JP7306287B2 - ハブユニット軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、ハブユニット軸受に関する。
ハブユニット軸受は、車輪を回転自在に支持する装置である。下記特許文献に示すように、ハブユニット軸受は、フランジが設けられた外輪と、車輪が取り付けられるハブと、外輪とハブとの間に配置される複数の転動体と、を備える。外輪のフランジは、複数の締結部と、各締結部の間で周方向に延在する複数の補強部と、を備える。そして、フランジの締結部は、懸架装置のナックルと締結されて、ハブユニット軸受が車両に組み付けられる。通常、ハブの回転軸に沿って切ったフランジの断面形状は、ナックルとの対向面がハブの回転軸と直交する方向に延在しているか、又は、径方向外側に向かうにつれてナックル側に若干倒れるようなテーパ状をしている。
特開2009-128335号公報
ところで、フランジとナックルを締結すると、フランジの締結部とナックルの締結部とに、ボルトの軸力が作用する。このため、フランジの締結部とナックルの締結部とのうち一方又は両方は、互いに近づくように変形することがある。そして、このような変形が生じると、フランジの補強部は、ナックルに対して離間し、ナックルに当接しなくなる。つまり、フランジの補強部とナックルとの間には微小な隙間が発生してしまい、外輪とナックルとの結合剛性は低下する。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、フランジとナックルとの締結時、フランジの補強部がナックルに確実に当接するハブユニット軸受を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係るハブユニット軸受は、外輪と、前記外輪に回転自在なハブと、前記外輪と前記ハブとの間に配置された複数の転動体と、を備え、前記外輪は、筒状の外輪本体と、前記外輪本体の外周面から突出し、かつナックルとの締結後に前記ナックルと対向する対向面、及び前記対向面と反対側の反対面を有するフランジと、前記外輪本体の外周面と、前記フランジの反対面と、が交わる隅部と、を有し、前記フランジは、前記ナックルと締結される複数の締結部と、複数の前記締結部の間で周方向に延在する複数の補強部と、を有し、前記隅部は、周方向の一部を熱処理して成る第1隅部と、周方向の残部であり、熱処理が回避された第2隅部と、を有し、前記締結部は、前記ハブの回転軸から視て前記第2隅部と重なり、前記回転軸と直交する方向に延在し、少なくとも1つ以上の前記補強部は、前記回転軸から視て周方向の一部が前記第1隅部と重なり、径方向外側に離隔するにつれて前記反対面から前記対向面の方に傾斜している。
補強部は、対向面の方に傾斜しているため、締結部よりもナックル側に突出している。よって、ボルトの軸力により、フランジの締結部がナックルの締結部寄りに変形したとしても、補強部は、ナックルに確実に当接する。以上から、フランジの補強部とナックルとの間に微小な隙間が発生せず、外輪とナックルとの結合剛性が高い。また、機械加工で、補強部を締結部よりもナックル側に突出させると高コストとなる。一方で、本開示によれば、熱処理により行っており、低コストで製造できる。
上記のハブユニット軸受の一態様として、複数の前記締結部は、前記ナックルの上部と締結される一対の第1締結部と、前記ナックルの下部と締結される一対の第2締結部と、を備え、複数の前記補強部は、前記第1締結部と前記第2締結部との間で延在する一対の第1補強部と、一対の前記第1締結部の間と、一対の前記第2締結部の間と、で延在する一対の第2補強部と、を有し、一対の前記第1補強部は、前記回転軸から視て周方向の一部が前記第1隅部と重なっている。
フランジとナックルとを締結した後、一対の第1補強部は、回転軸を挟んで車両の前後方向に並ぶ。よって、外輪とナックルとにおけるトー角方向の結合剛性が高くなる。
