JP2022026090A - 発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法 - Google Patents

発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022026090A
JP2022026090A JP2020129383A JP2020129383A JP2022026090A JP 2022026090 A JP2022026090 A JP 2022026090A JP 2020129383 A JP2020129383 A JP 2020129383A JP 2020129383 A JP2020129383 A JP 2020129383A JP 2022026090 A JP2022026090 A JP 2022026090A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
multilayer film
layer
film layer
light
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020129383A
Other languages
English (en)
Inventor
広大 村田
Kodai Murata
雅史 川下
Masafumi Kawashita
麻衣 吉村
Mai Yoshimura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2020129383A priority Critical patent/JP2022026090A/ja
Publication of JP2022026090A publication Critical patent/JP2022026090A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】透過光の吸収が可能であるとともに、層間の密着性を高めることのできる発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法を提供する。【解決手段】発色シート10は、多層膜層13と、多層膜層13に接する接着層14とを備える。多層膜層13は、当該多層膜層13において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層13への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高いように構成されている。多層膜層13における接着層14に接する面とは反対側の表面は凹凸構造を有する。接着層14は入射光の吸収性を有し、接着層14の光透過率は50%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、構造色を呈する発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法に関する。
モルフォ蝶等の自然界の生物の色として多く観察される構造色は、光の回折や干渉や散乱といった、物体の微細な構造に起因した光学現象の作用によって視認される色である。例えば、多層膜干渉による構造色は、相互に隣り合う薄膜の界面で光が反射し、その反射した光が干渉することによって生じる。多層膜干渉は、モルフォ蝶の翅の発色原理の1つである。モルフォ蝶の翅では、多層膜干渉に加えて、翅の表面の微細な凹凸によって光の散乱や回折が生じる結果、鮮やかな青色が広い観察角度において視認される。
モルフォ蝶の翅のような構造色を人工的に再現する構造体として、特許文献1に記載のように、不均一に配列された微細な凹凸を有する層に多層膜層を積層した構造体が提案されている。平面に多層膜層を積層した構造体では、視認される反射光の波長が観察角度によって大きく変化するため、構造体に視認される色が観察角度によって大きく変化する。これに対し、特許文献1の構造体では、干渉によって強められた反射光が不規則な凹凸によって多方向に広がるため、観察角度による色の変化が緩やかになる。その結果、モルフォ蝶の翅のように、広い観察角度で特定の色が観察される。
特開2018-112732号公報
ところで、上述の構造体の表面から光が入射すると、その一部は多層膜層で反射され、他の一部は多層膜層を透過する。この透過光が、構造体の裏面付近で反射されて構造体の表側に返ってくると、構造体の表側では、多層膜層での干渉によって強められた反射光に、当該反射光とは異なる波長域の光が混じって観察される。その結果、多層膜層からの反射光の色の視認性が低下してしまう。
そこで、特許文献1の構造体では、多層膜層に黒色の光吸収層を積層することで、多層膜層の背後に光吸収層を配置している。これにより、光吸収層が多層膜層を透過した光を吸収するため、多層膜層からの反射光とは異なる波長域の光が構造体から射出されることが抑えられる。
しかしながら、無機化合物から構成されている多層膜層と、樹脂に黒色顔料が混合されている光吸収層との積層構造においては、これらの層間の密着性が低くなりやすく、良好な密着性を得ようとすれば、使用可能な材料の制約が大きくなる。それゆえ、層間の密着性の観点において、多層膜層の透過光を吸収する層を備える構造体には、なお改良の余地がある。
本発明は、透過光の吸収が可能であるとともに、層間の密着性を高めることのできる発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する発色シートは、多層膜層と、前記多層膜層に接する接着層とを備える発色シートであって、前記多層膜層は、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高いように構成され、前記多層膜層における前記接着層に接する面とは反対側の表面は凹凸構造を有し、前記凹凸構造を構成する凹部は前記凹部の開口する平面から1段以上に窪み、前記多層膜層の厚さ方向に沿った方向から見て、前記凹部が構成するパターンは、第1方向に沿った長さがサブ波長以下であって、前記第1方向と直交する第2方向に沿った長さが前記第1方向に沿った長さ以上である複数の図形要素の集合からなるパターンを含み、前記複数の図形要素において、前記第2方向に沿った長さの標準偏差は、前記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、前記接着層は前記入射光の吸収性を有し、前記接着層の光透過率は50%以下である。
上記構成によれば、発色シートへの入射光のうち、多層膜層を透過した光は接着層に吸収される。したがって、多層膜層での干渉によって強められた反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられるため、多層膜層からの反射光の色の視認性が低下することが抑えられる。そして、接着層が、光吸収性とともに接着性を有しているため、光吸収性を有する層が多層膜層に直接に接している構成であっても、層間の密着性が良好に得られる。
上記構成において、前記多層膜層の前記表面を支持する樹脂層を備え、前記樹脂層は前記多層膜層と接する面に凹凸構造を有し、前記多層膜層の前記表面は、前記樹脂層の前記凹凸構造に追従した形状を有してもよい。
上記構成によれば、多層膜層における一方の面の凹凸は樹脂層に覆われ、多層膜層における他方の面の凹凸は接着層に覆われる。したがって、多層膜層が有する凹凸構造が露出される場合と比較して、凹凸構造の変形を抑えることができる。
上記構成において、前記接着層は、黒色顔料を含んでもよい。
上記構成によれば、入射光の吸収性を有する接着層が好適に実現される。
上記構成において、前記多層膜層の厚さ方向に沿った方向から見て、前記凹部が構成するパターンは、前記複数の図形要素の集合からなるパターンであり、前記凹部の深さは一定であってもよい。
上記構成によれば、凹凸構造によって反射光の拡散効果が得られ、多層膜層からの反射光として特定の波長域の光が広い角度で観察される。
上記構成において、前記多層膜層の厚さ方向に沿った方向から見て、前記凹部が構成するパターンは、前記複数の図形要素の集合からなる第1パターンと、前記第2方向に沿って延び、前記第1方向に沿って並ぶ複数の帯状領域からなる第2パターンとが重ね合わされたパターンであり、前記第1方向に沿った前記帯状領域の配列間隔は、前記複数の帯状領域において一定ではなく、その平均値が前記入射光に含まれる波長域における最小波長の1/2以上であり、前記凹部は、前記多層膜層の厚さ方向への投影像が前記第1パターンを構成する要素であって所定の深さを有する凹部要素と、前記多層膜層の厚さ方向への投影像が前記第2パターンを構成する要素であって所定の深さを有する凹部要素とが深さ方向に並んだ多段形状を有してもよい。
上記構成によれば、凹凸構造によって反射光の拡散効果と回折効果とが得られる。その結果、多層膜層からの反射光として特定の波長域の光が広い観察角度で観察可能であるとともに、この反射光の強度が高められることにより光沢感のある鮮やかな色が視認される。
上記課題を解決する発色物品は、上記発色シートと、前記発色シートが貼り付けられた被着体であって、前記接着層と接する前記被着体と、を備える。
上記構成によれば、発色シートにおいて、多層膜層からの反射光の色の視認性が低下することが抑えられるため、発色物品における装飾性や偽造防止効果が高められる。
