JP7419937B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部とを連結するタワーバーと、を有する車両の前部車体構造に関する。
車両の前部車体構造には、車両の走行性能向上のため、左右のサスペンションタワーの上部同士、或いはサスペンションタワーとカウルとを連結する、いわゆるタワーバーを備えた構造が知られている。
後者の例として特許文献1には、カウル(ダッシュボードアッパ)の車幅方向の中央部にタワーバーの車幅方向の中央部が取り付けられる車体前部構造が開示されている。
さらに特許文献1には、このカウルへのタワーバーの取付部付近の剛性を高めるために、カウルの車幅方向の中央部に箱状の補強部材を備えた構成が開示されている。
ところで、本発明者らは、車両のエンジンの振動(130~140Hz)により、ウインドシールドを車幅方向にほぼ3等分する2箇所の位置を節とし、この3等分された領域を腹とする波形で振動している(以下、このような振動を「三次振動」とも称する)こと、また、これら3つの腹の各振幅がアンバランスとなっていること(打ち消されない)を発見した。特に、車幅方向中央の領域は、車幅方向側方の領域に比して振幅が小さいという現象が生じている。
そして、本発明者らは、車室内のNVH(Noise,
Vibration, Harshness)性能を向上させるために、車両のエンジンの振動に起因する、上述したウインドシールドのアンバランスな三次振動を低減することが有効であることに着目した。
しかしながら、上記特許文献1は、上述したように、タワーバーのカウルへの取付け剛性を高めるものであるが、このようなアプローチでは、三次振動の腹の振幅の低減自体は期待できるものの、3つの腹の各振幅のアンバランスの解消には不十分と考えられる。
特開2010-247743号公報
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、ウインドシールドの三次振動を低減し、車室内のNVH性能を向上させる(例えば、乗員がこもり音を感じ難くする)ことができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
この発明は、車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバーと、を有する前部車体構造であって、上記カウルにおける、上記フロントウインドシールドの下縁との接着面を車幅方向に略3等分する2箇所の位置に、それぞれ局部的に上記カウルの剛性を向上する剛性向上部材を配設し、上記タワーバーを、上記カウルの車幅方向における、2つの上記剛性向上部材の夫々の位置の間に対応する位置に固定し、上記カウルの下方には、該カウルの下部から下方へ延びるダッシュパネルとの間に車両上下方向に延びる閉断面を構成する閉断面部材が設けられ、上記閉断面部材は、上記カウルの下方の車幅方向における、上記2箇所の位置に対応する位置に備えたものである。
上記構成によれば、カウルの車幅方向における、ウインドシールドに生じる三次振動の中央の腹に近い位置に、車両走行時の振動がタワーバーを介して入力されるため、ウインドシールドにアンバランスな三次振動(例えば、中央の腹の振幅が両サイドの腹よりも小さい三次振動)が生じた場合においても、その三次振動の各腹の振幅差を小さくすることができる。
さらに、上記剛性向上部材によって、三次振動の節をバランスのとれた三次振動の節の位置に整えることができる。
従って、三次振動のバランスを整えることができ、結果として車室内のNVH性能を向上させることができる。
さらに上述したように、上記閉断面部材を、上記カウルの下方の車幅方向における、上記2箇所の位置に対応する位置、すなわち、ウインドシールドに生じてほしいバランスのとれた三次振動の節の位置に対応する位置に備えることで、ウインドシールドの三次振動の節を狙い通りの位置により確実に生じさせることができる。
この発明の態様として、上記カウルは、車幅方向に延びる閉断面又は開断面を有しており、上記剛性向上部材は、上記閉断面又は上記開断面の車幅方向において局所的に備えた節部材である。
上記構成によれば、節部材を設けるという簡単な構成で剛性向上部材を構成できる
の発明の態様として、上記接着面を車幅方向に略3等分する上記2箇所の位置は、上記接着面の車幅方向の中間位置から、該接着面の車幅方向の長さの10%の位置より車幅方向外側かつ、該接着面の車幅方向の長さの16.6%の位置より車幅方向内側の範囲に設定したものである。
上記構成によれば、上記接着面を車幅方向に略3等分する上記2箇所の位置を、五次振動の節の位置(上記接着面の車幅方向の中間位置から該接着面の車幅方向の長さの10%の位置)よりも車幅方向外側、かつ四次振動の節の位置(上記接着面の車幅方向の中間位置から該接着面の車幅方向の長さの16.6%の位置)よりも車幅方向内側の範囲に収めることで、上述したように、剛性向上部材によって、三次振動の節をバランスのとれた三次振動の節の位置に整えることができる。
上記構成によれば、ウインドシールドの三次振動を低減し、車室内のNVH性能を向上させることができる。
