本発明の概要
脂質のホスホイノシチドファミリーは、イノシトール環上の3位、4位、および5位のリン酸化を通して形成されるホスファチジルイノシトール(PI)の7つの誘導体を包含する(Emerling et al., Cell, 2013, 155: 844-857)。ホスホイノシチドは、明確な生物学的な役割を有し、増殖、生存、グルコースの取り込み、および移動を包含する多くの細胞プロセスを調節する。ホスホイノシチドキナーゼ、ホスファターゼおよびホスホリパーゼは、空間的におよび時間的に、異なる細胞内コンパートメントへ局在化する異なるホスホイノシチド種の産出を調節する。ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスファート(PI−4,5−P2)を産出するための脂質ホスファチジルイノシトール−5−ホスファート(PI−5−P)の4位でのリン酸化は、酵素PIP4K2A、BおよびCによって触媒される。マウスにおけるPIP4K2AおよびPIP4K2Bの生殖系列の欠失は、TP53の欠失という観点から、腫瘍形成を抑制する(Rameh et al., Nature, 1997, 390: 192-196)。腫瘍サプレッサー遺伝子TP53(p53をコードする)の損失または突然変異は、がんにおける最も高頻度な事象の1つである。臨床および機能の研究は、がんにおけるp53の損失の機能的重要性を明白に有効にしている。したがって、PIP4K2Aおよび/またはPIP4K2Bの阻害剤を開発することで、がん、例えばTP53が欠失した腫瘍において治療的利益が提供されることは、有利なことである。
本発明は、式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、および組成物を提供する。式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、および組成物は、キナーゼの活性を阻害できる。ある態様において、キナーゼは、タンパク質キナーゼである。ある態様において、タンパク質キナーゼは、CDK(例として、サイクリン依存性キナーゼ(CDK))である。ある態様において、キナーゼは、脂質キナーゼである。ある態様において、脂質キナーゼは、ホスファチジルイノシトールホスファートキナーゼ(PIPK)である。ある態様において、PIPKは、PIP4Kであり、これは、脂質ホスファチジルイノシトール−5−ホスファート(PI−5−P)の4位でのリン酸化を触媒することで、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスファート(PI−4,5−P2)を産出する。いくつかの態様において、PIP4Kは、クラスIのPIP4K、すなわちPIP4K1である。いくつかの態様において、PIP4Kは、クラスIIのPIP4K、すなわちPIP4K2である。いくつかの態様において、PIP4K2は、PIP4K2Aタンパク質である。いくつかの態様において、PIP4K2は、PIP4K2Bタンパク質である。いくつかの態様において、PIP4K2は、PIP4K2Cタンパク質である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、脂質キナーゼに対し、他のキナーゼと比較して、選択的である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、PIP4Kに対し、他のキナーゼと比較して、選択的である。
本発明はさらに、キナーゼ(例として、PIP4K)の阻害を研究するため、およびキナーゼ(例として、PIP4K)の過剰発現および/または異常な活性に関連する疾患の予防および/または処置のための治療学として、本発明の化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、および組成物を使用する方法を提供する。ある態様において、本発明の化合物は、対象における増殖性疾患(例として、がん(例として、肺がん、乳がん、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫疾患)の予防および/または処置のために使用される。
一側面において、本発明は、式(I):
で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを提供するものであり、式中環A、L1、L2、RB1、RB2、X、RA、RC、RD、RE、n、およびpは、本明細書に定義されるとおりである。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(II):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(III):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(IV):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(V):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(VI):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
別の側面において、本発明は、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグ、および任意に薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、治療有効量の、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグを包含する。医薬組成物は、増殖性疾患(例として、がん)または感染性疾患を処置するかおよび/または予防するのに有用であり得る。
別の側面において、本発明は、増殖性疾患を処置するかおよび/または予防するための方法を提供する。例示的な増殖性疾患は、がん(例として、肺がん、***がん、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫疾患を包含する。ある態様において、がんは、1以上の突然変異を有する。ある態様において、がんは、TP53が欠失したがんである。他の態様において、本発明は、感染性疾患(例として、ウイルス感染)を処置するかおよび/または予防するための方法を提供する。
本発明の別の側面は、生体試料または対象においてキナーゼ(例として、PIP4K(例として、PIP4K2)酵素)の活性をモジュレートする方法に関する。ある態様において、方法は、他のキナーゼよりもPIP4K酵素を選択的に阻害することを伴う。ある態様において、方法は、他のキナーゼよりもPIP4K2酵素を選択的に阻害することを伴う。
本発明はまた、生体試料または対象における細胞成長を阻害する方法も提供する。
本発明の別の側面は、対象における増殖性疾患(例として、がん(例として、肺がん、***がん、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫疾患)または感染性疾患(例として、ウイルス感染)の処置において、キナーゼ(例として、PIP4K酵素)の阻害において、または細胞成長の阻害において、有用な1以上の化合物を同定するための、化合物(例として、式(I)で表される化合物)のライブラリをスクリーニングする方法に関する。
更なる別の側面において、本発明は、対象における増殖性疾患の処置における使用のための、式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、および組成物を提供する。
更なる別の側面において、本発明は、対象における感染性疾患の処置または予防における使用のための、式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、および組成物を提供する。ある態様において、感染性疾患は、ウイルス感染である。
本発明の別の側面は、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグ、またはその医薬組成物をもつ容器を含むキットに関する。本発明のキットは、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグ、またはその医薬組成物の単回用量または複数回用量を包含してもよい。提供されるキットは、対象における増殖性疾患(例として、がん(例として、肺がん、***がん、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫疾患)または感染性疾患の処置および/または予防に有用であり得る。ある態様において、本明細書に記載のキットはさらに、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグ、またはその医薬組成物を投与するための指示を包含する。
本発明の1以上の態様の詳細は、本明細書に表明されている。本発明の他の特長、目的、および利点は、詳細な記載、例、およびクレームから明らかであろう。
定義
具体的な官能基および化学用語の定義がより詳細に下に記載される。化学元素はHandbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.内表紙の元素周期表CAS版に従って同定され、具体的な官能基はそこに記載のとおりに一般に定義される。加えて、有機化学の一般の法則、さらには具体的な官能部分および反応性は、Thomas Sorrell, Organic Chemistry, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。本開示は、本明細書に記載の置換基の例示列挙によって何ら限定されることを意図しない。
本明細書に記載の化合物は1以上の不斉中心を含み得、それゆえに種々の異性体形態、例としてエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、または幾何異性体の形態であり得るか、または立体異性体の混合物の形態であり得る(ラセミ混合物、および1以上の立体異性体が富化された混合物を包含する)。異性体は、当業者に知られている方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、およびキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離され得る;または好ましい異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill, NY, 1962);およびWilen, Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268(E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照。加えて、本開示は、他の異性体が実質的にない個々の異性体としての、およびその代わりに、種々の異性体の混合物としての、本明細書に記載の化合物を網羅する。
値の範囲が列挙されるとき、その範囲内の各値および部分範囲を網羅することが意図される。例えば「C1〜6」はC1、C2、C3、C4、C5、C6、C1〜6、C1〜5、C1〜4、C1〜3、C1〜2、C2〜6、C2〜5、C2〜4、C2〜3、C3〜6、C3〜5、C3〜4、C4〜6、C4〜5、およびC5〜6を網羅することが意図される。
用語「脂肪族」は、飽和および不飽和両方の、直鎖(すなわち、非分岐)の、分岐の、非環式の、環式の、または多環式の脂肪族炭化水素を包含するが、これらは1以上の官能基で置換されるかまたは非置換である。当業者によって認められるであろうとおり、「脂肪族」は、これらに限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分を包含することを本明細書において意図される。それゆえに、用語「アルキル」は、直鎖の、分岐のおよび環式のアルキル基を包含する。例えば「アルケニル」、「アルキニル」等の他の一般名称にも、類似の慣例を適用する。しかも、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」等は、置換のおよび非置換の基の両方を網羅する。ある態様において、「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する(環式の、非環式の、置換の、非置換の、分岐のまたは非分岐の)それらアルキル基を指し示すために使用される。
ある態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。他のある態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。更に他の態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。なお他の態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。更に他の態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜4個の炭素原子を含有する。それゆえに、例示的な脂肪族基は、これらに限定されないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−CH2−シクロプロピル、ビニル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、−CH2−シクロブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、−CH2−シクロペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、シクロヘキシル、−CH2−シクロヘキシル部分等を包含し、これらもやはり、1以上の置換基を持っていてもよい。アルケニル基は、これらに限定されないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル等を包含する。代表的なアルキニル基は、これらに限定されないが、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニル等を包含する。
用語「アルキル」は、1個から10個までの炭素原子を有する、直鎖のまたは分岐の飽和炭化水素基のラジカルを指す(「C1〜10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜9個の炭素原子を有する(「C1〜9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する(「C1〜8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜7個の炭素原子を有する(「C1〜7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する(「C1〜6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を有する(「C1〜5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する(「C1〜4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を有する(「C1〜3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を有する(「C1〜2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキル」)。C1〜6アルキル基の例は、メチル(C1)、エチル(C2)、プロピル(C3)(例として、n−プロピル、イソプロピル)、ブチル(C4)(例として、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチル)、ペンチル(C5)(例として、n−ペンチル、3−ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3−メチル−2−ブタニル、第三級アミル)、およびヘキシル(C6)(例として、n−ヘキシル)を含む。アルキル基の追加の例は、n−ヘプチル(C7)、n−オクチル(C8)等を含む。別段の定めのない限り、アルキル基の各々は独立して、非置換であるか(「非置換アルキル」)、または1以上の置換基(例として、Fなどのハロゲン)で置換されている(「置換アルキル」)。ある態様において、アルキル基は、非置換C1〜10アルキルである(非置換C1〜6アルキルなど、例として−CH3(Me)、非置換エチル(Et)、非置換プロピル(Pr、例として、非置換n−プロピル(n−Pr)、非置換イソプロピル(i−Pr))、非置換ブチル(Bu、例として、非置換n−ブチル(n−Bu)、非置換tert−ブチル(tert−Buまたはt−Bu)、非置換sec−ブチル(sec−Buまたはs−Bu)、非置換イソブチル(i−Bu)など)である。ある態様において、アルキル基は、置換C1〜10アルキル(置換C1〜6アルキルなど、例としてベンジル(Bn)または−CF3)である。
「アルケニル」は、2個から20個までの炭素原子および1以上の炭素−炭素二重結合を有し、三重結合を有さない、直鎖のまたは分岐の炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜20アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。1以上の炭素−炭素二重結合は、内部(2−ブテニルにおいて、など)または末端(1−ブテニルにおいて、など)であり得る。C2〜4アルケニル基の例は、エテニル(C2)、1−プロペニル(C3)、2−プロペニル(C3)、1−ブテニル(C4)、2−ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)等を包含する。C2〜6アルケニル基の例は、前述のC2〜4アルケニル基ならびにペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)等を含む。アルケニルの追加の例は、ヘプテニル(C7)、オクテニル(C8)、オクタトリエニル(C8)等を包含する。別段の定めのない限り、アルケニル基の各々は独立して、任意に置換されていてもよい、すなわち非置換であるか(「非置換アルケニル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。ある態様において、アルケニル基は、非置換C2〜10アルケニルである。ある態様において、アルケニル基は、置換C2〜10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学が特定されていないC=C二重結合(例として、−CH=CHCH3または
)は、(E)または(Z)二重結合であってもよい。
「アルキニル」は、2個から20個までの炭素原子、1以上の炭素−炭素三重結合、および任意に1以上の二重結合を有する、直鎖のまたは分岐の炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜20アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。1以上の炭素−炭素三重結合は、内部(2−ブチニルにおいて、など)または末端(1−ブチニルにおいて、など)であり得る。C2〜4アルキニル基の例は、限定せずに、エチニル(C2)、1−プロピニル(C3)、2−プロピニル(C3)、1−ブチニル(C4)、2−ブチニル(C4)等を包含する。C2〜6アルケニル基の例は、前述のC2〜4アルキニル基ならびにペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)等を包含する。アルキニルの追加の例は、ヘプチニル(C7)、オクチニル(C8)等を包含する。別段の定めのない限り、アルキニル基の各々は独立して、任意に置換されていてもよく、すなわち非置換であるか(「非置換アルキニル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は、非置換C2〜10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は、置換C2〜10アルキニルである。
「カルボシクリル」または「炭素環式」は、3個から10個までの環炭素原子(「C3〜10カルボシクリル」)およびゼロ個のヘテロ原子を非芳香族環系中に有する非芳香族環式の炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜8個の環炭素原子を有する(「C3〜8カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5〜10個の環炭素原子を有する(「C5〜10カルボシクリル」)。例示的なC3〜6カルボシクリル基は、限定せずに、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)等を包含する。例示的なC3〜8カルボシクリル基は、限定せずに、前述のC3〜6カルボシクリル基ならびにシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)等を包含する。例示的なC3〜10カルボシクリル基は、限定せずに、前述のC3〜8カルボシクリル基ならびにシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)等を包含する。先の例に例示されるとおり、ある態様において、カルボシクリル基は、単環式であるか(「単環式カルボシクリル」)、または縮合、架橋またはスピロ環系、例えば二環式系を含有するか(「二環式カルボシクリル」)のいずれかであり、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。「カルボシクリル」はまた、上に定義されているとおり、炭素環が1以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合されており、付着点が炭素環上にある環系をも包含し、かかる実例において、炭素数は、炭素環系中の炭素数を通して指定する。別段の定めのない限り、カルボシクリル基の各々は独立して、任意に置換されていてもよく、すなわち非置換であるか(「非置換カルボシクリル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。ある態様において、カルボシクリル基は、非置換C3〜10カルボシクリルである。ある態様において、カルボシクリル基は、置換C3〜10カルボシクリルである。
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は、3個から10個までの環炭素原子を有する、単環式の飽和カルボシクリル基である(「C3〜10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜8個の環炭素原子を有する(「C3〜8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C3〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5〜6個の環炭素原子を有する(「C5〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5〜10個の環炭素原子を有する(「C5〜10シクロアルキル」)。C5〜6シクロアルキル基の例は、シクロペンチル(C5)およびシクロヘキシル(C5)を包含する。C3〜6シクロアルキル基の例は、前述のC5〜6シクロアルキル基ならびにシクロプロピル(C3)およびシクロブチル(C4)を包含する。C3〜8シクロアルキル基の例は、前述のC3〜6シクロアルキル基ならびにシクロヘプチル(C7)およびシクロオクチル(C8)を包含する。別段の定めのない限り、シクロアルキル基の各々は独立して、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある態様において、シクロアルキル基は、非置換C3〜10シクロアルキルである。ある態様において、シクロアルキル基は、置換C3〜10シクロアルキルである。
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する3〜10員の非芳香族環系のラジカルを指し、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「3〜10員ヘテロシクリル」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、原子価が許す限り、付着点は、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または縮合、架橋、またはスピロ環系(例えば二環式系(「二環式ヘテロシクリル」))のいずれかであり得、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。ヘテロシクリル二環式の環系は、1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に包含し得る。「ヘテロシクリル」は、上に定義されるとおり、ヘテロ環が1以上のカルボシクリル基と縮合しており、付着点がカルボシクリルまたはヘテロ環上のいずれかにある環系、または上に定義されるとおり、ヘテロ環が1以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合しており、付着点がヘテロ環上にある環系をもまた包含する。かかる実例において、環員数は、ヘテロ環式の環系中の環員数を通して指定する。別段の定めのない限り、ヘテロシクリルの各々は独立して、任意に置換されていてもよく、すなわち非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある態様において、ヘテロシクリル基は、非置換3〜10員ヘテロシクリルである。ある態様において、ヘテロシクリル基は、置換3〜10員ヘテロシクリルである。
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員の非芳香族環系であり、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「5〜10員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の非芳香族環系であり、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜8員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員の非芳香族環系であり、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
1個のへテロ原子を含有する例示的な3員のヘテロシクリル基は、限定せずに、アジリジニル、オキシラニル、チイラニルを含有する。1個のへテロ原子を含有する例示的な4員のヘテロシクリル基は、限定せずに、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基は、限定せずに、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル−2,5−ジオンを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基は、限定せずに、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、およびオキサゾリジン−2−オンを包含する。3個のへテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基は、限定せずに、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基は、限定せずに、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基は、限定せずに、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基は、限定せずに、トリアジナニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロシクリル基は、限定せずに、アゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な8員のヘテロシクリル基は、限定せずに、アゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルを包含する。C6アリール環へ縮合された例示的な5員のヘテロシクリル基(本明細書においてはまた、5,6−二環式ヘテロ環とも言及される)は、限定せずに、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニル等を包含する。アリール環へ縮合された例示的な6員のヘテロシクリル基(本明細書においてはまた、6,6−二環式ヘテロ環とも言及される)は、限定せずに、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等を包含する。
「アリール」は、芳香族環系において提供された6〜14個の環炭素原子およびゼロ個のへテロ原子を有する、単環式のまたは多環式の(例として、二環式のまたは三環式の)4n+2芳香族環系(例として、環式のアレイ中に共有される6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「C6〜14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例としてフェニル)。いくつかの態様において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例として、1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例としてアントラシル(anthracyl))。「アリール」はまた、上に定義されるとおり、アリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合されており、ラジカルまたは付着点がアリール環上にある環系をも包含する。かかる実例において、炭素原子数は、アリール環系中の炭素原子数を通して指定する。別段の定めのない限り、アリール基の各々は独立して、任意に置換されていてもよく、すなわち非置換であるか(「非置換アリール」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。ある態様において、アリール基は、非置換C6〜14アリールである。ある態様において、アリール基は、置換C6〜14アリールである。
「アラルキル」は、置換または非置換のアリール基によって置換されている、置換または非置換のアルキル基を指す。ある態様において、アラルキルは、置換または非置換のベンジルである。ある態様において、アラルキルは、ベンジルである。ある態様において、アラルキルは、置換または非置換のフェネチルである。ある態様において、アラルキルは、フェネチルである。
「ヘテロアリール」は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員の単環式のまたは二環式の4n+2芳香族環系(例として、環式アレイ中に共有された6個または10個のπ電子を有する)のラジカルを指し、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員のヘテロアリール」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、原子価が許す限り、付着点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式の環系は、1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に含み得る。「ヘテロアリール」は、上に定義されるとおり、ヘテロアリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合されており、付着点がヘテロアリール環上にある環系を包含する。かかる実例において、環員数は、ヘテロアリール環系中の環員数を通して指定する。「ヘテロアリール」は、上に定義されるとおり、ヘテロアリール環が1以上のアリール基と縮合されており、付着点がアリールまたはヘテロアリール環上のいずれかにある環系をもまた包含する。かかる実例において、環員数は、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員数を指定する。一方の環がへテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例として、インドリル、キノリニル、カルバゾリル等)において、付着点は、いずれかの環(すなわち、へテロ原子を持つ環(例として2−インドリル)またはへテロ原子を含有しない環(例として5−インドリル)のいずれか)上にあり得る。
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1〜4員の環ヘテロ原子を有する5〜10員の芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜8員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員の芳香族環系であって、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。別段の定めのない限り、ヘテロアリール基の各々は独立して、任意に置換されていてもよく、すなわち非置換(「非置換ヘテロアリール」)または1以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある態様において、ヘテロアリール基は、非置換5〜14員のヘテロアリールである。ある態様において、ヘテロアリール基は、置換5〜14員のヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基は、限定せずに、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基は、限定せずに、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを包含する。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基は、限定せずに、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルを包含する。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基は、限定せずに、テトラゾリルを包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基は、限定せずに、ピリジニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基は、限定せずに、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを包含する。3個または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基は夫々、限定せずに、トリアジニルおよびテトラジニルを包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロアリール基は、限定せずに、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルを包含する。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基は、限定せずに、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを包含する。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基は、限定せずに、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルを含む。
「ヘテロアラルキル」は、アルキルおよびヘテロアリールの下位集合であり、置換または非置換のヘテロアリール基によって置換された、置換または非置換のアルキル基を指す。
「不飽和」または「部分不飽和」は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を包含する基を指す。「部分不飽和」の環系は、不飽和の複数部位を有する環を網羅することをさらに意図するが、芳香族基(例として、アリールまたはヘテロアリール基)を包含することは意図しない。同様に、「飽和」は、二重結合または三重結合を含有しない、すなわちすべて単結合を含有する基を指す。
二価連結基である、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基はさらに、接尾辞エン(-ene)を使用して言及され、例として、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、およびヘテロアリーレンである。
本明細書に記載の原子、部分、または基は、別段の明示的な定めが提供されない限り、原子価が許す限り、置換また非非置換であってもよい。用語「任意に置換されていてもよい」は、置換または非置換を指す。
基は、別段の明示的な定めが提供されない限り、置換または非置換である。用語「任意に置換されていてもよい」は、置換されているかまたは非置換であることを指す。ある態様において、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、置換または非置換である(例として、「置換」または「非置換」アルキル、「置換」または「非置換」アルケニル、「置換」または「非置換」アルキニル、「置換」または「非置換」カルボシクリル、「置換」または「非置換」ヘテロシクリル、「置換」または「非置換」アリール、または「置換」または「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換」は、用語「任意」によって先行されているか否かにかかわらず、基(例として、炭素または窒素原子)上に存在する少なくとも1個の水素が、許され得る置換基(例として、置換によって安定な化合物(例として、転位、環化、脱離、または他の反応によって、などの自発的に変換をしない化合物)をもたらす置換基)によって置き換えられるということを意味する。別段の定めが指し示されない限り、「置換」された基は、基の1以上の置換可能な位置にて置換基を有し、いずれか所与の構造中1より多くの位置で置換されるとき、置換基は、各位置にて同じかまたは異なるかのいずれかである。用語「置換」は、有機化合物のすべての許され得る置換基での置換を包含することが企図され、本明細書に記載の置換基のいずれかは、安定な化合物の形成をもたらす。本開示は、安定な化合物に到達するために、いずれかのおよびすべてのかかる組み合わせを企図する。本開示の目的において、窒素などのへテロ原子は、へテロ原子の原子価を満たし、および安定な部分の形成をもたらす、本明細書に記載の水素置換基および/またはいずれか好適な置換基を有していてもよい。ある態様において、置換基は、炭素原子置換基である。ある態様において、置換基は、窒素原子置換基である。ある態様において、置換基は、酸素原子置換基である。ある態様において、置換基は、硫黄原子置換基である。
例示的な炭素原子置換基は、これらに限定されないが、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORaa、−ON(Rbb)2、−N(Rbb)2、−N(Rbb)3 +X−、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−CO2H、−CHO、−C(ORcc)2、−CO2Raa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−OC(=O)N(Rbb)2、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCO2Raa、−NRbbC(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、−C(=O)NRbbSO2Raa、−NRbbSO2Raa、−SO2N(Rbb)2、−SO2Raa、−SO2ORaa、−OSO2Raa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa)3、−OSi(Raa)3、−C(=S)N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)2Raa、−OP(=O)2Raa、−P(=O)(Raa)2、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−P(=O)2N(Rbb)2、−OP(=O)2N(Rbb)2、−P(=O)(NRbb)2、−OP(=O)(NRbb)2、−NRbbP(=O)(ORcc)2、−NRbbP(=O)(NRbb)2、−P(Rcc)2、−P(ORcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)3 +X−、−P(Rcc)4、−P(ORcc)4、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3 +X−、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3 +X−、−OP(Rcc)4、−OP(ORcc)4、−B(Raa)2、−B(ORcc)2、−BRaa(ORcc)、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを包含し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換される;ここでX−は、対イオンである;
または、炭素原子上の2個のジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、または=NORccで置き換えられる;
Raaの各々は独立して、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2個のRaa基は連結して、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;
Rbbの各々は独立して、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)(N(Rcc)2)2、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2個のRbb基は連結して、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;ここでX−は、対イオンである;
Rccの各々は独立して、水素、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、または2個のRcc基は連結して、3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;
Rddの各々は独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−ORee、−ON(Rff)2、−N(Rff)2、−N(Rff)3 +X−、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−CO2H、−CO2Ree、−OC(=O)Ree、−OCO2Ree、−C(=O)N(Rff)2、−OC(=O)N(Rff)2、−NRffC(=O)Ree、−NRffCO2Ree、−NRffC(=O)N(Rff)2、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff)2、−OC(=NRff)N(Rff)2、−NRffC(=NRff)N(Rff)2、−NRffSO2Ree、−SO2N(Rff)2、−SO2Ree、−SO2ORee、−OSO2Ree、−S(=O)Ree、−Si(Ree)3、−OSi(Ree)3、−C(=S)N(Rff)2、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)(ORee)2、−P(=O)(Ree)2、−OP(=O)(Ree)2、−OP(=O)(ORee)2、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員のヘテロアリールから選択されるか(ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている)、または2個のジェミナルRdd置換基は連結して、=Oまたは=Sを形成し得る;ここでX−は、対イオンである;
Reeの各々は独立して、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、および3〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている;
Rffの各々は独立して、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6〜10アリールおよび5〜10員のヘテロアリールから選択されるか、または2個のRff基は連結して、3〜10員のヘテロシクリルまたは5〜10員のヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている;および
Rggの各々は独立して、ハロゲン、−CN、−NO2、−N3、−SO2H、−SO3H、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)2、−N(C1〜6アルキル)2、−N(C1〜6アルキル)3 +X−、−NH(C1〜6アルキル)2 +X−、−NH2(C1〜6アルキル)+X−、−NH3 +X−、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−CO2H、−CO2(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO2(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH2、−C(=O)N(C1〜6アルキル)2、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO2(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)2、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH2、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)2、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH2、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)2、−OC(NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH2、−NHC(NH)N(C1〜6アルキル)2、−NHC(=NH)NH2、−NHSO2(C1〜6アルキル)、−SO2N(C1〜6アルキル)2、−SO2NH(C1〜6アルキル)、−SO2NH2、−SO2C1〜6アルキル、−SO2OC1〜6アルキル、−OSO2C1〜6アルキル、−SOC1〜6アルキル、−Si(C1〜6アルキル)3、−OSi(C1〜6アルキル)3、−C(=S)N(C1〜6アルキル)2、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH2、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(OC1〜6アルキル)2、−P(=O)(C1〜6アルキル)2、−OP(=O)(C1〜6アルキル)2、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)2、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヘテロC1〜6アルキル、ヘテロC2〜6アルケニル、ヘテロC2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリールである;または、2つのジェミナルRgg置換基は連結して、=Oまたは=Sを形成し得る;ここでX−は、対イオンである。ある態様において、炭素原子置換基は独立して、ハロゲン、置換または非置換のC1〜6アルキル、または−ORaaである。
用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は、基−OHを指す。用語「置換ヒドロキシル」または「置換ヒドロキシ」は、延長線上で考えると(by extension)、親分子へ直接付着されている(attached to)酸素原子が、水素以外の基で置換されているヒドロキシル基を指し、−ORaa、−ON(Rbb)2、−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−OC(=O)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−OS(=O)Raa、−OSO2Raa、−OSi(Raa)3、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3 +X−、−OP(ORcc)2、−OP(ORcc)3 +X−、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、および−OP(=O)(N(Rbb))2から選択される基を包含し、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子的中性を保つために、カチオン性四級アミノ基と結び付いた、負に荷電した基である。例示的な対イオンは、ハロゲン化物イオン(例として、F−、Cl−、Br−、I−)、NO3 −、ClO4 −、OH−、H2PO4 −、HSO4 −、スルホン酸イオン(例として、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホン酸、エタン−1−スルホン酸−2−スルホン酸等)、およびカルボン酸イオン(例として、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、グリセリン酸、乳酸、酒石酸、グリコール酸等)を包含する。さらに、例示的な対イオンは、これらに限定されないが、BF4 −、PF4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、B[3,5−(CF3)2C6H3]4]−、B(C6F5)4 −、BPh4 −、Al(OC(CF3)3)4 −、およびカルボランアニオン(例として、CB11H12 −または(HCB11Me5Br6)−)を包含する。例示的な対イオンは、多価であってもよく、CO3 2−、HPO4 2−、PO4 3−、B4O7 2−、SO4 2−、S2O3 2−、カルボン酸アニオン(例として、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、サリチル酸、フタル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等)、およびカルボランを包含する。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
「アシル」は、−C(=O)Raa、−CHO、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−C(=O)NRbbSO2Raa、−C(=S)N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、または−C(=S)SRaaからなる群から選択される部分を指し、ここでRaaおよびRbbは、本明細書に定義されるとおりである。
窒素原子は、原子価が許す限り、置換または非置換であり得、一級、二級、三級、および四級の窒素原子を包含する。例示的な窒素原子の置換基は、これらに限定されないが、水素、OH、ORaa、N(Rcc)2、CN、C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)2Raa、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)2N(Rcc)2、−P(=O)(NRcc)2、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、ヘテロC1〜10アルキル、ヘテロC2〜10アルケニル、ヘテロC2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを包含するか、またはN原子へ付着された2個のRcc基は連結されて、3〜14員ヘテロシクリルまたは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており、ここでRaa、Rbb、Rcc、およびRddは、上に定義されているとおりである。
ある種の態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基(アミノ保護基ともまた言及される)である。窒素保護基は、これらに限定されないが、−OH、−ORaa、−N(Rcc)2、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc)2、−CO2Raa、−SO2Raa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc)2、−SO2N(Rcc)2、−SO2Rcc、−SO2ORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc)2、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル(例として、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリール基を包含し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており、ここでRaa、Rbb、Rcc、およびRddは、本明細書に定義されるとおりである。窒素保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されているものを包含する。
例えば、アミド基などの窒素保護基(例として、−C(=O)Raa)は、これらに限定されないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(Ν’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロケイ皮酸アミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、およびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを包含する。
