JP7417480B2 - 車両用電子制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用電子制御装置に関する。
車両用電子制御装置には、複数の起動信号のいずれかがアクティブレベルとなったときに車載バッテリから給電されて起動し、アクティブレベルの起動信号に応じた制御処理を行うように構成されたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2013-086644号公報
ところで、例えばバッテリを車両システムに接続したとき等、バッテリから車両用電子制御装置への供給電圧が急激に上昇したときに、起動信号生成部の電気的特性等の何らかの理由により、起動要求とは関係なく特定の起動信号がアクティブレベルとなってしまうことがある。このため、車両用電子制御装置が特定の起動信号の状態遷移に応じて起動し、不必要な制御処理の実行による電力消費でバッテリの負荷を増大させるおそれがある。
そこで、本発明は以上のような問題点に鑑み、起動信号の信頼性を向上させてバッテリの負荷を抑制する車両用電子制御装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る車両用電子制御装置は、車両使用者による操作が可能なスイッチのスイッチ出力に応じた給油信号がアクティブレベルとなったときに車載バッテリから給電されて起動して、給油を行う際に燃料タンク内に発生している蒸発燃料をキャニスタに吸着させる吸着処理を行うように構成されたものであって、車載バッテリから直接供給される供給電圧の低下を検知して供給電圧の低下を検知したことを示す情報を記憶する電圧低下検知手段と通信可能に接続され、(i)スイッチ出力を入力して給油信号を生成し、給油信号がスイッチの操作によってアクティブレベルとなったときに給油信号をアクティブレベルのまま保持して出力するように構成され、かつ、(ii)低下した供給電圧が回復したときにスイッチの操作状態に関係なく給油信号をアクティブレベルに保持して出力する性質を有する給油信号保持回路と接続され、この給油信号保持回路から給油信号を入力し、給油信号保持回路から入力した給油信号がアクティブレベルとなって起動したときに、電圧低下検知手段が上記情報を記憶している場合には、給油信号が、スイッチの操作によってではなく、低下した供給電圧の回復によってアクティブレベルとなったと判定し、吸着処理を実施することなく給油信号保持回路に給油信号を非アクティブレベルへ遷移させ、電圧低下検知手段に上記情報を消去させて、動作を停止する制御を行う。
本発明に係る車両用電子制御装置によれば、起動信号の信頼性を向上させて車載バッテリの負荷を抑制することができる。
車両用電子制御装置を適用した車両システムの構成例を示す概略図である。 同制御装置の起動回路の構成例を示す回路ブロック図である。 同制御装置の給油信号に関する回路構成例を示す回路ブロック図である。 同制御装置の給油信号保持回路に関する動作例を示すタイムチャートである。 RTC-ICの電圧低下検知機能を説明するダイムチャートである。 同制御装置の制御処理の一例を示すフローチャートである。 同制御装置の制御処理の一例を示すフローチャートである。 同制御装置の制御処理による信号波形変化例を示すタイムチャートである。 同制御装置の制御処理による信号波形変化例を示すタイムチャートである。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。 図1は、車両用電子制御装置が適用される車両システムの一例を模式的に示す。図中の車両システムは、車両に搭載された多気筒のガソリンエンジンである内燃機関1を中心とするシステムである。
〔内燃機関〕
内燃機関1の吸気は、電制スロットル弁2が配置された吸気管3とこれに接続された各気筒の吸気ポート4とを介して、吸気ポート4に配置された吸気バルブ5の開弁期間中に車両外部から各気筒の燃焼室6へ流入する。また、内燃機関1には、吸気管3、吸気ポート4ないし燃焼室6へ燃料(ガソリン)を噴射する燃料噴射弁7が気筒毎に配置され、燃料噴射弁7から噴射された燃料は吸気と混合して、燃焼室6内に混合気が形成される。
燃焼室6内に形成された混合気は、吸気バルブ5と排気ポート8に配置された排気バルブ9とが閉弁する閉弁期間中に、燃焼室6に臨む点火プラグ10の火花点火によって着火燃焼する。これにより生成された燃焼排気は、排気ポート8とこれに接続された排気管11とを介して、排気バルブ9の開弁期間中に車両外部へ排出される。燃焼圧力によるピストン12の往復動は、ピストン12と連結されたクランク軸13によって回転運動に変換された後、内燃機関1の出力として図示省略の車輪へ伝達される。
電制スロットル弁2、燃料噴射弁7及び点火プラグ10は、マイクロコンピュータを内蔵したエンジン・コントロール・モジュール(以下、「ECM」という)14によって制御される。ECM14は、各種センサの出力信号を入力し、これらの出力信号に基づいて演算処理を行う。各種センサとして、電制スロットル弁2の上流側で吸気量を計測するエアフローメータ(AFM)15、クランク軸13の回転角度を計測するクランク角センサ16、アクセルペダル17の踏み込み量(アクセル開度)を計測するアクセル開度センサ18等が設けられる。
ECM14は、具体的には、燃料噴射時期及び燃料噴射量、点火時期及びスロットル開度等の目標値を求める。そして、ECM14は、目標の燃料噴射時期及び燃料噴射量に応じた噴射制御信号を燃料噴射弁7に出力し、目標の点火時期に応じた点火制御信号を点火プラグ10に出力し、目標のスロットル開度に応じたスロットル制御信号を電制スロットル弁2へ出力する。
〔燃料タンク〕
燃料噴射弁7から噴射される燃料は、密閉型の燃料タンク19に貯留された燃料から供給される。燃料タンク19内には燃料ポンプ20が設置されており、燃料ポンプ20によって吸引された燃料が、図示省略の燃料供給管を介して燃料噴射弁7に供給される。燃料タンク19は、先端の給油口21aに給油キャップ22が着脱可能に装着される給油管21を備え、給油管21の給油口21aの外側には、給油キャップ22を覆うフューエルフィラーリッド23が開閉可能に設けられる。
