JP7419936B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部とを連結するタワーバーと、を有する車両の前部車体構造に関する。
車両の前部車体構造には、車両の走行性能向上のため、左右のサスペンションタワー上部同士、或いはサスペンションタワーとカウルとを連結する、いわゆるタワーバーを備えた構造が知られている。
後者の例として下記特許文献1には、カウル(ダッシュボードアッパ)の車幅方向の中央部にタワーバーの車幅方向の中央部が取り付けられる車体前部構造が開示されている。
さらに特許文献1には、このカウルへのタワーバーの取付部付近の剛性を高めるために、カウルの車幅方向の中央部に箱状の補強部材を備えた構成が開示されている。
ところで、本発明者らは、車両の走行時に路面からの振動(110~120Hz)によって、ウインドシールドを車幅方向中央部にて2分するような、ウインドシールドの左右の各領域が、逆位相で振動すること(以下、このような振動を「二次振動」とも称する)を発見した。
さらに本発明者らは、車室内のNVH(Noise, Vibration, Harshness)性能を向上させるために、車両の走行時に路面からの振動に起因する、上述したウインドシールドの二次振動の低減、詳しくは、二次振動モードにより生じる2つの腹の位相の異なる振幅差の低減に取り組んでいる。
その中で、本発明者らは、ウインドシールドの下縁を支持するカウルにおける、ウインドシールドの中央部付近に対応する領域の剛性を高めることは、ウインドシールドの二次振動を低減するうえで有効であることに着目した。
しかしながら、例えば、特許文献1のようにカウルを閉断面構造とする場合などには、タワーバーをカウルに直接取り付けることができないため、ウインドシールドの二次振動を低減するには、工夫を要する。
上述した特許文献1は、タワーバーの車幅方向の中央部を、カウルから車両前方に片持ち状に延びているブラケットに取付ける構成を採用しているが、ウインドシールドの二次振動を低減するために、この取り付け部分の剛性をさらに向上するという着想や具体的構造について言及されておらず、改善の余地がある。
特開2010-247743号公報
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、ウインドシールドの二次振動を低減し、車室内のNVH性能を向上させる(例えば、乗員がこもり音を感じ難くする)ことができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
この発明は、車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバーと、を有する前部車体構造であって、左右一対の上記タワーバーは、上記カウルに沿って車幅方向に延びる中央部を有し、上記開口部の上記下縁において上記フロントウインドシールドの車幅方向中央部を含む領域に、上記カウルから車両前方に延びるブラケットが設けられ、当該ブラケットに上記タワーバーの上記中央部が上方から固定されるとともに、当該固定領域を下方から支持する補強部材が設けられ、上記タワーバーは上記中央部において車幅方向に離間した2箇所にて上記補強部材に取付けられ、上記タワーバーの当該2箇所の取付部の間は、これら取付部よりも曲げ剛性が高くなるように形成されたものである。
上記構成によれば、車両走行時に路面からフロントウインドシールドに伝達される振動に起因するフロントウインドシールドの二次振動を、カウルから前方に延びるブラケットを上方からタワーバーにより固定するとともに、下方から補強部材により支持することで、カウルにおいてウインドシールドの二次振動の原因となる上下方向の振動を、カウルに設けられたブラケットの上側と下側の両方から抑制することができる。
これにより、車室内のNVH性能を向上させることができる。
さらに上述したように、上記タワーバーは上記中央部において車幅方向に離間した2箇所にて上記補強部材に取付けられ、上記タワーバーの当該2箇所の取付部の間は、これら取付部よりも曲げ剛性が高くなるように形成されたため、車体に取り付けられるタワーバー取付部の間にて生じる、タワーバーを逆位相で振動させるタワーバーの変形が一層抑制され、フロントウインドシールドの二次振動を低減できる。
またこの発明は、車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバーと、を有する前部車体構造であって、左右一対の上記タワーバーは、上記カウルに沿って車幅方向に延びる中央部を有し、上記開口部の上記下縁において上記フロントウインドシールドの車幅方向中央部を含む領域に、上記カウルから車両前方に延びるブラケットが設けられ、当該ブラケットに上記タワーバーの上記中央部が上方から固定されるとともに、当該固定領域を下方から支持する補強部材が設けられ、上記ブラケットの、上記カウルの前方の領域には、車幅方向に沿って稜線が形成されたものである。
上記構成によれば、稜線により、ブラケットの、車幅方向に直交する方向の曲げ剛性が高められるため、車幅方向中央部を節とした左右の逆位相の振動が生じ難くすることができ、フロントウインドシールドの二次振動を低減できる。
この発明の態様として、上記補強部材の上記ブラケットへの取付位置と、上記稜線の位置とは、車両前後方向でオフセットして形成されたものである。
上記構成によれば、フロントウインドシールドの車幅方向中央部を節として左右の領域が逆位相となる振動が生じ難くすることができ、フロントウインドシールドの二次振動をより一層低減することができる。
