TDP-43は、細胞ストレスが生じた際に細胞質に転位置し、そこで細胞質封入体を形成する、核RNA結合タンパク質である。次に、これらの封入体は、「ストレス顆粒」(SG)と呼ばれる可逆的タンパク質-mRNA凝集体と共に局在する(Anderson P.およびKedersha, N.(2008年)Trends Biochem Sci 33巻:141~150頁;Kedersha, N.およびAnderson, P.(2002年)Biochem Soc Trans 30巻:963~969頁;Lagier-Tourenne, C.ら、(2010年)Hum Mol Genet 19巻:R46~R64頁)。多くのストレス誘導条件(例えば、亜ヒ酸塩処理、栄養欠乏)下では、TDP-43は、SGと共に局在し得る。SGベースの凝集の可逆的性質は、TDP-43封入体の形成と関連する病理および毒性を逆転させるために適用され得る生物学的経路を付与する。研究では、SG形成を阻害する薬剤が、TDP-43封入体の形成も阻害することが示されている(Liu-Yesucevitz, L.ら、(2010年)PLoS One 5巻(10号):e13250頁)。TDP-43とストレス顆粒との関係は、この可逆的なSGプロセスを正常に調節する生理的経路を使用してTDP-43封入体を分散させるための新規な手法を提供するので、重要である。TDP-43封入体の形成を調節するSG経路の特定の要素を研究することによって、疾患の進行を遅延または停止させるための治療介入のための選択的手法を同定することができる。また、ストレス顆粒の生態は、共に神経変性に関連する自己貪食およびアポトーシスを調節する。したがって、TDP-43凝集を阻害する化合物は、神経変性を阻害する上である役割を果たすことができる。
一部の実施形態では、環Aは、ヘテロシクリルである。一部の実施形態では、環Aは、6員のヘテロシクリルである。一部の実施形態では、環Aは、酸素含有ヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、式(I)の化合物(例えば、式(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(I-g)、(I-h)、(I-i)、(I-j)、(I-k)、(I-l)、または(I-m)の化合物)は、図1に記載される化合物である。
化合物の代謝特性に対する重水素修飾の効果は、重水素原子が公知の代謝部位に取り込まれるとしても、予測不可能である。当業者は、その代謝率が、重水素化されていないその対応物の代謝率と異なるかどうか、およびどのように異なるかを、単に重水素化化合物を実際に調製し、試験することによって決定することができる。例えば、Fukutoら(J. Med. Chem. 1991年、34巻、2871~76頁)を参照されたい。多くの化合物は、代謝可能な複数の部位を有する。重水素置換が必要とされる部位、およびもしあれば代謝に対する効果を知るために必要な重水素化度は、化合物ごとに異なることになる。
別段指定されない限り、ある位置が「H」または「水素」として具体的に指定される場合、その位置は、その天然存在度の同位体組成で水素を有すると理解される。また別段指定されない限り、ある位置が「D」または「重水素」として具体的に指定される場合、その位置は、0.015%である重水素の天然存在度よりも少なくとも3000倍高い存在度で重水素を有すると理解される(すなわち、「D」または「重水素」という用語は、重水素が少なくとも45%取り込まれていることを示す)。
「同位体濃縮係数」という用語は、本明細書で使用される場合、本発明の化合物における特定の位置にあるDの同位体存在度と、その同位体の自然に生じる存在度との比を意味する。
化合物(例えば、式(I)の化合物)中に存在する重水素の量の増大は、「重水素濃縮」と呼ばれ、このような化合物は、「重水素が濃縮されている」化合物と呼ばれる。具体的に記載されていない場合、濃縮百分率は、化合物中に存在する重水素の百分率を指す。
他の実施形態では、本発明の化合物は、化合物上の潜在的な重水素化部位と指定される部位に存在する重水素ごとに、少なくとも3500(52.5.%の重水素取り込み)、少なくとも4000(60%の重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素取り込み)、少なくとも5000(75%の重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素取り込み)、少なくとも6000(90%の重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素取り込み)、少なくとも6633.3(99.5%の重水素取り込み)の同位体濃縮係数を有する。重水素化部位として指定される部位に存在する各重水素の同位体濃縮係数は、重水素化された他の部位とは独立であると理解される。例えば、化合物上に2つの重水素化部位が存在する場合、一方の部位は、52.5%が重水素化されていてよく、他方の部位は、75%が重水素化されていてよい。得られる化合物は、同位体濃縮係数が少なくとも3500(52.5%)である化合物とみなすことができる。
重水素の天然存在度は約0.015%なので、わずかな百分率の自然に生じる式(I)の化合物は、1個の重水素が存在する、自然に生じる一化合物を有すると予測され得る。
実験室において、実験室規模の量(例えば、ミリグラムまたはそれよりも多い)の化合物の任意の一方の部位で100%の重水素化を達成することは困難な場合がある。100%の重水素化が記載されているか、または重水素原子が具体的に構造で示されている場合、わずかな百分率の水素がまだ存在し得ると想定される。重水素濃縮は、プロトンを重水素で置き換えることによって、または分子を濃縮された出発材料で合成することによって達成することができる。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、ストレス顆粒の形成を阻害する。式(I)の化合物は、ストレス顆粒の形成を、対照に対して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%(すなわち、完全な阻害)、阻害することができる。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、ストレス顆粒を脱凝集する。式(I)の化合物は、ストレス顆粒を、対照に対して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%(すなわち、完全な分散)、分散または脱凝集することができる。
一部の実施形態では、ストレス顆粒は、tar DNA結合タンパク質-43(TDP-43)、T細胞細胞内抗原1(TIA-1)、TIA1細胞傷害性顆粒関連RNA結合タンパク質様1(TIAR、TIAL1)、GTPase活性化タンパク質結合タンパク質1(G3BP-1)、GTPase活性化タンパク質結合タンパク質2(G3BP-2)、トリステトラプロリン(TTP、ZFP36)、肉腫における融合(fused in sarcoma)(FUS)、または脆弱X精神遅滞タンパク質(FMRP、FMR1)を含む。
一部の実施形態では、ストレス顆粒は、tar DNA結合タンパク質-43(TDP-43)、T細胞細胞内抗原1(TIA-1)、TIA1細胞傷害性顆粒関連RNA結合タンパク質様1(TIAR、TIAL1)、GTPase活性化タンパク質結合タンパク質1(G3BP-1)、GTPase活性化タンパク質結合タンパク質2(G3BP-2)、肉腫における融合(FUS)、または脆弱X精神遅滞タンパク質(FMRP、FMR1)を含む。
一部の実施形態では、ストレス顆粒は、tar DNA結合タンパク質-43(TDP-43)、T細胞細胞内抗原1(TIA-1)、TIA1細胞傷害性顆粒関連RNA結合タンパク質様1(TIAR、TIAL1)、GTPase活性化タンパク質結合タンパク質1(G3BP-1)、GTPase活性化タンパク質結合タンパク質2(G3BP-2)、または肉腫における融合(FUS)を含む。
別の態様では、本発明は、TDP-43封入体の形成をモジュレートする方法であって、細胞を式(I)の化合物と接触させることを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、TDP-43封入体の形成が阻害される。一部の実施形態では、TDP-43封入体が脱凝集される。一部の実施形態では、TDP-43封入体の形成が刺激される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、TDP-43封入体の形成を阻害する。式(I)の化合物は、TDP-43封入体の形成を、対照に対して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%(すなわち、完全な阻害)、阻害することができる。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、TDP-43封入体を脱凝集する。式(I)の化合物は、TDP-43封入体を、対照に対して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%(すなわち、完全な分散)、分散または脱凝集することができる。
別の態様では、本発明は、神経変性疾患もしくは障害、筋骨格疾患もしくは障害、がん、眼科疾患もしくは障害(例えば、網膜疾患もしくは障害)、および/またはウイルス感染を処置するための方法であって、有効量の式(I)の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、方法は、神経変性疾患もしくは障害、筋骨格疾患もしくは障害、がん、眼科疾患もしくは障害(例えば、網膜疾患もしくは障害)、および/またはウイルス感染に罹患している対象において実施される。
一部の実施形態では、方法は、神経変性疾患または障害に罹患している対象において実施される。一部の実施形態では、方法は、筋骨格疾患または障害に罹患している対象において実施される。一部の実施形態では、方法は、がんに罹患している対象において実施される。一部の実施形態では、方法は、眼科疾患または障害(例えば、網膜疾患または障害)に罹患している対象において実施される。一部の実施形態では、方法は、1つまたは複数のウイルス感染に罹患している対象において実施される。
一部の実施形態では、方法は、式(I)の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む。一部の実施形態では、対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、対象は、線虫である。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。
一部の実施形態では、方法はさらに、式(I)の化合物の投与の前に、神経変性疾患もしくは障害、筋骨格疾患もしくは障害、がん、眼科疾患もしくは障害(例えば、網膜疾患もしくは障害)、またはウイルス感染を有する対象を診断するステップを含む。一部の実施形態では、方法はさらに、式(I)の化合物の投与の前に、神経変性疾患または障害を有する対象を診断するステップを含む。
一部の実施形態では、神経変性疾患は、アルツハイマー病、前頭側頭認知症(FTD)、FTLD-U、プログラニュリン(progranulin)タンパク質またはタウタンパク質の変異によって引き起こされたFTD(例えば、プログラニュリン欠損FTLD)、封入体ミオパチーを伴う前頭側頭認知症(IBMPFD)、運動ニューロン疾患を伴う前頭側頭認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン舞踏病、プリオン病(例えば、クロイツフェルト-ヤコブ病、ウシ海綿状脳症、クールー病、およびスクレイピー)、レビー小体病、びまん性レビー小体病(DLBD)、ポリグルタミン(ポリQ)リピート病、トリヌクレオチドリピート病、大脳変性疾患、初老期認知症、老年性認知症、第17染色体に連鎖するパーキンソニズム(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、進行性球麻痺(PBP)、仮性球麻痺(psuedobulbar palsy)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、原発性側索硬化症、ピック病、原発性進行性失語症、皮質基底核認知症、HIV関連認知症、パーキンソン病、認知症を伴うパーキンソン病、レビー小体認知症、ダウン症候群、多系統萎縮症、脊髄性筋萎縮症(SMA、例えば、SMAタイプI(例えば、ウエルドニッヒ-ホフマン病)、SMAタイプII、SMAタイプIII(例えば、クーゲルベルグ-ウェランダー疾患)、および関節拘縮症を伴う先天性SMA)、進行性球脊髄性筋萎縮症(例えば、ケネディ病)、ポリオ後症候群(PPS)、脊髄小脳失調症、パントテン酸キナーゼ関連神経変性(PANK)、脊髄変性疾患/運動ニューロン変性疾患、上位運動ニューロン障害、下位運動ニューロン障害、加齢性障害および認知症、ハラーホルデン-スパッツ症候群、脳梗塞、脳外傷、慢性外傷性脳症、一過性脳虚血発作、リティコ-ボディグ病(Lytigo-bodig)(筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム認知症)、グアム-パーキンソニズム認知症、海馬硬化症、大脳皮質基底核変性症、アレキサンダー病、アプラー(Apler)病、クラッベ病、神経ボレリア症、神経梅毒、サンドホフ病、テイ-サックス病、シルダー病、バッテン病、コケイン症候群、カーンズ-セイヤー症候群、ゲルストマン-シュトロイスラー-シャインカー症候群および他の伝達性海綿状脳症、遺伝性痙性対麻痺、リー症候群、脱髄性疾患、神経セロイドリポフスチン症、てんかん、振戦、うつ病、躁病、不安症および不安障害、睡眠障害(例えば、ナルコレプシー、致死性家族性不眠症)、急性脳傷害(例えば、脳卒中、頭部損傷)、自閉症、TDP-43の異常発現およびタンパク質恒常性の変化に関する他の疾患または障害、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、神経変性疾患は、アルツハイマー病、前頭側頭認知症(FTD)、FTLD-U、プログラニュリンタンパク質またはタウタンパク質の変異によって引き起こされたFTD(例えば、プログラニュリン欠損FTLD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン舞踏病、クロイツフェルト-ヤコブ病、老年性認知症、第17染色体に連鎖するパーキンソニズム(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、ピック病、原発性進行性失語症、皮質基底核認知症、パーキンソン病、認知症を伴うパーキンソン病、レビー小体認知症、ダウン症候群、多系統萎縮症、脊髄性筋萎縮症(SMA)、脊髄小脳失調症、脊髄変性疾患/運動ニューロン変性疾患、ハラーホルデン-スパッツ症候群、脳梗塞、脳外傷、慢性外傷性脳症、一過性脳虚血発作、リティコ-ボディグ病(筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム認知症)、海馬硬化症、大脳皮質基底核変性症、アレキサンダー病、コケイン症候群、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、神経変性疾患は、前頭側頭認知症(FTD)である。一部の実施形態では、神経変性疾患は、アルツハイマー病または筋萎縮性側索硬化症(ALS)である。
一部の実施形態では、筋骨格疾患は、筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(例えば、FSHD1またはFSHD2)、フリードライヒ運動失調症(Freidrich’s ataxia)、進行性筋萎縮(PMA)、ミトコンドリア脳筋症(MELAS)、多発性硬化症、封入体ミオパチー、封入体筋炎(例えば、孤発性封入体筋炎)、ポリオ後筋萎縮症(PPMA)、運動ニューロン疾患、筋緊張症、筋強直性ジストロフィー、筋肉減少症(sacropenia)、多巣性運動ニューロパチー、炎症性ミオパチー、麻痺、ならびにTDP-43の異常発現およびタンパク質恒常性の変化に関する他の疾患または障害からなる群から選択される。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、前記筋骨格疾患、例えば、脊柱後弯、低血圧、下垂足、運動機能障害、筋力低下、筋萎縮症、ニューロン喪失、こむら返り、歩行の変化もしくは異常、ジストニア、アストロサイト増加(例えば、脊髄におけるアストロサイト増加)、肝疾患、呼吸器疾患もしくは呼吸不全、炎症、頭痛、および疼痛(例えば、背部痛、頸部疼痛、下肢痛、もしくは炎症性疼痛)によって引き起こされるか、またはそれらに関する症状を防止あるいは処置するために使用することができる。
一部の実施形態では、がんは、乳がん、黒色腫、副腎がん、胆道がん、膀胱がん(bladder cancer)、脳または中枢神経系がん、気管支がん、芽細胞腫、癌腫、軟骨肉腫、口腔または咽頭のがん、子宮頸がん、結腸がん、結腸直腸がん、食道がん、消化管がん、膠芽腫、肝癌、肝細胞癌、腎臓がん、白血病、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、非小細胞肺がん、眼科がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、末梢神経系がん、前立腺がん、肉腫、唾液腺がん、小腸または虫垂がん、小細胞肺がん、扁平細胞がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、膀胱がん(urinary bladder cancer)、子宮または子宮内膜がん、外陰部がん、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、がんは、ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫から選択される。一部の実施形態では、がんは、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、結節性(modal)辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞白血病、および原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫)ならびにT細胞リンパ腫(例えば、前駆T-リンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫(例えば、くすぶり型成人T細胞リンパ腫、慢性成人T細胞リンパ腫、急性成人T細胞リンパ腫、リンパ腫性成人T細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性天然キラーT細胞リンパ腫鼻型(ENKL)、腸症関連腸管T細胞リンパ腫(EATL)(例えば、I型EATLおよびII型EATL)、および退形成大細胞型リンパ腫(ALCL))からなる群から選択される非ホジキンリンパ腫である。
一部の実施形態では、眼科疾患または障害(例えば、網膜疾患または障害)は、黄斑変性症(例えば、加齢性黄斑変性症)、糖尿病網膜症、ヒストプラスマ症、黄斑円孔、黄斑パッカー、ビエッティ結晶性ジストロフィー、網膜剥離、網膜菲薄化、網膜芽細胞腫、早産児の網膜症、アッシャー症候群、硝子体剥離、レフサム病、網膜色素変性症、オンコセルカ症、全脈絡膜萎縮、レーバー先天黒内障、網膜分離症(例えば、若年性網膜分離症)、シュタルガルト病、眼筋麻痺等から選択される。
一部の実施形態では、眼科疾患または障害(例えば、網膜疾患または障害)は、黄斑変性症(例えば、加齢性黄斑変性症)、糖尿病網膜症、ヒストプラスマ症、黄斑円孔、黄斑パッカー、ビエッティ結晶性ジストロフィー、網膜芽細胞腫、早産児の網膜症、アッシャー症候群、レフサム病、網膜色素変性症、オンコセルカ症、全脈絡膜萎縮、レーバー先天黒内障、網膜分離症(例えば、若年性網膜分離症)、シュタルガルト病等から選択される。
一部の実施形態では、ウイルス感染は、ウエストナイルウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、肝炎ウイルスA、肝炎ウイルスB、肝炎ウイルスC、インフルエンザウイルス、水疱、トリインフルエンザウイルス、痘瘡、ポリオウイルス、HIV-1、HIV-2、エボラウイルス、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されるウイルスによって引き起こされる。
一部の実施形態では、ウイルス感染は、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、肝炎ウイルスA、肝炎ウイルスB、肝炎ウイルスC、HIV-1、HIV-2、エボラウイルス、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されるウイルスによって引き起こされる。
一部の実施形態では、神経変性疾患もしくは障害、筋骨格疾患もしくは障害、がん、眼科疾患もしくは障害(例えば、網膜疾患もしくは障害)、および/またはウイルス感染の病理は、ストレス顆粒を含む。
一部の実施形態では、疾患または障害の病理は、ストレス顆粒を含む。ストレス顆粒を含むとは、対象における細胞内のストレス顆粒の数が、対照および/もしくは健康な対象に対して、または前記疾患もしくは障害の発症前に対して変化することを意味する。ストレス顆粒が取り込まれる例示的な疾患および障害病理としては、これらに限定されないが、神経変性疾患、筋骨格疾患、がん、眼科疾患(例えば、網膜疾患)、およびウイルス感染が挙げられる。
別の態様では、本発明は、対象の神経変性疾患、筋骨格疾患、がん、眼科疾患(例えば、網膜疾患)、またはウイルス感染を診断する方法であって、式(I)の化合物を対象に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、対象の神経変性疾患を診断する方法であって、式(I)の化合物を対象に投与することを含む、方法を提供する。式(I)の化合物を診断において使用する場合、標識を用いて修飾することができる。
別の態様では、本発明は、TDP-43封入体の形成をモジュレートする方法であって、細胞を式(I)の化合物と接触させることを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、TDP-43は、誘導的に発現される。一部の実施形態では、細胞株は、神経細胞株である。
一部の実施形態では、細胞は、生理化学的ストレッサーで処理される。一部の実施形態では、物理化学的ストレッサーは、亜ヒ酸塩、栄養欠乏、熱ショック、浸透圧ショック、ウイルス、遺伝毒性ストレス、放射線、酸化ストレス、酸化ストレス、ミトコンドリア阻害剤、および小胞体(endoplasmic reticular)ストレッサーから選択される。一部の実施形態では、物理化学的ストレッサーは、紫外線またはX線放射線である。一部の実施形態では、物理化学的ストレッサーは、FeCl2またはCuCl2および過酸化物によって誘導された酸化ストレスである。
さらに別の態様では、本発明は、TDP-43凝集のモジュレーターをスクリーニングする方法であって、式(I)の化合物を、TDP-43を発現し、自然発生的封入体を生じる細胞と接触させることを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、ストレス顆粒は、TDP-43を含み、すなわちTDP-43封入体である。したがって、一部の実施形態では、式(I)の化合物は、TDP-43封入体のモジュレーターである。
一部の実施形態では、方法はさらに、前記投与の開始前に神経変性疾患もしくは障害、筋骨格疾患もしくは障害、がん、眼科疾患もしくは障害、またはウイルス感染を有する対象を診断するステップを含む。一部の実施形態では、前記神経変性疾患または障害、前記筋骨格疾患または障害、前記がん、前記眼科疾患または障害、および前記ウイルス感染の病理は、ストレス顆粒を含む。一部の実施形態では、前記神経変性疾患、前記筋骨格疾患または障害、前記がん、前記眼科疾患または障害、および前記ウイルス感染の病理は、TDP-43封入体を含む。
TDP-43および他のRNA-結合タンパク質は、核および細胞質の両方において、例えば、シナプス、軸索、樹状突起または細胞体におけるmRNAのスプライシング、mRNAイントロンの切断、mRNAの非翻訳領域の切断、またはタンパク質翻訳の修飾によって、mRNAをプロセシングするように機能する。したがって、TDP-43に類似の方式で、またはmRNAのプロセシングによって機能する他のタンパク質を標的とすることも、疾患から生じる神経変性を防止し、処置するのに有益となり得る。例えば、脆弱X精神遅滞1(FMRP)タンパク質は、正常な認知発達にとって必須である(Nakamoto, M.ら、(2007年)Proc Natl Acad Sci U.S.A. 104巻:15537~15542頁)。TDP-43機能に影響を及ぼすシグナル伝達系も、このタンパク質に影響を及ぼし、したがって認知機能を改善することができる。このことは、特に、ニューロンが連絡するところのシナプスにおいて重要となり得る。理論に拘泥するものではないが、式(I)の化合物が標的とするシグナル伝達系は、神経変性またはメンタルヘルス疾病(例えば、統合失調症)においてある役割を果たすこれらのプロセスも修正し得る。
細胞ストレス応答は、U字型曲線に従う。多くの神経変性疾患において観測されるものなどのこの経路の過剰誘導は、細胞にとって有害となり得る。しかし、この経路の刺激の低下は、例えば脳卒中などの急性ストレスの場合にも細胞にとって有害となり得る。したがって、ある疾患に適した作用は、ストレス顆粒形成の阻害であり、他の疾患については、ストレス顆粒形成の刺激が有益である。
一部の実施形態では、ストレス顆粒におけるTDP-43タンパク質は、野生型またはTDP-43の変異型であってよい。一部の実施形態では、TDP-43の変異型は、例えば、TDP-43の野生型配列に対して、アミノ酸付加、欠失、または置換を含む。一部の実施形態では、TDP-43の変異型は、野生型配列に対して、アミノ酸置換、例えば、G294A、A135T、Q331K、またはQ343R置換を含む。一部の実施形態では、ストレス顆粒におけるTDP-43タンパク質は、翻訳後修飾、例えば、アミノ酸側鎖のリン酸化、例えば、T103、S104、S409、またはS410を含む。一部の実施形態では、ストレス顆粒におけるTDP-43タンパク質の翻訳後修飾は、本発明の化合物を用いる処置によってモジュレートすることができる。
「神経変性疾患」という用語は、本明細書で使用される場合、ニューロンの損失または変性によって特徴付けられる神経疾患を指す。「神経変性疾患」という用語には、遺伝的因子の関与、または異常なタンパク質蓄積等に起因するニューロンの細胞死(アポトーシス)によって引き起こされた疾患が含まれる。さらに、神経変性疾患には、神経変性運動障害、ならびに記憶喪失および/または認知症に関する神経変性状態が含まれる。神経変性疾患には、タウオパチーおよび□-シヌクレイン病(synucleopathies)が含まれる。例示的な神経変性疾患としては、これらに限定されないが、アルツハイマー病、前頭側頭認知症(FTD)、FTLD-U、プログラニュリンタンパク質またはタウタンパク質の変異によって引き起こされたFTD(例えば、プログラニュリン欠損FTLD)、封入体ミオパチーを伴う前頭側頭認知症(IBMPFD)、運動ニューロン疾患を伴う前頭側頭認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知症を伴う筋萎縮性側索硬化症(ALSD)、ハンチントン病(HD)、ハンチントン舞踏病、プリオン病(例えば、クロイツフェルト-ヤコブ病、ウシ海綿状脳症、クールー病、またはスクレイピー)、レビー小体病、びまん性レビー小体病(DLBD)、ポリグルタミン(ポリQ)リピート病、トリヌクレオチドリピート病、大脳変性疾患、初老期認知症、老年性認知症、第17染色体に連鎖するパーキンソニズム(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、進行性球麻痺(PBP)、仮性球麻痺、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、原発性側索硬化症、ピック病、原発性進行性失語症、皮質基底核認知症、HIV関連認知症、パーキンソン病、認知症を伴うパーキンソン病、レビー小体認知症、ダウン症候群、多系統萎縮症、脊髄性筋萎縮症(SMA、例えば、SMAタイプI(例えば、ウエルドニッヒ-ホフマン病)、SMAタイプII、SMAタイプIII(例えば、クーゲルベルグ-ウェランダー疾患)、および関節拘縮症を伴う先天性SMA)、進行性球脊髄性筋萎縮症(例えば、ケネディ病)、ポリオ後症候群(PPS)、脊髄小脳失調症、パントテン酸キナーゼ関連神経変性(PANK)、脊髄変性疾患/運動ニューロン変性疾患、上位運動ニューロン障害、下位運動ニューロン障害、加齢性障害および認知症、ハラーホルデン-スパッツ症候群、リティコ-ボディグ病(筋萎縮性側索硬化症-パーキンソニズム認知症)、グアム-パーキンソニズム認知症、海馬硬化症、大脳皮質基底核変性症、アレキサンダー病、アプラー病、クラッベ病、神経ボレリア症、神経梅毒、サンドホフ病、シルダー病、バッテン病、コケイン症候群、カーンズ-セイヤー症候群、ゲルストマン-シュトロイスラー-シャインカー症候群、遺伝性痙性対麻痺、リー症候群、脱髄性疾患、てんかん、振戦、うつ病、躁病、不安症および不安障害、睡眠障害(例えば、ナルコレプシー、致死性家族性不眠症)、急性脳傷害(例えば、脳卒中、頭部損傷)、ならびに自閉症が挙げられる。本明細書で使用される場合、「□-シヌクレイン病(synucleopathy)」という用語は、脳内の神経細胞への□-シヌクレインまたは異常な□-シヌクレインの凝集を伴う神経変性障害または疾患を指す(Ostrerova, N.ら、(1999年)J Neurosci 19巻:5782:5791頁;Rideout, H.J.ら、(2004年)J Biol Chem 279巻:46915~46920頁)。□-シヌクレイン病には、これらに限定されないが、パーキンソン病、認知症を伴うパーキンソン病、レビー小体認知症、ピック病、ダウン症候群、多系統萎縮症、筋萎縮性(amylotrophic)側索硬化症(ALS)、ハラーホルデン-スパッツ症候群等が含まれる。
本明細書で使用される場合、「タウオパチー」という用語は、脳内のタウタンパク質の病理学的凝集と関連する神経変性疾患を指す。タウオパチーには、これらに限定されないが、アルツハイマー病、ピック病、大脳皮質基底核変性症、嗜銀顆粒病(AGD)、進行性核上性麻痺、前頭側頭認知症、前頭側頭葉変性症、またはピック複合が含まれる。
筋骨格疾患:本明細書で定義される筋骨格疾患および障害は、筋肉、靱帯、腱および関節、ならびにそれらを支える骨格構造に影響を及ぼす状態である。理論に拘泥するものではないが、DUX4の全長アイソフォームなどのある特定のタンパク質の異常発現は、タンパク質代謝回転を阻害し、骨格筋細胞における不溶性TDP-43を含めた細胞傷害性タンパク質の発現および凝集を増大することが示されている(Homma, S.ら、Ann Clin Transl Neurol(2015年)2巻:151~166頁)。したがって、式(I)、式(II)、および式(III)の化合物は、筋骨格疾患、例えば、筋細胞または運動ニューロンの、例えば核、細胞質、もしくは細胞体にTDP-43および他のストレス顆粒タンパク質を蓄積させる筋骨格疾患を防止あるいは処置するために使用することができる。例示的な筋骨格疾患としては、筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(例えば、FSHD1またはFSHD2)、フリードライヒ運動失調症、進行性筋萎縮(PMA)、ミトコンドリア脳筋症(MELAS)、多発性硬化症、封入体ミオパチー、封入体筋炎(例えば、孤発性封入体筋炎)、ポリオ後筋萎縮症(PPMA)、運動ニューロン疾患、筋緊張症、筋強直性ジストロフィー、筋肉減少症、痙縮、多巣性運動ニューロパチー、炎症性ミオパチー、麻痺、ならびにTDP-43の異常発現およびタンパク質恒常性の変化に関する他の疾患または障害が挙げられる。さらに、式(I)の化合物は、前記筋骨格疾患、例えば、脊柱後弯、低血圧、下垂足、運動機能障害、筋力低下、筋萎縮症、ニューロン喪失、こむら返り、歩行の変化もしくは異常、ジストニア、アストロサイト増加(例えば、脊髄におけるアストロサイト増加)、肝疾患、炎症、頭痛、疼痛(例えば、背部痛、頸部疼痛、下肢痛、炎症性疼痛)等によって引き起こされるか、またはそれらに関する症状を防止あるいは処置するために使用することができる。一部の実施形態では、筋骨格疾患または筋骨格疾患の症状は、神経変性疾患または神経変性疾患の症状と重複している場合がある。
がん:がん細胞は、細胞ストレス応答の異なる要素を活性化することによって、低酸素環境で急速に成長する。研究者によって、ストレス応答の異なる要素を標的とする薬物が抗悪性腫瘍性となり得ることが示されている。例えば、ラパマイシンは、mTORを遮断し、自己貪食を上方調節し、一部のタイプの腫瘍を阻害する。ベルケイド(Millenium Pharma)などのプロテアソーム阻害剤は、一部のがんを処置するために使用される。17-アリルアミノゲルダナマイシン(17AAG)などのHSP90阻害剤は、現在、がんの臨床試験中である。理論に拘泥するものではないが、近年、RNAプロセシングおよび転写因子シグナル伝達におけるTDP-43の役割への理解が深まってきたので、式(I)の化合物は、がんの処置のために使用することもできる(Lagier-Tourenne, C.ら、(2010年)Hum Mol Genet 19巻:R46~R64頁;Ayala, Y. M.ら、(2008年)Proc Natl Acad Sci U.S.A. 105巻(10号):3785~3789頁)。さらに、TDP-43モジュレーターは、1つまたは複数のがん治療、例えば化学療法および放射線治療と組み合わせることができる。
対象の「がん」は、がんを引き起こす細胞に典型的な、細胞が有している特徴、例えば制御の効かない増殖、不死、転移潜在可能性、急速な成長および増殖速度、ならびにある特定の特徴的な形態学的特色の存在を指す。がん細胞は、しばしば腫瘍の形態をとるが、このような細胞は、動物体内で単独で存在する場合があり、または白血病細胞などの非腫瘍がん細胞であり得る。一部の環境において、がん細胞は、腫瘍の形態をとり、このような細胞は、動物体内に局所的に存在するか、または独立な細胞、例えば白血病細胞として血流を循環している場合がある。がんの例としては、これらに限定されないが、乳がん、黒色腫、副腎がん、胆道がん、膀胱がん(bladder cancer)、脳または中枢神経系がん、気管支がん、芽細胞腫、癌腫、軟骨肉腫、口腔または咽頭のがん、子宮頸がん、結腸がん、結腸直腸がん、食道がん、消化管がん、膠芽腫、肝癌、肝細胞癌、腎臓がん、白血病、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、非小細胞肺がん、眼科がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、末梢神経系がん、前立腺がん、肉腫、唾液腺がん、小腸または虫垂がん、小細胞肺がん、扁平細胞がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、膀胱がん(urinary bladder cancer)、子宮または子宮内膜がん、外陰部がん等が挙げられる。
他の例示的ながんとしては、これらに限定されないが、ACTH生成腫瘍、急性リンパ性白血病、急性非リンパ球性白血病、副腎皮質のがん、膀胱がん(bladder cancer)、脳がん、乳がん、子宮頸がん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、子宮内膜がん、食道がん、ユーイング肉腫、胆嚢がん、有毛細胞白血病、頭部および頸部癌、眼科がん、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎臓がん、肝臓がん、肺がん(小細胞および/または非小細胞)、悪性腹水、悪性胸水、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、骨肉腫、卵巣がん、卵巣(胚細胞)がん、前立腺がん、膵臓がん、陰茎がん、網膜芽細胞腫、皮膚がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、絨毛性新生物、子宮がん、腟がん、外陰のがん、ウィルムス腫瘍等が挙げられる。
例示的なリンパ腫としては、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫が挙げられる。非ホジキンリンパ腫のさらなる例としては、これらに限定されないが、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、有毛細胞白血病、および原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫)ならびにT細胞リンパ腫(例えば、前駆T-リンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫(例えば、くすぶり型成人T細胞リンパ腫、慢性成人T細胞リンパ腫、急性成人T細胞リンパ腫、リンパ腫性成人T細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性天然キラーT細胞リンパ腫鼻型(ENKL)、腸症関連腸管T細胞リンパ腫(EATL)(例えば、I型EATLおよびII型EATL)、および退形成大細胞型リンパ腫(ALCL))が挙げられる。
眼科疾患:本明細書で定義される眼科疾患および障害(例えば、網膜疾患および障害)は、網膜および目の他の部分に影響を及ぼし、視覚障害および失明に寄与するおそれがある。いくつかの眼科疾患(例えば、網膜疾患)は、目の細胞、例えば網膜細胞および近くの組織内またはそれらの間へのタンパク質封入体およびストレス顆粒の蓄積によって特徴付けられる。さらに、眼科疾患(例えば、網膜疾患)はまた、神経変性(neurogenerative)疾患、例えばALSおよびFTDの症状またはその前駆状態であり得る(Ward, M.E.ら、(2014年)J Exp Med 211巻(10号):1937頁)。したがって、式(I)の化合物を含めた、タンパク質封入体およびストレス顆粒の形成を阻害することができる化合物の使用は、眼科疾患(例えば、網膜疾患)の防止または処置において重要な役割を果たすことができる。
例示的な眼科疾患(例えば、網膜疾患)としては、これらに限定されないが、黄斑変性症(例えば、加齢性黄斑変性症)、糖尿病網膜症、ヒストプラスマ症、黄斑円孔、黄斑パッカー、ビエッティ結晶性ジストロフィー、網膜剥離、網膜菲薄化、網膜芽細胞腫、早産児の網膜症、アッシャー症候群、硝子体剥離、レフサム病、網膜色素変性症、オンコセルカ症、全脈絡膜萎縮、レーバー先天黒内障、網膜分離症(例えば、若年性網膜分離症)、シュタルガルト病、眼筋麻痺等が挙げられる。
ウイルス感染:ストレス顆粒は、ウイルス感染がしばしば細胞再生機構をウイルスタンパク質の生成に向かわせるので、ウイルス疾病中にしばしば形成される。この場合、ストレス顆粒の阻害剤は、ウイルス機能を妨害するのに有用となり得る。他のウイルスは、SG形成を阻害して、細胞がストレス応答を動員しないようにするように見える。このような場合、ストレス顆粒の誘導物質は、ウイルス活性を妨害し、ウイルス感染と戦う助けとなり得る(例えば、サルブリナール、eIF2aホスファターゼ阻害剤およびストレス顆粒誘導物質)。SGの生態について研究されてきた2種のウイルスには、ウエストナイルウイルスおよび呼吸器合胞体ウイルス(RSV)が含まれる(Emara, M.E.およびBrinton, M. A.(2007年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 104巻(21号):9041~9046頁)。したがって、式(I)の化合物を含めた、タンパク質封入体およびストレス顆粒の形成を阻害することができる化合物の使用は、ウイルス感染の防止および/または処置のために有用となり得る。
例示的なウイルスとしては、これらに限定されないが、ウエストナイルウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、肝炎A、B、C、およびDウイルス、ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、水疱、トリインフルエンザウイルス、痘瘡、ポリオウイルス、HIV、エボラウイルス等が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「化合物」および「薬剤」という用語は、本発明の阻害剤/アンタゴニスト/アゴニストを指すために交換可能に使用される。ある特定の実施形態では、化合物は、例えば、7500amu未満、好ましくは5000amu未満、さらにより好ましくは2000、1500、1000、750、600、または500amu未満の分子量を有する、有機または無機小分子である。ある特定の実施形態では、あるクラスの有機または無機小分子は、非ペプチジル性であり、例えば、ペプチドおよび/または糖類連結を2つ、1つ含有するか、または含有していない。
別段指定されない限り、本明細書で使用される成分の量または反応条件を表すあらゆる数は、すべての場合において「約」という用語によって修正されると理解されたい。「約」という用語は、百分率と併せて使用される場合、±1%を意味することができる。
単数を示す「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」という用語は、文脈によって別段明らかに示されない限り、1つまたは2つ以上を指す。同様に、「または」という語は、文脈によって別段明らかに示されない限り、「および」を含むことが企図される。
本明細書で使用される場合、「投与する」という用語は、所望の効果がもたらされるように、所望の部位に組成物を少なくとも部分的に局在させる方法または経路によって組成物が対象内に置かれることを指す。本明細書に記載される化合物または組成物は、これに限定されるものではないが、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、気道(エアロゾル)、肺、経鼻、直腸、髄腔内および局所(口腔内頬側および舌下を含む)投与を含む、経口または非経口経路を含む当技術分野で公知の任意の適切な経路によって投与され得る。
「低減する」、「低下した」、「低下」、「低減する」または「阻害する」という用語は、本明細書では一般に、すべて統計的に有意な量の低減を意味するために使用される。一部の実施形態では、「低下した」、「低下」、「低減する」または「阻害する」という用語は、参照レベルと比較して少なくとも0.1%の低減、例えば少なくとも約1%、もしくは少なくとも約5%、もしくは少なくとも約10%、もしくは少なくとも約15%、もしくは少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは100%を含み100%まで(例えば、参照試料と比較して存在しないレベル)の低減、または参照レベルと比較して1~100%の間、例えば10~100%の間のいずれかの低減を意味する。
「増大した」、「増大する」、「増強する」または「活性化する」という用語は、本明細書では一般に、すべて統計的に有意な量の増大を意味するために使用される。一部の実施形態では、「増大した」、「増大する」、「増強する」または「活性化する」という用語は、参照レベルと比較して、少なくとも0.1%の増大、例えば少なくとも約1%、もしくは少なくとも約5%、もしくは少なくとも約10%、もしくは少なくとも約15%、もしくは少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは100%を含み100%まで(例えば、参照試料と比較して存在しないレベル)の低減、または参照レベルと比較して1~100%の間、例えば10~100%の間のいずれかの増大を意味する。
疾患または障害の「処置」、「防止」または「改善」とは、このような疾患または障害の発症の遅延または防止、このような疾患または障害と関連する状態の進行、増悪もしくは悪化、または重症化の、逆転、軽減、改善、阻害、緩徐または停止を意味する。一実施形態では、疾患または障害の少なくとも1つの症状は、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約15%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%軽減される。
本明細書で使用される場合、障害(例えば、本明細書に記載される障害)を処置するのに有効な化合物または組合せの量、「治療有効量」または「有効量」は、対象の処置において、または障害(例えば、本明細書に記載される障害)を有する対象の治癒、軽減、緩和もしくは改善において、対象に単回用量または複数回用量で投与されると、このような処置が行われない状態で予測される以上に有効となる、化合物または組合せの量を指す。治療有効量の決定は、十分に当業者の技術の範囲内にある。一般に、治療有効量は、対象の病歴、年齢、状態、性別、ならびに対象における病状の重症度およびタイプ、ならびに他の薬学的に活性な薬剤の投与に伴って変わり得る。
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒトまたは動物を意味する。通常、動物は、霊長類、げっ歯類、家畜または狩猟動物などの脊椎動物である。霊長類には、チンパンジー、カニクイザル(cynomologous monkey)、クモザル、およびマカク、例えば、アカゲザルが含まれる。げっ歯類には、マウス、ラット、ウッドチャック、フェレット、ウサギおよびハムスターが含まれる。家畜および狩猟動物には、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、水牛、ネコ科、例えば飼いネコ、イヌ科、例えば、イヌ、キツネ、オオカミ、鳥類、例えば、ニワトリ、エミュー、ダチョウ、および魚類、例えば、マス、ナマズおよびサケが含まれる。患者または対象には、前述の任意のサブセット、例えばヒト、霊長類またはげっ歯類などの1つまたは複数の群または種を除く上述のすべてが含まれる。ある特定の実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば霊長類、例えばヒトである。「患者」および「対象」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。「患者」および「対象」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。
「核酸」という用語は、本明細書で使用される場合、リボヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチドのいずれかのヌクレオチドの多量体型、またはいずれかのタイプのヌクレオチドの修飾形態を指す。この用語はまた、等価物として、ヌクレオチド類似体から作成されたRNAまたはDNAのいずれかの類似体を含み、記載される実施形態に適用できるものとして、一本鎖(例えばセンスまたはアンチセンス)および二本鎖ポリヌクレオチドを含むと理解されたい。
