JP2012166801A - 段ボール製梱包材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、被梱包物の被保護面に対向し、この被保護面側の保護面およびその反対側の面である反対面が形成される保護面形成部と、折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、反対面に対向する対向面部T1c、T1d、T2c、T2dおよびこれら対向面部から上記反対面に向かって延びる側面部を有する緩衝突起部1c、1d、2c、2dとを、1枚の段ボールに設けておく。梱包時に、折り曲げ予定線に沿って折り曲げ、緩衝突起部1c、1d、2c、2dに設けられている複数の側面部の先端部分が、上記反対面に当接することにより、被梱包物を保護することができる。
【選択図】図10
Description
一般的な緩衝材として、内部に空気を封入したエアー緩衝材や、紙を成形したパルプモールド緩衝材が知られている。エアー緩衝材は、特殊な製袋を行う必要があるうえ、袋内部の空気が減ると緩衝性が低減する。このため、ハイバリアなフィルムが必要になり、コスト高を招く傾向がある。また、空気の封入量を制御するのが難しく、封入量にばらつきが生じやすく、封入量が多すぎると、被梱包物を傷める可能性がある。
ところで、段ボール材を成形して緩衝材としての機能を実現する技術が知られている。
段ボール材にコの字状等の切込み線を設け、その内側に遊離片を形成し、折り曲げ予定線で折り曲げる遊離片を突出させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。突出させた遊離片の先端が外箱内面に接することにより、緩衝材としての機能が実現される。
さらに、起立突片を設けて緩衝機能を実現する技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、帯状の包装帯を被包装物に巻き付けて緩衝機能を実現する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。
また、特許文献2に記載の技術によると、緩衝機能を高める場合には直方筒状の立ち上り部が大きくなり、その結果外箱が大きくなる傾向がある。特許文献3に記載の技術の場合においても、緩衝機能を高める場合には起立突片が大きくなり、その結果外箱が大きくなる傾向がある。
本発明の目的は、コスト高を招くことなく、かつ、外箱が大きくならず、さらに、梱包時まで保管するためのスペースが少なくて済む段ボール製梱包材を提供することである。
前記反対面に、複数の前記側面部の先端部分が当接可能に構成されていることを特徴とする。この構成によれば、保護面形成部および緩衝突起部によって被梱包物を保護することができるので、コスト高を招くことなく、かつ、外箱が大きくならず、さらに、梱包時まで保管するためのスペースが少なくて済む。
折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって形成される前記緩衝突起部の前記対向面部が、前記箱の内面に対向可能になっていることが望ましい。対向面部が前記箱の内面に対向することにより、被梱包物を保護することができる。
前記緩衝突起部は、前記側面部を2つ備え、断面がコの字形になっていても良いし、前記側面部を1つ備え、断面がL字形になっても良い。いずれの場合でも、1または2以上の緩衝突起部による複数の側面部の先端部分が上記反対面に接することにより、被梱包物を保護することができる。
前記緩衝突起部は、前記複数の保護面形成部それぞれに対応して設けられ、折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、対応する保護面形成部の前記反対面に対して先端部分が接する前記側面部が形成されるのが望ましい。これにより、緩衝突起部の複数の側面が上記反対面に接する状態を容易に形成することができるので、被梱包物の梱包を作業者の手作業または製函機などの梱包装置によって行うことができる。このため、パルプモールド成型に用いるような複雑で精巧な型を用意する必要がない。
なお、掛合突起部と、前記掛合突起部を留めるための孔部と、を更に備え、前記孔部によって前記掛合突起部を留めた状態において、前記被梱包物の外周に設けられた状態が維持されるようにしてもよい。この構成によれば、被梱包物を確実に保護することができる。
(段ボール製梱包材シート)
図1は、本発明の実施の形態に係る段ボール製梱包材シートの構成を示す外観図である。図1中の実線は、段ボール製梱包材シートの外形線、または、段ボール製梱包材シートに設けられたコの字状等の切込み線等を示している。また、図1中の破線は、段ボール製梱包材の組み立ての際の折り曲げ予定線を示している。
矩形部100aの部分100Eには、掛合舌片16が設けられている。そして、この掛合舌片16に設けられている掛合突起部17を留めるための孔部18が部分100Bに設けられている。
