JP7303483B2 - 制御装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

制御装置、および、コンピュータプログラム Download PDF

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Description

本明細書は、印刷媒体上にインクを用いて画像を印刷するための制御に関する。
従来から、ノズルからインクを吐出して画像を印刷するプリンタが知られている。ノズルは、種々の原因によって、詰まる場合がある。例えば、ノズル内のインクの表面の乾燥がインクの粘度を増大させ、この結果、ノズルが詰まり得る。このようなノズルの詰まりを防止するために、モノクロデータに基づいて印刷を行う場合に、ブラックインクのドットを形成する部分に、他のインクのドットを形成する技術が、提案されている。
特開2011-143623号公報
ところが、上記技術によれば、モノクロデータに基づいて印刷を行う場合に、ブラックインクとは異なる他のインクが過度に用いられる場合があった。
本明細書は、インクの過度の消費を抑制しつつノズルの不具合を抑制できる技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]第1インクと第2インクとを含むN種類(Nは2以上の整数)のインクを吐出する複数のノズルを有する印刷実行部を制御するように構成された制御装置であって、対象画像データを取得する取得部と、前記対象画像データを用いて前記印刷実行部に印刷を実行させる印刷制御部と、を備え、前記印刷制御部は、前記第2インクを吐出するためのノズルが、インクの吐出に関する条件であるインク条件を満たすことを含む特定条件が満たされない場合に、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて印刷されるべき特定画素を、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させる、制御装置。
この構成によれば、特定条件が満たされる場合に、第2インクを用いずに第1インクを用いて印刷されるべき特定画素が第2インクを用いて印刷されるが、特定条件が満たされない場合には、特定画素が第2インクを用いずに第1インクを用いて印刷されるので、第2インクの過度の消費を抑制しつつノズルの不具合を抑制できる。
[適用例2]
適用例1に記載の制御装置であって、
前記N種類のインクは、さらに、第3インクを含み、
前記特定条件が満たされない場合に、前記特定画素を、前記第2インクと前記第3インクとを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクと前記第3インクとを用いて、前記印刷実行部に印刷させる、
制御装置。
[適用例3]
適用例2に記載の制御装置であって、
前記N種類のインクは、さらに、第4インクを含み、
前記第1インクは、ブラックインクであり、
前記第2インクは、シアンインクであり、
前記第3インクは、マゼンタインクであり、
前記第4インクは、イエロインクであり、
前記特定条件は、前記シアンインクを吐出するための前記ノズルと、前記マゼンタインクを吐出するための前記ノズルと、前記イエロインクを吐出するための前記ノズルと、の少なくとも1つが前記インク条件を満たすことを含み、
前記印刷制御部は、前記特定条件が満たされる場合に、前記ブラックインクを用いて印刷されるべき前記特定画素を、前記ブラックインクを用いずに、前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエロインクとを用いて、前記印刷実行部に印刷させる、
制御装置。
[適用例4]
適用例2に記載の制御装置であって、
前記N種類のインクは、さらに、第4インクを含み、
前記第1インクは、ブラックインクであり、
前記第2インクは、シアンインクであり、
前記第3インクは、マゼンタインクであり、
前記第4インクは、イエロインクであり、
前記特定条件は、前記シアンインクを吐出するための前記ノズルと、前記マゼンタインクを吐出するための前記ノズルと、前記イエロインクを吐出するための前記ノズルと、の少なくとも1つが前記インク条件を満たすことを含み、
前記印刷制御部は、前記特定条件が満たされる場合に、前記ブラックインクを用いて印刷されるべき前記特定画素を、前記ブラックインクに加えて、前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエロインクとを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
前記特定画素において、前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエロインクとのそれぞれのインク量を、前記ブラックインクのインク量よりも少ない量に設定する、
制御装置。
[適用例5]
適用例1に記載の制御装置であって、
前記N種類のインクは、さらに、第3インクと、第4インクを含み、
前記第1インクは、ブラックインクであり、
前記第2インクは、シアンインクであり、
前記第3インクは、マゼンタインクであり、
前記第4インクは、イエロインクであり、
前記特定条件は、前記シアンインクを吐出するための前記ノズルと、前記マゼンタインクを吐出するための前記ノズルと、前記イエロインクを吐出するための前記ノズルと、の少なくとも1つが前記インク条件を満たすことを含み、
前記印刷制御部は、前記特定条件が満たされる場合に、前記ブラックインクを用いて印刷されるべき前記特定画素を、前記ブラックインクに加えて、前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエロインクとのうちの前記インク条件を満たす前記ノズルによって吐出されるインクを含む1以上の有彩色インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
前記特定画素において、前記1以上の有彩色インクのそれぞれのインク量を、前記ブラックインクのインク量よりも少ない量に設定する、
制御装置。
[適用例6]
適用例1から5のいずれかに記載の制御装置であって、
前記特定条件は、さらに、前記特定画素を含む特定の第1領域の画像の濃度が基準よりも薄い場合に満たされる許容条件を含む、
制御装置。
[適用例7]
適用例1から6のいずれかに記載の制御装置であって、
前記印刷実行部は、前記複数のノズルを有する画像形成部と、前記画像形成部に対して印刷媒体を搬送する搬送部と、を備え、
前記特定条件は、さらに、前記特定画素を含む特定の第2領域が、空白の領域に対して前記搬送の方向の上流側に位置する場合に満たされる許容条件を含む、
制御装置。
[適用例8]
適用例1から7のいずれかに記載の制御装置であって、
前記インク条件は、前記ノズルがインクの吐出不良を未然に防ぐための吐出処理を実行すべきことを示す条件である、
制御装置。
[適用例9]
適用例1から8のいずれかに記載の制御装置であって、
前記インク条件は、前記印刷実行部のうちの印刷媒体とは異なる予め決められた部分にインクを吐出する処理であるフラッシングであって最後のフラッシングの後のインクの吐出量が、前記最後のフラッシングからの経過時間を用いて特定される閾値を下回っていることを、含む、
制御装置。
[適用例10]
適用例1から9のいずれかに記載の制御装置であって、
前記インク条件は、前記印刷実行部のうちの印刷媒体とは異なる予め決められた部分にインクを吐出する処理であるフラッシングであって最後のフラッシングの後のインクの吐出量が、前記最後のフラッシングの後に印刷された画素ライン数を用いて特定される閾値を下回っていることを、含む、
制御装置。
[適用例11]
適用例1から10のいずれかに記載の制御装置であって、
前記印刷制御部は、
前記対象画像データによって示される入力色値を、前記N種類のインクの色に対応するN個の成分値を含む色値であるインク色値に変換する色変換処理を含む生成処理を実行することによって、前記印刷実行部を制御するための印刷データを生成し、
前記印刷データに従って前記印刷実行部に前記印刷を実行させ、
前記色変換処理は、前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素の前記入力色値を、第2インクのゼロより大きい成分値を含むインク色値に変換する処理を含む、
制御装置。
[適用例12]
適用例1から11のいずれかに記載の制御装置であって、
前記印刷実行部は、
前記複数のノズルを有する印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドに対して印刷媒体を第1方向に移動させる搬送を実行する搬送部と、
前記印刷媒体に対して前記第1方向に垂直な第2方向に平行な方向に前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
を備える、制御装置。
[適用例13]
第1インクと第2インクとを含むN種類(Nは2以上の整数)のインクを吐出する複数のノズルを有する印刷実行部を制御するコンピュータのためのコンピュータプログラムであって、
対象画像データを取得する取得機能と、
前記対象画像データを用いて前記印刷実行部に印刷を実行させる印刷制御機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記印刷制御機能は、
前記第2インクを吐出するためのノズルが、インクの吐出に関する条件であるインク条件を満たすことを含む特定条件が満たされない場合に、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて印刷されるべき特定画素を、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させる、
コンピュータプログラム。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、印刷実行部の制御方法および制御装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)、等の形態で実現することができる。
実施例の複合機200を示す説明図である。 印刷実行部400の概略図である。 印刷ヘッド410の構成を示す図である。 印刷実行部400の動作の例の説明図である。 印刷処理の例を示すフローチャートである。 印刷処理の例を示すフローチャートである。 (A)は、使用量テーブル234の例を示す説明図である。(B)は、閾値テーブル236の例を示す説明図である。 許容条件の判断の例を示すフローチャートである。 対象画像の例を示す説明図である。 対象画像の例を示す説明図である。 (A)~(D)は、ルックアップテーブルの別の実施例の説明図である。 印刷処理の別の実施例を示すフローチャートである。 印刷処理の別の実施例を示す説明図である。
A.第1実施例:
A-1.複合機200の構成:
図1は、実施例の複合機200を示す説明図である。複合機200は、制御装置299と、スキャナ部280と、印刷実行部400と、を有している。制御装置299は、データ処理装置210と、画像を表示する表示部240と、ユーザによる操作を受け入れる操作部250と、通信インタフェース270と、を有している。これらの要素は、バスを介して互いに接続されている。
