JP7294928B2 - 圧着葉書及びその製造方法、並びに疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書におけるブロッキングを抑制する方法 - Google Patents

圧着葉書及びその製造方法、並びに疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書におけるブロッキングを抑制する方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧着葉書及びその製造方法、並びに疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書におけるブロッキングを抑制する方法に関するものである。
従来より、秘匿性や親展性を有する情報を、より簡単に受取人のみに伝達するために、剥離は容易であるが再接着の困難な再剥離性接着剤層(疑似接着層)を設けたシートで情報記録面を隠蔽した圧着葉書が知られている。このような圧着葉書は、基材となるシートに各種インキや電子写真等の手段で情報を印刷し、情報記録面同士を重ね合わせ、その重ね合わせ面に疑似接着層を設けてこれを圧着等の手段により接着させることにより、受取人の手に渡る前に剥離されたかどうかをすぐに分かるようにして、受取人以外の者が情報を知得することを防止するものである。また、こうした圧着葉書は、上記のように情報の秘匿を目的とする場合のほか、葉書サイズよりも大きなシートに広告情報等といった多くの情報を記録し、このシートを郵便料金の安価な葉書サイズや封書サイズに折畳んでダイレクトメールとする際にも用いられる。圧着葉書は、折りの種類(すなわち折畳み方)や、形成される疑似接着層の種類に応じて、いくつかの形態に分類することができる。
折りの種類としては、二つ折り(V折りとも呼ばれる。)とZ折りを主に挙げることができる。二つ折りは、情報記録のされた中面に疑似接着層を形成し、この中面全体を二つ折りにして貼り合わせたものである。二つ折りの場合、露出した表裏の面を含めて四面の情報記録面を備えることになる。Z折りは、長方形のシートをZ字型に三つ折りし、中央となる面の表側と裏側の両方に疑似接着層を形成し、その両隣にある面を表裏の疑似接着層にそれぞれ貼り合わせたものである。この場合、表面と裏面の両方を剥がせることになり、露出した表裏の面を含めて六面の情報記録面を備えることになる。
疑似接着層の種類としては、PP(ポリプロピレン)熱圧着方式、活性エネルギー線硬化型ニス圧着方式、及び糊圧着方式を主に挙げられ、糊圧着方式については、先糊圧着方式と後糊圧着方式が挙げられる。活性エネルギー線硬化型ニス圧着方式は、紫外線や電子線といった活性エネルギー線の照射を受けて硬化するニスを塗布した後に、その塗布面に活性エネルギー線を照射し疑似接着層を形成するもので、こうしたニスの一例として例えば特許文献1に記載されたものを挙げることができる。糊圧着方式は、水性タイプのエマルジョンやラテックス等を主体とした感圧糊を塗布して疑似接着層を形成するもので、こうしたニスの一例として例えば特許文献2に記載されたものを挙げることができる。
特開2007-145907号公報 特開2001-146584号公報
上記のように、再剥離性のシートに印刷を行った圧着葉書は、様々な利点を備えたものではあるが、水に濡れた場合に疑似接着された面と面とを剥離し難くなるブロッキングを生ずることがある。こうしたブロッキングを生じた圧着葉書にて疑似接着面の剥離を無理に行おうとすると、シートが破れたり、部分的に剥離しなかったシートの一部が内側の情報記録面に残ったりして、情報記録面の可読性に悪影響を与えることになる。こうした現象は、水に濡れることでシートの強度が低下し、その強度が疑似接着の強度より弱くなることに起因すると考えられる。とりわけ圧着葉書は、雨天時の配達やポストへの浸水等の理由により水濡れを生じやすい。こうした圧着葉書には、水濡れ時には乾燥させてから剥離を行うよう注意書きがされているのが一般的だが、自然乾燥させるには待ち時間を必要とするし、ドライヤー等で乾燥させるにしても手間を必要とする。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、水と接触してもブロッキングが生じるのを抑制することのできる、再剥離性のシート形態をとる圧着葉書を提供することを目的とする。
本発明者は、以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、上記のような疑似接着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書において、折畳まれた状態で外部へ露出する面に、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン及び水を含有する水性コーティング剤から形成された耐水層を設けることにより上記の課題が全て解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
