JP7326833B2 - 発色構造体、表示体、及び、発色構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
光の干渉による構造色のうち、例えば、多層膜干渉による構造色は、相互に隣り合う薄膜の屈折率が互いに異なる多層膜層では、多層膜の各界面で反射した光が干渉することによって生じる構造色である。この多層膜干渉は、モルフォ蝶の翅の発色原理の1つである。モルフォ蝶の翅では、多層膜干渉に加えて、翅の表面の微細な凹凸構造によって光の散乱や回折が生じる結果、鮮やかな青色が広い観察角度において視認される。
多層膜層において、干渉によって強められる光の波長は、多層膜層の各層にて生じる光路差によって変わり、光路差は各層の膜厚及び屈折率に応じて決まる。そして、干渉によって強められた光の出射方向は、入射光の入射角度に依存した特定の方向に限定される。したがって、平面に多層膜層が積層された構造では、視認される反射光の波長が観察角度によって大きく変化するため、視認される色が観察角度によって大きく変化する。
このように作製した構造体が屋外などに長時間曝されることより劣化した場合、凹凸層や基材などが黄変し、構造色の色相が変化することがある。
本実施形態の発色構造体は、凹凸構造を有する凹凸層と、凹凸構造体に設けられた多層膜層とを備える凹凸構造体からなる。凹凸構造体が有する凹凸構造としては、例えば、第1の構造と第2の構造とのいずれもが適用可能である。
まず、これらの2つの構造の各々について説明する。
なお、発色構造体に対する入射光及び反射光の波長域は特に限定されないが、以下の説明においては、一例として、可視光領域の光を対象とした発色構造体について説明する。本実施形態においては、360nm以上830nm以下の波長域の光を可視光領域の光とする。
図1は、第1の構造を有する凹凸構造体10を備える発色構造体20を示す。
凹凸構造体10は、表面に凹凸構造を有する凹凸層の一例である基材15と、基材15の表面に積層された多層膜層16とを備えている。すなわち、多層膜層16は、基材15における凹凸の形成されている面を覆うようにして凹凸構造の上に形成されている。基材15の有する凹凸構造は、複数の凸部15aと、複数の凸部15aの間の領域である凹部15bとから構成され、凸部15aは、不規則な長さを有して略帯状に延びる部分から構成される。基材15には、第1方向の線幅の23%以下の粒径の無機粒子を、凹凸層を構成する固形分に対し3質量%以上25質量%以下、含有している。
基材15における凸部15a上と凹部15b上とで、多層膜層16の構成、すなわち、多層膜層16を構成する各層の材料や膜厚や積層順序は一致している。そして、多層膜層16における基材15とは反対側の面である表面は、基材15の凹凸構造に追従した表面形状、すなわち、基材15に形成された凹凸の配置に対応する配置の凹凸を有している。これにより、多層膜層16は、凹凸構造に追従した表面形状を有する。
なお、多層膜層16における基材15と接する面も、多層膜層16の表面と同様の凹凸を有するため、基材15の位置する側から発色構造体20に光が入射した場合にも、同様に、特定の波長域の反射光が広い角度に出射される。すなわち、発色構造体20は、多層膜層16と基材15とのいずれの側から観察されてもよい。
図2(a)は、基材15をその表面と対向する方向から見た平面図であり、図2(b)は、図2(a)の2-2線に沿った基材15の断面構造を示す断面図である。図2(a)においては、凹凸構造を構成する凸部15aにドットを付して示している。この図2(a)の表示は、仮想平面での凸部の投影像からなる、複数の図形要素の集合によるパターンに対応する。
図2(a)が示すように、第1方向Dxと第2方向Dyとは、基材15の厚さ方向に凹凸構造が投影される仮想的な面である仮想平面に沿った方向であり、第1方向Dxと第2方向Dyとは直交する。仮想平面は、基材15の広がる方向に沿った面であり、基材15の厚さ方向と直交する面で表現される。
複数の矩形Rにおいて、第1方向Dxの長さd1は一定であり、複数の矩形Rは、第1方向Dxに、長さd1の配列間隔、すなわち、長さd1の周期で配置されている。第1方向の線幅とは、このd1を意味する。
ただし、多層膜層16の表面の凹凸での反射に起因した光の干渉を抑えるために、凸部15aの高さh1は可視光領域の光の波長の1/2以下であることが好ましく、すなわち、415nm以下であることが好ましい。さらに、上記光の干渉を抑えるために、高さh1は、多層膜層16から反射される上記特定の波長域の光が有するピーク波長の1/2以下であることがより好ましい。
図3は、第2の構造を有する凹凸構造体11を備える発色構造体21を示す。
第2の構造を有する凹凸構造体11は、第1の構造を有する凹凸構造体10と比較して、基材15における凹凸構造の構成、すなわち、多層膜層16の表面における凹凸構造の構成が異なる。こうした凹凸構造の構成以外については、上述の第1の構造を有する凹凸構造体10と同様の構成を有する。以下では、発色構造体21について、上述の発色構造体20との相違点を中心に説明し、発色構造体20と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
