JP7331053B2 - シール付軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、転がり軸受及びシール部材を備えるシール付軸受に関する。
転がり軸受の早期破損を防止するため、シール部材が利用されている。例えば、自動車、各種建設用機械等の車両に搭載されたトランスミッション内にはギアの摩耗粉等の異物が混在するため、シール部材により、摩耗粉等の軸受内部への侵入を防止している。
従来、転がり軸受に備わる一般的なシール部材として、環状の芯金と、ゴム状材料等の弾性材とで構成し、その弾性材でシールリップ部を形成したものが利用されている。一方、軌道輪、スリンガ等、軸受回転に伴ってシール部材に対して周方向に相対回転する相手部品には、シールリップ部と摺接するシール摺動面が形成されている。
一般的な接触シールは、シールリップ部とシール摺動面が全周で滑り接触し、微視的には固体接触領域を伴っている。シールリップ部の引き摺り抵抗(シールトルク)は、軸受トルクの上昇を招く。また、その滑り接触は、転がり軸受の温度上昇の一因となる。また、軸受内部が外部に対してシール部材で閉塞されるので、軸受内部と外部間の圧力差によってシールリップ部がシール摺動面に押し付けられる吸着作用が生じてシールトルクが増大することがある。これらのことから、一般的な接触シールでは、軸受の高速回転に限界がある。
一方、シール部材を相手部品と非接触に配置し、その相手部品との間にラビリンスシールを形成する非接触シールは、相手部材と固体接触しないため、軸受の高速回転に適するが、シール部材及び相手部品間の隙間の大きさについて所定粒径の異物侵入を防止できるような各種誤差の管理が難しい。
これに対し、特許文献1には、芯金の内径を規定する内周縁にシールリップ部のヒールを接着し、そのシールリップ部には径方向に延びる腰と、この腰から外部側へ延びるリップ頭とを形成し、このリップ頭を、周方向全周に形成した中実部と、この中実部からシール摺動面側へ突き出た複数の突起部とで構成したシール付軸受が開示されている。このシール付軸受は、所定粒径の異物侵入を防ぐことが可能な隙間を通じて転がり軸受の内部空間と外部間で潤滑油を流通させ、シール摺動面上での潤滑油を潤沢とし、軸受回転に伴って潤滑油を突起部とシール摺動面間に引き摺り込ませ、この際のくさび効果により各突起部とシール摺動面を油膜で完全に分離させて流体潤滑状態にすることが可能なため、所定粒径の異物侵入を防ぎ、シールリップ部の吸着も防ぎ、シールトルクを著しく低減することができる。
国際公開第2016/143786号
特許文献1に開示されたシール付軸受は、各種誤差を吸収するため、シールリップ部の中実部とシール摺動面間に締め代が設定されている。このため、シールリップ部は、シール摺動面を締め付ける方向の緊迫力を生じる。この緊迫力は、各突起部とシール摺動面の弾性接触域に作用する。軸受回転に伴って前述の流体潤滑状態へ遷移させるには、その弾性接触域において、油膜に発生する圧力スパイクを緊迫力よりも大きくする必要がある。緊迫力が小さければ小さい程、シールトルクが下がる傾向になるが、緊迫力が小さ過ぎると、所定粒径を超える異物が軸受内部に侵入し易くなる。
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、シール部材の芯金の内周縁上から内方へ延びる弾性材製シールリップ部の複数の突起部によって軸受回転時にシール摺動面とシールリップ部間の流体潤滑状態を実現すると共に、シールリップ部の緊迫力を適切にすることにある。
上記の課題を達成するため、この発明は、芯金と弾性材とで構成されたシール部材と、前記シール部材に対して周方向に摺動するシール摺動面とを備え、前記シール部材は、径方向に延びる腰と、前記腰から径方向内側に向かって外部側へ傾いた方向に延びるリップ頭とを含む弾性材製のシールリップ部を有し、前記リップ頭は、周方向全周に形成された中実部と、前記中実部からシール摺動面側へ突き出た複数の突起部とからなり、前記複数の突起部は、周方向に隣り合う前記突起部同士の間に隙間を生じさせ、かつ軸受回転に伴って前記隙間から前記突起部と前記シール摺動面間に引き摺り込まれる潤滑油の油