行されるように、前記振動切削波形の開始位置を決定する主軸基準位相計算部と、
    を備えることを特徴とする数値制御装置。
  3. 振動切削を数値制御装置が工作機械に実行させる数値制御方法であって、
    前記振動切削を実行するための振動切削波形を生成する波形生成ステップと、
    振動切削時の1振動あたりの送り軸の移動量、振動切削時の1振動あたりの送り軸の前進量、および、振動切削時の1振動あたりの送り軸の後退量に基づいて、振動切削開始時の主軸の回転位相と振幅一定の定常振幅の振動切削を開始する時点の前記主軸の回転位相との差である基準位相差を算出し、算出した前記基準位相差に基づいて、前記主軸の回転位相に合わせて切削指令毎に前記振動切削が実行されるように、前記振動切削波形の開始位置を決定する主軸基準位相計算ステップと、
    を含むことを特徴とする数値制御方法。
  4. 振動切削を数値制御装置が工作機械に実行させる数値制御方法であって、
    前記振動切削を実行するための振動切削波形を生成する波形生成ステップと、
    振動切削時の1振動あたりの回転量、および、主軸が1回転する間の送り軸の移動量に基づいて、振動切削開始時の前記主軸の回転位相と振幅一定の定常振幅の振動切削を開始する時点の前記主軸の回転位相との差である基準位相差を算出し、算出した前記基準位相差に基づいて、前記主軸の回転位相に合わせて切削指令毎に前記振動切削が実行されるように、前記振動切削波形の開始位置を決定する主軸基準位相計算ステップと、
    を含むことを特徴とする数値制御方法。
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WO2020084771A1 (ja) 2018-10-26 2020-04-30 三菱電機株式会社 数値制御装置、工作機械および数値制御方法
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