JP7365101B2 - 建設機械の油圧制御回路 - Google Patents
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Description
ところで、前述したような建設機械の従来の油圧制御回路に設けられる方向切換弁は、油圧アクチュエータに対する作動油の給排方向を切換える方向切換制御と、油圧ポンプから油圧アクチュエータへの供給流量を制御する供給流量制御と、油圧アクチュエータから油タンクへの排出流量を制御する排出流量制御とを同時に行うように構成されている。このため、方向切換弁のスプール移動位置に対する供給用の開口面積と排出用の開口面積との関係が一意的に決まってしまって、供給流量制御と排出流量制御とを独立して行うことができない。さらに、油圧アクチュエータの一方の油室からの排出油を該油圧アクチュエータの他方の油室に供給する再生制御を行う場合に、部品点数の増加を抑えるべく、前記方向切換弁によって再生流量制御も行うようにすると、スプールの移動位置に対する再生用の開口面積も一意的に決まってしまうことになって、再生流量制御も独立して行えないことになる。
一方、低燃費化を図るべく、二つの油圧アクチュエータの複合操作時に、一方の油圧アクチュエータからの排出油を他方の油圧アクチュエータに供給する回生制御(例えば、ブーム下降操作とスティックアウト操作との複合操作時に、ブームシリンダのヘッド側油室からの排出油をスティックシリンダのロッド側油室に供給する回生制御)を行う技術も従来から知られているが、この場合に、回生流量に対応させて油圧ポンプからの供給流量や油タンクへの排出流量さらには再生流量を個別に増減制御しようとしても、前記供給流量制御と排出流量制御さらには再生流量制御を同時に行う方向切換弁では行うことができず、個別に制御する場合には、別途専用の供給流量制御弁や排出流量制御弁、再生流量制御弁が必要であって、部品点数が多くなってコスト削減の妨げになるという問題があった。
そこで、前記特許文献1のものでは、スティックシリンダに対する油給排制御を行う第一、第二方向切換弁の上流側に、該第一、第二方向切換弁に供給する圧油の量を制御する制御弁が設けられている。この場合、制御弁によって第一、第二方向切換弁に供給する圧油の量を変化させることで、方向切換弁のスプール移動位置が同じであっても作業内容等に応じて第一、第二油圧ポンプからスティックシリンダへの圧油供給量を変化させることが可能となる。
また、油圧ポンプから油圧アクチュエータへの供給流量を制御する流量制御弁と、該流量制御弁の下流側に配され、油圧アクチュエータに対する作動油の給排方向を切換えるとともに油圧アクチュエータからの排出流量を制御する方向切換弁を設けて、油圧アクチュエータに対する供給流量制御と排出流量制御とを個別の弁で制御するようにした技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
一方、特許文献2のものは、油圧アクチュエータへの供給流量を制御するのは流量制御弁だけで、方向制御弁は供給流量制御を行わない構成のため特許文献1のような問題はないが、このものでは、ブームシリンダ、スティックシリンダの油圧供給源として第一、第二の二つの油圧ポンプが設けられている一方で、ブーム用、スティックシリンダ用の方向切換弁はそれぞれ一つしか設けられておらず、第一、第二油圧ポンプからの吐出油を第一、第二流量制御弁でそれぞれ流量制御した後に合流させて方向切換弁に供給する構成となっている。このため、前述した従来の回路、つまり、第一、第二油圧ポンプにそれぞれ接続されてブームシリンダ、スティックシリンダに対する油給排制御を行うブーム用、スティック用の第一、第二方向切換弁を備えた回路をそのまま利用することはできず、第一、第二油圧ポンプからの合計流量に対応した新たな方向切換弁が必要になるうえ、新たな回路構成のバルブユニットを製造しなければならず、コスト高の要因となる。しかして、従来のブーム用、スティック用の第一、第二方向切換弁を備えた回路を利用して、回生流量に対応させて油圧ポンプからの供給流量や油タンクへの排出流量さらには再生流量を個別に増減制御したいという要望があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明は、請求項1において、スティックアウト操作と複合操作されていないブーム下降操作時に、回生弁は回生油路を閉じる一方、ブーム用第一方向切換弁は、ブームシリンダのヘッド側油室からロッド側油室への再生流量を制御し、ブーム用第二方向切換弁は、ブームシリンダのヘッド側油室から油タンクへの排出流量を制御する構成にしたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路である。