この発明の態様として、上記補強部材の上記ブラケットへの取付位置は、上記ブラケットの上記固定領域と車両平面視で一致させたものである。
上記構成によれば、上記ブラケットの上記固定領域に対応する位置に上記補強部材を取付けることができるため、上記固定領域をさらに補強することができる。
またこの発明は、車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバーと、を有する前部車体構造であって、左右一対の上記タワーバーは、上記カウルに沿って車幅方向に延びる中央部を有し、上記開口部の上記下縁において上記フロントウインドシールドの車幅方向中央部を含む領域に、上記カウルから車両前方に延びるブラケットが設けられ、当該ブラケットに上記タワーバーの上記中央部が上方から固定されるとともに、当該固定領域を下方から支持する補強部材が設けられ、上記補強部材の下方に、該補強部材から車両下方向に延びる閉断面部材を備えたものである。
上記構成によれば、補強部材自体は、閉断面部材によって補強されるため、ブラケットにおける、上記タワーバーの上記中央部が固定される固定領域をさらに補強することができる。
上記構成によれば、フロントウインドシールドの二次振動を低減し、車室内のNVH性能を向上させることができる。
本実施形態の車両の前部車体構造の要部を示す平面図 図1のA-A矢視断面図 カウルパネルアッパを取り除いて示した図1の領域Zの拡大図 図3のB-B線切断端部を車両の左方かつ前方から視た斜視断面図 図3のB-B線矢視断面図 図3のC-C線矢視断面図 図2のD-D線矢視断面図 本実施形態のフロントウインドシールドの二次振動モードを説明する説明図 従来例のフロントウインドシールドの二次振動モードを説明する説明図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図中、矢印Fは車両前方、矢印Uは車両上方、矢印Rは車両右方、矢印Lは車両左方を夫々示すものとする。図1、図2はボンネット5およびフロントウインドシールド6の図示を省略するものとし、図2、図3はカウルアッパパネル20を取り除いた状態で図示するものとする。
図1、図2に示すように、本実施形態の車両の前部車体構造は、左右のヒンジピラー1とカウル2とダッシュパネル3とダッシュクロスメンバ4とボンネット5(図5参照)とフロントウインドシールド6(図5参照)と左右のフロントサイドフレーム7(図1参照)と左右のエプロンレインフォースメント8(以下、「エプロンレイン8」と略記する)と左右のフロントサスペンションタワー9(「サスタワー9」と略記する)とタワーバー10とを備えている。
左右のヒンジピラー1は、車体の略全幅に相当する間隔を隔てて設けられ、夫々車両上下方向に延びている。なお、ヒンジピラー1の上端からルーフサイドレール11にかけて車両の後方かつ上方に延びるフロントピラー12が設けられている。
カウル(「カウルボックス」とも称する)2は、左右のヒンジピラー1の上端部の間において車幅方向に延びており、平面視において、車幅方向略中央が車両前方へ突出した略円弧状(アーチ形状)に形成されている(図1参照)。
図1、図5に示すように、カウル2は、フロントウインドシールド6(図5参照)の車幅方向に延びる下縁6a(以下、「ウインドシールド下縁6a」と略記する)の長さよりも両サイドに若干長い車幅方向の長さを有している。図5に示すように、カウル2は、ウインドシールド下縁6aがウインドラバー13を介して接着されている。この接着面24a(接着領域)は、ウインドシールド下縁6aの車幅方向の略全幅に亘って形成されている。なお、図1中のカウル2の後述する第1面部24における、ドットを付した領域が接着面24aを示している。
さらにまた図4、図5に示すように、カウル2は、カウルアッパパネル20とカウルロアパネル21とを備え、車幅方向に延びる閉断面空間2sが内部に構成された閉断面部120が形成されている。
図1、図2、図4、図5に示すように、ダッシュパネル3は、エンジンルームEと車室とを車両前後方向に仕切るように左右のヒンジピラー1間において、車両の幅方向および上下方向に延びるように縦壁状に配設され、該ダッシュパネル3の下部が、下方ほど後方へ傾斜して延びている(図4、図5参照)。
なお図1、図4に示すように、ダッシュパネル3の下部後端には、車室の底面を形成するフロアパネル35が接合されている。このフロアパネル35は、車両の幅方向および前後方向に向けて略水平に延びるとともに、車幅方向中央部に、車室内(上方)へ突出し、かつ車両前後方向に延びるフロアトンネル36が一体または一体的に形成されている。
図4、図5に示すように、ダッシュパネル3は、カウル2の下方において配設され、車両上下方向に縦壁状に延びるダッシュパネル本体部31と、ダッシュパネル本体部31の上端から車両前方へ延びる上端フランジ部32とを備え、上端フランジ部32がカウル2のカウルロアパネル21の底面部28に下方から接合されている。
さらに、ダッシュパネル3における車幅方向略中央近傍の下端縁は、図2、図4に示すように、正面視において、車室内を車両前後方向に延びるフロアトンネル36に沿うように、車両上方へ略逆U字状に突出した形状に形成されている。このフロアトンネル36に沿った形状に形成された下端縁を、トンネル対応部分3aとする。
また、ダッシュクロスメンバ4は、図2、図4、図5に示すように、左右のヒンジピラー1の下部を、ダッシュパネル本体部31の前面部の下端縁に沿って車幅方向に連結している。このダッシュクロスメンバ4は、詳細な図示を省略するが、車両の上下方向及び前後方向に沿った縦断面において、ダッシュパネル3とで閉断面をなすように、車両前方へ突出した断面略ハット状に形成されている。