カルバマート基などの窒素保護基(例として、−C(=O)ORaa)は、これらに限定されないが、メチルカルバマート、エチルカルバマート、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバマート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチルカルバマート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバマート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバマート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバマート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバマート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバマート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバマート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバマート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバマート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバマート、t−ブチルカルバマート(BOC)、1−アダマンチルカルバマート(Adoc)、ビニルカルバマート(Voc)、アリルカルバマート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバマート(Ipaoc)、シンナミルカルバマート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバマート(Noc)、8−キノリルカルバマート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバマート、アルキルジチオカルバマート、ベンジルカルバマート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバマート(Moz)、p−ニトベンジルカルバマート、p−ブロモベンジルカルバマート、p−クロロベンジルカルバマート、2,4−ジクロロベンジルカルバマート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバマート(Msz)、9−アントリルメチルカルバマート、ジフェニルメチルカルバマート、2−メチルチオエチルカルバマート、2−メチルスルホニルエチルカルバマート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバマート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバマート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバマート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバマート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバマート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバマート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバマート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバマート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバマート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバマート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバマート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバマート、3,5−ジメトキシベンジルカルバマート、o−ニトロベンジルカルバマート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバマート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバマート、t−アミルカルバマート、S−ベンジルチオカルバマート、p−シアノベンジルカルバマート、シクロブチルカルバマート,シクロヘキシルカルバマート、シクロペンチルカルバマート、シクロプロピルメチルカルバマート、p−デシルオキシベンジルカルバマート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバマート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバマート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバマート、1,1−ジメチルプロピニルカルバマート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバマート、2−フラニルメチルカルバマート、2−ヨードエチルカルバマート、イソボルニルカルバマート、イソブチルカルバマート、イソニコチニルカルバマート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバマート、1−メチルシクロブチルカルバマート、1−メチルシクロヘキシルカルバマート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバマート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバマート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバマート、フェニルカルバマート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバマート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバマート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバマート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバマートを包含する。
スルホンアミド基などの窒素保護基(例として、−S(=O)2Raa)は、これらに限定されないが、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを包含する。
他の窒素保護基は、これらに限定されないが、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボロン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を包含する。ある態様において、窒素保護基は、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTsである。
ある態様において、酸素原子上に存在する置換基は、酸素保護基(また本明細書中「ヒドロキシル保護基」とも言及される)である。酸素保護基は、これらに限定されないが、−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)2、−P(ORcc)3 +X−、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、および−P(=O)(N(Rbb)2)2を包含し、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。酸素保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wut, 3rd edition, John Wiley & Son, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されるものを包含する。
例示的な酸素原子の置換基は、これらに限定されないが、Raa、C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3、−P(=O)2Raa、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、−P(=O)2N(Rbb)2、および−P(=O)(NRbb)2を包含し、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、酸素原子上に存在する酸素原子の置換基は、酸素保護基(またヒドロキシル保護基とも言及される)である。酸素保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されるものを含む。例示的な酸素保護基は、これらに限定されないが、メチル、t−ブチルオキシカルボニル(BOCまたはBoc)、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジスルフラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ギ酸、ギ酸ベンゾイル、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、3−フェニルプロピオン酸、4−オキソペンタノアート(レブリアート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバル酸、アダマントアート(adamantoate)、クロトン酸、4−メトキシクロトン酸、安息香酸、p−フェニル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸(メシト酸)、アルキルメチルカルボナート、9−フルオレニルメチルカルボナート(Fmoc)、アルキルエチルカルボナート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカルボナート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカルボナート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカルボナート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボナート(Peoc)、アルキルイソブチルカルボナート、アルキルビニルカルボナート、アルキルアリルカルボナート、アルキルp−ニトロフェニルカルボナート、アルキルベンジルカルボナート、アルキルp−メトキシベンジルカルボナート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカルボナート、アルキルo−ニトロベンジルカルボナート、アルキルp−ニトロベンジルカルボナート、アルキルS−ベンジルチオカルボナート、4−エトキシ−1−ナフチルカルボナート、メチルジチオカルボナート、2−ヨード安息香酸、4−アジドブチラート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)安息香酸、2−ホルミルベンゼンスルホン酸、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)酪酸、2−(メチルチオメトキシメチル)安息香酸、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ酢酸、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸、クロロジフェニル酢酸、イソ酪酸、モノコハク酸、(E)−2−メチル−2−ブテン酸、o−(メトキシアシル)安息香酸、α−ナフトアート、硝酸、アルキルΝ,Ν,Ν’,Ν’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバマート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシラート)、ベンジルスルホン酸、およびトシル酸(Ts)を包含する。ある態様において、酸素保護基は、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイルである。
ある態様において、硫黄原子上に存在する置換基は、硫黄保護基(また「チオール保護基」とも言及される)である。硫黄保護基は、これらに限定されないが、−Raa、−N(Rbb)2、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−CO2Raa、−C(=O)N(Rbb)2、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb)2、−S(=O)Raa、−SO2Raa、−Si(Raa)3、−P(Rcc)2、−P(Rcc)3 +X−、−P(ORcc)2、−P(ORcc)3 +X−、−P(=O)(Raa)2、−P(=O)(ORcc)2、および−P(=O)(N(Rbb)2)2を包含し、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。硫黄保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wut, 3rd edition, John Wiley & Son, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されるものを包含する。ある態様において、硫黄保護基は、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。
「炭化水素鎖」は、置換または非置換の二価のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を指す。炭化水素鎖は、(1)炭化水素鎖の2つのラジカル間にすぐ接して(immediately)、炭素原子の1以上の鎖;(2)炭素原子の鎖(単数または複数)上に、任意に1以上の水素原子;および(3)炭素原子の鎖(単数または複数)上に、任意に1以上の置換基(水素ではない「非鎖置換基(non-chain substituents)」)を包含する。炭素原子の鎖は、連続して接続された炭素原子(「鎖原子(chain atoms)」または「炭素単位」)からなり、水素原子またはへテロ原子を包含しない。しかしながら、炭化水素鎖の非鎖置換基は、水素原子、炭素原子、およびへテロ原子を包含する、いずれの原子も包含してもよい。例えば、炭化水素鎖−CAH(CBH2CCH3)−は、1個の鎖原子CA、CA上の1個の水素原子、および非鎖置換基−(CBH2CCH3)を包含する。用語「Cx炭化水素鎖」(ここでxは、正の整数である)は、炭化水素鎖の2つのラジカル間に鎖原子(単数または複数)のx数を包含する炭化水素鎖を指す。xの取り得る値が1より大きい場合、xの取り得る最も小さい値が、炭化水素鎖の定義に使用される。例えば、−CH(C2H5)−は、C1炭化水素鎖であり、
は、C3炭化水素鎖である。値のある範囲が使用されるとき、その範囲の意味は、本明細書に記載のとおりである。例えば、C3〜10炭化水素鎖は、炭化水素鎖の2つのラジカル間にすぐ接して、炭素原子の最も短い鎖の鎖原子数が3、4、5、6、7、8、9、または10である、炭化水素鎖を指す。炭化水素鎖は、飽和(例として、−(CH2)4−)であってもよい。炭化水素鎖はまた、不飽和であってもよく、1以上のC=Cおよび/またはC≡C結合を、炭化水素鎖中のどこかに包含してもよい。実例として、−CH=CH−(CH2)2−、−CH2−C≡C−CH2−、および−C≡C−CH=CH−はすべて、非置換で不飽和の炭化水素鎖の例である。ある種の態様において、炭化水素鎖は、非置換である(例として、−C≡C−または−(CH2)4−)。ある態様において、炭化水素鎖は、置換されている(例として、−CH(C2H5)−および−CF2−)。炭化水素鎖上のいずれか2つの置換基は連結されて、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、または置換または非置換のヘテロアリール環を形成してもよい。実例として、
はすべて、炭化水素鎖の例である。対照的に、ある態様において、
は、本明細書に記載の炭化水素鎖の範囲内ではない。Cx炭化水素鎖の鎖原子が、へテロ原子で置き換えられているとき、その結果得られた基は、Cx−1炭化水素鎖ではなく、鎖原子がへテロ原子で置き換えられたCx炭化水素鎖と言及される。例えば、
は、1個の鎖原子が酸素原子で置き換えられたC3炭化水素鎖である。
用語「脱離基」は、合成有機化学の技術分野におけるその通常の意味を与えられ、求核剤によって置き換えられることができる原子または基を指す。好適な脱離基の例は、これらに限定されないが、ハロゲン(F、Cl、Br、またはI(ヨウ素)など)、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル−カルボニルオキシ(例としてアセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ、ピキシル、およびハロホルメートを包含する。いくつかのケースにおいて、脱離基は、トルエンスルホナート(トシラート、OTs)、メタンスルホナート(メシラート、OMs)、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシラート、OBs)、OS(=O)2(CF2)3CF3(ノナフラート、−ONf)、またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート、−OTf)などの、スルホン酸エステルである。いくつかのケースにおいて、脱離基は、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシなどのブロシラートである。いくつかのケースにおいて、脱離基は、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシなどのノシラートである。脱離基はまた、ホスフィンオキシド(例として、光延反応の間に形成される)または、エポキシドまたは環状サルファートなどの内部脱離基であってもよい。脱離基の他の非限定例は、水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、ハロゲン化亜鉛、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分である。さらなる例示的な脱離基は、これらに限定されないが、ハロ(例として、クロロ、ブロモ、ヨード)および活性化された置換ヒドロキシル基(例として、−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−OC(=O)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−OS(=O)Raa、−OSO2Raa、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3、−OP(=O)2Raa、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−OP(=O)2N(Rbb)2、および−OP(=O)(NRbb)2、、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである)を包含する。
他の定義
用語「薬学的に許容し得る塩」は、正当な医学的見識の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に好適であって、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答等がなく、妥当なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容し得る塩は、当該技術分野において周知である。例えば、Bergeらは薬学的に許容し得る塩を詳細にJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19(参照により本明細書に組み込まれる)に記載している。本明細書に記載の化合物の薬学的に許容し得る塩は、好適な無機および有機の酸および塩基に由来するものを包含する。薬学的に許容し得る無毒な酸付加塩の例は、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸など)で、または有機酸(酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、またはマロン酸)で、または当該技術分野において知られている他の方法(イオン交換など)を使用するることによって、形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容し得る塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、しょうのう酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等を包含する。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN+(C1〜4アルキル)4 −塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属の塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を包含する。さらなる薬学的に許容し得る塩は、適切な場合、無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、および対イオン(ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸など)を使用して形成されたアミンカチオンを包含する。
用語「溶媒和物」は、通常ソルボリシス反応によって、溶媒と結び付いた化合物の形態を指す。この物理的な結び付きは、水素結合を包含してもよい。従来の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル等を包含する。本明細書に記載の化合物は、例として結晶形態で調製されてもよく、溶媒和されてもよい。好適な溶媒和物は、薬学的に許容し得る溶媒和物を包含し、さらに、化学量論的な溶媒和物および非化学量論的な溶媒和物の両方を包含する。ある実例において、溶媒和物は、例えば1以上の溶媒分子が、結晶固体の結晶格子中に組み込まれるときに、単離できるであろう。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を網羅する。代表的な溶媒和物は、水和物、エタノラート、およびメタノラートを包含する。
用語「水和物」は、水と結び付いた化合物を指す。典型的には、化合物の水和物中に含有される水分子数が、水和物中の化合物分子数に対して一定の比である。したがって、化合物の水和物は、例えば一般的式R・xH2O(ここでRは、化合物であり、xは、0より大きい数である)によって表されてもよい。所与の化合物は、1より多いタイプの水和物を形成してもよく、例として、一水和物(xは、1である)、低級水和物(xは、0より大きく1より小さい数であり、例として、ヘミ水和物(R・0.5H2O))、および多水和物(xは、1より大きい数であり、例として、二水和物(R・2H2O)および六水和物(R・6H2O))包含する。
用語「互変異性体(tautomer)」または「互変異性体の(tautomeric)」は、水素原子の少なくとも1つの形式的な移動と、原子価の少なくとも1つの変化(例として、単結合〜二重結合、三重結合〜単結合、またはその逆)とからもたらされる、2以上の相互変換可能な化合物を指す。互変異性体の厳密な比は、温度、溶媒、およびpHを包含する数個の因子に依存する。互変異性体化(すなわち、互変異性体の対を提供する反応)は、酸または塩基によって触媒されてもよい。例示的な互変異性体化は、ケト−エノール、アミド−イミド、ラクタム−ラクチム、エナミン−イミン、およびエナミン−(異なる)エナミン互変異性化を包含する。
同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質または順序、または空間中のそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれることもまた理解されるであろう。空間中のそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。
相互の鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いの重ね合わせ不可能な鏡像であるものは、「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する(例えば、それが4つの異なる基へ結合している)とき、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対立体配置によって特徴付けられ得、CahnおよびPrelogのRおよびS順位則によって、または分子が偏光面を回転させる様式によって、記載され、右旋性または左旋性として(すなわち、夫々(+)または(−)異性体として)指定される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーまたはその混合物のいずれかとして存在し得る。等しい割合のエナンチオマーを含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼称される。
用語「多形」は、特定の結晶充填配置にある化合物(またはその塩、水和物、または溶媒和物)の結晶形態を指す。すべての多形は、同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬さ、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、および可溶性を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、保管温度、および他の因子は、1つの結晶形態を優勢にさせ得る。化合物の種々の多形は、異なる条件下の結晶化によって調製され得る。
用語「共結晶」は、少なくとも2つの構成要素から構成される結晶構造を指す。ある態様において、共結晶は、本発明の化合物と、原子、イオン、分子、または溶媒分子に限定されないがこれらを包含する1以上の他の構成要素とを包含してもよい。ある態様において、共結晶は、本発明の化合物と、該化合物に関する1以上の構成要素(これらに限定されないが、該化合物の異性体、互変異性体、塩、溶媒和物、水和物、合成前駆体、合成誘導体、フラグメントまたは不純物を包含する)とを包含してもよい。
用語「同位体標識された誘導体」または「同位体標識された」は、化合物における(または塩、水和物または溶媒和物の、結び付いたイオンまたは分子における)1以上の原子が、同じ元素の同位体で置き換えられている化合物を指す。分子における所与の元素または位置について、同位体は、非標識のバリアントに対して、富化されているか、またはその元素からなる全原子のうち、もしくは試料中の分子におけるある位置での全原子うち、より高いパーセンテージで存在するであろう。ある態様において、富化された同位体は、安定な同位体であろう。ある態様において、富化された同位体は、不安定なまたは放射性の同位体(例として、放射性核種)であろう。ある態様において、富化された同位体は、これらに限定されないが、核磁気共鳴、質量分析、赤外分光法、または放射性崩壊を測定する技術を包含する測定技術により、検出されてもよい。
用語「プロドラッグ」は、切断可能な基を有し、および加溶媒分解によってまたは生理条件下で本明細書に記載の化合物になる化合物を指し、これはin vivoで薬学的に活性である。かかる例は、これらに限定されないが、コリンエステル誘導体等、N−アルキルモルホリンエステル等を包含する。本明細書に記載の化合物の他の誘導体は、それらの酸および酸誘導体の両方の形態で活性を有するが、酸感応性形態においてはしばしば、可溶性、組織適合性、または遅延放出の利点を哺乳生物に提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985を参照)。プロドラッグは、例えば、親酸と好適なアルコールとの反応によって調製されたエステル、または親酸化合物と置換または非置換のアミンとの反応によって調製されたアミド、または酸無水物、または混合無水物などの、当該技術分野の専門家に周知の酸誘導体を包含する。本明細書に記載の化合物上にぶら下がっている(pendant)酸性基に由来する、単純な脂肪族または芳香族のエステル、アミド、および無水物は、特定のプロドラッグである。いくつかのケースにおいて、例えば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなどの二重エステル型プロドラッグを調製することが望ましい。本明細書に記載の化合物の、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、C2〜C8アルキニル、アリール、C7〜C12置換アリール、およびC7〜C12アリールアルキルエステルが、好ましいこともある。
用語「阻害」、「阻害すること」、「阻害する」、または「阻害剤」は、細胞における特定の生体プロセスの活性(例として、ブロモドメインおよび/またはブロモドメイン含有タンパク質の活性)を、ビヒクルと比較して、低減させる、減速させる、停止させる、または防止する化合物の能力を指す。
化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットが、第1タンパク質または第1クロマチンに「選択的に」、「特異的に」、または「競合的に」結合する(binds)と言及されるとき、化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットは、第1タンパク質および第1クロマチンとは異なる第2タンパク質または第2クロマチンとの結合よりも高い結合親和性(例として、約2倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約30倍以上、約100倍以上、約1,000倍以上、または約10,000倍以上)で、第1タンパク質または第1クロマチンに結合する。化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットが、ブロモドメイン含有タンパク質の活性を「選択的に」、「特異的に」、または「競合的に」モジュレートする(例として、増大させるかまたは阻害する)と言及されるとき、化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットは、ブロモドメイン含有タンパク質とは異なる少なくとも1つのタンパク質の活性よりも大きい程度まで(例として、約2倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約30倍以上、約100倍以上、約1,000倍以上、または約10,000倍以上)、ブロモドメイン含有タンパク質の活性をモジュレートする。
用語「異常な活性」は、正常な活性から逸脱した活性、つまり、正常でない活性を指す。用語「増大した活性」は、正常な活性よりも高い活性を指す。
用語「組成物」および「処方物」は、交換可能に使用される。
投与が企図される「対象」は、ヒト(すなわち、いずれの年齢群の男性または女性、例として、小児対象(例として、幼児、子ども、未成年)または成人対象(例として、若年成人、中年成人、または高齢成人))または非ヒト動物を指す。ある態様において、非ヒト動物は、哺乳動物(例として、霊長類(例として、カニクイザルまたはアカゲザル)、商業的に関連する哺乳動物(例として、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、またはイヌ)、またはトリ(例として、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、またはシチメンチョウなどの商業的に関連するトリ)をである。ある態様において、非ヒト動物は、魚類、爬虫類、または両生類の動物である。非ヒト動物は、発生のいずれのステージでの雄または雌であってもよい。非ヒト動物は、トランスジェニック動物または遺伝子組み換え動物であってもよい。「患者」は、疾患の処置を必要とするヒト対象を指す。
用語「生体試料」は、組織試料(組織切片および組織の針生検など);細胞試料(例として、細胞学的スメア(Papまたは血液スメアなど)または顕微解剖によって得られた細胞の試料);その生物全体の試料(酵母または細菌の試料など);または細胞画分、フラグメントまたはオルガネラ(細胞を溶解し、そのコンポーネントを遠心分離または別のやり方によって分離することによって得られた、など)を包含するいずれの試料を指す。生体試料の他の例は、血液、血清、尿、***、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿汁、生検組織(例として、外科生検または針生検によって得られた)、乳頭吸引液、母乳、膣液、唾液、スワブ(口腔内スワブなど)、または別の生体試料に由来する生体分子を含有するいずれの材料を包含する。
用語「投与する(施す)」、「投与すること(施すこと)」、または「投与(施し)」は、対象中へ、対象において、または対象上、本明細書に記載の化合物またはその組成物をインプラントすること、吸収させること、摂取させること、注射すること、吸入させること、または別のやり方で導入することを指す。
用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」は、本明細書に記載の疾患を食い止めること、緩和すること、その発病を遅延させること、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、処置は、疾患の1以上の兆候または症状が発症したかまたは観察された後に、施されてもよい。他の態様において、処置は、疾患の兆候または症状の非存在下で施されてもよい。例えば、処置は、症状の発病に先立って(例として、症状の既往に照らして、および/または病原体への曝露に照らして)、罹患しやすい(susceptible)対象に施されてもよい。処置はまた、例えば、再発を遅延させるかまたは予防するために、症状が消散した後でも継続されてもよい。
用語「状態」、「疾患」、および「障害」は、交換可能に使用される。
本明細書に記載の化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を惹起するのに、すなわち、状態を処置するのに充分な量を指す。当業者によって認められるであろうとおり、本明細書に記載の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されようとする状態、投与のモード、および対象の年齢および健康などの因子に依存して変動してもよい。ある態様において、有効量は、治療有効量である。ある態様において、有効量は、予防的処置である。ある態様において、有効量は、単回用量中の、本明細書に記載の化合物の量である。ある態様において、有効量は、複数回用量中の、本明細書に記載の化合物の組み合わされた量である。
本明細書に記載の化合物の「治療有効量」は、状態の処置の点で治療ベネフィットを提供するのに、または状態と関連する1以上の症状を遅延させるかまたは最小化するのに、充分な量である。化合物の治療有効量は、単独でまたは他の治療と組み合わせて、状態の処置の点で治療ベネフィットを提供する治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療を全面的に改善し、状態の症状、兆候、または原因を減少または回避する量、および/または別の治療剤の治療有効性を増強する量を網羅し得る。
本明細書に記載の化合物の「予防的有効量」は、状態、または状態と関連する1以上の症状を予防するのに、またはその再発を予防するのに、充分な量である。化合物の予防的有効量は、単独で、または他の剤と組み合わせて、状態の予防の点で予防的ベネフィットを提供する治療剤の量を意味する。用語「予防的有効量」は、予防法を全面的に改善するか、または別の予防的な剤の予防的な有効性を増強する量を網羅し得る。
「増殖性疾患」は、細胞の倍増による正常でない成長または伸展が原因で生起する疾患を指す(Walker, Cambridge Dictionary of Biology; Cambridge University Press: Cambridge, UK, 1990)。増殖性疾患は、1)正常には静止期の細胞の病的な増殖;2)それらの正常な所在からの細胞の病的な移動(例として、新生物性細胞の転移);3)マトリックスメタロプロテイナーゼなどのタンパク質分解酵素(例として、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、およびエラスターゼ)の病的な発現;または4)増殖性網膜症および腫瘍転移に見られるような病的な血管新生、と関連し得る。例示的な増殖性疾患は、がん(すなわち、「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、および自己免疫疾患を包含する。
用語「血管新生」は、新たな血管が既存の管から形成される生理プロセスを指す。血管新生は、中胚葉細胞前駆体からの内皮細胞のde novo形成である血管発生とは別物である。発生している胚中の最初の管は、血管発生を通して形成され、その後、血管新生は、正常なまたは正常でない発生の間、ほとんどの血管成長を担う。血管新生は、成長および発生において、ならびに創傷治癒において、および肉芽組織の形成において、命にかかわるプロセスである。しかしながら、血管新生はまた、良性の段階から悪性のものへ腫瘍の移行における根本的なステップでもあり、がんの処置における血管新生阻害剤の使用に繋がる。血管新生は、成長因子(例として、VEGF)などの血管新生タンパク質によって化学的に刺激され得る。「病的な血管新生」は、結局疾患になってしまう、および/または疾患と関連する、正常でない(例として、過剰なまたは不充分な)血管新生を指す。
用語「新生物」および「腫瘍」は交換可能に使用され、組織の正常でない塊を指し、ここで塊の成長は、正常な組織の成長を上回り、正常な組織の成長に見られるような調和をしない。新生物または腫瘍は、以下の特徴:細胞分化の程度(モルホロジーおよび機能性を包含する)、成長の速度、局所浸潤、および転移、に依存して「良性」であっても、または「悪性」であってもよい。「良性新生物」は、一般に十分に分化しており、特徴として悪性新生物よりも低速の成長を有し、元の部位に局在したままである。加えて、良性新生物は、浸潤、侵襲、または遠隔部位へ転移する性質を有さない。例示的な良性新生物は、これらに限定されないが、脂肪腫、軟骨腫、アデノーマ、アクロコルドン、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子、および脂腺増殖症を包含する。いくつかのケースにおいて、ある「良性」腫瘍は、後に、悪性新生物を生じさせ得、これは、腫瘍の新生物性細胞の部分集団中の追加の遺伝子変化からもたらされ得、これらの腫瘍は「前悪性新生物」と言及される。例示的な前悪性新生物は、テラトーマである。対照的に、「悪性新生物」は、一般に不十分に分化しており(退形成)、特徴として進行性の浸潤、侵襲、および周辺組織の破壊を伴う急速な成長を有する。しかも、悪性新生物は一般に、遠隔部位へ転移する性質を有する。用語「転移」、「転移性(の)」、または「転移する」は、原発性のまたは元の腫瘍から別の臓器または組織へのがん性細胞の拡散または移動を指し、典型的には、二次性(転移性)腫瘍が在る臓器または組織のものではなく、原発性のまたは元の腫瘍の組織型の「二次性腫瘍」または「二次性細胞塊」の存在によって同定可能である。例えば、骨へ移動した前立腺がんは、転移性の前立腺がんであると言われ、骨組織中で成長するがん性の前立腺がん細胞を包含する。
用語「がん」は、制御不能に増殖し、正常な生体組織に浸潤し破壊する能力を有する、正常でない細胞の発生によって特徴付けられる疾患の類を指す。例として、Stedman’s Medical Dictionary, 25th ed.; Hensyl ed.; Williams & Wilkins: Philadelphia, 1990を参照。例示的ながんは、これらに限定されないが、血液悪性腫瘍を包含する。追加の例示的ながんは、これらに限定はされないが、聴神経腫;腺癌;副腎のがん;肛門がん;血管肉腫(例として、リンパ管肉腫、リンパ管内皮性肉腫、血管肉腫);虫垂がん;良性単一クローン性免疫グロブリン血症;胆管がん(例として、胆管癌);膀胱がん;***がん(breast cancer)(例として、***の腺癌、***の乳頭癌、乳がん(mammary cancer)、***の髄様癌、三種陰性乳がん(TNBC));脳がん(例として、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例として、星状細胞腫、乏突起神経膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頚がん(例として、子宮頸部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;大腸がん(colorectal cancer)(例として、結腸(colon)がん、直腸(rectal)がん、結腸直腸腺癌);結合組織のがん;上皮癌;上衣腫;内皮性肉腫(例として、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例として、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例として、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼のがん(例として、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増加症;胆嚢がん;胃がん(例として、胃腺癌);消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例として、頭頸部扁平上皮癌、口腔がん(例として、口腔扁平上皮癌)、咽喉がん(例として、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、口腔咽頭がん));重鎖病(例として、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);血管芽腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫球性アミロイドーシス;腎臓がん(例として、腎芽細胞腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌);肝臓がん(例として、肝細胞がん(HCC)、悪性肝細胞癌);肺がん(例として、気管支癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌)平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例として、全身性肥満細胞症);筋肉のがん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性疾患(MPD)(例として、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、特発性骨髄様化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例として、神経線維腫症(NF)1または2型、神経鞘腫症);神経内分泌癌(例として、胃腸すい管神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例として、骨のがん);卵巣がん(例として、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭腺癌;膵臓がん(例として、膵臓腺癌、管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例として、陰茎と陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新生物;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例として、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺のがん;皮膚がん(例として、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(例として、虫垂がん);軟部組織肉腫(例として、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺癌;小腸がん;汗腺癌;滑膜腫;精巣がん(例として、精上皮腫、精巣胚性癌腫);甲状腺がん(例として、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣のがん;および外陰がん(例として、外陰部パジェット病)を包含する。
用語「血液悪性腫瘍」は、血液、骨髄、および/またはリンパ節を冒す腫瘍を指す。例示的な血液悪性腫瘍は、これらに限定されないが、急性リンパ芽球性白血病(ALL)(例として、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例として、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例として、B細胞CML、T細胞CML)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(例として、B細胞CLL、T細胞CLL)などの白血病;ホジキンリンパ腫(HL)(例として、B細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例として、B細胞NHL、例としてびまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例としてびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL、例として活性化B細胞(ABC)DLBCL(ABC−DLBCL)))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例として、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM、リンパ形質細胞性リンパ腫)、有毛細胞性白血病(HCL)、免疫芽球型大細胞性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)リンパ腫(例として、原発性CNSリンパ腫および続発性CNSリンパ腫)などのリンパ腫;および、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(例として、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例として、菌状息肉症、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下蜂窩織炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞性リンパ腫)などのT細胞NHL;免疫特権部位のリンパ腫(例として、脳リンパ腫、眼内リンパ腫、胎盤のリンパ腫、胎児のリンパ腫、精巣リンパ腫);上に記載の1以上の白血病/リンパ腫の混合物;骨髄異形成;および多発性骨髄腫(MM)を包含する。
用語「炎症性疾患」は、炎症によって引き起こされる疾患、炎症から生じる疾患、または炎症をもたらす疾患を指す。用語「炎症性疾患」はまた、マクロファージ、顆粒球、および/またはTリンパ球による過剰応答を引き起こすことで、正常でない組織の損傷および/または細胞死に繋がる、調節不全の炎症反応をも指し得る。炎症性疾患は、急性または慢性の炎症状態のいずれかであり得、感染性または非感染性の原因から生じ得る。炎症性疾患は、限定せずに、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、自己免疫疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛(PMR)、痛風性関節炎、変形性関節症、腱炎、滑液包炎、乾癬、嚢胞性線維症、骨関節炎、リウマチ性関節炎、炎症性関節炎、シェーグレン症候群、巨細胞性動脈炎、進行性全身性硬化症(強皮症)、強直性脊椎炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、天疱瘡、類天疱瘡、糖尿病(例えば、I型)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、グッドパスチャー病、混合性結合組織病、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、悪性貧血、炎症性皮膚疾患、通常の間質性肺炎(UIP)、石綿肺、珪肺、気管支拡張症、ベリリウム中毒症、滑石肺、塵肺、サルコイドーシス、剥離性間質性肺炎、リンパ間質性肺炎、巨細胞間質性肺炎、細胞間質性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎、ウェゲナー肉芽腫症および関連形態の血管炎(側頭動脈炎および結節性多発動脈炎)、炎症性皮膚病、肝炎、遅延型過敏反応(例えば、ツタウルシ皮膚炎)、肺炎、気道の炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳炎、即時型過敏反応、喘息、花粉症、アレルギー、急性アナフィラキシー、リウマチ熱、糸球体腎炎、腎盂腎炎、蜂巣炎、膀胱炎、慢性胆嚢炎、虚血(虚血性傷害)、再灌流障害、同種移植片拒絶反応、宿主対移植片拒絶、虫垂炎、動脈炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、子宮頸管炎、胆管炎、絨毛羊膜炎、結膜炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、回腸炎、虹彩炎、喉頭炎、脊髄炎、心筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、中耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、精巣炎、扁桃炎、尿道炎、膀胱炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎、外陰膣炎、血管炎、慢性気管支炎、骨髄炎、視神経炎、側頭動脈炎、横断性脊髄炎、壊死性筋膜炎、および壊死性全腸炎を包含する。
「自己免疫疾患」は、対象の身体の、身体内に通常存在する物質および組織に対する、不適切な免疫応答に起因する疾患を指す。言い換えれば、免疫系は、身体の一部を病原体と誤って、それ自身の細胞を攻撃する。これは、(例として、自己免疫性甲状腺炎における)ある臓器に制限さてもよく、または(例として、肺および腎臓の両方における基底膜に影響を与え得るグッドパスチャー病における)異なる場所における特定の組織が関与してもよい。自己免疫疾患の処置は典型的には、免疫抑制、例として、免疫応答を減少させる薬剤による。例示的な自己免疫疾患は、これらに限定はされないが、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、皮膚筋炎/多発性筋炎、抗リン脂質抗体症候群、強皮症、尋常性天疱瘡、ANCA関連血管炎(例えば、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発性血管炎)、ブドウ膜炎、シェーグレン症候群、クローン病、ライター症候群、強直性脊椎炎、ライム病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、および心筋症を包含する。