請求項3の発明は、請求項1または2において、ブーム下降操作と複合操作されていないスティックアウト操作時に、回生弁は回生油路を閉じる一方、流量制御弁は、一方の油圧ポンプからスティック用第一方向切換弁を経由してスティックシリンダのロッド側油室に供給される供給流量を制御し、スティック用第一方向切換弁は、スティックシリンダのヘッド側油室から油タンクへの排出流量を制御し、スティック用第二方向切換弁は、他方の油圧ポンプからスティックシリンダのロッド側油室への供給流量と、ヘッド側油室から油タンクへの排出流量とを制御する構成にしたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路である。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項において、ブーム上昇操作時に、回生弁は回生油路を閉じる一方、ブーム用第一方向切換弁は、第一油圧ポンプからブームシリンダのヘッド油室への供給流量と、ロッド側油室から油タンクへの排出流量とを制御し、ブーム用第二方向切換弁は、第二油圧ポンプからブームシリンダのヘッド側油室への供給流量を制御する構成にしたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路である。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか一項において、スティックイン操作時に、回生弁は回生油路を閉じる一方、流量制御弁は、一方の油圧ポンプからスティック用第一方向切換弁を経由してスティックシリンダのヘッド側油室に供給される供給流量を制御し、スティック用第一方向切換弁は、スティックシリンダのロッド側油室からヘッド側油室への再生流量を制御し、スティック用第二方向切換弁は、他方の油圧ポンプからスティックシリンダのヘッド側油室への供給流量と、ロッド側油室から油タンクへの排出流量とを制御する構成にしたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路である。
請求項2の発明とすることにより、ブーム下降操作時においてブーム用第一、第二方向切換弁が行う制御は、スティックアウト操作と複合操作されていても複合操作されていなくても同じとなり、これにより、ブーム下降操作中にスティックアウト操作を開始したり停止したりしても、ブームシリンダに対する油給排制御の連続性が損なわれてしまうがないとともに、制御の簡略化が図れる。
請求項3の発明とすることにより、スティックアウト操作時においてスティック用第一、第二方向切換弁が行う制御は、ブーム下降操作と複合操作されていても複合操作されていなくても同じとなり、これにより、スティックアウト操作中にブーム下降操作を開始したり停止したりしても、スティックシリンダに対する油給排制御の連続性が損なわれてしまうがないとともに、制御の簡略化が図れる。
請求項4の発明とすることにより、ブーム上昇操作時においても、ブーム用第一、第二方向切換弁を利用してブームシリンダに対する供給流量制御と排出流量制御とを独立して制御できる。
請求項5の発明とすることにより、スティックイン操作時においても、スティック用第一、第二方向切換弁を利用してスティックシリンダに対する供給流量制御と排出流量制御と再生流量制御とを独立して制御できる。