膜によって前記シールリップ部及び前記シール摺動面間を流体潤滑状態にすることが可能な態様で形成されているシール付軸受において、前記芯金の高さをAとし、前記シール部材の外径から前記中実部のリップ先端上までの高さをBとし、前記芯金の内径を規定する内周縁から前記中実部のリップ先端上までの高さをCとし、前記腰の厚さをDとし、前記中実部のリップ先端上での内径をEとし、前記中実部と前記シール摺動面間に設定された締め代をFとし、前記引き摺り込まれる潤滑油の圧力スパイク/接触楕円の面積)と緊迫力の比率をRとして、0.50<A/B<0.80かつ0.10<C/B<0.31かつ0.05<D/C<0.22かつ0.002<F/(E/2)<0.020かつ1<R<45を満足する構成を採用した。
上記構成のように、シール部材の芯金の内周縁とシール摺動面間でのシールリップ部の撓み変形の態様に影響するパラメータであるA/B、C/B、D/C、F/(E/2)について、0.50<A/B<0.80かつ0.10<C/B<0.31かつ0.05<D/C<0.22かつ0.002<F/(E/2)<0.020を満足する範囲に設定すれば、圧力スパイクと緊迫力の比率Rについて1<Rを成立させることができる。突起部とシール摺動面間に引き摺り込まれる潤滑油の圧力スパイクが発生する箇所で油膜厚さが最小になるため、圧力スパイクと緊迫力の比率R≦1である場合、突起部とシール摺動面の固体接触が生じてしまう。圧力スパイクは温度、流れの周速等の条件で変化するが、比率Rの上限を45に見込んでおけば、流体潤滑状態を実現する低トルク性と異物侵入防止性の両立を図る観点から過小でない緊迫力にすることできる。したがって、1<R<45を成立させると、流体潤滑状態を実現しつつ、緊迫力を適切にすることができる。
ここで、圧力スパイクは、レイノルズ方程式に基づいて計算により求めることができる。また、シールトルクT(N・m)=摩擦係数μ×緊迫力W×接線半径rの関係式より緊迫力を逆算で求めることができる。
前記弾性材の硬さは60HS以上、80HS以下であることが好ましい。このようにすると、シールリップ部を形成する弾性材として一般的な材料を用いて緊迫力を適切化することができる。
前記圧力スパイクと緊迫力の比率Rは21.1<R<44.9を満足することが好ましい。この比率Rの数値範囲は公差の二乗平均を考慮した値であり、これにより、量産性と緊迫力の適切化の両立を図ることができる。
前記弾性材としては、熱硬化性エラストマー及び熱可塑性エラストマーのいずれを用いてもよい。
この発明に係るシール付軸受は、例えば、車両のトランスミッション、ディファレンシャル、等速ジョイント、プロペラシャフト、ターボチャージャ及び駆動モータ、並びに工作機械、風力発電機及びホイール軸受の中のいずれか一つの回転部を支持する用途に好適である。
上述のように、この発明は、上記構成の採用により、シール部材の芯金の内周縁上から内方へ延びる弾性材製シールリップ部の複数の突起部によって軸受回転時にシール摺動面とシールリップ部間の流体潤滑状態を実現すると共に、シールリップ部の緊迫力を適切にすることができる。
この発明の実施形態に係るシール付軸受のシール部材を示す断面図 この発明の実施形態に係るシール付軸受を示す断面図 図1に示すシール部材のリップ頭付近の左側面図 図2のリップ頭付近の拡大図 図4のV-V線の断面図 実施形態に係る突起部とシール摺動面間の油膜圧力分布と油膜厚さの計算例を示すグラフ
この発明の一例としての実施形態に係るシール付軸受を添付図面の図1~図6に基づいて説明する。
図2に示すこのシール付軸受は、転がり軸受1と、転がり軸受1の両側に配置された二つのシール部材2と、を備える。
転がり軸受1は、内輪3と、外輪4と、内輪3と外輪4との間に介在する複数の転動体5と、複数の転動体5を保持する保持器6とで構成されている。シール部材2は、転がり軸受1の内部空間7を外部に対して密封する。この密封の目的は、このシール付軸受の周囲である外部の異物が内外輪3、4間の内部空間7に侵入することを抑制して転がり軸受1の早期損傷を防止することであり、内部空間7を液密に密封することではない。
