JP2016513621A - ブルトンチロシンキナーゼの阻害剤 - Google Patents

ブルトンチロシンキナーゼの阻害剤 Download PDF

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Abstract

本願は、BTKを阻害する、一般式(I)に係る化合物について開示する(式中、全ての変数は、本明細書に記載する通り定義される)。本明細書に開示する化合物は、BTKの活性を調節し、そして、過剰のBTK活性に関係する疾患を処置するために有用である。該化合物は、更に、関節リウマチ等の異常なB細胞増殖に関係する炎症性疾患及び自己免疫疾患を処置するために有用である。また、式(I)で表される化合物と、少なくとも1つの担体、希釈剤、又は賦形剤とを含有する組成物についても開示する。

Description

本発明は、BTKを阻害し、かつ、異常なB細胞活性化によって引き起こされる自己免疫及び炎症性疾患の処置に有用である、新規化合物の使用に関する。
プロテインキナーゼは、ヒトの酵素の最も大きなファミリーの1つを構成し、そして、リン酸基をタンパク質に付加することによって、多くの異なるシグナル伝達過程を調節する(T. Hunter, Cell 1987 50:823-829)。具体的には、チロシンキナーゼは、チロシン残基のフェノール部分でタンパク質をリン酸化する。チロシンキナーゼファミリーは、細胞の成長、移動及び分化を制御するメンバーを含む。異常なキナーゼ活性は、癌、自己免疫及び炎症性疾患を含む、様々なヒトの疾患に関与している。プロテインキナーゼは、細胞のシグナル伝達の重要な調節因子の1つであるので、これらは、小分子キナーゼ阻害剤で細胞機能を調節するためのターゲットを提供し、そのために良好な薬剤設計ターゲットとなる。キナーゼ媒介疾患過程の処置に加えて、選択的かつ効果的なキナーゼ活性阻害剤もまた、細胞のシグナル伝達過程の調査及び治療上関心の高いその他の細胞ターゲットの同定に有用である。
B細胞が、自己免疫及び/又は炎症性疾患の病因において重要な役割を果たしているという確かな証拠がある。リツキサン(Rituxan)等のB細胞を枯渇させるタンパク質ベースの治療法は、関節リウマチ等の自己抗体によって生じる炎症性疾患に対して効果的である(Rastetter et al. Annu Rev Med 2004 55:477)。したがって、B細胞活性化においてある役割を果たすプロテインキナーゼの阻害剤は、自己抗体産生等のB細胞媒介疾患病理に対する有用な治療法であるはずである。
B細胞受容体(BCR)を介するシグナル伝達は、成熟した抗体産生細胞への増殖及び分化を含む、広範なB細胞応答を制御する。BCRは、B細胞活性に対する重要な調節点であり、そして、異常なシグナル伝達は、無秩序なB細胞の増殖及び病原性自己抗体の形成を引き起こし、多数の自己免疫及び/又は炎症性疾患を招く恐れがある。ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)は、膜近位のBCRのすぐ下流にある、非BCR関連キナーゼである。BTKの欠如は、BCRシグナル伝達を遮断することが知られており、したがって、BTKの阻害は、B細胞媒介疾患過程を遮断する有用な治療アプローチでありうる。
BTKは、チロシンキナーゼのTecファミリーのメンバーであり、初期B細胞発生並びに成熟B細胞活性化及び生存の重要な調節因子であることが知られている(Khan et al. Immunity 1995 3:283; Ellmeier et al. J. Exp. Med. 2000 192:1611)。ヒトのBTKの突然変異は、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)状態を引き起こす(Rosen et al. New Eng. J. Med. 1995 333:431及びLindvall et al. Immunol. Rev. 2005 203:200に概説されている)。これらの患者は免疫不全状態であり、そして、B細胞の成熟障害、免疫グロブリン及び末梢B細胞レベルの減少、T細胞非依存性免疫応答の低下並びにBCR刺激後のカルシウム動員の減衰を示す。
自己免疫及び炎症性疾患にBTKがある役割を果たしているという証拠もまた、BTK欠損マウスモデルによって提供された。全身性エリテマトーデス(SLE)の前臨床マウスモデルにおいて、BTK欠損マウスは、疾患進行の著しい改善を示す。さらに、BTK欠損マウスは、コラーゲン誘発関節炎に耐性を示す(Jansson and Holmdahl Clin. Exp. Immunol. 1993 94:459)。選択的BTK阻害剤は、マウスの関節炎モデルにおいて、用量依存的効果を示すことが実証された(Z. Pan et al., Chem. Med Chem. 2007 2:58-61)。
BTKはまた、疾患過程に関与し得るB細胞以外の細胞によっても発現される。例えば、BTKは、肥満細胞によって発現され、そして、BTK欠損骨髄由来の肥満細胞は、抗原誘発脱顆粒障害を示す(Iwaki et al. J. Biol. Chem. 2005 280:40261)。これは、BTKがアレルギー及び喘息等の病的な肥満細胞応答を処置するために有用でありうることを示す。また、BTK活性が欠如したXLA患者由来の単球は、刺激後にTNFα産生の減少を示す(Horwood et al. J Exp Med 197:1603, 2003)。したがって、TNFα媒介炎症は、小分子BTK阻害剤によって調節されうる。また、BTKは、アポトーシスにおいてある役割を果たすことが報告されており(Islam and Smith Immunol. Rev. 2000 178:49)、したがって、BTK阻害剤は、ある種のB細胞リンパ腫及び白血病の処置に有用でありうる(Feldhahn et al. J. Exp. Med. 2005 201:1837)。
発明の概要
本願は、本明細書において以下に記載する通り、式Iで表されるBTK阻害剤化合物、その使用方法を提供する。
本願は、式I:
Figure 2016513621

