JP7395941B2 - ガラス合紙、積層体および梱包体 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス合紙、積層体および梱包体に関する。
プラズマディスプレイや液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイに使用されるガラス板の表面には、微細な電極あるいは隔壁などの素子や構造体が形成されるため、その表面には傷や異物等の微細な欠陥が少ないことが要求される。したがって、ガラス板同士が接触して傷つくことを防ぐため、ガラス板の搬送時には通常ガラス板の間に合紙が挿入されて、梱包される。
しかしながら、ガラス板間にガラス合紙を介在させる方法では、ガラス合紙中のパーティクル(繊維や紙粉片、紙中の有機、無機異物等)がガラス板に転写され、ガラス板上へのデバイス形成時に該異物に起因する不良が発生することが問題であった。そこで、パーティクルの抑制のために、種々のガラス合紙が開発されている(例えば特許文献1~3)。
特開2016-34843号公報 特開2005-248409号公報 特許第5137063号公報
しかし、近年ではディスプレイの高精細化に伴いガラス板状に形成されるデバイスはより微細化しており、ガラス板へのパーティクル付着抑制の要請はより一層高まっている。したがって、より一層パーティクルの発生が抑制されたガラス合紙が望まれている。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、パーティクルの発生が特に少ないガラス合紙の提供を目的とする。また、本発明は、当該ガラス合紙が複数のガラス板の間に介在された積層体、及び当該積層体が梱包容器に収納された梱包体の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明のガラス合紙の第1の態様は、ガラス板間に介在させるガラス合紙であって、ガラス合紙の少なくとも一方の表面において、表面から厚み方向に10μm以内の領域である表面近傍領域を離解して得られる離解パルプの、長さ加重平均繊維長が0.5~3.5mmであり、フィブリル化率が0.1~4%である。
上記課題を解決する本発明のガラス合紙の第2の態様は、ガラス板間に介在させるガラス合紙であって、ガラス合紙を離解して得られる離解パルプの、長さ加重平均繊維長が0.7~2.5mmであり、フィブリル化率が0.3~3%である。
本発明のガラス合紙の一態様においては、バージンパルプ率が80%以上であってもよい。
本発明のガラス合紙の一態様においては、坪量が20~100g/m、厚さが30~150μm、灰分が0.5質量%以下、樹脂分が0.5質量%以下であってもよい。
本発明のガラス合紙の一態様においては、離解パルプにおける繊維長が1.2mm超3.2mm以下である繊維の含有率が40質量%以上であってもよい。
本発明のガラス合紙の一態様においては、離解パルプにおける繊維長が0.2mm以上1.2mm以下である繊維の含有率が40質量%以上であってもよい。
本発明のガラス合紙の一態様においては、ガラス合紙をガラス基板に接触させた後の、ガラス基板表面の水の接触角が30°以下であってもよい。
本発明のガラス合紙の一態様においては、R指数が0.4以下であってもよい。
本発明のガラス合紙の一態様においては、矩形状であり、少なくとも1辺の長さが500mm以上であってもよい。
また、本発明の積層体は、複数枚のガラス板の間に上記本発明のガラス合紙が介在された積層体である。
本発明の積層体の一態様において、ガラス板の厚さが0.1~1.5mmであってもよい。
また、本発明の梱包体は、梱包容器と、梱包容器に収容された本発明の積層体とを有する梱包体である。
本発明のガラス合紙は、パーティクルの発生が特に少ない。また、本発明の積層体及び梱包体では、ガラス板へのパーティクルの付着が抑制されている。
図1は、本発明の実施形態のガラス合紙を用いた積層体の一例の概略構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施形態の梱包体の一例の概略構成を示す側面図である。 図3は、本発明の実施形態の梱包体の別の一例の概略構成を示す側面図である。
以下、本発明のガラス合紙、積層体、及び、梱包体の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
[ガラス合紙]
図1に、本実施形態のガラス合紙1が複数のガラス板2の間に介在された積層体10の概略図を示す。本実施形態のガラス合紙1は、ガラス板間に介在させるガラス合紙であって、パーティクルの発生が抑制されており、接触したガラス板へのパーティクルの付着が少ない。以下に、本実施形態のガラス合紙1について詳細に説明する。
本発明者らは、ガラス合紙を構成するパルプのフィブリル化率がパーティクル発生量と相関を持つことを見出した。フィブリル化とは叩解等の処理を受けた繊維が膨潤し、部分的に裂けて枝状化することをいう。フィブリル化率とはこのフィブリル化の度合いを表す値であり、繊維画像解析装置を用いて測定される、1本の繊維全体の投射部に対する小繊維の投射部の割合である。より詳細な測定方法については、実施例の欄において説明する。フィブリル化率が高いほど、フィブリル化が進行した状態である。