用語「キナーゼ」は、ATPなどの高エネルギードナー分子から特異的な基質へリン酸基を転移させる(リン酸化と言及される)酵素の1タイプである。キナーゼは、ホスホトランスフェラーゼの最も大きいファミリーの一部である。キナーゼは、細胞においてシグナルを伝達し、複雑なプロセスを制御するために広く使用されている。他の種々のキナーゼは、脂質、炭水化物、アミノ酸、およびヌクレオチドなどの小分子に対し、代謝経路へのシグナリングまたはそれらのプライミングのいずれかのために、作用する。キナーゼはしばしば、これらの基質に因んで名付けられる。500よりも多くの異なるタンパク質キナーゼが、ヒトにおいて同定されている。いくつかの態様において、キナーゼは、タンパク質キナーゼである。タンパク質キナーゼは、他のタンパク質を、ホスファート基をそれらへ化学的に付加すること(リン酸化)によって、修飾するキナーゼ酵素である。いくつかの態様において、タンパク質キナーゼは、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)である。CDKは、細胞周期の調節に関与する数種の異なるキナーゼの群である。それらは、他のタンパク質を、これらのセリン残基またはスレオニン残基上でリン酸化するが、CDKはまず、活性でいるために、サイクリンタンパク質へ結合しなければならない。いくつかの態様において、タンパク質キナーゼは、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)である。MAPキナーゼ(MAPK)は、様々な細胞外成長シグナルに応答するセリン/スレオニンキナーゼのファミリーである。いくつかの態様において、キナーゼは、原形質ならびにオルガネラの両方の膜上で細胞中の脂質をリン酸化する脂質キナーゼである。リン酸基の付加は、脂質の反応性および局在化を変化させ得、シグナル伝達に使用され得る。いくつかの態様において、脂質キナーゼは、ホスファチジルイノシトール3,4−ビスホスファート(PI(3,4)P2)、ホスファチジルイノシトール3,4,5−トリスホスファート(PIP3)、およびホスファチジルイノシトール3−ホスファート(PI3P)などの種を創り出すために、ホスファチジルイノシトール種をリン酸化するホスファチジルイノシトールキナーゼである。いくつかの態様において、脂質キナーゼは、スフィンゴシンキナーゼ(SK)であり、これは、スフィンゴシンのスフィンゴシン−1−ホスファート(S1P)への変換を触媒する脂質キナーゼである。ある態様において、SKは、SK1またはSK2である。例示的なヒトタンパク質キナーゼは、これらに限定されないが、AAK1、AB欠如、ACTR2、ACTR2B、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALK1、ALK2、ALK4、ALK7、AMPKa1、AMPKa2、ANKRD3、ANPa、ANPb、ARAF、ARAFps、ARG、AurA、AurAps1、AurAps2、AurB、AurBps1、AurC、AXL、BARK1、BARK2、BIKE、BLK、BMPR1A、BMPR1Aps1、BMPR1Aps2、BMPR1B、BMPR2、BMX、BRAF、BRAFps、BRK、BRSK1、BRSK2、BTK、BUB1、BUBR1、CaMK1a、CaMK1b、CaMK1d、CaMK1g、CaMK2a、CaMK2b、CaMK2d、CaMK2g、CaMK4、CaMKK1、CaMKK2、caMLCK、CASK、CCK4、CCRK、CDC2、CDC7、CDK10、CDK11、CDK2、CDK3、CDK4、CDK4ps、CDK5、CDK5ps、CDK6、CDK7、CDK7ps、CDK8、CDK8ps、CDK9、CDKL1、CDKL2、CDKL3、CDKL4、CDKL5、CGDps、CHED、CHK1、CHK2、CHK2ps1、CHK2ps2、CK1a、CK1a2、CK1aps1、CK1aps2、CK1aps3、CK1d、CK1e、CK1g1、CK1g2、CK1g2ps、CK1g3、CK2a1、CK2a1−rs、CK2a2、CLIK1、CLIK1L、CLK1、CLK2、CLK2ps、CLK3、CLK3ps、CLK4、COT、CRIK、CRK7、CSK、CTK、CYGD、CYGF、DAPK1、DAPK2、DAPK3、DCAMKL1、DCAMKL2、DCAMKL3、DDR1、DDR2、DLK、DMPK1、DMPK2、DRAK1、DRAK2、DYRK1A、DYRK1B、DYRK2、DYRK3、DYRK4、EGFR、EphA1、EphA10、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、Erk1、Erk2、Erk3、Erk3ps1、Erk3ps2、Erk3ps3、Erk3ps4、Erk4、Erk5、Erk7、FAK、FER、FERps、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGR、FLT1、FLT1ps、FLT3、FLT4、FMS、FRK、Fused、FYN、GAK、GCK、GCN2、GCN22、GPRK4、GPRK5、GPRK6、GPRK6ps、GPRK7、GSK3A、GSK3B、ハスピン、HCK、HER2/ErbB2、HER3/ErbB3、HER4/ErbB4、HH498、HIPK1、HIPK2、HIPK3、HIPK4、HPK1、HRI、HRIps、HSER、HUNK、ICK、IGF1R、IKKa、IKKb、IKKe、ILK、INSR、IRAK1、IRAK2、IRAK3、IRAK4、IRE1、IRE2、IRR、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、JNK1、JNK2、JNK3、KDR、KHS1、KHS2、KIS、KIT、KSGCps、KSR1、KSR2、LATS1、LATS2、LCK、LIMK1、LIMK2、LIMK2ps、LKB1、LMR1、LMR2、LMR3、LOK、LRRK1、LRRK2、LTK、LYN、LZK、MAK、MAP2K1、MAP2K1ps、MAP2K2、MAP2K2ps、MAP2K3、MAP2K4、MAP2K5、MAP2K6、MAP2K7、MAP3K1、MAP3K2、MAP3K3、MAP3K4、MAP3K5、MAP3K6、MAP3K7、MAP3K8、MAPKAPK2、MAPKAPK3、MAPKAPK5、MAPKAPKps1、MARK1、MARK2、MARK3、MARK4、MARKps01、MARKps02、MARKps03、MARKps04、MARKps05、MARKps07、MARKps08、MARKps09、MARKps10、MARKps11、MARKps12、MARKps13、MARKps15、MARKps16、MARKps17、MARKps18、MARKps19、MARKps20、MARKps21、MARKps22、MARKps23、MARKps24、MARKps25、MARKps26、MARKps27、MARKps28、MARKps29、MARKps30、MAST1、MAST2、MAST3、MAST4、MASTL、MELK、MER、MET、MISR2、MLK1、MLK2、MLK3、MLK4、MLKL、MNK1、MNK1ps、MNK2、MOK、MOS、MPSK1、MPSK1ps、MRCKa、MRCKb、MRCKps、MSK1、MSK12、MSK2、MSK22、MSSK1、MST1、MST2、MST3、MST3ps、MST4、MUSK、MYO3A、MYO3B、MYT1、NDR1、NDR2、NEK1、NEK10、NEK11、NEK2、NEK2ps1、NEK2ps2、NEK2ps3、NEK3、NEK4、NEK4ps、NEK5、NEK6、NEK7、NEK8、NEK9、NIK、NIM1、NLK、NRBP1、NRBP2、NuaK1、NuaK2、Obscn、Obscn2、OSR1、p38a、p38b、p38d、p38g、p70S6K、p70S6Kb、p70S6Kps1、p70S6Kps2、PAK1、PAK2、PAK2ps、PAK3、PAK4、PAK5、PAK6、PASK、PBK、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、PDGFRa、PDGFRb、PDK1、PEK、PFTAIRE1、PFTAIRE2、PHKg1、PHKg1ps1、PHKg1ps2、PHKg1ps3、PHKg2、PIK3R4、PIM1、PIM2、PIM3、PINK1、PIP4K2A、PIP4K2B、PIPK□、PITSLRE、PKACa、PKACb、PKACg、PKCa、PKCb、PKCd、PKCe、PKCg、PKCh、PKCi、PKCips、PKCt、PKCz、PKD1、PKD2、PKD3、PKG1、PKG2、PKN1、PKN2、PKN3、PKR、PLK1、PLK1ps1、PLK1ps2、PLK2、PLK3、PLK4、PRKX、PRKXps、PRKY、PRP4、PRP4ps、PRPK、PSKH1、PSKH1ps、PSKH2、PYK2、QIK、QSK、RAF1、RAF1ps、RET、RHOK、RIPK1、RIPK2、RIPK3、RNAseL、ROCK1、ROCK2、RON、ROR1、ROR2、ROS、RSK1、RSK12、RSK2、RSK22、RSK3、RSK32、RSK4、RSK42、RSKL1、RSKL2、RYK、RYKps、SAKps、SBK、SCYL1、SCYL2、SCYL2ps、SCYL3、SGK、SgK050ps、SgK069、SgK071、SgK085、SgK110、SgK196、SGK2、SgK223、SgK269、SgK288、SGK3、SgK307、SgK384ps、SgK396、SgK424、SgK493、SgK494、SgK495、SgK496、SIK(例として、SIK1、SIK2)、skMLCK、SLK、Slob、smMLCK、SNRK、SPEG、SPEG2、SRC、SRM、SRPK1、SRPK2、SRPK2ps、SSTK、STK33、STK33ps、STLK3、STLK5、STLK6、STLK6ps1、STLK6−rs、SuRTK106、SYK、TAK1、TAO1、TAO2、TAO3、TBCK、TBK1、TEC、TESK1、TESK2、TGFbR1、TGFbR2、TIE1、TIE2、TLK1、TLK1ps、TLK2、TLK2ps1、TLK2ps2、TNK1、Trad、Trb1、Trb2、Trb3、Trio、TRKA、TRKB、TRKC、TSSK1、TSSK2、TSSK3、TSSK4、TSSKps1、TSSKps2、TTBK1、TTBK2、TTK、TTN、TXK、TYK2、TYK22、TYRO3、TYRO3ps、ULK1、ULK2、ULK3、ULK4、VACAMKL、VRK1、VRK2、VRK3、VRK3ps、Wee1、Wee1B、Wee1Bps、Wee1ps1、Wee1ps2、Wnk1、Wnk2、Wnk3、Wnk4、YANK1、YANK2、YANK3、YES、YESps、YSK1、ZAK、ZAP70、ZC1/HGK、ZC2/TNIK、ZC3/MINK、およびZC4/NRKを包含する。
用語「CDK」は、サイクリン依存性キナーゼを指す。CDKは、調節性タンパク質であるサイクリン(例として、サイクリンH)に結合する。CDKは、それらの基質を、セリンおよびスレオニンにてリン酸化する。CDK基質のアミノ酸配列中のリン酸化部位についてのコンセンサス配列は、[S/T*]PX[K/R]であり、ここでS/T*は、リン酸化されたセリンまたはスレオニンであり、Pは、プロリンであり、Xは、いずれのアミノ酸であり、Kは、リジンであり、およびRは、アルギニンである。CDKは、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13、CDK14、CDK15、CDK16、CDK17、CDK18、CDK19およびCDK20を包含する。
CDK7、サイクリン依存性キナーゼ7は、基質がサイクリンH、MAT1(例として、MNAT1)、またはサイクリンHおよびMAT1である、CDKである。CDK7は代わりに、CAK1、HCAK、MO15、STK1、CDKN7、およびp39MO15とも言及される。ヒトCDK7についてのヌクレオチドおよびタンパク質の配列の非限定例は、GenBank Accession Number NP_001790(参照により本明細書に組み込まれる)に記載される。このCDK7のアミノ酸配列は、以下のとおりである:
CDK12、サイクリン依存性キナーゼ12は、基質がサイクリンKまたはフラボピリドールである、CDKである。CDK12は代わりに、Cdc2関連キナーゼ、CDC2関連タンパク質キナーゼ7、細胞***周期2関連タンパク質キナーゼ7、細胞***タンパク質キナーゼ12、CRK7、CRKR、CRKRS、サイクリン依存性キナーゼ12、またはKIAA0904と言及される。ヒトCDK12についてのヌクレオチドおよびタンパク質の配列の非限定例は、Uniprot Number Q9NYV4(これは参照により本明細書に組み込まれる)に記載される。このCDK12アミノ酸配列は、以下のとおりである:
CDK13、サイクリン依存性キナーゼ13は、関係のあるサイクリンがサイクリンKであり、関連性のある阻害剤が汎CDK阻害剤フラボピリドールであり、RNAポリメラーゼIIのc末端ドメイン(CTD)が生理基質である、CDKである。CDK13は代わりに、CHED;CDC2L;CDC2L5;またはhCDK13と言及される。ヒトCDK12についてのヌクレオチドおよびタンパク質の配列の非限定例は、GenBank Accession Number M80629(これは参照により本明細書に組み込まれる)に記載される。このCDK13のアミノ酸配列は、以下のとおりである:
用語「PIPキナーゼ」は、また「PIPK」としても知られ、ホスファチジルイノシトールホスファートキナーゼまたはホスファチジルイノシトール−5−ホスファート4−キナーゼを指し、化学反応:
を触媒する酵素の1クラスである。PIPキナーゼは、タイプIおよびタイプIIの2つのクラスへ分類される。タイプIおよびタイプIIのPIPキナーゼは、キナーゼドメインにて35%同一である。これらの配列は、タンパク質キナーゼの活性化ループに対応するキナーゼドメイン領域中の約25アミノ酸の区間(a stretch)では有意に不一致である。哺乳動物細胞においてタイプIIのPIP4キナーゼには3つのアイソフォームがあり、即ちα(PIP4K2A)、β(PIP4K2B)、およびγ(PIP4K2C)のアイソフォームである(Liu et al., Nat. Rev. Drug. Discov., 2009, 8(8): 627-644)。タンパク質レベルにて、αおよびβのアイソフォームは、83%同一であり、γアイソフォームは、これらのいずれか一方と約60%同一である。すべてのアイソフォームは、遍在的に発現されているが、αアイソフォームは主に、脳および血小板に見出され、βアイソフォームは、脳および筋肉に見出され、γアイソフォームは、脳および腎臓に見出される。タイプIIのPIP4キナーゼのアイソフォームは、遍在的に発現されているものの、タンパク質レベルの変化が、これらの細胞機能の調節の一因となることがある。タイプIIのPIP4キナーゼのβアイソフォーム遺伝子は、17番染色体のq11〜12に局在しており、ヘレグリン2遺伝子増幅をもつ原発***がん試料において、および***がん細胞株の下位集合において、増幅されていることが見出された。これらの遺伝子増幅は、増大されたタンパク質発現をもたらし、これは、増大した***がん細胞増殖および足場非依存性成長と相関する(Emerling et al., Cell, 2013, 155(4): 844-857)。ある態様において、PIPKは、PIP4K2A遺伝子によってコードされているPI5P4Kα(すなわち、PIP4K2A酵素)である。ある態様において、PIPKは、PIP4K2B遺伝子によってコードされているPI5P4Kβ(すなわち、PIP4K2B酵素)である。ある態様において、PIPKは、PIP4K2C遺伝子によってコードされているPI5P4Kγ(すなわち、PIP4K2C酵素)である。本明細書に使用されるとき、タイプIIのPIP4K酵素は、以下のように言及される:PI5P4Kは、PIP4Kと代替可能である;PI5P4Kαは、PIP4Kα、PIP4K2A、PIP4K2A酵素、およびPIP4K2Aタンパク質と代替可能である;PI5P4Kβは、PIP4Kβ、PIP4K2B、PIP4K2B酵素、およびPIP4K2Bタンパク質と代替可能である;PI5P4Kγは、PIP4Kγ、PIP4K2C、PIP4K2C酵素、およびPIP4K2Cタンパク質と代替可能である。
ある態様において、PIP4K2A酵素は、sp|P48426|PI42A_ヒトホスファチジルイノシトール5−ホスファート4−キナーゼのタイプ2アルファ(OS=ヒト、GN=PIP4K2A、PE=1、およびSV=2)であり、以下の配列で表される:
ある態様において、PIP4K2B酵素は、sp|P78356|PI42B_ヒトホスファチジルイノシトール5−ホスファート4−キナーゼのタイプ2ベータ(OS=ヒト、GN=PIP4K2B、PE=1、およびSV=1)であり、以下の配列で表される:
ある態様において、PIP4K2C酵素は、sp|Q8TBX8|PI42C_ヒトホスファチジルイノシトール5−ホスファート4−キナーゼのタイプ2ガンマ(OS=ヒト、GN=PIP4K2C、PE=1、およびSV=3)であり、以下の配列で表される:
ある態様において、PIP4K2A遺伝子は、Gene ID: 5305およびHGNC: 8997で表され、以下のとおりのcDNA配列を有する:
ある態様において、PIP4K2B遺伝子は、Gene ID: 8396およびHGNC: 8998で表され、以下のとおりのcDNA配列を有する:
ある態様において、PIP4K2C遺伝子は、Gene ID: 79837およびHGNC: 23786で表され、以下のとおりのcDNA配列を有する:
本発明のある態様の詳細な記載
近年の研究から、脂質キナーゼが、TP53機能がないときに、がん細胞成長を阻害するのに必須な役割を果たすことが示されている。PIP4K2AおよびPIP4K2Bの2つの脂質キナーゼの欠失によって、TP53突然変異***がん細胞株(BT474細胞)の増殖が選択的に阻害された一方で、TP53が野生型である細胞は、影響を受けなかった(Emerling et al., Cell, 2013, 155: 844-857)。さらなる調査によって、PIP4K2Bの一方の対立遺伝子を発現し、PIP4K2AおよびTP53のホモ接合型が欠失しているマウスは、生存能力があり、がんにおいて劇的な低減を示し、野生型のPIP4K2AをもつがTP53が欠失している彼らと同腹の仔らと比べて寿命が延びたことが示された。したがって、脂質キナーゼの小分子阻害剤は、増殖性疾患を処置するための治療剤として期待が見込める。
本発明は、対象の増殖性疾患の予防および/または処置のための、キナーゼの活性を阻害する化合物を提供する。ある態様において、本発明の化合物は、PIP4Kなどの脂質キナーゼの活性を阻害する。本発明はさらに、例として、キナーゼ(例として、PIP4Kなどの脂質キナーゼ)の活性のモジュレーションを研究するための生物学的プローブとして、および例として、キナーゼ(例として、PIP4Kなどの脂質キナーゼ)の過剰発現および/または異常な活性に関連する疾患の予防および/または処置における治療学として、本明細書に記載の化合物を使用する方法を提供する。ある態様において、処置されているかおよび/または予防されている疾患は、増殖性疾患である。例示的な増殖性疾患は、これらに限定されないが、がん(例として、肺がん、***がん、白血病、メラノーマ、多発性骨髄腫)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫疾患を包含する。ある態様において、がんは、キナーゼ(例として、PIP4Kなどの脂質キナーゼ)の過剰発現および/または異常な活性と関連する。
化合物
本発明の一側面において、提供されるのは、式(I):
で表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩であって、式中:
環Aは、置換または非置換の、ヘテロアリール環である;
RAの各々は独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
Raの各々は独立して、水素、置換または非置換のアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、窒素原子へ付着されているときは窒素保護基、酸素原子へ付着されているときは酸素保護基、または硫黄原子へ付着されているときは硫黄保護基であるか、またはRaのうち2個が連結して、置換または非置換のヘテロ環、または置換または非置換のヘテロアリール環を形成する;
kは、0、1、2、3、4、5、または6である;
L1は、単結合、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−である;
Rbの各々は独立して、水素、ハロゲン、または置換または非置換のC1〜6アルキルである;
Rcの各々は独立して、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である;
RB1は、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
RB2は、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
Xは、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NRc−、−C(Rb)2C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)−、−C(=O)C(Rb)2−、(E)−CRb=CRb−、(Z)−CRb=CRb−、−C≡C−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−NRcC(=O)−、−C(=O)NRc−、−OC(Rb)2−、−C(Rb)2O−、−SC(Rb)2−、−C(Rb)2S−、−NRcC(Rb)2−、−C(Rb)2NRc−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRc−、−NRcS(=O)−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRc−、または−NRcS(=O)2−である;
環Cは、置換または非置換のフェニル環、置換または非置換の、単環式の炭素環、置換または非置換の、単環式のヘテロ環、または置換または非置換の、単環式のヘテロアリール環である;
環Dは、置換または非置換のフェニル環、置換または非置換の、単環式の炭素環、または置換または非置換の、単環式のヘテロ環である;
ただし、環Cおよび環Dの少なくとも1つは、置換または非置換のフェニル環である;
RCの各々は独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である;
L2は、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NRc−、−C(Rb)2C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)−、−C(=O)C(Rb)2−、(E)−CRb=CRb−、(Z)−CRb=CRb−、−C≡C−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−NRcC(=O)−、−C(=O)NRc−、−OC(Rb)2−、−C(Rb)2O−、−SC(Rb)2−、−C(Rb)2S−、−NRcC(Rb)2−、−C(Rb)2NRc−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRc−、−NRcS(=O)−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRc−、−NRcS(=O)2−、−OC(=O)O−、−NRcC(=O)O−、−OC(=O)NRc−、−NRcC(=O)NRc−、−C(Rb)2C(=O)C(Rb)2−、−OC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)O−、−NRcC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)NRc−、または置換または非置換のC1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1以上の炭素単位は独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−で置き換わられている;
RDの各々は独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
pは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9である;
REは、式:
で表される;
L3は、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NRc−、−C(Rb)2C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)−、−C(=O)C(Rb)2−、(E)−CRb=CRb−、(Z)−CRb=CRb−、−C≡C−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−NRcC(=O)−、−C(=O)NRc−、−OC(Rb)2−、−C(Rb)2O−、−SC(Rb)2−、−C(Rb)2S−、−NRcC(Rb)2−、−C(Rb)2NRc−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRc−、−NRcS(=O)−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRc−、−NRcS(=O)2−、−OC(=O)O−、−NRcC(=O)O−、−OC(=O)NRc−、−NRcC(=O)NRc−、−C(Rb)2C(=O)C(Rb)2−、−OC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)O−、−NRcC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)NRc−、または置換または非置換のC1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1以上の炭素単位が独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−で置き換わられている;
L4は、単結合、または置換または非置換のC1〜6炭化水素鎖である;
RE1、RE2、およびRE3の各々は独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−CN、−CH2ORa、−CH2N(Ra)2、−CH2SRa、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、または−Si(Ra)3である;またはRE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2は連結して、置換または非置換の炭素環、または置換または非置換のヘテロ環を形成する;
RE4は、脱離基である;
RE5は、ハロゲンである;
RE6は、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である;
Yの各々は独立して、O、S、またはNRcである;
aは、1または2である;および
zの各々は独立して、0、1、2、3、4、5、または6である。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、式(I):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩であって、式中:
環Aは、置換または非置換のヘテロアリール環である;
RAの各々は独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
Raの各々は独立して、水素、置換または非置換のアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、窒素原子へ付着されているときは窒素保護基、酸素原子へ付着されているときは酸素保護基、または硫黄原子へ付着されているときは硫黄保護基であるか、またはRaの2個が連結して、置換または非置換のヘテロ環、または置換または非置換のヘテロアリール環を形成する;
kは、0、1、2、3、4、5、または6である;
L1は、単結合、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−である;
Rbの各々は独立して、水素、ハロゲン、または置換または非置換のC1〜6アルキルである;
Rcの各々は独立して、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である;
RB1は、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
RB2は、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
Xは、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NRc−、−C(Rb)2C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)−、−C(=O)C(Rb)2−、(E)−CRb=CRb−、(Z)−CRb=CRb−、−C≡C−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−NRcC(=O)−、−C(=O)NRc−、−OC(Rb)2−、−C(Rb)2O−、−SC(Rb)2−、−C(Rb)2S−、−NRcC(Rb)2−、−C(Rb)2NRc−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRc−、−NRcS(=O)−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRc−、または−NRcS(=O)2−である;
環Cは、置換または非置換のフェニル環、置換または非置換の、単環式の炭素環、または置換または非置換の、単環式のヘテロ環である;
環Dは、置換または非置換のフェニル環、置換または非置換の、単環式の炭素環、または置換または非置換の、単環式のヘテロ環である;
ただし、環Cおよび環Dの少なくとも1つは、置換または非置換のフェニル環である;
RCの各々は独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である;
L2は、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NRc−、−C(Rb)2C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)−、−C(=O)C(Rb)2−、(E)−CRb=CRb−、(Z)−CRb=CRb−、−C≡C−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−NRcC(=O)−、−C(=O)NRc−、−OC(Rb)2−、−C(Rb)2O−、−SC(Rb)2−、−C(Rb)2S−、−NRcC(Rb)2−、−C(Rb)2NRc−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRc−、−NRcS(=O)−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRc−、−NRcS(=O)2−、−OC(=O)O−、−NRcC(=O)O−、−OC(=O)NRc−、−NRcC(=O)NRc−、−C(Rb)2C(=O)C(Rb)2−、−OC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)O−、−NRcC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)NRc−、または置換または非置換のC1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1以上の炭素単位は独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−で置き換わられている;
RDの各々は独立して、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2である;
pは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9である;
REは、式:
で表される;
L3は、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NRc−、−C(Rb)2C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)−、−C(=O)C(Rb)2−、(E)−CRb=CRb−、(Z)−CRb=CRb−、−C≡C−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−NRcC(=O)−、−C(=O)NRc−、−OC(Rb)2−、−C(Rb)2O−、−SC(Rb)2−、−C(Rb)2S−、−NRcC(Rb)2−、−C(Rb)2NRc−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRc−、−NRcS(=O)−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRc−、−NRcS(=O)2−、−OC(=O)O−、−NRcC(=O)O−、−OC(=O)NRc−、−NRcC(=O)NRc−、−C(Rb)2C(=O)C(Rb)2−、−OC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)O−、−NRcC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)NRc−、または置換または非置換のC1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1以上の炭素単位は独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−で置き換わられている;
L4は、単結合または置換または非置換のC1〜6炭化水素鎖である;
RE1、RE2、およびRE3の各々は独立して、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−CN、−CH2ORa、−CH2N(Ra)2、−CH2SRa、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、または−Si(Ra)3である;またはRE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2は連結して、置換または非置換の炭素環、または置換または非置換のヘテロ環を形成する;
RE4は、脱離基である;
RE5は、ハロゲンである;
RE6は、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である;
、Yの各々は独立して、O、S、またはNRcである;
aは、1または2である;および
zの各々は独立して、0、1、2、3、4、5、または6である。
式(I)で表される化合物は、リンカーL1を通して環Bへ付着されている環Aを包含する。ある態様において、環Aは、置換または非置換の二環式のヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、置換または非置換の、9または10員の、二環式のヘテロアリール環であり、ここでヘテロアリール環系中1、2、3、または4個の原子は独立して、原子価が許す限り、酸素、窒素、または硫黄である。ある態様において、環Aは、置換または非置換の、1個の窒素をもつ二環式のヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、置換または非置換の、2個の窒素をもつ二環式のヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、置換または非置換の単環式アリール環と縮合されている、置換または非置換の単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、別の置換または非置換の単環式ヘテロアリール環と縮合されている、置換または非置換の単環式ヘテロアリール環である。環Aは、置換または非置換の6,5員のヘテロアリール環であってもよいし、または置換または非置換の5,6員のヘテロアリール環であってもよい。ある態様において、環Aは、置換または非置換の、5または6員の、単環式ヘテロアリール環であり、式中ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4個の原子が独立して、原子価が許す限り、酸素、窒素、または硫黄である。ある態様において、環Aは、置換または非置換の単環式の6員のアリール環と縮合されている、置換または非置換の単環式の5員のヘテロアリール環である。ある態様において、環Aは、置換または非置換の単環式の6員のヘテロアリール環と縮合されている、置換または非置換の単環式の5員のヘテロアリール環である。環Aの環Bへの付着点は、原子価が許す限り、環Aのいずれの原子においてでもよい。ある態様において、環Aは、式(i−1):
で表される。ある態様において、環Aは、式(i−2):
で表される。ある態様において、環Aは、式(i−3):
で表される。ある態様において、環Aは、式(i−4):
で表される。式(I)で表される化合物において、環AのV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9は各々独立して、原子価が許す限り、O、S、N、NRA1、C、またはCRA2であってもよい。ある態様において、V1は、O、S、NまたはNRA1である。ある態様において、V1は、NまたはNRA1である。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9のうち1個のみが、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9のうち1個のみが、NおよびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1は、NまたはNRA1である;V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9は各々独立して、CまたはCRA2である;したがって、環Aは、置換または非置換のインドール環である。ある態様において、環Aは、式(A−i):
式中RA1、RA2、およびkは、本明細書に定義されるとおりである、で表される。ある態様において、環Aは、式(iii−1):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iii−2):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iii−3):
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式(iii−4):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iii−5):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iii−6):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iii−7):
で表される。
ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9のうち2個のみが各々独立して、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9のうち2個のみが各々独立して、NおよびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1は、NまたはNRA1である;およびV2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9のうち1個のみが、NまたはNRA1である。ある態様において、V1およびV2は各々独立して、NまたはNRA1である;V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9は各々独立して、CまたはCRA2である;したがって、環Aは、置換または非置換のインダゾール環である。ある態様において、環Aは、式(A−ii):
式中RA1、RA2、およびkは、本明細書に定義されるとおりである、で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式(A−iii):
式中RA1、RA2、およびkは、本明細書に定義されるとおりである、で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、V1およびV3は各々独立して、NまたはNRA1である;V2、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9は各々独立して、CまたはCRA2である;したがって、環Aは、置換または非置換のベンズイミダゾール環である。ある態様において、環Aは、式(iv−1):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iv−2):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iv−3):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iv−4):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iv−5):
で表される。ある態様において、環Aは、式(iv−6):
で表される。
ある態様において、V1およびV4は各々独立して、NまたはNRA1である;V2、V3、V5、V6、V7、V8、およびV9は各々独立して、CまたはCRA2である;したがって、環Aは、置換または非置換の4−アザインダゾール環である。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V1およびV5は各々独立して、NまたはNRA1である;V2、V3、V4、V6、V7、V8、およびV9は各々独立して、CまたはCRA2である;したがって、環Aは、置換または非置換の5−アザインダゾール環である。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V1およびV6は各々独立して、NまたはNRA1である;V2、V3、V4、V5、V7、V8、およびV9は各々独立して、CまたはCRA2である;したがって、環Aは、置換または非置換の6−アザインドール環である。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V1およびV7は各々独立して、NまたはNRA1である;V2、V3、V4、V5、V6、V8、およびV9は各々独立して、CまたはCRA2である;したがって、環Aは、置換または非置換の7−アザインドール環である。ある態様において、環Aは、式(v−1):
で表される。ある態様において、環Aは、式(v−2):
で表される。ある態様において、環Aは、式(v−3):
で表される。ある態様において、環Aは、式(v−4):
で表される。ある態様において、環Aは、式(v−5):
で表される。ある態様において、環Aは、式(v−6):
で表される。
ある態様において、V1およびV8は各々独立して、NまたはNRA1である;V2、V3、V4、V5、V6、V7、およびV9は各々独立して、CまたはCRA2である;したがって、環Aは、置換または非置換の8−アザインドール環である。ある態様において、環Aは、式(vi−1):
で表される。ある態様において、環Aは、式(vi−2):
で表される。ある態様において、環Aは、式(vi−3):
で表される。ある態様において、環Aは、式(vi−4):
で表される。ある態様において、環Aは、式(vi−5):
で表される。ある態様において、環Aは、式(vi−6):
で表される。
ある態様において、V1およびV9は各々独立して、NまたはNRA1である;V2、V3、V4、V5、V6、V7、およびV8は各々独立して、CまたはCRA2である;したがって、環Aは、置換または非置換の9−アザインドール環である。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9のうち3個のみが各々独立して、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9のうち3個のみが各々独立して、NおよびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、V1は、NまたはNRA1である;およびV2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、およびV9のうち2個のみが各々独立して、NまたはNRA1である。
式(I)で表される化合物において、環Aはまた、置換または非置換の単環式のヘテロアリール環であってもよい。式(I)で表される化合物において、環Aはまた、置換または非置換の5員のヘテロアリール環であってもよい。ある態様において、環Aは、式(i−5):
で表される。
式(I)で表される化合物、環AのV10、V11、V12、V13、およびV14は各々独立して、原子価が許す限り、O、S、N、NRA1、C、またはCRA2であってもよい。ある態様において、V10、V11、V12、V13、およびV14のうち1個のみが、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V10、V11、V12、V13、およびV14のうち2個のみが各々独立して、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、環Aは式:
で表される。
ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、環Aは、式(vii):
で表される。
ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V10、V11、V12、V13、およびV14のうち3個のみが各々独立して、O、S、N、およびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V10、V11、V12、V13、およびV14のうち4個のみが各々独立して、NおよびNRA1からなる群から選択される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
式(I)で表される化合物において、環Aはまた、置換または非置換の6員のヘテロアリール環であってもよい。ある態様において、環Aは、式(i−6):
で表される。式(I)で表される化合物において、環AのV10、V11、V12、V13、V14、およびV15は各々独立して、原子価が許す限り、N、C、またはCRA2であってもよい。ある態様において、V10、V11、V12、V13、V14、およびV15のうち1個のみが、Nである。ある態様において、環Aは、式(A−v):
式中RA2およびkは、本明細書に定義されるとおりである、で表される。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V10、V11、V12、V13、V14、およびV15のうち2個のみが、Nである。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、V10、V11、V12、V13、V14、およびV15のうち3個のみが、Nである。ある態様において、環Aは、式:
で表される。
ある態様において、環Aは、式
で表される。
式(I)で表される化合物において、環Aは、RA基が、炭素原子へ付着されているとき、1以上のRA基で置換されていてもよい。ある態様において、少なくとも1個のRAは、ハロゲンである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、Fである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、Clである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、Brである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、I(ヨウ素)である。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換のアルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、非置換のアルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、メチルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、エチルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、プロピルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、非置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、ビニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、非置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、エチニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、非置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換アリールである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、非置換アリールである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、非置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、−ORaであり、ここでRaは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、−ORaであり、ここでRAaは、水素である。ある態様において、少なくとも1個のRAは、−ORaであり、ここでRaは、水素または置換または非置換のC1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、−ORaであり、ここでRaは、非置換のC1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、−OCH3である。ある態様において、少なくとも1個のRAは、−N(Ra)2であり、ここでRaは、水素または置換または非置換のC1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、−NHRaである。ある態様において、少なくとも1個のRAは、−SRaである。
式(I)で表される化合物において、環Aは、原子価が許す限り、1以上のRA基で置換されていてもよい。ある態様において、kは、0である。ある態様において、kは、1である。ある態様において、kは、2である。ある態様において、kは、3である。ある態様において、kは、5である。ある態様において、kは、6である。
ある態様において、RA1の少なくとも1個は、H(水素)である。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、ハロゲンである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、F(フッ素)である。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、Cl(塩素)である。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、Br(臭素)である。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、I(ヨウ素)である。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換アシルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換アシルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、アセチルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換アセチルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換アルキルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換アルキルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、C1〜6アルキルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、メチルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、エチルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、プロピルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、ブチルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換アルケニルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換アルケニルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、ビニルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換アルキニルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換アルキニルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、エチニルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換カルボシクリルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換カルボシクリルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換アリールである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換アリールである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換フェニルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換フェニルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換ヘテロアリールである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、置換ピリジルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、非置換ピリジルである。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、窒素保護基である。ある態様において、RA1の少なくとも1個は、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTsである。
ある態様において、少なくとも1個のRA1は、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。ある態様において、RA1のすべてが各々独立して、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。ある態様において、RA1のすべてが、水素である。
ある態様において、少なくとも1個のRA2は、Hである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、ハロゲンである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、Fである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、Clである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、Brである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、I(ヨウ素)である。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換アシルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換アシルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、アセチルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換アセチルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、メチルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、エチルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、プロピルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、ブチルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、ビニルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、エチニルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換アリールである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換アリールである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、置換ピリジルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、非置換ピリジルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、−ORA2a、ここでRA2aは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、−ORA2a、ここでRA2aは、水素である。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、−ORA2a、ここでRA2aは、置換または非置換のC1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、−ORA2a、ここでRA2aは、非置換C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、−OCH3である。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、−N(RA2a)2である。ある態様において、少なくとも1個のRA2は、−SRA2aである。ある態様において、RA2のすべてが、水素である。
