JP7302536B2 - 倉庫設備の制御システム及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、倉庫設備の制御システム及び制御方法に関する。
一般に、製造業において工場で製造された製品は、倉庫設備内に搬入され、出荷されるまでの間、倉庫設備内で保管される。倉庫設備には製品の搬入及び搬出時の荷役を行うための天井クレーンが設置されていることが多く、天井クレーンが倉庫設備内を走行できる範囲は限定されている。図1は、1機の天井クレーンが1棟の荷役を担当している倉庫設備の構成例を示す模式図である。図1中、符号1,2は製品倉庫、符号1a~1c,2a~2cは棟、符号3a~3c,4a~4cは天井クレーン、符号5a~5cは運搬車両、符号6a,6bはレール台車、符号7a,7bは無軌道台車、符号8a,8bは船積クレーン、符号9は運搬船、符号Cは出荷製品を示している。
このような倉庫設備内に保管されている製品を出荷する際には、出荷用の運搬車両や運搬船に製品を載せて客先や物流センターに製品を運搬する。こうした出荷作業を行うためには倉庫設備内から製品を搬出する作業が必要になるが、同じ出荷用の運搬車両や同じ運搬船及び船倉(運搬船の製品を入れる部屋を意味し、同じ船倉への搬入作業は同じ船積クレーンを用いて行うことが多い)に積み込まれる製品は倉庫設備内で近い場所にあった方が搬出作業を効率よく実行することができる。
例えば出荷用の運搬車両を利用して製品を出荷する場合、出荷用の運搬車両に積載する製品が複数の棟にバラバラに保管されていると、出荷用の運搬車両は複数の棟を回って製品を積載しなければならない。この場合、棟間の移動に余計な時間がかかり、さらに製品を搬出する棟で行われている別の作業と搬出作業が競合して待ち時間が発生して搬出作業の効率が低下しやすくなる。出荷用の運搬車両に積載する製品が1棟にまとめて保管されていると、上述した無駄な時間が短くなり、搬出作業の効率が向上する。
これに対して、運搬船を利用して製品を出荷する場合には、必ずしも同じ運搬船及び船倉に積載する製品が1棟にまとめて保管されていることが最適の状態になるとは限らない。これは、例えば1機の船積クレーンが単位時間に荷役できる製品量(以下、荷役能力)に対して1機の天井クレーンの荷役能力が小さい場合、積載する製品が1棟にまとめて保管されていると、天井クレーンによる搬出作業が船積クレーンによる船積作業に追いつかず、船積作業の中断が発生するためである。ところが、この場合であっても、同じ運搬船及び船倉に積載する製品が複数の棟にバラバラに保管されている状況では、搬出作業が非効率になりやすいため、積載する製品を特定の棟にある程度まとめておくことが求められる。
上述した理由から製品の出荷作業を効率化するためには、同じ出荷用の運搬車両や同じ運搬船及び船倉に積載する製品を特定の棟にまとめて保管することが望ましい。ところが、工場から倉庫設備内に製品が搬入される時点では、その製品がどの出荷用の運搬車両や運搬船及び船倉に積載されるかは決まっていないことが多い。よって、倉庫設備内に製品が搬入された後、積載する出荷用の運搬車両や運搬船及び船倉が決まってから棟間で製品を移動する作業が行われることがある。
倉庫や置場内での製品移動には、軌道台車(レール等で決められた経路を移動する台車)が用いられることが多い。軌道台車を用いる場合、定められたルートを台車が動くため、台車走行制御や台車間での作業調整等は比較的簡易なもので対応することが可能であり、実装時の負担やコストが少なくてすむ傾向がある。例えば特許文献1,2には、倉庫や置場内での移動のために軌道台車を設置した例が示されている。具体的には、特許文献1には、コイル状製品の入庫場所や船積場所への移動に軌道台車を用いる設備が記載されている。また、特許文献2には、目的の出荷ステーションまで製品を移動させるために軌道台車を設置している設備の制御方法についての技術が記載されている。特許文献1に記載の設備は1つのエリアにまとめられた製品置場内での製品移動を対象としたものであり、特許文献2に記載の技術は隣接する立体倉庫前の軌道台車による移動に対象を限定したものである。
特開平5-330605号公報 特開平7-17609号公報
ところで、工場が大規模になると、巨大な運搬船が複数同時に船積作業を行えるように離れた場所にバース(船積場)が設置されていることがある。そのような大規模工場では、各バース前の倉庫内の製品移動用には軌道台車が設置されているが、バース間は軌道台車を設置するには離れすぎているため、バース間の製品移動は運搬車両や無軌道台車で行われる。しかしながら、倉庫内の製品移動とバース間の製品移動とを同時に効率的に行うためには、軌道台車、無軌道台車、運搬車両、天井クレーン等の作業負荷及び倉庫内の空き状況を考慮する必要があり、非常に複雑な問題となる。このため、倉庫内の製品移動とバース間の製品移動とを同時に効率的に行うことを可能にする技術の構築が求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、隣接する棟間及び離れた棟間での製品の移動作業を含む製品の出荷作業の効率を向上可能な倉庫設備の制御システム及び制御方法を提供することにある。