第1の構造の発色構造体20によれば、反射光の散乱効果によって、視認される色の観察角度による変化は緩やかになるものの、散乱に起因した反射光の強度の低下によって、視認される色の鮮やかさは低下する。発色構造体の用途等によっては、より鮮やかな色を広い観察角度で観察可能な構造体が求められる場合もある。第2の構造において、第2凸部要素は、入射光が特定の方向へ強く回折されるように配列されており、第1凸部要素による光の散乱効果と第2凸部要素による光の回折効果とによって、より鮮やかな色を広い観察角度で観察可能な発色構造体21が実現される。
図5を参照して、第1の構造と第2の構造からなる凹凸構造体11が有する凹凸構造の詳細について説明する。図5(a)は、基材15をその表面と対向する方向から見た平面図であり、図5(b)は、図5(a)の5-5線に沿った基材15の断面構造を示す断面図である。図5(a)においては、第1凸部要素が構成するパターンと、第2凸部要素が構成するパターンとに異なる密度のドットを付して示している。この図5(a)の表示は、仮想平面での凸部の投影像からなる、複数の図形要素の集合によるパターンに対応する。
発色構造体20、21を構成する各層の材料、及び、発色構造体20、21の製造方法を説明する。
基材15は、例えば合成石英基板や、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリウレタン等の樹脂からなるフィルムからなる。基材15の表面の凹凸構造は、例えば、光又は荷電粒子線を照射するリソグラフィとドライエッチング法等の微細加工技術を利用して、基材表面へ直接加工することで形成も可能だが、加工に時間が掛かり、コストも非常に高くなる。そのため、これらの技術によって形成された凹凸構造を有するモールドからナノインプリント法により転写することで、凹凸構造を作製することが望ましい。ナノインプリント法における硬化方法は光、熱のいずれでも良い。
また、樹脂の粘度が高いとモールドへの充填に時間が掛かる。高圧力や高温により充填することも可能であるが、コストが掛かる。そのため、モールド充填時には低粘度であることが望ましい。
押出しラミネーションによる賦形も可能ではあるが、粘度が高いため、充填が難しく、適正なプロセス条件を選定するのは難易度が高い。
発色構造体20、21が多層膜の位置する側から観察される場合には、多層膜の上に可視光領域の光に対して光透過性を有する材料、すなわち、可視光領域の光に対して透明な材料を用いて保護層を構成しても良い。こうした材料としては、例えば、アクリル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等の樹脂が用いられる。この保護層には、紫外線吸収剤を含有していてもよい。
例えば多層膜層16上に、透過光を吸収する吸収層を設けても良い。こうした構成によれば、基材15側から多層膜層16を透過した光は多層膜層16上の吸収層によって吸収され、透過光が基材15側に返ってくることが抑えられるため、基材15側から発色構造体20、21を観察した場合に、多層膜層16からの反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられる。したがって、反射光による色の視認性が低下することが抑えられ、発色構造体20、21において所望の発色が好適に得られる。
あるいは、基材の凹凸構造とは反対側の面に吸収層を設けても良い。こうした構成によれば、多層膜層16から基材15を透過した光が、凹凸構造とは反対側の面に設けられた透過光を吸収する吸収層によって吸収されることでも、反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられる。
透過した透過光を吸収する材料としては、光吸収剤や黒色顔料等の可視光領域の光を吸収する材料を意味し、具体的には、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄、黒色複合酸化物等の黒色の無機顔料が樹脂に混合された層であることが好ましい。
発色構造体は、図6が示す構成を有していてもよい。図6が示す発色構造体22が備える凹凸構造体12は、基材15と、基材15の表面に形成された樹脂層17と、樹脂層17に積層された多層膜層16とを備える。基材15の表面は平坦であり、樹脂層17がその表面に凹凸を有する。図6に示す形態においては、樹脂層17が凹凸層を構成する。樹脂層17の表面における凹凸構造としては、例えば、上述の第1の構造の凹凸構造と第2の構造の凹凸構造とのいずれか、又はその複合構造のものが適用可能である。
また、光ナノインプリント法に代えて、熱ナノインプリント法が用いられてもよい。この場合、樹脂層17の樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の、製造方法に応じた樹脂が用いられる。光硬化性樹脂を用いた場合でも、熱ラジカル開始剤などを用いることで、熱ナノインプリント法を用いることができる。
これらの発色構造体が屋外などに長時間曝されることより劣化した場合、基材15や樹脂層17などが黄変し、構造色の色相が変化することがある。そこで、凹凸層には、第1方向の線幅の23%以下の粒径の無機粒子を、凹凸層を構成する固形分に対し3質量%以上25質量%以下、含有する必要がある。なお、ここでいう凹凸層とは、凹凸構造を形成している層を意味し、例えば図1のように基材15上に凹凸構造がある場合は基材15を、図6のように樹脂層17上に凹凸構造があるものは樹脂層17を凹凸層という。