本発明者らは、フィブリル化率が高くなるほど細かい繊維が剥離してパーティクルが発生しやすくなることを見出した。すなわち、フィブリル化率が、パーティクルの発生しやすさと相関を持ち、フィブリル化率を低くすることでパーティクルの発生を抑制することができると見出した。パーティクルの発生を抑制する観点からは、フィブリル化率は低ければ低いほど好ましい。
一方、フィブリル化率が小さすぎると、ガラス合紙内における繊維間結合が弱くなり、紙強度の低下を招くため、操業中または使用時に紙が破れやすくなる。加えて保水量が少なく乾燥しやすくなり、静電気を帯びやすくなるので、ガラス板からの剥離時に剥離帯電現象を引き起こし、うまく剥がせない恐れがある。
上記観点より、本実施形態においては解離パルプのフィブリル化率が満たすべき範囲を規定する。本実施形態においては、以下のフィブリル化率の第1又は第2の条件を満足するようにする。
まず、フィブリル化率の第1の条件について説明する。
パーティクルの発生量は、使用時においてガラス基板に接触する部分の近傍である、ガラス合紙の表面から厚み方向に10μm以内の領域(以下「表面近傍領域」ともいう)の繊維状態に大きく依存する。このことから、フィブリル化率の第1の条件ではこの領域の離解パルプのフィブリル化率を規定する。
フィブリル化率の第1の条件では、ガラス合紙の表面近傍領域を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率を0.1%以上、好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.3%以上とし、また、4%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1.5%以下、特に好ましくは1%以下とする。
ここで、ガラス基板において特に汚染の抑制が求められる、すなわちパーティクル付着の抑制が求められるのは電子回路形成面である。したがって、ガラス合紙の電子回路形成面に触れる側の面の繊維状態が制御されていれば、本発明の効果を奏することができる。よって、第1の条件では、ガラス合紙の少なくとも一方の表面において、表面近傍領域を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率が上記の条件を満たせばよい。なお、ガラスの汚染をより一層抑制するためにはガラス合紙の両面の繊維状態が制御されていることが好ましく、したがってガラス合紙の両方の表面において、第1の条件を満たすことがより好ましい。ガラス基板の電子回路形成面の反対側の面の汚染が激しいと、電子回路形成のラインが汚染され、当該ラインの汚染が電子回路形成面に転写される恐れがあるためである。後述の平均繊維長についても同様である。
表面近傍領域の解離パルプは、ガラス合紙を適当な手法で厚み方向に分割して表面近傍領域のみを分離し、その後離解することで得られる。
ガラス合紙を厚み方向に分割する際には、繊維の切断を伴わない方法を用いることが好ましい。例えば、湿潤紙の両面を凍結させて内部で分割させるシートスプリッター(熊谷理機製)を利用する方法や、粘着テープで引き剥がして厚み方向に分割する方法が利用できる。
次に、フィブリル化率の第2の条件について説明する。
第2の条件においては、ガラス合紙全体を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率を規定する。
ここで、ガラス合紙全体には種々の繊維が含まれるため、ガラス合紙全体を離解して得られる解離パルプのフィブリル化率は、表面近傍領域を離解して得られる解離パルプのフィブリル化率と多少異なる場合がある。したがって、本実施形態においては、上記の効果(パーティクルの発生の抑制、及び、剥離帯電現象の抑制)を奏するためにガラス合紙全体を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率が満たすべき範囲と、ガラス合紙の表面近傍領域を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率が満たすべき範囲が異なる。より詳細には、ガラス合紙全体を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率が満たすべき範囲は、表面近傍領域を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率が満たすべき範囲と比べて狭くなる。なお、後述の平均繊維長についても同様である。
フィブリル化率の第2の条件では、ガラス合紙を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率を0.3%以上、好ましくは0.4%以上、より好ましくは0.5%以上とし、また、3%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.7%以下とする。