本明細書で使用される場合、「ストレス顆粒のモジュレーター」および「ストレス顆粒モジュレーター」という用語は、ストレス顆粒の形成および/または脱凝集をモジュレートする、式(I)の化合物および組成物を指す。
「TDP-43封入体」という用語は、本明細書で使用される場合、TDP-43タンパク質を含むタンパク質凝集体を指す。封入体におけるTDP-43タンパク質は、野生型またはTDP-43の変異型であってよい。
本明細書で使用される場合、「TDP-43封入体のモジュレーター」および「TDP-43封入体モジュレーター」という用語は、細胞質のTDP-43封入体の形成および/または脱凝集をモジュレートする、式(I)および式(II)の化合物および組成物を指す。
変数が2回以上現れる本発明の化合物では、各変数は、その変数を定義付けるマーカッシュ群から選択された異なる部分であり得る。例えば、同じ化合物上に同時に存在する2つのR基を有する構造が記載される場合、その2つのR基は、Rについて定義されたマーカッシュ群から選択される異なる部分を表すことができる。
さらに、明確にするために別個の実施形態の文脈で記載される本発明のある特定の特色は、組み合わせて単一の実施形態として提供することもできると理解される。それとは逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載される本発明の様々な特色は、別個に、または任意の適切な副組合せで提供することもできる。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、2~24個の炭素原子、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有し、三重結合を有していない、直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す(「C2~C24アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2~C10アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~C8アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~C6アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~C5アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~C4アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~C3アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。1つまたは複数の炭素-炭素二重結合は、内部にあってよく(2-ブテニルにおけるように)または末端にあってもよい(1-ブテニルにおけるように)。C2~C4アルケニル基の例としては、エテニル(C2)、1-プロペニル(C3)、2-プロペニル(C3)、1-ブテニル(C4)、2-ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)等が挙げられる。C2~C6アルケニル基の例としては、前述のC2~4アルケニル基、およびペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)等が挙げられる。アルケニルのさらなる例としては、ヘプテニル(C7)、オクテニル(C8)、オクタトリエニル(C8)等が挙げられる。アルケニル基の各場合は、独立に、必要に応じて置換されていてよく、すなわち、非置換であってよく(「非置換アルケニル」)、または1つもしくは複数の置換基で、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換されていてよい(「置換アルケニル」)。ある特定の実施形態では、アルケニル基は、非置換C2~10アルケニルである。ある特定の実施形態では、アルケニル基は、置換C2~6アルケニルである。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、2~24個の炭素原子、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す(「C2~C24アルケニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2~C10アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~C8アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~C6アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~C5アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~C4アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~C3アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。1つまたは複数の炭素-炭素三重結合は、内部にあってよく(2-ブチニルにおけるように)または末端にあってもよい(1-ブチニルにおけるように)。C2~C4アルキニル基の例としては、エチニル(C2)、1-プロピニル(C3)、2-プロピニル(C3)、1-ブチニル(C4)、2-ブチニル(C4)等が挙げられる。アルキニル基の各場合は、独立に、必要に応じて置換されていてよく、すなわち、非置換であってよく(「非置換アルキニル」)、または1つもしくは複数の置換基で、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換されていてよい(「置換アルキニル」)。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、非置換C2~10アルキニルである。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、置換C2~6アルキニルである。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」という用語は、少なくとも1個の炭素原子、ならびにO、N、P、SiおよびSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、非環式の安定な直鎖もしくは分岐鎖、またはそれらの組合せを指し、ここで、窒素原子および硫黄原子は、必要に応じて酸化されていてよく、窒素ヘテロ原子は、必要に応じて四級化されていてよい。ヘテロ原子O、N、P、S、およびSiは、ヘテロアルキル基の任意の位置にあってよい。例示的なヘテロアルキル基としては、これらに限定されないが、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-NHCH2-、-C(O)NH-、-C(O)N(CH3)、-C(O)N(CH2CH3)-、-C(O)N(CH2CF3)-、-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-Si(CH3)3、-CH2-CH=N-OCH3、-CH=CH-N(CH3)-CH3、-O-CH3、および-O-CH2-CH3が挙げられる。例えば、-CH2-NH-OCH3および-CH2-O-Si(CH3)3などのように、2個または3個までのヘテロ原子が連続していてよい。「ヘテロアルキル」が記載された後、特定のヘテロアルキル基、例えば-CH2O、-NRCRD等が記載されている場合、そのヘテロアルキルという用語および-CH2Oまたは-NRCRDは、重複しておらず、または互いに排他的ではないことが理解されよう。むしろ、特定のヘテロアルキル基は、透明性を確保するために記載される。したがって、「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書では、-CH2O、-NRCRD等の特定のヘテロアルキル基を排除するものと解釈されるべきではない。
本明細書で使用される場合、「アリール」は、芳香環系に提供された6~14個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する、単環式または多環式(例えば、二環式もしくは三環式)の4n+2芳香環系(例えば、環式配列に共有された6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「C6~C14アリール」)。一部の実施形態では、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」、例えばフェニル)。一部の実施形態では、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」、例えばナフチル、例えば1-ナフチルおよび2-ナフチル)。一部の実施形態では、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」、例えばアントラシル)。アリール基は、例えば、C6~C10員のアリールとして記載することができ、ここで「員の」という用語は、その部分に存在する非水素環原子を指す。アリール基には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基の各場合は、独立に、必要に応じて置換されていてよく、すなわち、非置換であってよく(「非置換アリール」)、または1つもしくは複数の置換基で置換されていてよい(「置換アリール」)。ある特定の実施形態では、アリール基は、非置換C6~C14アリールである。ある特定の実施形態では、アリール基は、置換C6~C14アリールである。
「アリール」には、先に定義されたアリール環が、1つまたは複数のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基と縮合しており、その結合点がアリール環上にある環系も含まれ、このような場合、炭素数は、続けてアリール環系における炭素数を示す。このタイプの例示的な環系としては、インダニル、テトラヒドロナフチル、およびテトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、芳香環系に提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される、5~10員の単環式または二環式4n+2芳香環系(例えば、環式配列に共有された6または10個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「5~10員のヘテロアリール」)。1つまたは複数の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、結合点は、価数が可能な限り炭素原子または窒素原子であってよい。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1つまたは複数のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロアリール」には、先に定義されたヘテロアリール環が、1つまたは複数のアリール基と縮合しており、その結合点がアリール環またはヘテロアリール環上にある環系も含まれ、このような場合、環員数は、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系における環員数を示す。一方の環がヘテロ原子を含有していない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリル等)において、結合点は、いずれかの環上にあってよく、すなわち、ヘテロ原子を担持している環(例えば、2-インドリル)、またはヘテロ原子を含有していない環(例えば、5-インドリル)上のいずれかにあってよい。ヘテロアリール基は、例えば、6~10員のヘテロアリールとして記載することができ、ここで「員の」という用語は、その部分に存在する非水素環原子を指す。
一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系に提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される、5~10員の芳香環系である(「5~10員のヘテロアリール」)。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系に提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される、5~8員の芳香環系である(「5~8員のヘテロアリール」)。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系に提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される、5~6員の芳香環系である(「5~6員のヘテロアリール」)。一部の実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基の各場合は、独立に、必要に応じて置換されていてよく、すなわち、非置換であってよく(「非置換ヘテロアリール」)、または1つもしくは複数の置換基で置換されていてよい(「置換ヘテロアリール」)。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、5~14員の非置換ヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、5~14員の置換ヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基としては、限定されないが、ピロリル、フラニルおよびチオフェニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基としては、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基としては、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルが挙げられる。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基としては、限定されないが、テトラゾリルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリジニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられる。3個または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基としては、限定されないが、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロアリール基としては、限定されないが、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルが挙げられる。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられる。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられる。他の例示的なヘテロアリール基としては、ヘムおよびヘム誘導体が挙げられる。「ヘテロアリール」には、先に定義されたヘテロアリール環が、1つまたは複数のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基と縮合しており、その結合点がヘテロアリール環上にある環系も含まれ、このような場合、炭素数は、続けてヘテロアリール環系における炭素数を示す。このタイプの例示的な環系としては、7,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[4,3-b]ピリジンおよび1,4,6,7-テトラヒドロピラノ(tetahydropyrano)[4,3-b]ピロールが挙げられる。
「ヘテロシクリル」は、本明細書で使用される場合、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子が、独立に窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される、3~10員の非芳香環系のラジカルを指す(「3~10員のヘテロシクリル」)。1つまたは複数の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、結合点は、価数が可能な限り炭素原子または窒素原子であってよい。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)であるか、または縮合、架橋もしくはスピロ環系、例えば二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)であってよく、かつ飽和していてよく、または部分的に不飽和であってよい。ヘテロシクリル二環式系は、一方または両方の環に1つまたは複数のヘテロ原子を含むことができる。「ヘテロシクリル」には、先に定義されたヘテロシクリル環が、1つもしくは複数のシクロアルキル基と縮合しており、その結合点がシクロアルキル環もしくはヘテロシクリル環上にある環系、または先に定義されたヘテロシクリル環が、1つもしくは複数のアリール基もしくはヘテロアリール基と縮合しており、その結合点がヘテロシクリル環上にある環系も含まれ、このような場合、環員数は、続けてヘテロシクリル環系における環員数を示す。ヘテロシクリル基は、例えば3~7員のヘテロシクリルとして記載することができ、ここで「員の」という用語は、その部分に存在する非水素環原子、すなわち炭素、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素を指す。ヘテロシクリルの各場合は、独立に、必要に応じて置換されていてよく、すなわち、非置換(「非置換ヘテロシクリル」)であってよく、または1つもしくは複数の置換基で置換されていてよい(「置換ヘテロシクリル」)。ある特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、3~10員の非置換ヘテロシクリルである。ある特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、3~10員の置換ヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子が、独立に窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される、5~10員の非芳香環系である(「5~10員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子が、独立に窒素、酸素、および硫黄から選択される、5~8員の非芳香環系である(「5~8員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子が、独立に窒素、酸素、および硫黄から選択される、5~6員の非芳香環系である(「5~6員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、アジリジニル(azirdinyl)、オキシラニル、チオレニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル-2,5-ジオンが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル(oxasulfuranyl)、ジスルフラニル(disulfuranyl)、およびオキサゾリジン-2-オンが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアジナニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員のヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゾカニル、オキセカニル(oxecanyl)、およびチオカニルが挙げられる。C6アリール環に縮合した例示的な5員のヘテロシクリル基(本明細書では5,6-二環式複素環式環とも呼ばれる)としては、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニル等が挙げられる。アリール環に縮合した例示的な6員のヘテロシクリル基(本明細書では6,6-二環式複素環式環とも呼ばれる)としては、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ハロ」または「ハロゲン」は、独立に、または別の置換基の一部として、別段指定されない限り、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)原子を意味する。
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」には、1つもしくは複数のハロ基で、またはそれらの組合せで置換されたアルキル構造が含まれ得る。例えば、「フルオロアルキル」という用語には、ハロがフッ素であるハロアルキル基(例えば、-C1~C6アルキル-CF3、-C1~C6アルキル-C2F)が含まれる。ハロアルキルの非限定的な例としては、トリフルオロエチル、トリフルオロプロピル、トリフルオロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル(diflurormethyl)、およびフルオロイソプロピル(fluroisopropyl)が挙げられる。
2つまたはそれよりも多い置換基は、必要に応じて結合して、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリル基を形成することができる。このようないわゆる環を形成する置換基は、典型的に、環式ベース構造に結合していることが見出されるが、そのことは必ずしも必要ではない。一実施形態では、環を形成する置換基は、ベース構造の隣接する環員に結合している。例えば、環式ベース構造の隣接する環員に結合している2つの環を形成する置換基は、縮合環構造を作製する。別の実施形態では、環を形成する置換基は、ベース構造の単一環員に結合している。例えば、環式ベース構造の単一環員に結合している、2つの環を形成する置換基は、スピロ環構造を作製する。さらに別の実施形態では、環を形成する置換基は、ベース構造の隣接していない環員に結合している。
本明細書で記載される化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含むことができ、したがって、様々な異性体形態、例えば、鏡像異性体および/またはジアステレオマーで存在することができる。例えば、本明細書に記載される化合物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは幾何異性体の形態であってよく、またはラセミ混合物および1つもしくは複数の立体異性体が濃縮された混合物を含めた立体異性体の混合物の形態であってよい。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ならびにキラル塩の形成および結晶化を含めた、当業者に公知の方法によって、混合物から単離することができ、または好ましい異性体を、不斉合成によって調製することができる。例えば、Jacquesら、Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley Interscience, New York、1981年)、Wilenら、Tetrahedron 33巻:2725頁(1977年);Eliel、Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill、NY、1962年)、およびWilen、Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions 268頁(E.L. Eliel、編、Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN、1972年)を参照されたい。本発明は、さらに、本明細書で記載される化合物を、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、あるいは様々な異性体の混合物として包含する。
本明細書で使用される場合、純粋な鏡像異性化合物は、化合物の他の鏡像異性体または立体異性体を実質的に含まない(すなわち、鏡像体過剰である)。換言すれば、化合物の「S」体は、化合物の「R」体を実質的に含まず、したがって「R」体の鏡像体過剰である。「鏡像異性的に純粋な」または「純粋な鏡像異性体」という用語は、化合物が、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、91重量%超、92重量%超、93重量%超、94重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、99重量%超、99.5重量%超、または99.9重量%超の鏡像異性体を含むことを示す。ある特定の実施形態では、重量は、化合物のあらゆる鏡像異性体または立体異性体の総重量に対する重量である。
本明細書で提供される組成物において、鏡像異性的に純粋な化合物は、他の活性または不活性成分と共に存在することができる。例えば、鏡像異性的に純粋なR-化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の添加剤および約10%の鏡像異性的に純粋なR-化合物を含むことができる。ある特定の実施形態では、このような組成物における鏡像異性的に純粋なR-化合物は、例えば、化合物の総重量に対して少なくとも約95重量%のR-化合物、および最大約5重量%のS-化合物を含むことができる。例えば、鏡像異性的に純粋なS-化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の添加剤および約10%の鏡像異性的に純粋なS-化合物を含むことができる。ある特定の実施形態では、このような組成物における鏡像異性的に純粋なS-化合物は、例えば、化合物の総重量に対して少なくとも約95重量%のS-化合物、および最大約5重量%のR-化合物を含むことができる。ある特定の実施形態では、活性成分は、添加剤または担体をほとんどまたはまったく含まずに製剤化され得る。
「置換」または「で置換された」は、このような置換が、置換原子および置換基の許容される原子価に従って生じ、その置換によって、転位、環化、排除などによる転換を自然発生的には受けない安定な化合物が生じるという暗黙の条件を含むことが理解されよう。
前述の化合物の企図された等価物には、それ以外の点でその化合物に相当し、同じ全般的特性(例えば、TDP-43封入体の形成を阻害する能力)を有する化合物が含まれ、その化合物の有効性に有害な影響を及ぼさない置換基の1つまたは複数の単純な変更が行われる。一般に、本発明の化合物は、例えば下記の通り一般反応スキームに例示される方法によって、またはその改変によって、容易に利用可能な出発材料、試薬、および従来の合成手順を使用して調製することができる。これらの反応において、それら自体が公知であるが、ここでは言及されていない変形形態を使用することも可能である。
本発明の目的では、化学元素は、元素周期表、CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、第67版、1986~87年、表紙裏に従って同定される。また本発明の目的では、「炭化水素」という用語は、少なくとも1個の水素および1個の炭素原子を有する、許容できるあらゆる化合物を含むことが企図される。広範な一態様では、許容できる炭化水素には、非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の有機化合物が含まれ、それらは置換または非置換であってよい。
対象に投与される医薬組成物における式(I)の化合物の量および濃度、ならびに医薬組成物の量は、臨床的に関連する因子、例えば対象の医学的に関連する特徴(例えば、年齢、体重、性別、他の病状等)、医薬組成物への化合物の溶解度、化合物の効力および活性、ならびに医薬組成物の投与方式に基づいて選択することができる。投与経路および投与レジメンに関するさらなる情報については、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;編集委員会の編集長)、Pergamon Press 1990年の5巻、25.3章を参照されたい。
本発明の化合物は、単独で投与することが可能であるが、化合物を、医薬製剤(組成物)として投与することが好ましく、その場合、化合物は、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、添加剤、または担体と組み合わされる。本発明による化合物は、ヒトまたは動物薬において使用するための任意の好都合なやり方で投与するために製剤化され得る。ある特定の実施形態では、医薬調製物に含まれる化合物は、それ自体が活性であってよく、または例えば、生理的状況で活性化合物に変換することができるプロドラッグであってよい。適切な水和形態で使用され得る本発明の化合物および/または本発明の医薬組成物は、選択された投与経路に関係なく、下記のものなどの薬学的に許容される剤形に、または当業者に公知の他の従来の方法によって製剤化される。
したがって、本発明の別の態様は、1種または複数の薬学的に許容される担体(添加物質)および/または賦形剤と一緒に製剤化された治療有効量の前述の化合物の1つまたは複数を含む、薬学的に許容される組成物を提供する。以下に詳説される通り、本発明の医薬組成物は、特に、以下に合わせて適合されたものを含めた固体または液体形態で投与するために製剤化され得る。(1)経口投与、例えば水薬(水性または非水性溶液または懸濁液)、ロゼンジ剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、錠剤(例えば、口腔内頬側、舌下、および全身吸収を標的としたもの)、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、舌に適用するためのペースト剤、(2)例えば、無菌溶液もしくは懸濁液、または徐放製剤としての、例えば皮下、筋肉内、静脈内または硬膜外注射による非経口投与、(3)例えば、皮膚に適用されるクリーム、軟膏、または制御放出パッチもしくはスプレーとしての局所適用、(4)例えば、ペッサリー、クリームまたは発泡体としての腟内または直腸内、(5)舌下、(6)眼、(7)経皮、(8)経粘膜、(9)経鼻、あるいは(10)髄腔内。さらに化合物は、患者に埋め込むことができ、または薬物送達系を使用して注射することができる。例えば、Urquhartら、(1994年)Ann Rev Pharmacol Toxicol 24巻:199~236頁、Lewis編「Controlled Release of Pesticides and Pharmaceuticals」(Plenum Press, New York、1981年)、米国特許第3,773,919号および米国特許第35 3,270,960号を参照されたい。
「治療有効量」という句は、本明細書で使用される場合、例えば、動物の細胞の少なくとも亜集団におけるTDP-43封入体を阻害し、それによって、処置した細胞において機能する生物学的影響を遮断することによって、任意の医学的処置に適用できる妥当な損益比でいくらかの所望の治療効果をもたらすのに有効な、本発明の化合物を含む化合物、材料、または組成物の量を意味する。
「全身投与」、「全身投与された」、「末梢投与」および「末梢投与された」という句は、本明細書で使用される場合、化合物、薬物または他の材料が、中枢神経系に直接入るのではなく、患者の系に入り、したがって代謝および他の同様の過程を受けるような投与、例えば皮下投与を意味する。
「薬学的に許容される」という句は、本明細書では、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしにヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適しており、妥当な損益比に見合うような化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために用いられる。
「薬学的に許容される担体」という句は、本明細書で使用される場合、目的のアンタゴニストを、ある臓器または身体のある部分から、別の臓器または身体の別の部分に担持または輸送する、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば液体または固体充填剤、賦形剤、添加剤、溶媒または被包材料を意味する。各担体は、製剤のその他の成分と適合性があり、患者にとって有害でないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体として働くことができる材料のいくつかの例としては、(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース、(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン、(3)セルロース、およびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース、(4)粉末化トラガント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)添加剤、例えばカカオバターおよび坐剤ワックス、(9)油、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油、(10)グリコール、例えばプロピレングリコール、(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール、(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)発熱物質を含まない水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル溶液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液、(21)シクロデキストリン、例えば、Captisol(登録商標)、ならびに(22)医薬製剤に用いられる、他の非毒性の適合性のある物質が挙げられる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載される化合物上に見出される特定の置換基に応じて、相対的に非毒性の酸または塩基を用いて調製される活性な化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が、相対的に酸性の官能基を含有している場合、このような化合物の中性形態を、十分な量の所望の塩基とそのままで、または適切な不活性溶媒中で接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノもしくはマグネシウム塩、または類似の塩が挙げられる。本発明の化合物が、相対的に塩基性の官能基を含有している場合、このような化合物の中性形態を、十分な量の所望の酸とそのままで、または適切な不活性溶媒中で接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫酸一水素、ヨウ化水素、または亜リン酸などの無機酸から誘導された塩、および酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの有機酸から誘導された塩が挙げられる。アルギニン酸塩などのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などの有機酸の塩も含まれる(例えば、Bergeら、Journal of Pharmaceutical Science 66巻:1~19頁(1977年)を参照されたい)。本発明のある特定の具体的な化合物は、化合物を、塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換することができる、塩基性および酸性官能基の両方を含有する。これらの塩は、当業者に公知の方法によって調製され得る。当業者に公知の他の薬学的に許容される担体も、本発明に適している。
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および賦香剤、保存剤および抗酸化剤も、組成物中に存在することができる。
薬学的に許容される抗酸化剤の例としては、(1)水溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等、(2)油溶性抗酸化剤、例えばパルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロール等、および(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等が挙げられる。
本発明の製剤には、経口、経鼻、局所(口腔内頬側および舌下を含む)、直腸、膣内および/または非経口投与に適した製剤が含まれる。製剤は、好都合には、単位剤形で提示することができ、調剤分野で周知の任意の方法によって調製することができる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主、特定の投与方法に応じて変わることになる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、一般に、治療効果をもたらす化合物の量となる。一般に、この量は、100パーセントのうち約1パーセント~約99パーセントの範囲の活性成分、好ましくは約5パーセント~約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント~約30パーセントの範囲となる。
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、担体、および必要に応じて1種または複数の補助成分と合わせるステップを含む。一般に、製剤は、本発明の化合物を、液体担体、または微粉砕固体担体、またはその両方と均一にかつ充分に合わせ、次に必要ならば生成物を成形することによって調製される。
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれ所定量の本発明の化合物を活性成分として含有する、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(香味付き基剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガントを使用する)、散剤、顆粒剤の形態で、あるいは水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液として、あるいは水中油または油中水液体エマルションとして、あるいはエリキシルまたはシロップとして、あるいはトローチとして(不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアを使用する)および/あるいは洗口剤等として存在することができる。本発明の化合物は、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤として投与することもできる。
経口投与のための本発明の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤等)では、活性成分は、1種または複数の薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/または以下のいずれかと混合される。(1)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸、(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなど、(3)保湿剤、例えばグリセロール、(4)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、バレイショまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケート、および炭酸ナトリウム、(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン、(6)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなど、(8)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物、ならびに(10)着色剤。医薬組成物は、カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、緩衝剤を含むこともできる。ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの添加剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として、類似のタイプの固体組成物を用いることもできる。
錠剤は、必要に応じて1種または複数の補助成分と共に圧縮または成型することによって作成され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性賦形剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散化剤を使用して調製することができる。成型錠剤は、適切な機械で、不活性な液体賦形剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を成型することによって作成することができる。
本発明の医薬組成物の錠剤および他の固体剤形、例えば糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤は、必要に応じて刻み目を付けることができ、またはコーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティングおよび医薬製剤化分野で周知の他のコーティングを用いて調製することができる。錠剤および他の固体剤形は、それに含まれる活性成分を持続放出または制御放出するために、例えば、所望の放出プロファイルをもたらす様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを使用して製剤化することもできる。錠剤および他の固体剤形は、例えば、細菌保持フィルタで濾過することによって、または滅菌水もしくは他の注射可能な滅菌媒体に使用直前に溶解させることができる無菌固体組成物の形態に滅菌剤を取り込むことによって、滅菌することができる。これらの組成物は、必要に応じて乳白剤を含有することもでき、胃腸管のある特定の部分で、必要に応じて遅延方式により活性成分だけをまたは優先的に放出する組成物であってよい。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。活性成分は、適切な場合には、前述の添加剤の1種または複数を伴うマイクロカプセル化形態であってもよい。
本発明の化合物の経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが含まれる。液体剤形は、活性成分に加えて、一般に当技術分野で使用される不活性賦形剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実、落花生、コーン、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などを含有することができる。
懸濁液は、活性な化合物に加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガント、ならびにそれらの混合物としての懸濁化剤を含有することができる。
直腸、膣内、または尿道投与のための本発明の医薬組成物の製剤は、坐剤として提示することができ、これは、本発明の1つまたは複数の化合物を、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチル酸を含み、室温では固体であるが体温では液体となり、したがって直腸または膣腔内で溶融し、活性化合物を放出する、1つもしくは複数の適切な非刺激性の添加剤または担体と混合することによって調製することができる。
あるいはまたはさらには、組成物は、カテーテル、ステント、ワイヤー、または他の腔内デバイスを介する送達のために製剤化することができる。このようなデバイスを介する送達は、心臓、肺、膀胱、尿道、尿管、直腸、または腸への送達に特に有用であり得る。さらに、組成物は、透析ポートを介する送達のために製剤化することができる。
例示的な投与方法としては、これらに限定されないが、注射、注入、滴下注入、吸入、または摂取が挙げられる。「注射」には、限定されないが、脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、脳室内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、脳脊髄内(intracerebro spinal)および胸骨内への注射ならびに注入が含まれる。一部の実施形態では、組成物は、静脈内注入または注射によって投与される。
「非経口投与」および「非経口投与された」という句は、本明細書で使用される場合、経腸および局所投与以外の、通常は注射による投与方法を意味し、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内および胸骨内への注射ならびに注入を含む。非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、本発明の1つまたは複数の化合物を、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、製剤を所期のレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁化剤もしくは増粘剤を含有することができる、1種もしくは複数の薬学的に許容される無菌等張水性または非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルション、または使用直前に注射可能な滅菌溶液もしくは分散液に再構成することができる滅菌散剤と組み合わせて含む。
本発明の医薬組成物において用いることができる適切な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、および適切なそれらの混合物、植物油、例えばオリーブ油、ならびに注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料を使用することによって、分散液の場合には必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持することができる。
