以下、図面を参照して、実施形態における工具状態表示装置1A、工作機械の数値制御装置10A、工作機械100A、および、工具準備方法について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
図1に例示されるように、工具Bは、一般的に、工具保持ユニットH(例えば、工具ホルダ)を介して、タレットEの取付面7に取り付けられる。よって、本明細書において、工具がタレットに取り付けられることには、工具が、工具保持ユニットを介して、タレットに取り付けられることが包含される。
(第1の実施形態)
図1乃至図38を参照して、第1の実施形態における工具状態表示装置1A、工作機械の数値制御装置10A、工作機械100A、および、工具準備方法について説明する。図1は、第1の実施形態における工作機械100Aの一例を模式的に示す図である。図2は、第1の実施形態における工具状態表示装置1Aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3は、加工プログラム29eの一例を模式的に示す図である。図4は、タレットEの一例を模式的に示す図である。図5は、演算装置3が第1判定処理M1を実行する様子を模式的に示す図である。図6は、メモリ2に記憶される第3データ23aの一例を模式的に示す図である。図7は、ディスプレイ4に第1画像Q1が表示されている様子を模式的に示す図である。図8は、演算装置3が第2判定処理M2を実行する様子を模式的に示す図である。図9は、ディスプレイ4に第2画像Q2が表示されている様子を模式的に示す図である。図10は、ディスプレイ4に第1画像Q1が表示されている様子を模式的に示す図である。図11は、ディスプレイ4に第2画像Q2が表示されている様子を模式的に示す図である。図12は、演算装置3が第3判定処理M3を実行する様子を模式的に示す図である。図13は、ディスプレイ4に第3画像Q3が表示されている様子を模式的に示す図である。図14は、第1の実施形態における工具状態表示装置1Aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図15は、メモリ2に記憶される第1データ21aの一例を模式的に示す図である。図16は、メモリ2に記憶される第2データ22aの一例を模式的に示す図である。図17は、メモリ2に記憶される第4データ24aの一例を模式的に示す図である。図18乃至図22の各々は、ディスプレイ4に第3画像Q3が表示されている様子を模式的に示す図である。図23乃至図25の各々は、ディスプレイ4に第1画像Q1が表示されている様子を模式的に示す図である。図26は、ディスプレイ4に第3画像Q3が表示されている様子を模式的に示す図である。図27および図28の各々は、ディスプレイ4に第2画像Q2が表示されている様子を模式的に示す図である。図29および図30の各々は、ディスプレイ4に計測マクロ28tが表示されている様子を模式的に示す図である。図31は、ディスプレイ4に第2画像Q2が表示されている様子を模式的に示す図である。図32は、第1の実施形態における工作機械の数値制御装置10Aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図33は、第1の実施形態における工作機械100Aの一例を模式的に示す図である。図34は、第1の実施形態における工作機械の数値制御装置10Aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図35は、ディスプレイ4に第2画像Q2が表示されている様子を模式的に示す図である。図36は、第1の実施形態における工作機械100Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。図37は、第1の実施形態における工作機械の数値制御装置10Aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図38は、ディスプレイ4に第1画像Q1が表示されている様子を模式的に示す図である。
図1に例示されるように、工作機械100Aは、タレットEと、ワークを保持可能なワーク保持装置91と、タレットEを移動させる移動装置95と、タレットEを第1軸AXまわりに回転させる回転駆動装置96と、工具刃先位置を計測する計測装置97と、を備える。
タレットEは、複数の取付面7を有する。複数の取付面7の各々には工具Bを取り付け可能である。
計測装置97は、タレットEに取り付けられた工具Bの刃先Beの位置を計測する。より具体的には、計測装置97は、タレットEに取り付けられた工具Bの刃先Beと計測装置97の接触面971cとが接触するときのタレットEの位置を計測することにより、タレットEの基準点に対する工具Bの刃先Beの相対位置を計測する。
図2に示されるように、工具状態表示装置1Aは、メモリ2と、演算装置3と、ディスプレイ4とを備える。工具状態表示装置1Aは、入力装置11を備えていてもよい。入力装置11はディスプレイ4に組み込まれていてもよい(より具体的には、ディスプレイ4は、入力装置11aを内蔵したタッチパネル付きディスプレイ41であってもよい。)。代替的に、あるいは、付加的に、工具状態表示装置1Aは、ディスプレイ4とは別に設けられた入力装置11b(例えば、ボタン、スイッチ、レバー、ポインティングデバイス、キーボード等)を備えていてもよい。
付加的に、工具状態表示装置1Aは、通信回路12を備えていてもよい。
図2に記載の例では、メモリ2と、演算装置3と、通信回路12と、ディスプレイ4、および/または、入力装置11とは、バス13を介して互いに接続されている。演算装置3は、少なくとも1つのプロセッサ3a(例えば、少なくとも1つのCPU)を含む。
メモリ2は、演算装置3によって読み取り可能な記憶媒体である。メモリ2は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、磁気ディスクであってもよいし、その他の形式のメモリであってもよい。メモリ2は、プログラム29(例えば、判定処理プログラム29a、マクロ作成プログラム29b、刃先位置計測プログラム29c、表示プログラム29d等)、および、データ(例えば、後述の第1データ21a、第2データ22a、第3データ23a等)を記憶する。
メモリ2は、複数の場所に分散配置されていてもよい。例えば、データを記憶するメモリが、プログラム29を記憶するメモリとは、別に設けられていてもよい。
メモリ2の一部は、通信回路12から遠い位置に配置されていてもよい。換言すれば、演算装置3がプログラム29を実行する際に、メモリ2の一部は、通信回路12を介して、演算装置3に、プログラム29の一部、あるいは、データの一部を提供してもよい。
図3に記載の例では、加工プログラム29eは、ワークの加工に用いる工具を指定する。本明細書において、加工プログラム29eによって指定される工具のことを「指定工具」と定義する。加工プログラム29eは、1つまたは複数の指定工具50を指定する。図3に記載の例では、加工プログラム29eは、第1指定工具識別子51iを用いて第1指定工具を指定し、第2指定工具識別子52iを用いて第2指定工具を指定している。また、加工プログラム29eは、第3指定工具識別子53iを用いて第3指定工具を指定し、第4指定工具識別子54iを用いて第4指定工具を指定している。
本明細書において、タレットEの複数の取付面7のうち、各指定工具50が取り付けられるべき取付面のことを指定取付面60と定義する。
図3に記載の例では、加工プログラム29eは、各指定工具50が取り付けられるべき、タレットEの取付面(すなわち、指定取付面60)を指定する。図3に記載の例では、加工プログラム29eは、第1指定取付面識別子61iを用いて、第1指定工具が取り付けられるべき第1指定取付面を指定している。加工プログラム29eは、第2指定取付面識別子62iを用いて、第2指定工具が取り付けられるべき第2指定取付面を指定している。加工プログラム29eは、第3指定取付面識別子63iを用いて、第3指定工具が取り付けられるべき第3指定取付面を指定している。また、加工プログラム29eは、第4指定取付面識別子64iを用いて、第4指定工具が取り付けられるべき第4指定取付面を指定している。
加工プログラム29eは、コンピュータ(より具体的には、後述の数値制御装置10Aの演算装置3)によって実行されることにより、工具の動作を規定する。
図4に例示されるように、タレットEは、複数の取付面7を有する。タレットEは、上述の第1指定取付面61に該当する第1取付面71を有する。また、タレットEは、上述の第2指定取付面62に該当する第2取付面72を有する。また、タレットEは、上述の第3指定取付面63に該当する第3取付面73、および、上述の第4指定取付面64に該当する第4取付面74を有する。図4に記載の例では、タレットEの各取付面には識別番号7nが付与されている。
図5に記載の例では、メモリ2は、第1データ21aを記憶する。第1データ21aは、タレットEの各取付面7と、各取付面7に取り付けられた工具Bとを関連付ける。図5に記載の例では、第1データ21aは、タレットEの各取付面7を識別する取付面識別子70iと、各取付面7に取り付けられた工具Bを識別する工具識別子Biとを関連付けることにより、タレットEの各取付面7と、各取付面7に取り付けられた工具Bとを関連付ける。取付面識別子70iの各々は、識別番号7n(図4を参照。)に整合する数字を含んでいてもよい。
図5に記載の例では、メモリ2は、第2データ22aを記憶する。第2データ22aは、タレットEに取り付けられた各工具Bが、刃先位置計測済みであるか否かを特定する。図5に記載の例では、第2データ22aは、各取付面7に取り付けられた工具Bを識別する工具識別子Biと、当該工具Bが刃先位置計測済みであるか否かを特定するデータBmとを関連付けることにより、タレットEに取り付けられた各工具Bが、刃先位置計測済みであるか否かを特定する。
図5に例示されるように、メモリ2は、第3データ23aを記憶してもよい。第3データ23aは、各指定工具50と、各指定工具50が取り付けられるべき指定取付面60とを関連付ける。図5に記載の例では、第3データ23aは、指定工具50を識別する指定工具識別子50iと、指定工具50が取り付けられるべき指定取付面60を識別する指定取付面識別子60iとを関連付けることにより、各指定工具50と、各指定工具50が取り付けられるべき指定取付面60とを関連付ける。
第3データ23aにおいて、加工プログラム29eによって指定される第1指定工具51と、加工プログラム29eによって指定される第1指定取付面61とが関連付けられていてもよい。図6に記載の例では、第3データ23aは、第1指定工具51を特定する第1指定工具識別子51i(R01)と、第1指定工具51が取り付けられるべき第1指定取付面61を特定する第1指定取付面識別子61i(T07)とを関連付ける。第3データ23aにおいて、加工プログラム29eによって指定される第2指定工具52と、加工プログラム29eによって指定される第2指定取付面62とが関連付けられていてもよい。図6に記載の例では、第3データ23aは、第2指定工具52を特定する第2指定工具識別子52i(R02)と、第2指定工具52が取り付けられるべき第2指定取付面62を特定する第2指定取付面識別子62i(T02)とを関連付ける。