上記課題を解決する転写箔は、基材と、前記基材上に位置し、前記基材と反対側の表面に凹凸構造を有する凹凸構造層と、前記凹凸構造上に位置し、前記凹凸構造に追従した表面形状を有する多層膜層であって、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高いように構成された前記多層膜層と、前記多層膜層に対して前記凹凸構造層と反対側で前記多層膜層に接する接着層であって、前記入射光の吸収性を有し、50%以下の光透過率を有する前記接着層と、を備え、前記凹凸構造を構成する凸部は、前記凸部の基部が位置する平面から1段以上の段差形状を有し、前記凹凸構造層の表面と対向する方向から見て、前記凸部が構成するパターンは、第1方向に沿った長さがサブ波長以下であって、前記第1方向と直交する第2方向に沿った長さが前記第1方向に沿った長さ以上である複数の図形要素の集合からなるパターンを含み、前記複数の図形要素において、前記第2方向に沿った長さの標準偏差は、前記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きい。
上記構成によれば、転写箔が有する発色シートにおいて、多層膜層を透過した光が接着層に吸収されるため、多層膜層からの反射光の色の視認性が低下することが抑えられる。そして、接着層が、光吸収性とともに接着性を有しているため、層間の密着性が良好に得られる。
上記構成において、前記基材は、前記凹凸構造層に対して剥離可能に構成されていてもよい。
上記構成によれば、基材の剥離後の発色シートにおいて、多層膜層における一方の面の凹凸は樹脂層に覆われ、多層膜層における他方の面の凹凸は接着層に覆われる。したがって、多層膜層が有する凹凸構造が露出される場合と比較して、凹凸構造の変形を抑えることができる。また、発色シートの転写に際して、製造時の基材が剥離されるため、発色シートの柔軟性が高められるとともに、発色シートを薄くしやすい。
上記課題を解決する転写箔の製造方法は、表面に凹凸構造を有する樹脂層を、ナノインプリント法を用いて形成する第1工程と、前記凹凸構造に沿って、多層膜層を、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高くなるように形成する第2工程と、前記多層膜層に対して前記樹脂層とは反対側に、前記入射光の吸収性を有し、50%以下の光透過率を有する接着層を形成する第3工程と、を含み、前記第1工程では、前記樹脂層の表面と対向する位置から見て、前記凹凸構造を構成する1段以上の凸部の構成するパターンが、第1方向に沿った長さがサブ波長以下であって、前記第1方向と直交する第2方向に沿った長さが前記第1方向に沿った長さ以上である複数の図形要素の集合からなるパターンを含み、前記複数の図形要素において、前記第2方向に沿った長さの標準偏差が、前記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きくなるように前記凹凸構造を形成する。
上記製法によれば、多層膜層を透過した光を吸収可能であって、かつ、層間の密着性が良好な転写箔が得られる。また、ナノインプリント法を用いて樹脂層の凹凸構造が形成されるため、微細な凹凸構造を好適に、かつ、簡便に形成することができる。
本発明によれば、発色シートにおいて、透過光の吸収が可能であるとともに、層間の密着性を高めることができる。
転写箔の第1実施形態について、転写箔の断面構造を示す図。 第1実施形態の転写箔について、(a)は、樹脂層が有する凹凸構造の平面構造を示す図、(b)は、樹脂層が有する凹凸構造の断面構造を示す図。 第1実施形態の転写箔が貼り付けられた被着体を示す図。 第1の発色シートが転写された被着体である発色物品を示す図。 第1実施形態の発色シートの断面構造を示す図。 転写箔の第2実施形態について、転写箔の断面構造を示す図。 第2実施形態の転写箔について、(a)は、第2凸部要素のみからなる凹凸構造の平面構造を示す図、(b)は、第2凸部要素のみからなる凹凸構造の断面構造を示す図。 第2実施形態の転写箔について、(a)は、樹脂層が有する凹凸構造の平面構造を示す図、(b)は、樹脂層が有する凹凸構造の断面構造を示す図。 第2実施形態の発色シートの断面構造を示す図。
(第1実施形態)
図1~図5を参照して、発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法の第1実施形態を説明する。発色シートに対する入射光および反射光は、例えば、可視領域の光である。以下の説明において、可視領域の光は、360nm以上830nm以下の波長域の光である。
[転写箔の構成]
まず、転写箔の構成を説明する。転写箔は、被着体に発色シートを貼り付けるために用いられる。詳細には、転写箔は、転写箔が備える発色シートを被着体に転写するために用いられる。
図1が示すように、転写箔20は、発色シート10と剥離基材11とを備えている。発色シート10は、凹凸構造層の一例である樹脂層12と、多層膜層13と、接着層14とを備えている。
剥離基材11は、平坦な層であり、剥離基材11と樹脂層12とは、剥離可能に接している。樹脂層12は、剥離基材11と接する面とは反対側の面である表面に、凹凸構造を有する。樹脂層12の有する凹凸構造は、不規則に配置された複数の凸部12aと、複数の凸部12aの間の領域である凹部12bとから構成される。
剥離基材11は、例えば、合成石英基板や、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の樹脂からなるフィルムである。転写箔20の可撓性が高められる観点では、剥離基材11は樹脂製であることが好ましい。剥離基材11の膜厚は、例えば、10μm以上100μm以下である。
樹脂層12は、可視領域の光を透過する樹脂、すなわち、可視領域の光に対して透明な樹脂から形成されている。樹脂層12の材料の樹脂は、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等である。
樹脂層12に対する剥離基材11の剥離性は、例えば、剥離基材11と樹脂層12との間の密着性が低くなるように、剥離基材11の材料と樹脂層12の材料とが選択されることによって発現する。例えば、剥離基材11あるいは樹脂層12が、シリコーンオイルやフッ素化合物等を含有していることによって、剥離基材11が樹脂層12から剥離可能とされてもよい。
あるいは、剥離基材11と樹脂層12との間に離型剤を含む層である離型層が設けられていることにより、剥離基材11が樹脂層12に対して剥離可能とされてもよい。離型剤は、例えば、シリコーンオイルやフッ素化合物等である。剥離基材11と離型層との界面で剥離が生じる場合には、離型層および樹脂層12から凹凸構造層が構成される。
なお、樹脂層12に対する剥離基材11の剥離性は、加熱あるいは冷却等の物理的な外部刺激を転写箔20が受けることによって発現してもよい。あるいは、上記外部刺激によって、樹脂層12からの剥離基材11の剥離が促進されてもよい。例えば、樹脂層12が熱可塑性樹脂から形成されている場合、加熱によって樹脂層12が軟化することによって、樹脂層12からの剥離基材11の剥離が促進される。
多層膜層13は、樹脂層12の表面を覆い、樹脂層12が有する凹凸構造に追従した表面形状を有している。具体的には、多層膜層13における樹脂層12に接する面、すなわち、接着層14に接する面とは反対側の面は、樹脂層12の凹凸構造における凸部12aと凹部12bとが反転された凹凸からなる凹凸構造を有している。そして、樹脂層12は、多層膜層13を支持している。
多層膜層13は、複数の薄膜の積層体であって、高屈折率層13aと低屈折率層13bとが交互に積層された構造を有する。高屈折率層13aと低屈折率層13bとの各々は、誘電体薄膜である。高屈折率層13aの屈折率は、低屈折率層13bの屈折率よりも大きい。例えば、樹脂層12と接する層は高屈折率層13aであり、接着層14と接する層は低屈折率層13bである。樹脂層12における凸部12a上と凹部12b上とで、多層膜層13の構成、すなわち、多層膜層13を構成する各層の材料や膜厚や積層順序は一致している。
こうした多層膜層13に光が入射すると、多層膜層13における高屈折率層13aと低屈折率層13bとの各界面で反射した光が干渉を起こすとともに多層膜層13の最外面における不規則な凹凸に起因して進行方向を変える結果、特定の波長域の光が広い角度に出射される。この反射光として強く出射される特定の波長域は、高屈折率層13aと低屈折率層13bとの材料および膜厚、ならびに、凹凸の幅、高さおよび配置によって決まる。
高屈折率層13aと低屈折率層13bとは、可視領域の光を透過する材料、すなわち、可視領域の光に対して透明な材料から形成されている。高屈折率層13aの屈折率が、低屈折率層13bの屈折率よりも高ければ、これらの層の材料は限定されないが、高屈折率層13aと低屈折率層13bとの屈折率の差が大きいほど、少ない積層数で高い強度の反射光が得られる。こうした観点から、例えば、高屈折率層13aと低屈折率層13bとの材料が無機材料である場合、高屈折率層13aの材料が二酸化チタン(TiO)であり、低屈折率層13bの材料が二酸化珪素(SiO)であることが好ましい。ただし、高屈折率層13aおよび低屈折率層13bの各々は有機材料から形成されてもよい。
高屈折率層13aおよび低屈折率層13bの各々の膜厚は、発色シート10にて発色させる所望の色に応じて、転送行列法等を用いて設計されればよい。例えば、青色を呈する発色シート10の場合は、TiOからなる高屈折率層13aの膜厚は40nm程度であることが好ましく、SiOからなる低屈折率層13bの膜厚は75nm程度であることが好ましい。
なお、図1では、樹脂層12に近い位置から高屈折率層13aと低屈折率層13bとがこの順に交互に積層された10層からなる多層膜層13を例示した。多層膜層13が有する層の数や層の積層の順序はこれに限られず、所望の波長域の反射光が得られるように多層膜層13が設計されていればよい。例えば、低屈折率層13bが樹脂層12に接し、その上に高屈折率層13aと低屈折率層13bとが交互に積層されていてもよい。また、接着層14と接する層も、高屈折率層13aと低屈折率層13bとのいずれであってもよい。さらに、低屈折率層13bと高屈折率層13aとが交互に積層されていれば、樹脂層12に接する層と接着層14に接する層との材料が同じであってもよい。さらに多層膜層13は、屈折率が互いに異なる3種類以上の層を備えていてもよい。