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散化剤などのアジュバントを含有することもできる。微生物作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等を含むことによって確保され得る。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム等を組成物に含むことが望ましい場合もある。さらに、注射可能な医薬形態の延長吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの、吸収を遅延させる薬剤を含むことによってもたらすことができる。
ある場合には、薬物の効果を延長させるために、皮下または筋肉内注射による薬物の吸収を緩徐することが望ましい。これは、水溶度が低い結晶または非晶質材料の懸濁液を使用することによって達成することができる。次に、薬物の吸収速度は、その溶解速度に応じて決まり、次に溶解速度は、結晶の大きさおよび結晶形に応じて決まり得る。あるいは、非経口投与される薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。
注射可能なデポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマーにおける目的の化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作成される。薬物のポリマーに対する比率、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射可能な製剤は、身体組織と適合性があるリポソームまたはマイクロエマルションに薬物を封入することによっても調製される。
本発明の化合物は、ヒトおよび動物に治療薬として投与される場合、それ自体で与えることができ、または薬学的に許容される担体と組み合わせて、例えば0.1~99.5%(より好ましくは、0.5~90%)の活性成分を含有する医薬組成物として与えることができる。
動物の餌への本発明の活性化合物の添加は、好ましくは、有効量の活性化合物を含有する適切な餌プレミックスを調製し、そのプレミックスを完全飼料に取り込むことによって達成される。あるいは、活性成分を含有する中間濃縮物または補給食餌を、餌にブレンドすることができる。このような餌プレミックスおよび完全飼料を調製し、投与することができるやり方は、参考文献に記載されている(例えば、「Applied Animal Nutrition」、W.H. Freedman and CO., San Francisco, U.S.A.、1969年または「Livestock Feeds and Feeding」O and B books, Corvallis, Ore., U.S.A.、1977年)。
導入方法は、再充填可能なまたは生分解性デバイスによって提供することもできる。近年、タンパク質性生物製剤を含めた、薬物を制御送達するための様々な持続放出ポリマーデバイスが開発されており、in vivoで試験されている。生分解性ポリマーおよび非分解性ポリマーの両方を含めた様々な生体適合性ポリマー(ヒドロゲルを含む)を使用して、特定の標的部位で化合物を徐放するためのインプラントを形成することができる。
好ましくは、対象は、哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシであってよいが、これらの例に限定されない。ヒト以外の哺乳動物は、神経変性疾患もしくは障害、がん、またはウイルス感染と関連する障害の動物モデルとなる対象として有利に使用され得る。
さらに、本明細書に記載される方法は、家畜動物および/またはペットを処置するために使用することができる。対象は、雄性または雌性であり得る。対象は、神経変性疾患もしくは障害、がんと関連する疾患もしくは障害、ウイルス感染と関連する疾患もしくは障害、またはこのような疾患もしくは障害と関係する1つもしくは複数の合併症に罹患しているか、または有しているが、まだ処置を受ける必要がないと既に診断または同定されている対象であってよい。
選択された投与レベルは、用いられる本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、用いられる特定の化合物の排出速度、処置期間、他の薬物、用いられる特定の化合物と組み合わせて使用される化合物および/または材料、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、全体的な健康状態および既往歴、ならびに医療分野で周知の同様の因子を含めた様々な因子に応じて決まることになる。
当技術分野において通常の技術を有する医師または獣医は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師または獣医は、医薬組成物において用いられる本発明の化合物の用量を、所望の治療効果を達成するために必要なレベルよりも低いレベルで開始し、所望の効果が達成されるまで、投与量を徐々に増大することができる。
化合物および薬学的に活性な薬剤は、同じ医薬組成物または異なる医薬組成物で(同時にまたは異なる時間に)、対象に投与することができる。異なる時間に投与される場合、化合物および薬学的に活性な薬剤は、その他の薬剤の投与から5分、10分、20分、60分、2時間、3時間、4時間、8時間、12時間、24時間以内に投与され得る。阻害剤および薬学的に活性な薬剤が異なる医薬組成物で投与される場合、投与経路は異なっていてよい。
単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる化合物の量は、一般に、治療効果をもたらす阻害剤の量である。一般に、この量は、100パーセントのうち約0.1%~99%の範囲の阻害剤、好ましくは約5%~約70%、最も好ましくは10%~約30%の範囲となる。
細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトに使用するための範囲の投与量を製剤化するのに使用することができる。このような化合物の投与量は、好ましくは、毒性がほとんどまたはまったくないED50を含む循環濃度範囲内にある。投与量は、用いられる剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変わり得る。
投与量は、医師によって決定され、観測された処置の効果に適合するように必要に応じて調整され得る。一般に、組成物は、式(I)の化合物が、1ng/kg~200mg/kg、10ng/kg~100mg/kg、10ng/kg~50mg/kg、100ng/kg~20mg/kg、100ng/kg~10mg/kg、100ng/kg~1mg/kg、1μg/kg~100mg/kg、1μg/kg~50mg/kg、1μg/kg~20mg/kg、1μg/kg~10mg/kg、1μg/kg~1mg/kg、10μg/kg~10mg/kg、10μg/kg~50mg/kg、10μg/kg~20mg/kg、10μg/kg~10mg/kg、10μg/kg~1mg/kg、100μg/kg~50mg/kg、100μg/kg~20mg/kg、1mg/kg~100mg/kg、1mg/kg~50mg/kg、1mg/kg~20mg/kg、1mg/kg~10mg/kg、1μg/kg~10mg/kg、10mg/kg~100mg/kg、10mg/kg~50mg/kg、10mg/kg~20mg/kg、または50mg/kg~100mg/kgの用量で与えられるように投与される。ここで与えられた範囲は、あらゆる中間範囲を含み、例えば、1mg/kg~10mg/kgは、1mg/kg~2mg/kg、1mg/kg~3mg/kg、1mg/kg~4mg/kg、1mg/kg~5mg/kg、1mg/kg~6mg/kg、1mg/kg~7mg/kg、1mg/kg~8mg/kg、1mg/kg~9mg/kg、2mg/kg~10mg/kg、3mg/kg~10mg/kg、4mg/kg~10mg/kg、5mg/kg~10mg/kg、6mg/kg~10mg/kg、7mg/kg~10mg/kg、8mg/kg~10mg/kg、9mg/kg~10mg/kg等を含むことを理解されたい。さらに、上述の範囲の中間範囲、例えば、1mg/kg~10mg/kgの範囲、例えば2mg/kg~8mg/kg、3mg/kg~7mg/kg、4mg/kg~6mg/kg等の用量範囲も、本発明の範囲内であることを理解されたい。
処置の期間および頻度に関して、処置がいつ治療上の利益をもたらすかを決定し、投与量を増大もしくは低減するか、投与頻度を増大もしくは低減するか、処置を中断するか、処置を再開するか、または処置レジメンに他の変更を加えるかどうかを決定するために、典型的に、臨床医は対象をモニタリングする。投与スケジュールは、いくつかの臨床学的因子、例えば薬物に対する対象の感受性に応じて、週1回から毎日まで変わり得る。所望の用量は、一度に投与することができ、または分割用量に、例えば2~4回の分割用量に分け、ある一定期間にわたって、例えば1日もしくは他の適切なスケジュールを通して適切な間隔で投与することができる。このような分割用量は、単位剤形として投与することができる。一部の実施形態では、投与は長期的であり、例えば数週間または数カ月の期間にわたって、1日1回または複数回投与される。投与スケジュールの例は、1週間、2週間、3週間、4週間、1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、または6カ月間またはそれよりも長期間にわたって、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回またはそれよりも多い回数による投与である。
本発明は、前述の医薬組成物および調製物のいずれかにおける目的の化合物の製剤化を企図する。さらに、本発明は、前述の投与経路のいずれかを介する投与を企図する。当業者は、処置される状態、ならびに処置される患者の全般的な健康状態、年齢および背格好を基に、適切な製剤および投与経路を選択することができる。
本発明のより完全な理解を促進するために、実施例を以下に提供する。以下の実施例により、本発明の作製および実施の例示的な様式を説明する。しかし、本発明の範囲は、これらの実施例に開示される具体的な実施形態に限定されるものではなく、これらは説明のみを目的としているが、それは代替的な方法を利用して類似の結果が得られるからである。
一般。すべての酸素および/または水分感受性の反応は、使用前に真空(0.5mmHg)下で火炎乾燥してN
2でパージしたガラス器具内にて、N
2雰囲気下で行った。すべての試薬および溶媒は、商業的供給業者から購入し、受け取ったままの状態で使用するか、または脚注参照に従って合成した。NMRスペクトルは、Bruker400(400MHz
1H、75MHz
13C)またはVarian(400MHz
1H、75MHz
13C)分光計で記録した。プロトンおよび炭素化学シフトは、NMR溶媒を基準としてppm(δ)で報告する。データは次の通りに報告する:化学シフト、多重度(br=幅広、s=一重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項;Hz単位の結合定数)。別段の指示がない限り、NMRデータは25℃で収集した。フラッシュクロマトグラフィーは、100~200メッシュシリカゲルを使用して実施した。液体クロマトグラフィー/質量分析(LCMS)は、Agilent1200HPLCおよび6110MSで実施した。分析薄層クロマトグラフィー(TLC)は、0.2mmシリカゲルプレート上で実施した。可視化は、UV光および過マンガン酸カリウム(KMnO
4)水溶液染色、それに続く加熱により達成した。
(実施例1)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物100)の合成
化合物2の調製のための一般手順:5mLのCHCl
3中のtert-ブチル((1R,3S)-3-アミノシクロヘキシル)カルバメート1(300mg、1.4μmol、1.0当量)、アセトアルデヒド(154mg、1.40μmol、1.00当量)の混合物に、酢酸(25.mg、420μmol、0.30当量)をN
2下で添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いでNaBH
4(53mg、1.4μmol、1.0当量)を添加し、次いでN
2雰囲気下、25℃でさらに11.5時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を5mlの水でクエンチし、5mlずつのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を5mlのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をTLC(酢酸エチル:メタノール=5/1)により精製して、110mgのエチルアミン2を薄黄色ゴム状物として得た。
化合物3の調製のための一般手順:4mLのDMF中の1H-インドール-2-カルボン酸(60mg、372μmol、1.0当量)、アミン2(90mg、372μmol、1.0当量)、HATU(156mg、409μmol、1.1当量)、TEA(56mg、558μmol、1.5当量)の混合物を脱気し、3回パージした。混合物をN2下、25℃で1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を15mlの水でクエンチし、5mlずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を5mlのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をTLC(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製して、85mgのアミド3を無色ゴム状物として得た。
化合物4の調製のための一般手順:2mLの酢酸エチル中のアミド3(85mg、220μmol、1.0当量)の混合物に、5mLの酢酸エチル中4M HCl(91当量)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。これを減圧下で濃縮して、70mgのアミン4(粗製、HCl塩として)を白色固体として得た。この物質をさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物100の調製のための一般手順:3mLのメタノール中のアミン4(HCl塩として55mg、171μmol、1.0当量)の混合物に、TEA(17mg、171μmol、1.0当量)、ベンズアルデヒド(22mg、205μmol、1.2当量)、酢酸(10mg、171μmol、1.0当量)およびNaBH3CN(13mg、205μmol、1.2当量)を順次添加した。混合物をN2雰囲気下、25℃で1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濾過し、濾液をHPLC(TFA条件)により精製して、52mgの化合物100(収率62%、TFA塩)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.61 - 7.66 (m, 1 H) 7.42 - 7.54 (m, 5 H) 7.42 - 7.54 (m, 1 H) 7.20 - 7.27 (m, 1 H) 7.05 - 7.12 (m, 1 H) 6.81 (br s, 1 H) 4.27 (br s, 3 H) 3.70 (br s, 2 H) 3.30 (br s, 1 H) 2.36 (br d, J=10.14 Hz, 1 H) 2.22 (br d, J=8.60 Hz, 1 H) 1.77 - 2.11 (m, 4 H) 1.31 - 1.57 (m, 5 H)
LCMS(ESI+):m/z376.3(M+H)
旋光度:P[α]20
D=-63.22°±3.64°(c=1g/100mLメタノール)
(実施例2)
N-((1S,3R)-3-(ベンジル(メチル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物105)の合成
化合物105の調製のための一般手順:1mLのメタノール中の化合物101(80mg、213μmol、1.0当量)およびパラホルムアルデヒド(19mg、213μmol、1.0当量)の混合物に、酢酸(1.3mg、21.3μmol、0.1当量)、NaBH
3CN(14mg、213μmol、1.0当量)をN
2下、25℃で一度に添加した。混合物を25℃で24時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を濾過し、母液を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、14.8mgの化合物105(収率13.6%、TFA塩)を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ ppm 7.60 (br s, 1 H) 7.38 - 7.51 (m, 6 H) 7.21 (br s, 1 H) 7.06 (br s, 1 H) 6.79 (br s, 1 H) 4.52 (br d, J=13.45 Hz, 1 H) 4.37 (br s, 1 H) 4.20 (br d, J=13.01 Hz, 1 H) 3.72 (br s, 2 H) 3.46 (br s, 1 H) 2.75 (br d, J=5.73 Hz, 3 H) 2.01 - 2.29 (m, 4 H) 1.82 - 1.95 (m, 2 H) 1.63 (br d, J=13.67 Hz, 2 H) 1.34 (br d, J=4.41 Hz, 3 H)
LCMS(ESI+):m/z390.3(M+H)
(実施例3)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((3-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物106)およびN-エチル-N-((1S,3S)-3-((3-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物107)の合成
化合物6の調製のための一般手順:30mLのメタノール中の化合物5(3.0g、14.0mmol、1.0当量)、エタンアミン(951mg、21mmol、1.5当量)、酢酸(84.5mg、1.4mmol、81μL、0.1当量)の混合物を、25℃で0.5時間撹拌した。混合物に、NaBH
3CN(1.8g、28mmol、2.0当量)を添加し、次いで混合物を25℃で11時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を、10mLの水を添加することによりクエンチし、次いで減圧下で濃縮してメタノールを除去した。これを20mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を20mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3.8gの所望の化合物6を粗黄色油状物として得た。
化合物7の調製のための一般手順:25℃で0.5時間撹拌した25mLのDMF中の1H-インドール-2-カルボン酸(1.3g、8.3mmol、1.0当量)、HATU(3.1g、8.3mmol、1.0当量)、TEA(1.3g、12.4mmol、1.5当量)の混合物に、化合物6(2.0g、8.3μmol、1.0当量)を添加した。混合物を25℃で11.5時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を30mLの酢酸エチルで希釈し、30mLの水で2回洗浄した。合わせた有機層を50mLのブラインで5回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=100:1~3:1)により精製して、1.3gの化合物7(収率39%)を白色固体として得た。
化合物8の調製のための一般手順:6mLの酢酸エチル中4M HCl中の化合物7(750mg、2.0mmol、1.0当量)の混合物を、25℃で0.5時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を減圧下で濃縮して、560mgの化合物8を白色固体として得た(HCl塩として粗製のまま使用した)。
化合物106および107の調製のための一般手順:1mLのメタノール中の化合物8(80.0mg、250μmol、1.0当量、HCl)、3-フルオロベンズアルデヒド(46mg、373μmol、1.5当量)、酢酸(7.5mg、124μmol、0.5当量)およびTEA(12.6mg、124μmol、0.5当量)の混合物に、NaBH3CN(31.2mg、497μmol、2.0当量)を添加し、混合物を25℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで濾過した。残留物を分取HPLC(中性条件)により精製して、42.5mgの化合物106(収率43%)を白色固体として、14.8mgの化合物107(収率14.5%)を薄黄色固体として得た。
(実施例4)
N-((1S,3R)-3-ベンズアミドシクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物200)の合成
化合物200の調製のための一般手順:2mLのジクロロメタン中の化合物8(100mg、311μmol、1.0当量、HCl)、TEA(157mg、1.6μmol、215μL、5.0当量)の混合物に、塩化ベンゾイル(65.5mg、466μmol、54μL、1.5当量)を0℃で添加し、混合物を25℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで濾過した。残留物を分取HPLC(中性条件)により精製して、32.7mgの化合物200を白色固体(収率27%)として得た。
(実施例5)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((4-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物123)の合成
化合物16の調製のための一般手順:2.5Lのメタノール中の化合物15(95.0g、832.0mmol、1.0当量)の混合物に、NiCl
2・6H
2O(197.8g、832.0mmol、1.0当量)を5回に分けて25℃で1時間添加した。次いで、混合物を25℃でさらに12時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濾過して、190.0gの粗生成物化合物16を得、これをさらに精製することなく使用した。
化合物17の調製のための一般手順:900mLの水中の化合物16(190.0g、785.9mmol、1.0当量)、HCl(238.8g、2.4mol、234.1mL、純度36%、3.0当量)の混合物を、70~80℃で4時間撹拌した。反応をHPLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を減圧下で濃縮して、水を除去した。残留物を800mLのエタノールで希釈し、25℃で0.5時間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを500mLずつのエタノールで2回洗浄して、43.0gの化合物17(収率29%、2HCl塩)を桃色固体として得、これをさらに精製することなく使用した。
化合物18の調製のための一般手順:560mLのエタノールおよび350mLの水中の化合物17(71.0g、379.5mmol、1.0当量、2HCl塩)の溶液に、NaHCO3(111.6g、1.3mol、3.5当量)を添加した。次いで、70mLのジオキサン中のベンジルカルボノクロリデート(68.0g、398mmol、56.6mL、1.05当量)を、0℃で0.5時間滴下添加した。混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、残っている反応物17が約10%になるまで行った。反応混合物を濃縮して、溶媒を除去した。混合物を1N HClの添加によりpH約1に酸性化した。水性混合物を500mLずつのジクロロメタンで2回抽出した。水溶液を、添加したNaOHの添加によりpH約13に塩基性化し、次いでこれを800mLずつのジクロロメタンで4回抽出した。合わせた有機層を1000mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、46gの化合物18(収率49%)を白色固体として得た。
化合物19Aの調製のための一般手順:600mLのメタノール中の化合物18(40.0g、161.1mmol、1.0当量)の溶液に、L-酒石酸(24.2g、161.1mmol、1.0当量)を添加し、混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を60℃に加熱し、60℃で5時間撹拌した。混合物を冷却し、濾過し、濾過ケーキを200mLのメタノールで洗浄した。濾過ケーキを100mLの水に溶解し、pHを15%NaOH水溶液で約12に調整した。これを100mLずつのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して、17gの化合物19A(収率43%)を白色固体として得、これを精製することなく次の反応を行うのに使用した。
化合物20の調製のための一般手順:20mLのCHCl3中の化合物19A(5.0g、20.1mmol、1.0当量)、アセトアルデヒド(2.2g、20.1mmol、2.8mL、1.0当量)、酢酸(363mg、6.0mmol、0.34mL、0.3当量)の混合物を、15℃で1時間撹拌した。NaBH4(762mg、20.1mmol、1.0当量)を添加し、混合物をN2雰囲気下、15℃でさらに11時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を20mLの水と20mLのジクロロメタンとの間で分配した。有機相を分離し、20mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で0~20%メタノール:酢酸エチル勾配の溶離液)により精製して、3.7gの化合物20(収率66%)を白色固体として得た。
化合物21の調製のための一般手順:30mLのDMF中の化合物20(2.7g、9.8mmol、1.0当量)、1H-インドール-2-カルボン酸(1.6g、9.8mmol、1.0当量)、HATU(4.5g、11.7mmol、1.2当量)、TEA(2.0g、19.5mmol、2.7mL、2.0当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を50mLの水と100mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、150mLの水および50mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);80g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で0~40%酢酸エチル:石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、2.8gの粗化合物21(収率64%)を白色泡状物として得、これを次のステップに直接使用した。
化合物4の調製のための一般手順:5mLのメタノール中の化合物21(2.7g、4.2mmol、1.0当量)、Pd/C(100mg、純度50%)の混合物を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2雰囲気(15psi)下、15℃で0.5時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、1.6gの粗化合物4を白色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物123の調製のための一般手順:2mLのメタノール中の化合物4(50.0mg、175.2μmol、1.0当量)、4-フルオロベンズアルデヒド(21.7mg、175μmol、1.0当量)、酢酸(10.5mg、175μmol、1.0当量)、NaBH
3CN(22.0mg、350μmol、2.0当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濾過し、濾液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、60.8mgの化合物123(収率66.0%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例6)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((3-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキサミド(化合物150)の合成
化合物24の調製のための一般手順:6mLのDMF中の化合物20(200.0mg、723.7μmol、1.0当量)、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸(117.3mg、723.7μmol、1.0当量)、HATU(275mg、724μmol、1.0当量)、TEA(146.5mg、1.5μmol、2.0当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を10mLの水と20mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、30mLの水および10mLのブラインで3回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取TLC(酢酸エチル:石油エーテル=3:1)により精製して、100mgの化合物24(収率33%)を無色ゴム状物として得た。
化合物25の調製のための一般手順:5mLのメタノールおよび5mLの酢酸エチル中の化合物24(100.0mg、238μmol、1.0当量)、Pd/C(100.0mg、純度50%)、NH3.H2O(0.5mL)の混合物を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2雰囲気(15psi)下、15℃で0.5時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、60mgの粗化合物25を白色ゴム状物として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物150の調製のための一般手順:2mLのメタノール中の粗化合物25(20.0mg、69.8μmol、1.0当量)、3-フルオロベンズアルデヒド(13.0mg、104.7μmol、1.5当量)、酢酸(4.2mg、69.8μmol、1.0当量)、NaBH
3CN(8.8mg、140μmol、2.0当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、18℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濾過し、濾液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、15.8mgの化合物150(収率43%、TFA塩)を無色ゴム状物として得た。
(実施例7)
N-((1S,3R)-3-((3-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物170)の合成
化合物26の調製のための一般手順:10mLのメタノール中の化合物19A(1.0g、4.0mmol、1.0当量)、メチル2,2,2-トリフルオロアセテート(1.6g、12.1mmol、3.0当量)の混合物を、80℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を減圧下で濃縮して、固体を得た。固体を10mLのHCl(1M)で希釈し、20mLの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を25mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.39gの所望の化合物26を粗白色固体として得た。
化合物27の調製のための一般手順:10mLのTHF中の化合物26(1.39g、4.0mmol、1.0当量)の混合物に、BH3・THF(1M、12.1mL、3.0当量)を25℃で添加し、次いで混合物をN2雰囲気下、70℃で24時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。混合物を、15mLのメタノールおよび6mLのHCl(1M)を添加することおよび70℃で1時間撹拌することによりクエンチした。混合物を濃縮して、油状物を得た。油状物を20mLの水で希釈し、Na2CO3によりpH=9~10に塩基性化し、次いで15mLの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を20mLのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=50:1~2:1)により精製して、700mgの化合物27(収率53%)を白色固体として得た。
化合物28の調製のための一般手順:5mLのピリジン中の化合物27(320mg、969μmol、1.0当量)、1H-インドール-2-カルボン酸(156mg、969μmol、1.0当量)の混合物に、POCl3(446mg、2.9mmol、3.0当量)を0℃で添加し、次いで混合物を25℃で1時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物に13mLの飽和NH4Clを滴下添加してPOCl3をクエンチし、次いで混合物を減圧下で濃縮してピリジンおよび水を除去した。得られたゴム状物を30mLの酢酸エチルで希釈し、40mLのHCl(1M)で2回洗浄した。有機層を50mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、560mgの所望の化合物28を粗褐色ゴム状物として得た。この物質をさらに精製することなく使用した。
化合物29の調製のための一般手順:10mLのメタノール中の化合物28(520mg、1.1mmol、1.0当量)、Pd/C(100mg、純度50%)の混合物を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2雰囲気(15psi)下、15℃で1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を濾過し、次いで減圧下で濃縮して、285mgの所望の化合物28を粗黄色固体として得た。
化合物170の調製のための一般手順:2mLのメタノール中の化合物29(100mg、295μmol、1.0当量)、3-フルオロベンズアルデヒド(55mg、442μmol、1.5当量)、NaBH
3CN(37mg、589μmol、2.0当量)、酢酸(1.8mg、29.5μmol、0.1当量)の混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を濾過した。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、52.9mgの化合物170(収率32%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例8)
N-((1S,3S)-3-((3-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物172)およびN-((1S,3R)-3-((3-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物173)の合成
化合物31の調製のための一般手順:30mLのメタノール中の化合物30(3.0g、14.1mmol、1.0当量)、2,2,2-トリフルオロエタンアミン(2.1g、21.1mmol、1.5当量)、酢酸(167mg、2.8mmol、0.2当量)の混合物を、25℃で0.5時間撹拌した。混合物に、NaBH
3CN(1.8g、28.1mmol、2.0当量)を添加し、次いで混合物を25℃で11.5時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を、10mLの水を添加することによりクエンチし、次いで減圧下で濃縮してメタノールを除去した。これを20mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を20mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、4.2gの所望の化合物31を粗黄色油状物として得た。
化合物32の調製のための一般手順:10mLのピリジン中の化合物31(500mg、1.7mmol、1.0当量)、化合物3(272mg、1.7mmol、1.0当量)の混合物に、POCl3(777mg、5.1mmol、3.0当量)を0℃で添加し、次いで混合物を25℃で1時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物に10mLの飽和NH4Clを滴下添加してPOCl3をクエンチし、次いで混合物を減圧下で濃縮してピリジンおよび水を除去した。得られたゴム状物を30mLの酢酸エチルで希釈し、40mLのHCl(1M)で2回洗浄した。有機層を50mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、390mgの所望の化合物32を粗黄色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく使用した。
化合物33の調製のための一般手順:250μLのTFAおよび2mLのジクロロメタン中の化合物32(30mg、68μmol、1.0当量)の混合物を、25℃で1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を3mLの飽和NaHCO3により塩基性化し、次いでジクロロメタン層をNa2SO4で乾燥させ、N2により濃縮して、15mgの所望の化合物33を粗黄色油状物として得た。
化合物172および173の調製のための一般手順:2mLのメタノール中の化合物33(80mg、235.7μmol、1.0当量)、3-フルオロベンズアルデヒド(44mg、354μmol、1.5当量)、NaBH
3CN(30mg、472μmol、2.0当量)、酢酸(7mg、118μmol、0.5当量)の混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を濾過した。残留物を分取HPLC(中性条件)により精製して、29.7mgの化合物172(収率27.9%)を白色固体として、4.1mgの化合物173(収率3.6%)を白色固体として得た。
(実施例9)
N-((3R,5S)-5-(ベンジルアミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物300)およびN-((3R,5R)-5-(ベンジルアミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物301)の合成
化合物35の調製のための一般手順:化合物34(200mg、1.8mmol、1.0当量)に、2mLのジクロロメタンおよびMeOH(200μL)中のベンジルアミン(169mg、1.6mmol、0.9当量)をN
2下、25℃で一度に添加した。混合物を25℃で5時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去して、350mgの粗生成物である3-(ベンジルアミノ)-2H-ピラン-5-オン 35を黄色油状物として得た。
化合物36の調製のための一般手順:5mLのジクロロメタン中の化合物35(350mg、1.7mmol、1.0当量)およびBoc2O(564mg、2.6mmol、1.5当量)の混合物に、DMAP(21mg、172μmol、0.1当量)、Et3N(348mg、3.4mmol、2.0当量)をN2下、25℃で一度に添加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して、250mgの所望の化合物36(収率48%)を黄色油状物として得た。
化合物37の調製のための一般手順:10mLのエタノール中の化合物36(250mg、824μmol、1.0当量)の溶液に、Na2CO3(87mg、824μmol、1.0当量)、Pd/C(200mg、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。混合物をH2(45psi)下、50℃で16時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を10mlの水でクエンチし、20mlずつのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を15mlのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、230mgの所望の粗化合物37を無色油状物として得た。
化合物38の調製のための一般手順:3mLのジクロロメタン中の化合物37(230mg、748μmol、1.0当量)の混合物に、(1,1-ジアセトキシ-3-オキソ-1,2-ベンズヨードキソール-1-イル)アセテート(317mg、748μmol、1.0当量)をN2下、0℃で一度に添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで25℃に加熱し、3時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を10mlのNa2SO3水溶液でクエンチし、次いで5mLのNaHCO3水溶液で希釈し、5mlずつのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を10mlのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、160mgの化合物38(収率70%)を黄色油状物として得た。
化合物39の調製のための一般手順:1mLのメタノール中の化合物38(65mg、213μmol、1.0当量)およびエタンアミン(9.6mg、213μmol、1.0当量)の混合物に、NaBH3CN(13.4mg、213μmol、1.0当量)および酢酸(1.3mg、21.3μmol、0.1当量)をN2下、25℃で一度に添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を2mlの水でクエンチし、5mlずつのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を5mlのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、40mgの化合物39(収率56%)を薄黄色油状物として得た。
化合物40の調製のための一般手順:1mLのDMF中の1H-インドール-2-カルボン酸(15mg、93μmol、1.0当量)および化合物39(28mg、84μmol、0.9当量)の混合物に、HATU(39mg、102μmol、1.1当量)、Et3N(14.mg、140μmol、1.5当量)をN2下、25℃で一度に添加した。混合物を40℃で16時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を5mlの水でクエンチし、5mlずつのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を5mlのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、40mgの化合物40(収率90%)を白色固体として得た。
化合物300および301の調製のための一般手順:2mLのジクロロメタン中の化合物40(40mg、84μmol、1.0当量)の混合物に、TFA(308mg、2.7mmol、200μL、32.3当量)をN
2下、25℃で一度に添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を3mLのNaHCO
3水溶液でクエンチし、5mlずつのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を5mlのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(中性条件)により精製して、6.9mgの化合物300(収率19.4%)を白色固体として、3.0mgの化合物301(収率9.3%)を白色固体として得た。
(実施例10)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((3-(4-エチニルベンゾイル)ベンジル)-アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物312)の合成
化合物47の調製のための一般手順:40mLのジクロロメタン中の化合物48(2.8g、11.3mmol、1.0当量)に、二塩化オキサリル(5.7g、45.2mmol、4.0当量)およびDMF(83mg、1.1mmol、0.1当量)を添加した。混合物を19℃で0.2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、3.0gの酸塩化物47を粗白色固体として得た。
化合物48の調製のための一般手順:ピリジン(17.8g、225mmol、20.0当量)中の化合物47(1.1g、11.3mmol、1.0当量)に、20mLのジクロロメタン中の4-ヨードベンゾイルクロリド(3.0g、11.3mmol、1.0当量)を添加した。混合物を18℃で0.5時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。混合物を20mLの水に注ぎ入れ、次いで25mLずつのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮して、残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1~1:1)により精製して、2.8gの化合物48を黄色油状物として得た。
化合物49の調製のための一般手順:20mLのTHF中の化合物48(2.5g、8.6mmol、1.0当量)およびエチニル(トリイソプロピル)シラン(3.1g、17.2mmol、2.0当量)に、TEA(2.6g、25.8mmol、3.0当量)、Pd(PPh3)2Cl2(603mg、859μmol、0.1当量)およびCuI(164mg、859μmol、0.1当量)を添加した。混合物をN2下、55℃で12時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。混合物を20mLの水に注ぎ入れ、次いで20mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を濃縮して、残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=3:1~1:1)により精製して、2.8gの化合物49を粗黄色油状物として得た。