本実施形態の車両の前部車体構造の要部を示す平面図 図1のA-A矢視断面図 カウルパネルアッパを取り除いて示した図1の領域Zの拡大図 図3のB-B線切断端部を車両の左方かつ前方から視た斜視断面図 図3のB-B線矢視断面図 図3のC-C線矢視断面図 図2のD-D線矢視断面図 本実施形態のフロントウインドシールドの三次振動モードを説明する説明図 従来例のフロントウインドシールドの三次振動モードを説明する説明図 三次振動モードにおける節配設位置の設定範囲を説明する説明図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図中、矢印Fは車両前方、矢印Uは車両上方、矢印Rは車両右方、矢印Lは車両左方を夫々示すものとする。図1、図2はボンネット5およびフロントウインドシールド6の図示を省略するものとし、図2、図3はカウルアッパパネル20を取り除いた状態で図示するものとする。
図1、図2に示すように、本実施形態の車両の前部車体構造は、左右のヒンジピラー1とカウル2とダッシュパネル3とダッシュクロスメンバ4とボンネット5(図5参照)とフロントウインドシールド6(図5参照)と左右のフロントサイドフレーム7(図1参照)と左右のエプロンレインフォースメント8(以下、「エプロンレイン8」と略記する)と左右のフロントサスペンションタワー9(「サスタワー9」と略記する)とタワーバー10とを備えている。
左右のヒンジピラー1は、車体の略全幅に相当する間隔を隔てて設けられ、夫々車両上下方向に延びている。なお、ヒンジピラー1の上端からルーフサイドレール11にかけて車両の後方かつ上方に延びるフロントピラー12が設けられている。
カウル(「カウルボックス」とも称する)2は、左右のヒンジピラー1の上端部の間において車幅方向に延びており、平面視において、車幅方向略中央が車両前方へ突出した略円弧状(アーチ形状)に形成されている(図1参照)。
図1、図5に示すように、カウル2は、フロントウインドシールド6(図5参照)の車幅方向に延びる下縁6a(以下、「ウインドシールド下縁6a」と略記する)の長さよりも両サイドに若干長い車幅方向の長さを有している。図5に示すように、カウル2は、ウインドシールド下縁6aがウインドラバー13を介して接着されている。この接着面24a(接着領域)は、ウインドシールド下縁6aの車幅方向の略全幅に亘って形成されている。なお、図1中のカウル2の後述する第1面部24における、ドットを付した領域が接着面24aを示している。
さらにまた図4、図5に示すように、カウル2は、カウルアッパパネル20とカウルロアパネル21とを備え、車幅方向に延びる閉断面空間2sが内部に構成された閉断面部120が形成されている。
図1、図2、図4、図5に示すように、ダッシュパネル3は、エンジンルームEと車室とを車両前後方向に仕切るように左右のヒンジピラー1間において、車両の幅方向および上下方向に延びるように縦壁状に配設され、該ダッシュパネル3の下部が、下方ほど後方へ傾斜して延びている(図4、図5参照)。
なお図1、図4に示すように、ダッシュパネル3の下部後端には、車室の底面を形成するフロアパネル35が接合されている。このフロアパネル35は、車両の幅方向および前後方向に向けて略水平に延びるとともに、車幅方向中央部に、車室内(上方)へ突出し、かつ車両前後方向に延びるフロアトンネル36が一体または一体的に形成されている。
図4、図5に示すように、ダッシュパネル3は、カウル2の下方において配設され、車両上下方向に縦壁状に延びるダッシュパネル本体部31と、ダッシュパネル本体部31の上端から車両前方へ延びる上端フランジ部32とを備え、上端フランジ部32がカウル2のカウルロアパネル21の底面部28に下方から接合されている。
さらに、ダッシュパネル3における車幅方向略中央近傍の下端縁は、図2、図4に示すように、正面視において、車室内を車両前後方向に延びるフロアトンネル36に沿うように、車両上方へ略逆U字状に突出した形状に形成されている。このフロアトンネル36に沿った形状に形成された下端縁を、トンネル対応部分3aとする。
また、ダッシュクロスメンバ4は、図2、図4、図5に示すように、左右のヒンジピラー1の下部を、ダッシュパネル本体部31の前面部の下端縁に沿って車幅方向に連結している。このダッシュクロスメンバ4は、詳細な図示を省略するが、車両の上下方向及び前後方向に沿った縦断面において、ダッシュパネル3とで閉断面をなすように、車両前方へ突出した断面略ハット状に形成されている。
より詳しくは、ダッシュクロスメンバ4は、図2、図4に示すように、正面視において、ダッシュパネル3のトンネル対応部分3aに沿うように車両上方へ突出した正面視略門型形状の門型形状部4aと、門型形状部4aの下端からそれぞれ左右のヒンジピラー1へ向けて車幅方向外側へ延設された水平延設部4bとで一体形成されている。
なお図4に示すように、ダッシュクロスメンバ4の両サイドに備えた水平延設部4bの車幅方向の途中部には、左右夫々に対応する後述するフロントサイドフレーム7の後端が接合されている(但し、図4は、車両右側のフロントサイドフレーム7とダッシュクロスメンバ4との接合部のみ図示している)。
図5に示すように、ボンネット(「ボンネットフード」とも称する)5は、エンジンルームEの上部を開閉可能に覆っており、その外表面を構成するボンネットアウタパネル5aと、エンジンルームE側の面を構成するボンネットインナパネル5bとを備えている。ボンネットアウタパネル5aは、折り曲げた外周縁によってボンネットインナパネル5bの外周縁をかしめるヘミング加工により該ボンネットインナパネル5bに結合されている。
