JP7382768B2 - ブラックレジスト用感光性樹脂組成物及びその硬化塗膜、並びにカラーフィルター遮光膜の製造方法 - Google Patents

ブラックレジスト用感光性樹脂組成物及びその硬化塗膜、並びにカラーフィルター遮光膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ブラックレジスト用感光性樹脂組成物及びその硬化塗膜、並びにカラーフィルター遮光膜に関し、詳しくは透明基板上に微細な遮光膜を形成するのに適した感光性アルカリ水溶液現像型のブラックレジスト用感光性樹脂組成物、及びこれを用いて形成されたカラーフィルター遮光膜に関するものである。
液晶テレビ、液晶モニター、カラー液晶携帯電話など、あらゆる分野でカラー液晶パネルが用いられている。カラー液晶パネルは、カラーフィルターが形成された基板と対向基板(TFT基板)とをシール材を介し貼り合わせ、両基板の間に液晶が充填された構造となっている。このうち、カラーフィルターの製造方法としては、通常、ガラス、プラスチックシート等の透明基板の表面に、赤、緑、青各色間の混色抑制によるコントラスト向上の役割を果たすブラックマトリックスを形成し、続いて、あらゆる自然色を表現する役割を果たす赤、緑、青の異なる色相を順次、ストライプ状あるいはモザイク状等の色パターンで形成する方法が用いられている。
ところで、液晶パネルにおける耐久性試験(信頼性試験)として一般的にPCT(Pressure Cooker Test)が行われるが、この試験法は、温度120℃、湿度100%、気圧2atmという過酷な条件下に数時間液晶パネルを放置し、液晶パネルのカラーフィルター基板とTFT基板との間に封入された液晶もれの有無の確認を行うものである。上述したように、ブラックマトリックスは赤、緑、青各色間に存在し、コントラスト向上の役割の他、カラーフィルターの外枠遮光膜としての機能もあり、外枠遮光膜の一部はシール材を介し対向基板と貼り合わさっている。ブラックマトリックスにはPCTのような過酷な条件下においてもガラス基板との剥がれが生じないような高い密着強度も同時に要求される。特に、近年では、液晶パネルの視認性向上のため高遮光化のニーズが高い。
高遮光化を実現するためには、ブラックマトリックスの膜厚を厚くすることが考えられるが、膜厚を厚くし過ぎると、その後の製造工程で赤、緑、青の画素を形成する際、ブラックマトリックスに重ね合わさった部分の赤、緑、青の膜厚が厚くなり、いわゆる「つの」段差が生じてしまう。この「つの」段差は液晶の配向乱れの原因となりパネルの視認性の低下へ繋がることから、ブラックマトリックスの膜厚を厚くせずに高遮光化を達成すること(すなわち薄膜高遮光化)が求められている。
薄膜高遮光を確保するためには、通常、樹脂組成物中の黒色顔料の含有量を多くしなければならないが、その結果、硬化性に寄与するバインダー樹脂やアクリレート成分等の配合割合が相対的に小さくなるため、塗膜が十分に硬化しにくくなり、塗膜とガラス基板との密着性が低下して、剥がれ等が生じやすくなるという問題が生じる。
このように、近年におけるブラックマトリクスの基板との密着性への要求は、さらに高度なものとなっていることから、従来にも増してガラス基板との密着性の高いブラックマトリクス求められるようになっている。そこで、例えば特許文献1では、遮光性樹脂組成物にアミン系シラン化合物、ケチミン系シラン化合物、およびイソシアネート系シラン化合物から選択される少なくとも1種を添加することで、PCTテスト後のブラックマトリックスの剥がれが生じず密着性が良好な感光性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、その実施例をみるとカーボンブラックの濃度は、感光性樹脂組成物中の固形分に対して高々40質量%であり、更に高い顔料濃度での密着性については検討の余地がある。また、ガラス基板との密着性以外の評価項目、例えばフォトリソ特性、保存安定性等については十分にうかがい知ることができない。また。PCT前の密着性については記述されていない。
このような従来技術の問題点を踏まえ、これまで、本願の発明者らはPCT前後においてガラス基板との密着性の高い、品質の良好なブラックマトリクス(または遮光膜)を形成することができるブラックレジスト用感光性樹脂組成物について検討を行っており、顔料、バインダー樹脂、及び光重合開始剤とともに、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれた基を合計で2個有する特定の二官能モノマーを含有させることにより、高い密着性を備えると共に薄膜高遮光化を達成している(特許文献2)。
特開2006-330209号公報 特許第5416434号公報
本発明の目的は、PCT後においてもガラス基板との密着性の高い、品質の良好なブラックマトリクス(または遮光膜)を形成することができるブラックレジスト用感光性樹脂組成物を提供することにあり、また、該感光性樹脂組成物から形成されるカラーフィルター遮光膜を提供することにある。
そこで、本発明者らは、高い密着性を備えると共に薄膜高遮光化を達成するための新たな手段として、遮光成分、バインダー樹脂、及び光重合開始剤と共に、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有するリン酸エステルモノマーとシランカップリング剤とを用いることを知見し、さらにはその中でも、このリン酸エステルモノマーと特定の構造を有するシランカップリング剤とを併用することにより、より一層高い密着性を発現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕(a)重合性不飽和結合を有するリン酸エステルモノマー、(b)シランカップリング剤、(c)黒色有機顔料、混色有機顔料及び遮光材からなる群から選ばれる1以上の遮光成分、(d)エポキシ基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応物を、更に多塩基酸カルボン酸又はその無水物と反応させて得られた重合性不飽和結合含有樹脂、(e)少なくとも1個以上の重合性不飽和結合を有する光重合性モノマー、及び(f)光重合開始剤を含有することを特徴とするブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
〔2〕前記(a)成分のリン酸エステルモノマーは、下記一般式(I)で表されるアクリル系リン酸エステルモノマーであることを特徴とする〔1〕に記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
Figure 0007382768000001
式(I)中、R21は水素又はメチル基、R22は炭素数1~3のアルキレン基、nは1~20、mは1又は2を示す。
