JP7271228B2 - 水系組成物及び塗膜 - Google Patents

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Description

本発明は、水系組成物及び塗膜に関する。
スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス等のラテックスは、塗工紙のバインダー、カーペットの裏打ちバインダー、各種接着剤及び塗料原料に幅広く使用されている。近年、その機械的安定性及び化学的安定性の向上などを目的として、酸性官能基、水酸基を含有する単量体をラテックスの共重合体成分として、少量配合させることによって得られる変性ラテックスが広く普及している(例えば、特許文献1及び2)。
特開2007-154125号公報 特開2003-73427号公報
しかしながら、接着性能に関し、特に重量物を扱う建設材料分野においては、せん断接着力が更に向上した塗膜の開発が求められていた。
本発明は、せん断接着性能に優れた塗膜を形成する水系組成物、及び塗膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、水酸基含有不飽和単量体単位及び脂肪族共役ジエン系単量体単位を有する共重合体を含む水系組成物であって、硬化すると所定のケーニッヒ硬度を有するようになる水系組成物が、接着性能に優れた塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
水酸基含有不飽和単量体単位(A)及び脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)を有する共重合体、並びに
水、
を含む、水系組成物であって、
ヘキサメチレンジイソシアネートによって硬化された前記水系組成物の塗膜のケーニッヒ硬度が、ヘキサメチレンジイソシアネートによって硬化されていない前記水系組成物の塗膜のケーニッヒ硬度の2.0倍以上となる、前記水系組成物。
[2]
前記共重合体が、前記共重合体を構成する単量体単位の総量を100質量部とした場合、
15質量部以上35質量部以下の前記水酸基含有不飽和単量体単位(A)、
10質量部以上65質量部以下の前記脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)、及び
0質量部以上75質量部以下の重合性不飽和単量体単位(C)、
を有し、
前記重合性不飽和単量体単位(C)が、前記水酸基含有不飽和単量体単位(A)及び前記脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)と異なる、
[1]に記載の水系組成物。
[3]
イソシアネート系硬化剤を更に含む、[1]又は[2]に記載の水系組成物。
[4]
前記共重合体の平均粒子径が、40nm~250nmである、[1]~[3]のいずれかに記載の水系組成物。
[5]
[1]~[4]のいずれかに記載の水系組成物の硬化物からなる塗膜。
[6]
接着剤用である[5]記載の塗膜。
本発明によれば、せん断接着性能に優れた塗膜を形成する水系組成物、及び塗膜を提供することができる。
以下に本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本明細書において、「単量体」は、共重合体を形成するための原料を意味する。なお、単に「単量体」と記載する場合、「単量体」は共重合体を形成するための全ての種類の単量体を包含する。
本明細書において、「単量体単位」は、共重合体の一部を構成する、単量体に由来する構造単位を意味する。なお、単に「単量体単位」と記載する場合、「単量体単位」は共重合体を構成する全ての種類の構造単位を包含する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、メタアクリレート及びアクリレートの双方を包含する。
[水系組成物]
本実施形態は、水酸基含有不飽和単量体単位(A)及び脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)を有する共重合体、並びに
水、
を含む、水系組成物であって、
ヘキサメチレンジイソシアネートによって硬化された前記水系組成物の塗膜のケーニッヒ硬度が、ヘキサメチレンジイソシアネートによって硬化されていない前記水系組成物の塗膜のケーニッヒ硬度の2.0倍以上となる、前記水系組成物に関する。
本明細書において、「水系組成物」とは、水を含む組成物であって、組成物中で水が連続相を形成している組成物である。水系組成物の水以外の成分は、組成物中で分散相を形成していてもよいし、水中に溶解していてもよい。水の含有量は、特に限定されないが、水系組成物を基準として、20質量%以上90質量%以下、30質量%以上80質量%以下、40質量%以上70質量%以下等としてもよい。
本実施形態の水系組成物は、例えば、塗工紙のバインダー、カーペットの裏打ちバインダー、各種接着剤、塗料、及びモルタル混和剤の原料に好適に用いることができる。
<水酸基含有不飽和単量体単位(A)>
