JP7256757B2 - 処置用化合物及び組成物、並びにその使用方法 - Google Patents

処置用化合物及び組成物、並びにその使用方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年3月9日出願の米国特許出願第62/640,865号及び2017年5月22日出願の国際特許出願第PCT/CN2017/085276号(これらはそれぞれ全体が参照により本明細書に組み入れられる)に対する優先権の利益を主張する。
技術分野
本発明は、JAK1等のヤヌスキナーゼの阻害剤である化合物に加えて、これら化合物を含有する組成物、及びJAKキナーゼの阻害に応答する病態に罹患している患者の診断又は処置を含むがこれらに限定されない使用方法に関する。
背景技術
サイトカイン経路は、炎症及び免疫の多くの局面を含む、広範囲にわたる生物学的機能を媒介する。JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2を含むヤヌスキナーゼ(JAK)は、I型及びII型のサイトカイン受容体に結合し、サイトカインのシグナル伝達を制御する細胞質タンパク質キナーゼである。サイトカインと同種受容体との結合によって、受容体に結合しているJAKの活性化が誘発され、これはJAKによって媒介される、シグナル伝達性転写因子(STAT)タンパク質のチロシンリン酸化、最終的には特定の遺伝子セットの転写活性化につながる(Schindler et al., 2007, J. Biol. Chem. 282: 20059-63)。JAK1、JAK2及びTYK2は、広いパターンの遺伝子発現を示すが、JAK3の発現は白血球に限定される。サイトカイン受容体は、典型的にはヘテロダイマーとして機能し、その結果、通常1種を超えるJAKキナーゼがサイトカイン受容体複合体と結合する。様々なサイトカイン受容体複合体に結合する特異的JAKが、多くの場合、遺伝学研究を通して確認され、他の実験的証拠によって裏付けられている。JAK酵素阻害の例示的な処置上の利点は、例えば国際公開公報第2013/014567号において考察されている。
JAK1は、初めは新規キナーゼのスクリーニングにおいて同定された(Wilks A.F., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86:1603-1607)。遺伝学的及び生化学的研究によって、JAK1が、I型インターフェロン(例えば、IFNアルファ)、II型インターフェロン(例えば、IFNガンマ)、並びにIL-2及びIL-6のサイトカイン受容体複合体と機能的に関連し、物理的に結合することが示されている(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24;Levy et al., 2005, Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 3:651-662;O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK1ノックアウトマウスは、LIF受容体のシグナル伝達が欠損しているため、周産期に死亡する(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24;O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK1ノックアウトマウスに由来する組織の特性評価により、IFN、IL-10、IL-2/IL-4、及びIL-6の経路におけるこのキナーゼの重要な役割が立証された。IL-6経路を標的とするヒト化モノクローナル抗体(トシリズマブ)は、中~重度の関節リウマチの処置について欧州委員会によって承認されている(Scheinecker et al., 2009, Nat. Rev. Drug Discov. 8:273-274)。
CD4 T細胞は、IL-4、IL-9及びIL-13を含む、肺内におけるTH2サイトカインの生成を通じて、喘息の発病機序において重要な役割を果たしている(Cohn et al., 2004, Annu. Rev. Immunol. 22:789-815)。IL-4及びIL-13は、粘液産生の増大、好酸球の肺への動員、及びIgE産生の増大を誘導する(Kasaian et al., 2008, Biochem. Pharmacol. 76(2): 147-155)。IL-9は、肥満細胞の活性化を引き起こすので、喘息の症状を悪化させる(Kearley et al., 2011, Am. J. Resp. Crit. Care Med., 183(7): 865-875)。IL-4Rα鎖は、JAK1を活性化し、共通ガンマ鎖又はIL-13Rα1鎖と組み合わされたとき、それぞれIL-4又はIL-13に結合する(Pernis et al., 2002, J. Clin. Invest. 109(10):1279-1283)。また、共通ガンマ鎖は、IL-9Rαと組み合わされてIL-9と結合することもでき、同様にIL-9RαがJAK1を活性化する(Demoulin et al., 1996, Mol. Cell Biol. 16(9):4710-4716)。共通ガンマ鎖はJAK3を活性化するが、JAK1がJAK3よりも優位であり、共通ガンマ鎖を通じてシグナル伝達を不活化するには、JAK3活性があるにもかかわらず、JAK1を阻害すれば十分であることが示されている(Haan et al., 2011, Chem. Biol. 18(3):314-323)。JAK/STATシグナル伝達経路をブロックすることによりIL-4、IL-13及びIL-9のシグナル伝達を阻害すると、前臨床肺炎症モデルにおいて、喘息の症状を軽減することができる(Mathew et al., 2001, J. Exp. Med. 193(9): 1087-1096;Kudlacz et. al., 2008, Eur. J. Pharmacol. 582(1-3): 154-161)。
生化学的及び遺伝学的研究によって、JAK2と、単鎖(例えばEPO)、IL-3及びインターフェロンガンマサイトカイン受容体ファミリーとの結合が示されている(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24;Levy et al., 2005, Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 3:651-662;O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。このことと一致して、JAK2ノックアウトマウスは貧血で死亡する(O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK2におけるキナーゼ活性化突然変異(例えばJAK2 V617F)は、ヒトの骨髄増殖性障害と関連している。
JAK3は、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15及びIL-21のサイトカイン受容体複合体に存在する、ガンマ共通サイトカイン受容体鎖と排他的に結合する。JAK3は、リンパ腫細胞の発生及び増殖にとって重要であり、JAK3の突然変異は、重症複合免疫不全(SCID)をもたらす(O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。リンパ球の制御におけるその役割に基づいて、JAK3及びJAK3媒介経路は、免疫抑制性適応症(例えば移植拒絶反応及び関節リウマチ)の標的となっている(Baslund et al., 2005, Arthritis & Rheumatism 52:2686-2692;Changelian et al., 2003, Science 302: 875-878)。
TYK2は、I型インターフェロン(例えばIFNアルファ)、IL-6、IL-10、IL-12及びIL-23サイトカイン受容体複合体と結合する(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24;Watford, W.T. & O'Shea, J.J., 2006, Immunity 25:695-697)。このことと一致して、TYK2欠損ヒトに由来する初代細胞は、I型インターフェロン、IL-6、IL-10、IL-12及びIL-23のシグナル伝達が欠損している。IL-12及びIL-23サイトカインの共有p40サブユニットを標的とする完全ヒトモノクローナル抗体(ウステキヌマブ)が、中~重度の尋常性乾癬の処置について欧州委員会によって承認されている(Krueger et al., 2007, N. Engl. J. Med. 356:580-92;Reich et al., 2009, Nat. Rev. Drug Discov. 8:355-356)。更に、IL-12及びIL-23経路を標的とする抗体は、クローン病の処置について治験が行われた(Mannon et al., 2004, N. Engl. J. Med. 351:2069-79)。
国際公開公報第2010/051549号、同第2011/003065号、同第2015/177326号及び同第2017/089390号では、1つ以上のヤヌスキナーゼの阻害剤として有用であることが報告されている特定のピラゾロピリミジン化合物が論じられている。これには、JAK1、並びにJAK2、JAK3、及び/又はTYK2のキナーゼの阻害を示す特定の具体的な化合物についてのデータが提示されている。
現在、ヤヌスキナーゼの阻害剤である更なる化合物が依然として必要とされている。例えば、有用な処置効果を得るのに必要な他の薬理学的特性と組み合わせて、1つ以上のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1)の阻害剤として有用な能力を有する化合物が必要とされている。例えば、1つのヤヌスキナーゼに対し、他のキナーゼ一般に対してよりも選択性(例えば、JAK1に対し、ロイシンリッチリピートキナーゼ2(LRRK2)等の他のキナーゼに対してよりも選択性)を示す、強力な化合物が必要とされている。また、1つのヤヌスキナーゼに対し、他のヤヌスキナーゼに対してよりも選択性(例えば、JAK1に対する、他のヤヌスキナーゼを超える選択性)を示す、強力な化合物も必要とされている。JAK1に対して選択性を示すキナーゼは、JAK1の阻害に応答する病態において、より少ない副作用で処置効果を提供することができる。更に現在、製剤化及び吸入による投与に必要な他の特性(例えば融点、pK、溶解度等)を有する、強力なJAK1阻害剤が必要とされている。このような化合物は、例えば喘息等の病態を処置するのに特に有用である。
当技術分野では、上記のもののような、JAKキナーゼによって媒介される病態の更なる、又は代替的な処置が必要とされている。
発明の概要
JAKキナーゼを阻害するピラゾロピリミジン、例えば式(I)の化合物、その立体異性体又は塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)から選択されるものが、本明細書に提供される。該JAKキナーゼは、JAK1であってよい。
一実施態様は、式(I):
Figure 0007256757000001