フューエルフィラーリッド23は、開方向のばね付勢力に抗して閉じられ、リッドアクチュエータ24の可動部材(例えばソレノイドのプランジャ等)24aに係止されることで、機械的に閉状態にロックされる。一方、フューエルフィラーリッド23の可動部材24aへの係止は、フューエルフィラーリッド23を係止する方向に付勢している可動部材24aはリッドアクチュエータ24の通電によって付勢力に抗して動作することで解除される。これによりフューエルフィラーリッド23は、ロックが解除され、ばね付勢力によって開状態となる。リッドアクチュエータ24は、イグニッションスイッチがオフ状態であっても、外部からの制御信号の入力に応じて動作できるように、電源供給可能に構成される。
〔蒸発燃料処理装置〕
上記の内燃機関1には、蒸発燃料処理装置25が備えられる。蒸発燃料処理装置25は、燃料タンク19内に発生した蒸発燃料をキャニスタ26に一時的に吸着させて捕集し、キャニスタ26から脱離させた蒸発燃料を含むパージガスを電制スロットル弁2の下流側の吸気管3に供給するものである。
キャニスタ26は、容器内に活性炭等の吸着材を充填したものであり、容器内を車両外部に連通させるための外部連通路27を備える。
燃料タンク19とキャニスタ26とは、封鎖弁28が介装された蒸発燃料導入路29によって接続される。封鎖弁28は、常閉型の電磁弁であり、外部からの制御信号が入力されないオフ状態では、燃料タンク19からキャニスタ26への蒸発燃料の供給を遮断する。一方、封鎖弁28は、外部からの制御信号が入力されたオン状態では、開弁して燃料タンク19からキャニスタ26へ蒸発燃料の供給を可能にする。
キャニスタ26と電制スロットル弁2の下流側の吸気管3とは、パージ制御弁(PCV)30が介装されたパージ通路31によって接続される。パージ制御弁30は、常閉型の電磁弁であり、外部からの制御信号が入力されないオフ状態では、キャニスタ26から吸気管3へのパージガスの供給を遮断する。一方、パージ制御弁30は、外部からの制御信号が入力されたオン状態では、開弁してキャニスタ26から吸気管3へのパージガスの供給を可能にする。なお、パージ制御弁30は、外部からの制御信号に応じてパージガスの流量調整が可能となるように構成されてもよい。
また、蒸発燃料処理装置25は、燃料タンク19からキャニスタ26を経てパージ制御弁30へ至る蒸発燃料流通系の配管の亀裂や配管間の接合部のシール不良による蒸発燃料のリークを診断するためのリーク診断部を備える。具体的には、リーク診断部は以下のように構成される。
キャニスタ26の外部連通路27は、電磁式の切換弁32によって、大気に開放された大気開放路33と、図示省略の電動モータで駆動されて大気を吸入するエアポンプ34の吐出口に接続されたポンプ吐出路35と、に選択的に接続される。切換弁32は、外部から制御信号が入力されないオフ状態では、外部連通路27を大気開放路33に接続し、外部から制御信号が入力されたオン状態では、外部連通路27をポンプ吐出路35に接続するように構成される。
ポンプ吐出路35とキャニスタ26の外部連通路27との間には、切換弁32をバイパスするバイパス通路36が設けられ、このバイパス通路36には基準口径を有する基準オリフィス37が設けられる。大気開放路33とエアポンプ34の吸入口に接続されたポンプ吸入路38とには、エアフィルタ39が設けられる。
封鎖弁28、切換弁32及びエアポンプ34は、イグニッションスイッチがオフ状態であっても、外部からの制御信号の入力に応じて動作できるように、電源供給可能に構成される。
〔蒸発燃料処理用コントローラ〕
蒸発燃料処理装置25は、封鎖弁28、パージ制御弁30、切換弁32、エアポンプ34及びリッドアクチュエータ24を制御する、マイクロコンピュータ内蔵の蒸発燃料処理用コントローラ100を、車両用電子制御装置として備える。蒸発燃料処理用コントローラ(以下、「エバポコントローラ」という)100は、ECM14とCAN(Controller Area Network)等で通信可能に構成されるとともに、各種センサの出力信号を入力する。
各種センサとして、圧力センサ40、電流センサ41及び開閉センサ42が設けられる。圧力センサ40は燃料タンク19の内圧を計測し、電流センサ41はエアポンプ34を駆動する図示省略の電動モータの作動電流を計測し、それぞれ計測値に応じた信号を出力する。開閉センサ42は、給油キャップ22が給油口21aから外されたときに、出力信号の電位レベルが変化するように構成される。
エバポコントローラ100は、ECM14の送信情報や各種センサの出力信号に基づいて、吸着処理、パージ処理及びリーク診断処理等を行う。ここで、吸着処理は、燃料タンク19内の蒸発燃料をキャニスタ26に吸着させる処理であり、パージ処理は、キャニスタ26に吸着した蒸発燃料を脱離させる処理であり、リーク診断処理は、蒸発燃料流通系における蒸発燃料のリークを診断するリーク診断処理である。
(吸着処理)
エバポコントローラ100は、燃料タンク19に燃料を補給する給油を行う際に吸着処理を開始する。具体的には、エバポコントローラ100は、リッドアクチュエータ24に制御信号を出力して、フューエルフィラーリッド23をロック解除して開状態とする。そして、エバポコントローラ100は、給油キャップ22が外されて開閉センサ42の出力信号の電位レベルが変化したときに、パージ制御弁30及び切換弁32をオフ状態にしたまま、封鎖弁28をオン状態にして開弁させる。エバポコントローラ100は、給油が終了して、開閉センサ42の出力信号が給油キャップ22を装着したことを示す電位レベルに変化したときに、吸着処理を終了する。
吸着処理により、燃料タンク19は、蒸発燃料導入路29、キャニスタ26、外部連通路27、大気開放路33を介して、車両外部と連通する。このため、給油によって燃料タンク19内に発生した蒸発燃料は、燃料タンク19の内圧と大気圧との圧力差によりキャニスタ26へ向かって流出する。これにより、蒸発燃料がキャニスタ26に吸着して捕集されるとともに燃料タンク19の内圧が低下するので、蒸発燃料の放散を抑制しつつ給油を行うことができる。