また、ガラス合紙を離解して得られる離解パルプの長さ加重平均繊維長(以下単に「離解パルプの平均繊維長」ともいう)が短すぎると、繊維が脱落してガラス基板に付着する恐れがある。脱落した繊維はフィブリル化率の大小に起因して生じるパーティクルと比較するとガラス基板への付着力が弱く洗浄により除去されやすいのでガラス基板の品質(清浄性)に及ぼす悪影響は少ないものの、高い清浄性を達成するためにはこれも抑制する必要がある。一方、離解パルプの平均繊維長が長すぎると、ガラス合紙の地合の悪化を招き、厚さの均質性が低下するおそれがある。
上記より、本実施形態においては、以下の平均繊維長の第1又は第2の条件を満足するようにする。
平均繊維長の第1の条件では、ガラス合紙の表面近傍領域を離解して得られる離解パルプの平均繊維長を0.5mm以上、好ましくは0.9mm以上、より好ましくは1.1mm以上とし、また、3.5mm以下、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下であり、さらに好ましくは2.1mm以下とする。
平均繊維長の第2の条件では、ガラス合紙を離解して得られる離解パルプの平均繊維長を0.7mm以上、好ましくは0.9mm以上、より好ましくは1.1mm以上とし、また、2.5mm以下、好ましくは2.3mm以下、より好ましくは2.1mm以下であり、さらに好ましくは1.9mm以下とする。
また、繊維の脱落をより一層抑制するためには、ガラス合紙全体の離解パルプ、または表面近傍領域の離解パルプにおける繊維長が1.2mm超3.2mm以下である繊維の含有率は、40質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
また、ガラス合紙の地合を良好にし、厚さ及び表面平坦性の均質性を向上させるには、ガラス合紙全体の離解パルプ、または表面近傍領域の離解パルプにおける繊維長が0.2mm以上1.2mm以下である繊維(以下「短繊維」ともいう)の含有率は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
繊維長が1.2mm超3.2mm以下である繊維、及び0.2mm以上1.2mm以下である繊維の含有率は、実施例の欄に記載の方法で測定できる。
離解パルプのフリーネスはカナディアン・スタンダード・フリーネス(以下、CSF)で、200ml以上が好ましく、300ml以上がより好ましく、350ml以上がさらに好ましく、また、650ml以下が好ましく、550ml以下がより好ましく、500ml以下がさらに好ましい。
離解パルプのフリーネスは、ガラス合紙の製造時における叩解量と相関を有し、叩解量を多くするとフリーネスが小さくなる傾向がある。解離パルプのCSFが200~650mlとなるように叩解すると、離解パルプの平均繊維長及びフィブリル化率が好ましい範囲となりやすいため、好ましい。
離解パルプのフリーネスは、JIS P 8121-2:2012に準拠して測定することができる。詳細な測定方法は実施例の欄において説明する。
離解パルプの平均繊維長、繊維長分布、フィブリル化率、及びCSFは、原料の種類や、叩解の条件(叩解機の種類、構造、刃の材質、形状(刃幅、溝幅、刃長、溝深さ、刃角度)、回転数、リファイニング強度、繊維スラリー濃度、温度、pH、流量、圧力等)を適宜調整することにより、制御することができる。
ガラス合紙中に含まれる金属異物の量を表す指標として、灰分がある。本実施形態のガラス合紙の灰分は、0.5%以下が好ましく、0.3%以下がより好ましく、0.1%以下がさらに好ましく、0.05%以下が特に好ましい。灰分を抑制することで、ガラス合紙中の金属成分の含有量が抑制されるため、ガラス合紙がガラス板に微細な傷をつけることを抑制することができる。
灰分とは、JIS P 8251:2003に準拠して測定することができる。詳細な測定方法は実施例の欄において説明する。
ガラス合紙中に含まれるリグニン等に由来するセルロース以外の有機物の量を表す指標として、樹脂分がある。本実施形態のガラス合紙の樹脂分は、0.5%以下が好ましく、0.3%以下がより好ましく、0.1%以下がさらに好ましく、0.05%以下が特に好ましい。樹脂分を抑制することで、ガラス合紙中の有機物(樹脂成分)がガラス板に付着して、ガラスの汚染を引き起こすことを抑制することができる。
樹脂分は、JIS P 8224:2002に準拠して測定することができる。詳細な測定方法は実施例の欄において説明する。
本実施形態のガラス合紙の表面平坦性(数~数十mmオーダーの凹凸の度合)が低いと、ガラス合紙とガラス板とを積層して積層体とした際の積層高さが大きくなるため、所定の高さの容器に格納できる枚数が少なくなる。
ガラス合紙の表面平坦性の指標としては、実施例の欄に記載の方法で測定したR指数が挙げられる。本実施形態のガラス合紙のR指数は、0.4以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.2以下がさらに好ましい。
表面平坦性は複数の要因により変化するため、表面平坦性を向上させる方法としては、複数の方法がある。