以上のように、本実施形態による段ボール製梱包材シートは、上記の形状に型抜き加工を行うだけで済み、加工に伴うコストを抑えることができる。また、必要であれば、段ボール製梱包材シートの表面に印刷を施すこともできるので、美粧性を向上させたり、注意書きを追加したりすることもできる。
(保護面形成部)
折り曲げ予定線L6aに沿って保護面形成部20aが紙面手前側方向に折り曲げられることにより、被梱包物の被保護面に対向する保護面が形成される。そして、後述する緩衝突起部が組み立てられた状態において、保護面形成部20aの保護面とは反対側の面である反対面に、緩衝突起部の複数の側面部の先端部分が接することになる。
保護面形成部20aには、孔部8aおよび9aが設けられている。孔部8aまたは9aには、緩衝突起部に設けられている凸部が挿入され、組み立てられた状態の緩衝突起部の形状が維持される。
他の保護面形成部20b〜20dには、孔部8b〜8d、孔部9b〜9dが設けられている。その他、他の保護面形成部20b〜20dは、保護面形成部20aと同様の構成であるため、詳しい説明を省略する。
緩衝突起部1aは、折り曲げられて立ち上がった状態において、保護面形成部20aと対向する対向面部T1aと、折り曲げられて立ち上がった状態において、対向面部T1aから保護面形成部20aに向かって延びる側面部11aおよび12aとを有している。緩衝突起部2aは、折り曲げられて立ち上がった状態において、保護面形成部20aと対向する対向面部T2aと、折り曲げられて立ち上がった状態において、対向面部T2aから保護面形成部20aに向かって延びる側面部13aとを有している。
他の緩衝突起部1b〜1dおよび2b〜2dは、緩衝突起部1aおよび2aと同様の構成であるため、説明を省略する。
折り曲げ予定線L71、L72およびL73については、後述する段ボール製梱包材の組み立ての際、同時に折り曲げられる。折り曲げ予定線L72の両側には、各折り曲げ予定線に沿って遊離片14、15a、15bが並んで設けられている。折り曲げ予定線L71、L72、L73に沿って段ボール製梱包材シート100の部分100Aが紙面手前側方向に折り曲げられることにより、各遊離片14、15a、15bが突出することになる。
折り曲げ予定線L101、L102およびL103についても同様に、各折り曲げ予定線に沿って段ボール製梱包材シート100が折り曲げられることにより、各遊離片14が突出することになる。
突出した各遊離片14は、後述する外箱の内面に向かって突出し、その先端部分が外箱の内面に接触するため、被梱包物を保護することができる。
掛合舌片16には、孔部18に挿入するための掛合突起部17が設けられている。折り曲げ予定線L113に沿って掛合舌片16が折り曲げられることにより、掛合突起部17が突出する。
折り曲げ予定線L111に沿って掛合舌片16が紙面奥側方向に折り曲げられることにより、掛合舌片16が矩形部100aから突出した状態になる。そして、部分100B、100Cによって被梱包物の側面が、部分100Aおよび100Eによって被梱包物の上面が、それぞれ覆われた後、折り曲げ予定線L112、L113に沿って掛合舌片16が適切に折り曲げられることにより、掛合舌片16に設けられている掛合突起部17を孔部18に挿入することができる。その挿入の際、折り曲げ予定線L113に沿って掛合舌片16が折り曲げられることにより、掛合突起部17が突出し、孔部18への挿入が可能になる。掛合突起部17が孔部18へ挿入された状態において、被梱包物の梱包状態を維持することができる。
なお、段ボール製梱包材シート100は、複数枚積層された状態、すなわち積層体の状態で保管されたり運送されたりすることが多い。つまり、必要な孔部や切欠を設けて、段ボール製梱包材シート100の積層体の状態で保管すれば、パルプモールド緩衝材の場合に比べて狭い保管スペースで済む。
図3のように、段ボール製梱包材シート100の積層体から、供給装置101によって段ボール製梱包材シート100を1枚ずつ取り出し、取り出した段ボール製梱包材シート100によって被梱包物を梱包する。被梱包物の梱包は、製函機などの梱包装置によって作業を行ってもよいし、作業者が手作業で行ってもよい。
最初に、図4(a)のように、段ボール製梱包材シート100を載置する。次に、緩衝突起部1a〜1dおよび2a〜2dを折り曲げ予定線に沿って折り曲げ、図4(b)の状態にする。緩衝突起部1aおよび2aの場合、折り曲げ予定線L1aに沿って折り曲げる。図4(b)の状態では、矩形部100aの主面に対し、緩衝突起部1a〜1dおよび2a〜2dの主面が、略直角になっている。
なお、図5(a)の状態において、緩衝突起部1a〜1dは、段ボールの厚み方向の断面がコの字形になっている。また、図5(a)の状態において、緩衝突起部2a〜2dは、段ボールの厚み方向の断面がL字形になっている。