本発明は、疑似接着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んでなり、折畳まれた状態で外部へ露出する面に耐水層を備えた圧着葉書であって、上記耐水層が、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン、シリカ及び水を含有する水性コーティング剤で形成されたマットコートであることを特徴とする圧着葉書である。
上記スチレン系造膜エマルジョンは、ガラス転移温度(Tg)が0~20℃のスチレンアクリル系ポリマー、スチレンマレイン酸系ポリマー及びスチレンマレイン酸ハーフエステル系ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
上記アルカリ可溶性水溶性樹脂は、スチレンアクリル系及び/又はスチレンマレイン酸系のアルカリ可溶型樹脂であることが好ましい。
上記水性コーティング剤に含まれる上記アルカリ可溶性水溶性樹脂と上記スチレン系造膜エマルジョンとの比率は、アルカリ可溶性水溶性樹脂/スチレン系造膜エマルジョンの固形分質量比で10/90~30/70であることが好ましい。
また本発明は、疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書の製造方法であって、折畳まれた状態で外部へ露出する面に、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン、シリカ及び水を含有する水性コーティング剤を塗布することでマットな耐水層を形成させる工程を備えることを特徴とする圧着葉書の製造方法でもある。
上記スチレン系造膜エマルジョンは、ガラス転移温度(Tg)が0~20℃のスチレンアクリル系ポリマー、スチレンマレイン酸系ポリマー及びスチレンマレイン酸ハーフエステル系ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
上記アルカリ可溶性水溶性樹脂は、スチレンアクリル系及び/又はスチレンマレイン酸系のアルカリ可溶型樹脂であることが好ましい。
上記水性コーティング剤中のアルカリ可溶性水溶性樹脂とスチレン系造膜エマルジョンとの比率は、アルカリ可溶性水溶性樹脂/スチレン系樹脂の固形分質量比で10/90~30/70であることが好ましい。
また本発明は、折畳まれた状態で外部へ露出する部分に、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン、シリカ及び水を含有する水性コーティング剤を塗布してなるマットな耐水層を形成させることを特徴とする、疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書におけるブロッキングを抑制する方法でもある。
本発明によれば、水と接触してもブロッキングが生じるのを抑制することのできる、再剥離性のシート形態をとる圧着葉書が提供される。
図1は、本発明の圧着葉書1を表す模式図であり、図1の左側が圧着前の状態を表し、図1の右側が圧着後の状態を表す。 図2は、図1におけるX-X’断面を表す模式図である。
以下、本発明の圧着葉書の一実施形態、本発明の印刷物の製造方法の一実施態様、及び疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された印刷物におけるブロッキングを抑制する方法の一実施態様について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態又は実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲において適宜変更を加えて実施することが可能である。
<圧着葉書>
まずは、本発明の圧着葉書の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の圧着葉書1を示す模式図であり、図1の左側が圧着前の状態を表し、図1の右側が圧着後の状態を表す。図2は、図1におけるX-X’断面を示す模式図である。本発明の圧着葉書1は、疑似接着層5を表面に備えた情報記録面3を内側に折畳んで圧着された印刷物であり、折畳まれた状態で外部へ露出する外側面4に、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン及び水を含有する水性コーティング剤で形成された耐水層6を備えることを特徴とする。なお、本発明の圧着葉書は、葉書サイズの大きさのものに限定されることはなく、例えば封書サイズやそれ以上の大きさのものであってもよい。
圧着葉書1は、シート状の被印刷体2に印刷等の手段により情報が記録されることで情報記録面3が形成され、さらに情報記録面3の表面に疑似接着層5が形成されることで、幅方向Wの略中央にて長さ方向Lに沿った折り線11にて、情報記録面3を内側に折畳んで圧着することが可能となる。圧着された圧着葉書1は、情報記録面3の端に露出部31が形成され、露出部31を手がかりとして、折畳まれた状態で対向する疑似接着層5,5の間に位置する疑似接着面Aに沿って剥離されることで、情報記録面3を露出させる。