ボンネット5は、その後端の車幅方向の両側が、図示しないボンネットヒンジを介して車体に固定されており、このボンネットヒンジにより、後端部を支点として開閉可能に車体に支持されている。
フロントウインドシールド6は、いわゆるフロントウインドガラスであって、車体に形成されたフロントウインド配設用の開口部14(図1、図2参照)を覆うように配設されるとともに、図5に示すように、ボンネット5の後方において車両の上方かつ後方へ傾斜して延びている。なお、フロントウインドシールド6は、ガラス製に限定せず、透明な強化プラスチック製のものであってもよい。
フロントウインドシールド6は、フロントウインド配設用の開口部14の縁部に固定されている。
具体的には、フロントウインドシールド6の上縁は、フロントウインド配設用の開口部14の上縁を形成するフロントヘッダ38(図2参照)によって支持されている。なお、フロントヘッダ38は、ルーフ部37の前縁に沿って車幅方向に延びる車体骨格部材である。さらに、フロントウインドシールド6の左右の側縁は、フロントウインド配設用の開口部14の左右夫々に対応する側縁を形成するフロントピラー12によって、ウインドシールド6の下縁6aは、上述したようにフロントウインド配設用の開口部14の下側縁を形成するカウル2によって、夫々支持されている。
また図1、図4に示すように、フロントサイドフレーム7は、エンジンルームEの左右両サイドにおいて車両前後方向に延びている。
フロントサイドフレーム7の前端には図示省略するが、セットプレートを介してクラッシュカンを取付けるように構成している。
図4に示すように、フロントサイドフレーム7の後端は、ダッシュパネル3の下部に接合され、その後方は、フロアパネル35の下部において車両前後方向に延びるフロアサイドフレーム39に接合されている。
図1、図2、図4に示すように、エプロンレイン8は、フロントサイドフレーム7の車幅方向外側かつ車両上方において、車両前後方向に延びており、後端が左右夫々に対応するヒンジピラー1の上部に接合されている。
また上述したヒンジピラー1、フロントサイドフレーム7およびエプロンレイン8は、夫々車体骨格部材として延在方向に直交する断面が閉断面形状に構成されている。
サスタワー9は、フロントサイドフレーム7とエプロンレイン8との各後部の間に備えている。サスタワー9の上部は、サスタワー上部パネルとしてのフロントサスペンションハウジング91によって構成されている。フロントサスペンションハウジング91は、フロントサイドフレーム7とエプロンレイン8との各後部を跨ぐように、これらに接合されている。さらにフロントサスペンションハウジング91は、フロントサスダンパ(図示省略)の上端が取付けられる平面視略円形状のダンパ取付け部91aが形成されている(図1、図2参照)。
また、タワーバー10は、図1~図5に示すように、左右のサスタワー9の間において、これらに連結するように車幅方向に延びている。タワーバー10は、車幅方向の中央部がカウル2の車幅方向の中央部の側(車両後方)へ迂回するように車幅方向に延びている。そして、タワーバー10は、車幅方向の中央部が後述するブラケット50を介してカウル2の車幅方向の中央部に連結されている。
すなわち、カウル2は上述したように、内部に車幅方向に延びる閉断面空間2sを有する閉断面構造であるため(図4、図5参照)、タワーバー10は、カウル2に対して直接接合されずに上述したように、カウル2の車幅方向中央部(6aC)(図3、図4参照)の前方付近の領域においてブラケット50を介して接合されている。
タワーバー10は、左右一対のバー車幅外側部15とバー車幅中央部16とを備え、延在方向の略全体(後述する左右各側のフランジ15aおよび締結部161を除く全体)が円筒状(パイプ状)に形成されるとともに、かつ車幅方向(長手方向)に連続して延びる単一の部材により一体形成されている。なお、タワーバー10は、略水平に配設されている。
左右一対のバー車幅外側部15は、左右夫々に対応するサスタワー9におけるフロントサスペンションハウジング91から車両後方かつ車幅方向中央へ略直線状に延びている。
図3に示すように、バー車幅中央部16は、左右のバー車幅外側部15の後端を連結するようにカウル2の車幅方向の中央部(6aC)の前方付近の領域において、該中央部(6aC)と略平行に車幅方向に略直線状に延びている。
図1、図2、図4に示すように、タワーバー10は、左右のサスタワー9のフロントサスペンションハウジング91に締結部材T1(ボルトおよびナット)により取り付け固定されている。
具体的には、タワーバー10における左右一対のバー車幅外側部15の各車幅方向外端(前端)には、サスタワー9取付け用のフランジ15aが夫々一体形成されている。そして、左右各側のフランジ15aは、左右夫々に対応するフロントサスペンションハウジング91におけるダンパ取付け部91aの後方近傍位置に締結部材T1によって締結されている。
また図4~図6に示すように、カウル2のうちカウルアッパパネル20は、車幅方向の直交断面が下方へ開口する開断面形状で形成されている。具体的に、カウルアッパパネル20は、車両前後方向に略水平に延びる前側フランジ部22と、該前側フランジ部22の後端から車両上方へ立ち上がる前面部23と、前面部23の上端からさらに車両の上方かつ車両後方へ略直線状に傾斜して延びる第1面部24と、第1面部24の後端から車両の後方かつ下方へ傾斜して延びる第2面部25と、第2面部25の後端から車両後方へ略水平に延びる後側フランジ部26とを有して一体形成されている。
