JP7345252B2 - 遮光膜用感光性樹脂組成物及びその硬化物、並びに当該硬化物を用いたカラーフィルター及びタッチパネルの製造方法 - Google Patents
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Description
ところで、樹脂ブラックマトリックス用遮光材(黒色色材)としては、一般にカーボンブラックが知られているが、カーボンブラックは電気抵抗が比較的低いため、表示装置の誤作動を引き起こす原因となる場合がある。特に広い視野角が得られるインプレーンスイッチング(IPS)方式の液晶表示装置においては、液晶層面内方向に電界を加えるため、ブラックマトリックスの抵抗値が低いと電界が正常に印加されず、液晶配向に乱れが生じて表示ムラの原因となる。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(A)1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、更に多価カルボン酸又はその酸無水物を反応させて得られる重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、
(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、
(C)フルオレン環の9位に重合性基を有するフルオレン系化合物を含有する光重合開始剤、及び
(D)黒色有機顔料、混色有機顔料及び無機顔料からなる群から選ばれた1以上の遮光成分
を必須成分として含む遮光膜用感光性樹脂組成物において、
(A)成分と(B)成分との重量割合(A)/(B)が、50/50~90/10であり、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して(C)成分を2~30質量部含有し、且つ、組成物の全固形分に対して(D)成分を20~80質量%含有することを特徴とする遮光膜用感光性樹脂組成物。
〔2〕前記〔1〕に記載の遮光膜用感光性樹脂組成物において、(C)成分が下記一般式(I)で表される化合物を含有する光重合開始剤であることを特徴とする遮光膜用感光性樹脂組成物。
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕に記載の遮光膜用感光性樹脂組成物において、(D)成分が、光学濃度が4/μmとなるように製膜した膜の表面抵抗率を1×108Ω/□以上とする絶縁性遮光成分であることを特徴とする遮光膜用感光性樹脂組成物。
〔4〕(A)成分が下記一般式(II)で表される化合物と(メタ)アクリル酸との反応物に、更に多価カルボン酸又はその無水物と反応させて得られる重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂であることを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の遮光膜用感光性樹脂組成物。
〔5〕(C)成分が、下記式(III)で表される化合物を含有する光重合開始剤であることを特徴とする〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の遮光膜用感光性樹脂組成物。
〔7〕前記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の遮光膜用感光性樹脂組成物を硬化させて形成したことを特徴とする塗膜。
〔8〕前記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の遮光膜用感光性樹脂組成物により作製された遮光膜を透明基板上に備えてなるカラーフィルターの製造方法であって、当該遮光膜用感光性樹脂組成物を透明基板上に塗布、プリベークした後、紫外線露光装置による露光、アルカリ水溶液による現像、及びポストベークして遮光膜を作製することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
〔9〕前記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の遮光膜用感光性樹脂組成物により作製された遮光膜を透明基板上に備えてなるタッチパネルの製造方法であって、当該遮光膜用感光性樹脂組成物を透明基板上に塗布、プリベークした後、紫外線露光装置による露光、アルカリ水溶液による現像、及びポストベークして遮光膜を作製することを特徴とするタッチパネルの製造方法。
(A)成分の重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂としては、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、更に多価カルボン酸又はその酸無水物を反応させて得られる重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂であれば特に制限なく用いることができ、好ましくは、ビスフェノール類から誘導される2個のグリシジルエーテル基を有する以下の一般式(II)のエポキシ化合物に、(メタ)アクリル酸(これは「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」の意味である)を反応させ、得られたヒドロキシ基を有する化合物に多価カルボン酸又はその無水物を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物であることがよい。ビスフェノール類から誘導されるエポキシ化合物とは、ビスフェノール類とエピハロヒドリンを反応させて得られるエポキシ化合物又はこれと同等物を意味する。(A)成分は、重合性不飽和二重結合とカルボキシル基とを併せ持つため、感光性樹脂組成物に優れた光硬化性、良現像性、パターニング特性を与え遮光膜の物性向上をもたらす。