例えば、原料パルプ繊維の短繊維比率を高くすると、ガラス合紙の地合が向上し、表面平坦性が向上する。原料パルプ繊維の短繊維比率を高くするためには、例えば原料パルプとして短繊維比率の高いLBKPを用いればよい。また、原料パルプとしてNBKPを用いる場合は、カッティングを強めた叩解処理によって短繊維比率を高くすればよい。
また、抄紙時の紙幅方向の水分プロファイルの均一性を高めると、乾燥及び吸湿後の表面平坦性の変化が抑制されるため、表面平坦性が向上する。抄紙時の紙幅方向の水分プロファイルの均一性を高めるためには、例えばスチームプロファイラーを用いて幅方向の蒸気噴射量を制御したり、幅方向に分割された赤外線ヒーターを用いて加熱量を制御したりすればよい。
また、ガラス合紙にキャレンダー(カレンダー)処理を施すことによっても表面平坦性を向上させることができる。
本実施形態のガラス合紙の坪量が小さいと、強度が低下して破れやすくなる恐れがある。したがって、本実施形態のガラス合紙の坪量は20g/m以上が好ましく、30g/m以上がより好ましく、40g/m以上がさらに好ましく、45g/m以上が特に好ましい。
一方、坪量が大きいと、重量の増加を招き、また、ガラス合紙とガラス板とを積層して積層体とした際の積層高さが大きくなるため、所定の高さの容器に格納できる枚数が少なくなる。したがって、本実施形態のガラス合紙の坪量は100g/m以下が好ましく、90g/m以下がより好ましく、80g/m以下がさらに好ましく、70g/m以下が特に好ましい。
坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定することができる。詳細な測定方法は実施例の欄において説明する。
また、同上の観点より、本実施形態のガラス合紙の厚さは30~150μmが好ましい。
本実施形態のガラス合紙とともに積層されるガラス板は通常矩形状なので、本実施形態のガラス合紙も矩形状であることが好ましい。また、大型のガラス板の積層にも使用できるように、本実施形態のガラス合紙は、矩形状の少なくとも一辺の長さが500mm以上であることが好ましく、1000mm以上であることがより好ましく、1500mm以上であることがさらに好ましく、2200mm以上であることが特に好ましい。下限は特に限定されないが、例えば4000mm以下である。
例えばガラス板が矩形状であり、大きさが2200mm×2500mmである場合は、ガラス合紙は2280mm×2580mm程度の矩形状が好ましい。ガラス板が矩形である場合、ガラス合紙の各辺の長さは、それぞれ対応するガラス板の辺の長さの1.02~1.05倍程度であることが好ましい。
また、本実施形態のガラス合紙は、ガラス板へのパーティクルの付着のみならず、ガラス板への汚染(例えば、ガラス合紙に含まれる樹脂による汚染)も抑制されていることが好ましい。ガラス板への汚染の度合いの評価の指標としては、例えば実施例の欄に記載の方法により測定される、ガラス合紙をガラス基板に接触させた後のガラス基板表面の水の接触角が挙げられる。本実施形態のガラス合紙は、当該接触角が30°以下であることが好ましく、25°以下であることがより好ましく、20°以下であることがさらに好ましい。
本実施形態のガラス合紙には、本発明の効果を奏する範囲において各種薬剤が内添又は外添(塗工、含浸等)されていてもよい。ガラス合紙に内添又は外添される薬剤としては、例えば硫酸アルミニウムや消泡剤、定着剤、紙力増強剤、歩留向上剤、凝結剤、界面活性剤、サイズ剤、帯電防止剤、スライムコントロール剤、ドライヤー剥離剤、ポリビニルアルコールやポリクリルアミド、でんぷん、CMC等のセルロース誘導体、填料(タルク、クレー、二酸化チタン、炭酸カルシウム等)等が挙げられる。
以下に、本実施形態のガラス合紙の製造方法の例として、原料となるパルプを準備する準備工程、パルプからパルプスラリーを製造する調成工程、パルプスラリーからガラス合紙を抄紙する抄紙工程とを有する製造方法を説明する。なお、本実施形態のガラス合紙の製造方法は以下に説明する例に限定されない。
準備工程は、ガラス合紙の原料パルプを準備する工程である。
原料パルプの種類は特に限定されないが、ガラス合紙として求められる特性を有するものを使用する。例えばクラフトパルプ(KP)、亜硫酸パルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ;砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプ;その中間的な機械的・化学的パルプとしてのケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)等の半化学パルプ;ケナフ、ミツマタ、コウゾ、ガンピ、麻等を原料とする非木材繊維パルプ;合成パルプ、合成繊維、;古紙パルプ(DIP);等が挙げられる。パルプは晒でも未晒であってもよく、例えばKPのうち、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)が利用できる。またカーボンナノファイバー(CNF)を含んでいても良い。
ガラス合紙には高い清浄性が要求されることから、原料パルプとしては漂白処理が施され、リグニン等に由来する樹脂分等の成分が洗浄されることでその量が低減された晒クラフトパルプ(LBKPおよびNBKP)が特に好ましい。
