JP7306143B2 - 寝室の使用方法 - Google Patents

寝室の使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7306143B2
JP7306143B2 JP2019141035A JP2019141035A JP7306143B2 JP 7306143 B2 JP7306143 B2 JP 7306143B2 JP 2019141035 A JP2019141035 A JP 2019141035A JP 2019141035 A JP2019141035 A JP 2019141035A JP 7306143 B2 JP7306143 B2 JP 7306143B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bedroom
wall surface
beds
bed
furniture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019141035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021025214A (ja
Inventor
雅之 近藤
容崇 友金
宏和 宮地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui House Ltd
Original Assignee
Sekisui House Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui House Ltd filed Critical Sekisui House Ltd
Priority to JP2019141035A priority Critical patent/JP7306143B2/ja
Publication of JP2021025214A publication Critical patent/JP2021025214A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7306143B2 publication Critical patent/JP7306143B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Residential Or Office Buildings (AREA)

Description

本願は、一般の戸建て住宅や集合住宅、高齢者用の養護・介護施設等に適用可能なツインベッドタイプの寝室の使用方法に関する。
高齢者、病人、身体障害等、日常生活において自由に動き回ることが困難な人(これらを「要介護者」と総称する。)と、その要介護者を日常的に世話する同居の家族や介護士等(これらを「介護者」と総称する。)と、にとっての介護負担を軽減することを目的とした住宅の空間構成が種々提案されている。
例えば特許文献1~4には、寝室に複数箇所の出入口を設け、一つの出入口を洗面所、トイレ、浴室等の衛生空間(水回り空間)に短い動線で連通させて、車椅子での行き来を容易にした寝室構造が開示されている。
さらに、特許文献1、3、4には、寝室の周囲に回廊動線を設けて、その回廊動線を玄関に連通させ、外部から来訪する介護士(ホームヘルパー)等が、家族が生活するリビング等のプライベートゾーンを通らずに寝室や衛生空間に行き来することができるプランも開示されている。
さらに、要介護者と介護者とが同じ寝室にベッドを並べて就寝する場合は、それぞれが落ち着いて就寝できるような配慮も求められる。そこで、特許文献3には、要介護者用の就寝スペースと介護者用の就寝スペースとを可動式の仕切部材で仕切ることができるようにした寝室構造も開示されている。
また、特許文献5には、二つの就寝スペースの間に置き棚を配置した構成が開示されている。その置き棚には双方の就寝スペース間を連通する開口部(同文献中では「開放棚」)が設けられ、その開口部には開閉可能な引戸が取り付けられる。このような置き棚によって二つの就寝スペースの間を遮ることにより、それぞれが相手側のイビキや読書灯に邪魔されず、また夜中にトイレに行くときの動き等によって起こされることもなく、静かに就寝することができる。そして、介護者が要介護者の体調等に異変を感じたときには、引戸を開くことで、相手側の様子を速やかに確認することができる。
特開平11-107549号公報 特開2010-159600号公報 特開2015-1066号公報 特開2015-101845号公報 特開2010-119510号公報