また、それ自体では光重合開始剤や増感剤として作用しないが、組み合わせて用いることにより、光重合開始剤や増感剤の能力を増大させ得るような化合物を添加することもできる。そのような組み合わせに用いる化合物としては、例えば、ベンゾフェノンと組み合わせて使用すると効果のあるトリエタノールアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンを挙げることができる。
このうち、遮光膜に高抵抗特性を具備させるために、好ましくは、光学濃度が4/μmとなるように製膜した膜の表面抵抗率(例えば、印可電圧10V時の表面抵抗率)を1×108Ω/□以上とするような絶縁性の高い遮光成分を用いることがよく、その代表的な例が絶縁性の表面処理を施したカーボンブラックである。表面処理カーボンブラックの例としては、特表H10-510861号公報に示されたジアゾニウム塩と反応させて置換アリール基等を表面に結合させたカーボンブラック、特開2001-207079号公報に示された表面に樹脂を被覆したカーボンブラック、再公表WO2013/129554公報に示された表面が染料で被覆されたカーボンブラックを例示することができるが、高抵抗化処理されたカーボンブラックで光学濃度が4/μmとなるように製膜した膜の表面抵抗率を1×108Ω/□以上とするものであれば、特に制限なく用いることができる。なお、光学濃度が4/μmとなるように製膜した膜の表面抵抗率は、1×1010Ω/□以上であることがより好ましく、1×1012Ω/□以上であることが特に好ましい。
合成例中で得られた樹脂溶液1gをガラスフィルター〔重量:W0(g)〕に含浸させて秤量し〔W1(g)〕、160℃にて2hr加熱した後の重量〔W2(g)〕から次式より求めた。
固形分濃度(重量%)=100×(W2-W0)/(W1-W0)
樹脂溶液をジオキサンに溶解させ、電位差滴定装置〔平沼製作所(株)製 商品名COM-1600〕を用いて1/10N-KOH水溶液で滴定して求めた。
ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)[東ソー(株)製商品名HLC-8220GPC、溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:TSKgelSuperH-2000(2本)+TSKgelSuperH-3000(1本)+TSKgelSuperH-4000(1本)+TSKgelSuper-H5000(1本)〔東ソー(株)製〕、温度:40℃、速度:0.6ml/min]にて測定し、標準ポリスチレン〔東ソー(株)製PS-オリゴマーキット〕換算値として重量平均分子量(Mw)を求めた。
BPFE:9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンとクロロメチルオキシランとの反応物。一般式(II)の化合物において、Xがフルオレン-9,9-ジイル基、R6及びR7が水素の化合物。
BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
THPA:1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物
TPP:トリフェニルホスフィン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
還留冷却器付き500ml四つ口フラスコ中に、BPFE 78.63g(0.17mol)、アクリル酸24.50g(0.34mol)、TPP 0.45g、及びPGMEA 114gを仕込み、100~105℃の加熱下で12hr撹拌し、反応生成物を得た。
次いで、得られた反応生成物にBPDA 25.01g(0.085mol)及びTHPA 12.93g(0.085mol)を仕込み、120~125℃の加熱下で6hr撹拌し、重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂溶液(A)-1を得た。得られた樹脂溶液の固形分濃度は55.8wt%であり、酸価(固形分換算)は103mgKOH/gであり、GPC分析によるMwは2600であった。
窒素導入管及び還流管付き1000ml四つ口フラスコ中にメタクリル酸51.65g(0.60mol)、メタクリル酸メチル38.44g(0.38mol)、メタクリル酸シクロヘキシル36.33g(0.22mol)、AIBN5.91g、及びDMDG368gを仕込み、80~85℃で窒素気流下、8hr撹拌して重合させた。更に、フラスコ内にメタクリル酸グリシジル39.23g(0.28mol)、TPP1.44g、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール0.055gを仕込み、80~85℃で16hr撹拌し、重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂溶液(A)-2を得た。得られた重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂の固形分濃度は32質量%、酸価(固形分換算)は110mgKOH/g、GPC分析によるMwは18080であった。