これらの原料パルプは、古紙パルプであっても、バージンパルプであっても、古紙パルプとバージンパルプとの混合物であってもよい。ここでバージンパルプとは古紙パルプを原料としたものではなく、木材、非木材、またはガラス積載等の用途に一度も使用されたことがない紙を原料としたパスプである。パーティクルや樹脂成分によるガラス板の汚染を特に抑制するためには、原料パルプ全量に対するバージンパルプの重量比率(バージンパルプ率)が高いことが好ましく、当該比率は80%以上が好ましく、90%以上が好ましく、100%が最も好ましい。バージンパルプ率が80%以上のガラス合紙は、一般的には高グレードなガラス合紙として認識されており、特に高い清浄度が求められるガラス基板(高グレード基板)の梱包に用いられる場合が多い。一方、バージンパルプ率が80%未満のガラス合紙は一般的には低グレードなガラス合紙として認識されており、高グレード基板ほどの清浄度が求められないガラス基板(低グレード基板)の梱包に用いられる場合が多い。
調成工程においては、原料を水等で希釈し、コニカルリファイナーやダブルディスクリファイナー等を用いて適宜叩解して原料液(パルプスラリー)を得る。
この際、前述の各種薬剤を内添してもよい。叩解においては使用するパルプの種類と目的とするガラス合紙、言い換えれば離解パルプの特性に応じて叩解条件を変更し、繊維の切断(カッティング)を主効果とした遊離状叩解や、繊維の膨潤とフィブリル化を主効果とした粘状叩解等を適宜行えばよい。
抄紙工程においては、得られたパルプスラリーを例えば長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー抄紙機、ツインワイヤー抄紙機を用いて抄紙する。ウェットエンド通過後の湿潤紙を脱水し、多筒式ドライヤーやヤンキードライヤー等を用いて乾燥させる。必要に応じて前述の薬品をロールコーターやブレードコーターを用いて塗布、含浸してもよい。またソフトキャレンダー、スーパーキャレンダー等の各種キャレンダーをオンラインまたはオフラインにて使用してもよい。
特に表層付近の繊維長分布やフィブリル化率が制御されたガラス合紙を製造する方法としては、ワイヤーパートにおける脱水の条件(サクションボックス数、ハイドロフォイル数、真空度等)を調整する方法や2種類以上の離解状態の異なるパルプからなる紙を組み合わせる方法がある。紙を組み合わせる方法としては2種類の湿紙を抄き合わせる方法や、紙同士を接着剤を用いて接合する方法、熱溶融物質を用いて熱プレスで溶着する方法等がある。
以上のようにして本実施形態のガラス合紙を得る。
[積層体]
本実施形態の積層体10は、複数枚のガラス板2の間に上述のガラス合紙1が介在された積層体10である。
図1に示すガラス板積層体10は、各5枚のガラス合紙1とガラス板2が交互に積層された構成である。なお、ガラス合紙1とガラス板2の積層枚数はこれに限定されず、ガラス板2の強度やサイズ、梱包容器のサイズ等の種々の条件に応じて適宜変更すればよい。ガラス板の積層枚数は、2枚以上であればよく、上限は例えば300枚以下である。通常、積層体10の総質量が2000kg以下となるように積層される。
ガラス板2およびガラス合紙1の積層枚数は、通常、ガラス板2とガラス合紙1の枚数が同数となるか、ガラス合紙1の枚数がガラス板2の枚数よりも1枚多いかのいずれかである。
ガラス板2の用途は特には限定されないが、本実施形態のガラス合紙1はパーティクルの発生が特に少ないことから、ガラス板2は、半導体製品の製造に関連して使用されるガラス板等の表面が高度に清浄に保たれることが求められるガラス板、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板等のフラットパネルディスプレイ、有機EL照明、および太陽電池等の電子デバイス等に適用されるガラス板であることが好ましい。
ガラス板2の材質も特に限定されず用途に応じて適宜選択すればよいが、例えば、ソーダライムガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリアルミノ珪酸塩ガラス、石英ガラス等が挙げられる。また、紫外線や赤外線を吸収するガラスや強化ガラスからなるガラス板を用いることも可能である。
ガラス板2の形状、大きさ、厚さ等は特に限定されず、2枚以上積層して保管、運搬することができる形状、大きさ、厚さ等であればよい。
ガラス板2の形状としては、例えば図2に示されるガラス板のように平板状であってもよく、また、全面または一部が曲率を有する曲面状であってもよい。
ガラス板2の厚さは、用途により適宜調整すればよいが、例えば0.01~10mmである。
ガラス板の大きさは、例えば、近年開発された第8世代(2200mm×2500mm)程度の大きさを有するものであってよい。この場合、ガラス板の厚さは、0.2~0.8mmであることが強度確保の点で好ましく、さらに好ましくは0.3~0.7mm程度である。
また、ガラス板2は、複数枚のガラス板が中間膜を挟んで接着された合わせガラスであってもよい。