要は、多層膜層13は、相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、多層膜層13に入射する光のうち特定の波長域での光の反射率が他の波長域での反射率よりも高いように構成されていればよい。
接着層14は、多層膜層13に対して樹脂層12と反対側に位置する。接着層14は、多層膜層13に直接に接し、多層膜層13の最外面の凹凸を覆っている。接着層14は、接着性を有するとともに、多層膜層13への入射光の吸収性を有する。言い換えれば、接着層14は、多層膜層13を透過した光の吸収性を有する。
接着層14は、常温で、タック性を有していてもよいし、タック性を有していなくてもよい。タック性とは、接着層14の表面のべたつきである。また、接着層14は、架橋等によって硬化させられてもよい。接着層14が常温でタック性を有している場合、接着層14のガラス転移点は具体的には40℃未満であり、接着層14が常温でタック性を有していない場合、接着層14のガラス転移点は40℃以上である。
接着層14における光吸収性の程度は、接着層14における可視領域の光の透過率によって評価可能である。接着層14の光透過率は、50%以下である。さらに、接着層14の光透過率は、40%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。光透過率は、JIS K7361に規定される全光線透過率であって、JIS K7361に準拠して測定される。なお、光透過率の測定に際しては、発色シート10から接着層14が分離されて、単独の接着層14に対して測定が行われる。
接着層14は、接着性を有する樹脂と、光吸収性材料とを含む。接着性を有する樹脂は、加熱によって接着性を発現する樹脂でもよいし、常温において接着性を有する樹脂でもよい。接着層14に用いられる樹脂は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性の樹脂である。光吸収性材料は、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、チタンブラック、黒色酸化鉄、黒色複合酸化物等の黒色の無機顔料である。接着層14における樹脂の含有量は、接着層14の総質量に対して2質量%以上であることが好ましい。樹脂の含有量が2質量%以上であれば、接着層14の光透過率を50%以下に調整することが容易である。
接着層14は、上述した黒色の無機顔料を含む黒色の層であることが好ましい。この場合、接着層14の色は、目視によって黒色と認識されればよい。また、接着層14の色において、JIS Z 8781に規定のL*a*b*表色系で規定されるL*値は小さいことが好ましい。具体的には、L*値は27以下であることが好ましい。これにより、多層膜層13を透過した光が接着層14に的確に吸収される。
本実施形態においては、接着性を有する樹脂に光吸収性材料を混合することにより、接着層14に光吸収性を付与している。接着層14は、外部の物品である被着体に発色シート10を固定するための接着性を有する層であり、こうした接着層14は、様々な材料に対して良好な接着性を示す。したがって、多層膜層13に対する接着層14の接着性も十分に担保されるため、多層膜層13と接着層14との間の密着性が高められる。そして、多層膜層13と接着層14との材料の選択の自由度も高められる。
以下、接着層14の好ましい構成について詳述する。
光吸収性材料の含有に起因して接着層14の接着性が低下することを抑えるためには、接着層14における光吸収性材料の含有量は、接着層14の総質量に対して15質量%以下であることが好ましい。また、接着層14の光吸収性を高めるためには、接着層14における光吸収性材料の含有量は、接着層14の総質量に対して5質量%以上であることが好ましい。光吸収性材料が、黒色の無機顔料のなかでも特にカーボンブラックである場合、接着層14における光吸収性材料の含有量が少なくても、接着層14に高い光吸収性が付与される。したがって、接着層14の総質量に対して5質量%以上15質量%以下の範囲で接着層14がカーボンブラックを含有していれば、接着層14の接着性が良好に得られるとともに接着層14の光吸収性が特に高められる。
接着層14が含有するカーボンブラックの一次粒子径は、5nm以上500nm以下であることが好ましい。粒子径が小さいほど、カーボンブラックの黒色が濃く接着層14の光吸収性が高められやすい一方で、粒子径が大きいほど、カーボンブラックの凝集力が弱まり接着層14内にカーボンブラックを均一に分散させやすい。カーボンブラックの一次粒子径が5nm以上500nm以下であれば、黒色の濃さと分散性とのバランスが良好となる。
また、カーボンブラックを用いることで、接着層14の光吸収性についての耐候性も高められる。
接着層14が含有する光吸収性材料が、カーボンブラックに限らず粒子状の顔料である場合、顔料の粒度分布における10%径(D10)と90%径(D90)との差は、100nm以上300nm以下であることが好ましい。これにより、接着層14が含有する顔料の粒子径にばらつきが生じ、接着層14には、粒子径の小さい顔料と粒子径の大きい顔料とが混在するようになる。
粒子径の小さい顔料は、多層膜層13の最外面の凹凸における凹部に入り込みやすい。凹部に顔料が入り込んでいることで、凹部の側面から漏れるように進む光の吸収性が接着層14にて得られやすい。接着層14が凹部の側面から漏れる光の吸収性を有していると、多層膜層13の透過光の吸収性が接着層14においてより高められる。一方で、顔料の粒子径が小さいと、凹部の側面から漏れる光以外の光も対象とした接着層14全体での光吸収性を高めるためには、顔料の含有量を多くする必要がある。顔料の含有量が多いほど、接着層14の接着性は低下しやすくなる。
反対に、顔料の粒子径が大きいと、顔料が多層膜層13の表面の凹部に入り込みにくいため、凹部の側面から漏れる光の吸収性が接着層14にて得られにくい。一方で、顔料の含有量が少なくても、接着層14全体での光吸収性が高められやすいため、顔料の含有に起因した接着層14の接着性の低下を抑えやすい。
したがって、接着層14に、粒子径の小さい顔料と粒子径の大きい顔料とが混在していれば、接着層14全体での光吸収性、凹部の側面から漏れる光の吸収性、接着層14の接着性、これらがすべて良好になる。上記粒子径の小さい顔料の一次粒子径は、例えば、5nm以上200nm以下であり、上記粒子径の大きい顔料の一次粒子径は、例えば、200nmより大きく500nm以下である。
なお、凹部の側面から漏れる光の吸収性よりも多層膜層13に対する接着層14の接着性の方が重視される場合には、多層膜層13の最外面の凹部には顔料が入り込んでおらず、当該凹部が接着層14を構成する樹脂で充填されていることが好ましい。これにより、多層膜層13の最外面と接着層14における接着成分である樹脂との接触面積が大きくなるため、多層膜層13に対する接着層14の接着性が高められる。
多層膜層13に対する接着層14の接着性の低下を抑える観点では、多層膜層13の構成層のうち、接着層14に接する層の材料は、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属硫化物等であることが好ましい。
接着層14の膜厚は、1μm以上20μm以下であることが好ましい。接着層14の膜厚が1μm以上であれば、接着層14内で光の干渉が生じることが抑えられる。例えば、接着層14における多層膜層13に接する面とは反対側の面から接着層14に光が入射した場合にも、接着層14内での光の干渉が抑えられるため、接着層14にて黒色が好適に発色する。したがって、接着層14の光吸収性が好適に発現する。また、接着層14の膜厚が1μm以上であれば、接着層14の強度も十分に得られる。一方、接着層14の膜厚が20μm以下であれば、接着層14内で凝集破壊が生じることを抑えることができる。
接着層14と多層膜層13との界面での光の干渉を抑える観点では、接着層14と多層膜層13における接着層14に接する最外層との屈折率は互いに近いことが好ましく、これら層の屈折率差は0.1以下であることが好ましい。多層膜層13の上記最外層が低屈折率層13bである場合、接着層14の屈折率を低屈折率層13bの屈折率に近づけるように低下させるためには、接着層14が含む樹脂は架橋されていないことが好ましい。また、接着層14の屈折率を低下させるためには、接着層14が含む樹脂は、非晶性の樹脂であることが好ましい。
接着層14は、各種の添加剤を含有していてもよい。添加剤は、例えば、接着性付与剤、充填剤、軟化剤、熱光安定剤、酸化防止剤等である。接着性付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。充填剤としては、亜鉛華、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。軟化剤としては、プロセスオイル、液状ゴム、可塑剤等が挙げられる。熱光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の材料等が挙げられる。酸化防止剤としては、アニリド系、フェノール系、ホスファイト系、チオエステル系の材料等が挙げられる。
また、接着層14は、添加剤として、イソシアネート等の架橋剤を含んでいてもよい。接着層14が架橋剤を含んでいると、架橋剤による架橋反応が接着層14と多層膜層13との間でも生じる。その結果、多層膜層13と接着層14との間の密着性がより高められる。
なお、転写箔20は、上述した各層に加えて、接着層14に対して多層膜層13と反対側で接着層14を覆う保護層を有していてもよい。保護層は、転写箔20の保管時に、接着層14の接着性が低下することを抑える。