被印刷体2は、紙で構成され、その両面に印刷を行うことが可能である。例えば、圧着葉書1には、折畳んだときに内側となる面に必要な情報を印刷する一方で、折畳んだときに外側となる面に宛名等の情報を印刷することができる。
疑似接着層5は、圧着用の活性エネルギー線硬化型のニスや感圧糊の塗布、又はPPフィルムが貼られること等の手段で形成され、疑似接着層5同士を対向させて圧着を行うことで、剥離可能な疑似接着状態となる。疑似接着層5を形成させるためのニスや感圧糊は、各種のものが市販されており、そのようなものを適宜利用することが可能である。
外側面4の表面には、耐水層6が形成される。耐水層6は、折畳まれた圧着葉書1が水と接触したときに、その水が紙である被印刷体2へ浸透するのを妨げ、折畳まれた圧着葉書1の疑似接着面Aが水の付着によりブロッキングするのを抑制する。
耐水層6は、アルカリ可溶性水溶性樹脂とスチレン系造膜エマルジョンとが造膜して形成される。具体的には、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン及び水を含有する水性コーティング剤を外側面4となる面に塗布し、これを乾燥させることで樹脂薄膜が形成され、この樹脂薄膜が耐水層6としての役割を果たす。アルカリ可溶性水溶性樹脂とスチレン系造膜エマルジョンとが造膜し、耐水性が良好な樹脂薄膜を形成させるとの観点からは、スチレン系造膜エマルジョンのガラス転移温度(Tg)が0~20℃であることが好ましい。Tgが0℃以上であることにより、外側面4の表面に形成された樹脂薄膜のべと付きが抑制できるので好ましく、Tgが20℃以下であることにより、スチレン系造膜エマルジョンの粒子同士による造膜が良好となり、耐水性が良好な樹脂薄膜が形成されるので好ましい。
水性コーティング剤に含まれるスチレン系造膜エマルジョンとしては、親水性が強く、高分子乳化剤として機能するポリマーであるシェルと、シェルよりも疎水性の強い樹脂からなるコアとからなるコアシェル構造をとるものが好ましい。シェル及びコアを構成するポリマーとしては、スチレンとアクリル酸との共重合体であるスチレンアクリル系ポリマー、スチレンとマレイン酸との共重合体であるスチレンマレイン酸系ポリマー、スチレンマレイン酸ハーフエステル系ポリマー等が好ましく挙げられる。これらの中でも、特に、水溶性アクリル系樹脂を高分子乳化剤として用いて、スチレン系モノマー、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル等のモノマーを共重合して得られるものを好ましく挙げることができる。なお、シェル部とコア部とは互いに同種系統のポリマーであってもよいし、異種系統のポリマーであってもよい。また、シェル部とコア部との構成としては、一例として両者がスチレンアクリル系のポリマーで構成されていたとすると、シェルを構成するポリマーとしてはアクリル酸比率が高く酸価の高いものが好ましく選択され、コアを構成するポリマーとしてはスチレンの比率が高く酸価の低いものが選択されることを好ましく挙げられる。このような樹脂微粒子を含むエマルジョンは、水系溶媒中で乳化重合を行うことで調製される。その調製手段としては公知のものを用いることができるし、このようなエマルジョンが市販されているのでそれを用いてもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及び/又はメタクリル酸を表し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及び/又はメタクリレートを表す。
上記のように、水性コーティング剤に含まれるエマルジョンを構成する樹脂微粒子のTgには好ましい範囲が存在するが、上記のようにシェルとコアとで異なるポリマーとなる場合、樹脂微粒子全体のTgとしては、以下のWoodの式により求められる理論ガラス転移温度を採用することができる。なお、樹脂微粒子は上記のように乳化重合により調製されるが、その場合のガラス転移温度とは、乳化重合に利用される全てのエチレン性不飽和単量体を、コア部、シェル部と分けずに一度に共重合した時に得られる共重合体のガラス転移温度を表す。
Woodの式:1/Tg=W/Tg+W/Tg+W/Tg+…+W/Tg
(上記式中、Tg~Tgは共重合体を構成する単量体1、2、3、・・・、xのそれぞれの単独重合体のガラス転移温度、W~Wは単量体1、2、3、・・・、xのそれぞれの質量分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。なお、Woodの式におけるガラス転移温度は絶対温度である。)