(パージ処理)
エバポコントローラ100は、内燃機関1の運転中にECM14からのパージ要求信号を受信したときに、切換弁32をオフ状態にしたままパージ制御弁30をオン状態にして開弁させることで、パージ処理を開始する。蒸発燃料導入路29の封鎖弁28は、キャニスタ26からの蒸発燃料の脱離を促進するために、オフ状態のまま閉弁される。パージ要求信号は、ECM14において、エアフローメータ15、クランク角センサ16、アクセル開度センサ18等の各種センサの出力信号から取得される内燃機関1の運転状態が所定のパージ許可条件を満たしていると判断されたときに、送信される。
パージ制御弁30が開弁すると、パージ通路31を介して内燃機関1の吸気負圧と大気圧との圧力差によって、外部連通路27から新気がキャニスタ26に導入される。このため、キャニスタ26から蒸発燃料が脱離して、蒸発燃料を含むパージガスが吸気管3へ供給される。吸気管3に供給されたパージガスは、吸気とともに燃焼室6へ流入して点火プラグ10の火花点火による着火燃焼に供される。
なお、エバポコントローラ100は、内燃機関1の運転中に圧力センサ40の出力信号から取得された燃料タンク19の内圧が所定値以上となった場合には、切換弁32をオフ状態にしたまま封鎖弁28及びパージ制御弁30をオン状態にして開弁させてもよい。これにより、燃料タンク19内に発生した蒸発燃料は、蒸発燃料導入路29からキャニスタ26へ流出した後、内燃機関1の吸気負圧によって直ちにパージ通路31へ流入し、キャニスタ26に殆ど吸着されることなく吸気管3へ供給される。
(リーク診断処理)
エバポコントローラ100は、内燃機関1の停止中にリーク診断処理を開始する。具体的には、エバポコントローラ100は、蒸発燃料流通系の雰囲気を初期化すべく、切換弁32をオフ状態にしたまま封鎖弁28及びパージ制御弁30をオン状態にして開弁させるとともにエアポンプ34を作動させて、この状態を所定時間継続する。これにより、エアポンプ34から吐出されてバイパス通路36を通った空気は、キャニスタ26を経てパージ通路31から吸気管3へ放出されるとともに切換弁32を経て大気開放路33から大気中へ放出され、蒸発燃料流通系から残圧及び残留ガスが除去される。
次に、エバポコントローラ100は、リークの基準レベルを設定すべく、パージ制御弁30及び切換弁32をオフ状態にしたまま封鎖弁28をオン状態にして開弁させるとともにエアポンプ34を作動させて、この状態を所定時間継続する。これにより、エアポンプ34から吐出されてバイパス通路36(基準オリフィス37)を通った空気は、切換弁32を経て大気開放路33から大気中に放出される。所定時間経過後、エバポコントローラ100は、電流センサ41の出力信号から取得されたエアポンプ34の作動電流値を、リークの基準レベルに設定する。
次に、エバポコントローラ100は、実際のリークレベルを計測すべく、パージ制御弁30をオフ状態にしたまま封鎖弁28及び切換弁32をオン状態にするとともにエアポンプ34を作動させて、この状態を所定時間継続する。これにより、エアポンプ34から吐出された空気は、ポンプ吐出路35から切換弁32を経て外部連通路27へ流れた後、キャニスタ26内を通って蒸発燃料流通系へ流入する。所定時間経過後、エバポコントローラ100は、電流センサ41の出力信号から取得されたエアポンプ34の作動電流値を、実際のリークレベルとする。
そして、エバポコントローラ100は、基準レベルと実際のリークレベルとを比較して、その比較結果に基づいて、蒸発燃料流通系における蒸発燃料のリークを診断する。実際のリークレベルが基準レベルよりも小さい場合には、エアポンプ34の駆動負荷は、吐出空気が蒸発燃料流通系に流入するときよりも基準オリフィス37を通過するときの方が高い。このため、蒸発燃料流通系には、基準オリフィス37の基準口径よりも大きな孔が開口しているのと同等の失陥が発生していると診断できる。以上のようなリーク診断処理については、例えば特開2001-12319号公報に詳細に説明されている。
図2は、エバポコントローラ100のマイクロコンピュータを起動させる起動回路の一例を模式的に示す。エバポコントローラ100は、マイクロコンピュータとしてMPU(Micro Processing Unit)110を備える。MPU110は、図示省略するが、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ及び入出力インタフェース等を内部バスで通信可能に接続して構成される。MPU110は、電源電圧が供給されている状態で、不揮発性メモリから所定の制御プログラムを揮発性メモリに読み出して実行することで、上記のように、吸着処理、パージ処理及びリーク診断処理を行う。
エバポコントローラ100は、MPU110に加えて、電源IC(Integrated Circuit)120、電源リレー130及びOR回路(論理和ゲート)140を備える。
電源IC120は、車載バッテリ43からバッテリ電源線44を介して供給される供給電圧VBATを、エバポコントローラ100に含まれるMPU110等の各構成要素の動作電圧範囲を満たす電源電圧VREGにそれぞれ調整して供給する。
電源リレー130は、バッテリ電源線44に介装され、外部からの制御信号に応じてオン状態とオフ状態との間で切り替わる、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor field effect transistor)等の無接点リレー又は有接点リレーである。電源リレー130がオフ状態からオン状態へ切り替わることで、MPU110には電源IC120を介して電源電圧VREGが供給され、これによりMPU110はパワーオンリセットして起動する。