本実施形態の水酸基含有不飽和単量体単位(A)としては、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ-(エチレングリコール)マレエート、ジ-(エチレングリコール)イタコネート、2-ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2-ヒドロキシエチル)マレエート、及び2-ヒドロキシエチルメチルフマレートからなる群より選ばれる1種以上の水酸基含有不飽和単量体に由来する単位が挙げられる。
これらの中でも、接着性能を一層向上できる観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の水酸基含有不飽和単量体に由来する単位が好ましく、ヒドロキエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の水酸基含有不飽和単量体に由来する単位がより好ましい。
なお、水酸基含有不飽和単量体単位(A)の原料となる水酸基含有不飽和単量体を以下、「原料成分(a)」と記載することがある。
水酸基含有不飽和単量体単位(A)の含有量は、単量体単位の総量100質量部に対して、15質量部以上35質量部以下であることが好ましい。含有量が15質量部以上であることにより、架橋剤との十分な反応点を有するため、接着性が確保できる。含有量が35質量部以下であることにより、ラテックス粘度が低くなることに加え、良好なポットライフが得られる。同様の観点から、含有量は、15質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以上30質量部以下であることが更に好ましい。
水酸基含有不飽和単量体単位の含有量は、原料として用いられる水酸基含有不飽和単量体の仕込み量に基づいて算出することができる。但し、重合過程で未反応の単量体が残存することもあるので、この場合は、仕込み量全体から残存した単量体全体を差し引いた値と、水酸基含有不飽和単量体の仕込み量から残存した水酸基含有不飽和単量体を差し引いた値とを算出し、前者の値を100質量部としたときの後者の値を換算することにより算出することができる。以下、各単量体単位の含有量についても同様の方法により算出できる。
<脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)>
脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)としては、特に限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、2-クロロ-1,3-ブタジエン(クロロプレン)、1,3-ペンタジエン、及びシクロペンタジエンからなる群より選ばれる1種以上の脂肪族共役ジエン系単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも、入手容易性の観点から、1,3-ブタジエンに由来する単位が好ましい。
なお、脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)の原料となる脂肪族共役ジエン系単量体を以下、「原料成分(b)」と記載することがある。
脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)の含有量は、単量体単位の総量100質量部に対して、10質量部以上65質量部以下であることが好ましい。含有量が10質量部以上であることにより、良好な成膜性が得られる。含有量が65質量部以下であることにより、乾燥後の凝集力をより一層向上でき、煮沸接着強さ等の接着性能が向上する。同様の観点から、含有量は、20質量部以上60質量部以下であることが好ましく、25質量部以上55質量部以下であることがより好ましい。
<重合性不飽和単量体単位(C)>
本実施形態の重合性不飽和単量体単位(C)は、水酸基含有不飽和単量体単位(A)及び脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)とは異なる単量体単位である。また、重合性不飽和単量体単位(C)は、水酸基含有不飽和単量体単位(A)及び脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)の、少なくとも一方と共重合可能な化合物に由来する単位であればよい。
なお、重合性不飽和単量体単位(C)の原料となる重合性不飽和単量体を以下、「原料成分(c)」と記載することがある。
重合性不飽和単量体単位(C)としては、例えば、酸性官能基含有不飽和単量体単位(C1)、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位(C2)、芳香族ビニル単量体単位(C3)、シアン化ビニル単量体単位(C4)、無水マレイン酸単量体、(メタ)アクリルアミド単量体、ビニルエステル単量体、ビニルエーテル単量体、ハロゲン化ビニル単量体、アミノ基含有塩基性単量体、ビニルピリジン単量体、オレフィン単量体、ケイ素含有α,β-不飽和性単量体、及びアリル単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単位が挙げられる。
中でも、重合性不飽和単量体単位(C)は、酸性官能基含有不飽和単量体単位(C1)、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位(C2)、芳香族ビニル単量体単位(C3)、及びシアン化ビニル単量体単位(C4)からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