この図5(b)の状態では、組み立てられた各緩衝突起部に設けられている凸部が保護面形成部の孔部に挿入されるので、緩衝突起部の形状が維持される。すなわち、緩衝突起部1aの凸部6aおよび7a(図1および図2を参照)が保護面形成部20aの孔部9a(図1および図2を参照)に挿入されることにより、折り曲げられて形成された緩衝突起部の形状が維持される。また、緩衝突起部2aの凸部5a(図1および図2を参照)が保護面形成部20aの孔部8a(図1および図2を参照)に挿入されることにより、折り曲げられた緩衝突起部2aの形状が維持される。他の緩衝突起部1b〜1dや緩衝突起部2b〜2dについても同様である。
その後、段ボール製梱包材シート100を、折り曲げ予定線L81、L82およびL83(図1を参照)に沿って矢印Y2aのように折り曲げ、かつ、折り曲げ予定線L91、L92およびL93(図1を参照)に沿って矢印Y2bのように折り曲げることにより、図7(b)の状態にする。この図7(b)の状態では、被梱包物200の側面方向に、矩形部100aの部分100Bおよび100D(図1を参照)が位置することになる。
その後、段ボール製梱包材シート100を、折り曲げ予定線L71、L72およびL73(図1を参照)に沿って矢印Y3のように折り曲げることにより、図8(a)の状態にする。図8(a)の状態では、被梱包物200の上面方向に、矩形部100aの部分100A(図1を参照)が位置することになる。
以上説明した、図3から図9までの行程は、製函機などの梱包装置によって自動的に行うことができる。すなわち、積層体から段ボール製梱包材シート100を取出し、折り曲げ予定線に沿って折り曲げ、図6および図7のように被梱包物を搬送し、さらに折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、図9(b)の状態を得ることができる。
上記のように段ボール製梱包材を組み立てると、被梱包物200の長手方向の端面すなわち被保護面側は図10のような状態になる。図10においては、2つの保護面形成部20cおよび20d(図1を参照)によって被梱包物200の被保護面に対向する保護面が形成されている。つまり、複数の保護面形成部をそれぞれ折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、保護面が形成される。このような構成を採用することにより、1つの保護面形成部によって保護面を形成する場合に比べて、シート上のレイアウトの自由度を確保できる。
ここで、緩衝突起部1cに着目すると、2つの側面部が、被梱包物200の被保護面に対向する保護面とは反対側の面である反対面に接している。そして、緩衝突起部1cの対向面部T1cは、後述する外箱の内面に対向し、場合によっては接することになる。緩衝突起部1dについても同様に、2つの側面部が被梱包物200の被保護面に対向する保護面とは反対側の反対面に接し、対向面部T1dが後述する外箱の内面に対向し、場合によっては接することになる。なお、緩衝突起部1cおよび緩衝突起部1dは、側面部を2つ備え、段ボールの厚み方向の断面がコの字形になっている。
本実施形態による段ボール製梱包材によって梱包された被梱包物200’は、図11のように、矢印Y6の方向に搬送され、外箱300内に収容される。被梱包物200’の状態であれば、内部の被梱包物に触れることなく、梱包作業を容易に行うことができる。
本実施形態による段ボール製梱包材は、上述した緩衝突起部を有しているため、パルプモールドを利用する場合に比べて、用意する外箱のサイズを小さくすることができる。外箱のサイズを小さくすることが可能になるので、被梱包物を確実に保護しつつ、その運搬効率を高めることができる。
段ボール製梱包材を組み立てる際、段ボール製梱包材シートや被梱包物の搬送方向は、上述した例に限定されない。折り曲げて組み立てを行う製函機(図示せず)の構成や機能に応じて、段ボール製梱包材シートや被梱包物の搬送方向を適宜変更すればよい。
上記の例では、保護面形成部と緩衝突起部とを、略直方体の被梱包物の長手方向の端面の位置に設けているが、被梱包物の側面など、どの面の位置に設けてもよく、設けた位置の面を保護することができる。
上記の例では、掛合突起部17を掛合舌片16に設けておき、これを孔部18に挿入する構成を採用しているが、掛合突起部17の位置と孔部18の位置とを入れ替えても良い。その場合、孔部18を掛合舌片16に設けておき、これに掛合突起部17を挿入することになる。この場合でも、掛合突起部17が孔部18へ挿入された状態において、被梱包物の梱包状態を維持することができる。
なお、段ボール製梱包材シートの各部の長さやシートの厚みは、被梱包物の大きさや形状に応じて適宜変更すればよい。