〔3〕(a)成分のリン酸エステルモノマーの含有量がブラックレジスト用感光性樹脂組成物の固形分に対し0.3~2.0質量%であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
〔4〕前記(b)成分シランカップリング剤は、下記一般式(II)で表されることを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
Figure 0007382768000002
式(II)中、R1、R2、およびR3は互いに独立にC1~C4のアルコキシ基または有機基を表す。ただしR1、R2、およびR3の少なくとも1つはアルコキシ基であり、nは1~4の整数を表す。
〔5〕(c)成分における遮光成分がカーボンブラックであることを特徴とする〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
〔6〕遮光成分の含有量が、ブラックレジスト用感光性樹脂組成物中の全固形分に対して30~60質量%であることを特徴とする〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
〔7〕(d)成分におけるエポキシ基を2個以上有する化合物が、下記一般式(III)および一般式(IV)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
Figure 0007382768000003
式(III)中、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基又はハロゲン原子であり、Xは‐CO‐、-SO2-、‐C(CF3)2-、-Si(CH3)2‐、-CH2‐、-C(CH3)2‐、-O-、9,9-フルオレンジイル基又は単結合を示し、nは0~10の整数である。
Figure 0007382768000004
式(IV)中、nは1以上5以下の整数を表し、R6~R9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数5~9のシクロアルキル基、又は炭素数6~10のアリール基を表し、R10~R20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキニ基、炭素数5~9のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は炭素数1~5のアルコキシ基を表す。
〔8〕前記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物を硬化させて形成したことを特徴とする塗膜。
〔9〕前記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物により作製された遮光膜を透明基板上に備えてなるカラーフィルター遮光膜の製造方法であって、当該ブラックレジスト用感光性樹脂組成物を、透明基板上に塗布し、乾燥した後、(1)紫外線露光装置による露光、(2)アルカリ水溶液による現像及び(3)熱焼成の各工程を必須として遮光膜を作製することを特徴とするカラーフィルター遮光膜の製造方法。
本発明によれば、PCT後においてもガラス基板との密着性の高い、品質の良好なブラックマトリクス(または遮光膜)を形成することができる。特に遮光成分が高濃度で含まれる場合でも高い密着性を維持することができ、いわゆる薄膜高遮光化を達成することができる。
以下、本発明のブラックレジスト用感光性樹脂組成物(以下、感光性樹脂組成物又は組成物ともいう。)について詳細に説明する。本発明の組成物は、(a)~(f)成分を必須成分として含有する。すなわち、後述する所定の、(a)リン酸エステルモノマー、(b)シランカップリング剤、(c)黒色有機顔料、混色有機顔料及び遮光材からなる群から選ばれる1以上の遮光成分、(d)エポキシ基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応物を、更に多塩基酸カルボン酸又はその無水物と反応させて得られた重合性不飽和結合含有樹脂、(e)少なくとも1個以上の重合性不飽和結合を有する光重合性モノマー、及び(f)光重合開始剤である。
<(a)リン酸エステルモノマー>
(a)成分である、リン酸エステルモノマーについては、リン酸の3つのヒドロキシル基(水素原子)のうちの一部を、重合性不飽和結合を有する基、好ましくはアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する有機基で置換した構造を有するものを用いることが好ましく、具体的には、下記の一般式(I)で表されるアクリル系リン酸エステルモノマーを用いる。PCT(プレッシャークッカーテスト)後のガラス基板との密着強度は、リン酸エステルモノマーとシランカップリング剤を併用することで高い効果が発揮されることを確認し、リン酸エステルモノマー単独ではガラス基板との密着性向上効果はみられないことが分かった。シランカップリング剤は、同一分子内にガラス等の無機層と反応する官能基と、有機層であるレジスト成分の官能基と反応する官能基とを持ち合わせた化合物であり、シランカップリング剤を介して、無機層(ガラス等)と有機層(ブラックマトリックス中の樹脂成分)の機械的な密着性を確保するために有効な成分として一般的に用いられる。メカニズムについては不明あるが、リン酸エステルモノマーのリン酸基(又はリン酸エステル基)、重合性不飽和結合、およびシランカップリング剤(あるいはシランカップリング剤中の官能基)との間で何らかの相互作用が働くことでPCT後のガラス基板との密着性が飛躍的に向上すると推測している。
Figure 0007382768000005
式(I)中、R21は水素又はメチル基、R22は炭素数1~3のアルキレン基、nは1~20、mは1又は2を示す。
この(a)成分の配合量(固形分)については、密着性やレジスト保存安定性を確保するために、本発明のブラックレジスト用感光性樹脂組成物の固形分に対して好ましくは0.3~2.0質量%、より好ましくは0.7~1.4質量%であることがよい。また、(a)成分(固形分)は、後述する(d)成分と(e)成分との合計の固形分量に対して、好ましくは1.0~7.0質量%、より好ましくは2.0~5.0質量%であることがよい。
このような一般式(I)で表される化合物としては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルエステルリン酸エステル、ポリオキシプロピレンモノリン酸エステルモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンモノリン酸エステルモノ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルエステルリン酸エステルを用いる。