ある態様において、すべてのRA1およびRA2は、水素である。ある態様において、RA1は、水素である;および少なくとも1個のRA2は、置換または非置換のアルキルである。ある態様において、RA1は、水素である;および少なくとも1個のRA2は、非置換アルキルである。ある態様において、RA1は、水素である;および少なくとも1個のRA2は、メチル、エチル、またはn−プロピルである。ある態様において、RA1は、水素である;および少なくとも1個のRA2は、−ORA2aであり、ここでRA2aは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、RA1は、水素である;および少なくとも1個のRA2は、−ORA2aであり、ここでRA2aは、置換または非置換のC1〜6アルキルである。ある態様において、RA1は、水素である;および少なくとも1個のRA2は、−ORA2aであり、ここでRA2aは、非置換C1〜6アルキルである。ある態様において、RA1は、水素である;および少なくとも1個のRA2は、−OCH3である。
ある態様において、Raは、Hである。ある態様において、Raは、ハロゲンである。ある態様において、Raは、Fである。ある態様において、Raは、Clである。ある態様において、Raは、Brである。ある態様において、Raは、I(ヨウ素)である。ある態様において、Raは、置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Raは、非置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Raは、メチルである。ある態様において、Raは、エチルである。ある態様において、少なくとも1個のRaは、Hである。ある態様において、各Raは、Hである。ある態様において、少なくとも1個のRaは、ハロゲン(例として、F、Cl、Br、またはI(ヨウ素))である。ある態様において、少なくとも1個のRaは、置換または非置換のアルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRaは、置換C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRaは、非置換C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRaは、Meである。ある態様において、少なくとも1個のRaは、置換メチル(例として、−CF3またはBn)、Et、置換エチル(例として、フッ素化エチル)、Pr、置換プロピル(例として、フッ素化プロピル)、Bu、または置換ブチル(例として、フッ素化ブチル)である。ある態様において、少なくとも1個のRaは、置換または非置換のアルケニルまたは置換または非置換のアルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRaは、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、または置換または非置換のヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のRaは、窒素原子へ付着されているときは窒素保護基、酸素原子へ付着されているときは酸素保護基、または硫黄原子へ付着されているときは硫黄保護基である。ある態様において、Raのうち2個は連結して、置換または非置換のヘテロ環、または置換または非置換のヘテロアリール環を形成する。
本明細書に一般に定義されるとき、RB1は、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2であり、ここでRaは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、RB1は、Hである。ある態様において、RB1は、ハロゲンである。ある態様において、RB1は、Fである。ある態様において、RB1は、Clである。ある態様において、RB1は、Brである。ある態様において、RB1は、I(ヨウ素)である。ある態様において、RB1は、置換アルキルである。ある態様において、RB1は、非置換アルキルである。ある態様において、RB1は、C1〜6アルキルである。ある態様において、RB1は、メチルである。ある態様において、RB1は、エチルである。ある態様において、RB1は、プロピルである。ある態様において、RB1は、ブチルである。ある態様において、RB1は、−ORB1aであり、ここでRB1aは、水素または置換または非置換のアルキルである。ある態様において、RB1は、−N(RB1a)2であり、ここでRB1aの各々は独立して、Hまたは置換または非置換のアルキルである。ある態様において、RB1は、−NHRB1aであり、ここでRB1aは独立して、Hまたは置換または非置換のアルキルである。ある態様において、RB1は、−NH2である。
本明細書に一般に定義されるとき、RB2は、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORa、−N(Ra)2、−SRa、−CN、−SCN、−C(=NRa)Ra、−C(=NRa)ORa、−C(=NRa)N(Ra)2、−C(=O)Ra、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Ra)2、−NO2、−NRaC(=O)Ra、−NRaC(=O)ORa、−NRaC(=O)N(Ra)2、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、または−OC(=O)N(Ra)2であり、ここでRaは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、RB2は、Hである。ある態様において、RB2は、ハロゲンである。ある態様において、RB2は、Fである。ある態様において、RB2は、Clである。ある態様において、RB2は、Brである。ある態様において、RB2は、I(ヨウ素)である。ある態様において、RB2は、置換アルキルである。ある態様において、RB2は、非置換アルキルである。ある態様において、RB2は、C1〜6アルキルである。ある態様において、RB2は、メチルである。ある態様において、RB2は、エチルである。ある態様において、RB2は、プロピルである。
ある態様において、RB1およびRB2は、同じである。ある態様において、RB1およびRB2は、異なっている。ある態様において、RB1およびRB2の両方とも、水素である。ある態様において、RB1は、水素であり、およびRB2は、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、−ORa、または−N(Ra)2であり、ここでRaの各々は独立して、水素または置換または非置換のアルキルである。ある態様において、RB1は、水素であり、およびRB2は、ハロゲンである。ある態様において、RB1は、水素であり、およびRB2は、置換または非置換のアルキルである。ある態様において、RB1は、水素であり、およびRB2は、非置換アルキルである。ある態様において、RB1は、水素であり、およびRB2は、メチルまたはエチルである。ある態様において、RB2は、水素であり、およびRB1は、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、−ORa、または−N(Ra)2であり、ここでRaの各々は独立して、水素、置換または非置換のアルキル、酸素へ付着されているときは酸素保護基、または窒素へ付着されているときは窒素保護基である。ある態様において、RB2は、水素であり、およびRB1は、ハロゲンである。ある態様において、RB2は、水素であり、およびRB1は、置換または非置換のアルキルである。ある態様において、RB2は、水素であり、およびRB1は、非置換アルキルである。ある態様において、RB2は、水素であり、およびRB1は、メチルまたはエチルである。ある態様において、RB2は、水素であり、およびRB1は、−ORaであり、ここでRaは独立して、水素、置換または非置換のアルキル、または酸素保護基である。ある態様において、RB2は、水素であり、およびRB1は、−N(Ra)であり、ここでRaの各々は独立して、水素、置換または非置換のアルキル、または窒素保護基である。
式(I)で表される化合物において、L1は、環Aおよび環Bを接続する二価リンカー部分である。L1は、単結合、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−であってもよい;ここでRbおよびRcは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、L1は、単結合である。ある態様において、L1は、−O−である。ある態様において、L1は、−S−である。ある態様において、L1は、−NRc−である。ある態様において、L1は、−NH−である。ある態様において、L1は、−C(Rb)2−である。ある態様において、L1は、−CH2−である。
ある態様において、Rbは、Hである。ある態様において、Rbは、ハロゲンである。ある態様において、Rbは、Fである。ある態様において、Rbは、Clである。ある態様において、Rbは、Brである。ある態様において、Rbは、I(ヨウ素)である。ある態様において、Rbは、置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rbは、非置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rbは、メチルである。ある態様において、Rbは、エチルである。ある態様において、少なくとも1個のRbは、Hである。ある態様において、各Rbは、Hである。ある態様において、少なくとも1個のRbは、ハロゲン(例として、F、Cl、Br、またはI(ヨウ素))である。ある態様において、少なくとも1個のRbは、置換C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRbは、非置換C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRbは、Meである。ある態様において、少なくとも1個のRbは、置換メチル(例として、−CF3またはBn)、Et、置換エチル(例として、フッ素化エチル)、Pr、置換プロピル(例として、フッ素化プロピル)、Bu、または置換ブチル(例として、フッ素化ブチル)である。
ある態様において、Rcは、Hである。ある態様において、Rcは、置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rcは、非置換C1〜6アルキルである。ある態様において、Rcは、メチルである。ある態様において、Rcは、エチルである。ある態様において、Rcは、窒素保護基である。ある態様において、Rcは、BOC、アセチル、またはTsである。ある態様において、少なくとも1個のRcは、Hである。ある態様において、各Rcは、Hである。ある態様において、少なくとも1個のRcは、ハロゲン(例として、F、Cl、Br、またはI(ヨウ素))である。ある態様において、少なくとも1個のRcは、置換C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRcは、非置換C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRcは、Meである。ある態様において、少なくとも1個のRcは、置換メチル(例として、−CF3またはBn)、Et、置換エチル(例として、フッ素化エチル)、Pr、置換プロピル(例として、フッ素化プロピル)、Bu、または置換ブチル(例として、フッ素化ブチル)である。ある態様において、少なくとも1個のRcは、窒素保護基である。
式(I)で表される化合物において、Xは、環Bおよび環Cを接続する二価リンカー部分である。本明細書に一般に定義されるとき、Xは、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NRc−、−C(Rb)2C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)−、−C(=O)C(Rb)2−、(E)−CRb=CRb−、(Z)−CRb=CRb−、−C≡C−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−NRcC(=O)−、−C(=O)NRc−、−OC(Rb)2−、−C(Rb)2O−、−SC(Rb)2−、−C(Rb)2S−、−NRcC(Rb)2−、−C(Rb)2NRc−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRc−、−NRcS(=O)−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRc−、または−NRcS(=O)2−である。ある態様において、Xは、−O−である。ある態様において、Xは、−S−である。ある態様において、Xは、−NRc−であり、ここでRcは、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。ある態様において、Xは、−NH−である。ある態様において、Xは、−C(Rb)2−である。ある態様において、Xは、−CH2−である。
ある態様において、L1は、単結合、−O−、−S−、または−NRc−である;およびXは、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−であり、ここでRbおよびRcは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、L1は、単結合であり、およびXは、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−であり、ここでRbおよびRcは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、L1は、単結合であり、およびXは、−O−である。ある態様において、L1は、単結合であり、およびXは、−S−である。ある態様において、L1は、単結合であり、およびXは、−NRc−であり、ここでRcは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、L1は、単結合であり、およびXは、−NH−である。ある態様において、L1は、−O−であり、およびXは、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−であり、ここでRbおよびRcは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、L1は、−O−であり、およびXは、−O−である。ある態様において、L1は、−O−であり、およびXは、−S−である。ある態様において、L1は、−O−であり、およびXは、−NRc−であり、ここでRcは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、L1は、−O−であり、およびXは、−NH−である。
式(I)で表される化合物において、L2は、環Cおよび環Dを接続する二価リンカー部分である。L2は、−C(Rb)2−、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−NRc−、−C(Rb)2C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)−、−C(=O)C(Rb)2−、(E)−CRb=CRb−、(Z)−CRb=CRb−、−C≡C−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−NRcC(=O)−、−C(=O)NRc−、−OC(Rb)2−、−C(Rb)2O−、−SC(Rb)2−、−C(Rb)2S−、−NRcC(Rb)2−、−C(Rb)2NRc−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRc−、−NRcS(=O)−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRc−、−NRcS(=O)2−、−OC(=O)O−、−NRcC(=O)O−、−OC(=O)NRc−、−NRcC(=O)NRc−、−C(Rb)2C(=O)C(Rb)2−、−OC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)O−、−NRcC(=O)C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)NRc−、または置換または非置換のC1〜4炭化水素鎖であってもよく、任意にここで、炭化水素鎖の1以上の炭素単位は独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、または−NRc−で置き換わられており、ここでRbおよびRcは、本明細書に定義されるとおりである。ある態様において、L2は、−NRcC(=O)−、−C(=O)NRc−、−C(=O)−、−C(Rb)2−、−C(Rb)2C(=O)−、または−C(Rb)2C(=O)NRc−、ここでRbの各々は独立して、水素、ハロゲン、または置換または非置換のC1〜6アルキルである;およびRcの各々は独立して、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。ある態様において、L2は、−C(=O)−である。ある態様において、L2は、−C(Rb)2−である。ある態様において、L2は、−CH2−である。ある態様において、L2は、−NRc−である。ある態様において、L2は、−NH−である。ある態様において、L2は、−NRcC(=O)−または−C(=O)NRc−である。ある態様において、L2は、−NHC(=O)−または−C(=O)NH−である。ある態様において、L2は、式:−C(=O)NRc−で表される。ある態様において、L2は、式:−C(=O)NH−で表される。ある態様において、L2は、式:−NRcC(=O)−で表される。ある態様において、L2は、式:−NHC(=O)−で表される。ある態様において、L2は、式:−C(=O)NH−または−NH(=O)−で表される。ある態様において、L2は、式:−C(Rb)2C(=O)−で表される。ある態様において、L2は、式:−CH2C(=O)−で表される。ある態様において、L2は、式:−C(Rb)2C(=O)NRc−で表される。ある態様において、L2は、式:−CH2C(=O)NRc−で表される。ある態様において、L2は、式:−CH2C(=O)NH−で表される。
ある態様において、XおよびL2は、互いに対しパラである。ある態様において、XおよびL2は、互いに対しメタである。ある態様において、環Cは、置換または非置換のフェニル環、置換または非置換の、単環式の炭素環、または置換または非置換の、単環式のヘテロ環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のフェニル環である。ある態様において、環Cは、置換フェニル環である。ある態様において、環Cは、非置換フェニル環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の1,2−フェニレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の1,3−フェニレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の1,4−フェニレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、単環式の炭素環である。ある態様において、式中環Cは、置換または非置換の、3〜7員の、単環式の炭素環であり、ここで炭素環系中に、原子価が許す限り、0、1、または2つの二重結合がある。ある態様において、環Cは、置換または非置換のシクロペンチレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のシクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のトランス−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のシス−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の1,2−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の1,3−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の1,4−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、単環式のヘテロ環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、5員のヘテロ環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、6員のヘテロ環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、3〜7員の、単環式のヘテロ環であり、ここでヘテロ環系中の1、2、または3個の原子は独立して、原子価が許す限り、酸素、窒素、または硫黄である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、ピペリジニレン部分である。ある態様において、環Cは、式:
で表され、式中xは、リンカーXへの付着点を指し示し、およびlは、リンカーL2への付着点を指し示す。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Cは、式:
で表される。ある態様において、環Cは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Cは、式:
で表され、式中RCNは、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、単環式ヘテロアリール環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、5または6員の、単環式ヘテロアリール環であり、式中ヘテロアリール環系中の1、2、3、または4個の原子は独立して、原子価が許す限り、酸素、窒素、または硫黄である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のピリジニレンである。ある態様において、環Cは、置換または非置換の2−ピリジニレンであり、式中Xは、置換または非置換の2−ピリジニレンの1位へ付着されている。
環Cは、非置換であってもよく、または1以上のRC基で置換されていてもよい。ある態様において、少なくとも1個のRCは、ハロゲンである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、Fである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、Clである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、Brである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、I(ヨウ素)である。ある態様において、少なくとも1個のRCは、置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、非置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、メチルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、エチルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、プロピルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、非置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、ビニルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、非置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、エチニルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、非置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、置換アリールである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、非置換アリールである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、非置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のRCは、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、RCの各々は独立して、ハロゲン、置換または非置換のC1〜6アルキル、または−ORa(例として、−OHまたは−O(置換または非置換のC1〜6アルキル))である。
ある態様において、環Cは、置換フェニル環であり、および少なくとも1個のRCは独立して、ハロゲンまたは置換または非置換のC1〜6アルキルである。ある態様において、環Cは、置換フェニル環であり、および少なくとも1個のRCは独立して、ハロゲンである。ある態様において、環Cは、置換フェニル環であり、および少なくとも1個のRCは、置換または非置換のC1〜6アルキルである。ある態様において、環Cは、置換フェニル環であり、および1個のRCは、置換または非置換のC1〜6アルキルである。ある態様において、環Cは、置換フェニル環であり、および1個のRCは、非置換C1〜6アルキル(例として、メチルまたはエチル)である。
環Cは、非置換であってもよく、または原子価が許す限り、1以上のRC基で置換されていてもよい。ある態様において、環Cは、置換または非置換のフェニル環であり、およびnは、0、1、2、3、または4である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、単環式の炭素環であり、およびnは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のシクロヘキシレン部分であり、およびnは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、単環式のヘテロ環であり、およびnは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。ある態様において、環Cは、置換または非置換の、6員の単環式のヘテロ環であり、およびnは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
ある態様において、環Cは、非置換であり、それゆえにnは、0である。ある態様において、nは、1である。ある態様において、nは、2である。ある態様において、nは、3である。ある態様において、nは、4である。ある態様において、nは5である。ある態様において、nは6である。ある態様において、nは7である。ある態様において、nは8である。ある態様において、nは9である。ある態様において、nは10である。
式(I)で表される化合物において、環Dは、置換または非置換のフェニル環、置換または非置換の、単環式の炭素環、または置換または非置換の、単環式のヘテロ環である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のフェニル環である。ある態様において、環Dは、置換フェニル環である。ある態様において、環Dは、非置換フェニル環である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の1,2−フェニレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の1,3−フェニレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の1,4−フェニレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、単環式の炭素環である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、3〜7員の、単環式の炭素環であり、式中炭素環系中に、原子価が許す限り、0、1、または2つの二重結合がある。ある態様において、環Dは、置換または非置換のシクロペンチレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のシクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のトランス−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のシス−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の1,2−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の1,3−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の1,4−シクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、単環式のヘテロ環である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、5員のヘテロ環である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、6員のヘテロ環である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、3〜7員の、単環式のヘテロ環であり、式中ヘテロ環系中の1、2、または3個の原子は独立して、原子価が許す限り、酸素、窒素、または硫黄である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、ピペリジニレン部分である。ある態様において、環Dは、式:
で表され、式中l’は、リンカーL2への付着点を指し示し、および、eは、REへの付着点を指し示す。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
の1つで表される。ある態様において、環Dは、式:
で表され、式中RDNは、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基である。
ある態様において、環Cおよび環Dの少なくとも1つは、置換または非置換のフェニル環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Dは、置換または非置換のフェニル環、置換または非置換の、単環式の炭素環、または置換または非置換の、単環式のヘテロ環である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Cは、置換または非置換のフェニル環、置換または非置換の、単環式の炭素環、または置換または非置換の、単環式のヘテロ環である。ある態様において、環Cおよび環Dの各々は独立して、置換または非置換のフェニル環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Dは、置換または非置換の、単環式の炭素環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Dは、置換または非置換のシクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Dは、置換または非置換のヘテロ環である。ある態様において、環Cは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Dは、置換または非置換のピペリジニレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Cは、置換または非置換の、単環式の炭素環である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Cは、置換または非置換のシクロヘキシレン部分である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Cは、置換または非置換のヘテロ環である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のフェニル環であり、および環Cは、置換または非置換のピペリジニレン部分である。
式(I)で表される化合物において、環Dは、REで置換されており、および1以上のRD基でもまた置換されていてもよい。ある態様において、少なくとも1個のRDは、Hである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、ハロゲンである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、Fである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、Clである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、Brである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、I(ヨウ素)である。ある態様において、少なくとも1個のRDは、置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、非置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、メチルである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、エチルである。ある態様において、少なくとも1個のRDは、プロピルである。ある態様において、RDの各々は独立して、ハロゲン、置換または非置換のC1〜6アルキル、または−ORa(例として、−OHまたは−O(置換または非置換のC1〜6アルキル))である。
環Dは、非置換であってもよく、または原子価が許す限り、1以上のRD基で置換されていてもよい。ある態様において、環Dは、置換または非置換のフェニル環であり、およびpは、0、1、2、3、または4である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、単環式の炭素環であり、およびpは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9である。ある態様において、環Dは、置換または非置換のシクロヘキシレン部分であり、およびpは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、単環式のヘテロ環であり、およびpは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9である。ある態様において、環Dは、置換または非置換の、6員の単環式のヘテロ環であり、およびpは、原子価が許す限り、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9である。
環Dは、非置換であってもよく、または1以上のRD基で置換されていてもよい。ある態様において、環Dは、非置換であり、およびそれゆえにpは、0である。ある態様において、pは、1である。ある態様において、pは、2である。ある態様において、pは、3である。ある態様において、pは、4である。
ある態様において、RDは、ハロゲンである;およびpは、1である。ある態様において、RDは、Fである;およびpは、1である。ある態様において、RDは、Clである;およびpは、1である。ある態様において、RDは、Brである;およびpは、1である。ある態様において、RDは、I(ヨウ素)である;およびpは、1である。ある態様において、RDは、置換アルキルである;およびpは、1である。ある態様において、RDは、非置換アルキルである;およびpは、1である。ある態様において、RDは、C1〜6アルキルである;およびpは、1である。ある態様において、RDは、メチルである;およびpは、1である。ある態様において、RDは、エチル、プロピル、またはブチルである;およびpは、1である。ある態様において、RDの各々は独立して、ハロゲンまたは置換または非置換のアルキルである;およびpは、2である。ある態様において、RDの各々は独立して、ハロゲンまたはC1〜6アルキルである;およびpは、2である。
式(I)で表される化合物において、環Dはまた、置換基REも包含する。ある態様において、REは、Michaelアクセプター部分を含む。このMichaelアクセプター部分は、キナーゼ(例として、PIP4K)のシステイン残基と反応することで、化合物のキナーゼへの共有結合的な付着を可能にする。ある態様において、共有結合的な付着は、不可逆である。他の態様において、共有結合的な付着は、可逆的である。
本明細書に一般に定義されるとき、REは、式(i−1)〜(i−41)のいずれか1つであってもよい。ある態様において、REは、式(i−1):
で表される。ある態様において、REは、式(i−2):
で表される。ある態様において、REは、式(i−3):
で表される。ある態様において、REは、式(i−4):
で表される。ある態様において、REは、式(i−5):
で表される。ある態様において、REは、式(i−6):
で表される。ある態様において、REは、式(i−7):
で表される。ある態様において、REは、式(i−8):
で表される。ある態様において、REは、式(i−9):
で表される。ある態様において、REは、式(i−10):
で表される。ある態様において、REは、式(i−11):
で表される。ある態様において、REは、式(i−12):
で表される。ある態様において、REは、式(i−13):
で表される。ある態様において、REは、式(i−14):
で表される。ある態様において、REは、式(i−15):
で表される。ある態様において、REは、式(i−16):
で表される。ある態様において、REは、式(i−17):
で表される。ある態様において、REは、式(i−18):
で表される。ある態様において、REは、式(i−19):
で表される。ある態様において、REは、式(i−20):
で表される。ある態様において、REは、式(i−21):
で表される。ある態様において、REは、式(i−22):
で表される。ある態様において、REは、式(i−23):
で表される。ある態様において、REは、式(i−24):
で表される。ある態様において、REは、式(i−25):
で表される。ある態様において、REは、式(i−26):
で表される。ある態様において、REは、式(i−27):
で表される。ある態様において、REは、式(i−28):
で表される。ある態様において、REは、式(i−29):
で表される。ある態様において、REは、式(i−30):
で表される。ある態様において、REは、式(i−31):
で表される。ある態様において、REは、式(i−32):
で表される。ある態様において、REは、式(i−33):
で表される。ある態様において、REは、式(i−34):
で表される。ある態様において、REは、式(i−35):
で表される。ある態様において、REは、式(i−36):
で表される。ある態様において、REは、式(i−37):
で表される。ある態様において、REは、式(i−38):
で表される。ある態様において、REは、式(i−39):
で表される。ある態様において、REは、式(i−40):
で表される。ある態様において、REは、式(i−41):
で表される。
ある態様において、REは、式(i−1a):
で表される。
ある態様において、REは、式(i−1b):
で表される。
ある態様において、REは、式(i−1c):
で表される。
ある態様において、REは、式(i−1d):
で表される。
ある態様において、REは、式(i−1e):
で表される。
ある態様において、REは、式(i−1f):
で表される。
ある態様において、REは、式(i−1g):
で表される。
ある態様において、REは、
で表される。
ある態様において、REは、式(i−1h):
で表される。
ある態様において、REは、
で表される。
ある態様において、REは、式(i−1a):
で表される。ある態様において、REは、式(i−1b):
で表される。ある態様において、REは、式(i−1c):
で表される。
ある態様において、REは、式(i−18a):
で表される。ある態様において、REは、式(i−18b):
で表される。ある態様において、REは、式(i−18c):
で表される。
ある態様において、REは、式(i−15a):
で表される。ある態様において、REは、式(i−15b):
で表される。ある態様において、REは、式(i−15c):
で表される。
ある態様において、REおよびL2は、互いに対しパラまたはメタである。ある態様において、REおよびL2は、互いに対しメタである。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。
ある態様において、REおよびL2は、互いに対しパラである。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。
ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、以下の式:
の1つで表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、以下の式:
の1つで表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、以下の式:
の1つで表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。ある態様において、環Dは、式:
で表される。
式(I)で表される化合物において、L3は、二価リンカー部分である。L3は、L3の主鎖において、0〜4個の炭素またはヘテロ原子を包含していてもよい。L3は、飽和または不飽和であってもよい。L3は、置換または非置換であってもよい。L3は、分枝または非分枝であってもよい。ある態様において、L3は、単結合である。ある態様において、L3は、−O−である。ある態様において、L3は、−S−である。ある態様において、L3は、−NRL3a−である。ある態様において、L3は、−NH−である。ある態様において、L3は、置換C1〜4炭化水素鎖である。ある態様において、L3は、非置換C1〜4炭化水素鎖である。ある態様において、L3は、−C(RL3b)2−である。ある態様において、L3は、−CHRL3b−である。ある態様において、L3は、−CH2−である。ある態様において、L3は、置換C2炭化水素鎖である。ある態様において、L3は、非置換C2炭化水素鎖である。ある態様において、L3は、−C(RL3b)2C(RL3b)2−である。ある態様において、L3は、−CH2CH2−である。ある態様において、L3は、トランス−CRL3b=CRL3b−である。ある態様において、L3は、トランス−CH=CH−である。ある態様において、L3は、シス−CRL3b=CRL3b−である。ある態様において、L3は、シス−CH=CH−である。ある態様において、L3は、−C≡C−である。ある態様において、L3は、置換C3炭化水素鎖である。ある態様において、L3は、非置換C3炭化水素鎖である。ある態様において、L3は、−(CH2)3−である。ある態様において、L3は、−CH=CH−CH2−であり、ここでCH=CHは、トランスまたはシスである。ある態様において、L3は、−CH2−CH=CH−であり、ここでCH=CHは、トランスまたはシスである。ある態様において、L3は、−C≡C−CH2−である。ある態様において、L3は、−CH2−C≡C−である。ある態様において、L3は、置換C4炭化水素鎖である。ある態様において、L3は、非置換C4炭化水素鎖である。ある態様において、L3は、−(CH2)4−である。ある態様において、L3は、−CH=CH−CH=CH−であり、ここでCH=CHの各々は独立して、トランスまたはシスである。ある態様において、L3は、−CH=CH−C≡C−であり、ここでCH=CHは、トランスまたはシスである。ある態様において、L3は、−C≡C−CH=CH−であり、ここでCH=CHは、トランスまたはシスである。ある態様において、L3は、−C≡C−C≡C−である。ある態様において、L3は、置換または非置換のC1〜4炭化水素鎖であり、ここで炭化水素鎖の1以上の炭素単位は、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)2O−、−OS(=O)2−、−S(=O)2NRL3a−、または−NRL3aS(=O)2−で置き換わられている。
ある態様において、RL3aは、Hである。ある態様において、RL3aは、置換アルキルである。ある態様において、RL3aは、非置換アルキルである。ある態様において、RL3aは、C1〜6アルキルである。ある態様において、RL3aは、メチルである。ある態様において、RL3aは、エチルである。ある態様において、RL3aは、プロピルである。ある態様において、RL3aは、ブチルである。ある態様において、RL3aは、窒素保護基である。ある態様において、RL3aは、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTsである。
ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、Hである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、ハロゲンである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、Fである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、Clである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、Brである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、I(ヨウ素)である。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、非置換アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、C1〜6アルキルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、メチルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、エチルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、プロピルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、ブチルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、非置換アルケニルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、ビニルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、非置換アルキニルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、エチニルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、非置換カルボシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、置換アリールである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、非置換アリールである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、非置換フェニルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、置換ピリジルである。ある態様において、少なくとも1個のRL3bは、非置換ピリジルである。ある態様において、2個のRL3b基は連結して、置換の炭素環を形成する。ある態様において、2個のRL3b基は連結して、非置換の炭素環を形成する。ある態様において、2個のRL3b基は連結して、置換のヘテロ環を形成する。ある態様において、2個のRL3b基は連結して、非置換のヘテロ環を形成する。
式(I)で表される化合物において、L4は、二価リンカー部分である。L4は、L4の主鎖において、0〜4個の炭素またはヘテロ原子を含有してもよい。L4は、飽和または不飽和であってもよい。L4は、置換または非置換であってもよい。L4は、分枝または非分枝であってもよい。ある態様において、L4は、単結合である。ある態様において、L4は、置換C1〜4炭化水素鎖である。ある態様において、L4は、非置換C1〜4炭化水素鎖である。ある態様において、L4は、−C(RL4b)2−である。ある態様において、L4は、−CHRL4b−である。ある態様において、L4は、−CH2−である。ある態様において、L4は、置換C2炭化水素鎖である。ある態様において、L4は、非置換C2炭化水素鎖である。ある態様において、L4は、−C(RL4b)2C(RL4b)2−である。ある態様において、L4は、−CH2CH2−である。ある態様において、L4は、トランス−CRL4b=CRL4b−である。ある態様において、L4は、トランス−CH=CH−である。ある態様において、L4は、シス−CRL4b=CRL4b−である。ある態様において、L4は、シス−CH=CH−である。ある態様において、L4は、−C≡C−である。ある態様において、L4は、置換C3炭化水素鎖である。ある態様において、L4は、非置換C3炭化水素鎖である。ある態様において、L4は、−(CH2)3−である。ある態様において、L4は、−CH=CH−CH2−であり、ここでCH=CHは、トランスまたはシスである。ある態様において、L4は、−CH2−CH=CH−であり、ここでCH=CHは、トランスまたはシスである。ある態様において、L4は、−C≡C−CH2−である。ある態様において、L4は、−CH2−C≡C−である。ある態様において、L4は、置換C4炭化水素鎖である。ある態様において、L4は、非置換C4炭化水素鎖である。ある態様において、L4は、−(CH2)4−である。ある態様において、L4は、−CH=CH−CH=CH−であり、ここでCH=CHの各々は独立して、トランスまたはシスである。ある態様において、L4は、−CH=CH−C≡C−であり、ここでCH=CHは、トランスまたはシスである。ある態様において、L4は、−C≡C−CH=CH−であり、ここでCH=CHは、トランスまたはシスである。ある態様において、L4は、−C≡C−C≡C−である。
式(I)で表される化合物において、REは、置換基RE1を包含していてもよい。ある態様において、RE1は、Hである。ある態様において、RE1は、ハロゲンである。ある態様において、RE1は、Fである。ある態様において、RE1は、Clである。ある態様において、RE1は、Brである。ある態様において、RE1は、I(ヨウ素)である。ある態様において、RE1は、置換アシルである。ある態様において、RE1は、非置換アシルである。ある態様において、RE1は、アセチルである。ある態様において、RE1は、置換アセチルである。ある態様において、RE1は、置換アルキルである。ある態様において、RE1は、非置換アルキルである。ある態様において、RE1は、C1〜6アルキルである。ある態様において、RE1は、メチルである。ある態様において、RE1は、エチルである。ある態様において、RE1は、プロピルである。ある態様において、RE1は、ブチルである。ある態様において、RE1は、置換アルケニルである。ある態様において、RE1は、非置換アルケニルである。ある態様において、RE1は、ビニルである。ある態様において、RE1は、置換アルキニルである。ある態様において、RE1は、非置換アルキニルである。ある態様において、RE1は、エチニルである。ある態様において、RE1は、置換カルボシクリルである。ある態様において、RE1は、非置換カルボシクリルである。ある態様において、RE1は、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE1は、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE1は、置換アリールである。ある態様において、RE1は、非置換アリールである。ある態様において、RE1は、置換フェニルである。ある態様において、RE1は、非置換フェニルである。ある態様において、RE1は、置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE1は、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE1は、置換ピリジルである。ある態様において、RE1は、非置換ピリジルである。ある態様において、RE1は、−CNである。ある態様において、RE1は、−ORE1aである。ある態様において、RE1は、−N(RE1a)2である。ある態様において、RE1は、−SRE1aである。ある態様において、RE1は、−CH2ORE1aである。ある態様において、RE1は、−CH2N(RE1a)2である。ある態様において、RE1は、−CH2SRE1aである。