(式中、
は、水素又はCHであり;
は、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル又は-ORであり、Rは場合により、ハロゲン、C-Cアルキル、シアノ、ヒドロキシ及びオキソからなる群より独立して選択される1種以上の基によって置換されており;
は、C-Cアルキル、-フェニル-COR、-フェニル-(3~6員ヘテロシクリル)又は3~11員ヘテロシクリルであり、Rは場合により、ハロゲン、C-Cアルキル、シアノ、ヒドロキシ及びオキソからなる群より独立して選択される1種以上の基によって置換されており;
及びRは、それぞれ独立して水素又はCHであり;
は、水素又はNHであり;
は、水素又はCHであり;
は、水素又はNHである)
の化合物、又はその立体異性体若しくは塩(例えば薬学的に許容し得る塩)を提供する。
また、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩と、薬学的に許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤とを含む医薬組成物も提供される。
また、処置、例えば炎症性疾患(例えば喘息)の処置における、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩の使用も提供される。また、炎症性疾患を処置するための医薬を調製するための、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩の使用も提供される。また、治療上有効な量の本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩を患者に投与することを含む、該患者におけるヤヌスキナーゼ活性の阻害に応答する疾患又は病態を予防し、治療し、又はその重篤度を低減する方法も提供される。
本明細書に記載される特定の化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)は、1種以上のヤヌスキナーゼ(例えばJAK1)の阻害剤として有益な能力を有する。特定の化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)はまた、a)あるヤヌスキナーゼに対し、他のキナーゼに対してよりも選択的であり、b)JAK1に対し、他のヤヌスキナーゼに対してよりも選択的であり、並びに/又はc)製剤化及び吸入による投与に必要な他の特性(例えば融点、pK、溶解度等)を有する。本明細書に記載される特定の化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)は、喘息等の病態を処置するのに特に有用であり得る。
発明を実施するための形態
定義
「ハロゲン」又は「ハロ」とは、F、Cl、Br、又はIを指す。更に、「ハロアルキル」等の用語は、アルキル基の水素が1個以上のハロゲンに置き換わっているモノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。
用語「アルキル」とは、飽和で直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素ラジカルを指し、アルキルラジカルは、場合により置換されていてもよい。一例では、アルキルラジカルは、炭素原子が1~18個(C-C18)である。他の例では、アルキルラジカルは、C-C、C-C、C-C、C-C12、C-C10、C-C、C-C、C-C、C-C又はC-Cである。Cアルキルは、結合を指す。アルキル基の例は、メチル(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CHCHCH)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CHCHCHCH)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CHCH(CH)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH)CHCH)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル(-CH(CHCH)、2-メチル-2-ブチル(-C(CHCHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH(CH)、3-メチル-1-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-1-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、1-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CHCH)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CHCH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CHCH(CH)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)C(CH、1-ヘプチル、及び1-オクチルを含む。幾つかの実施態様では、「場合により置換されているアルキル」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニルのうちの1~4例を含み、これらのアルキル、フェニル及び複素環の部分は、場合により、例えばこの同じリストから選択される置換基のうちの1~4例によって、置換されていてもよい。
用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素二重結合を有する、直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素ラジカルを指し、アルケニルラジカルは、場合により置換されていてもよく、「シス」及び「トランス」配向、あるいは「E」及び「Z」配向を有するラジカルを含む。一例では、アルケニルラジカルは、炭素原子が2~18個(C-C18)である。他の例では、アルケニルラジカルは、C-C12、C-C10、C-C、C-C又はC-Cである。例は、エテニル又はビニル(-CH=CH)、プロパ-1-エニル(-CH=CHCH)、プロパ-2-エニル(-CHCH=CH)、2-メチルプロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、ブタ-1,3-ジエニル、2-メチルブタ-1,3-ジエン、ヘキサ-1-エニル、ヘキサ-2-エニル、ヘキサ-3-エニル、ヘキサ-4-エニル及びヘキサ-1,3-ジエニルを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施態様では、「場合により置換されているアルケニル」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニルのうちの1~4例を含み、これらのアルキル、フェニル及び複素環の部分は、場合により、例えば、この同じリストから選択される置換基のうちの1~4例によって置換されていてもよい。
用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素三重結合を有する、直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素ラジカルを指し、アルキニルラジカルは、場合により置換されていてもよい。一例では、アルキニルラジカルは、炭素原子が2~18個(C-C18)である。他の例では、アルキニルラジカルは、C-C12、C-C10、C-C、C-C又はC-Cである。例は、エチニル(-C≡CH)、プロパ-1-イニル(-C≡CCH)、プロパ-2-イニル(プロパルギル、-CHC≡CH)、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル及びブタ-3-イニルを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施態様では、「場合により置換されているアルキニル」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニルのうちの1~4例を含み、これらのアルキル、フェニル及び複素環の部分は、場合により、例えばこの同じリストから選択される置換基のうちの1~4例によって、置換されていてもよい。
「アルキレン」とは、親アルカンの同じ、又は2個の異なる炭素原子から、2個の水素原子を除去することによって得られ、2個の一価ラジカル中心を有する、飽和で分枝鎖又は直鎖の炭化水素基を指す。一例では、二価アルキレン基は、炭素原子が1~18個(C-C18)である。他の例では、二価アルキレン基は、C-C、C-C、C-C、C-C12、C-C10、C-C、C-C、C-C、C-C、又はC-Cである。基Cアルキレンは、結合を指す。アルキレン基の例は、メチレン(-CH-)、1,1-エチル(-CH(CH)-)、(1,2-エチル(-CHCH-)、1,1-プロピル(-CH(CHCH)-)、2,2-プロピル(-C(CH-)、1,2-プロピル(-CH(CH)CH-)、1,3-プロピル(-CHCHCH-)、1,1-ジメチルエタ-1,2-イル(-C(CHCH-)、1,4-ブチル(-CHCHCHCH-)等を含む。
用語「ヘテロアルキル」は、示された数の炭素原子、又は示されていない場合は18個以下の炭素原子と、O、N、Si及びSからなる群より選択される1~5個のヘテロ原子とからなる、直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素ラジカルを指し、該窒素及び硫黄の原子は、場合により酸化されていてもよく、該窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい。幾つかの実施態様では、ヘテロ原子は、O、N及びSから選択され、該窒素及び硫黄の原子は、場合により酸化されていてもよく、該窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい。ヘテロ原子は、アルキル基が分子の残部に結合している位置(例えば-O-CH-CH)を含む、ヘテロアルキル基内部の任意の位置に配置され得る。例は、-CH-CH-O-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-Si(CH及び-CH-CH=N-OCHを含む。例えば、-CH-NH-OCH及び-CH-O-Si(CH等のように、2個以下のヘテロ原子が連続していてもよい。ヘテロアルキル基は、場合により置換されていてもよい。幾つかの実施態様では、「場合により置換されているヘテロアルキル」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニルのうちの1~4例を含み、これらのアルキル、フェニル及び複素環の部分は、場合により、例えばこの同じリストから選択される置換基のうちの1~4例によって、置換されていてもよい。
「アミノ」は、場合により置換されている一級(すなわち-NH)、二級(すなわち-NRH)、三級(すなわち-NRR)及び四級(すなわち-N(+)RRR)のアミンを意味し、式中、各Rは、同じであるか又は異なり、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルから選択され、該アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリル基は、本明細書に定義される通りである。具体的な二級及び三級のアミンは、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、アラルキルアミン、及びジアラルキルアミンであり、アルキル及びアリールの部分は、場合により置換されていてもよい。具体的な二級及び三級のアミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン及びジイソプロピルアミンである。幾つかの実施態様では、四級アミンのR基は、それぞれ独立して、場合により置換されているアルキル基である。
「アリール」とは、1個以上の基に縮合しているかどうかにかかわらず、指定の数の炭素原子を有するか、又は数が指定されていない場合は14個以下の炭素原子を有する、炭素環式芳香族基を指す。一例は、6~14個の炭素原子を有するアリール基を含む。別の例は、6~10個の炭素原子を有するアリール基を含む。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントレニル、ナフタセニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、1H-インデニル、2,3-ジヒドロ-1H-インデニル等を含む(例えばLang's Handbook of Chemistry (Dean, J. A., ed.) 13th ed. Table 7-2 [1985]を参照)。具体的なアリールは、フェニルである。置換フェニル又は置換アリールは、1個、2個、3個、4個又は5個の置換基、例えば1~2個、1~3個又は1~4個の置換基、例えば本明細書において指定される基(「場合により置換されている」の定義を参照)、例えばF、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニル等から選択されるもので置換されているフェニル基又はアリール基を意味し、これらのアルキル、フェニル及び複素環の部分は、場合により、例えばこの同じリストから選択される置換基のうちの1~4例によって、置換されていてもよい。用語「置換フェニル」の例は、モノ-又はジ(ハロ)フェニル基、例えば2-クロロフェニル、2-ブロモフェニル、4-クロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、4-ブロモフェニル、3,4-ジブロモフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、2-フルオロフェニル、2,4-ジフルオロフェニル等;モノ-又はジ(ヒドロキシ)フェニル基、例えば4-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、これらの保護ヒドロキシ誘導体等;ニトロフェニル基、例えば3-又は4-ニトロフェニル;シアノフェニル基、例えば4-シアノフェニル;モノ-又はジ(アルキル)フェニル基、例えば4-メチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2-メチルフェニル、4-(イソプロピル)フェニル、4-エチルフェニル、3-(n-プロピル)フェニル等;モノ又はジ(アルコキシ)フェニル基、例えば3,4-ジメトキシフェニル、3-メトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3-エトキシフェニル、4-(イソプロポキシ)フェニル、4-(t-ブトキシ)フェニル、3-エトキシ-4-メトキシフェニル等;3-又は4-トリフルオロメチルフェニル;モノ-若しくはジカルボキシフェニル又は(保護カルボキシ)フェニル基、例えば4-カルボキシフェニル、モノ-若しくはジ(ヒドロキシメチル)フェニル又は(保護ヒドロキシメチル)フェニル、例えば3-(保護ヒドロキシメチル)フェニル又は3,4-ジ(ヒドロキシメチル)フェニル;モノ-若しくはジ(アミノメチル)フェニル又は(保護アミノメチル)フェニル、例えば2-(アミノメチル)フェニル又は2,4-(保護アミノメチル)フェニル;あるいはモノ-又はジ(N-(メチルスルホニルアミノ))フェニル、例えば3-(N-メチルスルホニルアミノ))フェニルを含む。また、用語「置換フェニル」は、置換基が異なる二置換フェニル基、例えば3-メチル-4-ヒドロキシフェニル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、2-メトキシ-4-ブロモフェニル、4-エチル-2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシ-4-ニトロフェニル、2-ヒドロキシ-4-クロロフェニル、2-クロロ-5-ジフルオロメトキシ等に加えて、置換基が異なる三置換フェニル基、例えば3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-6-メチルスルホニルアミノ、3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-6-フェニルスルホニルアミノ、及び置換基が異なる四置換フェニル基、例えば3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-フェニルスルホニルアミノを表す。幾つかの実施態様では、フェニル等のアリールの置換基は、アミドを含む。例えば、アリール(例えば、フェニル)置換基は、-(CH0-4CONR’R’’であってよく、式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、例えば水素;非置換C-Cアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ、又はNR’R’’によって置換されているC-Cアルキル;非置換C-Cヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ、又はNR’R’’によって置換されているC-Cヘテロアルキル;非置換C-C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、又はNR’R’’によって置換されているC-C10アリール;非置換3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);及びハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ、又はNR’R’’によって置換されている3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指すか;あるいは、R’及びR’’は、該窒素原子と一緒になって、環原子が場合によりN、O又はSで置換されており、環が場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’で置換されている、3員、4員、5員、6員又は7員の環を形成することができる。
「シクロアルキル」とは、非芳香族の飽和又は部分不飽和炭化水素環基を指し、シクロアルキル基は場合により、本明細書に記載される1個以上の置換基で独立して置換されていてもよい。一例では、シクロアルキル基は、炭素原子が3~12個(C-C12)である。他の例では、シクロアルキルは、C-C、C-C10又はC-C10である。他の例では、単環としてのシクロアルキル基は、C-C、C-C又はC-Cである。別の例では、二環としてのシクロアルキル基は、C-C12である。別の例では、スピロ系としてのシクロアルキル基は、C-C12である。単環式シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、過重水素化シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシルを含む。7~12個の環原子を有する二環式シクロアルキルの例示的な配置は、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]の環系を含むが、これらに限定されない。例示的な架橋二環式シクロアルキルは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン及びビシクロ[3.2.2]ノナンを含むが、これらに限定されない。スピロシクロアルキルの例は、スピロ[2.2]ペンタン、スピロ[2.3]ヘキサン、スピロ[2.4]ヘプタン、スピロ[2.5]オクタン及びスピロ[4.5]デカンを含む。幾つかの実施態様では、「場合により置換されているシクロアルキル」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニルのうちの1~4例を含み、これらのアルキル、アリール及び複素環の部分は、場合により、例えばこの同じリストから選択される置換基のうちの1~4例によって、置換されていてもよい。幾つかの実施態様では、シクロアルキルの置換基は、アミドを含む。例えば、シクロアルキル置換基は、-(CH0-4CONR’R’’であってよく、式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、例えば、水素;非置換C-Cアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ、又はNR’R’’によって置換されているC-Cアルキル;非置換C-Cヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ、又はNR’R’’によって置換されているC-Cヘテロアルキル;非置換C-C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、又はNR’R’’によって置換されているC-C10アリール;非置換3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);及びハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ、又はNR’R’’によって置換されている3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指すか;あるいは、R’及びR’’は、該窒素原子と一緒になって、環原子が場合によりN、O、又はSで置換されており、環が場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’で置換されている、3員、4員、5員、6員、又は7員の環を形成することができる。
「複素環式基」、「複素環式」、「複素環」、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクロ」は、互換的に用いられ、環原子が炭素であり、環又は環系中の少なくとも1個の原子が窒素、硫黄又は酸素から選択されるヘテロ原子である、3~20個の環原子(例えば3~10個の環原子)を有する任意の単環式、二環式、三環式又はスピロの、飽和又は不飽和で、芳香族(ヘテロアリール)又は非芳香族(例えばヘテロシクロアルキル)の環系を指す。環系の任意の環原子がヘテロ原子である場合、分子の残部への該環系の結合点にかかわらず、その系は複素環である。一例では、ヘテロシクリルは、3~11個の環原子(「員」)を含み、環原子が炭素であり、環又は環系中の少なくとも1個の原子が、窒素、硫黄又は酸素から選択されるヘテロ原子である、単環、二環、三環及びスピロ環系を含む。一例では、ヘテロシクリルは、1~4個のヘテロ原子を含む。一例では、ヘテロシクリルは、1~3個のヘテロ原子を含む。別の例では、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄又は酸素から選択される1~2個、1~3個又は1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の単環を含む。別の例では、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄又は酸素から選択される1~2個、1~3個又は1~4個のヘテロ原子を有する4~6員の単環を含む。別の例では、ヘテロシクリルは3員の単環を含む。別の例では、ヘテロシクリルは4員の単環を含む。別の例では、ヘテロシクリルは、5~6員の単環、例えば5~6員のヘテロアリールを含む。別の例では、ヘテロシクリルは、3~11員のヘテロシクロアルキル、例えば4~11員のヘテロシクロアルキルを含む。幾つかの実施態様では、ヘテロシクロアルキルは少なくとも1個の窒素を含む。一例では、ヘテロシクリル基は、0~3個の二重結合を含む。任意の窒素又は硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていてもよく(例えばNO、SO、SO)、任意の窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい(例えば[NRCl、[NROH)。複素環の例は、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2-ジチエタニル、1,3-ジチエタニル、ピロリジニル、ジヒドロ-1H-ピロリル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ヘキサヒドロチオピラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、オキサジナニル、チアジナニル、チオキサニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、1,4-ジアゼパニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、チアゼパニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,1-ジオキソイソチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、イミダゾリジノニル、4,5,6,7-テトラヒドロ[2H]インダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]イミダゾリル、1,6-ジヒドロイミダゾール[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジニル、チアジニル、オキサジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、チアピラニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピリミジノニル、ピリミジンジオニル、ピリミジン-2,4-ジオニル、ピペラジノニル、ピペラジンジオニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、2-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、8-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザスピロ[3.5]ノナニル、アザスピロ[2.5]オクタニル、アザスピロ[4.5]デカニル、1-アザスピロ[4.5]デカン-2-オニル、アザスピロ[5.5]ウンデカニル、テトラヒドロインドリル、オクタヒドロインドリル、テトラヒドロイソインドリル、テトラヒドロインダゾリル、1,1-ジオキソヘキサヒドロチオピラニルである。硫黄又は酸素の原子と1~3個の窒素原子とを含有する5員複素環の例は、チアゾリル(チアゾール-2-イル及びチアゾール-2-イルN-オキシドを含む)、チアジアゾリル(1,3,4-チアジアゾール-5-イル及び1,2,4-チアジアゾール-5-イルを含む)、オキサゾリル(例えばオキサゾール-2-イル)及びオキサジアゾリル(例えば1,3,4-オキサジアゾール-5-イル及び1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)である。2~4個の窒素原子を含有する5員複素環の例は、イミダゾリル、例えばイミダゾール-2-イル;トリアゾリル、例えば1,3,4-トリアゾール-5-イル;1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-5-イル及びテトラゾリル、例えば1H-テトラゾール-5-イルを含む。ベンゾ縮合5員複素環の例は、ベンズオキサゾール-2-イル、ベンズチアゾール-2-イル及びベンズイミダゾール-2-イルである。1~3個の窒素原子及び任意で硫黄又は酸素の原子を含有する6員複素環の例は、例えば、ピリジル、例えばピリド-2-イル、ピリド-3-イル及びピリド-4-イル;ピリミジル、例えばピリミド-2-イル及びピリミド-4-イル;トリアジニル、例えば1,3,4-トリアジン-2-イル及び1,3,5-トリアジン-4-イル;ピリダジニル、具体的にはピリダジン-3-イル及びピラジニルである。ピリジンN-オキシド及びピリダジンN-オキシド、並びにピリジル、ピリミド-2-イル、ピリミド-4-イル、ピリダジニル及び1,3,4-トリアジン-2-イル基は、複素環基の他の例である。複素環は、場合により置換されていてもよい。例えば、「場合により置換されている複素環」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニルのうちの1~4例を含み、これらのアルキル、アリール及び複素環の部分は、場合により、例えばこの同じリストから選択される置換基のうちの1~4例によって、置換されていてもよい。幾つかの実施態様では、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル等の複素環式基の置換基は、アミドを含む。例えば、複素環式(例えば、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル)置換基は、-(CH0-4CONR’R’’であってよく、式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、例えば、水素;非置換C-Cアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されているC-Cアルキル;非置換C-Cヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されているC-Cヘテロアルキル;非置換C-C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ又はNR’R’’によって置換されているC-C10アリール;非置換3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);並びにハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されている3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指すか;あるいは、R’及びR’’は、該窒素原子と一緒になって、環原子が場合によりN、O又はSで置換されており、環が場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’で置換されている3員、4員、5員、6員又は7員の環を形成することができる。
「ヘテロアリール」とは、少なくとも1個の環が、窒素、酸素及び硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5員又は6員の芳香環である、任意の単環式、二環式又は三環式の環系を指し、一例の実施態様では、少なくとも1個のヘテロ原子が窒素である。例えば、Lang's Handbook of Chemistry (Dean, J. A., ed.) 13th ed. Table 7-2 [1985]を参照。上記ヘテロアリール環のいずれかがアリール環に縮合しており、該アリール環又は該ヘテロアリール環が分子の残部に結合している任意の二環式基もこの定義に含まれる。一実施態様では、ヘテロアリールは、1個以上の環原子が窒素、硫黄又は酸素である、5~6員の単環式芳香族基を含む。ヘテロアリール基の例は、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル、イミダゾール[1,2-a]ピリミジニル及びプリニルに加えて、ベンゾ縮合誘導体、例えばベンズオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル及びインドリルを含む。ヘテロアリール基は、場合により置換されていてもよい。幾つかの実施態様では、「場合により置換されているヘテロアリール」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)及びピリミジニルのうちの1~4例を含み、これらのアルキル、フェニル及び複素環の部分は、場合により、例えばこの同じリストから選択される置換基のうちの1~4例によって、置換されていてもよい。幾つかの実施態様では、ヘテロアリールの置換基は、アミドを含む。例えば、ヘテロアリール置換基は、-(CH0-4CONR’R’’であってよく、式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、例えば水素;非置換C-Cアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されているC-Cアルキル;非置換C-Cヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されているC-Cヘテロアルキル;非置換C-C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ又はNR’R’’によって置換されているC-C10アリール;非置換3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);並びにハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されている3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指すか;あるいは、R’及びR’’は、該窒素原子と一緒になって、環原子が場合によりN、O又はSで置換されており、環が場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’で置換されている3員、4員、5員、6員又は7員の環を形成することができる。
具体的な実施態様では、ヘテロシクリル基は、ヘテロシクリル基の炭素原子で結合する。一例として、炭素が結合しているヘテロシクリル基は、ピリジン環の2位、3位、4位、5位若しくは6位、ピリダジン環の3位、4位、5位若しくは6位、ピリミジン環の2位、4位、5位若しくは6位、ピラジン環の2位、3位、5位若しくは6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール若しくはテトラヒドロピロール環の2位、3位、4位若しくは5位、オキサゾール、イミダゾール若しくはチアゾール環の2位、4位若しくは5位、イソキサゾール、ピラゾール若しくはイソチアゾールの環の3位、4位若しくは5位、アジリジン環の2位若しくは3位、アゼチジン環の2位、3位若しくは4位、キノリン環の2位、3位、4位、5位、6位、7位若しくは8位、又はイソキノリン環の1位、3位、4位、5位、6位、7位若しくは8位における結合配置を含む。
特定の実施態様では、ヘテロシクリル基は、Nで結合している。一例として、窒素で結合しているヘテロシクリル又はヘテロアリール基は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2-ピロリン、3-ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2-イミダゾリン、3-イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2-ピラゾリン、3-ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H-インダゾールの1位、イソインドール又はイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及びカルバゾール又はβ-カルボリンの9位における結合配置を含む。
用語「アルコキシ」とは、式-OR(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルである)によって表される、直鎖又は分枝鎖の一価ラジカルを指す。アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、モノ-、ジ-及びトリ-フルオロメトキシ、並びにシクロプロポキシを含む。
「アシル」は、式-C(O)-R(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロシクリルであり、該アルキル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルは、本明細書に定義する通りである)によって表されるカルボニル含有置換基を意味する。アシル基は、アルカノイル(例えばアセチル)、アロイル(例えばベンゾイル)及びヘテロアロイル(例えばピリジノイル)を含む。
「場合により置換されている」とは、特に指定しない限り、基が、置換されていなくてもよく、その基について列挙される置換基のうちの1個以上(例えば0個、1個、2個、3個、4個若しくは5個以上、又はこの中で導き出し得る任意の範囲)(該置換基は、同じであっても異なっていてもよい)によって置換されていてもよいことを意味する。一実施態様では、場合により置換されている基は、1個の置換基を有する。別の実施態様では、場合により置換されている基は、2個の置換基を有する。別の実施態様では、場合により置換されている基は、3個の置換基を有する。別の実施態様では、場合により置換されている基は、4個の置換基を有する。別の実施態様では、場合により置換されている基は、5個の置換基を有する。
アルキルラジカル(単独の、又は別の置換基(例えばアルコキシ)の一部としての)、更にはアルキレニル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキル(これらもそれぞれ単独の、又は別の置換基の一部としての)について、任意の置換基は、ゼロ~(2m’+1)(m’は、このようなラジカル中の炭素原子の総数である)の範囲の数の様々な基、例えば本明細書に記載されるもの、更には、ハロゲン;オキソ;CN;NO;N;-OR’;ペルフルオロ-C-Cアルコキシ;非置換C-Cシクロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ若しくはNR’R’’によって置換されているC-Cシクロアルキル;非置換C-C10アリール(例えばフェニル);ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ若しくはNR’R’’によって置換されているC-C10アリール;非置換3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール、又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ若しくはNR’R’’によって置換されている3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);-NR’R’’;-SR’;-SiR’R’’R’’’;-OC(O)R’;-C(O)R’;-COR’;-CONR’R’’;-OC(O)NR’R’’;-NR’’C(O)R’;-NR’’’C(O)NR’R’’;-NR’’C(O)R’;-S(O)R’;-S(O)NR’R’’;-NR’S(O)R’’;-NR’’’S(O)NR’R’’;アミジニル;グアニジニル;-(CH1-4-OR’;-(CH1-4-NR’R’’;-(CH1-4-SR’;-(CH1-4-SiR’R’’R’’’;-(CH1-4-OC(O)R’;-(CH1-4-C(O)R’;-(CH1-4-COR’;及び-(CH1-4CONR’R’’、又はこれらの組み合わせからなる群より選択されるものであってよい。R’、R’’及びR’’’は、それぞれ独立して、例えば水素;非置換C-Cアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されているC-Cアルキル;非置換C-Cヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されているC-Cヘテロアルキル;非置換C-C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ又はNR’R’’によって置換されているC-C10アリール;非置換3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);及びハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されている3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指す。R’及びR’’が同じ窒素原子に結合しているとき、これらは、該窒素原子と一緒になって、環原子が場合によりN、O、又はSで置換されており、環が場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’で置換されている3員、4員、5員、6員又は7員の環を形成することができる。例えば、-NR’R’’は、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルを含むことを意味する。
同様に、アリール及びヘテロアリール基についての任意の置換基も様々である。幾つかの実施態様では、アリール及びヘテロアリール基についての置換基は、ゼロ~(2m’+1)(m’は、このようなラジカル中の炭素原子の総数である)の範囲の数の、ハロゲン;CN;NO;N;-OR’;ペルフルオロ-C-Cアルコキシ;非置換C-Cシクロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ若しくはNR’R’’によって置換されているC-Cシクロアルキル;非置換C-C10アリール(例えばフェニル);ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ若しくはNR’R’’によって置換されているC-C10アリール;非置換3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ若しくはNR’R’’によって置換されている3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);-NR’R’’;-SR’;-SiR’R’’R’’’;-OC(O)R’;-C(O)R’;-COR’;-CONR’R’’;-OC(O)NR’R’’;-NR’’C(O)R’;-NR’’’C(O)NR’R’’;-NR’’C(O)R’;-S(O)R’;-S(O)NR’R’’;-NR’S(O)R’’;-NR’’’S(O)NR’R’’;アミジニル;グアニジニル;-(CH1-4-OR’;-(CH1-4-NR’R’’;-(CH1-4-SR’;-(CH1-4-SiR’R’’R’’’;-(CH1-4-OC(O)R’;-(CH1-4-C(O)R’;-(CH1-4-COR’;及び-(CH1-4CONR’R’’、又はこれらの組み合わせからなる群より選択される。R’、R’’、及びR’’’は、それぞれ独立して、例えば、水素;非置換C-Cアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されているC-Cアルキル;非置換C-Cヘテロアルキル;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されているC-Cヘテロアルキル;非置換C-C10アリール;ハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ又はNR’R’’によって置換されているC-C10アリール;非置換3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル);及びハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’によって置換されている3~11員のヘテロシクリル(例えば、O、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリール又はO、N及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する4~11員のヘテロシクロアルキル)を含む基を指す。R’及びR’’が同じ窒素原子に結合しているとき、これらは、該窒素原子と一緒になって、環原子が場合によりN、O又はSで置換されており、環が場合によりハロゲン、OH、CN、非置換C-Cアルキル、非置換C-Cアルコキシ、オキソ又はNR’R’’で置換されている、3員、4員、5員、6員又は7員の環を形成することができる。例えば、-NR’R’’は、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルを含むことを意味する。
用語「オキソ」は、=O又は(=O)を指す。
本明細書で使用するとき、化学構造中の結合と交差する波線:
Figure 0007256757000002