前記各文献に開示された従来の寝室構造は、いずれも二台のベッドが横並びで配置された空間構成になっている。しかし、一般的な住宅に設けられる8畳前後の寝室に二台のベッドを横並びで置くと、ベッドの長辺部の側方のスペースが窮屈になりやすい。車椅子を利用する要介護者は通常、ベッドの長辺部に腰掛けながらベッドと車椅子との間を移乗するので、長辺部の側方スペースが窮屈になると、そこに車椅子を置けなくなって、移乗や寝起きがたいへん不自由になる。介護者にとっても、通常は寝ている要介護者の側方から介助を行うので、ベッドの長辺部の側方スペースが狭ければ安定した体勢を取りにくくなって、身体的負担が著しく増大する。近年は介護ロボットも普及し始めているが、ベッドの長辺部の側方スペースに余裕がないと、その導入も難しくなる。
また、要介護者と介護者とは常に同じタイミングで寝起きするわけではないから、二台のベッドが横並びで置かれていると、例えば要介護者の就寝中に介護者が寝室に出入りしようとしたとき、その音や光で要介護者の安眠を妨げてしまう、といったことも発生しやすくなる。
さらに、要介護者の介助や診察をするために介護士や医師、看護師等が来訪した際には、介護者側のベッドも丸見えになってプライバシーが損なわれる、といった不都合もある。
本願が開示する発明は前述のような問題を改善するためになされたものであり、例えば高齢の夫婦や親子等が同じ寝室にベッドを並べて就寝し、その一方が他方を日常的に介護するような生活態様において、介護者が要介護者をきめ細やかに見守って無理のない動作で介護することができ、要介護者にとっても寝起きや車椅子への移乗、衛生空間等への移動等が容易で、さらに双方の安眠やプライバシーも損なわれにくいツインベッドタイプの寝室の使用方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために本願が開示する寝室の使用方法は、寝室を囲む複数の壁面のうち長手方向に配される第一壁面の壁長が5.5m、前記第一壁面に直交する短手方向の壁面の壁長が2.0mに設定された矩形平面の寝室内に、縦2.0m×横1.0mのサイズを有する要介護者用および介護者用の二台のベッドを、前記第一壁面に添わせて互いに頭合わせとなるように直列的に配置することにより、前記第一壁面に相対する第二壁面と前記二台のベッドとの間に、車椅子で移動し得る1.0m幅の室内通路を設けるとともに、前記二台のベッドの間および各ベッドと前記短手方向の各壁面との間にそれぞれ0.5mの間隔を設ける、ものとして特徴付けられる。
さらに、本願が開示する寝室の使用方法は、前記二台のベッドの間に前記第一壁面と直交するようにして、両ベッド間を遮蔽する間仕切り家具設置し、前記間仕切り家具の表裏両側には前記各ベッド側から使用し得る棚部を設ける、ものとして特徴付けられる。
さらに、本願が開示する寝室の使用方法は、前記間仕切り家具を挟んで前記各ベッドの上方に照明器具それぞれ設置し、前記照明器具各ベッド側で個別に点消灯および調光し得るように設定する、ものとして特徴付けられる。
さらに、本願が開示する寝室の使用方法は、前記第二壁面における前記各ベッドの足元側に、前記室内通路に連通する出入口をそれぞれ設ける、ものとして特徴付けられる。
前述のように構成される寝室の使用方法は、要介護者のベッドと介護者のベッドと頭合わせになるように直列的に配置することで、それらのベッドの長辺部の側方に直線的な介護動線を確保したものである。したがって、要介護者にとっては、ベッドと車椅子との間を移乗する際の身体動作が容易になる。介護者にとっても、万一、要介護者の様子に異変を感じた場合には、二台のベッドの長辺部に沿う直線的な動線を通じて要介護者の側方に迅速に移動し、無理のない体勢できめ細やかな介護を行うことが可能になる。
また、頭合わせに配置した二つのベッドの間に間仕切り家具を配置することで、それぞれの就寝スペース間での光、音、空調の気流等が適度に遮られる。これにより、要介護者および介護者双方が、互いに相手側の安眠やプライバシーを損なうことなく、室内環境をそれぞれの好みに調整し、それぞれの生活リズムで気兼ねなく寝起きすることが可能になる。
かくして、要介護者および介護者の双方における精神的・身体的な負担が大幅に軽減される。
寝室内に二台のベッドを配置して車椅子用のスペースを確保するのに必要な最小面積を検討するための模式的平面図であり、(a)は従来一般の並列配置、(b)は本願発明が採用する直列配置の基本形態をそれぞれ示す。 寝室内に二台のベッドを並べたときの室内環境の影響を示す模式的説明図であり、(a)は並列配置、(b)は直列配置をそれぞれ示す。 本願が開示する寝室の使用方法の実施形態を示す平面図である。 本願が開示する間仕切り家具の実施形態を示す図であり、表裏両側からそれぞれ見た形態を示す斜視図である。 前記間仕切り家具の正面図である。 前記間仕切り家具の奥行方向における中間位置(J-J)での断面図である。 前記間仕切り家具の上面図である。 前記間仕切り家具のA-A断面図である。 前記間仕切り家具のB-B断面図である。 前記間仕切り家具のC-C断面図である。 前記間仕切り家具のD-D断面図である。 前記間仕切り家具のE-E断面図である。 前記間仕切り家具のG-G断面図である。 前記間仕切り家具のH-H断面図である。 前記間仕切り家具のI-I断面図である。 前記間仕切り家具に側壁家具を付加した形態を示す斜視図である。