ある態様において、RE1が、−ORE1a、−N(RE1a)2、−SRE1a、−CH2ORE1a、−CH2N(RE1a)2、または−CH2SRE1aであるとき、RE1aは、Hである。ある態様において、RE1は、−Si(RE1a)3であり、任意にここで、RE1aの各々は独立して、非置換C1〜6アルキルまたは非置換フェニルである。ある態様において、RE1は、−Si(Me)3)である。ある態様において、RE1aは、置換アシルである。ある態様において、RE1aは、非置換アシルである。ある態様において、RE1aは、アセチルである。ある態様において、RE1aは、置換アセチルである。ある態様において、RE1aは、置換アルキルである。ある態様において、RE1aは、非置換アルキルである。ある態様において、RE1aは、C1〜6アルキルである。ある態様において、RE1aは、メチルである。ある態様において、RE1aは、エチルである。ある態様において、RE1aは、プロピルである。ある態様において、RE1aは、ブチルである。ある態様において、RE1aは、置換アルケニルである。ある態様において、RE1aは、非置換アルケニルである。ある態様において、RE1aは、ビニルである。ある態様において、RE1aは、置換アルキニルである。ある態様において、RE1aは、非置換アルキニルである。ある態様において、RE1aは、エチニルである。ある態様において、RE1aは、置換カルボシクリルである。ある態様において、RE1aは、非置換カルボシクリルである。ある態様において、RE1aは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE1aは、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE1aは、置換アリールである。ある態様において、RE1aは、非置換アリールである。ある態様において、RE1aは、置換フェニルである。ある態様において、RE1aは、非置換フェニルである。ある態様において、RE1aは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE1aは、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE1aは、置換ピリジルである。ある態様において、RE1aは、非置換ピリジルである。ある態様において、RE1aは、窒素原子へ付着されているときは窒素保護基である。ある態様において、RE1aは、窒素原子へ付着されているとき、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTsである。ある態様において、RE1aは、酸素原子へ付着されているときは酸素保護基である。ある態様において、RE1aは、酸素原子へ付着されているとき、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイルである。ある態様において、RE1aは、硫黄原子へ付着されているときは硫黄保護基である。ある態様において、RE1aは、硫黄原子へ付着されているとき、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。ある態様において、2個のRE1a基は連結して、置換ヘテロ環を形成する。ある態様において、2個のRE1a基は連結して、非置換ヘテロ環を形成する。
式(I)で表される化合物において、REは、置換基RE2を包含していてもよい。ある態様において、RE2は、Hである。ある態様において、RE2は、ハロゲンである。ある態様において、RE2は、Fである。ある態様において、RE2は、Clである。ある態様において、RE2は、Brである。ある態様において、RE2は、I(ヨウ素)である。ある態様において、RE2は、置換アシルである。ある態様において、RE2は、非置換アシルである。ある態様において、RE2は、アセチルである。ある態様において、RE2は、置換アセチルである。ある態様において、RE2は、置換アルキルである。ある態様において、RE2は、非置換アルキルである。ある態様において、RE2は、C1〜6アルキルである。ある態様において、RE2は、メチルである。ある態様において、RE2は、エチルである。ある態様において、RE2は、プロピルである。ある態様において、RE2は、ブチルである。ある態様において、RE2は、置換アルケニルである。ある態様において、RE2は、非置換アルケニルである。ある態様において、RE2は、ビニルである。ある態様において、RE2は、置換アルキニルである。ある態様において、RE2は、非置換アルキニルである。ある態様において、RE2は、エチニルである。ある態様において、RE2は、置換カルボシクリルである。ある態様において、RE2は、非置換カルボシクリルである。ある態様において、RE2は、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE2は、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE2は、置換アリールである。ある態様において、RE2は、非置換アリールである。ある態様において、RE2は、置換フェニルである。ある態様において、RE2は、非置換フェニルである。ある態様において、RE2は、置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE2は、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE2は、置換ピリジルである。ある態様において、RE2は、非置換ピリジルである。ある態様において、RE2は、−CNである。ある態様において、RE2は、−ORE2aである。ある態様において、RE2は、−N(RE2a)2である。ある態様において、RE2は、−SRE2aである。ある態様において、RE2は、−CH2ORE2aである。ある態様において、RE2は、−CH2N(RE2a)2である。ある態様において、RE2は、−CH2SRE2aである。
ある態様において、RE2が、−ORE2a、−N(RE2a)2、−SRE2a、−CH2ORE2a、−CH2N(RE2a)2、または−CH2SRE2aであるとき、RE2aは、Hである。ある態様において、RE2aは、置換アシルである。ある態様において、RE2aは、非置換アシルである。ある態様において、RE2aは、アセチルである。ある態様において、RE2aは、置換アセチルである。ある態様において、RE2aは、置換アルキルである。ある態様において、RE2aは、非置換アルキルである。ある態様において、RE2aは、C1〜6アルキルである。ある態様において、RE2aは、メチルである。ある態様において、RE2aは、エチルである。ある態様において、RE2aは、プロピルである。ある態様において、RE2aは、ブチルである。ある態様において、RE2aは、置換アルケニルである。ある態様において、RE2aは、非置換アルケニルである。ある態様において、RE2aは、ビニルである。ある態様において、RE2aは、置換アルキニルである。ある態様において、RE2aは、非置換アルキニルである。ある態様において、RE2aは、エチニルである。ある態様において、RE2aは、置換カルボシクリルである。ある態様において、RE2aは、非置換カルボシクリルである。ある態様において、RE2aは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE2aは、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE2aは、置換アリールである。ある態様において、RE2aは、非置換アリールである。ある態様において、RE2aは、置換フェニルである。ある態様において、RE2aは、非置換フェニルである。ある態様において、RE2aは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE2aは、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE2aは、置換ピリジルである。ある態様において、RE2aは、非置換ピリジルである。ある態様において、RE2aは、窒素原子へ付着されているときは窒素保護基である。ある態様において、RE2aは、窒素原子へ付着されているとき、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTsである。ある態様において、RE2aは、酸素原子へ付着されているときは酸素保護基である。ある態様において、RE2aは、酸素原子へ付着されているとき、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイルである。ある態様において、RE2aは、硫黄原子へ付着されているときは硫黄保護基である。ある態様において、RE2aは、硫黄原子へ付着されているとき、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。ある態様において、2個のRE2a基は連結して、置換ヘテロ環を形成する。ある態様において、2個のRE2a基は連結して、非置換ヘテロ環を形成する。
式(I)で表される化合物において、REは、置換基RE3を包含していてもよい。ある態様において、RE3は、Hである。ある態様において、RE3は、ハロゲンである。ある態様において、RE3は、Fである。ある態様において、RE3は、Clである。ある態様において、RE3は、Brである。ある態様において、RE3は、I(ヨウ素)である。ある態様において、RE3は、置換アシルである。ある態様において、RE3は、非置換アシルである。ある態様において、RE3は、アセチルである。ある態様において、RE3は、置換アセチルである。ある態様において、RE3は、置換アルキルである。ある態様において、RE3は、非置換アルキルである。ある態様において、RE3は、C1〜6アルキルである。ある態様において、RE3は、メチルである。ある態様において、RE3は、エチルである。ある態様において、RE3は、プロピルである。ある態様において、RE3は、ブチルである。ある態様において、RE3は、置換アルケニルである。ある態様において、RE3は、非置換アルケニルである。ある態様において、RE3は、ビニルである。ある態様において、RE3は、置換アルキニルである。ある態様において、RE3は、非置換アルキニルである。ある態様において、RE3は、エチニルである。ある態様において、RE3は、置換カルボシクリルである。ある態様において、RE3は、非置換カルボシクリルである。ある態様において、RE3は、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE3は、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE3は、置換アリールである。ある態様において、RE3は、非置換アリールである。ある態様において、RE3は、置換フェニルである。ある態様において、RE3は、非置換フェニルである。ある態様において、RE3は、置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE3は、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE3は、置換ピリジルである。ある態様において、RE3は、非置換ピリジルである。ある態様において、RE3は、−CNである。ある態様において、RE3は、−ORE3aである。ある態様において、RE3は、−N(RE3a)2である。ある態様において、RE3は、−SRE3aである。ある態様において、RE3は、−CH2ORE3aである。ある態様において、RE3は、−CH2N(RE3a)2である。ある態様において、RE3は、−CH2SRE3aである。
ある態様において、RE3が、−ORE3a、−N(RE3a)2、−SRE3a、−CH2ORE3a、−CH2N(RE3a)2、または−CH2SRE3aであるとき、RE3aは、Hである。ある態様において、RE3aは、置換アシルである。ある態様において、RE3aは、非置換アシルである。ある態様において、RE3aは、アセチルである。ある態様において、RE3aは、置換アセチルである。ある態様において、RE3aは、置換アルキルである。ある態様において、RE3aは、非置換アルキルである。ある態様において、RE3aは、C1〜6アルキルである。ある態様において、RE3aは、メチルである。ある態様において、RE3aは、エチルである。ある態様において、RE3aは、プロピルである。ある態様において、RE3aは、ブチルである。ある態様において、RE3aは、置換アルケニルである。ある態様において、RE3aは、非置換アルケニルである。ある態様において、RE3aは、ビニルである。ある態様において、RE3aは、置換アルキニルである。ある態様において、RE3aは、非置換アルキニルである。ある態様において、RE3aは、エチニルである。ある態様において、RE3aは、置換カルボシクリルである。ある態様において、RE3aは、非置換カルボシクリルである。ある態様において、RE3aは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE3aは、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE3aは、置換アリールである。ある態様において、RE3aは、非置換アリールである。ある態様において、RE3aは、置換フェニルである。ある態様において、RE3aは、非置換フェニルである。ある態様において、RE3aは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE3aは、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE3aは、置換ピリジルである。ある態様において、RE3aは、非置換ピリジルである。ある態様において、RE3aは、窒素原子へ付着されているときは窒素保護基である。ある態様において、RE3aは、窒素原子へ付着されているとき、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTsである。ある態様において、RE3aは、酸素原子へ付着されているときは酸素保護基である。ある態様において、RE3aは、酸素原子へ付着されているとき、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイルである。ある態様において、RE3aは、硫黄原子へ付着されているときは硫黄保護基である。ある態様において、RE3aは、硫黄原子へ付着されているとき、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニル、またはトリフェニルメチルである。ある態様において、2個のRE3a基は連結して、置換ヘテロ環を形成する。ある態様において、2個のRE3a基は連結して、非置換ヘテロ環を形成する。
式(I)で表される化合物において、RE1およびRE3、またはRE2およびRE3、またはRE1およびRE2は連結して、置換または非置換の炭素環式の、または置換または非置換のヘテロ環を形成する。ある態様において、RE1およびRE3は連結して、置換または非置換の炭素環を形成する。ある態様において、RE1およびRE3は連結して、置換または非置換のヘテロ環を形成する。ある態様において、RE2およびRE3は連結して、置換または非置換の炭素環を形成する。ある態様において、RE2およびRE3は連結して、置換または非置換のヘテロ環を形成する。ある態様において、RE1およびRE2は連結して、置換または非置換の炭素環を形成する。ある態様において、RE1およびRE2は連結して、置換または非置換のヘテロ環を形成する。
式(I)で表される化合物において、REは、置換基RE4を包含していてもよい。ある態様において、RE4は、脱離基である。ある態様において、RE4は、ハロゲンである。ある態様において、RE4は、Fである。ある態様において、RE4は、Clである。ある態様において、RE4は、Brである。ある態様において、RE4は、I(ヨウ素)である。ある態様において、RE4は、−OS(=O)wRE4aである。ある態様において、wは、1である。ある態様において、wは、2である。ある態様において、RE4は、−OMsである。ある態様において、RE4は、−OTfである。ある態様において、RE4は、−OTsである。ある態様において、RE4は、−OBsである。ある態様において、RE4は、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシである。ある態様において、RE4は、−ORE4aである。ある態様において、RE4は、−OMeである。ある態様において、RE4は、−OCF3である。ある態様において、RE4は、−OPhである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)RE4aである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)Meである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)CF3である。ある態様において、RE4は、−OC(=O)Phである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)Clである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)ORE4aである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)OMeである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)O(t−Bu)である。
ある態様において、RE4aは、置換アルキルである。ある態様において、RE4aは、非置換アルキルである。ある態様において、RE4aは、C1〜6アルキルである。ある態様において、RE4aは、メチルである。ある態様において、RE4aは、エチルである。ある態様において、RE4aは、プロピルである。ある態様において、RE4aは、ブチルである。ある態様において、RE4aは、置換アルケニルである。ある態様において、RE4aは、非置換アルケニルである。ある態様において、RE4aは、ビニルである。ある態様において、RE4aは、置換アルキニルである。ある態様において、RE4aは、非置換アルキニルである。ある態様において、RE4aは、エチニルである。ある態様において、RE4aは、置換カルボシクリルである。ある態様において、RE4aは、非置換カルボシクリルである。ある態様において、RE4aは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE4aは、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、RE4aは、置換アリールである。ある態様において、RE4aは、非置換アリールである。ある態様において、RE4aは、置換フェニルである。ある態様において、RE4aは、非置換フェニルである。ある態様において、RE4aは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE4aは、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、RE4aは、置換ピリジルである。ある態様において、RE4aは、非置換のピリジルである。
式(I)で表される化合物において、REは、Y基を包含していてもよい。ある態様において、Yは、=Oである。ある態様において、Yは、−O−である。ある態様において、Yは、=Sである。ある態様において、Yは、−S−である。ある態様において、Yは、=NRE6である。ある態様において、Yは、−NRE6−である。ある態様において、Yは、=NHである。ある態様において、Yは、−NH−である。ある態様において、RE6は、Hである。ある態様において、RE6は、置換または非置換のC1〜6アルキル(例として、−CH3)である。ある態様において、RE6は、窒素保護基(例として、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。
式(I)で表される化合物において、REは、置換基RE5を包含していてもよく、これは、ハロゲンである。ある態様において、RE5は、F、Cl、Br、またはI(ヨウ素)である。
ある態様において、aは、1である。ある態様において、aは、2である。
ある態様において、zは、0である。ある態様において、zは、1である。ある態様において、zは、2である。ある態様において、zは、3である。ある態様において、zは、4である。ある態様において、zは、5である。ある態様において、zは、6である。
ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびRE1は、水素である。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびRE2は、水素である。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびRE3は、水素である。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびRE2およびRE3は各々、水素である。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびRE1、RE2およびRE3は各々、水素である。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびRE1は、−CH2N(RE1a)である。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;RE1は、−CH2N(RE1a)で表される;およびRE1aは、C1〜6アルキルである。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;RE1は、−CH2N(RE1a);およびRE1aは、メチルである。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびRE2は、−CH2N(RE2a)である。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;RE2は、−CH2N(RE2a)である;およびRE2aは、C1〜6アルキルである。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;RE2は、−CH2N(RE2a)である;およびRE2aは、メチルである。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびRE3は、−CH2N(RE3a)である。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;RE3は、−CH2N(RE3a)である;およびRE3aは、C1〜6アルキルである。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;RE3は、−CH2N(RE3a)である;およびRE3aは、メチルである。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびYは、=Oである。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびL3は、−NRL3a−である。ある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびL3は、−NH−である。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。
ある態様において、REは、式(i−3)で表される;およびRE1は、水素である。ある態様において、REは、式(i−3)で表される;およびRE1は、−CH2N(RE1a)である。ある態様において、REは、式(i−3)で表される;およびRE1は、−Si(RE1a)3(例として、−Si(Me)3)である。ある態様において、REは、式(i−3)で表される;RE1は、−CH2N(RE1a)である;およびRE1aは、C1〜6アルキルである。ある態様において、REは、式(i−3)で表される;RE1は、−CH2N(RE1a)である;およびRE1aは、メチルである。ある態様において、REは、式(i−3)で表される;およびYは、=Oである。ある態様において、REは、式(i−3)で表される;およびL3は、−NRL3a−である。ある態様において、REは、式(i−3)で表される;およびL3は、−NH−である。
ある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。
ある態様において、REは、式:
では表されない。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(II):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(II−a):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(II−b):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(III):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(III−a):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(III−b):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(IV):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(IV−a):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(V):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(V−a):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(V−b):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(VI):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式(VI−a):
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、以下の式:
の1つで表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
式(I)〜(VI)のある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびL3は、−NRL3a−である。式(I)〜(VI)のある態様において、REは、式(i−1)で表される;およびL3は、−NH−である。式(I)〜(VI)のある態様において、REは、式:
で表される。式(I)〜(VI)のある態様において、REは、式:
で表される。ある態様において、REは、式:
で表される。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグである。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩である。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、実質的に純粋である。ある態様において、式(I)で表される化合物は、実質的に純粋な立体異性体である。ある態様において、本発明の化合物は、式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグである。ある態様において、本発明の化合物は、式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩および立体異性体である。ある態様において、本発明の化合物は、式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩である。ある態様において、本発明の化合物は、式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩の、立体異性体の混合物である。ある態様において、本発明の化合物は、式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩の、立体異性体のラセミ混合物である。
本発明の化合物は、キナーゼへの結合のための複数の結合モチーフを持っていてもよい。本発明の化合物はまた、キナーゼも阻害してもよい。ある態様において、キナーゼは、タンパク質キナーゼである。ある態様において、タンパク質キナーゼは、CDK(例として、CDK7、CDK12、および/またはCDK13)である。ある態様において、キナーゼは、脂質キナーゼである。ある態様において、タンパク質キナーゼは、PIP4Kである。ある態様において、PIP4Kは、PIP4K2である。ある態様において、PIP4K2は、PIP4K2Aタンパク質である。ある態様において、PIP4K2は、PIP4K2Bタンパク質である。ある態様において、PIP4K2は、PIPK2Cタンパク質である。本発明の化合物の環Aは、キナーゼ(例として、PIP4K2酵素などの脂質キナーゼ)のATP結合部位における疎水ポケットに受け入れられてもよい。環AおよびB上の官能性は、キナーゼ(例として、PIP4K2酵素などの脂質キナーゼ)の残基への結合であってもよい。例えば、環Aは、PIP4KのCys残基(例として、PIP4K2A酵素のCys293またはPIP4K2B酵素のCys307および/またはCys318)と水素結合を形成してもよい。REの官能基は、キナーゼ(例として、PIP4K2酵素などの脂質キナーゼ)と1以上の水素結合を形成してもよい。その上、REのMichaelアクセプター部分は、キナーゼのシステイン残基(例として、PIP4K2酵素などの脂質キナーゼ)と反応することで、化合物のキナーゼ(例として、PIP4K2酵素などの脂質キナーゼ)への共有結合的な付着を可能にし得る。
ある態様において、提供される化合物は、PI5P4KαのCys293を共有結合的に修飾することができる。ある態様において、提供される化合物は、PI5P4KβのCys307および/またはCys318を共有結合的に修飾することができる。ある態様において、提供される化合物は、PI5P4KγのCys313を共有結合的に修飾することができるが、Cys313は、配列のアライメントに基づく。
本発明の化合物は、キナーゼ阻害剤であると考えられる。ある態様において、本発明の化合物は、タンパク質キナーゼの阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、CDK阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、CDK7阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、CDK12阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、CDK13阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、脂質キナーゼの阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、PIPK阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、PIP4K2阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、PIP4K2A阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、PIP4K2B阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、PIP4K2C阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、選択的CDK阻害剤(例として、非CDKキナーゼよりCDKを阻害する活性がある)である。ある態様において、本発明の化合物は、選択的CDK7阻害剤(例として、非CDK7キナーゼよりCDK7を阻害する活性がある)である。ある態様において、本発明の化合物は、選択的CDK12阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、選択的CDK13阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、選択的PIPK阻害剤(例として、非PIPKキナーゼよりPIPKを阻害する活性がある)である。ある態様において、本発明の化合物は、選択的PIP4K2阻害剤(例として、非PIP4K2キナーゼよりPIP4K2を阻害する活性がある)である。ある態様において、本発明の化合物は、選択的PIP4K2A阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、選択的PIP4K2B阻害剤である。ある態様において、本発明の化合物は、選択的PIP4K2C阻害剤である。
発明性のある化合物の、第2キナーゼ(例として、非脂質キナーゼ)より第1キナーゼ(例として、脂質キナーゼ)への選択性は、第1キナーゼの活性を阻害することにおける本発明の化合物のIC50(最大半量阻害濃度)値に対する、第2キナーゼの活性を阻害することにおける本発明の化合物のIC50値の割合によって、測定されてもよい。発明性のある化合物の、第2キナーゼより第1キナーゼへの選択性はまた、本発明の化合物と第1キナーゼとの付加体(共有結合または非共有結合)のKd(解離定数)値に対する、本発明の化合物と第2キナーゼとの付加体のKd値の割合によっても、測定されてもよい。ある態様において、選択性は、少なくとも約1倍、少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約30倍、少なくとも約100倍、少なくとも約300倍、少なくとも約1,000倍、少なくとも約3,000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約30,000倍、または少なくとも約100,000倍である。ある態様において、IC50値は、機能的アンタゴニスト(functional antagonist)アッセイによって測定される。ある態様において、IC50値は、競合結合アッセイによって測定される。ある態様において、IC50値は、本明細書に記載の方法によって測定される。ある態様において、Kd値は、核磁気共鳴法(例として、線形化法および曲線適合(curve fitting)法)によって測定される。ある態様において、Kd値は、質量分析法(例として、1リガンド−1結合部位ESI−MS(a one-ligand one-binding-site ESI-MS)法)によって測定される。
本明細書に記載のとおりの化合物は、2014年4月24日に公開されたWO2014/063068において開示された化合物と環B部分の点で異なる。本明細書に記載のとおりの化合物はまた、2015年4月23日に出願された国際出願No. PCT/US2015/027312において開示された化合物と環A部分の点で異なる。
医薬組成物、キット、および投与
本発明は、式(I)で表される化合物、例として、本明細書に記載されるとおり、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグ、および任意に、薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある態様において、本発明の医薬組成物は、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、および任意に、薬学的に許容し得る賦形剤を含む。ある態様において、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグは、医薬組成物において、有効量で提供される。ある態様において、有効量は、治療有効量である。ある態様において、有効量は、予防的有効量である。
本明細書に記載の医薬組成物は、薬理学の分野において知られているいずれかの方法によって調製され得る。一般に、かかる調製方法は、式(I)で表される化合物(「活性成分」)を、担体および/または1以上の他の補助成分と結び付けさせることと、次いで、必要なおよび/または望ましい場合、生成物を望ましい単回用量または複数回用量の単位に成形および/またはパッケージングすることとのステップを包含する。
医薬組成物は、バルクで、単回単位用量として、および/または複数の単回単位用量として、調製され、パッケージングされ、および/または販売され得る。「単位用量」は、活性成分の所定量を含む医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は一般に、対象に投与されるであろう活性成分の投薬量、および/または、例えば、かかる投薬量の二分の一または三分の一など、かかる投薬量の好都合な画分に等しい。
本発明の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容し得る賦形剤、および/またはいずれの追加の成分の相対量は、処置される対象の固有性(identity)、サイズ、および/または状態に応じて、およびさらに、組成物が投与されるべき経路に応じて、変動し得る。例として、組成物は、0.1%と100%(w/w)との間で活性成分を含んでもよい。
提供される医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容し得る賦形剤は、不活性希釈剤、分散および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、潤滑剤、および/または油を包含する。ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味料(flavoring)、および香料(perfuming agents)もまた、組成物中に存在していてもよい。
例示的な希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、およびこれらの混合物を包含する。
例示的な造粒および/または分散剤は、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレー、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロース、および木製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(starch 1500)、微晶質デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物、およびこれらの混合物を包含する。
例示的な界面活性剤および/または乳化剤は、天然の乳化剤(例として、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイドクレー(例として、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例として、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアラート、エチレングリコールジステアラート、グリセリルモノステアラート、およびプロピレングリコールモノステアラート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例として、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル類(例として、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(Tween 20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween 60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween 80)、ソルビタンモノパルミタート(Span 40)、ソルビタンモノステアラート(Span 60)、ソルビタントリステアラート(Span 65)、グリセリルモノオレアート、ソルビタンモノオレアート(Span 80))、ポリオキシエチレンエステル(例として、ポリオキシエチレンモノステアラート(Myrj 45)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアラート、およびSolutol)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例として、Cremophor(商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij 30))、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウラート、トリエタノールアミンオレアート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F-68、Poloxamer P-188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサート・ナトリウム、および/またはこれらの混合物を包含する。
例示的な結合剤は、デンプン(例として、コーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例として、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ゴム(例として、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワルゴム(panwar gum)、ガッチゴム(ghatti gum)、イサポール殻(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、および落葉松アラボガラクタン)、アルギナート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリラート、ワックス、水、アルコール、および/またはこれらの混合物を包含する。
例示的な保存剤は、抗酸化剤、キレート剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、および他の保存剤を包含する。ある態様において、保存剤は、抗酸化剤である。他の態様において、保存剤は、キレート剤である。
例示的な酸化防止剤は、アルファ トコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムを包含する。
例示的なキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩および水和物(例として、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム等)、クエン酸およびその塩および水和物(例として、クエン酸一水和物)、フマル酸およびその塩および水和物、リンゴ酸塩およびその塩および水和物、リン酸およびその塩および水和物、および酒石酸およびその塩および水和物を包含する。例示的な抗菌性保存剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールを包含する。
例示的な抗真菌性保存剤は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸を包含する。
例示的なアルコール保存剤は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾアート、およびフェニルエチルアルコールを包含する。
例示的な酸性保存剤は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ カロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸を包含する。
他の保存剤は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon、およびEuxylを包含する。
例示的な緩衝剤は、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、リン酸カルシウムヒドロキシド(calcium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質非含有水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、およびこれらの混合物を包含する。
例示的な潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物を包含する。
例示的な天然オイルは、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカレント種子、ルリジサ、カデ、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナバ、ヒマシ油、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝臓、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヘチマ、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、桃仁、ピーナッツ、ケシの実、カボチャの種、菜種、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サザンカ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチベル、クルミ、および小麦胚芽を包含する。例示的な合成油は、これらに限定はされないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびこれらの混合物を包含する。
経口および非経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容し得るエマルション、マイクロエマルション、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を包含する。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒などの、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸酢酸エチルエチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例として、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルなどの、可溶化剤および乳化剤、およびこれらの混合物を含んでもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤などのアジュバント、甘味料、香味料、および香料を包含し得る。非経口投与のためのある態様において、本発明のコンジュゲートは、Cremophor(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルバート、シクロデキストリン、ポリマー、およびこれらの混合物などの可溶化剤と混合される。
注射用調製物において、例えば、無菌の注射用水性または油性の懸濁液は、好適な分散または湿潤剤および懸濁剤を使用して、知られている技術に従って処方され得る。無菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒中の無菌の注射用溶液、懸濁液、またはエマルション、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であり得る。許容し得るビヒクルおよび溶媒のうち採用され得るのは、水、Ringer溶液(U.S.P.)、および等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、無菌の固定油は従来、溶媒または懸濁媒体として採用されている。この目的において、合成モノ−またはジグリセリドを包含するいずれの無刺激性の固定油も採用され得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用の調製物に使用される。
注射用処方物は、例えば、細菌保持フィルターに通す濾過によって、または使用に先立ち、滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
薬物の効果を延ばすために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、低い水溶性の、結晶または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成され得る。薬物の吸収速度は、そのときのその溶解速度に依存するが、次に、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。代わりに、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクル(an oil vehicle)に溶解または懸濁することによって、達成される。
直腸または膣投与のための組成物は典型的には、本発明のコンジュゲートを、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤または担体(これらは、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸または膣腔で融解して活性成分を放出する)と混合することによって調製され得る坐剤である。
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、および顆粒剤を含む。かかる固体剤形において、活性成分は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な、薬学的に許容し得る賦形剤または担体および/または(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなどのバインダー、(c)グリセロールなどの湿潤剤(humectant)、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、あるシリカート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent)、(f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアラートなどの湿潤剤(wetting agent)、(h)カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤、および(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、およびこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤のケースにおいて、剤形は、緩衝剤を包含してもよい。
類似するタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用する、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として採用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬理学の技術分野において知られている他のコーティングなどのコーティングおよび外郭(shells)で調製され得る。それらは、任意に不透明化剤を含んでいてもよく、それらが、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管のある部分において、任意に遅延様式で、放出するという組成物から成り得る。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。類似するタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用する、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として採用され得る。
活性成分は、上に述べたとおりの1以上の賦形剤をもつマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野において知られている他のコーティングなどの、コーティングおよび外郭で調製され得る。かかる固体剤形において、活性成分は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1個の不活性希釈剤と混和され得る。かかる固体剤形は、通常の実践の場合、不活性な希釈剤以外に追加の物質、例として、錠剤化潤滑剤および他の錠剤化補助剤(ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなど)を含んでいてもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤のケースにおいて、剤形は、緩衝剤を含んでいてもよい。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、それらが、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管のある部分において、任意に遅延様式で、放出するという組成物から成り得る。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。
本発明の化合物の局所および/または経皮投与のための剤形は、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤および/または貼付剤を包含してもよい。一般に、活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容し得る担体および/または必要とされるいずれの保存剤および/または必要に応じて緩衝剤と混和される。加えて、本発明は、経皮貼付剤の使用を企図し、これはしばしば、活性成分の身体への制御送達を提供するという追加の利点を有する。かかる剤形は、例えば、活性成分を適正な媒体に溶解および/または分配することによって、調製され得る。代わりにまたは加えて、速度は、速度制御膜を提供することおよび/または活性成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲルに分散させることのいずれかにより、制御され得る。
本明細書に記載の皮内医薬組成物の送達における使用に好適なデバイスは、短針デバイスを包含する。皮内組成物は、皮膚中への針の有効侵入長を限定するデバイスによって、投与され得る。液体ジェット注射器を介しておよび/または角質層を貫通して真皮に達するジェットを生成する針を介して、液体ワクチンを真皮へ送達するジェット式注射デバイスは、好適である。圧縮ガスを使用することで粉末形態の化合物を皮膚の外側の層を通って真皮へと加速させる、衝撃(ballistic)粉末/粒子送達デバイスは、好適である。代わりにまたは加えて、従来のシリンジは、皮内投与の古典的なマントー法において使用され得る。
局所投与に好適な処方物は、これらに限定はされないが、リニメント剤、ローション剤などの液体調製物および/または半液体調製物、クリーム剤、軟膏剤などの水中油型および/または油中水型エマルション、および/またはペースト剤、および/または溶液剤および/または懸濁液剤を包含する。局所的に投与可能な処方物は、例えば、約1%から約10%(w/w)までの活性成分を含んでもよいが、活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限度まで高められる。局所投与のための処方物はさらに、本明細書に記載の1以上の追加の成分を含んでもよい。