(式中、
は、H又はA1’であり;
1’は、低級アルキル又はフェニルであり、場合により1つ以上のA1”で置換されており;
各A1”は、独立して、ハロ又は低級アルキルであり;
は、H又はA2’であり;
2’は、ヘテロアリールであり、場合により低級アルキルで置換されており;
は、−NH、C(=O)であるか又は存在せず;
は、−NH、C(=O)であるか又は存在せず;
は、低級アルキレンであるか又は存在せず;そして、
は、−NHであるか又は存在しない)
で表される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
本願は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体、賦形剤又は希釈剤と混合された、式Iで表される化合物を含む、医薬組成物を提供する。
発明の詳細な説明
定義
本明細書において使用される表現「一つ("a"又は"an")」の実体は、一つ以上のその実体を指す;例えば、化合物(a compound)は、一つ以上の化合物又は少なくとも一つの化合物を指す。そのため、用語「a」(又は「an」)、「一つ以上」、及び「少なくとも一つ」は、本明細書では、互換的に使用されうる。
表現「本明細書上記に定義されるような」は、発明の概要又は最も広い特許請求の範囲に与えられるような各基についての最も広い定義を指す。下記に与えられる全てのその他の実施態様において、各実施態様に存在することができ、かつ明確に定義されていない置換基は、発明の概要に与えられる最も広い定義を保持する。
本明細書において使用されるように、特許請求の範囲における移行句であるか本文であるかを問わず、用語「含む(comprise(s))」及び「含む(comprising)」は、オープンエンド(制限のない)の意味を有すると解釈されるべきである。すなわち、これらの用語は、表現「少なくとも〜を有する(having at least)」又は「少なくとも〜を含む(including at least)」と同意的に解釈されるべきである。方法に関連して使用する場合、用語「含む(comprising)」は、方法が少なくとも記載された工程を含むが、さらなる工程を含みうることを意味する。化合物又は組成物に関連して使用する場合、用語「含む(comprising)」は、化合物又は組成物が、少なくとも記載された特徴又は成分を含むが、さらなる特徴又は成分も含みうることを意味する。
本明細書において使用されるように、特に具体的に示さない限り、用語「又は」は、「及び/又は」の「包含的」意味で使用され、「いずれか/又は」の「排他的」意味では使用されない。
用語「独立して」は、本明細書において、同一の化合物内で、同じ又は異なる定義を有する変数の存在又は不在に関わらず、変数が、任意の一つの場合に適用されることを示すために使用される。したがって、R"が2回出現し、それが「独立して炭素又は窒素」と定義される化合物においては、両方のR"が炭素であることも、両方のR"が窒素であることも、又は一方のR"が炭素であり、他方が窒素であることもありうる。
任意の変数が本発明中で使用され又は請求されている化合物を表し、そして記載している任意の部分又は式中に1回より多く出現する場合、出現ごとのその定義は、すべての他の出現でのその定義とは独立している。同じく、置換基及び/又は変数の組合せは、そのような化合物が安定した化合物に至る場合に限り許容される。
結合の終端部の記号「*」又は結合を貫いて描かれる「------」は、各々、官能基又は他の化学部分が、その一部である分子の残りに結合する点を指す。したがって、例えば:
Figure 2016513621
環系中に描かれる結合(明確な頂点で連結されたものと対照をなす)は、結合が適切な環原子のいずれかに結合されうることを示す。
本明細書において使用される用語「場合による」又は「場合により」は、続いて記載される事象又は状況が起こってもよいが起こる必要もなく、その記載は、その事象又は状況が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味する。例えば「場合により置換されている」は、場合により置換される部分が、水素原子又は置換基を組み込みうることを意味する。
表現「場合による結合」は、結合が存在してもよいし又はしなくてもよく、そしてその記載は単結合、二重結合又は三重結合を含むことを意味する。置換基が「結合」又は「存在しない」ことが示される場合、置換基に結合される原子は、その後直接連結される。
用語「約」は本明細書において、およそ、ほぼ、おおまかに、あたりを意味するために使用される。用語「約」が数値範囲との組み合わせで使用される場合、それは記載される数値の上及び下に境界を拡張することによってその範囲を修正する。概して、用語「約」は本明細書において、数値を、記載された値の上及び下に20%の変動で修正するために使用される。
式Iで表される特定の化合物は、互変異性を示し得る。互変異性化合物は、2種以上の相互転換可能な種として存在できる。プロトン移動(prototropic)互変異性体は、二つの原子間における共有結合した水素原子の移動から生じる。互変異性体は、一般的に、平衡状態で存在し、個々の互変異性体を単離しようとすると、通例、化合物の混合物と変わらない化学的及び物理的性質を有する混合物を生成する。平衡の位置は、分子内の化学的特徴に依存する。例えば、アセトアルデヒド等の多くの脂肪族アルデヒド及びケトンでは、ケト型が優位を占める一方、フェノールでは、エノール型が優位を占める。一般的なプロトン移動互変異性体は、ケト/エノール(−C(=O)−CH−⇔−C(−OH)=CH−)、アミド/イミド酸(−C(=O)−NH−⇔−C(−OH)=N−)及びアミジン(−C(=NR)−NH−⇔−C(−NHR)=N−)互変異性体を含む。後者二つはヘテロアリール及び複素環において特に一般的であり、本発明は本化合物のすべての互変異性型を包含する。
本明細書において使用される技術及び科学用語は、特に定義されない限り、本発明が関連する技術における当業者によって、一般に理解される意味を有する。当業者に知られた様々な方法論及び材料を、本明細書において引用する。Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001) を含む標準引例は、薬理学の一般的原理を説明するのに役立つ。当業者に知られた任意の適切な材料及び/又は方法を、本発明を実施する際に用いることができる。しかしながら、好ましい材料及び方法が記載されている。以下の記載及び実施例で引用される材料、試薬等は、特に指示のない限り、商業的供給源より入手可能である。
本明細書に記載される定義は、例えば、「ヘテロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルヘテロシクリル」、「アルキルカルボニル」、「アルコキシアルキル」等の化学的に関連する組み合わせを形成するために追加される。用語「アルキル」が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように別の用語の後に接尾辞として使用される場合、これは、他の具体的に名前を挙げた基から選択される1〜2個の置換基により置換されている、上記で定義されるアルキル基を指すことが意図される。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、1〜2個のフェニル置換基を有するアルキル基を指し、したがって、ベンジル、フェニルエチル、及びビフェニルを含む。「アルキルアミノアルキル」は、1〜2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」は、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピル等を含む。したがって、本明細書において使用されるように、用語「ヒドロキシアルキル」は、以下に定義されるヘテロアルキル基のサブセットを定義するために使用される。用語−(ar)アルキルは、非置換アルキル又はアラルキル基を指す。用語(ヘテロ)アリール又は(het)アリールは、アリール又はヘテロアリール基を指す。
本明細書において使用されるように、用語「スピロシクロアルキル」は、例えば、スピロ[3.3]ヘプタンのようにスピロ環式のシクロアルキル基を意味する。本明細書において使用されるように、用語スピロヘテロシクロアルキルは、例えば、2,6−ジアザスピロ〔3.3〕ヘプタンのようにスピロ環式のヘテロシクロアルキルを意味する。
本明細書において使用される用語「アシル」は、式−C(=O)Rで表される基を示し、式中、Rは、水素又は本明細書において定義される低級アルキルである。本明細書において使用される用語「アルキルカルボニル」は、式C(=O)Rで表される基を示し、式中、Rは、本明細書において定義されるアルキルである。用語C1−6アシルは、6個の炭素原子を含む基−C(=O)Rを指す。本明細書において使用される用語「アリールカルボニル」は、式C(=O)Rで表される基(式中、Rは、アリール基である)を意味し;本明細書において使用される用語「ベンゾイル」は、「アリールカルボニル」基(ここでRは、フェニルである)を意味する。
本明細書において使用される用語「エステル」は、式‐C(=O)ORで表される基を示し、式中、Rは、本明細書において定義される低級アルキルである。
本明細書において使用される用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含む、非分岐又は分岐鎖の飽和一価の炭化水素残基を示す。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖の炭化水素残基を示す。本明細書で使用される「C1−10アルキル」は、1〜10個の炭素からなるアルキルを指す。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチル(を含む低級アルキル基)、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル及びオクチルを含むが、これらに限定されない。
用語「アルキル」が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように別の用語の後に接尾辞として使用される場合、これは、他の具体的に名前を挙げた基から選択される1〜2個の置換基により置換されている、上記で定義されるアルキル基を指すことが意図される。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、基R’R”−(ここで、フェニルアルキル部分の結合点はアルキレン基上であるという理解の下で、本明細書で定義されるように、R’はフェニル基であり、R”はアルキレン基である)を示す。アリールアルキル基の例は、ベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルを含むが、これらに限定されない。用語「アリールアルキル」又は「アラルキル」は、R’がアリール基であることを除き、同様に解釈される。用語「(het)アリールアルキル」又は「(het)アラルキル」は、R’が、場合によりアリール又はヘテロアリール基であることを除き、同様に解釈される。
用語「ハロアルキル」又は「ハロ低級アルキル」又は「低級ハロアルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖炭化水素残基を指し、ここで、1個以上の炭素原子は1個以上のハロゲン原子で置換される。
本明細書中で使用される用語「アルキレン」又は「アルキレニル」は、特に示さない限り、1〜10個の炭素原子の二価の飽和直鎖炭化水素基(例えば、(CH)、又は2〜10個の炭素原子の分岐飽和二価炭化水素基(例えば、−CHMe−又は−CHCH(i−Pr)CH−)を示す。メチレンの場合を除いて、アルキレン基の開いた原子価は、同じ原子には結合しない。アルキレン基の例は、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンを含むが、これらに限定されない。
本明細書において使用される用語「アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ(これらの異性体を含む)等の、−O−アルキル基(ここで、アルキルは、上記で定義されるとおりである)を意味する。本明細書で使用される「低級アルコキシ」は、先に定義される「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を示す。本明細書で使用される「C1−10アルコキシ」は、アルキルが、C1−10である−O−アルキルを指す。
用語「PCy」は、3つの環状部分で三置換基されたホスフィンを指す。
用語「ハロアルコキシ」又は「ハロ低級アルコキシ」又は「低級ハロアルコキシ」は、低級アルコキシ基を指し、ここで、1個以上の炭素原子は、1個以上のハロゲン原子で置換される。
本明細書において使用される用語「ヒドロキシアルキル」は、異なる炭素原子上の1〜3個の水素原子が水酸基により置き換えられている、本明細書において定義されるアルキル基を示す。
本明細書において使用される用語「アルキルスルホニル」及び「アリールスルホニル」は、式−S(=O)R(式中、Rは、それぞれ、アルキル又はアリールであり、そして、アルキル及びアリールは、本明細書に定義される通りである)で表される基を指す。本明細書で使用される用語「ヘテロアルキルスルホニル」は、式−S(=O)R(式中、Rは、本明細書に定義される「ヘテロアルキル」である)で表される基を示す。
本明細書において使用される用語「アルキルスルホニルアミノ」及び「アリールスルホニルアミノ」は、式−NR’S(=O)R(式中、Rは、それぞれ、アルキル又はアリールであり、R’は、水素又はC1−3アルキルであり、そして、アルキル及びアリールは、本明細書に定義される通りである)で表される基を指す。
本明細書において使用される用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含む飽和炭素環、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルを指す。本明細書において使用される「C3−7シクロアルキル」は、炭素環が3〜7個の炭素原子からなるシクロアルキルを指す。
本明細書において使用される用語「カルボキシ−アルキル」は、ヘテロアルキル基の結合点が炭素原子を介するという理解の下で、1個の水素原子がカルボキシルで置換されているアルキル部分を指す。用語「カルボキシ」又は「カルボキシル」は、−COH部分を指す。
本明細書において使用される用語「ヘテロアリール」又は「複素環式芳香族」は、ヘテロアリール基の結合点が芳香環又は部分不飽和環上に存在するという理解の下で、環1つ当たり4〜8個の原子を含み、1個以上のN、O、又はSヘテロ原子が組み込まれ、残りの環原子が炭素である少なくとも1つの芳香環又は部分不飽和環を有する、5〜12個の環原子の単環式又は二環式の基を意味する。当業者に周知である通り、ヘテロアリール環は、全てが炭素である対応物よりも低い芳香族特性を有する。したがって、本発明の目的のために、ヘテロアリール基は、ある程度の芳香族特性しか必要としていない。ヘテロアリール部分の例は、5〜6個の環原子及び1〜3個のヘテロ原子を有する単環式芳香族複素環を含み、例えば、場合により、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、チオ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、及びジアルキルアミノアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、及びカルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルボニルアミノ、及びアリールカルボニルアミノから選択される1つ以上、好ましくは1又は2つの置換基で置換されていてもよい、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、4,5−ジヒドロ−オキサゾリル、5,6−ジヒドロ−4H−[1,3]オキサゾリル、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾリン、チアジアゾール、及びオキサジアキソリン(oxadiaxoline)を含むが、これらに限定されない。二環式部分の例は、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾール、ベンズイソキサゾール、ベンゾチアゾール、ナフチリジニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,6]ナフチリジニル、及びベンズイソチアゾールを含むが、これらに限定されない。二環式部分は、いずれかの環において場合により置換されていてもよいが、結合点は、ヘテロ原子を含有する環上に存在する。
本明細書において使用される用語「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルキル」、又は「複素環」は、環1つ当たり3〜8個の原子を有し、1個以上の環ヘテロ原子(N、O、又はS(O)0−2から選択される)が組み込まれている1つ以上の環、好ましくは1〜2個の環(スピロ環系を含む)からなり、そして、特に示さない限り、場合により、独立して、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、低級ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、及びこれらのイオン形態から選択される1つ以上、好ましくは1又は2つの置換基で置換されていてもよい、一価飽和環式基を示す。複素環式基の例は、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、キヌクリジニル、及びイミダゾリニル、並びにこれらのイオン形態を含むが、これらに限定されない。また、例は、例えば、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、又はオクタヒドロ−ピラジノ[2,1−c][1,4]オキサジン等の二環式であってもよい。
BTKの阻害剤
本願は、式I:
Figure 2016513621