本発明に係る倉庫設備の制御システムは、製品を保管する複数の棟と、棟毎に設けられた前記製品の入出庫作業を行う棟毎荷役設備と、隣接する棟間で前記製品を運搬する運搬機能を有する隣接棟間移動設備と、離れた棟間で前記製品を運搬する運搬機能を有する遠隔棟間移動設備と、を備える倉庫設備の制御システムであって、各棟における前記製品の入出庫計画情報及び在庫情報に基づいて、各棟の出庫作業の負荷及び出荷製品数を平準化しつつ、前記製品が出庫時に保管されているべき棟を示す情報を含む最適配置情報を生成する最適配置情報生成部と、前記最適配置情報に基づいて前記製品を出庫時に保管されているべき棟に移動するために必要な隣接する棟間での製品運搬作業を生成する隣接棟間移動作業生成部と、隣接する棟をまとめた棟グループについて、前記最適配置情報に基づいて前記製品を出庫時に保管されているべき棟に移動するために必要な棟グループ間での製品運搬作業を生成する遠隔棟間移動作業生成部と、前記隣接棟間移動設備又は前記遠隔棟間移動設備が作業を完了するタイミングに従って、前記最適配置情報生成部、前記隣接棟間移動作業生成部、及び前記遠隔棟間移動作業生成部を起動して生成された作業を隣接棟間移動設備又は遠隔棟間移動設備が次に実行する作業として割り当てる作業割り当て部と、前記作業割り当て部によって割り当てられた作業内容を実行するように前記隣接棟間移動設備及び前記遠隔棟間移動設備を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る倉庫設備の制御システムは、上記発明において、出荷製品を出庫時に保管されているべき棟に移動する際に移動先の棟で製品置場が不足している場合、出荷製品以外の製品を前記移動先の棟から別の棟に移動する作業を生成する退避移動作業生成部を備え、前記作業割り当て部は、前記隣接棟間移動設備又は前記遠隔棟間移動設備が作業を完了するタイミングに従って、前記最適配置情報生成部、前記隣接棟間移動作業生成部、前記遠隔棟間移動作業生成部、及び前記退避移動作業生成部を起動して生成された作業を隣接棟間移動設備又は遠隔棟間移動設備が次に実行する作業として割り当てることを特徴とする。
本発明に係る倉庫設備の制御方法は、製品を保管する複数の棟と、棟毎に設けられた前記製品の入出庫作業を行う棟毎荷役設備と、隣接する棟間で前記製品を運搬する運搬機能を有する隣接棟間移動設備と、離れた棟間で前記製品を運搬する運搬機能を有する遠隔棟間移動設備と、を備える倉庫設備の制御方法であって、各棟における前記製品の入出庫計画情報及び在庫情報に基づいて、各棟の出庫作業の負荷及び出荷製品数を平準化しつつ、前記製品が出庫時に保管されているべき棟を示す情報を含む最適配置情報を生成する第一ステップと、前記最適配置情報に基づいて前記製品を出庫時に保管されているべき棟に移動するために必要な隣接する棟間での製品運搬作業を生成する第二ステップと、隣接する棟をまとめた棟グループについて、前記最適配置情報に基づいて前記製品を出庫時に保管されているべき棟に移動するために必要な棟グループ間での製品運搬作業を生成する第三ステップと、前記隣接棟間移動設備又は前記遠隔棟間移動設備が作業を完了するタイミングに従って、前記第一ステップ、前記第二ステップ、及び前記第三ステップを実行して生成された作業を隣接棟間移動設備又は遠隔棟間移動設備が次に実行する作業として割り当てる第四ステップと、前記第四ステップにおいて割り当てられた作業内容を実行するように前記隣接棟間移動設備及び前記遠隔棟間移動設備を制御する第五ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る倉庫設備の制御方法は、上記発明において、出荷製品を出庫時に保管されているべき棟に移動する際に移動先の棟で製品置場が不足している場合、出荷製品以外の製品を前記移動先の棟から別の棟に移動する作業を生成する第六ステップを含み、前記第四ステップは、前記隣接棟間移動設備又は前記遠隔棟間移動設備が作業を完了するタイミングに従って、前記第一ステップ、前記第二ステップ、前記第三ステップ、及び前記第六ステップを実行して生成された作業を隣接棟間移動設備又は遠隔棟間移動設備が次に実行する作業として割り当てることを特徴とする。
本発明に係る倉庫設備の制御システム及び制御方法によれば、隣接する棟間及び離れた棟間での製品の移動作業を含む製品の出荷作業の効率を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態である倉庫設備及びその制御システムの構成を示す模式図である。 図2は、図1に示す作業決定装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態である作業決定処理の流れを示すフローチャートである。 図4は、バース計画情報の一例を示す図である。 図5は、出荷製品リスト情報の一例を示す図である。 図6は、最適配置情報の一例を示す図である。 図7は、予定作業時間の計算例を示す図である。 図8は、作業余力の計算例を示す図である。 図9は、図6に示す最適配置情報の変更例を示す図である。 図10は、空き置場不足数の計算例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である倉庫設備の制御システム及びその制御方法について説明する。
〔倉庫設備の構成〕
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態である倉庫設備の構成ついて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である倉庫設備及びその制御システムの構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である倉庫設備は製品倉庫1,2を備えている。製品倉庫1,2は、製品を保管する棟1a~1c,2a~2cによって構成され、各棟には製品の入出庫作業を行う天井クレーン3a~3c,4a~4cが設置されている。また、隣接する棟間の製品移動のため、隣接棟にまたがるレール1d,2d及びその上を走行する台車(以降、レール台車と呼ぶ)6a,6bが設置されている。また、離れた棟間の製品移動のため、製品倉庫1,2間を走行する無軌道台車7a,7bが配置されている。工場で製造され梱包を終えた製品は、運搬車両5a,5bに積載され目的の棟の中まで運ばれる。天井クレーンは運搬車両5a,5bによって運ばれてきた製品を車両上から棟内の空き置場に移動(入庫)する。入庫された製品は、船積日が近づくと天井クレーンにより船積仮置場1e,2e等に移動される、又は、運搬車両5cに積載されて船積クレーン8a,8b近くの岸壁まで移動されて、その後に船積みされる。製品を棟間で移動する際には、隣接棟間での移動の場合にはレール台車6a,6bへの積載/積み下ろし、離れた棟間での移動の場合には無軌道台車7a,7bへの積載/積み下ろしが、天井クレーンによって行われる。