重合性不飽和単量体単位(C)の含有量は、例えば、単量体単位の総量100質量部に対して、0質量部以上75質量部以下である。
(酸性官能基含有不飽和単量体単位(C1))
本実施形態の共重合体は、分散安定性の観点から、酸性官能基含有不飽和単量体単位(C1)を有することが好ましい。酸性官能基含有不飽和単量体単位(C1)としては、特に限定されないが、例えば、一塩基酸単量体、及び二塩基酸単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単位が挙げられる。
一塩基酸単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、桂皮酸、スチレンスルホン酸、メタアリルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、及びこれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩)からなる群より選ばれる1種以上の一塩基酸単量体に由来する単位が挙げられる。
二塩基酸単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、ムコン酸、及びこれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩)からなる群より選ばれる1種以上の二塩基酸単量体に由来する単位が挙げられる。
酸性官能基含有不飽和単量体単位(C1)の含有量は、単量体単位の総量100質量部に対して、0質量部を超えて、5質量部以下であることが好ましい。含有量が5質量部以下であることにより、ラテックス粘度が低くなることに加え、良好なポットライフが得られる。同様の観点から、含有量は、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることがさらに好ましい。
<不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位(C2)>
本実施形態の共重合体は、塗膜の物性(例えば、ガラス転移温度(Tg)及び溶解性パラメーター(sp値))を適宜調整するために、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位(C2)を有していてもよい。不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位(C2)としては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-エチル-ヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジグリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メトキシポリエチリングリコール(メタ)アクリレート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリグリコール(メタ)アクリレート、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、及びイソボルニル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単位が挙げられる。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位(C2)の含有量は、塗膜の使用目的により適宜調整してもよく、例えば、単量体単位の総量100質量部に対して、0を超えて75質量部以下であってもよい。
<芳香族ビニル単量体単位(C3)>
本実施形態の共重合体は、塗膜の物性(例えば、ガラス転移温度(Tg)及び溶解性パラメーター(sp値))を適宜調整するために、芳香族ビニル単量体単位(C3)を有していてもよい。芳香族ビニル単量体単位(C3)としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p-t-ブチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、及びトリビニルベンゼンからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単量体単位が挙げられる。
芳香族ビニル単量体単位(C3)の含有量は、塗膜の使用目的により適宜調整してもよく、例えば、単量体単位の総量100質量部に対して、3質量部以上50質量部以下であってもよい。
<シアン化ビニル単量体単位(C4)>
本実施形態の共重合体は、塗膜の物性(例えば、ガラス転移温度(Tg)及び溶解性パラメーター(sp値))を適宜調整するために、シアン化ビニル単量体単位(C4)を有していてもよい。シアン化ビニル単量体単位(C4)としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリロニトリルに由来する単量体単位が挙げられる。
シアン化ビニル単量体単位(C4)の含有量は、塗膜の使用目的により適宜調整してもよく、例えば、単量体単位の総量100質量部に対して、0を超えて10質量部以下であってもよい。