<(b)シランカップリング剤>
また、(b)成分であるシランカップリング剤としては、従来から公知のものを特に制限なく使用することができ、例えば、反応基として、アミノ基、イソシアネート基、ウレイド基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリル基、メルカプト基等を有するものを挙げることができる。1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。その中でも、好ましくは、エポキシ基、イソシアネート基、メタクリル基を有するものがよいが、上記(a)成分と併用した場合にガラス基板との密着性を一層向上できることが確認されたことから、より好ましくは、イソシアネート基を有して以下の一般式(II)で表されるものを用いることがよい。一般式(II)で表される化合物としては、例えば、3-イソシアネートプロピルエトキシシランを挙げることができる。
Figure 0007382768000006
式(II)中、R1、R2、およびR3は互いに独立に炭素数が1~4(C1~C4)のアルコキシ基または有機基を表す。ただしR1、R2、およびR3の少なくとも1つはアルコキシ基であり、nは1~4の整数を表す。
この(b)成分の配合量(固形分)については、ガラス基板との密着性やレジスト保存安定性を確保するために、本発明のブラックレジスト用感光性樹脂組成物の固形分に対して好ましくは0.3~2.0質量%、より好ましくは0.7~1.4質量%であることがよい。また、(b)成分(固形分)は、後述する(d)成分と(e)成分との合計の固形分量に対して、好ましくは1.0~7.0質量%、より好ましくは2.0~5.0質量%であることがよい。
<(c)黒色有機顔料、混色有機顔料及び遮光材からなる群から選ばれる1以上の遮光成分>
(c)成分の黒色有機顔料、混色有機顔料又は遮光材などの遮光成分としては、耐熱性、耐光性及び耐溶剤性に優れたものであるのがよい。ここで、黒色有機顔料としては、例えばペリレンブラック、シアニンブラック等が挙げられる。混色有機顔料としては、赤、青、緑、紫、黄色、シアニン、マゼンタ等から選ばれる2種以上の顔料を混合して擬似黒色化されたものが挙げられる。遮光材としては、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラックを挙げることができ、2種以上を適宜選択して用いることもできるが、特にカーボンブラックが遮光性、表面平滑性、分散安定性、樹脂との相溶性が良好な点で好ましい。そして、これらの(c)遮光成分は、分散媒に分散させて遮光性分散液として用い得る。ここで、分散媒としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
(c)成分の遮光成分の配合割合については、本発明のブラックレジスト用感光性樹脂組成物の全固形分に対して30~60質量%、好ましくは40~60質量%の範囲で用いられるのがよい。30質量%より少ないと、遮光性が十分でなくなる。60質量%を越えると、本来のバインダーとなる感光性樹脂の含有量が減少するため、現像特性を損なうと共に膜形成能が損なわれるという好ましくない問題が生じる。本発明の組成物は、特に顔料濃度の高い範囲、具体的には、感光性樹脂組成物中の全固形分量を基準に40重量%を超える量の顔料(遮光成分)、さらには45重量%以上の顔料を含有する組成物に対して、高い効果が発揮される。
<(d)エポキシ基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応物を、更に多塩基酸カルボン酸又はその無水物と反応させて得られた重合性不飽和結合含有樹脂>
(d)成分である重合性不飽和結合含有樹脂は、「エポキシ基を2個以上有する化合物」に、「(メタ)アクリル酸」(これは「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」の意味である)を反応させ、得られた「ヒドロキシ基を有する化合物」に「多塩基酸カルボン酸又はその無水物」を反応させて得られる『エポキシ(メタ)アクリレート酸付加物』である。ヒドロキシ基と多塩基酸カルボン酸との反応でポリエステルが生成するが、その平均の重合度が2~500程度の低分子量の樹脂であるのがよい。
(d)成分における「エポキシ基を2個以上有する化合物」としては、(o,m,p-)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等を例示することができ、詳しくは、下記一般式(III)又は(IV)で示される化合物であるのがよく、より詳しくは下記一般式(V)で示される化合物であるのがよい。
Figure 0007382768000007
式(III)中、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基又はハロゲン原子であり、Xは‐CO‐、-SO2-、‐C(CF3)2-、-Si(CH3)2‐、-CH2‐、-C(CH3)2‐、-O-、9,9-フルオレンジイル基又は単結合を示し、nは0~10の整数である。
Figure 0007382768000008
式(IV)中、nは1以上5以下の整数を表し、R6~R9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数5~9のシクロアルキル基、又は炭素数6~10のアリール基を表し、R10~R20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキニ基、炭素数5~9のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は炭素数1~5のアルコキシ基を表す。
Figure 0007382768000009
(d)成分については、好ましくは上記一般式(III)又は(IV)で表されるエポキシ化合物から誘導される。このうち一般式(III)のエポキシ化合物はビスフェノール類から誘導される。したがって、ビスフェノール類を説明することによって、一般式(III)のエポキシ化合物、ひいては(メタ)アクリル酸との反応物、更には(d)成分が理解されるので、好ましい具体例をビスフェノール類により説明する。