は、該化学構造において波状結合が接続されている原子の、分子の残部又は分子の断片の残部への結合点を示す。幾つかの実施態様では、結合点を示すために、アスタリスクと一緒の矢印が、波線と同様に用いられる。
特定の実施態様では、二価基は、結合配置を特定せず包括的に記載される。特に指定しない限り、包括的な記載は、両方の結合配置を含むことを意味すると理解される。例えば、基R-R-Rにおいて、基Rが-CHC(O)-と記載されている場合、特に指定しない限り、この基は、R-CHC(O)-RとしてもR-C(O)CH-Rとしても結合し得ると理解される。
用語「発明の化合物」及び「本発明の化合物」等は、特に指定しない限り、時にJAK阻害剤とも称される、本明細書における式(I)の化合物(その立体異性体(アトロプ異性体を含む)、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、同位体、塩(例えば薬学的に許容し得る塩)及びプロドラッグを含む)、例えば化合物1~18を含む。幾つかの実施態様では、溶媒和物、代謝物、同位体若しくはプロドラッグ、又はこれらの任意の組み合わせは除外される。
語句「薬学的に許容し得る」とは、必要に応じて動物、例えばヒト等に投与したとき、副作用、アレルギー反応その他の有害反応を生じさせない分子実体及び組成物を指す。
本発明の化合物は、塩、例えば薬学的に許容し得る塩の形態であってよい。「薬学的に許容し得る塩」は、酸付加塩及び塩基付加塩の両方を含む。「薬学的に許容し得る酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的にも他の点でも望ましくないことのない塩を指し、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等の無機酸、並びに脂肪族、脂環式、芳香族、芳香族脂肪族、複素環式、カルボン酸及びスルホン酸の有機酸のクラスから選択され得る有機酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸(maloneic acid)、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、エンボニン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等と共に形成される。
「薬学的に許容し得る塩基付加塩」は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等の、無機塩基に由来するものを含む。具体的な塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩である。薬学的に許容し得る有機非毒性塩基に由来する塩は、一級、二級及び三級のアミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン並びに塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、トロメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペリジン(piperizine)、ピペリジン(piperidine)、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等の塩を含む。具体的な有機非毒性塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トロメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインを含む。
幾つかの実施態様では、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、重硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、マロン酸塩、キシナホ酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、ニコチン酸塩、サッカリン酸塩、アジピン酸塩、ギ酸塩、グリコール酸塩、パルチミン酸塩、L-乳酸塩、D-乳酸塩、アスパラギン酸塩、リンゴ酸塩、L-酒石酸塩、D-酒石酸塩、ステアリン酸塩、フロ酸塩(例えば2-フロ酸塩又は3-フロ酸塩)、ナパジシル酸塩(ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩又はナフタレン-1-(スルホン酸)-5-スルホン酸塩)、エジシル酸塩(エタン-1,2-ジスルホン酸塩又はエタン-1-(スルホン酸)-2-スルホン酸塩)、イセチオン酸塩(2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩)、2-メシチレンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、2,5-ジクロロベンゼンスルホン酸塩、D-マンデル酸塩、L-マンデル酸、ケイ皮酸塩、安息香酸塩、アジピン酸塩、エシル酸塩、マロン酸塩、メシチル酸塩(mesitylate)(2-メシチレンスルホン酸塩)、ナプシル酸塩(2-ナフタレンスルホン酸塩)、カンシル酸塩(ショウノウ-10-スルホン酸塩、例えば(1S)-(+)-10-ショウノウスルホン酸塩)、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、馬尿酸塩(2-(ベンゾイルアミノ)酢酸塩)、オロチン酸塩、キシリル酸塩(p-キシレン-2-スルホン酸塩)及びパモ酸塩(2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ジナフチルメタン-3,3’-ジカルボン酸塩)から選択される。
「滅菌」製剤は、無菌であるか、又は全ての生体微生物及びその胞子を含まない。
「立体異性体」とは、化学的構成は同一であるが、空間内の原子又は基の配置に関しては異なる化合物を指す。立体異性体は、ジアステレオマー、鏡像異性体、配座異性体等を含む。
「キラル」とは、鏡像パートナーを重ね合わせることができない性質を有する分子を指し、一方、用語「アキラル」とは、その鏡像パートナーに重ね合わせることができる分子を指す。
「ジアステレオマー」とは、2個以上の不斉中心を有し、その分子が互いの鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物性、例えば融点、沸点、スペクトル特性又は生物活性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動及びクロマトグラフィー(HPLC等)等の高分解能分析手順下で分離することができる。
「鏡像異性体」とは、1つの化合物の、互いの重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す。
本明細書で使用される立体化学的な定義及び慣行は、一般的に、S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York;及びEliel, E. and Wilen, S., "Stereochemistry of Organic Compounds", John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に従う。多くの有機化合物は、光学活性型で存在する、すなわち、平面偏光の平面を回転させる能力を有する。光学活性化合物の記載において、接頭辞D及びL又はR及びSは、そのキラル中心を中心とする分子の絶対配置を示すために用いられる。接頭辞d及びl又は(+)及び(-)は、化合物による平面偏光の回転の記号を示すために用いられ、(-)又はlは、該化合物が左旋性であることを意味する。(+)又はdが前に記載されている化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、これら立体異性体は、互いの鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体を鏡像異性体と称することもあり、このような異性体の混合物は、鏡像混合体混合物と呼ばれることが多い。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と称され、これは、化学反応又は化学プロセスにおいて立体選択も立体特異性も存在しない場合に生じ得る。用語「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」は、光学活性を有しない、2つの鏡像異性体種の等モル混合物を指す。
用語「互変異性体」又は「互変異性型」とは、低いエネルギー障壁を介して相互変換可能な、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られている)は、ケト-エノール及びイミン-エナミン異性化等の、プロトンの転位を介する相互変換を含む。原子価互変異性体は、一部の結合電子の再構成による相互変換を含む。
本発明の特定の化合物は、非溶媒和形態に加えて、水和形態を含む溶媒和形態でも存在し得る。「溶媒和物」とは、1個以上の溶媒分子と本発明の化合物との会合体又は複合体を指す。溶媒和物を形成する溶媒の例は、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸及びエタノールアミンを含む。本発明の特定の化合物は、複数の結晶形又は非晶形で存在し得る。一般に、全ての物理的形態は、本発明の範囲内であると意図されている。用語「水和物」とは、溶媒分子が水である複合体を指す。
「代謝物」とは、特定の化合物又はその塩の、体内における代謝を通じて生成された生成物を指す。このような生成物は、例えば投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的切断等からもたらされ得る。
代謝産物は、典型的には、本発明の化合物の放射標識(例えば14C又はH)同位体を調製し、それを検出可能な用量(例えば約0.5mg/kg超)でラット、マウス、モルモット、サル等の動物又はヒトに投与し、代謝が生じるのに十分な時間(典型的には、約30秒間~30時間)放置し、尿、血液又は他の生体試料からその変換生成物を単離することによって同定される。これら生成物は、標識されているので容易に単離される(他のものは、代謝物中に残存しているエピトープに結合することができる抗体の使用によって単離される)。代謝物の構造は、例えばMS、LC/MS又はNMR分析等の従来の方法で決定される。一般に、代謝物の分析は、当業者に周知の従来の薬物代謝試験と同じ方法で行われる。代謝産物は、インビボにおいて他の方法で見出されない限り、本発明の化合物の処置的投与についての診断アッセイにおいて有用である。
「被験体」、「個体」又は「患者」は、脊椎動物である。特定の実施態様では、脊椎動物は哺乳類である。哺乳類は、家畜(例えばウシ)、スポーツ動物、ペット(例えばモルモット、ネコ、イヌ、ウサギ及びウマ)、霊長類、マウス及びラットを含むが、これらに限定されない。特定の実施態様では、哺乳類はヒトである。本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩を患者に投与することを含む実施態様では、該患者は、それを必要としていてよい。
用語「ヤヌスキナーゼ」とは、JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2のタンパク質キナーゼを指す。幾つかの実施態様では、ヤヌスキナーゼは、JAK1、JAK2、JAK3又はTYK2のうちの1つとして更に定義され得る。任意の実施態様では、JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2のうちの任意の1つを、ヤヌスキナーゼとして具体的に除外する場合がある。幾つかの実施態様では、ヤヌスキナーゼはJAK1である。幾つかの実施態様では、ヤヌスキナーゼは、JAK1とJAK2の組み合わせである。
用語「阻害」及び「低減」、又はこれら用語の任意の変形は、所望の結果を得るための任意の測定可能な減少又は完全な阻害を含む。例えば、約、最大で約、又は少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくはそれ以上、又はこの中で導き出し得る任意の範囲だけ、正常と比較して活性(例えばJAK1活性)の減少があり得る。
幾つかの実施態様では、本明細書に記載される化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)は、JAK3及びTYK2よりも、JAK1の阻害に対して選択的である。幾つかの実施態様では、化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)は、JAK2、JAK3若しくはTYK2、又はJAK2、JAK3若しくはTYK2の任意の組み合わせよりも、JAK1の阻害に対して選択的である。幾つかの実施態様では、化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)は、JAK3及びTYK2よりも、JAK1及びJAK2の阻害に対して選択的である。幾つかの実施態様では、化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)は、JAK3よりも、JAK1の阻害に対して選択的である。「阻害に対して選択的」とは、化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)が、別の特定のヤヌスキナーゼ(例えばJAK3)の活性と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%若しくはそれ以上、又はこの中で導き出し得る任意の範囲で優れた、特定のヤヌスキナーゼ(例えばJAK1)の活性の阻害剤であるか、又は、別の特定のヤヌスキナーゼ(例えばJAK3)の活性と比較して、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍、250倍又は500倍優れた、特定のヤヌスキナーゼ(例えばJAK1)の活性の阻害剤であることを意味する。
「治療上有効な量」とは、(i)特定の疾患、病態若しくは障害を治療若しくは予防するか、又は(ii)特定の疾患、病態若しくは障害の1つ以上の症状を減弱、寛解若しくは排除し、場合により(iii)本明細書に記載される特定の疾患、病態若しくは障害の1つ以上の症状の発症を予防若しくは遅延する、本発明の化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)の量を意味する。幾つかの実施態様では、治療上有効な量は、自己免疫疾患又は炎症性疾患(例えば喘息)の症状を低減又は緩和するのに十分な量である。幾つかの実施態様では、治療上有効な量は、B細胞の活性又は数を有意に減少させるのに十分な、本明細書に記載される化学実体の量である。癌の場合、薬物の治療上有効な量は、癌細胞の数を低減する、腫瘍サイズを低減する、癌細胞の末梢器官への浸潤を阻害する(すなわち、ある程度減速させ、好ましくは停止させる)、腫瘍の転移を阻害する(すなわち、ある程度減速させ、好ましくは停止させる)、腫瘍の成長をある程度阻害する、又は癌に関連する症状のうちの1つ以上をある程度軽減することができる。薬物が既存の癌細胞の成長を妨げるか又は死滅させることができる程度に、該薬物は細胞増殖抑制性又は細胞毒性であり得る。癌療法については、例えば、無増悪期間(TTP)を評価するか又は奏効率(RR)を求めることによって効果を測定することができる。
「処置」(及び「処置する」又は「処置している」等の変形)とは、処置される個体又は細胞の自然経過を変化させる試みにおける臨床的介入を指し、予防のために、又は臨床病理の経過中に実施することができる。処置の望ましい効果は、疾患の発症又は再発の予防、症状の軽減、疾患の任意の直接的又は間接的な病理学的帰結の減弱、疾患の安定化された(すなわち悪化しない)状態、疾患増悪率の低減、疾患状態の寛解又は緩和、処置を受けなかった場合の予測生存期間に比しての生存期間の延長、及び緩解又は予後の改善を含む。幾つかの実施態様では、本発明の化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)は、疾患若しくは障害の発現を遅延させるか、又は疾患若しくは障害の進行を減速させるために用いられる。処置を必要とする者は、既に病態若しくは障害を有している者に加え、病態若しくは障害を有しやすい者(例えば遺伝子の突然変異を通して)、又は病態若しくは障害を予防すべきである者を含む。
「炎症性障害」とは、過剰又は無秩序な炎症反応が、過剰の炎症症状、宿主組織の損傷又は組織機能の喪失を引き起こす任意の疾患、障害又は症候群を指す。「炎症性障害」とはまた、白血球の流入又は好中球の走化性によって媒介される病理学的状態を指す。
「炎症」とは、組織の傷害又は破壊によって誘発される局所的保護応答を指し、傷害性物質及び傷害組織の両方を破壊、希釈又は隔離(隔絶)する機能を有する。炎症は、白血球の流入又は好中球の走化性と明白に関連している。炎症は、病原体及びウイルスの感染から、また外傷又は心筋梗塞又は脳卒中後の再灌流、外来抗原に対する免疫応答、及び自己免疫応答等の非感染的手段から生じ得る。従って、本発明の化合物又はその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)による処置に適した炎症性障害は、特異的防御系の反応及び非特異的防御系の反応に関連する障害を包含する。
「特異的防御系」とは、特異的抗原の存在に反応する免疫系の構成要素を指す。特異的防御系の応答に起因する炎症の例は、外来抗原に対する古典的応答、自己免疫疾患及びT細胞によって媒介される遅延型過敏反応を含む。慢性炎症性疾患、固形の移植された組織及び器官(例えば腎臓及び骨髄の移植片)の拒絶反応、並びに移植片対宿主病(GVHD)は、特異的防御系の炎症反応の更なる例である。
用語「非特異的防御系」とは、免疫記憶ができない白血球(例えば顆粒球及びマクロファージ)によって媒介される炎症性障害を指す。少なくとも部分的に非特異的防御系の反応に起因する炎症の例は、成人(急性)呼吸促迫症候群(ARDS)又は多臓器損傷症候群;再灌流傷害;急性糸球体腎炎;反応性関節炎;急性炎症成分を伴う皮膚疾患;急性化膿性髄膜炎又は他の中枢神経系炎症性障害、例えば脳卒中;熱傷;炎症性腸疾患;顆粒球輸血関連症候群;及びサイトカイン誘発毒性等の病態に関連する炎症を含む。
「自己免疫疾患」とは、組織の傷害が、身体自身の構成成分に対する体液性又は細胞媒介性の応答に関連している任意の障害群を指す。自己免疫疾患の非限定的な例は、関節リウマチ、ループス及び多発性硬化症を含む。
「アレルギー疾患」とは、本明細書で使用するとき、アレルギーに起因する任意の症状、組織の損傷又は組織機能の喪失を指す。「関節疾患」とは、本明細書で使用するとき、様々な病因に起因する関節の炎症性病変を特徴とする任意の疾患を指す。「皮膚炎」とは、本明細書で使用するとき、様々な病因に起因する皮膚の炎症を特徴とする皮膚の疾患の大きなファミリーのいずれかを指す。「移植拒絶反応」とは、本明細書で使用するとき、移植された組織及び周囲の組織の機能喪失、疼痛、膨潤、白血球増加症並びに血小板減少症を特徴とする、器官又は細胞(例えば骨髄)等の移植された組織に対する任意の免疫反応を指す。本発明の処置法は、炎症細胞の活性化に関連する障害を処置する方法を含む。
「炎症細胞の活性化」とは、炎症細胞(単球、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、顆粒球(すなわち、好中球、好塩基球及び好酸球等の多形核白血球)、マスト細胞、樹状細胞、ランゲルハンス細胞及び内皮細胞を含むがこれらに限定されない)における、増殖性細胞応答の刺激(サイトカイン、抗原又は自己抗体を含むがこれらに限定されない)、可溶性メディエーター(サイトカイン、酸素ラジカル、酵素、プロスタノイド又は血管作用性アミンを含むがこれらに限定されない)の産生、又は新規の若しくはより多数のメディエーター(主要組織適合性抗原又は細胞接着分子を含むがこれらに限定されない)の細胞表面発現による誘導を指す。これら細胞におけるこれら表現型のうちの1つ又は組み合わせの活性化が、炎症性障害の発症、永続化又は増悪の一因となり得ることを、当業者であれば理解するであろう。
幾つかの実施態様では、本発明の方法に従って処置することができる炎症性障害は、喘息、鼻炎(例えばアレルギー性鼻炎)、アレルギー性気道症候群、アトピー性皮膚炎、気管支炎、関節リウマチ、乾癬、接触皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び遅延型過敏反応を含むがこれらに限定されない。
用語「癌」及び「癌性」、「新生物」及び「腫瘍」、並びに関連する用語は、典型的には無秩序な細胞増殖を特徴とする、哺乳類における生理学的病態を指すか又は説明する。「腫瘍」は、1つ以上の癌性細胞を含む。癌の例は、癌腫、芽細胞腫、肉腫、精上皮腫、グリア芽細胞腫、黒色腫、白血病及び骨髄性又はリンパ性悪性腫瘍を含む。このような癌のより具体的な例は、扁平細胞癌(例えば扁平上皮細胞癌)、並びに小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺の腺癌及び肺の扁平上皮癌を含む肺癌を含む。他の癌は、皮膚、角化棘細胞腫、濾胞癌、ヘアリーセル白血病、口腔、咽頭(口腔)、***、舌、口、唾液腺、食道、喉頭、肝細胞、胃(gastric)、胃(stomach)、胃腸、小腸、大腸、膵臓、頸部、卵巣、肝臓、膀胱、肝癌、乳、結腸、直腸、結腸直腸、泌尿生殖器、胆汁道、甲状腺、乳頭、肝臓、子宮内膜、子宮、唾液腺、腎臓又は腎、前立腺、精巣、外陰、腹膜、肛門、陰茎、骨、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、中枢神経系、脳、頭頸部、ホジキン及び関連する転移を含む。新生物性障害の例は、骨髄増殖性障害(例えば真性赤血球増加症)、本態性血小板増加症、骨髄線維症(例えば原発性骨髄線維症)及び慢性骨髄性白血病(CML)を含む。
「化学療法剤」は、所与の障害、例えば癌又は炎症性障害の処置において有用な薬剤である。化学療法剤の例は、当技術分野において周知であり、例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2010/0048557号に開示されているもの等の例を含む。更に、化学療法剤は、化学療法剤のいずれかの薬学的に許容し得る塩、酸又は誘導体、並びにこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含む。
「添付文書」は、このような処置用製品の適応症、使用法、投与量、投与、禁忌又は使用に関する警告についての情報を含む、処置用製品の商業用パッケージに慣例上含まれている説明書を指すために用いられる。
特に指定しない限り、本明細書に記載される構造は、同位体的富化された1つ以上の原子が存在することだけが異なる化合物を含む。本発明の化合物に取り込むことができる例示的な同位体は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体、例えば、それぞれH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I及び125I等を含む。同位体標識された化合物(例えば、H及び14Cで標識されたもの)は、化合物又は基質の組織分布アッセイにおいて有用であり得る。トリチウム化(すなわちH)及びカーボン-14(すなわち14C)の同位体は、調製が容易であり、検出可能であるため有用であり得る。更に、ジュウテリウム(すなわちH)等のより重い同位体での置換は、より高い代謝安定性に起因する特定の処置上の利点(例えば、インビボにおける半減期の延長又は必要投与量の低減)を与えることがある。幾つかの実施態様では、1つ以上の水素原子がH若しくはHによって置換されているか、又は1つ以上の炭素原子が13C若しくは14Cが富化された炭素によって置換されている。陽電子放出同位体、例えば15O、13N、11C及び18Fは、基質の受容体占有について調べるための陽電子放出断層撮影(PET)試験に有用である。同位体標識された化合物は、一般的に、同位体標識されていない試薬の代わりに同位体標識された試薬を用いることによって、本明細書のスキーム又は実施例に開示されるものと同様の手順で調製することができる。
本発明の一実施態様に関して論じられる任意の限定が、本発明の任意の他の実施態様にも適用され得ることが具体的に企図される。更に、本発明の任意の化合物若しくはその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)又は組成物を本発明の任意の方法で用いることができ、本発明の任意の方法を用いて、本発明の任意の化合物若しくはその塩(例えばその薬学的に許容し得る塩)又は組成物を製造又は利用することができる。
用語「又は」の使用は、一方の選択肢のみを指すことが明示され、又は選択肢が相互に排他的でない限り、「及び/又は」を意味するために用いられるが、本開示は、一方の選択肢のみ及び「及び/又は」を指す定義を支持する。
本願全体を通して、用語「約」は、ある値が、その値を求めるために用いられる装置又は方法の誤差の標準偏差を含むことを示すために用いられる。
本明細書で使用するとき、「a」又は「an」は、特に明示しない限り、1つ以上を意味する。本明細書で使用するとき、「別の」は、少なくとも第2の又はそれ以上を意味する。
本明細書で使用する標題は、組織化の目的のみを意図する。
ヤヌスキナーゼの阻害剤
一実施態様は、式(I):
Figure 0007256757000003

(式中、
は、水素又はCHであり;
は、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、C-Cシクロアルキル又は-ORであり、Rは場合により、ハロゲン、C-Cアルキル、シアノ、ヒドロキシ及びオキソからなる群より独立して選択される1種以上の基によって置換されており;
は、C-Cアルキル、-フェニル-COR、-フェニル-(3~6員ヘテロシクリル)又は3~11員ヘテロシクリルであり、Rは場合により、ハロゲン、C-Cアルキル、シアノ、ヒドロキシ及びオキソからなる群より独立して選択される1種以上の基によって置換されており;
及びRは、それぞれ独立して、水素又はCHであり;
は、水素又はNHであり;
は、水素又はCHであり;
は、水素又はNHである)
の化合物、又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)を提供する。
幾つかの実施態様では、Rは、水素である。幾つかの実施態様では、Rは、CHである。幾つかの実施態様では、Rは、水素である。幾つかの実施態様では、R及びRは、それぞれ水素である。幾つかの実施態様では、R、R、R、及びRは、それぞれ水素である。
幾つかの実施態様では、Rは、ハロゲン、C-Cハロアルキル及びC-Cハロアルコキシからなる群より選択される。幾つかの実施態様では、Rは、下記のもの:
Figure 0007256757000004

からなる群より選択される。
幾つかの実施態様では、下記1~18:
Figure 0007256757000005

Figure 0007256757000006

Figure 0007256757000007

から選択される化合物、又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)若しくは立体異性体が提供される
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000008

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000009

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000010

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000011

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)若しくは立体異性体が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000012

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000013

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)若しくは立体異性体が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000014

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000015

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000016

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)若しくは立体異性体が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000017

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)若しくは立体異性体が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000018

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000019

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000020

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000021

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000022

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記化合物:
Figure 0007256757000023

又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)が提供される。
幾つかの実施態様では、下記(a)~(v):
Figure 0007256757000024