より詳しくは、ダッシュクロスメンバ4は、図2、図4に示すように、正面視において、ダッシュパネル3のトンネル対応部分3aに沿うように車両上方へ突出した正面視略門型形状の門型形状部4aと、門型形状部4aの下端からそれぞれ左右のヒンジピラー1へ向けて車幅方向外側へ延設された水平延設部4bとで一体形成されている。
なお図4に示すように、ダッシュクロスメンバ4の両サイドに備えた水平延設部4bの車幅方向の途中部には、左右夫々に対応する後述するフロントサイドフレーム7の後端が接合されている(但し、図4は、車両右側のフロントサイドフレーム7とダッシュクロスメンバ4との接合部のみ図示している)。
図5に示すように、ボンネット(「ボンネットフード」とも称する)5は、エンジンルームEの上部を開閉可能に覆っており、その外表面を構成するボンネットアウタパネル5aと、エンジンルームE側の面を構成するボンネットインナパネル5bとを備えている。ボンネットアウタパネル5aは、折り曲げた外周縁によってボンネットインナパネル5bの外周縁をかしめるヘミング加工により該ボンネットインナパネル5bに結合されている。
ボンネット5は、その後端の車幅方向の両側が、図示しないボンネットヒンジを介して車体に固定されており、このボンネットヒンジにより、後端部を支点として開閉可能に車体に支持されている。
フロントウインドシールド6は、いわゆるフロントウインドガラスであって、車体に形成されたフロントウインド配設用の開口部14(図1、図2参照)を覆うように配設されるとともに、図5に示すように、ボンネット5の後方において車両の上方かつ後方へ傾斜して延びている。なお、フロントウインドシールド6は、ガラス製に限定せず、透明な強化プラスチック製のものであってもよい。
フロントウインドシールド6は、フロントウインド配設用の開口部14の縁部に固定されている。
具体的には、フロントウインドシールド6の上縁は、フロントウインド配設用の開口部14の上縁を形成するフロントヘッダ38(図2参照)によって支持されている。なお、フロントヘッダ38は、ルーフ部37の前縁に沿って車幅方向に延びる車体骨格部材である。さらに、フロントウインドシールド6の左右の側縁は、フロントウインド配設用の開口部14の左右夫々に対応する側縁を形成するフロントピラー12によって、ウインドシールド6の下縁6aは、上述したようにフロントウインド配設用の開口部14の下側縁を形成するカウル2によって、夫々支持されている。
また図1、図4に示すように、フロントサイドフレーム7は、エンジンルームEの左右両サイドにおいて車両前後方向に延びている。
フロントサイドフレーム7の前端には図示省略するが、セットプレートを介してクラッシュカンを取付けるように構成している。
図4に示すように、フロントサイドフレーム7の後端は、ダッシュパネル3の下部に接合され、その後方は、フロアパネル35の下部において車両前後方向に延びるフロアサイドフレーム39に接合されている。
図1、図2、図4に示すように、エプロンレイン8は、フロントサイドフレーム7の車幅方向外側かつ車両上方において、車両前後方向に延びており、後端が左右夫々に対応するヒンジピラー1の上部に接合されている。
また上述したヒンジピラー1、フロントサイドフレーム7およびエプロンレイン8は、夫々車体骨格部材として延在方向に直交する断面が閉断面形状に構成されている。
サスタワー9は、フロントサイドフレーム7とエプロンレイン8との各後部の間に備えている。サスタワー9の上部は、サスタワー上部パネルとしてのフロントサスペンションハウジング91によって構成されている。フロントサスペンションハウジング91は、フロントサイドフレーム7とエプロンレイン8との各後部を跨ぐように、これらに接合されている。さらにフロントサスペンションハウジング91は、フロントサスダンパ(図示省略)の上端が取付けられる平面視略円形状のダンパ取付け部91aが形成されている(図1、図2参照)。
また、タワーバー10は、図1~図5に示すように、左右のサスタワー9の間において、これらに連結するように車幅方向に延びている。タワーバー10は、車幅方向の中央部がカウル2の車幅方向の中央部の側(車両後方)へ迂回するように車幅方向に延びている。そして、タワーバー10は、車幅方向の中央部が後述するブラケット50を介してカウル2の車幅方向の中央部に連結されている。
すなわち、カウル2は上述したように、内部に車幅方向に延びる閉断面空間2sを有する閉断面構造であるため(図4、図5参照)、タワーバー10は、カウル2に対して直接接合されずに上述したように、カウル2の車幅方向中央部(6aC)(図3、図4参照)の前方付近の領域においてブラケット50を介して接合されている。
タワーバー10は、左右一対のバー車幅外側部15とバー車幅中央部16とを備え、延在方向の略全体(後述する左右各側のフランジ15aおよび締結部161を除く全体)が円筒状(パイプ状)に形成されている。また、バー車幅中央部16は、車幅方向(長手方向)に連続して延びる単一の部材により形成されている。
左右一対のバー車幅外側部15は、左右夫々に対応するサスタワー9におけるフロントサスペンションハウジング91から車両後方かつ車幅方向中央へ略直線状に延びている。
図3に示すように、バー車幅中央部16は、左右のバー車幅外側部15の後端を連結するようにカウル2の車幅方向の中央部(6aC)の前方付近の領域において、該中央部(6aC)と略平行に車幅方向に略直線状に延びている。
図1、図2、図4に示すように、タワーバー10は、左右のサスタワー9のフロントサスペンションハウジング91に締結部材T1(ボルトおよびナット)により取り付け固定されている。