まず、本発明の第一の実施の形態について図1~図5に基づいて説明すると、図1は、本発明の建設機械の一例である油圧ショベル1を示す図であって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着されるフロント作業機4等の各部から構成されており、さらに該フロント作業機4は、基端部が上部旋回体3(機体)に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に前後揺動自在に支持されるスティック6、該スティック6の先端部に揺動自在に取付けられるバケット7等から構成されているとともに、油圧ショベル1には、前記ブーム5、スティック6、バケット7をそれぞれ揺動せしめるためのブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10や、下部走行体2を走行せしめるための左右の走行モータ(図示せず)、上部旋回体3を旋回せしめるための旋回モータ(図示せず)等の各種油圧アクチュエータが備えられている。尚、油圧ショベル1の構成は後述する第二、第三の実施の形態においても同様であり、図1は第一~第三の実施の形態に共用する。また、本発明では、スティック先端部を機体に近づける方向へのスティック6の揺動をスティックイン(イン方向への揺動)とし、スティック先端部を機体から遠ざける方向へのスティック6の揺動をスティックアウト(アウト方向の揺動)とする。
尚、前記ブームシリンダ8およびスティックシリンダ9は大流量を必要とする油圧アクチュエータであるため、第一、第二の両方の油圧ポンプ11、12から圧油供給できるようにブーム用第一、第二方向切換弁16、17、スティック用第一、第二方向切換弁18、19が設けられている。また、前記図2において、21、22は第一油圧ポンプ11に接続される左走行用方向切換弁、バケット用方向切換弁、23、24は第二油圧ポンプ12に接続される右走行用方向切換弁、旋回用方向切換弁であって、これら方向切換弁21~24は、それぞれ対応する操作具操作に応じて中立位置から作動位置に切換わって、対応する油圧アクチュエータ(左走行用モータ、バケットシリンダ10、右走行用モータ、旋回モータ)に対する油給排制御を行うが、これらの方向切換弁21~24の詳細な説明は省略する。
尚、本実施の形態では、各方向切換弁のセンタバイパス通路を通る第一、第二センタバイパス油路が設けられており、その最下流に第一、第二パイパス弁が配設されているが、これら方向切換弁の最上流に、第一、第二油圧ポンプの油を油タンクに流す第一、第二バイパス油路を設け、該第一、第二バイパス油路に第一、第二バイパス弁を配設することもできる。この場合には、各方向切換弁に形成されるセンタバイパス通路を廃することができる。
まず、前記ブーム用第一方向切換弁16は、第一油圧ポンプ11、油タンク15、ブームシリンダ8のヘッド側油圧8aおよびロッド側油室8bに接続されるとともに、下降側(縮小側)、上昇側(伸長側)のパイロットポート16b、16cを備えた三位置切換スプール弁であって、両パイロットポート16b、16cにパイロット圧が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油給排を行わない中立位置Nに位置しているが、下降側パイロットポート16bにパイロット圧が入力されることにより下降側作動位置Vに切換わって、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからの排出油をロッド側油室8bに供給する再生用弁路16dを開く。また、上昇側パイロットポート16cにパイロット圧が入力されることにより上昇側作動位置Wに切換わって、第一油圧ポンプ11の吐出油をブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給するヘッド側供給用弁路16eを開き、かつ、ブームシリンダ8のロッド側油室8bからの排出油を油タンク15に流すロッド側排出用弁路16fを開くように構成されている。尚、前記再生用弁路16dには、ロッド側油室8bからヘッド側油室8aへの油の流れを阻止するチェック弁が設けられている。
尚、本発明では、同一油圧アクチュエータ間の排出油の再利用(本実施の形態では、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからロッド側油室8bへの排出油の再利用、スティックシリンダ9のロッド側油室9bからヘッド側油室8aへの排出油の再利用)と、複合操作時における一方の油圧アクチュエータから他方の油圧アクチュエータへの排出油の再利用(本実施の形態では、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからスティックシリンダ9への排出油の再利用)とを区別するため、前者を再生(その流量を再生流量)と称し、後者を回生(その流量を回生流量)と称する。
