JP7351526B2 - 基油拡散防止剤及びそれを含有するグリース - Google Patents
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[化1]
R1(OCFR2CF2)n1(OCFR3)n2-Z-Y
(式中、R1は炭素数1~5のパーフルオロアルキル基であり、R2及びR3はフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、n1は0~4の整数であり、n2は1以上の整数であり、n1+n2は1~10の整数である。ZはC(O)又はCH2OCH2CH(OH)CH2であり、Yは含窒素複素環を含む基である。なお、(OCFR2CF2)と(OCFR3)の出現順序は無作為である。)
[化2]
R1(OCF2CF2)n1(OCF2)n2-
[化3]
C3F7-OCF(CF3)CF2-OCF(CF3)-
また、化2は以下の化4、化5又は化6であるのが、より好ましい。
[化4]
CF3-(OCF2CF2)2-OCF2-
[化5]
C4F3-(OCF2CF2)2-OCF2-
[化6]
CF3-(OCF2)4-
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化18の化合物10.00gと、4-アミノ-1-メチルピペリジン2.52gを入れ、60℃で3時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、室温まで冷却した反応液を1 ,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンに溶解し、不溶物をろ紙でろ過を行ったのち、溶剤を留去し、化7で表される化合物を含む基油拡散防止剤Aを得た。
なお、化18は、CF3OCF2CF2OCF2CF2OCF2CH2OH(Exflour社製)とエピクロロヒドリンを用いて、常法により合成した。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化18の化合物10.00gとピペラジン1.90gを入れ、120℃で6時間反応させた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行うことにより、化8で表される化合物を含む基油拡散防止剤Bを得た。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化18の化合物10.00gと3-アミノ1,2,4-トリアゾール0.92gを入れ、130℃で6時間反応させた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行うことにより、化9で表される化合物を含む基油拡散防止剤Cを得た。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化18の化合物10.00gとコハク酸イミド2.19gを入れ、130℃で6時間反応させた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行うことにより、化10で表される化合物を含む基油拡散防止剤Dを得た。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化18の化合物10.00gと3-アミノピロリジン1.90gを入れ、60℃で3時間反応させた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行うことにより、化11で表される化合物を含む基油拡散防止剤Eを得た。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化19の化合物5.00g と3-アミノ-1,2,4-トリアゾール0.39gを入れ、130℃で6時間反応させた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行うことにより、化12で表される化合物を含む基油拡散防止剤Fを得た。
なお、化19は、CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2OH(ユニマテック社製)とエピクロロヒドリンを用いて、常法により合成した。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化19の化合物10.00g とイミダゾール1.26gを入れ、110℃で6時間反応させた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行うことにより、化13で表される化合物を含む基油拡散防止剤Gを得た。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化19の化合物5.00g と3-アミノピロリジン0.80gを入れ、60℃で3時間反応させた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行うことにより、化14で表される化合物を含む基油拡散防止剤Hを得た。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化20の化合物3.54g と3-アミノピロリジン0.80g及びメタノール10gを入れ、40℃で6時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却した反応液を精製水及び飽和食塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥し、溶剤を溜去することにより、化15で表される化合物を含む基油拡散防止剤Iを得た。
なお、化20の化合物は、Exflour社から購入したものをそのまま使用した。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化20の化合物10.00g とN-(2-アミノエチル) ピペラジン2.25g及びメタノール30gを入れ、40℃で6時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却した反応液を精製水及び飽和食塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥し、溶剤を溜去することにより、化16で表される化合物を含む基油拡散防止剤Jを得た。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化21の化合物2.22g と3-アミノピロリジン0.80g及びメタノール10gを入れ、40℃で6時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却した反応液を精製水及び飽和食塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥し、溶剤を溜去することにより、化17で表される化合物を含む基油拡散防止剤Kを得た。
