JP7413819B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
特許文献1には、第1フラッシングモードまたは第2フラッシングモードによるインク滴の吐出数を累積して計数するフラッシング量カウンタを具備するインクジェット式記録装置が開示されている。当該記録装置では、前記カウンタによる計数値が予め定められた値に達した時に、キャッピング手段と記録ヘッドのノズル形成面とが離隔した状態において、キャッピング手段の内底部を吸引する空吸引動作が実行される。
前記空吸引動作では、キャッピング手段内に配置されたインク吸収材からインクの一部が吸引排出される。また、前記記録装置は、前記空吸引動作が実行されると共に、前記カウンタにおける計数値がリセットされるように構成される。
特開2007-125900号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているインクジェット式記録装置では、キャッピング手段の内部のインク量は、カウンタによる計数値を用いた推定の値の積算である。フラッシングやパージなどによるキャッピング手段に排出される実際のインクの量は、温度によるインクの粘度変化等によりばらつきが出る。排出されたキャッピング手段の内部のインクを残さず吸引排出するためには、このばらつきを考慮し、吸引排出の時間を長く設定する必要があるが、この時間は無駄である。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、吸引部の駆動時間に無駄がない液体吐出装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る液体吐出装置は、液体を吐出する少なくとも1つのノズルを有するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットの前記ノズルを封止するためのものであって、リップを有するキャップ部と、前記キャップ部の前記リップを前記ヘッドユニットに当接、及び離隔させるよう前記キャップ部を変位させるキャップ変位部と、前記キャップ部の内部に配置され、前記ノズルから吐出された液体が着弾しうる電極と、前記電極に電気的に接続され、前記ノズルから前記電極に向けて液体が吐出されたことを検知する検知部と、前記キャップ部の内部の液体を排出する吸引部と、前記吸引部により前記キャップ部の内部から排出された液体を貯留する廃液貯留部と、前記キャップ変位部と前記吸引部を駆動することによって前記キャップ部の内部に残る液体を排出する排出処理を実行させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記キャップ変位部を駆動することによって、前記キャップ部を、前記リップの一部が前記ヘッドユニットに当接し前記リップの別の一部が前記ヘッドユニットから離隔する所定姿勢に位置付け、前記キャップ部が前記所定姿勢に位置付けられた状態で、前記キャップ部の内部の液体を排出するように、前記吸引部を駆動させ、前記吸引部の駆動が開始された後基準時間が経過するまでの間において、前記検知部により液体が前記ヘッドユニットと前記電極との間に存在する状態から存在しない状態に変化することによって起こる電気的変化が検知された場合は、前記基準時間に到達する前に前記吸引部の駆動を停止させ、前記検知部により液体が前記ヘッドユニットと前記電極との間に存在する状態から存在しない状態に変化することによって起こる電気的変化が検知されない場合は、前記吸引部を前記基準時間まで駆動させる。
本発明の一態様によれば、吸引部の駆動時間に無駄がない液体吐出装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る液体吐出装置の構成を示す概略図である。 図1に示す液体吐出装置が備えるキャップ部付近の接続関係を示す概略図である。 図1に示す液体吐出装置の電気的構成を示すブロック図である。 図1に示す液体吐出装置が実行する吸引パージ及び傾斜接触動作を示す図である。 図1に示す液体吐出装置が備える電極の電圧を示すグラフである。 図1に示す液体吐出装置の処理を示すフローチャートである。 図6に示す処理のうちブラックのインクについての空吸引動作の実行に係る処理を示すフローチャートである。 図7に示す処理の続きを示すフローチャートである。
<液体吐出装置1の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る液体吐出装置1の構成を示す概略図である。図1に示すように、液体吐出装置1は、キャリッジ2と、サブタンク3と、インクジェットヘッド4と、プラテン5と、搬送ローラ6,7と、メンテナンスユニット8と、ガイドレール9,10と、カートリッジホルダ11と、インクカートリッジ12と、を備えている。
ここで、キャリッジ2から後述する廃液貯留部63に向かう方向をX方向とし、搬送ローラ6から搬送ローラ7に向かう方向をY方向とし、プラテン5からキャリッジ2に向かう方向をZ方向とする。また、Z方向を上方向とし、Z方向とは反対方向を下方向とする。Y方向は、用紙Pの搬送方向である。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール9,10に支持されている。走査方向は、X方向である。また、走査方向は、用紙Pの搬送方向に直交し、かつ、後述するノズル面4Bに平行な方向である。キャリッジ2は、図示しないベルト等を介して後述するキャリッジモータ31に接続されている。後述する制御装置23によってキャリッジモータ31が駆動されると、キャリッジ2は、ガイドレール9,10に沿って走査方向に移動する。これにより、インクジェットヘッド4は、キャップ部61と対向するメンテナンス位置と、キャップ部61と対向しない非メンテナンス位置と、の間を移動する。