電源リレー130をオン状態とオフ状態との間で切り替える制御信号はOR回路140から出力される。OR回路140は、イグニッション信号IGN、アラーム信号ALM、給油信号RF及び自己保持信号PKを入力し、これらの4つの信号の少なくとも1つがアクティブレベルであるときに、出力信号をアクティブレベルにする。したがって、イグニッション信号IGN、アラーム信号ALM、給油信号RF及び自己保持信号PKの少なくとも1つがアクティブレベルとなったときに電源リレー130がオン状態となって、MPU110に電源電圧VREGが供給される。4つの信号のうち特に、イグニッション信号IGN、アラーム信号ALM及び給油信号RFを、MPU110を起動させる起動信号というものとする。
イグニッション信号IGNは、車載バッテリ43から直接供給される供給電圧VBATを電源として内燃機関1の運転又は停止を行うためのイグニッションスイッチ(IGNSW)45の操作出力に応じて生成される信号である。イグニッション信号IGNは、MPU110のデジタル入力ポートにも入力される。イグニッション信号IGNは、アクティブレベルのときにパージ処理の実施を目的としたMPU110の起動要求があることを示し、非アクティブレベルのときにパージ処理の実施を目的としたMPU110の起動要求がないことを示す。
給油信号RFは、給油スイッチ46の操作出力に応じて生成される信号であり、MPU110のデジタル入力ポートにも入力される。給油信号RFは、アクティブレベルのときに吸着処理の実施を目的としたMPU110の起動要求があることを示し、非アクティブレベルのときに吸着処理の実施を目的としたMPU110の起動要求がないことを示す。
給油スイッチ46は、車載バッテリ43から直接供給される供給電圧VBATを電源とし、車両使用者が給油時にオン操作(押し下げ)を行う自己復帰型の押しボタンである。給油スイッチ46のオン操作により給油信号RFはアクティブレベルとなるが、給油スイッチ46のオン操作が終了すると給油信号RFも非アクティブレベルに戻ってしまう。このため、エバポコントローラ100には、給油スイッチ46のオン操作後の給油信号RFをアクティブレベルに保持するために、車載バッテリ43から直接供給される供給電圧VBATを電源とする給油信号保持回路150が設けられる。給油信号保持回路150は、MPU110から出力されたリセット信号RST1を入力し、これに応じて初期化されるように構成される。給油信号保持回路150の詳細については後述する。
アラーム信号ALMは、既存のリアルタイムクロックIC(以下、「RTC-IC」という)47において生成される信号であり、MPU110のデジタル入力ポートにも入力される。アラーム信号ALMは、アクティブレベルのときにリーク診断処理の実施を目的としたMPU110の起動要求があることを示し、非アクティブレベルのときにリーク診断処理の実施を目的としたMPU110の起動要求がないことを示す。
RTC-IC47は、車載バッテリ43から直接供給される供給電圧VBATを電源とし、第1の固有の機能として、発振回路を用いた計時手段によってエバポコントローラ100やECM14とは独立して計時を行い、その計時データを内蔵のレジスタに記憶する。これにより、RTC-IC47は、イグニッションスイッチ45がオフ状態であっても計時を行うことができる。また、RTC-IC47は、第2の固有の機能として、計時によって設定時間が経過するたびにアラーム信号ALMを出力する。エバポコントローラ100では、このアラーム信号ALMをMPU110に対するリーク診断処理の実施要求トリガとして利用している。
RTC-IC47は、MPU110から出力されたリセット信号RST2を入力し、これに応じて初期化されるように構成される。RTC-IC47及びMPU110は、相互に、SPI(Serial Peripheral Interface)通信やI2C(Inter-Integrated Circuit)通信等のシリアル通信が可能に構成される。
自己保持信号PKは、MPU110の起動後、起動信号IGN,ALM,RFが非アクティブレベルとなっても、MPU110が自身へ供給される電源電圧VREGを自己保持できるようにOR回路140へ出力する信号である。自己保持信号PKは、アクティブレベルのときに自己保持要求があることを示し、非アクティブレベルのときに自己保持要求がないことを示す。
以下において、説明の便宜上、上記の4つの信号IGN,ALM,RF,PKは、アクティブレベルのときに高電位のHレベル(例えば5ボルト)となり、非アクティブレベルのときに低電位のLレベル(例えばグランドレベル)となる、正論理の信号であるものとする。
〔給油信号保持回路〕
図3は、エバポコントローラ100における給油信号RFの生成に関する回路構成例を示す。先ず、給油スイッチ46は、車載バッテリ43とグランド(GND)との間に介装される。車載バッテリ43から給油スイッチ46までのバッテリ電源線101には、アノードが車載バッテリ43に接続されるダイオード102とそのカソードに接続される電流制限抵抗103とが介装される。給油スイッチ46と電流制限抵抗103との間の電圧が、給油スイッチ46の操作出力電圧VRFSWに相当する。給油信号保持回路150は、この操作出力電圧VRFSWに応じて給油信号RFを生成する。
給油信号保持回路150は、電圧レベルシフト回路151、DC/DCコンバータ152、NOT回路(INV)153及びDフリップフロップ154を備える。
電圧レベルシフト回路151は、給油スイッチ46の操作出力電圧VRFSWを、ローパスフィルタ104を介して入力し、下流のNOT回路153の動作に適した電圧レベルに変換して出力する回路である。ローパスフィルタ104と電圧レベルシフト回路151との間の信号線105にはプルダウン抵抗106が接続される。
DC/DCコンバータ152は、車載バッテリ43とダイオード102のアノードとの間のバッテリ電源線101から分岐する分岐電源線107に接続され、供給電圧VBATをHレベルに相当する定電圧VDDに変換するリニアレギュレータ等の直流電圧変換器である。DC/DCコンバータ152で生成された定電圧VDDは、NOT回路153及びDフリップフロップ154へ供給される。