本実施形態では、運搬船9への船積日が近づいた製品(以降、出荷製品と呼ぶ)Cを船積仮置場1eに移動するか運搬車両5cに積載するかは、出荷製品Cが保管されている棟が船積クレーン8a,8bの位置から近いか遠いかに基づいて決定される。また、出荷製品Cが保管される棟が船積クレーン8a,8bに近い場合には、船積クレーン8a,8bが船積仮置場1eに置かれている出荷製品Cを直接ハンドリングできるため、運搬車両5cを使って岸壁まで運ぶ必要がないものとする。但し、これは説明のための1例を示したものであり、船積仮置場1e,2eから岸壁への出荷製品運搬をフォークリフトや小型の運搬車両等で行うような操業でも本技術は適用可能である。この場合、出荷製品Cがその製品の船積を担当する船積クレーンの近くの棟に保管されていた方が、出荷作業は効率的に行うことができる。これは、運搬車両5cによる岸壁への移動作業が不要になるため、短時間で船積クレーンの届く範囲に出荷製品Cを置くことができるためであり、また運搬車両5cの不足による出荷製品Cの岸壁への運搬遅れリスクがなくなるためである。
しかしながら、各出荷製品Cがどの船積クレーンを使用してどの位置でどの運搬船に積載されるかを設定したバース計画は、製品が入庫するタイミングでは決定していないことが多く、出荷製品Cは必ずしも理想的な棟に入庫されるとは限らない。このため、入庫後の製品がしばしば別の棟に移動させられることがある(棟間移動作業)。隣接棟間で移動作業を行うのはレール台車6a,6bである。本実施形態では、レール台車6a,6bで一度に運搬可能な製品数は1個とし、レール台車6a,6bへの積載/積み下ろしは天井クレーン3a~3c,4a~4cにより行われるものとする。大規模工場においては、出荷製品Cが保管されている棟と船積クレーン8a,8bが非常に離れている場合がある、図1には遠隔棟間での製品移動を無軌道台車7a,7bで行う設備を例として挙げている。本実施形態では無軌道台車7a,7bで運搬できる製品数も最大1個としている。
〔制御システムの構成〕
次に、図1,2を参照して、上記倉庫設備の制御システムの構成について説明する。
図1に示すように、上記倉庫設備の制御システムは、通信装置11、制御装置12、作業決定装置13、及び操業データベース(操業DB)14を備えている。
通信装置11は、棟間運搬設備(レール台車6a,6b及び無軌道台車7a,7b)と制御装置12との間の相互の情報通信を制御する装置である。
制御装置12は、周知の情報処理装置によって構成されており、倉庫設備の制御システム全体の動作を制御する。
作業決定装置13は、周知の情報処理装置によって構成されており、制御装置12から送信された情報に基づいて指定された棟間運搬設備の作業内容を決定する。図2は、作業決定装置13の構成を示すブロック図である。図2に示すように、作業決定装置13は、情報処理装置内部の演算処理装置がコンピュータプログラムを実行することにより、入力部13a、作業割り当て部13b、最適配置情報生成部13c、隣接棟間移動作業生成部13d、遠隔棟間移動作業生成部13e、退避移動作業生成部13f、及び出力部13gとして機能する。これら各部の機能については後述する。
図1に戻り、操業DB14は、倉庫設備の操業実績及び操業計画に関する情報を格納している。なお、本実施形態では、倉庫設備の操業実績及び操業計画に関する情報には以下に示す情報が含まれている。
・各棟製品在庫情報(現在、各棟内に保管されている製品の情報)
・製品入庫計画情報(運搬車両によって工場から倉庫設備に運ばれて来る製品に関する情報、製品が入庫する棟及び入庫予定時刻の情報等)
・船積計画情報(出荷製品の船積時間帯、船積順、担当船積クレーン、船積バース位置、船舶向け先情報等)
・運搬計画情報(岸壁、他棟、工場に移動する製品ロットに関する情報(出荷製品リスト、出荷製品の搬送元、出荷製品の搬送先、搬送作業予定時刻情報)等)
・各設備情報(天井クレーン、船積クレーン、レール台車、無軌道台車、運搬車両、運搬船が実行中及び実行予定の作業についての情報、各設備の現在位置情報等)
・実績情報(計画情報のうち、完了している部分の情報及び計画の変更情報等)
このような構成を有する倉庫設備では、制御システムが以下に示す作業決定処理を実行することにより、隣接する棟間及び離れた棟間での製品の移動作業を含む製品の出荷作業の効率を向上させる。以下、図3に示すフローチャートを参照して、作業決定処理を実行する際の制御システムの動作について説明する。
〔作業決定処理〕
図3は、本発明の一実施形態である作業決定処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、作業決定装置13が制御装置12から作業を割り付ける棟間運搬設備の情報と操業実績及び操業計画に関する情報とを受信したタイミングで開始となり、作業決定処理はステップS1の処理に進む。なお、本実施形態では、棟間運搬設備は、登録されていた作業を完了したタイミング又は登録されていた作業が完了する所定時間前のタイミングで制御装置12に作業が完了したことを通知し、制御装置12は作業完了の通知があった棟間運搬設備の作業決定を行うために作業決定装置13を起動する。そして、制御装置12は作業決定装置13が起動されると操業実績及び操業計画に関する情報を操業DB14から抽出し、抽出した情報と作業を割り付ける棟間運搬設備の情報とを操業情報として作業決定装置13に送信する。
ステップS1の処理では、入力部13aが、制御装置12から送信された操業情報を受信し、受信した操業情報を作業割り当て部13bに出力する。これにより、ステップS1の処理は完了し、作業決定処理はステップS2に処理に進む。