(C)成分として、前記の式(III)で表される化合物の合成例を示す。
反応容器に、テトラヒドロフラン(THF)250質量部、および、カリウムtert-ブトキシド(KTB)42.2質量部を仕込み、フルオレン25.0質量部を添加した。次いで、反応容器に、3-ブロモ-1-プロペン40.0質量部を滴下した。この液を40℃に加熱し、3時間攪拌した。次いで、この液を室温まで冷却し、酢酸エチル、および、水を注入して、油層を分離し、水洗を2回繰り返した。次いで、油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、無水硫酸マグネシウムを濾別し、この濾過液を濃縮して、9,9-ジ(2-プロペニル)-フルオレン37.0質量部を得た。
得られた9,9-ジ(2-プロペニル)-フルオレン36.3質量部と、塩化メチレン370質量部と、塩化アルミニウム29.5質量部とを反応容器に仕込み、攪拌した。この液を10℃に冷却し、o-トルオイルクロライド22.8質量部を滴下し、さらに4時間攪拌した。10℃以下に冷却した370質量部の水に、この反応液を注入して、油層を分離し、炭酸カリウム水溶液にて洗浄した。次いで、油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、無水硫酸マグネシウムを濾別し、濾過液を濃縮することで、9,9-ジ(2-プロペニル)-フルオレンの2位にo-トリオイル基を導入した1-[9,9-ジ(2-プロペニル)-フルオレン-2-イル]-(2-メチルフェニル)-メタノン(化合物1-A)50.6質量部を得た。
得られた化合物1-A 50.0質量部と酢酸500質量部とを反応容器に仕込み、発煙硝酸11.3質量部を滴下し、この液を80℃に加熱した。この反応液に濃硫酸13.7質量部を滴下し、80℃で3時間攪拌した。攪拌後、室温まで冷却し、水、酢酸エチルを注入し油層を分離し、水、炭酸カリウム水溶液にて洗浄を繰り返した。次いで、油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、無水硫酸マグネシウムを濾別し、濾過液を濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離精製し、化合物1-Aのフルオレン骨格の7位にニトロ基を導入した1-[9,9-ジ(2-プロペニル)-7-ニトロフルオレン-2-イル]-(2-メチルフェニル)-メタノン(化合物1-B)33.4質量部を得た。
得られた化合物1-B 30.0質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 90質量部と、ピリジン 35質量部とを反応容器に仕込み攪拌した。次いで、ヒドロキシルアミン塩酸塩 30.5質量部を添加し、140℃に加熱し、4時間攪拌した。この反応液を室温まで冷却し、水、酢酸エチルを注入し油層を分離し、再度、水、希塩酸、塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。次いで、油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、無水硫酸マグネシウムを濾別し、濾過液を濃縮することで化合物1-Bをオキシム化した1-[9,9-ジ(2-プロペニル)-7-ニトロフルオレン-2-イル]-(2-メチルフェニル)-メタノンオキシム(化合物1-C) 27.7質量部を得た。
得られた化合物1-C 25.0質量部、酢酸エチル 125質量部を反応容器に仕込み、無水酢酸 13.8質量部を滴下し、室温にて5時間攪拌した。この反応液に水、酢酸エチルを注入し油層を分離し、炭酸カリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。次いで、油層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、無水硫酸マグネシウムを濾別し、濾過液を濃縮した。得られた生成物を酢酸エチル/ヘキサンにて再結晶化を行い、式(III)の化合物である1-[9,9-ジ(2-プロペニル)-7-ニトロフルオレン-2-イル]-(2-メチルフェニル)-メタノン オキシム-O-アセタート(化合物1)を17.2質量部得た。
合成例2において、STEP1で3-ブロモ-1-プロペンの代わりにn-ブチルブロマイドを用いた以外は、合成例2と同様の各反応STEPを経ることにより、1-[9,9-ジ(n-ブチル)-7-ニトロフルオレン-2-イル]-(2-メチルフェニル)-メタノン オキシム-O-アセタート(化合物2)を得た。
合成例2において、STEP1で3-ブロモ-1-プロペンの代わりにn-プロピルブロマイドを用い、また、STEP2でo-トルオイルクロライドの代わりにアセチルクロライドを用いた以外は、合成例2と同様の各反応STEPを経ることにより、エタノン,1-[9,9-ジn-プロピル-7-ニトロフルオレン-2-イル]-O-アセチルオキシム(化合物3)を得た。
次に、感光性樹脂組成物及びその硬化物の製造に係る実施例及び比較例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ここで、以降の実施例及び比較例の感光性樹脂組成物及びその硬化物の製造で用いた原料及び略号は以下の通りである。