Figure 0007256757000025

Figure 0007256757000026

から選択される化合物、又はその塩(例えば薬学的に許容し得る塩)若しくは立体異性体が提供される。
また、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩と、薬学的に許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤とを含む医薬組成物も提供される。
また、治療、例えば炎症性疾患(例えば喘息)の処置における、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩の使用も提供される。また、炎症性疾患を処置するための医薬を調製するための、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩の使用も提供される。また、治療上有効な量の本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩を患者に投与することを含む、該患者におけるヤヌスキナーゼ活性の阻害に応答する疾患又は病態を予防し、処置し、又はその重篤度を低減する方法も提供される。
一実施態様では、治療するための疾患又は病態は、癌、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、関節リウマチ、炎症性腸症候群、クローン病、乾癬、接触皮膚炎又は遅延型過敏反応である。
一実施態様では、癌、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、関節リウマチ、炎症性腸症候群、クローン病、乾癬、接触皮膚炎又は遅延型過敏反応を処置するための、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩の使用が提供される。
一実施態様では、吸入による投与用に製剤化された組成物が提供される。
一実施態様では、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含む定量吸入器が提供される。
一実施態様では、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、LRRK2の阻害剤としてよりも、JAK1の阻害剤として少なくとも5倍強力である。
一実施態様では、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、LRRK2の阻害剤としてよりも、JAK1の阻害剤として少なくとも10倍強力である。
一実施態様では、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、JAK2の阻害剤としてよりも、JAK1の阻害剤として少なくとも5倍強力である。
一実施態様では、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、JAK2の阻害剤としてよりも、JAK1の阻害剤として少なくとも10倍強力である。
一実施態様では、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、JAK3の阻害剤としてよりも、JAK1の阻害剤として少なくとも5倍強力である。
一実施態様では、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、JAK3の阻害剤としてよりも、JAK1の阻害剤として少なくとも10倍強力である。
一実施態様では、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、TYK2の阻害剤としてよりも、JAK1の阻害剤として少なくとも5倍強力である。
一実施態様では、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、TYK2の阻害剤としてよりも、JAK1の阻害剤として少なくとも10倍強力である。
一実施態様では、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩を哺乳類に投与することを含む、哺乳類における脱毛を処置する方法が提供される。
一実施態様では、脱毛を処置するための本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩の使用が提供される。
一実施態様では、哺乳類における脱毛を処置するための医薬を調製するための、本明細書に記載されるJAK阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩の使用が提供される。
本発明の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含有し得る。従って、該化合物は、ジアステレオマー、鏡像異性体又はこれらの混合物として存在し得る。該化合物の合成は、出発物質として又は中間体としてラセミ体、ジアステレオマー又は鏡像異性体を使用し得る。特定のジアステレオマー化合物の混合物は、クロマトグラフィー法又は結晶化法によって分離したり、1つ以上の特定のジアステレオマーを富化したりすることができる。同様に、鏡像異性体混合物も、同じ技術又は当技術分野において公知の他の技術を用いて分離又は鏡像異性的に富化することができる。不斉の炭素又は窒素原子は、それぞれR又はSの配置であってよく、これら配置の両方が本発明の範囲内である。
本明細書に示す構造において、任意の特定のキラル原子の立体化学が指定されていない場合、全ての立体異性体が意図され、本発明の化合物として含まれる。特定の配置を表す実線くさび又は点線によって立体化学が指定されている場合、その立体異性体は、そのように指定され、定義される。特に指定しない限り、実線くさび又は点線が用いられている場合、相対立体化学が意図される。
別の態様は、生理的条件下で放出、例えば加水分解されて本発明の化合物を生成する、公知のアミノ保護基及びカルボキシ保護基を含む本明細書に記載される化合物のプロドラッグを含む。
用語「プロドラッグ」とは、親薬物に比べて患者に対する有効性が低く、より活性の高い親型に、酵素的に又は加水分解的に活性化され又は変換され得る、薬学的活性物質の前駆体又は誘導体の形態を指す。例えば、Wilman, "Prodrugs in Cancer Chemotherapy" Biochemical Society Transactions, 14, pp. 375-382, 615th Meeting Belfast (1986)及びStella et al., "Prodrugs: A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery," Directed Drug Delivery, Borchardt et al., (ed.), pp. 247-267, Humana Press (1985)を参照。プロドラッグは、リン酸エステル含有プロドラッグ、チオリン酸エステル含有プロドラッグ、硫酸エステル含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D-アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β-ラクタム含有プロドラッグ、場合により置換されているフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、又は場合により置換されているフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、並びに5-フルオロシトシン及び5-フルオロウリジンプロドラッグを含むが、これらに限定されない。
プロドラッグの具体的な分類は、アミノ、アミジノ、アミノアルキレンアミノ、イミノアルキレンアミノ又はグアニジド基における窒素原子が、ヒドロキシ基、アルキルカルボニル(-CO-R)基、アルコキシカルボニル(-CO-OR)又はアシルオキシアルキル-アルコキシカルボニル(-CO-O-R-O-CO-R)基(式中、Rは、一価又は二価の基、例えばアルキル、アルキレン又はアリールである)、又は式-C(O)-O-CP1P2-ハロアルキルを有する基(式中、P1及びP2は、同じであるか又は異なり、水素、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロゲン、アルキル又はアリールである)で置換されている化合物である。具体的な実施態様では、該窒素原子は、アミジノ基の窒素原子のうちの1つである。プロドラッグは、化合物を活性化された基、例えばアシル基と反応させて、例えば該化合物中の窒素原子を、該活性化されたアシル基の例示的なカルボニルに結合させることによって調製され得る。活性化カルボニル化合物の例は、カルボニル基に結合している脱離基を含有するものであり、例えばハロゲン化アシル、アシルアミン、アシルピリジニウム塩、アシルアルコキシド、アシルフェノキシド(例えばp-ニトロフェノキシアシル、ジニトロフェノキシアシル、フルオロフェノキシアシル及びジフルオロフェノキシアシル)を含む。該反応は一般に、-78℃~約50℃等の低温で、不活性溶媒中において実施される。また該反応は、無機塩基(例えば炭酸カリウム若しくは重炭酸ナトリウム)又は有機塩基(ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等を含むアミン等)の存在下で実施されてもよい。
更なる種類のプロドラッグも包含される。例えば、本明細書に記載されるJAK阻害剤の遊離カルボキシル基を、アミド又はアルキルエステルとして誘導体化することができる。別の例として、遊離ヒドロキシ基を含む本発明の化合物は、Fleisher, D. et al., (1996) Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs Advanced Drug Delivery Reviews, 19:115に概説されているように、ヒドロキシ基を、リン酸エステル、コハク酸ヘミエステル、ジメチルアミノ酢酸エステル又はホスホリルオキシメチルオキシカルボニル基等の基(ただしこれらに限定されない)に変換することによって、プロドラッグとして誘導体化され得る。ヒドロキシ基の炭酸エステルプロドラッグ、スルホン酸エステル及び硫酸エステルと同様に、ヒドロキシ及びアミノ基のカルバミン酸エステルプロドラッグも含まれる。ヒドロキシ基の、(アシルオキシ)メチル及び(アシルオキシ)エチルエーテルとしての誘導体化(前記アシル基は、場合によりエーテル、アミン及びカルボン酸官能基を含む(これらに限定されない)基で置換されているアルキルエステルであってよく、又は、前記アシル基は、上記のようなアミノ酸エステルである)も包含される。この種のプロドラッグは、J. Med. Chem., (1996), 39:10に記載されている。より具体的な例は、(C-C)アルカノイルオキシメチル、1-((C-C)アルカノイルオキシ)エチル、1-メチル-1-((C-C)アルカノイルオキシ)エチル、(C-C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N-(C-C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C-C)アルカノイル、アルファ-アミノ(C-C)アルカノイル、アリールアシル、及びアルファ-アミノアシル、又はアルファ-アミノアシル-アルファ-アミノアシル(各アルファ-アミノアシル基は、独立して、天然のL-アミノ酸、P(O)(OH)、-P(O)(O(C-C)アルキル)又はグリコシル(ヘミアセタール型の炭水化物のヒドロキシル基の除去で生じるラジカル)から選択される)等の基による、アルコール基の水素原子の置換を含む。
「脱離基」とは、ある化学反応における第1の反応物質の一部分であって、該化学反応中に該第1の反応物質から置き換えられる部分を指す。脱離基の例は、ハロゲン原子、アルコキシ基及びスルホニルオキシ基を含むが、これらに限定されない。スルホニルオキシ基の例は、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ(メシラート基)及びトリフルオロメチルスルホニルオキシ(トリフラート基))及びアリールスルホニルオキシ基(例えばp-トルエンスルホニルオキシ(トシラート基)及びp-ニトロスルホニルオキシ(ノシラート基))を含むが、これらに限定されない。
ヤヌスキナーゼ阻害剤化合物の合成
化合物は、本明細書に記載される合成経路によって合成することができる。特定の実施態様では、本明細書に含まれる記載に加えて、又はこれに鑑みて、化学分野で周知のプロセスを用いてよい。出発物質は一般に、Aldrich Chemicals(Milwaukee, Wis.)等の商業的供給元から入手可能であるか、又は当業者に周知の方法を用いて容易に調製される(例えば、Louis F. Fieser and Mary Fieser, Reagents for Organic Synthesis, v. 1-19, Wiley, N.Y. (1967-1999 ed.)、Beilsteins Handbuch der organischen Chemie, 4, Aufl. ed. Springer-Verlag, Berlin(補遺を含む)(Beilsteinオンラインデータベースを介しても入手可能である)、又はComprehensive Heterocyclic Chemistry, Editors Katrizky and Rees, Pergamon Press, 1984に一般的に記載された方法によって調製される)。
化合物は、単独で調製してもよく、又は少なくとも2種、例えば5~1,000種の化合物、又は10~100種の化合物を含む、化合物ライブラリとして調製してもよい。化合物のライブラリは、コンビナトリアル「スプリット・アンド・ミックス」アプローチによって、又は液相若しくは固相の化学のいずれかを用いる複数の平行合成によって、当業者に公知の手順によって調製され得る。従って、本発明の更なる態様によれば、本発明の化合物を少なくとも2種含む化合物ライブラリが提供される。
例示を目的として、以下に示される反応スキームは、本発明の化合物に加えて重要な中間体を合成するための経路を提供する。個々の反応工程のより詳細な説明については、以下の実施例の項を参照されたい。当業者であれば、他の合成経路を用いてもよいことを理解するであろう。幾つかの具体的な出発物質及び試薬を以下で反応スキームに示し、検討するが、様々な誘導体又は反応条件を提供するために他の出発物質及び試薬に置き換えることもできる。更に、以下に記載される方法によって調製される化合物の多くは、本開示を考慮し、当業者に周知の従来の化学を用いて更に修飾することができる。
本発明の化合物の調製では、中間体の遠隔官能基(例えば、一級又は二級アミン)の保護が必要になることがある。このような保護の必要性は、遠隔官能基の性質及び調製方法の条件に依存して変動する。好適なアミノ保護基は、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、フェニルスルホニル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)を含む。このような保護の必要性は、当業者によって容易に判定される。保護基及びその使用に関する一般的な説明については、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York, 1991を参照されたい。
本発明の化合物の合成において一般的に用いられ、様々な試薬及び条件を用いて実施することができる他の変換は、以下を含む:
(1)カルボン酸とアミンの、アミドを形成する反応。このような転換は、当業者に公知の様々な試薬を用いて達成することができるが、包括的な総説は、Tetrahedron, 2005, 61, 10827-10852に見出すことができる。
(2)一般に「Buchwald-Hartwigクロスカップリング」として知られる、一級又は二級アミンと、アリールハロゲン化物又は擬ハロゲン化物(例えばトリフラート)の反応は、様々な触媒、配位子及び塩基を用いて達成することができる。これらの方法の総説は、Comprehensive Organic Name Reactions and Reagents, 2010, 575-581に提供されている。
(3)アリールハロゲン化物と、ビニルボロン酸又はボロン酸エステルのパラジウムクロスカップリング反応。この転換は、Chemical Reviews, 1995, 95(7), 2457-2483に十分に概説されている反応の分類である「鈴木-宮浦クロスカップリング」の1種である。
(4)エステルを加水分解して対応するカルボン酸を与えることは、当業者に周知であり、条件は以下を含む:メチル及びエチルエステルの場合、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の水性強塩基、又はHCl等の水性強鉱酸を使用;tert-ブチルエステルの場合、酸を用いて(例えばジオキサン中HCl、又はジクロロメタン(DCM)中トリフルオロ酢酸(TFA))加水分解が行われる。
Figure 0007256757000027
反応スキーム1は、その中の化合物6、8及び10の合成について説明する。パラジウム触媒条件下、化合物1を4-ブロモ-1-(ジフルオロメトキシ)-2-ヨードベンゼンでアリール化して、化合物2を生成することができる。化合物2のニトロ基を、鉄及び塩化アンモニウム等の条件で還元して、アミノアニリン3を生成することができる。DMF等の(これに限定されない)有機溶媒中、DIPEA及びDMAP等の(これに限定されない)有機塩基を用い、PyAOP等の(これに限定されない)カップリング試薬の存在下、市販されているピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸とアミド結合カップリングさせて、化合物4を与える。tBuOH等の溶媒中、N,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン等の塩基と共に、ヨウ化ナトリウム及びCuI、等の条件を使用して、化合物4を対応するヨウ化物5に変換することができる。1,4-ジオキサン等の(これに限定されない)溶媒中、炭酸セシウム等の(これに限定されない)塩基を用い、パラジウム触媒条件下、化合物4を置換ボロン酸(又はエステル)又はBF3K塩で処理することによって、式7の化合物を形成することができる。更に、トルエン等の(これに限定されない)溶媒中、炭酸セシウム等の(これに限定されない)塩基を用い、Pd触媒カップリング条件下、化合物4を適宜置換されたフェノールで処理することによって、式9の化合物を合成することができる。1,4-ジオキサン等の(これに限定されない)溶媒中、HCl等の(これに限定されない)酸を使用して、式5、7及び9の化合物のSEM保護基を除去して、式6、8及び10の化合物を生成することを達成しうる。
Figure 0007256757000028
反応スキーム2は、その中の式I~IIIの化合物の合成について説明する。DMF等の(これに限定されない)溶媒中、炭酸セシウム等の(これに限定されない)塩基を用い、式6、8及び10の化合物を、適宜置換された2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミドで処理して、式I~IIIの化合物を与えることができる。
Figure 0007256757000029
反応スキーム3は、その中の式IV~VIの化合物の合成について説明する。トルエン等の(これに限定されない)溶媒中、炭酸セシウム等の(これに限定されない)塩基を用い、Pd触媒カップリング条件下、式II(R=Br)の化合物を、適宜置換されたフェノールで処理して、式IVの化合物を与えることができる。1,4-ジオキサン等の(これに限定されない)溶媒中、炭酸セシウム等の(これに限定されない)塩基を用い、パラジウム触媒条件下、化合物4を置換ボロン酸(又はエステル)又はBFK塩で処理することによって、式Vの化合物を得ることができる。J. Am. Chem. Soc., 2014, 136, 4149-4152に記載の方法を使用して、式VIのジフルオロメチル化合物を得ることができる。更に、式Vの化合物のRが適宜置換されたオレフィンである場合、フッ素化アルカンを与えるために、標準的な方法を使用してこのオレフィンの更なる操作を完遂してもよい。
Figure 0007256757000030
反応スキーム4は、その中の式VIIの化合物の合成について説明する。酢酸等の(これに限定されない)溶媒中、市販されている4-(ジフルオロメトキシ)フェノールをNBS等の(これに限定されない)臭素化剤で処理して、12を生成することができる。アセトニトリル等の(これに限定されない)溶媒中、水酸化カリウム水溶液等の(これに限定されない)塩基を用い、化合物12をジエチル(ブロモジフルオロメチル)ホスホナートで処理することによって、12をジフルオロメチル化して化合物13を形成することができる。DMA等の(これに限定されない)溶媒中、炭酸カリウム等の(これに限定されない)塩基を用い、パラジウム触媒条件下、化合物13を4-ニトロ-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール4-ブロモ-1-(ジフルオロメトキシ)-2-ヨードベンゼンで処理して、化合物14を生成することができる。化合物14のニトロ基を、鉄及び塩化アンモニウム等の条件で還元して、アミノアニリン15を生成することができる。DMF等の(これに限定されない)溶媒中、DIPEA及びDMAP等の(これに限定されない)有機塩基を用い、PyAOP等の(これに限定されない)カップリング試薬の存在下、化合物15を市販されているピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸とアミド結合カップリングさせて、化合物16を与える。1,4-ジオキサン等の(これに限定されない)有機溶媒中、HCl等の(これに限定されない)酸を用い、化合物16のSEM保護基除去を完遂して、式VIIの化合物を生成することができる。
Figure 0007256757000031
反応スキーム5は、その中の式VIIIの化合物の合成について説明する。DMF等の(これに限定されない)溶媒中、炭酸セシウム等の(これに限定されない)塩基を用い、化合物17を2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミドで処理して、化合物18を与えることができる。1,4-ジオキサン等の(これに限定されない)有機溶媒中、HCl等の(これに限定されない)酸を用い、化合物18のBoc保護基除去を完遂して、式VIIIの化合物を生成することができる。
適切な官能基が存在する場合、様々な式の化合物又はその調製において用いられる任意の中間体を、縮合、置換、酸化、還元又は開裂反応を用いる1つ以上の標準的な合成方法によって、更に誘導体化し得ることが理解される。具体的な置換アプローチは、従来のアルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化及びカップリングの手順を含む。
更なる例では、アシル化によって一級アミン又は二級アミン基をアミド基(-NHCOR’又は-NRCOR’)に変換することができる。アシル化は、ジクロロメタン等の好適な溶媒中、トリエチルアミン等の塩基の存在下、適切な酸塩化物と反応させることによって、又はジクロロメタン等の好適な溶媒中、HATU(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)等の好適なカップリング剤の存在下、適切なカルボン酸と反応させることによって達成することができる。同様に、ジクロロメタン等の好適な溶媒中、トリエチルアミン等の好適な塩基の存在下、適切な塩化スルホニルと反応させることによって、アミン基をスルホンアミド基(-NHSOR’又は-NR’’SOR’)基に変換することができる。ジクロロメタン等の好適な溶媒中、トリエチルアミン等の好適な塩基の存在下、適切なイソシアナートと反応させることによって、一級又は二級アミン基をウレア基(-NHCONR’R’’又は-NRCONR’R’’)に変換することができる。
ニトロ(-NO)基の還元によって、例えば接触水素化(例えば、溶媒(酢酸エチル又はアルコール(例えばメタノール)等)中、金属触媒(例えば、炭素等の担体に担持されているパラジウム)の存在下、水素を用いるもの)によって、アミン(-NH)を得ることができる。あるいは、塩酸等の酸の存在下、例えば金属(例えばスズ又は鉄)を用いる化学的還元によって、転換を実施してもよい。
更なる例では、ニトリル(-CN)の還元によって、例えば接触水素化(例えば、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン等の環状エーテル)等の溶媒中、適切な温度(例えば、約-78℃から溶媒の還流温度まで)で、金属触媒(例えば、炭素等の担体に担持されているパラジウム、又はラネーニッケル)の存在下、水素を用いるもの)によって、アミン(-CHNH)基を得ることができる。
更なる例では、カルボン酸基(-COH)から、対応するアジ化アシル(-CON)への変換、クルチウス転位及び得られるイソシアナート(-N=C=O)の加水分解によって、アミン(-NH)基を得ることができる。
ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)、アルコール(エタノール等)等の溶媒中、必要な場合は酢酸等の酸の存在下、およそ周囲温度で、アミン及びホウ化水素(例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウム)を使用する還元的アミノ化によって、アルデヒド基(-CHO)をアミン基(-CHNR’R”))に変換することができる。
更なる例では、当業者に公知の標準的な条件下、適切なホスホラン又はホスホナートを用いるWittig反応又はWadsworth-Emmons反応を使用することによって、アルデヒド基をアルケニル基(-CH=CHR’)に変換することができる。
トルエン等の好適な溶媒中、水素化ジイソブチルアルミニウムを用いてエステル基(例えば、-COEt)又はニトリル(-CN)を還元することによって、アルデヒド基を得ることができる。あるいは、アルデヒド基は、当業者に公知の任意の好適な酸化剤を用いてアルコール基を酸化することによって得ることもできる。
エステル基(-COR’)を、Rの性質に応じて、酸又は塩基触媒加水分解によって対応する酸基(-COH)に変換することができる。Rがt-ブチルである場合、酸触媒加水分解を、例えば、水性溶媒中、トリフルオロ酢酸等の有機酸で処理することによって、又は水性溶媒中、塩酸等の無機酸で処理することによって、完遂することができる。
ジクロロメタン等の好適な溶媒中、HATU等の好適なカップリング剤の存在下、適切なアミンと反応させることによって、カルボン酸基(-COH)をアミド(CONHR’又は-CONR’R”)に変換することができる。
更なる例では、カルボン酸を、対応する酸塩化物(-COCl)に変換し、続いてArndt-Eistert合成を行うことによって、一炭素増炭(homologated)(すなわち、-COHから-CHCOHに)することができる。
更なる例では、-OH基を対応するエステル(例えば、-COR’)又はアルデヒド(-CHO)から、還元(例えば、複合金属水素化物(ジエチルエーテル若しくはテトラヒドロフラン中水素化アルミニウムリチウム、メタノール等の溶媒中水素化ホウ素ナトリウム等)を用いるもの)によって生成することができる。あるいは、アルコールを対応する酸(-COH)の還元(例えば、テトラヒドロフラン等の溶媒中水素化アルミニウムリチウムを用いて、又はテトラヒドロフラン等の溶媒中ボランを用いることによって)によって、調製することもできる。
当業者に公知の条件を用いて、アルコール基をハロゲン原子、スルホニルオキシ基(アルキルスルホニルオキシ(例えばトリフルオロメチルスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ(例えばp-トルエンスルホニルオキシ基)等)等の脱離基に変換することができる。例えば、アルコールをハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)中で塩化チオニルと反応させて、対応する塩化物を生成することができる。該反応では塩基(例えばトリエチルアミン)を用いてもよい。
別の例では、テトラヒドロフラン等の溶媒中、ホスフィン(例えばトリフェニルホスフィン)及びジエチル-、ジイソプロピル又はジメチルアゾジカルボキシラート等の活性化剤の存在下、フェノール又はアミドをアルコールとカップリングさせることによって、アルコール、フェノール又はアミド基をアルキル化することができる。あるいは、好適な塩基(例えば水素化ナトリウム)を用いて脱プロトン化し、続いてハロゲン化アルキル等のアルキル化剤を添加することによって、アルキル化を達成することもできる。
テトラヒドロフラン等の溶媒中、場合により低温、例えば約-78℃で、塩基、例えばn-ブチルリチウム又はt-ブチルリチウム等のリチウム塩基で処理することによって、該化合物中の芳香族ハロゲン置換基をハロゲン-金属交換に供し、次いで求電子剤でクエンチして、所望の置換基を導入することができる。従って、例えば求電子剤としてN,N-ジメチルホルムアミドを用いることによって、ホルミル基を導入することができる。あるいは、芳香族ハロゲン置換基を金属(例えば、パラジウム又は銅)によって触媒される反応に供して、例えば酸、エステル、シアノ、アミド、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、チオ-、又はアミノ置換基を導入することもできる。使用することができる好適な手順は、Heck、Suzuki、Stille、Buchwald、又はHartwigによって記載されているものを含む。
また、芳香族ハロゲン置換基は、アミン又はアルコール等の適切な求核剤との反応に続いて、求核置換を受けてもよい。有利には、このような反応は、マイクロ波照射の存在下、高温で実施することができる。
分離方法
各例示的スキームにおいては、反応生成物を互いに、又は出発物質から分離することが有利な場合がある。各工程又は一連の工程の所望の生成物は、当技術分野において一般的な技術によって、所望の均一度に分離又は精製(以後、分離)される。典型的には、このような分離は、多相抽出、溶媒若しくは溶媒混合物からの結晶化若しくはトリチュレーション、蒸留、昇華又はクロマトグラフィーを含む。クロマトグラフィーは、例えば、逆相及び順相;サイズ排除;イオン交換;超臨界流体;高、中及び低圧液体クロマトグラフィーの方法及び装置;小規模分析;疑似移動床(SMB)及び分取薄層又は厚層クロマトグラフィー、並びに小規模薄層及びフラッシュクロマトグラフィーの技術を含む、任意の数の方法を含み得る。
分離方法の別の分類は、所望の生成物、未反応の出発物質、反応副生成物等に結合するか、又は他の方法でこれらを分離可能にするように選択された試薬で混合物を処理することを含む。このような試薬は、活性炭、分子篩、イオン交換媒体等の吸着剤又は吸収剤を含む。あるいは、該試薬は、塩基性物質の場合は酸、酸性物質の場合は塩基、抗体等の結合試薬、結合タンパク質、クラウンエーテル等の選択的キレート剤、液体/液体イオン抽出試薬(LIX)等であってもよい。
適切な分離方法の選択は、含まれる物質の性質に依存する。分離方法の例は、蒸留及び昇華における沸点及び分子量、クロマトグラフィーにおける極性官能基の有無、多相抽出における酸性及び塩基性媒体中の物質の安定性等を含む。当業者は、所望の分離を達成する可能性が最も高い技術を適用する。
ジアステレオマー混合物は、例えばクロマトグラフィー又は分別結晶化等の当業者に周知の方法によって、その物理化学的差異に基づいて個々のジアステレオ異性体に分離することができる。鏡像異性体は、適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコール又はモッシャー酸塩化物等のキラル補助基)と反応させることによって鏡像異性体混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオ異性体を分離し、個々のジアステレオ異性体を対応する純粋な鏡像異性体に変換(例えば、加水分解)することによって分離することができる。また、本発明の化合物のうちの幾つかは、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であってもよく、かつ本発明の一部であるとみなされる。また、鏡像異性体は、キラルHPLCカラム又は超臨界流体クロマトグラフィーの使用によって分離することもできる。
実質的にその立体異性体を含まない単一の立体異性体、例えば鏡像異性体は、光学活性分割剤を用いてジアステレオマーを形成する等の方法を用いてラセミ混合物を分割することによって得ることができる(Eliel, E. and Wilen, S., Stereochemistry of Organic Compounds, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994;Lochmuller, C. H., J. Chromatogr., 113(3):283-302 (1975))。本発明のキラル化合物のラセミ混合物は、以下を含む任意の好適な方法によって分離及び単離することができる:(1)キラル化合物とのイオン性ジアステレオマー塩を形成し、分別結晶化又は他の方法によって分離する、(2)キラル誘導体化試薬を用いてジアステレオマー化合物を形成し、ジアステレオマーを分離し、純粋な立体異性体に変換する、及び(3)キラル条件下で直接、実質的に純粋な又は富化された立体異性体を分離する。Drug Stereochemistry, Analytical Methods and Pharmacology, Irving W. Wainer, Ed., Marcel Dekker, Inc., New York (1993)を参照。
ジアステレオマー塩は、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネ、α-メチル-β-フェニルエチルアミン(アンフェタミン)等の鏡像異性的に純粋なキラル塩基を、カルボン酸及びスルホン酸等の酸性官能基を有する不斉化合物と反応させることによって形成することができる。分別結晶化又はイオンクロマトグラフィーによる分離のためにジアステレオマー塩を生じさせることができる。アミノ化合物の光学異性体を分離する場合、ショウノウスルホン酸、酒石酸、マンデル酸又は乳酸等のキラルカルボン酸又はスルホン酸の添加が、ジアステレオマー塩形成をもたらしうる。