上記のハブユニット軸受の一態様として、複数の前記締結部は、前記ナックルの上部と締結される一対の第1締結部と、前記ナックルの下部と締結される一対の第2締結部と、を備え、複数の前記補強部は、前記第1締結部と前記第2締結部との間で延在する一対の第1補強部と、一対の前記第1締結部の間と、一対の前記第2締結部の間と、で延在する一対の第2補強部と、を有し、一対の前記第2補強部は、前記回転軸から視て周方向の一部が前記第1隅部と重なっている。
フランジとナックルとを締結した後、一対の第2補強部は、回転軸を挟んで車両の上下方向に並ぶ。よって、外輪とナックルとにおけるキャンバー角方向の結合剛性が高くなる。
上記のハブユニット軸受の一態様として、複数の前記締結部は、前記ナックルの上部と締結される1つの第1締結部と、前記ナックルの下部と締結される一対の第2締結部と、を備え、複数の前記補強部は、前記第1締結部と前記第2締結部との間で延在する一対の第1補強部と、一対の第2締結部の間で延在する1つの第2補強部と、を有し、一対の前記第1補強部は、前記回転軸から視て周方向の一部が前記第1隅部と重なっている。
フランジとナックルとを締結した後、一対の第1補強部は、回転軸を挟んで車両の前後方向に並ぶ。よって、外輪とナックルとにおけるトー角方向の結合剛性が高くなる。
本開示のハブユニット軸受によれば、締結時にフランジの補強部がナックルに確実に当接し、外輪とナックルとの結合剛性が高い。
図1は、実施形態1に係るハブユニット軸受を回転軸に沿って切った断面図であり、詳細には図2のI-I線矢視断面図である。 図2は、実施形態1に係る外輪のみを抽出して軸方向外側から視た図である。 図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。 図4は、図2のIV-IV線矢視断面図である。 図5は、実施形態2に係る外輪のみを抽出して軸方向外側から視た図である。 図6は、実施形態3に係る外輪のみを抽出して軸方向外側から視た図である。 図7は、実施形態4に係る外輪のみを抽出して軸方向外側から視た図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、実施形態1に係るハブユニット軸受を回転軸に沿って切った断面図であり、詳細には図2のI-I線矢視断面図である。図2は、実施形態1に係る外輪のみを抽出して軸方向外側から視た図である。図3は、図2のIII-III線矢視断面図である。図4は、図2のIV-IV線矢視断面図である。
(実施形態1)
実施形態1に係るハブユニット軸受1は、自動車の車体の一部である懸架装置に装着されて車輪を回転自在に支持するための装置である。また、本実施形態のハブユニット軸受1は、駆動輪を支持するための駆動輪用ハブユニット軸受であり、ハブ3の中心部には駆動軸を通す為のスプライン孔6aが設けられている。なお、本開示のハブユニット軸受1は、従動輪を支持する従動輪用ハブユニット軸受に適用してもよい。図1に示すように、ハブユニット軸受1は、筒状の外輪2と、一部が外輪2の内周側に配置されたハブ3と、外輪2とハブ3との間に配置された複数の転動体4と、を備える。以下の説明において、ハブ3の回転軸Oと平行な方向を単に軸方向という。
外輪2は、中炭素鋼を熱間鍛造した後、旋削加工することにより中間製造物を製造する。次に、その中間製造物の複列の外輪軌道2a、2bとなる位置に高周波焼き入れを行い、硬化層9a、9bを形成する。その後、複列の外輪軌道2a、2bとなる位置及びシール8a、8bの圧入面となる位置に研削加工を行うことで外輪2が製造される。外輪2は、ハブ3の回転軸Oを中心に円筒状を成す外輪本体5と、外輪本体5の外周面から径方向外側に突出するフランジ10と、外輪本体5の外周面5aとフランジ10の反対面10bとが交わる隅部30と、を備える。
外輪本体5の内周面には、複列の外輪軌道2a、2bが設けられている。外輪本体5の端部5bは、ナックル50との締結時、ナックル50の孔部51に挿入される。フランジ10は、懸架装置のナックル50とボルト60で締結される。また、フランジ10がナックル50と締結された場合、外輪2は、車両の車幅方向に開口する。よって、ハブ3の回転軸Oは、ナックル50との締結後、車幅方向に延在する。