データ処理装置210は、種々のデータ処理を実行する電気回路である。データ処理装置210は、プロセッサ211と、色変換回路212と、ハーフトーン回路213と、モータコントローラ214と、記憶装置215と、を有している。記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230と、を含んでいる。データ処理装置210は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて、構成されている。
プロセッサ211は、プログラムに従ってデータ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ211は、不揮発性記憶装置230に格納されているプログラム232を実行することによって、種々の機能を実現する(詳細は、後述)。不揮発性記憶装置230は、さらに、使用量テーブル234と、閾値テーブル236と、ルックアップテーブル237、238、239と、を格納している。本実施例では、プログラム232と使用量テーブル234と閾値テーブル236とルックアップテーブル237、238、239とは、複合機200の製造者によって、ファームウェアとして、不揮発性記憶装置230に予め格納されている。使用量テーブル234は、後述する印刷処理で、更新される。
色変換回路212は、色変換処理を行う電気回路である。ハーフトーン回路213は、ハーフトーン処理を行う電気回路である。モータコントローラ214は、印刷実行部400(具体的には、モータなど)を制御する電気回路である。これらの電気回路212、213、214の少なくとも1つ(例えば、モータコントローラ214)は、FPGA(field-programmable gate array)を用いて構成されてよい。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置230は、例えば、フラッシュメモリである。
プロセッサ211と色変換回路212とハーフトーン回路213とモータコントローラ214とは、データ処理に利用される種々の中間データを、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置220、不揮発性記憶装置230のいずれか)に、一時的に格納する。
表示部240は、画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。これに代えて、LEDディスプレイ、有機ELディスプレイなどの、画像を表示する他の種類の装置が採用されてよい。操作部250は、ユーザによる操作を受け取る装置であり、例えば、表示部240上に重ねて配置されたタッチパネルである。これに代えて、ボタン、レバーなどの、ユーザによって操作される他の種類の装置が採用されてよい。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を複合機200に入力可能である。
通信インタフェース270は、他の装置と通信するためのインタフェースである。本実施例では、通信インタフェース270は、いわゆるUSBインタフェースを含んでいる。通信インタフェース270には、USBフラッシュドライブ等の携帯記憶装置100が、接続され得る。
スキャナ部280は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に原稿等の対象物を読み取ることによって、読み取った画像(「スキャン画像」と呼ぶ)を表すスキャンデータを生成する。スキャンデータは、例えば、カラーのスキャン画像を表すRGBのビットマップデータである。
印刷実行部400は、用紙(印刷媒体の一例)上に画像を印刷する装置である。本実施例では、印刷実行部400は、印刷ヘッド410(単にヘッド410とも呼ぶ)と、ヘッド駆動部420と、主走査部430と、搬送部440と、インク供給部450と、を有している。詳細は後述するが、印刷実行部400は、シアンCとマゼンタMとイエロYとブラックKとのそれぞれのインクを用いるインクジェット式の印刷装置である。なお、利用可能な複数種類のインクの組み合わせとしては、CMYKに限らず、他の種々の組み合わせ(例えば、シアンCとマゼンタMとイエロY)を採用可能である。
複合機200は、ユーザによって選択された画像データを用いて印刷データを生成し、生成した印刷データを用いて印刷実行部400に画像を印刷させることができる。ユーザは、スキャンデータや、外部装置(例えば、通信インタフェース270に接続された携帯記憶装置100)に格納された画像データを、選択できる。また、複合機200は、通信インタフェース270を介して通信可能な他の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)によって供給された印刷データを用いて、印刷実行部400に画像を印刷させることができる。
図2は、印刷実行部400の概略図である。主走査部430は、キャリッジ433と、摺動軸434と、ベルト435と、複数個のプーリ436、437と、を備えている。キャリッジ433は、印刷ヘッド410を搭載する。摺動軸434は、キャリッジ433を主走査方向(図2のDx軸に平行な方向)に沿って往復動可能に保持する。ベルト435は、プーリ436、437に巻き掛けられ、一部がキャリッジ433に固定されている。プーリ436は、図示しない主走査モータの動力によって回転する。主走査モータがプーリ436を回転させると、キャリッジ433が摺動軸434に沿って移動する。これによって、用紙PMに対して主走査方向に沿って印刷ヘッド410を往復動させる主走査が実現される。
搬送部440は、用紙PMを保持しつつ、印刷ヘッド410に対して主走査方向に垂直な搬送方向(図2の+Dy方向)に用紙PMを搬送する。ここで、搬送方向の上流側(-Dy側)を、単に、上流側とも呼び、搬送方向の下流側(+Dy側)を単に下流側とも呼ぶ。搬送部440は、印刷ヘッド410のインクを吐出する面に対向する位置に配置されるとともに、用紙PMを支持するように構成されたプラテンPTと、それぞれがプラテンPT上に配置された用紙PMを保持するように構成された上流ローラ441と下流ローラ442と、ローラ441、442を駆動する図示しないモータと、を備えている。上流ローラ441は、印刷ヘッド410よりも上流側に配置され、下流ローラ442は、印刷ヘッド410よりも下流側に配置されている。用紙PMは、図示しない用紙トレイから、図示しない給紙ローラによって、搬送部440に供給される。搬送部440に供給された用紙PMは、プラテンPTと上流ローラ441との間に挟まれ、上流ローラ441によって下流側に搬送される。搬送された用紙PMは、プラテンPTと下流ローラ442との間に挟まれ、下流ローラ442によって下流側に搬送される。搬送部440は、モータの動力でこれらのローラ441、442を駆動することによって、用紙PMを搬送方向Dyに搬送する。以下、用紙PMを搬送方向Dyに移動させる処理を、副走査、または、搬送処理とも呼ぶ。搬送方向Dyを、副走査方向Dyとも呼ぶ。
インク供給部450は、印刷ヘッド410にインクを供給する。インク供給部450は、カートリッジ装着部451と、チューブ452と、バッファタンク453と、を備えている。カートリッジ装着部451には、内部にインクが収容された容器である複数個のインクカートリッジKC、YC、CC、MCが着脱可能に装着され、これらのインクカートリッジからインクが供給される。バッファタンク453は、キャリッジ433において、印刷ヘッド410の上方に配置され、印刷ヘッド410に供給すべきインクをCMYKのインクごとに一時的に収容する。チューブ452は、カートリッジ装着部451とバッファタンク453との間を接続するインクの流路となる可撓性の管である。各インクカートリッジ内のインクは、カートリッジ装着部451、チューブ452、バッファタンク453を介して、印刷ヘッド410に供給される。バッファタンク453には、インクに混入した異物を除去するためのフィルタ(図示省略)が設けられている。
図3は、-Dz側から見た印刷ヘッド410の構成を示す図である。Dz方向は、図2に示すように、2つの方向Dx、Dyに垂直に、プラテンPTからヘッド410へ向かう方向である。図3に示される印刷ヘッド410のノズル形成面411は、搬送部440(図2)によって搬送される用紙PMと対向する面である。ノズル形成面411には、複数のノズルNZからなる複数のノズル群、すなわち、上述したK、Y、C、Mの各インクを吐出するノズル群NK、NY、NC、NMが形成されている。各ノズル群は、複数個のノズルNZを含んでいる。1つのノズル群の複数個のノズルNZの間では、搬送方向(+Dy方向)の位置が互いに異なり、複数のノズルNZは、搬送方向に沿って所定のノズル間隔NTで並んでいる。ノズル間隔NTは、複数のノズルNZの中で搬送方向に隣り合う2個のノズルNZ間の搬送方向の距離である。これらのノズル群を構成するノズルのうち、最も上流側(-Dy側)に位置するノズルNZを、最上流ノズルNZuとも呼ぶ。また、これらのノズルのうち、最も下流側(+Dy側)に位置するノズルNZを、最下流ノズルNZdと呼ぶ。最上流ノズルNZuから最下流ノズルNZdまでの搬送方向の長さに、さらに、ノズル間隔NTを加えた長さを、ノズル長Dとも呼ぶ。
ノズル群NK、NY、NC、NMの主走査方向の位置は、互いに異なり、副走査方向の位置は、互いに重複している。図3の例では、ノズル群NK、NY、NC、NMは、+Dx方向に向かって、この順番に並んでいる。
各ノズルNZは、印刷ヘッド410の内部に形成されたインク流路(図示省略)を介してバッファタンク453(図2)に接続されている。各インク流路には、インクを吐出させるためのアクチュエータ(図示省略。例えば、ピエゾ素子、ヒータなど)が設けられている。
ヘッド駆動部420(図1)は、主走査部430による主走査中に印刷ヘッド410内の各アクチュエータを駆動する電気回路を含んでいる。これによって、用紙PM上に印刷ヘッド410のノズルNZからインクが吐出されて、ドットが形成される。このように、印刷ヘッド410とヘッド駆動部420と主走査部430とは、用紙PM上にインクを用いて画像を形成する。以下、印刷ヘッド410とヘッド駆動部420と主走査部430との全体を、画像形成部460と呼ぶ。
また、印刷実行部400(図2)は、インク受部490を備えている。インク受部490は、ヘッド410の移動可能範囲内であって印刷ヘッド410のノズル形成面411(図3)に対向する位置に配置されている。本実施例では、インク受部490は、プラテンPT(ひいては、用紙PM)の外に配置されている。インク受部490は、ノズルNZ(図3)から吐出されるインクを受ける装置である。インク受部490の構成は、受けたインクの飛散を抑制する任意の構成であってよい。例えば、図示を省略するが、インク受部490は、インクを貯留するためのトレイと、トレイ内に配置されインクを吸収するためのフォーム(スポンジなど)と、を備えている。
印刷実行部400は、インク受部490を用いてフラッシング処理を実行する。フラッシング処理では、ヘッド410は、インク受部490に対向する位置に移動し、そして、全てのノズルNZからインクを吐出する。これにより、ノズルNZの詰まりが抑制される。ノズルNZから吐出されたインクは、インク受部490によって受け止められる。これにより、インクが印刷実行部400の他の部材(例えば、ローラ441、442等)に付着することが、抑制される。後述するように、フラッシング処理は、定期的に行われ得る。
A-2.印刷の概要:
本実施例では、複合機200は、主走査部430に主走査を行わせつつ、印刷ヘッド410にインクを吐出させて用紙PMにドットを形成する部分印刷と、搬送部440による副走査(用紙PMの搬送)と、を複数回実行することで、用紙PMに画像を印刷する。