一方、ブーム用第一、第二方向切換弁16、17が上昇側作動位置Wに位置している状態では、ブーム用第一方向切換弁16のヘッド側供給用弁路16eとロッド側排出用弁路16fとによって、第一油圧ポンプ11からヘッド側油室8aへの供給流量とロッド側油室8bから油タンク15への排出流量とが制御され、また、ブーム用第二方向切換弁17のヘッド側供給用弁路17eによって、第二油圧ポンプ12からヘッド側油室8aへの供給流量が制御されるようになっている。尚、ブーム用第一、第二方向切換弁16、17が上昇側作動位置Wに位置しているときには、後述するように回生弁52は閉じるように制御される。
一方、第一スティック用方向切換弁18の再生用弁路18e、ヘッド側排出用弁路18g、スティック用第二方向切換弁19のヘッド側供給用弁路19d、ロッド側排出用弁路19e、ロッド側供給用弁路19f、ヘッド側排出用弁路19gの開口面積は、スプール変位量が大きくなるほど大きくなるように設定されている。そして、これらスプール変位に伴う各弁路18e、18g、19d、19e、19f、19gの開口面積の増減に応じて、スティックシリンダ9のロッド側油室9bからヘッド側油室9aへの再生流量、ヘッド側油室9aから油タンク15の排出流量、第二油圧ポンプ12からヘッド側油室9aへの供給流量、ロッド側油室9bから油タンク15の排出流量、第二油圧ポンプ12からロッド側油室9bへの供給流量、ヘッド側油室9aから油タンク15の排出流量がそれぞれ増減制御されるようになっている。
一方、スティック用第一、第二方向切換弁18、19がアウト側作動位置Yに位置している状態では、流量制御弁20によって、第一油圧ポンプ11からスティックシリンダ9のロッド側油室9bへの供給流量が制御され、スティック用第一方向切換弁18のヘッド側排出用弁路18gによって、スティックシリンダ9のヘッド側油室9aから油タンク15への排出流量が制御され、また、スティック用第二方向切換弁19のロッド側供給用弁路19fとヘッド側排出用弁路19gとによって、第二油圧ポンプ12からスティックシリンダ9のロッド側油室9bへの供給流量とヘッド側油室9aから油タンク15への排出流量とが制御されるようになっているとともに、前記回生弁52が開いているときには該回生弁52によって、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aからスティックシリンダ9のロッド側油室9bに供給される回生流量が制御されるようになっている。
尚、ブーム5の上昇時において、ブーム用第一方向切換弁16のヘッド側供給用弁路16eの開口面積とロッド側排出用弁路16fの開口面積との関係は、スプール変位量によって一意的に決まってしまうが、供給流量制御のみを行うブーム用第二方向切換弁17のヘッド側供給用弁路17eの開口面積を、ブーム用第一方向切換弁16からの供給流量(第一油圧ポンプ11からの供給流量)とブーム用第二方向切換弁17からの供給流量(第二油圧ポンプ12からの供給流量)との合計流量がブームシリンダ8の要求する供給流量となるように増減制御することによって、ブームシリンダ8に対する供給流量制御と排出流量制御とを独立して制御できることになる。
尚、スティックイン操作時において、スティック用第二方向切換弁19のヘッド側供給用弁路19dの開口面積とロッド側排出用弁路19eの開口面積との関係は、スプール変位量によって一意的に決まってしまうが、供給流量制御のみを行う流量制御弁20の開口面積を、流量制御弁20からの供給流量(第一油圧ポンプ11からの供給流量)とスティック用第二方向切換弁19からの供給流量(第二油圧ポンプ12からの供給流量)との合計流量がスティックシリンダ9の要求する供給流量となるように増減制御することによって、スティックシリンダ9に対する供給流量制御と排出流量制御とを独立して制御できることになる。