(d)成分を与える好ましいビスフェノール類としては、次のようなものが挙げられる。ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-クロロフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)エーテル等である。更には、一般式(3)におけるXが9,9-フルオレニル基である9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-クロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-フルオロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)フルオレン等である。また更には、4,4’-ビフェノール、3,3’-ビフェノール等の化合物が挙げられる。
一般式(IV)のエポキシ化合物としては、既に述べたように(o,m,p-)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、(d)成分を得る際に用いる「多塩基酸カルボン酸又はその無水物」としては、例えばマレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等やその酸無水物、更には、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸やその酸二無水物等が挙げられる。そして、酸無水物と酸二無水物の使用割合については、露光やアルカリ現像操作によって微細なパターンを形成するのに適した割合を選択することができる。
また、「エポキシ基を2個以上有する化合物」と「(メタ)アクリル酸」との反応、及びこの反応で得られた「エポキシ(メタ)アクリレート」(ヒドロキシ基を有する化合物)と「多塩基酸又はその無水物」との反応は、例えばエチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒中で加熱下に反応して行うなど、特開平8-278,629号公報等に記載の公知の方法を採用することができるが、特に限定されるものではない。そして、得られた(d)成分の重合性不飽和結合含有樹脂については、その1種のみを使用してもよく、2種以上の混合物を使用することもできる。得られた(d)成分は、重合性不飽和結合とカルボキシル基とを併せ持つため、バインダーとしての作用を有し、また、ブラックレジスト用感光性樹脂組成物に優れた光硬化性を与えるほか、良現像性及びパターニング特性(アルカリ可溶性、アルカリ現像性)を与えて、遮光膜の物性向上をもたらす。
<(e)少なくとも1個以上の重合性不飽和結合を有する光重合性モノマー>
次に、(e)少なくとも1個以上の重合性不飽和結合を有する光重合性モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類や、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。なお、(e)少なくとも1個以上の重合性不飽和結合を有する光重合性モノマーは遊離のカルボキシ基を有しない。
これら(d)成分と(e)成分との配合割合は、重量比(d)/(e)で50/50~90/10であり、好ましくは60/40~80/20である。(d)成分の配合割合が50/50より少ないと、光硬化後の硬化物が脆くなり、また、未露光部において塗膜の酸価が低いためにアルカリ現像液に対する溶解性が低下し、パターンエッジがぎざつきシャープにならないといった問題が生じ、また、90/10よりも多いと、樹脂に占める光反応性官能基の割合が少なく架橋構造の形成が十分でなく、更に、樹脂成分における酸価度が高過ぎて、露光部におけるアルカリ現像液に対する溶解性が高くなることから、形成されたパターンが目標とする線幅より細ったり、パターンの欠落が生じや易くなったりするといった問題が生じる恐れがある。
<(f)光重合開始剤>
(f)成分の光重合開始剤としては、少なくとも1種類の光重合開始剤を使用するが、重合性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物の重合を開始させうる化合物であれば、特に限定されるものではない。例えば、アセトフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、イミダゾール系化合物、アシルオキシム系化合物などが挙げられる。
ここで、アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルチオフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(1-メチルビニル)フェニル〕プロパン-1-オンのオリゴマーなどが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-フェニル-4、6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロRメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4,5-トリメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メチルチオスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(ピプロニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジンなどが挙げられる。
ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。また、ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、例えば、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。また、イミダゾール系化合物としては、例えば、2-(o-クロロフェニル)-4,5-フェニルイミダゾール2量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2、4,5-トリアリールイミダゾール2量体などが挙げられる。