第3データ23aは、加工プログラム29eに基づいて作成されてもよい。第3データ23aは、工具状態表示装置1A以外の装置によって作成されてもよい。この場合、演算装置3は、工具状態表示装置1A以外の装置から通信回路12を介して受け取る第3データ23aをメモリ2に記憶する。代替的に、工具状態表示装置1Aの演算装置3が、第3データ23aを作成してもよい。例えば、演算装置3が、加工プログラム29eを解析し、当該解析に基づいて、第3データ23aが作成されてもよい。
図5に記載の例では、演算装置3は、メモリ2に記憶された判定処理プログラム29aを実行することにより、第1判定処理M1を実行する。より具体的には、演算装置3は、各指定工具50と各指定工具50が取り付けられるべき指定取付面60とを関連付ける第3データ23aと、上述の第1データ21aとに基づいて、各指定工具50が、タレットEの複数の取付面7のうちの指定取付面60に取り付けられているか否かを判定する第1判定処理M1を実行する。
第1判定処理M1は、(1)加工プログラム29eによって指定される第1指定工具51が、複数の取付面7のうちの第1指定取付面61に取り付けられているか否かを判定することを含む。付加的に、第1判定処理M1は、(2)加工プログラム29eによって指定される第2指定工具52が、複数の取付面7のうちの第2指定取付面62に取り付けられているか否かを判定することを含んでいてもよい。また、「K」を3以上の任意の自然数とするとき、第1判定処理M1は、加工プログラム29eによって指定される第「K」指定工具が、複数の取付面7のうちの第「K」指定取付面に取り付けられているか否かを判定することを含んでいてもよい。
演算装置3は、メモリ2に記憶された表示プログラム29dを実行することにより、第1判定処理M1の結果に基づいて、第1表示指令S1を生成する。演算装置3は、第1判定処理M1の結果に基づいて生成される第1表示指令S1をディスプレイ4に送信する。
図7に例示されるように、ディスプレイ4は、第1表示指令S1を受け取ることに応じて、各指定工具50が、指定取付面60に取り付けられているか否かを示す第1画像Q1を表示する。
図7に記載の例では、第1画像Q1は、(1)第1指定工具51が、第1指定取付面61に取り付けられているか否かを示すサブ画像Q1-1を含む。付加的に、第1画像Q1は、(2)第2指定工具52が、第2指定取付面62に取り付けられているか否かを示すサブ画像Q1-2を含んでいてもよい。また、「K」を3以上の任意の自然数とするとき、第1画像Q1は、(3)第「K」指定工具が、第「K」指定取付面に取り付けられているか否かを示すサブ画像を含んでいてもよい。
本明細書において、加工プログラム29eによって指定される全ての指定工具50のうち、指定取付面60に取り付けられる前の各指定工具50を、未取付指定工具50nと定義する。また、加工プログラム29eによって指定される全ての指定工具50のうち、指定取付面60に取り付けられた各指定工具50を、取付済指定工具50xと定義する。
図7に記載の例では、第1画像Q1において、全ての指定工具50のうちの各未取付指定工具50nに対しては、注意喚起マーク81a(例えば、ビックリマーク)が配置されている。また、第1画像Q1において、全ての指定工具50のうちの各取付済指定工具50xに対しては、注意喚起マークが配置されていない。なお、図7に記載の例では、加工プログラム29eによって指定されていない工具(以下、「非指定工具N」という。)に対しても、注意喚起マークが配置されていない。
図7に記載の例では、オペレータは、注意喚起マーク81aの有無に基づいて、各指定工具50が、未取付指定工具50nであるのか取付済指定工具50xであるのかを認識できる。
図7に記載の例では、第1画像Q1は、各指定工具50が指定取付面60に取り付けられているか否かを示す情報8aとして、注意喚起マーク81aを含む。代替的に、あるいは、付加的に、第1画像Q1は、当該情報8aとして、文字情報、あるいは、ハイライト表示を含んでいてもよい。
図8に記載の例では、演算装置3は、メモリ2に記憶された判定処理プログラム29aを実行することにより、第2判定処理M2を実行する。より具体的には、演算装置3は、上述の第3データ23aおよび上述の第2データ22aに基づいて、各指定工具50が、刃先位置計測済みであるか否かを判定する第2判定処理M2を実行する。
第2判定処理M2は、(1)加工プログラム29eによって指定される第1指定工具51が、刃先位置計測済みであるか否かを判定することを含む。付加的に、第2判定処理M2は、(2)加工プログラム29eによって指定される第2指定工具52が、刃先位置計測済みであるか否かを判定することを含んでいてもよい。また、「K」を3以上の任意の自然数とするとき、第2判定処理M2は、(3)加工プログラム29eによって指定される第「K」指定工具が、刃先位置計測済みであるか否かを判定することを含んでいてもよい。
演算装置3は、メモリ2に記憶された表示プログラム29dを実行することにより、第2判定処理M2の結果に基づいて、第2表示指令S2を生成する。演算装置3は、第2判定処理M2の結果に基づいて生成される第2表示指令S2をディスプレイ4に送信する。
図9に例示されるように、ディスプレイ4は、第2表示指令S2を受け取ることに応じて、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が刃先位置計測済みであるか否かを示す第2画像Q2を表示する。
図9に記載の例では、第2画像Q2は、(1)第1指定工具51が、刃先位置計測済みであるか否かを示すサブ画像Q2-1を含む。付加的に、第2画像Q2は、(2)第2指定工具52が、刃先位置計測済みであるか否かを示すサブ画像Q2-2を含んでいてもよい。また、「K」を3以上の任意の自然数とするとき、第2画像Q2は、(3)第「K」指定工具が、刃先位置計測済みであるか否かを示すサブ画像を含んでいてもよい。
本明細書において、全ての指定工具50のうち刃先位置の計測が行われる前の各工具を未計測指定工具50pと定義する。また、全ての指定工具50のうち刃先位置の計測が完了している各工具を計測済指定工具50yと定義する。
図9に記載の例では、第2画像Q2において、全ての指定工具50のうちの各未計測指定工具50pに対しては、注意喚起マーク81b(例えば、ビックリマーク)が配置されている。また、第2画像Q2において、全ての指定工具50のうちの各計測済指定工具50yに対しては、注意喚起マークが配置されていない。なお、図9に記載の例では、加工プログラム29eによって指定されていない非指定工具Nに対しても、注意喚起マークが配置されていない。
図9に記載の例では、オペレータは、注意喚起マーク81bの有無に基づいて、各指定工具50が、未計測指定工具50pであるのか計測済指定工具50yであるのかを認識できる。
図9に記載の例では、第2画像Q2は、各指定工具50が刃先位置計測済みであるか否かを示す情報8bとして、注意喚起マーク81bを含む。代替的に、あるいは、付加的に、第2画像Q2は、当該情報8bとして、文字情報、あるいは、ハイライト表示を含んでいてもよい。
第1の実施形態における工具状態表示装置1Aでは、オペレータは、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が、加工プログラム29eによって指定される指定取付面60に取り付けられているか否かと、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が刃先位置計測済みであるか否かとの両方を容易に認識することができる。よって、オペレータは、ワーク加工前の段取り作業を効率的に実行することができる。
例えば、加工プログラム29eによって指定される複数の指定工具50のうちの少なくとも1つが、未計測指定工具50pであり、複数の指定工具50のうちの少なくとも1つが、計測済指定工具50yである場合を想定する。このような場合、第1の実施形態における工具状態表示装置1Aを用いると、オペレータは、未計測指定工具50pを容易に特定することができる。また、未計測指定工具50pのみを対象として刃先位置の計測作業が実行されることにより、不必要な計測作業が回避される。こうして、ワーク加工前の段取り作業が効率化されることにより、工作機械の稼働率を向上させることができる。
また、第1の実施形態における工具状態表示装置1Aは、各指定工具50が未取付指定工具50nであるのか取付済指定工具50xであるのかを示す第1画像Q1をディスプレイ4に表示可能であり、各指定工具50が未計測指定工具50pであるのか計測済指定工具50yであるのかを示す第2画像Q2をディスプレイ4に表示可能である。よって、オペレータは、第1画像Q1を参照することにより、指定工具50の取付作業の進捗状況を容易に認識できる。また、オペレータは、第2画像Q2を参照することにより、指定工具の刃先位置計測作業の進捗状況を容易に認識できる。
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図38を参照して、第1の実施形態における工具状態表示装置1A、後述の工作機械の数値制御装置10A、または、後述の工作機械100Aにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
(第1画像Q1と第2画像Q2との切り替え)
図10に記載の例では、ディスプレイ4は、演算装置3から第1表示指令S1を受け取ることに応じて、(1)各指定工具50が、指定取付面60に取り付けられているか否かを示す第1画像Q1と、(2)第1画像Q1を第2画像Q2に切り替える第1操作ボタン48aの画像と、を同時に表示する。また、図11に記載の例では、ディスプレイ4は、演算装置3から第2表示指令S2を受け取ることに応じて、(1)各指定工具50が刃先位置計測済みであるか否かを示す第2画像Q2と、(2)第2画像Q2を第1画像Q1に切り替える第2操作ボタン48bの画像と、を同時に表示する。
第1操作ボタン48aおよび第2操作ボタン48bの存在により、作業手順の自由度が向上する。例えば、オペレータは、全ての指定工具50がタレットEに取り付けられた後、刃先位置計測作業を実行することと、指定工具毎に、取付作業と刃先位置計測作業とを連続的に行うことと、を選択的に実行することができる。
図10、図11に記載の例では、操作ボタン(48a、48b)は、操作タブの形状を有する。ただし、本明細書において、ディスプレイ4に表示される操作ボタンの形態および形状に特に制限はない。以下の説明においても、ディスプレイ4に表示される各操作ボタンの形態および形状は任意である。
作業手順の自由度を確保するため、加工プログラム29eによって指定される全ての指定工具50がタレットEに取り付けられる前の状態において、演算装置3は、ディスプレイ4に第2表示指令S2を送信することにより、ディスプレイ4に表示される画像を、第1画像Q1(図10を参照。)から第2画像Q2(図11を参照。)に切り替え可能であることが好ましい。
