JP2023050680A - 作業機械における油圧制御システム - Google Patents

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浩一 喜安
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Abstract

【課題】操作具操作量に応じて異なる動作をする二つの制御弁であっても、これら二つの制御弁にパイロット圧を出力する電磁比例弁を共用できるようにする。【解決手段】ブームシリンダ8への供給流量制御を行うブーム用方向切換弁23およびブーム用流量制御弁29の両方に、ブーム上昇側の操作具操作量に応じてパイロット圧を出力するブーム用共用電磁比例弁41を設けるとともに、ブーム用流量制御弁の供給用弁路29aが開口開始する第二設定パイロット圧を、ブーム用方向切換弁の供給用弁路23aが開口開始する第一設定パイロット圧よりも高圧に設定することで、ブーム用共用電磁比例弁からの出力パイロット圧が第二設定パイロット圧未満の場合にはブーム用方向切換弁のみが開いてブーム用流量制御弁は閉じ、第二設定パイロット圧以上の場合にはブーム用方向切換弁、ブーム用流量制御弁の両方が開く構成にした。【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ショベル等の作業機械における油圧制御システムの技術分野に関するものである。
一般に、例えば油圧ショベル等の作業機械の油圧制御システムのなかには、第一、第二油圧ポンプと、これら第一、第二の両方の油圧ポンプから圧油供給される油圧アクチュエータ(例えば、作業機械が油圧ショベルの場合、ブームを上下動せしめるブームシリンダ等)と、第一、第二油圧ポンプから油圧アクチュエータへの圧油供給流量をそれぞれ制御する第一、第二制御弁とを設けると共に、これら第一、第二制御弁を、油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて電磁比例弁から出力されるパイロット圧により作動させるように構成したものがある(例えば、特許文献1参照。)。このものにおいて、パイロット圧を出力する電磁比例弁は、第一、第二制御弁にそれぞれ対応する専用のものが用いられているが、このように電磁比例弁を各制御弁毎にそれぞれ設けると、電磁比例弁の数が増加して、電磁比例弁に制御信号を出力する制御装置のドライバ数や電力消費も増加してコスト増となるうえ、電磁比例弁の設置スペースも大きくなり、バルブレイアウトが難しくなるという問題がある。
そこで従来、第一、第二の両方の制御弁を、共通の電磁比例弁から出力されるパイロット圧で作動させるようにした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。このように第一、第二の二つの異なる制御弁に共通する電磁比例弁を用いることで、電磁比例弁の数を減少させることができる。
特開2021-28499号公報 特開2020-45950号公報
しかしながら、前記特許文献2のものでは、操作具の操作量に応じて電磁比例弁から第一、第二制御弁に出力されるパイロット圧によって、第一、第二制御弁を構成するスプールが同時に移動して、油圧アクチュエータに対する供給流量制御を行う構成になっている。このため、例えば前記特許文献1のように、油圧アクチュエータ用操作具の操作量が設定値未満の場合には、第一、第二制御弁のうち一方の制御弁を開いて他方の制御弁を閉じることで、第一、第二油圧ポンプのうち一方の油圧ポンプからのみ油圧アクチュエータに圧油供給する一方、操作具操作量が設定値以上の場合には第一、第二の両方の制御弁を開くことで、第一、第二の両方の油圧ポンプから油圧アクチュエータに圧油供給するように構成されたものでは、第一、第二制御弁が操作具操作量に対して異なる動作をすることになるため、前記特許文献2の技術をそのまま採用することはできず、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、第一、第二油圧ポンプと、第一、第二の両方の油圧ポンプを油圧供給源とする油圧アクチュエータと、第一油圧ポンプから油圧アクチュエータへの供給流量を制御する第一制御弁と、第二油圧ポンプから油圧アクチュエータへの圧油供給流量を制御する第二制御弁とを備えてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、第一、第二制御弁は、これら第一、第二制御弁に共用される共用電磁比例弁から出力されるパイロット圧により作動して油圧アクチュエータへの供給用弁路をそれぞれ開口する一方、共用電磁比例弁は、油圧アクチュエータ用操作具の操作量の増加に伴い高圧となるパイロット圧を出力する構成にすると共に、第二制御弁が供給用弁路を開口開始するパイロット圧を、第一制御弁が供給用弁路を開口開始するパイロット圧よりも高圧に設定して、共用電磁比例弁が第一制御弁開口開始パイロット圧以上かつ第二制御弁開口開始パイロット圧未満のパイロット圧を出力する油圧アクチュエータ用操作具の操作量では、第一制御弁の供給用弁路は開くが第二制御弁の供給用弁路は閉じていることで第一油圧ポンプからの供給流量のみが油圧アクチュエータに供給される一方、共用電磁比例弁が第二制御弁用開口開始パイロット圧以上のパイロット圧を出力する油圧アクチュエータ用操作具の操作量では、第一および第二制御弁の供給用弁路が開くことで第一および第二油圧ポンプからの合計流量が油圧アクチュエータに供給される構成にしたことを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項2の発明は、請求項1において、第一制御弁を、油圧アクチュエータに対する供給用弁路および排出用弁路を有すると共に給排方向を切換える方向制御弁とし、該第一制御弁のポンプポートに第一、第二油圧ポンプをそれぞれ接続するメイン側供給油路、サブ側供給油路を設けると共に、第二制御弁は、前記サブ側供給油路に配され、第二油圧ポンプから方向切換弁への供給流量を制御する流量制御弁としたことを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項3の発明は、請求項2において、第一制御弁は、共用電磁比例弁から出力されるパイロット圧に応じてスプールが移動するスプール弁であって、パイロット圧が第二制御弁用開口開始パイロット圧未満のときのスプール移動領域である第一領域においては、第一油圧ポンプからの供給圧油が第一制御弁の供給用弁路を通って油圧アクチュエータに供給される一方、パイロット圧が第二制御弁用開口開始パイロット圧以上のときのスプール移動領域である第二領域においては、第一、第二の両方の油圧ポンプからの供給圧油が第一制御弁の供給用弁路を通って油圧アクチュエータに供給されるとともに、パイロット圧が第二制御弁用開口開始パイロット圧のときのスプール移動位置を中心として予め設定される所定範囲のスプール移動領域である合流開始領域においては、パイロット圧に対する供給用弁路の開口面積の変化がフラット状となるように設定されることを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3に何れか一項において、油圧アクチュエータ用操作具の操作量が予め設定される設定値のときに共用電磁比例弁から出力されるパイロット圧を第二制御弁開口開始パイロット圧に設定する一方、共用電磁比例弁からの出力パイロット圧は、操作具操作量が設定値以上のときの操作量増加に対するパイロット圧の増加曲線が上凸状となるように設定されることを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか一項において、共用電磁比例弁は、油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて制御装置から出力される電流値に応じて増減するパイロット圧を出力すると共に、共用電磁比例弁の電流値のキャリブレーションは、第一制御弁の供給用弁路の開口開始時の電流値と第二制御弁の供給用弁路の開口開始時の電流値との二ポイントで行うことを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか一項において、油圧アクチュエータは、作業機械に設けられるブームを上下揺動させるためのブームシリンダであり、第一制御弁は、ブームシリンダに対する供給用弁路および排出用弁路を有すると共に給排方向を切換えるブーム用方向制御弁であり、該ブーム用方向切換弁のポンプポートに第一、第二油圧ポンプをそれぞれ接続するブーム用メイン側、サブ側供給油路を設ける一方、第二制御弁は、ブーム用サブ側供給油路に配され、第二油圧ポンプからブーム用方向切換弁への供給流量を制御するブーム用流量制御弁であると共に、共用電磁比例弁は、ブーム用操作具がブーム上昇側に操作された場合に、ブーム用方向切換弁およびブーム用流量制御弁に操作具操作量に応じたパイロット圧を出力し、該出力パイロット圧が第一制御弁開口開始パイロット圧以上かつ第二制御弁開口開始パイロット圧未満の場合には、ブーム用方向切換弁の供給用弁路は開くがブーム用流量制御弁の供給用弁路は閉じていることで第一油圧ポンプからの供給流量のみがブームシリンダに供給される一方、出力パイロット圧が第二制御弁用開口開始パイロット圧以上の場合には、ブーム用方向切換弁およびブーム用流量制御弁の供給用弁路が開くことで第一および第二油圧ポンプからの合計流量がブームシリンダに供給される構成であることを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