ステップS2の処理では、作業割り当て部13bが、最適配置情報生成部13cを起動する。そして、最適配置情報生成部13cが、入力部13aから出力された操業情報を用いて、各棟の出庫作業の負荷及び出荷製品数を平準化しつつ、出荷製品Cの最適配置棟(製品が出庫時に保管されているべき棟)を示す最適配置情報を生成し(最適配置情報生成処理)、最適配置情報生成処理が終了したことを作業割り当て部13bに通知する。最適配置情報生成処理の詳細については後述する。これにより、ステップS2の処理は完了し、作業決定処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、作業割り当て部13bが、隣接棟間移動作業生成部13dを起動する。本実施形態において隣接棟間の移動作業を担当する設備はレール台車6a,6bである。ステップS2の処理において生成された最適配置情報を満足するためには、出荷製品Cが現在保管されている棟と最適配置棟とが異なる場合、現在保管されている棟から最適配置棟へ出荷製品Cを移動する必要がある。この移動作業には以下の2通りのケースがある。
ケース(a)隣接棟間での移動の場合→レール台車のみの移動作業で実施可能
ケース(b)遠隔棟間での移動の場合→無軌道台車での移動作業と(場合によっては)レール台車の移動作業が必要
そこで、隣接棟間移動作業生成部13dは、ケース(a)に該当する出荷製品Cに対して、そのままレール台車6a,6bによる移動作業(レール台車の作業候補)を生成し、棟間移動作業候補リストに加える。そして処理が完了すると、隣接棟間移動作業生成部13dは、処理の終了を作業割り当て部13bに通知する。なお、出荷製品Cを棟間移動させる場合、搬送先の棟に出荷製品Cの置場が必要である。このため、棟間移動作業候補リストの各作業について、搬送先棟に出荷製品Cのための空き置場が十分にない場合には空き置場を作る必要がある。そこで、空き置場が十分にない場合、隣接棟間移動作業生成部13dは、搬送先棟にある出荷が近くない製品を別の棟に移動させて空き置場を生成する。その出荷が近くない製品の移動先棟は、例えば隣接棟の中で適切な空き置場が多い棟を選択すればよい。このようにして生成された(出荷が近くない)製品の移動作業は、元の出荷製品の移動作業と入れ替えて棟間移動作業候補リストに保存される。これにより、ステップS3の処理は完了し、作業決定処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、作業割り当て部13bが、遠隔棟間移動作業生成部13eを起動する。本実施形態において遠隔棟間の製品移動は無軌道台車7a,7b及び必要があればレール台車6a,6bも協力して実行される。そこで、遠隔棟間移動作業生成部13eは、上述したケース(b)に該当する出荷製品Cに対して、最初に行われる移動作業を生成する。例えば図1に示す例において、無軌道台車7a,7bが棟1cと棟2a間の製品移動作業のみを担当している場合、棟1bにある出荷製品Cを棟2bに移動させるためには以下に示す3つの移動作業が必要になる。
(1)対象出荷製品を棟1bから棟1cへ移動する作業(レール台車6aが担当)
(2)対象出荷製品を棟1cから棟2aへ移動する作業(無軌道台車7a,7bが担当)
(3)対象出荷製品を棟2aから棟2bへ移動する作業(レール台車6bが担当)
そこで、このステップS4の処理では、遠隔棟間移動作業生成部13eは、3つの作業の中から最初に行われる移動作業を抽出する。上述した例では最初に行われる移動作業(1)はレール台車6aが担当するが、搬送元棟と搬送先棟によっては最初に行われる移動作業を無軌道台車7a,7bが担当する場合もある。遠隔棟間移動作業生成部13eは、この最初の移動作業(無軌道台車の作業候補)を棟間移動作業候補リストに含める。また、ステップS3の処理と同様、遠隔棟間移動作業生成部13eは、移動先棟に十分な空き置場がない場合、出荷が近くない製品を隣接棟間で移動する作業を生成する。具体的には、遠隔棟間移動作業生成部13eは、同じ隣接棟間で適切な置場が多い棟を1つ選択してその棟に移動する作業を生成し、その作業を元の出荷製品の移動作業と入れ替えて棟間移動作業候補リストに加える。処理が完了すると、遠隔棟間移動作業生成部13eは、処理の終了を作業割り当て部13bに通知する。これにより、ステップS4の処理は完了し、作業決定処理はステップS5の処理に進む。
ステップS5の処理では、作業割り当て部13bが、退避移動作業生成部13fを起動する。以下、退避移動作業生成部13fが行う処理の目的及び内容について説明する。ステップS3及びステップS4では出荷製品の移動先棟の空き置場に余裕がない場合、同じ隣接棟間の移動によって空き置場を確保したが、隣接棟グループ全体で空き置場が不足している場合、ステップS3及びステップS4で生成した移動作業では空き置場を確保することができない。ここで、隣接棟グループとは、図1において棟1a~1cのグループや棟2a~2cのグループのことを意味する。上述した状況では、空き置場の少ない隣接棟グループから空き置場の多い隣接棟グループへの製品移動を行い、隣接棟グループ毎の空き置場数の平準化を行うことにより、状況の改善が期待できる。具体的な処理としては、退避移動作業生成部13fは、隣接棟グループ毎(置場が製品のサイズによって限定されている場合にはサイズ毎にも)に空き置場余裕数を計算し、空き置場余裕数が0未満の隣接棟グループがあれば、そのグループから空き置場余裕数が最も大きい隣接棟グループへの製品の移動作業を生成する。なお、隣接棟グループの空き置場余裕数の計算は、指定された対象時間帯に関して以下に示す項目を考慮して行われる。
・対象時間帯に工場から入庫する製品数
・対象時間帯に岸壁等に向けて出庫する製品数