化合物50の調製のための一般手順:THF(30mL)中の3-ブロモベンゾニトリル(1.8g、9.8mmol、1.3当量)および化合物49(2.6g、7.5mmol、1.0当量)に、n-BuLi(2.5M、3.5mL、1.15当量)をN2下、-78℃で添加した。混合物を-78℃で0.2時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。混合物を20mLの水に注ぎ入れ、次いで20mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、濃縮して、残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=5:1~3:1)により精製して、2.2gの化合物50を粗黄色油状物として得た。
化合物51の調製のための一般手順:4mLのTHF中の化合物50(100mg、258μmol、1.0当量)に、DiBAL-H(1M、1.0mL、4.0当量)を-70℃で添加した。添加後、反応混合物を0℃に加温し、0℃で2時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。混合物を5mLのMeOHおよび酢酸(2:1)に注ぎ入れ、5分間撹拌した。次いで、10mLの水を混合物に添加した。混合物を10mLの酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)により精製して、80mgの化合物51を黄色油状物として得た。
化合物52の調製のための一般手順:3mLのジクロロメタン中の化合物51(80mg、204μmol、1.0当量)に、DMP(104mg、244μmol、1.2当量)を添加した。混合物を15℃で0.5時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製して、55mgの化合物52を黄色固体として得た。
化合物53の調製のための一般手順:2mLのメタノール中のアミン中間体4(20mg、70μmol、1.0当量)および化合物52(27.4mg、70.1μmol、1.0当量)に、NaBH3CN(8.8mg、140μmol、2.0当量)を添加した。混合物を10℃で12時間撹拌した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製して、23mgの化合物53を黄色固体として得た。
化合物312の調製のための一般手順:2mLのTHF中の化合物53(23mg、35μmol、1.0当量)に、TBAF(1M、3.0当量)を添加した。混合物を15℃で0.2時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製した。溶離液(30mL)をpH=7.5に調整し、20mLの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を濃縮して、6.7mgの化合物312(収率36%)を白色固体として得た。
(実施例11)
N-((3R,5S)-5-(ベンジルアミノ)-1,1-ジオキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-3-イル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物313)およびN-((3R,5R)-5-(ベンジルアミノ)-1,1-ジオキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-3-イル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物314)の合成
化合物55の調製のための一般手順:20mLのジクロロメタン中の化合物54(500mg、3.8mmol、1.0当量)、ベンジルアミン(412mg、3.8mmol、1.0当量)の混合物を、N
2雰囲気下、25℃で1時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。これを減圧下で蒸発させて、粗生成物を得、これをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で0~100%酢酸エチル:石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、740mgの化合物55(収率88%)を褐色泡状物として得た。
化合物56の調製のための一般手順:15mLのジクロロメタン中の化合物55(640mg、2.9mmol、1.0当量)、tert-ブトキシカルボニルtert-ブチルカーボネート(955mg、4.4mmol、1.50当量)、TEA(591mg、5.8mmol、2.0当量)、DMAP(71.3mg、584μmol、0.2当量)の混合物を、25℃で12時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。これを減圧下で蒸発させて、粗生成物を得、これをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で0~20%酢酸エチル:石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、440mgの化合物56(収率47%)を褐色ゴム状物として得た。
化合物57の調製のための一般手順:5mLのジクロロメタン中の化合物56(300mg、939μmol、1.0当量)の混合物を、0℃に冷却した。m-CPBA(477mg、2.4mmol、純度85%、2.5当量)を少量ずつ添加し、これをその温度で1時間撹拌し、次いでこれを25℃にさらに1時間加温した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を10mLの飽和Na2SO3水溶液と15mLのジクロロメタンとの間で分配した。有機相を分離し、10mLの飽和NaHCO3水溶液および10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、390mgの粗化合物57を黄色ゴム状物として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物58の調製のための一般手順:15mLのエタノール中の化合物57(300mg、854μmol、1.0当量)、Pd/C(900mg、純度50%)およびNa2CO3(91mg、854μmol、1.0当量)の混合物を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2雰囲気(45psi)下、25℃で12時間撹拌した。反応をLCMSおよびTLCによりモニターし、完了するまで行った。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、残留物を得、これを10mLの水と15mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、170mgの化合物58(収率56%)を白色固体として得た。
化合物59の調製のための一般手順:6mLのジクロロメタン中の化合物58(120mg、338μmol、1.0当量)の混合物に、DMP(286mg、675μmol、2.0当量)を2回に分けて0℃で添加した。混合物を1時間撹拌し、次いでこれを25℃に加温し、N2雰囲気下でさらに1時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を15mLの飽和Na2SO3水溶液と15mLのジクロロメタンとの間で分配した。有機相を分離し、15mLの飽和NaHCO3水溶液および10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、120mgの粗化合物59を無色ゴム状物として得た。
化合物60の調製のための一般手順:3mLのメタノール中の化合物59(100mg、283μmol、1.0当量)、エタンアミン(38.3mg、849μmol、3.0当量)、酢酸(17mg、283μmol、1.0当量)の混合物を、0.5時間撹拌した。NaBH3CN(35.6mg、566μmol、2.0当量)を添加し、混合物をN2雰囲気下、25℃でさらに11.5時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。これを減圧下で蒸発させて、残留物を得、これを10mLの1N HClと10mLの酢酸エチルとの間で分配した。水層を分離し、10mLずつの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を20mLの飽和NaHCO3水溶液および20mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、85mgの粗化合物60を無色ゴム状物として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物61の調製のための一般手順:3mLのピリジン中の化合物60(50mg、131μmol、1.0当量)、1H-インドール-2-カルボン酸(84.3mg、523μmol、4.0当量)の混合物に、POCl3(80mg、523μmol、4.0当量)をN2雰囲気下、25℃で少量ずつ(20分毎にそれぞれ0.5当量)添加した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。混合物を減圧下で蒸発させ、残留物を10mLの飽和NH4Clと10mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、40mgの粗化合物61を褐色ゴム状物として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物313および314の調製のための一般手順:4mLのジクロロメタン中の粗化合物61(50mg、95μmol、1.0当量)の混合物に、1mLのTFAを添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。これを減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取HPLC(中性条件)により精製して、1.6mgの化合物313(収率3.7%)を褐色ゴム状物として、3.6mgの化合物314(収率8.9%)を薄黄色固体として得た。
(実施例12)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((3-フェニルオキセタン-3-イル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物318)の合成
化合物62の調製のための一般手順:5mLの1,1-ジクロロエタン中の化合物4(100mg、311μmol、1.0当量、HCl塩)の混合物に、TEA(63mg、621μmol、2.0当量)、次いでオキセタン-3-オン(67mg、932μmol、3.0当量)およびTi(i-PrO)
4(265mg、932μmol、3.0当量)を添加した。混合物をN
2雰囲気下、65℃で12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。これを減圧下で蒸発させて、110mgの粗化合物62を褐色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物318の調製のための一般手順:N
2雰囲気下、-10℃に冷却した4mLのTHF中の粗化合物62(110mg)の混合物に、ブロモ(フェニル)マグネシウム(3M、1.1mL)を滴下添加し、次いで混合物を11℃で1時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を10mLの飽和NH
4Cl水溶液と10mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、10mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取HPLC(TFA条件)により精製して、11.1mgの化合物318(収率6.3%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例13)
N-((1S,3R)-3-((3-アジドベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物316)の合成
化合物63の調製のための一般手順:2mLのメタノール中の化合物4(100mg、311μmol、1.0当量、HCl)および3-ヨードベンズアルデヒド(72mg、311μmol、1.0当量)の混合物に、酢酸(1.9mg、31μmol、0.1当量)、トリエチルアミン(3.1mg、31.1μmol、0.1当量)をN
2下、20℃で一度に添加した。混合物を20℃で30分間撹拌し、次いでNaBH
3CN(19.5mg、310.7μmol、1.0当量)を添加した。混合物を20℃で16時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を、20℃で5mLの水を添加することによりクエンチし、5mlずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を5mlのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製して、100mgの化合物63(収率64%)を薄黄色固体として得た。
化合物316の調製のための一般手順:2mLのDMSO中の化合物63(80mg、160μmol、1.0当量)およびアジ化ナトリウム(10.4mg、160μmol、1.0当量)の混合物に、CuI(6.1mg、32μmol、0.2当量)、N,N’-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(2.8mg、32μmol、0.2当量)、ナトリウム(2R)-2-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-4-ヒドロキシ-5-オキソ-2H-フラン-3-オレート(6.3mg、32μmol、0.2当量)をN2下、15℃で一度に添加した。混合物を15℃で10分間撹拌し、次いで70℃に加熱し、12時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターし、完了するまで行った。反応混合物を2mLのNaClOにより15℃でクエンチし、次いで2mLの水で希釈し、5mlずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を5mlのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、7.2mgの化合物316(収率8.2%、TFA塩)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 10.15 - 9.75 (m, 2H), 7.54 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.32 (br d, J=8.2 Hz, 1H), 7.21 - 7.16 (m, 2H), 7.11 - 6.98 (m, 3H), 6.88 (br s, 1H), 6.71 (br s, 1H), 3.80 (br s, 2H), 3.55 (br s, 2H), 2.96 (br s, 1H), 2.21 (br s, 1H), 1.99 (br s, 1H), 1.88 (br d, J=10.8 Hz, 2H), 1.78 (br s, 2H), 1.26 (br s, 6H)
LCMS(ESI+):m/z417.2(M+H)
(実施例14)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物400)の合成
化合物16の調製のための一般手順:4Lのメタノール中のジアミン15(300g、2.6mol、1.0当量)の混合物に、NiCl
2・6H
2O(625g、2.6mol、1.0当量)を少量ずつ添加した。反応混合物を15℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過して、残留物を得た。残留物を1.5Lのメタノールで洗浄し、濾過して、700gの化合物16(粗製)を緑色固体として得た。
化合物17の調製のための一般手順:3LのH2O中の化合物16(350g、1.5mol、1.0当量)の混合物に、12M HCl(156mL、3.0当量)を15℃で一度に添加した。反応混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮してH2Oを減少させ、次いで2LのEtOHを添加して固体を生成した。固体を濾過して、二塩酸塩としての200gの化合物17(1.1mol、収率36.9%)を薄桃色固体として得た。
化合物18の調製のための一般手順:1.6LのEtOHおよび1LのH2O中の化合物16(200g、1.1mol、1.0当量、2HCl塩)の溶液に、NaHCO3(314.3g、3.7mol、145.5mL、3.5当量)を添加した。220mLのジオキサン中のCbzCl(218.8g、1.3mol、182.3mL、1.2当量)を0℃で0.5時間滴下添加した。混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を2LのHCl(2M)の添加によりクエンチして、15℃でpH約1にし、次いで1.2LのEtOAcで2回抽出した。水層にNaOH固体を添加してpH約13にし、次いで混合物を8Lのジクロロメタンで4回抽出した。合わせた有機層を1Lのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、250gの化合物18(粗製)を白色固体として得た。
化合物19Aおよび19Bの調製のための一般手順:3Lのメタノール中の化合物18(220.0g、886mmol、1.0当量)の混合物に、2,3-ジヒドロキシブタン二酸(63.8g、425.3mmol、0.5当量)をN2下、15℃で一度に添加した。混合物を15℃で30分間撹拌し、次いで50℃に加熱し、3.5時間撹拌した。反応混合物を冷却し、濾過し、濾過ケーキを4Lのメタノールで2回洗浄して、120gの化合物(301mmol、収率34.0%、D-酒石酸塩)を白色固体として得た。分割をSFCによりモニターした。分割されたアミン塩19Bをさらに精製することなく次のステップに使用した。
加えて、母液を濃縮して、200gの粗化合物19Aを薄桃色固体として得た。
化合物64の調製のための一般手順:2Lのジクロロメタン中の化合物19B(120g、483mmol、1.0当量)の混合物に、(Boc)2O(105.5g、483mmol、111.0mL、1.0当量)をN2下、15℃で一度に添加した。混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物を500mLのNH4Clの添加により15℃でクエンチし、次いで500mLのH2Oで希釈し、3Lのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を1Lのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、150gの化合物64(431mmol、収率89%)を白色固体として得た。
化合物1の調製のための一般手順:2LのEtOH中の化合物64(75.0g、215mmol、1.0当量)の溶液に、Pd/C(40g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。混合物をH2(15psi)下、15℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、66gの化合物1(308mmol、収率72%)をオフホワイトの固体として得た。
化合物2の調製のための一般手順:30mLのDMFおよび30mLのCH3CN中の化合物1(5g、23.3mmol、1当量)の混合物を、0℃に冷却した。K2CO3(6.5g、46.7mmol、2当量)を添加し、続いてEtI(3.5g、22.2mmol、1.8mL、0.95当量)を添加した。混合物をN2雰囲気下、15℃で4時間撹拌した。反応混合物を100mLの水と60mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、90mLの水および30mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3gの粗化合物2を白色ゴム状物として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物2の調製のための代替的な方法:5mLのCHCl3中の化合物1(500mg、2.3mmol、1.0当量)およびアセトアルデヒド(231mg、2.1mmol、293μL、0.9当量)の混合物に、酢酸(28.0mg、467μmol、27μL、0.2当量)をN2下、15℃で一度に添加した。混合物を15℃で30分間撹拌し、次いでNaBH4(88.3mg、2.3mmol、1.0当量)を15℃で添加し、混合物を16時間撹拌した。反応混合物を5mLの1M HCl水溶液の添加により15℃で(pH=1に)クエンチし、5mLのEtOAcで抽出した。水相を飽和Na2CO3でpH=10に処理し、次いで40mLのジクロロメタンで4回抽出した。合わせた有機層を30mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、400mgの粗化合物2を無色油状物として得た。
化合物65の調製のための一般手順:2mLのDMF中の1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸(161mg、990μmol、1.2当量)の溶液に、HATU(377mg、990μmol、1.2当量)およびTEA(167mg、1.6mmol、229μL、2.0当量)を添加した。混合物を15℃で0.5時間撹拌し、次いでtert-ブチルN-[(1R,3S)-3-(エチルアミノ)シクロヘキシル]カルバメート、化合物2(200mg、825μmol、1.0当量)を添加し、得られた反応混合物を15℃でさらに15.5時間撹拌した。反応混合物を5mLの水と5mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、10mLのブラインで2回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。油状物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出)により精製して、150mgの化合物65(388μmol、収率47%)を無色ゴム状物として得た。
化合物66の調製のための一般手順:2mLのHCl/EtOAc(4M)中の化合物65(150mg、388μmol、1.0当量)の混合物を、15℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、180mgの粗化合物66(HCl塩)を白色固体として得た。
化合物400の調製のための一般手順:2mLのメタノール中の化合物66(180mg、558μmol、1.0当量、HCl塩)およびベンズアルデヒド(59mg、558μmol、56.4μL、1.0当量)の溶液に、酢酸(3.4mg、5μmol、0.1当量)を添加した。混合物を15℃で0.5時間撹拌した。この混合物に、NaBH
3CN(42mg、669μmol、1.2当量)を添加し、得られた反応混合物を15℃でさらに15.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、55.4mgの化合物400(111μmol、収率20%、純度98.4%、TFA塩)を白色固体として得た。
以下の化合物を同様に調製した。
化合物405の調製のための一般手順:
1mLのジクロロメタン中の化合物2(100mg、413μmol、1.0当量)、TEA(84mg、825μmol、114μL、2.0当量)の混合物に、塩化ベンゾイル(75mg、536μmol、1.3当量)を0℃で添加し、次いで混合物を15℃で2時間撹拌した。反応混合物を10mLのNH
4Clで希釈し、次いで16mLのジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、無色油状物を得、これを分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出)により精製して、95mgの化合物11(274μmol、収率67%)を薄黄色油状物として得た。
化合物11を、上記の手順を使用して脱保護およびベンジル化して、下記を得た。
(実施例15)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物400)の代替的な合成
化合物68の調製のための一般手順:150mLのジクロロメタン中の化合物2(7.7g、32mmol、1当量)の溶液に、Et
3N(9.6g、95mmol、13.2mL、3当量)およびCbzCl(6.5g、38mmol、5.4mL、1.2当量)を0℃で添加した。混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(カラム高さ:250mm、直径:100mm、100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~5:1の勾配で溶出)により精製して、3.2gの化合物68(4.5mmol、収率14.3%、純度53.3%)を無色油状物として得た。
化合物69の調製のための一般手順:0℃に冷却した40mLのDMF中の化合物68(3.2g、8.5mmol、1当量)の混合物に、NaH(1.7g、42.5mmol、純度60%、5当量)を少量ずつ添加し、混合物を15℃で0.5時間撹拌した。臭化ベンジル(2.9g、17.0mmol、2.0mL、2当量)をゆっくりと添加し、次いで混合物をN2雰囲気下、15℃でさらに1.5時間撹拌した。反応混合物を50mLの水と50mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、100mLの水および30mLのブラインで4回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=15:1~5:1の勾配で溶出)により精製して、3.4gの化合物69(7.3mmol、収率86%)を無色ゴム状物として得た。
化合物70の調製のための一般手順:50mLのEtOH中の化合物69(3.4g、7.3mmol、1当量)、10%Pd/C(6g)およびNH3・H2O(1.8g、13mmol、2mL、純度25%)の混合物を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2雰囲気(15psi)下、15℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、1.8gの粗化合物70をオフホワイトのゴム状物として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物71の調製のための一般手順:10mLのDMF中の化合物70(0.7g、2.1mmol、1当量)、1H-ベンゾイミダゾール-2-カルボン酸(358mg、2.2mmol、1.1当量)、HATU(881mg、2.3mmol、1.1当量)、TEA(426mg、4.2mmol、586μL、2当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応混合物を20mLの水と20mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、45mLの水および15mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、これをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で0~20%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)により精製して、0.37gの化合物71(745μmol、収率35%、純度95.9%)を白色固体として得た。
化合物400の代替的な調製のための一般手順:15mLのHCl/EtOAc(4M)中の化合物71(0.5g、1.1mmol、1当量)の混合物を、N
2雰囲気下、15℃で0.5時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、446mgの化合物400(1.0mmol、収率94%、純度95.2%、HCl塩)を薄黄色固体として得た。
(実施例16)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物400)の第2の代替的な合成
化合物20の調製のための一般手順:1LのDMF中の化合物19A(100g、251mmol、1.0当量、L-タートレート)の溶液に、K
2CO
3(104g、753mmol、3.0当量)を25℃で添加した。添加後、混合物をこの温度で15分間撹拌し、次いでブロモエタン(30.1g、276mmol、1.1当量)およびKI(4.2g、25mmol、0.1当量)を25℃で添加した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を1Lの水で希釈し、500mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を500mLのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物20(70g、粗製)を薄桃色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物72の調製のための一般手順:1Lのジクロロメタン中の化合物20(70g、253mmol、1.0当量)の溶液に、Boc2O(82.9g、380mmol、1.5当量)を25℃で添加した。添加後、Et3N(38.4g、380mmol、1.5当量)を25℃で添加した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を500mLの1N HClの添加により25℃でクエンチし、次いで200mLの水で希釈し、500mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を300mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=20:1~3:1の勾配で溶出)により精製して、70gの化合物72、収率73%を無色油状物として得た。
化合物20’の調製のための一般手順:200mLのHCl/酢酸エチル(4M)中の化合物72(15g、39.8mmol、1.0当量)の混合物を、N2雰囲気下、28℃で0.5時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、HCl塩としての10.7gの化合物20’、収率85.9%を白色固体として得た。N-Boc類似体への変換および脱保護の2ステッププロセスは、化合物20の精製に有用であった。得られた生成物は、さらに精製することなく次のステップに直接使用するのに十分な純度であった。
化合物73の調製のための一般手順:100mLのDMF中の化合物20’(13g、42mmol、1.0当量、HCl)、1H-ベンゾイミダゾール-2-カルボン酸(10.1g、62mmol、1.5当量)の溶液に、Et3N(12.6g、125mmol、3当量)を28℃で添加した。添加後、100mLのDMF中のHATU(23.7g、62.3mmol、1.5当量)を0℃で滴下添加した。得られた混合物を28℃で12時間撹拌した。反応混合物を200mLの水の添加によりクエンチし、混合物を200mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を200mLのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=20:1~1:1の勾配で溶出)により精製して、16gの化合物73(収率92%)を黄色油状物として得た。
化合物66の調製のための一般手順:200mLのエチルアルコール中の化合物73(15g、36mmol、1.0当量)の溶液に、Pd(OH)2(6.7g、9.6mmol、純度20%、0.27当量)およびNH3.H2O(10.2g、72.7mmol、純度25%、2.0当量)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。混合物をH2(50psi)下、20℃で3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、母液を減圧下で濃縮して、10.2gの粗化合物66を薄黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物400の調製のための一般手順:70mLのジクロロエタンおよび35mLのメチルアルコール中の化合物66(10g、35mmol、1.0当量)、ベンズアルデヒド(3.5g、33mmol、0.95当量)の溶液に、酢酸(210mg、3.5mmol、0.1当量)を20℃で添加した。添加後、混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでNaBH
3CN(2.4g、38mmol、1.1当量)を0℃で添加した。得られた混合物を20℃で4時間撹拌した。反応混合物を100mLの水の添加により20℃でクエンチし、次いで100mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を100mLのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);220g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で石油エーテル中0~100%酢酸エチルの勾配で溶出)により精製して、8.4gの化合物400を得た。
(実施例17)
N-((1S,3R)-3-((3-アジドベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキサミド(化合物406)の合成
化合物74の調製のための一般手順:10mLのDMF中の1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸(1.35g、8.3mmol、1.0当量)およびHATU(3.2g、8.3mmol、1.0当量)の混合物に、TEA(1.3g、12.5mmol、1.7mL、1.5当量)を15℃で一度に添加した。混合物を15℃で30分間撹拌し、次いでアミン2(2.0g、8.3mmol、1.0当量)を添加し、混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物を20mLの水の添加によりクエンチし、次いで30mLのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相を30mLのブラインで3回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=15:1~0:1の勾配で溶出)により精製して、0.7gのアミド74(収率22%)を薄黄色固体として得た。
化合物75の調製のための一般手順:10mLのHCl/EtOAc(4M)中の化合物74(0.7g、1.8mmol、1.0当量)の混合物を、15℃で0.5時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、0.5gの化合物75(収率86%、HCl塩)を白色固体として得た。
3-アジドベンズアルデヒドの調製のための一般手順:
10.0mLのMeOH中の(3-ホルミルフェニル)ボロン酸(500mg、3.3mmol、1.0当量)の混合物に、NaN
3(325mg、5.0mmol、1.5当量)およびCu(OAc)2(60.5mg、333μmol、0.1当量)をN
2下、15℃で一度に添加した。混合物を15℃で10分間撹拌し、次いで55℃に加熱し、12時間撹拌した。反応混合物を2mLのH
2Oの添加により15℃でクエンチし、次いで6mLのDCMで3回抽出した。合わせた有機層を6mLのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶出)により精製して、360mgの3-アジドベンズアルデヒド(収率74%)を黄色油状物として得た。
化合物406の調製のための一般手順:1mLのDCM中の化合物75(50.0mg、155μmol、1.0当量、HCl塩)の溶液に、3-アジドベンズアルデヒド(25.1mg、170μmol、1.1当量)および酢酸(930.1μg、15.5μmol、0.1当量)を15℃で添加した。添加後、混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでNaBH(OAc)
3(32.8mg、155μmol、1当量)を15℃で添加した。得られた混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、母液を減圧下で濃縮して、残留物を得、これを分取HPLC(中性条件)により精製して、9.8mgの化合物406を白色固体として得た。
化合物 4-アジドベンズアルデヒドの調製のための一般手順:
5.0mLのMeOH中の(4-ホルミルフェニル)ボロン酸(200mg、1.3mmol、1.0当量)の混合物に、Cu(OAc)
2(24.2mg、133μmol、0.1当量)およびNaN
3(129.7mg、2.0mmol、1.5当量)をN
2下、15℃で一度に添加した。混合物を15℃で10分間撹拌し、次いで55℃に加熱し、12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶出)により精製して、100mgの4-アジドベンズアルデヒド(680μmol、収率51%)を黄色油状物として得た。
化合物407は、4アジドベンズアルデヒドを使用して化合物406と同様に調製した。
(実施例18)
α,α-二置換アミン類似体の合成
化合物75aの調製のための一般手順:4mLのMeOH中のtert-ブチルN-(3-オキソシクロヘキシル)カルバメート5(372mg、1.7mmol、0.9当量)、2-(4-メトキシフェニル)プロパン-2-アミン(0.3、1.9mmol、1当量)、AcOH(58.2mg、968μmol、55μL、0.5当量)の混合物を、15℃で0.5時間撹拌し、次いでNaBH
3CN(243mg、3.9mmol、2当量)を15℃で添加し、次いで混合物を70℃で11.5時間撹拌した。反応混合物を、1mLのH
2Oを添加することによりクエンチし、次いで減圧下で濃縮し、6mLのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を5mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。残留物を分取TLC(SiO
2、酢酸エチル:メタノール=10:1で溶出)により精製して、0.14gの化合物75aを無色油状物として得た。
化合物76aの調製のための一般手順:2mLのDMF中の化合物75a(0.14g、386μmol、1当量)の混合物に、NaH(309mg、7.7mmol、純度60%、20当量)を0℃で添加し、混合物を15℃で0.5時間撹拌した。ヨウ化エチル(1.2g、7.7mmol、618μL、20当量)を添加し、混合物を15℃で3.5時間撹拌した。混合物を、50mLの氷冷飽和NH4Cl水溶液を滴下して慎重にクエンチし、次いでこれを20mLのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を20mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。残留物を分取TLC(SiO2、酢酸エチル:メタノール=10:1で溶出)により精製して、30mgの化合物76a(トランス)を黄色油状物として得、16mgの化合物76a(シス)を黄色油状物として得た。
化合物77aの調製のための一般手順:3mLのHCl/EtOAc(4M)中の化合物76a(シス)(16mg、41μmol、1当量)の混合物を、15℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、17mgの化合物77a(シス、HCl塩)をシアン色ゴム状物として得た。
トランス類似体を同様に調製した。
化合物408の調製のための一般手順:1mLのDMF中の1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸(9.5mg、58.5μmol、1当量)、HATU(22.3mg、58.5μmol、1当量)、TEA(11.9mg、117μmol、16.3μL、2当量)の混合物を、15℃で0.5時間撹拌し、次いで化合物77a(シス)(17mg、58.5μmol、1当量、HCl塩)を添加し、混合物を15℃で11.5時間撹拌した。反応混合物を濾過した。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、11mgの化合物408(19.6μmol、収率34%、純度97.9%、TFA塩)を薄黄色固体として得た。
(実施例19)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-(((R)-2,2,2-トリフルオロ-1-(ピリミジン-5-イル)エチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物412)およびN-エチル-N-((1S,3R)-3-(((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-(ピリミジン-5-イル)エチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物413)の合成
2,2,2-トリフルオロ-1-(ピリミジン-5-イル)エタン-1-オンの調製のための一般手順:THF(40mL)中の5-ブロモピリミジン(5.0g、31.5mmol、1.0当量)の混合物に、n-BuLi(2.5M、13.2mL、1.1当量)を-107℃(EtOH/液体窒素浴冷却)で滴下添加した。混合物を-107℃で0.5時間撹拌し、次いで混合物に、THF(5mL)中のメチル2,2,2-トリフルオロアセテート(4.0g、31.5mmol、3.2mL、1.0当量)を-107℃で添加した。得られた薄黄色溶液を1時間かけてゆっくりと-60℃に加温し、冷却浴を取り外し、反応物を0.5時間かけて15℃に加温した。反応をTLCによりモニターした。反応混合物を、50mLの飽和NH
4Cl水溶液を添加することによりクエンチし、50mLずつの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を100mLのブラインで1回洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物に、沈殿が生じるまで20mLのDCMおよび10mLの石油エーテルを添加した。固体を濾過して、2.5gの2,2,2-トリフルオロ-1-(ピリミジン-5-イル)エタン-1-オンを白色固体として得た。
化合物78の調製のための一般手順:MeOH(15mL)中の2,2,2-トリフルオロ-1-(ピリミジン-5-イル)エタン-1-オン(1.0g、5.7mmol、1.0当量)の混合物に、TiCl4(32.3mg、170μmol、0.03当量)を0℃で添加し、続いてNaBH4(430mg、11.4mmol、2.0当量)を0℃にてバッチで添加した。次いで、反応混合物を15℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を、20mLのH2Oを添加することによりクエンチし、20mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、0.9gの粗化合物78を黄色油状物として得、これを精製することなく次のステップに直接使用した。
化合物79の調製のための一般手順:DCM(10mL)中の化合物78(540mg、3.0mmol、1.0当量)およびTEA(920mg、9.1mmol、1.3mL、3.0当量)の混合物に、MsCl(417mg、3.6mmol、1.2当量)を0℃で滴下添加した。混合物を15℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を、20mLのH2Oを添加することによりクエンチし、15mLずつのDCMで2回抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:2で溶出)により精製して、0.6gの化合物79を黄色油状物として得た。
化合物412および413の調製のための一般手順:アセトニトリル(1mL)中の化合物4(50mg、155μmol、1.0当量、HCl塩)およびTEA(78.6mg、777μmol、5.0当量)の混合物に、化合物79(159mg、621μmol、4.0当量)およびKI(7.7mg、47μmol、0.3当量)をN
2下、15℃で添加した。反応混合物を40℃で16時間撹拌し、次いで50℃で24時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。反応混合物を真空中で濃縮してアセトニトリルを減少させ、次いで3mLのDCMを添加した。混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO
2、酢酸エチル:メタノール=10:1で溶出)により精製し、次いで逆相分取HPLC(TFA条件)により再精製して、1.2mgの化合物412(収率1.3%、TFA塩)を白色固体として、1.9mgの化合物413(収率2.0%、TFA塩)を白色固体として得た。注記、新たに形成されたキラル中心における2つの異性体の立体配置は、任意に割り当てた。
(実施例20)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-(((R)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキサミド(化合物416)およびN-エチル-N-((1S,3R)-3-(((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキサミド(化合物417)の合成
化合物416および417の調製のための一般手順:DCM(1mL)中の化合物75(50mg、175μmol、1.0当量)および2,2,2-トリフルオロ-1-フェニルエタン-1-オン(36.6mg、210μmol、1.2当量)の混合物に、TiCl