あるいは、分割される基質をキラル化合物のうちの一方の鏡像異性体と反応させて、ジアステレオマー対を形成する(Eliel, E. and Wilen, S., Stereochemistry of Organic Compounds, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994, p. 322)。不斉化合物をメンチル誘導体等の鏡像異性的に純粋なキラル誘導体化試薬と反応させ、続いてジアステレオマーを分離し、加水分解して、純粋な又は富化された鏡像異性体を生成することによって、ジアステレオマー化合物を形成することができる。光学純度を求める方法は、ラセミ混合物のキラルエステル、例えばメンチルエステル(塩基の存在下で(-)メンチルクロロホルマート等)又はモッシャーエステル(α-メトキシ-α-(トリフルオロメチル)フェニルアセタート(Jacob, J. Org. Chem. 47:4165 (1982)))を作製し、2種のアトロプ異性の鏡像異性体又はジアステレオマーの存在についてNMRスペクトルを分析することを含む。アトロプ異性化合物の安定なジアステレオマーは、アトロプ異性ナフチルイソキノリンを分離する方法(参照により本明細書に組み入れられる国際公開公報第96/15111号)に従って、順相及び逆相クロマトグラフィーによって分離及び単離することができる。方法(3)によって、キラル固定相を用いるクロマトグラフィーによって2種の鏡像異性体のラセミ混合物を分離することができる(Chiral Liquid Chromatography W. J. Lough, Ed., Chapman and Hall, New York, (1989);Okamoto, J. of Chromatogr. 513:375-378 (1990))。富化又は精製された鏡像異性体は、旋光性及び円偏光二色性等の、不斉炭素原子を含む他のキラル分子を区別するために用いられる方法によって区別することができる。キラル中心及び鏡像異性体の絶対立体化学は、x線結晶構造解析によって決定することができる。
位置異性体及びそれを合成するための中間体は、NMR及び分析HPLC等の特性評価法によって観察することができる。相互変換のためのエネルギー障壁が十分に高い特定の化合物については、例えば分取HPLCによってE異性体及びZ異性体を分離することができる。
医薬組成物及び投与
本発明が関係する化合物は、JAK1阻害剤等のJAKキナーゼ阻害剤であり、幾つかの疾患、例えば炎症性疾患(喘息等)の処置において有用である。
従って、別の実施態様は、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、薬学的に許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤とを含有する医薬組成物又は医薬、並びに本発明の化合物を用いてこのような医薬組成物又は医薬を調製する方法を提供する。
一例では、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、周囲温度、適切なpH及び所望の純度で、生理学的に許容し得る担体、すなわち用いられる投与量及び濃度でレシピエントに対して非毒性である担体と混合することによって、ガレヌス投与形態に製剤化され得る。製剤のpHは、主に具体的な用途及び化合物の濃度に依存するが、典型的には、約3~約8の範囲のいずれでもよい。一例では、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、pH5の酢酸緩衝液中で製剤化される。別の実施態様では、本発明の化合物は無菌である。該化合物は、例えば固体若しくは非晶質の組成物として、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保存してよい。
組成物は、良質の医療実施基準(good medical practice)に合致するように製剤化、調薬及び投与される。この文脈において考慮すべき要因は、処置される具体的な障害、処置される具体的な哺乳類、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬物の送達部位、投与方法、投与スケジュール及び医師に公知の他の要因を含む。
任意の具体的な患者についての具体的な用量レベルは、使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、排出速度、薬物の組み合わせ及び処置を受ける具体的な疾患の重篤度を含む様々な要因に依存することが理解される。最適な用量レベル及び投与頻度は、薬学分野において必要とされているようにして、臨床試験によって決定される。一般的に、経口投与の場合の1日分の用量範囲は、単一用量又は分割用量で、約0.001mg~約100mg/kg(ヒトの体重)、多くの場合0.01mg~約50mg/kg、例えば0.1~10mg/kgの範囲内である。一般的に、吸入投与の場合の1日分の用量範囲は、単一用量又は分割用量で、約0.1μg~約1mg/kg(ヒトの体重)、好ましくは0.1μg~50μg/kgの範囲内である。他方、場合によっては、これらの限度外の投与量を用いる必要がある場合もある。
本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、経口、局所(バッカル及び舌下を含む)、直腸内、膣内、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、くも膜下腔内、吸入及び硬膜外及び鼻腔内、並びに局所処置が望ましい場合、病巣内への投与を含む任意の好適な手段によって投与され得る。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内又は皮下への投与が含まれる。幾つかの実施態様では、吸入投与が使用される。
本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、例えば錠剤、散剤、カプセル剤、ロゼンジ、顆粒剤、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、噴霧剤、吸入剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ剤等の任意の好都合な投与形態で投与され得る。このような組成物は、医薬調製物において常用される成分、例えば希釈剤(例えばグルコース、ラクトース又はマンニトール)、担体、pH調整剤、緩衝剤、甘味剤、増量剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、着香剤、風味剤、他の公知の添加剤並びに更なる活性剤を含有し得る。
好適な担体及び賦形剤は、当業者に周知であり、例えばAnsel, Howard C., et al., Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2004;Gennaro, Alfonso R., et al. Remington: The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2000;及びRowe, Raymond C. Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago, Pharmaceutical Press, 2005に詳細に記載されている。例えば、担体は、当業者に公知であるような、溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤(例えば抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物、薬物安定剤、ゲル、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、風味剤、染料、このような類似の物質及びこれらの組み合わせを含む(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, pp 1289-1329, 1990を参照)。任意の従来の担体が活性成分と適合しない場合を除いて、処置組成物又は医薬組成物におけるその使用が企図される。例示的な賦形剤は、リン酸二カルシウム、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリン酸ナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム又はこれらの組み合わせを含む。医薬組成物は、それが固体、液体又はエアゾールの形態のいずれで投与されるか、及びこのような投与経路のために無菌である必要があるか否かに依存して、様々な種類の担体又は賦形剤を含んでいてよい。
例えば、経口投与用の錠剤及びカプセル剤は、単位用量提供形態(unit dose presentation form)であってよく、結合剤、例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント又はポリビニルピロリドン;充填剤、例えばラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール又はグリシン;打錠用滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ;崩壊剤、例えばバレイショデンプン、又は許容し得る湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム等の、従来の賦形剤を含有し得る。錠剤は、通常の薬務において周知である方法に従ってコーティングされてもよい。経口用液体調製物は、例えば水性若しくは油性の懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤若しくはエリキシル剤の形態であってもよく、使用前に水若しくは他の好適なビヒクルで再構成するための乾燥製品として提供されてもよい。このような液体調製物は、懸濁化剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、水素化食用脂;乳化剤、例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン又はアラビアゴム;非水性ビヒクル(食用油を含んでいてもよい)、例えばアーモンド油、分画ヤシ油、油状エステル、例えばグリセリン、プロピレングリコール又はエチルアルコール;保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはプロピル又はソルビン酸、及び必要に応じて従来の風味剤又は着色剤等の従来の添加剤を含有し得る。
皮膚に局部適用する場合、化合物からクリーム、ローション又は軟膏を作製してもよい。薬物に用いることができるクリーム又は軟膏製剤は、例えば英国薬局方等の、薬剤学の標準的な教科書に記載されているような、当技術分野において周知の従来の製剤である。
本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、吸入用、例えば鼻用スプレー、又は乾燥粉末若しくはエアゾール吸入剤として製剤化されてもよい。吸入によって送達する場合、該化合物は、典型的にはマイクロ粒子の形態であり、これは噴霧乾燥、凍結乾燥及び微粉化を含む様々な技術によって調製することができる。エアゾールの発生は、圧力駆動ジェット噴霧器若しくは超音波噴霧器(例えば、噴射剤駆動定量エアゾール、又は噴射剤を用いない微粉化化合物(例えば、吸入カプセル若しくは他の「乾燥粉末」送達系からの)の投与を用いることによるもの)を用いて行ってもよい。
一例として、本発明の組成物は、ネブライザから送達するための懸濁液として、又は液体噴射剤中のエアゾール(例えば加圧式定量噴霧式吸入器(PMDI)において使用するための)として調製することができる。PMDIにおいて使用するのに好適な噴射剤は、当業者に公知であり、CFC-12、HFA-134a、HFA-227、HCFC-22(CCl)及びHFA-152(CH及びイソブタン)を含む。
幾つかの実施態様では、本発明の組成物は、乾燥粉末吸入器(DPI)を用いて送達するための乾燥粉末形態である。多くの種類のDPIが公知である。
投与によって送達するためのマイクロ粒子は、送達及び放出を支援する賦形剤を用いて製剤化され得る。例えば乾燥粉末製剤では、DPIから肺への流れを支援する大きな担体粒子を用いてマイクロ粒子を製剤化することができる。好適な担体粒子は公知であり、ラクトース粒子を含み;該粒子は、例えば90μmを超える空気動力学的質量中央粒径を有し得る。
エアゾールベース製剤の場合、例は、以下の通りである:
本発明の化合物 24mg/キャニスター
レシチン、NF原液 1.2mg/キャニスター
トリクロロフルオロメタン、NF 4.025g/キャニスター
ジクロロジフルオロメタン、NF 12.15g/キャニスター
又はその薬学的に許容し得る塩。
本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、用いられる吸入器システムに応じて記載の通り投与され得る。該化合物に加えて、投与形態は、上記のような賦形剤、又は、例えば噴射剤(例えば、定量エアゾールの場合はFrigen)、表面活性物質、乳化剤、安定剤、保存剤、風味剤、充填剤(例えば、粉末吸入剤の場合はラクトース)、若しくは必要に応じて更なる活性化合物を更に含有していてもよい。
吸入を目的として、患者にとって適切な吸入技術を用い、最適な粒径のエアゾールを生成及び投与することができる多数のシステムが利用可能である。アダプタ(スペーサ、エキスパンダ)及び洋梨形容器(例えばNebulator(登録商標)、Volumatic(登録商標))、並びに定量エアゾール用のパフ噴霧(puffer spray)を噴出する自動デバイス(Autohaler(登録商標))(特に粉末吸入剤の場合)の使用に加えて、多数の技術的解決策が利用可能である(例えばDiskhaler(登録商標)、Rotadisk(登録商標)、Turbohaler(登録商標)又は、例えば参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,263,475号に記載されている吸入器)。更に、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、多室装置で送達されてもよく、それによって、併用剤を送達することが可能になる。
該化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、滅菌媒体中で非経口的に投与することもできる。用いられるビヒクル及び濃度に依存して、該化合物はビヒクルに懸濁又は溶解することができる。有利には、局所麻酔剤、保存剤又は緩衝剤等の補助剤は、ビヒクルに溶解することができる。
標的吸入薬物送達
本発明の化合物は、標的吸入送達を意図したものであり得る。局所(吸入)投与によって肺に送達するための薬物の最適化については、最近概説されている(Cooper, A. E. et al. Curr. Drug Metab. 2012, 13, 457-473)。
送達装置における制約のため、吸入薬の用量がヒトにおいて低くなる(約<1mg/日)可能性があり、このことから効力の高い分子が必要とされる。例えば、吸入器から一吹きで送達され得る薬物の量が限られていること及び肺における高いエアゾール負荷に関連する安全上の問題(例えば咳嗽又は刺激性)等の要因により、吸入薬では対象となる標的に対する高い効力が特に重要である。例えば、幾つかの実施態様では、吸入されたJAK1阻害剤については、例えば本明細書に記載されるJAK1生化学アッセイにおいてKiが約0.5nM以下であり、例えば本明細書に記載されるJAK1依存性細胞ベースアッセイにおいてIC50が約20nM以下であることが望ましい場合がある。他の実施態様では、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の予測ヒト用量(projected human dose)は、当技術分野において公知の化合物の予測ヒト用量よりも少なくとも2倍少ない。従って、幾つかの実施態様では、本明細書に記載される化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)は、このような効力値を示す。
IL13シグナル伝達は、喘息の病態形成に強く関与している。IL13は、シグナル伝達のために活性型JAK1を必要とするサイトカインである。従って、JAK1を阻害するとIL13シグナル伝達も阻害され、そのことが喘息患者に利益をもたらし得る。動物モデル(例えばマウスモデル)におけるIL13シグナル伝達の阻害から、ヒト喘息患者に対する見込みのある利益を予測することができる。従って、吸入されたJAK1阻害剤が動物モデルにおいてIL13シグナル伝達の抑制を示すことが有益であり得る。このような抑制を測定する方法は、当技術分野において公知である。例えば、本明細書で論じられ、当技術分野において公知である通り、JAK1依存性STAT6リン酸化は、IL13刺激の下流であることが知られている。従って、幾つかの実施態様では、本明細書に記載される化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)は、肺pSTAT6誘導の阻害を示す。pSTAT6レベルに対する薬力学的効果について調べるために、本発明の化合物をIL13 1μgと同時に雌Balb/cマウスに鼻腔内投与した。0.2%(v/v)Tween 80を含む生理食塩水中で化合物を製剤化し、投与直前にIL13と1:1(v:v)混合した。軽く麻酔した(イソフルラン)マウスに、一定体積(50μL)をピペットによって鼻孔に直接分注することによって、鼻腔内用量を投与し、目的の用量レベル(3mg/kg、1mg/kg、0.3mg/kg、0.1mg/kg)を達成した。投与の0.25時間後に、心臓穿刺によって血液サンプル(約0.5mL)を収集し、遠心分離(1500g、10分、+4℃)によって血漿を生成した。冷却したリン酸緩衝食塩水(PBS)で肺を灌流し、計量し、直ちに液体窒素で冷凍した。全てのサンプルを分析まで約-80℃で保存した。解凍した肺サンプルを計量し、組織1グラム当たり、HPLC等級の水 2mLを添加した後に、Omni-Prep Bead Ruptorを使用して4℃でホモジナイズした。分析内部標準としてトルブタミド(50ng/mL)及びラベタロール(25ng/mL)を含有するアセトニトリル 3体積を用いたタンパク質沈殿によって、血漿及び肺のサンプルを抽出した。ボルテックス混合し、3200g、4℃で30分間遠心分離した後、上清を96ウェルプレートにおいてHPLC等級の水で適宜希釈(例えば、1:1v:v)した。一連のマトリクスマッチングされた校正及び品質管理標準に対して、血漿及び肺のサンプルの代表的なアリコートを親化合物についてLC-MS/MSによってアッセイした。標準は、対照Balb/cマウスの血漿又は肺ホモジネート(HPLC等級の水中2:1)のアリコートに試験化合物を添加し、実験サンプルについて記載した通り抽出することによって調製した。サンプリング時点(0.25h)における、血漿の平均濃度(μM)に対する肺の平均濃度(μM)の比として、肺:血漿比を求めた。全ての薬物が肺組織内に存在し、未結合分が標的との相互作用に利用可能であったと仮定して、以下の等式を用いて理論標的会合を計算した:
(未結合組織濃度/(未結合組織濃度+インビトロ細胞効力、すなわち、IC50))×100
pSTAT6レベルを測定するために、マウス肺をアッセイまで-80℃で冷凍保存し、PMSF 1mLとプロテアーゼ(Sigma Aldrich、カタログ番号P8340)及びホスファターゼ(Sigma Aldrich、カタログ番号P5726及びP0044)の阻害剤のカクテルとを添加した氷冷細胞溶解バッファ(Cell Signalling Technologies、カタログ番号9803S)0.6mL中でホモジナイズした。サンプルを4℃で4分間16060×gで遠心分離して組織残屑を除去し、Pierce BCA protein assay kit(カタログ番号23225)を用いてホモジネートのタンパク質濃度を求めた。タンパク質濃度が5mg/mLになるようにサンプルを氷冷蒸留水で希釈し、Meso Scale Discovery電気化学発光免疫アッセイによってpSTAT6レベルについてアッセイした。簡潔に述べると、150μg/mL STAT6捕捉抗体(R&D Systems、カタログ番号MAB 2169)5μL/ウェルを96 well Meso Scale Discovery High Binding Plates(カタログ番号L15XB-3)にコーティングし、室温で5時間空気乾燥させた。30mg/mLのMeso Scale Discovery Blocker A(カタログ番号R93BA-4)を150μL/ウェルで添加し、マイクロプレートシェイカー上において室温で2時間インキュベートすることによって、プレートをブロッキングした。ブロッキングされたプレートを、Meso Scale Discovery TRIS wash buffer(カタログ番号R61TX-1)で4回洗浄し、続いて、タンパク質負荷が250μg/ウェルになるように肺ホモジネート 50μL/ウェルを移した。アッセイプレートを4℃で一晩インキュベートし、TRIS洗浄バッファで4回洗浄した後、2.5μg/mLのスルホタグで標識されたpSTAT6検出抗体(BD Pharmingen、カタログ番号558241)を25μL/ウェルで添加し、マイクロプレートシェイカー上において室温で2時間おいた。プレートをTRIS洗浄バッファで4回洗浄し、1X Meso Scale Discovery Read Buffer T(カタログ番号R92TC-1)150μL/ウェルを添加した。Meso Scale Discovery SECTOR S 600機器において電気化学発光を検出することによって、肺ホモジネートのpSTAT6レベルを定量した。
JAK1とJAK2との間の選択性は、吸入されるJAK1阻害剤にとって重要であり得る。例えば、GMCSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)は、排他的にJAK2を通じてシグナル伝達するサイトカインである。GMCSF活性の中和は、肺における肺胞タンパク症(PAP)に関連している。しかし、最大より低いJAK2抑制は、PAPに関連していないと思われる。従って、中程度のJAK1対JAK2選択性であっても、GMCSF経路の完全抑制の回避及びPAPの回避において有益である可能性がある。例えば、JAK2よりもJAK1に対して約2倍~5倍の選択性を有する化合物は、吸入されるJAK1阻害剤にとって有益である可能性がある。従って、幾つかの実施態様では、本明細書に記載される化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)は、このような選択性を示す。JAK1及びJAK2の選択性を測定する方法は、当技術分野において公知であり、本明細書における実施例に情報を見出すこともできる。
更に、オフターゲットのキナーゼ経路抑制に起因する毒性の可能性を低減するために、吸入されるJAK1阻害剤が1つ以上の他のキナーゼよりも選択的であることが望ましい場合がある。従って、例えば、Adapta(商標)Screening Protocol Assay Conditions(2016年7月29日改訂)、LanthaScreen(商標)Eu Kinase Binding Assay Screening Protocol and Assay Conditions(2016年6月7日改訂)、及び/又はZ'LYTE(商標)Screening Protocol and Assay Conditions(2016年9月16日改訂)を使用するThermoFisher Scientific's SelectScreen(商標)Biochemical Kinase Profiling Serviceから入手可能なプロトコールにおいてそうであるように、吸入されるJAK1阻害剤が一群の広範な非JAKキナーゼに対して選択的であることが有益である場合がある。例えば、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、一群の非JAKキナーゼに比べて少なくとも50倍の、JAK1に対する選択性を示す。従って、幾つかの実施態様では、本明細書に記載される化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)は、このような選択性を示す。
肝細胞毒性、一般細胞毒性、又は未知の機序の細胞毒性は、吸入される薬物を含む潜在的薬物にとって望ましくない特徴である。吸入されるJAK1阻害剤は、様々な細胞型に対して内因性細胞毒性が低いことが有益であり得る。細胞毒性を評価するために使用される典型的な細胞型は、ヒト肝細胞等の初代細胞、並びにJurkat、HEK-293、及びH23等の増殖している樹立された細胞株の両方を含む。例えば、吸入されたJAK1阻害剤が、このような細胞型に対する細胞毒性の測定において50μM超又は100μM超のIC50を有することが有益であり得る。従って、幾つかの実施態様では、本明細書に記載される化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)は、このような値を示す。細胞毒性を測定する方法は、当技術分野において公知である。幾つかの実施態様では、本明細書に開示される化合物を以下の通り試験した:
(a)Jurkat、H23、及びHEK293Tの細胞を、T175フラスコにおいてサブコンフルエントな密度で維持した。Greiner384ウェル黒色/透明組織培養処理プレート(Greinerカタログ番号781091)に450細胞/培地 45μLで細胞をプレーティングした。細胞を分注した後、プレートを室温で30分間平衡化した。室温で30分間後、CO及び湿度が制御されたインキュベータ内において37℃で一晩細胞をインキュベートした。次の日、最高濃度が50μMの10点用量応答曲線を用いて、100% DMSOで希釈した化合物(細胞における最終DMSO濃度=0.5%)で細胞を処理した。次いで、CO及び湿度が制御されたインキュベータ内において、37℃で72時間一晩細胞及び化合物をインキュベートした。72時間インキュベートした後、全てのウェルに対してCellTiterGlo(登録商標)(Promegaカタログ番号G7572)を使用して生存率を測定した。室温で20分間インキュベートした後、発光モードを使用してEnVision(商標)(Perkin Elmer Life Sciences)においてプレートを読み取った。
(b)ヒト初代肝細胞を使用:試験化合物をDMSO中10mM溶液として調製した。更に、クロルプロマジン等のポジティブコントロールをDMSO中10mM溶液として調製した。典型的には、2倍希釈による7点用量応答曲線を使用して試験化合物をアッセイした。典型的には、試験した最大濃度は50~100μMであった。最高濃度は、典型的には、試験化合物の溶解度によって決定された。凍結保存されている初代ヒト初代肝細胞(BioreclamationIVT)(ロットIZT)を、37℃においてInVitroGro(商標)HT解凍培地(BioreclamationIVT)で解凍し、ペレット化し、再懸濁させた。肝細胞の生存率をトリパンブルー排除によって評価し、黒色壁のBioCoat(商標)コラーゲン384ウェルプレート(Corning BD)において、1% Torpedo(商標)Antibiotic Mix(BioreclamationIVT)及び5% ウシ胎児血清を添加したInVitroGro(商標)CPプレーティング培地中、13,000細胞/ウェルの密度で細胞をプレーティングした。処理前に、細胞を18時間(37℃、5% CO)一晩インキュベートした。18時間インキュベートした後、プレーティング培地を除去し、1%Torpedo(商標)Antibiotic Mix及び1% DMSOを含有するInVitroGro(商標)HIインキュベーション培地で希釈した化合物で、肝細胞を処理した(無血清条件)。最終体積50μLで、0.78、1.56、3.12、6.25、12.5、25及び50μM等の濃度の試験化合物で肝細胞を処理した。該アッセイは、典型的には試験化合物と同じ濃度のポジティブコントロール(例えば、クロルプロマジン)を含んでいた。更なる細胞を、ビヒクルコントロールとして1% DMSOで処理した。全ての処理を48時間(37℃、5% CO)にわたって行い、各処理条件を3組実施した。48時間の化合物処理後、CellTiter-Glo(登録商標)cell viability assay(Promega)をエンドポイントアッセイとして使用して、細胞生存率の決定としてATP含量を測定した。製造業者の指示書に従ってアッセイを実施した。EnVision(商標)Muliplate Reader(PerkinElmer, Waltham, MA, USA)において発光を測定した。発光データをビヒクル(1% DMSO)コントロールウェルに対して正規化した。対数変換された阻害剤濃度(ビヒクルを含む7点連続希釈)対可変Hill勾配の正規化された応答(最高及び最低をそれぞれ100及び0の一定値に限定)の非線形回帰によって、阻害曲線及びIC50推定値を作成した(GraphPad Prism(商標)、GraphPad Software, La Jolla, CA, USA)。
hERG(ヒトエーテルアゴーゴー関連遺伝子)カリウムチャネルの阻害は、QT延長症候群及び心不整脈を引き起こすことがある。吸入されたJAK1阻害剤の血漿レベルは低いと予測されるが、経肺吸収を介して肺に沈着した(lung-deposited)化合物は、肺を出て血流に入ると、心臓に直接循環する。従って、吸入されたJAK1阻害剤の局所心臓濃度は、特に投与直後、全血漿レベルよりも一時的に高くなる場合がある。従って、吸入されたJAK1阻害剤によるhERG阻害を最小化することが有益であり得る。例えば、幾つかの実施態様では、hERGのIC50は、遊離薬物の血漿Cmaxの30倍よりも高いことが好ましい。従って、幾つかの実施態様では、本発明の化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)は、最小化されたhERG阻害を以下のような条件下で示す:
(a)哺乳類細胞で発現するhERGに対する、化合物のインビトロ効果について調べるために、hERG 2pt自動パッチクランプ条件を使用、自動パラレルパッチクランプシステムであるQPatch HT(登録商標)(Sophion Bioscience A/S, Denmark)を使用して室温で評価。ある場合には、1又は10μM等の1つ又は2つの濃度だけで化合物を試験した。他の場合には、IC50を推定するためにより広範な濃度応答関係を確立した。例えば、半対数ずつ増加させて約10~90%阻害の範囲に及ぶように、試験化合物の濃度を選択した。各試験品濃度を2つ以上の細胞(n≧2)で試験した。各試験品濃度に対する曝露期間は最短3分間であった;及び/又は
(b)国際公開公報第WO2014/074775号の実施例「Effect on Cloned hERG Potassium Channels Expressed in Mammalian Cells」に記載されているもの、ChanTest(商標)、Charles River Companyプロトコールで、以下を改変:hERGを安定的に発現している細胞を-80mVで保持した。化合物に起因するhERGカリウム電流阻害の発生及び定常状態を、振幅が一定のパルスパターンを使用して測定した(コンディショニングプレパルス:+20mVで1秒間;再分極試験ラメプト(ramepto)-90mV(-0.5V/s)、5秒間間隔で繰り返し)。最大濃度を超える参照物質E-4021(500nM)(Charles River Company)を最後に適用して各記録を終了した。残りの阻害されていない電流をオフラインでデジタル的にデータから減じて、hERG阻害についての試験物質の効力を求めた。
CYP(シトクロムP450)の阻害は、吸入されるJAK1阻害剤にとって望ましい特徴ではない可能性がある。例えば、可逆性又は時間依存性のCYP阻害剤は、それ自体の血漿レベル又は他の同時投与された薬物の血漿レベル(薬物-薬物相互作用)において望ましくない増加を引き起こし得る。更に、親薬物の反応性代謝物への生体内変換によって、時間依存性CYP阻害が時に引き起こされる。このような反応性代謝物は、タンパク質を共有結合的に修飾することがあり、このことが毒性を引き起こす可能性がある。従って、可逆性かつ時間依存性のCYP阻害を最小化することは、吸入されるJAK1阻害剤にとって有益であり得る。従って、幾つかの実施態様では、本発明の化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)は、可逆性及び/又は時間依存性のCYP阻害を最低限しか、又は全く示さない。CYP阻害を測定する方法は、当技術分野において公知である。既に報告されている方法(Halladay et al., Drug Metab. Lett. 2011, 5, 220-230)を使用し、プールされた(n=150)ヒト肝ミクロソーム(Corning, Tewksbury, MA)を使用して、0.16~10μM 化合物の濃度範囲にわたって本明細書に記載される化合物のCYP阻害を評価した。インキュベート期間及びタンパク質濃度は、CYPのアイソフォーム並びに評価されるプローブ基質/代謝物に依存していた。以下の基質/代謝物並びに各CYPについてのインキュベート時間及びタンパク質濃度を使用した:CYP1A2、フェナセチン/アセトアミノフェン、30分間、0.03mg/mL タンパク質;CYP2C9、ワルファリン/7-ヒドロキシワルファリン、30分間、0.2mg/mL タンパク質;CYP2C19、メフェニトイン/4-ヒドロキシメフェニトイン、40分間、0.2mg/mL タンパク質;CYP2D6、デキストロメトルファン/デキストロルファン、10分間、0.03mg/mL タンパク質;CYP3A4、ミダゾラム/1-ヒドロキシミダゾラム、10分間、0.03mg/mL タンパク質、及びCYP3A4 テストステロン/6β-ヒドロキシテストステロン、10分間、0.06mg/mL タンパク質。これらの条件は、CYP特異的代謝物形成の線形の速度となっていることが既に決定されていた。全ての反応は、1mM NADPHで開始させ、適切で安定な標識された内部標準を含有するアセトニトリル中0.1%ギ酸を添加することによって終了させた。サンプルは、LC-MS/MSによって分析した。
乾燥粉末の吸入を介して送達されるようになっている化合物の場合、1~5μmの大きさに微粒子化することができる化合物の結晶形を生成しうることも必要である。粒径は、吸入された化合物の肺沈着の重要な決定因子である。典型的には、5ミクロン(μm)未満の直径を有する粒子が吸入可能と定義される。5μm超の直径を有する粒子は、中咽頭に沈着する可能性がより高く、それに対応して、肺に沈着する可能性がより低い。更に、1μm未満の直径を有する微粒子は、より大きな粒子よりも空気中に浮遊したままである可能性が高く、それに対応して、肺から吐き出される可能性がより高い。従って、作用部位が肺内である吸入される医薬にとっては、1~5μmの粒径が有益であり得る。粒径を測定するために使用される典型的な方法は、レーザ回折及びカスケードインパクションを含む。粒径を規定するために使用される典型的な値は、以下を含む:
・ D10、D50、及びD90。これらはそれぞれ、サンプルのうちの10%、50%、又は90%がその値を下回ることを示す粒径の測定値である。例えば、3μmというD50は、サンプルのうちの50%が3μmを下回るサイズであることを示す。
・ 空気動力学的質量平均粒径(MMAD)。MMADは、粒子のうちの50質量%がそれより大きく、50%がそれより小さい直径である。MMADは、中心傾向の尺度である。
・ 幾何標準偏差(GSD)。GSDは、MMADからの分散の大きさ又は空気動力学的粒径分布の広がりの尺度である。
吸入される医薬の一般的な製剤は、ステアリン酸マグネシウム等の追加の添加剤を含むか又は含まない、ラクトース等の担体とブレンドされた医薬品有効成分(API)を含む乾燥粉末調製物である。この製剤及び他の製剤では、1~5μmの吸入可能な粒径にAPIを粉砕することができる特性を有することが、API自体にとって有益であり得る。粒子の凝集は回避すべきであるが、これは、例えば異なる圧力条件下でD90値を調べる等、当技術分野において公知の方法によって測定することができる。従って、幾つかの実施態様では、ほとんど又は全く凝集しない、このような吸入可能な粒径を有する本発明の化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)を調製することができる。
結晶化度については、ラクトースブレンドを含む吸入される薬物のある種の製剤の場合、特定の結晶形のAPIを使用することが重要である。結晶化度及び結晶形は、経時的な化学的及び空気動力学的安定性、吸入される製剤の成分(ラクトース等)との適合性、吸湿性、肺貯留及び肺刺激性を含むがこれらに限定されない、吸入される薬物に関連する多くのパラメータに影響を与え得る。従って、安定で再現可能な結晶形は、吸入される薬物にとって有益であり得る。更に、化合物を所望の粒径に粉砕するために使用される技術はエネルギーを使用することが多く、それによって低融解結晶形が他の結晶形に変換されたり、完全に又は部分的に非晶質になったりすることがある。150℃未満の融点を有する結晶形は粉砕に適さない(incompatible with)ことがあり、一方、100℃未満の融点を有する結晶形は粉砕できない(non-compatible with)可能性がある。従って、吸入される医薬は、少なくとも100℃超、理想的には150℃超の融点を有することが有益であり得る。従って、幾つかの実施態様では、本明細書に記載される化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)は、このような特性を示す。
更に、分子量を最小化することは、吸入されるJAK1阻害剤の有効用量を低減するのに役立つ可能性がある。分子量が低くなると、それに対応して医薬品有効成分(API)の単位質量あたりの分子数が多くなる。従って、吸入される薬物の他の所望の特性を全て保持している、最も低分子量の吸入されるJAK1阻害剤を見出すことが有益であり得る。
最後に、該化合物は、薬理学的効果を所望の期間発揮することができるように、肺においては所与の期間にわたって十分な濃度を維持し、全身的阻害が望ましくない薬理学的標的については、全身曝露を少なくする必要がある。肺は、大きな分子(タンパク質、ペプチド)だけでなく、肺半減期の短い小さな分子に対しても本質的に高い透過性を有するので、該化合物の、リン脂質リッチな肺組織に対する結合を強化するための1つ以上の特徴の改変(膜透過性を最小化する、pKaを増大させる、cLogPを増大させる、溶解度を低下させる、溶解速度を低減する、又は該化合物にある程度の塩基性を導入する(例えばアミンを導入する))を通して、又はリソソーム(pH5)等の酸性細胞内コンパートメントへの捕捉を通して、肺吸収速度を抑える必要がある場合がある。このような特性を測定する方法は、当技術分野において公知である。
従って、幾つかの実施態様では、本発明の化合物(又はその薬学的に許容し得る塩)は、上記特徴のうちの1つ以上を示す。更に、幾つかの実施態様では、本発明の化合物は、好ましくは、当技術分野において公知の化合物に比してのこれら特徴のうちの1つ以上を示し、これは、吸入される薬物に対しての経口薬物を意図する、当技術分野の化合物に特に当てはまり得る。例えば、急速に経口吸収される化合物は、典型的には、肺に吸入であまり保持されない。
ヤヌスキナーゼ阻害剤による処置方法及びヤヌスキナーゼ阻害剤の使用
本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、ヤヌスキナーゼ、例えばJAK1キナーゼの活性を阻害する。例えば、化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、JAK1キナーゼによるシグナル伝達性転写因子(STAT)のリン酸化及びSTATによって媒介されるサイトカイン生成を阻害する。本発明の化合物は、IL-6、IL-15、IL-7、IL-2、IL-4、IL-9、IL-10、IL-13、IL-21、G-CSF、IFNアルファ、IFNベータ又はIFNガンマ経路等のサイトカイン経路を通して、細胞におけるJAK1キナーゼ活性を阻害するのに有用である。従って、一実施態様では、細胞を本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と接触させて、該細胞におけるヤヌスキナーゼ活性(例えばJAK1活性)を阻害する方法が提供される。
該化合物は、異常なIL-6、IL-15、IL-7、IL-2、IL-4、IL9、IL-10、IL-13、IL-21、G-CSF、IFNアルファ、IFNベータ又はIFNガンマのサイトカインシグナル伝達によって駆動される免疫学的障害を処置するために使用することができる。
従って、一実施態様は、処置において使用するための本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含む。
幾つかの実施態様では、炎症性疾患の処置における本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用が提供される。更に、炎症性疾患、例えば喘息を処置するための医薬を調製するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用が提供される。また、炎症性疾患、例えば喘息の処置において使用するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩も提供される。
別の態様は、患者におけるJAK1キナーゼ活性等のヤヌスキナーゼ活性の阻害に応答する喘息等の疾患又は病態を予防、治療、又はその重篤度を低減する方法を含む。該方法は、治療上有効な量の本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を患者に投与する工程を含み得る。一実施態様では、該JAK1キナーゼ等のヤヌスキナーゼの阻害に応答する疾患又は病態は、喘息である。
一実施態様では、該疾患又は病態は、癌、脳卒中、糖尿病、肝腫大、心血管疾患、多発性硬化症、アルツハイマー病、嚢胞性線維症、ウイルス性疾患、自己免疫疾患、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、乾癬、関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息、アレルギー性障害、炎症、神経障害、ホルモン関連疾患、臓器移植に関連する病態(例えば移植拒絶反応)、免疫不全障害、破壊性骨障害、増殖性障害、感染性疾患、細胞死に関連する病態、トロンビン誘導性血小板凝集、肝疾患、T細胞の活性化を伴う病的免疫病態、CNS障害、又は骨髄増殖性障害である。
一実施態様では、該炎症性疾患は、関節リウマチ、乾癬、喘息、炎症性腸疾患、接触皮膚炎、又は遅延型過敏反応である。一実施態様では、該自己免疫疾患は、関節リウマチ、ループス、又は多発性硬化症である。
別の実施態様では、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を使用して、線維性肺疾患又は間質性肺疾患(例えば間質性肺炎)等の肺疾患を処置することができる。幾つかの実施態様では、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を使用して、特発性肺線維症(IPF)、全身性硬化症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD))、非特異的間質性肺炎(NSIP)、関節リウマチ関連間質性肺疾患(RA-ILD)、サルコイドーシス、過敏性肺炎、又は強皮症以外の結合組織疾患(例えば、多発性筋炎、皮膚筋炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)又は混合結合組織病)に続発するILDを処置することができる。
一実施態様では、癌は、乳、卵巣、子宮頸部、前立腺、精巣、陰茎、泌尿生殖器、精上皮腫、食道、喉頭、胃、胃、胃腸、皮膚、角化棘細胞腫、濾胞癌、黒色腫、肺、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌、肺の扁平上皮癌、結腸、膵臓、甲状腺、乳頭、膀胱、肝臓、胆汁道、腎臓、骨、骨髄障害、リンパ球障害、ヘアリーセル、口腔及び咽頭(口)、***、舌、口、唾液腺、咽頭、小腸、結腸、直腸、肛門、腎臓、前立腺、外陰、甲状腺、大腸、子宮内膜、子宮、脳、中枢神経系、腹膜の癌、肝細胞癌、頭部癌、頸部癌、ホジキン、又は白血病である。
一実施態様では、該疾患は、骨髄増殖性障害である。一実施態様では、該骨髄増殖性障害は、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、骨髄線維症、又は慢性骨髄性白血病(CML)である。
別の実施態様は、本明細書に記載される疾患(例えば炎症性障害、免疫障害又は癌)を処置するための医薬を製造するための、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用を含む。一実施態様では、本発明は、JAK1等のJAKキナーゼの阻害を標的とすることによって、本明細書に記載される疾患又は病態(例えば炎症性障害、免疫障害又は癌)を処置する方法を提供する。
併用療法
該化合物は単独で、又は処置用の他の薬物と組み合わせて使用してよい。医薬組成物又は投与レジメンの第2の又は更なる(例えば第3の)化合物は、典型的には、互いに有害な影響を与えないように、本発明の化合物に対して補完的な活性を有する。このような薬物は、好適には、意図する目的に有効な量で併存する。該化合物は、単一の医薬組成物で一緒に、又は別々に投与してよく、別々に投与するとき、同時に又は逐次投与してよい。このような逐次投与は、時間的に近接していても離れていてもよい。
例えば、喘息等の炎症性疾患の予防又は治療のために、他の化合物を、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と組み合わせてよい。併用療法に好適な処置剤は、アデノシンA2A受容体アンタゴニスト;抗感染剤;非ステロイド性グルココルチコイド受容体(GR受容体)アゴニスト;酸化防止剤;β2アドレナリン受容体アゴニスト;CCR1アンタゴニスト;ケモカインアンタゴニスト(CCR1ではない);コルチコステロイド;CRTh2アンタゴニスト;DP1アンタゴニスト;ホルミルペプチド受容体アンタゴニスト;ヒストンデアセチラーゼ活性化剤;クロリドチャネルhCLCA1ブロッカー;上皮ナトリウムチャネルブロッカー(ENACブロッカー;細胞間接着分子1ブロッカー(ICAMブロッカー);IKK2阻害剤;JNK阻害剤;一過性受容器電位アンキリン1(TRPA1)阻害剤;ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤(例えば、フェネブルチニブ);脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害剤;トリプターゼ-ベータ抗体;ST2受容体抗体(例えば、AMG 282);シクロオキシゲナーゼ阻害剤(COX阻害剤);リポキシゲナーゼ阻害剤;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;二重β2アドレナリン受容体アゴニスト/M3受容体アンタゴニスト(MABA化合物);MEK-1阻害剤;ミエロペルオキシダーゼ阻害剤(MPO阻害剤);ムスカリンアンタゴニスト;p38 MAPK阻害剤;ホスホジエステラーゼPDE4阻害剤;ホスファチジルイノシトール3-キナーゼδ阻害剤(PI3-キナーゼδ阻害剤);ホスファチジルイノシトール3-キナーゼγ阻害剤(PI3-キナーゼγ阻害剤);ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アゴニスト(PPARγアゴニスト);プロテアーゼ阻害剤;レチノイン酸受容体調節因子(RARγ調節因子);スタチン;トロンボキサンアンタゴニスト;TLR7受容体アゴニスト;又は血管拡張剤を含むが、これらに限定されない。
更に、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を以下と組み合わせてもよい:(1)コルチコステロイド、例えば、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アメロメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸ブチキソコルト、シクレソニド(biclesonide)、プロピオン酸クロベタゾール、デスイソブチリルシクレソニド、デキサメタゾン、エチプレドノールジクロアセタート、フルオシノロンアセトニド、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、エタボン酸ロテプレドノール(局所)又はフロ酸モメタゾン;(2)β2-アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、サルブタモール、アルブテロール、テルブタリン、フェノテロール、ビトルテロール、カルブテロール、クレンブテロール、ピルブテロール、リモテロール(rimoterol)、テルブタリン、トレトキノール、ツロブテロール、及び長時間作用型β2-アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、サルメテロール、インダカテロール、フォルモテロール(フマル酸フォルモテロールを含む)、アルフォルモテロール、カルモテロール、アベジテロール、ビランテロールトリフェニル酢酸塩(vilanterol trifenate)、又はオロダテロール;(3)コルチコステロイド/長時間作用型β2アゴニストの組み合わせ製品、例えば、サルメテロール/プロピオン酸フルチカゾン(Advair(登録商標)、Seretide(登録商標)としても販売)、フォルモテロール/ブデソニド(Symbicort(登録商標))、フォルモテロール/プロピオン酸フルチカゾン(Flutiform(登録商標))、フォルモテロール/シクレソニド、フォルモテロール/フロ酸モメタゾン、インダカテロール/フロ酸モメタゾン、ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フロ酸フルチカゾン(BREO ELLIPTA)、又はアルフォルモテロール/シクレソニド;(4)抗コリン剤、例えば、ムスカリン-3(M3)受容体アンタゴニスト、例えば、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化アクリジニウム(LAS-34273)、臭化グリコピロニウム、又は臭化ウメクリジニウム;(5)M3-抗コリン剤/β2-アドレナリン受容体アゴニストの組み合わせ製品、例えば、ビランテロール/ウメクリジニウム(Anoro(登録商標)Ellipta(登録商標))、オロダテロール/臭化チオトロピウム、臭化グリコピロニウム/インダカテロール(Ultibro(登録商標)、Xoterna(登録商標)としても販売)、臭化水素酸フェノテロール/臭化イプラトロピウム(Berodual(登録商標))、硫酸アルブテロール/臭化イプラトロピウム(Combivent(登録商標))、フマル酸フォルモテロール/グリコピロラート、又は臭化アクリジニウム/フォルモテロール;(6)二重薬理M3-抗コリン/β2-アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、コハク酸バフェンテロール、AZD-2115、又はLAS-190792;(7)ロイコトリエン調節因子、例えば、ロイコトリエンアンタゴニスト、例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト(zafirulast)、若しくはプランルカスト、若しくはロイコトリエン生合成阻害剤、例えばジレウトン、又はLTB4アンタゴニスト、例えばアメルバント、又はFLAP阻害剤、例えばフィボフラポン、GSK-2190915;(8)ホスホジエステラーゼ-IV(PDE-IV)阻害剤(経口又は吸入)、例えば、ロフルミラスト、シロミラスト、オグレミラスト、ロリプラム、テトミラスト、AVE-8112、レバミラスト(revamilast)、CHF 6001;(9)抗ヒスタミン剤、例えば、選択的ヒスタミン-1(H1)受容体アンタゴニスト、例えば、フェキソフェナジン、セチリジン(citirizine)、ロラタジン(loratidine)、若しくはアステミゾール、又は二重H1/H3受容体アンタゴニスト、例えば、GSK 835726若しくはGSK 1004723;(10)鎮咳剤、例えば、コデイン又はデキストロファン(dextramorphan);(11)粘液溶解剤、例えば、N-アセチルシステイン又はフドステイン;(12)去痰剤/粘液作動調節剤(mucokinetic modulator)、例えばアンブロキソール、高張液(例えば、生理食塩水又はマンニトール)、又は界面活性剤;(13)ペプチド粘液溶解剤、例えば、組み換えヒトデオキシリボヌクレアーゼ(deoxyribonoclease)I(ドルナーゼ-アルファ及びrhDNase)又はヘリシジン(helicidin);(14)抗生物質、例えば、アジスロマイシン、トブラマイシン、又はアズトレオナム;(15)非選択的COX-1/COX-2阻害剤、例えば、イブプロフェン又はケトプロフェン;(16)COX-2阻害剤、例えば、セレコキシブ及びロフェコキシブ;(17)VLA-4アンタゴニスト、例えば、それぞれ参照により本明細書に組み入れられる国際公開公報第WO97/03094号及び同第WO97/02289号に記載されているもの;(18)TACE阻害剤及びTNF-α阻害剤、例えば、Remicade(登録商標)及びCDP-870等の抗TNFモノクローナル抗体、並びにEnbrel(登録商標)等のTNF受容体免疫グロブリン分子;(19)マトリクスメタロプロテアーゼの阻害剤、例えば、MMP-12;(20)ヒト好中球エラスターゼ阻害剤、例えば、BAY-85-8501、又はそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる国際公開公報第WO2005/026124号、同第WO2003/053930号、及び同第WO2006/082412号に記載されているもの;(21)A2bアンタゴニスト、例えば、参照により本明細書に組み入れられる国際公開公報第WO2002/42298号に記載されているもの;(22)ケモカイン受容体機能の調節因子、例えば、CCR3及びCCR8のアンタゴニスト;(23)他のプロスタノイド受容体の作用を調節する化合物、例えば、トロンボキサンAアンタゴニスト;DP1アンタゴニスト、例えば、ラロピプラント又はアサピプラント(asapiprant);CRTH2アンタゴニスト、例えば、OC000459、フェビピプラント、ADC 3680、又はARRY 502;(24)PPARアルファアゴニスト(例えば、フェノフィブラート)、PPARデルタアゴニスト、PPARガンマアゴニスト(例えば、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、及びバラグリタゾン)を含むPPARアゴニスト;(25)メチルキサンチン、例えばテオフィリン又はアミノフィリン、及びメチルキサンチン/コルチコステロイドの組み合わせ、例えばテオフィリン/ブデソニド、テオフィリン/プロピオン酸フルチカゾン、テオフィリン/シクレソニド、テオフィリン/フロ酸モメタゾン、及びテオフィリン/ジプロピオン酸ベクロメタゾン;(26)A2aアゴニスト、例えば、欧州特許第1052264号及び同第1241176号に記載されているもの;(27)CXCR2又はIL-8のアンタゴニスト、例えば、AZD-5069、AZD-4721、又はダニリキシン;(28)IL-Rシグナル伝達調節因子、例えば、キネレット(kineret)及びACZ 885;(29)MCP-1アンタゴニスト、例えば、ABN-912;(30)p38MAPK阻害剤、例えば、BCT197、JNJ49095397、ロスマピモド、又はPH-797804;(31)TLR7受容体アゴニスト、例えば、AZD 8848;(32)PI3キナーゼ阻害剤、例えばRV1729又はGSK2269557(ネミラリシブ);(33)三重組み合わせ生成物、例えば、TRELEGY ELLIPTA(フロ酸フルチカゾン、臭化ウメクリジニウム及びビランテロール);あるいは(34)TRPA1、BTK又はSYKの低分子阻害剤。
幾つかの実施態様では、本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を、1つ以上の更なる薬物、例えば、抗過剰増殖剤、抗癌剤、細胞増殖抑制剤、細胞毒性剤、抗炎症剤、又は化学療法剤、例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2010/0048557号に開示されている剤等と併用してよい。本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩はまた、当技術分野において公知である通り、放射線療法又は外科手術と併用してもよい。
上述のいずれかと本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩との組み合わせが、具体的に意図される。
製品
別の実施態様は、JAK1キナーゼ等のヤヌスキナーゼの阻害に応答する疾患又は障害を処置するための製品(例えば、キット)を含む。該キットは、
(a)本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含む第1の医薬組成物;及び
(b)使用説明書
を含み得る。
別の実施態様では、該キットは、
(c)第2の医薬組成物、例えば、上記の処置用薬物(例えば、炎症性障害を処置するための薬物又は化学療法剤)を含む医薬組成物
を更に含む。
一実施態様では、該説明書には、それを必要としている患者に対する該第1及び第2の医薬組成物の同時、逐次、又は別々の投与について説明されている。
一実施態様では、該第1及び第2の組成物は、別々の容器に含まれている。別の実施態様では、該第1及び第2の組成物は、同じ容器に含まれている。
使用するための容器は、例えば、瓶、バイアル、シリンジ、ブリスターパック等を含む。該容器は、ガラス又はプラスチック等の様々な材料から形成され得る。該容器は、病態を処置するのに有効な本発明の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含み、滅菌アクセスポートを有していてもよい(例えば、該容器は、皮下注射針によって穿刺可能な栓を有する静脈注射用溶液のバッグ又はバイアルであってよい)。ラベル又は添付文書は、喘息又は癌等の選択された病態を処置するために該化合物が用いられることを示す。一実施態様では、該ラベル又は添付文書は、障害を処置するために該化合物を使用できることを示す。更に、該ラベル又は添付文書は、処置される患者が、過剰又は不規則なJAK1活性等の、過剰又は不規則なヤヌスキナーゼ活性を特徴とする障害を有する患者であることを示し得る。また、該ラベル又は添付文書は、他の障害を処置するために該化合物を使用できることも示し得る。
あるいは、又は更に、該キットは、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、又はデキストロース溶液等の薬学的に許容し得るバッファを含む第2の(又は第3の)容器を更に含んでいてよい。該キットは、他のバッファ、希釈剤、フィルタ、針及びシリンジを含む、商業的観点及びユーザの観点から望ましい他の材料を更に含んでいてもよい。
本発明を説明するために、以下の実施例が含まれる。しかし、これら実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明を実施する方法を示唆することのみを意味すると理解されたい。当業者は、記載されている化学反応が本発明の他の化合物を調製するために容易に適用可能であり、該化合物を調製するための別の方法が本発明の範囲内であることを理解するであろう。例えば、本発明に係る例示されていない化合物の合成は、例えば、干渉する基を適切に保護することによって、記載されているもの以外の、当技術分野において公知の他の好適な試薬を利用することによって、又は反応条件を通例通り改変することによって等、当業者に明らかな改変によって成功裏に実施され得る。あるいは、本明細書に開示されているか又は当技術分野において公知である他の反応は、本発明の他の化合物を調製するために適応可能であると理解されるであろう。
実施例
一般的な実験の詳細
全ての溶媒及び市販の試薬は、特に指定しない限り、そのまま使用した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する場合、これは、シリカゲル(Kieselgel 60、220~440メッシュ、35~75μm)を手動で充填したガラスカラム、又はIsolute(登録商標)SPE Si IIカートリッジのいずれかを用いて実施した。「Isolute SPE Siカートリッジ」とは、平均径50μm及び公称60Åの多孔度を有する不規則形状粒子を含む非結合活性シリカを含有するプレパックドポリプロピレンカラムを指す。Isolute(登録商標)SCX-2カートリッジを用いた場合、「Isolute(登録商標)SCX-2カートリッジ」とは、エンドキャッピングされていないプロピルスルホン酸官能化シリカ強カチオン交換吸着剤を含有するプレパックドポリプロピレンカラムを指す。
LCMS条件
方法A
C18逆相カラム(50×3mm Shim-Pack XR-ODS、粒径2.2μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.2 95 5
2.00 1.2 5 95
2.70 1.2 5 95
2.75 1.2 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法B
C18逆相カラム(50×3mm Shim-Pack XR-ODS、粒径2.2μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.2 80 20
3.60 1.2 40 60
4.00 1.2 0 100
4.70 1.2 0 100
4.75 1.2 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法C
C18逆相カラム(50×3mm Shim-Pack XR-ODS、粒径2.2μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.2 95 5
3.00 1.2 5 95
3.70 1.2 5 95
3.75 1.2 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法D
C18逆相カラム(50×3mm Shim-Pack XR-ODS、粒径2.2μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.2 95 5
3.50 1.2 30 70
3.70 1.2 0 100
4.50 1.2 0 100
4.75 1.2 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法E
C18逆相カラム(50×3mm Shim-Pack XR-ODS、粒径2.2μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.2 95 5
3.50 1.2 40 60
3.70 1.2 0 100
4.70 1.2 0 100
4.75 1.2 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法F
C18逆相カラム(50×3mm Shim-Pack XR-ODS、粒径2.2μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.2 70 30
3.50 1.2 30 70
3.70 1.2 0 100
4.50 1.2 0 100
4.75 1.2 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法G
C18逆相カラム(50×2.1mm Ascentis Express C18、粒径2.7μm)を備えるSHIMADZU 20A HPLCで実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を流出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.0 95 5
1.10 1.0 0 100
1.60 1.0 0 100
1.70 1.0 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法H
C18逆相カラム(50×3mm Shim-Pack XR-ODS、粒径2.2μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.2 95 5
1.10 1.2 0 100
1.70 1.2 0 100
1.75 1.2 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法I
Poroshell HPH-C18、カラム(50×3mm、粒径2.7μm)を備えるSHIMADZU 20A HPLCで実験を行い、溶媒A:水/5mM NHHCO; 溶媒B:アセトニトリルで溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.2 90 10
1.10 1.2 5 95
1.60 1.2 5 95
1.70 1.2 90 10
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法J
C18逆相カラム(50×3mm Kinetex XB-C18、粒径2.6μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.5 95 5
1.20 1.5 0 100
1.70 1.5 0 100
1.80 1.5 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法K
C18逆相カラム(50×3mm Shim-Pack XR-ODS、粒径2.2μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.0 95 5
2.20 1.0 0 100
3.20 1.0 0 100
3.30 1.0 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
方法L
C18逆相カラム(50×2.1mm Kinetex XB-C18 100A、粒径2.6μm)を備えるSHIMADZU LCMS-2020で実験を行い、溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸; 溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸で溶出した。勾配:
勾配-時間 流速 mL/分 %A %B
0.00 1.0 95 5
1.10 1.0 0 100
1.60 1.0 0 100
1.70 1.0 95 5
検出-UV(220及び254nm)及びELSD
一般的な略語の一覧
ACN アセトニトリル
Brine 飽和塩化ナトリウム水溶液
CH-OD 重水素化メタノール(Deuterated methanol)
CDCl 重水素化クロロホルム(Deuterated Chloroform)
DCM ジクロロメタン
DIEA又はDIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA ジメチルアセトアミド
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO-d6 重水素化ジメチルスルホキシド
EDC又はEDCI 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
FA ギ酸
HOAc 酢酸
g グラム
h 時間
HATU (O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム へキサフルオロホスファート)
HCl 塩酸
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IMS 工業用変性アルコール
L リットル
LCMS 液体クロマトグラフィー-質量分析
LiHMDS又はLHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド(Lithium hexamethydisylazide)
MDAP 質量指向自動精製(Mass directed automated purification)
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
mg ミリグラム
mL ミリリットル
NMR 核磁気共鳴分光法
Pd(dba).CHCl トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)-クロロホルム付加物
PE 石油エーテル
分取HPLC 分取高速液体クロマトグラフィー
SCX-2 強カチオン交換
TBAF テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
Xantphos 4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
中間体1
Figure 0007256757000032