請求項1の発明とすることにより、操作具操作量に応じて異なる動作を行う第一制御弁と第二とであっても、これら第一、第二制御弁を作動させるべくパイロット圧を出力する共用電磁比例弁を共用できることになって、電磁比例弁の削減に貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、油圧アクチュエータへの圧油供給制御を、第一、第二ポンプに接続される方向切換弁と、第二油圧ポンプから方向切換弁への供給流量を制御する流量制御弁とを用いて行うように構成したものにおいても、本発明を実施できる。
請求項3の発明とすることにより、第一、第二制御弁のバラツキ等により合流開始位置が多少ずれたとしても、そのずれた分は合流開始領域に含まれることになって、合流開始位置がずれた場合の影響を低減できる。
請求項4の発明とすることにより、第一油圧ポンプからの供給圧油に第二油圧ポンプからの供給圧油が合流することにタイミングを合わせて、操作具操作量の増加に対する油圧アクチュエータへの供給流量の増加比率が大きくなって、微操作と急操作との両方の良好な操作性を確保できる。
請求項5の発明とすることにより、第一油圧ポンプからの圧油に第二油圧ポンプからの圧油を合流させる合流開始と、第二油圧ポンプからの供給流量を制御する第二制御弁の供給用弁路の開口開始とのタイミングを正確に合わせることができる。
請求項6の発明とすることにより、作業機械に設けられるブームを上下揺動させるブームシリンダに、本発明を実施できる。
油圧ショベルの側面図である。 油圧ショベルの油圧回路図である。 コントローラの入出力を示すブロック図である。 パイロット圧とブーム用方向切換弁、ブーム用流量制御弁の供給用弁路の開口面積との関係を示す図である。 (A)は操作具操作量とパイロット圧とブーム用方向切換弁、ブーム用流量制御弁の供給用弁路の開口面積との関係を示す図、(B)は操作具操作量とブーム用方向切換弁の供給用弁路の開口面積との関係を示す図である。 (A)は第一、第二キャリブレーションポイントを示す図、(B)は操作具操作量と油圧ポンプの吐出流量とブーム用共用電磁比例弁への印加電流との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の油圧制御システムが設けられた作業機械の一例である油圧ショベル1を示す図であって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2の上方に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着される作業機4等の各部から構成されており、さらに該作業機4は、基端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に前後揺動自在に支持されるスティック6、該スティック6の先端部に揺動自在に取付けられるバケット7等から構成されていると共に、油圧ショベル1には、前記ブーム5、スティック6、バケット7をそれぞれ揺動せしめるためのブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10や、下部走行体2を走行せしめるための左右の走行モータ(図示せず)、上部旋回体3を旋回せしめるための旋回モータ11(図2に図示)等の各種油圧アクチュエータが備えられている。
次いで、油圧ショベル1に設けられる油圧制御システムについて、図2に示す油圧回路図に基づいて説明する。尚、図2では、走行モータに関する部分の油圧回路については省略してある。
図2において、A、Bは可変容量型の第一、第二油圧ポンプ、Aa、Baは第一、第二油圧ポンプA、Bの容量を可変する容量可変手段、12は油タンクである。また、8、9、10、11は前記ブームシリンダ、スティックシリンダ、バケットシリンダ、旋回モータであって、本実施の形態では、ブームシリンダ8およびスティックシリンダ9は第一、第二油圧ポンプA、Bの両方の油圧ポンプを油圧供給源とし、バケットシリンダ10は第一油圧ポンプAを油圧供給源とし、旋回モータ11は第二油圧ポンプBを油圧供給源とするように構成されている。尚、本実施の形態では、ブームシリンダ8が本発明の油圧アクチュエータに相当する。
さらに、図2において、Cは第一油圧ポンプAの吐出側に接続される第一ポンプラインであって、該第一ポンプラインCからは、ブーム用メイン側供給油路14、スティック用サブ側供給油路15、バケット用供給油路16が互いにパラレルとなる状態で分岐形成されている。また、Dは第二油圧ポンプBの吐出側に接続される第二ポンプラインであって、該第二ポンプラインDからは、ブーム用サブ側供給油路17、旋回用供給油路18、スティック用メイン側供給油路19が互いにパラレルとなる状態で分岐形成されている。前記ブーム用メイン側供給油路14およびブーム用サブ側供給油路17は、後述するブーム用方向切換弁23のポンプポート23pに第一、第二油圧ポンプA、Bをそれぞれ接続する油路であり、旋回用供給油路18は、旋回用方向切換弁24のポンプポート24pに第二油圧ポンプBを接続する油路であり、スティック用サブ側供給油路15およびスティック用メイン側供給油路19は、スティック用方向切換弁25のポンプポート25pに第一、第二油圧ポンプA、Bをそれぞれ接続する油路であり、バケット用供給油路16は、バケット用方向切換弁26のポンプポート26pに第一油圧ポンプAを接続する油路である。尚、本実施の形態では、前記ブーム用メイン側供給油路14、ブーム用サブ側供給油路17は、本発明のメイン側供給油路、サブ側供給油路にそれぞれ相当する。また、スティック用メイン側供給油路19、スティック用サブ側供給油路15は、本発明のメイン側供給油路、サブ側供給油路には相当しない。
前記ブーム用サブ側供給油路17には、第二油圧ポンプBからブームシリンダ8への供給流量を制御してブーム用方向切換弁23に流すブーム用流量制御弁29が配されており、また、スティック用サブ側供給油路15には、第一油圧ポンプAからスティックシリンダ9への供給流量を制御してスティック用方向切換弁25に流すスティック用流量制御弁30が配されている。これらブーム用流量制御弁29、スティック用流量制御弁30は、コントローラ40から出力される制御信号に基づいて作動するブーム用共用電磁比例弁41、スティック流量制御用電磁比例弁42(図3に図示)によりそれぞれパイロット操作されることで供給用弁路29a、30aを開いて流量制御を行うポペット弁であって、逆流防止機能を有しており、第二油圧ポンプBからブーム用方向切換弁23、第一油圧ポンプAからスティック用方向切換弁25への油の流れは許容するが、逆流は阻止するようになっている。
ここで、前記ブーム用流量制御弁29は、図4に示す如く、ブーム用共用電磁比例弁41から出力されるパイロット圧が第二設定パイロット圧(本発明の第二制御弁開口開始パイロット圧に相当する)Pp2以上のときに供給用弁路29aが開口するように設定されていると共に、その開口面積は、パイロット圧の増加に伴い大きくなるように設定されている。そして、ブーム用流量制御弁29にパイロット圧を出力するブーム用共用電磁比例弁41は、後述するようにブーム用方向切換弁23の伸長側パイロットポート23aにもパイロット圧を出力するように構成されており、本実施の形態では、該ブーム用共用電磁比例弁41が本発明の共用電磁比例弁に相当し、また、ブーム用共用電磁比例弁41からパイロット圧が供給されるブーム用方向切換弁23、ブーム用流量制御弁29が本発明の第一制御弁または方向切換弁、第二制御弁または流量制御弁にそれぞれ相当する。尚、ブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aが開口するパイロット圧の設定は、例えばブーム用流量制御弁29の弁体を供給用弁路29a閉鎖側に付勢する弾機の付勢力を調整することで行うことができる。また、本実施の形態では、ブーム用方向切換弁23以外の方向切換弁(旋回用方向切換弁24、スティック用方向切換弁25、バケット用方向切換弁26)は本発明の方向切換弁に相当せず、スティック用流量制御弁30は本発明の流量制御弁に相当しない。