4(16.6mg、88μmol、0.5当量)を15℃で添加し、続いてTEA(53.2mg、526μmol、3.0当量)を滴下添加し、混合物を15℃で12時間撹拌した。この混合物に、MeOH(1mL)中のNaBH
3CN(22.0mg、350μmol、2.0当量)をゆっくりと添加し、次いで混合物をN
2雰囲気下、15℃でさらに2時間撹拌した。反応をLCMSによりモニターした。混合物を減圧下で蒸発させて、残留物を得、これを分取HPLC(TFA条件)により精製して、14.3mgの化合物416(収率15%、TFA塩)を白色固体として、10.2mgの化合物417(収率10.4%、TFA塩)を白色固体として得た。注記、新たに形成されたキラル中心における2つの異性体の立体配置は、任意に割り当てた。
(実施例21)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((1-フェニルシクロプロピル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキサミド(化合物418)の合成
化合物80の調製のための一般手順:10mLのMeOH中の1-フェニルシクロプロパンアミン塩酸塩(477mg、2.8mmol、1当量)、TEA(142mg、1.4mmol、196μL、0.5当量)の混合物を、超音波装置により1分間撹拌し、次いで化合物5(0.6g、2.8mmol、1当量)およびAcOH(84.5mg、1.4mmol、0.5当量)を添加し、混合物を15℃で29分間撹拌した。NaBH
3CN(354mg、5.6mmol、2当量)を添加し、混合物を70℃で11.5時間撹拌した。反応混合物を6mLのH
2Oによりクエンチし、次いで減圧下で濃縮し、10mLのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を10mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=5:1~1:1の勾配で溶出)により精製して、0.8gの粗化合物80を薄黄色油状物として得た。
化合物81の調製のための一般手順:10mLのDMF中の化合物80(780mg、2.3mmol、1当量)の混合物に、NaH(466mg、11.7mmol、純度60%、5当量)を0℃で添加し、混合物を15℃で0.5時間撹拌した。ヨウ化エチル(1.8g、11.7mmol、932μL、5当量)を15℃で添加し、混合物を15℃で1.5時間撹拌した。反応混合物に50mLの氷冷飽和NH4Cl水溶液を滴下添加してNaHをクエンチし、次いで混合物を20mLのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を20mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=50:1~1:1の勾配で溶出)により精製して、280mgのトランス化合物81a(629μmol、収率27%、純度80.6%)を黄色油状物として、400mgのシス化合物81(970μmol、収率42%、純度87.0%)を黄色油状物として得た。
化合物82の調製のための一般手順:10mLのHCl/EtOAc(4M)中の化合物81(400mg、1.1mmol、1当量)の混合物を、15℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、330mgの粗化合物82(HCl塩)を黄色固体として得た。
化合物418の調製のための一般手順:2mLのDMF中の1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸(69mg、426μmol、1当量)、HATU(162mg、426μmol、1当量)、TEA(86mg、851μmol、119μL、2当量)の混合物を、15℃で0.5時間撹拌し、次いで化合物30(110mg、426μmol、1当量、HCl塩)を15℃で添加し、混合物を15℃で11.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、53.5mgの化合物418(98μmol、収率23%、純度95.0%、TFA塩)を褐色固体として得た。
(実施例22)
N-((1S,3R)-3-((3-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキサミド(化合物422)の合成
化合物83の調製のための一般手順:20mLのMeOH中の化合物19A(2g、8.1mmol、1.0当量)およびメチル2,2,2-トリフルオロアセテート(3.1g、24.2mmol、3.0当量)の混合物を、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、固体を得た。固体を10mLのHCl(1M)で希釈し、20mLの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を25mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物83(2.2g、粗製)を白色固体として得た。
化合物84の調製のための一般手順:20mLのTHF中の化合物83(2.2g、6.4mmol、1.0当量)の混合物に、BH3・THF(1M、44.7mL、7.0当量)を25℃で添加し、次いで混合物をN2雰囲気下、70℃で36時間撹拌した。混合物を15mLのメタノールおよび6mLのHCl(1M)でクエンチし、次いで混合物を70℃で1時間撹拌した。これを濃縮して、油状物を得た。油状物を20mLの水で希釈し、Na2CO3によりpH=9~10に塩基性化し、15mLずつの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を20mLずつのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=20/1~2:1の勾配で溶出)により精製して、アミン84(810mg、2.5mmol、収率38%)を白色固体として得た。
エチル1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキシレートの調製のための一般手順:50mLのエチルアルコール中の1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸(5g、30.8mmol、1当量)の混合物に、H2SO4(15.4g、154mmol、純度98%、5当量)を15℃で添加し、混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物にNaOH(水中15%)を添加して、pH約7~8になるまでH2SO4を中和した。沈殿物が形成され、これを濾過した。濾過ケーキを50mLの水で洗浄して、粗生成物(第1の部分)を得た。母液を減圧下で濃縮し、水相を20mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、固体(第2の部分)を得た。第1の部分および第2の部分からの固体の混合物を合わせて、エチルエステルを白色固体として生成し、これはさらに精製することなく次のステップに直接使用することができた。
化合物85の調製のための一般手順:40mLのDMF中のエチル1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキシレート(3.95g、20.8mmol、1当量)の混合物に、NaH(1.3g、31.2mmol、純度60%、1.5当量)を0℃で添加し、混合物を15℃で0.5時間撹拌した。SEM-Cl(5.2g、31.2mmol、1.5当量)を添加し、混合物をN2雰囲気下、15℃で0.5時間撹拌した。反応混合物に150mLの氷冷飽和NH4Clを滴下添加して入れてNaHをクエンチし、次いで混合物を100mLずつの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を100mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物85(12.9g、粗製)を褐色油状物として得た。
化合物86の調製のための一般手順:30mLのエチルアルコールおよび30mLの水中の化合物85(6g、18.7mmol、1当量)、NaOH(2.3g、56.2mmol、3当量)の混合物を、15℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた油状物を30mLの水で希釈し、20mLずつのジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、油状物を得た。油状物を30mLの水で希釈し、HCl(1N)によりpH=6に酸性化し、次いで20mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、濾過後に第1の部分(4.3g、粗製)を褐色固体として得た。酸性化した水層を10mLずつの酢酸エチルで3回再度抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、第2の部分(130mg、粗製)を黄色固体として得た。第1の部分および第2の部分の混合物を白色固体86として得、これはさらに精製することなく次のステップに直接使用することができた。
化合物87の調製のための一般手順:3mLのジクロロメタン中の化合物86(300mg、1.0mmol、1当量)の混合物に、DMF(37.5mg、513μmol、0.5当量)および(COCl)2(261mg、2.1mmol、2当量)を添加し、次いで混合物を15℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、化合物87(350mg、粗製)を黒褐色固体として得た。
化合物88の調製のための一般手順:1.5mLのピリジン中のベンジルN-[(1R,3S)-3-(2,2,2-トリフルオロエチルアミノ)シクロヘキシル]カルバメート87(140mg、424μmol、1当量)の混合物に、1mLのジクロロメタン中の化合物84(263.5mg、848μmol、2当量)を0℃で添加し、混合物を40℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、油状物を得た。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出)により精製して、化合物88(70mg、100μmol、収率24%、純度86.0%)を黄色油状物として得た。
化合物89の調製のための一般手順:1.5mLのDMF中の化合物88(80mg、132μmol、1当量)の混合物に、NaH(6.4mg、159μmol、純度60%、1.2当量)を0℃で添加し、混合物を15℃で0.5時間撹拌した。1-(ブロモメチル)-3-フルオロ-ベンゼン(27.5mg、146μmol、1.1当量)を添加し、次いで混合物を15℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を10mLの氷冷飽和NH4Clに滴下添加してNaHをクエンチし、次いで混合物を5mLずつの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、100mgの化合物89を粗黄色油状物として得た。
化合物422の調製のための一般手順:1mLのAcOHおよびHBr(1mL)中の化合物89(100mg、140μmol、1当量)の混合物を、15℃で1時間撹拌した。反応混合物をNaOH(水中4M)によりpH約7~8に塩基性化した。混合物を減圧下で濃縮して、固体を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、化合物422(7.6mg、13.0μmol、収率9%、純度96.2%、TFA)を白色固体として得た。
(実施例23)
N-((1S,3R)-3-((2-(4-メトキシフェニル)プロパン-2-イル)アミノ)シクロヘキシル)-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキサミド(化合物424)の合成
化合物90の調製のための一般手順:30mLのTHF中の4-メトキシアセトフェノン(3.0g、20.0mmol、1当量)の混合物に、MeMgBr(3M、20.0mL、3当量)を5℃で滴下添加し、次いで混合物をN
2雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応をTLCによりモニターし、より大きな極性の1つの主要な新しいスポットが検出されるまで行った。反応混合物を80mLの氷冷飽和NH
4Cl溶液によりクエンチし、30mLずつの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を50mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。残留物を分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶出)により精製して、化合物90(2.1g、粗製)を黄色油状物として得た。
化合物91の調製のための一般手順:1.5mLのCCl4中の化合物90(260mg、1.6mmol、1当量)の混合物に、HCl(12M、521μL、4当量)を0℃で添加し、次いで混合物を0℃で5分間撹拌した。TLCは、より低い極性の2つの新しいスポットが検出されたことを示した。有機層を分離した。有機層(CCl4)中の粗生成物化合物91をさらに精製することなく次のステップで使用した。
化合物92の調製のための一般手順:20mLのエチルアルコール中の化合物88(100mg、169μmol、1当量)、Pd/C(0.2g、純度50%)、NH3・H2O(11.9mg、84.6μmol、純度25%、0.5当量)の混合物を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2雰囲気(15psi)下、15℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、次いで減圧下で濃縮して、化合物92(70mg、145μmol、収率86%、純度97.7%)を得た。この化合物をさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物93の調製のための一般手順:1mLのアセトニトリル中の化合物92(60mg、128μmol、1当量)およびTEA(258mg、2.6mmol、20当量)の混合物を0℃に冷却し、次いで3mLのCCl4中の粗化合物91(47.1mg、255μmol、2当量)を0℃で添加し、混合物を15℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を10mLの飽和NH4Cl溶液で希釈し、6mLずつのジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を8mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。残留物を分取TLC(SiO2、酢酸エチル:メタノール=10:1で溶出)により精製して、化合物93(12mg、19.4μmol、収率15%)を無色油状物として得た。
化合物424の調製のための一般手順:1mLのHCl(6M)中の化合物93(12mg、19μmol、1当量)の混合物を、30℃で12時間撹拌した。反応混合物をNaOH(固体)によりpH約9~10に塩基性化した。混合物を減圧下で濃縮して、固体を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、化合物424(5mg、7.9μmol、収率41%、純度94.8%、TFA)を白色固体として得た。
(実施例24)
左手側(LHS)の複素環類似体の追加の合成;中間体N-((1S,3R)-3-アミノシクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(4)の合成
この経路では、2つのステップ(化合物2から化合物2’まで)を精製のために行った。
化合物94の調製のための一般手順:150mLのDCM中の化合物2(7.7g、31.7mmol、1当量)の溶液に、Et3N(9.6g、95mmol、13.2mL、3当量)およびCbzCl(6.5g、38mmol、5.4mL、1.2当量)を0℃で添加した。混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(カラム高さ:250mm、直径:100mm、100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~5:1の勾配で溶出)により精製して、3.2gの化合物94(4.5mmol、収率14%、純度53.3%)を無色油状物として得た。
化合物2’の調製のための一般手順:15mLのMeOH中の化合物94(1g、2.7mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(1g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。混合物をH2(15psi)下、15℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、0.79gの粗化合物2’を無色油状物として得、これをさらに精製することなくその後のステップに使用した。
化合物3の調製のための一般手順:40mLのDMF中の化合物2’(3.0g、12.4mmol、1当量)、1H-インドール-2-カルボン酸(2.0g、12.4mmol、1当量)、HATU(4.7g、12.4mmol、1当量)、TEA(2.5g、24.8mmol、3.5mL、2当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、15℃で2時間撹拌した。反応混合物を50mLの水と60mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、100mLの水および30mLのブラインで4回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~4:1で溶出)により精製して、1.4gの粗化合物3を薄黄色固体として得た。
化合物4の調製のための一般手順:10mLのHCl/EtOAc(4M)中の化合物3(0.7g、1.8mmol、1当量)の混合物を、15℃で0.5時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、0.47gの化合物4(1.5mmol、収率80%、HCl塩)を白色固体として得た。
(実施例25)
アルデヒド中間体A-1およびA-2の合成
アルデヒドA-1の調製のための一般手順:
1mLのDMF中の3-(ブタ-3-イン-1-イル)-3-(2-ヨードエチル)-3H-ジアジリン(70mg、282μmol、1当量)および4-ヒドロキシベンズアルデヒド(34.5mg、282μmol、1当量)の混合物に、Cs
2CO
3(276mg、847μmol、3当量)をN
2下、15℃で一度に添加した。混合物を60℃で12時間撹拌した。残留物を2mLの水に注ぎ入れた。水相を1mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を2mLのブラインで2回洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、40mgの粗アルデヒドA-1を黄色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
アルデヒドA-2の調製のための一般手順:
1mLのDMF中の3-(ブタ-3-イン-1-イル)-3-(2-ヨードエチル)-3H-ジアジリン(70mg、282μmol、1当量)および3-ヒドロキシベンズアルデヒド(34.5mg、282μmol、1当量)の混合物に、Cs
2CO
3(276mg、847μmol、3当量)をN
2下、15℃で一度に添加した。混合物を60℃で12時間撹拌した。反応混合物を3mLのH
2Oで希釈し、9mLのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を6mLのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶出)により精製して、40mgの粗製のA-2を無色油状物として得た。
(実施例26)
アルデヒド中間体A-3の合成
シクロプロパンカルバルデヒドオキシムの調製のための一般手順:25mLのMeOHおよび25mLの水中のシクロプロパンカルボキシアルデヒド(1.0g、14.3mmol、1.1mL、1.0当量)の混合物を0℃に冷却し、次いでNH
2OH・HCl(1.2g、17.1mmol、1.2当量)、Na
2CO
3(907mg、8.6mmol、0.6当量)を添加した。混合物をN
2雰囲気下、12℃で12時間撹拌した。これを減圧下で濃縮してMeOHを除去し、残った水性部分を50mLのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、900mgの粗製のシクロプロパンカルバルデヒドオキシムを白色固体として得た。
N-ヒドロキシシクロプロパンカルボイミドイルクロリドの調製のための一般手順:15mLのDMF中のシクロプロパンカルバルデヒドオキシム(900mg、10.6mmol、1.0当量)の混合物に、NCS(1.6g、11.6mmol、1.1当量)を40℃で添加し、次いで混合物をN2雰囲気下、40℃で2時間撹拌した。反応混合物を20mLの水と25mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、30mLの水および10mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.0gの粗製のN-ヒドロキシシクロプロパンカルボイミドイルクロリドを無色液体として得た。
(3-シクロプロピルイソオキサゾール-5-イル)メタノールの調製のための一般手順:15mLのTHF中のプロパ-2-イン-1-オール(1.3g、23mmol、1.3mL、3.0当量)の混合物を0℃に冷却し、次いでN-ヒドロキシシクロプロパンカルボイミドイルクロリド(900mg、7.5mmol、1.0当量)、ZnCl2(2.1g、15mmol、705μL、2.0当量)、TEA(2.7g、26mmol、3.7mL、3.5当量)をその温度で連続的に添加した。混合物をN2雰囲気下、30℃で12時間撹拌した。反応混合物を15mLの水と15mLのEtOAcとの間で分配し、混合物を濾過した。有機相を分離し、15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.0gの粗製の(3-シクロプロピルイソオキサゾール-5-イル)メタノールを薄黄色液体として得た。
アルデヒドA-3の調製のための一般手順:2mLのDCM中の(3-シクロプロピルイソオキサゾール-5-イル)メタノール(50.0mg、359μmol、1.0当量)の混合物に、DMP(229mg、539μmol、167μL、1.5当量)を添加した。混合物をN2雰囲気下、15℃で2時間撹拌した。A-3を含有する反応溶液を精製することなく次のステップに直接使用した。
(実施例27)
アルデヒド中間体A-4およびA-5の合成
アルデヒドA-4の調製のための一般手順:
5.0mLのMeOH中の(4-ホルミルフェニル)ボロン酸(200mg、1.3mmol、1.0当量)の混合物に、Cu(OAc)
2(24.2mg、133μmol、0.1当量)、NaN
3(130mg、2.0mmol、1.5当量)をN
2下、15℃で一度に添加した。混合物を15℃で10分間撹拌し、次いで55℃に加熱し、12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶出)により精製して、100mgの4-アジドベンズアルデヒド(A-4)(680μmol、収率51%)を黄色油状物として得た。
10mLのMeOH中の(3-ホルミルフェニル)ボロン酸(500mg、3.3mmol、1.0当量)の混合物に、NaN3(325mg、5.0mmol、1.5当量)、Cu(OAc)2(61mg、333μmol、0.1当量)をN2下、15℃で一度に添加した。混合物を15℃で10分間撹拌し、次いで55℃に加熱し、12時間撹拌した。反応混合物を2mLのH2Oの添加により15℃でクエンチし、6mLのDCMで3回抽出した。合わせた有機層を6mLのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶出)により精製して、360mgのアルデヒドA-5(2.5mmol、収率74%)を黄色油状物として得た。
メチル5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルボキシレートの調製のための一般手順:10mLのEtOH中のメチル4-シクロプロピル-2,4-ジオキソ-ブタノエート(900mg、5.3mmol、1.0当量)、ヒドロキシルアミン(1.1g、16mmol、3.0当量、HCl塩)の混合物を、70℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、油状物を得た。油状物を10mLの水で希釈し、16mLのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、無色油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=100:1~20:1の勾配で溶出)により精製して、175mgのメチル5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルボキシレート(1.05mmol、収率20%)を無色油状物として得た。
(5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-イル)メタノールの調製のための一般手順:2mLのEtOH中のメチル5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルボキシレート(175mg、1.1mmol、1.0当量)の混合物に、NaBH4(99mg、2.6mmol、2.5当量)を0℃で添加し、次いで混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物を10mLのH2Oによりクエンチし、次いで減圧下で濃縮し、20mLのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、106mgの粗製の(5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-イル)メタノールを無色油状物として得た。
アルデヒドA-6の調製のための一般手順:1.0mLのDCM中の(5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-イル)メタノール(20.0mg、143.7μmol、1.0当量)の混合物に、DMP(61mg、144μmol、45μL、1.0当量)を添加し、混合物を15℃で2.5時間撹拌した。さらにDMP(61mg、144μmol、45μL、1.0当量)を添加し、次いで混合物を15℃で11.5時間撹拌した。溶媒中の粗生成物である5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルバルデヒド A-6をさらに精製することなくその後のステップに使用した。
(実施例29)
アルデヒド中間体A-7の合成
メチル3-シクロプロピルイソオキサゾール-4-カルボキシレートの調製のための一般手順:10mLのMeOH中のプロピオール酸メチル(774mg、9.2mmol、766μL、1.0当量)、TEA(1.9g、18.4mmol、2.6mL、2.0当量)の混合物を、0℃に冷却した。5mLのMeOH中のN-ヒドロキシシクロプロパンカルボキシイミドイルクロリド(1.1g、9.2mmol、1.0当量)を滴下添加し、次いで混合物をN
2雰囲気下、14℃で12時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、得られた残留物を15mLのEtOAcで希釈し、15mLの1N HCl、15mLの飽和NaHCO
3水溶液および15mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、0.6gの粗製のメチル3-シクロプロピルイソオキサゾール-4-カルボキシレートを薄黄色液体として得た。
(3-シクロプロピルイソオキサゾール-4-イル)メタノールの調製のための一般手順:0℃に冷却した5mLのEtOH中のメチル3-シクロプロピルイソオキサゾール-4-カルボキシレート(500mg、3.0mmol、1.0当量)の混合物に、NaBH4(283mg、7.5mmol、2.5当量)を少量ずつ添加し、次いで混合物を徐々に15℃に加温し、N2雰囲気下で12時間撹拌した。これを、5mLの水を添加することによりクエンチし、次いで減圧下で濃縮した。残った水層を15mLのEtOAcで3回抽出し、合わせた有機層を10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、0.3gの粗製の(3-シクロプロピルイソオキサゾール-4-イル)メタノールを無色液体として得た。
アルデヒドA-7の調製のための一般手順:2mLのDCM中の(3-シクロプロピルイソオキサゾール-4-イル)メタノール(120mg、862μmol、1.0当量)の混合物に、DMP(549mg、1.3mmol、400μL、1.5当量)を15℃で少量ずつ添加し、混合物を15℃で1時間撹拌した。A-7を含有する反応混合物をその後の反応ステップで直接使用した。
(実施例30)
N-((1S,3R)-3-((4-(2-(3-(ブタ-3-イン-1-イル)-3H-ジアジリン-3-イル)エトキシ)ベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物425)の合成
1mLのMeOH中の化合物4(40.0mg、124μmol、1.0当量、HCl塩)の溶液に、4-[2-(3-ブタ-3-イニルジアジリン-3-イル)エトキシ]ベンズアルデヒド A-1(36.1mg、149μmol、1.2当量)、AcOH(746μg、12.4μmol、0.1当量)を15℃で添加した。添加後、混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでNaBH
3CN(7.8mg、124μmol、1当量)を15℃で添加した。得られた混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、母液を減圧下で濃縮して、残留物を得、これを分取HPLC(TFA条件)により精製して、16.8mgの化合物425(26.5μmol、収率21%、純度98.5%、TFA塩)を薄黄色固体として得た。
(実施例31)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((4-(4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ベンゾイル)ベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキサミド(化合物463)の合成
N,4-ジメトキシ-N-メチルベンズアミドの調製のための一般手順:75mLのDMF中の4-メトキシ安息香酸(5.0g、33mmol、1.0当量)、EDCI(7.6g、39mmol、1.2当量)、HOBt(6.7g、49mmol、1.5当量)およびTEA(6.7g、66mmol、9.1mL、2.0当量)の混合物を、10分間撹拌し、次いでN-メトキシメタンアミン塩酸塩(3.9g、39.4mmol、1.2当量)を添加した。混合物をN
2雰囲気下、15℃でさらに12時間撹拌した。反応混合物を100mLの水と100mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、150mLの水および50mLのブラインで3回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5gの粗製のN,4-ジメトキシ-N-メチルベンズアミドを無色液体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
4-(4-メトキシベンゾイル)ベンゾニトリルの調製のための一般手順:10mLのTHF中の4-ブロモベンゾニトリル(932mg、5.1mmol、1.0当量)の混合物を、-70℃に冷却した。n-BμLi(2.5M、2.1mL、1.0当量)を滴下添加し、混合物を30分間撹拌し、次いで5.0mLのTHF中のN,4-ジメトキシ-N-メチルベンズアミド(1.0g、5.1mmol、1.0当量)をゆっくりと添加した。混合物をその温度で30分間撹拌し、次いでこれを15℃に加温し、N2雰囲気下でさらに1時間撹拌した。これを10mLの氷水によりクエンチし、30mLのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~20:1の勾配で溶出)により精製して、1.1gの粗製の4-(4-メトキシベンゾイル)ベンゾニトリルを薄黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
4-(4-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリルの調製のための一般手順:15.0mLのトルエン中の4-(4-メトキシベンゾイル)ベンゾニトリル(1.0g、4.2mmol、1.0当量)、AlCl3(1.7g、12.6mmol、690μL、3.0当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、110℃で1時間撹拌した。反応混合物を20mLの水に注ぎ入れ、濾過して、530mgの粗製の4-(4-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリルを薄紫色固体として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
4-(4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ベンゾイル)ベンゾニトリルの調製のための一般手順:8.0mLのアセトン中の4-(4-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリル(530mg、2.4mmol、1.0当量)、3-ブロモプロパ-1-イン(1.4g、11.9mmol、1.0mL、5.0当量)、K2CO3(983mg、7.1mmol、3.0当量)の混合物を、30℃で72時間撹拌した。反応混合物を10mLの水と10mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、これを分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶出)により精製して、310mgの4-(4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ベンゾイル)ベンゾニトリル(1.19mmol、収率50%)を黄色固体として得た。
4-(ヒドロキシ(4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)メチル)ベンズアルデヒドの調製のための一般手順:2.0mLのTHF中の4-(4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ベンゾイル)ベンゾニトリル(100mg、383μmol、1.0当量)の混合物を、-70℃に冷却した。DIBAL-H(1M、1.5mL、4.0当量)を滴下添加した。混合物をN2雰囲気下、0℃で1.5時間撹拌した。これを、0.5mLのMeOH/HOAc(2/1、v/v)、4mLの水を添加することによりクエンチし、濾過し、得られた濾液を10mLのEtOAcで2回抽出し、合わせた有機層を5mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、80mgの粗製の4-(ヒドロキシ(4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)メチル)ベンズアルデヒドを薄黄色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
アルデヒドA-8の調製のための一般手順:2.0mLのDCM中の4-(ヒドロキシ(4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)フェニル)メチル)ベンズアルデヒド(80mg、300μmol、1.0当量)の混合物に、DMP(191mg、451μmol、1.5当量)を少量ずつ添加し、次いで混合物をN2雰囲気下、15℃で1.5時間撹拌した。A-8を含有する反応混合物を次のステップに直接使用した。
化合物463の調製のための一般手順:1mLのMeOH中の化合物25(50mg、155μmol、1.0当量、HCl塩)の混合物に、TEA(15.7mg、155μmol、1.0当量)、4-(4-プロパ-2-インオキシベンゾイル)ベンズアルデヒド(A-8)(41mg、155μmol、1当量、反応混合物からの粗製物)を添加した。混合物を15℃で30分間撹拌し、NaBH
3CN(19.5mg、310μmol、2.0当量)を添加した。混合物をN
2雰囲気下、15℃でさらに2時間撹拌した。これを濾過し、濾液を最初に分取HPLC(TFA条件)により精製し、次いで分取HPLC(中性条件)により再精製して、5.6mgの化合物463(10μmol、収率7%、純度99.2%)を白色固体として得た。
(実施例32)
N-((1S,3R)-3-((ベンゾ[d]オキサゾール-6-イルメチル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物464)の合成
化合物464の調製のための一般手順:2.0mLのMeOH中の化合物4(50.0mg、155.4μmol、1.0当量、HCl塩)、1,3-ベンゾオキサゾール-6-カルバルデヒド(27.4mg、186μmol、1.2当量)、TEA(7.9mg、78μmol、0.5当量)およびAcOH(4.7mg、78μmol、4.4μL、0.5当量)の混合物を、15℃で0.5時間撹拌し、次いでNaBH
3CN(19.5mg、311μmol、2.0当量)を添加し、混合物を15℃で11時間撹拌した。反応混合物を濾過し、残留物を分取HPLC(中性条件)により精製して、12.8mgの化合物464(29.9μmol、収率19%、純度97.3%)を褐色固体として得た。
(実施例33)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((チアゾール-2-イルメチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物465)の合成
化合物465の調製のための一般手順:1.0mLのDCEおよび1.0mLのMeOH中の化合物4(20.0mg、62μmol、1.0当量、HCl塩)の混合物に、TEA(6.3mg、62.1μmol、1.0当量)を添加し、次いでチアゾール-2-カルバルデヒド(7.7mg、68μmol、1.1当量)、HOAc(4.5mg、75μmol、1.2当量)を添加し、混合物を10℃で4時間撹拌した。NaBH(OAc)
3(19.8mg、93μmol、1.5当量)を添加し、混合物をN
2雰囲気下でさらに8時間撹拌した。混合物を25℃で撹拌し、さらに12時間撹拌した。これを減圧下で蒸発させ、分取HPLC(TFA条件)により精製して、5.8mgの化合物465(11.2μmol、収率18%、純度96.1%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例34)
N-((1S,3R)-3-(((5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)メチル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物467)の合成
化合物467の調製のための一般手順:1mLのDMF中の化合物4(30mg、93μmol、1当量、HCl塩)、2-(ブロモメチル)-5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール(61.3mg、280μmol、3当量)およびKI(7.7mg、47μmol、0.5当量)の混合物に、Et
3N(28.3mg、280μmol、39μL、3当量)を添加した。混合物を脱気し、N
2で3回パージし、次いで混合物をN
2雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、母液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、16mgの化合物467(29μmol、収率31%、純度97.6%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例35)
2-(ブロモメチル)-5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール(化合物467の合成で使用する臭化物)の合成
エチル2-(2-(シクロプロパンカルボニル)ヒドラジニル(hydrazineyl))-2-オキソアセテートの調製のための一般手順:100mLのDCM中のシクロプロパンカルボヒドラジド(5g、50mmol、1当量)およびEt
3N(15.2g、150mmol、20.9mL、3当量)の混合物に、エチル2-クロロ-2-オキソ-アセテート(6.8g、50mmol、5.6mL、1当量)を0℃で滴下添加した。反応混合物を15℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=20:1~1:1の勾配で溶出)により精製して、9.1gのエチル2-(2-(シクロプロパンカルボニル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート(45.5mmol、収率91%)を無色油状物として得た。
エチル5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキシレートの調製のための一般手順:100mLのTHF中のエチル2-(2-(シクロプロパンカルボニル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート(9.1g、45.5mmol、1当量)およびローソン試薬(18.4g、45.5mmol、1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応混合物を150mLのH2Oの添加により15℃でクエンチし、次いで300mLのDCMで3回抽出した。合わせた有機層を200mLのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=20:1~8:1の勾配で溶出)により精製して、8.5gのエチル5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキシレート(43mmol、収率94%)を薄黄色油状物として得た。
(5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)メタノールの調製のための一般手順:50mLのEtOH中のエチル5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-カルボキシレート(5g、25.2mmol、1当量)の溶液に、NaBH4(1.9g、50.4mmol、2当量)を0℃で少量ずつ添加した。混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を30mLのH2Oで希釈し、90mLのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を60mLのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.5gの粗製の(5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)メタノール(9.6mmol、収率38%)を無色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
2-(ブロモメチル)-5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾールの調製のための一般手順:15mLのTHF中の(5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)メタノール(1g、6.4mmol、1当量)およびPPh3(1.9g、7.0mmol、1.1当量)、CBr4(2.3g、7.0mmol、1.1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、15℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出)により精製して、550mgの2-(ブロモメチル)-5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール(2.25mmol、収率35%、純度89.6%)を黄色固体として得た。
(実施例36)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-(((5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキサミド(化合物468)の合成
化合物468の調製のための一般手順:1mLのDMF中の化合物25(30mg、93μmol、1当量、HCl塩)およびTEA(28mg、279μmol、3当量)の混合物に、2-(ブロモメチル)-5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール(49.3mg、279μmol、3当量)を15℃で添加した。反応混合物をN
2雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、20.9mgの化合物468(41μmol、収率38%、純度97.4%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例37)
2-(ブロモメチル)-5-メチル-1,3,4-オキサジアゾールの合成
(化合物468および469の合成のためのブロモメチル中間体)
