JP7418654B2 - 緩衝構造付き包装材、荷物及び緩衝構造付き包装材の製造方法 - Google Patents
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Description
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係る緩衝構造付き包装材10、20は、箱状に組み立てられた包装箱とその周囲に配置された緩衝部とが一体化された構成を有する。緩衝構造付き包装材10、20は、図1Aと図2Aに示すように、緩衝部を変形することにより異なる緩衝性能を得ることができる構成を有する。なお、緩衝構造付き包装材10と、緩衝構造付き包装材20は、同じ物の違う状態を示すものである。
理解を容易にするために、図1A、図1B、図2A及び図2Bに示すように、実施の形態1に係る緩衝構造付き包装材10、20の包装箱11の長手方向をX軸方向、X軸方向に直交し包装箱11の短手方向と平行な2つの方向をそれぞれY軸方向とZ軸方向とする直交座標系を設定し、適宜参照する。
緩衝構造付き包装材10は、図1Aに示すように、直方体形状の包装箱11と、包装箱11の長手方向の両側端面及び当該端面に連接されている側面に配置されている2つの緩衝部12とを有する。緩衝構造付き包装材10の材質は、生分解性シートの一例である紙のシート(以下、紙シート)である。
被包装物を包装した当初の状態では、緩衝構造付き包装材20は、図2Aに示すように、両緩衝部21が、包装箱11の周囲に密着して配置されたコンパクトな状態にある。両緩衝部21は、図1Bに示す接続部124と一端部で包装箱11に接着され、他端部が互いに接続されている。
内装シート110は、図3Bに示すように、外形線、切断線又は山折り線に囲まれた平面状のパネル1051~1065の、矩形形状の15枚のパネルと、接着部1066~1068と、パネル1053及びパネル1063に連接された4つの挿入部1069と、包装箱11を組み立てるときに挿入部1069を挿入する位置に形成された4つの挿入口1070と、変形前の緩衝部21と変形後の緩衝部12が有する挿入部1169を挿入する挿入口1071及び1072とを有する。
ブロックB1及びB2は、外形線、切断線、山折り線又は谷折り線で画定された平面状のパネル1006~1021を有する。パネル1006~1021は、三角形、四角形又は五角形の形状である。図3Cに細い実線で示す切断線1001~1005は、ブロックB1又はB2の中心近傍と端部近傍をつなげるように形成されている。より具体的に説明すると、切断線1001は、始点から中央線まで直線状に延在する。切断線1002は、切断線1001の終点を始点とし、中央線に沿って直線状に延在する。切断線1003は、切断線1002の終点を始点とし、中央線を挟んで切断線1001とは反対側に直線状に延在して、包装箱11のX軸方向の端面の縁まで伸びる。切断線1004は、切断線1003の終点を始点として、端面の縁に沿って中央線を越えて直線状に延在する。切断線1005は、切断線1004の終点を始点とし、直線状に放射状に延在する。切断線1001の4つの始点は、ほぼ90度回転対称の位置にある。切断線1001~1005同士が屈曲して接続する角部に、図3Cに点線又は一点鎖線として示す山折り線又は谷折り線の一方の端部が接続され、また、山折り線及び/又は谷折り線同士が接続されている。
図5Aに示すように、それぞれ原材料である紙シートに、外形線、切断線、山折り線及び谷折り線が抜き型で形成され、不要部分が除去された外装シート130の、接続部1041及び1042と、8つのパネル1009の、図5Aの紙面の裏面側に接着剤を塗布し、内装シート110の上に載置する。そのとき、接続部1041は内装シート110のパネル1056の端部に、接続部1042はパネル1060の端部に位置合わせして接着することで、図5Bに示すシート100となる。このとき、8つのパネル1009は、パネル1057又は1059に接着されている。シート100になった状態で、内装シート110は包装箱11に組み立てられ、外装シート130は緩衝部21に組み立てられる。
なお、接着剤としては糊、ホットメルト等を使用することが好ましい。接着剤の塗布はスプレーガン、ディスペンサ、スクリーン印刷、グラビア印刷等を、全自動機、半自動機、刷毛等による手動作業等によって行われる。
まず、図3Cに示すパネル1016及びパネル1017を包装箱11の方向に曲げるように、折れ線1035及び1037を谷折りする。その後パネル1016とパネル1017が当接するように折れ線1036を山折りして舟形形状を形成する。そして、パネル1016の図3Cの紙面の手前側であった面を包装箱11の方向に曲げて、当該舟形形状を包装箱11に巻き付けるように折り畳む、そして、挿入部1169を、パネル1053又は1058の挿入口1071に挿入する。全ての1016を同様に包装箱11に巻き付けて、図2A及び図2Bに示す折り込み部210及び211が形成される。以上により、緩衝部21の組立が完了し、緩衝構造付き包装材20の組立が完了する。