本発明の医薬組成物は、口腔を介する経肺投与に好適な処方物において、調製、梱包、および/または販売され得る。かかる処方物は、有効成分を含み、約0.5から約7ナノメートルまで、または約1から約6ナノメートルまでの範囲の直径を有する、乾燥粒子を含んでもよい。かかる組成物は便宜上、乾燥粉末リザーバ(絶え間なく続く噴射剤がそれへと導かれることで粉末を分散させ得る)を含むデバイスを使用するか、および/または自己推進溶媒/粉末分注容器(密閉された容器中の低沸点噴射剤中に溶解および/または懸濁された活性成分を含むデバイスなど)を使用する、投与のための乾燥粉末の形態である。かかる粉末剤は、重量で少なくとも98%の粒子が、0.5ナノメートルより大きい直径を有し、数で少なくとも95%の粒子が、7ナノメートル未満の直径を有する、粒子を含む。代わりに、重量で少なくとも95%の粒子が、1ナノメートルより大きい直径を有し、数で少なくとも90%の粒子が、6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を包含してもよく、単位用量形態で便宜的に提供される。
低沸点噴射剤は一般に、大気圧にて65°Fを下回る沸点を有する液体噴射剤を包含する。一般に噴射剤は、組成物の50〜99.9%(w/w)を構成してもよく、活性成分は、組成物の0.1〜20%(w/w)を構成してもよい。噴射剤はさらに、液体非イオン性および/または固体アニオン性の界面活性剤、および/または固体希釈剤(これは、有効成分を含む粒子と同程度の粒子サイズを有してもよい)などの、追加の成分を含んでよい。
経肺送達のために処方された本発明の医薬組成物は、有効成分を、溶液および/または懸濁液の液滴の形態で提供してもよい。かかる処方物は、活性成分を含み、任意に滅菌されている、水性のおよび/または希釈アルコール性の溶液および/または懸濁液として、調製、梱包、および/または販売され得、便宜上、噴霧および/または微粒化のいずれかのデバイスを使用して投与されてもよい。かかる処方物はさらに、これらに限定はされないが、サッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、および/またはメチルヒドロキシベンゾアートなどの保存剤を包含する1以上の追加の成分を含んでもよい。この投与経路によって提供される液滴は、約0.1から約200ナノメートルまでのの範囲の平均直径を有していてもよい。
経肺送達に有用であるとして本明細書に記載される処方物は、本発明の医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に好適な別の処方物は、活性成分を含み、約0.2から500マイクロメートルまでの平均粒子を有する、粗い粉末である。かかる処方物は、鼻孔近くに保持された粉末の容器から、鼻腔を通した急速な吸入によって投与される。
経鼻投与のための処方物は、例えば、わずか約0.1%(w/w)から100%(w/w)もの活性成分を含んでもよく、本明細書中に記載される1以上の追加の成分を含んでもよい。本発明の医薬組成物は、口腔内投与のための処方物において、調製、梱包、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば、従来の方法を使用して作製された錠剤、および/またはトローチ剤(lozenges)の形態であってもよく、例えば、活性成分を0.1〜20%(w/w)含んでもよく、その残余は、経口的に溶解可能および/または分解可能な組成物と、任意に、本明細書に記載の追加の成分の1以上とを含む。代わりに、口腔内投与のための処方物は、活性成分を含む粉末および/またはエアロゾル化および/または微粒化された溶液および/または懸濁液を含んでもよい。かかる粉末化、エアロゾル化、および/またはエアロゾル化された処方物は、分散されたとき、約0.1から約200ナノメートルまでの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有していてもよく、さらに、本明細書に記載の追加の成分を1以上含んでもよい。
本発明の医薬組成物は、眼への投与のための処方物において、調製、梱包、および/または販売され得る。かかる処方物は、例えば、水性または油性の液体担体中、活性成分の0.1/1.0%(w/w)の溶液および/または懸濁液を包含する、例えば、点眼剤の形態であってもよい。かかる滴剤はさらに、緩衝剤、塩、および/または本明細書に記載の追加の成分のうち他の1以上を含んでもよい。他の眼科的に投与可能な有用な処方物は、微結晶形態でおよび/またはリポソーム調製物において、活性成分を含むものを包含する。点耳剤および/または点眼剤は、本発明の範囲内であるとして企図される。
本明細書に提供される医薬組成物の記載は主として、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に向けられるものであるが、かかる組成物が一般に、ありとあらゆる動物への投与に好適であることは、当業者によって理解されるであろう。種々の動物への投与に好適な組成物にするために、ヒトへの投与に好適な医薬組成物を改変することは、十分に理解されており、通常の熟練した獣医の薬理学者(the ordinarily skilled veterinary pharmacologist)は、通常の実験法を用いてかかる改変を設計および/または実施し得る。
本明細書に提供される化合物は典型的には、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために投薬量単位形態で処方される。しかしながら、本発明の組成物の1日の総使用量は、堅実な医学的判断の範囲内で主治医によって決められるであろうことが、理解されるであろう。いずれの特定の対象または生物に対する具体的な治療有効用量レベルは、処置される疾患および障害の重症度;採用される具体的な活性成分の活性;採用される具体的な組成物;対象の年齢、体重、総体的な健康、性別および食習慣;投与の時間、投与の経路、および採用される具体的な活性成分の排出速度;処置の期間;採用される具体的な活性成分と組み合わせて、またはこれと同時に使用される薬物;および、医療分野において周知な同種の因子を包含する多様な因子に依存するであろう。
本明細書に提供される化合物および組成物は、経腸(例として、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末剤、軟膏剤、クリーム剤、および/または点滴剤によるとおり)、粘膜、経鼻、口腔内、舌下を包含する、いずれの経路によって;気管内注入、気管支注入、および/または吸入によって;および/または経口スプレー、鼻腔スプレー、および/またはエアロゾルとして、投与され得る。具体的に企図される経路は、経口投与、静脈内投与(例として、全身静脈内注射)、血液および/またはリンパ供給を介した局部投与、および/または患部への直接投与である。一般には、投与の最も適切な経路は、剤の性質(例として、胃腸管の環境においてのその安定性)、および/または対象の状態(例として、対象が経口投与を忍容できるかどうか)を包含する多様な因子に依存するであろう。
有効量を達成するために要求される化合物の正確な量は、例えば、対象の種、年齢、および総体的な状態、副作用または障害の重症度、特定の化合物(単数または複数)の固有性、投与の様式等に依存して、対象毎に変動するであろう。所望の投薬量は、1日につき3回、1日につき2回、1日につき1回、1日おきに、2日おきに、毎週、隔週、3週毎に、または4週毎に、送達され得る。ある態様において、所望の投薬量は、複数回投与(例として、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、またはそれより多くの投与)を使用して送達され得る。有効量は、単回用量(例として、単回経口用量)または複数回用量(例として、複数回経口用量)において包含されてもよい。ある態様において、複数回用量が対象へ投与されるかまたは組織または細胞へ適用されるとき、複数回用量のいずれか2つの用量は、本明細書に記載の化合物の、異なるかまたは実質的に同じ量を包含する。ある態様において、複数回用量が対象へ投与されるかまたは組織または細胞へ適用されるとき、複数回用量を対象へ投与するかまたは複数回用量を組織または細胞へ適用する頻度は、1日につき3用量、1日につき2用量、1日につき1用量、1日おきに1用量、2日おきに1用量、毎週1用量、隔週1用量、3週毎に1用量、または4週毎に1用量である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与するかまたは複数回用量を組織または細胞へ適用する頻度は、1日あたり1用量である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与するかまたは複数回用量を組織または細胞へ適用する頻度は、1日あたり2用量である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与するかまたは複数回用量を組織または細胞へ適用する頻度は、1日あたり3用量である。ある態様において、複数回用量が対象に投与されるかまたは組織または細胞へ適用されるとき、複数回用量の初回用量と終回用量との間の期間は、1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、6カ月、9カ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、または対象、組織、または細胞の寿命である。ある態様において、複数回用量の初回用量と終回用量との間の期間は、3カ月、6カ月、または1年である。ある態様において、複数回用量の初回用量と終回用量との間の期間は、対象、組織、または細胞の寿命である。ある態様において、本明細書に記載の用量(例として、単回用量、または複数回用量のいずれかの用量)は独立して、本明細書に記載の化合物の、0.1μgと1μgとの間(両端を含む)、0.001mgと0.01mgとの間、0.01mgと0.1mgとの間、0.1mgと1mgとの間、1mgと3mgとの間、3mgと10mgとの間、10mgと30mgとの間、30mgと100mgとの間、100mgと300mgとの間、300mgと1,000mgとの間、または1gと10gとの間を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載の化合物の1mgと3mgとの間(両端を含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載の化合物の3mgと10mgとの間(両端を含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載の化合物の10mgと30mgとの間(両端を含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載の化合物の30mgと100mgとの間(両端を含む)を包含する。
ある態様において、本明細書に記載の用量は、体重が70kgである成人に対する用量である。ある態様において、70kgの成人に対する1日につき1回以上の投与のための化合物の有効量は、単位剤形あたりの化合物の、約0.0001mg〜約3000mg、約0.0001mg〜約2000mg、約0.0001mg〜約1000mg、約0.001mg〜約1000mg、約0.01mg〜約1000mg、約0.1mg〜約1000mg、約1mg〜約1000mg、約1mg〜約100mg、約10mg〜約1000mg、または約100mg〜約1000mgを含んでもよい。
ある態様において、式(I)で表される化合物は、所望の治療効果を得るために、1日につき1回以上、1日あたり対象の体重の、約0.001mg/kgから約100mg/kgまで、約0.01mg/kgから約50mg/kgまで、好ましくは約0.1mg/kgから約40mg/kgまで、好ましくは約0.5mg/kgから約30mg/kgまで、約0.01mg/kgから約10mg/kgまで、約0.1mg/kgから約10mg/kgまで、より好ましくは約1mg/kgから約25mg/kgまでを送達するのに充分な投薬量レベルにて、であってもよい。
本明細書に記載のとおりの用量範囲は、提供される医薬組成物の、成体への投与のための指針を提供することが解されるであろう。例えば、小児または青年へ投与されるべき量は、医師または当業者によって決定され得、成体へ投与されるより少ないか、または同じであり得る。
本明細書に記載のとおりの化合物または組成物は、1以上の追加の医薬品と組み合わせて投与され得ることもまた、解されるであろう。化合物または組成物は、それらの生物学的利用能を改善する、それらの代謝を減少および/または改変する、それらの排出を阻害する、および/または体内のそれらの分布を改変する、追加の医薬品と組み合わせて投与され得る。採用される治療は、同じ障害に対して所望の効果を達成してもよいこと、および/またはそれは、異なる効果を達成してもよいこともまた、解されるであろう。
化合物または組成物は、例として、併用治療として有用であり得る、1以上の追加の医薬品と同時に、これに先立ち、またはこれに続いて、投与され得る。医薬剤は、治療的に活性な剤を包含する。医薬品はまた、予防的に活性な剤も包含する。各々の追加の医薬品は、その医薬品について決定された用量にておよび/または日程で、投与されてもよい。追加の医薬品はまた、単回用量において、互いとともにおよび/または本明細書に記載の化合物または組成物とともに投与されてもよく、または異なる用量において、別個に投与されてもよい。レジメンに採用される特定の組み合わせは、本発明の化合物の、追加の医薬品との適合性、および/または達成されるべき所望の治療的および/または予防的効果を考慮するであろう。一般に、組み合わせにおける追加の医薬品は、これらが個々に利用されるレベルを超えないレベルにて利用されることが予期される。いくつかの態様において、組み合わせにおいて利用されるレベルは、個々に利用されるレベルより低いものであろう。
例示的な追加の医薬品は、これらに限定されないが、抗増殖剤、抗がん剤、抗糖尿病剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、および鎮痛剤を包含する。医薬品は、薬物化合物(例として、米国食品医薬品局によって承認され、米国連邦規則集(CFR)に提供されるとおりの化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に連結された小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞などの小有機分子を包含する。ある態様において、追加の医薬品は、細胞毒性薬、エピジェネティックまたは転写モジュレーター(例として、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)、リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤)、細胞***抑制薬(例として、タキサンおよびビンカアルカロイド)、ホルモン受容体モジュレーター(例として、エストロゲン受容体モジュレーターおよびアンドロゲン受容体モジュレーター)、細胞シグナリング経路阻害剤(例として、チロシンタンパク質キナーゼ阻害剤)、タンパク質安定性のモジュレーター(例として、プロテアソーム阻害剤)、Hsp90阻害剤、グルココルチコイド、全トランス型レチノイン酸、および分化を促進する他の剤からなる群から選択される。ある態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、これらに限定されないが、外科手術、放射線治療、移植(例として、幹細胞移植、骨髄移植)、免疫治療、および化学治療を包含する抗がん治療と組み合わせて施され得る。
本発明によって網羅されるのはまた、キット(例として、医薬パック(pharmaceutical packs))もある。本発明のキットは、増殖性疾患(例として、がん(例として、白血病、リンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、***がん、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳がん、神経芽細胞腫、肺がん)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、または自己免疫疾患)を予防するかおよび/または処置するのに有用であり得る。提供されるキットは、発明性のある医薬組成物または化合物および容器(例として、バイアル、アンプル、瓶、シリンジ、および/またはディスペンサーパッケージ(dispenser package)、または他の好適な容器)を含んでもよい。いくつかの態様において、提供されるキットは任意にさらに、発明性のある医薬組成物または化合物の希釈または懸濁のための医薬賦形剤を含む第2容器を包含する。いくつかの態様において、容器および第2容器において提供される本発明の医薬組成物または化合物は、組み合わされて、1単位の剤形を形成する。
それゆえに、一側面において、提供されるのは、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグ、またはその医薬組成物を含む第1容器を包含するキットである。ある態様において、本発明のキットは、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、またはその医薬組成物を含む第1容器を包含する。ある態様において、キットは、対象における増殖性疾患を予防するかおよび/または処置するのに有用である。ある態様において、キットはさらに、増殖性疾患を予防するかおよび/または処置するために、本化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグ、またはその医薬組成物を、対象へ投与するための指示を包含する。
処置の方法および使用
本発明はまた、対象における増殖性疾患(例として、がん、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、自己炎症性疾患、または自己免疫疾患)または感染性疾患(例として、ウイルス性疾患)の処置または予防のための方法も提供する。
ある態様において、処置されている対象は、哺乳動物である。ある態様において、対象は、ヒトである。ある態様において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜化された動物である。ある態様において、対象は、イヌまたはネコなどの愛玩動物である。ある態様において、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜動物である。ある態様において、対象は、動物園の動物である。別の態様において、対象は、齧歯動物、イヌ、または非ヒト霊長目の動物などの研究動物(a research animal)である。ある態様において、対象は、トランスジェニックマウスまたはトランスジェニックブタなどの非ヒトトランスジェニック動物である。
式(I)で表される化合物を使用して処置または予防されるべき増殖性疾患は、キナーゼの過剰発現に関連することがある。式(I)で表される化合物を使用して処置または予防されるべき増殖性疾患は、キナーゼの異常な活性に関連することがある。ある態様において、キナーゼは、脂質キナーゼである。ある態様において、脂質キナーゼは、PIPキナーゼである。ある態様において、PIPKは、PIP4Kであり、脂質ホスファチジルイノシトール−5−ホスファート(PI−5−P)の4位でのリン酸化を触媒することで、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスホスファート(PI−4,5−P2)を産出する。いくつかの態様において、PIP4Kは、クラスIのPIP4K、すなわちPIP4K1である。いくつかの態様において、PIP4Kは、クラスIIのPIP4K、すなわちPIP4K2である。いくつかの態様において、PIP4K2は、PIP4K2Aタンパク質である。いくつかの態様において、PIP4K2は、PIP4K2Bタンパク質である。いくつかの態様において、PIP4K2は、PIP4K2Cタンパク質である。
ある態様において、キナーゼは、タンパク質キナーゼである。ある態様において、タンパク質キナーゼは、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)である。真核細胞***のプロセスは、広く、G1、S、G2、およびMと称される一連の連続相に広く分けられる。細胞周期の種々の相を通しての正しい進行は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)として知られるタンパク質のファミリー、およびサイクリンと称されるこれら同族タンパク質のパートナーの多様な集合の、空間的および時間的な調節に決定的に依存することが示されている。CDKは、配列依存的な状況において多様なポリペプチドのリン酸化における基質としてATPを利用することができる、CDC2(別名CDK1)に相同のセリン−スレオニンキナーゼタンパク質である。サイクリンは、「サイクリンボックス」と称され、およそ100アミノ酸を含有し、相同領域により特徴付けられるタンパク質のファミリーである。前記「サイクリンボックス」は、特異的なCDKパートナータンパク質に対して結合し、これについての選択性を定義することにおいて使用される。ある態様において、CDKは、CDK7である。ある態様において、CDKは、CDK12である。ある態様において、CDKは、CDK13である。
ある態様において、増殖性疾患は、CDK(例として、CDK7)の異常な活性に関連することがある。CDK(例として、CDK7)の異常な活性は、CDKの上昇したおよび/または不適切な活性であってもよい。細胞周期の進行の調節解除は、増殖性疾患の特徴であり、増殖性疾患の大部分は、しばしばCDKの上昇したおよび/または不適切な活性化により、CDK(例として、CDK7)のある構成要素の活性が、正常ではない。CDK7の触媒活性の阻害は、細胞周期CDKのリン酸化を遮断することにより、細胞周期の進行を阻害すると予期され、加えて、細胞***のエフェクターの転写を阻害するであろう。ある態様において、CDK7は、過剰発現されず、CDK7の活性は、上昇しているか、および/または不適切である。他のある態様において、CDK7は、過剰発現され、CDK7の活性は、上昇しているか、および/または不適切である。式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグ、および組成物は、CDK7の活性を阻害し得、増殖性疾患を処置するかおよび/または予防するのに有用であり得る。
他の態様において、式(I)で表される化合物を使用して処置または予防されるべき増殖性疾患は典型的には、CDK12の異常な活性に関連するであろう。CDK12の異常な活性は、CDK12の、上昇したおよび/または不適切な(例として、正常でない)活性であり得る。ある態様において、CDK12は、過剰発現されておらず、CDK12の活性は、上昇しているかおよび/または不適切である。他のある態様において、CDK12は、過剰発現されており、CDK12の活性は、上昇しているかおよび/または不適切である。式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、および組成物は、CDK12の活性を阻害し得、増殖性疾患を処置するかおよび/または予防するのに有用であり得る。
他の態様において、式(I)で表される化合物を使用して処置または予防されるべき増殖性疾患は典型的には、CDK13の異常な活性と関連するであろう。CDK13の異常な活性は、CDK13の、上昇したおよび/または不適切な(例として、正常でない)活性であり得る。ある態様において、CDK13は、過剰発現されておらず、CDK13の活性は、上昇しているかおよび/または不適切である。他のある態様において、CDK13は、過剰発現されており、CDK13の活性は、上昇しているかおよび/または不適切である。式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、および組成物は、CDK13の活性を阻害し得、増殖性疾患を処置するかおよび/または予防するのに有用であり得る。
ある態様において、式(I)で表される化合物を使用して処置または予防されるべき増殖性疾患は、がんである。本明細書において開示されているかまたは当該技術分野において知られているすべてのタイプのがんは、本発明の範囲内であるものとして企図される。いくつかの態様において、がんは、1以上の突然変異を有する。ある態様において、がんは、EGFRの突然変異を有する。ある態様において、がんは、TP53の突然変異を有する。ある態様において、がんは、TP53の突然変異の損失(loss of TP53 mutation)を有する。ある態様において、がんは、KRASの突然変異を有する。ある態様において、がんは、ALKの突然変異を有する。ある態様において、増殖性疾患は、BCL−2抗アポトーシスタンパク質(例として、MCL−1および/またはXIAP)への依存に関連するがんである。ある態様において、増殖性疾患は、BCL−2抗アポトーシスタンパク質(例として、MCL−1および/またはXIAP)への依存に関連するがんである。ある態様において、増殖性疾患は、MYC(転写因子をコードする遺伝子)の過剰発現に関連するがんである。ある態様において、がんは、MYC依存性のがんである。ある態様において、増殖性疾患は、BRCA1の増幅に関連するがんである。ある態様において、増殖性疾患は、HER2の増幅に関連するがんである。ある態様において、増殖性疾患は、血液学的悪性疾患である。ある態様において、増殖性疾患は、血液のがんである。ある態様において、増殖性疾患は、血液学的悪性疾患である。ある態様において、増殖性疾患は、白血病である。ある態様において、増殖性疾患は、慢性リンパ球性白血病(CLL)である。ある態様において、増殖性疾患は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。ある態様において、増殖性疾患は、T細胞急性リンパ芽球性白血病(T−ALL)である。ある態様において、増殖性疾患は、慢性骨髄性白血病(CML)である。ある態様において、増殖性疾患は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある態様において、増殖性疾患は、急性単球性白血病(AMoL)である。ある態様において、増殖性疾患は、リンパ腫である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、バーキットリンパ腫である。ある態様において、増殖性疾患は、ホジキンリンパ腫である。ある態様において、増殖性疾患は、非ホジキンリンパ腫である。ある態様において、増殖性疾患は、多発性骨髄腫である。ある態様において、増殖性疾患は、メラノーマである。ある態様において、増殖性疾患は、***がんである。ある態様において、増殖性疾患は、三種陰性***がん(TNBC)である。ある態様において、増殖性疾患は、骨がんである。ある態様において、増殖性疾患は、骨肉腫である。ある態様において、増殖性疾患は、ユーイング肉腫である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、脳がんである。いくつかの態様において、増殖性疾患は、神経芽細胞腫である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、肺がんである。いくつかの態様において、肺がんは、1以上の突然変異を有する。ある態様において、肺がんは、EGFRの突然変異を有する。ある態様において、肺がんは、TP53の突然変異を有する。ある態様において、肺がんは、TP53の突然変異の損失を有する。ある態様において、肺がんは、KRASの突然変異を有する。ある態様において、肺がんは、ALKの突然変異を有する。いくつかの態様において、増殖性疾患は、小細胞肺がん(SCLC)である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、非小細胞肺がんである。いくつかの態様において、増殖性疾患は、良性新生物である。本明細書において開示されているかまたは当該技術分野において知られているすべてのタイプの良性新生物は、本発明の範囲内であるものとして企図される。いくつかの態様において、増殖性疾患は、血管新生に関連する。本明細書において開示されているかまたは当該技術分野において知られているすべてのタイプの血管新生は、本発明の範囲内であるものとして企図される。ある態様において、増殖性疾患は、炎症性疾患である。本明細書において開示されているかまたは当該技術分野において知られているすべてのタイプの炎症性疾患は、本発明の範囲内であるものとして企図される。ある態様において、炎症性疾患は、関節リウマチである。ある態様において、増殖性疾患は、急性炎症性疾患である。ある態様において、急性炎症性疾患は、リウマチ性関節炎、クローン病、または線維症である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、自己炎症性疾患である。本明細書において開示されているかまたは当該技術分野において知られているすべてのタイプの自己炎症性疾患は、本発明の範囲内であるものとして企図される。いくつかの態様において、増殖性疾患は、自己免疫性疾患である。本明細書において開示されているかまたは当該技術分野において知られているすべてのタイプの自己免疫性疾患は、本発明の範囲内であるものとして企図される。
ある態様において、式(I)で表される化合物を使用して処置または予防されるべき感染性疾患は、ウイルス性疾患である。かかるウイルス感染は、2012年4月11日に出願された米国仮特許出願U.S.S.N. 61/622,828、および2013年5月15日に出願され、2011年10月17日に公開された国際PCT出願PCT/US2013/032488(これら各々は、その全体を参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
本明細書に記載の細胞は、正常でない細胞であってもよい。細胞は、in vitroまたはin vivoであってもよい。ある態様において、細胞は、増殖性の細胞である。ある態様において、細胞は、血液細胞である。ある態様において、細胞は、リンパ球である。ある態様において、細胞は、B細胞である。ある態様において、細胞は、T細胞である。ある態様において、細胞は、がん細胞である。ある態様において、細胞は、白血病の細胞である。ある態様において、細胞は、CLLの細胞である。ある態様において、細胞は、メラノーマの細胞である。ある態様において、細胞は、多発性骨髄腫の細胞である。ある態様において、細胞は、良性新生物の細胞である。ある態様において、細胞は、内皮細胞である。ある態様において、細胞は、免疫細胞である。
別の側面において、本発明は、生体試料または対象におけるキナーゼ(例として、PIPK(例として、PIP4K2A、PIP4K2B、またはPIP4K2Cタンパク質)酵素などの脂質キナーゼまたはCDK(例として、CDK7、CDK1、CDK2、CDK5、CDK8、CDK9、CDK12、CDK13)酵素などのタンパク質キナーゼ)の活性をモジュレートする方法を提供する。ある態様において、キナーゼの活性は、キナーゼの異常な活性である。ある態様において、キナーゼの活性の阻害は、不可逆的である。他の態様において、キナーゼの活性の阻害は、可逆的である。ある態様において、キナーゼの活性を阻害する方法は、式(I)で表される化合物をキナーゼへ付着させることを包含する。
本発明に提供されるのはまた、生体試料または対象における転写を阻害する方法もある。
本発明はまた、生体試料または対象における細胞成長を阻害する方法も提供する。
ある態様において、本明細書に記載の方法は、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグ、またはその医薬組成物の有効量を、対象へ投与すること、またはこれに生体試料を接触させることを包含する。ある態様において、本明細書に記載の方法は、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、またはその医薬組成物の有効量を、対象へ投与すること、またはこれに生体試料を接触させることを包含する。ある態様において、化合物は、生体試料に接触させられる。ある態様において、化合物は、対象へ投与される。
ある態様において、化合物は、本明細書に記載の1以上の追加の医薬品と組み合わせて投与される。追加の医薬品は、抗増殖剤であってもよい。ある態様において、追加の医薬品は、抗がん剤である。ある態様において、追加の医薬品は、抗白血病剤である。ある態様において、追加の医薬品は、ABITREXATE(メトトレキサート)、ADE、Adriamycin RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、Ambochlorin(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、ARZERRA(オファツムマブ)、BOSULIF(ボスチニブ)、BUSULFEX(ブスルファン)、CAMPATH(アレムツズマブ)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CLOFAREX(クロファラビン)、CLOLAR(クロファラビン)、CVP、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、ERWINAZE(Asparaginase Erwinia Chrysanthemi)、FLUDARA(フルダラビンリン酸エステル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、GAZYVA(オビヌツズマブ)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、Hyper-CVAD、ICLUSIG(ポナチニブ塩酸塩)、IMBRUVICA(イブルチニブ)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、MARQIBO(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、ミトキサントロン塩酸塩、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MYLERAN(ブスルファン)、NEOSAR(シクロホスファミド)、ONCASPAR(ペグアスパラガーゼ)、PURINETHOL(メルカプトプリン)、PURIXAN(メルカプトプリン)、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、SYNRIBO(オマセタキシンメペスクシナート)、TARABINE PFS(シタラビン)、TASIGNA(ニロチニブ)、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、TRISENOX(三酸化ヒ素)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、抗リンパ腫剤である。ある態様において、追加の医薬品は、ABITREXATE(メトトレキサート)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、ADCETRIS(ブレンツキシマブベドチン)、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRIAMYCIN RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、AMBOCHLORIN(クロラムブシル)、AMBOCLORIN(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、BEACOPP、BECENUM(カルムスチン)、BELEODAQ(ベリノスタット)、BEXXAR(トシツモマブおよびヨウ素I131トシツモマブ)、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CARMUBRIS(カルムスチン)、CHOP、CLAFEN(シクロホスファミド)、COPP、COPP-ABV、CVP、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DEPOCYT(シタラビンリポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EPOCH、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLOTYN(プララトレキサート)、HYPER-CVAD、ICE、IMBRUVICA(イブルチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ−2b)、ISTODAX(ロミデプシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、ロムスチン、MATULANE(プロカルバジン塩酸塩)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MOPP、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、OEPA、ONTAK(デニロイキンディフティトックス)、OPPA、R-CHOP、REVLIMID(レナリドミド)、RITUXAN(リツキシマブ)、STANFORD V、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、VAMP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZEVALIN(イブリツモマブチウキセタン)、ZOLINZA(ボリノスタット)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、抗骨髄異形成剤である。ある態様において、追加の医薬品は、REVLIMID(レナリドミド)、DACOGEN(デシタビン)、VIDAZA(アザシチジン)、CYTOSAR-U(シタラビン)、IDAMYCIN(イダルビシン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン)、またはその組み合わせである。
ある態様において、追加の医薬品は、抗マクログロブリン血症剤である。
ある態様において、追加の医薬品は、LEUKERAN(クロラムブシル)、NEOSAR(シクロホスファミド)、FLUDARA(フルダラビン)、LEUSTATIN(クラドリビン)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、ABITREXATE(メトトレキサート)、ABRAXANE(アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤)、AC、AC-T、ADE、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRUCIL(フルオロウラシル)、AFINITOR(エベロリムス)、AFINITOR DISPERZ(エベロリムス)、ALDARA(イミキモド)、ALIMTA(ペメトレキセド二ナトリウム)、AREDIA(パミドロン酸二ナトリウム)、ARIMIDEX(アナストロゾール)、AROMASIN(エキセメスタン)、AVASTIN(ベバシズマブ)、BECENUM(カルムスチン)、BEP、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CAF、CAMPTOSAR(イリノテカン塩酸塩)、CAPOX、CAPRELSA(バンデタニブ)、CARBOPLATIN-TAXOL、CARMUBRIS(カルムスチン)、CASODEX(ビカルタミド)、CEENU(ロムスチン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CERVARIX(組み換え体HPV二価ワクチン)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CMF、COMETRIQ(カボザンチニブ−s−リンゴ酸塩)、COSMEGEN(ダクチノマイシン)、CYFOS(イホスファミド)、CYRAMZA(ラムシルマブ)、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DACOGEN(デシタビン)、DEGARELIX、DOXIL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DOXORUBICIN HYDROCHLORIDE、DOX-SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EFUDEX(フルオロウラシル)、ELLENCE(エピルビシン塩酸塩)、ELOXATIN(オキサリプラチン)、ERBITUX(セツキシマブ)、ERIVEDGE(ビスモデギブ)、ETOPOPHOS(リン酸エトポシド)、EVACET(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、FARESTON(トレミフェン)、FASLODEX(フルベストラント)、FEC、FEMARA(レトロゾール)、FLUOROPLEX(フルオロウラシル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、FU-LV、GARDASIL(組み換え体ヒトパピローマウイルス(HPV)四価ワクチン)、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、GEMZAR(ゲムシタビン塩酸塩)、GILOTRIF(アファチニブ二マレイン酸塩)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、GLIADEL(カルムスチンインプラント)、GLIADEL WAFER(カルムスチンインプラント)、HERCEPTIN(トラスツズマブ)、HYCAMTIN(トポテカン塩酸塩)、IFEX(イホスファミド)、IFOSFAMIDUM(イホスファミド)、INLYTA(アキシチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ−2b)、IRESSA(ゲフィチニブ)、IXEMPRA(イキサベピロン)、JAKAFI(ルキソリチニブリン酸塩)、JEVTANA(カバジタキセル)、KADCYLA(ado-トラスツズマブエムタンシン)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、KYPROLIS(カルフィルゾミブ)、LIPODOX(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、LUPRON(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-3 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-4 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-PED(酢酸ロイプロリド)、MEGACE(酢酸メゲストロール)、MEKINIST(トラメチニブ)、METHAZOLASTONE(テモゾロミド)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MITOXANTRONE HYDROCHLORIDE、MITOZYTREX(マイトマイシンc)、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MUTAMYCIN(マイトマイシンc)、MYLOSAR(アザシチジン)、NAVELBINE(ビノレルビン酒石酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、NEXAVAR(ソラフェニブトシル酸塩)、NOLVADEX(タモキシフェンクエン酸塩)、NOVALDEX(タモキシフェンクエン酸塩)、OFF、PAD、PARAPLAT(カルボプラチン)、PARAPLATIN(カルボプラチン)、PEG-INTRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、PEMETREXED DISODIUM、PERJETA(ペルツズマブ)、PLATINOL(シスプラチン)、PLATINOL-AQ(シスプラチン)、POMALYST(ポマリドミド)、プレドニゾン、PROLEUKIN(アルデスロイキン)、PROLIA(デノスマブ)、PROVENGE(シプリューセル−t)、REVLIMID(レナリドミド)、RUBIDOMYCIN(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、STIVARGA(レゴラフェニブ)、SUTENT(スニチニブリンゴ酸塩)、SYLATRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、SYLVANT(シルツキシマブ)、SYNOVIR(サリドマイド)、TAC、TAFINLAR(ダブラフェニブ)、TARABINE PFS(シタラビン)、TARCEVA(エルロチニブ塩酸塩)、TASIGNA(ニロチニブ)、TAXOL(パクリタキセル)、TAXOTERE(ドセタキセル)、TEMODAR(テモゾロミド)、THALOMID(サリドマイド)、TOPOSAR(エトポシド)、TORISEL(テムシロリムス)、TPF、TRISENOX(三酸化ヒ素)、TYKERB(ラパチニブ二トシル酸塩)、VECTIBIX(パニツムマブ)、VEIP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VEPESID(エトポシド)、VIADUR(酢酸ロイプロリド)、VIDAZA(アザシチジン)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、VOTRIENT(パゾパニブ塩酸塩)、WELLCOVORIN(ロイコボリンカルシウム)、XALKORI(クリゾチニブ)、XELODA(カペシタビン)、XELOX、XGEVA(デノスマブ)、XOFIGO(塩化ラジウム223)、XTANDI(エンザルタミド)、YERVOY(イピリムマブ)、ZALTRAP(ziv-アフリベルセプト)、ZELBORAF(ベムラフェニブ)、ZOLADEX(ゴセレリン酢酸塩)、ZOMETA(ゾレドロン酸)、ZYKADIA(セリチニブ)、ZYTIGA(酢酸アビラテロン)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤である。ある態様において、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、Vorinostat(SAHA)、ITF2357、またはPXD-101などのヒドロキサム酸、デプシペプチドなどの環式のペプチド、MS-275などのベンズアミド、またはバルプロ酸またはAN-9などの脂肪酸である。
ある態様において、追加の医薬品は、脂質キナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、PIP4Kの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、PIP4K2の阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、PIP4K2Aの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、PIP4K2Bの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、PIP4K2Cの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、タンパク質キナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、CDKの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、CDK7の阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、CDK12の阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、CDK13の阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、フラボピリドール、トリプトリド、SNS-032(BMS-387032)、PHA-767491、PHA-793887、BS-181、(S)-CR8、(R)-CR8、またはNU6140である。ある態様において、追加の医薬品は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)の阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)の阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、AGCキナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、CaMキナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、カゼインキナーゼ1の阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、STEキナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、チロシンキナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、IRAK1、IRAK4、BMX、およびPI3Kからなる群から選択される1以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、BUB1B、CDK2、CDK9、CHEK2、FGR、HIPK4、PRKCQ、RET、SRCまたはMELKからなる群から選択される1以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、ABL、ARG、BLK、CSK、EphB1、EphB2、FGR、FRK、FYN、SRC、YES、LCK、LYN、MAP2K5、NLK、p38a、SNRKおよびTECからなる群から選択される1以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、FGR、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1(Y253F)、非リン酸化型ABL1、FRK、LYN、非リン酸化型ABL1(Q252H)、DDR1、EPHB1、ERBB4、p38−アルファ、ABL2、リン酸化型ABL1(Q252H)、SIK、EPHA8、MEK5、リン酸化型ABL1(E255K)、非リン酸化型ABL1(F317L)、FYN、LCK、EPHA2、リン酸化型ABL1(M351T)、TXK、EGFR(L858R)、EGFR(L861Q)、ERBB2、ERBB3、EPHA5、非リン酸化型ABL1(F317I)、EGFR(L747−E749del,A750P)、CSK、EPHA1、リン酸化型ABL1(F317L)、BRAF(V600E)、EGFR、自己阻害型KIT、およびEGFR(E746−A750del)からなる群から選択される1以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、非リン酸化型ABL1(F317L)、非リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、LYN、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1、リン酸化型ABL1(Y253F)、ERBB3、FGR、FRK、p38−アルファ、非リン酸化型ABL1(F317I)、DDR1、EPHA2、リン酸化型ABL1(Q252H)、MEK5、非リン酸化型ABL1(Q252H)、ABL2、FYN、EPHB1、リン酸化型ABL1(E255K)、リン酸化型ABL1(F317L)、EPHA1、リン酸化型ABL1(M351T)、ERBB4、TXK、LCK、EPHA8、SIK、EPHA5、EGFR(L861Q)、自己阻害型CSF1R、BRAF(V600E)、BRK、CSK、KIT(D816V)、自己阻害型KIT、EGFR(L747−T751del,Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L747−E749del,A750P)、およびCSF1Rからなる群から選択される1以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある態様において、追加の医薬品は、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、心血管剤、コレステロール降下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、鎮痛剤、またはその組み合わせである。ある態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、これらに限定されないが、移植(例として、骨髄移植、幹細胞移植)、外科手術、放射線治療、免疫治療、および化学治療を包含する抗がん治療と組み合わせて施され得る。
本発明の別の側面は、増殖性疾患の処置に、キナーゼ(例として、PIPKまたはCDK(例として、CDK7、CDK12、CDK13)酵素)の阻害に、細胞成長の阻害に、有用である1以上の化合物を同定するために、化合物のライブラリをスクリーニングする方法に関する。ある態様において、化合物のライブラリは、式(I)で表される化合物のライブラリである。ライブラリをスクリーニングする方法は、少なくとも2つの異なる式(I)で表される化合物、またはこれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグ、またはこれらの医薬組成物を提供すること;および、増殖性疾患に関連する1以上の特徴を検出するよう、異なる式(I)で表される化合物、またはこれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、またはプロドラッグ、またはこれらの医薬組成物を使用して、少なくとも1つのアッセイを実施することを包含する。ある態様において、ライブラリをスクリーニングする方法は、少なくとも2つの異なる式(I)で表される化合物、またはこれらの薬学的に許容し得る塩、またはこれらの医薬組成物を提供すること;および、増殖性疾患に関連する1以上の特徴を検出するよう、異なる式(I)で表される化合物、またはこれらの薬学的に許容し得る塩、またはこれらの医薬組成物を使用して、少なくとも1つのアッセイを実施することを包含する。検出されるべき特徴は、増殖性疾患に関連する所望の特徴であり得る。ある態様において、所望の特徴は、抗増殖である。ある態様において、所望の特徴は、抗がんである。ある態様において、所望の特徴は、キナーゼの阻害である。ある態様において、所望の特徴は、脂質キナーゼの阻害である。ある態様において、所望の特徴は、PIPKの阻害である。ある態様において、所望の特徴は、PIP4Kの阻害である。ある態様において、所望の特徴は、PIP4K2の阻害である。ある態様において、所望の特徴は、PIP4K2Aの阻害である。ある態様において、所望の特徴は、PIP4K2Bの阻害である。ある態様において、所望の特徴は、PIP4K2Cの阻害である。ある態様において、所望の特徴は、タンパク質キナーゼの阻害である。ある態様において、所望の特徴は、CDKの阻害である。ある態様において、所望の特徴は、CDK7の阻害である。ある態様において、所望の特徴は、CDK12の阻害である。ある態様において、所望の特徴は、CDK13の阻害である。ある態様において、所望の特徴は、PIPKまたはCDKなどのキナーゼの下方調節である。