NOT回路153は、論理否定回路であり、例えばコレクタにHレベルの電圧が印可されたエミッタ接地のNPNトランジスタを用いて構成される。NOT回路153は、電圧レベルシフト回路151で変換された給油スイッチ46の操作出力を入力して、入力した電圧が所定値(例えば接合部飽和電圧)を下回ったときに、出力がLレベル(例えばGNDレベル)からHレベルへ変化する。
Dフリップフロップ154は、NOT回路153の出力がLレベルからHレベルへ変化したときに、出力としての給油信号RFをHレベルに変化させて、MPU110から出力されたリセット信号RST1を入力するまで保持する。
分岐電源線107とGNDとの間にはコンデンサ108が設けられる。供給電圧VBATが正常レベルから低下する電圧低下期間Tsが所定時間α(例えば数百ミリ秒)未満の瞬断又は瞬低であれば、供給電圧VBATに一時的に代替してコンデンサ108の充電電圧が給油信号保持回路150やその周辺回路に供給可能である。これにより、供給電圧VBATが正常レベルで供給されているときと同様に給油信号保持回路150を動作可能としている。
図4は、給油信号保持回路150に関する動作例を模式的に示す。ここで、供給電圧VBATは正常レベル(例えば車載バッテリ43の定格電圧等)であるものとする。
時刻t0において、給油スイッチ46が操作されていない状態では、給油スイッチ46の操作出力電圧VRFSW及び給油信号保持回路150の入力電圧VINは、供給電圧VBATを電流制限抵抗103とプルダウン抵抗106とで分圧した値となる。このとき、電圧レベルシフト回路151の出力はNOT回路153の出力をLレベルからHレベルへ変化させるまで低下しないので、NOT回路153の出力はLレベルとなり、Dフリップフロップ154から出力される給油信号RFはLレベルとなる。
時刻t1において、給油スイッチ46のオン操作を行ったとする。このとき、給油信号保持回路150の入力電圧VINは、チャタリングを起こす給油スイッチ46の操作出力電圧VRFSWからローパスフィルタ104により高周波成分が除去されて生成され、GNDレベルへ向けて徐々に低下する。
時刻t2において、給油信号保持回路150の入力電圧VINの低下により、電圧レベルシフト回路151の出力がNOT回路153の出力をLレベルからHレベルへ変化させるまで低下したとする。このとき、Dフリップフロップ154は、給油信号RFをLレベルからHレベルに変化させて保持する。給油信号RFがHレベルのときに、吸着処理が実施される。
時刻t3において、給油スイッチ46がオフ状態へ復帰したとする。このとき、給油信号保持回路150の入力電圧VINは、チャタリングを起こす給油スイッチ46の操作出力電圧VRFSWからローパスフィルタ104により高周波成分が除去されて生成される。そして、給油信号保持回路150の入力電圧VINは、供給電圧VBATを電流制限抵抗103とプルダウン抵抗106とで分圧した値へ向けて徐々に上昇する。このとき、電圧レベルシフトの出力がNOT回路153の出力をHレベルからLレベルへ変化させるまで上昇してNOT回路153の出力がHレベルからLレベルへ戻るが、Dフリップフロップ154から出力される給油信号RFはHレベルに保持される。
時刻t4において、Dフリップフロップ154は、MPU110から出力されたリセット信号RST1の立ち上がりタイミングで、給油信号RFをHレベルからLレベルへ戻す。給油信号RFがHレベルのときに実施されていた吸着処理は、給油信号RFがLレベルに変化したことで終了する。リセット信号RST1は、開閉センサ42の出力信号が給油キャップ22を装着したことを示す電位レベルに変化したことを契機として出力される。
ところで、給油信号保持回路150を備えたエバポコントローラ100に供給される供給電圧VBATは、コンデンサ108の充電電圧で供給電圧VBATの代替が可能な上記の所定時間α以上の期間、著しく低下することが想定される。かかる供給電圧VBATの著しい低下は、車載バッテリ43の交換等のために車載バッテリ43を車両システムから電気的に切り離したことや、車載バッテリ43が自然放電したことにより発生し得る。これに対して、車載バッテリ43を車両システムに接続したり充電したりすることで、供給電圧VBATを正常レベルに向けて急激に回復させると、給油スイッチ46のオン操作(起動要求)がないにもかかわらず、給油信号RFがHレベルに変化して保持されることがある。これは、給油信号保持回路150やその周辺回路(例えばDフリップフロップ154)の電気的特性に起因する何らかの理由によるものと考えられる。このため、車両使用者の意図に関係なく、電源リレー130がオン状態となってMPU110が起動し、MPU110が給油信号RFの入力に応じて不要な吸着処理を開始するので、無駄な電力消費によって車載バッテリ43の負荷が増大するおそれがある。
〔電圧低下検知機能〕
上記のように、MPU110は、給油信号RFがHレベルとなって起動しても、その起動要因が、給油スイッチ46のオン操作によるものか、あるいは、供給電圧VBATが著しく低下した状態から正常レベルまで回復したことによるものか、を特定できない。そこで、MPU110は、起動時に給油信号RFがHレベルであっても直ちに吸着処理を実施せず、RTC-IC47の第3の固有の機能である電圧低下検知機能を利用して実際に給油スイッチ46がオン操作されたか否かを判断する。電圧低下検知機能は、供給電圧VBATに著しい低下が発生したか否かを検知する機能であり、その電圧低下を検知した場合にはRTC-IC47が初期化(パワーオンリセット)され、RTC-IC47のレジスタに記憶された計時データの信頼性を保証するものである。
図5は、RTC-IC47の電圧低下検知機能を模式的に示す。RTC-IC47は、電圧低下検知機能として、以下の動作を行うように構成される。すなわち、図5の時刻t10以降に示されるように、供給電圧VBATが閾値Vth以下となる期間である電源遮断期間Toffを検知して、RTC-IC47のレジスタにおいて、電源遮断期間Toffが発生したか否かを示す特定ビットの情報を書き換える。より詳しくは、特定ビットの情報(以下、「電源遮断情報」という)は、供給電圧VBATが正常レベルへ回復するときに、書き換えられる。例えば、供給電圧VBATが著しく低下する前の電源遮断情報が「0」である場合には、供給電圧VBATが正常レベルへ回復するときに電源遮断情報は「1」に書き換えられる。電源遮断情報は、RTC-IC47の初期化でしか消去できないように保持される。