フランジ10は、軸方向の一方を向く対向面10aと、軸方向の他方を向く反対面10bと、を備える。対向面10aは、ナックル50との締結後、ナックル50の取り付け面52と対向して当接すべき面で、熱間鍛造後であって外輪軌道2a、2bの熱処理前(高周波焼き入れ前)に旋削により仕上げられている。対向面10aは、ナックル50への取り付け後、車幅方向内側を向く。以下、軸方向において、対向面10aが向く方向を軸方向内側と称し、反対面10bが向く方向を軸方向外側と称する。フランジ10と隅部30との詳細については後述する。
ハブ3は、外周面に複列の内輪軌道3a、3bを有している。ハブ3は、ハブ輪6と、内輪7と、を備える。ハブ輪6は、回転軸Oを中心に円筒状を成している。ハブ輪6の内周面には、スプライン孔6aが設けられている。ハブユニット軸受1が車体に組み付けられた後、ハブ輪6の内部には、図示しない駆動軸が挿入される。また、スプライン孔6aには、駆動軸がスプライン嵌合される。これにより、駆動軸が回転すると、ハブ3が回転軸Oを中心に回転する。
ハブ輪6における軸方向の中間部の外周面には、内輪軌道3aが設けられている。ハブ輪6の軸方向外側の端部には、径方向外側に突出するフランジ6bが設けられている。このフランジ6bは、図示しない車輪のホイールと、図示しない制動装置のディスクと、が取り付けられる。また、ハブ輪6の軸方向内側の端寄りには、外径が小径に形成された小径部6cが設けられている。ハブ輪6の軸方向内側の端部には、一部を径方向の外側に塑性変形させて成るかしめ部6dが設けられている。
内輪7は、外周面に内輪軌道3bが設けられた部品である。内輪7は、小径部6cの外周側に嵌合されている。そして、内輪7は、かしめ部6dにより、軸方向外側に押圧されている。このため、内輪7は、ハブ輪6から分離しないようになっている。さらに、外輪軌道2bと内輪軌道3bとの間に配置される転動体4には、予圧が付与されている。
転動体4は、複列の外輪軌道2a、2bと複列の内輪軌道3a、3bとの間のそれぞれに、複数個ずつ転動自在に設けられている。本実施形態の転動体4は、球体である。なお、本開示のハブユニット軸受は、球体の転動体に限らず、円すいころを使用してもよい。また、外輪2とハブ3との間には、転動体4、4に向かって異物が侵入することを防止し、かつグリースが外部に漏出することを防止するためのシール8a、8bが設けられている。
図2に示すように、フランジ10は、複数の締結部11と、複数の締結部11の間で周方向に延在する複数の補強部20と、を備える。締結部11は、ナックル50と締結される部位である。実施形態1の締結部11は、一対の第1締結部12、12と、一対の第2締結部13、13と、を備える。補強部20は、締結部11と外輪本体5との剛性を高めるため部位である。実施形態1の補強部20は、一対の第1補強部21と、一対の第2補強部22と、を備える。
締結部11と補強部20とは、周方向に連続している。フランジ10における締結部11と補強部20との境界線は、仮想接線L1と重なっている。仮想接線L1は、回転軸Oから径方向外側に延出し、かつ締結部11の外周面と重なる仮想円Cに接している(図2の右下の方を参照)。また、仮想接線L1は、一つの仮想円Cに対して2つ発生するが、この2つの仮想接線L1に挟まれている範囲が締結部11である。なお、図2において、仮想接線L1を引いていない他の締結部11には、その締結部11の範囲を明確にするため、一点鎖線を引いている。
第1締結部12は、軸方向に貫通し、内周面にねじ穴が形成された雌ねじ部12aを有している。同様に、第2締結部13は、軸方向に貫通し、内周面にねじ穴が形成された雌ねじ部13aを有している。図1に示すように、雌ねじ部12a、13a(図1において雌ねじ部12aは不図示)は、ナックル50との締結の際、ナックル50を貫通するボルト60が螺合するようになっている。