第1方向の線幅に対し、23%以下の粒径の無機粒子を、凹凸層の固形分に対し3質量%以上25質量%以下、含有することで、発色構造体の長期保存後の色相変化を防ぐことができ、かつ凹凸構造をモールドから転写する際にモールドの汚染を防ぐことができる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、チタンブラックなどが上げられる。無機粒子は1種である必要はなく、複数種含まれていてもよい。
チタンブラックを用いた場合、凹凸層の可視光透過性が小さくなるため、長期保存後の色相変化を防ぐことができる。加えて、視認性を良好にするために必要な吸収層を別途設ける必要がない。また、チタンブラックは紫外光を透過するという性質を持つため、光ナノインプリントによる製造が可能である。この場合、多層膜層16側から良好な視認性を得ることができる。
凹凸層には、性能を損なわない範囲で添加剤など従来公知の材料が含まれていても良い。
上述した発色構造体の具体的な適用例について説明する。以下で説明する適用例には、第1の構造を有する発色構造体20、第2の構造を有する発色構造体21、及び、上述の変形例で説明した発色構造体22のいずれもが適用可能である。
発色構造体の第1の適用例は、発色構造体を表示体に用いる形態である。表示体は、物品の偽造の困難性を高める目的で用いられてもよいし、物品の意匠性を高める目的で用いられてもよいし、これらの目的を兼ねて用いられてもよい。物品の偽造の困難性を高める目的としては、表示体は、例えば、パスポートや免許証等の認証書類、商品券や小切手等の有価証券類、クレジットカードやキャッシュカード等のカード類、紙幣等に貼り付けられる。また、物品の意匠性を高める目的としては、表示体は、例えば、身に着けられる装飾品や、使用者に携帯される物品、家具や家電等のように据え置かれる物品、壁や扉等の構造物、自動車の内装や外装等に取り付けられる。
なお、表示体30は、表示領域31A、31Bの周囲等に、発色構造体の構成とは異なる構成を有する領域、例えば、表面が平坦な基材に多層膜層が積層された構造を有する領域や、基材に金属薄膜が積層された構造を有する領域等を有していてもよい。
裏面30Rにも、表示領域を配置してもよい。
第1画素32Aと第2画素32Bとでは、凸部15aの高さh1が互いに異なっている。一方、第1画素32Aと第2画素32Bとにおいて、多層膜層16の構成は共通している。すなわち、高屈折率層16aの材料や膜厚、低屈折率層16bの材料や膜厚、及び、これらの層の層数は、共通している。第1画素32Aと第2画素32Bとで、凸部15aの高さh1が異なることによって、第1画素32Aと第2画素32Bとは互いに異なる色相の色を呈する。各画素32A、32Bにおける凸部15aの高さh1は、各画素32A、32Bの所望の色相に応じて設定されればよい。
例えば、多層膜層16が平坦面に積層されている場合における多層膜層16からの反射光のピーク波長が500nmであり、画素によって緑色を発色させたい場合は、凸部15aの高さh1を100nm程度とすることが好ましく、画素によって赤色を発色させたい場合は、凸部15aの高さh1を200nm程度とすることが好ましい。
なお、画素32A、32Bに適用される発色構造体が、第2の構造を有する発色構造体である場合、上記仮想平面にて凸部15cの投影像が構成するパターンにおいて第1凸部要素15Eaが占める割合よりも第2凸部要素15Ebが占める割合が小さい構成においては、第2凸部要素15Ebの高さh2が画素32A、32Bの呈する色相に与える影響は微小である。したがって、第2の構造を有する発色構造体においても、第1の構造の凸部15aに相当する第1凸部要素15Eaの高さh1の調整によって、画素32A、32Bの呈する色相の調整が可能である。
基材15における凹凸構造は、例えば、第1画素32Aの位置する第1表示領域31Aに対応する部分と、第2画素32Bの位置する第2表示領域31Bに対応する部分との各々に対して、リソグラフィやドライエッチングを行うことによって形成される。凸部15aの高さh1を変えるためには、エッチング時間を変更すればよい。
第1表示領域31Aに対応する部分と第2表示領域31Bに対応する部分とに対し、多層膜層16は、同一の工程によって、同時に形成される。
第1表示領域31Aと第2表示領域31Bとが接している場合、第1画素32Aと第2画素32Bとの間で、多層膜層16は連続している。
また、画素32A、32Bの構成に、発色構造体22の構成、すなわち、基材15に積層された樹脂層17が凹凸構造を有している構成が適用される場合、この凹凸構造は、例えば、以下のように形成される。すなわち、ナノインプリント法を利用して、各表示領域31A、31Bに対応する部分で凹凸の高さを変えたモールドが用いられ、各画素32A、32Bの樹脂層17の凹凸構造が同時に形成される。
また、表示要素の構成としては、上述した発色構造体の構成であればいずれの構成であっても適用可能であり、例えば、多層膜層や、多層膜層とは反対側の面の上に、保護層や反射防止層、接着層などを設けることができる。
発色構造体の第2の適用例は、発色構造体を発色シートに用いる形態である。発色シートは、発色構造体から構成されたシートであり、装飾等のために被着体に固定される。発色シートと被着体とから、成形体が構成される。
被着体の形状や材料は特に限定されないが、例えば、樹脂製の被着体に発色シートが取り付けられるとき、発色シートは、例えば、フィルムインサート工法、インモールドラミネーション工法、三次元オーバーレイラミネーション工法(TOM)等のラミネート加飾工法を用いて、被着体の表面へ固定される。
基材15に糊付け性がある場合には、紙などの基材上に容易に貼り付けることが可能である。