エチル2-(2-アセチルヒドラジニル)-2-オキソアセテートの調製のための一般手順:100mLのDCM中のアセトヒドラジド(5.0g、68mmol、1.0当量)およびTEA(20.5g、203mmol、28.1mL、3.0当量)の混合物に、エチル2-クロロ-2-オキソ-アセテート(9.2g、68mmol、7.6mL、1.0当量)を0℃で滴下添加した。反応混合物を15℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、酢酸エチル:MeOH=100:1~20:1の勾配で溶出)により精製して、9.5gの粗製のエチル2-(2-アセチルヒドラジニル)-2-オキソアセテートを白色固体として得た。
エチル5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートの調製のための一般手順:60mLのDCM中のエチル2-(2-アセチルヒドラジニル)-2-オキソアセテート(6.1g、35.0mmol、1.0当量)の混合物に、TEA(4.6g、45.5mmol、6.3mL、1.3当量)およびTosCl(8.0g、42.0mmol、1.2当量)を0℃で添加した。反応混合物を15℃で3時間撹拌した。反応混合物を140mLの飽和NH4Cl水溶液で2回洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);80g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、50mL/分で石油エーテル中10~30%酢酸エチルの勾配で溶出)により精製して、3.5gのエチル5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(22.4mmol、収率64%)を白色固体として得た。
(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メタノールの調製のための一般手順:30mLのEtOH中のエチル5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(2.5g、16.0mmol、1.0当量)の混合物に、NaBH4(1.2g、32.0mmol、2当量)を0℃で添加し、次いで混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物を30mLのH2Oによりクエンチし、次いで減圧下で濃縮し、90mLのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.2gの(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メタノール(10.5mmol、収率66%)を無色油状物として得た。
2-(ブロモメチル)-5-メチル-1,3,4-オキサジアゾールの調製のための一般手順:15mLのTHF中の(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メタノール(1.2g、10.5mmol、1当量)、CBr4(3.5g、10.5mmol、1当量)の混合物を、15℃で0.5時間撹拌し、次いでPPh3(2.8g、10.5mmol、1当量)を添加し、混合物を15℃で11.5時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~2:1で溶出)により精製して、400mgの2-(ブロモメチル)-5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール(2.2mmol、収率20.5%、純度95.5%)を薄黄色油状物として得た。
(実施例38)
5-(ブロモメチル)-3-イソプロピル-イソオキサゾール(化合物470および471の合成のためのブロモメチル中間体)の合成
イソブチルアルデヒドオキシムの調製のための一般手順:30mLのMeOHおよび30mLのH
2O中の2-メチルプロパナール(5.0g、69.3mmol、6.3mL、1.0当量)の混合物を0℃に冷却し、次いでヒドロキシルアミン塩酸塩(5.8g、83mmol、1.2当量)およびNa
2CO
3(4.4g、42mmol、0.6当量)を添加し、混合物を15℃で12時間撹拌した。これを減圧下で濃縮し、残った水性部分を50mLのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を30mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、2.8gの粗製のイソブチルアルデヒドオキシムを無色油状物として得た。
N-ヒドロキシイソブチルイミドイルクロリドの調製のための一般手順:30.0mLのDMF中のイソブチルアルデヒドオキシム(2.7g、30.4mmol、1.0当量)の混合物に、NCS(4.5g、33.5mmol、1.1当量)を40℃で添加し、混合物を40℃で12時間撹拌した。反応混合物を50mLの水と30mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、40mLの水および20mLのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3.0gの粗製のN-ヒドロキシイソブチルイミドイルクロリドを無色油状物として得た。
(3-イソプロピルイソオキサゾール-5-イル)メタノールの調製のための一般手順:30mLのTHF中のプロパ-2-イン-1-オール(4.3g、77mmol、4.5mL、3.0当量)の混合物を0℃に冷却し、次いでN-ヒドロキシイソブチルイミドイルクロリド(3.1g、26mmol、1.0当量)、ZnCl2(7.0g、51mmol、2.4mL、2.0当量)、TEA(9.0g、89mmol、12.4mL、3.5当量)をその温度で連続的に添加し、混合物を40℃で12時間撹拌した。反応混合物を30mLの水と30mLのEtOAcとの間で分配し、得られた混合物を濾過した。有機相を分離し、15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3.1gの粗製の(3-イソプロピルイソオキサゾール-5-イル)メタノールを無色油状物として得た。
5-(ブロモメチル)-3-イソプロピル-イソオキサゾールの調製のための一般手順:15mLのTHF中の(3-イソプロピルイソオキサゾール-5-イル)メタノール(1.2g、8.5mmol、1当量)、CBr4(3.1g、9.4mmol、1.1当量)の混合物を、15℃で0.5時間撹拌し、次いでPPh3(2.5g、9.4mmol、1.1当量)を添加し、混合物を15℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、油状物を得た。油状物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=100:1~40:1で溶出)により精製して、0.63gの5-(ブロモメチル)-3-イソプロピル-イソオキサゾール(3.1mmol、収率36%)を無色油状物として得た。
(実施例39)
追加の化合物
以下の化合物は、上記実施例30に記載した通りの還元的アミノ化を使用して調製した。
(実施例40)
3-メチルベンゾフラン-2-カルバルデヒド(化合物476の合成のためのアルデヒド)の合成
N-メトキシ-N,3-ジメチルベンゾフラン-2-カルボキサミドの調製のための一般手順:5mLのDMF中の3-メチルベンゾフラン-2-カルボン酸(0.5g、2.8mmol、1当量)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(415mg、4.3mmol、1.5当量)、HATU(1.2g、3.1mmol、1.1当量)、TEA(718.0mg、7.1mmol、987.6μL、2.5当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応混合物を10mLの水と10mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、20mLの水および5mLのブラインで4回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、0.62gの粗製のN-メトキシ-N,3-ジメチルベンゾフラン-2-カルボキサミドを黄色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
3-メチルベンゾフラン-2-カルバルデヒドの調製のための一般手順:-70℃に冷却した10mLのTHF中のN-メトキシ-N,3-ジメチルベンゾフラン-2-カルボキサミド(0.6g、2.8mmol、1当量)の混合物に、LAH(215mg、5.7mmol、2当量)を少量ずつ添加し、次いで混合物をN2雰囲気下、-70℃で1時間撹拌した。これを、0.25mLの水をゆっくりと添加することによりクエンチし、続いて0.25mLの15%NaOH水溶液および0.75mLの水を添加した。混合物を濾過し、濾液をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得、これを分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶出)により精製して、250mgの3-メチルベンゾフラン-2-カルバルデヒド(1.6mmol、収率55%)を黄色固体として得た。
(実施例41)
5-フルオロベンゾフラン-2-カルバルデヒド(化合物478の合成のためのアルデヒド)の合成
2-(2,2-ジエトキシエトキシ)-5-フルオロベンズアルデヒドの調製のための一般手順:10mLのDMF中の5-フルオロ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(0.5g、3.6mmol、1当量)、K
2CO
3(986mg、7.1mmol、2当量)の混合物に、2-ブロモ-1,1-ジエトキシ-エタン(774mg、3.9mmol、591μL、1.1当量)を15℃で滴下添加した。混合物をN
2雰囲気下、140℃で4時間撹拌した。反応混合物を10mLの水と10mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、30mLの水および10mLのブラインで3回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.0gの粗生成物である2-(2,2-ジエトキシエトキシ)-5-フルオロベンズアルデヒドを褐色液体として得、さらに精製することなく次のステップに使用した。
5-フルオロベンゾフラン-2-カルバルデヒドの調製のための一般手順:15mLのHOAc中の粗製の2-(2,2-ジエトキシエトキシ)-5-フルオロベンズアルデヒド(1g、3.9mmol、1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、100℃で12時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1の勾配で溶出)により精製して、0.4gの5-フルオロベンゾフラン-2-カルバルデヒド(2.4mmol、収率63%)を黄色固体として得た。
(実施例42)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-4-シアノ-N-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物481)の合成
中間体95の調製のための一般手順:DMF(1.5mL)中の化合物70(35.0mg、105μmol、1.0当量)、5-シアノベンゾイミダゾール-2-カルボン酸(70.6mg、316μmol、3.0当量、HCl)、TEA(54mg、526μmol、5.0当量)、HATU(80.1mg、211μmol、2.0当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、30℃で2時間撹拌した。反応混合物を3mLの水と3mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、3mLの水で3回、2mLのブラインで1回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出)により精製して、15.0mgの粗化合物95を無色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
化合物481の調製のための一般手順:DCM(0.5mL)中の化合物95(15.0mg、29.9μmol、1.0当量)、TFA(154mg、1.4mmol、0.1mL、45当量)の混合物を、18℃で0.5時間撹拌した。これを減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、5.8mgの化合物481(収率37%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例43)
4-シアノベンゾイミダゾール-2-カルボン酸(化合物481を合成するために使用する中間体)の合成
2-アミノ-3-ニトロベンゾニトリルの調製のための一般手順:無水EtOHの溶液(20mL)を0℃でNH
3にバブリングして、7M NH
3/EtOHを得た。これを、2-クロロ-3-ニトロベンゾニトリル(0.5g、2.7mmol、1.0当量)を含有する密封管内に移した。混合物を徐々に18℃に加温し、次いで110℃で12時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて大部分の溶媒を除去して、0.5gの粗製の2-アミノ-3-ニトロベンゾニトリルを黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
2,3-ジアミノベンゾニトリルの調製のための一般手順:EtOH(3mL)および水(1.5mL)中の粗製の2-アミノ-3-ニトロベンゾニトリル(150.0mg、920μmol、1.0当量)、Fe(257mg、4.6mmol、5.0当量)、NH4Cl(246mg、4.6mmol、5.0当量)の混合物を、60℃で0.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、残留物を得た。これを5mLの水および5mLのEtOAcで希釈し、有機層を分離し、2mLのブラインで1回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、50.0mgの粗製の2,3-ジアミノベンゾニトリルを褐色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
2-(トリクロロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボニトリルの調製のための一般手順:DCM(1mL)中の2,3-ジアミノベンゾニトリル(50.0mg、376μmol、1.0当量)の混合物に、メチル2,2,2-トリクロロエタンイミデート(86.1mg、488μmol、1.3当量)を添加し、続いてTFA(107.0mg、939μmol、2.5当量)を添加した。混合物をN2雰囲気下、18℃で2時間撹拌した。混合物を5mLのDCMで希釈し、濾過した。濾液をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。5mLのDCM中の97.8mgの粗製の2-(トリクロロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボニトリルを褐色溶液として得、次のステップで直接使用した。
4-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸の調製のための一般手順:DCM(5mL)中の粗製の2-(トリクロロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボニトリル(97.8mg、375.5μmol、1.0当量)の溶液に、NaOH(2.0M、376μL、2.0当量)を添加した。混合物を減圧下で蒸発させて、DCMの大部分を除去した。得られた混合物にMeOH(2mL)を添加し、次いでこれを17℃で0.5時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して溶媒を除去し、得られた残留物を1mLの水および2mLのEtOAcで希釈し、濾過した。EtOAC層を濾液から除去し、pH約3になるまで濃HClにより酸性化した水層を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。この残留物を1mLのMeOHで希釈し、濾過して塩を除去し、濾液を濃縮して、85.0mgの粗製の4-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸(HCl塩)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
(実施例44)
N-((1S,3R)-3-((ベンゾ[d]オキサゾール-6-イルメチル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物487)の合成
化合物487の調製のための一般手順:1mLのMeOH中の化合物66(35mg、122μmol、1.0当量)、1,3-ベンゾオキサゾール-6-カルバルデヒド(18.0mg、122μmol、1.0当量)、HOAc(7.3mg、122μmol、1当量)の混合物を、25℃で30分間撹拌し、次いでNaBH
3CN(15.4mg、244μmol、2.0当量)を添加し、混合物を25℃でさらに11.5時間撹拌した。これを、1滴の水を添加することによりクエンチし、濾過して、濾液を得た。濾液を分取HPLC(中性条件)により精製して、3.2mgの化合物487(6.8μmol、収率5.6%、純度88.7%)を白色固体として得た。
以下の化合物は化合物66から同様に調製することができる。
(実施例45)
フロ[3,2-b]ピリジン-2-カルバルデヒド(化合物491の合成で使用するアルデヒド)の合成
2-(ジエトキシメチル)フロ[3,2-b]ピリジンの調製のための一般手順:10mLのTHF中の2-ヨード-3-ヒドロキシピリジン(1g、4.5mmol、1.0当量)、3,3-ジエトキシプロパ-1-イン(754.0mg、5.9mmol、1.3当量)、TEA(4.1g、41mmol、9.0当量)、CuI(172mg、905μmol、0.2当量)およびPd(PPh
3)
2Cl
2(318mg、453μmol、0.1当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、70℃で14時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=100:1~2:1で溶出)により精製して、820mgの2-(ジエトキシメチル)フロ[3,2-b]ピリジン(3.7mmol、収率82%)を黄色油状物として得た。
フロ[3,2-b]ピリジン-2-カルバルデヒドの調製のための一般手順:2mLのTHFおよび0.5mLの水中の2-(ジエトキシメチル)フロ[3,2-b]ピリジンの混合物に、TFA(770.0mg、6.8mmol、7.5当量)を添加し、混合物をN2雰囲気下、60℃で1時間撹拌した。これを2mLの水で希釈し、pH=9になるまで2N NaOH溶液により塩基性化し、次いで9mLの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を2mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、130mgの粗製のフロ[3,2-b]ピリジン-2-カルバルデヒドを薄黄色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用して、化合物491を調製した。
(実施例46)
イミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-カルバルデヒド(化合物492の合成で使用するアルデヒド)の合成
N-メトキシ-N-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-カルボキサミドの調製のための一般手順:1mLのDMF中のイミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-カルボン酸(70mg、432μmol、1.0当量)およびHATU(197mg、518μmol、1.2当量)の溶液に、TEA(131mg、1.3mmol、3当量)を添加した。混合物を25℃で10分間撹拌し、次いでN-メトキシメタンアミン塩酸塩(50.5mg、518μmol、1.2当量)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を5mLの氷水に注ぎ入れ、3mLずつの酢酸エチルで5回抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO
2)により精製して、110mgの粗製のN-メトキシ-N-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-カルボキサミドを黄色油状物として得た。
イミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-カルバルデヒドの調製のための一般手順:2mLのTHF中のN-メトキシ-N-メチルイミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-カルボキサミド(110mg、536μmol、1.0当量)の溶液に、LAH(30.5mg、804μmol、1.5当量)を0℃で少量ずつ添加した。添加後、得られた混合物を0℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を1mLの水の添加により0℃でクエンチし、次いで5mLの水で希釈し、最後に3mLずつの酢酸エチルで4回抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、70mgの粗製のイミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-カルバルデヒドを橙色油状物として得、これをさらに精製することなく、化合物492を調製するために使用した。
(実施例47)
インドリジン-2-カルバルデヒド(化合物493の合成で使用するアルデヒド)の合成
N-メトキシ-N-メチルインドリジン-2-カルボキサミドの調製のための一般手順:3mLのDMF中のインドリジン-2-カルボン酸(0.2g、1.2mmol、1当量)、N-メトキシメタンアミン(182mg、1.9mmol、1.5当量、HCl)、HATU(566mg、1.5mmol、1.2当量)、TEA(251mg、2.5mmol、2当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、28℃で12時間撹拌した。反応混合物を5mLの水と5mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、5mLの水および5mLのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、190mgの粗製のN-メトキシ-N-メチルインドリジン-2-カルボキサミドを黒褐色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
インドリジン-2-カルバルデヒドの調製のための手順:2mLのTHF中のN-メトキシ-N-メチルインドリジン-2-カルボキサミド(190mg、930μmol、1.0当量)の溶液に、LAH(53.0mg、1.4mmol、1.5当量)を0℃で少量ずつ添加した。添加後、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を1.5mLの水および4.5mLのNaOH(15%)溶液の添加により0℃でクエンチした。これを15mLの水で希釈し、7mlずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を7mLのブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、182mgの粗製のインドリジン-2-カルバルデヒドを黒褐色固体として得た。
(実施例48)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イルメチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物494)の合成
化合物494の調製のための一般手順:1mLのDCEおよび0.5mLのMeOH中の化合物66(20mg、70μmol、1.0当量)、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルバルデヒド(8.2mg、56μmol、0.8当量)、HOAc(4.2mg、70μmol、1当量)の混合物を、25℃で30分間撹拌し、次いでNaBH
3CN(8.8mg、140μmol、2当量)を添加し、混合物をN
2雰囲気下でさらに1時間撹拌した。これを、2滴の水を添加することによりクエンチし、次いで濾過して、濾液を得た。濾液を濃縮し、分取HPLC(中性条件)により精製して、9.2mgの化合物494(21.8μmol、収率31.%、純度98.9%)を白色固体として得た。
(実施例49)
N-((1S,3R)-3-(((3-シクロプロピルイソオキサゾール-5-イル)メチル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物495)の合成
化合物495の調製のための一般手順:1mLのDMF中の化合物66(35mg、122μmol、1.0当量)、5-(ブロモメチル)-3-シクロプロピルイソオキサゾール(49.4mg、244μmol、2.0当量)、Et
3N(37.1mg、367μmol、3.0当量)およびKI(10.1mg、61.1μmol、0.5当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、20℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過液を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、24.4mgの化合物495(46.7μmol、収率38.2%、純度99.9%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例50)
5-(ブロモメチル)-3-シクロプロピルイソオキサゾール(化合物495の合成で使用する臭化物)の合成
シクロプロパンカルバルデヒドオキシムの調製のための一般手順:50mLのMeOHおよび50mLの水中のシクロプロパンカルバルデヒド(5g、71mmol、1.0当量)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(6.0g、86mmol、1.2当量)およびNa
2CO
3(4.5g、43mmol、0.6当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を30mLの水で希釈し、50mlずつの酢酸エチルで4回抽出した。合わせた有機層を50mLのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、4.7gの粗製のシクロプロパンカルバルデヒドオキシムを無色油状物として得た。
N-ヒドロキシシクロプロパンカルボイミドイルクロリドの調製のための一般手順:60mLのDMF中のシクロプロパンカルバルデヒドオキシム(4.7g、55mmol、1.0当量)の混合物に、NCS(8.1g、61mmol、1.1当量)を25℃で添加し、次いで混合物をN2雰囲気下、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を100mLの水の間で分配し、50mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。有機相を分離し、50mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、6.6gの粗製のN-ヒドロキシシクロプロパンカルボイミドイルクロリドを薄緑色油状物として得た。
(3-シクロプロピルイソオキサゾール-5-イル)メタノールの調製のための一般手順:10mLの中のプロパ-2-イン-1-オール(1.4g、25mmol、3当量)の混合物を0℃に冷却し、次いでN-ヒドロキシシクロプロパンカルボイミドイルクロリド(1g、8.4mmol、1.0当量)、ZnCl2(2.3g、17mmol、2.0当量)、TEA(3.0g、29mmol、3.5当量)を順次添加した。混合物をN2雰囲気下、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を15mLの水および15mLのEtOAcで希釈し、混合物を濾過した。有機相を分離し、15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、860mgの粗製の(3-シクロプロピルイソオキサゾール-5-イル)メタノールを黄色油状物として得た。
5-(ブロモメチル)-3-シクロプロピルイソオキサゾールの調製のための一般手順:2mLのTHF中の(3-シクロプロピルイソオキサゾール-5-イル)メタノール(100mg、719μmol、1.0当量)およびCBr4(262mg、791μmol、1.1当量)、PPh3(207mg、791μmol、1.1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、20℃で12時間撹拌した。反応混合物を2mLの水の添加によりクエンチし、次いで2mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を2mLのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、100mgの5-(ブロモメチル)-3-シクロプロピルイソオキサゾール(495μmol、収率69%)を黄色固体として得た。
(実施例51)
2-(ブロモメチル)ベンゾフラン-3-カルボニトリル(化合物496、497および498の合成で使用する臭化物)の合成
2H-クロメン-3-カルボニトリルの調製のための一般手順:2-ヒドロキシベンズアルデヒド(5g、41mmol、4.4mL、1当量)、プロパ-2-エンニトリル(10.9g、205mmol、13.6mL、5当量)、DABCO(1.0g、9.0mmol、991μL、0.2当量)の混合物を、N
2雰囲気下、90℃で12時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=20:1で溶出)により精製して、5.6gの2H-クロメン-3-カルボニトリル(36mmol、収率87%)を薄黄色固体として得た。
2-メチルベンゾフラン-3-カルボニトリルの調製のための一般手順:30mLのDMSO中の2H-クロメン-3-カルボニトリル(3g、19.1mmol、1当量)、NaN3(1.4g、21.0mmol、1.1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、160℃で30分間撹拌した。反応混合物を30mLの水と30mLのEtOAcとの間で分配した。有機相を分離し、60mLの水および20mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~15:1の勾配で溶出)により精製して、1.7gの2-メチルベンゾフラン-3-カルボニトリル(10.8mmol、収率57%)を薄黄色固体として得た。
2-(ブロモメチル)ベンゾフラン-3-カルボニトリルの調製のための一般手順:23mLのCCl4中の2-メチルベンゾフラン-3-カルボニトリル(2.3g、14.6mmol、1.0当量)、AIBN(479mg、2.9mmol、0.2当量)およびNBS(2.9g、16.0mmol、1.1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、80℃で12時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=20:1で溶出)により精製して、0.9gの2-(ブロモメチル)ベンゾフラン-3-カルボニトリル(3.8mmol、収率26%)を黄色固体として得た。
(実施例52)
N-((1S,3R)-3-((5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物499)の合成
化合物97の調製のための一般手順:8mLのDMSO中の、化合物68およびEtOAc中HClから調製した化合物96(500mg、1.8mmol、1当量)、2-ブロモ-5-シクロプロピル-1,3,4-チアジアゾール(557mg、2.7mmol、1.5当量)の溶液に、DIEA(1.2g、9.1mmol、5当量)およびCsF(1.4g、9.1mmol、5当量)を添加した。混合物を100℃で12時間撹拌した。残留物を10mLの水に注ぎ入れた。水相を10mLずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を10mLのブラインで2回洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=10:1で溶出)により精製して、化合物97(130mg、325μmol、収率18%)を黄色油状物として得た。
化合物98の調製のための一般手順:0.2mLのHBr(40%)を含有する2mLの酢酸中の化合物97(110mg、275μmol、1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、15℃で2時間撹拌した。反応混合物を10mLの4M NaOH水溶液(pH=12)と5mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、5mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。粗生成物化合物98(23mg)を黄色油状物としてさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物499の調製のための一般手順:1mLのDMF中の1H-インドール-2-カルボン酸(13mg、81μmol、1.0当量)の溶液に、HATU(37mg、97μmol、1.2当量)、Et
3N(12mg、121μmol、1.5当量)を15℃で添加した。添加後、混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いで化合物98(21mg、81μmol、1.0当量)を15℃で添加した。得られた混合物を15℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過した。濾液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、化合物499(7.7mg、15μmol、収率18%、純度100%、TFA)を白色固体として得た。
(実施例53)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボキサミド(化合物502)の合成
化合物I-1の調製のための一般手順:トルエン(10mL)中の2,2-ジメチルテトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(1.0g、7.8mmol、1.0当量)の溶液に、モルホリン(1.0g、11.7mmol、1.0mL、1.5当量)およびPTSA(134mg、780μmol、0.1当量)を添加した。混合物を110℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去して、1.3gの粗化合物I-1を黄色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
エチル3-ブロモ-2-(ヒドロキシイミノ)プロパノエートの調製のための一般手順:EtOH(50mL)中のエチル3-ブロモ-2-オキソプロパノエート(5.0g、25.6mmol、1.0当量)の混合物に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.8g、25.6mmol、1.0当量)を20℃で添加し、次いで混合物を80℃で12時間撹拌した。これを減圧下で濃縮して、EtOHを除去した。残った水性部分に20mLのH2Oを添加し、これを30mLずつのEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を30mLのブラインで1回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、4.63gのエチル3-ブロモ-2-(ヒドロキシイミノ)プロパノエートを白色固体として得、これを精製することなく次のステップで直接使用した。
化合物I-2の調製のための一般手順:トルエン(5mL)中のエチル3-ブロモ-2-(ヒドロキシイミノ)プロパノエート(680mg、3.2mmol、1.0当量)、化合物I-1(1.3g、6.5mmol、2.0当量)、4A MS(0.7g)の混合物を、15℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、1.0gの粗化合物I-2を黄色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
エチル6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボキシレートの調製のための一般手順:トルエン(5mL)中の化合物I-2(1.0g、3.1mmol、1.0当量)の溶液に、TFA(559mg、4.9mmol、1.6当量)、4A MS(1.0g)および一酸化炭素;4,5,6トリフェラトリシクロペンタン(triferratricyclopentane)-1-ジオン(772mg、1.5mmol、0.5当量)を添加した。混合物を110℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=15:1~3:1で溶出)により精製して、250mgのエチル6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボキシレートを黄色油状物として得た。
6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボン酸の調製のための一般手順:EtOH(1.5mL)およびH2O(1.5mL)中のエチル6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボキシレート(250mg、1.1mmol、1.0当量)およびNaOH(134.4mg、3.4mmol、3.0当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、15℃で0.5時間撹拌し、次いで40℃に12時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、残留物を1mLのHCl(1M)で希釈し(pH=3)、2mLずつのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、0.2gの粗製の6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボン酸を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボニルフルオリドの調製のための一般手順:ACN(1mL)中の6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボン酸(50.0mg、256μmol、1.0当量)、ピリジン(12.2mg、154μmol、0.6当量)および2,4,6-トリフルオロ-1,3,5-トリアジン(17.3mg、128μmol、0.5当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、20℃で2時間撹拌した。反応混合物を、2mLのH2Oを添加することによりクエンチし、次いで2mLずつのEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、35.0mgの粗製の6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボニルフルオリドを黄色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
化合物I-3の調製のための一般手順:DCM(1mL)中の6,6-ジメチル-1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボニルフルオリド(35.0mg、178μmol、1当量)および化合物70(59.0mg、178μmol、1.0当量)、Et3N(19.8mg、195μmol、1.1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、20℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出)により精製して、35.0mgの粗化合物I-3を黄色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
化合物502の調製のための一般手順:DCM(1mL)中の化合物I-3(35.0mg、68.7μmol、1.0当量)およびTFA(154mg、1.4mmol、0.1mL、19.7当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、20℃で1時間撹拌した。反応混合物を、1mLの飽和Na
2CO
3水溶液を添加することにより0℃で(pH約12に)クエンチし、次いで2mLずつのDCMで3回抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(中性条件)により精製して、4.0mgの化合物502(収率13%)を白色固体として得た。
化合物503は、アミン66への1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボン酸のカップリング、およびDCM中TFAによる脱保護を含む、同様の2ステップの手順により調製した。
(実施例54)
1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物502および503を合成するために使用する)の合成
1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボン酸の調製のための一般手順:MeOH(1mL)およびH
2O(0.3mL)中の1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボン酸エチルエステル(80mg、410μmol、1.0当量)の混合物に、NaOH(49mg、1.2mmol、3.0当量)を15℃で一度に添加した。反応混合物を30℃で3時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮してMeOHを減少させ、次いで混合物をHCl(1N)によりpH約4に調整して、いくらかの固体を生成した。固体を濾過により単離して、60mgの化合物である1,4,6,7-テトラヒドロピラノ[4,3-b]ピロール-2-カルボン酸を薄赤色固体として得、これを精製することなく次のステップで直接使用した。
(実施例55)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1,5,6,7-テトラヒドロピラノ[3,2-b]ピロール-2-カルボキサミド(化合物511)の合成
化合物I-5の調製のための一般手順:POCl
3(3.1g、20.0mmol、1当量)をDMF(1.46g、20.0mmol、1当量)に5分間かけて0℃で滴下添加した。ジクロロメタン(10mL)を添加し、次いで氷浴を取り外した。反応物を25℃に1時間保ち、次いでこれを再度0℃に冷却した。5mLのジクロロメタン中のジヒドロ-2H-ピラン-3(4H)-オン I-4(2g、20.0mmol、1当量)を5分以内に滴下添加した。反応物を0℃に1時間保った。反応混合物を、20mLの飽和NH
4Clを添加することによりクエンチし、30mLのDCMで3回抽出した。合わせた有機相を20mLのブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=50:1~20:1の勾配で溶出するSiO
2)により精製して、470mgの化合物I-5を黄色油状物として得た。
化合物I-6の調製のための一般手順:5mLのピリジン中の化合物I-5(470mg、3.2mmol、1当量)および3-エトキシ-3-オキソ-プロパン酸(847mg、6.4mmol、2.0当量)の混合物に、ピペリジン(54.6mg、641μmol、0.2当量)を25℃で添加した。反応混合物を110℃で3時間撹拌した。反応混合物に20mLの2N HClを添加し、次いで混合物を15mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を10mLの1N HClで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、0.6gの粗化合物I-6を褐色油状物として得、これを精製することなく次のステップに直接使用した。
化合物I-7の調製のための一般手順:10mLのDMSO中の化合物I-6(0.6g、2.8mmol、1当量)の混合物に、NaN3(360mg、5.5mmol、2当量)を25℃で添加した。反応混合物を110℃で12時間撹拌した。反応混合物に、30mLのH2Oを添加した。混合物を30mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を20mLのブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1で溶出するSiO2)により精製して、160mgの化合物I-7を薄黄色固体として得た。
化合物I-8の調製のための一般手順:2mLのMeOHおよび0.5mLのH2O中の化合物I-7(150mg、768μmol、1当量)の混合物に、NaOH(92mg、2.3mmol、3当量)を25℃で一度に添加した。混合物を40℃で12時間撹拌した。反応混合物を4N HClによりpH約3に調整し、得られた固体を濾過して、80mgの化合物I-8(収率62%)を赤色固体として得た。
化合物I-9の調製のための一般手順:6mLのCH3CN中の化合物I-8(56mg、335μmol、1.0当量)、ピリジン(15.9mg、201μmol、0.6当量)の溶液に、2,4,6-トリフルオロ-1,3,5-トリアジン(18.1mg、134μmol、0.4当量)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を6mLのH2Oで希釈し、24mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、58mgの粗化合物I-9を黄色油状物として得た。