スチレン系造膜エマルジョンの酸価としては、耐水性の面から30~100mgKOH/g程度を好ましく挙げることができる。ここでいう酸価とは、共重合体1gを得るために理論上必要な各エチレン性不飽和単量体の量に対して、KOHの理論上の中和量を求め、その中和量の総和のmg数を共重合体の酸価(理論酸価)とみなして求められるものである。また、酸価は、シェルを構成する高分子乳化剤に由来するものであり、たとえば酸価100mgKOH/gの高分子乳化剤が、水性樹脂の固形分比率として10質量%含まれているときの酸価は10mgKOH/gとなる。樹脂微粒子の酸価として、より好ましくは30~70mgKOH/g程度を挙げることができる。
水性コーティング剤において、スチレン系造膜エマルジョンの固形分量としては、5~10質量%程度を挙げることができるが、特に限定されない。
水性コーティング剤は、スチレン系造膜エマルジョンに加えて、塗布適性の面からアルカリ可溶性水溶性樹脂を含む。アルカリ可溶性水溶性樹脂は、アルカリ性の水溶液に溶解したワニスとされて水性コーティング剤に添加される。水性コーティング剤がこうしたワニスを含むことにより、粘性が付与されてその塗布性が高まる。アルカリ可溶性水溶性樹脂は、スチレンアクリル系ポリマー及びスチレンマレイン酸系ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく挙げられ、アクリル酸やマレイン酸の含有量の高い高酸価のポリマーをアンモニア水等のアルカリで中和したものが好ましく用いられる。水溶性樹脂の重量平均分子量としては、5000~20000程度を好ましく挙げられる。また、水溶性樹脂の酸価としては、100~300mgKOH/g程度を挙げることができる。
水性コーティング剤に含まれる上記アルカリ可溶性水溶性樹脂と上記スチレン系造膜エマルジョンとの比率としては、アルカリ可溶性水溶性樹脂/スチレン系造膜エマルジョンの固形分質量比で10/90~30/70程度が好ましく挙げられる。
水性コーティング剤は、上記のスチレン系造膜エマルジョンやアルカリ可溶性水溶性樹脂に加えて各種の成分を含んでもよい。このような成分としてはワックス、シリカ粒子、消泡剤等が挙げられる。
ワックスは、主として耐水層の耐摩擦性を向上させるために添加される。ワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス等が挙げられる。ワックスの平均粒子径としては、コールカウンター法により算出される数値で1~10μm程度が好ましく挙げられ、4~8μm程度がより好ましく挙げられる。水性コーティング剤中におけるワックスの添加量としては、3~10質量%程度を好ましく挙げられる。
シリカは、主として耐水層の光沢を低下させ、マット感を向上させるために添加される。水性コーティング剤中におけるシリカの添加量としては、1~5質量%程度を好ましく挙げられる。
消泡剤は、水性コーティング剤中における気泡の発生を抑制するとともに、水性コーティング剤のレベリング性を向上させるもので、水性コーティング剤を塗布して耐水層を形成させる際に、気泡による耐水層のボイドを抑制したり、塗布性を高めたりするために添加される。消泡剤としては、市販のアセチレン系ジアルコール組成物が挙げられる。水性コーティング剤中における消泡剤の添加量としては、0.5~3質量%程度を好ましく挙げられる。
水性コーティング剤を外側面4となる面に塗布して耐水層6を形成させる際は、公知の塗布方法を特に限定されずに用いることができる。このような塗布法としては、グラビアコーターを用いた塗布、スプレーを用いた塗布等が挙げられる。これらの中でも、グラビアコーターを用いた塗布が好ましく挙げられる。
外側面4となる面に塗布された水性コーティング剤は、乾燥に伴って、その中に含まれるスチレン系造膜エマルジョンの粒子とアクリル可溶性水溶性樹脂とが造膜して樹脂薄膜を形成させる。その結果、耐水層にはスチレン系造膜エマルジョンを由来とする樹脂とアルカリ可溶性水溶性樹脂とが含まれることになる。塗布された水性コーティング剤を乾燥させるに際しては、自然乾燥、温風乾燥等の公知の手段を特に限定されずに用いることができる。
本発明では、上記のように、スチレン系造膜エマルジョンの粒子とアルカリ可溶性水溶性樹脂とを含む水性コーティング剤を塗布することで、耐水性のある樹脂薄膜を形成させる。耐水性のある、隙間のない膜を形成させるという観点からは、UVニス等を塗布してこれを硬化させる手段も考えられる。しかし、UVニスを用いた場合、隙間のない耐水性のある膜を形成させるにはある程度の膜厚が必要となり、圧着葉書にこれを適用したときには厚い耐水層の重みで、重量過多となるおそれがある。この点、上記のような水性コーティング剤を用いて樹脂薄膜を形成させると、薄く軽い耐水層を形成できるので好ましい。
以上、本発明の圧着葉書の一実施形態について、二つ折り(V折り)の圧着印刷物を例に挙げて説明したが、本発明がZ折りの圧着葉書であってもよいことはいうまでもない。
<印刷物の製造方法>