サブタンク3は、キャリッジ2に搭載されている。ここで、液体吐出装置1には、カートリッジホルダ11が設けられており、カートリッジホルダ11に4つのインクカートリッジ12が取り外し可能に装着されている。4つのインクカートリッジ12には、それぞれ、液体の一例としてのブラック、イエロー、シアン及びマゼンタのインクが貯留されている。サブタンク3は、4本のチューブ13を介して4つのインクカートリッジ12と接続されている。これにより、4つのインクカートリッジ12からサブタンク3に4色のインクが供給される。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ2に搭載されている。インクジェットヘッド4は、ヘッドユニットの一例である。インクジェットヘッド4には、サブタンク3から4色のインクが供給される。インクジェットヘッド4は、インクを吐出する複数のノズル4Aを有する。ノズル4Aは、インクジェットヘッド4の下面であるノズル面4Bに形成されている。なお、本発明は、複数のノズル4Aを有するインクジェットヘッド4を備える液体吐出装置1に適用範囲が限定されるものではなく、1つのノズルを有するインクジェットヘッドを備える液体吐出装置にも適用されるものである。また、インクジェットヘッド4が吐出するインクの色は4色よりも多くてもよい。
プラテン5は、インクジェットヘッド4の下方に配置され、ノズル4A及びノズル面4Bと対向している。プラテン5は、走査方向に用紙Pの全長に亘って延び、用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ6は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の上流側に配置されている。搬送ローラ7は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の下流側に配置されている。搬送ローラ6,7は、図示しないギヤ等を介して後述する搬送モータ32に接続されている。制御装置23によって搬送モータ32が駆動されると、搬送ローラ6,7が回転し、用紙Pが搬送方向に搬送される。
<メンテナンスユニット8の構成>
メンテナンスユニット8は、ノズル4Aの吐出状態を回復させるメンテナンスを行う。メンテナンスユニット8は、キャップ部61と、吸引部62と、廃液貯留部63と、第1電極E1と、第2電極E2と、を有している。キャップ部61は、プラテン5に対して走査方向にずれて配置されている。キャリッジ2が、プラテン5に対して走査方向に移動することにより上記メンテナンス位置に配置されると、ノズル4A及びノズル面4Bがキャップ部61と対向する。
図2は、図1に示す液体吐出装置1が備えるキャップ部61付近の接続関係を示す概略図である。図2に示すように、インクジェットヘッド4は、第1ノズル41N及び第2ノズル42Nの少なくとも2つのノズルを有する。つまり、インクジェットヘッド4は、少なくとも1つの第1ノズル41Nと、少なくとも1つの第2ノズル42Nと、を有する。
第1ノズル41Nは、カラーのインクとしてのイエロー、シアン及びマゼンタのインクを吐出する。第2ノズル42Nは、ブラックのインクを吐出する。つまり、ノズル4Aは、第1ノズル41Nと第2ノズル42Nとに分けられる。なお、本発明は、カラーのインク及びブラックのインクを吐出する液体吐出装置1に適用範囲が限定されるものではなく、1色のインクを吐出する液体吐出装置にも適用されるものである。
キャップ部61は、第1キャップ部61Aと、第2キャップ部61Bと、を有している。キャップ部61は、インクジェットヘッド4に対向した位置に配置され、インクジェットヘッド4のノズル4Aを覆うことにより、ノズル4Aを封止するためのものである。
第1キャップ部61Aは、インクジェットヘッド4の第1ノズル41Nを覆うことにより、第1ノズル41Nを封止するためのものであり、第1リップ61Dを有する。第1リップ61Dは、キャップ部61の底部61Cから上方に突出しており、第1電極E1を囲んでいる。
第2キャップ部61Bは、第1キャップ部61Aの第1リップ61Dの一部を共有して隣り合い、インクジェットヘッド4の第2ノズル42Nを覆うことにより、第2ノズル42Nを封止するためのものであり、第2リップ61Eを有する。第1リップ61D及び第2リップ61Eは、第1キャップ部61Aと第2キャップ部61Bとの境界部分を共有している。第2リップ61Eは、キャップ部61の底部61Cから上方に突出しており、第2電極E2を囲んでいる。
キャップ部61は、後述するキャップ変位部33に接続される。キャップ変位部33は、モータと、当該モータに接続されたギアと、当該ギアによって駆動するカムと、を有する。制御装置23により当該モータが駆動されることにより上記ギア及び上記カムが駆動される。キャップ変位部33は、上記ギア及び上記カムが駆動されることにより、キャップ部61を昇降するよう変位させる。
キャリッジ2が上記メンテナンス位置に配置され、ノズル4Aとキャップ部61とが対向した状態で、キャップ変位部33によりキャップ部61が上昇させられると、キャップ部61の第1リップ61D及び第2リップ61Eがノズル面4Bに密着する。これにより、ノズル4Aがキャップ部61に覆われる。つまり、第1ノズル41Nが第1キャップ部61Aに覆われ、第2ノズル42Nが第2キャップ部61Bに覆われる。
なお、キャップ部61はノズル面4Bに密着することでノズル4Aを覆うものには限られない。キャップ部61は、インクジェットヘッド4のノズル面4Bの周囲に配置される図示しないフレーム等に密着することで、ノズル4Aを覆うものであってもよい。
吸引部62は、吸引ポンプ62Pと、切替部62Vと、を有している。吸引ポンプ62Pは、チューブポンプ等であり、ギアにより図示しないモータに接続されている。切替部62V、吸引ポンプ62P及び廃液貯留部63は、チューブ64を介して接続されている。切替部62Vは、チューブ64を介して第1キャップ部61A及び第2キャップ部61Bに切替可能に接続されている。切替部62Vは、ゴム製のバルブであり、ギアにより図示しないモータに接続されている。
切替部62Vは、第1キャップ部61Aから吸引ポンプ62Pへの流路と、第2キャップ部61Bから吸引ポンプ62Pへの流路と、をモータの駆動により切り替える。吸引部62は、切替部62Vによって第1キャップ部61A及び第2キャップ部61Bの内部のインクを選択的に排出する。つまり、吸引部62は、キャップ部61の内部のインクを排出する。
メンテナンスユニット8では、制御装置23によって吸引ポンプ62Pが駆動されると、第1キャップ部61Aの内部のインク及び第2キャップ部61Bの内部のインクは、廃液貯留部63に排出される。廃液貯留部63は、吸引部62によりキャップ部61の内部から排出されたインクを貯留する。換言すると、廃液貯留部63は、吸引部62により第1キャップ部61A及び第2キャップ部61Bの内部から排出されたインクを貯留する。