[凹凸構造の構成]
樹脂層12が有する凹凸構造の詳細について説明する。図2(a)は、樹脂層12をその表面と対向する位置から見た平面図であり、図2(b)は、図2(a)のII-II線に沿った樹脂層12の断面図である。図2(a)においては、凹凸構造を構成する凸部12aにドットを付して示している。
図2(a)が示すように、第1方向Dxと第2方向Dyとは、樹脂層12の広がる方向に沿った平面に含まれる方向であり、第1方向Dxと第2方向Dyとは直交する。上記平面は、樹脂層12の厚さ方向と直交する面である。
樹脂層12をその表面と対向する位置から見たとき、凸部12aが構成するパターンは、破線によって示す複数の矩形Rの集合からなるパターンである。矩形Rは、図形要素の一例である。矩形Rは、第2方向Dyに延びる形状を有し、矩形Rにおいて、第2方向Dyの長さd2は、第1方向Dxの長さd1以上の大きさを有する。複数の矩形Rは、第1方向Dxおよび第2方向Dyのいずれにおいても重ならないように配列されている。
複数の矩形Rにおいて、第1方向Dxの長さd1は一定であり、複数の矩形Rは、第1方向Dxに、長さd1の配列間隔、すなわち、長さd1の周期で配置されている。
一方、複数の矩形Rにおいて、第2方向Dyの長さd2は不規則であって、各矩形Rにおける長さd2は、所定の標準偏差を有する母集団から選択された値である。この母集団は、正規分布に従うことが好ましい。複数の矩形Rからなるパターンは、例えば、所定の標準偏差で分布する長さd2を有する複数の矩形Rを所定の領域内に仮に敷き詰め、各矩形Rの実際の配置の有無を一定の確率に従って決定することにより、矩形Rの配置される領域と矩形Rの配置されない領域とを設定することによって形成される。多層膜層13からの反射光を効率よく散乱させるためには、長さd2は、平均値が4.15μm以下、かつ、標準偏差が1μm以下の分布を有することが好ましい。
矩形Rの配置されている領域が、凸部12aの配置される領域であり、互いに隣接する矩形Rが接する場合には、各矩形Rの配置されている領域が結合された1つの領域に1つの凸部12aが配置される。こうした構成においては、凸部12aの第1方向Dxの長さは、矩形Rの長さd1の整数倍である。
多層膜層13の凹凸によって虹色の分光が生じることを抑えるために、矩形Rにおける第1方向Dxの長さd1は可視領域の光の波長以下とされる。換言すれば、長さd1は、サブ波長以下、すなわち、入射光の波長域以下の長さを有する。すなわち、長さd1は830nm以下であることが好ましく、700nm以下であることがより好ましい。さらに、長さd1は、多層膜層13から反射される上記特定の波長域の光が有するピーク波長よりも小さいことが好ましい。例えば、発色シート10にて青色を発色させる場合は、長さd1は300nm程度であることが好ましく、発色シート10にて緑色を発色させる場合は、長さd1は400nm程度であることが好ましく、発色シート10にて赤色を発色させる場合は、長さd1は460nm程度であることが好ましい。
多層膜層13からの反射光の広がりを大きくするため、すなわち、反射光の散乱効果を高めるためには、凹凸構造の起伏が多いことが好ましく、樹脂層12の表面と対向する位置から見て、単位面積あたりにおいて凸部12aが占める面積の比率は40%以上60%以下であることが好ましい。例えば、樹脂層12の表面と対向する位置から見て、単位面積あたりにおける凸部12aの面積と凹部12bとの面積の比率は、1:1であることが好ましい。
図2(b)が示すように、凸部12aの高さh1は一定であり、凸部12aは、凸部12aの基部が位置する平面から1段の段差形状を有する。凸部12aの高さh1は、発色シート10にて発色させる所望の色、すなわち、発色シート10から反射させることの望まれる波長域に応じて設定されればよい。凸部12a上や凹部12b上における多層膜層13の表面粗さよりも、凸部12aの高さh1が大きければ、反射光の散乱効果は得られる。
ただし、多層膜層13の凹凸での反射に起因した光の干渉を抑えるために、高さh1は可視領域の光の波長の1/2以下であることが好ましく、すなわち、415nm以下であることが好ましい。さらに、上記光の干渉を抑えるために、高さh1は、多層膜層13から反射される上記特定の波長域の光が有するピーク波長の1/2以下であることがより好ましい。
また、高さh1が過剰に大きいと、多層膜層13における反射光の散乱効果が高くなりすぎて、反射光の強度が低くなりやすいため、反射光が可視領域の光である場合、高さh1は10nm以上200nm以下であることが好ましい。例えば、青色を呈する発色シート10では、効果的な光の広がりを得るためには、高さh1は40nm以上150nm以下の程度であることが好ましく、散乱効果が高くなりすぎることを抑えるためには、高さh1は100nm以下であることが好ましい。
なお、矩形Rは、第1方向Dxに沿って並ぶ2つの矩形Rの一部が重なるように配列されることにより、凸部12aのパターンを構成していてもよい。すなわち、複数の矩形Rは、第1方向Dxに、長さd1よりも小さい配列間隔で配置されていてもよいし、矩形Rの配列間隔は一定でなくてもよい。矩形Rが重なり合う部分では、各矩形Rの配置されている領域が結合された1つの領域に1つの凸部12aが位置する。この場合、凸部12aの第1方向Dxの長さは、矩形Rの長さd1の整数倍とは異なる長さとなる。また、矩形Rの長さd1は、一定でなくてもよく、各矩形Rにおいて、長さd2が長さd1以上であって、複数の矩形Rにおける長さd2の標準偏差が長さd1の標準偏差よりも大きければよい。こうした構成によっても、多層膜層13における反射光の散乱効果は得られる。
上述のように、多層膜層13における接着層14に接する面とは反対側の面の凹凸構造は、樹脂層12の有する凹凸が反転された凹凸から構成される。すなわち、多層膜層13の厚さ方向に沿った方向から見たとき、多層膜層13の上記面が有する凹部が構成するパターンは、複数の矩形Rの集合からなるパターンであり、矩形Rの幅の分布や矩形Rの配置について、凸部12aの構成するパターンと同様の特徴を有する。また、凹部の深さは、凸部12aの高さh1と一致し、凹部の深さは一定である。すなわち、多層膜層13の凹部は、凹部の開口する平面から1段に窪む形状を有している。
[転写箔の製造方法]
上記転写箔20の製造方法を説明する。
まず、剥離基材11上に樹脂層12が形成される。樹脂層12の凹凸構造の形成方法としては、例えば、ナノインプリント法が用いられる。例えば、光ナノインプリント法によって樹脂層12の凹凸構造を形成する場合、まず、形成対象の凹凸の反転された凹凸を有する凹版であるモールドの凹凸が形成された面に、樹脂層12の材料を含む塗布液が塗布される。樹脂層12の材料としては、光硬化性樹脂が用いられる。塗布液の塗布方法は特に限定されず、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スリットコート法、グラビアコート法等の公知の塗布法が用いられればよい。
次いで、塗布液からなる層の表面に、剥離基材11が重ねられ、剥離基材11とモールドとが互いに押し付けられた状態で、剥離基材11の位置する側もしくはモールドの位置する側から光が照射される。続いて、硬化した樹脂からなる層および剥離基材11がモールドから離型される。これによって、モールドの有する凹凸が樹脂に転写されて、表面に凹凸を有する樹脂層12が形成され、剥離基材11と樹脂層12とからなる積層体が形成される。モールドの材料は、例えば、合成石英やシリコンであり、モールドの凹凸構造は、光または荷電粒子線を照射するリソグラフィやドライエッチング等の公知の微細加工技術を利用して形成される。
なお、塗布液は、剥離基材11の表面に塗布され、剥離基材11上の塗布液からなる層にモールドが押し当てられた状態で、光の照射が行われてもよい。また、光ナノインプリント法に代えて、熱ナノインプリント法が用いられてもよい。樹脂層12の材料には、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の製造方法に応じた樹脂が用いられればよい。
続いて、樹脂層12の凹凸を有する表面に、多層膜層13を構成する層が順に積層される。多層膜層13を構成する高屈折率層13aと低屈折率層13bとが無機材料から形成される場合、高屈折率層13aおよび低屈折率層13bの各々は、スパッタリング、真空蒸着、あるいは、原子層堆積法等の公知の薄膜形成技術を用いて形成される。また、高屈折率層13aおよび低屈折率層13bの各々が有機材料から形成される場合、高屈折率層13aおよび低屈折率層13bの形成には、自己組織化等の公知の技術が用いられればよい。
続いて、多層膜層13の上面に、接着層14が形成される。接着層14は、例えば、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スリットコート法、グラビアコート法等の公知の塗布法を用いて形成される。接着層14の形成のための塗布液には、接着層14の材料に加え、必要に応じて、溶媒が混合されてもよい。溶媒としては、接着層14の材料の樹脂と相性のよい溶媒が選択されればよい。例えば、溶媒の例として、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。
以上により、転写箔20が形成される。
[発色シートおよび成形体]
上記転写箔20から被着体への発色シート10の転写方法を説明しつつ、発色シート10および発色物品の構成について説明する。発色物品は、被着体と発色シート10とを備える物品である。なお、発色シート10は、例えば、物品の意匠性を高める目的で用いられてもよいし、物品の偽造の困難性を高める目的で用いられてもよいし、これらの目的を兼ねて用いられてもよい。