以下、本願が開示する発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<寝室の使用方法の基本概念>
本願が開示する寝室の使用方法は、寝室を囲む複数の壁面のうち長手方向に配された一つの壁面(この壁面を、本願の明細書および特許請求の範囲において「第一壁面」と称する。)に沿って、二台のベッド互いに頭合わせとなるように直列的に配置、それら二台のベッドの、第一壁面とは反対側の長辺部に沿って直線的な室内通路を設ける点を大きな特徴としている。まず、このようなベッドの配置形態(以下、「直列配置」と称する。)を、二台のベッドを横並びに置く従来一般の配置形態(以下、「並列配置」と称する。)と比較したときの優位点について、図1~図2を参照しつつ説明する。
図1は、寝室内に二台のベッド21、22を配置して、少なくとも一方のベッド21の側方に車椅子用スペースを確保するのに必要な最小面積を検討するための模式的平面図である。(a)は従来の一般的な並列配置を示し、(b)は本願発明が採用する直列配置の基本形態を示している。二つの配置例はいずれも、ベッド21、22のサイズを縦2.0m×横1.0mとして、その一辺を第一壁面11に付き当て、各ベッド21、22の他辺の側方および両ベッド21、22の間にはベッドメイク用の作業スペースを兼ねる幅0.5mの通路スペース13を確保している。そして、少なくとも一方のベッド21の側方には、車椅子を寄せてベッド21に移乗できる幅1.0mの車椅子用スペース14を設け、その車椅子用スペース14に間口0.8mの出入口16を連通させている。
これらの条件で対比すると、(a)の並列配置では、二台のベッド21、22の並び方向の壁長(第一壁面11の長さ)が3.5m、第一壁面11に直交するベッド21、22の長さ方向の壁長が3.0mで、室内面積が10.5mとなる。ただし、この配置例では、車椅子を使用する要介護者がベッド21の足元側の短辺部からベッド21に移乗しなければならなくなるので、要介護者にとっても介護者にとっても、使い勝手が良いとは言えない。
(b)の直列配置では、二台のベッド21、22の並び方向の壁長(第一壁面11の長さ)が5.5m、第一壁面に直交するベッド21、22の幅方向の壁長が2.0mで、室内面積が11.0mとなり、(a)の配置例に比べるとわずかに必要面積が大きくなる。しかし、二台のベッド21、22の長辺部の側方に沿って、車椅子での移動が可能な室内通路15が設けられるので、要介護者にとってはベッド21への移乗が容易になる。さらに、室内通路15に余裕があるので、第一壁面に相対する長手方向の壁面(この壁面を、本願の明細書および特許請求の範囲において「第二壁面」と称する。)12には、左右二か所の出入口16、17を設けて、双方の出入りの動線を分けることもできるし、介護者側の室内通路15には家具(図示せず)等を置くことも可能になる。
図2は、寝室内に二台のベッド21、22を並べたときの、室内環境の影響を示す模式的説明図である。(a)に示す並列配置では、照明23の光やエアコン24の気流の影響が双方に及び、一方が発するイビキや寝起きの際の音も、すぐ隣に寝ている他方によく聞こえるので、それぞれの安眠が妨げられやすい。これに対し、(b)の直列配置を採用した場合には、二台のベッド21、22の間に適当な間仕切り家具4を置くことで、互いに相手側の音や気配が気にならなくなる。また、二台のベッド21、22の並び方向の壁長が長くなることを利用して天井の照明23を二か所に分散すれば、相手側の照明23の光が間仕切り家具4によって遮られるので、別々に点消灯や調光を行うことができるようになる。エアコン24の気流も、間仕切り家具4を挟んで強弱の差をつけることができる。このようにして、それぞれが互いに相手側に気兼ねせずに、快適に寝起きできる室内環境を得ることができる。
<寝室の使用方法の実施形態>
図3は、前述の基本概念を具体化することのできる寝室構造の一例を示す。例示の寝室は、高齢の夫婦のうち一方が車椅子を使用する要介護状態になり、他方がその介護を行いながら、同じ寝室で寝起きすることを想定して計画されたものである。
寝室には、図1(b)に示した基本形態よりもやや壁長の大きい長手方向の第一壁面11と、それに相対する第二壁面とが設けられており、第一壁面11の室外側には直線的に延びる廊下31が設けられている。寝室内には、第一壁面11に沿って、二台のベッド21、22が互いに頭合わせとなるように直列的に配置されている。図中に表しているベッド21、22の想定サイズは二台とも縦2.0m×横1.2mである。例示の形態では、図中、下側のベッド21が要介護者用、上側のベッド22が介護者用になる。
廊下31に通じる出入口16、17は、第一壁面11における各ベッド21、22の足元側にそれぞれ設けられている。二か所の出入口16、17のうち、少なくとも要介護者用のベッド21の足元側に設けられている出入口16には、車椅子が無理なく出入りできる程度(目安として0.8m以上)の開口幅を有する引戸が採用されている。