(メタ)アクリルアミド単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、及びN-アルコキシ(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単量体単位が挙げられる。
ビニルエステル単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルステアレート、ビニルラウレート、ビニルミリステート、ビニルプロピオネート、及びバーサティク酸ビニルからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単量体単位が挙げられる。
ビニルエーテル単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、及びヘキシルビニルエーテルからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単量体単位が挙げられる。
ハロゲン化ビニル単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単量体単位が挙げられる。
アミノ基含有塩基性単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単量体単位が挙げられる。
オレフィン単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、及びプロピレンからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単量体単位が挙げられる。
ケイ素含有α,β-不飽和性単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、ビニルトリクロルシラン、及びビニルトリエトキシシランからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単量体単位が挙げられる。
アリル単量体単位としては、特に限定されないが、例えば、アリルエステル、及びジアリルフタレートからなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する単量体単位が挙げられる。
重合性不飽和単量体単位(C)の原料となる単量体は、2つ以上の重合性不飽和基を有してもよい。重合性不飽和基の数が3である単量体に由来する単位としては、例えば、トリアリルイソシアヌレートに由来する単位が挙げられる。
<イソシアネート系硬化剤>
本実施形態の水系組成物は、イソシアネート系硬化剤(架橋剤)を更に含んでいてもよい。イソシアネート系硬化剤は、2個以上のイソシアネート基を有することが好ましい。イソシアネート系硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びその水素化物、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリメチロールプロパン-トリレンジイソシアネートアダクト、ジフェニルメタンジイソシアネート[MDI(メチレンジ(4-フェニルイソシアネート)、クルードMDIを含む)]及びその水素化物、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4、4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。これらに高沸点溶剤等を配合したものも使用できる。また、ポリエステル等のポリオールに上記イソシアネート系硬化剤を過剰に混合したもの、ポリオールと過剰のポリイソシアネートとで予めポリマー化したOH基末端プレポリマー、過剰のポリオールで予めポリマー化したOH基末端プレポリマーにポリイソシアネート系硬化剤を過剰に加えたもの、ノニオン界面活性剤を含有するポリイソシアネート等も使用できる。
水系組成物に含まれる硬化剤の含有量は、水系組成物を基準として、好ましくは5~35質量%であり、より好ましくは15~25質量%である。硬化剤の含有量が5質量%以上であることにより、煮沸接着強さや初期接着力が良好となる。イソシアネート系硬化剤の含有量が35質量%以下であることにより、ポットライフが良好となる。
本実施形態の水系組成物は、例えば、前記共重合体が水中で分散した分散液の形態を有している。水系組成物の固形分濃度は、特に限定されないが、例えば、10~60質量%程度であってもよい。
本実施形態の水系組成物のpHは、特に限定されないが、安定性と取り扱い性の観点から、pH3~10であることが好ましい。
本実施形態の水系組成物に含まれる共重合体の平均粒子径は、例えば、5nm~500nmであり、好ましくは40nm~250nmである。共重合体の平均粒子径は、シードラテックス、界面活性剤を所望の割合で使用することにより調整できる。通常、その使用量を大きくすることにより、共重合体の平均粒子径は小さくなる傾向にある。
<ケーニッヒ硬度>
本実施形態の水系組成物は、ヘキサメチレンジイソシアネートによって硬化された場合に、非硬化塗膜のケーニッヒ硬度に対する硬化塗膜のケーニッヒ硬度の比率(以下「硬度上昇率」という。)として所定の上昇率を有する。
このような硬度上昇率としては、2.0倍以上、好ましくは2.0倍~3.0倍であり、より好ましくは2.5倍~3.0倍である。