また、作業手順の自由度を確保するため、加工プログラム29eによって指定される全ての指定工具50がタレットEに取り付けられる前の状態において、演算装置3は、ディスプレイ4に第1表示指令S1を送信することにより、ディスプレイ4に表示される画像を、第2画像Q2(図11を参照。)から第1画像Q1(図10を参照。)に切り替え可能であることが好ましい。
(インストラクション画像Q5)
図10に記載の例では、第1画像Q1において、指定取付面60に取り付けられる前の指定工具(以下、「第1工具50-1」という。)が選択されている。当該選択は、工具状態表示装置1Aの入力装置11を介して行われる。
図10に記載の例では、第1画像Q1において少なくとも1つの指定工具50の中から指定取付面60に取り付けられる前の第1工具50-1が選択されることに応じて、演算装置3は、ディスプレイ4に、当該第1工具50-1の取り付けインストラクションを含むインストラクション画像Q5を表示させる。
インストラクション画像Q5がディスプレイ4に表示される場合、オペレータは、インストラクションに従って、第1工具50-1をタレットEに取り付ければよい。よって、タレットEへの第1工具50-1の取り付けを効率的に行うことができる。
図10に記載の例では、インストラクション画像Q5は、工具保持ユニットHに対する第1工具50-1の推奨相対位置データDAを含む。より具体的には、インストラクション画像Q5は、第1工具50-1の長手方向に沿う方向における、工具保持ユニットHに対する第1工具50-1の突き出し長さの推奨値DA1を含む。この場合、オペレータは、工具保持ユニットHに対する第1工具50-1の突き出し長さが推奨値DA1となるよう、第1工具50-1を工具保持ユニットHに取り付ければよい。よって、オペレータは、第1工具50-1を工具保持ユニットHに取り付ける作業を効率的に実行できる。
図10に例示されるように、上述のインストラクション画像Q5には、第1工具50-1が取り付けられるべき指定取付面60を特定する識別番号7nが含まれることが好ましい。
なお、図10に記載の例では、ディスプレイ4に、(1)上述のインストラクション画像Q5と、(2)上述の第1画像Q1(換言すれば、各指定工具50が、指定取付面60に取り付けられているか否かを示す第1画像Q1)と、が同時に表示されている。
(第3判定処理M3)
図12に記載の例では、演算装置3は、メモリ2に記憶された判定処理プログラム29aを実行することにより、第3判定処理M3を実行する。より具体的には、演算装置3は、タレットEの各取付面と各取付面に対してデータ登録された工具とを関連付ける第4データ24aと、上述の第3データ23aとに基づいて、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が、加工プログラム29eによって指定される指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを判定する第3判定処理M3を実行する。
第3判定処理M3は、(1)加工プログラム29eによって指定される第1指定工具51が、上述の第1指定取付面61に対してデータ登録されているか否かを判定することを含む。付加的に、第3判定処理M3は、(2)加工プログラム29eによって指定される第2指定工具52が、上述の第2指定取付面62に対してデータ登録されているか否かを判定することを含んでいてもよい。また、「K」を3以上の任意の自然数とするとき、第3判定処理M3は、(3)加工プログラム29eによって指定される第「K」指定工具が、上述の第「K」指定取付面に対してデータ登録されているか否かを判定することを含んでいてもよい。
演算装置3は、メモリ2に記憶された表示プログラム29dを実行することにより、第3判定処理M3の結果に基づいて、第3表示指令S3を生成する。演算装置3は、第3判定処理M3の結果に基づいて生成される第3表示指令S3をディスプレイ4に送信する。
図13に例示されるように、ディスプレイ4は、第3表示指令S3を受け取ることに応じて、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が、指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを示す第3画像Q3を表示する。
(第3画像Q3)
図13に記載の例では、第3画像Q3は、(1)第1指定工具51が、第1指定取付面61に対してデータ登録されているか否かを示すサブ画像Q3-1を含む。付加的に、第3画像Q3は、(2)第2指定工具52が、第2指定取付面62に対してデータ登録されているか否かを示すサブ画像Q3-2を含んでいてもよい。また、「K」を3以上の任意の自然数とするとき、第3画像Q3は、(3)第「K」指定工具が、第「K」指定取付面に対してデータ登録されているか否かを示すサブ画像を含んでいてもよい。
本明細書において、全ての指定工具50のうち指定取付面60に対してデータ登録される前の各工具を、未登録指定工具50qと定義する。また、全ての指定工具50のうち指定取付面60に対してデータ登録された各工具を、登録済指定工具50zと定義する。
図13に記載の例では、第3画像Q3において、全ての指定工具50のうちの未登録指定工具50qに対しては、注意喚起マーク81c(例えば、ビックリマーク)が配置されている。また、第3画像Q3において、全ての指定工具50のうちの登録済指定工具50zに対しては、注意喚起マークが配置されていない。
図13に記載の例では、オペレータは、注意喚起マーク81cの有無に基づいて、各指定工具50が、未登録指定工具50qであるのか登録済指定工具50zであるのかを認識できる。
図13に記載の例では、第3画像Q3は、各指定工具50が、指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを示す情報8cとして、注意喚起マーク81cを含む。代替的に、あるいは、付加的に、第3画像Q3は、当該情報8cとして、文字情報、あるいは、ハイライト表示を含んでいてもよい。
(第1画像Q1と第3画像Q3との切り替え)
図13に記載の例では、ディスプレイ4は、演算装置3から第3表示指令S3を受け取ることに応じて、(1)加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が、指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを示す第3画像Q3と、(2)第3画像Q3を第1画像Q1に切り替える第3操作ボタン48cの画像と、を同時に表示する。また、図10に記載の例では、ディスプレイ4は、演算装置3から第1表示指令S1を受け取ることに応じて、(1)加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が、指定取付面60に取り付けられているか否かを示す第1画像Q1と、(2)第1画像Q1を第3画像Q3に切り替える第4操作ボタン48dの画像と、を同時に表示する。
第3操作ボタン48cおよび第4操作ボタン48dの存在により、作業手順の自由度が向上する。例えば、オペレータは、全ての指定工具50がデータ登録された後、指定工具50のタレットEへの取り付け作業を実行することと、指定工具毎に、登録作業と取付作業とを連続的に行うことと、を選択的に実行することができる。
作業手順の自由度を確保するため、タレットEに対して全ての指定工具50がデータ登録される前の状態において、演算装置3は、ディスプレイ4に第1表示指令S1を送信することにより、ディスプレイ4に表示される画像を、第3画像Q3(図13を参照。)から第1画像Q1(図10を参照。)に切り替え可能であることが好ましい。
また、作業手順の自由度を確保するため、タレットEに対して全ての指定工具50がデータ登録される前の状態において、演算装置3は、ディスプレイ4に第3表示指令S3を送信することにより、ディスプレイ4に表示される画像を、第1画像Q1(図10を参照。)から第3画像Q3(図13を参照。)に切り替え可能であることが好ましい。
(工具データ記憶部25)
図14に例示されるように、メモリ2の一部は、工具データ25aを記憶する工具データ記憶部25を構成していてもよい。
メモリ2(より具体的には、工具データ記憶部25)は、複数の工具Bの各々を識別する工具識別子Biと、工具の特徴を示す工具特徴データBf(例えば、工具種別、加工部位、工具形状等)とを関連付けて記憶する。
(機械データ記憶部21)
図14に例示されるように、メモリ2の一部は、機械データ記憶部21を構成していてもよい。
図14に記載の例では、メモリ2(機械データ記憶部21)は、上述の第1データ21a、および、上述の第2データ22aを記憶する。メモリ2(機械データ記憶部21)は、上述の第4データ24aを記憶していてもよい。
第1データ21aは、タレットEの各取付面7と各取付面7に取り付けられた工具Bとを関連付けるデータである。図15に例示されるように、第1データ21aは、タレットEの各取付面7を識別する取付面識別子70iと、各取付面7に取り付けられた工具Bを識別する工具識別子Biとを関連付けることにより、タレットEの各取付面7と、各取付面7に取り付けられた工具Bとを関連付けてもよい。
第2データ22aは、タレットEに取り付けられた各工具Bが、刃先位置計測済みであるか否かを特定するデータである。図16に例示されるように、第2データ22aは、各取付面7に取り付けられた工具Bを識別する工具識別子Biと、当該工具Bが刃先位置計測済みであるか否かを特定するデータBmとを関連付けることにより、タレットEに取り付けられた各工具Bが、刃先位置計測済みであるか否かを特定してもよい。
図16において、データBmの値が「0」であることは、工具Bの刃先位置が計測されていないことを意味し、データBmの値が「1」であることは、工具Bの刃先位置の計測が完了していることを意味する。第2データ22aは、計測によって取得された工具Bの刃先位置のデータBpを含んでいてもよい。また、第2データ22aは、工具特徴データBfを含んでいてもよい。なお、第2データ22aは、工具データ25aに組み入れられていてもよい。代替的に、第2データ22aは、第1データ21aに組み入れられていてもよい。
第4データ24aは、タレットEの各取付面7と各取付面7にデータ登録された工具Bとを関連付けるデータである。図17に例示されるように、第4データ24aは、タレットEの各取付面7を識別する取付面識別子70iと、各取付面7にデータ登録された工具Bを識別する工具識別子Biとを関連付けることにより、タレットEの各取付面7と、各取付面7にデータ登録された工具Bとを関連付けてもよい。
図17に例示されるように、第1データ21aに第4データ24aが包含されていてもよい。図17に記載の例では、第1データ21aは、タレットEの取付面毎に、取付面7を識別する取付面識別子70iと、当該取付面7に対してデータ登録された工具Bを識別する工具識別子Biと、当該取付面7に当該工具Bが取り付けられているか否かを特定するデータBtと、を関連付けるデータである。図17において、データBtの値が「0」であることは、工具Bが取付面7に取り付けられていないことを意味し、データBtの値が「1」であることは、取付面7への工具Bの取り付けが完了していることを意味する。
(第3データ記憶部23)