第1電極E1は、第1キャップ部61Aの内部に配置され、第1電極E1には、第1ノズル41Nから吐出されたインクが着弾しうる。第2電極E2は、第2キャップ部61Bの内部に配置され、第2電極E2には、第2ノズル42Nから吐出されたインクが着弾しうる。キャリッジ2が上記メンテナンス位置に配置されると、第1電極E1は、第1ノズル41Nと対向し、第2電極E2は、第2ノズル42Nと対向する。第1電極E1及び第2電極E2は、キャップ部61の内部に配置され、底部61Cに設けられる。
液体吐出装置1は、図2に示す、高電圧回路21と、検知部22と、制御装置23と、をさらに備えている。第1電極E1及び第2電極E2は、矩形の平面形状を有し、導電性材料から構成されており、高電圧回路21に接続されている。第1電極E1及び第2電極E2には、高電圧回路21により所定の正の電位が印加される。一方、インクジェットヘッド4は、グランドGNDに接続されている。これにより、インクジェットヘッド4と、第1電極E1及び第2電極E2と、の間に所定の電位差が生じる。高電圧回路21は、グランドGNDに接続されている。
検知部22は、第1検知部22Aと、第2検知部22Bと、を有する。第1検知部22Aは、第1電極E1に電気的に接続され、第1ノズル41Nから第1電極E1に向けてインクが吐出されたことを検知する。第2検知部22Bは、第2電極E2に電気的に接続され、第2ノズル42Nから第2電極E2に向けてインクが吐出されたことを検知する。検知部22によるインクの検知において、第1電極E1にインクが着弾する場合について以下に詳細に説明する。第2電極E2にインクが着弾する場合は、第1電極E1にインクが着弾する場合と同様であるため、説明を省略する。
インクジェットヘッド4はグランドGNDに接続されており、インクジェットヘッド4の電位は、限りなく0Vに近い状態が維持される。第1電極E1には、高電圧回路21より600Vの電位が与えられる。これにより、インクジェットヘッド4と第1電極E1との間には600Vの電位差が生じる。
キャリッジ2が上記メンテナンス位置に配置された状態で、インクジェットヘッド4が第1ノズル41Nから第1電極E1に向けてインクを吐出させると、負の電荷を帯びたインクが第1電極E1に近づく。第1電極E1にインクが着弾すると、第1電極E1に負の電荷が受け渡され、第1電極E1の電圧値は降下する。より簡単に説明すれば、吐出されたインクを介して、第1電極E1からインクジェットヘッド4に電流が流れることと同様の現象が発生する。
このような原理を用いて、検知部22は、ノズル4Aから電極にインクが吐出されたか否かを判定する。また、上記に説明したインクの検知においては、吐出の有無だけではなく、ノズル4Aの様々な状態を把握することができる。例えば、検知部22が検知した電圧波形の大小や、制御装置23による吐出信号の出力からインクの着弾までの時間の大小に応じて、インクジェットヘッド4から吐出されたインクが正常な大きさであるか否かを確認することができる。当該吐出信号は、インクジェットヘッド4にインクの吐出を指示する信号である。
さらに、検知部22による検知結果によって、ノズル4Aの閉塞状況、インクの粘度上昇、しぶきの有無、インクの曲がりやインクへの気泡の混入状態などを確認することができる。これらのノズル4Aの状態確認は、本実施形態とは直接の関係がないため、ここでの詳細な説明は省略する。
一方、第1ノズル41Nからインクが吐出されない場合、第1電極E1の電圧値は、ほとんど変化しない。なお、ここでは、高電圧回路21により、第1電極E1及び第2電極E2に正の電位が印加されているが、高電圧回路21により、第1電極E1及び第2電極E2に負の電位が印加されていてもよい。
また、ここでは、キャップ部61が、第1キャップ部61A及び第2キャップ部61Bを有する場合について説明したが、これに限られない。キャップ部61が、全てのノズル4Aをまとめて覆い、吸引部62によりキャップ部61の内部のインクを排出させるものであってもよい。この場合、吸引部62は、切替部62Vを有さず、吸引ポンプ62Pのみを有する。また、キャップ部61の内部には、少なくとも1つの電極が配置され、検知部22は、当該少なくとも1つの電極と接続される。
さらに、キャップ部61の内部に2つ以上の電極が配置されるときでも、液体吐出装置1は、検知部22として第1検知部22A及び第2検知部22Bのいずれか1つを備えてもよい。この場合、検知部22は、2つ以上の電極の電圧値の平均値を算出して、当該平均値を制御装置23に出力する構成でもよい。また、検知部22は、検知部22が2つ以上の電極の電圧値のそれぞれを検知するタイミングをずらしてインクの吐出を検知するように、制御装置23によって制御される構成でもよい。
また、キャップ変位部33は、モータの駆動によりキャップ部61を昇降するよう変位させる構成となっているが、キャリッジ2またはインクジェットヘッド4を昇降するよう変位させる構成であってもよい。これにより、キャップ変位部33は、キャリッジ2またはインクジェットヘッド4の移動により相対的にキャップ部61を変位させる機構となる。
<液体吐出装置1の電気的構成>
図3は、図1に示す液体吐出装置1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、液体吐出装置1は、キャリッジモータ31と、搬送モータ32と、キャップ変位部33と、を備えている。液体吐出装置1の動作は、制御装置23によって制御される。
制御装置23は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)41と、CPU(Central Processing Unit)42と、ROM(Read Only Memory)43と、RAM(Random Access Memory)44と、フラッシュメモリ45と、を有している。ASIC41及びCPU42は、制御部の一例であり、ROM43、RAM44及びフラッシュメモリ45は、記憶部の一例である。