(A)-1成分:上記合成例1で得られた重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂溶液
(A)-2成分:上記比較合成例1で得られた重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂溶液
(B)-1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサアクリレートとの混合物(日本化薬(株)製 商品名DPHA)
(B)-2:ペンタエリスリトールトリアクリレートとテトラアクリレートとの混合物(東亜合成株式会社製、商品名M-450)
(C)-1:上記合成例2で得られた化合物1〔式(III)で表される化合物〕
(C)-2:上記比較合成例2で得られた化合物2
(C)-3:上記比較合成例3で得られた化合物3
(C)-4:エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)(BASFジャパン社製、製品名イルガキュアOXE02)
(D)-1:表面処理カーボンブラックAの濃度25.0質量%、高分子分散剤濃度4.0質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液(固形分29.0%)
(D)-2:表面処理カーボンブラックBの濃度25.0質量%、高分子分散剤濃度3.8質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液(固形分28.8%)
(D)-3:表面処理カーボンブラックCの濃度25.0質量%、高分子分散剤濃度5.0質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液(固形分30.0%)
(E):3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン〔商品名:KBM-803:信越化学(株)製〕
(F):ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトブチレート)〔商品名:カレンズMT PE1:昭和電工(株)製〕
(G)-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
(G)-2:シクロヘキサノン(ANON)
(H):BYK-330(ビックケミー社製)
<遮光成分の特性評価用組成物の調製>
樹脂溶液〔(A)-1成分〕、遮光成分分散体〔(D)-1成分~(D)-3成分〕及び溶剤〔(G)-1成分〕を固形分濃度20%になるように混合して表面抵抗率測定用組成物を調製した。この際、光学濃度(OD)を測定しながら樹脂と遮光成分の比率を変えて、OD=4/μmの硬化膜を形成できる組成物を調製した。
上記で得られた表面抵抗率測定用組成物を、厚さ1.2mmのガラス基板上にスピンコーターを用いて熱硬化処理後の膜厚が1.1μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした。その後、熱風乾燥機を用いて230℃で30分間加熱硬化処理を行い、組成物の硬化膜を得た。次に、得られた硬化膜の光学濃度はマクベス透過濃度計を用いて測定し、単位膜厚当たりの光学濃度で評価した。
光学濃度を測定した硬化膜の表面抵抗率を、表面抵抗率測定器(三菱化学アナリテック社製ハイレスタUP)を用いて電圧10Vで測定した。
OD=4/μmの硬化膜を形成できる組成物について、組成物配合比率と測定結果を表1に示した。
実施例1~4および比較例1~4の遮光膜用感光性樹脂組成物を用いて、以下に記す評価を行った。これらの評価結果を表3に示す。
上記で得られた各遮光膜用感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて125mm×125mmのガラス基板(コーニング1737)上にポストベーク後の膜厚が1.1μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした。その後、露光ギャップを100μmに調整し、乾燥塗膜の上に、5μmのネガ型フォトマスクを被せ、フォトマスクの上に短波長カットフィルター〔型番LU0350、朝日分光(株)社製(340nm以下の水銀ランプ波長をカット)〕を乗せて、i線照度30mW/cm2の超高圧水銀ランプで80mJ/cm2の紫外線を照射し、感光部分の光硬化反応を行った。
パターン直線性:ポストベーク後の5μmマスクパターンを顕微鏡観察し、基板に対する剥離やパターンエッジ部分のギザツキが認められないものを○、一部に認められるものを△、全体に渡って認められるものを×と評価した。
上記で得られた各遮光膜用感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて125mm×125mmのガラス基板(コーニング1737)上にポストベーク後の膜厚が1.1μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした後の乾燥塗膜の膜厚を測定した。その後、乾燥塗膜の上に短波長カットフィルター〔型番LU0350、朝日分光(株)社製(340nm以下の水銀ランプ波長をカット)〕を乗せて、i線照度30mW/cm2の超高圧水銀ランプで10mJ/cm2の紫外線を照射し、感光部分の光硬化反応を行った。同様の手法で露光量の異なる塗布板を作製することにより、5mJ/cm2毎に10~100mJ/cm2露光した露光済み塗布板を得た。