図4は、印刷実行部400の動作の例の説明図である。図4には、用紙PMに印刷される対象画像TIが図示されている。図4において、+Dy方向は、用紙PMの搬送方向(すなわち、副走査方向)である。対象画像TI上には、-Dy方向(より一般的には、副走査方向)に並ぶ複数個のバンド領域(バンド領域BI1~BI4を含む)が配置されている。各バンド領域の形状は、主走査方向(ここでは、Dx方向に平行な方向)に延びる矩形状である。本実施例では、各バンド領域は、1回の部分印刷の印刷対象領域を示している。各バンド領域BI1~BI4の左側には、バンド領域の画像を印刷する印刷ヘッド410の簡略化されたノズル群NXが、示されている。ノズル群NXは、図3のノズル群NC、NM、MY、NKを代表して示している。各バンド領域の副走査方向の幅は、予め決められており、本実施例では、ノズル長D(図3)と同じである。また、本実施例では、各バンド領域の印刷方向(すなわち、印刷ヘッド410の移動方向)は、+Dx方向である。以下、1回の部分印刷を、「パス処理」または、単に「パス」とも呼ぶ。複数のバンド領域は、対象画像TIの搬送方向Dy側の端のバンド領域から、-Dy方向に向かって、1つずつ順番に、印刷される。
複数のバンド領域のそれぞれの画像は、対象画像TIの+Dy方向側の端のバンド領域の画像から、-Dy方向に向かって1つずつ順番に、印刷される。これにより、対象画像TIの全体が、印刷される。本実施例では、隣合う2個のバンド領域は、互いに重ならずに隣接している。これに代えて、隣合う2個のバンド領域は、互いに一部分が重なっていてもよい。2個のバンド領域が重なる領域は、2回の部分印刷に分散して印刷される。
A-3.印刷の処理:
図5、図6は、印刷処理の例を示すフローチャートである。図6は、図5の続きを示している。複合機200は、印刷指示に応じて、印刷処理を開始する。印刷指示を複合機200に供給する方法は、任意の方法であってよい。本実施例では、ユーザは、操作部250(図1)を操作することによって、印刷指示を入力する。印刷指示は、印刷用の画像データを指定する情報を含んでいる。印刷用の画像データとしては、種々のデータが指定されてよい。以下、携帯記憶装置100に格納されているJPEGデータが、指定されたこととする。
S105では、プロセッサ211は、印刷指示に従って、印刷対象の画像である対象画像の画像データである対象画像データを取得する。本実施例では、対象画像データとして、ビットマップデータが用いられる。また、対象画像データの各画素の画素値は、0から255までの256階調のR(赤)G(緑)B(青)の階調値で表されていることとする。以下、対象画像データの色空間を、入力色空間とも呼ぶ。印刷指示によって指定された画像データがJPEGデータである場合、プロセッサ211は、JPEGデータを展開することによって、対象画像データを取得する。印刷指示によって指定された画像データの形式がビットマップ形式とは異なる形式である場合(例えば、EMF(Enhanced Meta File)形式)、プロセッサ211は、データ形式を変換(例えば、ラスタライズ)することによって生成されるビットマップデータを、対象画像データとして用いる。また、ビットマップデータの解像度(すなわち、画素密度)が、印刷用の予め決められた解像度と異なる場合、プロセッサ211は、解像度変換処理を実行して、印刷用の解像度の対象画像データを生成する。以下、印刷用の解像度の画素を、印刷画素とも呼ぶ。
S110では、プロセッサ211は、フラッシング処理を実行する。本実施例では、プロセッサ211は、モータコントローラ214に、フラッシング処理の指示を供給する。モータコントローラ214は、指示に応じて、印刷実行部400(図2)のモータ(図示せず)を制御することによって、ヘッド410をインク受部490に対向する位置に移動させる。そして、モータコントローラ214は、ヘッド駆動部420を制御することによって、全てのノズルNZからインクを吐出させる。
S120では、プロセッサ211は、経過時間Taをゼロに初期化する。経過時間Taは、最後にフラッシング処理を実行してからの経過時間である。そして、プロセッサ211は、経過時間Taの測定を開始する。図示を省略するが、データ処理装置210は、タイマを備えている。プロセッサ211は、タイマを用いて、経過時間Taを測定する。
S130では、プロセッサ211は、使用量テーブル234(図1)のインク毎、ノズル毎のインク使用量を、ゼロに初期化する。図7(A)は、使用量テーブル234の例を示す説明図である。本実施例では、各ノズル群NK、NY、NC、NM(図3)が、それぞれ、Nn個のノズルを有している(Nnは2以上の整数)。使用量テーブル234は、各インクKYCMの1番からNn番までのNn個のノズルのそれぞれのインク使用量K1、Y1、C1、M1を、示している。使用量K1、Y1、C1、M1の単位は、インク量を示す任意の単位であってよい(例えば、ピコリットル)。インク使用量K1、Y1、C1、M1は、最後にフラッシング処理が実行されてからの、ノズルから吐出されたインクの総量を示している(吐出量とも呼ぶ)。S130では、プロセッサ211は、使用量テーブル234の全てのノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1を、ゼロに初期化する。後述するように、プロセッサ211は、使用量テーブル234の各ノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1を、印刷によってインクが使用される場合に、更新する。
S140(図5)では、プロセッサ211は、閾値テーブル236(図1)を参照して、現行の経過時間Taに対応付けられた閾値を特定する。図7(B)は、閾値テーブル236の例を示す説明図である。本実施例では、閾値テーブル236は、時間の範囲Rtと、KYCMのそれぞれの閾値K2、Y2、C2、M2と、の対応関係を示している。経過時間Taの単位は、例えば、ミリ秒である。ゼロから始まる経過時間Taの範囲は、複数の時間範囲Rt1~Rt7に区切られている。閾値K2、Y2、C2、M2は、インク使用量K1、Y1、C1、M1の閾値である。各時間範囲Rt1~Rt7に、閾値K2、Y2、C2、M2が対応付けられている。図示するように、経過時間Taが長いほど、閾値K2、Y2、C2、M2は大きい。この理由は、以下の通りである。
一般的に、ノズルがインクを吐出せずに長時間が経過すると、インクの乾燥などに起因して、ノズルの不具合の可能性が高くなる。印刷によってノズルからインクが吐出されると、ノズルの不具合の可能性が低下する。経過時間Taが長い場合であっても、インクの吐出量(すなわち、インク使用量)が多い場合には、ノズルの不具合は抑制される。不具合を抑制可能なインクの使用量は、経過時間Taが長いほど、多い。閾値K2、Y2、C2、M2は、不具合を抑制可能なインク使用量K1、Y1、C1、M1を、示している。本実施例では、最後のフラッシング処理からの経過時間Taの時点で、1個以上のノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1が、現行の経過時間Taを含む時間範囲Rtに対応付けられた閾値K2、Y2、C2、M2未満である場合に、フラッシング処理を行うこととしている。時間範囲Rtと閾値K2、Y2、C2、M2との対応関係は、予め実験的に決められている。
プロセッサ211は、現行の経過時間Taを含む時間範囲Rtに対応付けられた閾値K2、Y2、C2、M2を特定する(現行閾値K2、Y2、C2、M2とも呼ぶ)。例えば、経過時間Ta=6である場合、経過時間Taは、第3時間範囲Rt3に含まれる。従って、現行閾値K2、Y2、C2、M2は、第3時間範囲Rt3に対応付けられた閾値である。
また、プロセッサ211は、使用量テーブル234(図7)を参照して、各ノズルのインク使用量を特定する。そして、プロセッサ211は、各ノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1と、対応するインクの現行閾値K2、Y2、C2、M2を、比較する。例えば、ブラックKのインク使用量K1は、ブラックKの現行閾値K2と比較される。
1個以上のノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1が、対応するインクの現行閾値K2、Y2、C2、M2未満である場合(S140:Yes)、プロセッサ211は、S150、S160、S170の処理を実行する。S150、S160、S170の処理は、S110、S120、S130の処理と、それぞれ同じである。そして、プロセッサ211は、S180(図6)へ移行する。
全てのノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1が、対応するインクの現行閾値K2、Y2、C2、M2以上である場合(S140:No)、プロセッサ211は、S150、S160、S170をスキップして、S180(図6)へ移行する。
S180(図6)では、プロセッサ211は、対象画像データから、印刷対象のバンド領域のデータである対象バンドデータを取得する。図4で説明したように、対象画像TIは、搬送方向Dy側の端から、-Dy方向に向かって、印刷される。プロセッサ211は、対象画像上に、対象画像の+Dy方向側の端から、-Dy方向に向かって、複数のバンド領域を割り当てる。プロセッサ211は、未処理のバンド領域のうち、最も下流側(+Dy側)のバンド領域を、対象バンド領域として選択する。そして、プロセッサ211は、対象画像データから、対象バンド領域の対象バンドデータを取得する。
S190では、プロセッサ211は、閾値テーブル236(図7(B))を参照し、現行の経過時間Taを含む時間範囲Rtに続く次の時間範囲Rtの閾値K2、Y2、C2、M2を特定する(次閾値K2、Y2、C2、M2とも呼ぶ)。例えば、経過時間Ta=6である場合、経過時間Taは、第3時間範囲Rt3に含まれる。次の時間範囲Rtは、第4時間範囲Rt4である。従って、次閾値K2、Y2、C2、M2は、第4時間範囲Rt4に対応付けられた閾値K2、Y2、C2、M2である。
また、プロセッサ211は、使用量テーブル234(図7)を参照して、各ノズルのインク使用量を特定する。そして、プロセッサ211は、各ノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1と、対応するインクの次閾値K2、Y2、C2、M2を、比較する。例えば、シアンCのインク使用量C1は、シアンCの次閾値C2と比較される。そして、プロセッサ211は、インクの次閾値K2、Y2、C2、M2未満のインク使用量K1、Y1、C1、M1を検索する。以下、インクの次閾値K2、Y2、C2、M2未満のインク使用量K1、Y1、C1、M1に対応するインクを、「低インク」とも呼ぶ。
プロセッサ211は、1個以上のノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1が、対応するインクの次閾値K2、Y2、C2、M2未満であるか否かを判断する。以下、インク使用量が次閾値未満である条件を、インク条件とも呼ぶ。インク条件は、インク毎に判断される。