図14に例示されるように、メモリ2の一部は、第3データ23aを記憶する第3データ記憶部23を構成していてもよい。図14に記載の例では、第3データ23aは、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50を識別する指定工具識別子50iと、各指定工具50が取り付けられるべき指定取付面60を識別する指定取付面識別子60iとを関連付ける。
図6に例示されるように、第3データ23aにおいて、指定工具識別子50iと、指定取付面識別子60iと、指定工具50の特徴を示す工具特徴データ50fとが関連付けられていてもよい。
(プログラム記憶部290)
図14に例示されるように、メモリ2の一部は、プログラム記憶部290を構成していてもよい。図14に記載の例では、メモリ2は、判定処理プログラム29a、マクロ作成プログラム29b、刃先位置計測プログラム29c、表示プログラム29dを記憶している。
(第3画像Q3が表示されるまでのプロセスの一例)
第1に、ワークの加工に用いられる加工プログラム29eが選択される。
第2に、加工プログラム29eに基づいて、第3データ23aが作成される。当該第3データ23aの作成は、工具状態表示装置1Aの演算装置3によって行われてもよいし、工具状態表示装置1A以外の装置によって行われてもよい。作成された第3データ23aは、メモリ2に記憶される。
第3に、演算装置3は、上述の第4データ24aと上述の第3データ23aとに基づいて、上述の第3判定処理M3を実行する。また、演算装置3は、第3判定処理M3を実行することにより、加工プログラム29eによって指定される全ての指定工具50の中から、全ての未登録指定工具50qを抽出する。
第4に、演算装置3は、第3判定処理M3の結果に基づいて生成される第3表示指令S3をディスプレイ4に送信し、第3表示指令S3を受け取るディスプレイ4は、第3画像Q3(図18を参照。)を表示する。
(指定工具のリストLT3)
図18に記載の例では、第3画像Q3は、加工プログラム29eによって指定される全ての指定工具50のリストLT3の画像(以下、「リスト画像QL3」という。)を含む。図18に記載の例では、当該リスト画像QL3において、全ての未登録指定工具50qの各々に対してのみ、指定取付面60に対するデータ登録を促す情報(例えば、注意喚起マーク81c)が付加されている。
このようなリスト画像QL3がディスプレイ4に表示されることにより、オペレータは、加工プログラム29eによって指定される全て指定工具50のデータ登録状況を総括的に認識することができる。なお、表示ウィンドウの大きさによっては、リストLT3の全体を一度に表示できない場合も想定され得る。この場合、ディスプレイ4に、リストLT3をスクロールさせるスクロールバーSB3が表示されることが好ましい。
図18に記載の例では、上述のリスト画像QL3において、指定取付面60毎に、(1)指定取付面60を識別する指定取付面識別子60iと、(2)指定工具50の工具特徴データ50f、および/または、指定工具50を示すイラストと、(3)当該指定工具50が指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを特定する情報(例えば、注意喚起マーク81c)とが関連付けられている。
ディスプレイ4は、上述の第3画像Q3中に、切替操作部49cの画像(例えば、チェックボックス491c)を表示してもよい。切替操作部49c(例えば、チェックボックス491c)が操作されることにより、演算装置3は、リスト画像QL3の表示モードを、(1)加工プログラム29eによって指定される全ての指定工具50を表示する第1表示モードMD1(図18を参照。)と、(2)全ての指定工具50の中から全ての未登録指定工具50qのみを抽出して表示する第2表示モードMD2(図19を参照。)との間で切り替える。
図18に記載の例では、上述のリスト画像QL3において、指定取付面60に対して登録される前の指定工具(以下、「第3工具50-3」という。)が選択されている。当該選択は、工具状態表示装置1Aの入力装置11を介して行われる。
図18に記載の例では、第3画像Q3は、上述のリスト画像QL3に加えて、第3工具50-3がデータ登録されるべき対象のタレット取付面(以下、「対象取付面60-3」という。)の現況を示す画像Q3-5を含んでいてもよい。図18に記載の例では、当該対象取付面60-3には、工具がデータ登録されていない。代替的に図20に記載の例では、第3工具50-3が取り付けられるべき対象取付面60-3には、当該第3工具50-3とは異なる工具B-3がデータ登録されている。
(工具登録)
図18に記載の例では、第3画像Q3は、上述のリスト画像QL3に加えて、リストLT3中から選択された指定工具(例えば、第3工具50-3)を、指定取付面60にデータ登録する登録ボタン47cの画像を含む。登録ボタン47cが操作されることにより、リストLT3中から選択された指定工具が、指定取付面60に対してデータ登録される。なお、ディスプレイ4は、第3画像Q3中に、全ての未登録指定工具50qを一括選択するための一括選択操作部46cの画像(例えば、チェックボックス461c)を表示してもよい。この場合、全ての未登録指定工具50qが一括選択された後、登録ボタン47cが操作されることにより、全ての未登録指定工具50qの各々が、対応する指定取付面60に対してデータ登録される。
図18に記載では、登録ボタン47cが操作されることにより、リスト画像QL3中で選択された第3工具50-3が登録済工具となる。図21には、図18において選択された第3工具50-3が、指定取付面60にデータ登録された後の状態が示されている。
図22に例示されるように、ディスプレイ4は、上述のリスト画像QL3を含む第3画像Q3と、タレットEの全ての取付面7のリストLT4の画像(以下、「取付面リスト画像QL4」という。)とを同時に表示可能であってもよい。取付面リスト画像QL4を表示するウィンドウは、リスト画像QL3を表示するウィンドウと異なっていてもよい。
図22に記載の例では、取付面リスト画像QL4において、タレットEの取付面7毎に、(1)取付面7を識別する識別番号7nと、(2)当該取付面7に対してデータ登録された工具Bの工具特徴データBf、および/または、当該工具Bを示すイラストと、が関連付けられている。
図22に記載の例では、オペレータは、上述のリスト画像QL3を参照することにより、指定工具50のデータ登録状況を把握することができる。また、オペレータは、取付面リスト画像QL4を参照することにより、全ての登録済工具の現況を把握することができる。
指定工具50のデータ登録が完了した後(例えば、全ての指定工具のデータ登録が完了した後)、第3操作ボタン48cが操作されることにより、ディスプレイ4に表示される画像が、第3画像Q3から第1画像Q1(図23を参照。)に切り替えられる。
(登録済工具の第1リストLT1)
ディスプレイ4に第1画像Q1(図23を参照。)が表示されるのに先立ち、演算装置3は、登録済工具の中から、未取付指定工具50nを抽出する。より具体的には、演算装置3は、タレットEの複数の取付面7のいずれかに対してデータ登録された全ての登録済工具の中から、全ての未取付指定工具50nを抽出する。
演算装置3は、ディスプレイ4に第1表示指令S1を送信することにより、ディスプレイ4に第1画像Q1を表示させる。
図23に記載の例では、第1画像Q1は、登録済工具の第1リストLT1の画像(より具体的には、全ての登録済工具の第1リストLT1の画像)である第1リスト画像QL1を含む。図23に記載の例では、第1リスト画像QL1は、上述の複数のサブ画像(Q1-1、Q1-2)を含む。
図23に記載の例では、第1リスト画像QL1において、全ての未取付指定工具50nの各々に対してのみ、指定取付面60への取り付けを促す情報8a(例えば、注意喚起マーク81a)が付加される。
このような第1リスト画像QL1がディスプレイ4に表示されることにより、オペレータは、加工プログラム29eによって指定される全て指定工具50の取付状況を総括的に認識することができる。なお、表示ウィンドウの大きさによっては、第1リストLT1の全体を一度に表示できない場合も想定され得る。この場合、ディスプレイ4に、第1リストLT1をスクロールさせるスクロールバーSB1が表示されることが好ましい。
図23に記載の例では、上述の第1リスト画像QL1において、タレットEの取付面7毎に、(1)タレットEの取付面7を識別する識別番号7nと、(2)取付面7に対してデータ登録された工具Bの工具特徴データBfと、(3)工具Bが、未取付指定工具50nであるか否かを示す情報8a(例えば、注意喚起マーク81a)とが関連付けられている。
なお、図23に示された第1リスト画像QL1において、注意喚起マーク81aが付与されている工具が、未取付指定工具50nに該当する。他方、第1リスト画像QL1において、注意喚起マーク81aが付与されていない工具は、取付済指定工具50x、または、今回選択された加工プログラム29eによって指定されていない非指定工具Nのいずれかである。
ディスプレイ4は、上述の第1画像Q1中に、切替操作部49aの画像(例えば、チェックボックス491a)を表示してもよい。切替操作部49a(例えば、チェックボックス491a)が操作されることにより、演算装置3は、第1リスト画像QL1の表示モードを、(1)全ての登録済工具を表示する第3表示モードMD3(図23を参照。)と、(2)全ての登録済工具の中から全ての未取付指定工具50nのみを抽出して表示する第4表示モードMD4(図24を参照。)との間で切り替える。
図23に記載の例では、上述の第1リスト画像QL1において、指定取付面60に取り付けられる前の第1工具50-1が選択されている。当該選択は、工具状態表示装置1Aの入力装置11を介して行われる。
図23に記載の例では、演算装置3は、第1リスト画像QL1において、第1工具50-1が選択されることに応じて、第1工具50-1の取り付けインストラクションを含むインストラクション画像Q5を表示させる。インストラクション画像Q5については説明済みであるため、インストラクション画像Q5についての繰り返しとなる説明は省略する。
(工具取付)
図23に記載の例では、第1画像Q1は、完了ボタン47aの画像を含む。図23に記載の例では、完了ボタン47aが操作されることにより、選択された指定工具50(例えば、第1工具50-1)が、未取付指定工具50nから取付済指定工具50xに変更される。例えば、オペレータは、インストラクション画像Q5によって示されるインストラクションに従って、第1工具50-1を、タレットEの指定取付面60に取り付ける。その後、オペレータが、完了ボタン47aを操作することにより、第1工具50-1が、データ上、未取付指定工具50nから取付済指定工具50xに変更される。
なお、ディスプレイ4は、第1画像Q1中に、全ての未取付指定工具50nを一括選択するための一括選択操作部46aの画像(例えば、チェックボックス461a)を表示してもよい。この場合、全ての未取付指定工具50nが一括選択された後、完了ボタン47aが操作されることにより、全ての未取付指定工具50nの各々が、データ上、未取付指定工具50nから取付済指定工具50xに変更される。