次に、この露光済み塗布板を25℃、0.08%水酸化カリウム水溶液中、1kgf/cm2のシャワー現像圧にて、パターンが現れ始める現像時間(ブレイクタイム=BT)+15秒の現像後、5kgf/cm2圧のスプレー水洗を行い、各露光量で作成した塗布膜の膜厚を測定する。膜厚が現像前の膜厚と比較して95%以上となる露光量を残膜感度とした。
上記で得られた各遮光膜用感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて125mm×125mmのガラス基板(コーニング1737)上にポストベーク後の膜厚が1.1μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした。その後、乾燥塗膜の上に、ネガ型フォトマスクを被せず、短波長カットフィルター〔型番LU0350、朝日分光(株)社製(340nm以下の水銀ランプ波長をカット)〕を乗せて、i線照度30mW/cm2の超高圧水銀ランプで80mJ/cm2の紫外線を照射し、感光部分の光硬化反応を行った。
上記で得られた各遮光膜用感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて125mm×125mmのガラス基板(コーニング1737)上にポストベーク後の膜厚が1.1μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした。その後、ネガ型フォトマスクを用いずに塗膜の上に短波長カットフィルター〔型番 LU0350 朝日分光(株)社製(340nm以下の水銀ランプ波長をカット)〕を乗せて、i線照度30mW/cm2の超高圧水銀ランプで80mJ/cm2でベタ露光し、熱風乾燥機を用いて230℃、30分間熱ポストベークした。そして、上記で得られたポストベーク基板について、JISK6856-1994の3点折り曲げ密着試験方法に準じた評価法により、以下のようにしてシールガラス基板との密着強度を評価した。
上記で得られた各遮光膜用感光性樹脂組成物を、Cr蒸着された厚さ1.2mmのガラス基板上の電極を除いた部分にスピンコーターを用いて熱硬化処理後の膜厚が3.5μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした。その後、熱風乾燥機を用いて230℃、30分間加熱硬化処理を行い、感光性樹脂組成物の硬化膜を得た。その後、硬化膜上にアルミニウム電極を形成して体積抵抗率測定用基板を作成した。次に、エレクトロメーター(ケースレー社製、「6517A型」)を用いて、印加電圧1Vから10Vにおける体積抵抗率を測定した。1Vステップで各印加電圧で60秒ずつ電圧保持する条件で測定し、1V、5Vおよび10V印加時の体積抵抗率を表3に示した。
Claims (7)
- 下記(A)~(D)成分、
(A)1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、更に多価カルボン酸又はその酸無水物を反応させて得られる重合性不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、
(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、
(C)フルオレン環の9位に重合性基を有するフルオレン系化合物を含有する光重合開始剤、及び
(D)黒色有機顔料、混色有機顔料及び無機顔料からなる群から選ばれた1以上の遮光成分
を必須成分として含む遮光膜用感光性樹脂組成物において、
(C)成分が下記一般式(I)で表される化合物を含有する光重合開始剤であり、
(D)成分が、光学濃度が4/μmとなるように製膜した膜の表面抵抗率を1×108Ω/□以上とする絶縁性遮光成分であり、
(A)成分と(B)成分との重量割合(A)/(B)が、50/50~90/10であり、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して(C)成分を2~30質量部含有し、且つ、組成物の全固形分に対して(D)成分を20~80質量%含有することを特徴とする遮光膜用感光性樹脂組成物。
- (D)成分が、表面処理されたカーボンブラックを含有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の遮光膜用感光性樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれかに記載の遮光膜用感光性樹脂組成物を硬化させて形成したことを特徴とする塗膜。
- 請求項1~4のいずれかに記載の遮光膜用感光性樹脂組成物により作製された遮光膜を透明基板上に備えてなるカラーフィルターの製造方法であって、当該遮光膜用感光性樹脂組成物を透明基板上に塗布、プリベークした後、紫外線露光装置による露光、アルカリ水溶液による現像、及びポストベークして遮光膜を作製することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
- 請求項1~4のいずれかに記載の遮光膜用感光性樹脂組成物により作製された遮光膜を透明基板上に備えてなるタッチパネルの製造方法であって、当該遮光膜用感光性樹脂組成物を透明基板上に塗布、プリベークした後、紫外線露光装置による露光、アルカリ水溶液による現像、及びポストベークして遮光膜を作製することを特徴とするタッチパネルの製造方法。
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