上記に限らず、図1においても、基材15における凹凸構造とは反対側の面、すなわち凸部15a、15c、凹部15bを有しない側の面に、接着層を付与していてもよい。
接着層18は、例えば、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スリットコート法、グラビアコート法等の公知の塗布法を用いて形成される。接着層18の膜厚は特に限定されないが、例えば、2μm以上200μm以下の程度であることが好ましい。
なお、接着層18は、多層膜層16上に形成されてもよく、多層膜層16上の保護層に形成されてもよい。
なお、発色シート40を構成する発色構造体24は、反射防止層を備えていてもよい。また、発色シートの構成としては、上述した発色構造体の構成であればいずれの構成であっても適用可能である。
(1)発色構造体において、凹凸層に第1方向の線幅の23%以下の粒径の無機粒子を、凹凸層を構成する固形分に対し3質量%以上25質量%以下含有する。
この構成よれば、粒子の散乱効果や透過光の吸収効果により凹凸層の光透過性を抑えることができる。凹凸層の光透過性が低下することで、発色構造体の長期保存後の色相変化を防ぐことができる。
多層膜層16及び凹凸層を透過した光は、凹凸層と接する下の層との界面など、例えば図6の樹脂層17と基材15の界面や図9の基材15と接着層18の界面で、一部反射し、視認性を低下させることもある。無機粒子を含有し、光透過性を下げ、光を散乱させることで、視認性の低下を防ぐこともできる。
さらには凹凸層の糊付け性も良好となり、接着層を用いる場合と比べ接着強度は劣るものの、発色構造体を被着体へ容易に貼り付けることができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・接着層18は多層膜層16の上に設けられてもよい。ただし、凹凸層の透過性が低い場合には、凹凸層側から多層膜層16を視認するのが難しいため、接着層18は基材15の凹凸層とは反対側の面に設けられることが望ましい。
・基材15は別の基材や材料などに貼り合わせられていてもよい。例えば基材15の下に接着層を介して別の基材を貼り合せることができる。1種の基材では発現できない性能を、複数種の材料を組み合わせることで達成することができる。
・多層膜層16の上に複数の保護層などの機能層が設けられてもよい。1層で付与することが難しい性能を複数の層を組み合わせることで、発現することができる。ただし、保護層が保存により劣化した場合、色相変化を生じてしまうため、材料などに制約がある。
・凹凸層における凹凸構造の第1の構造にて凸部15aの投影像が構成するパターン、及び、第2の構造にて第1凸部要素15Eaの投影像が構成するパターンを構成する図形は、矩形に限られない。これらのパターンを構成する図形は、長円等であってもよく、要は、第2方向Dyに沿った長さが第1方向Dxに沿った長さ以上である形状を有する図形要素であればよい。そして、図形要素における第1方向Dxの長さd1と第2方向Dyの長さd2とが、第1の構造の説明にて述べた各種の条件を満たしていればよい。
実施例1は、発色構造体が画素に適用された表示体である。実施例1の表示体が有する画素は、基材に第1の構造の凹凸構造が形成された発色構造体から構成される。
まず、光ナノインプリント法で用いる凹版であるモールドを用意した。具体的には、光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いたため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、クロム(Cr)からなる膜をスパッタリングによって成膜し、電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは、図2に示した複数の矩形の集合からなるパターンである。画素となる領域は、一辺が130mmの正方形であり、第1方向における上記矩形の長さは350nmであり、第2方向における上記矩形の長さは、平均値が2300nm、標準偏差が560nmの正規分布から選択される長さである。上記パターンにおいて、複数の矩形は第1方向に重ならないように配列されている。使用したレジストはポジ型であり、膜厚は200nmとした。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
61.8質量部
シリカ(商品名:QSG-80、信越化学製) 2.0質量部
粒径:80nm、線幅に対する粒径:23%、添加量:3質量%
メチルエチルケトン 33.8質量部
光ラジカル重合開始剤(商品名:Omnirad 1173、IGM製)
メチルエチルケトン希釈 固形分50% 2.4質量部(固形分1.2質量部)
実施例1の発色構造体の下に黒台紙を重ね、多層膜層の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、青緑色が視認性よく確認された。
塗液を下記の塗液-2に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて実施例2の発色構造体を得た。実施例2の発色構造体の下に黒台紙を重ね、多層膜層の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、青緑色が視認性よく確認された。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