また、RTC-IC47の電圧低下検知機能は、供給電圧VBATのチャタリング等による瞬断又は瞬低を検知しないように、所定時間β以上の電源遮断期間Toffを検知するように構成されている。これは、電源遮断期間Toffが所定時間β未満の瞬断又は瞬低が発生しても、RTC-IC47のレジスタに記憶された計時データの信頼性を毀損するおそれが低いためである。具体的には、RTC-IC47は、図5の時刻t10以降に示されるように、電源遮断期間Toffが所定時間β以上であれば電源遮断情報を書き換え、図5の時刻t10以前に示されるように、電源遮断期間Toffが所定時間β未満であれば電源遮断情報を書き換えない。なお、電圧低下期間Tsが所定時間α未満となる瞬断又は瞬低に応答してRTC-IC47が電源遮断情報を書き換えないように、所定期間βと所定期間αとが同じ値となるようにエバポコントローラ100及びRTC-IC47を構成してもよい。
MPU110は、図2に示すように、RTC-IC47に対して送信情報Txとして電源遮断情報の要求を送信し、RTC-IC47からの受信情報Rxとして電源遮断情報を受信し、電源遮断情報に基づいて電源遮断期間Toffが発生したか否かを判断するように構成される。これによりMPU110は給油スイッチ46が実際にオン操作されたか否かを判断する。
〔MPUの制御処理〕
図6及び図7は、MPU110が電源IC120から電源電圧VREGを供給されたことを契機に実行する制御処理の一例を示す。
ステップS1(図中では「S1」と略記する。以下のステップでも同様である。)では、MPU110は、内部回路の初期化(パワーオンリセット)を行うとともに、MPU110の周辺回路の初期化も行う。その後、ステップS2では、MPU110は自己保持信号PKを出力して、MPU110への電源電圧VREGの供給を自己保持する。
ステップS3では、MPU110は、RTC-IC47へ電源遮断情報の要求を送信し、ステップS4では、RTC-IC47から電源遮断情報を受信し、ステップS5では、電源遮断情報に基づいて電源遮断期間Toffが発生したか否かを判定する。
MPU110は、ステップS5において、電源遮断期間Toffが発生したと判定した場合には(YES)、処理をステップS6へ進める。一方、MPU110は、ステップS5において、電源遮断期間Toffが発生していないと判定した場合には(NO)、ステップS6~S9を省略して処理をステップS10へ進める。
ステップS6では、MPU110は、給油信号RFがHレベルであるか否かを判定する。そして、MPU110は、給油信号RFがHレベルであると判定した場合には(YES)、給油スイッチ46が実際にオン操作されていないと判断して、処理をステップS7へ進める。一方、MPU110は、給油信号RFがLレベルであると判定した場合には(NO)、ステップS7を省略して処理をステップS8へ進める。
ステップS7では、MPU110は、給油信号RFをLレベルに戻して吸着処理が開始されないようにすべく、給油信号保持回路150(Dフリップフロップ154)へリセット信号RST1を出力する。
ステップS8では、MPU110は、RTC-IC47を初期化して電源遮断情報を消去すべく、RTC-IC47へリセット信号RST2を出力する。
ステップS9では、MPU110は、RTC-IC47からの受信情報Rxに基づいて、RTC-IC47が初期化されたか否かを判定する。そして、MPU110は、RTC-IC47の初期化が完了したと判定した場合には(YES)、処理をステップS10へ進める一方、RTC-IC47の初期化が完了していないと判定した場合には、再び本ステップを実行する。
ステップS10では、MPU110は、起動信号が全てLレベルとなっているか否かを判定する。そして、MPU110は、起動信号が全てLレベルとなっていると判定した場合には(YES)、処理をステップS11へ進める一方、少なくても1つの起動信号がHレベルであると判定した場合には(NO)、処理をステップS12へ進める。
ステップS11では、MPU110は、自己保持信号PKの出力を停止して、MPU110への電源電圧VREGの供給を停止させる。これにより、MPU110は動作を停止する。
ステップS12では、MPU110は、給油信号RFがHレベルであるか否かを判定する。そして、MPU110は、給油信号RFがHレベルと判定した場合には(YES)、処理をステップS13へ進める一方、給油信号RFがLレベルと判定した場合には(NO)、処理をステップS14へ進める。なお、ステップS6と同じ処理をステップS12で実行しているのは、ステップS6からステップS12までの間に給油スイッチ46が実際にオン操作されることも想定されるためである。
ステップS14では、MPU110は、イグニッション信号IGNがHレベルであるか否かを判定する。そして、MPU110は、イグニッション信号IGNがHレベルであると判定した場合には(YES)、処理をステップS15へ進める一方、イグニッション信号IGNがLレベルであると判定した場合には(NO)、処理をステップS17へ進める。
ステップS15では、MPU110は、ECM14からパージ要求信号を受信したか否かを判定する。そして、MPU110は、パージ要求信号を受信したと判定した場合には(YES)、処理をステップS16へ進める一方、パージ要求信号を受信していないと判定した場合には(NO)、処理をステップS12へ戻す。
MPU110は、ステップS13において吸着処理を実施し、ステップS16においてパージ処理を実施し、ステップS17においてリーク診断処理を実施する。そして、MPU110は、ステップS13,S16,S17が終了した後、処理をステップS10へ戻す。
〔各種信号の波形変化〕
次に、図8及び図9を参照して、MPU110の制御処理による各種信号の波形変化について説明する。