具体的には、タワーバー10における左右一対のバー車幅外側部15の各車幅方向外端(前端)には、サスタワー9取付け用のフランジ15aが夫々一体形成されている。そして、左右各側のフランジ15aは、左右夫々に対応するフロントサスペンションハウジング91におけるダンパ取付け部91aの後方近傍位置に締結部材T1によって締結されている。
また図4~図6に示すように、カウル2のうちカウルアッパパネル20は、車幅方向の直交断面が下方へ開口する開断面形状で形成されている。具体的に、カウルアッパパネル20は、車両前後方向に略水平に延びる前側フランジ部22と、該前側フランジ部22の後端から車両上方へ立ち上がる前面部23と、前面部23の上端からさらに車両の上方かつ車両後方へ略直線状に傾斜して延びる第1面部24と、第1面部24の後端から車両の後方かつ下方へ傾斜して延びる第2面部25と、第2面部25の後端から車両後方へ略水平に延びる後側フランジ部26とを有して一体形成されている。
すなわち、カウル2は、その上面部2Uが第1面部24と第2面部25とによって形成されている。第1面部24と第2面部25とのコーナー部は、図5に示すように、車幅方向の直交断面視で上方へ向けた湾曲形状によって形成されている。
第1面部24は、フロントウインドシールド6の傾斜角度に対応する傾斜角度に形成され、ウインドシールド下縁6aを上述したように接着する上記接着面24aを有して形成されている。
第2面部25は、その後端が、前側フランジ部22の高さよりも下方かつ縦壁状のダッシュパネル本体部31の位置よりも後方に位置するまで車両前後方向の全長に亘って車両の後方かつ下方へ傾斜して延びている。
第2面部25の傾斜角度は、その車両前後方向の全長に亘って車両後方ほど下方に傾斜するが、歩行者が衝突時に頭部がカウル2に対して前方かつ上方から移動してくる角度に沿った傾斜角度に設定されている。
要するに、カウル2は、衝突に対して折れきっかけ等を備えて潰れ易く形成するのではなく、後部(第2面部25)については、衝突物をかわす(いなす)ように車両の後方ほど下方へ傾斜して形成したものである。さらに、カウル2の前方については、ボンネット5の下方への塑性変形を阻害しないレイアウトとしたものである。このため、本実施形態のカウル2は、該カウル2自体の剛性を確保した上で歩行者保護性能を維持することができる。
なお、本実施形態では、第2面部25は、前側部分が後側部分よりも急峻な勾配で車両の後方ほど下方に傾斜して形成されている(図5参照)。
ここで、図5の要部拡大部分に示すように、第2面部25における、ダッシュパネル本体部31の上端(上端フランジ部32の後端)よりも後方への延出部分を、以下、「後方延出部25r」と称する。
また図5に示すように、第2面部25は、下端25dと上端25uとを結ぶ仮想直線L1が、前下後上状に傾斜するフロントウインドシールド6と車幅方向の直交断面視において交差(当例においては略直交)するように形成されている。これにより、第2面部25は、フロントウインドシールド6の振動を効果的に受け止めて抑制できる構成としている。
図5、図6に示すように、カウルロアパネル21は、カウルアッパパネル20の下方への開口を閉じるように略平板状に形成されている。具体的に、カウルロアパネル21は、車両前後方向に略水平に延びる前側フランジ部27と、該前側フランジ部27の後端から車両の後方かつ下方へ傾斜して延びる底面部28と、底面部28の後端から車両後方へ略水平に延びる後側フランジ部29とで一体形成されている。
底面部28は、第2面部25と同様に車両前後方向の全長に亘って車両後方ほど下方に傾斜しているが、第2面部25よりも緩やかな勾配で傾斜しており、図5の要部拡大部分に示すように、後端が縦壁状のダッシュパネル本体部31の上端よりも後方に位置している。
図5の要部拡大部分に示すように、底面部28における、ダッシュパネル本体部31よりも後方への延出部分28r(以下、「後方延出部28r」と称する)には、カウルアッパパネル20の後側フランジ部26に向けて立ち上がる立ち上がり部28aが形成されている。
カウル2は、カウルアッパパネル20とカウルロアパネル21とにおける各前側フランジ部22,27と各後側フランジ部26,29が、夫々溶接により接合され、上述したように閉断面部120が構成される。すなわち、カウル2の閉断面部120は、カウルアッパパネル20における前面部23と第1面部24と第2面部25と、カウルロアパネル21における底面部28とによって形成されている。
カウル2の閉断面部120における、縦壁状のダッシュパネル本体部31の上端よりも車両後方には、該ダッシュパネル本体部31から車両後方へ膨出する膨出部120rが、第2面部25の後方延出部25rと底面部28の後方延出部28rとによって形成されている。換言すると、膨出部120rは、ダッシュパネル3の上端フランジ部32とカウル2の底面部28との接合部よりも車両後方に形成されている。
このように、カウル2の閉断面部120は、後部に膨出部120rを有して形成することで、該膨出部120rを有しない場合と比して車幅方向の直交断面の面積を極力確保している。
また、カウル2の閉断面部120の後部は、膨出部120rも含めて車両後方に向けて徐々に車両の後方かつ下方へ向けて膨出するように先細り形状で形成している。
さらに図5の要部拡大部分に示すように、カウルロアパネル21の底面部28の後部に形成した上述した立ち上がり部28aは、膨出部120rの下部に位置している。カウル2の閉断面部120の後部は、上述したように車両後方ほど車両上下方向に先細り形状となるが、上述した立ち上がり部28aを形成することによって、カウル2の閉断面部120の後端周辺に位置する膨出部120rの車両上下方向の長さを確保している。