各出入口16、17から室内に入る動線は、各ベッド21、22の足元側の短辺部の側方を経由し、さらに、各ベッド21、22の第二壁面12側の長辺部に沿って設けられた室内通路15を経由して互いに連通している。室内通路15は、車椅子での進退および転回が可能な幅(例示形態では約1.3m)を有している。さらに、この室内通路15に面する第二壁面12には、図示しないテラス等に通じる折戸形式の窓25が設けられている。
二台のベッド21、22の間には、第一壁面11と直交するようにして、両ベッド21、22間を遮蔽する間仕切り家具4が設置されている。間仕切り家具4は、ベッド21、22の幅よりもやや大きい横幅(例示形態では約1.65m)と、ベッド21、22上に座ったときでも相手側が見えない程度以上の高さ(例示形態では約1.6m)とを有しており、その表裏両面に、それぞれのベッド21、22側から使用し得る棚部が設けられている。棚部の詳細については後述する。
廊下31は衛生空間に連通している。詳細には、廊下31の突き当りに洗面所32が設けられ、洗面所32には引戸形式の出入口33を介してトイレ34が隣接し、トイレ34には三枚連動引戸形式の出入口35を介して浴室36が隣接している。さらに、寝室の短手方向の壁面(第三壁面)18には、トイレ34に通じる引戸形式の出入口37が設けられている。この出入口37は、寝室内から見た第三の出入口になる。これらの出入口33、35、37もすべて、車椅子の通行可能な開口幅を有している。これらにより、寝室と廊下31と衛生空間との間に回廊動線が形成される。
また、廊下31には、リビングルーム(図示せず)等の居住空間に通じる出入口38や、バルコニー(図示せず)に出入りできる掃き出し窓39等が設けられている。さらに、衛生空間とは反対側の突き当りには造作家具26が設置されている。寝室内の、第三壁面18に相対する短手方向の壁面(第四壁面)19にも、造作家具27が設置されている。
このように構成された寝室では、要介護者用のベッド21の長辺部の側方に車椅子用スペースを兼ねる室内通路15が設けられるので、要介護者にとってはベッド21への移乗が容易になる。介護者にとっても介護がしやすくなり、介護ロボットを導入する際にもスペース的に有利である。
さらに、間仕切り家具4を介して要介護者の就寝空間と介護者の就寝空間とが緩やかに区画され、それぞれの就寝空間に別々の出入口16、17が設けられているので、要介護者および介護者がそれぞれの安眠やプライバシーを守りやすい。例えば、要介護者が起きているときには、介護者が要介護者側(図中、下側)の出入口16から出入りすることで、要介護者に声をかけたり、要介護者の身体に触れたりすることができる。要介護者がベッドで眠っているときには、介護者が介護者側(図中、上側)の出入口17から出入りすることで、要介護者の安眠を妨げないようにすることができる。要介護者の介助や診察をするために来訪した介護士や医師、看護師等が寝室に立ち入ることもあり得るが、その場合には間仕切り家具4の側方にカーテン28を取り付けたり衝立を置いたりすることで、介護者側のプライバシーを守り、介護者自身も来訪者を気にせずに寝起きすることができる。
間仕切り家具4は、相手側のイビキや寝言等の音を遮って、耳に感じる音圧レベルを低減させる。また、頭合わせに寝ると、例えば深夜にトイレに行く場合も、身体や足の位置が相手側から遠ざかるので、音の低減効果も期待できる。光についても、図2(b)に示したように、天井の照明23を分散して各ベッド21、22の上方にそれぞれ設置すれば、相手側の照明23の光源が間仕切り家具4に遮られるので、眩しさがなくなり、互いの安眠を妨げずに点消灯や調光を行うことも可能になる。エアコンの気流についても、間仕切り家具4を挟んで強弱の差をつけることができる。
とはいえ、間仕切り家具4の上方および側方は開放されているので、同じ室内にいる介護者と要介護者とは、互いに相手の気配を適度に感じることができる。何かあれば声を掛け合うこともできるし、双方が起きていれば通常の会話もできる。介護者が要介護者の様子に異変を感じた場合には、ベッド22から起き上がって長辺部から降り、間仕切り家具4の側方を回り込んで、すぐに要介護者のベッド21の傍に移動することができる。その移動距離も、ほぼ最短になる。
<間仕切り家具の実施形態>
図4~図15は、図3の寝室内に設置されている間仕切り家具4の詳細な構成を示す。例示の間仕切り家具4は、横幅が約1.65m、高さが約1.6m、奥行きが約0.36mの大きさを有する箱状の造作家具である。この間仕切り家具4は、互いに頭合わせとなるように直列的に配置された二台のベッド21、22の間を仕切るように、寝室の床面上に設置される。