図2に示すように、第1締結部12は、ナックル50の上部と締結される。第2締結部13は、ナックル50の下部と締結される。よって、第1締結部12と第2締結部13とが配置される配置方向は、ナックル50との締結後、車両の上下方向となる。以下の説明において、配置方向と軸方向とのそれぞれに直交する方向を交差方向と称する。
第1補強部21は、第1締結部12と第2締結部13との間に配置されている。一対の第1補強部21、21は、回転軸Oを挟んで交差方向に互いに離隔している。なお、交差方向は、ナックル50との締結後、車両の前後方向となる。また、第2補強部22は、一対の第1締結部12、12の間と、一対の第2締結部13、13の間に配置されている。そして、一対の第2補強部22、22は、回転軸Oを挟んで配置方向に互いに離隔している。
隅部30は、回転軸Oを中心に周方向に延在し、環状を成している。隅部30は、外輪2の製造の際、周方向の一部に高周波焼き入れにより硬化層が設けられている。よって、隅部30は、熱処理が回避された非硬化処理領域41と、熱処理されて硬化している硬化処理領域42と、を有している。なお、硬化処理領域42を第1隅部と称する場合がある。非硬化処理領域41を第2隅部と称する場合がある。
以下において、隅部30を締結部用隅部31と補強部用隅部32とに分けて、非硬化処理領域41と硬化処理領域42との関係を説明する。締結部用隅部31は、隅部30のうち、回転軸Oから視て締結部11と重なる部分である。補強部用隅部32は、隅部30のうち、回転軸Oから視て補強部20と重なる部分である。
締結部用隅部31は、周方向の全てが非硬化処理領域41となっている。非硬化処理領域41は、外輪本体5やフランジ10と同じと同じ結晶構造となっている。これにより、図3に示すように、第1締結部12は、回転軸Oと直交する方向に直線状に延在している(なお、図3において回転軸Oは不図示)。言い換えると、第1締結部12の形状は、旋削時から変形していない。そして、第1締結部12の対向面10aは、回転軸Oを垂線とする仮想平面Hに沿って平行に延在している。なお、特に図示しないが、第2締結部13においても回転軸Oと直交する方向に直線状に延在している。
図2に示すように、補強部用隅部32は、非硬化処理領域41と、硬化処理領域42と、を有している。図4に示すように、硬化処理領域42を形成するための高周波焼き入れは、外輪本体5の外周面5aとフランジ10の反対面10bに跨って設けられている。なお、硬化処理領域42の硬化層は、外輪軌道2a、2bの硬化層9a、9bと連続しないように、高周波焼き入れが行われている。
硬化処理領域42は、高周波焼き入れによりマルテンサイト変態している。つまり、硬化処理領域42は、熱処理前よりも体積が0.3~0.4%増加し、図4の矢印で示す方向に膨張している。これにより、硬化処理領域42は、硬化処理前には平面であった補強部20に対し、軸方向内側に傾倒するような応力を与えている。この結果、補強部20は、旋削後、第1締結部12と同じように、回転軸Oと直交する方向に直線状に延在したものの、熱処理後、径方向外側に離隔するにつれて軸方向内側に傾倒するように変形している。そして、補強部20の対向面10aは、締結部11の対向面10aよりも軸方向内側に突出している(図4のフランジ10の仮想線を参照)。なお、補強部20の突出量は、特に限定されないが、大きくて数十μm程度である。
図2に示すように、補強部用隅部32における硬化処理領域42の割合は、1/3から1/2の範囲である。そして、硬化処理領域42は、補強部用隅部32の周方向の中央部に位置している(図2の基準線N1とN2とを参照)。よって、補強部20の周方向の中央部は、軸方向内側に傾倒している。一方で、補強部用隅部32の非硬化処理領域41は、補強部用隅部32の周方向の両端部に位置している。よって、補強部20の周方向の端部は、回転軸Oと直交する方向に直線状に延在している。言い換えると、補強部20の周方向の端部が軸方向内側に傾倒していないため、隣り合う締結部11も軸方向内側に傾倒していない。