すなわち、カウル2は、その上面部2Uが第1面部24と第2面部25とによって形成されている。第1面部24と第2面部25とのコーナー部は、図5に示すように、車幅方向の直交断面視で上方へ向けた湾曲形状によって形成されている。
第1面部24は、フロントウインドシールド6の傾斜角度に対応する傾斜角度に形成され、ウインドシールド下縁6aを上述したように接着する上記接着面24aを有して形成されている。
第2面部25は、その後端が、前側フランジ部22の高さよりも下方かつ縦壁状のダッシュパネル本体部31の位置よりも後方に位置するまで車両前後方向の全長に亘って車両の後方かつ下方へ傾斜して延びている。
第2面部25の傾斜角度は、その車両前後方向の全長に亘って車両後方ほど下方に傾斜するが、歩行者が衝突時に頭部がカウル2に対して前方かつ上方から移動してくる角度に沿った傾斜角度に設定されている。
要するに、カウル2は、衝突に対して折れきっかけ等を備えて潰れ易く形成するのではなく、後部(第2面部25)については、衝突物をかわす(いなす)ように車両の後方ほど下方へ傾斜して形成したものである。さらに、カウル2の前方については、ボンネット5の下方への塑性変形を阻害しないレイアウトとしたものである。このため、本実施形態のカウル2は、該カウル2自体の剛性を確保した上で歩行者保護性能を維持することができる。
なお、本実施形態では、第2面部25は、前側部分が後側部分よりも急峻な勾配で車両の後方ほど下方に傾斜して形成されている(図5参照)。
ここで、図5の要部拡大部分に示すように、第2面部25における、ダッシュパネル本体部31の上端(上端フランジ部32の後端)よりも後方への延出部分を、以下、「後方延出部25r」と称する。
また図5に示すように、第2面部25は、下端25dと上端25uとを結ぶ仮想直線L1が、前下後上状に傾斜するフロントウインドシールド6と車幅方向の直交断面視において交差(当例においては略直交)するように形成されている。これにより、第2面部25は、フロントウインドシールド6の振動を効果的に受け止めて抑制できる構成としている。
図5、図6に示すように、カウルロアパネル21は、カウルアッパパネル20の下方への開口を閉じるように略平板状に形成されている。具体的に、カウルロアパネル21は、車両前後方向に略水平に延びる前側フランジ部27と、該前側フランジ部27の後端から車両の後方かつ下方へ傾斜して延びる底面部28と、底面部28の後端から車両後方へ略水平に延びる後側フランジ部29とで一体形成されている。
底面部28は、第2面部25と同様に車両前後方向の全長に亘って車両後方ほど下方に傾斜しているが、第2面部25よりも緩やかな勾配で傾斜しており、図5の要部拡大部分に示すように、後端が縦壁状のダッシュパネル本体部31の上端よりも後方に位置している。
図5の要部拡大部分に示すように、底面部28における、ダッシュパネル本体部31よりも後方への延出部分28r(以下、「後方延出部28r」と称する)には、カウルアッパパネル20の後側フランジ部26に向けて立ち上がる立ち上がり部28aが形成されている。
カウル2は、カウルアッパパネル20とカウルロアパネル21とにおける各前側フランジ部22,27と各後側フランジ部26,29が、夫々溶接により接合され、上述したように閉断面部120が構成される。すなわち、カウル2の閉断面部120は、カウルアッパパネル20における前面部23と第1面部24と第2面部25と、カウルロアパネル21における底面部28とによって形成されている。
カウル2の閉断面部120における、縦壁状のダッシュパネル本体部31の上端よりも車両後方には、該ダッシュパネル本体部31から車両後方へ膨出する膨出部120rが、第2面部25の後方延出部25rと底面部28の後方延出部28rとによって形成されている。換言すると、膨出部120rは、ダッシュパネル3の上端フランジ部32とカウル2の底面部28との接合部よりも車両後方に形成されている。
このように、カウル2の閉断面部120は、後部に膨出部120rを有して形成することで、該膨出部120rを有しない場合と比して車幅方向の直交断面の面積を極力確保している。
また、カウル2の閉断面部120の後部は、膨出部120rも含めて車両後方に向けて徐々に車両の後方かつ下方へ向けて膨出するように先細り形状で形成している。
さらに図5の要部拡大部分に示すように、カウルロアパネル21の底面部28の後部に形成した上述した立ち上がり部28aは、膨出部120rの下部に位置している。カウル2の閉断面部120の後部は、上述したように車両後方ほど車両上下方向に先細り形状となるが、上述した立ち上がり部28aを形成することによって、カウル2の閉断面部120の後端周辺に位置する膨出部120rの車両上下方向の長さを確保している。
また図5中の仮想直線L2に示すように、カウル2の閉断面部120の前端、すなわち前面部23は、ボンネット5の後部へ衝突物(例えば、歩行者の頭部)が上方から衝突時に、ボンネット5の下方への塑性変形を阻害しないようにボンネット5の後端よりも若干後方に位置している。
なお、仮想直線L2は、車両上下方向と平行に延びる直線である。
また本実施形態において、閉断面部120の前面部23は、車両上下方向と略平行に延びている。これにより、カウル2は、ボンネット5が下方へ塑性変形時に閉断面部120と干渉することを回避しつつ、閉断面部120の車幅方向の直交断面の面積を車両上下方向に極力確保している。