全てのインクがインク条件を満たさない場合、すなわち、全てのノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1が、対応するインクの次閾値K2、Y2、C2、M2以上である場合(S190:No)、S210で、色変換回路212(図1)は、対象バンドデータの色変換処理を実行する。色変換処理は、対象バンドデータによって示される色値である入力色値(本実施例では、RGB値)を、インク色空間の色値であるインク色値(本実施例では、CMYK値)に変換する処理である。インク色空間は、印刷に利用可能な複数種類のインクの色に対応する色空間である。本実施例では、インク色値のCMYKの各成分値は、0から255までの256階調で表される。インク色値の各成分値は、インク量を示している。また、色変換回路212は、色変換プロファイルを参照して、色変換処理を実行する。色変換プロファイルは、対象バンドデータの色空間(入力色空間と同じ)の色値と、インク色空間の色値と、の対応関係を示すデータである。本実施例では、色変換プロファイルとして、予め決められたルックアップテーブルが、用いられる。S210では、第1ルックアップテーブル237(図1)が、参照される。色変換回路212は、第1ルックアップテーブル237を参照して、対象バンドデータによって示される各画素の色値を、インク色空間の色値に変換する。色変換回路212は、色変換済の対象バンドデータを、記憶装置215(揮発性記憶装置220と不揮発性記憶装置230とのいずれか)に、格納する。なお、第1ルックアップテーブル237は、通常の印刷時に使用される標準のルックアップテーブルである。以下、第1ルックアップテーブル237による色変換によって得られるインク色値を、標準インク色値とも呼ぶ。そして、処理は、S230へ移行する。
少なくとも1つのインクがインク条件を満たす場合、すなわち、1個以上のノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1が、対応するインクの次閾値K2、Y2、C2、M2未満である場合(S190:Yes)、処理は、S200へ移行する。S200では、プロセッサ211は、許容条件が満たされるか否かを判断する。許容条件は、S210の色変換処理によって決定されるインク色空間の色値に対するインクの変更を許容するための条件である。本実施例では、インクの変更は、CMYの各インクの成分値と、Kのインクの成分値と、の置換を含んでいる。例えば、CMYのそれぞれの成分値の少なくとも一部が、ブラックKの成分値に置換される。また、ブラックKの成分値の少なくとも一部が、CMYのそれぞれの成分値に、置換される。このようなインク変更によって、閾値未満のインク使用量が増大し得る。この結果、ノズルの不具合の可能性を低減できる。ただし、インク変更によって、印刷される色が変化し得る。本実施例では、許容条件は、インク変更による色の変化が目立たない場合に満たされるように、予め決められている。
図8は、許容条件の判断の例を示すフローチャートである。S510では、プロセッサ211は、対象バンド領域の前のバンド領域が空白領域であるか否かを判断する。図9は、対象画像の例を示す説明図である。図中には、対象画像TI1のうちのバンド領域BI11~BI14が示されている。第1バンド領域BI11の画像は、2個のオブジェクトOB1、OB2を表している。第2バンド領域BI12は、空白領域である。第3バンド領域BI13の画像は、2個のオブジェクトOB3、OB4を表している。第4バンド領域BI14は、空白領域である。オブジェクトOB3は、画素PX12を含んでいる。仮に、第3バンド領域BI13の色変換処理がS210(図6)で行われる場合、この画素PX12は、YCMのインクを用いずに、Kのインクを用いて印刷されることとする。
第3バンド領域BI13が対象バンド領域である場合、前のバンド領域は、対象バンド領域BI13の+Dy方向側の隣のバンド領域BI12である。図9の例では、前のバンド領域BI12は、空白領域である。ここで、対象バンド領域BI13の画素PX12のインク色値が、S210で採用される通常のインク色値とは異なる色値に設定されたと仮定する。例えば、画素PX12は、Kのインクを用いずに、YCMのインクを用いて印刷される。隣のバンド領域BI12には、オブジェクトOB3の色と比較されるオブジェクトは、印刷されない。従って、画素PX12のインク色値が変更された場合であっても、画素PX12の印刷される色の変化は目立ちにくい。
前のバンド領域が空白領域である場合(図8:S510:Yes)、S540で、プロセッサ211は、許容条件が満たされると判断する。そして、プロセッサ211は、図8の処理(すなわち、図6のS200を終了する。
前のバンド領域が空白領域ではない場合(S510:No)、S520で、プロセッサ211は、対象バンド領域の画像の濃度が基準未満であるか否かを判断する。対象バンド領域の画像の濃度としては、対象バンド領域に含まれるオブジェクトの色の濃度と相関を有する種々の指標値を採用可能である。本実施例では、プロセッサ211は、対象バンド領域の全画素のうち予め決められた背景色範囲(例えば、R>240、かつ、G>240、かつ、B>240)の外の色値を有する画素の平均輝度値を算出する。平均輝度値が小さいほど、濃度が高い。なお、輝度値としては、例えば、RGB色空間のRGB値とYCbCr色空間の輝度値Yとを対応付ける公知の関係式を用いて算出される輝度値を、採用可能である。
図10は、対象画像の例を示す説明図である。図中には、対象画像TI2のうちのバンド領域BI21~BI23が示されている。第1バンド領域BI21の画像は、2個のオブジェクトOB21、OB22を表している。第2バンド領域BI22は、オブジェクトOB23の一部を表している。第3バンド領域BI23の画像は、オブジェクトOB23の残りの部分と、オブジェクトOB24と、を表している。オブジェクトOB23は、薄い色のオブジェクトである。オブジェクトOB23は、第2バンド領域BI22内の画素PX21と、第3バンド領域BI23内の画素PX22と、を含んでいる。ここで、画素PX21、PX22の第1ルックアップテーブル237に基づく標準のインク色値は、Kのインク色値であることとする。
第2バンド領域BI22が対象バンド領域である場合、プロセッサ211は、第2バンド領域BI22の画像の平均輝度値を算出する。そして、データ処理装置210は、平均輝度値が、輝度閾値よりも大きいか否かを判断する。平均輝度値が輝度閾値よりも大きい場合、対象バンド領域の画像の濃度は基準よりも薄いと判断される。ここで、対象バンド領域BI22の画像の濃度が基準より薄いこととする。また、画素PX21のインク色値が、S210で採用される通常のインク色値とは異なる色値に設定されると仮定する。例えば、画素PX21は、Kのインクを用いずに、CMYのインクを用いて印刷される。オブジェクトOB23の濃度は薄いので、インク変更の前の色と後の色とは、両方とも薄い。従って、画素PX21のインク色値が変更された場合であっても、画素PX21の印刷される色の変化は目立ちにくい。
なお、輝度閾値は、適切に画像の濃度を判断できるように、予め実験的に決められている。これに代えて、プロセッサ211は、輝度閾値を調整してよい。例えば、プロセッサ211は、対象画像データに応じて輝度閾値を調整してよい。
対象バンド領域の画像の濃度が基準よりも薄い場合(図8:S520:Yes)、S540で、プロセッサ211は、許容条件が満たされると判断する。そして、プロセッサ211は、図8の処理(すなわち、図6のS200)を終了する。
対象バンド領域の画像の濃度が基準以上である場合(S520:No)、S530で、データ処理装置210は、許容条件は満たされないと判断する。そして、プロセッサ211は、図8の処理(すなわち、図6のS200)を終了する。
許容条件が満たされないと判断される場合(図6:S200:No)、S210で、色変換回路212(図1)は、第1ルックアップテーブル237を参照して、対象バンドデータの色変換処理を実行する。そして、処理は、S230へ移行する。
許容条件が満たされると判断される場合(図6:S200:Yes)、S220で、プロセッサ211は、ルックアップテーブル238、239(図1)から、S190で特定された低インクに対応付けられたルックアップテーブルを選択する。ルックアップテーブル238、239は、第1ルックアップテーブル237と比べて、低インクの成分値が増大するように構成されている。
第2ルックアップテーブル238は、第1ルックアップテーブル237のCMYの混色の成分値の少なくとも一部をKの成分値に置換して得られるテーブルである。ここで、第1ルックアップテーブル237は、第1入力色値を、YCMのインク色値に変換すると仮定する。第2ルックアップテーブル238は、第1入力色値を、YCMではなく、Kのインク色値に変換する。本実施例では、第2ルックアップテーブル238は、標準のインク色値のうちYCMの等量の混色をブラックKの成分値に置換するように、構成されている。例えば、標準のインク色値が「Y=C=M=100、K=0」である場合に、第2ルックアップテーブル238によるインク色値は「Y=C=M=0、K=100」であってよい。このように、標準のインク色値のうちのYCMの等量の混色の全てが、ブラックKの成分値に置換されてよい。
第3ルックアップテーブル239は、第1ルックアップテーブル237のKの成分値の少なくとも一部をCMYの混色の成分値に置換して得られるテーブルである。ここで、第1ルックアップテーブル237は、第2入力色値を、Kのインク色値に変換すると仮定する。第3ルックアップテーブル239は、第2入力色値を、Kではなく、CMYのインク色値に変換する。本実施例では、第3ルックアップテーブル239は、標準のインク色値のうちブラックKの成分値を、YCMの等量の混色に置換するように、構成されている。例えば、標準のインク色値が「Y=C=M=0、K=100」である場合に、第3ルックアップテーブル239によるインク色値は「Y=C=M=100、K=0」であってよい。このように、標準のインク色値のうちのブラックKの成分値の全てが、YCMの等量の混色に置換されてよい。
なお、第2ルックアップテーブル238と第3ルックアップテーブル239とは、第1ルックアップテーブル237が用いられる場合からの印刷される色の変化が小さくなるように、実験的に決められている。また、第1ルックアップテーブル237と第2ルックアップテーブル238との間でインク色値が異なるような入力色値の範囲は、入力色値の全範囲のうちの一部であってよい。同様に、第1ルックアップテーブル237と第3ルックアップテーブル239との間でインク色値が異なるような入力色値の範囲は、入力色値の全範囲のうちの一部であってよい。
低インクがブラックKのインクである場合、プロセッサ211は、第2ルックアップテーブル238を選択する。そして、色変換回路212は、プロセッサ211によって選択された第2ルックアップテーブル238を参照して、対象バンドデータの色変換処理を実行する。
低インクがCMYの少なくとも1つを含む場合、プロセッサ211は、第3ルックアップテーブル239を選択する。そして、色変換回路212は、プロセッサ211によって選択された第3ルックアップテーブル239を参照して、対象バンドデータの色変換処理を実行する。図9の第3バンド領域BI13が対象バンド領域である場合、画素PX12の入力色値は、Kのインク色値ではなく、YCMのインク色値に変換される。図10の第2バンド領域BI22が対象バンド領域である場合、画素PX21の入力色値は、Kのインク色値ではなく、CMYのインク色値に変換される。