(式中、
は、H又はA1’であり;
1’は、低級アルキル又はフェニルであり、場合により1つ以上のA1”で置換されており;
各A1”は、独立して、ハロ又は低級アルキルであり;
は、H又はA2’であり;
2’は、ヘテロアリールであり、場合により低級アルキルで置換されており;
は、−NH、C(=O)であるか又は存在せず;
は、−NH、C(=O)であるか又は存在せず;
は、低級アルキレンであるか又は存在せず;そして、
は、−NHであるか又は存在しない)
で表される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
本願は、Xが、−NHである、式Iで表される化合物を提供する。
本願は、Xが、−C(=O)である、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Xが、存在しない、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Aが、フェニルであり、場合により1つ以上のA1”で置換されている、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Xが、存在しない、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Aが、Hである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Xが、−C(=O)である、式Iで表される化合物を提供する。
本願は、Xが、−NHである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Xが、メチレンである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Aが、フェニルであり、場合により1つ以上のA1”で置換されている、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Aが、Hである、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Xが、存在しない、式Iで表される上記化合物を提供する。
本願は、Xが、−NHであり、Aが、ピラゾリルであり、そして、A2’が、メチルである、式Iで表される化合物を提供する。
本願は、以下からなる群より選択される、式Iで表される化合物を提供する:
4−tert−ブチル−N−[3−(7H−プリン−6−イルアミノ)シクロヘキシル]ベンズアミド;
N−[(3−クロロフェニル)メチル]−3−(9H−プリン−6−イルアミノ)シクロヘキサン−1−カルボキサミド;
6−N−シクロヘキシル−2−N−(1−メチルピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン;
6−N−(3−メチルシクロヘキシル)−2−N−(1−メチルピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン;及び
4−tert−ブチル−N−[3−[[2−[(1−メチルピラゾール−4−イル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]アミノ]シクロヘキシル]ベンズアミド。
本願は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、関節リウマチを処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、喘息を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、式Iで表される化合物を含む医薬組成物を提供する。
本願は、少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤と混合された、式Iで表される化合物を含む医薬組成物を提供する。
本願は、炎症性障害を処置するための医薬の製造における、式Iで表される化合物の使用を提供する。
本願は、自己免疫障害を処置するための医薬の製造における、式Iで表される化合物の使用を提供する。
本願は、関節リウマチを処置するための医薬の製造における、式Iで表される化合物の使用を提供する。
本願は、喘息を処置するための医薬の製造における、式Iで表される化合物の使用を提供する。
本願は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置するための上記化合物の使用を提供する。
本願は、関節リウマチを処置するための上記化合物の使用を提供する。
本願は、喘息を処置するための上記化合物の使用を提供する。
本願は、本明細書に記載する化合物、方法、又は組成物を提供する。
化合物及び調製
本発明に包含され、本発明の範囲内である代表的な化合物の例を、以下の表で提供する。下記の実施例及び調製例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施することを可能とするために提供される。これらは、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の例示的及び代表的なものとしてのみ考えられるべきである。
一般に、本願に使用される命名法は、IUPAC系統的命名法の生成のためのBeilstein InstituteコンピュータシステムであるAUTONOMTM v. 4.0に基づく。示された構造とその構造に与えられる名称との相違がある場合、示された構造がより重視される。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば太字又は破線によって示されていない場合、その構造又は構造の一部は、その立体異性体の全てを包含すると解釈すべきである。
表Iは、一般式Iに係る化合物の例を示す。
Figure 2016513621