なお、本実施形態において、カウル2は、ボンネット5の後端5rよりも下方に位置しており、カウル2の第1面部24の接着面24aに支持されたウインドシールド下縁6aも、ボンネット5の後端5rよりも下方に位置している。
また図1~図3に示すように、本実施形態の前部車体構造は、カウル2における、ウインドシールド下縁6aとの接着面24aを車幅方向に略3等分する2箇所の位置に、それぞれ局部的にカウル2の剛性を向上する剛性向上部材としての節部材40を配設している。
換言すると図1、図3に示すように、節部材40は、カウル2における、ウインドシールド下縁6aとの接着面24aの軸方向の長さL(図1参照)の略1/3の位置である2箇所の位置に配設されている。図2、図3に示すように、カウル2の車幅方向における、2つの節部材40を配設した上述した位置を、夫々節配設位置P40に設定する。
図3に示すように、節部材40は、車幅方向に延びる下面部41と、下面部41の車幅方向両端から車両上方に延びる左右一対の側面部42と、左右一対の側面部42の上端から夫々車幅方向の相反する方向へ延びる左右一対の上端フランジ部43とで車両前後方向の直交断面がハット形状に一体形成されている。
そして、節部材40は、下面部41がカウルロアパネル21の底面部28に上方から、左右の上端フランジ部43がカウルアッパパネル20の第1面部24および第2面部25に下方から、夫々接合される。
これにより、節部材40は、カウル2の車幅方向における節配設位置P40において局所的に配設されるとともに、カウル2の車幅方向における、上記2箇所の節配設位置P40において、カウル2の車幅方向に延びる閉断面空間2sを車幅方向に分断(閉塞)するように配設されている(図3参照)。
また図2~図7に示すように、本実施形態の前部車体構造には、カウル2(ウインドシールド下縁6a)の車幅方向の中央部(6aC)に、該中央部(6aC)から車両前方に舌片状に延びるブラケット50が設けられている。
具体的に図5に示すように、ブラケット50は、カウル2に接合されるフランジ部51と、フランジ部51の前端から車両前方へ延びる前方延出部52とで鋼板により一体形成されている。図3に示すように、ブラケット50は、カウル2の車幅方向の中間位置を跨ぐように、該中間位置に対して両サイドも含めてウインドシールド下縁6aの車幅方向の中央部6aCの略全体に亘る車幅方向の長さを有している。
なお本実施形態において、ウインドシールド下縁6a(すなわち接着面24a)の車幅方向の中央部6aCとは、カウル2におけるウインドシールド下縁6aとの接着面24aを車幅方向に略3等分したときの中央部分に相当する領域を示す(図2、図3参照)。
ここで図4~図6に示すように、カウル2は、ダッシュパネル本体部31に対して前方へ迫り出すように設けられている。このため図5~図7に示すように、ブラケット50は、フランジ部51がカウル2の車幅方向の中央部(6aC)において、カウル2における、底面部28の前側部分および前側フランジ部27に対して下方から溶接により接合されている。これにより、ブラケット50は、前方延出部52がカウル2の車幅方向の中央部(6aC)から前方へ延出するようにカウル2に対して前方へ片持ち状に取り付けられている。
図1~図3に示すように、タワーバー10は、バー車幅中央部16がブラケット50の上方に位置するように、ブラケット50の前方延出部52を車幅方向に跨ぐように延びている。そして、図4~図6に示すように、ブラケット50の前方延出部52は、タワーバー10のバー車幅中央部16を、ガイド補強部材45を介して下方から取り付け支持している。
ガイド補強部材45は、タワーバー10のバー車幅中央部16と、左右のバー車幅外側部15の後部(車幅方向内側部)とに亘ってタワーバー10の延在方向に沿って形成されている(図1~図4、図7参照)。
ガイド補強部材45は、延在方向の直交断面が円筒形状のタワーバー10を嵌め込み可能に上方へ開口したU字形状に形成されている。
具体的に図5、図6に示すように、ガイド補強部材45は、タワーバー10のガイド補強部材45への嵌め込み部分を前側からガイドする前面部46と、後側からガイドする後面部47と、これら前面部46と後面部47との各下端同士を連結する下面部48とで一体形成されている。
図3、図4、図6に示すように、タワーバー10のバー車幅中央部16は、ブラケット50の車幅方向の両側の位置、すなわち、車幅方向において離間する2箇所の位置においてガイド補強部材45を介してブラケット50に、夫々締結部材T2(ボルトおよびナット)によって締結固定されている。
ブラケット50の車幅方向における、バー車幅中央部16を締結する位置を、バー締結位置P16に設定する。
図3に示すように、左右のバー締結位置P16は、左右夫々に対応する節配設位置P40よりも車幅方向内側に位置する。すなわち、タワーバー10のバー車幅中央部16は、カウル2の車幅方向における、2つの節部材40の夫々の位置の間において、ブラケット50を介して固定されている。
図3、図4、図6に示すように、バー車幅中央部16の延在方向におけるブラケット50との締結部161は、円筒状のタワーバー10が局所的に平坦状になるように車両上下方向に圧縮変形(すなわち、内部の閉断面空間10sを圧潰)して平坦状に形成されており、締結部材T2による締結を可能としている。