ここで、前記硬度上昇率を示す水系組成物が、せん断接着性に優れる塗膜を実現するメカニズムについて詳細は詳らかではないが、以下の様に推察される。
即ち、せん断接着力の測定においては接着層に対し、いわゆるズリ応力が主として印加されることとなるが、このようなズリ応力に対して十分な接着力を発現するためには、通常の180°剥離に比べ、より接着界面の接着性、被着体の変位に対する追従性、及び凝集破壊強度のバランスが重要と考えられる。せん断方向の追従性が良好でも、凝集破壊強度に劣ればせん断方向の変位に耐えられず破断する傾向となり、追従性が劣れば、凝集破壊強度が良好であっても変位と共に増加するせん断応力に耐えることが困難な傾向となる。そもそもの接着界面の接着性が重要であることは言うまでもない。
そして、この様なバランスを実現する手段として、本実施形態においてはケーニッヒ硬度の硬度上昇率を規定する。本実施形態における共重合体には相対的に柔らかいセグメント(脂肪族共役ジエン系単量体に主として由来するセグメント)と、相対的に硬いその他のセグメントとが存在するものと考えられるが、相対的に硬いセグメントが架橋された場合には硬化後にも柔らかいセグメントが存在するため、硬化後の塗膜の硬度上昇率は抑制される傾向となる。つまり、ケーニッヒ硬度の硬度上昇率が高いことは、硬化前においては硬度が小さく接着界面の馴染み性に優れ、いわゆるアンカー効果による接着性発現が期待できると共に、硬化過程において、相対的に柔らかいセグメントが高度に架橋されていることを意味するものと考えられる。
本実施形態においては硬度上昇率が一定値以上である水系組成物を採用することにより、アンカー効果が期待されると共に、硬化過程において適度に柔らかいセグメントが架橋されるため、適度な凝集破壊強度と適度な追従性とがバランスし、良好なせん断接着強度が実現されるものと考えられる。
なお、硬度上昇率が2.0倍以上であることにより、架橋によって高い硬度が得られる傾向となる。一方、硬度上昇率が好ましくは3.0倍以下であることにより、共重合体の柔らかさをより維持できる傾向となる。塗膜が適度な初期接着性、硬度と柔軟性とを有することによって、塗膜が破壊されにくくなり、これによりせん断接着性能が向上する。
非硬化膜のケーニッヒ硬度としては、例えば、5~15回、7~13回等が挙げられる。硬化膜のケーニッヒ硬度としては、例えば、10~45回、15~38回等が挙げられる。
硬度上昇率は、ヘキサメチレンジイソシアネートを介した共重合体の架橋の度合いによって変化する。具体的には、共重合体が高度に架橋するほど、硬度上昇率が高くなる。ヘキサメチレンジイソシアネートは共重合体に含まれる水酸基と反応するため、水酸基含有不飽和単量体単位(A)の含有量を増やすことによって、硬度上昇率を高めることができる。また、ヘキサメチレンジイソシアネートと反応性の他の官能基を含む単量体単位の含有量を増やすことによって、硬度上昇率を高めることもできる。当業者であれば、共重合体の組成を適宜変更して、適切な硬度上昇率を達成することができる。
[本実施形態の水系組成物の製造方法]
本実施形態の水系組成物の製造方法は、水酸基含有不飽和単量体と、脂肪族共役ジエン系単量体とを仕込み、重合させる重合工程を含む。
本実施形態の水系組成物の製造方法に使用する単量体の詳細は、前記[水系組成物]の項目で記載したとおりである。なお、各単量体の仕込み量は、各単量体に対応する単量体単位の含有量として、前記[水系組成物]の項目において記載した量とすることができる。
単量体を重合する方法としては、特に限定されないが、例えば、公知の乳化重合による方法が挙げられる。より詳細には、重合可能な温度に調整された反応系に、あらかじめ水、界面活性剤、重合開始剤、及びその他添加剤を含む原料(以下「第1原料」ともいう。)を仕込み、次に、この反応系に単量体、連鎖移動剤、及び重合反応抑制剤を含む原料(以下「第2原料」ともいう。)及び、水、pH調整剤、界面活性剤、及び重合開始剤を含む原料(以下「第3原料」ともいう。)を同時又は逐次的に反応系内に仕込むことにより乳化重合させる方法が挙げられる。この重合工程において、各原料は、回分操作又は連続操作により反応系内に仕込んでもよい。なお、単量体が、二塩基酸単量体を含む場合には、二塩基酸単量体を第1原料に含めてもよい。
また、必要に応じて反応系には、シードラテックス、重合開始剤、その他の調整剤を、第2原料を仕込む前にあらかじめ仕込んでおいてもよい。また、単量体、その他の添加剤又は調整剤を反応系へ添加することにより、得られる共重合体粒子の層構造の各物性(例えば、親水性、ガラス転移温度、分子量、架橋密度など)を段階的に変えることができる。なお、本実施形態において、共重合体の層構造の段階数は特に制限されない。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、従来公知のアニオン、カチオン、両性及び非イオン性の界面活性剤を用いることができる。これらの中でも、界面活性剤は、脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤であることが好ましい。これらの界面活性剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の仕込み量(使用量)は、単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0~0.1質量部であり、より好ましくは0質量部である。