Figure 2016513621
一般的な合成スキーム
本発明の化合物は、任意の従来の手段によって調製することができる。これら化合物を合成するのに適切な方法は、実施例に提供される。一般的に、本発明の化合物は、以下のスキームに従って調製することができる。
Figure 2016513621
式6で表される化合物(式中、R1は、式Iの属において上記した通りである)は、スキーム1に従って調製することができる。(3−アミノ−シクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物1)で出発して、2とアシル化反応させて、式3で表される化合物中にアミド結合を与えることができる。化合物2においてX=Clである場合、弱塩基(例えば、トリエチルアミン及びDIPEA)が反応を実施する。化合物2においてX=OHである場合、極性溶媒(例えば、DMF)を用いて、塩基の存在下で、カップリング試薬(例えば、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU))が、式3で表される化合物を与える。この転換にも用いることができるカップリング試薬のリストは、この総説(Chemical Review 2011, 111, 6557)中に見出すことができる。TFA/DCM混合物等の酸性条件下でtert−ブトキシカルボニル(BOC)保護基を容易に除去して、式4で表される遊離アミンを与えることができる。他の保護基を用いてもよく、そして、当業者に公知である。(優れた参考文献については、P.G. M. Wuts and T. W. Greene in Green's Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley and Sons, 2007を参照)。次いで、マイクロ波照射下で遊離アミン誘導体4を6−クロロプリン5とカップリングさせて、芳香族求核置換を通して誘導体6を与えることができる。有機合成におけるマイクロ波の使用についての更なる情報は、この総説:Current Organic Chemistry, 2010, 14, 1050に記載されている。また、この転換は、塩基(例えば、DIPEA)及び溶媒(例えば、DMF)を用いて、約100℃の温度で3〜数時間の反応時間、従来の加熱下で達成することもできる。
Figure 2016513621
同様に、式11で表される化合物(式中、Rは、式1の属において上記した通りである)は、スキーム2に従って調製することができる。3−tert−ブチルカルボニルアミノ−シクロヘキサンカルボン酸(化合物7)から出発して、スキーム1に上記したのと同じ一連の工程を適用して、式11で表される化合物を調製することができる。
Figure 2016513621
式16で表される化合物は、スキーム3に示す通り調製することができる。この手順によれば、2,6−ジクロロ−9H−プリン(12)は、芳香族求核置換を受ける。この反応は、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)及び極性溶媒(例えば、DMF)の存在下で、約100℃の温度で3〜数時間の反応時間、従来の加熱下で進行し得る。あるいは、該反応は、約150℃の温度で30分間〜2時間の反応時間、マイクロ波照射下で生じ得る。化合物12における6位のより反応性の高い塩素を、この反応中に位置選択的に置換した。2位のより反応性の低い塩素は、式16で表される本発明の化合物を与えるために、より過酷な条件を必要とし、そして、160℃で1時間マイクロ波で加熱した過剰のTMSCl及び1−メチル−1H−ピラゾール−4アミンの使用を必要とした(関連する手順:Organic Process Research & Development 2006, 10, 799)。
Figure 2016513621
式20で表される本発明の化合物は、スキーム4に示す通り作製することができる。式20で表される化合物を得るための類似の工程は、上記されている。
医薬組成物及び投与
本発明の化合物は、多種多様な経口投与用の剤形及び担体で製剤化してよい。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤(solutions)、乳剤、シロップ剤又は懸濁剤の形態でありうる。本発明の化合物は、その他の投与経路の中でも、連続的(点滴)局所非経口、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(浸透促進剤を含みうる)、口腔内、鼻腔内、吸入及び坐剤投与を含む他の投与経路によって投与されたときに効果的である。好ましい投与方法は、一般的に、苦痛の程度及び有効成分に対する患者の応答に従って調整されうる簡便な一日用量レジメンを使用する経口である。
本発明の化合物(1つ又は複数)並びにそれらの薬学的に使用可能な塩は、1つ以上の従来の賦形剤、担体又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及び単位用量の形態にしてよい。医薬組成物及び単位用量の形態は、従来の成分を従来の割合で、追加の活性化合物若しくは成分と共に又は無しで含むことができ、単位剤形は、使用される1日用量の意図される範囲に釣り合う有効成分のあらゆる適切な有効量を含むことができる。医薬組成物は、固形剤(例えば、錠剤若しくは充填カプセル剤)、半固形剤、粉末剤、持続性放出製剤、又は液剤(liquids)(例えば、液剤(solutions)、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤若しくは経口的使用の充填カプセル剤)として;又は直腸内若しくは膣内投与用の坐剤の形態で;又は非経口的使用の注射用滅菌液剤(solutions)の形態で使用することができる。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(1つ又は複数)(w/w)を含有する。用語「製剤」又は「剤形」は、活性化合物の固体製剤と液体製剤の両方を含むことを意図し、当業者であれば、ターゲット臓器又は組織及び所望の用量及び薬物動態パラメーターに応じて、異なる製剤において有効成分が存在し得ることが理解されよう。
本明細書において使用される用語「賦形剤」は、一般的に安全で無毒であり、生物学的にもその他の面でも望ましくないことはない医薬組成物の調製において有用である化合物を指し、そして、獣医学的使用並びにヒトへの薬学的使用に許容し得る賦形剤を含む。本発明の化合物は、単独で投与することができるが、一般的に、意図される投与経路及び標準的な薬務に関して選択される1つ以上の適切な薬学的賦形剤、希釈剤又は担体との混合物で投与される。
「薬学的に許容し得る」は、それが、一般的に安全で無毒であり、生物学的にもその他の面でも望ましくないことはない医薬組成物の調製において有用であることを意味し、獣医学的並びにヒトへの薬学的使用に許容可能であるものを含む。
有効成分の「薬学的に許容し得る塩」形態は、また、最初に、非塩形態において存在しなかった望ましい薬物動態特性を有効成分に付与することができ、そして、有効成分の薬力学に対して体内でのその治療活性に関して正の影響をさらに与え得る。化合物の「薬学的に許容し得る塩」という表現は、薬学的に許容し得るものであって、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。このような塩としては、以下が挙げられる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸と共に形成される酸付加塩;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸と共に形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、又はアルミニウムイオン)によって置換されるか又は有機塩基(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等)に配位するときに形成される塩。
固体形態の製剤は、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤を含む。固体担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩解剤又はカプセル化材料としても作用することができる1種以上の物質であってよい。粉末剤では、担体は、一般に、微粉化した有効成分との混合物である微粉化固体である。錠剤では、有効成分は、一般的に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及び大きさに成形される。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココアバター等を含むが、これらに限定されない。固体形態の製剤は、有効成分に加えて、着色剤、香味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有してもよい。
液体製剤は、また、経口投与に適しており、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤(solutions)、水性懸濁剤を含む液体製剤を含む。これらは、使用直前に液体形態の製剤に変換することを意図する固体形態の製剤を含む。乳剤は、溶液中、例えば、プロピレングリコール水溶液中に調製してもよく、又はレシチン、ソルビタンモノオレエート若しくはアカシア等の乳化剤を含有してもよい。水性液剤(solutions)は、有効成分を水に溶解し、適切な着色剤、香味剤、安定剤及び増粘剤を加えることにより調製できる。水性懸濁剤は、微粉化した有効成分を、天然又は合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他の周知の懸濁化剤のような粘性材料と共に水に分散することにより調製できる。
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としてはボーラス注射(bolus injection)又は連続注入による)のために製剤化することができ、アンプル、充填済注射器(pre-filled syringes)、防腐剤を添加した小型注入容器又は多用量容器に単位用量形態で存在できる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤(solutions)又は乳剤、例えばポリエチレングリコール水溶液中の液剤(solutions)のような形態をとることができる。油性又は非水性の担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)を含み、防腐剤、湿潤剤、乳化剤又は懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤のような配合剤を含有してよい。あるいは、有効成分は、滅菌固体の無菌分離によるか、又は適切なビヒクル、例えば滅菌した発熱物質を含まない水を用いて、使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってよい。
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤若しくはローション剤として又は経皮パッチ剤として表皮に局所投与するために製剤化することができる。例えば、軟膏剤及びクリーム剤は、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を加え、水性又は油性基剤を用いて製剤化することができる。ローション剤は、水性又は油性基剤を用いて製剤化することができ、また一般的に、1種以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤又は着色剤も含有する。口腔内の局所投与に適切な製剤は、香味付けした基剤、通常、ショ糖及びアカシア又はトラガカント中に活性剤を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシアのような不活性基剤中に有効成分を含むパステル剤;並びに適切な液体担体中に有効成分を含む洗口剤を含む。
本発明の化合物は坐剤として投与するために製剤化することができる。脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物のような低融点ロウを、最初に溶融して、有効成分を例えば撹拌により均質に分散する。次に均質溶融混合物を、都合のよい大きさの成形型に注ぎ、冷却させ、凝固させる。
本発明の化合物は膣内投与用に製剤化することができる。ペッサリー剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤又はスプレー剤は、有効成分に加えて、当該技術分野で適切であることが公知である担体を含有する。
本発明の化合物は鼻腔内投与用に製剤化することができる。液剤(solutions)又は懸濁剤を、慣用の方法により、例えば、滴瓶、ピペット又はスプレーを用いて直接鼻腔に適用する。製剤は単回投与又は多回投与形態で提供することができる。滴瓶又はピペットの後者の場合、液剤(solution)又は懸濁剤の適切で所定の容量を患者に投与することで、それを達成することができる。スプレーの場合、例えば計量噴霧スプレーポンプを用いて達成することができる。
本発明の化合物は、特に、鼻内投与を含む、気道へのエアゾール投与用に製剤化することができる。化合物は、一般的に、例えば5ミクロン以下程度の小さい粒径を有する。そのような粒径は、当該技術で公知の方法、例えば微粒子化により得ることができる。有効成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン若しくはジクロロテトラフルオロエタン、若しくは二酸化炭素、又は他の適切な気体のような、適切な噴射剤を用いた加圧パックで提供される。エアゾールはまた、レシチンのような界面活性剤を都合よく含有することができる。薬剤の用量は、計量弁により制御されうる。あるいはまた、有効成分は、乾燥粉末の形態で、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体(ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリジン(PVP)等)のような適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で提供されうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセル若しくはカートリッジ、又はブリスターパックのような単位用量形態で存在してよく、これから粉末が吸入器により投与される。
所望であれば、製剤は、有効成分の持続的又は制御的放出投与に適合する腸溶性コーティングを用いて調製できる。例えば本発明の化合物は、経皮又は皮下薬剤送達装置に製剤化できる。これらの送達系は、化合物の持続的放出が必要であり、患者の処置レジメンに対するコンプライアンスが重要である場合に有利である。経皮送達系における化合物は、多くの場合、皮膚付着固体支持体に結合されている。目的の化合物は、また、浸透向上剤、例えばアゾン(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。持続的放出送達系は、手術又は注射により皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂溶性膜、例えばシリコーンゴム又は生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸で化合物を包み込む。
適切な製剤は、薬学的担体、希釈剤及び賦形剤と共に、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練の製剤科学者であれば、本発明の組成物を不安定にすることなく又はそれらの治療活性を損なうことなく、特定の投与経路のための多くの製剤を提供するために、本明細書の教示の範囲内で製剤を修正することができる。
水又はその他のビヒクルにより可溶性にするための本化合物の修正は、例えば、小さな修正(塩形成、エステル化等)によって容易に達成することができ、これらは十分に当該分野における通常の技能の範囲内である。また、患者に最大の有益な効果を与えるように本化合物の薬物動態を管理するために、特定の化合物の投与経路及び用量レジメンを修正することも十分に当該分野における通常の技能の範囲内である。
本明細書において使用される用語「治療有効量」は、個体の疾患の症状を軽減するのに必要な量を意味する。用量は、各特定の症例において、個々の要件に対して調整される。その用量は、多くの要因、例えば、処置される疾患の重症度、患者の年齢及び総体的な健康状態、患者の処置に用いられているその他の医薬、投与経路及び形態、並びに担当医の選好及び経験等に応じて、広い範囲内で変更することができる。経口投与の場合、単剤療法及び/又は併用療法では、一日あたり約0.01〜約1000mg/kg体重の一日用量が適切であろう。好ましい一日用量は、一日当たり約0.1〜約500mg/kg体重、より好ましくは、0.1〜約100mg/kg体重、最も好ましくは、1.0〜約10mg/kg体重である。従って、70kgの人への投与では、用量範囲は、一日当たり約7mg〜0.7gであろう。一日用量は、単回用量又は分割用量(典型的には、1〜5回の用量/日)で投与することができる。一般的に、処置は、化合物の最適用量より少ない用量から開始する。その後、個々の患者に最適な効果が得られるまで、用量を少量ずつ増やしていく。本明細書に記載される疾患を処置する当業者であれば、必要以上の実験を実施することなく、個人の知識、経験及び本願の開示を頼りに所与の疾患及び患者について本発明の化合物の治療有効量を確定することができるであろう。
医薬製剤は、好ましくは単位剤形である。そのような形態では、製剤は、有効成分の適切な量を含有する単位用量に細分化されている。単位剤形は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤及びバイアル又はアンプル中の粉末剤のような製剤の別個の分量を含有する。また、単位剤形は、それ自体カプセル剤、錠剤、カシェ剤又はトローチ剤であることができるか、又はパッケージ形態におけるこれらのうちのいずれかの適切な数であることができる。
適応症及び処置方法
一般式Iで表される化合物は、ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)を阻害する。上流のキナーゼによるBTKの活性化により、ホスホリパーゼ−Cγが活性化され、続いて、炎症誘発性メディエーターの放出が刺激される。式Iで表される化合物は、関節炎、並びに他の抗炎症及び自己免疫疾患の処置において有用である。したがって、式Iで表される化合物は、関節炎の処置に有用である。式Iで表される化合物は、細胞内のBTKを阻害するため及びB細胞の発生を調節するために有用である。本発明は、更に、薬学的に許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤と混合された、式Iで表される化合物を含有する医薬組成物を含む。
本明細書に記載される化合物は、キナーゼ阻害剤、特に、BTK阻害剤である。これらの阻害剤は、哺乳動物において、キナーゼ阻害に応答する1つ以上の疾患(BTK阻害及び/又はB細胞増殖の阻害に応答する疾患を含む)を処置するために有用でありうる。いかなる特定の理論に束縛されることは望まないが、本発明の化合物とBTKの相互作用がBTK活性の阻害をもたらすために、これらの化合物が薬学的有用性を有すると考えられる。したがって、本発明は、BTK活性の阻害及び/又はB細胞増殖の阻害に応答する疾患を有する哺乳動物(例えば、ヒト)を処置する方法であって、そのような疾患を有する哺乳動物に、有効量の本明細書に与えられる少なくとも1つの化学物質を投与することを含む方法を含む。有効濃度は、実験的に、例えば、化合物の血中濃度をアッセイすることによって、又は理論的にバイオアベイラビリティを計算することによって確認することができる。BTKの他に影響を受け得るその他のキナーゼは、その他のチロシンキナーゼ及びセリン/トレオニンキナーゼを含むが、これらに限定されない。