尚、スティックアウト操作時において、スティック用第二方向切換弁19のロッド側供給用弁路19fの開口面積とヘッド側排出用弁路19gの開口面積との関係は、スプール変位量によって一意的に決まってしまうが、供給流量制御のみを行う流量制御弁20の開口面積を、流量制御弁20からの供給流量(第一油圧ポンプ11からの供給流量)とスティック用第二方向切換弁19からの供給流量(第二油圧ポンプ12からの供給流量)との合計流量がスティックシリンダ9の要求する供給流量となるように増減制御する、あるいは、排出流量制御のみを行うスティック用第一方向切換弁18のヘッド側排出用弁路18gの開口面積を、スティック用第一方向切換弁18からの排出流量とスティック用第二方向切換弁19からの排出流量との合計流量がスティックシリンダ9に要求される排出流量となるように増減制御することによって、スティックシリンダ9に対する供給流量制御と排出流量制御とを独立して制御できることになる。
さらに、ブーム下降操作とスティックアウト操作とが複合操作された場合に、制御装置30は、複合操作されていない場合と比して、流量制御弁20により制御される第一油圧ポンプ11からスティックシリンダ9への供給流量を、回生弁52から供給される回生流量に相当する分だけ減少させるように制御するようになっており、これにより、第一油圧ポンプ11からスティックシリンダ9への供給流量を減少させることができて、低燃費化に貢献できる。この場合、回生流量が多い場合には、流量制御弁20により制御される第一油圧ポンプ11からスティックシリンダ9への供給流量をゼロとなるように制御することもでき、さらに、スティック用第二方向切換弁19により制御される第二油圧ポンプ12からスティックシリンダ9への供給流量も減少させるように制御することも可能である。
つまり、ブーム上昇操作路において、ブーム用第二スプール弁17は、第二油圧ポンプ12からブームシリンダ8のヘッド側油室8aへの供給流量のみを制御することになるから、該ブーム用第二スプール弁17による第二油圧ポンプ12からの供給流量制御を独立して制御できる。また、ブーム用第一スプール弁16は、第一油圧ポンプ11からブームシリンダ8のヘッド側油室8aへの供給流量と、ロッド側油室8bから油タンク15への排出流量とを制御するが、この場合に、排出流量制御を優先させることで、該ブーム用第一スプール弁16による排出流量制御を独立して制御できる。さらに、ブーム用第一スプール弁16による供給流量制御は独立して行えないが、ブーム用第二スプール弁17による第二油圧ポンプ12からの供給流量を増減制御することで、第一、第二の両方の油圧ポンプ11、12からの合計供給流量を独立して制御できることになる。この結果、ブーム上昇操作時においてもブームシリンダ8に対する供給流量制御と排出流量制御とを独立して制御できることになって、高効率化や操作性の向上に大きく貢献できる。
つまり、スティックイン操作時において、流量制御弁20は、第一油圧ポンプ11からスティックシリンダ9のヘッド側油室9aへの供給流量のみを制御することになるから、該流量制御弁20による第一油圧ポンプ11からの供給流量制御を独立して制御できる。また、スティック用第一方向切換弁18は、スティックシリンダ9のロッド側油室9bからヘッド側油室9aへの再生流量のみを制御するから、該スティック用第一方向切換弁18による再生流量制御を独立して制御できる。また、スティック用第二方向切換弁19は、第二油圧ポンプ12からスティックシリンダ9のヘッド側油室9aへの供給流量と、ロッド側油室9bから油タンク15への排出流量とを制御するが、この場合に、排出流量制御を優先させることで、該スティック用第二方向切換弁19による排出流量制御を独立して制御できる。さらに、スティック用第二方向切換弁19による供給流量制御は独立して行えないが、流量制御弁20による第一油圧ポンプ11からの供給流量を増減制御することで、第一、第二の両方の油圧ポンプ11、12からの合計供給流量を独立して制御できることになる。この結果、スティックイン操作時においてもスティックシリンダ9に対する供給流量制御と排出流量制御と再生流量制御とを独立して制御できることになって、高効率化や操作性の向上に大きく貢献できる。
尚、第二の実施の形態のブーム用第一方向切換弁55は、上昇側作動位置Wにおいては、第一の実施の形態のブーム用第一方向切換弁16の上昇側作動位置Wと同様に、第一油圧ポンプ11の吐出油をブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給するヘッド側供給用弁路55eを開き、かつ、ブームシリンダ8のロッド側油室8bからの排出油を油タンク15に流すロッド側排出用弁路55fを開くとともに、これらヘッド側供給用弁路55e、ロッド側排出用弁路55fの開口特性は、第一の実施の形態のブーム用第一方向切換弁16のヘッド側供給用弁路16e、ロッド側排出用弁路16fの開口特性と同様に設定されている(図7(B)参照)。