<反応性乳化剤>
分子中にビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤を用いてもよい。反応性乳化剤は、第1原料~第3原料のいずれに含まれていてもよい。また、反応性乳化剤を仕込む場合、単量体の仕込み総量に反応性乳化剤の仕込み量も含まれる。
<重合開始剤>
重合開始剤は、熱又は還元性物質の存在下ラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるラジカル重合開始剤であれば特に限定されず、無機系ラジカル重合開始剤及び有機系ラジカル重合開始剤のいずれも使用できる。ラジカル重合開始剤の具体例としては、水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、t-ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2-アゾビスブチロニトリル、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられ、また、これら以外にも、POLYMER HANDBOOK (3rd edition)、J.Brandrup及びE.H.Immergut著、John Willy&Sons刊(1989)のラジカル重合開始剤として記載された化合物も挙げられる。これらの重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本実施形態において、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリット等の還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を採用してもよい。これらの中では、ペルオキソ二硫酸塩が重合開始剤として好適である。この重合開始剤の仕込み量(使用量)は、共重合体の重合時の安定性の観点から、単量体の総量100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.2質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
<重合反応抑制剤>
重合反応抑制剤としては、乳化重合系に添加することにより、ラジカル重合速度を低下させることができる化合物が挙げられ、重合速度遅延剤、重合禁止剤、ラジカル再開始反応性が低い連鎖移動剤、及びラジカル再開始反応性が低い単量体が挙げられる。
重合反応抑制剤は、重合反応速度の調整及び共重合体の物性の調整に用いられる。これらの重合反応抑制剤は、回分操作又は連続操作で反応系に添加してもよい。重合反応抑制剤を用いる場合、塗膜の強度がより向上する傾向にある。重合反応抑制剤はポリマーの立体構造に密接に関与していると思われ、これにより塗膜の物性の調整に効果があるものと推測されるが、この推測により本発明は何ら限定されない。
重合反応抑制剤としては、特に限定されないが、例えば、o-,m-,又はp-ベンゾキノン等のキノン類、ニトロベンゼン、o-,m-,又はp-ジニトロベンゼン等のニトロ化合物、ジフェニルアミン等のアミン類、第三ブチルカテコール等のカテコール誘導体、1,1-ジフェニル又はα-メチルスチレン、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン等の1,1-ジ置換ビニル化合物、2,4-ジフェニル-4-メチル-2-ペンテン、シクロヘキセン等の1,2-ジ置換ビニル化合物等が挙げられる。これら以外にも、「POLYMER HANDBOOK 3rd Ed.(J.Brandup,E.H.Immergut:John Wiley & Sons,1989)」、「改訂高分子合成の化学(大津:化学同人、1979.)」の重合禁止剤又は重合抑制剤として記載された化合物が挙げられる。これらの重合反応抑制剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合反応抑制剤は、これらの中でも、反応性の観点から、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン(α-メチルスチレンダイマー)が好ましい。
重合反応抑制剤の仕込み量(使用量)は、単量体の総量100質量部に対して、重合速度の観点から、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
<連鎖移動剤>
連鎖移動剤としては、特に限定されないが、硫黄元素を含む連鎖移動剤が挙げられ、より具体的には、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン等のアルカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール等のチオアルキルアルコール、チオグリコール酸、チオプロピオン酸等のチオアルキルカルボン酸、チオグリコール酸オクチルエステル、チオプロピオン酸オクチルエステル等のチオカルボン酸アルキルエステル、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィド等が挙げられる。また、ターピノーレン、ジペンテン、t-テルピネン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。