また図5中の仮想直線L2に示すように、カウル2の閉断面部120の前端、すなわち前面部23は、ボンネット5の後部へ衝突物(例えば、歩行者の頭部)が上方から衝突時に、ボンネット5の下方への塑性変形を阻害しないようにボンネット5の後端よりも若干後方に位置している。
なお、仮想直線L2は、車両上下方向と平行に延びる直線である。
また本実施形態において、閉断面部120の前面部23は、車両上下方向と略平行に延びている。これにより、カウル2は、ボンネット5が下方へ塑性変形時に閉断面部120と干渉することを回避しつつ、閉断面部120の車幅方向の直交断面の面積を車両上下方向に極力確保している。
なお、本実施形態において、カウル2は、ボンネット5の後端5rよりも下方に位置しており、カウル2の第1面部24の接着面24aに支持されたウインドシールド下縁6aも、ボンネット5の後端5rよりも下方に位置している。
また図1~図3に示すように、本実施形態の前部車体構造は、カウル2における、ウインドシールド下縁6aとの接着面24aを車幅方向に略3等分する2箇所の位置に、それぞれ局部的にカウル2の曲げ剛性を向上する剛性向上部材としての節部材40を配設している。
換言すると図1、図3に示すように、節部材40は、カウル2における、ウインドシールド下縁6aとの接着面24aの軸方向の長さL(図1参照)の略1/3の位置である2箇所の位置に配設されている。図2、図3に示すように、カウル2の車幅方向における、2つの節部材40を配設した上述した位置を、夫々節配設位置P40に設定する。
図3に示すように、節部材40は、車幅方向に延びる下面部41と、下面部41の車幅方向両端から車両上方に延びる左右一対の側面部42と、左右一対の側面部42の上端から夫々車幅方向の相反する方向へ延びる左右一対の上端フランジ部43とで車両前後方向の直交断面がハット形状に一体形成されている。
そして、節部材40は、下面部41がカウルロアパネル21の底面部28に上方から、左右の上端フランジ部43がカウルアッパパネル20の第1面部24および第2面部25に下方から、夫々接合される。
これにより、節部材40は、カウル2の車幅方向における節配設位置P40において局所的に配設されるとともに、カウル2の車幅方向における、上記2箇所の節配設位置P40において、カウル2の車幅方向に延びる閉断面空間2sを車幅方向に分断(閉塞)するように配設されている(図3参照)。
また図2~図7に示すように、本実施形態の前部車体構造には、カウル2(ウインドシールド下縁6a)の車幅方向の中央部(6aC)に、該中央部(6aC)から車両前方に舌片状に延びるブラケット50が設けられている。
具体的に図5に示すように、ブラケット50は、カウル2に接合されるフランジ部51と、フランジ部51の前端から車両前方へ延びる前方延出部52とで鋼板により一体形成されている。図3に示すように、ブラケット50は、カウル2の車幅方向の中間位置を跨ぐように、該中間位置に対して両サイドも含めてウインドシールド下縁6aの車幅方向の中央部6aCの略全体に亘る車幅方向の長さを有している。
なお本実施形態において、ウインドシールド下縁6a(すなわち接着面24a)の車幅方向の中央部6aCとは、カウル2におけるウインドシールド下縁6aとの接着面24aを車幅方向に略3等分したときの中央部分に相当する領域を示す(図2、図3参照)。
ここで図4~図6に示すように、カウル2は、ダッシュパネル本体部31に対して前方へ迫り出すように設けられている。このため図5~図7に示すように、ブラケット50は、フランジ部51がカウル2の車幅方向の中央部(6aC)において、カウル2における、底面部28の前側部分および前側フランジ部27に対して下方から溶接により接合されている。これにより、ブラケット50は、前方延出部52がカウル2の車幅方向の中央部(6aC)から前方へ延出するようにカウル2に対して前方へ片持ち状に取り付けられている。
図1~図3に示すように、タワーバー10は、バー車幅中央部16がブラケット50の上方に位置するように、ブラケット50の前方延出部52を車幅方向に跨ぐように延びている。そして、図4~図6に示すように、ブラケット50の前方延出部52は、タワーバー10のバー車幅中央部16を、ガイド補強部材45を介して下方から取り付け支持している。
ガイド補強部材45は、タワーバー10のバー車幅中央部16と、左右のバー車幅外側部15の後部(車幅方向内側部)とに亘ってタワーバー10の延在方向に沿って形成されている(図1~図4、図7参照)。
ガイド補強部材45は、延在方向の直交断面が円筒形状のタワーバー10を嵌め込み可能に上方へ開口したU字形状に形成されている。
具体的に図5、図6に示すように、ガイド補強部材45は、タワーバー10のガイド補強部材45への嵌め込み部分を前側からガイドする前面部46と、後側からガイドする後面部47と、これら前面部46と後面部47との各下端同士を連結する下面部48とで一体形成されている。
図3、図4、図6に示すように、タワーバー10のバー車幅中央部16は、ブラケット50の車幅方向の両側の位置、すなわち、車幅方向において離間する2箇所の位置においてガイド補強部材45を介してブラケット50に、夫々締結部材T2(ボルトおよびナット)によって締結固定されている。
ブラケット50の車幅方向における、バー車幅中央部16を締結する位置を、バー締結位置P16に設定する。
図3に示すように、左右のバー締結位置P16は、左右夫々に対応する節配設位置P40よりも車幅方向内側に位置する。すなわち、タワーバー10のバー車幅中央部16は、カウル2の車幅方向における、2つの節部材40の夫々の位置の間において、ブラケット50を介して固定されている。