アシルオキシム系化合物としては、例えば、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-ビシクロヘプチル-1-オンオキシム-O-アセタート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-アダマンチルメタン-1-オンオキシム-O-ベンゾアート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-アダマンチルメタン-1-オンオキシム-O-アセタート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-テトラヒドロフラニルメタン-1-オンオキシム-O-ベンゾアート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-テトラヒドロフラニルメタン-1-オンオキシム-O-アセタート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-チオフェニルメタン-1-オンオキシム-O-ベンゾアート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-チオフェニルメタン-1-オンオキシム-O-アセタート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-モロフォニルメタン-1-オンオキシム-O-ベンゾアート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-モロフォニルメタン-1-オンオキシム-O-アセタート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-エタン-1-オンオキシム-O-ビシクロヘプタンカルボキシレート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-エタン-1-オンオキシム-O-トリシクロデカンカルボシキレート、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9.H.-カルバゾール-3-イル]-エタン-1-オンオキシム-O-アダマンタンカルボシキレート、1,2-オクタンジエン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン社製 製品名イルガキュアOXE01)、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(BASFジャパン社製 製品名イルガキュアOXE02)、などが挙げられる。
(f)成分の光重合開始剤としては、更に活性ラジカル発生剤や酸発生剤も使用することができる。活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアントラキノン、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。酸発生剤としては、例えば、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホナート、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホナート、4-アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などを挙げることができる。また、活性ラジカル発生剤として上記した化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系化合物は、酸発生剤としても使用される。
(f)成分の光重合開始剤の中でも、アシルオキシム系光重合開始剤が特に好ましく用いられる。(f)成分の光重合開始剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。また、それ自体では光重合開始剤や増感剤として作用しないが、上記の化合物と組み合わせて用いることにより、光重合開始剤や増感剤の能力を増大させ得るような化合物を添加することもできる。そのような化合物としては、例えば、ベンゾフェノンと組み合わせて使用すると効果のあるアミン系化合物を挙げることができる。ここで、アミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
(f)成分の光重合開始剤の使用量は、樹脂成分である(d)及び(e)の各成分の合計100重量部に対して5~30重量部が適している。(f)成分の配合割合が5重量部未満の場合には、光重合の速度が遅くなって、感度が低下し、一方、30重量部を超える場合には、感度が強すぎて、パターン線幅がパターンマスクに対して太った状態になり、マスクに対して忠実な線幅が再現できない、又はパターンエッジがぎざつき、シャープにならないといった問題が生じるおそれがある。
本発明におけるブラックレジスト用感光性樹脂組成物には、上記(a)~(f)成分の他に溶剤を使用することが好ましい。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α-もしくはβ-テルピネオール等のテルペン類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N-メチル-2-ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類などが挙げられ、これらを用いて溶解、混合させることにより、均一な溶液状の組成物とすることができる。
さらに、塗布性、着色被膜の平滑性やベナードセルを防止する目的で、界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の添加量は通常、樹脂組成物の0.001~5質量%、好ましくは0.01~1質量%であるのがよい。添加量が少なすぎると塗布性、着色被膜の平滑性やベナードセルを防止効果がなく、多すぎると逆に塗膜物性が不良となる場合がある。界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートどの非イオン界面活性剤、ポリジメチルシロキサンなどを主骨格とするシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。本発明では、これらに限定されずに、界面活性剤を1種または2種以上用いることができる。
本発明のブラックレジスト用感光性樹脂組成物は、上記(a)~(f)成分又はこれらと溶剤を主成分として含有する。溶剤を除いた固形分(固形分には硬化後に固形分となるモノマーを含む)中に、(a)~(f)成分が合計で80質量%、好ましくは90質量%以上含むことが望ましい。溶剤の量は、目標とする粘度によって変化するが、感光性樹脂組成物中に70~90質量%の範囲で含まれるようにするのがよい。
本発明におけるブラックレジスト用感光性樹脂組成物は、カラーフィルター遮光膜形成用の樹脂組成物として優れるものであり、例えば以下のようなフォトリソグラフィー法により硬化させて形成し、カラーフィルター遮光膜を得ることができる。先ず、感光性樹脂組成物を溶液にして透明基板上に塗布し、次いで溶媒を乾燥させた(プリベーク)後、このようにして得られた被膜の上にフォトマスクをあて、紫外線を照射して露光部を硬化させ、更にアルカリ水溶液を用いて未露光部を溶出させる現像を行ってパターンを形成し、更に後乾燥としてポストベーク(熱焼成)を行う方法が挙げられる。