キナーゼは、増殖、分化及び死(アポトーシス)等の基本的な細胞過程を制御するシグナル伝達経路において特筆すべき役割を果たす。異常なキナーゼ活性は、多発性癌、自己免疫及び/又は炎症性疾患並びに急性炎症反応を含む、広範な疾患に関与している。重要な細胞のシグナル伝達経路におけるキナーゼのこの多面的な役割は、キナーゼ及びシグナル伝達経路をターゲットとする新規薬剤を同定する重要な機会を提供する。
1つの実施態様は、BTK活性及び/又はB細胞増殖の阻害に応答する、自己免疫及び/若しくは炎症性疾患又は急性炎症反応を有する患者を処置する方法を含む。
本発明の化合物及び組成物を使用して影響を受け得る自己免疫及び/又は炎症性疾患は、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、シェーグレン病、組織移植片拒絶反応及び移植臓器の超急性拒絶反応、喘息、全身性エリテマトーデス(及び関連する糸球体腎炎)、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、血管炎(ANCA関連及びその他の血管炎)、自己免疫性の溶血及び血小板減少状態、グッドパスチャー症候群(並びに関連する糸球体腎炎及び肺出血)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病、敗血性ショック並びに重症筋無力症を含むが、これらに限定されない。
本明細書に提供される少なくとも1つの化学物質が抗炎症剤と組み合わせて投与される処置法が本明細書に含まれる。抗炎症剤は、NSAID、非特異的及びCOX−2特異的シクロオキシゲナーゼ酵素阻害剤、金化合物、コルチコステロイド、メトトレキサート、腫瘍壊死因子受容体(TNF)受容体拮抗剤、免疫抑制剤及びメトトレキサートを含むが、これらに限定されない。
NSAIDの例は、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン及びナプロキセンナトリウム、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウムとミソプロストールの組み合わせ、スリンダク、オキサプロジン、ジフルニサル、ピロキシカム、インドメタシン、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、ケトプロフェン、ナトリウムナブメトン、スルファサラジン、トルメチンナトリウム並びにヒドロキシクロロキンを含むが、これらに限定されない。NSAIDの例は、また、セレコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ及び/又はエトリコキシブ等のCOX−2特異的阻害剤を含む。
いくつかの実施態様において、抗炎症剤は、サリチル酸塩である。サリチル酸塩は、アセチルサリチル酸(すなわち、アスピリン)、サリチル酸ナトリウム並びにサリチル酸コリン及びマグネシウムを含むが、これらに限定されない。
抗炎症剤は、また、コルチコステロイドでありうる。例えば、コルチコステロイドは、コルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム又はプレドニゾンでありうる。
追加の実施態様において、抗炎症剤は、金チオリンゴ酸ナトリウム又はオーラノフィン等の金化合物である。
本発明は、また、抗炎症剤が、代謝阻害剤、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤(メトトレキサート等)、又はジヒドロオロット酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(レフルノミド等)である実施態様を含む。
本発明の他の実施態様は、少なくとも1つの抗炎症化合物が、抗C5モノクローナル抗体(エクリズマブ又はパキセリズマブ等)、TNF拮抗剤(エンタネルセプト(entanercept)等)又は抗TNFαモノクローナル抗体であるインフリキシマブである組み合わせに関する。
本発明のさらに他の実施態様は、少なくとも1つの活性剤が、メトトレキサート、レフルノミド、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン及びミコフェノール酸モフェチルから選択される免疫抑制化合物等の免疫抑制化合物である組み合わせに関する。
BTKを発現するB細胞及びB細胞前駆体は、B細胞リンパ腫、リンパ腫(ホジキン及び非ホジキンリンパ腫を含む)、ヘアリー細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、慢性及び急性骨髄性白血病並びに慢性及び急性リンパ性白血病を含むがこれらに限定されない、B細胞の悪性腫瘍の病理に関与している。
BTKは、Bリンパ球系細胞のFas/APO−1(CD−95)死誘導シグナル伝達複合体(DISC)の阻害剤であることが知られている。白血病/リンパ腫細胞の運命は、DISCにより活性化されるカスパーゼの対抗するアポトーシス促進効果とBTK及び/又はその基質が関わる上流の抗アポトーシス調節メカニズムとの間のバランスに依存し得る(Vassilev et al., J. Biol. Chem. 1998, 274, 1646-1656)。
また、BTK阻害剤が、化学療法増感剤として有用であり、したがって、その他の化学療法薬、特に、アポトーシスを誘導する薬剤との組み合わせで有用であることが発見されている。化学療法増感性のBTK阻害剤と組み合わせて使用することができるその他の化学療法薬の例は、トポイソメラーゼI阻害剤(カンプトテシン又はトポテカン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、ダウノマイシン及びエトポシド)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メルファラン及びBCNU)、チューブリン作用剤(例えば、タキソール及びビンブラスチン)並びに生物学的作用物質(例えば、抗CD20抗体等の抗体、IDEC8、免疫毒素及びサイトカイン)を含む。
BTK活性は、また、第9及び第22染色体の一部の転座から生じるbcr−abl融合遺伝子を発現するいくつかの白血病と関連している。この異常は、通常、慢性骨髄性白血病に認められる。BTKは、bcr−ablキナーゼによって構成的にリン酸化され、これが下流の生存シグナルを開始して、bcr−abl細胞におけるアポトーシスを回避する(N. Feldhahn et al. J. Exp. Med. 2005 201(11):1837-1852)。
処置の方法
本願は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、炎症状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、関節リウマチを処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表される化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、喘息を処置する方法であって、それを必要としている患者に、式Iの治療有効量を投与することを含む方法を提供する。
本願は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表されるBTK阻害化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、関節炎を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表されるBTK阻害化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、喘息を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表されるBTK阻害化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、B細胞増殖を阻害する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表されるBTK阻害化合物を投与することを含む方法を提供する。
本願は、式Iのいずれか1つで表されるBTK阻害化合物を投与することを含む、BTK活性を阻害する方法であって、前記BTK阻害化合物が、BTK活性のインビトロ生化学アッセイにおいて50マイクロモル濃度以下のIC50を示す方法を提供する。
上記方法の1つの変形では、BTK阻害化合物は、BTK活性のインビトロ生化学アッセイにおいて100ナノモル濃度以下のIC50を示す。
上記方法の別の変形では、該化合物は、BTK活性のインビトロ生化学アッセイにおいて10ナノモル濃度以下のIC50を示す。
本願は、炎症状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、式Iで表されるBTK阻害化合物と組み合わせて治療有効量の抗炎症化合物を同時投与することを含む方法を提供する。
本願は、関節炎を処置する方法であって、それを必要としている患者に、式Iで表されるBTK阻害化合物と組み合わせて治療有効量の抗炎症化合物を同時投与することを含む方法を提供する。
本願は、リンパ腫又はBCR−ABL1白血病細胞を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の式Iで表されるBTK阻害化合物を投与することによる方法を提供する。
本発明は、治療活性物質としての上記化合物の使用を提供する。
本発明は、炎症及び/又は自己免疫状態の処置における上記化合物の使用を提供する。
本発明は、炎症及び/又は自己免疫状態を処置するための医薬を調製するための上記化合物の使用を提供する。
本発明は、炎症及び/又は自己免疫状態の処置において使用するための上記化合物を提供する。
本発明は、関節リウマチの処置において使用するための上記化合物を提供する。
本発明は、喘息の処置において使用するための上記化合物を提供する。
本発明は、本明細書に記載される発明を提供する。
実施例
略語
AcOH 酢酸
BOC tert−ブトキシカルボニル
Bu ブチル
BuOH ブタノール
CDI カルボニルジイミダゾール
CsCO 炭酸セシウム
DCM ジクロロメタン
DHP ジヒドロピラン
DMA ジメチルアセトアミド
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エチルアルコール
H 時間
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N ,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホ スファート
HCl 塩化水素
LC−MS 液体クロマトグラフィー質量分析
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
CO 炭酸カリウム
MeOH メチルアルコール
Min 分
MW マイクロ波
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン
Pd/C パラジウム炭
PdCl(dppf) [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン] ジクロロパラジウム(II)
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(OAc) 酢酸パラジウム(II)
Pd(PPh パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン
PTSA パラトルエンスルホン酸
RT(又はrt) 室温
tBuOK カリウムtert−ブトキシド
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
THP テトラヒドロピラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMSCl 塩化トリメチルシリル
Xphos 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−ト リイソプロピルビフェニル
一般的に用いられる略語は、以下を含む:アセチル(Ac)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、雰囲気(Atm)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ジ−tert−ブチルピロカーボナート又はboc無水物(BOCO)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、ケミカルアブストラクト登録番号(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジ−イソ−プロピル(DIAD)、水素化ジ−イソ−ブチルアルミニウム(DIBAL又はDIBAL−H)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(EtO)、エチルイソプロピルエーテル(EtOiPr)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート酢酸(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソプロパノール(IPA)、イソプロピルマグネシウムクロリド(iPrMgCl)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、ヘキサメチルジシラザンリチウム(LiHMDS)、メタ−クロロ過安息香酸(m−CPBA)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、n−ブチルリチウム(nBuLi)、N−カルボキシ無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、ピリジニウムクロロクロマート(PCC)、ジクロロ−((ビス−ジフェニルホスフィノ)フェロセニル)パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc))、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))、ピリジニウムジクロマート(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(Q−Phos)、室温(周囲温度、rt又はRT)、sec−ブチルリチウム(sBuLi)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMeSi(TBDMS)、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、トリエチルアミン(TEA又はEtN)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、トリフラート又はCFSO−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリル又はMeSi(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−CSO−又はトシル(Ts)、並びにN−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)。接頭辞ノルマル(n)、イソ(i−)、二級(sec−)、三級(tert−)、及びネオを含む従来の命名法は、アルキル部分で用いられるときの慣習上の意味を有する。(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford.)。
一般的条件
本発明の化合物は、当業者に公知の一般的な合成技術及び手順を利用することによって、市販の出発物質で始めて調製することができる。以下の概要は、このような化合物を調製するのに適切な反応スキームである。更なる例示は、具体的な実施例に見出すことができる。
予備実施例
試薬は、Aldrich、Sigma、Maybridge、Oakwood、Arkpharminc又は他の供給業者から購入し、そして、更に精製することなく用いた。加熱のためにマイクロ波照射を用いる反応は、Personal Chemistry Emrys Optimizer System又はCEM Discovery Systemのいずれかを用いて実施した。数ミリグラム〜数グラムの規模の化合物の精製は、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー等の当業者に公知の方法によって実施し;また、場合によっては、CombiFlash systemで溶離させた数グラムのシリカゲルが事前充填された使い捨てカラム(RediSep)(商標)を使用し、分取フラッシュカラム精製を行った。また、Biotage(商標)及びISCO(商標)は、中間体の精製のために本発明で用いることができたフラッシュカラム装置である。
化合物の同定及び純度の評価のために、以下のシステムを用いてLC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析)スペクトルを記録した。質量スペクトルの測定については、システムは、Micromass Platform II分光計:ポジティブモードのESイオン化(質量範囲:150〜1200amu)からなる。以下のHPLCシステムを用いて同時クロマトグラフ分離を達成した:ES Industries Chromegabond WR C-18 3u 120Å(3.2×30mm)カラムカートリッジ;移動相A:水(0.02% TFA)及び相B:アセトニトリル(0.02% TFA);勾配:3分間で10% Bから90% B;平衡時間:1分間;流速:2mL/分。
また、式1で表される多くの化合物は、当業者に周知の方法を用いて逆相HPLCによって精製した。場合によっては、Shimadzu分取HPLCシステム及びLeap自動注入装置に取り付けられたGilson 215コレクターを制御するPE Sciex 150 EX Mass Specを用いて、分取HPLC精製を実施した。化合物は、陽イオン検出のLC/MS検出を用いて溶離流から回収した。C−18カラム(2.0×10cm、20mL/分で溶離)からの化合物の溶離は、10分間にわたって、溶媒(A)0.05% TFA/H2O及び溶媒(B)0.035% TFA/アセトニトリルの適切な線形勾配モードを用いて行った。HPLCシステムに注入するために、メタノール、アセトニトリル、及びDMSOの混合物に粗サンプルを溶解させた。Bruker 400 MHz NMR分光計を用いてH−NMRによって化合物の特性評価を行った。
本発明の化合物は、公知の技術に従って合成してよい。以下の実施例及び参考文献は、本発明の理解を助けるために提供される。しかし、実施例は、本発明を限定することを意図するものではなく、本発明の真の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。実施例における最終生成物の名称は、Isis AutoNom 2000を用いて作成した。
実施例1:
4−tert−ブチル−N−[3−(7H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−ベンズアミド
Figure 2016513621
工程1) [3−(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2016513621