一方、前記ブーム用メイン側供給油路14、バケット用供給油路16、旋回用供給油路18、スティック用メイン側供給油路19には、前述したブーム用流量制御弁29、スティック用流量制御弁30のような流量制御弁は配設されておらず、これらブーム用メイン側供給油路14、バケット用供給油路16、旋回用供給油路18、スティック用メイン側供給油路19を経由する第一油圧ポンプAあるいは第二油圧ポンプBからの圧油は、流量制御されることなくそのままブーム用方向切換弁23、バケット用方向切換弁26、旋回用方向切換弁24、スティック用方向切換弁25に供給されるようになっている。また、これらブーム用メイン側供給油路14、バケット用供給油路16、旋回用供給油路18、スティック用メイン側供給油路19にはそれぞれチェック弁32が配設されていて、第一、第二油圧ポンプA、Bからブーム用方向切換弁23、バケット用方向切換弁26、旋回用方向切換弁24、スティック用方向切換弁25への油の流れは許容されるが、逆流は阻止されるようになっている。
しかして、前記ブーム用方向切換弁23のポンプポート23pには、ブーム用メイン側供給油路14を経由する第一油圧ポンプAからの圧油と、ブーム用サブ側供給油路17を経由する第二油圧ポンプBからの圧油とを供給できるようになっていると共に、第二油圧ポンプBからの圧油は、ブーム用サブ側供給油路17に配設のブーム用流量制御弁29によって流量制御された状態(遮断状態を含む)でブーム用方向切換弁23に供給されるようになっている。また、スティック用方向切換弁25のポンプポート25pには、スティック用メイン側供給油路19を経由する第二油圧ポンプBからの圧油と、スティック用サブ側供給油路15を経由する第一油圧ポンプAからの圧油とを供給できるようになっていると共に、第一油圧ポンプAからの圧油は、スティック用サブ側供給油路15に配設のスティック用流量制御弁30によって流量制御された状態(遮断状態を含む)でスティック用方向切換弁25に供給されるようになっている。
次に、前記ブーム用、旋回用、スティック用、バケット用の方向切換弁23~26について説明する。
まず、第一、第二油圧ポンプA、Bの何れか一方の油圧ポンプから圧油供給される旋回用、バケット用の方向切換弁24、26について説明する。旋回用方向切換弁24は、旋回モータ11に対する給排流量制御を行うと共に給排方向を切換えるクローズドセンタ型のスプール弁であって、コントローラ40から出力される制御信号に基づいてパイロット圧を出力する旋回用左旋回側、右旋回側電磁比例弁44a、44b(図3に図示)にそれぞれ接続される左旋回側、右旋回側のパイロットポート24a、24bと、旋回用供給油路18に接続されるポンプポート24pと、油タンク12に至るタンクラインTに接続されるタンクポート24tと、旋回モータ11の左旋回側ポート11aに接続される一方のアクチュエータポート24cと、旋回モータ11の右旋回側ポート11bに接続される他方のアクチュエータポート24dとを備えている。そして、旋回用方向切換弁24は、左旋回側、右旋回側の両パイロットポート24a、24bにパイロット圧が入力されていない状態では、旋回モータ11に対する給排制御を行わない中立位置Nに位置しているが、左旋回側パイロットポート24aにパイロット圧が入力されることにより左旋回側作動位置Xに切換わって、ポンプポート24pから一方のアクチュエータポート24cに至る供給用弁路24eと、他方のアクチュエータポート24dからタンクポート24tに至る排出用弁路24fとを開き、また、右旋回側パイロットポート24bにパイロット圧が入力されることにより右旋回側作動位置Yに切換わって、ポンプポート24pから他方のアクチュエータポート24dに至る供給用弁路24eと、一方のアクチュエータポート24cからタンクポート24tに至る排出用弁路24fとを開くように構成されている。そして、左旋回側作動位置Xまたは右旋回側作動位置Yに位置しているときの旋回モータ11に対する供給流量および排出流量は、供給用弁路24e、排出用弁路24fの開口面積によって制御されるようになっている。
また、バケット用方向切換弁26は、バケットシリンダ10に対する給排流量制御を行うと共に給排方向を切換えるクローズドセンタ型のスプール弁であって、コントローラ40から出力される制御信号に基づいてパイロット圧を出力するバケット用伸長側、縮小側電磁比例弁46a、46b(図3に図示)にそれぞれ接続される伸長側、縮小側のパイロットポート26a、26bと、バケット用供給油路16に接続されるポンプポート26pと、タンクラインTに接続されるタンクポート26tと、バケットシリンダ10のヘッド側ポート10aに接続される一方のアクチュエータポート26cと、バケットシリンダ10のロッド側ポート10bに接続される他方のアクチュエータポート26dとを備えている。該バケット用方向切換弁26は、前述した旋回用方向切換弁24と同様の構造のものであって、中立位置Nから伸長側作動位置X、縮小側作動位置Yに切換わることで供給用弁路26eおよび排出用弁路26fを開くように構成されており、そして、これら供給用弁路26e、排出用弁路26fの開口面積によってバケットシリンダ9に対する供給流量および排出流量が制御されるようになっている。
次いで、第一、第二油圧ポンプA、Bの両方の油圧ポンプから圧油供給されるブーム用、スティック用の方向切換弁23、25について説明する。
ブーム用方向切換弁23は、ブームシリンダ8に対する給排流量制御および再生流量制御を行うと共に給排方向を切換えるクローズドセンタ型のスプール弁であって、コントローラ40から出力される制御信号に基づいてパイロット圧を出力するブーム用共用電磁比例弁41、ブーム用縮小側電磁比例弁43にそれぞれ接続される伸長側、縮小側のパイロットポート23a、23bと、ブーム用メイン側供給油路14およびブーム用サブ側供給油路17に接続されるポンプポート23pと、タンクラインTに接続されるタンクポート23tと、ブームシリンダ8のヘッド側ポート8aに接続される一方のアクチュエータポート23cと、ブームシリンダ8のロッド側ポート8bに接続される他方のアクチュエータポート23dとを備えている。そして、ブーム用方向切換弁23は、伸長側、縮小側の両パイロットポート23a、23bにパイロット圧が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する給排制御を行わない中立位置Nに位置しているが、伸長側パイロットポート23aにパイロット圧が入力されることにより伸長側作動位置Xに切換わって、ポンプポート23pから一方のアクチュエータポート23cに至る供給用弁路23eと、他方のアクチュエータポート23dからタンクポート23tに至る排出用弁路23fとを開き、また、縮小側パイロットポート23bにパイロット圧が入力されることにより縮小側作動位置Yに切換わって、ポンプポート23pから他方のアクチュエータポート23dに至る供給用弁路23eと、一方のアクチュエータポート23cからタンクポート23tに至る排出用弁路23fとを開くと共に、一方のアクチュエータポート23cからの排出油の一部を再生油として他方のアクチュエータポート23dに供給する再生用弁路23gを開くように構成されている。そして、前記供給用弁路23e、排出用弁路23f、再生用弁路23gの開口面積は、前記ブーム用共用電磁比例弁41、ブーム用縮小側電磁比例弁43から出力されるパイロット圧によって移動するスプールの移動量に応じて増減制御されるようになっていると共に、ブームシリンダ8からの排出流量、再生流量は、排出用弁路23f、再生用弁路23gの開口面積によってそれぞれ制御されるようになっている。また、ブームシリンダ8への供給流量は、流量制御弁が設けられていないブーム用メイン側供給油路14を経由する第一油圧ポンプAからブームシリンダ8への供給流量については、ブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eの開口面積によって制御される一方、ブーム用流量制御弁29が設けられているブーム用サブ側供給油路17を経由する第二油圧ポンプBからブームシリンダ8への供給流量については、ブーム用流量制御弁29およびブーム用方向切換弁23の供給用弁路29a、23eの開口面積によって制御されるようになっている。