内輪3及び外輪4は、転動体5に対応の軌道面を有する。内輪3は、回転軸Sに取り付けられ、回転軸Sと一体に回転する。外輪4は、ハウジング、ギア等、回転軸からの荷重を負荷させる部材に取り付けられる。転動体5は、内輪3及び外輪4間に介在しながら公転する。
外輪4の内周の端部に、シール部材2を保持するシール溝8が形成されている。
転動体5として、玉が採用されている。このシール付軸受は、深溝玉軸受となっている。
内部空間7は、外部から供給される潤滑油(図示省略。以下、同じ。)によって潤滑される。潤滑方式としては、例えば、潤滑油をシール付軸受に掛けるはね掛け方式、又はシール付軸受の下部をオイルバスに漬ける油浴方式が挙げられる。初期潤滑剤として内部空間7に適量のグリースが封入されていてもよい。
回転軸Sは、例えば、車両のトランスミッション、ディファレンシャル、等速ジョイント、プロペラシャフト、ターボチャージャ及び駆動モータ、並びに工作機械、風力発電機及びホイール軸受の中のいずれか一つの回転部として設けられる。ここで、車両の駆動モータは、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)等に動力源として備わる電気モータを意味する。
図2において、シール付軸受1の中心軸(図示省略、以下、同じ。)と、回転軸Sの中心軸(図示省略、以下、同じ。)と、シール部材2の中心軸(図示省略、以下、同じ。)は同軸に配置されている。以下、軸方向は、その対象物の中心軸に沿った方向を意味し、径方向は、その対象物の中心軸に直交する方向を意味し、周方向は、その対象物の中心軸を中心として一周する円周に沿った方向を意味する。また、軸方向に転動体から遠ざかる側を軸方向外部側といい、反対に転動体に接近する側を軸方向内部側という。また、径方向に中心軸に近づく側を径方向内側という。軸方向は図2において左右方向に相当し、径方向は図2において上下方向に相当する。
このシール付軸受を囲む外部には、ギアの摩耗粉、クラッチの摩耗粉、微小砕石等、このシール付軸受の組み込み先に応じた異物が存在する。このような粉状の異物は、潤滑油や雰囲気の流れによってシール部材2付近に到達し得る。シール部材2は、外部から内部空間7への異物侵入を抑制するためのものである。
シール部材2は、芯金9と、弾性材10とからなる。
図1は、シール部材2の製造形状を示す半断面であり、実質的に重力以外の外力が作用しない自然状態でのシール部材2の半断面に相当する。この半断面は、シール部材2の中心軸を一辺に含む仮想平面上の断面である。
図1に示すように、芯金9は、周方向及び軸方向に沿う円筒板部11と、円筒板部11の軸方向外部側から径方向内側へ延びる円環板部12と、円環板部12から軸方向内部側へ延びる円すい板部13とからなる。これら円筒板部11~円すい板部13は、鋼板等の金属板によって形成されている。鋼板として、例えば、冷間圧延鋼板(SPC)が挙げられる。
円筒板部11の外周は、芯金9の外径を規定する。芯金9の内径を規定する内周縁14は、円すい板部13の先端からなり、全周で周方向及び軸方向に沿う平坦面状に形成されている。
シール部材2は、芯金9の円筒板部11に接着された嵌合部15と、芯金9の内周縁14よりも径方向内側に位置するシールリップ部16と、嵌合部15とシールリップ部16とを繋ぐ側面部17とを有する。これら嵌合部15~側面部17は、弾性材10により形成されている。
弾性材10の硬さは、60HS以上、80HS以下である。このショア硬さ(HS)は、JIS K 6301「加硫ゴム物理試験方法」に準拠したショア硬さ試験方法での値である。
弾性材10として、熱硬化性エラストマー及び熱可塑性エラストマーのいずれか一つを使用することができる。熱硬化性エラストマーとして、例えば、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等が挙げられる。熱可塑性エラストマーとして、例えば、ポリスチレン系(TPS)、オレフィン/アルケン系(TPO)、ポリアミド系(TPAE)等が挙げられる。
図2に示すように、内輪3の外周には、シールリップ部16に対して周方向に摺動するシール摺動面18が形成されている。シール摺動面18は、全周で周方向に沿う円筒面状になっている。