図3が示すように、転写箔20は、接着層14が被着体61と接するように、被着体61に貼り付けられる。すなわち、転写箔20が被着体61に固定されている状態において、剥離基材11が外側に向けられている。被着体61の形状や材料は特に限定されない。被着体61は、例えば、カードや立体物等の樹脂成形品であってもよいし、紙であってもよい。要は、被着体61は、接着層14の接着可能な表面を有していればよい。
図4が示すように、転写箔20が被着体61に固定された後、発色シート10から剥離基材11が剥離される。例えば、剥離基材11を被着体61と反対側に引っ張る力が剥離基材11に加えられることにより、剥離基材11が引き剥がされる。なお、転写箔20に対する加熱、加圧、紫外線の照射等が行われることによって、被着体61に対する接着層14の接着や発色シート10からの剥離基材11の剥離が促進されてもよい。
これにより、転写箔20から被着体61に発色シート10が転写され、発色シート10が被着体61の表面に固定される。そして、発色シート10と被着体61とから構成される発色物品60が得られる。
図5が示すように、被着体61に転写された後の発色シート10においては、樹脂層12を含む凹凸構造層の凹凸構造を有する面とは反対側の面が発色シート10の最外面であり、当該最外面は外気に露出されている。また、接着層14は、発色シート10における樹脂層12の上記最外面とは反対側の最外面を構成し、被着体61に接している。発色シート10は、多層膜層13に対して樹脂層12が位置する側から観察される。
[作用]
第1実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、発色シート10が光吸収性を有する接着層14を備えているため、発色シート10への入射光のうち、多層膜層13を透過した光は接着層14に吸収される。そのため、多層膜層13の透過光が被着体61の表面等で反射されて発色シート10から観察者に向けて射出されることが抑えられる。したがって、多層膜層13での干渉によって強められた反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられるため、多層膜層13からの反射光の色の視認性が低下することが抑えられ、発色シート10において所望の発色が好適に得られる。
そして、接着層14が、光吸収性とともに接着性を有しているため、光吸収性を有する層が多層膜層13に直接に接している構成であっても、層間の密着性が良好に得られる。従来のように光吸収性を有する層が接着性を有さない場合、例えば、光吸収性を有する層と多層膜層13との間に、これらの層間の密着性を高めるためのアンカー層を設けることで、層間の密着性を向上させることも可能である。しかしながら、アンカー層を設けることは、発色シートの製造工程数の増加を招く。これに対し、本実施形態の発色シート10であれば、アンカー層を設けずとも、層間の密着性の向上が可能である。
また、光吸収性を有する層が接着性を有さない場合、発色シートを被着体に固定するためには、光吸収性を有する層の上に接着層を積層することが必要である。こうした構造と比較して、本実施形態の発色シート10であれば、発色シート10の構成層の削減が可能であり、これによっても、発色シート10の製造工程数が削減できる。
さらに、発色シート10の構成層の削減によって、構成層間の界面での反射に起因した光の干渉も抑えられるため、これによっても、多層膜層13での干渉によって強められた反射光とは異なる波長域の光が発色シート10から射出されることを抑えられる。
また、樹脂層12に対して剥離基材11が剥離可能に構成されており、発色シート10の転写に際して剥離基材11のみが剥離される。そのため、転写後の発色シート10においては、多層膜層13が有する凹凸構造のうち、樹脂層12に近い方、すなわち観察者に近い方の面を構成する凹凸構造は、樹脂層12に覆われている。また、多層膜層13が有する凹凸構造のうち、接着層14に近い方、すなわち観察者から遠い方の面を構成する凹凸構造は、接着層14に覆われている。したがって、多層膜層13が有する凹凸構造が保護されるため、凹凸構造が外部に露出されている形態と比較して、光学的機能を有する多層膜層13の凹凸構造の変形を抑えることができる。
また、発色シート10は製造時の基材である剥離基材11を有さないため、発色シート10の柔軟性が高められる。したがって、被着体61の表面が曲面である場合にも、被着体61の表面に発色シート10が追従しやすい。その結果、被着体61の表面に発色シート10を沿わせるために発色シート10にかける負荷を軽減できるとともに、発色シート10が被着体61から剥がれることも抑えられる。さらに、発色シート10が製造時の基材を有している場合と比較して、発色シート10の厚さが薄くなる。したがって、発色物品60において発色シート10が貼り付けられている部分が盛り上がることが抑えられる。それゆえ、例えば、発色シート10が装飾のために用いられる場合には、その装飾性を高めることも可能である。
第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)発色シート10への入射光のうち、多層膜層13を透過した光は接着層14に吸収される。したがって、多層膜層13での干渉によって強められた反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられるため、多層膜層13からの反射光の色の視認性が低下することが抑えられる。そして、接着層14が、光吸収性とともに接着性を有しているため、層間の密着性が良好に得られる。
(2)転写箔20において、樹脂層12に対して剥離基材11が剥離可能に構成され、発色シート10の転写に際して、製造時の基材である剥離基材11が剥離される。そのため、発色シート10の柔軟性が高められるとともに、発色シート10を薄くしやすい。
また、転写後の発色シート10において、多層膜層13における一方の面の凹凸は樹脂層12に覆われ、多層膜層13における他方の面の凹凸は接着層14に覆われる。したがって、多層膜層13が有する凹凸構造が露出される形態と比較して、凹凸構造の変形を抑えることができる。
(3)接着層14が黒色顔料を含んでいることにより、接着層14における光吸収性が好適に得られる。
(4)凹凸構造によって反射光の拡散効果が得られ、多層膜層13からの反射光として特定の波長域の光が広い角度で観察できる。
(5)ナノインプリント法を用いて樹脂層12の凹凸構造が形成されるため、微細な凹凸構造を好適に、かつ、簡便に形成することができる。
(第2実施形態)
図6~図9を参照して、発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法の第2実施形態を説明する。以下では、第2実施形態と第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図6が示すように、第2実施形態は、第1実施形態と比較して、樹脂層12が有する凹凸構造の構成が異なる。こうした凹凸構造の構成以外については、第2実施形態の転写箔21および発色シート15は、第1実施形態の転写箔20および発色シート10と同様の構成を有する。
樹脂層12の凹凸構造を構成する凸部12cは、第1実施形態の凸部12aと同様の構成を有する第1凸部要素と、帯状に延びる第2凸部要素とが、樹脂層12の厚さ方向に重畳された構造を有する。
第1実施形態の発色シート10によれば、反射光の散乱効果によって視認される色の観察角度による変化は緩やかになるものの、散乱に起因した反射光の強度の低下によって、視認される色の鮮やかさは低下しやすくなる。発色シートの用途等によっては、より鮮やかな色を広い観察角度で観察可能なシートが求められる場合もある。第2実施形態において、第2凸部要素は、入射光が特定の方向へ強く回折されるように配列されており、第1凸部要素に基づく光の散乱効果と第2凸部要素に基づく光の回折効果とによって、より鮮やかな色を広い観察角度で観察可能となる。
図7を参照して、第2凸部要素の構成について説明する。図7(a)は、第2凸部要素のみからなる凹凸構造の平面図であり、図7(b)は、図7(a)のVII-VII線に沿った断面構造を示す断面図である。図7(a)においては、第2凸部要素にドットを付して示している。
図7(a)が示すように、平面視において、第2凸部要素12Ebは、第2方向Dyに沿って一定の幅で延びる帯状を有し、複数の第2凸部要素12Ebは、第1方向Dxに沿って、間隔をあけて並んでいる。換言すれば、第2凸部要素12Ebが構成するパターンは、第2方向Dyに沿って延び、第1方向Dxに沿って並ぶ複数の帯状領域からなるパターンである。第2凸部要素12Ebにおける第1方向Dxの長さd3は、第1凸部要素のパターンを決定する上記矩形Rの長さd1と一致していてもよいし、異なっていてもよい。
第1方向Dxにおける第2凸部要素12Ebの配列間隔de、すなわち、第1方向Dxにおける帯状領域の配列間隔は、第2凸部要素12Ebが構成する凹凸構造の表面での反射光の少なくとも一部が、一次回折光として観測されるように設定される。一次回折光は、換言すれば、回折次数mが1または-1である回折光である。すなわち、入射光の入射角度をθ、反射光の反射角度をφ、回折する光の波長をλとした場合、配列間隔deは、de≧λ/(sinθ+sinφ)を満たす。例えば、λ=360nmである可視光線を対象とするとき、第2凸部要素12Ebの配列間隔deは180nm以上であればよく、すなわち、配列間隔deは、入射光に含まれる波長域における最小波長の1/2以上であればよい。なお、配列間隔deは、互いに隣り合う2つの第2凸部要素12Ebの端部間の第1方向Dxに沿った距離であって、第1方向Dxにおいて第2凸部要素12Ebに対して同一の側に位置する端部間の距離である。