図4に示すように、表裏両側(各ベッド21、22側)から見た形態は略同一で、正面中央部の、ベッド就寝面よりもやや高い位置には、表裏両側からそれぞれ利用し得る飾り棚部41が設けられている。飾り棚部41の横幅は約0.9m、高さは約0.56mである。この飾り棚部41には扉がなく、奥行方向における中間部には木材等の不透光性板材からなる中仕切板42が取り付けられて、この中仕切板42が両ベッド21、22間の視線を遮蔽している。
飾り棚部41の上面43および下面44は、半透光性板材によって形成されている。詳細には、上面43が乳白半透明のアクリル板、下面44が無色のフロストガラス(タペストリーガラス)である。飾り棚部41の上方および下方には照明内蔵部45、46が設けられており、その中には、飾り棚部41の内面を照らす照明器具47、48が取り付けられている。照明内蔵部45、46の表裏両側には、不透光性の板材からなる化粧幕板51、52がそれぞれ張設されている。
照明器具47、48には、調光・調色型のLEDライン照明が用いられている。上側の照明内蔵部45に取り付けられる照明は、主として爽やかな目覚めや介護作業の効率化を助けるものであり、青色成分が多めの昼光色または昼白色に設定されている。また、下側の照明内蔵部46に取り付けられる照明は、主として寛ぎや安眠を助けるものであり、暖色系の電球色に設定されている。
図14に示すように、飾り棚部41に取り付けられた中仕切板42は上下方向に延びており、その延設部分によって照明内蔵部45、46も奥行方向に区画されている。照明器具47、48は、この中仕切板42を挟むようにして表裏両側にそれぞれ取り付けられており、表裏および上下の照明を個別に点消灯・調光できるように設定されている。照明の操作は、下側の照明内蔵部46を覆う化粧幕板52に組み付けられたタッチパネル53を利用して行う。
飾り棚部41および照明内蔵部45、46の周囲には、複数か所の戸棚部54、55が設けられている。これらの戸棚部54、55は、表裏両側に取り付けられた扉を開閉することで、両ベッド21、22側から使用することができる。
飾り棚部41よりも下側の戸棚部55には、例えば、照明を含めた室内環境を快適に制御するためのシステム機器類が組み込まれて互いに接続されている。それらは、照度センサ61、複数台のノートパソコン62、エレクトリックハブ63、インテグレートコントローラ64、音楽用スピーカー、音源機65、増設リレー66、アロマディフューザ67、およびそれらを接続するためのコンセント等を含めて構成されており、要介護者および介護者の就寝状態等に合わせて室内の明るさ、音、温湿度等を最適化するように設定される。ただし、これらのシステム機器類の一部ないし全部は、戸棚部55に組み込まれるのではなく、寝室内の他の場所に設置されていてもよい。
さらに、間仕切り家具4の戸棚部54、55や照明内蔵部45、46の内側には、システム機器類や照明器具47、48が発する熱を外部に放出するための通気路が形成されている。通気路は、下段の戸棚部55の扉の下縁部に形成された切欠部71、戸棚部54、55の中の棚板、仕切側板、天板等に形成された複数か所の通気孔72、73、74等を連通するようにして構成されている。
このような機能を有する間仕切り家具4を二台のベッド21、22に間に設置することで、一方の寝起きや出入り等の生活行動に伴う照明操作が他方の就寝の妨げになるのを防ぐことができる。半透光性板材を透過して飾り棚部41の上面43および下面44から中仕切板42を照らす照明は、柔和で目に優しく、睡眠を妨げにくい。さらに、飾り棚部41の横幅をベッドの幅に近い大きさにして、その横幅一杯にライン照明を取り付けているので、寝返りをうったり横を向いたりしても影ができにくく、読書にも好都合である。また、要介護者が寝ているときに介護作業が必要になった場合には、要介護者に明るい光を浴びせてしまうと睡眠のリズムが狂って夜間に寝付けなくなるおそれもあるので、飾り棚部41の上側の照明は明るさを控えめにして、下側の照明で明るさを補いながら、介護作業に必要な明るさを確保することで、要介護者の体内時計を狂わないようにすることもできる。さらに、要介護者が照明を落とさずに就寝してしまった場合には、介護者側のタッチパネル53から要介護者側の照明を消すことができるように設定することも可能である。
図16は、前述した間仕切り家具4の幅方向の一端に、ベッド21、22の長辺部に沿って延びる側壁家具8を増設した形態を示している。側壁家具8は、奥行きの浅い棚状の造作家具であり、間仕切り家具4と平面視T字状をなすように配置され、互いに連結されている。これにより、地震等が発生した場合でも、間仕切り家具4および側壁家具8が倒れにくくなって安全性が向上する。側壁家具8の高さは間仕切り家具4の高さに揃えられて、横幅は二台のベッド21、22の長辺部を合わせた長さにわたっている。この側壁家具8には、例えば室内の各種設備類を操作するためのスイッチパネルやインタフォン、ディスプレイ81等が組み込まれる。このように、寝ている人が横を向くだけで手の届く位置に各種表示手段やその操作手段を配置すれば、それらを頭上側に配置する形態に比べて操作のための体勢が楽になるので、要介護者にとっても使い勝手がよくなる。また、暖房パネルや送風機その他の空調設備を組み込むことで、それぞれのベッド21、22で寝起きする人に応じたパーソナルな環境制御も可能になる。要介護者側にカメラや各種バイタルセンサ等を取り付けて、介護者側に取り付けたディスプレイ81に要介護者の様子を表示するようにすれば、より細やかな介護も可能になる。