36.8質量部
シリカ(商品名:QSG-80、信越化学製) 12.5質量部
粒径:80nm、線幅に対する粒径:23%、添加量:25質量%
メチルエチルケトン 49.3質量部
光ラジカル重合開始剤(商品名:Omnirad 1173、IGM製)
メチルエチルケトン希釈 Nv50% 1.4質量部(固形分0.7質量部)
まず、光ナノインプリント法で用いる凹版であるモールドを用意した。具体的には、光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いたため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、クロム(Cr)からなる膜をスパッタリングによって成膜し、電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは、図2に示した複数の矩形の集合からなるパターンである。画素となる領域は、一辺が130mmの正方形であり、第1方向における上記矩形の長さは460nmであり、第2方向における上記矩形の長さは、平均値が3600nm、標準偏差が640nmの正規分布から選択される長さである。上記パターンにおいて、複数の矩形は第1方向に重ならないように配列されている。使用したレジストはポジ型であり、膜厚は200nmとした。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
61.8質量部
シリカ(商品名:EP-M2130Y、固形分30%、日産化学製)6.5質量部
粒径:12nm、線幅に対する粒径:3%、添加量:3質量%
メチルエチルケトン 29.3質量部
光ラジカル重合開始剤(商品名:Omnirad 1173、IGM製)
メチルエチルケトン希釈 Nv50% 2.4質量部(固形分1.2質量部)
これにより、実施例3の発色構造体が得られた。実施例3の発色構造体の下に黒台紙を重ね、多層膜の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、赤色が視認性よく確認された。
まず、光ナノインプリント法で用いる凹版であるモールドを用意した。具体的には、光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いたため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、クロム(Cr)からなる膜をスパッタリングによって成膜し、電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは、図2に示した複数の矩形の集合からなるパターンである。画素となる領域は、一辺が130mmの正方形であり、第1方向における上記矩形の長さは300nmであり、第2方向における上記矩形の長さは、平均値が2000nm、標準偏差が500nmの正規分布から選択される長さである。上記パターンにおいて、複数の矩形は第1方向に重ならないように配列されている。使用したレジストはポジ型であり、膜厚は200nmとした。
続いて、モールドから凹凸構造を転写するための塗液を用意した。開始剤を除いた塗液を、ボールミルを用いて、ジルコニアボール0.1mmとともに200rpmで3時間攪拌した。攪拌後に希釈した開始剤を添加し、3分間攪拌した。その後、ろ過し、ジルコニアボールを取り除くことで、下記の塗液-4を得た。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
60.0質量部
カーボンブラック(商品名:デンカブラック Li Li-250、デンカ製)
2.0質量部
粒径:35nm、線幅に対する粒径:12%、添加量:3質量%
メチルエチルケトン 32.0質量部
アゾ系重合開始剤(商品名:2、2‘-Azobis-2-methylbutyronitrile、大塚化学製)
メチルエチルケトン希釈 Nv50% 6.0質量部(うち固形分3.0質量部)
これにより、実施例4の発色構造体が得られた。
実施例4の発色構造体を多層膜の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、青色が視認性よく確認された。
実施例1と同様の混練方法にて作製した、下記の塗液-5を用いて、モールド2上に50μm塗布し、120℃で4時間硬化した。その後、モールドから剥離した。凹凸を有する表面に、真空蒸着によって、膜厚が80nmである高屈折率層としてのTiO2膜と、膜厚が110nmである低屈折率層としてのSiO2膜とを交互に成膜し、高屈折率層と低屈折率層との組を5組、すなわち、10層の層を有する多層膜層を形成した。
これにより実施例5の発色構造体を得た。実施例5の発色構造体を多層膜の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、赤色が視認性よく確認された。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
60.0質量部
カーボンブラック(商品名:旭#95、旭カーボン製) 2.0質量部
粒径:17nm、線幅に対する粒径:4%、添加量:3質量%
メチルエチルケトン 32.0質量部
アゾ系重合開始剤(商品名:2、2‘-Azobis-2-methylbutyronitrile、大塚化学製)
メチルエチルケトン希釈 Nv50% 6.0質量部(固形分3.0質量部)