DMF(10.0mL)中の(3−アミノ−シクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.250g、1.16mmol)の撹拌した溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.5mL、7mmol)を室温で加えた。同じ温度で15分間撹拌した後、HATU(0.529g、1.39mmol)を反応混合物に加え、続いて4−tert−ブチル−安息香酸(0.208g、1.16mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。水(10mL)での希釈後、混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を水、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10%酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、[3−(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.250g、48%)を白色の固体として与えた。LC/MS:m/z C2234([M+H])の計算値:375 実測値:375.4。
工程2) N−(3−アミノ−シクロヘキシル)−4−tert−ブチル−ベンズアミド
Figure 2016513621

ジクロロメタン(8.0mL)中の[3−(4−tert−ブチル−ベンゾイルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.250g、0.66mmol)の撹拌した溶液に、TFA(0.25mL 3.3mmol)を0℃で加えた。0℃で15分間撹拌後、反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗物質を飽和NaHCO水溶液で中和し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、N−(3−アミノ−シクロヘキシル)−4−tert−ブチル−ベンズアミド(0.170g、94%)を明黄色の固体として与えた。LC/MS:m/z C1726([M+H])の計算値:275 実測値:275.4。
工程3) 4−tert−ブチル−N−[3−(7H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−ベンズアミド
Figure 2016513621

NMP(2.0mL)中の6−クロロ−9H−プリン(0.100g、0.64mmol)の溶液に、N−(3−アミノ−シクロヘキシル)−4−tert−ブチル−ベンズアミド(0.211g、0.77mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.26mL、1.60mmol)を室温で加えた。反応混合物を、マイクロ波中で150℃にて30分間照射した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10% MeOH−ジクロロメタン)により精製して、4−tert−ブチル−N−[3−(7H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−ベンズアミド(0.037g、15%)を白色の固体として与えた。LC/MS:m/z C2228O([M+H])の計算値:393 実測値:393.4。
実施例2:
3−(9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸 3−クロロ−ベンジルアミド
Figure 2016513621
工程1) [3−(3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2016513621

250mLの丸底フラスコ中で、3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(2g、8.22mmol)、(3−クロロフェニル)メタンアミン(1.28g、9.04mmol)及びHATU(3.44g、9.04mmol)を、DMF(20mL)と合わせた。DIPEA(1.44mL、8.22mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。粗物質をDCMで粉砕して、所望の化合物を与え、これを濾過し、大気下で乾燥させた。[3−(3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色の固体として得た(2.8g、93%)。
工程2) 3−(9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸 3−クロロ−ベンジルアミド
Figure 2016513621

20mLのシンチレーションバイアル中で、[3−(3−クロロ−ベンジルカルバモイル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.0g、2.73mmol)を、DCM(5mL)及びTFA(5mL)で溶解した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗物質をDMF(2mL)に溶解した。6−クロロ−9H−プリン(0.463g、3.0mmol)及びDIPEA(2.4mL、13.6mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応混合物を冷やし、EtOAcで希釈し、そして水で洗浄した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗物質を、MeOHで粉砕して、3−(9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸 3−クロロ−ベンジルアミド(0.12g、11%)を褐色の固体として与えた。LC/MS:m/z C1921ClNO([M+H])の計算値:385 実測値:385.0。
実施例3:
−シクロヘキシル−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン
Figure 2016513621
工程1) (2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−シクロヘキシル−アミン
Figure 2016513621

DMF(5mL)中の2,6−ジクロロ−9H−プリン(500mg、2.6mmol)及びシクロヘキシルアミン(289mg、2.91mmol)の溶液に、DIPEA(0.49mL、2.91mmol)を加え、そして窒素雰囲気下で100℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷やし、水を加えた。沈殿した固体を濾過し、乾燥させて、(2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−シクロヘキシル−アミン(600mg、90.1%)を黄色の固体として与えた。LC/MS:m/z C1114ClN([M+H])の計算値:252 実測値:252。
工程2) N−シクロヘキシル−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン
Figure 2016513621

n−BuOH(2.0mL)中の(2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−シクロヘキシル−アミン(300mg、1.19mmol)の溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルアミン(810mg、8.34mmol)及びTMS−Cl(0.567mL、4.65mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で160℃にて1時間照射した。溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、分取HPLC[カラム=Gemini NX C18(100×30.0 mm)5μ、5mM NHOAc/アセトニトリル]により精製して、N−シクロヘキシル−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン(60mg、16%)をオフホワイトの固体として与えた。LC/MS:m/z C1520([M+H])の計算値:313 実測値:313.2。
実施例4:
−(3−メチル−シクロヘキシル)−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン
Figure 2016513621
工程1) (2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−(3−メチル−シクロヘキシル)−アミン
Figure 2016513621

DMF(5mL)中の2,6−ジクロロ−9H−プリン(500mg、2.6mmol)及び3−メチル−シクロヘキシルアミン(329mg、2.91mmol)の溶液に、DIPEA(0.49mL、2.91mmol)を加え、そして窒素雰囲気下で100℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷やし、水を加えた。沈殿した固体を濾過し、乾燥させて、(2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−(3−メチル−シクロヘキシル)−アミン(600mg、86%)を黄色の固体として与えた。LC/MS:m/z C1216ClN([M+H])の計算値:266 実測値:266.3。
工程2) N−(3−メチル−シクロヘキシル)−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン
Figure 2016513621

n−BuOH(2.0mL)中の(2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−(3−メチル−シクロヘキシル)−アミン(200mg、0.755mmol)の溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルアミン(513mg、5.3mmol)及びTMS−Cl(0.36mL、2.94mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で160℃にて1時間照射した。溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、分取HPLC[カラム=Gemini NX C18(100×30.0mm)5μ、5mM NHOAc/アセトニトリル]により精製して、N−(3−メチル−シクロヘキシル)−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン(65mg、27%)をオフホワイトの固体として与えた。LC/MS:m/z C1622([M+H])の計算値:327 実測値:327.2。
実施例5:
4−tert−ブチル−N−{3−[2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルアミノ)−9H−プリン−6−イルアミノ]−シクロヘキシル}−ベンズアミド
Figure 2016513621
工程1) [3−(2−クロロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
Figure 2016513621

DMF(15mL)中の2,6−ジクロロ−9H−プリン(1.5g、7.93mmol)及び(3−アミノ−シクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.88g、8.73mmol)の溶液に、DIPEA(1.49mL、8.73mmol)を加え、そして110℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷やし、水を加えた。沈殿した固体を濾過し、乾燥させて、[3−(2−クロロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.8g、粗)を褐色の固体として与えた。LC/MS:m/z C1623ClN([M+H])の計算値:367 実測値:367.2。
工程2) N−(2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−シクロヘキサン−1,3−ジアミン TFA塩
Figure 2016513621

DCM(5mL)中の[3−(2−クロロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル 粗(900mg、2.45mmol)の撹拌した溶液に、DCM(10mL)中の33% TFAを0℃で滴下し、そして室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗物質をエーテル(2×5mL)で洗浄して、N−(2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−シクロヘキサン−1,3−ジアミン TFA塩(1.95g、粗)を黒色の粘着性の固体として与えた。LC/MS:m/z C1115ClN([M+H])の計算値:267 実測値:267.2。
工程3) 4−tert−ブチル−N−[3−(2−クロロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−ベンズアミド
Figure 2016513621

DMF(20mL)中のN−(2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−シクロヘキサン−1,3−ジアミン TFA塩(1.9g、5.0mmol)の溶液に、DIPEA(2.65mL、15.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で15分間撹拌し、続いてHATU(2.28g、6.0mmol)及び4−tert−ブチル−安息香酸(0.89g、5.0mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(40mL)で希釈し、EtOAc(2×60mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗物質をヘキサン(40mL)で洗浄し、乾燥させて、4−tert−ブチル−N−[3−(2−クロロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−ベンズアミド(800mg、3工程で47%)を褐色の固体として与えた。LC/MS:m/z C2227ClNO([M+H])の計算値:427 実測値:427.2。
工程4) 4−tert−ブチル−N−{3−[2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルアミノ)−9H−プリン−6−イルアミノ]−シクロヘキシル}−ベンズアミド
Figure 2016513621