感光性樹脂組成物の溶液を塗布する透明基板としては、ガラス基板のほか、透明フィルム(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン等)上にITOや金などの透明電極が蒸着あるいはパターニングされたものなどが例示できる。透明基板上に感光性樹脂組成物の溶液を塗布する方法としては、公知の溶液浸漬法、スプレー法の他、ローラーコーター機、ランドコーター機やスピナー機を用いる方法等の何れの方法をも採用することができる。これらの方法によって、所望の厚さに塗布した後、溶剤を除去する(プリベーク)ことにより、被膜が形成される。プリベークはオーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。プリベークにおける加熱温度及び加熱時間は使用する溶剤に応じて適宜選択され、例えば60~110℃の温度で1~5分間行われる。
プリベーク後に行われる露光は、紫外線露光装置によって行なわれ、フォトマスクを介して露光することによりパターンに対応した部分のレジストのみを感光させる。露光装置及びその露光照射条件は適宜選択され、超高圧水銀灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、遠紫外線灯等の光源を用いて露光を行い、塗膜中のブラックレジスト用感光性樹脂組成物を光硬化させる。
露光後のアルカリ現像は、露光されない部分のレジストを除去する目的で行われ、この現像によって所望のパターンが形成される。このアルカリ現像に適した現像液としては、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の水溶液、アルカリ金属の水酸化物の水溶液等を挙げることができるが、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩を0.05~3質量%含有する弱アルカリ性水溶液を用いて23~28℃の温度で現像するのがよく、市販の現像機や超音波洗浄機等を用いて微細な画像を精密に形成することができる。
現像後、好ましくは180~250℃の温度及び20~60分の条件で熱処理(熱焼成、ポストベーク)が行われる。このポストベークは、パターニングされた遮光膜と基板との密着性を高めるため等の目的で行われる。これはプリベークと同様に、オーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。本発明のパターニングされた遮光膜は、以上のフォトリソグラフィー法による各工程を経て形成される。
本発明の感光性樹脂組成物は、上述したように、露光、アルカリ現像等の操作によって微細なパターンを形成するのに適しているが、従来のスクリーン印刷によりパターンを形成しても、同様な遮光性、密着性、電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性に優れた遮光膜を得ることができる。また、本発明のブラックレジスト用感光性樹脂組成物は、コ-ティング材として好適に用いることができ、特に液晶の表示装置あるいは撮影素子に使われるカラーフィルター用インキとして好適であり、これにより形成された遮光膜はカラーフィルター、液晶プロジェクション用のブラックマトリックス等として有用である。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
先ず、本発明の(d)成分に相当する、重合性不飽和結合含有樹脂の合成例を示す。合成例における樹脂の評価は、以下の通りに行った。
[固形分濃度]
合成例中で得られた樹脂溶液1gをガラスフィルター〔重量:W0(g)〕に含浸させて秤量し〔W1(g)〕、160℃にて2hr加熱した後の重量〔W2(g)〕から次式より求めた。
固形分濃度(重量%)=100×(W2-W0)/(W1-W0)
[酸価]
樹脂溶液をジオキサンに溶解させ、電位差滴定装置〔平沼製作所(株)製 商品名COM-1600〕を用いて1/10N-KOH水溶液で滴定して求めた。
[分子量]
ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)[東ソー(株)製商品名HLC-8220GPC、溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:TSKgelSuperH-2000(2本)+TSKgelSuperH-3000(1本)+TSKgelSuperH-4000(1本)+TSKgelSuper-H5000(1本)〔東ソー(株)製〕、温度:40℃、速度:0.6ml/min]にて測定し、標準ポリスチレン〔東ソー(株)製PS-オリゴマーキット〕換算値として重量平均分子量(Mw)を求めた。
また、合成例で使用する略号は次のとおりである。
AA:アクリル酸
BPFE:9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンとクロロメチルオキシランとの反応物。一般式(III)の化合物において、Xがフルオレン-9,9-ジイル基、R4及びR5が水素の化合物。
BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
THPA:1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物
TPP:トリフェニルホスフィン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
TEAB:臭化テトラエチルアンモニウム
[合成例1]
還留冷却器付き500ml四つ口フラスコ中にBPFE 114.4g(0.23モル)、AA 33.2g(0.46モル)、PGMEA 157g及ぶびTEAB 0.48gを仕込み、100~105℃で加熱下に20hr撹拌して反応させた。次いで、フラスコ内にBPDA 35.3g(0.12モル)、THPA 18.3g(0.12モル)を仕込み、120~125℃で加熱下に6hr撹拌し、重合性不飽和結合含有樹脂溶液(d)-1を得た。得られた樹脂溶液の固形分濃度は56.5質量%、酸価(固形分換算)は103mgKOH/g、GPC分析によるMwは3600であった。
[比較合成例1]
窒素導入管及び還流管付き1000ml四つ口フラスコ中にメタクリル酸51.65g(0.60mol)、メタクリル酸メチル38.44g(0.38mol)、メタクリル酸シクロヘキシル36.33g(0.22mol)、AIBN5.91g、及びDMDG368gを仕込み、80~85℃で窒素気流下、8hr撹拌して重合させた。更に、フラスコ内にメタクリル酸グリシジル39.23g(0.28mol)、TPP1.44g、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール0.055gを仕込み、80~85℃で16hr撹拌し、重合性不飽和結合含有樹脂溶液(d)-2を得た。得られた重合性不飽和結合含有アルカリ可溶性樹脂の固形分濃度は32.0質量%、酸価(固形分換算)は110mgKOH/g、GPC分析によるMwは18080であった。