図25には、完了ボタン47aが操作された後の状態が示されている。
図25に例示されるように、第1画像Q1は、取付未完ボタン47a-2の画像を含んでいてもよい。図25に記載の例では、取付未完ボタン47a-2が操作されることにより、第1リスト画像QL1中で選択された指定工具(例えば、第1工具50-1)が、取付済指定工具50xから未取付指定工具50nに変更される。なお、取付未完ボタン47a-2が操作されることにより、第1リスト画像QL1中で選択された非指定工具Nが、取付済工具から未取付工具に変更されてもよい。
例えば、オペレータは、第1工具50-1、または、非指定工具Nを、タレットEから取り外す。その後、オペレータが、取付未完ボタン47a-2を操作することにより、第1工具50-1または非指定工具Nが、データ上、取付済工具から未取付工具に変更される。
図23に記載の例では、第4操作ボタン48dが操作されることにより、ディスプレイ4に表示された画像を、第1画像Q1(図23を参照。)から第3画像Q3(図26を参照。)に切り替えることができる。また、図23に記載の例では、第1操作ボタン48aが操作されることにより、ディスプレイ4に表示された画像を、第1画像Q1(図23を参照。)から第2画像Q2(図27を参照。)に切り替えることができる。
図23に記載の例では、演算装置3は、ディスプレイ4に第1表示指令S1を送信することにより、ディスプレイ4に、(1)上述の第1画像Q1と、(2)上述の第1操作ボタン48aと、(3)全ての指定工具50の中に、未計測指定工具50p(換言すれば、刃先位置未計測の指定工具)が存在するか否かを示す情報45a(例えば、注意喚起マーク451a)と、を同時に表示させる。図23に記載の例では、第1操作ボタン48aの画像に注意喚起マーク451aが配置されている状態が、未計測指定工具50pが存在していることを示す。他方、第1操作ボタン48aの画像に注意喚起マークが配置されていない状態は、未計測指定工具50pが存在しないことを示す。
ディスプレイ4に上述の情報45aが表示されることにより、オペレータは、工具取付関連作業の実行時に、刃先位置計測作業の必要性の有無を認識することができる。換言すれば、オペレータは、ワーク加工前の段取り作業の進捗状況を把握しつつ、工具取付関連作業を行うことができる。
図24に記載の例では、演算装置3は、ディスプレイ4に第1表示指令S1を送信することにより、ディスプレイ4に、(1)上述の第1画像Q1と、(2)上述の第4操作ボタン48dと、(3)全ての指定工具50の中に、未登録指定工具50q(換言すれば、指定取付面60に対してデータ登録されていない指定工具)が存在するか否かを示す情報45d(例えば、注意喚起マーク451d)と、を同時に表示させる。図24に記載の例では、第4操作ボタン48dの画像に注意喚起マーク451dが配置されている状態が、未登録指定工具50qが存在していることを示す。他方、第4操作ボタン48dの画像において注意喚起マークが配置されていない状態は、未登録指定工具50qが存在しないことを示す。
ディスプレイ4に上述の情報45dが表示されることにより、オペレータは、工具取付関連作業の実行時に、工具登録作業が残っているか否かを認識することができる。
指定工具50の取り付けが完了した後(例えば、全ての指定工具の取り付けが完了した後)、第1操作ボタン48aが操作されることにより、ディスプレイ4に表示される画像が、第1画像Q1(図23を参照。)から第2画像Q2(図27を参照。)に切り替えられる。
(登録済工具の第2リストLT2)
ディスプレイ4に第2画像Q2(図27を参照。)が表示されるのに先立ち、演算装置3は、登録済工具の中から、未計測指定工具50pを抽出する。より具体的には、演算装置3は、タレットEの複数の取付面7のいずれかに対してデータ登録された全ての登録済工具の中から、全ての未計測指定工具50pを抽出する。
演算装置3は、ディスプレイ4に第2表示指令S2を送信することにより、ディスプレイ4に第2画像Q2を表示させる。
図27に記載の例では、第2画像Q2は、登録済工具の第2リストLT2の画像(より具体的には、全ての登録済工具の第2リストLT2の画像)である第2リスト画像QL2を含む。図27に記載の例では、第2リスト画像QL2は、上述の複数のサブ画像(Q2-1、Q2-2)を含む。
図27に記載の例では、第2リスト画像QL2において、全ての未計測指定工具50pの各々に対してのみ、刃先位置の計測を促す情報8b(例えば、注意喚起マーク81b)が付加されている。
このような第2リスト画像QL2がディスプレイ4に表示されることにより、オペレータは、加工プログラム29eによって指定される全て指定工具50の刃先位置計測状況を総括的に認識することができる。なお、表示ウィンドウの大きさによっては、第2リストLT2の全体を一度に表示できない場合も想定され得る。この場合、ディスプレイ4に、第2リストLT2をスクロールさせるスクロールバーSB2が表示されることが好ましい。
図27に記載の例では、上述の第2リスト画像QL2において、タレットEの取付面7毎に、(1)タレットEの取付面7を識別する識別番号7nと、(2)取付面7に対してデータ登録された工具Bの工具特徴データBfと、(3)工具Bが、未計測指定工具50pであるか否かを示す情報8b(例えば、注意喚起マーク81b)とが関連付けられている。
なお、図27に示された第2リスト画像QL2において、注意喚起マーク81bが付与されている工具が、未計測指定工具50pに該当する。他方、第2リスト画像QL2において、注意喚起マーク81bが付与されていない工具は、計測済指定工具50y、または、今回選択された加工プログラム29eによって指定されていない非指定工具Nのいずれかである。
ディスプレイ4は、上述の第2画像Q2中に、切替操作部49bの画像(例えば、チェックボックス491b)を表示してもよい。切替操作部49b(例えば、チェックボックス491b)が操作されることにより、演算装置3は、第2リスト画像QL2の表示モードを、(1)全ての登録済工具を表示する第5表示モードMD5(図27を参照。)と、(2)全ての登録済工具の中から全ての未計測指定工具50pのみを抽出して表示する第6表示モードMD6(図28を参照。)との間で切り替える。
図27に記載の例では、上述の第2リスト画像QL2において、刃先位置の計測が行われる前の指定工具(以下、「第2工具50-2」という。)が選択されている。当該選択は、工具状態表示装置1Aの入力装置11を介して行われる。
(計測マクロ28tの生成)
演算装置3は、メモリ2に記憶されたマクロ作成プログラム29bを実行することにより、計測マクロ28tを生成する。より具体的には、第2画像Q2において未計測指定工具50p(例えば、刃先位置未計測の指定工具である第2工具50-2)が選択され、且つ、ディスプレイ4に表示されたマクロ生成ボタン47bが操作されることに応じて、演算装置3は、メモリ2に記憶されたマクロ作成プログラム29bを実行する。また、演算装置3は、メモリ2に記憶されたマクロ作成プログラム29bを実行することにより、未計測指定工具50p(例えば、第2工具50-2)の刃先位置を計測するために使用される計測マクロ28tを生成する。
図27に記載の例では、第2画像Q2は、計測マクロ28tの生成を開始させるマクロ生成ボタン47bの画像を含む。マクロ生成ボタン47bは、例えば、MDI形式(Manual Data Input形式)のプログラムの書き込みを開始させるボタンである。また、計測マクロ28tは、刃先位置計測プログラム29cに組み入れられるマクロである。
図29には、マクロ生成ボタン47bが操作されることにより生成された計測マクロ28tの一例が示されている。当該計測マクロ28tは、メモリ2の一時記憶領域に記憶される。
図27に例示されるように、ディスプレイ4は、第2画像Q2中に、全ての未計測指定工具50pを一括選択するための一括選択操作部46bの画像(例えば、チェックボックス461b)を表示してもよい。この場合、全ての未計測指定工具50pが一括選択された後、マクロ生成ボタン47bが操作されることにより、全ての未計測指定工具50pの刃先位置を計測するために使用される計測マクロ28t(図30を参照。)が生成される。
図27に例示されるように、第2画像Q2は、入力装置11を介して選択された指定工具50(例えば、第2工具50-2)を、未計測指定工具50pから計測済指定工具50yに変更する変更操作ボタン44b(例えば、計測済ボタン441b)の画像を含んでいてもよい。図27に記載の例では、変更操作ボタン44bが操作されることにより、第2リスト画像QL2中で選択された指定工具(例えば、第2工具50-2)が、未計測指定工具50pから計測済指定工具50yに変更される(図31を参照。)。例えば、オペレータは、第2工具50-2の刃先位置を手動計測する。その後、オペレータが、変更操作ボタン44bを操作することにより、第2工具50-2が、データ上、未計測指定工具50pから計測済指定工具50yに変更される。
ディスプレイ4に変更操作ボタン44bが表示される場合、オペレータは、刃先位置の自動計測と、刃先位置の手動計測とを選択的に実行することができる。
図31に例示されるように、第2画像Q2は、入力装置11を介して選択された指定工具50(例えば、第2工具50-2)を、計測済指定工具50yから未計測指定工具50pに変更する第2の変更操作ボタン44b-2(例えば、未計測ボタン441b-2)の画像を含んでいてもよい。図31に記載の例では、第2の変更操作ボタン44b-2が操作されることにより、第2リスト画像QL2中で選択された指定工具(例えば、第2工具50-2)が、計測済指定工具50yから未計測指定工具50pに変更される(図27を参照。)。
図27に記載の例では、第2操作ボタン48bが操作されることにより、ディスプレイ4に表示された画像を、第2画像Q2(図27を参照。)から第1画像Q1(図25を参照。)に切り替えることができる。
図27に記載の例では、演算装置3は、ディスプレイ4に第2表示指令S2を送信することにより、ディスプレイ4に、(1)上述の第2画像Q2と、(2)上述の第2操作ボタン48bと、(3)全ての指定工具50の中に、未取付指定工具50n(換言すれば、指定取付面60に取り付けられていない指定工具)が存在するか否かを示す情報45b(例えば、注意喚起マーク451b)と、を同時に表示させる。図27に記載の例では、第2操作ボタン48bの画像に注意喚起マーク451bが配置されている状態が、未取付指定工具50nが存在していることを示す。他方、第2操作ボタン48bの画像において注意喚起マークが配置されていない状態は、未取付指定工具50nが存在しないことを示す。
ディスプレイ4に上述の情報45bが表示されることにより、オペレータは、刃先位置計測関連作業の実行時に、工具取付作業が残っているか否かを認識することができる。
(工作機械の数値制御装置10A)
図1乃至図32を参照して、第1の実施形態における工作機械の数値制御装置10Aについて説明する。