ここで、第二油圧ポンプBからブームシリンダ8への圧油供給は、ブーム用操作具(本発明の油圧アクチュエータ用操作具に相当する)がブーム上昇側(ブームシリンダ8伸長側)に予め設定される第二設定値L2以上操作された場合にのみ行われ、ブーム下降側の操作、あるいは操作量が第二設定値L2未満のブーム上昇側操作では第二油圧ポンプBからブームシリンダ8への供給は行われないように設定されている。
つまり、ブーム用操作具がブーム下降側(ブームシリンダ8縮小側)に操作された場合、ブーム用縮小側電磁比例弁43からブーム用方向切換弁23の縮小側パイロットポート23bにパイロット圧が出力されてブーム用方向切換弁23は縮小側作動位置Yに切換わるが、後述するようにブーム用共用電磁比例弁41からブーム用流量制御弁29にパイロット圧は出力されず、これにより縮小側作動位置Yのブーム用方向切換弁23には第一油圧ポンプAからの圧油のみが供給されて、第二油圧ポンプBからの圧油は供給されないようになっている。これは、ブーム下降時には、ブームシリンダ8のヘッド側油室から排出される高圧の油が、縮小側作動位置Yのブーム用方向切換弁23の再生用弁路23gを経由してロッド側油室に供給される構成になっているため、第二油圧ポンプBからの圧油供給を必要としないからである。そして、ブーム下降側に操作された場合、第一油圧ポンプAからブームシリンダ8への供給流量は、縮小側作動位置Yのブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eの開口面積によって制御されるようになっている。
一方、ブーム用操作具がブーム上昇側に操作された場合、前記ブーム用共用電磁比例弁41からブーム用方向切換弁23の伸長側パイロットポート23aおよびブーム用流量制御弁29にパイロット圧が出力される。この場合、ブーム用共用電磁比例弁41から出力されるパイロット圧は、図5(A)に示す如く、操作具操作量が予め設定される第一設定値L1のときには、予め設定される第一設定パイロット圧Pp1(本発明の第一制御弁開口開始パイロット圧に相当する)のパイロット圧が出力され、操作具操作量が予め設定される第二設定値L2のときには第二設定パイロット圧Pp2のパイロット圧が出力されるとともに、ブーム上昇側の操作具操作量の増加に伴いパイロット圧が増加するように制御される。前記第一設定パイロット圧Pp1は、伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eが開口開始するパイロット圧であり、第二設定パイロット圧Pp2は、前述したようにブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aが開口開始するパイロット圧であって、該第二設定パイロット圧Pp2は、第一設定パイロット圧Pp1よりも高圧に設定される。そして、第一設定パイロット圧Pp1以上で第二設定パイロット圧Pp2未満のパイロット圧が出力された場合には、図4に示す如く、伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23のスプールはスプール移動前半側の第一領域Vに位置すると共に、ブーム用流量制御弁29は供給用弁路29aが閉じたままに維持される不感帯領域に位置するようになっている。しかして、第二設定値L2未満の操作量でブーム上昇側に操作された場合には、伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eには第一油圧ポンプAからの圧油のみが供給されて、第二油圧ポンプBからの圧油は供給されないと共に、第一油圧ポンプAからブームシリンダ8への供給流量は、伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eの開口面積によって制御されるようになっている。尚、本実施の形態において、前記操作具操作量の第二設定値L2は、本発明の請求項4に記載される設定値に相当する。また、第一設定値L1は、本発明の請求項4に記載される設定値には相当しない。
これに対し、ブーム上昇側の操作具操作量が第二設定値L2以上の場合には、ブーム用共用電磁比例弁41からブーム用方向切換弁23の伸長側パイロットポート23aおよびブーム用流量制御弁29に第二設定パイロット圧Pp2以上のパイロット圧が出力される(図5(A)参照)。そして、該第二設定パイロット圧Pp2以上のパイロット圧が出力されることにより、伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23のスプールがスプール移動後半側の第二領域Wに位置すると共に、ブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aが開くようになっている(図4参照)。しかして、第二設定値L2以上の操作量でブーム上昇側に操作された場合には、伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eには第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bからの圧油が供給されると共に、第一、第二油圧ポンプA、Bからブームシリンダ8への供給流量は、伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eの開口面積およびブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aの開口面積によって制御されるようになっている。
ここで、前記伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eの開口特性について説明する。供給用弁路23eの開口面積は、図4に示すごとく、ブーム用共用電磁比例弁41からの伸長側パイロットポート23aに出力されるパイロット圧の増加に伴い大きくなるが、この場合、パイロット圧が第二設定パイロット圧Pp2のときのスプール移動位置を中心として予め設定される所定範囲のスプール移動領域である合流開始領域Zでは、パイロット圧の増加に対して開口面積が殆ど増加しないフラット状となるように設定されている。これは、前述したように、第二設定パイロット圧Pp2はブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aが開口開始するパイロット圧であって、第二設定パイロット圧Pp2未満のパイロット圧のときには供給用弁路23eには第一油圧ポンプAからの圧油のみが供給され、第二設定パイロット圧Pp2のときにブーム用流量制御弁29を経由する第二油圧ポンプBからの圧油が合流することになるが、この場合に、バラツキ等によりブーム用流量制御弁29の開口開始が第二設定パイロット圧Pp2より少し前後して合流開始位置が多少ずれた、あるいはブーム用方向切換弁23の第一領域Vから第二領域Wへの移行が多少ずれたとしても、そのずれた分は合流開始領域Zに含まれることになって、合流開始位置がずれた場合の影響を低減できる。
また、ブーム用共用電磁比例弁41から出力されるパイロット圧は、前述したように、ブーム上昇側の操作具操作量が大きくなるに伴い増加するように制御されると共に、操作具操作量が第二設定値L2のときに出力パイロット圧が第二設定パイロット圧Pp2となるように設定されるが、第二設定値L2以上のときの操作具操作量の増加に対するパイロット圧の増加曲線は、図5(A)に示す如く、上凸状となるように設定されている。これにより、図5(B)に示す如く、操作具操作量が第二設定値L2未満、つまり、ブームシリンダ8に第一油圧ポンプAからのみ圧油供給されているときに比して、操作具操作量が第二設定値L2以上、つまり、ブームシリンダ8に第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bから圧油供給されているときの、ブーム上昇側の操作具操作量の増加に対する伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eの開口面積増加比率が大きくなるように制御される。しかして、第一油圧ポンプAからの供給圧油に第二油圧ポンプBからの供給圧油が合流することにタイミングを合わせて、操作具操作量の増加に対するブームシリンダ8への供給流量の増加比率が大きくなり、これによって、ブーム5を少しだけ正確に上昇させる微操作と、ブーム5を素早く上昇させる急操作との両方の良好な操作性を確保できるようになっている。