図3、図4、図6に示すように、バー車幅中央部16の延在方向におけるブラケット50との締結部161は、円筒状のタワーバー10が局所的に平坦状になるように車両上下方向に圧縮変形(すなわち、内部の閉断面空間10sを圧潰)して平坦状に形成されており、締結部材T2による締結を可能としている。
タワーバー10のバー車幅中央部16は、カウル2の車幅方向中央部(6aC)の前側付近の領域においてカウル2に沿って車幅方向に延びるように配設されている。
なお本実施形態において、バー車幅中央部16は、カウル2の車幅方向の上述した中央部(6aC)の長さと略同じ車幅方向の長さを有している。
また図1~図5に示すように、タワーバー10の延在方向における、締結部161以外の部位は、非圧潰部分として車両上下方向に圧縮変形せずに円筒状に形成されている。
特に図3~図5に示すように、車幅方向に延びるバー車幅中央部16は、2箇所の締結部161の間162についても、内部に有する閉断面空間10sを潰さずに筒状の形態を保っている。
これにより、タワーバー10の延在方向における、平坦状に形成された締結部161以外の非圧潰部分は、バー車幅中央部16の2箇所の締結部161の間162も含めて、これら圧潰した2箇所の締結部161よりも高い曲げ剛性に保っている。
そして、ガイド補強部材45は、上述したように、タワーバー10の延在方向における、締結部161と非圧潰部分(2箇所の締結部161の間162に有する非圧潰部分も含めて)とに亘って延在方向に沿って連続して延びてタワーバー10をガイドするように配設されている。
このように、タワーバー10の延在方向における、締結部161と非圧潰部分とをガイド補強部材45によって延在方向に繋ぐことで、平坦状に形成した締結部161の強度を、非圧潰部分の強度を利用して確保している。
また図5、図6に示すように、ブラケット50の前方延出部52の後部側(基部側)には、前方延出部52の前側部位(先端側)がフランジ部51よりも下方に位置するように車両上下方向に段状となる段部53が車幅方向に沿って形成されている。
段部53は、ブラケット50の車幅方向の全長に亘って形成されている。ブラケット50には、この段部53の形成によって段部53の上下各端に、車幅方向に延びる稜線54u,54d(段部53の上端に上端稜線54uが、段部53の下端に下端稜線54dが)が夫々形成されている。
ここで、ブラケット50の前方延出部52における、段部53よりも前側には、上述したように、バー車幅中央部16が上方から固定される。そして、図2、図4~図7に示すように、本実施形態御の車両の前部車体構造は、ブラケット50の前方延出部52における、タワーバー10が上方から固定される領域55(以下、「バー固定領域55」と称する)を、下方から補強する補強部材としての門形補強メンバ60が設けられている。
図2、図4~図7に示すように、門形補強メンバ60は、車幅方向に水平に延びる車幅方向延在メンバ61と、車幅方向延在部の左右両端から下方へ略垂直に延びる左右一対の車両上下方向延在メンバ62とで、車両正面視で下方に向けて開口する門型形状に形成されている。
図4~図7に示すように、車幅方向延在メンバ61は、ダッシュパネル3の上方において該ダッシュパネル本体部31よりも車両前方へ迫り出すように設けられたカウル2を、車両前後方向に跨ぐようにカウルロアパネル21の下方に配設されている。
そして図5~図7に示すように、車幅方向延在メンバ61は、前端に形成された前側フランジ部63が、カウルロアパネル21より前方に位置するブラケット50の前方延出部52のバー固定領域55(すなわち前側部分)に下方から接合されている。
一方、車幅方向延在メンバ61は、後端に形成された後側フランジ部64が、カウルロアパネル21より下方に位置する縦壁状のダッシュパネル本体部31の上部に前方から接合されている。
これにより図4~図6に示すように、車幅方向延在メンバ61は、ブラケット50、カウルロアパネル21、ダッシュパネル3との間に車幅方向に延びる閉断面空間61sが構成されている。
ここで図5、図6に示すように、車幅方向延在メンバ61の前側フランジ部63は、上述したように、ブラケット50の前方延出部52のバー固定領域55に下方から接合されている。この接合位置(図5中の前側フランジ部63の位置)と、ブラケット50の基端側に設けた段部53(すなわち上端稜線54uおよび下端稜線54d)の位置とは、車両前後方向でオフセットして(ずらして)形成されている。
すなわち、車幅方向延在メンバ61は、ブラケット50の基端側に設けた段部53(すなわち上端稜線54uおよび下端稜線54d)を車両前後方向に跨ぐとともに、段部53の直下に車幅方向に延びる上述した閉断面空間61sを有するように該段部53の下方に配設されている。
さらに図6、図7に示すように、上述した2箇所のバー締結位置P16においては、タワーバー10のバー車幅中央部16の締結部161、ガイド補強部材45の底面部28、ブラケット50の前方延設部のバー固定領域55に加えて車幅方向延在メンバ61の前側フランジ部63が、上述したボルトおよびナットにより締結固定されている。
また図2、図4に示すように、左右の車両上下方向延在メンバ62は、車幅方向延在メンバ61の左右夫々に対応する両端と、ダッシュクロスメンバ4における門型形状部4aの左右夫々に対応する両端とを連結するように車両上下方向に延びている。
図2に示すように、左右の車両上下方向延在メンバ62は、左右夫々に対応する節配設位置P40と車幅方向において一致する箇所に備えている。本実施形態において、左右の車両上下方向延在メンバ62は共に、車両正面視において、車両上下方向と略平行に延びている。
左右の車両上下方向延在メンバ62は、カウル2の下方において車両前後方向に延びる車幅方向延在メンバ61の後部から下方へ延び、図7に示すように、ダッシュパネル本体部31の前面との間に車両上下方向に延びる閉断面空間62sを構成している。