図1に示すシール部材2の嵌合部15の外周縁は、シール部材2の外径を規定する。嵌合部15を図2に示すシール溝8に圧入することにより、シール部材2が外輪4に取り付けられる。
図1に示すように、シールリップ部16は、径方向に延びる腰19と、腰19から径方向内側に向かって軸方向外部側へ傾いた方向に延びるリップ頭20と、腰19と芯金9の内周縁14との間に連続するヒール21とからなる。
腰19は、全周で周方向及び径方向に沿う円環状に形成されている。したがって、腰19は、一定の厚さに形成されている。
ヒール21は、芯金9の内周縁14に接着されており、芯金9の内周縁14に近くなる程に厚くなり、芯金9の軸方向内部側と軸方向外部側に接着された側面部17に連続している。
図3は、図1のシールリップ部16の軸方向内部側の側面を示す。図1、図3に示すように、リップ頭20は、周方向全周に形成された中実部22と、中実部22からシール摺動面18側へ突き出た複数の突起部23とからなる。
中実部22の軸方向外部側の側面は、全周で腰19に対して軸方向外部側に位置する。中実部22の軸方向内部側の側面は、中実部22の先端から腰19の軸方向内部側の側面まで連続する。中実部22の先端は、シールリップ部16のリップ先端に含まれる。このリップ先端は、シールリップ部16の軸方向内部側の側面と軸方向外部側の側面との境界である。
突起部23は、中実部22の軸方向内部側の側面に対する法線方向に突き出ている。複数の突起部23は、周方向に並んでいる。複数の突起部23の周方向ピッチは一定になっている。突起部23は、その全長に亘って周方向と直交する方向に延びている。中実部22に対する突起部23の突出高さは、シール摺動面18と摺動し得る部位において一定になっている。シールリップ部16の全体的な形状は、突起部23のピッチに対応した回転対称形になっている。
シールリップ部16とシール摺動面18との間に径方向の締め代が設定されている。シール部材2を図2に示す状態となるように外輪4に取り付ける際、シールリップ部16は、複数の突起部23からシール摺動面18に押し付けられて、図4に示すように腰19からリップ頭20が撓む。この弾性変形により、シールリップ部16は、シール摺動面18を締める方向の緊迫力を生む。シール部材2の取り付け誤差、製造誤差等は、シールリップ部16の撓み具合の変化によって吸収される。
図5は、図4のV-V線の切断面を示す。この切断面は、軸方向に直角な仮想平面上の断面である。図5に示すように、突起部23の断面形状は、曲率半径rの半円状に形成されている。シール部材2の取り付け時、複数の突起部23は、シール摺動面18に接触し、シールリップ部16の緊迫力に抗して突っ張る。このとき、シールリップ部16の全周部の弾性変形で生じる緊迫力の作用により、シール摺動面18に向けて押される突起部23は、その頂上部において僅かに圧縮され、中実部22は、僅かにシール摺動面18へ接近する側に撓むもシール摺動面18と非接触の状態に配置される。周方向に隣り合う突起部23同士の間かつシール摺動面18と中実部22との間には、内部空間7と外部に連通する隙間24が生じさせられる。軸受回転時、シールリップ部16は、複数の突起部23上でのみシール摺動面18と摺動する。
突起部23は、シール摺動面18との間に隙間24側で大、当該突起部23側で小となるくさび状隙間を形成する。また、突起部23とシール摺動面18の弾性接触域は、突起部23の弾性変形により、図4に示すように軸方向に有限長L(ただしLは誇張して図示している)で生じる。軸受回転時、シールリップ部16とシール摺動面18は、周方向に相対回転する。突起部23とシール摺動面18の弾性接触域においては、突起部23が隙間24内の潤滑油(図5においてシール摺動面18が右回りに回転するときの潤滑油:Oilの流れを模式的に矢線で例示する。)をシール摺動面18との間に周方向に引き摺り込む際のくさび効果によって油膜形成が促進され、突起部23とシール摺動面18との間に介在する油膜厚さが厚くなる。