次に、本発明の圧着葉書の製造方法の一実施態様について説明する。この製造方法は、上記本発明の圧着葉書を製造するための方法であり、その説明内容は、既に説明した本発明の圧着葉書との共通点も多い。そのため、以下の説明では、上記本発明の圧着葉書と共通する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
本発明の製造方法は、疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書の製造方法であって、折畳まれた状態で外部へ露出する面に、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン及び水を含有する水性コーティング剤を塗布することで耐水層を形成させる工程を備えることを特徴とする。なお、この工程は、圧着葉書が折畳まれる前に行ってもよいし、折畳まれた後に行ってもよい。こうして製造される圧着葉書の構成は、上記本発明の圧着葉書1と同じである。また、アルカリ可溶性水溶性樹脂及びスチレン系造膜エマルジョンは、上記水性コーティング剤と同じものである。すなわち、本発明の製造方法は、圧着葉書1の外側面4となる面に耐水層6を形成させる工程を備えることを特徴とする。水性コーティング剤を外側面4に塗布する方法についても既に説明した通りである。
外側面4が印刷を施される場合、耐水層6を形成させる上記工程は、その印刷後に実施される方が好ましい。圧着葉書であれば、二つ存在する外側面4のいずれか一方に宛名が印刷されることになるが、この宛名が印刷された後に上記工程が実施されることが好ましい。
水性コーティング剤に含まれるスチレン系造膜エマルジョンは、ガラス転移温度(Tg)が0~20℃のスチレンアクリル系ポリマー、スチレンマレイン酸系ポリマー及びスチレンマレイン酸ハーフエステル系ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。このことは、既に上記圧着葉書1の説明で述べた通りである。
また、水性コーティング剤に含まれるアルカリ可溶性水溶性樹脂は、スチレンアクリル系及び/又はスチレンマレイン酸系のアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。このことも、既に上記圧着葉書1の説明で述べた通りである。
また、水性コーティング剤中のアルカリ可溶性水溶性樹脂とスチレン系造膜エマルジョンとの比率は、アルカリ可溶性水溶性樹脂/スチレン系樹脂の固形分質量比で10/90~30/70であることが好ましい。このことも、既に上記圧着葉書1の説明で述べた通りである。
<疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された印刷物におけるブロッキングを抑制する方法>
次に、本発明の疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された印刷物におけるブロッキングを抑制する方法の一実施態様について説明する。この方法は、折畳まれた状態で外部へ露出する部分に、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン及び水を含有する水性コーティング剤を塗布して当該部分に耐水層を形成させることを特徴とするもので、上記本発明の圧着葉書1のように、外側面に上記水性コーティング剤を塗布することで、当該印刷物が水と接触した場合であっても疑似接着面の剥離性を維持する、すなわちブロッキングを抑制するものである。これについては、既に説明した通りであるので、ここでの説明を省略する。なお、「外側面」とは、折畳まれて圧着葉書形状となったときに外側に配置される面のことであり、この「外側面」に耐水層が形成されるタイミングは、折畳まれて圧着葉書形状となる前でもよいし、折畳まれて圧着葉書形状となった後でもよい。
以下、実施例を示すことにより本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[ワニスの調製]
BASF株式会社製の製品名JONRYL6610(重量平均分子量8500、酸価215mgKOH/g)をスチレンアクリル系のアルカリ可溶性水溶性樹脂ワニスとして用いた。このワニスには、アルカリ可溶性水溶性樹脂が含まれる。
[水性コーティング剤の調製]
スチレンアクリル系エマルジョン(BASF株式会社製、製品名JONRYL7741)70質量部、上記スチレンアクリル系のアルカリ可溶性水溶性樹脂ワニス20質量部、ポリエチレンワックス7質量部、シリカパウダー3質量部、及びアセチレン系ジアルコール組成物(エアープロダクツジャパン株式会社製、製品名SURFYNOL104E)1.5質量部を混合し、水性コーティング剤を調製した。
コート紙の表面に、市販の圧着葉書用UVニス(サカタインクス株式会社製、キュアスターXUV-K3AP)を200線ハンドプルーファーにて塗布し、これに紫外線を照射して硬化させ疑似接着層を備えたシートを得た。次いで、このシートを5cm×21cmにカットし、疑似接着層が内側で重なるように二つ折りにした。二つ折りになったシートを4段プレススタッカー15mm巻締にて圧着し、圧着サンプルとした。この手順を繰り返して合計6枚の圧着サンプルを作製した。