・ステップS3及びステップS4の処理で対象となった出荷製品の移動製品数(対象時間帯に出庫予定の製品)
また、隣接棟グループの空き置場余裕数は、そのグループに属する各棟の空き置場余裕数を計算してその合計数を計算すれば算出することができる。製品の移動作業は、無軌道台車7a,7bが出入りする棟の置場状況に基づいて生成される。例えば、図1に示す例において、隣接棟グループ1a~1cの空き置場余裕数が不足しているため、この隣接棟グループから隣接棟グループ2a~2cへ製品の移動が必要であるとする。ここで、移動される製品は出荷が近くない製品に限定される。無軌道台車7a,7bは棟1cから2a棟までの搬送を担当するので、以下に示す2つ条件を満たせば、退避移動作業生成部13fは、無軌道台車7a,7bが担当する移動作業(出荷対象外製品の移動作業候補)を生成して退避移動作業リストに保存する。
条件(1):棟1cに対象移動製品(サイズが指定されていれば該当サイズの製品)がある
条件(2):棟2aに対象移動製品を置くことのできる空き置場が十分にある(サイズが指定されていれば該当サイズ製品用の空き置場)
もし条件(1)が満たされていない場合、退避移動作業生成部13fは、棟1a,1bに保管されている対象移動製品を抽出し、そこから製品を1つ選択し、対象となる移動製品が現在保管されている棟から棟1cまでのレール台車6aによる作業を生成して退避移動作業リストに保存する。また、条件(2)が満たされていない場合、退避移動作業生成部13fは、棟2aに置かれている対象移動製品を1つ選択し、その製品をレール台車6bによって棟2b又は棟2cに移動する作業を生成して退避移動作業リストに保存する。退避移動作業生成部13fは、空き置場余裕数の情報に基づいて必要とされる移動作業を以下に示す項目の組み合わせ毎に必要数だけ生成完了すれば、処理の終了を作業割り当て部13bに通知する。
・搬送元の隣接棟グループ
・搬送先の隣接棟グループ
・製品サイズ(サイズ毎の置場区分があれば)
ステップS6の処理では、作業割り当て部13bが、棟間運搬設備が次に行う作業を決定し、決定した作業内容を示す作業指示を生成する。次に行う作業の候補となるのは、ステップS3及びステップS4の処理において生成された棟間移動作業候補リストとステップS5の処理において生成された退避移動作業リストに含まれる作業である。移動作業の割り付けは設定された優先度に基づいて決定する。優先度を決める要素としては以下に示すものがある。
・移動作業が棟間移動作業候補リスト又は退避移動作業リストにある移動作業のどちらであるか
・移動作業の搬送元棟が棟間運搬設備が現在待機している棟と一致
・移動作業の搬送元棟が(移動中の)棟間運搬設備が現在向かっている棟と一致
・(棟間移動作業候補リストにある移動作業の場合)、対象となる出荷製品の予定出庫時刻(早いものほど優先又は設定時刻以前のものを優先)
上記の各要素についてどのように移動作業を決めるかは、入力部13aを介して作業割り当て部13bにパラメータで設定できるようにすることができる。また、倉庫設備の操業状態に応じて移動作業の決め方を選択する幾つかのモードを設定できるようにしておいてもよい。これにより、ステップS6の処理は完了し、作業決定処理はステップS7の処理に進む。
ステップS7の処理では、作業割り当て部13bが、出力部13gを介してステップS6の処理において生成された作業指示を制御装置12に送信し、制御装置12は、受信した作業指示に基づいて棟間移動設備を制御する。これにより、ステップS7の処理は完了し、一連の作業決定処理は終了する。
〔最適配置情報生成処理〕
次に、ステップS2の最適配置情報生成処理について詳しく説明する。
本実施形態では、最適配置情報生成部13cは、以下に示す方針1,2に従って最適配置情報を生成する。
方針1:出荷製品Cをできるだけその出荷岸壁(使用する船積クレーン)に近い棟に保管する。
方針2:各船積クレーンが船積する出荷製品Cに関して、天井クレーンの荷役能力が船積クレーンの荷役能力を下回らないようにする。
ここで、方針1は、出荷製品Cを担当の船積クレーン近くに移動させる時にできるだけ運搬車両5cを使わなくて済むようにするための方針である。担当の船積クレーンに近い棟に保管されている出荷製品Cは、天井クレーンを使って船積クレーンが届く船積仮置場に置くことができる。運搬車両5cを使わなければ、運搬車両5cの稼働台数や他の運搬作業との競合の影響を受けることがない。また、運搬車両5cを使わないことにより岸壁への移動にかかる時間を節約できる。従って、方針1に基づいて各棟に出荷製品Cを配置することにより岸壁への出荷製品Cの移動作業を安定して効率的に行うことができる。
また、方針2は、船積クレーンの能力と出荷製品Cを担当する天井クレーンの荷役能力とのバランスを適正にする方針である。本実施形態では、天井クレーンが1回のサイクルで荷役できる製品の数を1個としている。船積クレーンが複数個の製品を同時に荷役できると仮定すると、岸壁へ製品を移動する天井クレーンが1回のサイクルで1個移動するのに対して、船積クレーンは複数個の製品を同時に運搬船に積み込むことになる。天井クレーンのサイクルタイムが船積クレーンのサイクルタイムと同じであれば、船積クレーンの荷役能力が天井クレーンの荷役能力を上回っているため、製品が船積クレーン近くに出てくるのを船積クレーンが待つ(船積作業中断)状態が多く発生し、船積効率が低下する。もし1機の船積クレーンが担当する出荷製品が1棟だけでなく複数棟に入っていると、複数の天井クレーンによって複数の出荷製品が平行して船積クレーン近くに出されるので、船積クレーン作業の中断時間は減少する。従って、方針2に基づいて船積クレーンと天井クレーンの同時荷役可能製品数に従って船積クレーンが担当する出荷製品を何棟かに分散して保管することにより、船積作業の中断を抑制できる。