ガラス板2の製造方法も特に限定されないが、例えばプレス法、ダウンドロー法、フロート法などの方法により所定の板厚に成形し、徐冷後、研削、研磨などの加工を行い、所定のサイズ、形状のガラス板とすればよい。
また、ガラス板2は、表面に機能性薄膜を有するものであってもよい。機能性薄膜とは、具体的には、導電膜(スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、Ag、Cr/Cu/Cr構造を有する膜等)や熱線遮蔽膜(酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、ITO等)/Ag/酸化物の構造を有する層等)等である。ここで、酸化亜鉛には、Al、Gaまたは水素等がドープされていてもよい。また、酸化スズにはFまたはSbがドープされていてもよい。さらに、AgにはPdまたはAuがドープされていてもよい。
[梱包体]
本実施形態の梱包体は、梱包容器と、当該梱包容器に収容された本実施形態の積層体とを有する梱包体である。
ガラス板の輸送や保管の際には、ガラス板とガラス合紙とを交互に積層して積層体とし、これを梱包容器に収容してから梱包して梱包体(ガラス板梱包体)とする。ガラス板梱包体には、ガラス板を水平に積層する横置き型とガラス板を傾斜させて立てた状態で積層する縦積型とがあり、本発明はいずれの型にも適用できる。図2に縦積型のガラス板梱包体の一例の概略構成を示す。また、図3に横置き型のガラス板梱包体の一例の概略構成を示す。
図2に示すガラス板梱包体30は、梱包容器31に、複数枚のガラス板2を、間にガラス合紙1を介在させて積層したガラス板積層体10が、梱包されたものである。なお、ガラス合紙1は梱包容器31とガラス板2の間にも配置されている。梱包容器31は、公知の縦積型のガラス板梱包用の梱包容器であり、基台33と、基台33の上面に立設された傾斜台32と、基台33の上面に載置された載置台34とを有する。
傾斜台32の鉛直方向の一面(ガラス板積層体10との接触面。以下「傾斜面」ともいう。)は、鉛直方向に対して傾斜している。この傾斜面の角度(図2中、αで示す。)は、積層されたガラス板積層体10が安定して積載、保管および搬送できる角度であればよく、通常、水平方向に対して85°以下であり、例えば、85°~70°である。
また、載置台34の上面は、水平方向に対して傾斜台32に向かって下降するように傾斜する。図示例においては、一例として、載置台34の上面は、傾斜台32の傾斜面に対して90°となるように構成されている。
梱包容器31において、ガラス板2は、載置台34の上面に載置され、かつ、傾斜台32の傾斜面に立て掛けられた状態で積層される。また、各ガラス板の間には、ガラス合紙1が介在される。また、最前面のガラス板の表面をガラス合紙で覆ってもよい。
図3に示すガラス板梱包体50は、梱包容器51に、複数枚のガラス板2を間にガラス合紙1を介在させて積層したガラス板積層体10が、梱包されたものである。なお、ガラス合紙1は梱包容器51とガラス板2の間にも配置されている。梱包容器51は、公知の横置き型ガラス板梱包用の梱包容器であり、基台53と、基台53の上面に載置された載置台54とを有する。また、基台53の上面の隅(例えば、基台53の上面が矩形であれば少なくとも4隅)に、梱包容器51を積層するための支柱52を有する。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
<ガラス合紙の製造>
(実施例1)
原料パルプとして準備したNBKP(バージンパルプ率100%)に水を添加してスラリー化し、更に絶乾パルプに対して硫酸アルミニウム(原料パルプ100質量部に対して1質量部)を添加し、その後ダブルディスクリファイナーを用いてCSFが500mlとなるまで叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーを長網抄紙機と多筒式ドライヤーを用いて抄速400m/minで抄紙し、実施例1のガラス合紙を得た。
(実施例2)
原料パルプとしてNBKP(バージンパルプ率100%)80%及びLBKP(バージンパルプ率100%)20%を混合して用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のガラス合紙を得た。
(実施例3)
原料パルプとしてLBKP(バージンパルプ率100%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のガラス合紙を得た。
(実施例4、5)
NBKPとLBKPの混合比率を表1に示すとおりに変更した以外は実施例2と同様にして、実施例4及び5のガラス合紙を得た。
参考例6)
原料パルプとしてNBKP80%、古紙パルプ(DIP)を20%を混合して用いたこと以外は実施例1と同様にして、参考例6のガラス合紙を得た。
(実施例7)
硫酸アルミニウムを添加しなかったこと以外は実施例3と同様にして、実施例7のガラス合紙を得た。
参考例8)