制御装置23は、キャリッジモータ31、搬送モータ32、キャップ変位部33、吸引ポンプ62P、切替部62V、高電圧回路21及び検知部22の動作を制御する。制御装置23は、キャップ変位部33と吸引部62を駆動することによってキャップ部61の内部に残るインクを排出する排出処理を実行させる。当該排出処理は、後述する傾斜接触動作及び空吸引動作に該当する。
また、液体吐出装置1は、ディスプレイ等の図示しない表示部と、スイッチ及びタッチパネル等を含む図示しない操作部と、をさらに備えていてもよい。制御装置23は、当該表示部の制御も行い、当該操作部は、ユーザによる操作に応じた信号を制御装置23に送信する。
キャリッジモータ31は、キャリッジ2をガイドレール9,10に沿って走査方向に移動させる。搬送モータ32は、搬送ローラ6,7を回転させることにより、用紙Pを搬送方向に搬送する。キャップ変位部33は、第1リップ61D及び第2リップ61Eをインクジェットヘッド4に当接、及び離隔させるよう第1キャップ部61A及び第2キャップ部61Bを変位させる。換言すると、キャップ変位部33は、キャップ部61のリップをインクジェットヘッド4に当接、及び離隔させるようキャップ部61を変位させる。
<液体吐出装置1の処理>
液体吐出装置1の処理について、図4から図6に基づいて説明する。図4は、図1に示す液体吐出装置1が実行する吸引パージ及び傾斜接触動作を示す図である。図5は、図1に示す液体吐出装置1が備える電極の電圧を示すグラフである。図6は、図1に示す液体吐出装置1の処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、制御装置23は、記憶指令を受信したか否かを判定する(S1)。液体吐出装置1が記憶指令を受信した場合(S1にてYES)、ステップS2に進む。液体吐出装置1が記憶指令を受信していない場合(S1にてNO)、ステップS1を繰り返す。
制御装置23は、吐出検査を実行する(S2)。吐出検査について、以下に具体的に説明する。第1電極E1による吐出検査に関する制御と、第2電極E2による吐出検査に関する制御と、は同じであるため、ここでは第1電極E1による吐出検査に関する制御のみを説明する。
制御装置23は、キャリッジモータ31を駆動させることにより、キャリッジ2を上記メンテナンス位置に配置させ、高電圧回路21により電圧600Vの電位を第1電極E1に印加する。この後、制御装置23は、第1電極E1に対応した第1ノズル41Nのうちの1つを対象ノズルとして設定し、当該対象ノズルに対応する駆動素子を駆動させる。当該駆動素子は、対象ノズルからインクを吐出させるために制御装置23により駆動されるピエゾ素子である。
第1ノズル41Nの状態が正常である、つまり第1ノズル41Nの内部の異物による詰まりやインクの粘土上昇による固化などがなければ、第1ノズル41Nからインクが吐出される。第1ノズル41Nから吐出されたインクは第1電極E1に着弾し、第1検知部22Aがインクの吐出及び着弾による電圧の変化を検知する。第1ノズル41Nの状態が異常であれば、第1ノズル41Nからインクは吐出されない。第1ノズル41Nからインクが吐出されなければ、第1電極E1にインクが着弾しないので、第1検知部22Aはインクの着弾による電圧の変化を検知しない。
上記のように、制御装置23は、設定された対象ノズルが異常ノズルであるか否かを判定する。制御装置23は、対象ノズルの設定を他のノズルに変更し、変更した対象ノズルについても、上述と同様に、異常ノズルであるか否かを判定する。つまり、制御装置23は、異常ノズルであるか否かの判定を、全てのノズル4Aに対して実行する。制御装置23は、異常ノズルの数をRAM44に記憶する。
制御装置23は、吐出検査を実行した後、RAM44から異常ノズルの数を参照して、複数のノズル4Aのうち異常ノズルの数が所定値以下であるか否かを判定する(S3)。当該所定値は、ROM43に記憶されている。異常ノズルの数が所定値以下である場合(S3にてYES)、制御装置23は、記憶処理を実行する(S4)。つまり、制御装置23は、当該記憶処理として、用紙Pに画像記憶を行う。異常ノズルの数が所定値よりも多い場合(S3にてNO)、ステップS5に進む。
制御装置23は、ブラックのインクについて吸引パージを実行させる(S5)。吸引パージは、複数のノズル4Aがキャップ部61によって覆われた状態で、制御装置23によって吸引ポンプ62Pが駆動されることにより、キャップ部61に、複数のノズル4Aからインクジェットヘッド4の内部のインクを排出させる処理である。ステップS5について以下に具体的に説明する。
制御装置23は、切替部62Vに、第2キャップ部61Bから吸引ポンプ62Pへの流路を選択させるように切替部62Vを駆動させる。図4における101で示される図の通り、制御装置23は、キャップ変位部33を駆動させることにより、第1リップ61D及び第2リップ61Eをノズル面4Bに当接させる。これにより、第2ノズル42Nが第2キャップ部61Bに覆われる状態になる。
制御装置23は、この状態で吸引部62の吸引ポンプ62Pを駆動させる。このように、制御装置23は、吸引部62を駆動させて第2キャップ部61B内を負圧にすることにより、第2キャップ部61Bに、複数のノズル4Aからインクジェットヘッド4の内部のブラックのインクを排出する吸引パージを実行する。
制御装置23は、ブラックのインクについて吸引パージを実行した後、ブラックのインクについて空吸引動作を実行する(S6)。ステップS6の詳細については後述する。制御装置23は、ブラックのインクについて空吸引動作を実行した後、カラーのインクについて吸引パージを実行する(S7)。
具体的には、制御装置23は、切替部62Vに、第1キャップ部61Aから吸引ポンプ62Pへの流路を選択させるように切替部62Vを駆動させる。ステップS5において、第1リップ61Dは、ノズル面4Bに当接しているため、第1ノズル41Nが第1キャップ部61Aに覆われる状態になる。
制御装置23は、この状態で吸引部62の吸引ポンプ62Pを駆動させる。このように、制御装置23は、吸引部62を駆動させて第1キャップ部61A内を負圧にすることにより、第1キャップ部61Aに、複数のノズル4Aからインクジェットヘッド4の内部のカラーのインクを排出する吸引パージを実行する。
制御装置23は、カラーのインクについて吸引パージを実行した後、カラーのインクについて空吸引動作を実行する(S8)。ステップS8の詳細については後述する。ステップS8の後、ステップS2に戻る。