さらに、この側壁家具8は、室内の天井に至るまでの高さにして、両端近傍に出入口16、17を一体的に設けることにより、第一壁面11を代替するものとなる。リフォーム等に際しては、大掛かりな工事によって第一壁面11を施工するのではなく、間仕切り家具4および側壁家具8を一体的に据え付けることで、寝室と廊下とを区画することもできる。このような工法を採用することにより、リフォームの施工性が格段に向上する。
以上に述べたような寝室構造を採用し、直列配置した二台のベッドの間には飾り棚部の内面が照射される間仕切り家具を設置することで、介護者が要介護者をきめ細やかに見守って無理のない動作で介護することが可能になる。要介護者にとっても寝起きや車椅子への移乗、衛生空間等への移動等が容易になる。そして、双方の安眠やプライバシーも損なわれにくくなる。
また、本願が開示する寝室の使用方法は、住宅を新築する当初から採用していたとしても、健常時の生活(家族全員が介護を要しない生活)に特段の不便を生じることなく、快適な生活を送ることを可能にする。したがって、そのまま居住者が年齢を重ねて、一方が要介護状態になったときに、室内環境を大きく変えなくても、スムーズに介護生活に移行することができる。また、既存住宅のリフォームにおいては、寝室の片側に長い壁面を立設して廊下と区画することさえできれば、さほど大きな面積負担も必要とせず、比較的容易に実現することができる。
なお、本願が開示する発明の技術的範囲は、例示した実施形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて概念的に解釈されるべきものである。本願が開示する発明の実施に際しては、特許請求の範囲において具体的に特定していない構成要素の形状、寸法、材質、相対的な位置関係等を、例示形態と実質的に同等以上の作用効果が得られる範囲内で適宜、改変しても差し支えない。寝室構造に関しては、例えばベッドのサイズや構造、通路の幅、動線の距離、出入口の形態、寝室に隣接する衛生空間との位置関係等を適宜、改変することができる。また、間仕切り家具に関しては、例えば各部の寸法、材質、戸棚の扉や棚板の形態、内蔵する設備機器の種類等を適宜、改変することができる。
本願が開示する寝室の使用方法は、一般の戸建て住宅や集合住宅、高齢者や身体障害者のための養護・介護施設、宿泊施設等に設けられるツインベッドタイプの寝室に幅広く適用可能である。
また、本願が開示する間仕切り家具は、それらの寝室のための造作家具として利用することができる。
11 第一壁面
12 第二壁面
13 通路スペース
14 車椅子用スペース
15 室内通路
16 出入口(要介護者用)
17 出入口(介護者用)
18 第三壁面
19 第四壁面
21 ベッド(要介護者用)
22 ベッド(介護者用)
23 照明
24 エアコン
25 窓
26 造作家具
27 造作家具
28 カーテン
31 廊下
32 洗面所
33 出入口
34 トイレ
35 出入口
36 浴室
37 出入口
38 出入口
39 掃き出し窓
4 間仕切り家具
41 飾り棚部
42 中仕切板
43 上面
44 下面
45 照明内蔵部
46 照明内蔵部
47 照明器具
48 照明器具
51 化粧幕板
52 化粧幕板
53 タッチパネル
54 戸棚部
55 戸棚部
61 照度センサ
62 ノートパソコン
63 エレクトリックハブ
64 インテグレートコントローラ
65 音源機
66 増設リレー
67 アロマディフューザ
71 切欠部
72 通気孔
73 通気孔
74 通気孔
8 側壁家具
81 ディスプレイ

Claims (4)

  1. 寝室を囲む複数の壁面のうち長手方向に配される第一壁面の壁長が5.5m、前記第一壁面に直交する短手方向の壁面の壁長が2.0mに設定された矩形平面の寝室内に、
    縦2.0m×横1.0mのサイズを有する要介護者用および介護者用の二台のベッドを、前記第一壁面に添わせて互いに頭合わせとなるように直列的に配置することにより、
    前記第一壁面に相対する第二壁面と前記二台のベッドとの間に、車椅子で移動し得る1.0m幅の室内通路を設けるとともに、
    前記二台のベッドの間および各ベッドと前記短手方向の各壁面との間にそれぞれ0.5mの間隔を設ける
    ことを特徴とする寝室の使用方法。
  2. 請求項1に記載された寝室の使用方法において、
    前記二台のベッドの間に前記第一壁面と直交するようにして、両ベッド間を遮蔽する間仕切り家具設置し、
    前記間仕切り家具の表裏両側には前記各ベッド側から使用し得る棚部を設ける
    ことを特徴とする寝室の使用方法
  3. 請求項2に記載された寝室の使用方法において、