n−BuOH(2.0mL)中の4−tert−ブチル−N−[3−(2−クロロ−9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−ベンズアミド(200mg、0.46mmol)の溶液に、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルアミン(319mg、3.28mmol)及びTMS−Cl(0.23mL、21.83mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波中で160℃にて1時間照射した。溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、分取HPLC[カラム=Gemini NX 110A C18(100×30.0mm)5μ、5mM NHOAc/アセトニトリル]により精製して、4−tert−ブチル−N−{3−[2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルアミノ)−9H−プリン−6−イルアミノ]−シクロヘキシル}−ベンズアミド(52mg、22%)をオフホワイトの固体として与えた。LC/MS:m/z C2633O([M+H])の計算値:488 実測値:488.2。
生物学的実施例
ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害アッセイ
このアッセイでは、濾過を通して放射性33Pリン酸化生成物を捕捉する。BTK、ビオチン化SHペプチド基質(Src相同)、及びATPの相互作用により、ペプチド基質がリン酸化される。ビオチン化生成物を、ストレプトアビジンセファロースビーズに結合させる。全ての結合している放射標識生成物をシンチレーションカウンターで検出する。
アッセイするプレートは、96ウェルポリプロピレン(Greiner)及び96ウェル1.2μm親水性PVDFフィルタープレート(Millipore)である。本明細書に報告する濃度は、最終アッセイ濃度である:DMSO(Burdick and Jackson)中10〜100μM 化合物、5〜10nM BTK酵素(Hisタグ付き、完全長)、30μM ペプチド基質(ビオチン−Aca−AAAEEIYGEI−NH)、100μM ATP(Sigma)、8mMイミダゾール(Sigma、pH7.2)、8mM グリセロール−2−リン酸(Sigma)、200μM EGTA(Roche Diagnostics)、1mM MnCl(Sigma)、20mM MgCl(Sigma)、0.1mg/mL BSA(Sigma)、2mM DTT(Sigma)、1μCi 33P ATP(Amersham)、20%ストレプトアビジンセファロースビーズ(Amersham)、50mM EDTA(Gibco)、2M NaCl(Gibco)、2M NaCl w/1%リン酸(Gibco)、microscint−20(Perkin Elmer)。
IC50の決定は、標準的な96ウェルプレートアッセイテンプレートから得られたデータを利用して、1化合物当たり10個のデータ点から計算する。1つの対照化合物及び7つの未知阻害剤を各プレートにおいて試験し、そして、各プレートを2回測定した。典型的に、化合物は、100μMで始まり、そして、3nMで終わるように半対数(half-log)希釈を行った。対照化合物は、スタウロスポリンであった。バックグラウンドは、ペプチド基質の非存在下で計数した。総活性は、ペプチド基質の存在下で決定した。以下のプロトコールを用いて、BTK阻害を決定した。
1) サンプルの調製:試験化合物をアッセイ緩衝液(イミダゾール、グリセロール−2−リン酸、EGTA、MnCl、MgCl、BSA)によって半対数増分で希釈した。
2) ビーズの調製
a.) 500gで遠心分離することによってビーズをすすぐ。
b.) 該ビーズをPBS及びEDTAで再構成して20%ビーズスラリーを生成する。
3) 30℃で15分間、基質を含まない反応ミックス(アッセイ緩衝液、DTT、ATP、33P ATP)及び基質を含むミックス(アッセイ緩衝液、DTT、ATP、33P ATP、ペプチド基質)をプレインキュベートする。
4) アッセイを開始するために、室温で10分間、酵素緩衝液(イミダゾール、グリセロール−2−リン酸、BSA)中BTK 10μL及び試験化合物 10μLをプレインキュベートする。
5) 基質を含まないか又は含む反応混合物 30μLをBTK及び化合物に添加する。
6) 30℃で30分間、全アッセイミックス 50μLをインキュベートする。
7) アッセイ 40μLをフィルタープレート中のビーズスラリー 150μLに移して、反応を停止させる。
8) 30分後、以下の工程を用いてフィルタープレートを洗浄する。
a. 3×NaCl 250μL
b. 3×1%リン酸を含有するNaCl 250μL
c. 1×HO 250μL
9) 65℃で1時間又は室温で一晩プレートを乾燥させる。
10) microscint−20 50μLを添加し、そして、シンチレーションカウンターで33P(cpm)を計数する。
生データ(cpm)から活性率を計算する。
活性率=(サンプル−bkg)/(総活性−bkg)×100
1サイト用量応答シグモイドモデルを用いて、活性率からIC50を計算する。
y=A+((B−A)/(1+((x/C)))))
x=化合物の濃度、y=活性率(%)、A=最低、B=最高、C=IC50、D=1(ヒル勾配)
ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害のTR−FRET(時間分解FRET)アッセイ
このBTK競合アッセイでは、FRET(フェルスター/蛍光共鳴エネルギー転移)技術を用いて、ブルトンチロシンキナーゼの不活化状態についての化合物の能力(IC50)を測定する。BTK−Eu複合体を氷上で1時間インキュベートした後、50nM BTK-Bioease(商標):10nM Eu−ストレプトアビジン(Perkin-Elmer カタログ番号#AD0062)の開始濃度で用いた。アッセイ緩衝液は、20mM HEPES(pH7.15)、0.1mM DTT、10mM MgCl、3%キナーゼ安定剤(Fremont Biosolutions、カタログ番号#STB−K02)を含む0.5mg/mL BSAからなっていた。1時間後、上記で得られた反応混合物をアッセイ緩衝液で10倍希釈して、5nM BTK:1nM Eu−ストレプトアビジン複合体(ドナーフルオロフォア)を作製した。次いで、0.11nM BTK−Eu及び0.11nM キナーゼトレーサー178(Invitrogen、カタログ番号#PV5593)の混合物 18μLを、非ネガティブ対照としてのBTK−Euのみと共に、384ウェル平底プレート(Greiner、784076)に分配した。アッセイにおいて試験する化合物は、10倍濃縮物として調製し、そして、10点曲線を作成するためにDMSOによって半対数増分で連続希釈した。FRET反応を開始させるために、10倍DMSO原液として調製した化合物をプレートに添加し、該プレートを14℃で18〜24時間インキュベートした。
インキュベートした後、プレートをBMG Pherastar蛍光プレートリーダー(又は等価物)で読み取り、そして、ユウロピウムドナーフルオロフォア(620nm 発光)及びFRET(665nm 発光)からの発光エネルギーを測定するために用いた。ネガティブ対照のウェルの値を平均して平均最低を得た。「阻害剤を含まない」ポジティブ対照のウェルを平均して、平均最高を得た。最高FRET率(%)を以下の式を用いて計算した:
最高FRET率(%)=100×[(FSR化合物−FSR平均最低)/(FSR平均最高−FSR平均最低)]
(式中、FSR=FRETシグナル比)。最高FRET率(%)曲線をActivity Base(Excel)にプロットし、そして、IC50(%)、ヒル勾配、z’及びCV(%)を決定した。Microsoft Excelを用いて二連曲線(2つの独立な希釈液から得た1本の阻害曲線)から平均IC50及び標準偏差を得る。
このアッセイについての代表的な化合物のデータを以下の表IIに列挙する。
Figure 2016513621
CD69の発現によって測定した全血におけるB細胞活性化の阻害
ヒト血液におけるB細胞のB細胞受容体媒介活性化を抑制するBTK阻害剤の能力を試験するための手順は、以下の通りである。
24時間薬剤を服用していない非喫煙者という制限条件で、健常ボランティアからヒト全血(HWB)を得る。ヘパリンナトリウムで抗凝固処理したバキュテナー(Vacutainer)チューブに静脈穿刺によって血液を収集する。試験化合物を、PBS(20×)で所望の開始薬剤濃度に10倍希釈し、次いで、PBS中10% DMSOで3倍連続希釈して、9点用量応答曲線を作成する。各化合物希釈液 5.5μLを2mL 96ウェルV底プレート(Analytical Sales and Services、#59623−23)に二連で添加し;PBS中10%DMSO 5.5μLを対照及び非刺激ウェルに添加する。HWB(100μL)を各ウェルに添加し、そして、混合した後、プレートを37℃、5% CO、湿度100%で30分間インキュベートする。ヤギF(ab’)2抗ヒトIgM(Southern Biotech、#2022−14)(500μg/mL溶液 10μL、最終濃度50μg/mL)を混合しながら各ウェル(非刺激ウェルを除く)に添加し、そして、プレートを更に20時間インキュベートする。
20時間のインキュベートの最後に、37℃、5% CO、湿度100%で30分間、蛍光プローブ標識抗体(PEマウス抗ヒトCD20 15μL、BD Pharmingen、#555623及び/又はAPCマウス抗ヒトCD69 20μL、BD Pharmingen、#555533)と共にサンプルをインキュベートする。補償調整及び初期電圧設定のために、誘導された対照、未染色、及び単回染色を含める。次いで、1×Pharmingen Lyse Buffer(BD Pharmingen #555899)1mLでサンプルを溶解させ、そして、プレートを1800rpmで5分間遠心分離する。吸引を介して上清を除去し、そして、残りのペレットを別の1×Pharmingen Lyse Buffer 1mLで再度溶解させ、そして、プレートを上記の通り遠心沈殿する。上清を吸引し、そして、残りのペレットをFACs緩衝液(PBS+1% FBS)で洗浄する。最後のスピンの後、上清を除去し、そして、ペレットをFACs緩衝液 180μLに再懸濁させる。BD LSR IIフローサイトメーターにおけるHTS96ウェルシステムで測定するのに適切な96ウェルプレートにサンプルを移す。
用いるフルオロフォアに適切な励起及び発光波長を用いて、データを取得し、そして、Cell Questソフトウェアを用いて陽性細胞率の値を得る。結果は、まず、FACS解析ソフトウェア(Flow Jo)によって解析する。試験化合物のIC50は、抗IgMによる刺激後にCD20陽性でもあるCD69陽性細胞の割合が50%低下する濃度として定義される(非刺激バックグラウンドの8つのウェルの平均を減じた後の8つの対照ウェルの平均)。IC50値は、XLfitソフトウェア、バージョン3、式201を用いて計算する。
B細胞活性化の阻害−Ramos細胞におけるB細胞FLIPRアッセイ
本発明の化合物によるB細胞活性化の阻害を、抗IgMで刺激されたB細胞の応答に対する試験化合物の効果を決定することによって示す。
B細胞FLIPRアッセイは、抗IgM抗体による刺激から細胞内のカルシウム増加の潜在的阻害剤の効果を決定する、細胞に基づく機能的方法である。Ramos細胞(ヒトバーキットリンパ腫細胞株、ATCC番号CRL−1596)を成長培地(下記)で培養した。アッセイの1日前、Ramos細胞を新鮮成長培地(上記と同じ)に再懸濁させ、そして、組織培養フラスコ内において0.5×10/mLの濃度に設定した。アッセイ当日、細胞を計数し、そして、組織培養フラスコ内においてFLUO-3AM(TefLabsカタログ番号0116、無水DMSO及び10%プルロニック酸中で調製)1μMを添加した成長培地中1×10/mLの濃度に設定し、そして、37℃(4%CO)で1時間インキュベートする。細胞外色素を除去するため、遠心分離(5分間、1000rpm)によって細胞を回収し、1×10細胞/mLでFLIPR緩衝液(下記)に再懸濁させ、次いで、1×10細胞/ウェルで96ウェルのポリ−D−リジンでコーティングされた黒色/透明プレート(BDカタログ番号356692)に分配した。試験化合物を、100μM〜0.03μMの様々な濃度(7濃度、詳細は後述)で添加し、そして、室温で30分間細胞と共にインキュベートするにまかせた。10μg/mL 抗IgM(Southern Biotech、カタログ番号2020−01)を添加することによってRamos細胞のCa2+シグナル伝達を刺激し、そして、FLIPR(Molecular Devices、480nM励起のアルゴンレーザーを備えるCCDカメラを用いて96ウェルプレートの画像を捕捉)で測定した。
培地/緩衝液
成長培地:L−グルタミン(Invitrogen、カタログ番号61870−010)、10%ウシ胎児血清(FBS、Summit Biotechnology、カタログ番号FP−100−05);1mM ピルビン酸ナトリウム(Invitrogen、カタログ番号11360−070)を有するRPMI1640培地。
FLIPR緩衝液:HBSS(Invitrogen、カタログ番号141175−079)、2mM CaCl(Sigma、カタログ番号C−4901)、HEPES(Invitrogen、カタログ番号15630−080)、2.5mM プロベネシド(Sigma、カタログ番号P−8761)、0.1%BSA(Sigma、カタログ番号A−7906)、11mM グルコース(Sigma、カタログ番号G−7528)。
化合物の希釈の詳細
100μMの最高最終アッセイ濃度を達成するために、10mM 化合物原液(DMSOで作製)24μLをFLIPR緩衝液 576μLに直接添加する。(Biomek2000ロボットピペッターを用いて)試験化合物をFLIPR緩衝液で希釈し、以下の希釈スキームを得る:ビヒクル、1.00×10−4M、1.00×10−5、3.16×10−6、1.00×10−6、3.16×10−7、1.00×10−7、3.16×10−8
アッセイ及び分析
カルシウムの細胞内増加は、最高−最低統計値(Molecular DevicesのFLIPRコントロール及び統計値エクスポートソフトウェアを用いて刺激性抗体の添加によって引き起こされるピークから静止ベースラインを減じる)を用いて報告した。非線形曲線当てはめ(GraphPad Prismソフトウェア)を用いてIC50を決定した。
マウスコラーゲン誘発関節炎(mCIA)
0日目に、完全フロイントアジュバント(CFA)中II型コラーゲンのエマルション(i.d.)をマウスの尾の付け根又は背中の数ヶ所に注射する。コラーゲン免疫後、動物は、約21〜35日で関節炎を発現する。関節炎の発症は、21日目に不完全フロイントアジュバント(IFA;i.d.)中コラーゲンを全身投与することによって同期(追加免疫)される。追加免疫に対するシグナルである軽度の関節炎(スコア1又は2;以下のスコアの記載を参照)の任意の発症について、20日後から毎日動物を検査する。追加免疫後、マウスにスコアをつけ、規定の期間(典型的に、2〜3週間)及び投与頻度(1日1回(QD)又は1日2回(BID))で候補治療剤を投与する。
ラットコラーゲン誘発関節炎(rCIA)
0日目に、不完全フロイントアジュバント(IFA)中ウシII型コラーゲンのエマルションをラットの背中の数ヶ所に皮内(i.d.)注射する。約7日目、尾の付け根又は背中の別の部位にコラーゲンエマルションの追加免疫注射(i.d.)を行う。関節炎は、一般的に、最初のコラーゲン注射の12〜14日後に観察される。14日目以降、下記(関節炎の評価)の通り関節炎の発現について動物を評価してよい。2回目の抗原曝露時から始めて、規定の期間(典型的に、2〜3週間)及び投与頻度(1日1回(QD)又は1日2回(BID))で、動物に候補治療剤を予防的に投与する。
関節炎の評価
両モデルにおいて、下記基準に従って4本の足を評価することを含む採点システムを用いて、足及び肢関節の炎症発現を定量する。
採点: 1=足又は1本の指の腫脹及び/又は発赤
2=2つ以上の関節における腫脹
3=2つ超の関節を含む、著しい足の腫脹
4=足及び指全体の重篤な関節炎
評価は、ベースライン測定については0日目に行い、最初の徴候又は腫脹から再度始めて、実験の最後まで1週間に3回以下行う。個々の足の4つのスコアを足すことによって各マウスの関節炎指数を得、動物1匹当たり最高16のスコアを与える。
ラットインビボ喘息モデル
雄のBrown-Norwayラットを、ミョウバン 0.2mL中OA(オボアルブミン) 100μgで3週間にわたって週1回(0、7、及び14日目)腹腔内で(i.p.)感作する。21日目(最後の感作の1週間後)に、OAエアゾールで抗原曝露(1%OAで45分間)する0.5時間前に、ラットにビヒクル又は化合物製剤のいずれかを1日1回皮下投与し、そして、抗原曝露の4又は24時間後に終了する。殺処分時に、それぞれ血清検査及びPKのために全ての動物から血清及び血漿を回収する。気管カニューレを挿入し、そして、肺をPBSで3回洗浄する。気管支肺胞洗浄液(BAL fluid)を全白血球数及び白血球分画について分析する。細胞のアリコート(20〜100μL)中の全白血球数は、Coulter Counterで測定する。白血球分画については、サンプル 50〜200μLをCytospinで遠心分離し、そして、スライドをDiff-Quikで染色する。標準的な形態学的基準を用いて光学顕微鏡下で単球、好酸球、好中球、及びリンパ球の比率を計数し、そして、百分率として表す。BTKの代表的な阻害剤は、対照レベルと比較して、OA感作及び抗原曝露したラットの気管支肺胞洗浄において全白血球数の減少を示す。
前述の発明は、明確性及び理解のために、説明及び実施例を通して詳細に記載した。添付の特許請求の範囲の範囲内で変更及び修正を行い得ることが当業者には明らかである。したがって、上記記載は、例示を意図するものであって、限定を意図するものではないことが理解される。したがって、本発明の範囲は、上記記載を参照して決定されるべきではなく、代わりに、特許請求の範囲が権利を与える等価物の全範囲と共に、以下の添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
本願に引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物は、各個々の特許、特許出願、又は刊行物が個々に表されているのと同程度に、全ての目的のために参照により全文が本明細書に組み入れられる。