図8は、例えば車載バッテリ43を車両システムから電気的に切り離した後に再度接続する場合等、電源遮断期間Toff(≧β)の経過後におけるMPU110の制御処理による各種信号の波形変化の一例を模式的に示す。
電源遮断期間Toff(≧β)の経過後に供給電圧VBATが正常レベルへ急激に回復するときに、電源遮断期間Toffを検知したRTC-IC47により、電源遮断情報は電源遮断期間Toffの発生を示す「1」に書き換えられる。また、供給電圧VBATが正常レベルへ急激に回復するときに、給油信号RFは給油スイッチ46のオン操作によらずにLレベルからHレベルに変化して保持される。
給油信号RFがHレベルに変化することで電源リレー130はオン状態となるので、電源電圧VREGが供給されたMPU110は、起動して上記の制御処理を開始し、先ず内部回路及び周辺回路等の初期化を行う。そして、自身の暴走を停止するためのP-RUN信号がMPU110から図示省略のウォッチドッグタイマ等へ出力されるとともに、MPU110からOR回路140へ出力される自己保持信号PKがLレベルからHレベルへ変化する。
MPU110は、RTC-IC47から受信した電源遮断情報に基づいて電源遮断期間Toff(≧β)が発生したと判定し、MPU110が給油スイッチ46のオン操作によって起動していないと判断する。そして、吸着処理が開始されないようにすべく、MPU110から給油信号保持回路150へ出力されるリセット信号RST1がLレベルからHレベルへ一時的に変化し、リセット信号RST1の立ち上がりタイミングで給油信号RFはHレベルからLレベルへ戻る。なお、起動信号である給油信号RFがLレベルとなっても自己保持信号PKがHレベルとなっているので、電源リレー130はオン状態となって電源電圧VREGがMPU110へ供給され、MPU110は継続して動作可能である。
給油信号RFがLレベルへ戻った後に、MPU110からRTC-IC47へ出力されるリセット信号RST2がLレベルからHレベルへ一時的に変化し、RTC-IC47が初期化される。これにより、RTC-IC47のレジスタに記憶していた電源遮断情報は消去される。RTC-IC47の初期化が完了した後、起動信号が全てLレベルである場合には、MPU110からOR回路140へ出力される自己保持信号PKがHレベルからLレベルへ変化して電源リレー130がオフ状態となる。そして、電源電圧VREGの供給が停止したMPU110は動作を停止する。これに伴ってP-RUN信号の出力も停止する。
図9は、図8と同様に、電源遮断期間Toff(≧β)の経過後におけるMPU110の制御処理による各種信号の波形変化の一例を模式的に示す。ただし、図9では、電源遮断期間Toff(≧β)の経過後に正常レベルへ回復した供給電圧VBATが、車載バッテリ43の車両システムへの接続時におけるチャタリング等によって変動して電圧低下期間Tsが発生している点で図8と異なる。このように正常レベルへ回復した後の供給電圧VBATの変動は、例えば、車載バッテリ43を車両システムに接続する際に車載バッテリ43と車両システムとの間の接触抵抗が変動することで発生し得る。以下、図9を参照して、主に図8との相違点について説明する。
図8と同様に、電源遮断期間Toff(≧β)の経過後に供給電圧VBATが正常レベルへ急激に回復するときに、電源遮断情報は所定期間β以上の電源遮断期間Toffが発生したことを示す「1」に書き換えられる。また、給油信号保持回路150等の電気的特性によって、給油信号RFは給油スイッチ46のオン操作によらずにLレベルからHレベルに変化して保持される。これに伴い、MPU110が起動して、P-RUN信号が出力されるとともに、自己保持信号PKがLレベルからHレベルへ変化する。しかし、正常レベルへ回復した供給電圧VBATが変動により低下すると、MPU110の電源電圧VREGが動作電圧範囲を下回って、リセット信号RST1がLレベルからHレベルへ変化する前にMPU110が動作を停止することが想定される。
電圧低下期間Tsが所定時間α以上であれば、コンデンサ108の充電電圧による供給電圧VBATの代替が困難であるので、給油信号RFはHレベルから再びLレベルへ戻る。そして、電圧低下期間Tsの経過後に供給電圧VBATが正常レベルへ急激に回復すると、給油信号保持回路150等の電気的特性によって給油信号RFが再びLレベルからHレベルに変化して保持されてしまう。したがって、動作を停止したMPU110は給油信号RFによって再び起動して、P-RUN信号が出力されるとともに、自己保持信号PKがLレベルからHレベルへ変化する。
なお、電圧低下期間Tsが所定時間α未満であれば、コンデンサ108の充電電圧によって供給電圧VBATが代替される。このため、給油信号RFは、電源遮断期間Toff(≧β)の経過後に供給電圧VBATが正常レベルへ急激に回復するときに保持されたHレベルから変化しない。したがって、電圧低下期間Tsの経過後に供給電圧VBATが正常レベルへ急激に回復すると、動作を停止したMPU110は給油信号RFによって再び起動して、P-RUN信号が出力されるとともに、自己保持信号PKがLレベルからHレベルへ変化する。
このように電源遮断期間Toffの経過後に正常レベルへ回復した供給電圧VBATが変動すると、MPU110は上記の制御処理を完了させる前にリセットされる可能性がある。
ここで、電源遮断期間Toffの経過後に供給電圧VBATが正常レベルへ回復するときに「1」に書き換えられた電源遮断情報は、電圧低下期間Tsにおいて供給電圧VBATが閾値Vth以下となる電源遮断期間Toff(≧β)が発生したか否かにかかわらず保持されている。したがって、供給電圧VBATが変動後に正常レベルで安定したときに、リセット後のMPU110は、RTC-IC47から受信した電源遮断情報に基づいて、MPU110が給油スイッチ46のオン操作によって起動していないことを判断できる。以降のMPU110の制御処理に伴う各種信号の波形変化は図8と同様であるので、説明を割愛する。