図2に示すように、隅部30は、4つの硬化処理領域42を有している。4つの硬化処理領域42のうち2つの硬化処理領域42は、回転軸Oから視て一対の第1補強部21、21と重なっている。よって、一対の第1補強部21、21は、周方向の中央部が軸方向内側へ傾いている。また、残りの2つの硬化処理領域42は、回転軸Oから視て一対の第2補強部22、22と重なっている。よって、一対の第2補強部22、22は、周方向の中央部が軸方向内側へ傾いている。
次に実施形態1に係るハブユニット軸受1の効果を説明する。実施形態1の補強部20は、締結部11よりも軸方向内側に突出している。このため、フランジ10とナックル50との締結により、フランジ10の第1締結部12及び第2締結部13がナックル50側へ変形しても、補強部20の対向面10aがナックル50の取り付け面52に確実に当接する。
また、ナックル50に当接する4つの補強部20のうち一対の第1補強部21、21は、回転軸Oを挟んで車両の前後方向に分かれて配置される。よって、外輪2は、ナックル50に対してトー角方向T(図2の矢印T参照)にがたつくことがない。つまり、ナックル50と外輪2とのトー角方向Tの結合剛性が向上する。
また、ナックル50に当接する4つの補強部20のうち一対の第2補強部22、22は、回転軸Oを挟んで車両の上下方向に分かれて配置される。よって、外輪2は、ナックル50に対してキャンバー角方向K(図2の矢印K参照)にがたつくことがない。つまり、ナックル50と外輪2とのキャンバー角方向Kの結合剛性が向上する。
以上、第1実施形態のハブユニット軸受1は、外輪2と、外輪2に回転自在なハブ3と、外輪2とハブ3との間に配置された複数の転動体4と、を備える。外輪2は、筒状の外輪本体5と、外輪本体5の外周面5aから突出し、かつナックル50との締結後にナックル50と対向する対向面10a、及び対向面10aと反対側の反対面10bを有するフランジ10と、外輪本体5の外周面5aと、フランジ10の反対面10bと、が交わる隅部30と、を有する。フランジ10は、ナックル50と締結される複数の締結部11と、複数の締結部11の間で周方向に延在する複数の補強部20と、を有する。隅部30は、周方向の一部を熱処理してなる硬化処理領域42の第1隅部でと、周方向の残部であり、熱処理が回避された非硬化処理領域41の第2隅部と、を有する。締結部11は、ハブ3の回転軸Oから視て第2隅部と重なり、回転軸Oと直交する方向に延在している。少なくとも1つ以上の補強部20は、回転軸Oから視て周方向の一部が第1隅部と重なり、径方向外側に離隔するにつれて反対面10bから対向面10aの方に傾斜している。
フランジ10とナックル50との締結の際、補強部の対向面は、ナックルの取り付け面に確実に当接する。よって、外輪とナックルとの結合剛性を向上させることができる。また、機械加工で、補強部20を締結部11よりもナックル50側に突出させた場合、高コストとなるが、熱処理であるため低コストを図れる。
第1実施形態のハブユニット軸受1において、複数の締結部11は、ナックル50の上部と締結される一対の第1締結部12、12と、ナックル50の下部と締結される一対の第2締結部13、13と、を備える。複数の補強部20は、第1締結部12と第2締結部13との間で延在する一対の第1補強部21、21と、一対の第1締結部12、12の間と、一対の第2締結部13、13の間と、で延在する一対の第2補強部22、22と、を有している。一対の第1補強部21、21は、回転軸Oから視て周方向の一部が硬化処理領域42の第1隅部と重なっている。
以上から、外輪2とナックル50とにおけるトー角方向Tの結合剛性が向上する。