すなわち、車幅方向延在メンバ61の閉断面空間61s(図5、図6参照)と左右一対の車両上下方向延在メンバ62との各閉断面空間62s(図7参照)とは、夫々の接合部も含めて連続して延びている。
上述した本実施形態の車両の前部車体構造は、図1~図5に示すように、車体に形成された開口部14の縁部に固定されたフロントウインドシールド6(図5参照)と、左右一対のフロントサスペンションハウジング91と、フロントウインドシールド6用の開口部14の下縁を構成するカウル2と、左右夫々のフロントサスペンションハウジング91とカウル2の車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバー10と、を有する前部車体構造であって、図1~図4に示すように、左右一対のタワーバー10は、カウル2に沿って車幅方向に延びるバー車幅中央部16(中央部)を有し、図1~図7に示すように、ウインドシールド下縁6a(開口部14の下縁においてフロントウインドシールド6)の車幅方向の中央部6aCを含む領域に、カウル2から車両前方に延びるブラケット50が設けられ、図2、図4~図7に示すように、当該ブラケット50にタワーバー10のバー車幅中央部16が上方から固定されるとともに、当該バー固定領域55(固定領域)を下方から支持する車幅方向延在メンバ61(補強部材)が設けられたものである。
上記構成によれば、車両走行時に路面からフロントウインドシールド6に伝達される振動に起因して該フロントウインドシールド6に生じる二次振動を、確実に低減することができ、ひいては、乗員が感じる不快な音(こもり音)が車室内に伝達されることを抑制して車室内のNVH性能を向上させることができる。
本実施形態の車体前部構造の作用効果について図8、図9を用いて詳述する。
図8、図9は共に、車両走行時にサスタワー9やフロントサイドフレーム7等を介して路面からフロントウインドシールド6に伝達される振動(110~120Hz)に起因して該フロントウインドシールド6に生じる二次振動モードを示している。
詳しくは、図8は本実施形態の車体前部構造(V)におけるフロントウインドシールド6の二次振動モードを示す説明図、図9は従来の車体前部構造(V100)におけるフロントウインドシールド6の二次振動モードを示す説明図である。
なお、図8および図9は、フロントウインドシールド6の振動レベルの差異を図示の便宜上、ハッチングやドットの密度の大小(疎密)により示している。また図8および図9において、フロントウインドシールド6における、ハッチングを付した領域(図中右側の領域)と、ドットを付した領域(図中左側の領域)とは、二次振動モードの位相の異なる腹に相当する領域を示している。
本実施形態の車体前部構造は、従来の車体前部構造のように、タワーバーの車幅方向の中間部をカウルの車幅方向の中間位置に単に取り付けた構造ではなく、上述したように、ウインドシールド下縁6aの車幅方向の中央部6aCを含む領域において、タワーバー10をカウル2に沿って車幅方向に配設するとともに、バー車幅中央部16を、ブラケット50を介してカウル2に固定したものである。
すなわち、本実施形態の車体前部構造は、タワーバー10を、二次振動の節N(図8参照)に相当する部位を車幅方向に跨ぐように、これら両サイドに有する腹AN(図8参照)に相当する部位に亘ってブラケット50を介してカウル2に固定したものである。
さらに本実施形態の車体前部構造は、上述したように、ブラケット50における、バー固定領域55に、該バー固定領域55を下方から支持する車幅方向延在メンバ61を設けたものである。
従って、本実施形態の車体前部構造は、車両走行時に路面からフロントウインドシールド6の側へ伝達される振動に対して該フロントウインドシールド6を支持するカウル2の剛性を高めることができ、図8および図9に示すハッチングやドットの密度の大小の違いから明らかなとおり、従来の車体前部構造と比して二次振動モードの腹の振幅を低減することができる。
すなわち、本実施形態の二次振動モードを示す図8は、従来例の二次振動モードを示す図9と比して、ハッチングを付した領域とドットを付した領域とが共に、密度が大(密)になる領域が低減することができる。
この発明の態様として図3、図4、図6、図7に示すように、タワーバー10はバー車幅中央部16が車幅方向に離間した2箇所において車幅方向延在メンバ61に締結され、図1~図5に示すように、タワーバー10の当該2箇所の締結部161(取付部)の間162は、これら締結部161よりも曲げ剛性が高くなるように、内部に有する閉断面空間10s(図5参照)を潰さずに筒状の形態を保って形成されたものである。
上記構成によれば、タワーバー10を車体へ取り付ける左右のフランジ15a(左右のタワーバー取付部)の間にて生じる、タワーバー10を逆位相で振動させるタワーバー10の変形が、一層抑制され、フロントウインドシールド6の二次振動を低減できる。
この発明の態様として図5、図6に示すように、ブラケット50の、カウル2の前方の領域、すなわち前方延出部52の基部(当例ではカウル2の前方かつタワーバー10の後方領域)には、車幅方向に延びる上端稜線54uおよび下端稜線54d(稜線)が形成されたものである。
上記構成によれば、上端稜線54uおよび下端稜線54dにより、ブラケット50の、車幅方向に直交する方向の曲げ剛性が高められるため、車幅方向中央部を節とした左右の逆位相の振動が、より一層生じ難くすることができ、該フロントウインドシールド6の二次振動を低減できる。