上記方針1,2に従った最適配置情報生成処理の例を以下に示す。本例では、最適配置情報生成部13cは、船積計画情報から出荷製品Cの船積予定時刻及び出庫予定時刻を計算し(ステップS2a)、各棟に出荷製品Cの出庫作業を割り付け(山積み処理)(ステップS2b)、各棟の出荷製品Cの出庫作業を平準化し(山崩し処理)(ステップS2c)、最適配置情報を生成する(ステップS2d)。
具体的には、まずステップS2aの処理では、最適配置情報生成部13cは、船積計画情報を用いて各出荷製品の船積予定時刻を計算する。船積計画情報は、例えば以下に示す情報から構成される。
(a)バース計画情報
(b)出荷製品リスト情報
ここで、バース計画情報は、船積クレーンの荷役作業に関する情報である。具体例を図4に示す。図4に示すバース計画情報の各項目の意味は以下の通りである。
・対象製品グループ:1つの運搬船の1つの船倉に積み込む出荷製品をまとめたグループに割り当てられた番号(1つの対象製品グループの船積では1機の船積クレーンを連続して使用する)
・使用船積クレーン:対象製品グループに属する出荷製品の船積に使用する船積クレーン
・使用岸壁位置:対象製品グループに属する出荷製品に対して船積クレーン及び運搬船が使用する岸壁位置
・理想保管棟:使用岸壁位置の近くにある倉庫設備の棟(その棟の天井クレーンを用いて出荷製品を船積仮置場に出せば、運搬車による移動作業なしに船積クレーンが出荷製品を運搬船に積み込み可能)
・対象運搬船:対象製品グループに属する出荷製品を積み込む運搬船
・対象船倉:対象製品グループに属する出荷製品を積み込む対象運搬船の船倉番号
・船積開始予定時刻:対象製品グループに属する出荷製品の船積を開始できる最早時刻(対象運搬船の入港時刻や先行する対象製品グループの船積作業計画から計算。但し、この時刻に使用船積クレーンが先行する対象製品グループの船積を完了していなければ実際の船積開始時刻はこの時刻より遅れることになる)
また、出荷製品リスト情報は、対象製品グループに属する出荷製品に関する情報である。具体例を図5に示す。図5に示す出荷製品リスト情報の各項目の意味は以下の通りである。
・対象製品グループ:バース計画情報の同名項目と同じ
・製品ID:出荷製品毎に割り付けられた識別子
・船積順:出荷製品が船積される順番(但し、対象製品グループの中で1から順に割り当てられるものとする。また同一対象製品グループ内で同じ順番が複数個の出荷製品についている場合、船積クレーンが1サイクルで複数個の出荷製品を同時荷役することを意味する)
・製品幅:製品の幅長
・製品外径:製品の外径長
・製品単重:製品の重量
最適配置情報生成部13cは、これらの情報を用いて出荷製品リスト情報内に含まれる各出荷製品の船積予定時刻を計算する。具体的には、最適配置情報生成部13cは、バース計画情報の各対象製品グループに属する出荷製品について船積順に、船積開始予定時刻(図4)と使用する船積クレーンの荷役サイクルタイム(設定値)に基づいて船積予定時刻を計算する。なお、先行する対象製品グループの製品の最も遅い船積完了予定時刻が船積開始予定時刻より遅い場合、最適配置情報生成部13cは、最も遅い船積完了予定時刻をその対象製品グループの船積開始予定時刻として対象製品グループに属する出荷製品の船積予定時刻を計算する。また、設備費稼働時間や運搬船内で必要となる保定作業を考慮することにより、船積予定時刻をさらに正確に計算できる。また、船積クレーンが同時に荷役できる製品数によって異なるサイクルタイムを設定して船積予定時刻を計算してもよい。また、最適配置情報生成部13cは、各出荷製品の出庫予定時刻(出荷のために倉庫天井クレーンによって製品を倉庫から出す時刻)を計算する。出庫作業は船積作業より先に行われるので、例えば出庫してから船積が完了するまでの時間(推定値)だけ船積予定時刻からさかのぼった時刻を出庫予定時刻とすればよい。
次に、ステップS2bの処理では、最適配置情報生成部13cは、出荷製品の出庫予定時刻及びバース計画情報内の理想保管棟情報に基づいて、各出荷製品を最適配置棟に仮割り当てする。ここで、各出荷製品の最適配置棟は、バース計画情報(図4参照)の理想保管棟の中から選択するものとし、この処理においては棟の天井クレーンの作業負荷は一切考慮に入れない。各出荷製品の最適配置棟への割り付けは例えば以下のルール1,2に従って行えばよい。
ルール1:現時点で理想保管棟に置かれている出荷製品は現在保管されている棟に割り付ける(棟を変えない)。
ルール2:出庫時刻を複数の時間帯に分け、各時間帯で理想保管棟の各棟に割り付けられた出荷製品数をできるだけ平準化する。
各棟に出荷製品の出庫作業を割り付けた最適配置情報の一例を図6に示す。図6に示す最適配置情報には、各棟の各時間帯に割り付けられた出荷製品の製品ID(CCC1089等)とその出庫予定時刻が表示されている。但し、現段階では天井クレーンの作業負荷が考慮されていないので、時間帯によっては天井クレーンの能力以上の出庫作業が割り当てられている可能性がある。また、実際の操業では、天井クレーンは出庫作業以外の作業も行わなければならないので、必ずしも図6に示す全ての出庫作業を割り付けられた時間帯内に処理できるとは限らない。
次に、ステップS2cの処理では、最適配置情報生成部13cは、天井クレーンの能力を超えて割り付けられた出庫作業を平準化する。詳しくは、まず、最適配置情報生成部13cは、ステップS2bの処理結果において各時間帯及び各棟に出荷製品の出庫作業以外の作業(入庫又は工場への返品の搬出作業等)が割り当てられる予定作業時間を計算する。図7は、出荷製品の出庫作業以外の作業について予定作業時間(分)を計算した例を示す図である。次に、最適配置情報生成部13cは、予定作業時間の計算結果に基づいて各時間帯及び各棟の出荷製品の出庫作業を行える時間(作業余力)を計算する。図8は、作業余力を計算した例を示す図である。次に、最適配置情報生成部13cは、作業余力を超えている出荷製品の出庫作業を他の棟に変更することにより最適配置情報を変更する。図9は、図6に示す最適配置情報の変更例を示す図である。図9に示す例では、1製品あたりの天井クレーンのハンドリング時間を5分として処理をしており、A1棟及びA2棟における出庫作業がA3棟の出庫作業に変更されている。