次いで、スティック用方向切換弁25について説明すると、該スティック用方向切換弁25は、スティックシリンダ9に対する給排流量制御および再生流量制御を行うと共に給排方向を切換えるクローズドセンタ型のスプール弁であって、コントローラ40から出力される制御信号に基づいてパイロット圧を出力するスティック用伸長側、縮小側電磁比例弁45a、45b(図3に図示)に接続される伸長側、縮小側のパイロットポート25a、25bと、スティック用メイン側供給油路19およびスティック用サブ側供給油路15に接続されるポンプポート25pと、タンクラインTに接続されるタンクポート25tと、スティックシリンダ9のヘッド側ポート9aに接続される一方のアクチュエータポート25cと、スティックシリンダ9のロッド側ポート9bに接続される他方のアクチュエータポート25dとを備えている。該スティック用方向切換弁25は、前述したブーム用方向切換弁23と同様の構造のものであって、中立位置Nから伸長側作動位置X、縮小側作動位置Yに切換わることで供給用弁路25eおよび排出用弁路25fを開き、さらに、伸長側作動位置Xでは排出油の一部を再生油として用いる再生用弁路25gを開くように構成されている。そして、ブーム用方向切換弁23と同様に、スティックシリンダ9からの排出流量、再生流量は、排出用弁路25f、再生用弁路25gの開口面積によってそれぞれ制御されるようになっており、また、スティックシリンダ9への供給流量は、スティック用メイン側供給油路19を経由する第二油圧ポンプBからの供給流量については、スティック用方向切換弁25の供給用弁路25eの開口面積によって制御される一方、スティック用流量制御弁30が設けられているスティック用サブ側供給油路15を経由する第一油圧ポンプAからの供給流量については、スティック用流量制御弁30の供給用弁路30aの開口面積およびスティック用方向切換弁25の供給用弁路25eの開口面積によって制御されるようになっている。
ここで、第一油圧ポンプAからスティックシリンダ9への圧油供給は、スティック用操作具がスティックイン側(スティックシリンダ9伸長側)あるいはスティックアウト側(スティックシリンダ9縮小側)に予め設定される設定値LS(該設定値LSは、前述したブーム用操作具の操作量の第二設定値L2とは個別に設定される。また、スティックイン側とスティックアウト側とは同じ値にしても良いが、個別に設定することもできる。さらに、スティック用操作具の操作量である設定値LSは、本発明の請求項4の設定値には相当しない。)以上操作された場合のみ行われるように設定されている。
つまり、スティック用操作具が操作された場合、スティック用伸長側あるいは縮小側電磁比例弁45a、45bからスティック用方向切換弁25の伸長側あるいは縮小側パイロットポート25a、25bにパイロット圧が出力されてスティック用方向切換弁25は伸長側あるいは縮小側作動位置X、Yに切換わるが、スティック用操作具の操作量が設定値LS未満の場合にはスティック流量制御用電磁比例弁42からスティック用流量制御弁30にパイロット圧は出力されず、スティック用流量制御弁30の供給用弁路30aは閉じた状態に維持される。これによりスティック用方向切換弁25には第二油圧ポンプBからの圧油のみが供給されて、第一油圧ポンプAからの圧油は供給されないと共に、第二油圧ポンプBからスティックシリンダ9への供給流量は、スティック用方向切換弁25の供給用弁路25eの開口面積によって制御されるようになっている。
一方、スティック用操作具の操作量が設定値LS以上の場合には、スティック流量制御用電磁比例弁42からスティック用流量制御弁30にパイロット圧が出力され、これによりスティック用流量制御弁30の供給用弁路30aが開くようになっている。しかして、スティック用操作具が設定値LS以上操作された場合には、スティック用方向切換弁25に第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bからの圧油が供給されると共に、第一、第二油圧ポンプA、Bからスティックシリンダ9への供給流量は、スティック用方向切換弁25およびスティック用流量制御弁30の供給用弁路25e、30aの開口面積によって制御されるようになっている。
さらに、図2において、E、Fは第一、第二ポンプラインC、Dに接続される全ての方向切換弁23~26の上流側位置から分岐形成されてタンクラインTに至る第一、第二ブリードラインであって、これら第一、第二ブリードラインE、Fには、第一、第二ブリード弁33、34がそれぞれ配設されている。これら第一、第二ブリード弁33、34は、第一、第二ブリード用電磁比例弁47a、47b(図3に図示)から出力されるパイロット圧によりそれぞれ作動して、第一、第二油圧ポンプA、Bから第一、第二ブリードラインE、Fを経由して油タンク12に流れるブリード流量を増減制御するようになっているが、上記第一、第二ブリード用電磁比例弁47a、47bは、コントローラ40から出力される制御信号に基づいて第一、第二ブリード弁33、34への出力パイロット圧を増減制御するようになっている。
尚、図2には、前述した複数の電磁比例弁のうち、ブーム用方向切換弁23、ブーム用流量制御弁29にパイロット圧を出力するブーム用共用電磁比例弁41、ブーム用縮小側電磁比例弁43のみを図示してある。また、図2中、35はパイロット圧の油圧供給源となるパイロットポンプである。
一方、前記コントローラ40(本発明の制御装置に相当する)は、図3のブロック図に示す如く、ブーム用操作具の操作方向および操作量を検出するブーム用操作検出手段50、旋回用操作具の操作方向および操作量を検出する旋回用操作検出手段51、スティック用操作具の操作方向および操作量を検出するスティック用操作検出手段52、バケット用操作具の操作方向および操作量を検出するバケット用操作検出手段53、第一油圧ポンプAの吐出圧を検出する第一ポンプ圧力センサ54、第二油圧ポンプBの吐出圧を検出する第二ポンプ圧力センサ55、ブームシリンダ8のヘッド側、ロッド側の負荷圧をそれぞれ検出するブーム用圧力センサ56a、56b、旋回モータ11の左旋回側、右旋回側の負荷圧をそれぞれ検出する旋回用圧力センサ57a、57b、スティックシリンダ9のヘッド側、ロッド側の負荷圧をそれぞれ検出するスティック用圧力センサ58a、58b、バケットシリンダ10のヘッド側、ロッド側の負荷圧をそれぞれ検出するバケット用圧力センサ59a、59b等からの信号を入力し、これら入力信号に基づいて、前記ブーム用方向切換弁23の伸長側パイロットポート23aおよびブーム用流量制御弁29にパイロット圧を出力するブーム用共用電磁比例弁41、スティック用流量制御弁30にパイロット圧を出力するスティック流量制御用電磁比例弁42、ブーム用方向切換弁23の縮小側パイロットポート23bにパイロット圧を出力するブーム用縮小側電磁比例弁43、旋回用、スティック用、バケット用方向切換弁24~26のパイロットポート24a、24b~26a、26bにパイロット圧をそれぞれ出力する旋回用左旋回側、右旋回側電磁比例弁44a、44b、スティック用伸長側、縮小側電磁比例弁45a、45b、バケット用伸長側、縮小側電磁比例弁46a、46b、前記前記第一、第二ブリード弁33、34にパイロット圧を出力する第一、第二ブリード用電磁比例弁47a、47b、第一、第二油圧ポンプA、Bの容量可変手段Aa、Ba等に制御信号を出力して、ブームシリンダ8、旋回モータ11、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10に対する油給排制御や、第一、第二ブリードラインE、Fの流量制御、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量制御等を行うように構成されている。
ついで、前記コントローラ40の行う制御について説明する。