軸受停止時や軸受回転速度が一定未満のとき、微視的には、突起部23とシール摺動面18の弾性接触域に固体接触領域が含まれており、その潤滑モードは境界潤滑又は混合潤滑である。突起部23とシール摺動面18の相対回転の周速が一定以上になると、突起部23とシール摺動面18間の油膜厚さは、突起部23とシール摺動面18間の合成粗さσを余裕で上回り、各突起部23とシール摺動面18が油膜で完全に分離させられた流体潤滑状態になる。これにより、シールリップ部16とシール摺動面18間を油膜で完全に分離させた流体潤滑状態にすることができる。このような流体潤滑状態になれば、シール部材2によるシールトルクを非接触式のシールと同等まで低減し、ひいてはシール付軸受の温度上昇を抑制し、シールリップ部16の吸着作用を防止することができる。
例えば、車両のトランスミッション内の回転部を支持する用途では、一般に、跳ねかけ、オイルバス等の適宜の方式でシール付軸受に給油される。その潤滑油は、トランスミッション内に存在するギア等の他の潤滑部分でも共通に用いられ、オイルポンプで循環されており、その循環経路に設けられたオイルフィルタによって濾過される。粒径0.05mmを超える大きさの異物侵入は軸受寿命に悪影響を及ぼすと考えられる。隙間24を生じさせるための突起部23の高さH(図5参照)を0.07mm以下に設定すれば、そのような大きな異物が隙間24を容易に通過できない。突起部23の高さHが0.07mm以下の場合、例えば、周方向に隣り合う突起部23同士の間隔を0.3mm以上2.6mm以下、突起部23の周方向幅Wを0.2mm以上1.0mm以下、かつ突起部23の表面の曲率半径rを0.15mm以上2.0mm未満の範囲に設定することができる。この設定例では、その油温30~120℃、シールリップ部16とシール摺動面18の相対的な周速が0.2m/s以上の場合に、計算上、Greenwood-Johnsonの決めた無次元数である粘性パラメータgvと弾性パラメータgeに基づく潤滑領域図(Johnsonチャート)において等粘度-剛体領域(R-Iモード)又は等粘度-弾性体領域(E-Iモード,ソフトEHL)のいずれかの潤滑モード、すなわち前述の流体潤滑状態になると考えられる。なお、突起部23の高さ、間隔、幅等を前述の設定例の数値範囲よりも小さくしても流体潤滑状態を実現することは可能だが、潤滑油の引き摺りせん断抵抗が増えて低トルク性に不利となり、また、突起部23を成形するための転写面をエンドミル加工で金型に形成することが困難になる。
油膜パラメータΛ≧3であれば、流体潤滑状態であると考えられる。油膜パラメータΛは、突起部23とシール摺動面18の弾性接触域(弾性流体潤滑理論における接触楕円)での最小の油膜厚さhに対する合成粗さσの比であり、Λ=h/σである。
合成粗さσ=√(Rq1 +Rq2 )である。Rqは、シール摺動面18の二乗平均平方根粗さである。Rqは、突起部23の表面における二乗平均平方根粗さである。ここで、二乗平均平方根粗さは、JIS(B0601:2013)に規定された二乗平均平方根粗さRqの値(μm)である。
前述のエラストマー製の突起部23と、鋼製の軌道輪に形成されたシール摺動面18との合成粗さσは、一般に、1μmよりも十分に小さい値となる。合成粗さσは、例えば、突起部23の成形時に得られる表面粗さ性状とシール摺動面18の研削仕上げ時に得られる表面粗さ性状により、0.22μm程度にすることが可能である。
油膜厚さhは、弾性流体潤滑理論に基づいて求められる。突起部23とシール摺動面18間の油膜圧力pの分布と油膜厚さhの関係は、図6に示すグラフのような傾向となる。図6のグラフから明らかなように、最小の油膜厚さhは、接触楕円内に生じる圧力スパイクのところ(図6の計算例においてはx=0付近)で最小になる。
なお、同図の横軸に示す流れ方向xは周方向に相当し、横軸の原点0の位置は接触楕円の中心に相当する。また、同図のグラフに示す計算結果は、図1に示す弾性材10がアクリルゴム、シール摺動面18の直径が64mm、自然状態の突起部23の半円状を規定する曲率半径が1.5mm、自然状態の突起部23の中実部22からの高さが40μm、突起部23の総数が180個のモデルにおいて、潤滑油の動粘度(40℃)が26mm/s、軸受回転速度が1500rpmのときを想定している。この計算は、シール部材2の全体の弾性変形と潤滑油の流体圧力とを連成させて解くソフトEHL解析により行った。