このようなエバポコントローラ100によれば、MPU110が、起動時に、RTC-IC47の電圧低下検知機能により起動前に供給電圧VBATが著しく低下していたか否かを判定する。これにより、MPU110は、給油信号RFが給油スイッチ46のオン操作によってHレベルとなって起動したのか否かを判断する。このため、起動信号である給油信号RFの信頼性を向上させることができる。そして、エバポコントローラ100では、給油信号RFが給油スイッチ46のオン操作によらずにHレベルとなった場合には吸着処理を実施しないので、不要な吸着処理に伴う無駄な電力消費によって車載バッテリ43の負荷を増大させることを抑制可能である。
また、電源遮断期間Toff(≧β)の経過後に正常レベルへ回復した供給電圧VBATが、車載バッテリ43の車両システムへの接続時におけるチャタリング等によって変動してMPU110がリセットされても、電源遮断情報はRTC-IC47で保持されている。このため、リセット後のMPU110でも、電源遮断情報に基づいて、給油信号RFが給油スイッチ46のオン操作によってHレベルとなって起動したのか否かを判断することができ、起動信号である給油信号RFの信頼性を向上させることができる。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づけば、当業者により種々の変形態様を採り得ることは自明である。
RTC-IC47は、電圧低下検知機能により、供給電圧VBATが閾値Vth以下となる時間Toffが所定時間βまで継続したときに、電源遮断情報を書き換えるものとした。これに代えて、RTC-IC47は、電圧低下検知機能により、供給電圧VBATが閾値Vth以下となったときに電源遮断情報を書き換えて保持するように構成されてもよい。
MPU110は、RTC-IC47の電圧低下検知機能に限らず、車載バッテリ43からの常時電源供給により記憶データを保持するデータ保持手段を利用してもよい。このようなデータ保持手段は、例えば、ナビゲーションシステム、車内時計、バックアップRAM等の既存の装置が有しているものである。MPU110は、データ保持手段に記憶データが保持されているか否かによって、供給電圧VBATの著しい低下があったことを検知することができる。
上記の実施形態では、車両用電子制御装置の一例としてエバポコントローラ100を用いたが、これに限らず、以下のようなものであればよい。すなわち、車両用電子制御装置は、車載バッテリ43から供給電圧VBATが直接供給される起動信号生成部を有し、供給電圧VBATが著しく低下した状態から急激に上昇したときに、起動要求とは関係なく特定の起動信号がHレベルとなってしまうものであればよい。
MPU110は、給油信号RFが給油スイッチ46のオン操作によらずにHレベルとなってMPU110が起動したと判定した場合には、その判定結果を、車載バッテリ43から電源電圧が供給される他の車両用電子制御装置へ通知してもよい。
MPU110の制御処理において、RTC-IC47の初期化は、給油信号保持回路150を初期化してから直ちに行われていた。これに代えて、MPU110の起動時にイグニッションスイッチ45がオン状態である場合には、イグニッションスイッチ45がオフ操作された後に所定時間電源が供給されるセルフシャットオフ期間で行われてもよい。
吸着処理はイグニッション信号がLレベルであることを条件に実施されるようにしてもよい。この場合、図7では、ステップS12は、ステップS14においてイグニッション信号がLレベルと判定されたときに実行されるように変更される。そして、ステップS12において、給油信号RFがHレベルと判定されたときにステップS13を実行する一方、給油信号RFがLレベルと判定されたときにステップS17を実行するように変更される。なお、車両システムは、給油スイッチ46のオン操作とともにイグニッションスイッチ45がオフ状態となるように構成されてもよい。
なお、上記で説明した各技術的思想及び教示並びにその変形態様は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合せて使用することができる。
19…燃料タンク、26…キャニスタ、43…車載バッテリ、46…給油スイッチ、47…RTC-IC、100…エバポコントローラ、110…MPU、130…電源リレー、140…OR回路、150…給油信号保持回路、VBAT…供給電圧、RF…給油信号

Claims (2)

  1. 車両使用者による操作が可能なスイッチのスイッチ出力に応じた給油信号がアクティブレベルとなったときに車載バッテリから給電されて起動して、給油を行う際に燃料タンク内に発生している蒸発燃料をキャニスタに吸着させる吸着処理を行うように構成された車両用電子制御装置であって、
    前記車載バッテリから直接供給される供給電圧の低下を検知して前記供給電圧の低下を検知したことを示す情報を記憶する電圧低下検知手段と通信可能に接続され、
    (i)前記スイッチ出力を入力して前記給油信号を生成し、前記給油信号が前記スイッチの操作によってアクティブレベルとなったときに前記給油信号をアクティブレベルのまま保持して出力するように構成され、かつ、(ii)低下した前記供給電圧が回復したときに前記スイッチの操作状態に関係なく前記給油信号をアクティブレベルに保持して出力する性質を有する給油信号保持回路と接続され、
    前記給油信号保持回路から前記給油信号を入力し、
    前記給油信号保持回路から入力した前記給油信号がアクティブレベルとなって起動したときに、前記電圧低下検知手段が前記情報を記憶している場合には、前記給油信号が、前記スイッチの操作によってではなく、低下した前記供給電圧の回復によってアクティブレベルとなったと判定し、前記吸着処理を実施することなく前記給油信号保持回路に前記給油信号を非アクティブレベルへ遷移させ、前記電圧低下検知手段に前記情報を消去させて、動作を停止する制御を行う、車両用電子制御装置。
  2. 前記電圧低下検知手段は、計時を行うリアルタイムクロックである、請求項1に記載の車両用電子制御装置。
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