コントローラ40は、ブーム用、旋回用、スティック用、バケット用の各操作検出手段50~53から検出信号が入力されると、これら検出信号に基づいて、操作具操作量の増加に応じて第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量を増加させるべく目標吐出流量を求め、該目標吐出流量が得られるように第一、第二油圧ポンプA、Bの容量可変手段Aa、Baに制御信号を出力する。この場合、操作される油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、旋回モータ11、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10)の油圧供給源となる第一、第二油圧ポンプA、Bに応じて、第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量は個別制御される。
さらにコントローラ40は、ブーム用、旋回用、スティック用、バケット用の各操作検出手段50~53から検出信号が入力されると、これら検出信号に基づいて、操作具操作量の増加に応じて第一、第二油圧ポンプA、Bから油タンク12に流れるブリード流量を減少(ブリード流量ゼロを含む)させるべく、第一、第二ブリード用電磁比例弁47a、47bに制御信号を出力して第一、第二ブリード弁33、34を制御する。この場合、操作された油圧アクチュエータの油圧供給源となる第一、第二油圧ポンプA、Bに応じて、第一、第二ブリードラインE、Fのブリード流量は個別制御される。
さらにコントローラ40は、ブーム用、旋回用、スティック用、バケット用の各操作検出手段50~53から検出信号が入力されると、各操作具の操作量に応じて、ブームシリンダ8、旋回モータ11、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10に対する目標供給流量を求める。そして、該目標供給流量がブームシリンダ8、旋回モータ7、スティックシリンダ9、バケットシリンダ9に供給されるよう、対応する油圧アクチュエータ用の電磁比例弁41~43、44a、44b~46a、46bにパイロット圧出力の制御信号を出力する。この場合に、第一、第二油圧ポンプA、Bの何れか一方の油圧ポンプを油圧供給源とする旋回モータ11、バケットシリンダ10については、旋回用方向切換弁24、バケット用方向切換弁26の供給用弁路24e、26eが目標供給流量に応じた開口面積となるように、旋回用左旋回側、右旋回側電磁比例弁44a、44b、バケット用伸長側、縮小側電磁比例弁46a、46bに対して制御信号が出力される。
また、第一、第二油圧ポンプA、Bの両方の油圧ポンプを油圧供給源とするブームシリンダ8、スティックシリンダ9については、コントローラ40は、第一、第二油圧ポンプA、Bからの目標供給流量を各油圧ポンプ別にそれぞれ設定する。この場合、コントローラ40は、ブーム用操作具がブーム下降側に操作された場合、あるいはブーム用操作具のブーム上昇側、スティック用操作具の操作量が前述した第二設定値L2、設定値LS未満の場合には、ブームシリンダ8、スティックシリンダ9への目標供給流量の全流量がブーム用、スティック用メイン側供給油路14、19が接続される第一油圧ポンプAあるいは第二油圧ポンプBから供給されるように、つまり、ブームシリンダ8の場合には目標供給流量の全流量が第一油圧ポンプAから供給されて第二油圧ポンプBからは供給されず、またスティックシリンダ9の場合には目標供給流量の全流量が第二油圧ポンプBから供給されて第一油圧ポンプAからは供給されないように設定する。そして、ブーム用方向切換弁23、スティック用方向切換弁25の供給用弁路23e、25eが前記目標供給流量に応じた開口面積となるように、ブーム用共用電磁比例弁41、ブーム用縮小側電磁比例弁43、スティック用伸長側、縮小側電磁比例弁45a、45bに対して制御信号を出力する。この場合、ブーム上昇側操作に基づいてブーム用共用電磁比例弁41から出力されたパイロット圧は、ブーム用方向切換弁23だけでなくブーム用流量制御弁29にも入力されるが、操作具操作量が第二設定値L2未満のため出力パイロット圧は第二設定パイロット圧Pp2未満であり、ブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aは閉状態に維持されるようになっている。また、スティック用操作具の操作量が設定値LS未満の場合には、スティック流量制御用電磁比例弁42に制御信号は出力されず、スティック用流量制御弁30の供給用弁路30aは閉状態に維持されるようになっている。
一方、ブーム用操作具のブーム上昇側、スティック用操作具の操作量が第二設定値L2、設定値LS以上の場合には、ブーム用メイン側供給油路14に接続される第一油圧ポンプA、スティック用メイン側供給油路19に接続される第二油圧ポンプBからのみの供給流量だけでは不足する不足分を、ブーム用サブ側供給油路17に接続される第二油圧ポンプB、スティック用サブ側供給油路15に接続される第一油圧ポンプAから供給するべく、第一、第二油圧ポンプA、Bの両方の油圧ポンプに対する目標供給流量をそれぞれ設定する。そして、ブーム用方向切換弁23、スティック用方向切換弁25の供給用弁路23e、25e、およびブーム用流量制御弁29、スティック用流量制御弁30の供給用弁路29a、30aの開口面積が前記目標供給流量に応じた開口面積となるように、ブーム用共用電磁比例弁41、スティック用伸長側、縮小側電磁比例弁45a、45b、スティック流量制御用電磁比例弁42に対して制御信号が出力される。
次いで、ブーム用操作具が単独でブーム上昇側に操作された場合のコントローラ40によるポンプ吐出流量制御、ブーム用流量制御弁29およびブーム用方向切換弁23の制御、並びにこれらブーム用流量制御弁29、ブーム用方向切換弁23の作動について、具体的に説明する。
まず、ブーム用操作具が単独でブーム上昇側に操作されると、コントローラ40は、操作具操作量に基づいて第一、第二油圧ポンプA、Bの吐出流量を制御するが、この場合、操作具操作量が前記第一設定値L1から第二設定値L2までのあいだは、操作具操作量の増加に応じて第一油圧ポンプAの吐出流量を最低流量から漸次増加させて操作具操作量が第二設定値L2のときに最大流量に達するように制御する一方、第二油圧ポンプBの吐出流量は最低流量に保持する。そして、操作具操作量が第二設定値L2以上になると、第一油圧ポンプAの吐出流量を最大流量に保持する一方、第二油圧ポンプBの吐出流量を操作具操作量の増加に応じて漸次増加させる(図6(B)参照)。
さらに、コントローラ40は、ブーム上昇側に操作されると、ブーム用共用電磁比例弁41に、操作具操作量に応じたパイロット圧を出力するように制御信号を出力する。該ブーム用共用電磁比例弁41からのパイロット圧は、ブーム用方向切換弁23の伸長側パイロットポート23aおよびブーム用流量制御弁29に出力されるが、この場合、コントローラ40は、操作具操作量の増加に応じて漸次高圧となるパイロット圧を出力するようにブーム用共用電磁比例弁41を制御すると共に、操作具操作量が第一設定値L1のときに第一設定パイロット圧Pp1が出力され、第二設定値L2のときに第二設定パイロット圧Pp2が出力されるように制御する。そして、ブーム用方向切換弁23は、伸長側パイロットポート23aにパイロット圧が入力されることにより伸長側作動位置Xに切換わって供給用弁路23eを開くが、該供給用弁路23eは、操作量が第一設定値L1のときに出力される第一設定パイロット圧Pp1で開口開始し、パイロット圧の増加に応じて開口面積が増加するように制御される。一方、ブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aは、操作具操作量が第二設定値L2未満、つまりパイロット圧が第二設定パイロット圧Pp2未満の場合には閉じており、操作具操作量が第二設定値L2のときに出力される第二設定パイロット圧Pp2で開口開始するとともに、パイロット圧の増加に応じて開口面積が増加するように制御される(図5(A)参照)。
しかして、ブーム上昇側の操作具操作量が第二設定値L2未満の場合には、第一油圧ポンプAの吐出流量のみがブーム用方向切換弁23のポンプポート23pに供給されると共に、該ブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eの開口面積によってブームシリンダ8への供給流量制御が行われる。一方、操作具操作量が第二設定値L2以上になると、第一油圧ポンプAの吐出流量と、ブーム用流量制御弁29によって制御された第二油圧ポンプBの流量との合計流量がポンプポート25pに供給されると共に、ブームシリンダ8への供給流量は、ブーム用方向切換弁23およびブーム用流量制御弁29の供給用弁路23e、29aの開口面積によって制御されるようになっている。