(実施例1~3、参考例4~5、比較例1~5)
次に、感光性樹脂組成物及びその硬化物の製造に係る実施例、参考例及び比較例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ここで、以降の実施例、参考例及び比較例の感光性樹脂組成物及びその硬化物の製造で用いた原料及び略号は以下の通りである。
<(a)リン酸エステルモノマー>
(a)-1:メタクリル酸2-ヒドロキシエチルエステルリン酸エステル(ソルベイ日華株式会社製商品名:Sipomer PAM-4000)
(a)-2:ポリオキシプロピレンモノリン酸エステルモノメタクリル酸エステル(ソルベイ日華株式会社製商品名:Sipomer PAM-200)
(a)-3:ポリオキシエチレンモノリン酸エステルモノメタクリル酸エステル(ソルベイ日華株式会社製商品名:Sipomer PAM-100)
<(b)シランカップリング剤>
(b)-1:3-イソシアネートプロピルエトキシシラン(信越化学工業株式会社製商品名:KBE-9007)
(b)-2:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製商品名:KBM-403)
(b)-3:3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製商品名:KBE-503)
<(c)遮光成分(遮光性分散液として)>
(c)-1:カーボンブラック濃度20質量%、高分子分散剤濃度5質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散液(固形分25%)
<(d)重合性不飽和結合含有樹脂>
(d)-1:上記合成例1で得られた重合性不飽和結合含有樹脂溶液
(d)-2:比較合成例1で得られた重合性不飽和結合含有樹脂溶液
<(e)光重合性モノマー>
(e)-1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサアクリレートとの混合物(日本化薬(株)製 商品名DPHA)
<(f)光重合開始剤>
(f)-1:エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾー
ル-3-イル]-1-(0-アセチルオキシム)、(BASFジャパン社製、製品名イルガキ
ュアOXE02)
<(g)溶剤>
(g)-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(g)-2:シクロヘキサノン
<界面活性剤>
(h):メガファックF-477(DIC株式会社製)
[実施例1~3、参考例4~5、比較例1~5]
上記の配合成分を表1に記載の割合で配合して、実施例1~3、参考例4~5及び比較例1~5に係るブラックレジスト用感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 0007382768000010
表1に記した各成分の組み合わせにて均一に混合し、得られた実施例1~3、参考例4~5及び比較例1~5に係る各ブラックレジスト用感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて125mm×125mmのガラス基板(コーニング1737)上にポストベーク後の膜厚が1.1μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした。その後、露光ギャップを100μmに調整し、乾燥塗膜の上に、ライン/スペース=6μm/100のネガ型フォトマスクを被せ、I線照度30mW/cm2の超高圧水銀ランプで80mj/cm2の紫外線を照射し、感光部分の光硬化反応を行った。次に、この露光済み塗板を23℃、0.05%水酸化カリウム水溶液中、1kgf/cm2のシャワー現像圧にて、パターンが現れ始める現像時間(ブレイクタイム=BT)から、+10秒、+15秒の現像後、5kgf/cm2圧のスプレー水洗を行い、塗膜の未露光部を除去してガラス基板上に画素パターンを形成、その後、熱風乾燥機を用いて230℃、30分間熱ポストベークした後の6μm線のマスク幅に対する線幅、及びパターン直線性を評価した。結果を表2に示す。なお、評価方法は次のとおりである。
<パターン線幅>
測長顕微鏡〔(株)ニコン製 商品名XD-20〕を用いてマスク幅6μmのパターン線幅を測定し、6±1μm以内場合は○、6±1μmの範囲外の場合は×とした。
<パターン直線性>
現像後の6μmマスクパターンを顕微鏡観察し、基板に対する剥離やパターンエッジ部分のギザツキが認められないものを○、認められるものを×と評価した。
また、ガラス基板との密着強度(シール強度)を評価するために、上記表1の各組成を均一に混合して得たブラックレジスト用感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて125mm×125mmのガラス基板(コーニング1737)上にポストベーク後の膜厚が1.1μmとなるように塗布し、90℃で1分間プリベークした。その後、ネガ型フォトマスクを用いずに100mJ/cm2でベタ露光し、熱風乾燥機を用いて230℃、30分間熱ポストベークした。
そして、上記で得られたポストベーク基板について、JIS K6856-1994の3点折り曲げ密着試験方法に準じた評価法により、以下のようにしてシール強度を評価した。
上記のポストベーク基板、および樹脂組成物を塗布してないガラス基板(コーニング1737)それぞれを20mm×63mmの短冊状に切断し、試験片を用意した。ポストベーク済の塗膜板と樹脂組成物を塗布してないガラス基板とが一定の量のシール剤を介して重ね合わせ幅が8mmになるように、双方の基板(試験片)を貼りあわせた。重ね合わせたときのシール剤の形が円形でかつ直径が約5mmである。その後、重ね合わせた試験片を90℃、20分のプリベーク、続いて、150℃、2時間ポストベークをそれぞれ実施し、三点折り曲げ試験片を作成した。さらに、樹脂組成物を塗布していない20mm×63mmのガラス片同士を上記と同じ方法で貼り合わせた比較試験用のサンプルも作成した。