尚、第三の実施の形態のスティック用第一方向切換弁54は、アウト側作動位置Yにおいては、第一の実施の形態のスティック用第一方向切換弁18のアウト側作動位置Yと同様に、流量制御弁20から供給される第一油圧ポンプ11の吐出油、あるいは回生弁52から供給される回生油、あるいは流量制御弁20から供給される第一油圧ポンプ11の吐出油と回生弁52から供給される回生油との合流油をロッド側油室9bに供給するロッド側供給用弁路54fを開き、かつ、ヘッド側油室9aからの排出油を油タンク15に流すヘッド側排出用弁路54gを開くとともに、これらロッド側供給用弁路54f、ヘッド側排出用弁路54gの開口特性は、第一の実施の形態のスティック用第一方向切換弁18のロッド側供給用弁路18f、ヘッド側排出用弁路18gの開口特性と同様に設定されている(図9(B)参照)。
また、第一~第三の実施の形態のものでは、回生油は、ブーム下降操作とスティックアウト操作との複合操作時にブームシリンダのヘッド側油室からスティックシリンダのロッド側油室に供給される構成になっているが、ブーム下降操作とスティックイン操作との複合操作時においても、ブームシリンダのヘッド側油室からスティックシリンダのヘッド側油室に回生油を供給する構成にすることも可能である。このように構成する場合、ブーム下降操作とスティックイン操作との複合操作時に、ブーム用第一、第二方向切換弁の制御は、ブーム下降操作とスティックアウト操作との複合操作時の場合と同様とする一方、回生弁は、ブームシリンダのヘッド側油室からスティック用第一方向切換弁を経由してスティックシリンダのヘッド側油室に供給される回生流量を制御し、流量制御弁は、一方の油圧ポンプからスティック用第一方向切換弁を経由してスティックシリンダのヘッド側油室に供給される供給流量を制御し、スティック用第一方向切換弁は、スティックシリンダのロッド側油室からヘッド側油室への再生流量を制御し、スティック用第二方向切換弁は、他方の油圧ポンプからスティックシリンダのヘッド側油室への供給流量と、ロッド側油室から油タンクへの排出流量とを制御する。
また、第一~第三の実施の形態のものでは、回生弁から回生油が供給される第一スティック用方向切換弁を第一油圧ポンプに接続される構成にしたが、第一スティック用方向切換弁を第二油圧ポンプに接続する構成にすることもできる。この場合、第二スティック用方向切換弁は第一油圧ポンプに接続される一方、流量制御弁は、第二油圧ポンプから第一スティック用方向切換弁に至るスティック用供給油路に配されて、第二油圧ポンプから第一スティック用方向切換弁への供給流量を制御する。
6 スティック
8 ブームシリンダ
9 スティックシリンダ
11 第一油圧ポンプ
12 第二油圧ポンプ
15 油タンク
16 ブーム用第一方向切換弁
17 ブーム用第二方向切換弁
18 スティック用第一方向切換弁
19 スティック用第二方向切換弁
20 流量制御弁
30 制御装置
51 回生油路
52 回生弁
Claims (5)
- 機体に上下動自在に支持されるブームと、該ブームの先端側に揺動自在に支持されるスティックと、ブームを上下動させるべく伸縮作動するブームシリンダと、スティックを機体に対してイン・アウト方向に揺動させるべく伸縮作動するスティックシリンダと、前記ブームシリンダおよびスティックシリンダの油圧供給源となる第一、第二油圧ポンプとを備えてなる建設機械の油圧制御回路であって、該油圧制御回路は、
第一油圧ポンプ、油タンクおよびブームシリンダに接続され、ブームシリンダに対する油の給排方向を切換えるブーム用第一方向切換弁と、
第二油圧ポンプ、油タンクおよびブームシリンダに接続され、ブームシリンダに対する油の給排方向を切換えるブーム用第二方向切換弁と、
第一、第二油圧ポンプのうち一方の油圧ポンプ、油タンクおよびスティックシリンダに接続され、スティックシリンダに対する油の給排方向を切換えるスティック用第一方向切換弁と、
第一、第二油圧ポンプのうち他方の油圧ポンプ、油タンクおよびスティックシリンダに接続され、スティックシリンダに対する油の給排方向を切換えるスティック用第二方向切換弁と、