まず、外装シート130から組み立てられた緩衝部21の、図3Cに示す、ミシン目1044~1046を破る。これにより、緩衝部21は端部が包装箱11から分離されるとともに、2つに分離される。これで、2つの緩衝部21は、それぞれの緩衝部21が有するパネル1009のみが包装箱11と接続された状態になる。
被包装物を包装した緩衝構造付き包装材20は、1次及び2次輸送に適した緩衝性能を有する。その後、より高い緩衝性能が求められる3次輸送に用いられる時には、緩衝部21を緩衝部12に変形させて、緩衝構造付き包装材20を緩衝構造付き包装材10にする。これによって、別途緩衝部を用意することなく緩衝性能を高めるためることが出来る。また、高い緩衝性能が必要では無いときは、緩衝部21は包装箱11に密着しているため、包装形態が必要以上に大きくなることは無い。
被包装物を包装した緩衝構造付き包装材20はパレットの上に複数段積まれて輸送される。このとき、緩衝構造付き包装材20の材質が段ボールである場合は、段積され内部に被包装物を有する緩衝構造付き包装材20自身の荷重に耐えるように、段ボールの中芯の形成方向が、緩衝構造付き包装材20が段積される方向と直交するようにした方が良い。また緩衝構造付き包装材20の折り込み部210及び211が形成されている面は、他の面よりも段ボールの積層枚数が多くなっているため比較的に緩衝性能が高い。そのため、折り込み部210及び211が形成されている面を平面又は側面として段積したほうが良い。
次に、本開示の緩衝構造付き包装材を用いて、特定の1面を除く5面に緩衝性能を有する緩衝構造付き包装材30について説明する。
緩衝構造付き包装材30は、図6の概略図の、包装箱31と緩衝部32で示すように、包装箱31の下面と、4つの側面の下方の周囲に緩衝部32を1つ有する。緩衝部32の図示しない保持部によって形成される空間を、図6では直方体の厚みとして表現している。つまり、図6の緩衝部32は、包装箱31の下面に、保持部を介して、図示しない端面が形成されており、さらに、包装箱31の4つの側面に、折り畳まれて厚みを有する折り込み部が形成されている状態を概略で表現している。緩衝構造付き包装材30は、1つの緩衝部32のみを有し、包装箱31の下面及び側面の5つの面に緩衝性能を有し、包装箱31の上面に対する衝撃を緩衝する能力は有さない。しかし、図6の状態を輸送中も維持し、包装箱の向きが変わらない場合には、包装材料の削減に有効である。
次に、実施の形態1に係る緩衝構造付き包装材10を用いた、緩衝構造付き包装材40について説明する。
緩衝構造付き包装材40は、図7にX方向視で示すように、緩衝構造付き包装材10の全体をスリーブ43で包んだものである。緩衝構造付き包装材10では、包装箱11の一部が露出しており、輸送中に当該露出部に他の荷物が当該箇所に接触する可能性があったが、スリーブ43によってその可能性を排除することが出来る。
次に、緩衝構造付き包装材50について説明する。
緩衝構造付き包装材50は、図8に示すように、緩衝構造付き包装材10の包装箱11を保持する緩衝部12の保持部123に関する。実施の形態1に係る緩衝構造付き包装材10が有する保持部123は4個であった。しかし、緩衝構造付き包装材50の保持部53は、図8に示すように10個でも良い。つまり、4個以上の偶数とすることも可能である。
例えば、緩衝構造付き包装材10の強度又は耐久性の向上を目的として、緩衝構造付き包装材10に用いられる紙シートに表面処理加工を施す、又は他のシート状材料の添付を行っても良い。また、緩衝構造付き包装材10に用いられる紙シートに変えて、任意の材料を用いても良い。
なお、実施の形態1~4に係る緩衝構造付き包装材10は、紙部材を用いて例示しているが、紙部材に限定する物では無く、生分解性等を有する環境負荷の小さい素材を任意に用いても良い。
Claims (13)
- 構成部材同士の一部が接続され重なった内装シートと外装シートとを備え、
前記内装シートから形成され、被包装物を包装する包装箱と、
前記外装シートの一部であって、前記包装箱の少なくとも1面に部分的に接続された接続部と、
前記外装シートの前記接続部に連接された部分であって、包装箱の角、稜、面の少なくともいずれかを保護し、折り畳み可能に構成され、前記内装シートから離間して前記被包装物を保護する緩衝部と、
を備える緩衝構造付き包装材。 - 前記緩衝部が折り畳まれ、前記外装シートが前記包装箱に密着した第1状態から、前記緩衝部が引き出された第2状態へ変形可能である請求項1に記載の緩衝構造付き包装材。
- 前記接続部は、組み込み構造によって接続する方法と異なる接続方法である接着により前記内装シートに接続されている請求項1に記載の緩衝構造付き包装材。
- 構成部材同士の一部が接続され重なった内装シートと外装シートとを備え、
前記内装シートから形成され、被包装物を包装する包装箱と、
前記外装シートの一部であって、前記包装箱の少なくとも1面に部分的に接続された接続部と、
前記外装シートの前記接続部に連接された部分であって、包装箱の角、稜、面の少なくともいずれかを保護する折り畳み可能に構成された緩衝部と、