ここで、前述したように、ブーム用共用電磁比例弁41は、ブーム用操作具のブーム上昇側操作に基づいてコントローラ40から出力される電流により作動してパイロット圧を出力し、該ブーム用共用電磁比例弁41からの出力パイロット圧によりブーム用方向切換弁23およびブーム用流量制御弁29が作動して開口することになるが、該ブーム用共用電磁比例弁41への印加電流値をキャリブレーションする場合には、まず、伸長側作動位置Xのブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eが開口開始するときのブーム用共用電磁比例弁41への印加電流値である第一電流値C1と、ブーム用流量制御弁29が開口開始するときのブーム用共用電磁比例弁41への印加電流値である第二電流値C2とを検出する。そして、ブーム用操作具のブーム上昇側操作量が前記第一、第二設定値L1、L2のときに、第一、第二電流値C1、C2がそれぞれブーム用共用電磁比例弁41に印加されるように、ブーム上昇側操作具操作量に対するブーム用共用電磁比例弁41への印加電流値をキャリブレーションする。そして、このように、ブーム用共用電磁比例弁41への印加電流値を、ブーム用方向切換弁供給用弁路23eの開口開始時の第一電流値C1と、ブーム用方向切換弁23が開口開始時の第二電流値C2との2ポイントをキャリブレーションポイントCP1、CP2としてキャリブレーションすることにより、第一油圧ポンプAの吐出流量に第二油圧ポンプBの吐出流量を合流させる合流開始と、第二油圧ポンプBからの供給流量を制御するブーム用流量制御弁29の開口開始とのタイミングを正確に合わせることができる。また、第二油圧ポンプBを油圧供給源とする他の油圧アクチュエータ(本実施の形態では、例えば旋回モータ11)がブーム上昇側操作と同時操作されたときに、ブーム用流量制御弁29を閉じて第二油圧ポンプBの吐出流量を他の油圧アクチュエータに優先的に供給する制御を行いたいような場合に、ブーム用共用電磁比例弁41への印加電流値を第二電流値C2まで低下させることで、ブームシリンダ8に第一油圧ポンプAのみから圧油供給する構成にすることもできるが、このような制御を精度良く行うことができる。
叙述の如く構成された本形態において、油圧ショベル1の油圧制御システムには、第一、第二油圧ポンプA、Bと、これら第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bを油圧供給源とするブームシリンダ8と、ブームシリンダ8に対する供給用弁路23eおよび排出用弁路23fを有すると共に給排方向を切換えるブーム用方向制御弁23と、該ブーム用方向切換弁23のポンプポート23pに第一、第二油圧ポンプA、Bをそれぞれ接続するブーム用メイン側供給油路14、ブーム用サブ側供給油路17と、ブーム用サブ側供給油路17に配され、第二油圧ポンプBからブーム用方向切換弁23への供給流量を制御するブーム用流量制御弁29とが設けられており、そして、第一油圧ポンプAからブームシリンダ8の供給流量はブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eの開口面積によって制御される一方、第二油圧ポンプBからブームシリンダ8の供給流量はブーム用方向切換弁23およびブーム用流量制御弁29の供給用弁路23e、29aの開口面積によって制御されることになる。そして、これらブーム用方向切換弁23、ブーム用流量制御弁29は、ブーム用操作具がブーム上昇側に操作された場合に、ブーム用方向切換弁23、ブーム用流量制御弁29に共用されるブーム用共用電磁比例弁41からの出力パイロット圧により作動してブームシリンダ8への供給用弁路23e、29aをそれぞれ開口するが、この場合に、ブーム用共用電磁比例弁41は、ブーム用操作具のブーム上昇側操作量の増加に伴い高圧となるパイロット圧を出力すると共に、ブーム用流量制御弁29が供給用弁路29aを開口開始する第二設定パイロット圧Pp2は、ブーム用方向切換弁23が供給用弁路23eを開口開始する第一設定パイロット圧Pp1よりも高圧に設定されている。しかして、ブーム用共用電磁比例弁41が第一設定パイロット圧Pp1以上かつ第二設定パイロット圧Pp2未満のパイロット圧を出力する操作具操作量では、ブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eは開くがブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aは閉じていることで第一油圧ポンプAからの圧油のみがブームシリンダ8に供給される一方、ブーム用共用電磁比例弁41が第二設定パイロット圧Pp2以上のパイロット圧を出力する操作具操作量では、ブーム用方向切換弁23およびブーム用流量制御弁29の供給用弁路23e、29aが開くことで第一および第二油圧ポンプA、Bからの合計流量がブームシリンダ8に供給されることになる。
このように、本実施にあっては、ブーム用操作具がブーム上昇側に操作された場合に、ブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eとブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aとの開口開始を操作具操作量によって異ならしめることで、操作具操作量に応じてブームシリンダ8に第一油圧ポンプAのみから圧油供給したり第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bから圧油供給したりできるものであるが、この場合に、ブーム用方向切換弁23、ブーム用流量制御弁29を作動させるべくパイロット圧を出力する電磁比例弁としては、これらブーム用方向切換弁23およびブーム用流量制御弁29に共用されるブーム用共用電磁比例弁41が用いられている。そして、このようにブーム用方向切換弁23とブーム用流量制御弁29とでブーム用共用電磁比例弁41を共用しても、ブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aが開口開始する第二設定パイロット圧Pp2が、ブーム用方向切換弁23の供給用弁路23aが開口開始する第一設定パイロット圧Pp1よりも高圧に設定されていることで、ブーム用方向切換弁23とブーム用流量制御弁29の開口開始を操作具操作量によって異ならしめることができることになる。
この結果、ブーム上昇側の操作具操作量に応じて異なる動作を行うブーム用方向切換弁23とブーム用流量制御弁29とであっても、これらブーム用方向切換弁23、ブーム用流量制御弁29を作動させるべくパイロット圧を出力するブーム用共用電磁比例弁41を共用できることになり、しかして、パイロット圧出力用の電磁比例弁の数を削減できて、ブーム用共用電磁比例弁41に制御信号を出力するコントローラ40のドライバ数や電力消費も減少できるうえ、電磁比例弁用設置スペースも小さくできる。
さらに、前記ブーム用方向切換弁23は、ブーム用共用電磁比例弁41から出力されるパイロット圧に応じてスプールが移動するスプール弁であって、パイロット圧が第二設定パイロット圧Pp2未満のときのスプール移動領域である第一領域Vにおいては、第一油圧ポンプAからの供給圧油がブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eを通ってブームシリンダ8に供給される一方、パイロット圧が第二設定パイロット圧Pp2以上のときのスプール移動領域である第二領域Wにおいては、第一、第二の両方の油圧ポンプA、Bからの供給圧油がブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eを通ってブームシリンダ8に供給されることになるが、パイロット圧が第二設定パイロット圧Pp2のときのスプール移動位置を中心として予め設定される所定範囲のスプール移動領域である合流開始領域Zにおいては、パイロット圧に対する供給用弁路23eの開口面積の変化がフラット状となるように設定されている。これにより、バラツキ等によりブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aの開口開始が第二設定パイロット圧Pp2より少し前後して第一油圧ポンプAからの圧油に第二油圧ポンプBからの圧油が合流する合流開始位置が多少ずれた、あるいはブーム用方向切換弁23の第一領域Vから第二領域Wへの移行が多少ずれたとしても、そのずれた分は合流開始領域Zに含まれることになって、合流開始位置がずれた場合の影響を低減できる。