化合物I-10の調製のための一般手順:2mLのDCM中の化合物I-9(58mg、343μmol、1.0当量)の溶液に、Et3N(52mg、514μmol、1.5当量)およびtert-ブチルN-ベンジル-N-[(1R,3S)-3-(エチルアミノ)シクロヘキシル]カルバメート(114mg、343μmol、1.0当量)を添加した。混合物をN2雰囲気下、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出するSiO2)により精製して、40mgの化合物I-10を黄色油状物として得た。
化合物511の調製のための一般手順:1mLのDCM中の化合物I-10(40mg、83μmol、1当量)の溶液に、0.2mLのTFAを添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、26.4mgの化合物511(収率62%、TFA塩)を黄色固体として得た。
(実施例56)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1,5,6,7-テトラヒドロチオピラノ[3,2-b]ピロール-2-カルボキサミド4,4-ジオキシド(化合物512)の合成
化合物I-11の調製のための一般手順:POCl
3(2.0g、12.9mmol、1.2mL、1.5当量)をDMF(944mg、12.9mmol、1.5当量)に5分間かけて0℃で滴下添加した。この混合物に5mLのDCMを添加し、次いで氷浴を取り外した。反応物を20℃に1時間保った。混合物を0℃に冷却した。5mLのDCM中のジヒドロ-2H-チオピラン-3(4H)-オン(1g、8.6mmol、1当量)を5分間かけて滴下添加した。反応物を20℃に5時間保った。反応混合物を10mLの氷水の添加により0℃でクエンチし、次いで30mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を30mLのブラインで3回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1で溶出するSiO
2)により精製して、0.5gの化合物I-11(収率36%)を黄色油状物として得た。
化合物I-12の調製のための一般手順:3mLのピリジン中の化合物I-11(0.5g、3.1mmol、1当量)、3-エトキシ-3-オキソ-プロパン酸(812mg、6.2mmol、2当量)およびピペリジン(52.4mg、615μmol、0.2当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、110℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、0.7gの粗化合物I-12を黄色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物I-13の調製のための一般手順:6mLのDMSO中の化合物I-12(0.6g、2.6mmol、1当量)およびアジ化ナトリウム(335mg、5.2mmol、2当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、110℃で3時間撹拌した。反応混合物を2mLの水の添加によりクエンチし、次いで6mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を6mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶出するSiO2)により精製して、50mgの化合物I-13(収率9%)を黄色固体として得た。
化合物I-14の調製のための一般手順:1mLのEtOH中の化合物I-13(50mg、237μmol、1当量)の溶液に、H2O2(223mg、2.4mmol、純度35%、10当量)、NaOAc(1.9mg、23.7μmol、0.1当量)、二ナトリウム;ジオキシド(ジオキソ)タングステン(13.9mg、47.3μmol、0.2当量)を0℃で添加した。添加後、混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を1mLの飽和Na2SO3水溶液の添加によりクエンチし、次いで3mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、50mgの粗化合物I-14を黄色油状物として得た。
化合物I-15の調製のための一般手順:0.2mLのEtOHおよび0.2mLの水中の化合物I-14(40mg、164μmol、1当量)およびNaOH(19.7mg、493μmol、3当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、25℃で0.5時間撹拌し、次いでこれを40℃に加熱し、12時間撹拌した。残留物を1mLの1M HClで(pH=3に)希釈し、3mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、30mgの粗化合物I-15を黄色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物I-16の調製のための一般手順:0.5mLのアセトニトリル中の化合物I-15(30mg、139μmol、1当量)、ピリジン(5.5mg、70μmol、0.5当量)および2,4,6-トリフルオロ-1,3,5-トリアジン(11mg、84μmol、0.6当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、30mgの粗化合物I-16を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物I-17の調製のための一般手順:0.5mLのDCM中の化合物I-16(30mg、138μmol、1当量)、化合物70(37mg、111μmol、0.8当量)およびEt3N(28mg、276μmol、2当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(酢酸エチルで溶出するSiO2)により精製して、20mgの粗化合物I-17を黄色固体として得た。
化合物512の調製のための一般手順:1mLのDCM中の化合物I-17(20mg、38μmol、1当量)およびTFA(1.4mmol、0.1mL)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、20℃で10分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、4.6mgの化合物512(収率20%、TFA塩)を黄色固体として得た。
(実施例57)
N-((3R,5S)-5-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物504)、N-((3S,5R)-5-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物505)、N-((3R,5R)-5-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物506)およびN-((3S,5S)-5-(((R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物507)の合成
化合物I-18の調製のための一般手順:3mLのDCE中のテトラヒドロピラン-3,5-ジオン(214mg、1.9mmol、1.0当量)、(R)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミン(3×250mg、1.9mmol、1.0当量)およびAcOH(11.3mg、188μmol、0.1当量)の混合物を、80℃で16時間撹拌した。反応混合物を10mLの水と10mLのジクロロメタンとの間で分配した。有機相を分離し、10mLのブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物I-18(1.3g、粗製)を黒色固体として得た。
化合物I-19の調製のための一般手順:15mLのジクロロメタン中の化合物I-18(1.3g、5.7mmol、1.0当量)、Boc2O(2.5g、11.3mmol、2.0当量)、TEA(1.2g、11.3mmol、2.0当量)およびDMAP(69.3mg、567.0μmol、0.1当量)の混合物を、15℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去して、黒褐色油状物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:0~20:1で溶出)により精製して、化合物I-19(1.1g、3.3mmol、収率59%)を褐色油状物として得た。
化合物I-20の調製のための一般手順:10mLのEtOH中の化合物I-19(1g、3.0mmol、1.0当量)の溶液に、Na2CO3(322mg、3.0mmol、1.0当量)およびPd/C(10mg、純度10%)を添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。混合物をH2(50psi)下、25℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して、黄色油状物を得た。反応混合物を10mLの酢酸エチルと10mLの水との間で分配した。有機相を分離し、10mLのブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物I-20(880mg、粗製)を薄黄色油状物として得た。
化合物I-21の調製のための一般手順:10mLのジクロロメタン中の化合物I-20(880mg、2.6mmol、1.0当量)の溶液に、DMP(1.1g、2.6mmol、1.0当量)を0℃で添加した。混合物を30℃で16時間撹拌した。反応混合物を15mLの飽和Na2SO3溶液の添加により0℃でクエンチし、次いで15mLの酢酸エチルで希釈し、15mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を15mLのブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物I-21(1g)を黄色油状物として得た。
化合物I-22の調製のための一般手順:10mLのメチルアルコール中の化合物I-21(1g、3.0mmol、1.0当量)およびエタンアミン(136mg、3.0mmol、1.0当量)の溶液に、AcOH(18.1mg、302μmol、0.1当量)を添加した。混合物を15℃で0.5時間撹拌し、次いでNaBH3CN(228mg、3.6mmol、1.2当量)を添加し、得られた反応混合物を15℃でさらに15.5時間撹拌した。反応混合物を10mLの水の添加により0℃でクエンチし、次いで酢酸エチル10mLで希釈し、10mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を10mLのブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物I-22(700mg)を薄黄色油状物として得た。
化合物I-23の調製のための一般手順:10mLのDMF中の1H-インドール-2-カルボン酸(376mg、2.3mmol、1.2当量)の溶液に、HATU(886mg、2.3mmol、1.2当量)およびTEA(393mg、3.9mmol、2.0当量)を添加した。混合物を15℃で0.5時間撹拌した。次いで、化合物I-22(700mg、1.9mmol、1.0当量)を添加し、得られた反応混合物を15℃でさらに15.5時間撹拌した。反応混合物を10mLの水と10mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、10mLのブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、油状物を得た。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出)により精製して、化合物I-23(380mg、755μmol、収率39%)を黄色油状物として得た。
化合物504、505、506、507の調製のための一般手順:4mLのジクロロメタンおよび1mLのTFA中の化合物I-23(380mg、755μmol、1.0当量)の混合物を、15℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去して、黄色油状物を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、化合物504(17mg、32μmol、収率4%、純度98.2%、TFA)を白色固体として、化合物505(500μg、0.80μmol、収率0.1%、純度82.9%、TFA)を白色固体として、化合物506(3.2mg、5.8μmol、収率0.8%、純度94.2%、TFA)を白色固体として、および化合物507(2.5mg、4.4μmol、収率0.6%、純度90.2%、TFA)を白色固体として得た。
以下の化合物を、(S)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-アミンから出発して同様に作製した。
(実施例58)
N-((1S,3R)-3-(((5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物513)の合成:
エチル5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレートの調製のための一般手順:30mLのDCM中のエチル2-(2-(シクロプロパンカルボニル)ヒドラジニル)-2-オキソアセテート(3g、15.0mmol、1当量)の溶液に、Et
3N(2.0g、19.5mmol、1.3当量)およびTosCl(3.4g、18.0mmol、1.2当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を30mLの水の添加により20℃でクエンチし、次いで90mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を90mLのブラインで3回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1~3:1の勾配で溶出するSiO
2)により精製して、1gのエチル5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(収率37%)を無色油状物として得た。
(5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メタノールの調製のための一般手順:3mLのEtOH中のエチル5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボキシレート(300mg、1.7mmol、1当量)の溶液に、NaBH4(156mg、4.1mmol、2.5当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を2mLの水の添加により0℃でクエンチし、次いで6mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を4mLのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、140mgの粗製の(5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メタノールを無色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
(5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチルメタンスルホネートの調製のための一般手順:0.5mLのDCM中の(5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メタノール(50mg、356.8μmol、1当量)の溶液に、Et3N(36mg、357μmol、1当量)およびMsCl(41mg、357μmol、1当量)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、50mgの粗製の(5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチルメタンスルホネートを無色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物513の調製のための一般手順:1mLのDMF中の(5-シクロプロピル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチルメタンスルホネート(50mg、229μmol、1当量)およびN-[(1S,3R)-3-アミノシクロヘキシル]-N-エチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-カルボキサミド66(66mg、229μmol、1当量)、KI(3.8mg、23μmol、0.1当量)、TEA(46.4mg、458μmol、2当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、20℃で12時間撹拌した。反応混合物を1mLの水で希釈し、3mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を2mLのブラインで2回洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(酢酸エチルで溶出するSiO
2)により精製し、次いで分取HPLC(中性条件)によりさらに精製して、2.4mgの化合物513(収率2.5%)を白色固体として得た。
(実施例59)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-((インドリジン-6-イルメチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物514)の合成
化合物514の調製のための一般手順:1mLのMeOH中の化合物66(40mg、140μmol、1当量)の溶液に、インドリジン-6-カルバルデヒド(26.4mg、182μmol、1.3当量)およびHOAc(0.8mg、14μmol、0.1当量)を25℃で添加した。混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでNaBH
3CN(8.8mg、140μmol、1当量)を25℃で添加した。得られた混合物を25℃で3時間撹拌した。混合物を濾過して、濾液を得、これを分取HPLC(TFA条件)により精製して、39.1mgの化合物514(収率53%、TFA塩)を黒褐色固体として得た。
(実施例60)
N-((1S,3R)-3-(((5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-イル)メチル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物515)の合成:
エチル5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルボキシレートの調製のための一般手順:2mLのEtOH中のエチル2-ニトロアセテート(1.0g、7.6mmol、2.5当量)、エチニルシクロプロパン(0.2g、3.0mmol、1当量)、DABCO(33.9mg、303μmol、0.1当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をマイクロ波条件下、150℃で30分間撹拌した。これを減圧下で蒸発させて、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=30:1で溶出するSiO
2)により精製して、0.4gのエチル5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルボキシレートを無色液体として得た。
(5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-イル)メタノールの調製のための一般手順:2.0mLのEtOH中のエチル5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-カルボキシレート(100mg、552μmol、1.0当量)の溶液に、NaBH4(52.2mg、1.4mmol、2.5当量)を0℃で添加した。添加後、得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を3mLのH2Oにより25℃でクエンチし、次いで9mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶出)により精製して、70.0mgの(5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-イル)メタノールを黄色油状物として得た。
3-(ブロモメチル)-5-シクロプロピルイソオキサゾールの調製のための一般手順:1mLのTHF中の(5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-イル)メタノール(70.0mg、503μmol、1.0当量)の溶液に、PPh3(145mg、553μmol、1.1当量)およびCBr4(184mg、553μmol、1.1当量)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶出)により精製して、32.6mgの3-(ブロモメチル)-5-シクロプロピルイソオキサゾール(収率32%)を白色固体として得た。
化合物515の調製のための一般手順:1mLのDMF中の3-(ブロモメチル)-5-シクロプロピルイソオキサゾール(32.6mg、161μmol、2.0当量)、N-[(1S,3R)-3-アミノシクロヘキシル]-N-エチル-1H-ベンゾイミダゾール-2-カルボキサミド66(23.1mg、80.7μmol、1.0当量)、Et
3N(24.5mg、242μmol、3当量)およびKI(6.7mg、40μmol、0.5当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。混合物をN
2雰囲気下、25℃で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(中性条件)により精製して、7.3mgの化合物515(収率22%)を白色固体として得た。
(実施例61)
5-シアノ-N-エチル-N-((1S,3R)-3-((3-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物516)の合成:
2-(トリクロロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボニトリルの調製のための一般手順:20mLのDCM中の3,4-ジアミノベンゾニトリル(2g、15.0mmol、1当量)の溶液に、メチル2,2,2-トリクロロエタンイミデート(3.5g、19.5mmol、1.3当量)を添加し、続いてTFA(4.3g、37.6mmol、2.5当量)を25℃で添加した。反応混合物を25℃で3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、粗生成物、2-(トリクロロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボニトリルを含有する橙色濾液を、処理することなく次のステップに使用した。
5-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸の調製のための一般手順:DCM中の2-(トリクロロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボニトリル(3.9g、15.0mmol、1当量)の粗混合物に、NaOH(1.5M、30mL、3.0当量)を添加した。DCMを真空中で除去し、次いで30mLのメタノールを添加した。反応混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を5mLの1N HClで希釈した(pH=2)。反応混合物を濾過して、2gの5-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸(収率60%、HCl塩)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物I-24の調製のための一般手順:5mLのDMF中の5-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸(0.5g、2.2mmol、1当量、HCl塩)の溶液に、HATU(1.0g、2.7mmol、1.2当量)、Et3N(453mg、4.5mmol、2当量)を20℃で添加した。添加後、化合物2(596mg、2.5mmol、1.1当量)を20℃で添加した。得られた混合物を40℃で12時間撹拌した。反応物を氷水によりゆっくりとクエンチし、次いで15mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を10mLのブラインで2回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~1:1の勾配で溶出)により精製して、480mgの化合物I-24(収率52%)を黄色ゴム状物として得た。
化合物I-25の調製のための一般手順:5mLのDCM中の化合物I-24(50mg、122μmol、1当量)およびTFA(6.8mmol、0.5mL)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物をN2雰囲気下、25℃で10分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、50mgの粗化合物I-25(TFA塩)を無色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物516の調製のための一般手順:1mLのMeOH中の化合物I-25(30mg、71μmol、1当量、TFA塩)の溶液に、3-フルオロベンズアルデヒド(7.9mg、64μmol、0.9当量)、AcOH(0.4mg、7.1μmol、0.1当量)を25℃で添加した。添加後、混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでNaBH
3CN(4.4mg、71μmol、1当量)を25℃で添加した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、16.1mgの化合物516(収率43%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例62)
重水素化類似体N-エチル-N-((1S,3R)-3-((フェニルメチル-d2)アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物521)の合成:
化合物521の調製のための一般手順:1mLのMeOD中の化合物4(30mg、105μmol、1当量)の溶液に、ジュウテリオ(フェニル)メタノン(13.5mg、126μmol、1.2当量)を25℃で滴下添加した。添加後、混合物をこの温度で3時間撹拌した。NaBD
4(6.0mg、158μmol、1.5当量)を25℃で添加した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮し、分取HPLC(TFA条件)により精製して、22.6mgの化合物521(収率41%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例63)
重水素化類似体N-エチル-N-((1S,3R)-3-((フェニルメチル-d2)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物522)の合成:
化合物522の調製のための一般手順:1mLのMeOD中の化合物4(30mg、105μmol、1当量)の溶液に、ジュウテリオ(フェニル)メタノン(13.5mg、126μmol、1.2当量)を25℃で滴下添加した。添加後、混合物をこの温度で3時間撹拌し、次いでNaBD
4(5.9mg、157μmol、1.5当量)を25℃で添加した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮し、分取HPLC(TFA条件)により精製して、46.8mgの化合物522(収率90%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例64)
フッ素化化合物(化合物523~528)の合成
化合物I-26の調製のための一般手順:3mLのDMF中の化合物2(330mg、1.8mmol、1当量)の溶液に、TEA(278mg、2.8mmol、1.5当量)を25℃で添加した。添加後、3mLのDMF中のHATU(836mg、2.2mmol、1.2当量)を0℃で滴下添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を5mLの水で希釈し、15mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を10mLのブラインで2回洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、これを分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出)により精製して、450mgの化合物I-26(収率61%)を黄色油状物として得た。
化合物I-27の調製のための一般手順:2mLの4M HCl/EtOAc中の化合物I-26(450mg、1.1mmol、1.0当量)の混合物を、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、349mgの化合物I-27(HCl塩、収率92%)を白色固体として得た。
化合物523の調製のための一般手順:化合物I-27(40mg、117μmol、1当量、HCl塩)を、0.3mLのMeOHおよび0.6mLのDCEに溶解した。混合物にEt
3N(1.2mg、12μmol、0.1当量)を添加してpH約8に達するようにし、次いでベンゾフラン-2-カルバルデヒド(17.2mg、117μmol、1当量)を添加した。混合物に、pHを約5に調整しながらHOAc(0.7mg、12μmol、0.1当量)を添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。混合物に、NaBH
3CN(7.4mg、117μmol、1当量)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、9.8mgの化合物523(収率15%、TFA塩)を白色固体として得た。
化合物524の調製のための一般手順:
化合物I-13(30mg、88.0μmol、1当量、HCl)を、0.3mLのMeOHおよび0.6mLのDCEに溶解した。混合物にEt
3N(0.9mg、8.8μmol、0.1当量)を添加してpH約8に達するようにし、次いで3-メチルベンゾフラン-2-カルバルデヒド(14.1mg、88.0μmol、1当量)を添加した。混合物に、pHを約5に調整しながらHOAc(0.53mg、8.8μmol、0.1当量)を添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。混合物に、NaBH
3CN(5.5mg、88.0μmol、1当量)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(TFA条件)により精製して、7.9mgの化合物524(収率15%、TFA塩)を白色固体として得た。
(実施例65)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-(((2-メチルベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)メチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物530)の合成
1mLのMeOH中の化合物66(50mg、174.6μmol、1当量)の溶液に、2-メチル-1,3-ベンゾオキサゾール-6-カルバルデヒド(30.9mg、192.1μmol、1.1当量)およびHOAc(1.1mg、17.5μmol、0.1当量)を添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。次いで、NaBH
3CN(16.5mg、261.9μmol、1.5当量)を添加し、混合物を11.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を分取HPLC(中性条件)により精製して、30.9mgの化合物530(収率40.6%、純度99.1%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ ppm 11.34 - 11.21 (m, 1H), 7.77 - 7.70 (m, 1H), 7.53 - 7.48 (m, 2H), 7.42 (d, J=5.5 Hz, 1H), 7.27 (br s, 2H), 7.21 - 7.19 (m, 1H), 5.91 - 5.85 (m, 1H), 4.54 (br t, J=11.9 Hz, 1H), 4.24 (q, J=6.9 Hz, 1H), 3.91 - 3.89 (m, 2H), 3.55 (q, J=7.0 Hz, 1H), 2.79 - 2.76 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.31 - 2.11 (m, 1H), 1.97 - 1.82 (m, 3H), 1.54 - 1.47 (m, 3H), 1.29 (t, J=7.0 Hz, 3H), 1.27 - 1.09 (m, 1H).
LCMS(ESI+):m/z432.2(M+H)
(実施例66)
5-シアノ-N-エチル-N-((1S,3R)-3-((4-フルオロベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物532)の合成
化合物J-21の調製のための一般手順:10mLのDMF中の5-シアノ-1H-インドール-2-カルボン酸(0.5g、2.7mmol、1当量)および化合物20(840mg、2.7mmol、1当量、HCl塩)の溶液に、TEA(815mg、8.0mmol、1.1mL、3当量)を20℃で添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌した。2mLのDMF中のHATU(1.8g、4.8mmol、1.8当量)を混合物に0℃で添加し、混合物を20℃で11.5時間撹拌した。次いで、これを10mLの水と60mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、15mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=5:1~1:1の勾配で溶出)により精製して、約1gの化合物J-21(収率41%、純度49%)を黄色固体として得た。
化合物J-4の調製のための一般手順:化合物J-21(0.5g、551μmol、1当量)の溶液に、HBr(7.3g、36mmol、4.9mL、純度40%、65当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌した。反応混合物をpH約11になるまで4M NaOHにより塩基性化し、100mLの酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、0.2gの化合物J-4を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物532の調製のための一般手順:1mLのMeOH中の化合物J-4(40mg、129μmol、1当量)および4-フルオロベンズアルデヒド(24.0mg、193μmol、1.5当量)の溶液に、HOAc(774ug、12.9μmol、0.1当量)を20℃で添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌した。NaBH3CN(12.1mg、193μmol、1.5当量)を混合物に添加した。混合物を20℃で11.5時間撹拌した。反応混合物を1mLの水の添加により20℃でクエンチし、次いで混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取HPLC(HCl条件)により精製して、25mgの化合物532(収率40%、純度93.2%、HCl塩)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 8.13 (s, 1 H) 7.49 - 7.63 (m, 4 H) 7.23 (t, J=8.68 Hz, 2 H) 6.97 (br s, 1 H) 4.96 (br s, 1 H) 4.28 (s, 3 H) 3.71 (br s, 2 H) 2.38 (br d, J=10.15 Hz, 1 H) 2.23 (br d, J=9.29 Hz, 1 H) 1.76 - 2.14 (m, 4 H) 1.41 - 1.61 (m, 2 H) 1.37 (br t, J=6.85 Hz, 3 H)
LCMS(ESI+):m/z419.1(M+H)
以下の化合物を、異なるアルデヒドを使用して同様に調製した。
(実施例67)
5-シアノ-N-((1S,3R)-3-(((3-シアノベンゾフラン-2-イル)メチル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物536)の合成
0.5mLのDMF中の化合物J-4(29mg、93μmol、1当量)の溶液に、2-(ブロモメチル)ベンゾフラン-3-カルボニトリル(26mg、112μmol、1.2当量)、KI(7.8mg、47μmol、0.5当量)およびTEA(28mg、280μmol、3当量)を添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過して、濾液を得、これを分取HPLC(TFA条件)により精製して、15.7mgの化合物536(収率29%、純度99.0%、TFA塩)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4) δ ppm 8.08 (s, 1H), 7.77 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.71 (br d, J=8.1 Hz, 1H), 7.59 - 7.57 (m, 2H), 7.53 - 7.48 (m, 2H), 6.94 (br s, 1H), 4.74 (s, 2H), 4.30 (br s, 1H), 3.68 (br s, 2H), 3.48 - 3.43 (m, 1H), 2.41 (br d, J=11.2 Hz, 1H), 2.24 (br d, J=8.8 Hz, 1H), 2.09 - 2.06 (m, 2H), 1.99 - 1.94 (m, 2H), 1.51 - 1.42 (m, 2H), 1.35 (br t, J=6.8 Hz, 3H)
LCMS(ESI+):m/z466.1(M+H)
化合物537を、3-(ブロモメチル)-5-シクロプロピル-イソオキサゾールを使用して同様に調製した。
(実施例68)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-5-シアノ-N-エチル-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物538)の合成
化合物J-21(0.5g、1.1mmol、1当量)の溶液に、HBr(44.7g、221mmol、30mL、純度40%)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌した。反応混合物をpH約11になるまで4M NaOHの添加により塩基性化し、100mLの酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、15mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、2つの生成物の混合物を得、次いでこれを分取HPLC(中性条件)により精製して、100mgの化合物J-4(322μmol、収率29%)を黄色固体として、38.2mgの化合物538(収率8.3%、純度98.3%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 9.67 (br s, 1 H) 7.94 (br s, 1 H) 7.42 (s, 2 H) 7.23 - 7.30 (m, 4 H) 7.22 (br s, 1 H) 6.42 - 6.88 (m, 1 H) 4.41 (br s, 1 H) 3.78 (s, 2 H) 3.34 - 3.68 (m, 2 H) 2.64 (br s, 1 H) 2.10 (br d, J=9.66 Hz, 1 H) 1.95 (br d, J=12.72 Hz, 1 H) 1.73 - 1.88 (m, 2 H) 1.16 - 1.46 (m, 6 H) 0.97 - 1.12 (m, 1 H)
LCMS(ESI+):m/z401.1(M+H)
(実施例69)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-5-(トリフルオロメトキシ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物539)の合成
化合物J-3の調製のための一般手順:0℃に冷却した2mLのジクロロメタン中の4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン-1,2-ジアミン(0.1g、521μmol、1当量)の混合物に、メチル2,2,2-トリクロロエタンイミデート(119mg、676μmol、1.3当量)、TFA(148mg、1.3mmol、2.5当量)を連続的に添加した。混合物をN
2雰囲気下、25℃で12時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶出)により精製して、0.1gの化合物J-3(収率44%、TFA塩)を黄色固体として得た。
化合物J-5の調製のための一般手順:4mLのアセトニトリルおよび2mLの水中の2-(トリクロロメチル)-5-(トリフルオロメトキシ)-1H-ベンゾイミダゾールJ-3(0.1g、231μmol、1当量、TFA塩)、化合物14(69mg、208μmol、0.9当量)、K2CO3(319mg、2.3mmol、10当量)の混合物を、N2雰囲気下、50℃で12時間撹拌した。混合物に5mLの水を添加し、これを10mLの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を5mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得、これを分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶出)により精製して、65mgの化合物J-5(収率50%)を無色ゴム状物として得た。
化合物539の調製のための一般手順:0.3mLのTFAおよび2mLのジクロロメタン中の化合物J-5(60mg、107μmol、1当量)の混合物を、N2雰囲気下、25℃で0.5時間撹拌した。これを減圧下で蒸発させて、60mgの化合物539(収率93%、純度95.8%、TFA塩)を薄黄色泡状物として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.70 (d, J=8.82 Hz, 1 H) 7.56 (s, 1 H) 7.40 - 7.53 (m, 5 H) 7.22 - 7.30 (m, 1 H) 5.29 (br t, J=11.80 Hz, 1 H) 4.26 (br s, 2 H) 3.91 - 4.11 (m, 1 H) 3.51 - 3.66 (m, 1 H) 3.31 - 3.39 (m, 1 H) 2.32 - 2.54 (m, 1 H) 2.20 (br d, J=13.01 Hz, 1 H) 1.87 - 2.12 (m, 3 H) 1.66 - 1.85 (m, 1 H) 1.35 - 1.59 (m, 2 H) 1.27 - 1.34 (m, 3 H)
LCMS(ESI+):m/z461.3(M+H)
以下の化合物は、上記で詳述した通り、トリクロロメチル類似体、および中間体14とのカップリング、続いて脱保護を介して、類似の対応するジアミンから調製した(ジアミン調製は下記に含まれる):
(実施例70)
化合物J-6およびJ-7の合成
化合物J-6の調製のための一般手順:
2mLのEtOHおよび0.8mLのH
2O中の4-(メチルスルホニル)-2-ニトロアニリン(0.1g、463μmol、1当量)の溶液に、鉄粉(129mg、2.3mmol、5当量)およびNH
4Cl(247mg、4.6mmol、10当量)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、80mgの粗化合物J-6を褐色固体として得、これを精製することなく次のステップに直接使用した。
化合物J-7の調製のための一般手順:
0.3mLのH
2Oおよび6mLのトルエン中の4-ブロモ-2-ニトロアニリン(300mg、1.4mmol、1当量)、シクロプロピルボロン酸(154mg、1.8mmol、1.3当量)、Pd(OAc)
2(15.5mg、69.1μmol、0.05当量)、P(Cy)
3(194mg、138μmol、純度20%、0.1当量)およびK
3PO
4(1.0g、4.8mmol、3.5当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージし、次いで混合物をN
2雰囲気下、100℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=15:1~7:1の勾配で溶出)により精製して、220mgの4-シクロプロピル-2-ニトロ-アニリン(1.2mmol、収率89%)を赤色ゴム状物として得た。
次いで、得られたニトロアニリンを、鉄粉を使用して還元して、必要とされるジアミンJ-7を得、これを次の反応で直接使用した。
(実施例71)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-5-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物542)の合成