<ブラックのインクについての空吸引動作>
図7は、図6に示す処理のうちブラックのインクについての空吸引動作の実行に係る処理を示すフローチャートであり、図8は、図7に示す処理の続きを示すフローチャートである。ここで説明するブラックのインクについての空吸引動作は、一例である。ステップS6において、図7に示すように、ブラックのインクについての空吸引動作が実行される場合、まず、制御装置23は、キャップ変位部33を駆動することにより、傾斜接触動作を実行する(S21)。
具体的には、まず、制御装置23は、キャリッジモータ31を駆動することによりキャリッジ2を移動させ、インクジェットヘッド4を上記メンテナンス位置に移動させる。制御装置23は、キャップ変位部33のモータを駆動させる。これによって、制御装置23は、キャップ部61を、第1リップ61D及び第2リップ61Eの一部がインクジェットヘッド4に当接し、第1リップ61D及び第2リップ61Eの別の一部がインクジェットヘッド4から離隔する所定姿勢に位置付ける。換言すると、制御装置23は、第1キャップ部61A及び第2キャップ部61Bを当該所定姿勢に位置付ける。
キャップ部61は、図4における102及び103で示される図の通りの姿勢に位置付けられる。この場合、第1リップ61D及び第2リップ61Eの上部の一部がインクジェットヘッド4に当接すると共に、第1リップ61D及び第2リップ61Eの上部の別の一部がインクジェットヘッド4から離隔する。
なお、図4における102で示される図は、インクジェットヘッド4及びキャップ部61を、Y方向とは反対方向から見た図である。図4における103で示される図は、インクジェットヘッド4及びキャップ部61を、X方向とは反対方向から見た図である。図4における103で示される図では、切替部62Vを省略している。図4における102で示される図では、Y方向に進むにつれて、キャップ部61の上面が低くなるように、キャップ部61が傾斜する。ただし、図4における103で示される図のように、Y方向に進むにつれて、キャップ部61の上面が高くなるように、キャップ部61が傾斜してもよい。
傾斜接触動作が実行された後、制御装置23は、切替部62Vを駆動し、第2キャップ部61Bから吸引ポンプ62Pへの流路を形成する(S22)。第2キャップ部61Bから吸引ポンプ62Pへの流路が形成された後、制御装置23は、空吸引動作の最適化処理を行うか否かを判断する(S23)。
制御装置23は、ユーザによる上述した操作部の操作に基づいて、空吸引動作の最適化処理を行うか否かを判断してもよい。この場合、ユーザは、制御装置23が空吸引動作の最適化処理を行うことが設定されるように、当該操作部を操作する。一方、制御装置23は、予め設定された所定の条件が満たされた場合、空吸引動作の最適化処理を行ってもよい。
当該所定の条件としては、例えば、前回の空吸引動作の最適化処理から所定期間が経過していること、後述するステップS27にて空吸引動作の開始から空吸引動作の完了までの時間が、後述する通常吸引設定時間TAに所定回数以上上書きされていないことが挙げられる。他には、上記所定の条件としては、例えば、通常吸引設定時間TAが各温度及び各吸引強度に対応付けられた後述する表のデータの収集が完了していないことが挙げられる。
制御装置23が空吸引動作の最適化処理を行わないと判断した場合(S23にてNO)、制御装置23は、フラッシュメモリ45から通常吸引設定時間TAを読み出す(S24)。制御装置23は、空吸引動作の時間を、フラッシュメモリ45から読み出した通常吸引設定時間TAに設定する(S25)。通常吸引設定時間TAは、4秒である。
制御装置23は、吸引ポンプ62Pの駆動を開始する(S26)。つまり、制御装置23は、キャップ部61が上記所定姿勢に位置付けられた状態で、第2キャップ部61Bの内部のインクを排出するように、吸引部62を駆動させる空吸引動作を実行する。このように、空吸引動作が開始され、第2キャップ部61Bの内部のインクは、廃液貯留部63に排出される。吸引ポンプ62Pの駆動の開始から、通常吸引設定時間TAが経過した時点で、制御装置23は、吸引ポンプ62Pの駆動を停止する(S27)。これにより、ブラックのインクについての空吸引動作が終了する。
なお、後述するステップS32、S35及びS37からステップS27に移った場合、制御装置23は、空吸引動作の開始から、空吸引動作の完了、つまり、吸引ポンプ62Pの駆動停止までの時間を、通常吸引設定時間TAに上書きしてもよい。この場合、通常吸引設定時間TAは、以下の表1に示すように、各温度及び各吸引強度に対応付けられてフラッシュメモリ45に記憶されてもよい。表1は、通常吸引設定時間TAが各温度及び各吸引強度に対応付けられた表の一例である。後述する通常吸引設定時間TDも同様に、各温度及び各吸引強度に対応付けられてフラッシュメモリ45に記憶されてもよい。
Figure 0007413819000001
当該温度は、液体吐出装置1が備える図示しない温度センサによって検知される温度であり、当該吸引強度は、例えば、液体吐出装置1に予め設定された弱・中・強の3つの吸引強度であり、吸引ポンプ62Pによる吸引の強度である。上記吸引強度は、ユーザによる上記操作部の操作によって設定可能である。インクの粘度は、温度によって変化する。温度が低い程、インクの粘度は上がり、インクが排出されにくくなる。また、吸引強度が小さい程、インクが排出されにくくなる。
このため、通常吸引設定時間TAが、各温度及び各吸引強度に対応付けられて記憶されることにより、温度及び吸引強度に応じて通常吸引設定時間TAを適切に設定することができる。
一方、制御装置23が空吸引動作の最適化処理を行うと判断した場合(S23にてYES)、制御装置23は、フラッシュメモリ45から第1吸引時間TBを読み出し、ROM43から第2吸引時間TCを読み出す(S28)。第1吸引時間TBは、初期値として1.5秒で設定されているが、後述するステップS34にて変更される。第2吸引時間TCは、2秒である。
制御装置23は、上述した排出処理を実行させる場合、吸引部62の駆動を継続する時間を、所定駆動時間として第1吸引時間TB及び第2吸引時間TCの合計時間に設定する(S29)。第1吸引時間TBは、フラッシュメモリ45に記憶されており、第2吸引時間TCは、ROM43に記憶されているため、当該所定駆動時間は、上述した記憶部に記憶されていることになる。