第2凸部要素12Ebが構成するパターンの周期性は、樹脂層12が有する凹凸構造の周期性、すなわち、多層膜層13の最外面における凹凸構造の周期性に反映される。複数の第2凸部要素12Ebの配列間隔deが一定の場合、多層膜層13の最外面での回折現象によって、多層膜層13からは、所定の波長の反射光が所定の角度に出射される。この回折による光の反射強度は、第1実施形態にて説明した第1凸部要素に基づく光の散乱効果によって生じる反射光の反射強度と比較して非常に強いため、金属光沢のような輝きを有する光が視認されるが、一方で、回折による分光が生じ、観察角度の変化に応じて視認される色が変化する。
したがって、例えば、青色を呈する発色シートが得られるように第1凸部要素の構造を設計したとしても、第2凸部要素12Ebの配列間隔deを400nm~5μmの程度の一定値とすると、観察角度によっては、回折に起因した強い緑色から赤色の表面反射による光が観察される。これに対し、例えば、第2凸部要素12Ebの配列間隔deを50μm程度に大きくすると、可視領域の光が回折される角度の範囲が狭くなるため、回折に起因した色の変化が視認されにくくなるが、金属光沢のような輝きを有する光は特定の観察角度でのみしか観察されない。
そこで、配列間隔deを一定の値とせず、第2凸部要素12Ebのパターンを、周期が異なる複数の周期構造が重ね合わされたパターンとすれば、回折による反射光に複数の波長の光が混じり合うため、分光された単色性の高い光は視認されにくくなる。したがって、光沢感のある鮮やかな色が広い観察角度で観察される。この場合、配列間隔deは、例えば、360nm以上5μm以下の範囲から選択され、複数の第2凸部要素12Ebの配列間隔deの平均値が、入射光に含まれる波長域における最小波長の1/2以上であればよい。
ただし、配列間隔deの標準偏差が大きくなるにつれ、第2凸部要素12Ebの配列が不規則となって散乱効果が支配的になり、回折による強い反射が得られにくくなる。そのため、第2凸部要素12Ebの配列間隔deは、第1凸部要素に基づく光の散乱効果によって光が広がる角度に応じて、この光が広がる範囲と同程度の範囲に回折による反射光が出射されるように決定することが好ましい。例えば、青色の反射光が、入射角度に対して±40°の範囲に広がって出射される場合、第2凸部要素12Ebのパターンにおいて、配列間隔deを、その平均値が1μm以上5μm以下の程度であり、標準偏差が1μm程度であるように設定する。これにより、第1凸部要素に基づく光の散乱効果によって光が広がる角度と同程度の角度に回折による反射光が射出される。
すなわち、複数の第2凸部要素12Ebに基づく凹凸構造は、特定の波長域の光を回折させて取り出すための構造とは異なり、配列間隔deの分散により、回折を利用して所定の角度範囲に様々な波長域の光を射出させるための構造である。
さらに、より長周期の回折現象を生じさせるために、一辺が10μm以上100μm以下の正方形領域を単位領域とし、単位領域ごとの第2凸部要素12Ebのパターンにおいて、配列間隔deを、平均値が1μm以上5μm以下の程度、かつ、標準偏差が1μm程度としてもよい。なお、複数の単位領域のなかには、配列間隔deが1μm以上5μm以下の範囲に含まれる一定の値である領域が含まれてもよい。配列間隔deが一定である単位領域が存在したとしても、この単位領域と隣接する単位領域のいずれかにおいて、配列間隔deが標準偏差1μm程度のばらつきを有していれば、人の目の解像度においてはすべての単位領域で配列間隔deがばらつきを有している構成と同等の効果が期待できる。
なお、図7に示した第2凸部要素12Ebは、第1方向Dxのみに、配列間隔deに起因した周期性を有している。第1凸部要素に基づく光の散乱効果は、主として、多層膜層13の表面と対向する位置から見た場合での第1方向Dxに沿った方向への反射光に作用するが、第2方向Dyに沿った方向への反射光にも一部影響し得る。したがって、第2凸部要素12Ebは、第2方向Dyにも周期性を有してもよい。すなわち、第2凸部要素12Ebのパターンは、第2方向Dyに延びる複数の帯状領域が、第1方向Dxと第2方向Dyとの各々に沿って並ぶパターンであってもよい。
こうした第2凸部要素12Ebのパターンにおいて、例えば、帯状領域の第1方向Dxに沿った配列間隔と第2方向Dyに沿った配列間隔との各々は、各々の平均値が1μm以上100μm以下であるようにばらつきを有していればよい。また、第1凸部要素に基づく光の散乱効果の第1方向Dxへの影響と第2方向Dyへの影響との違いに応じて、第1方向Dxに沿った配列間隔の平均値と、第2方向Dyに沿った配列間隔の平均値とは互いに異なっていてもよく、第1方向Dxに沿った配列間隔の標準偏差と、第2方向Dyに沿った配列間隔の標準偏差とは互いに異なっていてもよい。
図7(b)が示すように、第2凸部要素12Ebの高さh2は、凸部12c上や凹部12b上における多層膜層13の表面粗さよりも大きければよい。ただし、高さh2が大きくなるほど、凹凸構造が反射光に与える効果において第2凸部要素12Ebに基づく回折効果が支配的となって、第1凸部要素に基づく光の散乱効果が得られにくくなる。そのため、高さh2は、第1凸部要素の高さh1と同程度であることが好ましく、高さh2は、高さh1と一致していてもよい。例えば、第1凸部要素の高さh1と第2凸部要素12Ebの高さh2とは、10nm以上200nm以下の範囲に含まれていることが好ましく、青色を呈する発色シート15では、第1凸部要素の高さh1と第2凸部要素12Ebの高さh2とは、10nm以上150nm以下の範囲に含まれていることが好ましい。
図8を参照して、樹脂層12が有する凹凸構造の詳細について説明する。図8(a)は、樹脂層12をその表面と対向する方向から見た平面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIII-VIII線に沿った樹脂層12の断面構造を示す断面図である。図8(a)においては、第1凸部要素が構成するパターンと、第2凸部要素が構成するパターンとに異なる密度のドットを付して示している。
図8(a)が示すように、樹脂層12をその表面と対向する位置から見た場合、凸部12cが構成するパターンは、第1凸部要素12Eaが構成するパターンである第1パターンと、第2凸部要素12Ebが構成するパターンである第2パターンとが重ね合わされたパターンである。すなわち、凸部12cが位置する領域には、第1凸部要素12Eaのみから構成される領域S1と、第1凸部要素12Eaと第2凸部要素12Ebとが重なっている領域S2と、第2凸部要素12Ebのみから構成される領域S3とが含まれる。なお、図8においては、第1凸部要素12Eaと第2凸部要素12Ebとが、第1方向Dxにおいてその端部が揃うように重ねられているが、こうした構成に限らず、第1凸部要素12Eaの端部と第2凸部要素12Ebの端部とはずれていてもよい。
図8(b)が示すように、領域S1では、凸部12cの高さは、第1凸部要素12Eaの高さh1である。また、領域S2では、凸部12cの高さは、第1凸部要素12Eaの高さh1と第2凸部要素12Ebの高さh2との和である。また、領域S3では、凸部12cの高さは、第2凸部要素12Ebの高さh2である。このように、凸部12cは、樹脂層12の厚さ方向への投影像が第1パターンを構成し、所定の高さh1を有する第1凸部要素12Eaと、上記厚さ方向への投影像が第2パターンを構成し、所定の高さh2を有する第2凸部要素12Ebとが、高さ方向に重ねられた多段形状を有する。
なお、第1凸部要素12Eaが構成するパターンと、第2凸部要素12Ebが構成するパターンとは、第1凸部要素12Eaと第2凸部要素12Ebとが重ならないように配置されてもよい。こうした構造によっても、第1凸部要素12Eaに基づく光の拡散効果と第2凸部要素12Ebに基づく光の回折効果とは得られる。ただし、第1凸部要素12Eaと第2凸部要素12Ebとを互いに重ならないように配置しようとすれば、第1実施形態と比較して、単位面積あたりにおける第1凸部要素12Eaの配置可能な面積が小さくなり、光の拡散効果が低下する。したがって、凸部要素12Ea,12Ebに基づく光の拡散効果と回折効果とを高めるためには、図8に示したように、第1凸部要素12Eaと第2凸部要素12Ebとを重ねて凸部12cを多段形状とすることが好ましい。
以上のように、第2実施形態の発色シート15によれば、第1凸部要素12Eaに起因した光の拡散現象と、第2凸部要素12Ebに起因した光の回折現象との相乗によって、特定の波長域の反射光が広い観察角度で観察可能であるとともに、この反射光の強度が高められることにより光沢感のある鮮やかな色が視認される。
なお、多層膜層13における接着層14に接する面とは反対側の面の凹凸構造は、樹脂層12の有する凹凸が反転された凹凸から構成される。すなわち、多層膜層13の厚さ方向に沿った方向から見たとき、多層膜層13の上記面が有する凹部が構成するパターンは、第1凸部要素12Eaの反転された第1凹部要素が構成するパターンと、第2凸部要素12Ebの反転された第2凹部要素が構成するパターンとが重ね合わされたパターンである。第1凹部要素が構成するパターン、すなわち、多層膜層13の厚さ方向への第1凹部要素の投影像が構成するパターンは、矩形Rの幅の分布や矩形Rの配置について上記第1パターンと同様の特徴を有する。第2凹部要素が構成するパターン、すなわち、多層膜層13の厚さ方向への第2凹部要素の投影像が構成するパターンは、帯状領域の幅や配置について上記第2パターンと同様の特徴を有する。
そして、多層膜層13の上記面が有する凹部は、第1凹部要素と第2凹部要素とが深さ方向に並んだ多段形状を有する。第1凹部要素のみから構成される領域では、凹部の深さは、第1凸部要素12Eaの高さh1と一致する。また、第1凹部要素と第2凹部要素とが重なっている領域では、凹部の深さは、第1凸部要素12Eaの高さh1と第2凸部要素12Ebの高さh2との和と一致する。また、第2凹部要素のみから構成される領域では、凹部の深さは、第2凸部要素12Ebの高さh2と一致する。