図2に示す転がり軸受1が回転するとき、図4、図5に示すシールリップ部16の緊迫力は圧力スパイクの箇所に作用する。圧力スパイクと緊迫力の比率R≦1である場合、緊迫力が圧力スパイクに勝り、油膜の形成が不十分となり、突起部23とシール摺動面18の固体接触が生じてしまう。一方、比率R>1が成立する場合、圧力スパイクが緊迫力に勝るので、突起部23とシール摺動面18を油膜で完全に分離させることが可能である。
ここで、圧力スパイクと緊迫力の比率Rは、圧力スパイク(MPa)/接触楕円の面積(mm)の値(N)を求め、これを緊迫力(N)で除算した値である。
その緊迫力は、シールリップ部16における弾性変形で発生する。そのゴム弾性変形は、図1に示す断面における各部の高さA~C、腰19の厚さD、中実部22の内径E、及び中実部22とシール摺動面18間に設定された締め代Fに依存する。
ここで、芯金9の高さAは、芯金9の外径を規定する外周縁から内径を規定する内周縁14までの高さである。高さAは、芯金9の外径と内径との差分の1/2の寸法に相当する。高さBは、シール部材2の外径から中実部22のリップ先端上までの高さである。高さBは、シール部材2の外径と中実部22の内径Eとの差分の1/2の寸法に相当する。中実部22の内径Eは、中実部22のリップ先端上に径方向に内接する仮想円の直径である。高さCは、芯金9の内径を規定する内周縁14から中実部22のリップ先端上までの高さである。高さCは、芯金9の内径と中実部22の内径Eとの差分の1/2の寸法に相当する。腰19の厚さDは、腰19の軸方向外部側の側面から軸方向内部側の側面までの厚さである。締め代Fは、シール摺動面18の直径(中実部22と軸方向に重なる部位での直径)と中実部22の内径Eとの差分である。
比率A/Bは、シール部材2の全周部の総高さに占める芯金9の高さの配分を示す。比率C/Bは、シール部材2の全周部の総高さに占めるシールリップ部16の全周部の高さの配分を示す。比率F/(E/2)は、締め代Fが中実部22の高さに占める配分を示す。シールリップ部16の全周部の高さと、緊迫力に耐える芯金9の強度と、締め代Fの配分がシールリップ部16の弾性変形に影響するので、緊迫力は、比率A/B、比率C/B、及び比率F/(E/2)に依存する。特に、緊迫力に影響する腰19からリップ頭20にかけての撓み変形は、腰19の厚さとシールリップ部16の全周部の高さの比である比率D/Cと、比率F/(E/2)に依存する。
シールリップ部16の材料として通常使用される前述の熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー等であって60HS~80HSの硬さである弾性材10を前提とする場合、0.50<A/B<0.80かつ0.10<C/B<0.31かつ0.05<D/C<0.22かつ0.002<F/(E/2)<0.020を満足することにより、芯金9の強度と、締め代Fによるシールリップ部16の弾性変形を適切にして、1<Rを成立させることができる。
ここで、前述の寸法A~Fに基づくA/B、C/B、D/C、及びF/(E/2)の数値範囲から、緊迫力が小さくなる側に外れた場合と、緊迫力が大きくなる側に外れた場合とを考える。緊迫力が小さくなる側に寸法が外れた場合は、比較的問題が少ないが、極端に外れて緊迫力が極小になると、シール性が低下する。一方、緊迫力が大きくなる側に寸法が外れた場合は、圧力スパイクよりも緊迫力が勝る状態から、1<Rが成立するまで(流体潤滑になるまで)の回転数(周速)が上昇してしまい、例えば、アイドリングストップ機能を有する車両だと、停車の度にエンジン回転数が0rpmになるため、そこからアイドリング回転(例えば700rpm)になるまで流体潤滑にならない可能性がある。
比率A/Bは、シール部材2の全周部の総高さにおいて芯金9が占める比率なので、緊迫力の大きさに影響する要素であるシールリップ部16の剛性に関係がある。適切な緊迫力を得るため、比率A/Bについては、0.54<A/B<0.77を満足することが好ましく、より好ましくは0.57<A/B<0.74を満足するとよい。
比率C/Bは、シールリップ部16の腰19の長さを示す比率なので、これもシールリップ部16の剛性に関係がある。適切な緊迫力を得るため、比率C/Bについては、0.13<C/B<0.30を満足することが好ましく、より好ましくは0.16<C/B<0.29を満足するとよい。