なお、S190(図6)で特定される低インクは、CMYの少なくとも1つと、Kと、の両方を含み得る。この場合、プロセッサ211は、画素毎にルックアップテーブルを選択してよい。例えば、プロセッサ211は、ブラックKの第1ノズルのインク使用量K1が次閾値K2未満である場合に、第1ノズルを用いて印刷されるべき画素の色変換のために、第2ルックアップテーブル238を選択してよい。また、プロセッサ211は、シアンCの第2ノズルのインク使用量C1が次閾値C2未満である場合に、第2ノズルを用いて印刷されるべき画素の色変換のために、第3ルックアップテーブル239を選択してよい。
1個の画素に関して、CMYの少なくとも1つと、Kと、の両方が低インクである場合、プロセッサ211は、予め決められたルックアップテーブルを選択してよい(例えば、第1ルックアップテーブル237)。1個の画素に関して、CMYKのいずれもが低インクではない場合、プロセッサ211は、第1ルックアップテーブル237を選択してよい。
以上のように、S220(図6)では、色変換回路212(図1)は、プロセッサ211によって選択されたルックアップテーブルを参照して、色変換処理を実行する。色変換回路212は、色変換済の対象バンドデータを、記憶装置215(揮発性記憶装置220と不揮発性記憶装置230とのいずれか)に、格納する。そして、処理は、S230へ移行する。
S230では、ハーフトーン回路213は、色変換済の対象画像データのハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理は、例えば、誤差拡散法や、ディザマトリクスを用いる方法など、種々の方法の処理であってよい。ハーフトーン処理によって、色成分ごと、かつ、印刷画素ごとに、ドットの形成状態を示すドットデータが生成される。ハーフトーン回路213は、生成したドットデータを、記憶装置215(揮発性記憶装置220と不揮発性記憶装置230とのいずれか)に、格納する。ドットの形成状態は、印刷によって形成すべきドットの状態であり、本実施例では、「ドット有り」と「ドット無し」とのうちのいずれかである。これに代えて、ドットの形成状態は、互いにドットサイズが異なる2以上のドット有りの状態を含む3以上の状態(例えば、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「ドット無し」)から選択されてもよい。いずれの場合も、ドットデータは、ドット形成状態に対応する値を示している。
S240では、プロセッサ211は、対象バンド領域のドットデータを用いて、対象バンド領域の画像を印刷するためのバンド印刷データを生成する。バンド印刷データは、1回の部分印刷のための印刷データであり、インクドットを形成すべき印刷画素を特定する情報と、部分印刷の後の用紙PMの搬送量を示す情報と、を含んでいる。プロセッサ211は、上述したドットデータを用いて、バンド印刷データを生成する。
S250では、プロセッサ211は、生成したバンド印刷データを、モータコントローラ214に出力する。S260では、モータコントローラ214は、バンド印刷データに従って、印刷実行部400の種々のモータ(図示せず)とヘッド駆動部420とを制御する。これにより、1回の部分印刷と用紙PMの搬送とが行われる。
S270では、データ処理装置210は、S210またはS220で生成された色変換済の対象画像データを参照して、インク毎、ノズル毎のインク使用量を特定する。そして、プロセッサ211は、特定したインク使用量を用いて、使用量テーブル234(図7)を更新する。具体的には、使用量テーブル234の各使用量に、対象バンド領域の印刷で使用されたインク量が、加算される。
S280では、データ処理装置210は、全てのバンド領域の処理が終了したか否かを判断する。未処理のバンド領域が残っている場合(S280:No)、データ処理装置210は、S140(図5)へ移行し、次のバンド領域の処理を行う。全てのバンド領域の処理が終了した場合(S280:Yes)、データ処理装置210は、図5、図6の印刷処理を終了する。
以上のように、本実施例では、印刷実行部400は、ブラックKのインクとシアンCのインクとを含むKCMYの4種類のインクを吐出する複数のノズルNZ(図3)を有している。制御装置299は、印刷実行部400を制御するように構成されている。具体的には、S105(図5)で、プロセッサ211は、対象画像データを取得する。そして、図5、図6の印刷処理(S110~S280)では、制御装置299は、対象画像データを用いて印刷実行部400に印刷を実行させる。
プロセッサ211は、S190(図6)で、インク条件が満たされるか否かを判断し、S200で、許容条件が満たされるか否かを判断する。以下、インク条件が満たされることと(S190:Yes)、許容条件が満たされることと(S200:Yes)、を含む条件を、特定条件CD1とも呼ぶ。特定条件CD1が満たされない場合(S190:No、または、S200:No)、S210で、色変換処理が行われる。特定条件CD1が満たされる場合(S190:Yes、かつ、S200:Yes)、S220で、色変換処理が行われる。S190で説明したように、インク条件は、インク毎に判断される。以下、特定のインクのノズルによって満たされるインク条件を、そのインクのインク条件と呼ぶ。例えば、シアンCのインクを吐出するためのノズルがインク条件を満たしている場合、シアンインク条件が満たされる、と表現する。また、特定のインクのインク条件が満たされることを含む特定条件を、そのインクの特定条件と呼ぶ。例えば、シアンインク条件が満たされることを含む特定条件を、シアン特定条件と呼ぶ。
図9、図10の画素PX12、PX21は、特定条件CD1が満たされない場合に、シアンCのインクを用いずにブラックKのインクを用いて印刷されるべき画素である(特定画素PX12、PX21と呼ぶ)。シアン特定条件が満たされる場合、S220(図6)で、特定画素PX12、PX21のインク色値は、YCMのインク色値に設定される。シアンCのインクを用いずにブラックKのインクを用いて印刷されるべき特定画素PX12、PX21は、シアンCのインクを用いて印刷される。従って、シアンCのインクの使用量が増大するので、シアンCのノズルの不具合を抑制できる。また、特定条件CD1が満たされない場合、S210(図6)で、特定画素PX12、PX21のインク色値は、Kのインク色値に設定される。特定画素PX12、PX21は、シアンCのインクを用いずにブラックKのインクを用いて印刷される。従って、シアンCのインクの過度の消費を抑制しつつ、ノズルの不具合を抑制できる。
また、印刷実行部400(図2)で利用可能な4種類のインクは、さらに、マゼンタMのインクを含む。特定条件CD1が満たされない場合に、図9、図10の特定画素PX12、PX21のインク色値は、ブラックKのインク色値に設定される。特定画素PX12、PX21は、シアンCのインクとマゼンタMのインクとを用いずにブラックKのインクを用いて、印刷される。シアン特定条件が満たされる場合、特定画素PX12、PX21のインク色値は、YCMのインク色値に設定される。特定画素PX12、PX21は、シアンCのインクとマゼンタMのインクを用いて、印刷される。このように、シアン特定条件が満たされる場合には、特定画素PX12、PX21は、シアンCのインクを含む複数のインクで、印刷される。従って、複数のインクのノズルの不具合を、抑制できる。
また、印刷実行部400(図2)で利用可能な4種類のインクは、ブラックK、シアンC、マゼンタM、イエロYのインクである。そして、S190(図6)の条件は、シアンCのインクを吐出するためのノズルと、マゼンタMのインクを吐出するためのノズルと、イエロYのインクを吐出するためのノズルと、の少なくとも1つがインク条件を満たす場合に、満たされる。このようなシアンマゼンタイエロインク条件が満たされることを含む特定条件が満たされる場合、特定画素PX12、PX21(図9、図10)のインク色値は、YCMのインク色値に設定される。特定画素PX12、PX21は、ブラックKのインクを用いずに、シアンCのインクとマゼンタMのインクとイエロYのインクとの混色を用いて、印刷される。従って、印刷される色のインクの変更による変化を、容易に、抑制できる。また、シアンCとマゼンタMとイエロYのそれぞれのノズルの不具合を抑制できる。
また、特定条件CD1(図6)は、許容条件(S200)を含んでいる。図8で説明したように、許容条件は、特定画素を含む特定の第1領域(本実施例では、対象バンド領域。例えば、図10のバンド領域BI22)の画像の濃度が基準よりも薄いことを示す濃度条件が満たされる場合に(S520)、満たされる。従って、インクの変更による特定画素の印刷される色の変化が目立つことを抑制できる。
また、印刷実行部400(図2)は、複数のノズルNZ(図3)を有する画像形成部460(図2)と、ヘッド410に対して用紙PMを搬送する搬送部440と、を備えている。また、図8のS510で説明したように、許容条件は、特定画素を含む特定の第2領域(本実施例では、対象バンド領域。例えば、図9のバンド領域BI13)が、空白の領域に対して搬送の方向+Dyの上流側(-Dy側)に位置することを示す空白条件が満たされる場合に、満たされる。従って、インクの変更による特定画素の印刷される色の変化が目立つことを抑制できる。
なお、画素PX12、PX21(図9、図10)の標準インク色値がYCMのインク色値であり、ブラック特定条件が満たされると仮定する。この場合、画素PX12、PX21のインク色値は、S220(図6)で、Kのインク色値に設定され得る。
また、図2で説明したように、フラッシング処理は、印刷実行部400のうちの用紙PMとは異なる予め決められた部分(本実施例では、インク受部490)にインクを吐出する処理である。そして、図6のS190、図7(A)、図7(B)で説明したように、インク条件は、最後のフラッシングの後のインクの吐出量(すなわち、インク使用量)が、最後のフラッシングからの経過時間Taを用いて特定される閾値(本実施例では、次閾値)を下回っていることを、含む。従って、乾燥し易いノズルがインク条件を満たすので、ノズルの乾燥を抑制できる。
また、図1、図6のS210、S220で説明したように、色変換回路212は、対象画像データによって示される入力色値を、4種類のインクの色に対応する4個の成分値を含む色値であるインク色値に変換する色変換処理を実行する。そして、図6のS210~S240では、制御装置299は、色変換処理を含む処理を実行することによって、印刷実行部400を制御するための印刷データを生成する。そして、S250、S260では、制御装置299は、印刷データに従って印刷実行部400に印刷を実行させる。ここで、図9、図10のバンド領域BI13、BI22が対象バンド領域であり、シアン特定条件が満たされる場合に、S220の色変換処理は、特定画素PX12、PX21の入力色値を、シアンCのインクのゼロより大きい成分値を含むインク色値に変換する処理を含んでいる。これにより、色変換処理によって、適切に、特定画素PX12、PX21をシアンCのインクを用いて印刷実行部400に印刷させることができる。
また、図2に示すように、印刷実行部400は、ヘッド410と、搬送部440と、主走査部430と、を備えている。ヘッド410は、複数のノズルNZ(図3)を有している。搬送部440は、印刷ヘッド410に対して用紙PMを方向Dyに移動させる搬送を実行する。主走査部430は、用紙PMに対して方向Dyに垂直な方向Dxに平行な方向に印刷ヘッド410を移動させる主走査を実行する。本実施例では、このような印刷実行部400に画像を印刷させる場合に、ノズルの不具合を抑制できる。
B.第2実施例:
図11(A)~図11(D)は、ルックアップテーブルの別の実施例の説明図である。図11(A)は、第1ルックアップテーブル237(図1)による標準のインク色値710と、第3ルックアップテーブル239によるインク色値720と、の実施例を示している。これらのインク色値710、720は、同じ入力色値に対応している。標準のインク色値710は「K=255、Y=C=M=0」である。インク色値720は「K=200、Y=C=M=50」である。このように、ブラックKの成分値の一部が、YCMの等量の混色に置換されている。インク色値720では、KYCMのそれぞれの成分値が、ゼロよりも大きい。このように、標準のインク色値710が用いられる場合にはブラックKのインクを用いて印刷されるべき画素は、ブラックKのインクに加えてシアンC、マゼンタM、イエロYのインクを用いて印刷されるので、KYCMのそれぞれのノズルの不具合を抑制できる。
また、図11(A)に示すように、第3ルックアップテーブル239は、標準のインク色値のうちブラックKの成分値の一部のみを、YCMの等量の混色に置換するように、構成されている。そして、図11(A)の例では、インク色値720のYCMの成分値、すなわち、インク量は、50であり、ブラックKの成分値(200)よりも小さい。このように、置換されるインク量が少ないので、印刷される色の変化を抑制できる。
図11(B)は、標準のインク色値710と、第3ルックアップテーブル239によるインク色値730と、の別の実施例を示している。これらのインク色値710、730は、同じ入力色値に対応している。標準のインク色値710は、図11(A)のインク色値710と同じである。インク色値730は「K=100、Y=C=M=150」である。図11(A)の実施例との差違は、インク色値730のYCMの成分値、すなわち、インク量は、150であり、ブラックKの成分値(100)よりも大きい点である。本実施例では、YCMのインク量の増大によって、YCMのそれぞれのノズルの不具合を抑制できる。
図11(C)は、標準のインク色値740と、第3ルックアップテーブル239によるインク色値750と、の別の実施例を示している。これらのインク色値740、750は、同じ入力色値に対応している。標準のインク色値740は「K=200、Y=C=M=0」である。インク色値750は「K=200、Y=C=M=10」である。このように、ブラックKの成分値は変更されずに、YCMの成分値がゼロよりも大きい値に設定されている。このように、標準のインク色値740が用いられる場合にはブラックKのインクを用いて印刷されるべき画素は、ブラックKのインクに加えてシアンC、マゼンタM、イエロYの有彩色インクを用いて印刷されるので、KYCMのそれぞれのノズルの不具合を抑制できる。また、YCMの成分値(10)は、いずれも、ブラックKの成分値(200)よりも少ない。従って、印刷される色の変化を抑制できる。なお、YCMの成分値は、予め決められた固定値であってよい。これに代えて、プロセッサ211は、入力色値に応じて、ブラックKの成分値に応じて、YCMの成分値を調整してよい。また、インク量がゼロよりも大きい値に設定される有彩色インクは、インク条件(図6:S190)を満たすインクを含む1以上の種々の有彩色インクであってよい。例えば、インク条件を満たす有彩色インクのインク量のみが、ゼロよりも大きい値に設定されてよい。
図11(D)は、標準のインク色値760と、第2ルックアップテーブル238によるインク色値770と、の別の実施例を示している。これらのインク色値760、770は、同じ入力色値に対応している。標準のインク色値760は「K=0、Y=C=M=200」である。インク色値770は「K=80、Y=C=M=120」である。YCMの等量の混色の一部が、ブラックKの成分値に置換されている。インク色値770では、KYCMのそれぞれの成分値が、ゼロよりも大きい。このように、標準のインク色値760が用いられる場合にはブラックKのインクを用いずにYCMのインクを用いて印刷されるべき画素は、YCMのインクに加えてブラックKのインクを用いて印刷されるので、KYCMのそれぞれのノズルの不具合を抑制できる。
また、図11(D)に示すように、第2ルックアップテーブル238は、標準のインク色値のうちYCMの等量の混色の一部のみを、ブラックKの成分値に置換するように、構成されている。そして、図11(D)の例では、インク色値770のブラックKの成分値(80)は、YCMの成分値(120)よりも小さい。このように、置換されるインク量が少ないので、印刷される色の変化を抑制できる。なお、インク色値770のブラックKの成分値は、YCMの成分値よりも大きくてもよい(例えば、K=120、Y=C=M=80)。
C.第3実施例:
図12は、印刷処理の別の実施例を示すフローチャートである。図中には、図6のS180とS230との間の処理が、示されている。本実施例では、第1ルックアップテーブル237に基づく色変換処理(S185)の後に、特定条件CD1が満たされる場合(S190:Yes、S200:Yes)、プロセッサ211は、S215でインク色値を修正する。図12のステップのうち、図6のステップと同じステップには、同じ符号を付して、説明を省略する。また、本実施例の印刷処理のうち、図12に示す部分を除いた残りの部分の処理は、図5、図6の第1実施例の処理と同じである。本実施例の印刷処理には、第1実施例(図1~図3)の複合機200と同じ複合機が用いられる。
S180の後、S185では、色変換回路212(図1)は、対象バンドデータの色変換処理を実行する。S185は、図6のS210の処理と、同じである。色変換には、第1ルックアップテーブル237が用いられる。
S190、S200では、図6のS190、S200と同じである。特定条件CD1が満たされない場合(S190:No、又は、S200:No)、処理は、S230(図6)へ移行する。
特定条件CD1が満たされる場合(S190:Yes、かつ、S200:Yes)、S215で、プロセッサ211は、S190で特定された低インクを用いて、色変換済の対象バンドデータのインク色値を修正する処理を実行する。修正後の各画素のインク色値は、図6の実施例のS220の色変換処理によるインク色値と同じである。例えば、修正前のインク色値と修正後のインク色値との対応関係を示すルックアップテーブルが、不揮発性記憶装置230に予め格納されてよい(図示省略)。このようなルックアップテーブルは、低インク毎に設けられてよい。そして、プロセッサ211は、低インクに対応付けられたルックアップテーブルを参照して、インク色値を修正してよい。
このように、色変換済の対象バンドデータを用いて、インク色値が修正されてよい。この場合も、第1実施例と同様に、低インクの過度の消費を抑制しつつ、ノズルの不具合を抑制できる。
D.第4実施例:
図13は、印刷処理の別の実施例を示す説明図である。図13(A)には、閾値テーブル236aの例を示す説明図である。図7(B)の閾値テーブル236との差違は、時間範囲Rtが、画素ライン数Laの範囲RLに置換されている点である。画素ライン数Laは、最後にフラッシング処理を実行した後に印刷された画素ラインの総数である。本実施例では、図3で説明したように、各ノズル群NK、NY、NC、NMが、それぞれ、Nn個のノズルを有している。従って、1回の部分印刷で、主走査方向(図2のDx軸に平行な方向)に延びるNn本の画素ラインが印刷される。バンド領域(例えば、図4のバンド領域BI1~Bi4)は、Nn本の画素ラインを含んでいる。図7(B)の経過時間Taが長いほど、バンド領域の画像の印刷が進行するので、画素ライン数Laは多くなる。従って、画素ライン数Laは、経過時間Taの代わりに、閾値K2、Y2、C2、M2を特定するためのパラメータとして、利用可能である。
本実施例では、閾値テーブル236aは、画素ライン数Laの範囲RLと、KYCMのそれぞれの閾値K2、Y2、C2、M2と、の対応関係を示している。ゼロから始まる画素ライン数Laの範囲は、複数の範囲RL1~RL7に区切られている。閾値K2、Y2、C2、M2は、インク使用量K1、Y1、C1、M1の閾値である。各範囲RL1~RL7に、閾値K2、Y2、C2、M2が対応付けられている。図示するように、画素ライン数Laが多いほど、閾値K2、Y2、C2、M2は大きい。
本実施例の印刷処理には、第1実施例(図1~図3)の複合機200と同じ複合機が用いられる。プロセッサ211は、経過時間Taに代えて、画素ライン数Laを用いる。図5、図6の印刷処理は、以下のように修正される。本実施例の印刷処理のうち、以下の修正を除いた残りの部分の処理は、図5、図6の第1実施例の処理と同じである。
図13(B)は、S120(図5)に代えて実行されるS120aを示している。S120aでは、プロセッサ211は、画素ライン数Laをゼロに初期化する。
図13(C)は、S160(図5)に代えて実行されるS160aを示している。S160aでは、プロセッサ211は、画素ライン数Laをゼロに初期化する。
図13(D)は、S260、S270(図6)の間に実行されるS265aを示している。S265aでは、データ処理装置210は、画素ライン数Laを更新する。本実施例では、1回の部分印刷によって印刷される画素ライン数が一定値Nnである。従って、プロセッサ211は、画素ライン数LaにNnを加算することによって、画素ライン数Laを更新する。
S140(図5)では、プロセッサ211は、閾値テーブル236a(図13(A))を参照して、現行の画素ライン数Laに対応付けられた閾値を特定する。具体的には、プロセッサ211は、現行の画素ライン数Laを含む範囲RLに対応付けられた閾値K2、Y2、C2、M2を特定する(現行閾値K2、Y2、C2、M2とも呼ぶ)。また、プロセッサ211は、使用量テーブル234(図7)を参照して、各ノズルのインク使用量を特定する。そして、プロセッサ211は、各ノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1と、対応するインクの現行閾値K2、Y2、C2、M2を、比較する。そして、プロセッサ211は、1個以上のノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1が、対応するインクの現行閾値K2、Y2、C2、M2未満であるか否かを判断する。
S190(図6、図12)では、プロセッサ211は、閾値テーブル236a(図13(A))を参照し、現行の画素ライン数Laを含む範囲RLに続く次の範囲RLの閾値K2、Y2、C2、M2を特定する(次閾値K2、Y2、C2、M2とも呼ぶ)。また、プロセッサ211は、使用量テーブル234(図7)を参照して、各ノズルのインク使用量を特定する。そして、プロセッサ211は、各ノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1と、対応するインクの次閾値K2、Y2、C2、M2を、比較する。そして、プロセッサ211は、1個以上のノズルのインク使用量K1、Y1、C1、M1が、対応するインクの次閾値K2、Y2、C2、M2未満であるか否かを判断する。
以上のように、図6、図12のS190のインク条件は、最後のフラッシングの後のインクの吐出量が、最後のフラッシングの後に印刷された画素ライン数Laを用いて特定される閾値(本実施例では、次閾値)を下回っていることを、含む。従って、乾燥し易いノズルがインク条件を満たすので、ノズルの乾燥を抑制できる。
D.変形例