図32に例示されるように、第1の実施形態における工作機械の数値制御装置10A(以下、単に、「数値制御装置10A」という。)は、メモリ2と、演算装置3と、ディスプレイ4と、を有する。数値制御装置10Aは、入力装置11、および/または、通信回路12を有していてもよい。数値制御装置10Aにおいて、メモリ2、演算装置3、ディスプレイ4、入力装置11、通信回路12は、それぞれ、第1の実施形態における工具状態表示装置1Aのメモリ2、演算装置3、ディスプレイ4、入力装置11、通信回路12と同様である。よって、メモリ2、演算装置3、ディスプレイ4、入力装置11、通信回路12についての繰り返しとなる説明は省略する。
図32に記載の例では、数値制御装置10Aのメモリ2は、加工プログラム29eを記憶する。メモリ2は、ワーク情報(例えば、ワークの形状データ)を記憶するワーク情報記憶部261、工作機械の基準点情報(例えば、原点情報)を記憶する原点情報記憶部262を有していてもよい。また、メモリ2は、演算装置3によって生成される計測マクロ28tを一時的に記憶する一時記憶領域28を有していてもよい。
数値制御装置10Aの演算装置3は、メモリ2に記憶された加工プログラム29eを実行することにより、第1制御指令CR1、および、第2制御指令CR2を生成する。
数値制御装置10Aの通信回路12は、演算装置3によって生成される第1制御指令CR1を、タレットEを移動させる移動装置95(図1を参照。)に送信する。また、通信回路12は、演算装置3によって生成される第2制御指令CR2を、タレットEを第1軸AXまわりに回転させる回転駆動装置96(図1を参照。)に送信する。
第1の実施形態における工作機械の数値制御装置10Aは、第1の実施形態における工具状態表示装置1Aと同様の効果を奏する。加えて、工作機械の数値制御装置10Aは、工作機械の制御対象機器(例えば、移動装置95、回転駆動装置96等)を制御することができる。
数値制御装置10Aの演算装置3は、刃先位置計測プログラム29c(より具体的には、計測マクロ28tが組み入れられた刃先位置計測プログラム29c)を実行することにより、上述の未計測指定工具50pの刃先位置を計測するための動作指令を生成してもよい。動作指令は、通信回路12を介して、移動装置95、および、回転駆動装置96の各々に送信される。
(工作機械100A)
図1乃至図38を参照して、第1の実施形態における工作機械100Aについて説明する。
図33に例示されるように、第1の実施形態における工作機械100Aは、複数の取付面7を有するタレットEと、メモリ2と、演算装置3(例えば、少なくとも1つのプロセッサ3a)と、ディスプレイ4と、移動装置95と、回転駆動装置96と、ワークを保持するワーク保持装置91と、計測装置97と、通信回路12と、を備える。図33に記載の例では、演算装置3は、数値制御装置10Aに含まれている。
図34に例示されるように、メモリ2は、(1)タレットEの各取付面と各取付面に取り付けられた工具Bとを関連付ける第1データ21aと、(2)タレットEに取り付けられた各工具が、刃先位置計測済みであるか否かを特定する第2データ22aと、(3)加工プログラム29eと、を記憶する。メモリ2は、判定処理プログラム29a、マクロ作成プログラム29b、刃先位置計測プログラム29c、表示プログラム29d等を記憶していてもよい。
メモリ2の構成、メモリ2に記憶される内容は、第1の実施形態における工具状態表示装置1A(あるいは、第1の実施形態における工作機械の数値制御装置10A)のメモリ2の構成、メモリ2に記憶される内容と、それぞれ、同様である。よって、メモリ2についての繰り返しとなる説明は省略する。
演算装置3は、第1判定処理M1を実行する。第1判定処理M1は、加工プログラム29eによって指定される工具を指定工具50と定義するとき、各指定工具50と各指定工具50が取り付けられるべき指定取付面60とを関連付ける第3データ23aと、上述の第1データ21aとに基づいて、各指定工具50が、複数の取付面7のうちの指定取付面60に取り付けられているか否かを判定する処理である。
演算装置3は、第1判定処理M1の結果に基づいて生成される第1表示指令S1をディスプレイ4に送信する。
演算装置3は、上述の第3データ23aと上述の第2データ22aとに基づいて、各指定工具50が、刃先位置計測済みであるか否かを判定する第2判定処理M2を実行する。また、演算装置3は、第2判定処理M2の結果に基づいて生成される第2表示指令S2をディスプレイ4に送信する。
付加的に、演算装置3は、上述の第3データ23aと上述の第4データ24aとに基づいて、各指定工具50が、複数の取付面7のうちの指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを判定する第3判定処理M3を実行してもよい。また、演算装置3は、第3判定処理M3の結果に基づいて生成される第3表示指令S3をディスプレイ4に送信してもよい。
演算装置3は、加工プログラム29eを実行することにより第1制御指令CR1、および、第2制御指令CR2を生成する。演算装置3は、加工プログラム29eを実行することにより他の制御指令(例えば、ワーク保持装置91の第2回転駆動装置92に送信される第3制御指令)を生成してもよい。
演算装置3によって実行される処理の内容は、第1の実施形態における工具状態表示装置1Aの演算装置3(あるいは、第1の実施形態における工作機械の数値制御装置10Aの演算装置3)によって実行される処理の内容と、それぞれ、同様である。よって、演算装置3によって実行される処理の内容についての繰り返しとなる説明は省略する。
ディスプレイ4は、(1)第1表示指令S1を受け取ることに応じて、各指定工具50が、指定取付面60に取り付けられているか否かを示す第1画像Q1を表示し、(2)第2表示指令S2を受け取ることに応じて、各指定工具50が、刃先位置計測済みであるか否かを示す第2画像Q2を表示する。付加的に、ディスプレイ4は、(3)第3表示指令S3を受け取ることに応じて、各指定工具50が、指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを示す第3画像Q3を表示してもよい。
ディスプレイ4によって表示される内容は、第1の実施形態における工具状態表示装置1Aのディスプレイ4によって表示される内容と同様である。よって、ディスプレイ4に表示される内容についての繰り返しとなる説明は省略する。
移動装置95は、タレットEを移動させる。移動装置95は、タレットEを、1次元的、2次元的または3次元的に移動させる。
図33に例示されるように、移動装置95は、水平面に平行な第1方向DR1に、タレットEを移動させる第1移動装置95aを含んでいてもよい。付加的に、移動装置95は、水平面に平行、且つ、第1方向DR1に垂直な第2方向DR2に、タレットEを移動させる第2移動装置95bを含んでいてもよい。また、移動装置95は、タレットEの高さを変更する第3移動装置95cを含んでいてもよい。移動装置95は、タレットEを移動させることにより、タレットEに取り付けられた工具Bをワークに接触させる。こうして、工具Bによってワークが加工される。
回転駆動装置96は、タレットEを第1軸AXまわりに回転させる。
ワーク保持装置91は、例えば、ワークを保持する爪94と、爪94が取り付けられるチャック93と、チャック93を第2軸AX2まわりに回転させる第2回転駆動装置92と、を有する。図33に記載の例では、第2軸AX2は、上述の第2方向DR2と平行である。
計測装置97は、工具Bの刃先Beの位置を計測する。より具体的には、計測装置97は、タレットEに取り付けられた工具Bの刃先Beの位置を計測する。
計測装置97は、工具Bの刃先Beが接触する接触面971cを規定するブロック97cと、工具Bの刃先Beと接触面971cとが接触するときのタレットEの位置を算出する演算装置3とを含む。演算装置3は、工具Bの刃先Beと接触面971cとが接触するときのタレットEの位置に基づいて、タレットEの基準点に対する工具Bの刃先Beの相対位置を算出する(換言すれば、工具Bの刃先Beの位置を計測する。)。
図33に記載の例では、工作機械100Aは、計測装置97のブロック97cを移動させるブロック移動装置98を有する。ブロック移動装置98は、ブロック97cを、刃先位置計測用の進出位置と、ワーク加工領域外の退避位置との間で移動させる。
通信回路12は、演算装置3によって生成される第1制御指令CR1(図32を参照。)を移動装置95に送信し、演算装置3によって生成される第2制御指令CR2(図32を参照。)を回転駆動装置96に送信する。付加的に、通信回路12は、演算装置3によって生成される第3制御指令を、チャック93を回転させる第2回転駆動装置92に送信してもよい。
(指定工具50の刃先位置の計測)
図27に記載の例では、演算装置3は、ディスプレイ4に表示された指定工具50(例えば、第2工具50-2)が選択され、ディスプレイ4に表示されたマクロ生成ボタン47bが操作されることにより、マクロ作成プログラム29bを実行する。また、演算装置3は、マクロ作成プログラム29bを実行することにより、計測マクロ28tを生成する。
図34に記載の例では、演算装置3は、計測マクロ28tが組み入れられた刃先位置計測プログラム29cを実行することにより、第4制御指令CR4および第5制御指令CR5を生成する。通信回路12は、第4制御指令CR4を回転駆動装置96に送信し、第5制御指令CR5を移動装置95に送信する。図33に記載の例において、第4制御指令CR4を受け取る回転駆動装置96は、指定工具50(例えば、第2工具50-2)がブロック97cに近づくように、タレットEを第1軸AXまわりに回転させる。また、第5制御指令CR5を受け取る移動装置95は、指定工具50(例えば、第2工具50-2)の刃先がブロック97cの接触面971cに接触するように、タレットEを移動させる。こうして、指定工具50の刃先位置が計測される。
指定工具50の刃先位置が計測された後、当該指定工具50の刃先位置のデータBpがメモリ2に記憶される(図16を参照。)。また、演算装置3は、指定工具50(例えば、第2工具50-2)を、未計測指定工具50pから計測済指定工具50yにデータ変更する(図35を参照。)。
第1の実施形態における工作機械100Aは、第1の実施形態における工具状態表示装置1Aと同様の効果を奏する。例えば、オペレータは、ワーク加工前の段取り作業を効率的に実行することができる。加えて、第1の実施形態における工作機械100Aでは、効率的に実行される段取り作業の後、速やかにワークを加工することができる。
(取付アシスト)
工作機械100Aは、未取付指定工具50nが取り付けられるべき指定取付面60を、オペレータ(換言すれば、アクセス開口OP)に近づけるアシスト機能を有していてもよい。図36に記載の例では、工作機械100Aは、オペレータがタレットEにアクセスすることを許容するアクセス開口OPを有する。また、工作機械100Aは、当該アクセス開口OPを閉鎖可能なドア99を備える。また、図37に記載の例では、メモリ2は、取付アシストプログラム29gを記憶している。