第2実施形態の転写箔21から被着体への発色シート15の転写は、第1実施形態と同様に行われる。すなわち、接着層14が被着体と接するように、転写箔21が被着体に貼り付けられた後、発色シート15から剥離基材11が剥離される。これにより、転写箔21から被着体に発色シート15が転写され、発色シート15と被着体とから構成される発色物品が得られる。
図9が示すように、被着体に転写された後の発色シート15においては、第1実施形態と同様、樹脂層12を含む凹凸構造層の凹凸構造を有する面とは反対側の面が発色シート15の最外面であり、当該最外面は外気に露出されている。また、接着層14は、発色シート15における樹脂層12の上記最外面とは反対側の最外面を構成し、被着体に接している。発色シート15は、多層膜層13に対して樹脂層12が位置する側から観察される。
第2実施形態においても、発色シート15が光吸収性を有する接着層14を備えているため、発色シート10への入射光のうち、多層膜層13を透過した光は接着層14に吸収される。したがって、多層膜層13での干渉によって強められた反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられるため、多層膜層13からの反射光の色の視認性が低下することが抑えられる。そして、接着層14が、光吸収性とともに接着性を有しているため、光吸収性を有する層が多層膜層13に直接に接している構成であっても、層間の密着性が良好に得られる。
第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)~(3),(5)の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(6)凹凸構造によって反射光の拡散効果と回折効果とが得られ、多層膜層13からの反射光として特定の波長域の光が広い観察角度で観察可能であるとともに、この反射光の強度が高められることにより光沢感のある鮮やかな色が視認できる。
(実施例)
上述した発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法について、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
[実施例]
まず、光ナノインプリント法で用いる凹版であるモールドを用意した。具体的には、光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いたため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、クロム(Cr)からなる膜をスパッタリングによって成膜し、電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは、複数の矩形の集合からなるパターンである。第1方向における上記矩形の長さは300nmであり、第2方向における上記矩形の長さは、平均が2000nm、標準偏差が500nmの正規分布から選択される長さである。上記パターンにおいて、複数の矩形は第1方向に重ならないように配列されている。使用したレジストはポジ型であり、膜厚は200nmである。
続いて、塩素(Cl)と酸素(O)との混合ガスに高周波を印加して発生させたプラズマにより、レジストから露出した領域のCr膜をエッチングした。続いて、六弗化エタンガスに高周波を印加して発生させたプラズマによりレジストおよびCr膜から露出した領域の合成石英基板をエッチングした。これによりエッチングした合成石英基板の深さは70nmであった。残存したレジストおよびCr膜を除去することにより、第1凸部要素に対応する凹凸構造が形成された合成石英基板を得た。
次に、上記凹凸構造が形成された合成石英基板の表面に、Crからなる膜をスパッタリングによって成膜し、電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは、複数の帯状領域からなるパターンである。第1方向における上記帯状領域の長さは200nmであり、第2方向における上記帯状領域の長さは94μmである。第1方向の長さが40μmかつ第2方向の長さが94μmである矩形領域ごとに、第1方向における配列間隔を、平均値が1.5μm、標準偏差が0.5μmとして上記帯状領域が配列されている。使用した電子線レジストはポジ型であり、膜厚は200nmである。
続いて、塩素(Cl)と酸素(O)との混合ガスに高周波を印加して発生させたプラズマにより、レジストから露出した領域のCr膜をエッチングした。続いて、六弗化エタンガスに高周波を印加して発生させたプラズマによりレジストおよびCr膜から露出した領域の合成石英基板をエッチングした。これによりエッチングした合成石英基板の深さは65nmであった。残存したレジストおよびCr膜を除去した後、合成石英基板の表面に、離型剤としてオプツールHD-1100(ダイキン工業製)を塗布した。これにより、第2実施形態に対応する凹凸構造が形成されたモールドを得た。
次に、片面に易接着処理が施されたポリエステルフィルム(コスモシャインA4100、東洋紡製)の易接着処理が施された面に、光硬化性樹脂(PAK-02、東洋合成製)を塗布し、この樹脂にモールドの凹凸が形成されている面を押し当てて、モールドの裏面側から365nmの光を照射した。この光の照射によって光硬化性樹脂を硬化した後、ポリエステルフィルムおよび樹脂層をモールドから剥離した。これにより、凹凸構造を有する樹脂層と基材であるポリエステルフィルムとの積層体が得られた。
次に、上記積層体の凹凸を有する面に、真空蒸着によって、膜厚が40nmである高屈折率層としてのTiO膜と、膜厚が75nmである低屈折率層としてのSiO膜とを交互に成膜し、高屈折率層と低屈折率層との組を5組、すなわち、10層の層を有する多層膜層を形成した。
次に、アクリル系樹脂に、4質量%程度のカーボンナノチューブ粉末を混合して黒色の塗布液を調整した。多層膜層の上面に、バーコート法を用いて上記塗布液を塗布し、形成された塗膜を80℃で2分間乾燥させることにより、接着層を形成した。接着層の膜厚は、50μm程度である。また、接着層における可視領域の光の透過率は40%であった。これにより、実施例の転写箔が得られた。
実施例の転写箔を、三次元オーバーレイラミネーション工法を用いて、ポリカーボネート製の被着体に貼り付け、剥離基材を剥離することによって、実施例の発色物品を得た。詳細には、転写箔の接着層を被着体に向けて成形機に設置して、成形機内を真空引きした後に160℃まで加熱し、転写箔と被着体とを接触させた。この状態で、転写箔の位置する側から大気圧まで加圧を行うことにより、発色シートと被着体とを一体化し、剥離基材を剥離した。その後、発色シートのうちの不要な部分を切り取ることによって、発色シートで加飾された実施例の発色物品が得られた。
実施例の発色物品を観察したところ、発色シートの位置する部分に、光沢感のある青色が視認性よく確認された。
<比較例1>
実施例と同様の工程によって、凹凸構造を有する樹脂層と基材との積層体を形成し、さらに、積層体上に多層膜層を形成した。そして、接着層の形成のために、黒色顔料を混合せずに無色のアクリル樹脂からなる塗布液を調整した。多層膜層の上面に、バーコート法を用いて上記塗布液を塗布し、形成された塗膜を80℃で2分間乾燥させることにより、接着層を形成した。接着層の膜厚は、50μm程度である。また、接着層における可視領域の光の透過率は100%であった。これにより、比較例1の転写箔が得られた。
実施例と同様の方法によって、比較例1の転写箔から被着体に発色シートを転写し、比較例1の発色物品を得た。
比較例1の発色物品を観察したところ、発色シートの位置する部分に、青色が観察された。しかしながら、発色シートを透過した光が発色シートの裏面付近で反射して表側に返ってきており、実施例と比較して青色の視認性が低かった。
<比較例2>
実施例と同様の工程によって、凹凸構造を有する樹脂層と基材との積層体を形成し、さらに、積層体上に多層膜層を形成した。そして、接着層の形成のために、アクリル系樹脂に、1質量%程度のカーボンナノチューブ粉末を混合して塗布液を調整した。多層膜層の上面に、バーコート法を用いて上記塗布液を塗布し、形成された塗膜を80℃で2分間乾燥させることにより、接着層を形成した。接着層の膜厚は、50μm程度である。また、接着層における可視領域の光の透過率は60%であった。これにより、比較例2の転写箔が得られた。
実施例と同様の方法によって、比較例2の転写箔から被着体に発色シートを転写し、比較例2の発色物品を得た。
比較例2の発色物品を観察したところ、発色シートの位置する部分に、青色が観察された。しかしながら、発色シートを透過した光が発色シートの裏面付近で反射して表側に返ってきており、実施例と比較して青色の視認性が低かった。
(変形例)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・第1実施形態および第2実施形態において、多層膜層13に対して樹脂層12が剥離可能に構成されていてもよい。そして、転写箔からの発色シートの転写に際しては、転写箔が被着体に貼り付けられた後、樹脂層12および剥離基材11が多層膜層13から剥離されてもよい。
・第1実施形態において凸部12aが構成するパターンを構成する図形、および、第2実施形態にて第1凸部要素12Eaが構成するパターンを構成する図形は、矩形に限られない。これらのパターンを構成する図形は、長円等であってもよく、要は、第2方向Dyに沿った長さが第1方向Dxに沿った長さ以上である形状を有する図形要素であればよい。そして、図形要素における第1方向Dxの長さd1と第2方向Dyの長さd2とが、第1実施形態にて述べた各種の条件を満たしていればよい。