タワーバー10のバー車幅中央部16は、カウル2の車幅方向中央部(6aC)の前側付近の領域においてカウル2に沿って車幅方向に延びるように配設されている。
なお本実施形態において、バー車幅中央部16は、カウル2の車幅方向の上述した中央部(6aC)の長さと略同じ車幅方向の長さを有している。
また図1~図5に示すように、タワーバー10の延在方向における、締結部161以外の部位は、非圧潰部分として車両上下方向に圧縮変形せずに円筒状に形成されている。
特に図3~図5に示すように、車幅方向に延びるバー車幅中央部16は、2箇所の締結部161の間162についても、内部に有する閉断面空間10sを潰さずに筒状の形態を保っている。
これにより、タワーバー10の延在方向における、平坦状に形成された締結部161以外の非圧潰部分は、バー車幅中央部16の2箇所の締結部161の間162も含めて、これら圧潰した2箇所の締結部161よりも高い曲げ剛性に保っている。
そして、ガイド補強部材45は、上述したように、タワーバー10の延在方向における、締結部161と非圧潰部分(2箇所の締結部161の間162に有する非圧潰部分も含めて)とに亘って延在方向に沿って連続して延びてタワーバー10をガイドするように配設されている。
このように、タワーバー10の延在方向における、締結部161と非圧潰部分とをガイド補強部材45によって延在方向に繋ぐことで、平坦状に形成した締結部161の強度を、非圧潰部分の強度を利用して確保している。
また図5、図6に示すように、ブラケット50の前方延出部52の後部側(基部側)には、前方延出部52の前側部位(先端側)がフランジ部51よりも下方に位置するように車両上下方向に段状となる段部53が車幅方向に沿って形成されている。
段部53は、ブラケット50の車幅方向の全長に亘って形成されている。ブラケット50には、この段部53の形成によって段部53の上下各端に、車幅方向に延びる稜線54u,54d(段部53の上端に上端稜線54uが、段部53の下端に下端稜線54dが)が夫々形成されている。
ここで、ブラケット50の前方延出部52における、段部53よりも前側には、上述したように、バー車幅中央部16が上方から固定される。そして、図2、図4~図7に示すように、本実施形態御の車両の前部車体構造は、ブラケット50の前方延出部52における、タワーバー10が上方から固定される領域55(以下、「バー固定領域55」と称する)を、下方から補強する補強部材としての門形補強メンバ60が設けられている。
図2、図4~図7に示すように、門形補強メンバ60は、車幅方向に水平に延びる車幅方向延在メンバ61と、車幅方向延在部の左右両端から下方へ略垂直に延びる左右一対の車両上下方向延在メンバ62とで、車両正面視で下方に向けて開口する門型形状に形成されている。
図4~図7に示すように、車幅方向延在メンバ61は、ダッシュパネル3の上方において該ダッシュパネル本体部31よりも車両前方へ迫り出すように設けられたカウル2を、車両前後方向に跨ぐようにカウルロアパネル21の下方に配設されている。
そして図5~図7に示すように、車幅方向延在メンバ61は、前端に形成された前側フランジ部63が、カウルロアパネル21より前方に位置するブラケット50の前方延出部52のバー固定領域55(すなわち前側部分)に下方から接合されている。
一方、車幅方向延在メンバ61は、後端に形成された後側フランジ部64が、カウルロアパネル21より下方に位置する縦壁状のダッシュパネル本体部31の上部に前方から接合されている。
これにより図4~図6に示すように、車幅方向延在メンバ61は、ブラケット50、カウルロアパネル21、ダッシュパネル3との間に車幅方向に延びる閉断面空間61sが構成されている。
ここで図5、図6に示すように、車幅方向延在メンバ61の前側フランジ部63は、上述したように、ブラケット50の前方延出部52のバー固定領域55に下方から接合されている。この接合位置(図5中の前側フランジ部63の位置)と、ブラケット50の基端側に設けた段部53(すなわち上端稜線54uおよび下端稜線54d)の位置とは、車両前後方向でオフセットして(ずらして)形成されている。
すなわち、車幅方向延在メンバ61は、ブラケット50の基端側に設けた段部53(すなわち上端稜線54uおよび下端稜線54d)を車両前後方向に跨ぐとともに、段部53の直下に車幅方向に延びる上述した閉断面空間61sを有するように該段部53の下方に配設されている。
さらに図6、図7に示すように、上述した2箇所のバー締結位置P16においては、タワーバー10のバー車幅中央部16の締結部161、ガイド補強部材45の底面部28、ブラケット50の前方延設部のバー固定領域55に加えて車幅方向延在メンバ61の前側フランジ部63が、上述したボルトおよびナットにより締結固定されている。
また図2、図4に示すように、左右の車両上下方向延在メンバ62は、車幅方向延在メンバ61の左右夫々に対応する両端と、ダッシュクロスメンバ4における門型形状部4aの左右夫々に対応する両端とを連結するように車両上下方向に延びている。
図2に示すように、左右の車両上下方向延在メンバ62は、左右夫々に対応する節配設位置P40と車幅方向において一致する箇所に備えている。本実施形態において、左右の車両上下方向延在メンバ62は共に、車両正面視において、車両上下方向と略平行に延びている。