第1実施形態のハブユニット軸受1において、複数の締結部11は、ナックル50の上部と締結される一対の第1締結部12、12と、ナックル50の下部と締結される一対の第2締結部13、13と、を備える。複数の補強部20は、第1締結部12と第2締結部13との間で延在する一対の第1補強部21、21と、一対の第1締結部12、12の間と、一対の第2締結部13、13の間と、で延在する一対の第2補強部22、22と、を有している。一対の第2補強部22、22は、回転軸Oから視て周方向の一部が非硬化処理領域41の第1隅部と重なっている。
以上から、外輪2とナックル50とにおけるキャンバー角方向Kの結合剛性が高くなる。
(実施形態2)
図5は、図5は、実施形態2に係る外輪のみを抽出して軸方向外側から視た図である。なお、以下の説明においては、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。実施形態2に係る外輪2Aにおいて、隅部30に設けられた硬化処理領域42が4つから2つに減少した点で、実施形態1の外輪2と相違する。
硬化処理領域42は、回転軸Oから視て、一対の第1補強部21、21の周方向の中央部と重なっている。また、一対の第1補強部21、21は、径方向外側に離隔するにつれて軸方向内側に傾倒している。以上から、一対の第1補強部21、21は、締結部11よりも第1方向内側X1側に突出している。外輪2とナックル50とにおけるトー角方向Tの結合剛性を向上させることができる。なお、一対の第2補強部22、22は、回転軸Oから視て、非硬化処理領域41のみを有する補強部用隅部32と重なっている。よって、一対の第2補強部22、22は、回転軸Oと直交する方向に直線状に延在している。
(実施形態3)
図6は、図6は、実施形態3に係る外輪のみを抽出して軸方向外側から視た図である。実施形態3に係る外輪2Bにおいて、隅部30に設けられた硬化処理領域42が4つから2つに減少した点で、実施形態1の外輪2と相違する。
硬化処理領域42は、回転軸Oから視て、一対の第2補強部22、22の周方向の中央部と重なっている。また、一対の第2補強部22、22は、径方向外側に離隔するにつれて軸方向内側に傾倒している。以上から、一対の第2補強部22、22は、締結部11よりも軸方向内側に突出している。外輪2とナックル50とにおけるキャンバー角方向Kの結合剛性を向上させることができる。なお、一対の第1補強部21、21は、回転軸Oから視て、非硬化処理領域41のみを有する補強部用隅部32と重なっている。よって、一対の第1補強部21、21は、回転軸Oと直交する方向に直線状に延在している。
(実施形態4)
図7は、図7は、実施形態4に係る外輪のみを抽出して軸方向外側から視た図である。実施形態4に係る外輪2Cにおいて、第1締結部12の個数が2つから1つに減少している点で、実施形態2の外輪2Aと相違する。
詳細には、複数の締結部11は、ナックル50の上部と締結される1つの第1締結部12と、ナックル50の下部と締結される一対の第2締結部13、13と、を備える。複数の補強部24は、第1締結部12と第2締結部13との間で延在する一対の第1補強部25と、一対の第2締結部13、13の間で延在する1つの第2補強部26と、を有している。また、一対の第1補強部25、25における周方向の中央部は、回転軸Oから視て周方向の一部が硬化処理領域42の第1隅部と重なっている。これにより、一対の第1補強部21、21の周方向の中央部は、締結部11よりも軸方向内側に突出している。
また、一対の第1補強部25、25は、車両の側面方向から視た場合、回転軸Oを挟んで前後方向に分かれて配置される。よって、外輪2Cとナックル50とを締結した場合、外輪2Cは、ナックル50に対してトー角方向T(図7の矢印T参照)にがたつくことがない。つまり、ナックル50と外輪2とのトー角方向Tの結合剛性が向上する。
以上、実施形態について説明したが、本開示のハブユニット軸受は、上記した例に限定されない。補強部用隅部32における硬化処理領域42の割合は、上記した割合に限定されない。また、硬化処理領域42の生成は、高周波焼き入れに限定されない。実施形態において、1つの硬化処理領域42は、周方向に連続して形成されているが、周方向に点在するようにしてもよい。本開示の硬化処理領域42は、フランジ10を傾倒させることができればよく、硬化処理されている領域の大きさや深さについて特に限定されない。