(1)特定条件が満たされる場合と満たされない場合との間でインク量を変更する方法は、図6の実施例のように、色変換処理を切り替える方法と、図12の実施例のように、色変換処理済のインク色値を修正する方法に代えて、他の種々の方法であってよい。プロセッサ211は、ハーフトーン処理によって生成されるドットデータを修正することによって、インク量を変更してよい。例えば、プロセッサ211は、低インクがYCMのいずれかである場合に、ブラックKのドットを、YCMの混色ドットに置換してよい。また、プロセッサ211は、低インクがKである場合に、YCMの混色ドットを、ブラックKのドットに置換してよい。
(2)S520(図8)の濃度を示す指標値は、対象バンド領域の画像の濃度と相関を有する任意の値であってよい。例えば、輝度とは異なる他の色成分(例えば、緑G成分)の成分値が、濃度の指標値として用いられてよい。
(3)S510(図8)の条件(空白条件とも呼ぶ)は、対象バンド領域に隣接するバンド領域が空白領域であることを示す種々の条件であってよい。例えば、空白条件は、対象バンド領域の次のバンド領域が空白領域であることを含んでよい。また、空白条件は、対象バンド領域の前のバンド領域が空白領域であり、かつ、対象バンド領域の次のバンド領域が空白領域であることを含んでよい。
(4)許容条件(S200(図6、図12))は、図8に示す条件に代えて、種々の条件であってよい。例えば、S510、S520のいずれか一方は、省略されてよい。また、S200(図6、図12)は、省略されてよい。この場合、インク条件が満たされる場合(S190:Yes)、S220、S215(図6、図12)でインク色値が設定されてよい。
(5)インク条件(S190(図6、図12)、図7(B)、図13(A))は、インクの吐出に関する種々の条件であってよい。例えば、インク使用量の閾値は、次閾値に代えて、現行閾値であってよい。また、インク使用量の閾値は、フラッシング処理のための条件(S140(図5))で用いられる閾値とは独立な値であってよい。一般的には、インク条件は、ノズルがインクの吐出不良を未然に防ぐための吐出処理を実行すべきことを示す条件であることが好ましい。このような吐出処理は、インク受部490(図2)のように用紙PMとは異なる部材に対してインクを吐出する処理であってよい。これに代えて、用紙PM上に目立たない小さいドットを形成する処理が、採用されてよい。また、インク条件は、ノズルの不具合の可能性を示す条件であることが、好ましい。
(6)印刷実行部400で利用可能なインクの種類数は2以上の任意の数であってよい。例えば、ブラックKのインクと1種類の有彩色のインク(例えば、シアンCのインク)との2種類のインクが、利用されてよい。また、ブラックKのインクと2種類の有彩色のインク(例えば、シアンCのインクとマゼンタMのインク)との3種類のインクが、利用されてよい。また、色相が同じで濃度が異なる複数種類のインク(例えば、シアンCのインクと淡シアンのインク)とが、利用されてよい。いずれの場合も、少なくとも1種類の有彩色インクが低インクである場合に、図11(C)の実施例のように、低インクのインク量がゼロよりも大きい値に設定されてよい。また、S190(図6、図12)では、プロセッサ211は、有彩色インクのみについてインク条件が満たされるか否かを判断してよい。
(7)印刷処理は、図4~図6、図12で説明した処理に代えて、他の種々の処理であってよい。例えば、+Dx方向の主走査と、-Dx方向の主走査と、の双方において、ヘッド410は、バンド領域の画像を印刷してよい(双方向印刷とも呼ばれる)。また、色変換処理とハーフトーン処理とバンド印刷データの生成とが、バンド領域毎に行われる代わりに、対象画像の全体に対して色変換処理とハーフトーン処理と印刷データの生成とが行われてよい。また、対象画像データの入力色空間は、RGB色空間に代えて、YCbCr色空間、CMYK色空間等、任意の色空間であってよい。また、対象画像データとして、ドットデータが用いられてもよい。
(8)印刷実行部400の構成は、図2に示す構成に代えて、他の種々の構成であってよい。印刷実行部400は、いわゆるラインプリンタであってよい。例えば、印刷実行部は、主走査部430を備えずに、印刷ヘッドは、搬送方向と直交する方向に並ぶ複数のノズルで構成される1以上のノズル群を有してよい(ラインヘッドとも呼ぶ)。各ノズル群の複数のノズルは、用紙PMの幅とおおよそ同じ長さに亘って並んでいる。ラインプリンタは、主走査を行わずに、印刷を実行する。例えば、ラインプリンタは、ラインヘッドによってドットを形成する処理と、搬送部による用紙PMの搬送とを、複数回実行することで、画像を印刷してよい。ラインヘッドは、搬送方向と直交する方向に並ぶ複数の画素で構成される画素ラインであって、F本(Fは1以上の整数)の画素ラインを、同時に印刷可能であってよい。ラインプリンタのラインヘッドは、印刷媒体上に色材を用いて画像を形成する画像形成部の例である。このようなラインプリンタが用いられる場合、図8のS510、S520では、バンド領域に代えて、F本の画素ラインが、用いられてよい。
(9)フラッシング処理においてインクを受けるインク受部の構成は、図2のインク受部490の構成に代えて、他の任意の構成であってよい。例えば、印刷実行部400は、インク受部を、ヘッドのノズルに対向する第1位置と、第1位置から離れた第2位置と、の間で移動させる移動装置を備えてよい。そして、移動装置は、フラッシング処理を行う場合には、インク受部を第1移動に移動させ、画像を印刷する場合には、インク受部を第2移動に移動させてよい。このようなインク受部と移動装置とは、ラインプリンタに設けられてよい。
(10)上記実施例において、複合機200は、印刷実行部400を備える印刷装置の例である。スキャナ部280は、省略されてよい。制御装置299は、印刷実行部400を備える印刷装置の制御装置の例である。また、制御装置299は、印刷実行部400を制御する制御装置の例である。表示部240と操作部250との少なくとも一方は、省略されてよい。
また、対象画像データを用いて印刷実行部に画像を印刷させる処理(図5、図6等)は、複合機200の制御装置299に代えて、複合機200に接続された外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ)の制御装置によって実行されてよい。例えば、通信インタフェース270は、有線LANインタフェース、IEEE802.11の無線インタフェースなどの、ネットワークインタフェースを含んでよい。そして、ネットワークインタフェースを介して通信可能な外部装置の制御装置が、印刷データを生成してよい。外部装置の制御装置は、例えば、図5、図6の手順に従って、対象画像上の複数のバンド領域のそれぞれの部分印刷のためのバンド印刷データを生成する。そして、外部装置の制御装置は、生成した複数のバンド印刷データを、複合機200に出力する。複合機200の制御装置299は、受信したバンド印刷データに従って、印刷実行部400にバンド領域の画像を印刷させる。この場合、複合機200は、印刷実行部の例であり、外部装置の制御装置は、複合機200(ひいては、印刷実行部)を制御する制御装置の例である。
(11)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図6のSS240の処理は、専用のハードウェア回路によって実現されてよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD-ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含み得る。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100…携帯記憶装置、200…複合機、210…データ処理装置、211…プロセッサ、212…色変換回路、213…ハーフトーン回路、214…モータコントローラ、215…記憶装置、220…揮発性記憶装置、230…不揮発性記憶装置、232…プログラム、234…使用量テーブル、236、236a…閾値テーブル、237…第1ルックアップテーブル、238…第2ルックアップテーブル、239…第3ルックアップテーブル、240…表示部、250…操作部、270…通信インタフェース、280…スキャナ部、299…制御装置、400…印刷実行部、410…印刷ヘッド、411…ノズル形成面、420…ヘッド駆動部、430…主走査部、433…キャリッジ、434…摺動軸、435…ベルト、436…プーリ、440…搬送部、441…上流ローラ、442…下流ローラ、450…インク供給部、451…カートリッジ装着部、452…チューブ、453…バッファタンク、460…画像形成部、490…インク受部、PM…用紙、PT…プラテン、Dy…搬送方向、Dy…副走査方向

Claims (16)

  1. 第1インクと第2インクとを含むN種類(Nは2以上の整数)のインクを吐出する複数のノズルを有する印刷実行部を制御するように構成された制御装置であって、
    対象画像データを取得する取得部と、
    前記対象画像データを用いて前記印刷実行部に印刷を実行させる印刷制御部と、
    を備え、
    前記印刷制御部は、
    前記第2インクを吐出するためのノズルが、インクの吐出に関する条件であるインク条件を満たすことを含む特定条件が満たされない場合に、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて印刷されるべき特定画素を、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
    前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ
    前記インク条件は、前記印刷実行部のうちの印刷媒体とは異なる予め決められた部分にインクを吐出する処理であるフラッシングであって最後のフラッシングの後のインクの吐出量が、前記最後のフラッシングからの経過時間を用いて特定される閾値を下回っていることを、含む、
    制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記N種類のインクは、さらに、第3インクを含み、
    前記特定条件が満たされない場合に、前記特定画素を、前記第2インクと前記第3インクとを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
    前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクと前記第3インクとを用いて、前記印刷実行部に印刷させる、
    制御装置。
  3. 請求項2に記載の制御装置であって、
    前記N種類のインクは、さらに、第4インクを含み、
    前記第1インクは、ブラックインクであり、
    前記第2インクは、シアンインクであり、
    前記第3インクは、マゼンタインクであり、
    前記第4インクは、イエロインクであり、
    前記特定条件は、前記シアンインクを吐出するための前記ノズルと、前記マゼンタインクを吐出するための前記ノズルと、前記イエロインクを吐出するための前記ノズルと、の少なくとも1つが前記インク条件を満たすことを含み、
    前記印刷制御部は、前記特定条件が満たされる場合に、前記ブラックインクを用いて印刷されるべき前記特定画素を、前記ブラックインクを用いずに、前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエロインクとを用いて、前記印刷実行部に印刷させる、
    制御装置。
  4. 請求項2に記載の制御装置であって、