・樹脂層12の凹凸構造を構成する凸部は、基部から頂部に向かって第1方向Dxの幅が徐々に小さくなる構成を有していてもよい。こうした構成によれば、凸部に多層膜層13が成膜されやすくなる。この場合、第1方向Dxの長さd1や長さd3は、凸部の底面が構成するパターンにて規定される。すなわち、多層膜層13における樹脂層12に接する面の凹凸構造を構成する凹部は、底部から開口部に向かって第1方向Dxの幅が徐々に大きくなる構成を有していてもよい。凹部における第1方向Dxの長さは、凹部の開口部が構成するパターンにて規定される。
Dx…第1方向
Dy…第2方向
10,15…発色シート
11…剥離基材
12…樹脂層
12a,12c…凸部
12b…凹部
12Ea…第1凸部要素
12Eb…第2凸部要素
13…多層膜層
13a…高屈折率層
13b…低屈折率層
14…接着層
20,21…転写箔
60…発色物品
61…被着体

Claims (9)

  1. 多層膜層と、前記多層膜層に接する接着層とを備える発色シートであって、
    前記多層膜層は、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高いように構成され、
    前記多層膜層における前記接着層に接する面とは反対側の表面は凹凸構造を有し、前記凹凸構造を構成する凹部は前記凹部の開口する平面から1段以上に窪み、前記多層膜層の厚さ方向に沿った方向から見て、前記凹部が構成するパターンは、第1方向に沿った長さがサブ波長以下であって、前記第1方向と直交する第2方向に沿った長さが前記第1方向に沿った長さ以上である複数の図形要素の集合からなるパターンを含み、前記複数の図形要素において、前記第2方向に沿った長さの標準偏差は、前記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きく、
    前記接着層は前記入射光の吸収性を有し、前記接着層の光透過率は50%以下である
    発色シート。
  2. 前記多層膜層の前記表面を支持する樹脂層を備え、
    前記樹脂層は前記多層膜層と接する面に凹凸構造を有し、前記多層膜層の前記表面は、前記樹脂層の前記凹凸構造に追従した形状を有する
    請求項1に記載の発色シート。
  3. 前記接着層は、黒色顔料を含む
    請求項1または2に記載の発色シート。
  4. 前記多層膜層の厚さ方向に沿った方向から見て、前記凹部が構成するパターンは、前記複数の図形要素の集合からなるパターンであり、
    前記凹部の深さは一定である
    請求項1~3のいずれか一項に記載の発色シート。
  5. 前記多層膜層の厚さ方向に沿った方向から見て、前記凹部が構成するパターンは、前記複数の図形要素の集合からなる第1パターンと、前記第2方向に沿って延び、前記第1方向に沿って並ぶ複数の帯状領域からなる第2パターンとが重ね合わされたパターンであり、
    前記第1方向に沿った前記帯状領域の配列間隔は、前記複数の帯状領域において一定ではなく、その平均値が前記入射光に含まれる波長域における最小波長の1/2以上であり、
    前記凹部は、前記多層膜層の厚さ方向への投影像が前記第1パターンを構成する要素であって所定の深さを有する凹部要素と、前記多層膜層の厚さ方向への投影像が前記第2パターンを構成する要素であって所定の深さを有する凹部要素とが深さ方向に並んだ多段形状を有する
    請求項1~3のいずれか一項に記載の発色シート。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の発色シートと、
    前記発色シートが貼り付けられた被着体であって、前記接着層と接する前記被着体と、を備える発色物品。
  7. 基材と、
    前記基材上に位置し、前記基材と反対側の表面に凹凸構造を有する凹凸構造層と、
    前記凹凸構造上に位置し、前記凹凸構造に追従した表面形状を有する多層膜層であって、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高いように構成された前記多層膜層と、
    前記多層膜層に対して前記凹凸構造層と反対側で前記多層膜層に接する接着層であって、前記入射光の吸収性を有し、50%以下の光透過率を有する前記接着層と、を備え、
    前記凹凸構造を構成する凸部は、前記凸部の基部が位置する平面から1段以上の段差形状を有し、前記凹凸構造層の表面と対向する位置から見て、前記凸部が構成するパターンは、第1方向に沿った長さがサブ波長以下であって、前記第1方向と直交する第2方向に沿った長さが前記第1方向に沿った長さ以上である複数の図形要素の集合からなるパターンを含み、前記複数の図形要素において、前記第2方向に沿った長さの標準偏差は、前記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きい
    転写箔。
  8. 前記基材は、前記凹凸構造層に対して剥離可能に構成されている
    請求項7に記載の転写箔。
  9. 表面に凹凸構造を有する樹脂層を、ナノインプリント法を用いて形成する第1工程と、
    前記凹凸構造に沿って、多層膜層を、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高くなるように形成する第2工程と、
    前記多層膜層に対して前記樹脂層とは反対側に、前記入射光の吸収性を有し、50%以下の光透過率を有する接着層を形成する第3工程と、を含み、
    前記第1工程では、前記樹脂層の表面と対向する位置から見て、前記凹凸構造を構成する1段以上の凸部の構成するパターンが、第1方向に沿った長さがサブ波長以下であって、前記第1方向と直交する第2方向に沿った長さが前記第1方向に沿った長さ以上である複数の図形要素の集合からなるパターンを含み、前記複数の図形要素において、前記第2方向に沿った長さの標準偏差が、前記第1方向に沿った長さの標準偏差よりも大きくなるように前記凹凸構造を形成する
    転写箔の製造方法。
JP2020129383A 2020-07-30 2020-07-30 発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法 Pending JP2022026090A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020129383A JP2022026090A (ja) 2020-07-30 2020-07-30 発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020129383A JP2022026090A (ja) 2020-07-30 2020-07-30 発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022026090A true JP2022026090A (ja) 2022-02-10

Family

ID=80264381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020129383A Pending JP2022026090A (ja) 2020-07-30 2020-07-30 発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022026090A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2020013229A1 (ja) 転写シート、発色シート、発色物品、および、転写方法
JP7358730B2 (ja) 発色構造体
JP6981194B2 (ja) 発色構造体、表示体、発色シート、成形体、および、発色構造体の製造方法
WO2018131665A1 (ja) 発色構造体、表示体、発色シート、成形体、および、発色構造体の製造方法
JP7120224B2 (ja) 情報記録体、および、個人証明体
US20190329527A1 (en) Color developing structure, display, color-producing sheet, molding, and method for producing color developing structure
JP6500943B2 (ja) 発色構造体、モールドおよびモールドを用いた発色構造体の製造方法
JP2022026090A (ja) 発色シート、発色物品、転写箔、および、転写箔の製造方法
EP3462220B1 (en) Optical information medium and method for manufacturing same
JP7004134B2 (ja) 発色シート、転写箔、成形体、および、転写箔の製造方法
JP7326833B2 (ja) 発色構造体、表示体、及び、発色構造体の製造方法
JP5267075B2 (ja) 表示体
JP2022075250A (ja) 発色シート、発色物品、転写箔及び転写箔の製造方法
JP2019159159A (ja) 発色構造体及びその製造方法、並びに、表示体、発色シート及び成形体
WO2021145339A1 (ja) 発色構造体、および、発色構造体の製造方法
JP7302277B2 (ja) 表示体及び表示体の製造方法
JP2023086445A (ja) 発色構造体
JP2022034246A (ja) 発色構造体
JP6455076B2 (ja) ホログラム積層体および情報記録媒体
JP2024011912A (ja) 発色構造体
US20220091313A1 (en) Diffractive pigment
JP2022102879A (ja) 表示体
JP2023013264A (ja) 発色構造体
JP5585132B2 (ja) 表示体、粘着ステッカ、転写箔及び表示体付き物品
JP2019109414A (ja) 発色構造体、表示体、発色構造体の製造方法