NBKP(バージンパルプ率100%)に水を添加してスラリー化し、更に絶乾パルプに対して硫酸アルミニウム(原料パルプ100質量部に対して1質量部)を添加し、その後ダブルディスクリファイナーを用いてCSFが500mlとなるまで叩解し、パルプスラリーAを得た。また、CSFが550mlとなるまで叩解したこと以外はパルプスラリーAと同様にして、パルプスラリーBを得た。2種類の原料を混合することなく噴射できる噴射口を備えたヘッドボックスとツインワイヤーからなる2層抄きクレセントフォーマーを用いて、外側ワイヤーにパルプスラリーA、内側ワイヤーにパルプスラリーBをそれぞれ導入し、これらを抄き合わせて2層の紙とし、ヤンキードライヤーを通過させて参考例8のガラス合紙を得た。
(実施例9)
抄速を1.5倍としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例9のガラス合紙を得た。
(比較例1)
ダブルディスクリファイナーを用いた叩解において、CSFが30mlとなるまで叩解(主として遊離状叩解)したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1のガラス合紙を得た。
(比較例2)
ダブルディスクリファイナーを用いた叩解において、パルプの加重平均繊維長が0.6mmになるまで叩解(主として遊離状叩解)したこと以外は実施例3と同様にして、比較例2のガラス合紙を得た。
参考例10、比較例3)
参考例10及び比較例3では、バージンパルプ率が80%未満の低グレードなガラス合紙を製造した。
原料パルプとしてLBKP70%、古紙パルプを30%を混合して用いたこと以外は実施例1と同様にして、参考例10のガラス合紙を得た。
また、原料パルプとして古紙パルプのみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3のガラス合紙を得た。
<ガラス合紙の評価>
各例のガラス合紙について、離解パルプの平均繊維長、繊維長が0.2mm以上1.2mm以下である繊維の含有率、繊維長が1.2mm超3.2mm以下である繊維の含有率、フィブリル化率を測定した。また、坪量、厚さ、Bekk平滑度、樹脂分、灰分、ガラス基板に接触させた後のガラス基板表面の水の接触角、(R指数)、パーティクル発生量を測定した。測定方法を以下に説明する。また、測定結果を表1及び2に示す。
なお、測定には、JIS P8111:1998 「紙、板紙及びパルプ-調湿及び試験のための標準状態」に準拠して標準状態(23±1℃、50±2RH%)の空気中で静置し、調湿が完了して試料の水分と標準状態にある試験室内の水蒸気が平衡となったものを用いた。
(パルプの離解)
JIS P8220-1:2012「パルプ-離解方法-第1部:化学パルプの離解」に規定する方法によって、25℃における電気伝導度を0.25mS/m以下に精製した水を用いて、パルプの解離を行った。
実施例1~5、7、9、参考例6、10、比較例1、2では、20±5℃、2000±25mLの水に約25mm×25mmのサイズに引き裂いたガラス合紙を加え、標準離解機に加え、繊維が完全に分散するまで離解を行い、離解パルプを得た。
参考例8では、ガラス合紙を厚み方向に分割して表面近傍領域のみを分離し、これを約25mm×25mmのサイズに引き裂いて20±5℃、2000±25mLの水に加え、標準離解機に加え、繊維が完全に分散するまで離解を行い、離解パルプを得た。ガラス合紙の分割は、ベースフィルムがポリエステルであり、アクリル系樹脂の粘着剤を有する透明テープを使用し、厚さが10μmとなるまでテープの貼付及び剥離を繰り返すことにより行った。
(離解パルプの平均繊維長[mm]、繊維長が0.2mm以上1.2mm以下である繊維及び1.2mm超3.2mm以下である繊維の含有率[%]、フィブリル化率[%])
得られた離解パルプに対し、繊維画像分析装置(Valmet社製、Valmet FS5)を用いて離解パルプの平均繊維長、ならびに繊維長区分・分布を測定し、繊維長が0.2mm以上1.2mm以下である繊維の含有率、繊維長が1.2mm超3.2mm以下である繊維の含有率を求め、フィブリル化率を測定した。なお測定ではISOの繊維長範囲(0.20~7.0mm)を採用しており、1試料につき5回測定した値の平均値を使用した。
(坪量[g/m])
JIS P8124:2011「紙及び板紙-坪量の測定方法」に準拠して各例のガラス合紙の坪量を測定した。
(厚さ[μm])
JIS P 8188:2014「紙及び板紙-厚さ,密度及び比容積の試験方法」に準拠して各例のガラス合紙の厚さの値を測定した。
(Bekk平滑度[秒])
JIS P8119:1998「紙及び板紙-ベック平滑度試験機による平滑度試験方法」に規定する方法によって各例のガラス合紙のBekk平滑度を測定した。
(樹脂分[%])
JIS P8224:2002「パルプ-アセトン可溶分試験方法」に規定する方法によって各例のガラス合紙からアセトンで抽出された物質の量(樹脂分)を測定した。
(灰分[%])
JIS P8251:2003「紙,板紙及びパルプ-灰分試験方法-525℃燃焼法」に規定する方法によって525±25℃の加熱炉の中で各例のガラス合紙を燃焼させた後の残渣量(灰分)を測定した。
(ガラス基板に接触させた後のガラス基板表面の水の接触角[deg]、パーティクル量)