    前記N種類のインクは、さらに、第4インクを含み、
    前記第1インクは、ブラックインクであり、
    前記第2インクは、シアンインクであり、
    前記第3インクは、マゼンタインクであり、
    前記第4インクは、イエロインクであり、
    前記特定条件は、前記シアンインクを吐出するための前記ノズルと、前記マゼンタインクを吐出するための前記ノズルと、前記イエロインクを吐出するための前記ノズルと、の少なくとも1つが前記インク条件を満たすことを含み、
    前記印刷制御部は、前記特定条件が満たされる場合に、前記ブラックインクを用いて印刷されるべき前記特定画素を、前記ブラックインクに加えて、前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエロインクとを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
    前記特定画素において、前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエロインクとのそれぞれのインク量を、前記ブラックインクのインク量よりも少ない量に設定する、
    制御装置。
  5. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記N種類のインクは、さらに、第3インクと、第4インクを含み、
    前記第1インクは、ブラックインクであり、
    前記第2インクは、シアンインクであり、
    前記第3インクは、マゼンタインクであり、
    前記第4インクは、イエロインクであり、
    前記特定条件は、前記シアンインクを吐出するための前記ノズルと、前記マゼンタインクを吐出するための前記ノズルと、前記イエロインクを吐出するための前記ノズルと、の少なくとも1つが前記インク条件を満たすことを含み、
    前記印刷制御部は、前記特定条件が満たされる場合に、前記ブラックインクを用いて印刷されるべき前記特定画素を、前記ブラックインクに加えて、前記シアンインクと前記マゼンタインクと前記イエロインクとのうちの前記インク条件を満たす前記ノズルによって吐出されるインクを含む1以上の有彩色インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
    前記特定画素において、前記1以上の有彩色インクのそれぞれのインク量を、前記ブラックインクのインク量よりも少ない量に設定する、
    制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記特定条件は、さらに、前記特定画素を含む特定の第1領域の画像の濃度が基準よりも薄い場合に満たされる許容条件を含む、
    制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記印刷実行部は、前記複数のノズルを有する画像形成部と、前記画像形成部に対して印刷媒体を搬送する搬送部と、を備え、
    前記特定条件は、さらに、前記特定画素を含む特定の第2領域が、空白の領域に対して前記搬送の方向の上流側に位置する場合に満たされる許容条件を含む、
    制御装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記インク条件は、前記ノズルがインクの吐出不良を未然に防ぐための吐出処理を実行すべきことを示す条件である、
    制御装置。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の制御装置であって、
    前記インク条件は、前記印刷実行部のうちの印刷媒体とは異なる予め決められた部分にインクを吐出する処理であるフラッシングであって最後のフラッシングの後のインクの吐出量が、前記最後のフラッシングの後に印刷された画素ライン数を用いて特定される閾値を下回っていることを、含む、
    制御装置。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の制御装置であって、
    前記印刷制御部は、
    前記対象画像データによって示される入力色値を、前記N種類のインクの色に対応するN個の成分値を含む色値であるインク色値に変換する色変換処理を含む生成処理を実行することによって、前記印刷実行部を制御するための印刷データを生成し、
    前記印刷データに従って前記印刷実行部に前記印刷を実行させ、
    前記色変換処理は、前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素の前記入力色値を、第2インクのゼロより大きい成分値を含むインク色値に変換する処理を含む、
    制御装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記印刷実行部は、
    前記複数のノズルを有する印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドに対して印刷媒体を第1方向に移動させる搬送を実行する搬送部と、
    前記印刷媒体に対して前記第1方向に垂直な第2方向に平行な方向に前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    を備える、制御装置。
  12. 第1インクと第2インクとを含むN種類(Nは2以上の整数)のインクを吐出する複数のノズルを有する印刷実行部を制御するように構成された制御装置であって、
    対象画像データを取得する取得部と、
    前記対象画像データを用いて前記印刷実行部に印刷を実行させる印刷制御部と、
    を備え、
    前記印刷制御部は、
    前記第2インクを吐出するためのノズルが、インクの吐出に関する条件であるインク条件を満たすことを含む特定条件が満たされない場合に、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて印刷されるべき特定画素を、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
    前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ
    前記特定条件は、さらに、前記特定画素を含む特定の第1領域の画像の濃度が基準よりも薄い場合に満たされる許容条件を含む、
    制御装置。
  13. 第1インクと第2インクとを含むN種類(Nは2以上の整数)のインクを吐出する複数のノズルを有する印刷実行部を制御するように構成された制御装置であって、
    対象画像データを取得する取得部と、
    前記対象画像データを用いて前記印刷実行部に印刷を実行させる印刷制御部と、
    を備え、
    前記印刷制御部は、
    前記第2インクを吐出するためのノズルが、インクの吐出に関する条件であるインク条件を満たすことを含む特定条件が満たされない場合に、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて印刷されるべき特定画素を、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
    前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ
    前記インク条件は、前記ノズルがインクの吐出不良を未然に防ぐための吐出処理を実行すべきことを示す条件である、
    制御装置。
  14. 第1インクと第2インクとを含むN種類(Nは2以上の整数)のインクを吐出する複数のノズルを有する印刷実行部を制御するコンピュータのためのコンピュータプログラムであって、
    対象画像データを取得する取得機能と、
    前記対象画像データを用いて前記印刷実行部に印刷を実行させる印刷制御機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記印刷制御機能は、
    前記第2インクを吐出するためのノズルが、インクの吐出に関する条件であるインク条件を満たすことを含む特定条件が満たされない場合に、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて印刷されるべき特定画素を、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
    前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ
    前記インク条件は、前記印刷実行部のうちの印刷媒体とは異なる予め決められた部分にインクを吐出する処理であるフラッシングであって最後のフラッシングの後のインクの吐出量が、前記最後のフラッシングからの経過時間を用いて特定される閾値を下回っていることを、含む、
    コンピュータプログラム。
  15. 第1インクと第2インクとを含むN種類(Nは2以上の整数)のインクを吐出する複数のノズルを有する印刷実行部を制御するコンピュータのためのコンピュータプログラムであって、
    対象画像データを取得する取得機能と、
    前記対象画像データを用いて前記印刷実行部に印刷を実行させる印刷制御機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記印刷制御機能は、
    前記第2インクを吐出するためのノズルが、インクの吐出に関する条件であるインク条件を満たすことを含む特定条件が満たされない場合に、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて印刷されるべき特定画素を、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
    前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ
    前記特定条件は、さらに、前記特定画素を含む特定の第1領域の画像の濃度が基準よりも薄い場合に満たされる許容条件を含む、
    コンピュータプログラム。
  16. 第1インクと第2インクとを含むN種類(Nは2以上の整数)のインクを吐出する複数のノズルを有する印刷実行部を制御するコンピュータのためのコンピュータプログラムであって、
    対象画像データを取得する取得機能と、
    前記対象画像データを用いて前記印刷実行部に印刷を実行させる印刷制御機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記印刷制御機能は、
    前記第2インクを吐出するためのノズルが、インクの吐出に関する条件であるインク条件を満たすことを含む特定条件が満たされない場合に、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて印刷されるべき特定画素を、前記第2インクを用いずに前記第1インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ、
    前記特定条件が満たされる場合に、前記特定画素を、前記第2インクを用いて、前記印刷実行部に印刷させ
    前記インク条件は、前記ノズルがインクの吐出不良を未然に防ぐための吐出処理を実行すべきことを示す条件である、
    コンピュータプログラム。
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