これらの連鎖移動剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤は、これらの中でも、連鎖移動速度が大きく、また共重合体の物性が優れる観点から、t-ドデシルメルカプタンであることが好ましい。本実施形態の重合工程では、連鎖移動剤を、単量体と混合して反応系に仕込んでもよく、単独で所定の時期に所定量反応系に仕込んでもよい。これらの連鎖移動剤の仕込み量(使用量)は、単量体の総量100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。仕込み量が0.1質量部以上であることにより、煮沸接着強さや初期接着力が良好となる。仕込み量が10質量部以下であることにより、ポットライフが短くなる。
本実施形態の重合工程(例えば、乳化重合による重合工程)において、さらに酸化還元触媒として、金属触媒、例えば、2価の鉄イオン、3価の鉄イオン、銅イオン等を共存させてもよい。
さらに酸化還元触媒として、金属触媒、例えば、2価の鉄イオン、3価の鉄イオン、銅イオン等を共存させてもよい。
本実施形態においては、必要に応じ各種重合調整剤をさらに添加することができる。例えば、pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等のpH調整剤をさらに添加することができる。また、ジアミン四酢酸ナトリウム等の各種キレート剤等も重合調整剤としてさらに添加することもできる。pH調整剤の仕込み量(使用量)は、単量体の総量100質量部に対して、0を超えて、1.0質量部以下であってもよい。
また、上述した以外の添加剤としては、アルカリ感応ラテックス、ヘキサメタリン酸等の減粘剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、増粘剤、各種老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の分散剤、耐水化剤、亜鉛華等の金属酸化物、滑剤、保水剤等の各種添加剤を添加してもよい。これらの添加剤の添加方法は、特に制限されず共重合体の重合時、重合後に関わらず添加することができる。
本実施形態の重合工程(例えば、乳化重合による重合工程)における重合温度は、例えば、60~120℃の範囲であり、レドックス重合法等を用いる場合には、より低い温度で重合を行ってもよい。
[塗膜]
本実施形態の塗膜は、前記水系組成物をイソシアネート系硬化剤によって硬化した塗膜である。イソシアネート系硬化剤は、水系組成物中に含有されていてもよいし、水系組成物とは別に準備されていてもよい。
塗膜は、水系組成物を基材に塗布し、加熱し、乾燥することにより形成することができる。水系組成物がイソシアネート系硬化剤を含まない場合には、基材への塗布の前に、水系組成物をイソシアネート系硬化剤と混合することが好ましい。
加熱温度は、特に限定されないが、例えば100~150℃としてもよい。加熱時間は、特に限定されないが、例えば10分~1時間としてもよい。
乾燥温度は、特に限定されないが、例えば20~30℃としてもよい。乾燥時間は、特に限定されないが、例えば1~5日としてもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてさらに具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、上述した各種パラメータは、特に断りのない限り、実施例に記載の測定方法に準じて測定される。
<水系組成物の調製>
(実施例1~3)
撹拌装置と温度調節用ジャケットとを取り付けた耐圧反応容器に、表1に示す第1原料を表1に示す仕込み量にて仕込み、内温を85℃に昇温した。次に、表1に示す第2原料を表1に示す仕込み量にて、5時間かけて一定の流速で仕込むとともに、表1に示す第3原料を表1に示す仕込み量にて6時間かけて一定の流速で仕込んだ。次に、温度を85℃に1時間保って、重合反応を完了した。得られた水系組成物に水酸化ナトリムを加えてpHを7に調整し、スチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、固形分濃度を40質量%に調整した。水系組成物は分散液の形態で得られた。
(比較例1)
撹拌装置と温度調節用ジャケットとを取り付けた耐圧反応容器に、平均粒子径30nmのポリスチレン製シードラテックス0.5質量部と、表1に示す第1原料とを一括して、表1に示す仕込み量にて仕込み、内温を85℃に昇温した。次に、表1に示す第2原料を表1に示す仕込み量にて、5時間かけて一定の流速で仕込むとともに、表1に示す第3原料を表1に示す仕込み量にて6時間かけて一定の流速で仕込んだ。次に、温度を85℃に1時間保って、重合反応を完了した。得られた水系組成物に水酸化ナトリムを加えてpHを7に調整し、スチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、固形分濃度を50質量%に調整した。水系組成物は分散液の形態で得られた。
(比較例2)