前記外装シートの前記接続部に連接された部分であって、前記緩衝部の補強材と、
を備える緩衝構造付き包装材。 - 構成部材同士の一部が接続され重なった内装シートと外装シートとを備え、
前記内装シートから形成され、被包装物を包装する包装箱と、
前記外装シートの一部であって、前記包装箱の少なくとも1面に部分的に接続された接続部と、
前記外装シートの前記接続部に連接された部分であって、包装箱の角、稜、面の少なくともいずれかを保護する折り畳み可能に構成された緩衝部と、
を備え、
前記緩衝部は、前記外装シートの前記接続部に連接された部分であって、折り畳み可能かつ衝撃の緩衝に有効な屈曲部を有し、前記屈曲部により端面、側面の5面に対して緩衝性を発揮するように構成されている緩衝構造付き包装材。 - 構成部材同士の一部が接続され重なった内装シートと外装シートとを備え、
前記内装シートから形成され、被包装物を包装する包装箱と、
前記外装シートの一部であって、前記包装箱の少なくとも1面に部分的に接続された接続部と、
前記外装シートの前記接続部に連接された部分であって、包装箱の角、稜、面の少なくともいずれかを保護する折り畳み可能に構成された緩衝部と、
を備え、
前記外装シートは、前記内装シートの1面と平行である端面パネルと、前記端面パネルに連接され前記外装シートと前記端面パネルの間の空間に起立した状態で形成される保持部と、前記保持部に連接され前記保持部の端部を前記内装シートに接続する前記接続部を有し、前記保持部及び前記接続部が前記端面パネルの中心を通る法線を中心軸として等角度間隔で4以上の偶数個形成されている緩衝構造付き包装材。 - 構成部材同士の一部が接続され重なった内装シートと外装シートとを備え、
前記内装シートから形成され、被包装物を包装する包装箱と、
前記外装シートの一部であって、前記包装箱の少なくとも1面に部分的に接続された接続部と、
前記外装シートの前記接続部に連接された部分であって、包装箱の角、稜、面の少なくともいずれかを保護する折り畳み可能に構成された緩衝部と、
を備え、
前記緩衝部は、前記包装箱の1面に接続され、前記包装箱の当該面と連接する4面の外周に形成される緩衝構造付き包装材。 - 構成部材同士の一部が接続され重なった内装シートと外装シートとを備え、
前記内装シートから形成され、被包装物を包装する包装箱と、
前記外装シートの一部であって、前記包装箱の少なくとも1面に部分的に接続された接続部と、
前記外装シートの前記接続部に連接された部分であって、包装箱の角、稜、面の少なくともいずれかを保護する折り畳み可能に構成された緩衝部と、
を備える緩衝構造付き包装材であって、
前記緩衝構造付き包装材の外側にスリーブ又はシートを有する緩衝構造付き包装材。 - 構成部材同士の一部が接続され重なった状態で一体化された生分解性の内装シートと外装シートとを備え、
前記内装シートから形成され、被包装物を包装する包装箱と、
前記外装シートの一部であって、前記包装箱の少なくとも1面に部分的に接続された接続部と、
前記外装シートの前記接続部に連接された部分であって、包装箱の角、稜、面の少なくともいずれかを保護する折り畳み可能に構成された緩衝部と、
を備え、
前記内装シートと前記外装シートが紙である緩衝構造付き包装材。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載の緩衝構造付き包装材と、
前記包装箱によって包装された前記被包装物と、
を備える荷物。 - 箱状に組み立てられて被包装物を包装する内装シートを形成する工程と、
前記内装シートの外側に配置され緩衝する外装シートを形成する工程と、
前記内装シートと前記外装シートを部分的に接続する工程と、
前記内装シートを箱状に組み立てる工程と、
前記外装シートを前記箱状に組み立てられた内装シートの周囲に密着して配置する工程と、
前記外装シートを、前記内装シートに部分的に接続され、前記内装シートから部分的に離間した形状に変形する工程と、
を有する緩衝構造付き包装材の製造方法。 - 箱状に組み立てられて被包装物を包装する内装シートを形成する工程と、
前記内装シートの外側に配置され緩衝する外装シートを形成する工程と、
前記内装シートと前記外装シートを部分的に接続する工程と、
前記内装シートを箱状に組み立てる工程と、
前記外装シートを、輸送の形態に応じて、前記箱状に組み立てられた内装シートの周囲に密着して配置するか、又は前記内装シートに部分的に接続し前記内装シートから部分的に離間して配置して、前記箱状に組み立てられた内装シートの角、稜、及び面の少なくとも1つを緩衝して保護する工程と、
を有する緩衝構造付き包装材の製造方法。 - 前記内装シートと前記外装シートを部分的に接続する工程において、前記内装シートと前記外装シートを、接着又は部分的に組み込む方法で接続する請求項11又は12に記載の緩衝構造付き包装材の製造方法。
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