なお、ステップS2cの変更処理では、出庫作業を理想保管棟以外の棟に割り付ける場合もある。理想保管棟以外の棟に割り付ける出荷製品は、現時点で理想保管棟以外に保管されている出荷製品から必要最小限だけ選択する。すなわち、最適配置情報生成部13cは、作業余力の範囲内でできるだけ多くの出荷製品を理想保管棟に割り付けて、作業余力を超える分だけを理想保管棟以外の棟に割り付ける。また、理想保管棟以外の棟に割り付ける場合も、最適配置情報生成部13cは、その割り付け棟は理想保管棟から最も近い(移動時間が最も短い)棟を選ぶようにする。これにより、最適配置情報が生成される。
〔作業内容生成処理〕
次に、ステップS3の隣接棟間移動作業生成処理及びステップS4の遠隔棟間移動作業生成処理について説明する。
作業割り当て部13bは、操業DB14から各棟の製品在庫情報を読み込み、ステップS2の処理で生成した最適配置情報を参照する。次に、作業割り当て部13bは、各棟の製品在庫情報及び最適配置情報に基づいて現在の在庫棟と最適配置棟が異なっている出荷製品Cを抽出し、抽出された出荷製品Cを出庫予定時刻順に並べて移動対象製品情報リストを作成する。さらに、作業割り当て部13bは、移動対象製品情報リストの中から、現在の在庫棟と最適配置棟が同じ隣接棟グループに属する出荷製品情報を隣接棟間移動対象製品リストに保存し、それ以外の移動対象製品情報を遠隔棟間移動対象製品リストに保存する。その後、作業割り当て部13bは隣接棟間移動作業生成部13dを起動し、ステップS3の隣接棟間移動作業生成処理が始まる。
隣接棟間移動作業生成処理では、隣接棟間移動作業生成部13dは、隣接棟間移動対象製品リストに含まれる各出荷製品について以下に示す作業1及び作業2のどちらかを作業内容として生成する。なお、隣接棟間移動作業生成部13dは、作業1が生成できた場合は作業2を生成せず、作業1が生成できない場合に作業2を生成する。
(作業1)現在保管されている棟を搬送元、最適配置情報で割り付けられている最適配置棟を搬送先とする作業を生成する。但し、搬送先に製品を保管できる空き置場が設定数以上ない場合は作業1を生成しない。
(作業2)搬送先に保管されている製品で出荷製品以外のものについて別の棟に運搬する作業を生成する。但し、運搬対象の製品は、以下に示す条件1,2を満足する製品を対象とする。また、作業2の搬送先は、条件1,2を満たす棟のうち、空き置場数が最大の棟とする。
(条件1)その製品を棟内から取り除くことによってできた空き置場に対象となっている出荷製品を保管できる、もしくはその製品を取り除くことによって出荷製品が保管できる空き置場を作りやすくなる。
(条件2)その製品の搬送先として、設定数以上の空き置場(ただし、下に出荷製品がない置場)がある棟(但し、搬送元棟と同じ隣接棟グループに属する棟)が存在する。
以上の処理で生成された作業は棟間移動作業候補リストに保存される。
隣接棟間移動作業生成処理が完了後、次に、遠隔棟間移動作業生成部13eが起動される。遠隔棟間移動作業生成部13eは、遠隔棟間移動対象製品リストに含まれる各出荷製品について、最初に行われる作業を生成する。隣接棟間移動作業生成部13dと同様に、遠隔棟間移動作業生成部13eは、搬送先の空き置場が設定値以上の場合のみ出荷製品の移動作業(作業1と同様)を生成し、作業1を生成できない場合は作業2と同様に出荷製品以外のものを別の棟に運搬する作業を生成する。なお、作業2の搬送元棟は対象出荷製品の搬送先棟と同じ棟とし、搬送先棟は搬送元棟と同じ隣接棟グループの棟から選択する。運搬対象の製品は条件1,2を満たすものとする。本処理で生成された作業も棟間移動作業候補リストに保存される。
〔退避移動作業生成処理〕
続いて、ステップS5の退避移動作業生成処理について補足説明する。遠隔棟間移動作業生成処理が完了すると、作業割り当て部13bは、退避移動作業生成部13fを起動する。退避移動作業生成部13fは、空き置場が不足する隣接棟グループがなくなるように隣接棟グループ間の製品移動作業を生成する。この処理では船積作業が近くない製品が移動対象になる。退避移動作業生成部13fは、操業DB14から収集した在庫情報、工場からの入庫予定情報、出庫予定情報(棟間移動のためではなく船積のための出庫等)、及び移動対象作業製品リスト情報を収集し、各棟の空き置場不足数を計算する。空き置場不足数の計算式としては、例えば以下に示す数式を用いることができる。棟内でサイズ毎の置場が指定されている場合には、棟・サイズ毎の置場不足数を計算するとよい。
棟毎(サイズ毎)空き置場不足数=-現時点での空き置場数+入庫予定製品数-出庫予定製品数-予定棟間移動対象出荷製品数(出る棟)+予定棟間移動対象出荷製品数(入る棟)+設定パラメータ(余裕数)
上述した数式の右辺に示す予定製品数は、設定された時間帯(例えば現時点から3時間先まで等)の製品数を積算したものを扱えばよく、各項で異なる時間帯を設定することも可能である。置場不足数が大きくなればなるほどたくさんの置場が不足していることを意味する。上式で計算した空き置場不足数の例を図10に示す。図10は置場サイズが決まっていない(置場にどのようなサイズの製品でも置ける)場合の例であるが、サイズによって置場が決まっている場合には置場不足数の表がサイズ毎に生成されることになる。図10で隣接棟グループAの置場不足数を合計すると+2、隣接棟グループBの置場不足数の合計は-4となるので、隣接棟グループAから隣接棟グループBへ船積が近くない製品を移動すればよい。移動する製品数については、例えば隣接棟グループAの置場不足数が0になるように、隣接棟グループAから隣接棟グループBに2個の製品を移動する等として決めるとよい。あとは〔作業決定処理〕で示した方法等で、無軌道台車又はレール台車の移動作業を生成し、その結果を退避移動作業リストに保存する。