なお、化21は、ANLES社から購入したCF3OCF2OCF2OCF2OCF2CO2Hとメタノールから、常法により合成した。
[化21]
CF3OCF2OCF2OCF2OCF2CO2CH3
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化18の化合物10.00g とトリエチレンテトラミン1.61g及び1,3-ビス(トリフルオロメチル) ベンゼン10gを入れ60℃で4時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、室温まで冷却した反応液を精製水及び飽和食塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥し、溶剤を留去することにより、化22で表される化合物を含む基油拡散防止剤Lを得た。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに、化23の化合物10.87gと3-アミノ-1,2,4-トリアゾール1.09gを入れ、120℃で4 時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、実施例1と同様の後処理を行うことにより、化24で表される化合物を含む基油拡散防止剤Mを得た。
攪拌装置を備えたガラスフラスコに化25の化合物5.00gとN,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン1.73g及び1,3-ビス(トリフルオロメチル) ベンゼン10gを入れ、60℃で4 時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、比較例1と同様の後処理を行うことにより、化26で表される化合物を含む基油拡散防止剤Nを得た。
化18の化合物を、基油拡散防止剤Oとした。
化19の化合物を、基油拡散防止剤Pとした。
化20の化合物を、基油拡散防止剤Qとした。
化21の化合物を、基油拡散防止剤Rとした。
実施例1~11で得られた基油拡散防止剤A~K及び比較例1~5で得られた基油拡散防止剤L~Rの各々を、モリコート HP-300グリース(東レ・ダウコーニング社製;フッ素油を基油とするグリース)に3重量%添加し、均一に攪拌して18種類のグリースを得た。得られた18種類の各グリースを、図1に示す如く、直径6mm、高さ1mmの円筒状になるようにポリエステルフィルム(ソマール社製;グレード「ソマブラックフィルムR」タイプ「100MD」)に塗布した。なお、モリコート HP-300グリースに、基油拡散防止剤を添加することなく、そのまま塗布したものを比較例8とした。
グリースを塗布した後、80℃の恒温器に入れ促進試験を行い、24時間後の基油の拡散状態を評価した。この評価は、図1に示すように、基油が滲み出し拡散した直径Ammを測定し、Amm-6mm=拡散幅(mm)を計算した。この結果を、表1に示した。拡散幅(mm)の値が小さいほど、基油拡散防止性能に優れる。
━━━━━━━━━━━━━━━━
拡散幅(mm)
━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例1 2mm
実施例2 0mm
実施例3 0mm
実施例4 0mm
実施例5 0mm
実施例6 6mm
実施例7 8mm
実施例8 6mm
実施例9 2mm
実施例10 2mm
実施例11 2mm
比較例1 34mm
比較例2 28mm
比較例3 33mm
比較例4 27mm
比較例5 22mm
比較例6 25mm
比較例7 30mm
比較例8 36mm
━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例4及び5で得られた基油拡散防止剤D及びEの各々を、モリコート HP-300グリースに1重量%添加し、均一に攪拌して2種類のグリースを得た。得られた2種類の各グリースにつき、基油拡散防止性能の評価(その1)と同一の方法で基油の拡散状態を評価した。その結果、実施例4の基油拡散防止剤Dを添加したグリースは拡散幅が2mmであり、実施例5の基油拡散防止剤Eを添加したグリースは拡散幅が2mmであり、いずれも基油の拡散が顕著に防止されていることが分かる。
実施例2~5で得られた基油拡散防止剤B~Eの各々を、バリエルタ IEL/Vグリース(ユニマテック社製;フッ素油を基油とするグリース)に3重量%添加し、均一に攪拌して4種類のグリースを得た。得られた4種類の各グリースにつき、基油拡散防止性能の評価(その1)と同一の方法で基油の拡散状態を評価した。なお、バリエルタ IEL/Vグリースに、基油拡散防止剤を添加することなく、そのまま塗布したものを比較例9とした。その結果、実施例2の基油拡散防止剤Bを添加したグリースは拡散幅が2mmであり、実施例3の基油拡散防止剤Cを添加したグリースは拡散幅が0mmであり、実施例4の基油拡散防止剤Dを添加したグリースは拡散幅が0mmであり、実施例5の基油拡散防止剤Eを添加したグリースは拡散幅が0mmであった。なお、比較例9のグリースの拡散幅は38mmであった。したがって、実施例2~5で得られた基油拡散防止剤B~Eを添加すると、いずれも基油の拡散が顕著に防止されていることが分かる。
Claims (6)
- フッ素油よりなる基油の拡散防止剤であって、化1で表されるフッ素含有化合物を含む基油拡散防止剤。
[化1]
R1(OCFR2CF2)n1(OCFR3)n2-Z-Y
(式中、R1は炭素数1~5のパーフルオロアルキル基であり、R2及びR3はフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、n1は0~4の整数であり、n2は1以上の整数であり、n1+n2は1~10の整数である。ZはC(O)又はCH2OCH2CH(OH)CH2であり、Yは含窒素複素環を含む基である。なお、(OCFR2CF2)と(OCFR3)の出現順序は無作為である。) - Yが、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びインドールよりなる群から選ばれた含窒素複素環化合物の誘導体である請求項1記載の基油拡散防止剤。
- 化1中のR2がフッ素原子である請求項1又は2記載の基油拡散防止剤。
- 化1中のR2がトリフルオロメチル基である請求項1又は2記載の基油拡散防止剤。
- フッ素油よりなる基油、増ちょう剤及び請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基油拡散防止剤を含有するグリース。
- 増ちょう剤がフッ素樹脂である請求項5記載のグリース。
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