上記で得られた試験片において、重ね合わせ部位が中心となるよう、塗布板と対向基板(塗布無し基板)、あるいは、塗布していない比較試験用のガラス基板を2点の支持体で支え(2点の支持体の長さは3cm)、重ね合わせ部の真上から真下に向かってORIENTEC(製)商品名UCT-100を用いて1mm/分の速度で加重をかけていき、剥離面の観察とそのときの加重を読み取り、シール剤の塗布面積で割り、単位面積当たりの加重を密着強度とした。また、121℃、100%RH、2atm、及び4時間の条件下においてPCT(プレッシャー・クッカー)テストを実施した後、同様の密着強度テストを実施し、PCT前後での密着強度を求めた。PCT前後におけるレジスト(樹脂組成物)を塗布していないガラス同士の密着強度をそれぞれ100としたときの、各組成の密着強度を相対値として示した。PCT前後において、70以上を◎とし、また、65以上70未満を○とし、また、60以上65未満を△とし、さらに、60未満を×とした。結果を表2に示す。
Figure 0007382768000011
以上の結果、実施例1~3及び参考例4~5の感光性樹脂組成物から得られた塗膜は線幅、パターン直線性、密着強度ともに良好であった。特に、所定のリン酸エステルモノマーとシランカップリング剤とを併用するに際し、イソシアネート基を有するシランカップリング剤を使用した実施例1~3においては密着性の評価結果が極めて良好であった。
これに対し、比較例1~5の感光性樹脂組成物から得られた塗膜は、線幅、パターン直線性、密着強度全ての項目が良好なものはなかった。すなわち、先ず、比較例1~3ではシランカップリング剤を配合するが所定のリン酸エステルモノマーを配合しないものであったが、密着性の評価結果が比較的低く、また、比較例4ではリン酸エステルモノマーは含まれるがシランカップリング剤を含まないものであったが密着性の評価結果が更に低いものであった。一方で、所定の重合性不飽和結合含有樹脂を配合しない比較例5については、線幅の評価においても十分ではなかった。
上記実施例1~3及び参考例4~5の感光性樹脂組成物を用いて得たようなブラックマトリクスを形成したカラーフィルターを用いて液晶パネルを作成した場合、厳しい条件下でもブラックマトリクスの剥がれがほぼ無く、液晶のもれを防止することができる。また、現像密着、パターン直線性等の現像特性を犠牲にすることもない。そのため、黒の顔料を含む塗膜中の顔料濃度を高くして樹脂成分が相対的に少なくなるような高遮光率のブラックマトリックスを作製する場合でも、ガラス基板からの塗膜の剥離が少なくなり、高い生産性(歩留り)及び信頼性を確保できる。

Claims (7)

  1. (a)重合性不飽和結合を有するリン酸エステルモノマー、(b)シランカップリング剤、(c)黒色有機顔料、混色有機顔料及び遮光材からなる群から選ばれる1以上の遮光成分、(d)エポキシ基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応物を、更に多塩基酸カルボン酸又はその無水物と反応させて得られた重合性不飽和結合含有樹脂、(e)少なくとも1個以上の重合性不飽和結合を有する光重合性モノマー、及び(f)光重合開始剤を含有し、前記(a)成分のリン酸エステルモノマーは下記一般式(I)で表されるアクリル系リン酸エステルモノマーであり、前記(b)成分のシランカップリング剤は下記一般式(II)で表されることを特徴とするブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
    Figure 0007382768000012
    式(I)中、R 21 は水素又はメチル基、R 22 は炭素数1~3のアルキレン基、n は1~20、mは1又は2を示す。
    Figure 0007382768000013
    式(II)中、R 1 、R 2 、およびR 3 は互いに独立にC1~C4のアルコキシ基または有機基を表す。ただしR 1 、R 2 、およびR 3 の少なくとも1つはアルコキシ基であり、n は1~4の整数を表す。
  2. (a)成分のリン酸エステルモノマーの含有量がブラックレジスト用感光性樹脂組成物の固形分に対し0.3~2.0質量%であることを特徴とする請求項に記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
  3. (c)成分における遮光成分がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
  4. 遮光成分の含有量が、ブラックレジスト用感光性樹脂組成物中の全固形分に対して30~60質量%であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
  5. (d)成分におけるエポキシ基を2個以上有する化合物が、下記一般式(III)および一般式(IV)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1~のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物。
    Figure 0007382768000014
    式(III)中、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基又はハロゲン原子であり、Xは‐CO‐、-SO2-、‐C(CF3)2-、-Si(CH3)2‐、-CH2‐、-C(CH3)2‐、-O-、9,9-フルオレンジイル基又は単結合を示し、nは0~10の整数である。
    Figure 0007382768000015
    式(IV)中、nは1以上5以下の整数を表し、R6~R9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数5~9のシクロアルキル基、又は炭素数6~10のアリール基を表し、R10~R20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキニ基、炭素数5~9のシクロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は炭素数1~5のアルコキシ基を表す。
  6. 請求項1~のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物を硬化させて形成したことを特徴とする塗膜。
  7. 請求項1~のいずれかに記載のブラックレジスト用感光性樹脂組成物により作製された遮光膜を透明基板上に備えてなるカラーフィルター遮光膜の製造方法であって、当該ブラックレジスト用感光性樹脂組成物を、透明基板上に塗布し、乾燥した後、(1)紫外線露光装置による露光、(2)アルカリ水溶液による現像及び(3)熱焼成の各工程を必須として遮光膜を作製することを特徴とするカラーフィルター遮光膜の製造方法。
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