N-(5-(5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: 4-ブロモ-1-(ジフルオロメトキシ)-2-ヨードベンゼンの合成
Figure 0007256757000033

N,N-ジメチルホルムアミド(2000mL)及び水(500mL)中の4-ブロモ-2-ヨードフェノール(282g、943mmol)の溶液に、ナトリウム 2-クロロ-2,2-ジフルオロアセタート(216g、1.42mol)及びCsCO(617g、1.89mol)を加えた。反応容器にCO放出用のガス出口を備え付けた。得られた混合物を120℃で一晩撹拌し、室温まで放冷し、氷水(3000mL)に注いだ。得られた溶液を酢酸エチル(3×1500mL)で抽出し、有機層を合わせた。酢酸エチル抽出物をブライン(1000mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/10)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4-ブロモ-1-(ジフルオロメトキシ)-2-ヨードベンゼン300g(91%)を黄色の油状物として与えた。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.96 (dd, J = 5.7 Hz, 2.4 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.7 Hz, 2.4 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 8.7 Hz, 1H ), 6.39 (t, J = 72.9 Hz, 1H)。
工程2: 5-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-4-ニトロ-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾールの合成
Figure 0007256757000034

無水THF(1000mL)中の4-ニトロ-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール(100g、411mmol)の溶液に、窒素下、-70℃で撹拌しながらLiHMDSの溶液(490mL、THF中1.0mol/L)を滴下した。得られた溶液を-50℃で1時間撹拌し、次に-70℃まで冷却した。ZnCl(500mL、THF中0.7mol/L)を-70℃で滴下した。得られた溶液を室温まで放温し、室温で1時間撹拌した。混合物に、4-ブロモ-1-(ジフルオロメトキシ)-2-ヨードベンゼン(150g、860mmol)、Pd(PPh4(24.0g、20.8mmol)を加えた。得られた溶液を還流温度で一晩加熱し、室温まで放冷し、減圧下で濃縮した。本反応をこのスケールでもう1回繰り返し、精製のために、2回の実施からの粗生成物を合わせた。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/20)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮した。これが、5-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-4-ニトロ-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール300g(79%)を、全体に淡黄色の固体としてもたらした。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.27 (s, 1H), 7.68 (dd, J = 8.7, 2.4 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.39 (t, J = 72.5 Hz, 1H), 5.44 - 5.19 (m, 2H), 3.72 - 3.54 (m, 2H), 0.94 - 0.89 (m, 2H), 0.02 (s, 9H)。
工程3: 5-(5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-アミンの合成
Figure 0007256757000035

エタノール(2000mL)及び水(200mL)中の5-(5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-4-ニトロ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール(50.1g、108mmol)の溶液に、鉄粉(60.1g、1.07mol)及びNHCl(28.0g、0.523mol)を加えた。反応混合物を、窒素下、還流温度で3時間撹拌した。固体を濾過し、エタノール(100mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル(3000mL)に溶解した。酢酸エチル溶液をブライン(1×500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、粗 5-(5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-アミン50.1gを黄色の油状物として与えた。粗生成物をさらに精製することなく次の工程に用いた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=434.2、保持時間=0.93分。
工程4: N-(5-(5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000036

DMA(1500mL)中の5-(5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-アミン(50.1g、115mmol)の溶液に、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(32.1g、196.0mmol)、PyAOP(102g、196mmol)、DMAP(1.41g、11.0mmol)及びDIPEA(44.1g、0.341mol)を加えた。得られた溶液を油浴中60℃で3時間撹拌し、次に室温まで放冷した。次に、反応混合物を水/氷(2000mL)と酢酸エチル(2000mL)に分配した。水相を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(1000mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(4:1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮した。水(150mL)を残留物に加え、混合物を室温で1時間水中で撹拌した。固体を濾過により収集し、空気乾燥して、N-(5-(5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド60.1g(91%)を淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=579.1及び581.1、保持時間=1.10分。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.62 (s, 1H), 8.80 (dd, J = 6.9, 1.7 Hz, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.53 (dd, J = 4.2, 1.7 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.79 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.67 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.00 (dd, J = 6.9, 4.2 Hz, 1H), 6.43 (t, J = 72.6 Hz, 1H), 5.53 - 5.27 (m, 2H), 3.73 - 3.50 (m, 2H), 0.88 (ddd, J = 9.5, 6.4, 4.4 Hz, 2H), 0.00 (s, 9H)。
中間体2
Figure 0007256757000037

N-[3-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
N-[5-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体1、5.00g、8.63mmol)を、室温にて一晩HCl/ジオキサン(150mL、4M)で処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。このことが、N-[3-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド3.80gを黄色の固体としてもたらした。中間体の純度は、さらに精製することなく次の工程で用いるのに十分であった。LC/MS(方法I、ESI):[M+H]=449.0、保持時間=1.02分。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 9.11 (dd, J = 6.8, 1.6 Hz, 1H), 8.67 - 8.64 (m, 2H), 8.32 (s, 1H), 7.80 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 6.81 (t, J = 73.2 Hz, 1H)。
中間体3
Figure 0007256757000038

N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-ヨードフェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: N-[5-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-ヨードフェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000039

t-BuOH(2mL)中のN-[5-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(100mg、0.173mmol)の溶液に、N,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(2.28mg、0.0259mmol)、NaI(155mg、1.04mmol)、CuI(4.93mg、0.026mmol)を窒素下で加えた。得られた溶液を、窒素下、油浴中120℃で14時間撹拌し、その後室温まで冷やした。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[5-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-ヨードフェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド80mg(74%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法J、ESI):[M+H]=627.1、保持時間=1.31分。
工程2: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-ヨードフェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000040

N-[5-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-ヨードフェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(80.0mg、0.128mmol)を、室温にて30分間CFCOH(3.0mL)で処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を水に溶解した。溶液がpH約8に調整されるまで、飽和重炭酸ナトリウムをゆっくりと加えた。固体を濾過により集めた。固体を、酢酸エチル/石油エーテル(2/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-ヨードフェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド23.0mg(36%)を淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法K、ESI):[M+H]=497.1、保持時間=1.74分。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.08 (dd, J = 6.9, 1.5 Hz, 1H), 8.65 - 8.61 (m, 2H), 8.27 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.21 - 7.18 (m, 2H), 6.78 (t, J = 73.2 Hz, 1H)。
中間体4
Figure 0007256757000041

N-(3-(5-((1R,2R)-2-シアノシクロプロピル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: N-[5-[5-(2-シアノシクロプロピル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000042

ジオキサン(15mL)及び水(3.0mL)中のN-[5-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体1、1.00g、1.73mmol)の溶液に、カリウム(2-シアノシクロプロピル)トリフルオロボラート(449mg、2.60mmol)、Pd(dppf)Cl.CHCl(141mg、0.173mmol、0.10当量)及びCsCO(1.13g、3.47mmol、2.01当量)を窒素下で加えた。得られた溶液を油浴中80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。本反応をこのスケールで5回繰り返し、5回の操作からの粗生成物を、精製のために一緒に合わせた。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(6/4)で溶離するシリカゲルのショートパッドに通した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、N-[5-[5-(2-シアノシクロプロピル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド2.5g(254nmでのLCMSにて純度=85%)を黄色の固体として与えた。中間体の品質は、次の工程に十分であった。さらなる精製は必要なかった。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=566.2、保持時間=1.07分。
工程2: N-(3-[5-[(1R,2R)-2-シアノシクロプロピル]-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
Figure 0007256757000043