左右の車両上下方向延在メンバ62は、カウル2の下方において車両前後方向に延びる車幅方向延在メンバ61の後部から下方へ延び、図7に示すように、ダッシュパネル本体部31の前面との間に車両上下方向に延びる閉断面空間62sを構成している。
すなわち、車幅方向延在メンバ61の閉断面空間61s(図5、図6参照)と左右一対の車両上下方向延在メンバ62との各閉断面空間62s(図7参照)とは、夫々の接合部も含めて連続して延びている。
上述した本実施形態の車両の前部車体構造は、図1~図5に示すように、車体に形成された開口部14の縁部に固定されたフロントウインドシールド6(図5参照)と、左右一対のフロントサスペンションハウジング91と、フロントウインドシールド6用の開口部14の下縁を構成するカウル2と、左右夫々のフロントサスペンションハウジング91とカウル2の車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバー10と、を有する前部車体構造であって、図1~図3に示すように、カウル2における、ウインドシールド下縁6aとの接着面24aを車幅方向に略3等分する2箇所の位置(すなわち節配設位置P40)に、それぞれ局部的にカウル2の(曲げ)剛性を向上する剛性向上部材としての節部材40を配設し、図3に示すように、タワーバー10を、カウル2の車幅方向における、2つの節部材40の夫々の位置の間に対応する位置に固定したものである。
上記構成によれば、三次振動のバランスを整えることができ、結果として車室内のNVH性能を向上させることができる。すなわち、エンジンの振動(130~140Hz)により、乗員が感じる不快な音(こもり音)として車室内に伝達されることを抑制することができる。
本実施形態の車体前部構造の作用効果について図8(a)(b)、図9(a)(b)を用いて詳述する。
図8(a)(b)、図9(a)(b)は共に、エンジンの振動(130~140Hz)がフロントウインドシールド6に伝達されることに起因して該フロントウインドシールド6に生じる三次振動モードを示している。
詳しくは、図8(a)は本実施形態の車体前部構造におけるフロントウインドシールドの三次振動モードを示す説明図、図8(b)は、フロントウインドシールドの図8(a)中のE-E線の高さにおける、車幅方向に沿った切断部を模式的に示した断面図であって、本実施形態の車体前部構造における三次振動モードの説明図である。図9(a)は従来の車体前部構造におけるフロントウインドシールドの三次振動モードを示す説明図である。図9(b)は、フロントウインドシールドの図9(a)中のE’-E’線の高さ(図8(a)中のE-E線と同じ高さに相当)における、車幅方向に沿った切断部を模式的に示した断面図であって、従来の車体前部構造における三次振動モードの説明図である。
なお、図8(a)および図9(a)は、フロントウインドシールド振動レベルの差異を図示の便宜上、ドット密度の大小(疎密)により示している。
一般に車両走行時のエンジンの振動がフロントウインドシールド6に伝達されることにより、該フロントウインドシールド6に三次振動が生じることがある。そして、従来の車体前部構造のように何も対策を施さない場合、図9(a)(b)に示すように、フロントウインドシールド6に生じる三次振動は、車幅方向の中央部に生じる腹ANcの振幅が両サイドに生じる腹ANoの振幅よりも小さくなるアンバランスな三次振動となることが多い。
これに対して本実施形態の車両の前部車体構造は、上述したように、タワーバー10を、カウル2の車幅方向における、2つの節部材40の夫々の位置の間に相当する位置に固定することで、カウル2の車幅方向における、フロントウインドシールド6に生じる三次振動の中央の腹ANcに近い位置に、車両走行時のエンジンの振動をタワーバー10を介して入力する構成としたものである(図8(a)中の白抜き矢印参照)。
このように本実施形態においては、フロントウインドシールド6に生じる三次振動の各腹間における振幅のバランスをとるために、すなわち、両サイドの腹ANoと比して振幅が小さくなりがちな車幅方向の中央に位置する腹ANcの振幅が大きくなるように、タワーバー10のバー車幅中央部16からカウル2を介して、あえてフロントウインドシールド6に振動を入力(加振)する構造を採用したものである。
これにより、フロントウインドシールド6にアンバランスな三次振動(例えば図9(a)(b)に示すように、中央の腹ANcの振幅が両サイドの腹ANoよりも小さい三次振動)が生じた場合においても、図8(a)(b)に示すように、その三次振動の各腹ANo,ANcの振幅差を小さくすることができる。
特に、図8(a)中のE-E線および図9(a)中のE’-E’線に示す、フロントウインドシールド6の断面の高さは、車室内の乗員の耳の高さに近く、その領域にて図8(b)に示すようなフロントウインドシールド6の振幅が実現できるので、乗員にとって不快な130~140Hzの音が生じる振動を打ち消している。
さらに、カウル2における、ウインドシールド下縁6aとの接着面24aを車幅方向に略3等分する2箇所の位置(すなわち節配設位置P40)は共に、フロントウインドシールド6にバランスのとれた三次振動が生じた場合の節Nの位置に対応するため、これら2箇所の位置に節部材40を配設することで、図8(b)に示すように、三次振動の各節Nが、これら2箇所の位置になるように整えることができる。
従って、三次振動のバランスを整えることができ、結果として車室内のNVH性能を向上させることができる。