Claims (25)

  1. 式(I):
    Figure 2016513621

    (式中、
    は、H又はA1’であり;
    1’は、低級アルキル又はフェニルであり、場合により1つ以上のA1”で置換されており;
    各A1”は、独立して、ハロ又は低級アルキルであり;
    は、H又はA2’であり;
    2’は、ヘテロアリールであり、場合により低級アルキルで置換されており;
    は、−NH、C(=O)であるか又は存在せず;
    は、−NH、C(=O)であるか又は存在せず;
    は、低級アルキレンであるか又は存在せず;そして、
    は、−NHであるか又は存在しない)
    で表される化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
  2. が、−NHである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、−C(=O)である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. が、存在しない、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
  5. が、フェニルであり、場合により1つ以上のA1”で置換されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
  6. が、存在しない、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
  7. が、Hである、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
  8. が、−C(=O)である、請求項1に記載の化合物。
  9. が、−NHである、請求項8に記載の化合物。
  10. が、メチレンである、請求項8又は9に記載の化合物。
  11. が、フェニルであり、場合により1つ以上のA1”で置換されている、請求項8〜10のいずれか一項記載の化合物。
  12. が、Hである、請求項8〜11のいずれか一項記載の化合物。
  13. が、存在しない、請求項8〜12のいずれか一項記載の化合物。
  14. が、−NHであり、Aが、ピラゾリルであり、そして、A2’が、メチルである、請求項1に記載の化合物。
  15. 4−tert−ブチル−N−[3−(7H−プリン−6−イルアミノ)シクロヘキシル]ベンズアミド;
    N−[(3−クロロフェニル)メチル]−3−(9H−プリン−6−イルアミノ)シクロヘキサン−1−カルボキサミド;
    6−N−シクロヘキシル−2−N−(1−メチルピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン;
    6−N−(3−メチルシクロヘキシル)−2−N−(1−メチルピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン;及び
    4−tert−ブチル−N−[3−[[2−[(1−メチルピラゾール−4−イル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]アミノ]シクロヘキシル]ベンズアミド
    からなる群より選択される、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
  16. 4−tert−ブチル−N−[3−(9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキシル]−ベンズアミド;
    3−(9H−プリン−6−イルアミノ)−シクロヘキサンカルボン酸3−クロロ−ベンジルアミド、
    −シクロヘキシル−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン;
    −(3−メチル−シクロヘキシル)−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−9H−プリン−2,6−ジアミン;及び
    4−tert−ブチル−N−{3−[2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルアミノ)−9H−プリン−6−イルアミノ]−シクロヘキシル}−ベンズアミド
    からなる群より選択される、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
  17. 炎症及び/又は自己免疫状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む方法。
  18. 炎症状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む方法。
  19. 関節リウマチを処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む方法。
  20. 喘息を処置する方法であって、それを必要としている患者に、治療有効量の請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む方法。
  21. 少なくとも1つの薬学的に許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤と混合された、請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物を含む医薬組成物。
  22. 炎症及び/又は自己免疫状態の処置における、請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物の使用。
  23. 炎症及び/又は自己免疫状態を処置するための医薬を調製するための、請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物の使用。
  24. 炎症及び/又は自己免疫状態の処置において使用するための、請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物。
  25. 本明細書に記載される発明。
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