比率D/Cは、シールリップ部16の腰19の厚さと腰19の長さの比率なので、シールリップ部16の剛性に関係がある。適切な緊迫力を得るため、比率D/Cについては、0.06<D/C<0.21を満足することが好ましく、より好ましくは0.07<D/C<0.20を満足するとよい。
比率F/(E/2)は、締め代を示す比率なので、シール性に関係がある。適切なシール性を得るため、比率F/(E/2)については、0.003<F/(E/2)<0.015を満足することが好ましく、より好ましくは0.0044<F/(E/2)<0.0136を満足するとよい。
前述の比率A/B、比率C/B、比率D/C、比率F/(E/2)の好ましい数値範囲については適宜に全部又は複数を組み合わせて採用してもよい。
図6例の計算で想定したモデルは、前述の比率A/B、比率C/B、比率D/C、比率F/(E/2)の各数値範囲を満足するものである。図6例の計算条件のとき、その接触楕円の面積は0.035mm(短軸長さ0.15mm、長軸長さ0.3mm)となり、圧力スパイクは約0.21MPaとなり、圧力スパイク/接触楕円の面積の値は約5.94Nとなり、緊迫力は約0.21Nとなった。つまり、図6例の計算条件のときの比率Rは約30倍である。図6例の計算条件における比率Rの値は、想定モデルでの中央値的な値である。温度、流れの速度等の条件が異なれば、圧力スパイクは比較的大きく変化する一方、シールリップ部の全周部の弾性変形に依存する緊迫力はさほど変化しないため、圧力スパイクの変化に伴って比率Rは変化し、最小で約21倍、最大で約45倍となる。比率Rが45倍のときでも、図4、図5に示すシールリップ部16の全周部の弾性変形はシール摺動面18から遠ざかる方向において少なく、異物侵入防止性の観点から問題となる程の隙間24の拡大は生じない。
圧力スパイクと緊迫力の比率Rは、緊迫力を小さく設定する程、大きくなり、緊迫力を大きく設定する程、小さくなる。緊迫力を小さくする程、流体潤滑状態に遷移し易くなりかつ潤滑油の引き摺りせん断抵抗が小さくなるので低トルク性が良好になる反面、シールリップ部16がシール摺動面18から遠ざかる方へ浮き易くなるので、所定粒径を超える異物の内部空間7への侵入が起こり易くなる。緊迫力を大きくする程、シールリップ部16の浮きを防止することは可能だが、低トルク性を損ねることになる。許容する比率Rの上限を過大に設定すると、低トルク性及び異物侵入防止性を両立させる上で緊迫力を過小に設定することになる。図6例のモデルで示された比率Rの変化範囲を踏まえると、比率Rの上限を45倍とすれば、低トルク性及び異物侵入防止性を両立させる観点から適切な緊迫力と考えられる。
比率Rは21.1<R<44.9を満足することが好ましい。この比率Rの数値範囲は、図1に示す各寸法A~Fの公差の二乗平均から算出した値である。これにより、シール部材2の量産性と緊迫力の適切化の両立を図ることができる。比率Rの下限を21.1とすることにより、量産下で1<Rを確実に成立させつつ、緊迫力の過大設定を避けて良好な低トルク性を得ることができる(以下、適宜、図1~図5参照のこと。)。
実施形態に係るシール付軸受は、上述のようなものであり、芯金9と弾性材10とで構成されたシール部材2と、シール部材2に対して周方向に摺動するシール摺動面18とを備え、シール部材2が径方向に延びる腰19と、腰19から径方向内側に向かって外部側へ傾いた方向に延びるリップ頭20とを含む弾性材10製のシールリップ部16を有し、リップ頭20が周方向全周に形成された中実部22と、中実部22からシール摺動面18側へ突き出た複数の突起部23とからなり、複数の突起部23が周方向に隣り合う突起部23同士の間に隙間24を生じさせ、かつ軸受回転に伴って隙間24から突起部23とシール摺動面18間に引き摺り込まれる潤滑油の油膜によってシールリップ部16及びシール摺動面18間を流体潤滑状態にすることが可能な態様で形成されているものであって、特に、芯金9の高さをAとし、シール部材2の外径から中実部22のリップ先端上までの高さをBとし、芯金9の内径を規定する