この発明の態様として図4~図6に示すように、カウル2は、車幅方向に延びる閉断面空間2s(閉断面)を有しており図1~図3に示すように、剛性向上部材は、閉断面空間2sの車幅方向において局所的に備えた節部材40である。
上記構成によれば、節部材40を設けるという簡単な構成で剛性向上部材を構成できる。
この発明の態様として図2、図3、図7に示すように、カウル2の下方には、該カウル2の下部から下方へ延びるダッシュパネル3との間に車両上下方向に延びる閉断面空間62s(閉断面)(図7参照)を構成する車両上下方向延在メンバ62(閉断面部材)が設けられ、図2に示すように、車両上下方向延在メンバ62は、カウル2の下方の車幅方向における、2箇所の位置に対応する節配設位置P40に備えたものである。
上記構成によれば、車両上下方向延在メンバ62を、カウル2の下方の車幅方向における、2箇所の節配設位置P40に対応する位置、すなわち、フロントウインドシールド6に生じる三次振動の中でもバランスのとれた三次振動の節の位置に対応する位置に備えることで、フロントウインドシールド6において三次振動の節を狙い通りの位置により確実に生じさせることができる。
この発明の態様として図1、図10に示すように、接着面24aを車幅方向に略3等分する2箇所の節配設位置P40は、接着面24aの車幅方向の中間位置Pcから左右各側へ、該接着面24aの車幅方向の長さLの10%の位置より車幅方向外側かつ、該接着面24aの車幅方向の長さLの16.6%の位置より車幅方向内側の範囲に設定したものである。
図10は、三次振動モードにおける節配設位置の範囲を、四次振動モードおよび五次振動モードにおける各節の位置を考慮して設定する際の説明図である。
上記構成によれば図1、図10に示すように、接着面24aを車幅方向に略3等分する2箇所の節配設位置P40を、フロントウインドシールド6に生じる五次振動の節N5の位置(接着面24aの車幅方向の中間位置Pcから左右各側へ、該接着面24aの車幅方向の長さLの10%の位置)よりも車幅方向外側の範囲に収めることができる。
かつ接着面24aを車幅方向に略3等分する2箇所の節配設位置P40を、フロントウインドシールド6に生じる四次振動の節N4の位置(接着面24aの車幅方向の中間位置Pcから左右各側へ、該接着面24aの車幅方向の長さの16.6%の位置)よりも車幅方向内側の範囲に収めることができる。
これにより、上述したように、節部材40によって、フロントウインドシールド6に生じる三次振動の節がバランスのとれた三次振動の節の位置になるように整えることができる。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、本発明のタワーバーは、フロントサスペンションハウジングとカウルの車幅方向中央部とを連結する構成であれば、上述した実施形態のタワーバー10のように、左右のフロントサスペンションハウジング91の間に亘って車幅方向に一体形成したものに限らず、左右別部材で形成したものであってもよい。
また、本実施形態のカウル2は、車幅方向に延びる閉断面空間2sを有して構成したが、本発明のカウルは、この構成に限定せず、車幅方向の直交断面が開断面となるように構成してもよい。
2…カウル
3…ダッシュパネル
6…フロントウインドシールド
6a…フロントウインドシールドの下縁
10…タワーバー
14…開口部
24a…カウルにおける、上記フロントウインドシールドの下縁との接着面
40…節部材(節部材、剛性向上部材)
62…車両上下方向延在メンバ(閉断面部材)
62s…閉断面部空間(ダッシュパネルとの間に車両上下方向に延びる閉断面)
91…フロントサスペンションハウジング
P40…節配設位置(上記カウルにおける、上記接着面を車幅方向に略3等分する2箇所の位置)

Claims (3)

  1. 車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバーと、を有する前部車体構造であって、
    上記カウルにおける、上記フロントウインドシールドの下縁との接着面を車幅方向に略3等分する2箇所の位置に、それぞれ局部的に上記カウルの曲げ剛性を向上する剛性向上部材を配設し、
    上記タワーバーを、上記カウルの車幅方向における、2つの上記剛性向上部材の夫々の位置の間に対応する位置に固定し
    上記カウルの下方には、該カウルの下部から下方へ延びるダッシュパネルとの間に車両上下方向に延びる閉断面を構成する閉断面部材が設けられ、
    上記閉断面部材は、上記カウルの下方の車幅方向における、上記2箇所の位置に対応する位置に備えた
    車両の前部車体構造。
  2. 上記カウルは、車幅方向に延びる閉断面又は開断面を有しており、
    上記剛性向上部材は、上記閉断面又は上記開断面の車幅方向において局所的に備えた節部材である
    請求項1に記載の車両の前部車体構造。
  3. 上記接着面を車幅方向に略3等分する上記2箇所の位置は、
    上記接着面の車幅方向の中間位置から、該接着面の車幅方向の長さの10%の位置より車幅方向外側かつ、該接着面の車幅方向の長さの16.6%の位置より車幅方向内側の範囲に設定した
    請求項1又は2に記載の車両の前部車体構造。
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