    前記間仕切り家具を挟んで前記各ベッドの上方に照明器具それぞれ設置し、
    前記照明器具各ベッド側で個別に点消灯および調光し得るように設定する
    ことを特徴とする寝室の使用方法
  4. 請求項1、2または3に記載された寝室の使用方法において、
    前記第二壁面における前記各ベッドの足元側に、前記室内通路に連通する出入口それぞれ設け
    ことを特徴とする寝室の使用方法
JP2019141035A 2019-07-31 2019-07-31 寝室の使用方法 Active JP7306143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019141035A JP7306143B2 (ja) 2019-07-31 2019-07-31 寝室の使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019141035A JP7306143B2 (ja) 2019-07-31 2019-07-31 寝室の使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021025214A JP2021025214A (ja) 2021-02-22
JP7306143B2 true JP7306143B2 (ja) 2023-07-11

Family

ID=74663668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019141035A Active JP7306143B2 (ja) 2019-07-31 2019-07-31 寝室の使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7306143B2 (ja)

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3009475U (ja) 1994-09-26 1995-04-04 株式会社今泉プランニング ベッドのレイアウト用家具
JP2001349074A (ja) 2000-06-08 2001-12-21 Hazama Gumi Ltd レイアウト可変型の病室
JP2002054309A (ja) 2000-08-09 2002-02-20 Misawa Homes Co Ltd 共用部屋付きの住宅
JP2004008399A (ja) 2002-06-05 2004-01-15 Mifune Mokko Kk 家具用棚板部材及び棚家具
JP2006181337A (ja) 2004-11-30 2006-07-13 Itoki Corp 準個室化設備及びこれを備えた医療・介護施設
JP2010119510A (ja) 2008-11-18 2010-06-03 Sekisui House Ltd 寝室構造および寝室用置き棚
JP2012231993A (ja) 2011-05-02 2012-11-29 Kurogane Kosakusho Ltd 間仕切家具
JP2015001066A (ja) 2013-06-13 2015-01-05 トヨタホーム株式会社 住宅
JP2016148216A (ja) 2015-02-13 2016-08-18 トヨタホーム株式会社 建物の床構造及び床構造の製造方法
JP2017110457A (ja) 2015-12-18 2017-06-22 大和ハウス工業株式会社 シェアハウス
JP2018006087A (ja) 2016-06-29 2018-01-11 トヨタホーム株式会社 照明装置
JP2018178649A (ja) 2017-04-20 2018-11-15 トヨタホーム株式会社 住宅

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5233477Y1 (ja) * 1970-10-07 1977-07-30
JPS6444299U (ja) * 1987-09-11 1989-03-16
JPH024440U (ja) * 1988-06-24 1990-01-11

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3009475U (ja) 1994-09-26 1995-04-04 株式会社今泉プランニング ベッドのレイアウト用家具
JP2001349074A (ja) 2000-06-08 2001-12-21 Hazama Gumi Ltd レイアウト可変型の病室
JP2002054309A (ja) 2000-08-09 2002-02-20 Misawa Homes Co Ltd 共用部屋付きの住宅
JP2004008399A (ja) 2002-06-05 2004-01-15 Mifune Mokko Kk 家具用棚板部材及び棚家具