次に、制御装置23は、ステップS26と同様に、空吸引動作を開始し、ブラックのインクについて残液検知を開始する(S30)。具体的には、制御装置23は、吸引部62の吸引ポンプ62Pを動作し、キャップ部61の第2キャップ部61Bの内部のインクを廃液貯留部63に排出する空吸引動作を開始する。
また、制御装置23は、第2検知部22Bにより、インクがインクジェットヘッド4のノズル面4Bと第2電極E2との間に存在するか否かを、インクジェットヘッド4のノズル面4Bと第2電極E2との間に起こる電気的変化にて判定する残液検知を開始する。残液検知として、図5に示すように、第2検知部22Bは、第2電極E2の電圧VBを検知する。残液検知について以下に具体的に説明する。
インクがインクジェットヘッド4のノズル面4Bと第2電極E2との間に存在するか否かを検知する原理を説明する。キャップ部61の内部のインクの一部は、図4における103で示される図のY方向側、つまり第2リップ61Eがノズル面4Bと接触している部分に寄せられる。
これは、図4における103で示される図の通り、吸引ポンプ62Pの駆動により、第2リップ61Eが接触していない部分から大気が流入し、インクを寄せる外力が働くからである。より正確に言えば、インクはインクジェットヘッド4及び第2電極E2の両方に接触している状態である。本実施形態では、この状態を液柱が形成された状態と呼び、このインクを液柱と呼ぶ。
液柱が形成された状態で第2電極E2に電圧600Vを印加すると、第2電極E2はインクによってインクジェットヘッド4に短絡した状態となり、第2電極E2の電圧は600Vよりも低い状態となる。この状態でインクが吸引され続ければ、インクはいずれ少なくなり、インクがインクジェットヘッド4及び第2電極E2の両方に接触している状態、つまり液柱が形成された状態が解消される。液柱が形成されていない状態から形成された状態に、または、液柱が形成された状態から形成されていない状態に変化することを電気的変化と呼ぶ。
図5において、縦軸は電圧を表し、横軸は時間を表している。縦軸については、上に行くほど電圧が高くなっている。第1所定時間T1は、第2キャップ部61Bの内部にインクが存在しない状態の場合に、吸引ポンプ62Pの駆動を強制的に停止させる動作を行うか否かを判定するための時間である。第1基準時間TS1は、液柱が形成されていないにも関わらず吸引部62の吸引ポンプ62Pの駆動が継続されることを防止するための時間である。
第2キャップ部61Bの内部にインクが存在しない場合、つまり、液柱が形成されていない場合、電圧の降下は小さくなる。第2キャップ部61Bの内部にインクが存在する場合、つまり、液柱が形成される場合、電圧の降下は大きくなり、電圧VBは第2閾値VS2以下となる。インクが吸引されることにより液柱が形成されなくなれば、電圧VBは第2閾値VS2より大きくなる。
ステップS30の処理の後、F1を介して、図8に示すステップS31に進む。制御装置23は、吸引部62の吸引ポンプ62Pの駆動を開始させた後、吸引部62の吸引ポンプ62Pの駆動の開始から第1所定時間T1が経過した際に、残液検知にて電圧VBが第2閾値VS2よりも大きいか否かを判定する(S31)。
この判定が行われる理由は、以下の2つの場合を区別するためである。1つ目は、第1所定時間T1が経過した際に、第2キャップ部61Bの内部のインクの量が、液柱が形成されるために必要な量よりも少ない場合である。この場合、無駄な吸引を抑える。2つ目は、第1所定時間T1が経過した際に、第2キャップ部61Bの内部のインクの量が、液柱が形成されるために十分な量である場合である。第1所定時間T1は、ROM43に記憶されている。第1所定時間T1は、1秒である。
電圧VBが第2閾値VS2以下であることは、インクジェットヘッド4のノズル面4Bと第2電極E2との間で液柱が形成されていることと同義である。つまり液柱が形成されている。この場合、制御装置23は、インクがインクジェットヘッド4のノズル面4Bと第2電極E2との間に存在する状態と判断する。また、電圧VBが第2閾値VS2よりも大きい場合、制御装置23は、インクがインクジェットヘッド4のノズル面4Bと第2電極E2との間に存在しない状態と判断する。つまり液柱が形成されていない。
吸引部62の駆動の開始から第1所定時間T1が経過した際に、残液検知にて電圧VBが第2閾値VS2よりも大きいと判定された場合(S31にてYES)を考える。この場合、第2キャップ部61Bの内部のインクの量が、液柱が形成されるために必要な量よりも少ないということになる。
ステップS31にてYESの場合、制御装置23は、第1所定時間T1が経過した時点以降の空吸引動作の時間を、空吸引動作を一定時間で終了させる第2吸引時間TCに変更し、空吸引動作を継続する(S32)。第1所定時間T1が経過した時点から、第2吸引時間TCが経過すると、F2を介して、図7に示すステップS27に進む。
また、ステップS31にてYESの場合、ステップS30の空吸引動作の開始からステップS27の吸引ポンプ62Pの駆動停止までの時間は、第1吸引時間TB及び第2吸引時間TCの合計時間よりも短くなる。第1吸引時間TBが第1所定時間T1よりも長いためである。第1吸引時間TBが第1所定時間T1よりも長い理由としては、第1吸引時間TBは、後述するステップS34にて変更されるが、ステップS34は、第1所定時間T1が経過した時点よりも後に実行されるためである。
さらに、ステップS31にてYESの場合、ステップS30の空吸引動作の開始からステップS27の吸引ポンプ62Pの駆動停止までの時間は、第1所定時間T1及び第2吸引時間TCの合計時間である3秒となるため、後述する第1基準時間TS1である4秒よりも短くなる。
よって、制御装置23は、吸引部62の駆動の開始から第1基準時間TS1よりも短い第1所定時間T1が経過した際に、第2検知部22Bにより第1電気的状態が検知された場合は、第1基準時間TS1に到達する前に吸引部62の吸引ポンプ62Pの駆動を停止させる。当該第1電気的状態は、インクがインクジェットヘッド4と第2電極E2との間に存在しない状態に対応する電気的状態である。