内周縁14から中実部22のリップ先端上までの高さをCとし、腰19の厚さをDとし、中実部22のリップ先端上での内径をEとし、中実部22とシール摺動面18間に設定された締め代をFとし、前記引き摺り込まれる潤滑油の圧力スパイクと緊迫力の比率をRとして、0.50<A/B<0.80かつ0.10<C/B<0.31かつ0.05<D/C<0.22かつ0.002<F/(E/2)<0.020かつ1<Rを満足することにより、シール部材2の芯金9の内周縁14上から内方へ延びる弾性材10製シールリップ部16の複数の突起部23によって転がり軸受1の回転時にシール摺動面18とシールリップ部16間の流体潤滑状態を実現すると共に、シールリップ部16の緊迫力を適切にすることができる。
また、実施形態に係るシール付軸受は、弾性材10の硬さが60HS以上、80HS以下であることにより、シールリップ部を形成する弾性材として一般的な材料を用いて緊迫力を適切化することができる。
また、実施形態に係るシール付軸受は、圧力スパイクと緊迫力の比率Rが21.1<R<44.9を満足することにより、量産性と緊迫力の適切化の両立を図ることができる。
なお、この実施形態では、シールリップ部16がラジアルリップである例を示したが、この発明は、アキシアルリップに変更することも可能である。ここで、ラジアルリップは、軸方向に沿ったシール摺動面又は軸方向に対して45°以内の鋭角の勾配をもったシール摺動面と密封作用を奏するシールリップ部のことをいい、アキシアルリップは、軸方向に対して45°を超える勾配をもったシール摺動面と密封作用を奏するシールリップ部のことをいう。
また、この実施形態では、内輪回転のラジアル玉軸受を例示したが、この発明は、外輪回転の軸受、スラスト軸受、ころ軸受等の適宜の形式にも適用することも可能である。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 転がり軸受
2 シール部材
3 内輪
4 外輪
7 内部空間
9 芯金
10 弾性材
14 内周縁
15 嵌合部
16 シールリップ部
18 シール摺動面
19 腰
20 リップ頭
22 中実部
23 突起部
24 隙間

Claims (2)

  1. 芯金と弾性材とで構成されたシール部材と、前記シール部材に対して周方向に摺動するシール摺動面とを備え、
    前記シール部材は、径方向に延びる腰と、前記腰から径方向内側に向かって外部側へ傾いた方向に延びるリップ頭とを含む弾性材製のシールリップ部を有し、前記リップ頭は、周方向全周に形成された中実部と、前記中実部からシール摺動面側へ突き出た複数の突起部とからなり、前記複数の突起部は、周方向に隣り合う前記突起部同士の間に隙間を生じさせ、かつ軸受回転に伴って前記隙間から前記突起部と前記シール摺動面間に引き摺り込まれる潤滑油の油膜によって前記シールリップ部及び前記シール摺動面間を流体潤滑状態にすることが可能な態様で形成されているシール付軸受において、
    前記弾性材として熱硬化性エラストマー及び熱可塑性エラストマーのいずれかが使用されており、
    前記弾性材の硬さは60HS以上、80HS以下であり、
    前記芯金の高さをAとし、前記シール部材の外径から前記中実部のリップ先端上までの高さをBとし、前記芯金の内径を規定する内周縁から前記中実部のリップ先端上までの高さをCとし、前記腰の厚さをDとし、前記中実部のリップ先端上での内径をEとし、前記中実部と前記シール摺動面間に設定された締め代をFとし、前記引き摺り込まれる潤滑油の圧力スパイク/接触楕円の面積)と緊迫力の比率をRとして、0.50<A/B<0.80かつ0.10<C/B<0.31かつ0.05<D/C<0.22かつ0.002<F/(E/2)<0.020かつ21.1<R<44.9を満足することを特徴とするシール付軸受。
  2. 車両のトランスミッション、ディファレンシャル、等速ジョイント、プロペラシャフト、ターボチャージャ及び駆動モータ、並びに工作機械、風力発電機及びホイール軸受の中のいずれか一つの回転部を支持する請求項1に記載のシール付軸受。
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