実施例1と同様の混練方法にて作製した塗液-6を用いて、モールド3上に50μm塗布し、80℃3分で乾燥した後、窒素パージ環境下で365nmの光を3000mJ/cm2照射し硬化した。その後、モールドから剥離した。凹凸を有する表面に、真空蒸着によって、膜厚が40nmである高屈折率層としてのTiO2膜と、膜厚が75nmである低屈折率層としてのSiO2膜とを交互に成膜し、高屈折率層と低屈折率層との組を5組、すなわち、10層の層を有する多層膜層を形成した。
これにより実施例6の発色構造体を得た。実施例6の発色構造体を多層膜の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、青色が視認性よく確認された。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
61.8質量部
チタンブラック(商品名:13M-T、三菱マテリアル製) 2.0質量部
粒径:67nm、線幅に対する粒径:22%、添加量:3質量%
メチルエチルケトン 33.8質量部
光ラジカル重合開始剤(商品名:Omnirad 1173、IGM製)
メチルエチルケトン希釈 固形分50% 2.4質量部(うち固形分1.2質量部)
実施例7は、発色構造体が適用された発色シート、及び、この発色シートを用いた成形体である。実施例7の発色シートは、基材上の樹脂層に第2の構造の凹凸構造が形成された発色構造体から構成される。
まず、光ナノインプリント法で用いる凹版であるモールドを用意した。具体的には、光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いたため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、クロム(Cr)からなる膜をスパッタリングによって成膜し、電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは、図2に示した複数の矩形の集合からなるパターンである。第1方向における上記矩形の長さは350nmであり、第2方向における上記矩形の長さは、平均値が2300nm、標準偏差が560nmの正規分布から選択される長さである。上記パターンにおいて、複数の矩形は第1方向に重ならないように配列されている。使用したレジストはポジ型であり、膜厚は200nmとした。
EO変性ビスフェノールAジアクリレート(商品名:ライトアクリレートBP-10EA、共栄社化学製)
47.5質量部
N-ビニル-2-ピロリドン 47.5質量部
シリカ(商品名:QSG-80、信越化学製) 3.0質量部
粒径:80nm、線幅に対する粒径:23%、添加量:3質量%
光ラジカル重合開始剤(商品名:Omnirad 1173、IGM製)
1.9質量部
続いて、基材の樹脂層とは反対側の面、すなわちポリエステルフィルムの樹脂層が塗布されていない側の面に、バーコート法を用いて4質量%程度のカーボンナノチューブ粉末を混合したアクリル系樹脂を塗布し、塗布層を80℃で2分間乾燥させて、膜厚が50μm程度の接着層を形成した。これにより、実施例7の発色シートが得られた。
実施例7の成形体を観察したところ、発色シートの位置する部分に、光沢感のある青緑色が視認性よく確認された。
塗液を下記の塗液-8に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて比較例1の発色構造体を得た。比較例1の発色構造体の下に黒台紙を重ね、多層膜層の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、青緑色が視認性よく確認された。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
63.7質量部
メチルエチルケトン 33.7質量部
光ラジカル重合開始剤(商品名:Omnirad 1173、IGM製)
メチルエチルケトン希釈 固形分50% 2.6質量部(固形分1.3質量部)
塗液を下記の塗液-9に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて比較例2の発色構造体を得た。比較例2の発色構造体の下に黒台紙を重ね、多層膜層の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、青緑色が視認性よく確認された。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
34.3質量部
シリカ(商品名:QSG-80、信越化学製) 15.0質量部
粒径:80nm、線幅に対する粒径:23%、添加量:30質量%
メチルエチルケトン 49.3質量部
光ラジカル重合開始剤(商品名:Omnirad 1173、IGM製)
メチルエチルケトン希釈 固形分50% 1.4質量部(固形分0.7質量部)
塗液を下記の塗液-10に変更した以外は、実施例6と同様の方法にて比較例3の発色構造体を得た。比較例3の発色構造体の下に黒台紙を重ね、多層膜層の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、青緑色が視認性よく確認された。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
62.5質量部
シリカ(商品名:QSG-80、信越化学製) 1.3質量部
粒径:80nm、線幅に対する粒径:23%、添加量:2質量%
メチルエチルケトン 49.3質量部