1 ハブユニット軸受
2、2A、2B、2C 外輪
3 ハブ
4 転動体
5 外輪本体
10 フランジ
10a 対向面
10b 反対面
11 締結部
12 第1締結部
13 第2締結部
20、24 補強部
21、25 第1補強部
22、26 第2補強部
30 隅部
31 締結部用隅部
32 補強部用隅部
41 非硬化処理領域(第2隅部)
42 硬化処理領域(第1隅部)
50 ナックル
L1 仮想接線

Claims (4)

  1. 外輪と、
    前記外輪に回転自在なハブと、
    前記外輪と前記ハブとの間に配置された複数の転動体と、
    を備え、
    前記外輪は、
    筒状の外輪本体と、
    前記外輪本体の外周面から突出し、かつナックルとの締結後に前記ナックルと対向する対向面、及び前記対向面と反対側の反対面を有するフランジと、
    前記外輪本体の外周面と、前記フランジの反対面と、が交わる隅部と、
    を有し、
    前記フランジは、
    前記ナックルと締結される複数の締結部と、
    複数の前記締結部の間で周方向に延在する複数の補強部と、
    を有し、
    前記隅部は、
    周方向の一部を熱処理して成る第1隅部と、
    周方向の残部であり、熱処理が回避された第2隅部と、
    を有し、
    前記締結部は、前記ハブの回転軸から視て前記第2隅部と重なり、前記回転軸と直交する方向に延在し、
    少なくとも1つ以上の前記補強部は、前記回転軸から視て周方向の一部が前記第1隅部と重なり、径方向外側に離隔するにつれて前記反対面から前記対向面の方に傾斜している
    ハブユニット軸受。
  2. 複数の前記締結部は、
    前記ナックルの上部と締結される一対の第1締結部と、
    前記ナックルの下部と締結される一対の第2締結部と、
    を備え、
    複数の前記補強部は、
    前記第1締結部と前記第2締結部との間で延在する一対の第1補強部と、
    一対の前記第1締結部の間と、一対の前記第2締結部の間と、で延在する一対の第2補強部と、
    を有し、
    一対の前記第1補強部は、前記回転軸から視て周方向の一部が前記第1隅部と重なっている
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. 複数の前記締結部は、
    前記ナックルの上部と締結される一対の第1締結部と、
    前記ナックルの下部と締結される一対の第2締結部と、
    を備え、
    複数の前記補強部は、
    前記第1締結部と前記第2締結部との間で延在する一対の第1補強部と、
    一対の前記第1締結部の間と、一対の前記第2締結部の間と、で延在する一対の第2補強部と、
    を有し、
    一対の前記第2補強部は、前記回転軸から視て周方向の一部が前記第1隅部と重なっている
    請求項1又は請求項2に記載のハブユニット軸受。
  4. 複数の前記締結部は、
    前記ナックルの上部と締結される1つの第1締結部と、
    前記ナックルの下部と締結される一対の第2締結部と、
    を備え、
    複数の前記補強部は、
    前記第1締結部と前記第2締結部との間で延在する一対の第1補強部と、
    一対の第2締結部の間で延在する1つの第2補強部と、
    を有し、
    一対の前記第1補強部は、前記回転軸から視て周方向の一部が前記第1隅部と重なっている
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
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