例
本明細書に記載の発明がより完全に理解され得るために、以下の例を記す。本出願に記載の合成例および生物学的例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物および方法を説明するために提示されるが、これらの範囲を限定するものとして、決して解釈されるべきではない。
化合物の合成
本明細書に提供される化合物は、以下の一般の方法および手順を使用し容易に利用可能な出発材料から調製することができる。例として、下のスキーム1を参照。典型的なまたは好ましいプロセスの条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比率、溶媒、圧力、等々)が与えられている場合であっても、別段述べられていない限り、他のプロセスの条件もまた使用することができることは解されるであろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変動し得るが、かかる条件は、ルーチンな最適化手順により当業者により決定することができる。加えて、当業者には明らかであろうが、従来の保護基は、ある官能基が、望ましくない反応を受けないようにするのに必要なことがある。特定の官能基に好適な保護基ならびに保護および脱保護に好適な条件の選択肢は、当該技術分野において周知である。例えば、多数の保護基、およびこれらの導入および除去は、Greene et al., Protecting Groups in Organic Synthesis, Second Edition, Wiley, New York, 1991、およびこれに引用されている参考文献に記載されている。
例1.(E)−N−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミドの合成
化合物8を、スキーム1において記載された方法または下に記載された方法に従って調製した。
5−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(化合物1)
例1において挙げられた化合物番号1〜8は、例1、および図2、3A〜3D、4A、4B、5A、および5Bへしか適用されない。ピリジン(100mL)中の5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(10g、50.7mmol)の溶液へ、ベンゼンスルホニルクロリド(44.8g、253.8mmol)を加えた。その結果得られた混合物を4h80℃まで加熱し、次いで真空下で濃縮した。残渣をEtOAc(300mL)で希釈した。溶液のpHを1M HClで3へ調整し、その結果得られた混合物をNaHCO3および水で洗浄した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(15g、88%)の表題の化合物(1)が淡黄色固体として供与された。MS m/z 339.19 [M+H]+。
1−(フェニルスルホニル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(化合物2)
1,4−ジオキサン(100mL)中の5−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(15g、44.5mmol)の溶液へ、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(13.5g、53.4mmol)、Pd(dppf)Cl2(1.6g、2.2mmol)およびKOAc(6.5g、66.7mmmol)を加えた。反応混合物をN2下12h100℃まで加熱した。その結果得られた混合物を乾燥するまで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(14g、82%)の表題の化合物(2)が淡黄色固体として供与された。MS m/z 385.26 [M+H]+。
5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(化合物3)
MeCNおよびH2O(20mL、4/1、v/v)中の1−(フェニルスルホニル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1g、2.6mmol)の溶液へ、4,6−ジクロロピリミジン(0.38g、2.6mmol)、NaHCO3(0.21g、2.6mmol)およびPd(PPh3)2Cl2(91mg、0.013mmol)を加えた。反応混合物をN2下12h90℃まで加熱した。次いで、その結果得られた混合物を室温にてEtOAc(100mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.8g、83%)の表題の化合物(3)が淡黄色固体として供与された。MS m/z 371.81 [M+H]+。
N1−(6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン(化合物4)
NMP(10mL)中の5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.5g、1.3mmの溶液へ、ベンゼン−1,3−ジアミン(0.72g、6.7mmol)を加えた。反応混合物を5h150℃まで加熱した。次いで、結果得られた混合物を室温にてEtOAc(150mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.3g、50%)の表題の化合物(4)が淡黄色固体として供与された。MS m/z 443.49 [M+H]+。
4−ニトロ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(化合物5)
DCM(10mL)中のN1−(6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン(0.3g、0.67mmol)の溶液へ、TEA(83.0mg、0.81mmol)および4−ニトロベンゾイルクロリド(151mg、0.81mmol)を、3分の間0℃にて加えた。次いで、結果得られた混合物をDCM(50mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.3g、75.0%)の表題の化合物(5)が淡黄色固体として供与された。MS m/z 592.60 [M+H]+。
4−アミノ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(化合物6)
MeOH(10mL)中の4−ニトロ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.3g、0.50mmol)の溶液へ、10% Pd/C(50mg)を加えた。反応混合物をH2のバルーン(a balloon of H2)下2h室温にて撹拌した。次いで、結果得られた混合物を、次いでセライトの小さなパッド(short pad of CELITE)に通して濾過した。濾過物を濃縮することで、(0.24g、84%)の表題の化合物(6)が淡黄色固体として供与された。MS m/z 562.60 [M+H]+。
(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(化合物7)
MeCN(10mL)中の4−アミノ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.24g、0.42mmol)の溶液へ、DIEA(66.7mg、0.51mmol)および(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(12.21mg、0.51mmol)を3分の間0℃にて加えた。次いで、2mLのジメチルアミン(THF中4.0M)を加えた。反応混合物を2h室温にて撹拌した。次いで、それを濃縮し、シリカゲルカラムによって精製することで、表題の化合物(7)(0.2g、71%)が淡黄色固体として供与された。MS m/z 673.76 [M+H]+。
(E)−N−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(化合物8)
1M NaOHおよび1,4−ジオキサン(6mL、1/1、v/v)中の(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.10g、0.14mmol)の溶液へ。反応混合物を4h室温にて撹拌した。次いで、溶液のpHを1M HCl7へ調整した。その結果得られた混合物を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、表題の化合物(6mg、8%)が淡黄色固体として供与された。MS m/z 533.60 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.90 (s, 1H), 9.74 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.83 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.58 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.40 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 6.36 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 3.22 (s, 2H), 2.28 (s, 6H)。
例2.THZ−CE−A−4−1の合成
N1−(6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)シクロヘキサン−1,3−ジアミン)
例2において挙げられた化合物番号1〜8は、例2へしか適用されない。NMP中の5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(2.0g、54mmol)の撹拌された懸濁液へ、シクロヘキサン−1,3−ジアミン(0.74g、65mmol)およびDIEA(0.85g、65mmol)を加え、溶液を次いで終夜150℃にて加熱した。溶液を室温まで冷却し、次いで300mLの酢酸エチルで希釈した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(50/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1g、収率42%)。
4−ニトロ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
遊離のアミン化合物(3)(0.7g、1.5mmol)のジクロロメタン溶液へ、4−ニトロベンゾイルクロリド(0.35g、1.2equiv)を加えた。1時間撹拌した後、溶媒を次いで除去し、粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(30/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.7g、収率75%)。
4−アミノ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
ニトロ化合物(5)(0.65g、1.1mmol)を酢酸エチル/メタノール(1:1、vol/vol、70ml)に溶解し、もたらされた懸濁液をPd/C(0.15g)で処置した。3回の窒素の置き換え後、反応混合物を終夜室温にて撹拌した。反応混合物をセライト上で濾過し、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油エーテル/酢酸エチル/NH3=(3/1/0.1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.4g、収率60%)。
(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)ベンズアミド
遊離のアミン化合物(6)(1.0g、1.76mmol)のジクロロメタン溶液へ、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸ヒドロクロリド(0.35g、2.11mmol)、DIEA(0.8g、6.16mmol)およびHATU(0.8g、2.11mol)を加えた。室温にて12時間撹拌した後、溶液を100mLの水で希釈し、ジクロロメタン(3×50ml)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、粗生成物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(50/1〜30/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.5g、収率30%)。
(E)−N−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)シクロヘキシル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
化合物8(0.1g)を1,4−ジオキサン(10.0mL)および1M NaOH溶液(3.0mL)に溶解した。溶液を6時間室温にて撹拌し、次いでクロロホルム/2−プロパノール(4/1、vol/vol、300mL)で抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(10/1〜5/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(10mg、収率10%)。M/Z 539.28 [M+H]+。
例3.THZ−CE−A−4−2の合成
3−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール
例3において挙げられた化合物番号1〜6は、例3へしか適用されない。THF(50mL)中の3−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(5.0g、14.87mmol)の撹拌された溶液へ、n−BuLi(2.5M、13mL)を、−98℃にて加え、5分間撹拌した。ホウ酸トリイソプロピル(3.37g、17.85mmol)を次いで、同じ温度にて滴加した。5分後、反応物をHCl水溶液(10%)でクエンチし、pHをNa2CO3(3.6g、29.74mmol)で6〜7へ調整し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金(1g)および4,6−ジクロロピリミジン(2.44g、16.36mmol)を直接加え、溶液を窒素下で終夜還流した。酢酸エチルおよび水を加え、反応混合物をセライト上で濾過した。酢酸エチル層をNa2SO4によって乾燥させ、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油エーテル/ジクロロメタン=(1/2)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(2.8g、収率51%)。
N1−(6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン
3−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(2)(1.4g、3.78mmol)およびベンゼン−1,3−ジアミン(0.82g、2.0equiv)を30mLのNMPに溶解した。DIEA(0.51g、3.89mmol)を加え、次いで溶液を終夜150℃にて加熱した。溶液を室温まで冷却し、300mLの酢酸エチルで希釈した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(10/1)を用いるフラッシュクラムトグラフィーによって得た(1.6g、収率95%)。
4−ニトロ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
遊離のアミン化合物(3)(1.6g、3.62mmol)のピリジン溶液へ、4−ニトロベンゾイルクロリド(0.74g、1.2equiv)を加えた。80℃にて3時間撹拌した後、溶液を室温まで冷却し、次いで水100mLで希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、粗生成物を次のステップへ直接使用した。
4−アミノ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
化合物(4)(2g、3.38mmol)を酢酸エチル/メタノール(4:1、vol/vol、70ml)に溶解し、もたらされた懸濁液をPd/C(0.3g)で処置した。3回の窒素の置き換え後、反応混合物を終夜室温にて撹拌した。反応混合物をセライト上で濾過し、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油エーテル/酢酸エチル/NH3=(3/1/0.1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1.4g、収率74%)。
(Z)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
乾燥されたアセトニトリル(60mL)中の遊離のアミノ化合物(5)(1.4g、2.5mmol)の溶液へ、ジクロロメタン(15mL)中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.4g、3mmol)および(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(0.55g、3mmol)を、0℃にて滴加した。5min撹拌した後、THF中のジメチルアミン(2M、25mL)の溶液を加え、反応混合物を次いで2時間室温にて撹拌した。溶液を100mLの水で希釈し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(20/1〜10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.4g、収率24%)。
(Z)−N−(3−((6−(1H−インドール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
1,4−ジオキサン(26.0mL)中の(Z)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(6)(0.4g、0.6mmol)の溶液へ、1M NaOH溶液(26.0mL)を10℃にて滴加し、次いで6時間室温にて撹拌した。クロロホルム/2−プロパノール(4/1、vol/vol、300mL)で抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(20/1〜10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.19g、収率60%)。MS m/z 532.24 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.73 (s, 1H), 10.50 (s, 1H), 10.19 (s, 1H), 9.55 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.27 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.15 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.83 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.59 - 7.44 (m, 2H), 7.37 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.34 - 7.26 (m, 2H), 7.24 - 7.09 (m, 2H), 6.81 (dt, J = 15.4, 6.2 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 3.37 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 2.39 (s, 6H)。
例4.THZ−CE−A−4−3の合成
5−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
例4において挙げられた化合物番号1〜7は、例4へしか適用されない。ピリジン(300mL)中の5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(50g、0.254mol)の溶液へ、ベンゼンスルホニルクロリド(224g、1.27mol)を加えた。もたらされた混合物を4時間85℃にて加熱し、次いで真空下で濃縮した。残渣をEtOAc(1500mL)で希釈した。溶液のpHを1M HClで3へ調整し、もたらされた混合物をNaHCO3および水で洗浄した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(85g、99.2%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
1−(フェニルスルホニル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
1,4−ジオキサン(560mL)中の5−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(70g、0.208mol)の溶液へ、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(63g、0.25mmol)、Pd(dppf)Cl2(7.5g、12.5mmol)、およびKOAc(98g、0.374mol)を加えた。もたらされた混合物をN2下12時間100℃にて加熱した。残渣を濃縮し、シリカゲルカラムによって精製することで(79.2g、99.0%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
1,4−ジオキサンおよびH2O(600mL、1/1、v/v)中の1−(フェニルスルホニル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(60g、0.156mol)の溶液へ、4,6−ジクロロピリミジン(25.6g、0.172mol)、Na2CO3(19.8g、0.187mol)、およびPd(PPh3)4(9g、7.8mmol)を加えた。もたらされた混合物をN2下2.5時間104℃にて加熱した。次いで、それを室温にてEtOAc(1500mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(42g、72.6%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された、
N1−(6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン
NMP(5mL)中の5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.85g、5mmol)の溶液へ、ベンゼン−1,3−ジアミン(1.1g、10mmol)を加えた。もたらされた混合物を8時間150℃にて加熱した。次いで、それを室温にてEtOAc(300mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(1g、46.0%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
3−ニトロ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
DCM(10mL)中のN1−(6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン(0.88g、2mmol)の溶液へ、DIEA(390mg、3mmol)および3−ニトロベンゾイルクロリド(0.45g、2.4mmol)を、5min 0℃にて加えた。次いで、それをDCM(100mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.8g、68.0%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
3−アミノ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
MeOH(30mL)中の3−ニトロ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.8g、1.35mmol)の溶液へ、Pd/C(100mg)を加えた。もたらされた混合物をH2下12時間室温にて撹拌した。次いで、それをセライトの小さなパッドに通して濾過し、シリカゲルカラムによって精製することで、(0.4g、53.0%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
(E)−3−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
DCM(20mL)中の3−アミノ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.4g、0.71mmol)の溶液へ、DIEA(0.2g、1.42mmol)および(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(0.26g、1.42mmol)を、30min 0℃にて加えた。次いで、THF(7mL)中の2.0Mジメチルアミンを加えた。もたらされた混合物を2時間室温にて撹拌した。次いで、それを濃縮し、シリカゲルカラムによって精製することで、(0.28g、59.0%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
(E)−N−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−3−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
4M NaOHおよび1,4−ジオキサン(5mL、1/1、v/v)中の(E)−3−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.28g、0.42mmol)の溶液を、4時間室温にて撹拌した。次いで、溶液のpHを1M HClで7へ調製し、もたらされた混合物を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(102mg、45.5%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。MS m/z 533.60 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.86 (s, 1H), 10.32 (s, 1H), 10.27 (s, 1H), 9.70 (s, 1H), 8.91 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.72 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.18 (t, J = 1.9 Hz, 2H), 7.90 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.58 - 7.55 (m, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.48 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.39 - 7.33 (m, 1H), 7.31 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 6.59 (dd, J = 3.4, 1.8 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 3.10 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 2.21 (s, 6H)。
例5.THZ−CE−A−4−4の合成
Tert−ブチル3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート
例5において挙げられた化合物番号1〜5は、例5へしか適用されない。5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(11g、30mmol)およびtert−ブチル3−アミノピペリジン−1−カルボキシラート(7.2g、36mmol)、DIEA(4.3g、33mmol)を200mLのNMPに溶解し、終夜110℃まで加熱した。反応混合物を水および酢酸エチルの中へ注いだ。固体を濾過し、濾過物を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(8g、50%)の表題の化合物が供与された。
6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−(ピペリジン−3−イル)ピリミジン−4−アミン
化合物(1)(8g、15mmol)を乾燥DCM(80mL)に溶解し、氷浴中のTFA(40mL)を加えた。もたらされた混合物を終夜室温にて撹拌した。濃縮によりTFAを除去することによって、表題の粗化合物が供与され、それを次のステップにおいて直接使用した。
(4−ニトロフェニル)(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン
DCM(50ml)中の化合物(2)(1.5g、3.45mmol)へ、TEA(0.42g、4.14mmol)および4−ニトロベンゾイルクロリド(0.77g、4.14mmol)を、0℃にて加えた。3時間撹拌した後、それをDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(1.2g、60%)の表題の化合物が供与された。
(4−アミノフェニル)(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン
メタノール(40mL)中の化合物(3)(1.2g、2mmol)へ、Pd/C(0.2g)を加え、もたらされた混合物を、H2下12時間室温にて撹拌した。次いで、それをセライトの小さなパッドに通して濾過し、シリカゲルカラムによって精製することで、(0.8g、73%)の表題の化合物が供与された。
(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(4−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボニル)フェニル)ブタ−2−エンアミド
化合物(4)(0.22g、0.4mmol)およびDIEA(0.08g、0.6mmol)を、0℃にて乾燥アセトニトリル10mLに溶解した。5mLのDCM中の(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(0.11g、0.6mmol)を、次いで加えた。5min撹拌した後、THF(2N、4mL)中のジメチルアミンの溶液を加え、溶液を1時間撹拌した。反応溶液をDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.17g、64%)の表題の化合物が供与された。
(E)−N−(4−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボニル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド
10mLの1,4−ジオキサン中の化合物(5)(0.17g、0.25mmol)へ、水酸化ナトリウムの1N水性溶液を加えた。溶液を4時間室温にて撹拌した。次いで、溶液のpHを4M HClで7.0へ調整した。溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(68mg、52%)の表題の化合物が供与された。MS m/z 525.26[M+H]。
例6.THZ−CE−A−4−5の合成
Tert−ブチル3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート
例6において挙げられた化合物番号1〜5は、例6へしか適用されない。密閉された管において、200mLのNMP中の5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(11g、30mmol)およびtert−ブチル3−アミノピペリジン−1−カルボキシラート(7.2g、36mmol)、DIEA(4.3g、33mmol)を、終夜110℃まで加熱した。反応混合物を次いで冷却し、水および酢酸エチルの中へ注いだ。溶液を濾過し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(8g、50%)の表題の化合物が供与された。
6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−(ピペリジン−3−イル)ピリミジン−4−アミン
化合物(1)(8g、15mmol)を乾燥DCM(80mL)に溶解し、氷浴中のTFA(40mL)を加えた。その結果得られた混合物を終夜室温にて撹拌した。濃縮によりTFAを除去することによって、表題の粗化合物が供与され、それを次のステップにおいて直接使用した。
N−(3−ニトロフェニル)−3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド
DCM(30mL)中のトリホスゲン(0.24g、0.8mmol)、TEA(0.71g、7mmol)の溶液へ、10mLのDCM中の3−ニトロアニリン(0.33g、2.4mmol)を加えた。混合物を0℃にて2時間撹拌し、DCM中の化合物(2)(0.87g、2mmol)の溶液を滴加した。反応溶液を終夜撹拌させた。室温まで冷却した後、生成物は固体として沈殿した(1g、収率83.3%)。
N−(3−アミノフェニル)−3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド
酢酸エチル/メタノール(4/1)(50mL)中の化合物(3)(1.29g、2.15mmol)、SnCl2(3.3g、17.24mmol)を終夜還流した。溶液を次いで室温まで冷却し、次いでクロロホルム/イソプロピルアルコール(4/1)で希釈した。溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、次いでセライトパッドによって濾過した。濾過物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア(20/1/0.1〜10/1/0.1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.9g、収率74%)。
(E)−N−(3−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)フェニル)−3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキサミド
アセトニトリル(18mL)中の化合物(4)(0.32g、0.56mmol)およびDIEA(0.11g、0.84mmol)の溶液へ、DCM(9mL)中の(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(0.154g、0.84mmol)を加えた。反応溶液を5min撹拌し、次いでTHF(6mL)中のジメチルアミンの2N溶液を加えた。1時間撹拌した後、溶液をDCMで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.26g、68%)の表題の化合物が供与された。
(E)−3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−N−(3−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)フェニル)ピペリジン−1−カルボキサミド
1,4−ジオキサン(15mL)中の化合物(5)(0.26g、0.38mmol)の溶液へ、1M NaOH溶液(15.0mL)を10℃にて滴加し、次いで溶液を4時間室温にて撹拌した。溶液をクロロホルム/2−プロパノール(4/1、vol/vol、100mL)で抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(20/1〜10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.06g、収率30%)。MS m/z 540.28[M+H]+。
例7.THZ−CE−A−4−6の合成
Tert−ブチル4−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート
例7において挙げられた化合物番号1〜5は、例7へしか適用されない。密閉された菅において、5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.925g、2.5mmol)およびtert−ブチル4−アミノピペリジン−1−カルボキシラート(1g、5mmol)、DIEA(0.48g、3.75mmol)を20mLのNMPに溶解し、溶液を終夜130℃まで加熱した。溶液を室温まで冷却し、次いで酢酸エチル(100mL)で希釈した。溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.72g、54%)の表題の化合物が供与された。
6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−(ピペリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン
乾燥CH2Cl2(8mL)中の化合物(1)(0.72g、1.34mmol)の溶液へ、氷浴中のTFA(4mL)を加え、混合物を3時間室温にて撹拌した。TFAを次いで減圧下で除去した。残渣を次いでCH2Cl2に再び溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。溶液を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮することで、(0.52g、90%)の表題の化合物が粗製物として供与された。
(4−ニトロフェニル)(4−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン
CH2Cl2(25mL)中の化合物(2)(0.72g、1.657mmol)の溶液へ、TEA(0.2g、1.99mmol)および4−ニトロベンゾイルクロリド(0.37g、1.99mmol)を加え、溶液を4時間0℃にて撹拌した。反応溶液を濾過することで固体が与えられ、それを石油エーテルによって洗浄することで化合物が粗製物として与えられた(0.9g、収率93%)。
(4−アミノフェニル)(4−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)メタノン
酢酸エチル/メタノール(4/1)(50mL)中のニトロ化合物(3)(0.9g、1.54mmol)、SnCl2(2.34g、12.34mmol)を撹拌し、終夜還流した。反応溶液を次いでクロロホルム/イソプロピルアルコール(4:1)で希釈し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。溶液を次いで濾過し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア(20/1/0.1〜10/1/0.1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.7g、収率82%)。
(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(4−(4−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボニル)フェニル)ブタ−2−エンアミド
乾燥させたアセトニトリル(18mL)中の遊離のアミノ化合物(4)(0.4g、0.72mmol)の溶液へ、ジクロロメタン(9mL)中のDIEA(0.14g、1.08mmol)および(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(0.2g、1.08mmol)を0℃にて滴加した。5min撹拌した後、THF中のジメチルアミン(2M、25mL)の溶液を加え、反応混合物を次いで2時間室温にて撹拌した。溶液を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(20/1〜10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.37g、収率77%)。
(E)−N−(4−(4−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボニル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド(TH−P1−6)
1,4−ジオキサン(20mL)中の化合物(5)(0.37g、0.51mmol)の溶液へ、1M NaOH溶液(20mL)を10℃にて滴加し、次いで6時間室温にて撹拌した。クロロホルム/2−プロパノール(4/1、vol/vol、100mL)で抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノールを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.09g、収率34%)。MS m/z 525.26 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.81 (s, 1H), 10.23 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.53 (d, J = 17.4 Hz, 2H), 7.73 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.56 - 7.51 (m, 1H), 7.38 (d, J = 8.6 Hz, 3H), 7.01 (s, 1H), 6.77 (dt, J = 15.4, 5.9 Hz, 1H), 6.56 (m, 1H), 6.29 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 3.40-2.18 (m, 5H), 3.07 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H), 1.97 (m, 2H), 1.46 (s, 2H)。
例8.THZ−CE−A−4−7の合成
6−クロロ−N−(3−ニトロフェニル)ピリミジン−4−アミン
例8において挙げられた化合物番号1〜10は、例8へしか適用されない。3−ニトロアニリン(2.76g、20mmol)および4,6−ジクロロピリミジン(4.5g、30mmol)の溶液をNMP(30mL)に溶解し、DIEA(3.9g、30mmol)を加え、次いで終夜130℃にて加熱した。溶液を室温まで冷却し、次いで酢酸エチルで希釈した。もたらされた溶液をブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油エーテル/酢酸エチル(5/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(2.4g、収率48%)。
N1−(6−クロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン
6−クロロ−N−(3−ニトロフェニル)ピリミジン−4−アミン(3)(2.4g、9.6mmol)、SnCl2(15g、76.8mmol)を酢酸エチル/メタノール(4/1)(125mL)に溶解し、終夜還流した。溶液をクロロホルム:イソプロピルアルコール(4:1)によって抽出し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。pHを約8.0へ調整し、セライトパッドに通して濾過した。濾過物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥するまで濃縮することによって、粗生成物が与えられた(1.47g、収率70%)。
N1−(6−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン
N1−(6−クロロピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン(1.47g、6.7mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2.75g、13.4mmol)、Na2CO3(1.42g、13.4mmol)を40/20mlアセトニトリル/水に溶解し、次いでPd(dppf)2Cl2CH2Cl2(1g)を加えた。溶液を次いで脱気し、終夜窒素下で還流した。溶液を室温まで冷却し、固体を石油エーテルで洗浄した。固体をジクロロメタンに溶解し、次いで濾過した。濾過物を乾燥するまで濃縮することで、粗生成物が与えられた(0.72g、収率41%)。
4−ニトロ−N−(3−((6−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
N1−(6−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン(6)(0.72g、2.73mmol)をDCM(30ml)に溶解し、TEA(0.42g、4.1mmol)および4−ニトロベンゾイルクロリド(0.76g、4.1mmol)を次いで加えた。反応物を3時間0℃にて撹拌した。固体を次いで石油エーテルで洗浄することで、粗生成物が与えられた(0.5g、収率45%)。
4−アミノ−N−(3−((6−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
酢酸エチル/メタノール(4:1)(30mL)中の4−ニトロ−N−(3−((6−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(8)(0.72g、1.746mmol)の溶液へ、SnCl2(2.65g、13.97mmol)を加えた。その結果得られた混合物を8時間80℃にて加熱した。溶液のpHを1M NaOHで7へ調整した。それを濃縮することで、(0.59g、88%)の表題の化合物(9)が固体として供与された。MS m/z 382.15 [M+H]+。
(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
4−アミノ−N−(3−((6−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.12g、0.3mmol)、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸(60mg、0.36mmol)、およびDIEA(60mg、0.45mmol)をDMF(2mL)に溶解し、HATUを加えた(0.171g、0.45mmol)。溶液を1時間室温にて撹拌した。溶液を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を飽和重炭酸ナトリウムで2度洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、生成物を溶離剤としてDCM/MeOH/NH3=(8/1/0.1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(41mg、収率28%)。MS m/z 494.23 [M+H]+。
例9.THZ−CE−A−4−8の合成
Tert−ブチル3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラート
例9において挙げられた化合物番号1〜5は、例9へしか適用されない。密閉された菅において、NMP(200mL)中の5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(11g、30mmol)およびtert−ブチル3−アミノピペリジン−1−カルボキシラート(7.2g、36mmol)、DIEA(4.3g、33mmol)を、終夜110℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、水および酢酸エチルの中へ注いだ。溶液を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(8g、50%)の表題の化合物が供与された。
6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N−(ピペリジン−3−イル)ピリミジン−4−アミン
乾燥CH2Cl2(80ml)中の化合物(1)(8g、15mmol)の溶液へ、TFA(40mL)を滴加した。もたらされた混合物を終夜室温にて撹拌した。溶液を次いで濃縮することでTFAが除去された。残渣を再びCH2Cl2(80mL)に溶解した。溶液を次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液、水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮することで、(5.5g、84.6%)の表題の化合物が粗製物として供与された。
N−(1−(4−ニトロベンジル)ピペリジン−3−イル)−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−アミン
CH2Cl2(50ml)中の化合物(2)(1.5g、3.45mmol)へ、TEA(0.42g、4.14mmol)および1−(クロロメチル)−4−ニトロベンゼン(0.77g、4.14mmol)を0℃にて加え、次いで溶液を終夜撹拌した。溶媒を次いで除去し、残渣をCH2Cl2に溶解した。次いで、石油エーテルを溶液へ加えることによって生成物を沈殿させた(1.7g、収率87%)。
N−(1−(4−アミノベンジル)ピペリジン−3−イル)−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−アミン
化合物(3)(2.7g、4.7mmol)、およびSnCl2(7.2g、38mmol)を酢酸エチル/メタノール(4/1)(80mL)に溶解し、溶液を撹拌し、終夜還流した。溶液をクロロホルム/イソプロピルアルコール(4:1)で抽出し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液、および水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア(20/1/0.1〜10/1/0.1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(2.0g、収率79%)。
(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(4−((3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−イル)メチル)フェニル)ブタ−2−エンアミド
乾燥アセトニトリル(15mL)中の化合物(4)(0.43g、0.8mmol)およびDIEA(0.16g、1.2mmol)へ、CH2Cl2(5mL)中の(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(0.22g、1.2mmol)を加えた。5min撹拌した後、THF(8mL)中のジメチルアミンの2N溶液を加え、次いで1時間撹拌した。反応溶液をCH2Cl2で抽出し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.13g、25%)の表題の化合物が供与された。
(E)−N−(4−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボニル)フェニル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド
1,4−ジオキサン(5mL)中の化合物(5)(70mg、0.11mmol)へ、水酸化ナトリウムの1N水性溶液(5mL)を加えた。反応物を室温にて4時間撹拌した。次いで、溶液のpHを4M HClで7.0へ調整し、CH2Cl2で希釈した。溶液を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。生成物を分取TLC(DCM:MeOH=5:1)によって得た(15mg、26%)。MS m/z 511.26[M+H]+。
例10.THZ−CE−A−4−9の合成
N1−(6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン
例10において挙げられた化合物番号1〜5は、例10へしか適用されない。5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1)(10g、27mmol)およびベンゼン−1,3−ジアミン(4.73g、2.0equiv)をNMP(30mL)に溶解した。DIEA(7g、54mmol)を加え、次いで溶液を終夜150℃にて加熱した。溶液を室温まで冷却し、次いで酢酸エチル(100mL)で希釈した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(30/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(5.5g、収率46%)。
tert−ブチル(3−((3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバマート
遊離のアミン化合物(2)(1.5g、3.39mmol)のジクロロメタン溶液へ、3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキサン−1−カルボン酸(cisおよびtrans、0.9g、3.73mmol)およびHATU(1.55g、4.07mol)を加えた。室温にて3時間撹拌した後、溶液を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶液を次いで除去し、粗生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(50/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1.5g、収率60%)。
3−アミノ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)シクロヘキサン−1−カルボキサミド
化合物(3)(1.5g、2.25mmol)のメタノール溶液へ、クロロエタン(hydrochloric ether)を加え、反応溶液を終夜室温にて撹拌させた。溶媒を次いで除去し、エーテルを加えた。濾過することによって、表題の化合物がHCl塩(1.2g、90%)として与えられた。