撹拌装置と温度調節用ジャケットとを取り付けた耐圧反応容器に、平均粒子径30nmのポリスチレン製シードラテックス2質量部と、表1に示す第1原料とを一括して、表1に示す仕込み量にて仕込み、内温を85℃に昇温した。次に、表1に示す第2原料を表1に示す仕込み量にて、5時間かけて一定の流速で仕込むとともに、表1に示す第3原料を表1に示す仕込み量にて6時間かけて一定の流速で仕込んだ。次に、温度を85℃に1時間保って、重合反応を完了した。得られた水系組成物に水酸化ナトリムを加えてpHを7に調整し、スチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、200メッシュの金網で濾過し、固形分濃度を50質量%に調整した。水系組成物は分散液の形態で得られた。
Figure 0007271228000001
<pH>
校正したガラス電極式水素イオン濃度指示計(東亜DKK株式会社製HM-30R)の電極を水系組成物に浸し、値が安定したのちの水素イオン濃度指示計の支持する数値を読むことで測定した。結果を表2に示す。
<平均粒子径>
ブラウン運動している微粒子に光を当て、粒子から戻ってくる光(後方散乱光)の振動数(光の周波数)の変化量から、微粒子の粒子径を求める方法で体積平均粒子径(nm)を測定した。測定装置はマイクロトラックUPA150(日機装株式会社)を用いた。結果を表2に示す。
<ガラス転移温度(Tg)>
水系組成物を100℃で1時間乾燥を行い、フィルムを作成した。このフィルムを高感度示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製DSC-7020)を用いて、温度-75℃から+115℃まで、昇温速度15℃/minで測定した。ガラス転移温度は、DSC曲線を更に温度で微分した、DDSC曲線のピーク位置をもってガラス転移温度とした。結果を表2に示す。
<ケーニッヒ硬度>
(非硬化塗膜)
水系組成物を20μmの厚さになるようにガラス板に塗布した。その後、130℃で30分間加熱し、25℃で3日間乾燥し、非硬化塗膜を得た。
(硬化塗膜)
水系組成物24質量部に、水10質量部、及び架橋剤としてイソシアネート系硬化剤であるヘキサメチレンジイソシアネート(旭化成社製、WT30-100)6質量部を添加し、混合撹拌した。次いで、この組成物を20μmの厚さになるようにガラス板に塗布した。その後、130℃で30分間加熱し、25℃で3日間乾燥し、硬化塗膜を得た。
(硬度測定条件)
非硬化塗膜及び硬化塗膜のケーニッヒ硬度を、ペンデュラム硬度試験機(Therminport Quality Control社製のSPO500)によって、ケーニッヒ振り子(ステンレス製200g)を用いて測定した。測定開始角度を6°とし、測定終了角度が3°を下回るまでの振り子の往復回数をケーニッヒ硬度(回)とした。結果を表2に示す。
Figure 0007271228000002
<せん断強さ>
せん断強さは、JISK6852-1994に記載の「接着剤の圧縮せん断接着強さ試験方法」に準じて測定した。すなわち、決められた接着面積(せん断面積)に決められた量の接着剤を塗布し、接着面と平行な方向に圧縮荷重をかけ、試験片が破断するまでの最大荷重を測定し、せん断面積で除した値をせん断強さとした。
[評価基準]
◎:25N/mm2以上
〇:20N/mm2以上25N/mm2未満
×:20N/mm2未満
Figure 0007271228000003

Claims (5)

  1. 水酸基含有不飽和単量体単位(A)及び脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)を有する共重合体、並びに
    水、
    を含む、水系組成物であって、
    ヘキサメチレンジイソシアネートによって硬化された前記水系組成物の塗膜のケーニッヒ硬度が、ヘキサメチレンジイソシアネートによって硬化されていない前記水系組成物の塗膜のケーニッヒ硬度の2.0倍以上とな
    前記水酸基含有不飽和単量体単位(A)が、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上であり、
    前記脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)が、1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、2-クロロ-1,3-ブタジエン(クロロプレン)、1,3-ペンタジエン、及びシクロペンタジエンからなる群より選ばれる1種以上であり、
    前記共重合体が、前記共重合体を構成する単量体単位の総量を100質量部とした場合、
    20質量部以上35質量部以下の前記水酸基含有不飽和単量体単位(A)、
    10質量部以上55質量部以下の前記脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)、及び
    0質量部以上75質量部以下の重合性不飽和単量体単位(C)、
    を有し、
    前記重合性不飽和単量体単位(C)が、前記水酸基含有不飽和単量体単位(A)及び前記脂肪族共役ジエン系単量体単位(B)と異なる、前記水系組成物。
  2. イソシアネート系硬化剤を更に含む、請求項1に記載の水系組成物。
  3. 前記共重合体の平均粒子径が、40nm~250nmである、請求項1又は2に記載の水系組成物。
  4. 請求項1~のいずれか一項に記載の水系組成物の硬化物からなる塗膜。
  5. 接着剤用である請求項に記載の塗膜。

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