まず、ガラス基板を5%NaOH水溶液などのアルカリ性の液で洗浄して表面の有機物や無機物汚染を除去し、CDA(クリーンドライエアー)で乾燥した。次に、このガラス基板上にガラス合紙を載せ、面圧3kPaとなる荷重をかけ、恒温槽にて80℃、60RH%で24時間保管した(昇温は25℃、50RH%から5時間かけ、降温は25℃、50RH%へ5時間かけた)。その後、ガラス基板からガラス合紙を除去した。
その後、ガラス基板のガラス合紙が載っていた面の水の接触角を測定した。また、FPD用異物検査装置(東レ エンジニアリング社製 HS-830)を用いて標準感度モードでガラス基板を測定し、パーティクル個数を計測した。その後、各例において測定されたパーティクル個数を、実施例1において測定されたパーティクル個数で割った値(パーティクル量指数)を求めた。なお、実施例1のパーティクル個数を基準としたのは、実施例1のパーティクル個数が最も少なかったためである。
(R指数)
ガラス合紙を白色板上に置き、その上に厚さ0.5mmのガラス基板を置いた。このガラス基板の垂直上方にエリアカメラを配置し、カメラから30°の角度に配置したライン状照明から、照明の発光から5mm離れた距離で測定したときの照度が3,000Luxとなる光量の光を照射しながら、カメラにより画像を取得した。取得した画像を画像処理して、周辺に対して階調値の変動が大きい点を抽出し、その点の個数を紙全体の画素数で除した値をR指数とした。階調値の変動が大きい点は、ABS((その画素の周辺±10画素の範囲の平均階調値)-(その画素の階調値))>2となる点である。
Figure 0007395941000001
比較例1のガラス合紙は、ガラス合紙を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率が大きく、したがってパーティクル量が多かった。
比較例2のガラス合紙は、ガラス合紙を離解して得られる離解パルプのフィブリル化率が大きく、また、平均繊維長が短く、したがってパーティクル量が多かった。
一方、ガラス合紙を離解して得られる離解パルプの平均繊維長が0.7~2.5mmであり、フィブリル化率が0.3~3%である実施例1~5、7、及び9、並びに参考例6のガラス合紙では、パーティクル量が少なかった。また、表面近傍領域を離解して得られる離解パルプの平均繊維長が0.5~3.5mmであり、フィブリル化率が0.1~4%である参考例8のガラス合紙でも、パーティクル量が少なかった。
Figure 0007395941000002
低グレードなガラス合紙である参考例10と比較例3を対比すると、ガラス合紙を離解して得られる離解パルプの平均繊維長が短い比較例3のガラス合紙は、パーティクル量が顕著に多かった。
一方、ガラス合紙を離解して得られる離解パルプの平均繊維長が0.7~2.5mmであり、フィブリル化率が0.3~3%である参考例10のガラス合紙では、パーティクル量が比較的少なかった。
1 ガラス合紙;2 ガラス板;10 積層体;30 梱包体;31 梱包容器;32 傾斜台;33 基台;34 載置台;50 梱包体;51 梱包容器;52 支柱;53 基台;54 載置台。

Claims (11)

  1. ガラス板間に介在させるガラス合紙であって、
    前記ガラス合紙を離解して得られる離解パルプの、長さ加重平均繊維長が0.7~2.5mmであり、フィブリル化率が0.3%以上2%未満である、ガラス合紙。
  2. バージンパルプ率が80%以上である、請求項1に記載のガラス合紙。
  3. 坪量が20~100g/m、厚さが30~150μm、灰分が0.15質量%未満、樹脂分が0.5質量%以下である、請求項1又は2に記載のガラス合紙。
  4. 前記離解パルプにおける繊維長が1.2mm超3.2mm以下である繊維の含有率が40質量%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載のガラス合紙。
  5. 前記離解パルプにおける繊維長が0.2mm以上1.2mm以下である繊維の含有率が40質量%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載のガラス合紙。
  6. 前記ガラス合紙をガラス基板に接触させた後の、前記ガラス基板表面の水の接触角が20°以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のガラス合紙。
  7. R指数が0.4以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のガラス合紙。
  8. 矩形状であり、少なくとも1辺の長さが500mm以上である、請求項1~のいずれか1項に記載のガラス合紙。
  9. 複数枚のガラス板の間に請求項1~のいずれか1項に記載のガラス合紙が介在された積層体。
  10. 前記ガラス板の厚さが0.1~1.5mmである、請求項に記載の積層体。
  11. 梱包容器と、前記梱包容器に収容された請求項9または10に記載の積層体とを有する梱包体。
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