JP2006181337A (ja) 2004-11-30 2006-07-13 Itoki Corp 準個室化設備及びこれを備えた医療・介護施設
JP2010119510A (ja) 2008-11-18 2010-06-03 Sekisui House Ltd 寝室構造および寝室用置き棚
JP2012231993A (ja) 2011-05-02 2012-11-29 Kurogane Kosakusho Ltd 間仕切家具
JP2015001066A (ja) 2013-06-13 2015-01-05 トヨタホーム株式会社 住宅
JP2016148216A (ja) 2015-02-13 2016-08-18 トヨタホーム株式会社 建物の床構造及び床構造の製造方法
JP2017110457A (ja) 2015-12-18 2017-06-22 大和ハウス工業株式会社 シェアハウス
JP2018006087A (ja) 2016-06-29 2018-01-11 トヨタホーム株式会社 照明装置
JP2018178649A (ja) 2017-04-20 2018-11-15 トヨタホーム株式会社 住宅

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021025214A (ja) 2021-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rashid A decade of adult intensive care unit design: a study of the physical design features of the best-practice examples
Stichler Creating healing environments in critical care units
White et al. Recommended standards for newborn ICU design
JP6616255B2 (ja) 照明装置
Kunduraci Lighting design for the aging eyes
JP7306143B2 (ja) 寝室の使用方法
Noell Design in nursing homes: Environment as a silent partner in caregiving
Jastremski ICU bedside environment: A nursing perspective
JP6939479B2 (ja) 照明付きドア構造
KR20050034679A (ko) 부스형태의 일체형 수유실
KR20000014495U (ko) 싱글 헬스 룸(single health room)
CN108343177A (zh) 一种养老房型用组合隔断及布置方法
JP2009005746A (ja) ベッド
Ibrahim et al. Interactive Interior Design of Private Hospital Spaces
JP2004232398A (ja) 間仕切り家具
JP5751921B2 (ja) 間仕切家具
Han et al. A Study on the Evaluation and improvement of healing environment for public hospital wards considering elderly inpatient characteristics-focused on the public hospitals in Yeongnam area
Garg et al. Intermediate care area (patient rooms)
JP2006283532A (ja) 病棟施設
Michoski Exploring design considerations of acute care for the elderly to improve patient outcomes
JP2012231992A (ja) 間仕切家具
Jensen et al. Electric Lighting Design Solutions in Aarhus Retirement Homes
Evans et al. Why design matters: Maslow’s hierarchy for healthcare design
US20230358423A1 (en) System and method for a controlled environment
Bilir Interior design criteria for successful hospital patient rooms

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7306143

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150