(E)−3−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)シクロヘキサン−1−カルボキサミド
遊離のアミン化合物(4)(1.0g、1.76mmol)のジクロロメタン溶液へ、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸ヒドロクロリド(0.35g、2.11mmol)、DIEA(0.8g、6.16mmol)およびHATU(0.8g、2.11mol)を加えた。室温にて12時間撹拌した後、溶液を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤(0.5g、30%)としてジクロロメタン/メタノール(50/1〜30/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た。
(E)−N−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−3−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)シクロヘキサン−1−カルボキサミド
1,4−ジオキサン(26.0mL)中の(E)−3−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)シクロヘキサン−1−カルボキサミド(5)(0.5g、0.7mmol)の溶液へ、1M水酸化ナトリウム溶液(26.0mL)を10℃にて滴加した。6時間室温にて撹拌した後、溶液をクロロホルム/2−プロパノール(4/1、vol/vol、300mL)で抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(20/1〜10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.15g、30%)。MS m/z 539.28 [M+H]+。
例11.THZ−CE−A−4−10の合成
tert−ブチル(4−((3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバマート
例11において挙げられた化合物番号1〜4は、例11へしか適用されない。遊離のアミン化合物(1)(1.5g、3.39mmol)のジクロロメタン溶液へ、4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキサン−1−カルボン酸(0.9g、3.73mmol)およびHATU(1.55g、4.07mol)を加えた。室温にて3時間撹拌した後、溶液を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、粗生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(50/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1.5g、収率60%)。
4−アミノ−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)シクロヘキサン−1−カルボキサミド
化合物(2)(1.5g、2.25mmol)のメタノール溶液へ、クロロエタンを加え、溶液を終夜室温にて撹拌した。溶媒を次いで除去し、エーテルを次いで加えた。生成物を次いでHCl塩として得た(1.2g、収率90%)。
(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)シクロヘキサン−1−カルボキサミド
遊離のアミン化合物(3)(1.0g、1.76mmol)のジクロロメタン溶液へ、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸ヒドロクロリド(0.35g、2.11mmol)、DIEA(0.8g、6.16mmol)、およびHATU(0.8g、2.11mmol)を加えた。室温にて12時間撹拌した後、溶液を水(100mL)で希釈し、次いでジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、粗生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(50/1〜30/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.5g、収率30%)。
(E)−N−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)シクロヘキサン−1−カルボキサミド
1,4−ジオキサン(26.0mL)中の(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)シクロヘキサン−1−カルボキサミド(4)(0.5g、0.7mmol)の溶液へ、1M水酸化ナトリウム溶液(26.0mL)を10℃にて滴加した。次いで、溶液を6時間室温にて撹拌し、クロロホルム/2−プロパノール(4/1、vol/vol、300mL)で抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(20/1〜10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.15g、収率30%)。MS m/z 539.28 [M+H]+。
例12.THZ−CE−A−4−12の合成
2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)酢酸
例12において挙げられた化合物番号1〜5は、例12へしか適用されない。NMP(10mL)中の5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(3.7g、10mmol)の溶液へ、2−(3−アミノフェニル)酢酸(1.83g、12mmol)を加えた。もたらされた混合物を12時間140℃にて加熱した。次いで、それを室温にてEtOAc(200mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.3g、6.1%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
tert−ブチル(1−(2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセチル)ピペリジン−4−イル)カルバマート
DMF(2mL)中の2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)酢酸(0.3g、0.62mmol)の溶液へ、HATU(0.35g、0.93mmol)、tert−ブチルピペリジン−4−イルカルバマート(0.19g、0.93mmol)、およびDIEA(0.22mL、1.24mmol)を加えた。その結果得られた混合物を30min室温にて撹拌した。次いでそれを酢酸エチル(150mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.21g、51.2%)の表題の化合物が白色固体として供与された。
1−(4−アミノピペリジン−1−イル)−2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)エタン−1−オン
酢酸エチル(5mL)中のtert−ブチル(1−(2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセチル)ピペリジン−4−イル)カルバマート(0.21g、0.31mmol)の溶液へ、4M HClを加えた。もたらされた混合物を30min室温にて撹拌した。次いでそれをEtOAc(100mL)で希釈した。溶液のpHを1M NaOHで7.0へ調整した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮することで、(0.15g、90.0%)の表題の化合物が白色固体として供与された。
(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(1−(2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセチル)ピペリジン−4−イル)ブタ−2−エンアミド
DMF(2mL)中の1−(4−アミノピペリジン−1−イル)−2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)エタン−1−オン(0.5g、0.88mmol)の溶液へ、HATU(0.5g、1.32mmol)、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸ヒドロクロリド(0.18g、1.06mmol)、およびDIEA(0.34g、2.7mmol)を加えた。もたらされた混合物を30min室温にて撹拌した。次いで、それをDCM(200mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.3g、50%)の表題の化合物が白色固体として供与された。
(E)−N−(1−(2−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセチル)ピペリジン−4−イル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド
(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(1−(2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセチル)ピペリジン−4−イル)ブタ−2−エンアミド(0.43g、0.6mmol)を1M NaOHおよび1,4−ジオキサン(6mL、1/1、v/v)の混合物に溶解した。もたらされた混合物を4時間室温にて撹拌した。次いで、溶液のpHを1M HClで7.0へ調整し、もたらされた混合物を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(180mg、56.2%)の表題の化合物が白色固体として供与された。MS m/z 539.28 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.86 (s, 1H), 9.66 (s, 1H), 8.90 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.59 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.57 - 7.49 (m, 2H), 7.32 (s, 1H), 7.29 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.58 (dd, J = 3.2, 1.6 Hz, 1H), 6.56 - 6.49 (m, 1H), 6.01 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 4.26 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 3.92 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.84 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 3.73 (s, 2H), 3.22 - 3.11 (m, 2H), 2.99 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 2.82 (t, J = 11.1 Hz, 1H), 2.15 (s, 6H), 1.74 (m, 2H)。
例13.THZ−CE−A−4−13の合成
tert−ブチル(4−(2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセトアミド)シクロヘキシル)カルバマート
例13において挙げられた化合物番号1〜4は、例13へしか適用されない。DMF(2mL)中の2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)酢酸(0.3g、0.62mmol)の溶液へ、HATU(0.35g、0.93mmol)、tert−ブチル(4−アミノシクロヘキシル)カルバマート(0.8g、3.75mmol)、およびDIEA(0.65g、5mmol)を加えた。その結果得られた混合物を30min室温にて撹拌した。次いで、それを酢酸エチル(300mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(1.52g、89.2%)の表題の化合物が白色固体として供与された。
N−(4−アミノシクロヘキシル)−2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセトアミド
EtOAc(20mL)の4M HCl中のtert−ブチル(4−(2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセトアミド)シクロヘキシル)カルバマート(1.52g、2.23mmol)の溶液を、30min室温にて撹拌した。次いで、それをEtOAc(300mL)で希釈した。溶液のpHを1M NaOHで7.0へ調整した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮することで、(1.3g、100%)の表題の化合物が白色固体として供与された。
(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(1−(2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセチル)ピペリジン−4−イル)ブタ−2−エンアミド
DMF(5mL)中のN−(4−アミノシクロヘキシル)−2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセトアミド(0.93g、1.5mmol)の溶液へ、HATU(0.9g、2.3mmol)、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸ヒドロクロリド(0.3g、1.8mmol)、およびDIEA(0.58g、4.5mmol)を加えた。その結果得られた混合物を30min室温にて撹拌した。次いで、それをDCM(200mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.6g、58%)の表題の化合物が白色固体として供与された。
(E)−N−(4−(2−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセトアミド)シクロヘキシル)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド
1M NaOHおよび1,4−ジオキサン(10mL,1/1,v/v)中の(E)−4−(ジメチルアミノ)−N−(1−(2−(3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)アセチル)ピペリジン−4−イル)ブタ−2−エンアミド(0.6g、0.87mmol)の溶液を、4時間室温にて撹拌した。次いで、溶液のpHを1M HClで7.0へ調整し、もたらされた混合物を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(230mg、48%)の表題の化合物が白色固体として供与された。MS m/z 553.30 [M+H]+。
例14.THZ−CE−A−4−14の合成
N−(2−メチル−5−ニトロフェニル)−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−アミン
例14において挙げられた化合物番号1〜6は、例14へしか適用されない。1,4−ジオキサン中の5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.5g、4mmol)の溶液へ、2−メチル−5−ニトロアニリン(1.23g、8mmol)、Cs2CO3(1.4g、4.4mmol)、Pd2(dba)3(0.07g、0.08mmol)、および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリプロピル−1,1’−ビフェニル(0.14g、0.24mmol)を加えた。もたらされた混合物をN2下3時間104℃にて加熱した。次いで、それを室温にてEtOAc(1500mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(0.81g、42%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
6−メチル−N1−(6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン
MeOH(200mL)中のN−(2−メチル−5−ニトロフェニル)−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−アミン(4.2g、8.63mmol)へ、SnCl2(16.4g、86.3mmol)を加えた。もたらされた混合物を8時間80℃にて加熱した。溶液のpHを次いで1M NaOHで7.0へ調整した。溶液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(2.4g、61%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
tert−ブチル(4−((4−メチル−3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)フェニル)カルバマート
DMF(5.0mL)中の6−メチル−N1−(6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン(0.91g、2.0mmol)の溶液へ、HATU(1.14g、3.0mmol)、4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)安息香酸(0.71g、3.0mmol)、およびDIEA(0.59g、4.0mmol)を加えた。もたらされた混合物を30min室温にて撹拌した。次いで、それを酢酸エチル(300mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(1g、74%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
4−アミノ−N−(4−メチル−3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
EtOAc(5.0mL)の4M HCl中のtert−ブチル(4−((4−メチル−3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)カルバモイル)フェニル)カルバマート(1g、1.5mmol)の溶液を、30min室温にて撹拌した。次いで、それEtOAc(100mL)で希釈した。溶液のpHを1M NaOHで7へ調整した。有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮することで、(0.8g、85%)の表題の化合物が白色固体として供与された。
(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(4−メチル−3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
DCM(10mL)中の4−アミノ−N−(4−メチル−3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.4g,0.7mmol)の溶液へ、DIEA(0.27g、2.1mmol)および(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(0.23g、1.25mmol)を、30min0℃にて加えた。次いで、それをTHF(3.5mL)中の2.0Mジメチルアミンに加えた。もたらされた混合物を2時間室温にて撹拌した。次いで、それを濃縮し、シリカゲルカラムによって精製することで、(0.2g、42%)の表題の化合物が淡黄色固体として供与された。
(E)−N−(3−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−4−メチルフェニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
1M NaOHおよび1,4−ジオキサン(6mL、1/1、v/v)中の(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(4−メチル−3−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.2g、0.3mmol)の溶液を、4時間室温にて撹拌した。次いで、溶液のpHを1M HClで7.0へ調整し、もたらされた混合物を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムによって精製することで、(26mg、16%)の表題の化合物が白色固体として供与された。MS m/z 547.25 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.88 (s, 1H), 10.45 (s, 1H), 10.18 (s, 1H), 9.08 (s, 1H), 8.90 (s, 1H), 8.60 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 7.97 (s, 3H), 7.81 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.56 (s, 2H), 7.27 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.21 (s, 1H), 6.79 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 6.57 (s, 1H), 6.36 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 3.22 (s, 2H), 2.28 (s, 6H), 2.24 (s, 3H)。
例15.THZ−CE−A−4−15の合成
tert−ブチル(4−クロロ−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−2−イル)カルバマート
例15において挙げられた化合物番号1〜7は、例15へしか適用されない。アセトニトリルおよび水(50mL)中の1−(フェニルスルホニル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(6.0g、15mmol)の撹拌された懸濁液へ、tert−ブチル(4,6−ジクロロピリミジン−2−イル)カルバマート(5g、19mmol)、NaHCO3(2g、29.74mmol)、およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.2g)を加え、溶液をN2下で終夜還流した。酢酸エチルおよび水を加え、反応混合物をセライト上で濾過した。有機層をNa2SO4によって乾燥させ、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてヘキサン/酢酸エチル=(10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(3g、収率30%)。
tert−ブチル(4−((3−アミノフェニル)アミノ)−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−2−イル)カルバマート
Tert−ブチル(4−クロロ−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−2−イル)カルバマート(2)(1.5g、3.1mmol)、ベンゼン−1,3−ジアミン(0.38g、2.0equiv)、炭酸セシウム(1.5g、0.06eq)、およびPd2(dba)3(0.06g,0.05eq)を1,4−ジオキサン(30mL)に溶解し、次いで窒素下で終夜還流した。溶液を室温まで冷却し、300mLの酢酸エチルで希釈した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(100/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1g、収率50%)。
tert−ブチル(4−((3−(4−ニトロベンズアミド)フェニル)アミノ)−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−2−イル)カルバマート
遊離のアミン化合物(3)(1.6g、2.9mmol)のジクロロメタン溶液へ、4−ニトロベンゾイルクロリド(0.64g、1.2equiv)、およびトリエチルアミン(0.5g)を加えた。室温にて3時間撹拌した後、溶液を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、粗生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(50/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1.5g、収率70%)。
tert−ブチル(4−((3−(4−アミノベンズアミド)フェニル)アミノ)−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−2−イル)カルバマート
ニトロ化合物(4)(2.4g、3.38mmol)を酢酸エチル/メタノール(10:1、vol/vol、70mL)に溶解し、もたらされた懸濁液をPd/C(0.5g)で処置した。3回の窒素の置き換え後、反応混合物を終夜室温にて撹拌した。反応混合物をセライト上で濾過し、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油エーテル/酢酸エチル/NH3=(3/1/0.1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(2.2g、収率90%)。
tert−ブチル(E)−(4−((3−(4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド)フェニル)アミノ)−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−2−イル)カルバマート
遊離のアミン化合物(5)(1.0g、1.5mmol)のジクロロメタン溶液へ、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸(0.35g、2.11mmol)、DIEA(0.8g、6.16mmol)およびHATU(0.8g、2.11mol)を加えた。室温にて12時間撹拌した後、溶液を水で希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、粗生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(50/1〜30/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.2g、収率20%)。
(E)−N−(3−((2−アミノ−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
メタノール(26.0mL)中のtert−ブチル(E)−(4−((3−(4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド)フェニル)アミノ)−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−2−イル)カルバマート(6)(0.2g)の溶液へ、1M HClのジエチルエーテル溶液(26.0mL)を10℃にて滴加した。溶液を次いで12時間室温にて撹拌した。溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(50/1〜10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.18g、収率95%)。
(E)−N−(3−((2−アミノ−6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
1,4−ジオキサン(6.0mL)および1M NaOH溶液(6.0mL)中の(E)−N−(3−((2−アミノ−6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド(7)(0.18g、0.26mmol)の溶液を、12時間室温にて撹拌した。溶液を次いでクロロホルム/2−プロパノール(4/1、vol/vol、300mL)で抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(20/1〜10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(30mg、収率23%)。MS m/z 547.24 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.78 (s, 1H), 10.49 (s, 1H), 10.09 (s, 1H), 9.26 (s, 1H), 8.82 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 18.7 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.82 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.64 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.55 - 7.44 (m, 1H), 7.37 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.80 (m, 2H), 6.66 (s, 1H), 6.56 (m, 1H), 6.44 - 6.21 (m, 2H), 3.30-3.14 (m, 2H), 2.27 (s, 6H)。
例16.THZ−CE−A−4−19の合成
1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール
例16において挙げられた化合物番号1〜11は、例16へしか適用されない。1,4−ジオキサン(20mL)中の6−ブロモ−1−メチル−1H−インダゾール(1.0g、4.7mmol)の撹拌された懸濁液へ、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(1.43g、5.64mmol)、酢酸カリウム(0.69g、7.0mmol)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.17g、0.23mmol)を加え、溶液を次いで窒素下で終夜還流した。溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油エーテル/酢酸エチル=(10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1.2g、収率70%)。
6−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−インダゾール
アセトニトリル(20mL)および水(5mL)中の1−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール(1.2g、4.7mmol)の撹拌された懸濁液へ、4,6−ジクロロピリミジン(0.7g、4.65mmol)、重炭酸ナトリウム(0.69g、7.05mmol)、およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.016g、0.0235mmol)を加え、次いで溶液を窒素下で終夜還流した。溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油エーテル/酢酸エチル=(3/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.8g、収率70%)。
N1−(6−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン
6−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−インダゾール(5)(0.8g、3.27mmol)およびベンゼン−1,3−ジアミン(0.7g、4.9mmol)をNMP(30mL)に溶解し、次いで終夜150℃にて加熱した。溶液を室温まで冷却し、次いで酢酸エチルで希釈した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を得た(0.5g、収率50%)。
N−(3−((6−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−ニトロベンズアミド
遊離のアミン化合物(7)(0.5g、1.58mmol)およびTEA(0.2g、1.89mmol)のジクロロメタン溶液へ、4−ニトロベンゾイルクロリド(0.45g、2.3mmol)を加えた。室温にて5時間撹拌した後、溶液を濾過し、粗生成物をジクロロメタンで洗浄した(0.6g、収率99%)。
4−アミノ−N−(3−((6−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
ニトロ化合物(9)(0.6g)を酢酸エチル/メタノール(10:1、vol/vol、20mL)に溶解し、もたらされた懸濁液をPd/C(0.3g)で処置した。3回の窒素の置き換え後、反応混合物を終夜室温にて撹拌した。反応混合物をセライト上で濾過し、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油ジクロロメタン/メタノール(20/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.6g、収率100%)。
(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−(1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
遊離のアミン化合物(10)(0.6g、1.76mmol)のジクロロメタン溶液へ、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エン酸(0.35g、2.11mmol)、DIEA(0.21g、6.16mmol)、およびHATU(0.6g、2.11mol)を加えた。室温にて12時間撹拌した後、溶液を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、粗生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(15/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.2g、収率30%)。MS m/z 547.25 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.33 (s, 1H), 10.17 (s, 1H), 9.66 (s, 1H), 8.70 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 8.51 (s, 2H), 8.17 (t, J = 2.0 Hz, 1H), 8.03 - 7.94 (m, 2H), 7.90 (dd, J = 9.1, 1.7 Hz, 1H), 7.83 - 7.76 (m, 2H), 7.71 (dd, J = 5.4, 4.6 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 7.1, 1.9 Hz, 1H), 7.35 - 7.24 (m, 2H), 6.79 (dt, J = 15.4, 5.8 Hz, 1H), 6.31 (dt, J = 15.4, 1.6 Hz, 1H), 4.20 (s, 3H), 3.08 (dd, J = 5.9, 1.4 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H)。
例17.THZ−CE−A−4−17の合成
4−クロロ−6−((6−メトキシピリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン
例17において挙げられた化合物番号1〜9は、例17へしか適用されない。アセトニトリル(50mL)中の6−メトキシピリジン−3−オール(1.0g、8mmol)の撹拌された懸濁液へ、4,6−ジクロロピリミジン(1.4g、9.6mmol)、重炭酸ナトリウム(0.8g、9.6mmol)を加え、溶液を窒素下で終夜還流した。溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油エーテル/酢酸エチル=(20/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1.85g、収率80%)。
N1−(6−((6−メトキシピリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン
4−クロロ−6−((6−メトキシピリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン(3)(1.85g、7.8mmol)およびベンゼン−1,3−ジアミン(1g、9.37mmol)をNMP(30mL)に溶解し、次いで終夜150℃にて加熱した。溶液を室温まで冷却し、次いで酢酸エチル(300mL)で希釈した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(100/1〜50/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1.75g、収率65%)。
N−(3−((6−((6−メトキシピリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−ニトロベンズアミド
遊離のアミン化合物(5)(1.75g、5.66mmol)およびTEA(1.23g、5.66mmol)のジクロロメタン溶液へ、4−ニトロベンゾイルクロリド(1g、5.66mmol)を加えた。室温にて5時間撹拌した後、溶液を濾過し、粗生成物をジクロロメタンで洗浄した(0.89g、収率33%)。
4−アミノ−N−(3−((6−((6−メトキシピリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
ニトロ化合物(7)(0.89g、3.38mmol)を酢酸エチル/メタノール(0:1、vol/vol、70mL)に溶解し、もたらされた懸濁液をPd/C(0.3g)で処置した。3回の窒素の置き換え後、反応混合物を終夜室温にて撹拌した。反応混合物をセライト上で濾過し、溶媒を次いで除去し、生成物を得た(0.85g、収率100%)。
(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(3−((6−((6−メトキシピリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
乾燥されたアセトニトリル(20mL)中の遊離のアミノ化合物(8)(0.4g、1.0mmol)の溶液へ、ジクロロメタン(15mL)中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.4g、3.0mmol)および(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(0.25g、1.5mmol)を、0℃にて滴加した。5min撹拌した後、THF中のジメチルアミン(2M、10mL)の溶液を加え、反応混合物を次いで2時間室温にて撹拌した。溶液を水で希釈し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(20/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(90mg、収率15%)。MS m/z 540.23 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.32 (s, 1H), 10.14 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 8.33 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 8.11 - 8.00 (m, 2H), 7.99 - 7.88 (m, 2H), 7.84 - 7.73 (m, 2H), 7.64 (dd, J = 8.9, 2.9 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 6.1, 4.1 Hz, 2H), 7.28 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.9, 1H), 6.79 (dt, J = 15.4, 5.8 Hz, 1H), 6.38 - 6.15 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.08 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 2.19 (s, 6H)。
例18.THZ−CE−A−4−18の合成
3−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール
例18において挙げられた化合物番号1〜5は、例18へしか適用されない。NMP中の5−(6−クロロピリミジン−4−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(5)(1.85g、5mmol)およびベンゼン−1,4−ジアミン(0.81g、1.5equiv)の溶液へ、DIEA(0.97g、7.5mmol)を加え、次いで溶液を終夜150℃にて加熱した。溶液を室温まで冷却し、次いで酢酸エチルで希釈した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(100/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(1.3g、収率60%)。
4−ニトロ−N−(4−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
遊離のアミン化合物(2)(0.6g、1.36mmol)およびTEA(0.2g、1.63mmol)のジクロロメタン溶液へ、4−ニトロベンゾイルクロリド(0.3g、1.2equiv)を加えた。室温にて1.5時間撹拌した後、溶液を濾過し、粗生成物をジクロロメタンで洗浄した(0.65g、収率85%)。
4−アミノ−N−(4−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
ニトロ化合物(3)(0.65g、1.1mmol)を酢酸エチル/メタノール(0:1、vol/vol、70mL)に溶解し、もたらされた懸濁液をPd/C(0.15g)で処置した。3回の窒素の置き換え後、反応混合物を終夜室温にて撹拌した。反応混合物をセライト上で濾過し、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤として石油エーテル/酢酸エチル/NH3=(3/1/0.1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.4g、収率60%)。
(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(4−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド
乾燥されたアセトニトリル(60mL)中の遊離のアミノ化合物(10)(0.4g、0.7mmol)の溶液へ、ジクロロメタン(15mL)中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.11g、0.84mmol)および(E)−4−ブロモブタ−2−エノイルクロリド(0.15g、0.84mmol)を、0℃にて滴加した。5min撹拌した後、THF中のジメチルアミンの溶液(2M、7mL)を加え、反応混合物を次いで2時間室温にて撹拌した。溶液を水で希釈し、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。もたらされた溶液を水およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥させた後、溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(50/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(0.17g、収率30%)。
(E)−N−(4−((6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)ベンズアミド
1,4−ジオキサン(26.0mL)および1M NaOH溶液(5.0mL)中の(E)−4−(4−(ジメチルアミノ)ブタ−2−エンアミド)−N−(4−((6−(1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−イル)アミノ)フェニル)ベンズアミド(0.17g)の溶液を、6時間室温にて撹拌した。溶液をクロロホルム/2−プロパノール(4/1、vol/vol、300mL)で抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を次いで除去し、生成物を溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(15/1〜10/1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって得た(22mg、収率10%)。MS m/z 533.23 [M+H]+。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.86 (s, 1H), 10.34 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 9.61 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.96 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.90-7.77 (m, 4H), 7.67 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.59 - 7.51 (m, 1H), 7.26 (s 1H), 6.79 (m, 1H), 6.59 (m, 1H), 6.32 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 3.13 (s, 2H), 2.28 (s, 6H)。
生物学的評価
例19.キナーゼアッセイ
PIP4Kのin vitroキナーゼアッセイを、Rameh et al(Nature, 1997)に記載のとおりに実行した。手短に言えば、20mM HEPES(pH7.4)、100mM NaCl、0.5mM EGTAを含有するキナーゼ緩衝液70uL(μL)中に懸濁された、0.1ug(μg)のGST−PI5P4Kaまたは0.4ugのGST−PI5P4Kaを、10分間室温にて安定化させ、1uMのDMSOまたは指示化合物(indicated compound)と30分間インキュベートした。次いで、キナーゼ反応を、30mM HEPES(pH7.4)および1mM EGTAを含有する緩衝液中の20μLの脂質基質(4ugのホスファチジルセリンおよび2μgのPI5P)および10μLのATPミックス(500uM(μM) 非放射性標識の(non-radiolabeled)ATP、10μCi [g−32P]−ATP、65mM HEPES(pH7.4)および100mM MgCl2)を加えることによって、100ul(μL)の総体積において10分間実行した。反応を、50μLのHClを加えることによって終結させた。ホスホイノシチドを、100μLのメタノール/クロロホルム(1:1、vol:vol)ミックスを加えることによって抽出し、加熱によって活性化された1%シュウ酸カリウムコーティングのシリカゲル60プレート(EMD Chemicals Inc., Billerica, MA, USA)および1−プロパノール/2M 酢酸(65:35、vol:vol)溶媒系を使用する薄層クロマトグラフィー分離に供した。放射性標識されたPI(4,5)P2を、Phosphorimager(Molecular Dynamics, STORM840, GE Healthcare, Waukesha, WI, USA)で定量化した。
例20.細胞増殖アッセイ
細胞増殖を判定する(determine)ため、細胞を、96ウェルプレートの1ウェルあたり2×103細胞にて播種した。細胞をインキュベートし、Cell Titer-Glo Luminescent Cell Viabilityアッセイ(Promega)を使用し、指し示された回数にて(at indicated times)アッセイした。細胞を15分間室温まで平衡化させ、次いで等体積のそのCell Titer-Glo試薬をウェルへ加え、オービタルシェーカー(an orbital shaker)上15分間インキュベートした。発光を、製造元のプロトコルに従って記録した。
例 21. ADP-GLO assay on PIP4K2A
例21.PIP4K2Aに関するADP−GLOアッセイ
PIP5K2A酵素(12.5mM グリシン−NaOH(pH8.5)、50mM KCl、2.5mM MgCl2、1mM DTT、0.25%Na−コラート、および1mg/ml BSA中で希釈された)を、12.5mM グリシン−NaOH(pH8.5)、50mM KCl、2.5mM MgCl2、1mM DTT、0.25%Na−コラート、0.01mM ATP、および0.05mM ジC8 PI(5)Pを含有する20μlの総体積においてアッセイした。酵素を20μlのADP−GLまたは試薬を加えた後、15minアッセイした。40分間のさらなるインキュベーションの後、40μlのキナーゼ検出緩衝剤を加えた。40minのさらなるインキュベーションの後、酵素を1sec/wellでPERKINELMER ENVISION上で読んだ。例示的な結果を表1において示す。
表1.PIP4K2Aに関する選択化合物の例示的なIC
50値
均等物および範囲
クレームにおいて、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、1または1より多いことを意味してもよいが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。ある群の1以上のメンバー間に「または」を包含するクレームまたは記載は、その群のメンバーのうち、1つ、1つより多いか、または、すべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに採用されるか、またはそれとは別に、それに関係があるか、を満たすと考えるが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。本発明は、その群のうち、正確に1つのメンバーが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに採用されるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を包含する。本発明は、その群のメンバーのうち、1つより多いかまたはすべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに採用されるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を包含する。
しかも、本発明は、列挙されたクレームの1以上からの1以上の限定、要素、節、および記述用語(descriptive terms)が、別のクレーム中へ導入される、すべての変動、組み合わせ、および順列を網羅する。例えば、別のクレームに従属するいずれのクレームも、同じ基本クレームに従属するいずれか他のクレーム中に見出される1以上の限定を包含するように修飾され得る。要素が、例として、マーカッシュ群形式において列挙されたものとして提示されている場合、要素の各下位群もまた開示されており、いずれの要素(単数または複数)も群から除去され得る。一般に、本発明、または本発明の側面が、特定の要素および/または特長を含むとして見なされる場合、本発明のある態様または本発明のある側面は、かかる要素および/または特長からなるか、または実質的にそれからなると理解されるべきである。簡潔さを目的として、それらの態様は、本明細書中、in haec verbaで具体的に表明されていない。用語「含むこと(comprising)」および「含有すること(containing)」が、オープンであることを意図し、追加の要素またはステップの包含を容認することにもまた留意する。範囲が与えられるとき、エンドポイントも包含される。しかも、別段の指示がないか、またはそれとは別に、文脈および当業者の理解から明らかでない場合に限り、範囲として表現された値は、いずれか具体的な値、または本発明の異なる態様において述べられた範囲内の部分範囲を、文脈が明確に別段の指図をしない限り範囲の下限の単位の10倍まで、想定し得る。
本出願は、種々の発行済み特許、公開特許出願、雑誌記事、および他の公刊物を参照し、これらのすべては参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれる参照のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書がコントロールする(control)ものとする。加えて、先行技術に属する本発明のいずれか特定の態様は、クレームのいずれかの1以上からはっきりと除外され得る。かかる態様は当業者に知られていると思われるので、それらは、除外が本明細書においてはっきりと表明されていない場合であっても、除外され得る。本発明のいずれか特定の態様は、先行技術の存在に関するか否かにかかわらず、いずれかのクレームから、いずれかの理由で除外され得る。
当業者は、本明細書に記載の具体的な態様の多くの均等物を認識するか、またはせいぜいルーチンな実験法を使用して確かめる能力があるであろう。本明細書に記載の本態様の範囲は、上の記載に限定されることを意図せず、むしろ添付のクレームに表明されているとおりである。当業者は、以下のクレームにおいて定義されるとおり、本発明の精神または範囲から逸脱せずに、この記載への種々の変化および修飾がなされてもよいことを解するであろう。