光ラジカル重合開始剤(商品名:Omnirad 1173、IGM製)
メチルエチルケトン希釈 固形分50% 1.4質量部(固形分0.7質量部)
塗液を上記塗液-1に変更し、塗液の硬化条件を80℃3分で乾燥した後、窒素パージ環境下で365nmの光を3000mJ/cm2照射に変更した以外は、実施例4と同様の方法にて比較例4の発色構造体を得た。比較例4の発色構造体の下に黒台紙を重ね、多層膜層の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、青色が視認性よく確認された。
塗液を下記の塗液-11に変更し、塗液の硬化条件を120度4時間に変更した以外は、実施例4と同様の方法にて比較例5の発色構造体を得た。比較例5を多層膜層の位置する側から観察したところ、画素の位置する領域に、青色が視認性よく確認された。
ウレタンアクリル系樹脂(商品名:UV-7000B、日本合成化学製)
35.7質量部
カーボンブラック(商品名:HTC #SL SRF-LM、新日化カーボン製)
12.5質量部
粒径:75nm、線幅に対する粒径:25%、添加量:3質量%
メチルエチルケトン 48.2質量部
アゾ系重合開始剤(商品名:2、2‘-Azobis-2-methylbutyronitrile、大塚化学製)
メチルエチルケトン希釈 Nv50% 3.6質量部(固形分1.8質量部)
実施例1~7及び比較例1~5の発色シートにおいて、下記の色相変化、モールドの汚れ、糊付け性の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、実施例7については、接着層を塗布する前の発色構造体において、色相変化、モールドの汚染の評価を行った。
・[色相変化の評価]
アイスーパーUV促進試験機SUV-Wl61(光源:メタルハライド式ランプ、フィルター:スーパーUV、岩崎電気製)を用いて、光照射20時間(65w/m2、63℃50%)、休止4時間(0w/m2)の24時間のサイクルを繰り返し、合計1920時間の耐候性試験を行った。暴露面は多層膜層側とした。試験前後の色相を紫外可視近赤外分光光度計UV3600(島津製作所製)で、入射角8度にて380~780nmの可視光領域での反射光測定を行った。分光反射スペクトルをXYZ 成分にわけ、L*a*b*表色系に変換し、耐候性試験前後の退色の度合いを色差にて算出した。
判断基準
○:ΔE≦3.2(A級許容差以上、一般的には同じ色と判断される)
△:3.2<ΔE≦6.5(B級許容差、印象レベルでは同じ色として扱える)
×:ΔE≧6.5 (C級許容差以下)
作製したモールドから凹凸層を50枚作製した後に、モールドの汚れを目視及び走査型電子顕微鏡で判断した。
評価は、次の通りである。
○:良好。パターンの詰まりはなく、異物付着もほとんどない。
(ここで、微小な異物付着がほとんどないとは、観察範囲の面積に対し、異物付着面積が2%未満を意味する。)
×:不良。モールドに詰まりがある、又は異物付着が多い。
多層膜層とは反対側の面、すなわち多層膜を蒸着していない側の表面に、スティック糊(固形アラビック、ヤマト製)を塗り、上質紙に貼り付けた。乾燥後の様子を観察した後に剥離をし、糊付け性を判断した。
評価は、次の通りである。
○:良好。剥離面は上質紙がやぶれた状態となっている。
△:実用上問題ないレベル。
剥離面の糊と上質紙の間で剥がれている部分もある。
×:不良。乾燥後に端部などのはがれが見られる。
剥離面は糊と上質紙の間で概ね剥がれている。
実施例4~6、比較例5の発色構造体は、色相変化が特に小さいことがわかった。また、裏面に黒色シートを用いなくとも、良好な視認性が確認された。
比較例1の発色構造体は、無機粒子を含有しないため、長期保存後に色相変化を生じた。比較例2の発色構造体は、無機粒子の添加量が大きいため、モールドの汚染が生じた。比較例3の発色構造体は、無機粒子の添加量が2%と小さいため、長期保存後の色相変化が生じた。比較例4、5の発色構造体は、粒径に対する線幅の比率が大きいため、モールドの汚染が生じた。
Claims (18)
- 表面に凹凸構造を有する凹凸層と、
上記凹凸構造上に設けられ当該凹凸構造に追従した表面形状を有する多層膜層と、を備え、
上記多層膜層を構成する各層は、相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層に入射する入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高く、
予め設定した第1方向と上記第1方向と直交する第2方向とは、上記凹凸層の厚さ方向に上記凹凸構造が投影される仮想的な面である仮想平面に沿った方向であり、
上記仮想平面において上記凹凸構造の凸部の投影像が構成するパターンは、上記第2方向に沿った長さが上記第1方向に沿った長さ以上である複数の図形要素の集合からなるパターンを含み、
上記各図形要素の上記第1方向に沿った長さはサブ波長以下であり、上記各図形要素は、上記第2方向に沿った長さの標準偏差が上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、
上記凹凸層は、上記第1方向の線幅の23%以下の粒径の無機粒子を、上記凹凸層を構成する固形分に対し3質量%以上25質量%以下を含有し、
上記凹凸層は、ウレタンアクリル系樹脂を含む層、または、EO変性ビスフェノールAジアクリレートと、N-ビニル-2-ピロリドンとを含む層である