4枚の圧着サンプルについて、上記水性コーティング剤をウェット状態で4μm、9μm、14μm及び18μmの厚さでそれぞれ塗布し、これを室温で24時間自然乾燥させることで外側面に耐水層を形成させた。また、1枚の圧着サンプルについて、市販のUVOPニスを2~3μmの厚さで塗布し、これを紫外線により硬化させることで外側面に耐水層を形成させた。残りの1枚の圧着サンプルは、耐水層を形成させなかった。
上記6枚の圧着サンプルのそれぞれについて、外側面にスポイトで水を1滴垂らしてからそのまま放置し、規定時間(10秒~2100秒)経過後に水を拭き取った。圧着サンプルの疑似接着面を剥離し、水を垂らした箇所のブロッキングの発生有無を確認し、ブロッキングを生じるのに要した時間を記録した。その結果を表1に示す。
Figure 0007294928000001
表1に示すように、水性コーティング剤を塗布して耐水層を形成させた圧着サンプル(本発明の圧着葉書に相当)は、いずれもブロッキングの発生までにかなりの時間を要することがわかる。これに対して、2~3μmという、圧着葉書にて実用的な厚さでUVOPニスによる耐水層を形成させた圧着サンプルでは、水性コーティング剤を用いたものに比べて圧倒的にブロッキング発生までの時間が短いことがわかる。UVOPニスの場合、ウェット膜厚と硬化後の膜厚とでは大差が無いのに比べて、水性コーティング剤では水分の蒸発が有る分、ウェット膜厚よりも乾燥後の膜厚の方が著しく薄いことを考慮すると、水性コーティング剤により形成させた、本発明における耐水層の優秀さが理解できる。
1 圧着葉書
2 被印刷体
3 情報記録面
4 外側面
5 疑似接着層
6 耐水層
A 疑似接着面

Claims (9)

  1. 疑似接着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んでなり、折畳まれた状態で外部へ露出する面に耐水層を備えた圧着葉書であって、前記耐水層が、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン、シリカ及び水を含有する水性コーティング剤で形成されたマットコートであることを特徴とする圧着葉書。
  2. 前記スチレン系造膜エマルジョンが、ガラス転移温度(Tg)が0~20℃のスチレンアクリル系ポリマー、スチレンマレイン酸系ポリマー及びスチレンマレイン酸ハーフエステル系ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1記載の圧着葉書。
  3. 前記アルカリ可溶性水溶性樹脂が、スチレンアクリル系及び/又はスチレンマレイン酸系のアルカリ可溶型樹脂である請求項1又は2記載の圧着葉書。
  4. 前記水性コーティング剤に含まれる前記アルカリ可溶性水溶性樹脂と前記スチレン系造膜エマルジョンとの比率が、アルカリ可溶性水溶性樹脂/スチレン系造膜エマルジョンの固形分質量比で10/90~30/70であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載の圧着葉書。
  5. 疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書の製造方法であって、折畳まれた状態で外部へ露出する面に、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン、シリカ及び水を含有する水性コーティング剤を塗布することでマットな耐水層を形成させる工程を備えることを特徴とする圧着葉書の製造方法。
  6. 前記スチレン系造膜エマルジョンが、ガラス転移温度(Tg)が0~20℃のスチレンアクリル系ポリマー、スチレンマレイン酸系ポリマー及びスチレンマレイン酸ハーフエステル系ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種である請求項5記載の圧着葉書の製造方法。
  7. 前記アルカリ可溶性水溶性樹脂が、スチレンアクリル系及び/又はスチレンマレイン酸系のアルカリ可溶型樹脂である請求項5又は6記載の圧着葉書の製造方法。
  8. 前記水性コーティング剤中のアルカリ可溶性水溶性樹脂とスチレン系造膜エマルジョンとの比率が、アルカリ可溶性水溶性樹脂/スチレン系樹脂の固形分質量比で10/90~30/70であることを特徴とする請求項5~7のいずれか1項記載の圧着葉書の製造方法。
  9. 折畳まれた状態で外部へ露出する部分に、アルカリ可溶性水溶性樹脂、スチレン系造膜エマルジョン、シリカ及び水を含有する水性コーティング剤を塗布してなるマットな耐水層を形成させることを特徴とする、疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書におけるブロッキングを抑制する方法。
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