この発明の態様として図5、図6に示すように、車幅方向延在メンバ61のブラケット50への取付位置(図5、図6中の前側フランジ部63の位置)と、稜線54u,54dの位置とは、車両前後方向でオフセットして形成されたものである。
本実施形態のブラケット50は、カウル2から車両前方へ片持状に延びてバー車幅中央部16を支持する構造であるが、上述したように、ブラケット50において、上述したように車幅方向延在メンバ61の取付位置と、上端稜線54uおよび下端稜線54dの位置とを車両前後方向にオフセットして形成することで、ブラケット50の車両前後方向の広範囲に亘って剛性を高めることができる。
従って、カウル2によって支持されるフロントウインドシールド6に、車幅方向中央部を節とした左右の逆位相の振動を、より一層生じ難くすることができる。
この発明の態様として車幅方向延在メンバ61の前側フランジ部63のブラケット50への取付位置は、該ブラケット50のバー固定領域55と車両平面視で一致するものである(図5~図7参照)。
上記構成によれば、ブラケット50のバー固定領域55に対応する位置に車幅方向延在メンバ61を取付けることができるため、バー固定領域55をさらに補強することができる。
この発明の態様として図2、図4、図7に示すように、車幅方向延在メンバ61の下方に、該車幅方向延在メンバ61から車両下方向に延びる閉断面空間62s(閉断面)(図7参照)を内部に有する車両上下方向延在メンバ62(閉断面部材)を備えたものである。
すなわち、本実施形態の前部車体構造は、ブラケット50における、バー固定領域55(固定領)を下方から支持する上述した車幅方向延在メンバ61と、車幅方向延在メンバ61の車幅方向両端から下方へ延びる左右一対の車両上下方向延在メンバ62とで、門形補強メンバ60を構成したものである。
上記構成によれば、車幅方向延在メンバ61自体は、車両上下方向延在メンバ62によって補強されているため、ブラケット50における、バー固定領域55をさらに補強することができる。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
2…カウル
6…フロントウインドシールド
10…タワーバー
14…開口部
16…バー車幅中央部(タワーバーの車幅方向に延びる中央部)
50…ブラケット
55…バー固定領域(ブラケットにおける、上記タワーバーの上記中央部が上方から固定される固定領域)
61…車幅方向延在メンバ(補強部材)
62…車両上下方向延在メンバ(補強部材の下方に備えた閉断面部材)
91…フロントサスペンションハウジング
54u…上端稜線(稜線)
54d…下端稜線(稜線)
161…締結部(取付部)
162…2箇所の締結部の間(2箇所の取付部の間)

Claims (5)

  1. 車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバーと、を有する前部車体構造であって、
    左右一対の上記タワーバーは、上記カウルに沿って車幅方向に延びる中央部を有し、
    上記開口部の上記下縁において上記フロントウインドシールドの車幅方向中央部を含む領域に、上記カウルから車両前方に延びるブラケットが設けられ、
    当該ブラケットに上記タワーバーの上記中央部が上方から固定されるとともに、当該固定領域を下方から支持する補強部材が設けられ
    上記タワーバーは上記中央部において車幅方向に離間した2箇所にて上記補強部材に取付けられ、
    上記タワーバーの当該2箇所の取付部の間は、これら取付部よりも曲げ剛性が高くなるように形成された
    車両の前部車体構造。
  2. 車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバーと、を有する前部車体構造であって、
    左右一対の上記タワーバーは、上記カウルに沿って車幅方向に延びる中央部を有し、
    上記開口部の上記下縁において上記フロントウインドシールドの車幅方向中央部を含む領域に、上記カウルから車両前方に延びるブラケットが設けられ、
    当該ブラケットに上記タワーバーの上記中央部が上方から固定されるとともに、当該固定領域を下方から支持する補強部材が設けられ
    上記ブラケットの、上記カウルの前方の領域には、車幅方向に沿って稜線が形成された
    車両の前部車体構造。
  3. 上記補強部材の上記ブラケットへの取付位置と、上記稜線の位置とは、車両前後方向でオフセットして形成された
    請求項に記載の車両の前部車体構造。
  4. 上記補強部材の上記ブラケットへの上記取付位置は、上記ブラケットの上記固定領域と車両平面視で一致する
    請求項に記載の車両の前部車体構造。
  5. 車体に形成された開口部の縁部に固定されたフロントウインドシールドと、左右一対のフロントサスペンションハウジングと、上記フロントウインドシールド用の上記開口部の下縁を構成するカウルと、左右夫々の上記フロントサスペンションハウジングと上記カウルの車幅方向中央部付近の領域とを連結するタワーバーと、を有する前部車体構造であって、
    左右一対の上記タワーバーは、上記カウルに沿って車幅方向に延びる中央部を有し、
    上記開口部の上記下縁において上記フロントウインドシールドの車幅方向中央部を含む領域に、上記カウルから車両前方に延びるブラケットが設けられ、
    当該ブラケットに上記タワーバーの上記中央部が上方から固定されるとともに、当該固定領域を下方から支持する補強部材が設けられ
    上記補強部材の下方に、該補強部材から車両下方向に延びる閉断面部材を備えた
    車両の前部車体構造。
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