また、上記構成は、液体吐出装置1が傾いて設置されている場合、及び、液体吐出装置1の製品ごとの部品のばらつきがある場合にも空吸引動作の時間の無駄をなくすことができ、効果的である。さらに、空吸引動作の時間の無駄がなくなることによって、吸引部62の吸引ポンプ62Pの回転数及び駆動時間が短くなるため、吸引ポンプ62Pの寿命が延命される。
吸引部62の駆動の開始から第1所定時間T1が経過した際に、残液検知にて電圧VBが第2閾値VS2以下であると判定された場合(S31にてNO)を考える。この場合、第2キャップ部61Bの内部のインクの量が、液柱が形成されるために十分な量であるということになる。
また、制御装置23は、吸引部62の吸引ポンプ62Pの駆動を継続し、第1基準時間TS1までに、残液検知にて電圧VBが第2閾値VS2よりも大きくなったか否かを判定する(S33)。この判定が行われる理由は、第2キャップ部61Bの内部のインクの量が、液柱が形成されるために必要な量よりも少なくなっているにも関わらず、吸引部62の吸引ポンプ62Pの駆動が第1基準時間TS1まで継続されることを防止するためである。
ステップS31にてNOの場合より、制御装置23は、吸引部62の駆動の開始から第1所定時間T1が経過した際に、第2検知部22Bにより第2電気的状態が検知された場合は、吸引部62の駆動を継続する。当該第2電気的状態は、インクがインクジェットヘッド4と第2電極E2との間に存在する状態に対応する電気的状態である。
上記構成によれば、制御装置23は、第1所定時間T1が経過した際に、インクがインクジェットヘッド4と第2電極E2との間に存在する状態であるか否かによって、吸引部62の駆動に係る時間を変更する。これにより、吸引部62の駆動に係る時間の無駄を効率的になくすことができる。
第1基準時間TS1までに、図5に示す変化点P1で、残液検知にて電圧VBが第2閾値VS2よりも大きくなったことが判定された場合(S33にてYES)を考える。この場合、第2キャップ部61Bの内部のインクの量が、液柱が形成されるために必要な量よりも少なくなったということになる。変化点P1は、電圧VBが第2閾値VS2以下である状態から、電圧VBが第2閾値VS2よりも大きい状態に変化する点である。
ステップS33にてYESの場合、制御装置23は、空吸引動作の開始からの経過時間TPを、フラッシュメモリ45に記憶されている第1吸引時間TBに上書きする(S34)。空吸引動作の開始からの経過時間TPは、空吸引動作の開始から電圧VBが第2閾値VS2よりも大きくなった時点までの経過時間である。
つまり、制御装置23は、第2検知部22Bにより吸引部62の駆動の開始から電気的変化が検知されるまでの経過時間を、フラッシュメモリ45に記憶し、フラッシュメモリ45に記憶した当該経過時間をステップS29にて設定された所定駆動時間の一部として次の上記排出処理を実行させる。
当該電気的変化は、インクがインクジェットヘッド4と第2電極E2との間に存在する状態から存在しない状態に変化することによって起こる電気的変化である。ステップS29にて設定された所定駆動時間の一部は、第1吸引時間TBである。上記構成によれば、記憶にて所定駆動時間が設定されるため、当該所定駆動時間の精度が上がり吸引部62の駆動に係る時間の無駄がなくなる。
制御装置23は、電圧VBが第2閾値VS2よりも大きくなった時点以降の空吸引動作の時間を、第2吸引時間TCに変更し、空吸引動作を継続する(S35)。電圧VBが第2閾値VS2よりも大きくなった時点から、第2吸引時間TCが経過すると、F2を介して、図7に示すステップS27に進む。
なお、ステップS33にてYESの場合、ステップS30の空吸引動作の開始からステップS27の吸引ポンプ62Pの駆動停止までの時間は、第1基準時間TS1より短くなる。電圧VBが第2閾値VS2以下である状態から、電圧VBが第2閾値VS2よりも大きくなる状態に変化する場合、第2キャップ部61Bの内部のインクの量は、空吸引動作の時間が第1基準時間TS1に到達しない程度の量となるためである。
吸引部62の駆動が開始された後、第1基準時間TS1が経過するまでの間において、第2検知部22Bにより上記電気的変化が検知された場合を考える。この場合、制御装置23は、第1基準時間TS1に到達する前に吸引部62の駆動を停止させる。
上記構成によれば、制御装置23は、上記電気的変化が第2検知部22Bにより検知された場合は、第1基準時間TS1に到達する前に吸引部62の駆動を停止させる。これにより、インクが存在しない状態で吸引部62が駆動されることがなくなり、吸引部62の駆動に係る時間の無駄がなくなる。
電圧VBが第2閾値VS2以下である状態が維持された場合(S33にてNO)、制御装置23は、吸引部62の駆動の開始から第1基準時間TS1が経過したか否かを判定する(S36)。ステップS33にてNOの場合、第2キャップ部61Bの内部のインクの量が、液柱が形成されるために十分な量である状態が維持されているということになる。
また、ステップS36の判定が行われる理由は、以下の通りである。第2キャップ部61Bの内部のインクの量が、液柱が形成されるために必要な量よりも少なくなっているにも関わらず、電圧VBが第2閾値VS2以下である状態が継続される場合がある。このような場合に、吸引部62の吸引ポンプ62Pの駆動が継続されることを防止する。
第1基準時間TS1は、第1所定時間T1よりも長い時間としてROM43に記憶されている。第1基準時間TS1は、4秒である。第1基準時間TS1が経過していない場合(S36にてNO)、ステップS33に戻る。
第1基準時間TS1が経過した場合(S36にてYES)、制御装置23は、第1基準時間TS1が経過した時点以降の空吸引動作の時間を変更せず、空吸引動作を継続する。また、空吸引動作の開始から、ステップS29にて設定された所定駆動時間を過ぎている場合、制御装置23は、第1基準時間TS1が経過した時点で空吸引動作を終了する(S37)。つまり、F2を介して、図7に示すステップS27に進む。
ステップS36にてYESの場合、ステップS30の空吸引動作の開始からステップS27の吸引ポンプ62Pの駆動停止までの時間は、第1基準時間TS1と同一になる。吸引部62の駆動が開始された後、第1基準時間TS1が経過するまでの間において、第2検知部22Bにより上記電気的変化が検知されない場合を考える。この場合、制御装置23は、吸引部62を第1基準時間TS1まで駆動させる。ステップS28からS37の通り、第2電極E2の電圧VBの値に応じて空吸引動作の時間が最適化されることにより、空吸引動作の時間を効率的に短縮することができる。