図38に記載の例では、第1画像Q1において少なくとも1つの指定工具50の中から指定取付面60に取り付けられる前の第1工具50-1が選択されている。図38に記載の例において、取付アシストボタン43が操作されることに応じて、演算装置3は、取付アシストプログラム29gを実行する。図38に記載の例では、取付アシストボタン43は、ディスプレイ4に表示されたソフトウェアボタン43a(換言すれば、画像上のボタン)である。取付アシストボタン43は、第1画像Q1に含まれていてもよい。代替的に、図37に例示されるように、取付アシストボタン43は、画像上のボタンではなく、ハードウェアボタン43bであってもよい。
図37に記載の例では、演算装置3は、取付アシストプログラム29gを実行することにより、第1工具50-1が取り付けられるべき指定取付面60(例えば、第2指定取付面62)をアクセス開口OPに近づく方向に移動させるための制御指令CMを生成する。また、演算装置3は、生成された制御指令CMを、通信回路12を介して、移動装置95および回転駆動装置96の少なくとも一方に送信する。
より具体的には、演算装置3は、取付アシストプログラム29gを実行することにより、回転制御指令CM1を生成する。また、演算装置3は、生成された回転制御指令CM1を回転駆動装置96に送信する。回転駆動装置96は、第1工具50-1が取り付けられるべき指定取付面60(例えば、第2指定取付面62)がアクセス開口OPに近づくように、タレットEを第1軸AXまわりに回転させる(図36における矢印R1を参照。)。
代替的に、あるいは、付加的に、演算装置3は、取付アシストプログラム29gを実行することにより、移動制御指令CM2を生成する。演算装置3は、生成された移動制御指令CM2を移動装置95に送信する。移動装置95は、タレットEの全体がアクセス開口OPに近づくように、タレットEを移動させる(図36における矢印D1を参照。)。
工作機械100Aが、上述のアシスト機能を有する場合、オペレータは、タレットEの指定取付面60への指定工具50の取り付けを、より効率的に実行することができる。
(第2の実施形態)
図1乃至図41を参照して、第2の実施形態における工具準備方法について説明する。図39および図40は、第2の実施形態における工具準備方法の一例を示すフローチャートである。図41は、メモリに記憶される第1データ21aの一例を模式的に示す図である。
第2の実施形態における工具準備方法は、第1の実施形態における工具状態表示装置1A(または、工作機械の数値制御装置10A)、あるいは、他の工具状態表示装置(または、他の数値制御装置)を用いて実行される。第1の実施形態における工具準備方法は、第1の実施形態における工作機械100A、あるいは、他の工作機械を用いて実行されてもよい。第1の実施形態における工具状態表示装置1A、工作機械の数値制御装置10A、工作機械100Aについては、説明済みであるため、第1の実施形態における工具状態表示装置1A、工作機械の数値制御装置10A、工作機械100Aについての繰り返しとなる説明は省略する。
第2の実施形態における工具準備方法は、(1)加工プログラム29eによって指定される工具を指定工具50と定義するとき、各指定工具50と各指定工具が取り付けられるべき指定取付面60とを関連付ける第3データ23aと、複数の取付面7を有するタレットEの各取付面と各取付面に取り付けられた工具Bとを関連付ける第1データ21aとに基づいて、各指定工具50が、複数の取付面7のうちの指定取付面60に取り付けられているか否かを判定する工程と、(2)各指定工具50が指定取付面60に取り付けられているか否かを示す第1画像Q1をディスプレイ4に表示する工程と、(3)タレットEに取り付けられた各工具が、刃先位置計測済みであるか否かを特定する第2データ22aと上述の第3データ23aとに基づいて、各指定工具50が、刃先位置計測済みであるか否かを判定する工程と、(4)各指定工具が刃先位置計測済みであるか否かを示す第2画像Q2をディスプレイ4に表示する工程と、を具備する。
付加的に、第2の実施形態における工具準備方法は、(5)タレットEの各取付面と各取付面に対してデータ登録された工具とを関連付ける第4データ24aと、上述の第3データ23aとに基づいて、各指定工具が、指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを判定する工程と、(6)各指定工具が、指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを示す第3画像Q3をディスプレイ4に表示する工程と、を更に具備していてもよい。
続いて、第2の実施形態における工具準備方法の各工程について、より詳細に説明する。
第1ステップST1において、第1データ21a、第2データ22a、第4データ24a等のデータがメモリ2に記憶される。第1ステップST1は、記憶工程である。なお、図17に例示されるように、第1データ21aは、複数の取付面7を有するタレットEの各取付面と、各取付面に取り付けられた工具とを関連付けるデータである。また、第4データ24aは、複数の取付面7を有するタレットEの各取付面と、各取付面にデータ登録された工具とを関連付けるデータである。図16に例示されるように、第2データ22aは、タレットEに取り付けられた各工具が、刃先位置計測済みであるか否かを特定するデータである。
付加的に、第1ステップST1において、判定処理プログラム29a、マクロ作成プログラム29b、刃先位置計測プログラム29c、表示プログラム29d、加工プログラム29e等のプログラム29がメモリ2に記憶されてもよい。
なお、必要なデータ、あるいは、必要なプログラム29が既にメモリ2に記憶されている場合には、第1ステップST1は、省略される。
第2ステップST2において、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が、タレットEの複数の取付面7のうち、加工プログラム29eによって指定される指定取付面60に対してデータ登録されているか否かが判定される。第2ステップST2は、判定工程(以下、「第3判定工程」という。)である。第3判定工程は、工具状態表示装置1の演算装置3、または、工作機械100の演算装置3(より具体的には、数値制御装置10の演算装置3)によって実行される。
第3判定工程において、演算装置3は、第3判定処理M3を実行する。第3判定処理M3では、各指定工具50と各指定工具50が取り付けられるべき指定取付面60とを関連付ける第3データ23aと、複数の取付面7を有するタレットEの各取付面と各取付面に対してデータ登録された工具Bとを関連付ける第4データ24aとに基づいて、各指定工具50が、複数の取付面7のうちの指定取付面60に対してデータ登録されているか否かが判定される。
第3判定工程は、複数のサブステップを含んでいてもよい。
第1に、サブステップST2-1において、今回使用される加工プログラム29eが、入力装置11を介して選択される。当該選択は、オペレータが入力装置11を操作することにより行われる。
第2に、サブステップST2-2において、上述の第3データ23aが作成される。第3データ23aは、加工プログラム29eに基づいて作成される。第3データ23aは、工具状態表示装置1の演算装置3によって作成されてもよいし、工作機械100の演算装置3によって作成されてもよいし、他の演算装置によって作成されてもよい。作成された第3データ23aは、メモリ2に記憶されることが好ましい。なお、第3データ23aは、第2ステップST2の実行前に、予め、作成されていてもよい。この場合、サブステップST2-2は、省略される。
第3に、サブステップST2-3において、演算装置3は、第3データ23aと、第4データ24aとを比較することにより、各指定工具50が、指定取付面60に対してデータ登録されているかを判定する。例えば、第1指定工具51が第1指定取付面61に対してデータ登録されているか否かを判定する場合には、演算装置3は、第3データ23aから、第1指定取付面61を特定する第1指定取付面識別子61i(T07)を抽出する(図6を参照。)。また、図17に記載の例において、演算装置3は、第4データ24aから、第1指定取付面識別子61i(T07)に対応する第1取付面識別子71i(T07)を抽出する。更に、図6、図17に記載の例において、演算装置3は、第3データ23aにおいて第1指定取付面識別子61i(T07)に関連付けられた第1指定工具51のデータ(例えば、第1指定工具識別子51i、あるいは、第1指定工具51の工具特徴データ51f)と、第4データ24aにおいて第1取付面識別子71i(T07)に関連付けられた工具のデータ(例えば、工具識別子、あるいは、工具特徴データ)とが一致するか否かを判断する。両者が一致する場合、演算装置3は、第1指定工具51が、第1指定取付面61に対してデータ登録されていると判定する。他方、両者が一致しない場合、演算装置3は、第1指定工具51が、第1指定取付面61に対してデータ登録されていないと判定する。図17に記載の例は、後者の例(換言すれば、第1指定工具51が、第1指定取付面61に対してデータ登録されていない例)に該当する。
第3判定工程における判定結果(換言すれば、第3判定処理M3の結果)に基づいて、演算装置3は、第3表示指令S3を生成する。
第3ステップST3において、各指定工具50が指定取付面60に対してデータ登録されているか否かを示す第3画像Q3が、ディスプレイ4に表示される。第3ステップST3は、表示工程(以下、「第3表示工程」という。)である。第3表示工程では、第3表示指令S3に基づいて、ディスプレイ4は、第3画像Q3を含む画像を表示する(図18を参照。)。第3表示工程において、ディスプレイ4は、リスト画像QL3を表示してもよい。また、第3表示工程において、ディスプレイ4は、選択された指定工具がデータ登録されるべき対象のタレット取付面(例えば、対象取付面60-3)の現況を示す画像Q3-5、一括選択操作部46cの画像、登録ボタン47cの画像、第3操作ボタン48cの画像、および/または、切替操作部49cの画像を表示してもよい。
第3表示指令S3、ディスプレイ4に表示される各画像の内容については、第1の実施形態において説明済みであるため、第3表示指令S3、ディスプレイ4に表示される各画像の内容についての繰り返しとなる説明は省略する。
第4ステップST4において、各未登録指定工具50qが、対応する指定取付面60に対してデータ登録される。第4ステップST4は、データ登録工程である。図18に記載の例では、データ登録工程は、オペレータが、入力装置11を介して、ディスプレイ4に表示された指定工具のリストLT3の中から、未登録指定工具(例えば、第3工具50-3)を選択することと、入力装置11を介して、ディスプレイ4に表示された登録ボタン47cを操作することとを含む。
第4ステップST4において、全ての未登録指定工具50qの各々が、対応する指定取付面60に対してデータ登録されることが好ましい。
第5ステップST5において、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が、タレットEの複数の取付面7のうち、加工プログラム29eによって指定される指定取付面60に取り付けられているか否かが判定される。第5ステップST5は、第1判定工程である。第1判定工程は、工具状態表示装置1の演算装置3、または、工作機械100の演算装置3(より具体的には、数値制御装置10の演算装置3)によって実行される。