化合物J-8の調製のための一般手順:1mLのDMF中の化合物14(80mg、241μmol、1当量)の溶液に、5-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-2-カルボン酸(71mg、289μmol、1.2当量)およびEt
3N(36.5mg、360.9μmol、1.5当量)を添加した。混合物に、HATU(101mg、265μmol、1.1当量)を1mLのDMF中、0℃で滴下添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物に1mLのH
2Oを25℃で添加し、これを3mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を3mLのH
2O、1mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、これを分取TLC(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=2:1で溶出)により精製して、55mgの化合物J-8(収率41%)を白色固体として得た。
化合物542の調製のための一般手順:1mLのジクロロメタン中の化合物J-8(55mg、98μmol、1当量)の溶液に、0.2mLのTFAを添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した。次いで、これを減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(SiO
2、酢酸エチル:メタノール=8:1で溶出)により精製して、23mgの化合物542(収率38%、純度94.4%、TFA塩)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, メタノール-d
4) δ ppm 7.50 - 7.46 (m, 2H), 7.36 - 7.25 (m, 5H), 7.13 (br d, J=8.8 Hz, 1H), 6.65 (br s, 1H), 4.28 (br s, 1H), 3.85 - 3.78 (m, 2H), 3.60 (br s, 2H), 2.59 (br s, 1H), 2.16 (br d, J=11.2 Hz, 1H), 1.98 - 1.81 (m, 2H), 1.70 - 1.57 (m, 2H), 1.31 - 1.27 (m, 4H), 1.12 (br d, J=10.4 Hz, 1H)
LCMS(ESI+):m/z460.3(M+H)
化合物 1-(tert-ブチル)2-エチル5-ブロモ-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレートの調製のための一般手順:2mLのジクロロメタン中のエチル5-ブロモ-1H-インドール-2-カルボキシレート(300mg、1.1mmol、1当量)の溶液に、TEA(226mg、2.2mmol、2当量)、DMAP(13.7mg、112μmol、0.1当量)およびBoc2O(366mg、1.7mmol、1.5当量)を添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、これを5mLの水と15mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、5mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=50:1~7:1の勾配で溶出)により精製して、350mgの1-(tert-ブチル)2-エチル5-ブロモ-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレート(収率85%)を黄色油状物として得た。
化合物 1-(tert-ブチル)2-エチル5-シクロプロピル-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレートの調製のための一般手順:10mLのトルエンおよび0.5mLのH2O中の1-(tert-ブチル)2-エチル5-ブロモ-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレート(0.3g、815μmol、1当量)、シクロプロピルボロン酸(91mg、1.1mmol、1.3当量)、Pd(OAc)2(9.1mg、41μmol、0.05当量)、K3PO4(432mg、2.0mmol、2.5当量)およびP(Cy)3(114mg、82μmol、純度20%、0.1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。次いで、混合物をN2雰囲気下、120℃で3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=30:1~10:1の勾配で溶出)により精製して、220mgの1-(tert-ブチル)2-エチル5-シクロプロピル-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレート(収率82%)を黄色固体として得た。
化合物J-9の調製のための一般手順:5mLのMeOH中の1-(tert-ブチル)2-エチル5-シクロプロピル-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレート(220mg、668μmol、1当量)の溶液に、NaOH(2M、1.6mL、5当量)を添加した。混合物を40℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを10mLの水で希釈し、pH約2になるまで1M HClにより酸性化し、次いで30mLの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、150mgの粗化合物J-9を黄色固体として得、これを精製することなく次のステップに直接使用した。
以下の化合物は、HATU手順を使用して適切な酸をアミン14とカップリングさせ、続いて脱保護を行うことにより、化合物542と同様に調製した。
(実施例72)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボキサミド(化合物547)の合成
化合物J-10の調製のための一般手順:3mLのDMF中の化合物20(450mg、1.4mmol、1当量、HCl塩)、5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸(284mg、1.6mmol、1.1当量)およびTEA(437mg、4.3mmol、3当量)の溶液に、1.5mLのDMF中のHATU(656mg、1.7mmol、1.2当量)を0℃で滴下添加した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。次いで、これを5mLの水および5mLの酢酸エチルの添加によりクエンチした。水層を分離し、12mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を8mLのブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル:酢酸エチル=6:1~2:1の勾配で溶出)により精製して、621mgの化合物J-10(1.4mmol、収率98%)を黄色固体として得た。
化合物J-11の調製のための一般手順:8mLのEtOH中の化合物J-10(600mg、1.4mmol、1当量)およびNH3.H2O(385mg、2.7mmol、純度25%、2当量)の溶液に、Pd/C(10%、0.8g)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージし、次いでH2(15psi)下、25℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、350mgの化合物J-11(収率84%)を黄色油状物として得た。
化合物547の調製のための一般手順:1mLのMeOH中の化合物J-11(30mg、99μmol、1当量)の溶液に、HOAc(594μg、9.9μmol、0.1当量)およびベンズアルデヒド(12.6mg、119μmol、1.2当量)を25℃で添加した。添加後、混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでNaBH3CN(6.2mg、99μmol、1当量)を添加した。得られた混合物を25℃で11.5時間撹拌した。次いで、これを濾過し、濾液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、24.7mgの化合物547(収率48%、純度98.5%、TFA塩)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.46 - 7.55 (m, 5 H) 7.43 (dd, J=8.93, 4.40 Hz, 1 H) 7.31 (dd, J=9.60, 2.38 Hz, 1 H) 7.03 (td, J=9.17, 2.57 Hz, 1 H) 6.80 (br s, 1 H) 4.22 - 4.44 (m, 3 H) 3.69 (br s, 2 H) 3.24 - 3.32 (m, 1 H) 2.37 (br d, J=10.64 Hz, 1 H) 2.23 (br d, J=11.98 Hz, 1 H) 2.03 - 2.13 (m, 1 H) 1.95 (br s, 3 H) 1.40 - 1.58 (m, 2 H) 1.36 (br t, J=6.97 Hz, 3 H)
LCMS(ESI+):m/z394.2(M+H)
以下の化合物を、適切なアルデヒドを使用して化合物547と同様に調製した。
(実施例73)
N-((1S,3R)-3-(((5-シクロプロピルイソオキサゾール-3-イル)メチル)アミノ)シクロヘキシル)-N-エチル-5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物552)の合成
1mLのDMF中の化合物I-27(30mg、98.9μmol、1当量)、3-(ブロモメチル)-5-シクロプロピル-イソオキサゾール(29.9mg、148μmol、1.5当量)、TEA(30.0mg、297μmol、3当量)およびKI(8.2mg、49μmol、0.5当量)の混合物を脱気し、N
2で3回パージし、次いで混合物をN
2雰囲気下、25℃で12時間撹拌した。これを濾過し、濾液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、17.1mgの化合物552(収率29%、純度91.4%、TFA塩)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ ppm 7.41 (dd, J=4.5, 8.9 Hz, 1H), 7.30 (dd, J=2.4, 9.6 Hz, 1H), 7.00 (dt, J=2.6, 9.2 Hz, 1H), 6.79 (br s, 1H), 6.18 (s, 1H), 4.35 (d, J=1.1 Hz, 3H), 3.65 (br s, 2H), 3.36 - 3.31 (m, 1H), 2.34 (br d, J=10.9 Hz, 1H), 2.18 - 2.10 (m, 2H), 2.07 - 2.00 (m, 1H), 1.90 (br s, 3H), 1.34 - 1.32 (m, 2H), 1.31 (br t, J=7.0 Hz, 3H), 1.14 - 1.11 (m, 2H), 0.95 - 0.93 (m, 2H)
LCMS(ESI+):m/z425.2(M+H)
化合物553を、2-(ブロモメチル)ベンゾフラン-3-カルボニトリルを使用して同様に調製した。
(実施例74)
N-エチル-N-((1S,3R)-3-(((5-(トリフルオロメチル)イソオキサゾール-3-イル)メチル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物554)の合成
化合物J-12、J-12aの調製のための一般手順:1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-2-ヨード-エタン(4.4g、17.8mmol、1当量)を、35mLのアセトニトリルおよび30mLの水の密封管内撹拌混合物中に-20℃で添加し、続いてプロパ-2-イン-1-オール(1g、17.8mmol、1.1mL、1当量)を添加した。この混合物に、ハイドロサルファイトナトリウム(3.1g、17.8mmol、1当量)およびNaHCO
3(1.5g、17.8mmol、1当量)を添加した。添加後、混合物を0℃で4時間撹拌した。次いで、これを20mLの水と40mLのジクロロメタンとの間で分配した。有機相を分離し、20mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で(約25℃で)濃縮して、5.4gの化合物J-12およびJ-12aを薄黄色液体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物J-13の調製のための一般手順:35mLのEtOH(純度75%)中の(E)-4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-2-ヨード-ペンタ-2-エン-1-オールおよび(Z)-4,4,5,5,5-ペンタフルオロ-2-ヨード-ペンタ-2-エン-1-オール(5.0g、16.6mmol、1当量)の混合物に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.3g、33.1mmol、2当量)、K2CO3(11.4g、82.8mmol、5当量)を添加し、次いで混合物をN2雰囲気下、60℃で12時間撹拌した。反応混合物を30mLの水と30mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1の勾配で溶出)により精製して、350mgの化合物J-13(収率13%)を薄黄色液体として得た。
化合物J-14の調製のための一般手順:0℃に冷却した1mLのジクロロメタン中の[5-(トリフルオロメチル)イソオキサゾール-3-イル]メタノール(50mg、299μmol、1当量)、TEA(60.6mg、599μmol、2当量)の混合物に、MsCl(41mg、359μmol、1.2当量)を添加した。混合物をN2雰囲気下、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を3mLの飽和NH4Cl水溶液と5mLのジクロロメタンとの間で分配した。有機相を分離し、2mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、59mgの粗化合物J-14を薄黄色液体として得、これを精製することなく次のステップに直接使用した。
化合物554の調製のための一般手順:2mLのDMF中の化合物66(45mg、157μmol、1当量)および[5-(トリフルオロメチル)イソオキサゾール-3-イル]メチルメタンスルホネート(58mg、236μmol、1.5当量)の混合物に、TEA(31.8mg、314μmol、2当量)およびKI(2.6mg、15.7μmol、0.1当量)を添加した。反応物をN2雰囲気下、25℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を分取HPLC(TFA条件)により精製して、白色固体を得た。固体を分取TLC(SiO2、酢酸エチル:メタノール=10:1で溶出)により再精製して、9.7mgの化合物554(収率11%、純度99.3%、TFA塩)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.55 - 7.72 (m, 1 H) 7.55 - 7.72 (m, 1 H) 7.62 (br s, 1 H) 7.55 - 7.72 (m, 1 H) 7.31 (br dd, J=5.73, 2.87 Hz, 2 H) 7.03 - 7.12 (m, 1 H) 4.72 - 4.81 (m, 1 H) 4.34 (br t, J=11.80 Hz, 1 H) 3.86 - 4.01 (m, 3 H) 3.57 (q, J=6.98 Hz, 1 H) 2.48 - 2.72 (m, 1 H) 2.11 - 2.26 (m, 1 H) 1.76 - 2.05 (m, 3 H) 1.57 - 1.69 (m, 1 H) 1.40 - 1.54 (m, 1 H) 1.18 - 1.35 (m, 4 H) 0.98 - 1.15 (m, 1 H)
LCMS(ESI+):m/z436.1(M+H)
(実施例75)
N-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)-1-メチルシクロヘキシル)-N-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物555)およびN-((1S,3R)-3-(ベンジルアミノ)-1-メチルシクロヘキシル)-N-エチル-5-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物556)の合成
化合物J-16の調製のための一般手順:3mLのMeOH中のベンジルN-[(1S,3R)-3-アミノ-1-メチル-シクロヘキシル]カルバメートJ-15(150mg、571.8μmol、1当量)、ベンズアルデヒド(79mg、743μmol、1.3当量)、HOAc(34mg、572μmol、1当量)の混合物を、25℃で30分間撹拌し、次いでNaBH
3CN(71.9mg、1.1mmol、2当量)を添加し、混合物をN
2雰囲気下、25℃でさらに11.5時間撹拌した。これを、5mLの飽和NaHCO
3水溶液を添加することによりクエンチし、10mLの酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を3mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、180mgの粗化合物J-16を薄黄色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物J-17の調製のための一般手順:5mLのジクロロメタン中の化合物J-16(180mg、511μmol、1当量)、Boc2O(167mg、766μmol、1.5当量)、TEA(103.3mg、1.0mmol、2当量)の混合物を、N2雰囲気下、25℃で12時間撹拌した。これを、5mLの1N HCl水溶液を添加することによりクエンチし、10mLのジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機層を5mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得、これを分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=5:1で溶出)により精製して、180mgの化合物J-17(収率78%)を無色ゴム状物として得た。
化合物J-18の調製のための一般手順:0℃に冷却した3mLのDMF中の化合物J-17(130mg、287μmol、1当量)の混合物に、NaH(57.4mg、1.4mmol、純度60%、5当量)を添加し、混合物を0℃で30分間撹拌した。EtI(134.4mg、862μmol、3当量)を添加した。混合物を徐々に25℃に加温し、N2雰囲気下でさらに11.5時間撹拌した。反応混合物を5mLの水と10mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、15mLの水および5mLのブラインで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、140mgの粗化合物J-18を黄色油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物J-19の調製のための一般手順:10mLのEtOHおよび0.5mLのNH3.H2O(純度25%)中の化合物J-18(140mg、291μmol、1当量)、Pd/C(0.1g、純度10%)の混合物を脱気し、H2で3回パージし、次いで混合物をH2雰囲気(15psi)下、25℃で0.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、93mgの粗化合物J-19を白色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物J-20aの調製のための一般手順:
0℃に冷却した3mLのジクロロメタン中のベンゼン-1,2-ジアミン(0.1g、924.7μmol、1当量)の混合物に、メチル2,2,2-トリクロロエタンイミデート(212mg、1.2mmol、1.3当量)およびTFA(264mg、2.3mmol、2.5当量)を連続的に添加した。次いで、混合物をN
2雰囲気下、25℃で12時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、280mgの粗化合物J-20a(TFA塩)を黄色ゴム状物として得た。
化合物J-22aの調製のための一般手順:1mLのアセトニトリルおよび0.5mLの水中の化合物J-19(20mg、58μmol、1当量)、2-(トリクロロメチル)-1H-ベンゾイミダゾールJ-20a(24.2mg、69.3μmol、1.2当量、TFA塩)、およびK2CO3(79.8mg、577μmol、10当量)の混合物を、N2雰囲気下、50℃で1時間撹拌した。混合物に3mLの水を添加し、これを5mLの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を2mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得、これを分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶出)により精製して、25mgの化合物J-22a(51μmol、収率88%)を無色ゴム状物として得た。
化合物555の調製のための一般手順:0.3mLのTFAおよび2mLのジクロロメタン中の化合物J-22a(25mg、51μmol、1当量)の混合物を、N2雰囲気下、25℃で1時間撹拌した。これを減圧下で蒸発させて、22mgの化合物555(収率80%、純度93.9%、TFA塩)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.62 - 7.69 (m, 2 H) 7.41 - 7.54 (m, 5 H) 7.32 - 7.40 (m, 2 H) 4.19 - 4.32 (m, 2 H) 3.76 - 3.90 (m, 2 H) 3.36 - 3.49 (m, 1 H) 3.09 (br d, J=11.69 Hz, 1 H) 2.26 (br d, J=10.80 Hz, 1 H) 1.93 - 2.17 (m, 4 H) 1.61 - 1.76 (m, 4 H) 1.47 (qd, J=12.53, 3.86 Hz, 1 H) 1.16 - 1.30 (m, 3 H)
LCMS(ESI+):m/z391.3(M+H)
化合物556は、5-フルオロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンゾイミダゾールをアミンJ-19とカップリングさせ、続いて脱保護を行って、同様に調製した。上記の手順を使用して5-フルオロ-2-(トリクロロメチル)-1H-ベンゾイミダゾールを得て、下記を得た。
(実施例76)
5-アジド-N-エチル-N-((1S,3R)-3-((4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物557)の合成
化合物J-23の調製のための一般手順:15mLのジクロロメタン中の4-ニトロベンゼン-1,2-ジアミン(1g、6.5mmol、1当量)の溶液に、メチル2,2,2-トリクロロエタンイミデート(1.5g、8.5mmol、1.1mL、1.3当量)およびTFA(1.8g、16.3mmol、1.2mL、2.5当量)を0℃で添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。これを減圧下で蒸発させて、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~8:1の勾配で溶出)により精製して、1.8gの化合物J-23(収率71%、TFA塩)を白色固体として得た。
化合物J-24の調製のための一般手順:10mLのアセトニトリルおよび5mLのH2O中のベンジルN-[(1R,3S)-3-(エチルアミノ)シクロヘキシル]カルバメート20(260mg、831.1μmol、1当量、HCl塩)、化合物J-23(393mg、997μmol、1.2当量、TFA塩)、K2CO3(1.7g、12.4mmol、15当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、60℃で4時間撹拌した。反応混合物を10mLの氷水と60mLの酢酸エチルとの間で分配した。合わせた有機層を15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、0.4gの粗化合物J-24を褐色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物J-25の調製のための一般手順:5mLのEtOHおよび2mLのH2O中の化合物J-24(150mg、322μmol、1当量)の溶液に、Fe(89.9mg、1.6mmol、5当量)およびNH4Cl(172mg、3.2mmol、10当量)を添加した。混合物を80℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得た。残留物をH2Oに溶解し、30mLの酢酸エチルにより抽出した。有機相を減圧下で濃縮して、140mgの粗化合物J-25を褐色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物J-26の調製のための一般手順:0℃に冷却した3mLのHCl(6M)中の化合物J-25(140mg、321μmol、1当量)の混合物に、0.6mLのH2O中のNaNO2(44.3mg、643μmol、2当量)を滴下添加し、混合物を30分間撹拌した。得られたジアゾニウム塩を、2.4mLのH2O中のNaN3(104.5mg、1.6mmol、5当量)、NaOAc(264mg、3.2mmol、10当量)の冷却溶液に添加した。混合物を徐々に25℃に加温し、さらに1.5時間撹拌した。これを15mLの酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を分離し、10mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、160mgの粗化合物J-26(HCl塩)を赤色ゴム状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物J-27の調製のための一般手順:化合物J-26(160mg、321μmol、1当量、HCl塩)の溶液に、HBr(15.7g、78.0mmol、10.6mL、純度40%、243当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌した。これをpH約11になるまで4M NaOHにより塩基性化し、80mLの酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、0.1gの粗化合物J-27を褐色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物557の調製のための一般手順:1mLのMeOH中の化合物J-27(50mg、153μmol、1当量)および4-プロパ-2-インオキシベンズアルデヒド(24.4mg、153μmol、1当量)の溶液に、HOAc(9.1mg、153μmol、1当量)を添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。NaBH3CN(14.4mg、229μmol、1.5当量)を混合物に添加し、混合物を25℃で11.5時間撹拌した。反応混合物を6mLの水と12mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、5mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取HPLC(中性条件)により精製して、14.7mgの化合物557(収率18%、純度90.3%)を桃色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.42 - 7.78 (m, 1 H) 7.09 - 7.24 (m, 3 H) 6.94 (br d, J=8.68 Hz, 1 H) 6.85 (br d, J=8.31 Hz, 2 H) 5.83 (br t, J=11.74 Hz, 1 H) 4.60 (dd, J=4.77, 2.20 Hz, 2 H) 4.51 (br t, J=12.04 Hz, 1 H) 4.18 (q, J=6.81 Hz, 1 H) 3.71 (d, J=5.62 Hz, 2 H) 3.52 (q, J=6.81 Hz, 1 H) 2.62 - 2.80 (m, 1 H) 2.43 (br s, 1 H) 2.03 - 2.25 (m, 1 H) 1.74 - 1.99 (m, 4 H) 1.40 - 1.50 (m, 2 H) 1.23 - 1.31 (m, 3 H) 0.95 - 1.11 (m, 1 H)
LCMS(ESI+):m/z472.2(M+H)
化合物558は、3-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒドを使用する還元的アミノ化により同様に調製した。
化合物559および560は、出発物質として3-ニトロベンゼン-1,2-ジアミンを使用することにより、化合物558と同様に合成した。
(実施例77)
N-エチル-5-ニトロ-N-((1S,3R)-3-((4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物561)および5-アミノ-N-エチル-N-((1S,3R)-3-((4-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ベンジル)アミノ)シクロヘキシル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物562)の合成
化合物J-28の調製のための一般手順:化合物J-24(0.2g、430μmol、1当量)の溶液に、HBr(21.1g、104mmol、14.1mL、純度40%、243当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌した。反応混合物をpH約11になるまで4M NaOHにより塩基性化し、15mLの水と90mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、15mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、0.1gの粗化合物J-28を黄色固体として得、これを精製することなく次のステップに直接使用した。
化合物561の調製のための一般手順:2mLのMeOH中の化合物J-28(0.1g、302μmol、1当量)および4-プロパ-2-インオキシベンズアルデヒド(48.3mg、302μmol、1当量)の溶液に、HOAc(18.1mg、302μmol、1当量)を25℃で添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。NaBH3CN(28.4mg、453μmol、1.5当量)を混合物に添加し、混合物を25℃で11.5時間撹拌した。反応混合物を6mLの水と12mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、5mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、120mgの粗化合物561を得た。40mgの粗生成物を分取TLC(SiO2、酢酸エチル:メタノール=10:1で溶出)により精製して、10.6mgの化合物561(収率7%、純度98.1%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.60 (br s, 1 H) 8.19 (dd, J=8.82, 2.20 Hz, 1 H) 7.58 - 7.69 (m, 1 H) 7.14 - 7.19 (m, 2 H) 6.78 - 6.92 (m, 2 H) 5.75 (br t, J=11.91 Hz, 1 H) 4.60 (dd, J=12.90, 2.32 Hz, 2 H) 4.48 - 4.56 (m, 1 H) 4.19 (q, J=6.91 Hz, 1 H) 3.72 (d, J=7.06 Hz, 2 H) 3.57 (q, J=7.13 Hz, 1 H) 2.66 - 2.79 (m, 2 H) 2.40 - 2.45 (m, 1 H) 2.07 - 2.26 (m, 1 H) 1.78 - 2.02 (m, 3 H) 1.50 - 1.65 (m, 2 H) 1.25 - 1.35 (m, 3 H) 0.97 - 1.22 (m, 2 H)
LCMS(ESI+):m/z476.3(M+H)
追加的に:80mgの粗生成物を分取TLC(SiO2、酢酸エチル:メタノール=10:1で溶出)により精製して、60mgの化合物561を得、これを次のステップに直接使用した。
化合物562の調製のための一般手順:2mLのEtOHおよび0.8mLのH2O中の化合物561(60mg、126μmol、1当量)、Fe(35.2mg、631μmol、5当量)、NH4Cl(67.5mg、1.2mmol、10当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、80℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取HPLC(中性条件)により精製して、21.8mgの化合物562(収率37%、純度94.6%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.40 - 7.55 (m, 3 H) 7.06 (br s, 2 H) 6.80 - 6.94 (m, 2 H) 4.48 - 4.81 (m, 3 H) 4.20 (br s, 2 H) 4.00 (br s, 1 H) 3.48 - 3.70 (m, 1 H) 3.37 (br s, 1 H) 3.11 - 3.28 (m, 1 H) 2.97 (t, J=2.38 Hz, 1 H) 2.31 - 2.50 (m, 1 H) 2.19 (br s, 1 H) 1.63 - 2.12 (m, 4 H) 1.44 (br s, 2 H) 1.19 - 1.38 (m, 3 H)
LCMS(ESI+):m/z446.3(M+H)
化合物563および564は、3-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)ベンズアルデヒドを使用する還元的アミノ化により同様に調製し、次いで鉄粉により還元した。
化合物565、566、567、および568は、出発物質として4-ニトロ置換ベンゾイミダゾール中間体を使用することにより同様に合成した。
(実施例78)
N-エチル-N-((3R,5S)-5-(((R)-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イル)アミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボキサミド(化合物569)の合成
化合物J-30の調製のための一般手順:50mLのTHF中の5-フルオロインダン-1-オン、J-29(5g、33mmol、1当量)、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(5g、41mmol、1.2当量)およびTi(Oi-Pr)4(11.4g、40.0mmol、11.8mL、1.2当量)の混合物を、70℃で28時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を200mLの酢酸エチルおよび5mLのブラインで希釈した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=8:1~5:1)により精製して、1.7gの化合物J-30(収率20%)を黒色固体として得た。
化合物J-31の調製のための一般手順:15.0mLのTHF中の(NE)-N-(5-フルオロインダン-1-イリデン)-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(1.7g、6.7mmol、1.0当量)およびTi(i-PrO)4(191mg、671μmol、198.7μL、0.1当量)の溶液に、NaBH4(762mg、20.1mmol、3.0当量)を-50℃で少量ずつ添加し、反応物を15℃に加温し、12時間撹拌した。反応混合物を1mLのMeOHの添加によりクエンチし、次いで濃縮して、残留物を得た。次いで、残留物を10mLのジクロロメタン中に溶解し、20mLの飽和NH4Clで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.8gの粗化合物J-31を灰色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物J-32の調製のための一般手順:20mLのHCl/MeOH(4M)中のN-[(1R)-5-フルオロインダン-1-イル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(1.5g、5.9mmol、1.0当量)の溶液を、15℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、1.1gの粗化合物J-32(HCl塩)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
化合物J-33の調製のための一般手順:10mLの1,2-ジクロロエタン中の(1R)-5-フルオロインダン-1-アミン、J-32(980mg、5.2mmol、1当量、HCl塩)の溶液に、中和のためのTEA(529mg、5.2mmol、727μL、1当量)を15℃で添加した。次いで、テトラヒドロピラン-3,5-ジオン(596mg、5.2mmol、1当量)およびHOAc(31.4mg、522μmol、0.1当量)を添加した。反応物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=10:1~0:1の勾配で溶出)により精製して、820mgの化合物J-33(収率63%)を黄色固体として得た。
化合物J-34の調製のための一般手順:2mLの1,2-ジクロロエタン中の3-[[(1R)-5-フルオロインダン-1-イル]アミノ]-2H-ピラン-5-オン、J-33(350mg、1.4mmol、1当量)、TEA(430mg、4.3mmol、589μL、3当量)およびDMAP(34.6mg、283.1μmol、0.20当量)の溶液に、Boc2O(618mg、2.8mmol、650μL、2当量)を15℃で添加し、反応物を30℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=15:1~8:1の勾配で溶出)により精製して、800mgの化合物J-34(収率74%、純度91%)を赤褐色ゴム状物として得た。
化合物J-35の調製のための一般手順:15mLのEtOH中のtert-ブチルN-[(1R)-5-フルオロインダン-1-イル]-N-(5-オキソ-2H-ピラン-3-イル)カルバメート、J-34(650mg、1.9mmol、1当量)およびNa2CO3(198mg、1.9mmol)の溶液に、Pd/C(0.3g、純度10%)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージし、H2(50psi)下、30℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=100:1~3:1の勾配で溶出)により精製して、340mgの化合物J-35(収率52%)を黄色油状物として得た。
化合物J-36の調製のための一般手順:5mLのジクロロメタン中のtert-ブチルN-[(1R)-5-フルオロインダン-1-イル]-N-(5-ヒドロキシテトラヒドロピラン-3-イル)カルバメート、J-35(450mg、1.3mmol、1当量)の溶液に、DMP(1.1g、2.6mmol、2当量)を0℃で少量ずつ添加した。添加後、得られた混合物を40℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を5mLの飽和Na2SO3および5mLの飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=50:1~8:1の勾配で溶出)により精製して、290mgの化合物J-36(収率65%)を黄色油状物として得た。
化合物J-37の調製のための一般手順:2mLのMeOH中のtert-ブチルN-[(1R)-5-フルオロインダン-1-イル]-N-(5-オキソテトラヒドロピラン-3-イル)カルバメート、J-36(200mg、572μmol、1当量)の溶液に、AcOH(3.4mg、57.2μmol、0.1当量)およびエタンアミン(51.6mg、1.1mmol、2当量)を25℃で添加した。添加後、混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いでNaBH3CN(54.0mg、859μmol、1.5当量)を添加した。得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。次いで、これを濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶出)により精製して、160mgの化合物J-37(収率74%)を黄色油状物として得た。
化合物J-38aおよびJ-38bの調製のための一般手順:2mLのDMF中の化合物J-37(170mg、449μmol、1当量)、1H-ベンゾイミダゾール-2-カルボン酸(80.1mg、494μmol、1.1当量)およびTEA(136.4mg、1.4mmol、188μL、3当量)の溶液に、1mLのDMF中のHATU(205mg、539μmol、1.2当量)を0℃で滴下添加した。得られた混合物を20℃で5時間撹拌した。次いで、これを2mLの水と6mLの酢酸エチルとの間で分配した。有機相を分離し、9mLの水および6mLのブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取TLC(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=1:1で溶出)により精製して、110mgのシス型化合物J-38a(収率47%)を無色ゴム状物として、25mgのトランス型化合物J-38b(収率11%)を無色ゴム状物として得た。(注記:2つの異性体の立体配置は、無作為に割り当てた)
化合物569の調製のための一般手順:1mLのジクロロメタン中の化合物J-38a(110mg、211μmol、1当量)およびTFA(308mg、2.7mmol、0.2mL)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物をN2雰囲気下、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これを分取HPLC(TFA条件)により精製して、20.1mgの化合物569(収率20%、TFA塩)を白色固体として得た。(注記:立体配置は、無作為に割り当てた)
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.68 (br s, 2 H) 7.30 - 7.53 (m, 3 H) 7.03 (br s, 2 H) 5.36 (br s, 1 H) 4.48 - 4.69 (m, 1 H) 3.93 - 4.41 (m, 3 H) 3.52 - 3.90 (m, 3 H) 3.05 - 3.21 (m, 2 H) 2.92 (br s, 1 H) 2.35 - 2.70 (m, 2 H) 1.79 - 2.31 (m, 2 H) 1.21 - 1.37 (m, 3 H)
LCMS(ESI+):m/z423.3(M+H)
(実施例79)
例示的な化合物のin vitro有効性アッセイ
本発明の例示的な化合物を、TDP-43封入体の阻害における有効性について、濃度応答アッセイを使用して評価した。簡潔には、TDP-43のGFP標識変異型(TDP-43
Q331K::eGFP)を安定的に発現するPC12細胞を、例示的な化合物で1時間にわたって前処理し、15μM亜ヒ酸ナトリウムで23時間にわたってストレスを与えて、TDP-43凝集を誘導した。TDP-43凝集に対する阻害効果を、蛍光顕微鏡法を使用して測定した。細胞のTDP-43凝集体に対する比率を、検出可能なGFP発現を有する細胞の総数に基づいて算出した。10点用量応答曲線を作製し、試験した化合物ごとにIC
50を決定した。そのIC
50を以下の表2にまとめる。表中、「A」は、100nM未満のIC
50を示し、「B」は、100nM~500nMのIC
50範囲を示し、「C」は、500nM~2μMのIC
50範囲を示し、「D」は、2μMより大きいIC
50を示す。
等価物
本明細書に開示される任意の実施形態の1つまたは複数の特色を、本発明の範囲内で組み合わせ、かつ/または再配置して、やはり本発明の範囲内に含まれるさらなる実施形態を生成できることが認識されよう。
当業者は、本明細書に記載される本発明の具体的な実施形態の多くの等価物を認識し、またはごく日常的な実験方法を使用して確認することができよう。このような等価物は、本発明の範囲内にあることが企図される。
本発明を、上述の例示的な実施形態において記載し例示してきたが、本開示は、単に例示的に示されており、以下の特許請求の範囲によってのみ制限される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の実施の詳細に数々の変更を加えることができると理解される。開示される実施形態の特色を、本発明の範囲および精神内で様々なやり方で組み合わせ、かつ/または再配置して、やはり本発明の範囲内に含まれるさらなる実施形態を生成することができる。当業者は、本開示に具体的に記載される具体的な実施形態の多くの等価物を認識し、またはごく日常的な実験方法を使用して確認することができよう。このような等価物は、以下の特許請求の範囲内に包含されることが企図される。
本明細書に引用されるあらゆる特許文書、特許出願および刊行物は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらの刊行物の開示全体は、本明細書に記載され特許請求される本発明の日付において当業者に公知の現行技術を本明細書により完全に記載するために、参照によって本願に組み込まれる。