上述したように本実施形態の段ボール製梱包材は、1枚の段ボールから構成され、かつ、折り曲げられることで被梱包物の外周に配置された状態となって該被梱包物を保護するための段ボール製梱包材であり、折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、被梱包物の被保護面に対向し、この被保護面側の保護面およびその反対側の面である反対面が形成される保護面形成部と、折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、上記反対面に対向する対向面部および該対向面部から上記反対面に向かって延びる少なくとも1つの側面部を有する少なくとも1つの緩衝突起部と、を備え、上記反対面に、複数の上記側面部の先端部分が当接可能に構成されている。これら保護面形成部および緩衝突起部によって被梱包物を保護することができるので、コスト高を招くことなく、かつ、外箱が大きくならず、さらに、梱包時まで保管するためのスペースが少なくて済む。
20a〜20d 保護面形成部
3a、4a、14、15a、15b 遊離片
5a、6a、160a、160b 凸部
8a〜8d、9a〜9d、18 孔部
10a、10b 切欠部
11a、12a、13a 側面部
16 掛合舌片
17 掛合突起部
20a〜20d 保護面形成部
100 段ボール製梱包材シート
100a 矩形部
101 供給装置
161a、161b 突出片
200 被梱包物
300 外箱
K1a〜K6a 切込み線
L1a、L21a、L21a
L31a、L32a、L4a
L5a、L6a、L71、L72
L81、L91、L101
L111、L112、L113、L114 折り曲げ予定線
T1c、T1d、T2c、T2d 対向面部
Claims (8)
- 1枚の段ボールから構成され、かつ、折り曲げられることで被梱包物の外周に配置された状態となって該被梱包物を保護するための段ボール製梱包材であって、折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、被梱包物の被保護面に対向し、前記被保護面側の保護面および該保護面とは反対側の面である反対面が形成される保護面形成部と、折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、前記反対面に対向する対向面部および該対向面部から前記反対面に向かって延びる少なくとも1つの側面部を有する少なくとも1つの緩衝突起部と、を備え、
前記反対面に、複数の前記側面部の先端部分が当接可能に構成されていることを特徴とする段ボール製梱包材。 - 請求項1に記載の段ボール製梱包材は、
前記被梱包物の外周に配置された状態で前記被梱包物と前記被梱包物を収容する箱との間に位置し、
折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって形成される前記緩衝突起部の前記対向面部が、前記箱の内面に対向可能になっていることを特徴とする段ボール製梱包材。 - 請求項2に記載の段ボール製梱包材において、
前記緩衝突起部は、前記側面部を2つ備え、断面がコの字形になっていることを特徴とする段ボール製梱包材。 - 請求項2に記載の段ボール製梱包材において、
前記緩衝突起部は、前記側面部を1つ備え、断面がL字形になっていることを特徴とする段ボール製梱包材。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の段ボール製梱包材において、
前記保護面形成部を複数備え、それら複数の保護面形成部をそれぞれ折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、前記保護面および前記反対面が形成されることを特徴とする段ボール製梱包材。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の段ボール製梱包材において、
前記緩衝突起部は、前記複数の保護面形成部それぞれに対応して設けられ、折り曲げ予定線に沿って折り曲げることによって、対応する保護面形成部の前記反対面に先端部分が接する前記側面部が形成されることを特徴とする段ボール製梱包材。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の段ボール製梱包材において、
前記緩衝突起部および前記保護面形成部は、いずれか一方に設けられた凸部と他方に設けられた孔部とを有し、前記凸部が前記孔部に挿入可能となっていることを特徴とする段ボール製梱包材。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の段ボール製梱包材において、
掛合突起部と、前記掛合突起部を留めるための孔部と、を更に備え、前記孔部によって前記掛合突起部を留めた状態において、前記被梱包物の外周に設けられた状態が維持されることを特徴とする段ボール製梱包材。
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