ことを特徴とする発色構造体。 - 上記凹凸層に含まれる無機粒子の粒径は、上記第1方向の線幅の3%以上であることを特徴とする請求項1に記載の発色構造体。
- 上記凹凸層に含まれる無機粒子の少なくとも一部がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発色構造体。
- 上記凹凸層に含まれる無機粒子の少なくとも一部がチタンブラックであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の発色構造体。
- 上記凹凸層に含まれる無機粒子の少なくとも一部がシリカであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の発色構造体。
- 上記凹凸層は、上記入射光に対する可視光透過率が15%以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の発色構造体。
- 上記多層膜層とは反対側の面に接着層を備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の発色構造体。
- 上記凹凸層は、基材と、上記基材の一方の面に形成された樹脂層とから構成され、上記樹脂層における上記基材とは反対側の面に上記凹凸構造が形成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の発色構造体。
- 上記多層膜層の上記凹凸層側とは反対側の面は、露出していることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の発色構造体。
- 上記凹凸層は、ウレタンアクリル系樹脂を含む層であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の発色構造体。
- 上記凹凸層は、EO変性ビスフェノールAジアクリレートと、N-ビニル-2-ピロリドンとを含む層であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の発色構造体。
- 少なくとも表面に複数の表示要素を備える表示体であって、
上記表示要素が、請求項1~11のいずれか1項に記載の発色構造体から構成されていることを特徴とする表示体。 - 凹版の有する凹凸をナノインプリント法を用いて樹脂に転写することにより、表面に凹凸構造を有する凹凸層を形成する工程と、
上記凹凸構造上に、多層膜層を構成する各層が相互に隣接する層の屈折率が互いに異なるように形成する工程と、を含み、
予め設定した第1方向と上記第1方向と直交する第2方向とを、上記凹凸層の厚さ方向に上記凹凸構造が投影される仮想的な面である仮想平面に沿った方向とし、
上記凹凸層を形成する工程では、上記凹凸構造を構成する凸部の投影像が上記仮想平面において構成するパターンとして、上記第2方向に沿った長さが上記第1方向に沿った長さ以上である複数の図形要素の集合からなるパターンを含むように上記凹凸構造を形成し、
上記図形要素の上記第1方向に沿った長さをサブ波長以下とし、上記図形要素における上記第2方向に沿った長さの標準偏差を上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きくし、
上記凹凸層は、ウレタンアクリル系樹脂を含む層、または、EO変性ビスフェノールAジアクリレートと、N-ビニル-2-ピロリドンとを含む層であり、
上記凹凸層は、上記第1方向の線幅の23%以下の粒径の無機粒子を、上記凹凸層を構成する固形分に対し3質量%以上25質量%以下を含有する
ことを特徴とする発色構造体の製造方法。 - 上記凹凸層に含まれる無機粒子の少なくとも一部がシリカであることを特徴とする請求項13に記載の発色構造体の製造方法。
- 上記凹凸層は、ウレタンアクリル系樹脂を含む層であることを特徴とする請求項13又は14に記載の発色構造体の製造方法。
- 上記凹凸層は、EO変性ビスフェノールAジアクリレートと、N-ビニル-2-ピロリドンとを含む層であることを特徴とする請求項13又は14に記載の発色構造体の製造方法。
- 請求項1~11のいずれか1項に記載の発色構造体の製造方法であって、
凹版の有する凹凸をナノインプリント法を用いて樹脂に転写することにより、表面に凹凸構造を有する凹凸層を形成する工程と、
上記凹凸構造上に、多層膜層を構成する各層が相互に隣接する層の屈折率が互いに異なるように形成する工程と、を含み、
予め設定した第1方向と上記第1方向と直交する第2方向とを、上記凹凸層の厚さ方向に上記凹凸構造が投影される仮想的な面である仮想平面に沿った方向とし、
上記凹凸層を形成する工程では、上記凹凸構造を構成する凸部の投影像が上記仮想平面において構成するパターンとして、上記第2方向に沿った長さが上記第1方向に沿った長さ以上である複数の図形要素の集合からなるパターンを含むように上記凹凸構造を形成し、
上記図形要素の上記第1方向に沿った長さをサブ波長以下とし、上記図形要素における上記第2方向に沿った長さの標準偏差を上記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きくする、
ことを特徴とする発色構造体の製造方法。 - 上記ナノインプリント法は、光ナノインプリント法又は熱ナノインプリント法であることを特徴とする請求項13~17のいずれか1項に記載の発色構造体の製造方法。
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