また、このものでは、ブーム用操作具のブーム上昇側の操作量が予め設定される第二設定値L2のときにブーム用共用電磁比例弁41から出力されるパイロット圧が第二設定パイロット圧Pp2となるように設定される一方、ブーム用共用電磁比例弁41からの出力パイロット圧は、操作具操作量が第二設定値L2以上のときの操作量増加に対するパイロット圧の増加曲線が上凸状となるように設定されている。これにより、第一油圧ポンプAからの供給圧油に第二油圧ポンプBからの供給圧油が合流することにタイミングを合わせて、操作具操作量の増加に対するブームシリンダ8への供給流量の増加比率が大きくなって、ブーム5を少しだけ正確に上昇させる微操作と、ブーム5を素早く上昇させる急操作との両方の良好な操作性を確保できる。
さらに、前記ブーム用共用電磁比例弁41は、ブーム用操作具のブーム上昇側操作に基づいてコントローラ40から出力される電流値に応じて増減するパイロット圧を出力するが、該ブーム用共用電磁比例弁41の電流値のキャリブレーションを行う場合には、ブーム用方向切換弁23の供給用弁路23eの開口開始時の電流値とブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aの開口開始時の電流値との二ポイントでキャリブレーションすることで、第一油圧ポンプAからの圧油に第二油圧ポンプBからの圧油を合流させる合流開始と、第二油圧ポンプBからの供給流量を制御するブーム用流量制御弁29の供給用弁路29aの開口開始とのタイミングを正確に合わせることができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、第一、第二の両方の油圧ポンプから圧油供給される油圧アクチュエータを備えた各種作業機械の油圧制御システムに本発明を実施できる。
さらに、本実施の形態では、第一制御弁を、油圧アクチュエータに対する供給用弁路および排出用弁路を有すると共に給排方向を切換える方向制御弁とし、該第一制御弁のポンプポートに第一、第二油圧ポンプをそれぞれ接続するメイン側供給油路、サブ側供給油路を設けると共に、第二制御弁は、前記サブ側供給油路に配され、第二油圧ポンプから方向切換弁への供給流量を制御する流量制御弁としたが、これに限定されることなく、例えば、第一、第二制御弁を、第一、第二油圧ポンプにそれぞれ接続される二つの方向切換弁で構成したものであっても、本発明を実施できる。
本発明は、第一、第二の両方の油圧ポンプから圧油供給される油圧アクチュエータを備えた作業機械の油圧制御システムに利用することができる。
1 油圧ショベル
5 ブーム
8 ブームシリンダ
14 ブーム用メイン側供給油路
17 ブーム用サブ側供給油路
23 ブーム用方向切換弁
29 ブーム用流量制御弁
40 コントローラ
41 ブーム用共用電磁比例弁
A 第一油圧ポンプ
B 第二油圧ポンプ
L2 第二設定値
Pp1 第一設定パイロット圧
Pp2 第二設定パイロット圧

Claims (6)

  1. 第一、第二油圧ポンプと、第一、第二の両方の油圧ポンプを油圧供給源とする油圧アクチュエータと、第一油圧ポンプから油圧アクチュエータへの供給流量を制御する第一制御弁と、第二油圧ポンプから油圧アクチュエータへの圧油供給流量を制御する第二制御弁とを備えてなる作業機械の油圧制御システムにおいて、
    第一、第二制御弁は、これら第一、第二制御弁に共用される共用電磁比例弁から出力されるパイロット圧により作動して油圧アクチュエータへの供給用弁路をそれぞれ開口する一方、共用電磁比例弁は、油圧アクチュエータ用操作具の操作量の増加に伴い高圧となるパイロット圧を出力する構成にすると共に、
    第二制御弁が供給用弁路を開口開始するパイロット圧を、第一制御弁が供給用弁路を開口開始するパイロット圧よりも高圧に設定して、共用電磁比例弁が第一制御弁開口開始パイロット圧以上かつ第二制御弁開口開始パイロット圧未満のパイロット圧を出力する油圧アクチュエータ用操作具の操作量では、第一制御弁の供給用弁路は開くが第二制御弁の供給用弁路は閉じていることで第一油圧ポンプからの供給流量のみが油圧アクチュエータに供給される一方、共用電磁比例弁が第二制御弁用開口開始パイロット圧以上のパイロット圧を出力する油圧アクチュエータ用操作具の操作量では、第一および第二制御弁の供給用弁路が開くことで第一および第二油圧ポンプからの合計流量が油圧アクチュエータに供給される構成にしたことを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
  2. 請求項1において、第一制御弁を、油圧アクチュエータに対する供給用弁路および排出用弁路を有すると共に給排方向を切換える方向制御弁とし、該第一制御弁のポンプポートに第一、第二油圧ポンプをそれぞれ接続するメイン側供給油路、サブ側供給油路を設けると共に、第二制御弁は、前記サブ側供給油路に配され、第二油圧ポンプから方向切換弁への供給流量を制御する流量制御弁としたことを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
  3. 請求項2において、第一制御弁は、共用電磁比例弁から出力されるパイロット圧に応じてスプールが移動するスプール弁であって、パイロット圧が第二制御弁用開口開始パイロット圧未満のときのスプール移動領域である第一領域においては、第一油圧ポンプからの供給圧油が第一制御弁の供給用弁路を通って油圧アクチュエータに供給される一方、パイロット圧が第二制御弁用開口開始パイロット圧以上のときのスプール移動領域である第二領域においては、第一、第二の両方の油圧ポンプからの供給圧油が第一制御弁の供給用弁路を通って油圧アクチュエータに供給されるとともに、パイロット圧が第二制御弁用開口開始パイロット圧のときのスプール移動位置を中心として予め設定される所定範囲のスプール移動領域である合流開始領域においては、パイロット圧に対する供給用弁路の開口面積の変化がフラット状となるように設定されることを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
  4. 請求項1乃至3に何れか一項において、油圧アクチュエータ用操作具の操作量が予め設定される設定値のときに共用電磁比例弁から出力されるパイロット圧を第二制御弁開口開始パイロット圧に設定する一方、共用電磁比例弁からの出力パイロット圧は、操作具操作量が設定値以上のときの操作量増加に対するパイロット圧の増加曲線が上凸状となるように設定されることを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項において、共用電磁比例弁は、油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて制御装置から出力される電流値に応じて増減するパイロット圧を出力すると共に、共用電磁比例弁の電流値のキャリブレーションは、第一制御弁の供給用弁路の開口開始時の電流値と第二制御弁の供給用弁路の開口開始時の電流値との二ポイントで行うことを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項において、油圧アクチュエータは、作業機械に設けられるブームを上下揺動させるためのブームシリンダであり、第一制御弁は、ブームシリンダに対する供給用弁路および排出用弁路を有すると共に給排方向を切換えるブーム用方向制御弁であり、該ブーム用方向切換弁のポンプポートに第一、第二油圧ポンプをそれぞれ接続するブーム用メイン側、サブ側供給油路を設ける一方、第二制御弁は、ブーム用サブ側供給油路に配され、第二油圧ポンプからブーム用方向切換弁への供給流量を制御するブーム用流量制御弁であると共に、共用電磁比例弁は、ブーム用操作具がブーム上昇側に操作された場合に、ブーム用方向切換弁およびブーム用流量制御弁に操作具操作量に応じたパイロット圧を出力し、該出力パイロット圧が第一制御弁開口開始パイロット圧以上かつ第二制御弁開口開始パイロット圧未満の場合には、ブーム用方向切換弁の供給用弁路は開くがブーム用流量制御弁の供給用弁路は閉じていることで第一油圧ポンプからの供給流量のみがブームシリンダに供給される一方、出力パイロット圧が第二制御弁用開口開始パイロット圧以上の場合には、ブーム用方向切換弁およびブーム用流量制御弁の供給用弁路が開くことで第一および第二油圧ポンプからの合計流量がブームシリンダに供給される構成であることを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
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