一方の油圧ポンプからスティック用第一方向切換弁に至るスティック用供給油路に配され、一方の油圧ポンプからスティック用第一方向切換弁への供給流量を制御する流量制御弁と、
ブームシリンダのヘッド側油室からスティック用第一方向切換弁に至る回生油路に配され、ブームシリンダのヘッド側油室からスティック用第一方向切換弁への供給流量を制御する回生弁とを備える一方、
前記スティック用第一方向切換弁は、流量制御弁からの供給流量、あるいは回生弁からの供給流量、あるいは流量制御弁および回生弁からの供給流量を増減することなくスティックシリンダに供給する構成にするとともに、
ブーム下降操作とスティックアウト操作との複合操作時に、
ブーム用第一方向切換弁は、ブームシリンダのヘッド側油室からロッド側油室への再生流量を制御し、
ブーム用第二方向切換弁は、ブームシリンダのヘッド側油室から油タンクへの排出流量を制御し、
回生弁は、ブームシリンダのヘッド側油室からスティック用第一方向切換弁を経由してスティックシリンダのロッド側油室に供給される回生流量を制御し、
流量制御弁は、一方の油圧ポンプからスティック用第一方向切換弁を経由してスティックシリンダのロッド側油室に供給される供給流量を制御し、
スティック用第一方向切換弁は、スティックシリンダのヘッド側油室から油タンクへの排出流量を制御し、
スティック用第二方向切換弁は、他方の油圧ポンプからスティックシリンダのロッド側油室への供給流量と、ヘッド側油室から油タンクへの排出流量とを制御する構成にしたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路。 - 請求項1において、スティックアウト操作と複合操作されていないブーム下降操作時に、回生弁は回生油路を閉じる一方、ブーム用第一方向切換弁は、ブームシリンダのヘッド側油室からロッド側油室への再生流量を制御し、ブーム用第二方向切換弁は、ブームシリンダのヘッド側油室から油タンクへの排出流量を制御する構成にしたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路。
- 請求項1または2において、ブーム下降操作と複合操作されていないスティックアウト操作時に、回生弁は回生油路を閉じる一方、流量制御弁は、一方の油圧ポンプからスティック用第一方向切換弁を経由してスティックシリンダのロッド側油室に供給される供給流量を制御し、スティック用第一方向切換弁は、スティックシリンダのヘッド側油室から油タンクへの排出流量を制御し、スティック用第二方向切換弁は、他方の油圧ポンプからスティックシリンダのロッド側油室への供給流量と、ヘッド側油室から油タンクへの排出流量とを制御する構成にしたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路。
- 請求項1乃至3の何れか一項において、ブーム上昇操作時に、回生弁は回生油路を閉じる一方、ブーム用第一方向切換弁は、第一油圧ポンプからブームシリンダのヘッド油室への供給流量と、ロッド側油室から油タンクへの排出流量とを制御し、ブーム用第二方向切換弁は、第二油圧ポンプからブームシリンダのヘッド側油室への供給流量を制御する構成にしたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路。
- 請求項1乃至4の何れか一項において、スティックイン操作時に、回生弁は回生油路を閉じる一方、流量制御弁は、一方の油圧ポンプからスティック用第一方向切換弁を経由してスティックシリンダのヘッド側油室に供給される供給流量を制御し、スティック用第一方向切換弁は、スティックシリンダのロッド側油室からヘッド側油室への再生流量を制御し、スティック用第二方向切換弁は、他方の油圧ポンプからスティックシリンダのヘッド側油室への供給流量と、ロッド側油室から油タンクへの排出流量とを制御する構成にしたことを特徴とする建設機械の油圧制御回路。
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JP2020043027A JP7365101B2 (ja) | 2020-03-12 | 2020-03-12 | 建設機械の油圧制御回路 |
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