第1判定工程において、演算装置3は、第1判定処理M1を実行する。第1判定処理M1では、各指定工具と各指定工具が取り付けられるべき指定取付面60とを関連付ける第3データ23aと、複数の取付面7を有するタレットEの各取付面と各取付面に取り付けられた工具Bとを関連付ける第1データ21aとに基づいて、各指定工具が、複数の取付面7のうちの指定取付面60に取り付けられているか否かが判定される。
第1判定工程において、演算装置3は、第3データ23aと、第1データ21aとを比較することにより、各指定工具が、指定取付面60に取り付けられているか否かを判定する。例えば、第1指定工具51が第1指定取付面61に取り付けられているか否かを判定する場合には、演算装置3は、第3データ23aから、第1指定取付面61を特定する第1指定取付面識別子61i(T07)を抽出する(図6を参照。)。また、図41に記載の例において、演算装置3は、第1データ21aから、第1指定取付面識別子61i(T07)に対応する第1取付面識別子71i(T07)を抽出する。更に、図41に記載の例において、演算装置3は、データBtに基づいて、第1取付面識別子71i(T07)に関連付けられた工具B-1(すなわち、第1取付面71に対してデータ登録された工具)が、取付済工具であるか未取付工具であるかを判断する。当該工具B-1が取付済工具である場合、演算装置3は、第1指定工具51が、第1指定取付面61に取り付けられていると判定する。他方、当該工具B-1が未取付工具である場合、演算装置3は、第1指定工具51が、第1指定取付面61に取り付けられていないと判定する。図41に記載の例は、後者の例(換言すれば、第1指定工具51が、第1指定取付面61に取り付けられていない例)に該当する。
第1判定工程における判定結果(換言すれば、第1判定処理M1の結果)に基づいて、演算装置3は、第1表示指令S1を生成する。
第6ステップST6において、各指定工具50が指定取付面60に取り付けられているか否かを示す第1画像Q1が、ディスプレイ4に表示される。第6ステップST6は、第1表示工程である。第1表示工程では、第1表示指令S1に基づいて、ディスプレイ4は、第1画像Q1を含む画像を表示する(図23を参照。)。第1表示工程において、ディスプレイ4は、第1リスト画像QL1を表示してもよい。また、第1表示工程において、ディスプレイ4は、インストラクション画像Q5を表示してもよい。また、第1表示工程において、ディスプレイ4は、一括選択操作部46aの画像、完了ボタン47aの画像、取付未完ボタン47a-2の画像、第1操作ボタン48aの画像、第4操作ボタン48dの画像、および/または、切替操作部49aの画像を表示してもよい。
第1表示指令S1、ディスプレイ4に表示される各画像の内容については、第1の実施形態において説明済みであるため、第1表示指令S1、ディスプレイ4に表示される各画像の内容についての繰り返しとなる説明は省略する。
第7ステップST7において、未取付指定工具50nが、対応する指定取付面60に取り付けられる。
図23に記載の例では、取付工程は、オペレータが、入力装置11を介して、ディスプレイ4に表示された指定工具のリスト(より具体的には、第1リストLT1)の中から、未取付指定工具(例えば、第1工具50-1)を選択することを含む。また、図23に記載の例では、取付工程は、選択された未取付指定工具(例えば、第1工具50-1)の取り付けインストラクションを含むインストラクション画像Q5をディスプレイ4に表示することを含む。また、取付工程は、オペレータが、未取付指定工具(例えば、第1工具50-1)を、タレットEの指定取付面60に取り付けることを含む。更に、取付工程は、指定工具のリスト(より具体的には、第1リストLT1)において未取付指定工具(例えば、第1工具50-1)が選択された状態で、オペレータが、入力装置11を介して、ディスプレイ4に表示された完了ボタン47aを操作することを含む。こうして、選択された未取付指定工具50nが、取付済指定工具50xに変更される。
第8ステップST8において、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が、刃先位置計測済みであるか否かが判定される。第8ステップST8は、第2判定工程である。第2判定工程は、工具状態表示装置1の演算装置3、または、工作機械100の演算装置3(より具体的には、数値制御装置10の演算装置3)によって実行される。
第2判定工程において、演算装置3は、第2判定処理M2を実行する。第2判定処理M2では、各指定工具50と各指定工具50が取り付けられるべき指定取付面60とを関連付ける第3データ23aと、タレットEに取り付けられた各工具が刃先位置計測済みであるか否かを特定する第2データ22aとに基づいて、各指定工具50が、刃先位置計測済みであるか否かが判定される。
第2判定工程において、演算装置3は、第3データ23aと、第2データ22aとを比較することにより、各指定工具50が、刃先位置計測済みであるか否かを判定する。例えば、第1指定工具51が刃先位置計測済みであるか否かを判定する場合には、図6に記載の例において、演算装置3は、第3データ23aから、第1指定工具識別子51i、第1指定工具51の工具特徴データ51f、あるいは、第1指定工具51に関連付けられた第1指定取付面識別子61iを、抽出データとして抽出する。また、図16に記載の例において、演算装置3は、抽出データと、第2データ22aとを照合することにより、第2データ22aから、第1指定工具51に対応する工具B-1を抽出する。
図16に記載の例において、演算装置3は、データBmに基づいて、抽出された工具B-1が、刃先位置計測済みであるか否かを判断する。当該工具B-1が刃先位置計測済みである場合、演算装置3は、第1指定工具51が、刃先位置計測済みであると判定する。他方、当該工具B-1が刃先位置計測済みでない場合、演算装置3は、第1指定工具51が、刃先位置未計測であると判定する。図16に記載の例は、後者の例(換言すれば、第1指定工具51が、刃先位置未計測である例)に該当する。
第2判定工程における判定結果(換言すれば、第2判定処理M2の結果)に基づいて、演算装置3は、第2表示指令S2を生成する。
第9ステップST9において、各指定工具50が刃先位置計測済みであるか否かを示す第2画像Q2が、ディスプレイ4に表示される。第9ステップST9は、第2表示工程である。第2表示工程では、第2表示指令S2に基づいて、ディスプレイ4は、第2画像Q2を含む画像を表示する(図27を参照。)。第2表示工程において、ディスプレイ4は、第2リスト画像QL2を表示してもよい。また、第2表示工程において、ディスプレイ4は、一括選択操作部46bの画像、マクロ生成ボタン47bの画像、変更操作ボタン44bの画像、第2の変更操作ボタン44b-2の画像、第2操作ボタン48bの画像、および/または、切替操作部49bの画像を表示してもよい。
第2表示指令S2、ディスプレイ4に表示される各画像の内容については、第1の実施形態において説明済みであるため、第2表示指令S2、ディスプレイ4に表示される各画像の内容についての繰り返しとなる説明は省略する。
第10ステップST10において、計測マクロ28tが生成される。第10ステップST10は、マクロ生成工程である。
図27に記載の例では、マクロ生成工程は、オペレータが、入力装置11を介して、ディスプレイ4に表示された指定工具のリスト(より具体的には、第2リストLT2)の中から、未計測指定工具(例えば、第2工具50-2)を選択することを含む。また、図27に記載の例では、マクロ生成工程は、指定工具のリスト(より具体的には、第2リストLT2)において少なくとも1つの未計測指定工具(例えば、第2工具50-2)が選択された状態で、オペレータが、入力装置11を介して、ディスプレイ4に表示されたマクロ生成ボタン47bを操作することを含む。
演算装置3は、マクロ生成ボタン47bが操作されることにより、マクロ作成プログラム29bを実行する。また、演算装置3は、マクロ作成プログラム29bを実行することにより、選択された少なくとも1つの未計測指定工具の各々の刃先位置を計測するために使用される計測マクロ28tを生成する。演算装置3は、生成された計測マクロ28tを、メモリ2の一時記憶領域に記憶する。
第11ステップST11において、未計測指定工具の刃先位置が計測される。第11ステップST11は、刃先位置計測工程である。刃先位置計測工程は、計測装置97を用いて行われる。
図33に記載の例では、刃先位置計測工程は、未計測指定工具(例えば、第2工具50-2)が計測装置97の接触面971c(より具体的には、ブロック97cの接触面971c)に近づくように、回転駆動装置96が、タレットEを第1軸AXまわりに回転させることを含む。また、刃先位置計測工程は、未計測指定工具(例えば、第2工具50-2)の刃先が計測装置97の接触面971c(より具体的には、ブロック97cの接触面971c)に接触するように、移動装置95が、タレットEを移動させることを含む。更に、刃先位置計測工程は、演算装置3が、未計測指定工具の刃先と接触面971cとが接触するときのタレットEの位置を算出することを含む。また、刃先位置計測工程は、演算装置3が、工具Bの刃先Beと接触面971cとが接触するときのタレットEの位置に基づいて、タレットEの基準点に対する工具Bの刃先Beの相対位置を算出することを含む。また、刃先位置計測工程は、当該相対位置のデータ(換言すれば、刃先位置を示すデータ)をメモリ2に記憶することを含む。
第2の実施形態における工具準備方法では、オペレータは、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が、加工プログラム29eによって指定される指定取付面60に取り付けられているか否かと、加工プログラム29eによって指定される各指定工具50が刃先位置計測済みであるか否かとの両方を容易に認識することができる。よって、オペレータは、ワーク加工前の段取り作業を効率的に実行することができる。
例えば、加工プログラム29eによって指定される複数の指定工具50のうちの少なくとも1つが、未計測指定工具50pであり、複数の指定工具50のうちの少なくとも1つが、計測済指定工具50yである場合を想定する。このような場合、第2の実施形態における工具準備方法を用いると、オペレータは、未計測指定工具50pを容易に特定することができる。また、未計測指定工具50pのみを対象として刃先位置の計測作業が実行されることにより、不必要な計測作業が回避される。こうして、ワーク加工前の段取り作業が効率化されることにより、工作機械の稼働率を向上させることができる。
また、第2の実施形態における工具準備方法では、各指定工具50が未取付指定工具50nであるのか取付済指定工具50xであるのかを示す第1画像Q1がディスプレイ4に表示され、その後、各指定工具50が未計測指定工具50pであるのか計測済指定工具50yであるのかを示す第2画像Q2がディスプレイ4に表示される。よって、オペレータは、第1画像Q1および第2画像Q2を順番に参照することにより、指定工具50の取付作業と、指定工具の刃先位置計測作業とを順番に効率的に実施できる。
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。