<カラーのインクについての空吸引動作>
ここで説明するステップS8のカラーのインクについての空吸引動作は、一例である。ここでは、カラーのインクについての空吸引動作が、ブラックのインクについての空吸引動作とは異なる部分のみを説明する。以下に説明する部分以外については、カラーのインクについての空吸引動作は、ブラックのインクについての空吸引動作と同様である。説明の便宜上、カラーのインクについての空吸引動作の説明において、図7及び図8を参照すると共に、ステップの番号については、ブラックのインクについての空吸引動作と同じ番号を参照する。
ステップS22において、制御装置23は、切替部62Vを駆動し、第1キャップ部61Aから吸引ポンプ62Pへの流路を形成する。ステップS24からS27において、カラーのインクについての空吸引動作では、通常吸引設定時間TAに代えて、通常吸引設定時間TDとなる。通常吸引設定時間TDは、8秒である。
また、ステップS28、S29、S32、S34及びS35において、第1吸引時間TB及び第2吸引時間TCに代えて、第3吸引時間TE及び第4吸引時間TFとなる。第3吸引時間TEは、初期値として3.5秒で設定されている。第4吸引時間TFは、3秒である。
ステップS30において、制御装置23は、空吸引動作を開始し、カラーのインクについて残液検知を開始する。具体的には、制御装置23は、吸引部62の吸引ポンプ62Pを動作し、キャップ部61の第1キャップ部61Aの内部のインクを廃液貯留部63に排出する空吸引動作を開始する。
また、ステップS30において、制御装置23は、第1検知部22Aにより、インクがインクジェットヘッド4のノズル面4Bと第1電極E1との間に存在するか否かを、インクがインクジェットヘッド4と第1電極E1との間に起こる電気的変化にて判定する残液検知を開始する。残液検知として、第1検知部22Aは、第1電極E1の電圧VAを検知する。
ステップS31及びS33において、第1所定時間T1に代えて第2所定時間T2となり、電圧VBに代えて電圧VAとなると共に、第2閾値VS2に代えて第1閾値VS1となる。第2所定時間T2は、1秒である。ステップS36において、第1基準時間TS1に代えて第2基準時間TS2となる。第2基準時間TS2は、7秒である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 液体吐出装置 4 インクジェットヘッド(ヘッドユニット)
4A ノズル 22 検知部
22A 第1検知部 22B 第2検知部
23 制御装置 33 キャップ変位部
41N 第1ノズル 42N 第2ノズル
43 ROM(記憶部) 45 フラッシュメモリ(記憶部)
61 キャップ部 61A 第1キャップ部
61B 第2キャップ部 61D 第1リップ
61E 第2リップ 62 吸引部
63 廃液貯留部 E1 第1電極
E2 第2電極 T1 第1所定時間
T2 第2所定時間 TS1 第1基準時間
TS2 第2基準時間

Claims (3)

  1. 液体を吐出する少なくとも1つのノズルを有するヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットの前記ノズルを封止するためのものであって、リップを有するキャップ部と、
    前記キャップ部の前記リップを前記ヘッドユニットに当接、及び離隔させるよう前記キャップ部を変位させるキャップ変位部と、
    前記キャップ部の内部に配置され、前記ノズルから吐出された液体が着弾しうる電極と、
    前記電極に電気的に接続され、前記ノズルから前記電極に向けて液体が吐出されたことを検知する検知部と、
    前記キャップ部の内部の液体を排出する吸引部と、
    前記吸引部により前記キャップ部の内部から排出された液体を貯留する廃液貯留部と、
    前記キャップ変位部と前記吸引部を駆動することによって前記キャップ部の内部に残る液体を排出する排出処理を実行させる制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記キャップ変位部を駆動することによって、前記キャップ部を、前記リップの一部が前記ヘッドユニットに当接し前記リップの別の一部が前記ヘッドユニットから離隔する所定姿勢に位置付け、
    前記キャップ部が前記所定姿勢に位置付けられた状態で、前記キャップ部の内部の液体を排出するように、前記吸引部を駆動させ、
    前記吸引部の駆動が開始された後基準時間が経過するまでの間において、前記検知部により液体が前記ヘッドユニットと前記電極との間に存在する状態から存在しない状態に変化することによって起こる電気的変化が検知された場合は、前記基準時間に到達する前に前記吸引部の駆動を停止させ、前記検知部により液体が前記ヘッドユニットと前記電極との間に存在する状態から存在しない状態に変化することによって起こる電気的変化が検知されない場合は、前記吸引部を前記基準時間まで駆動させる、液体吐出装置。
  2. 前記制御部は、前記吸引部の駆動を開始させた後、前記吸引部の駆動の開始から前記基準時間よりも短い所定時間が経過した際に、前記検知部により液体が前記ヘッドユニットと前記電極との間に存在する状態に対応する電気的状態が検知された場合は、前記吸引部の駆動を継続し、前記検知部により液体が前記ヘッドユニットと前記電極との間に存在しない状態に対応する電気的状態が検知された場合は、前記基準時間に到達する前に前記吸引部の駆動を停止させる、請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記排出処理を実行させる場合、前記吸引部の駆動を継続する時間を、前記記憶部に記憶されている所定駆動時間に設定し、
    前記検知部により前記吸引部の駆動の開始から液体が前記ヘッドユニットと前記電極との間に存在する状態から存在しない状態に変化することによって起こる電気的変化が検知されるまでの経過時間を、前記記憶部に記憶し、
    前記記憶部に記憶した前記経過時間を前記所定駆動時間の一部として次の前記排出処理を実行させる、請求項1または2に記載の液体吐出装置。
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