以上の実施形態によって、複数種の棟間移動設備がある場合の製品配置適正化を効率的に行うことができる。また、倉庫設備の場合、天候等によって船積スケジュールが変更されたり、工場の生産計画が変更されたりする等の外乱が生じやすい。本発明の技術はこの実態を考慮しており、先までのスケジュールを決定するのではなく、次に行う1作業のみを決定することによって状況の変化に対応できるようになっている。また、在庫量の棟間での平準化も考慮したコントロールを行っており、倉庫が満杯になる等のトラブルを事前に防いで安定した出荷作業を行うことができる。さらに、運搬車両5cを利用した製品搬送作業を減らすことができるので、物流コスト(製品搬送作業に要するコストや滞船料)を削減することもできる。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1,2 製品倉庫
1a~1c,2a~2c 棟
1d,2d レール
1e,2e 船積仮置場
3a~3c,4a~4c 天井クレーン
5a,5b,5c 運搬車両
6a,6b レール台車
7a,7b 無軌道台車
8a,8b 船積クレーン
9 運搬船
11 通信装置
12 制御装置
13 作業決定装置
13a 入力部
13b 作業割り当て部
13c 最適配置情報生成部
13d 隣接棟間移動作業生成部
13e 遠隔棟間移動作業生成部
13f 退避移動作業生成部
13g 出力部
14 操業データベース(操業DB)
C 出荷製品

Claims (2)

  1. 製品を保管する複数の棟と、棟毎に設けられた前記製品の入出庫作業を行う棟毎荷役設備と、隣接する棟間で前記製品を運搬する運搬機能を有する隣接棟間移動設備と、離れた棟間で前記製品を運搬する運搬機能を有する遠隔棟間移動設備と、を備え、前記遠隔棟間移動設備に荷役可能な棟が限定される倉庫設備の制御システムであって、
    各棟における前記製品の入出庫計画情報及び在庫情報に基づいて、各棟の出庫作業の負荷及び出荷製品数を平準化しつつ、前記製品が出庫時に保管されているべき棟を示す情報を含む最適配置情報を生成する最適配置情報生成部と、
    前記最適配置情報に基づいて前記製品を出庫時に保管されているべき棟に移動するために必要な隣接する棟間での製品運搬作業を生成する隣接棟間移動作業生成部と、
    隣接する棟をまとめた棟グループについて、前記最適配置情報に基づいて前記製品を出庫時に保管されているべき棟に移動するために必要な棟グループ間での製品運搬作業を生成する遠隔棟間移動作業生成部と、
    出荷製品を出庫時に保管されているべき棟に移動する際に移動先の棟で製品置場が不足している場合、出荷製品以外の製品を前記移動先の棟から別の棟に移動する作業を生成する退避移動作業生成部と、
    前記隣接棟間移動設備又は前記遠隔棟間移動設備が作業を完了するタイミングに従って、前記最適配置情報生成部、前記隣接棟間移動作業生成部前記遠隔棟間移動作業生成部、及び前記退避移動作業生成部を起動して生成された作業を隣接棟間移動設備又は遠隔棟間移動設備が次に実行する作業として割り当てる作業割り当て部と、
    前記作業割り当て部によって割り当てられた作業内容を実行するように前記隣接棟間移動設備及び前記遠隔棟間移動設備を制御する制御装置と、
    を備え
    前記退避移動作業生成部は、対象時間帯に入庫及び出庫する製品数と前記隣接棟間移動作業生成部及び前記遠隔棟間移動作業生成部が生成した作業の対象となった出荷製品の移動製品数を用いて前記棟グループ毎に空き置場余裕数を計算し、該空き置場余裕数に基づいて製品の移動作業を生成することを特徴とする倉庫設備の制御システム。
  2. 製品を保管する複数の棟と、棟毎に設けられた前記製品の入出庫作業を行う棟毎荷役設備と、隣接する棟間で前記製品を運搬する運搬機能を有する隣接棟間移動設備と、離れた棟間で前記製品を運搬する運搬機能を有する遠隔棟間移動設備と、を備え、前記遠隔棟間移動設備に荷役可能な棟が限定される倉庫設備の制御方法であって、
    各棟における前記製品の入出庫計画情報及び在庫情報に基づいて、各棟の出庫作業の負荷及び出荷製品数を平準化しつつ、前記製品が出庫時に保管されているべき棟を示す情報を含む最適配置情報を生成する第一ステップと、
    前記最適配置情報に基づいて前記製品を出庫時に保管されているべき棟に移動するために必要な隣接する棟間での製品運搬作業を生成する第二ステップと、
    隣接する棟をまとめた棟グループについて、前記最適配置情報に基づいて前記製品を出庫時に保管されているべき棟に移動するために必要な棟グループ間での製品運搬作業を生成する第三ステップと、
    出荷製品を出庫時に保管されているべき棟に移動する際に移動先の棟で製品置場が不足している場合、出荷製品以外の製品を前記移動先の棟から別の棟に移動する作業を生成する第四ステップと、
    前記隣接棟間移動設備又は前記遠隔棟間移動設備が作業を完了するタイミングに従って、前記第一ステップ、前記第二ステップ前記第三ステップ、及び前記第四ステップを実行して生成された作業を隣接棟間移動設備又は遠隔棟間移動設備が次に実行する作業として割り当てる第ステップと、
    前記第ステップにおいて割り当てられた作業内容を実行するように前記隣接棟間移動設備及び前記遠隔棟間移動設備を制御する第ステップと、
    を含み、
    前記第四ステップは、対象時間帯に入庫及び出庫する製品数と前記第二ステップ及び前記第三ステップにおいて生成された作業の対象となった出荷製品の移動製品数を用いて前記棟グループ毎に空き置場余裕数を計算し、該空き置場余裕数に基づいて製品の移動作業を生成することを特徴とする倉庫設備の制御方法。
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