N-[5-[5-(2-シアノシクロプロピル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(2.90g、5.13mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中のトリフルオロ酢酸(10mL)で室温にて一晩処理した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物のpHを、DIEAで>7に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮した。水を加え、混合物を1時間撹拌した。固体を濾過により集めた。粗生成物(2.30g)を、以下の条件[カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、19*150mm 5um 13nm; 移動相、0.05% NHOHを含む水及びMeCN(9分で30.0% MeCN~45.0%に増加); 検出器、UV 254nm]にて分取HPLCにより精製した。ラセミ生成物を、以下の条件[カラム:CHIRALPAK-IC-SFC-02、5cm*25cm(5um); 移動相A:CO:50、移動相B:EtOH:50; 流速:180mL/分; 220nm; 保持時間=13.97分(第1のピーク); 保持時間=17.84分(第2のピーク)]にて分取SFCで分離して、2つの画分を与えた:
画分1(R,R-異性体):第1のピークは所望の画分であり、イソプロパノールからの再結晶化によりさらに精製した。これが、N-(3-[5-[(1R,2R)-2-シアノシクロプロピル]-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド340mg(15%)をオフホワイトの固体としてもたらした。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.09 (dd, J = 7.1, 1.7 Hz, 1H), 8.67 - 8.62 (m, 2H), 8.27 (s, 1H), 7.43 - 7.35 (m, 3H), 7.21 (dd, J = 6.9, 4.2 Hz, 1H), 6.76 (t, J = 73.8 Hz, 1H), 2.79 - 2.72 (m, 1H), 1.94 - 1.88 (m, 1H), 1.68 - 1.63 (m, 1H), 1.62 - 1.56 (m, 1H)。
画分2(S,S-異性体):第2のピークは、N-(3-[5-[(1S,2S)-2-シアノシクロプロピル]-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド474mg(21%)として、白色の固体で得られた。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.09 (dd, J = 7.1, 1.7 Hz, 1H), 8.67 - 8.62 (m, 2H), 8.27 (s, 1H), 7.43 - 7.35 (m, 3H), 7.21 (dd, J = 6.9, 4.2 Hz, 1H), 6.76 (t, J = 73.8 Hz, 1H), 2.79 - 2.72 (m, 1H), 1.94 - 1.88 (m, 1H), 1.68 - 1.63 (m, 1H), 1.62 - 1.56 (m, 1H)。
中間体5
Figure 0007256757000044

N-[3-[5-シクロプロピル-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: N-[3-[5-シクロプロピル-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000045

ジオキサン(15mL)及び水(3.0mL)中のN-(5-(5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体1、1.40g、2.41mmol)の溶液に、シクロプロピルボロン酸(314mg、3.66mmol)、Pd(dppf)Cl-CHCl(200mg、0.245mmol)及びCsCO(1.56g、4.79mmol)を窒素下で加えた。反応混合物を窒素下、80℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(94/6)で溶離するシリカゲルのショートパッドに通した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、N-[3-[5-シクロプロピル-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド1.40g(254nmで純度=約85%)を暗赤色の固体として与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=541.2、保持時間=1.12分。中間体をさらに精製することなく用いた。
工程2: N-[3-[5-シクロプロピル-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000046

前の工程からのN-[3-[5-シクロプロピル-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(145mg)を、HCl/ジオキサン(5.0mL、4M)で25℃にて2時間処理した。溶液を減圧下で濃縮した。残留物を、以下の条件[カラム:Xbridge C18、19*150mm、5um; 移動相A:水/0.05%NHHCO、移動相B:ACN;流速:30mL/分; 勾配:10分で20%B~85%B; 254nm]にて分取HPLCにより精製して、N-[3-[5-シクロプロピル-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド44.9mg(41%)を黄色の固体として得た。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=411.2、保持時間=1.14分。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.09 (dd, J = 6.9, 1.5 Hz, 1H), 8.63 - 8.61 (m, 2H), 8.27 (s, 1H), 7.28 - 7.25 (m, 3H), 7.20 (dd, J = 7.2, 4.2 Hz, 1H), 6.68 (t, J = 73.8 Hz, 1H), 2.04 - 1.95 (m, 1H), 1.03 - 0.97 (m, 2H), 0.79 - 0.71 (m, 2H)
中間体6
Figure 0007256757000047

N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[4-(ジメチルカルバモイル)フェノキシ]フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: N-[5-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[4-(ジメチルカルバモイル)フェノキシ]フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000048

トルエン(10mL)中のN-5-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル-1H-ピラゾール-4-イルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体1、1.17g、2.02mmol)の溶液に、4-ヒドロキシ-N,N-ジメチルベンズアミド(0.400g、2.42mmol)、CsCO(0.790g、2.43mmol)、[PdCl(アリル)](37.0mg、0.101mmol)及びt-BuBrettPhos(98.0mg、0.202mmol)を窒素下で加えた。反応混合物を90℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[5-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[4-(ジメチルカルバモイル)フェノキシ]フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド1.3g(81%)を黄色の油状物として与えた。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=664.4、保持時間=1.36分。
工程2: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[4-(ジメチルカルバモイル)フェノキシ]フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000049

MeOH(3.0mL)中のN-[5-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[4-(ジメチルカルバモイル)フェノキシ]フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(139mg、0.209mmol)の溶液に、濃塩酸(1.5mL、12M)を加えた。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物をDIPEAで中和した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[4-(ジメチルカルバモイル)フェノキシ]フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド28mg(25%)をオフホワイトの固体として得た。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=534.2、保持時間=1.09分。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 13.05 (s, 1H), 9.73 (s, 1H), 9.35 (dd, J = 7.1, 1.7 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.2, 1.5 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.47 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.32 - 7.25 (m, 3H), 7.06 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.18 (t, J = 73.8 Hz, 1H), 2.94 (s, 6H)
中間体7
Figure 0007256757000050

N-[3-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: 1-(ベンジルオキシ)-4-(ジフルオロメトキシ)ベンゼンの合成
Figure 0007256757000051

パージして窒素の不活性雰囲気で維持した3000mLの丸底フラスコに、N,N-ジメチルホルムアミド(1500mL)、4-(ベンジルオキシ)フェノール(200g、999mmol)及びCsCO(651g、1.99mol)を入れた。反応容器にCO放出用の出口を備え付けた。これに続いて、ナトリウム 2-クロロ-2,2-ジフルオロアセタート(228g、1.50mol、1.50当量)を120℃で数回に分けて加えた。ナトリウム 2-クロロ-2,2-ジフルオロアセタート添加の完了後、ガスの発生が停止するまで(約1時間)反応物を油浴中120℃で撹拌し、次いで室温まで放冷した。反応混合物を、撹拌しながら水/氷(3000mL)にゆっくりと加えた。得られた混合物を酢酸エチル(3×4000mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/19)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮した。この反応を4回繰り返した。これが、全体で1-(ベンジルオキシ)-4-(ジフルオロメトキシ)ベンゼン450g(36%)を白色の固体としてもたらした。
工程2: 4-(ジフルオロメトキシ)フェノールの合成
Figure 0007256757000052

3000mLの丸底フラスコに、メタノール(1500mL)、1-(ベンジルオキシ)-4-(ジフルオロメトキシ)ベンゼン(140g、559mmol)及び10%パラジウム炭素(15g、141mmol)を入れた。得られた混合物を、水素(約45psi)下、室温で一晩撹拌した。触媒を濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。この反応を3回繰り返した。これが、4-(ジフルオロメトキシ)フェノール300g(78%)を黄色の油状物としてもたらした。
工程3: 2-ブロモ-4-(ジフルオロメトキシ)フェノールの合成
Figure 0007256757000053

1000mLの丸底フラスコに、酢酸(500mL)、4-(ジフルオロメトキシ)フェノール(50g、312mmol)及びNBS(55.6g、312mmol)を入れた。反応混合物を15℃で1時間撹拌した。次に、得られた混合物を撹拌しながら水/氷(1000mL)にゆっくりと加えた。得られた溶液を酢酸エチル(3×1000mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/石油エーテル(30/70)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を収集し、減圧下で濃縮した。これが、2-ブロモ-4-(ジフルオロメトキシ)フェノール50g(67%)を淡黄色の油状物としてもたらした。
工程4: 2-ブロモ-1,4-ビス(ジフルオロメトキシ)ベンゼンの合成
Figure 0007256757000054

2000mLの丸底フラスコに、CHCN(500mL)、水(500mL)、2-ブロモ-4-(ジフルオロメトキシ)フェノール(54g、226mmol)及び水酸化カリウム(94g、1.68mol)を入れた。フラスコを氷浴(ice batch)に入れ、反応混合物を氷浴中で30分間撹拌した。次に、ジエチル(ブロモジフルオロメチル)ホスホナート(120g、449mmol)を、反応混合物に0℃で滴下した。ジエチル(ブロモジフルオロメチル)ホスホナート添加が完了すると、反応混合物を水/氷浴中で1時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/19)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、適切な画分を収集し、減圧下で濃縮した。これが、2-ブロモ-1,4-ビス(ジフルオロメトキシ)ベンゼン54g(83%)を淡黄色の油状物としてもたらした。
工程5: 5-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-4-ニトロ-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾールの合成
Figure 0007256757000055

パージして窒素の不活性雰囲気で維持した1000mLの丸底フラスコに、DMA(500mL)、炭酸カリウム(112g、810mmol)、4-ニトロ-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール(66g、271mmol)、2-ブロモ-1,4-ビス(ジフルオロメトキシ)ベンゼン(79g、273mmol)、2,2-ジメチルプロパン酸(8.3g、81.3mmol)、Pd(OAc)(6.0g、26.7mmol)及びビス(アダマンタン-1-イル)(ブチル)ホスファン(19g、52.9mmol、0.195当量)を入れた。反応混合物を油浴中120℃で一晩撹拌し、室温まで放冷した。次に、反応混合物を撹拌しながら水/氷(1000mL)に加えた。得られた溶液を酢酸エチル(3×1000mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を収集し、減圧下で濃縮した。これが、5-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-4-ニトロ-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール100g(82%)を固体としてもたらした。
工程6: 5-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-アミンの合成
Figure 0007256757000056

3000mLの3口丸底フラスコに、エタノール(1500mL)、水(150mL)、5-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-4-ニトロ-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール(100.00g、221mmol)、鉄粉(124g、2.22mol)及びNHCl(59.2g、1.11mol)を入れた。得られた混合物を油浴中還流温度で2時間撹拌した後、室温まで冷やした。固体を濾別し、エタノールで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(3000mL)に溶解した。酢酸エチル溶液をブライン(1×1000mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。これが、粗 5-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-アミン100gを淡黄色の油状物としてもたらし、これを精製することなくそのまま用いた。
工程7: N-[5-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000057

2000mLの丸底フラスコに、DMA(1000mL)、前の工程からの5-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-アミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボン酸(58.06g、355.9mmol)、7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(PyAOP)(185.56g、355.9mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(2.90g、23.7mmol)及びDIPEA(92.0g、712mmol)を入れた。得られた溶液を油浴中65℃で一晩撹拌した。次に、反応混合物を撹拌しながら水(2000mL)にゆっくりと加えた。得られた溶液を酢酸エチル(3×2000mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1000mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下(under pressure)で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(40/60)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、N-[5-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド120gを白色の固体として与えた。
工程8: N-[3-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000058

2000mLの丸底フラスコに、メタノール(800mL)、濃塩酸(400mL、12N)及びN-[5-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(80g、141mmol)を入れた。得られた溶液を25℃で4時間撹拌した。固体を濾過により収集した。固体を1Lのフラスコに加え、HO(200mL)を加えた。溶液がpH約8に達するまで、飽和NaHCO水溶液を撹拌しながら滴下した。固体を濾過により収集し、水で洗浄し、乾燥して、N-[3-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド55g(89%)を淡黄色の固体として与えた。1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 9.08 (dd, J = 7.2, 1.5 Hz, 1H), 8.65 - 8.61 (m, 2H), 8.28 (s, 1H), 7.46 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 8.9, 2.9 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 6.7, 4.4 Hz, 1H), 6.87 (t, J = 73.7 Hz, 1H), 6.73 (t, J = 73.7 Hz, 1H)。
実施例1
Figure 0007256757000059

N-(3-(5-((1R,2R)-2-シアノシクロプロピル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
DMF(10mL)中のN-(3-(5-((1R,2R)-2-シアノシクロプロピル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体4、100mg、0.230mmol)の溶液に、CsCO(160mg、0.491mmol)を加えた。これに続いて、2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミド(80mg、0.482mmol)を加えた。得られた混合物を油浴中60℃で30分間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(8% MeOH)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-(3-(5-((1R,2R)-2-シアノシクロプロピル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド20.9mg(17%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=521.3、保持時間=1.50分; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.76 (s, 1H), 9.35 (dd, J = 6.8, 1.6 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.65 (dd, J = 4.0, 1.6 Hz, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.42 - 7.38 (m, 3H), 7.29 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 7.23 (t, J = 73.2 Hz, 1H), 5.20 (s, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 2.84 - 2.80 (m, 1H), 2.12 - 2.09 (m, 1H), 1.66 - 1.61 (m, 1 H), 1.54 - 1.50 (m, 1H)。
実施例2
Figure 0007256757000060

N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-ヨードフェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
DMF(4.0mL)中のN-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-ヨードフェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体3、160mg、0.322mmol)の溶液に、CsCO(210mg、0.645mmol)を加えた。この混合物に、2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミド(107mg、0.645mmol)を加えた。得られた溶液を油浴中60℃で4時間撹拌した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせ、水及びブラインで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(90/10)で溶離するシリカゲルのショートパッドに通した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件[カラム、SunFire Prep C18 OBD Column、19*150mm 5um 10nm; 移動相、水(0.1% FA)及びACN(12分で25.0% ACN~44.0%に増加); 検出器、UV 254/220nm]にて分取HPLCでさらに精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-ヨードフェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド24.1mg(13%)を白色の固体として得た。LC/MS(方法B、ESI):[M+H]=582.2、保持時間=2.92;1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 9.11 (dd, J = 6.8, 1.6 Hz, 1H), 8.67 (dd, J = 4.4, 1.6Hz, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.02 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.90 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.24 - 7.21(m, 2H), 6.82 (t, J = 73.6 Hz, 1H), 5.24 (s, 2H), 3.18 (s, 3H), 3.03 (s, 3H)。
実施例3
Figure 0007256757000061

2-アミノ-N-(3-(5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: tert-ブチル N-[3-([3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]カルバモイル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]カルバマートの合成
Figure 0007256757000062

DMF(5.0mL)中のtert-ブチル N-[3-([3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]カルバモイル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]カルバマート(200mg、0.385mmol)の溶液に、CsCO(251mg、0.770mmol)及び2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミド(63.0mg、0.379mmol)を加えた。反応混合物を油浴中60℃で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、tert-ブチル N-[3-([3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]カルバモイル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]カルバマート200mg(86%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=605.3、保持時間=1.32分。
工程2: 2-アミノ-N-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000063

Tert-ブチル N-[3-([3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]カルバモイル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-2-イル]カルバマート(100mg、0.165mmol)を、ジオキサン中のHCl(2.0mL、4M)で室温にて2時間処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件[カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm; 移動相、水(0.05% NHO)及びACN(12分で10% ACN~45%に増加); 検出器、UV 220nm]にて分取HPLCにより精製して、2-アミノ-N-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド27.4mg(33%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=505.2、保持時間=1.58分; 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.55 (s, 1H), 8.93 (dd, J = 6.8, 1.7Hz, 1H), 8.36 (dd, J = 4.5, 1.5Hz, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.62 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.45 (J = 8.7 Hz, 1H), 7.26 (t, J = 73.2 Hz, 1H), 7.00 (dd, J = 6.6, 4.5Hz, 1H), 6.57 (s, 2H), 5.18 (s, 2H), 3.04 (s, 3H), 2.87 (s, 3H)。
実施例4及び5
Figure 0007256757000064

(R)-N-(3-(5-(1,2-ジフルオロエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド及び(S)-N-(3-(5-(1,2-ジフルオロエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(1,2-ジヒドロキシエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000065

テトラヒドロフラン(20mL)及び水(10mL)中のN-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-エテニルフェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(1.70g、3.53mmol)の溶液に、OsO(1.82g、7.16mmol)及びNMO(831mg、7.09mmol)を加えた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。得られた溶液をHO(30mL)で希釈した。得られた溶液をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(9/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(1,2-ジヒドロキシエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド700mg(38%)を褐色の固体として与えた。
工程2: N-[3-[5-(1,2-ジフルオロエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000066

ジクロロメタン中のN-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(1,2-ジヒドロキシエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(300mg、0.582mmol)の溶液に、DAST(374mg、2.32mmol)を加えた。反応混合物を、窒素下、室温で2時間撹拌した。次に、反応物を水(10mL)の添加によりクエンチした。重炭酸ナトリウム水溶液(10%)で、溶液のpH値を7に調整した。得られた混合物をジクロロメタン(3×10mL)で抽出し、有機層を合わせ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件[カラム、XBridge BEH130 Prep C18 OBD Column、19*150mm 5um; 移動相、水(0.05% NHO)及びACN(7分で30%ACN~34%に増加); 検出器、UV 254/220nm]にて分取HPLCにより精製して、ラセミ混合物100mgを与えた。ラセミ混合物を、以下の条件[カラム、CHIRALPAK IA、2.12*15cm、5um; 移動相、ヘキサン/DCM=5/1及びエタノール(50.0%エタノールで13分間保持); 流速16mL/分、検出器、UV 220/254nm]にてキラル分取HPLCで分離して、2つの画分を与えた:
異性体1: 7.15分で溶出、N-[3-[5-(1,2-ジフルオロエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド12.4mg(4%)、白色の固体として。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=520.2、保持時間=1.70分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.72 (s, 1H), 9.34 (dd, J = 7.0, 1.4 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.66 (dd, J = 4.0, 1.6 Hz, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.65 - 7.61 (m, 2H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.32 (t, J = 73.2 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 6.11 - 5.84 (m, 1H), 5.22 (s, 2H), 4.88 - 4.68 (m, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.89 (s, 3H)。
異性体2: 9.66分で溶出、N-[3-[5-(1,2-ジフルオロエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド13.7mg(5%)、白色の固体として。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=520.2、保持時間=1.70分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.72 (s, 1H), 9.34 (dd, J = 7.0, 1.4 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.66 (dd, J = 4.0, 1.6 Hz, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.65 - 7.61 (m, 2H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.32 (t, J = 73.2 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 6.11 - 5.84 (m, 1H), 5.22 (s, 2H), 4.88 - 4.68 (m, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.89 (s, 3H)。
実施例6
Figure 0007256757000067

N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: N-[3-[5-(1,1-ジフルオロ-2-オキソ-2-フェニルエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000068

トルエン(5.0mL)中のN-[3-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(50.0mg、0.0936mmol)の溶液に、2,2-ジフルオロ-1-フェニルエタン-1-オン(29.0mg、0.186mmol)、[2-(2-アミノフェニル)フェニル](クロロ)パラジウム; トリシクロヘキシルホスファン(12.0mg、0.0203mmol)及びKPO(80.0mg、0.377mmol)を窒素下で加えた。得られた溶液を油浴中100℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷やした。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(92/8)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[3-[5-(1,1-ジフルオロ-2-オキソ-2-フェニルエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド23mg(40%)を淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法I、ESI):[M+H]=610.3、保持時間=1.11分。
工程2: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000069

トルエン(30mL)及び水(5.0mL)中のN-[3-[5-(1,1-ジフルオロ-2-オキソ-2-フェニルエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(230mg、0.377mmol)の溶液に、水酸化カリウム(43.0mg、0.766mmol)を加えた。得られた溶液を油浴中100℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷やした。得られた溶液をHO(50mL)で希釈した。得られた溶液をジクロロメタン(2×30mL)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶離するシリカゲルのショートパッドに通した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮した。残留物を、以下の条件[カラム、XBridge BEH130 Prep C18 OBD Column、19*150mm 5um; 移動相、水(0.05% NHOH)及びACN(7分で29.0% ACN~42.0%に増加); 検出器、UV 254/220nm]にて分取HPLCでさらに精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(ジフルオロメチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド23.7mg(12%)を白色の固体として得た。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=506.3、保持時間=1.52分。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ9.74 (s, 1H), 9.35 (dd, J = 6.8, 1.6 Hz, 1H), 8.68 (s,1H), 8.66 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.79 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 7.2, 4.4 Hz, 1H), 7.39 (t, J = 73.0 Hz, 1H), 7.14 (t, J = 55.8 Hz, 1H), 5.24 (s, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.89 (s, 3H)。
実施例7
Figure 0007256757000070

N-(3-(5-(2,2-ジフルオロエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
ジクロロメタン(2.0mL)中のN-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-オキソエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(90.0mg、0.181mmol)の溶液に、DAST(84mg、0.521mmol)を窒素下に0℃で加えた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件[カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm; 移動相、水(0.05% NHO)及びACN(12分で10% ACN~45%に増加); 検出器、UV 220nm]にて分取HPLCにより精製した。27.4mgの生成物を得、減圧下で濃縮して、N-[3-[5-(2,2-ジフルオロエチル)-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド36.2mg(39%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法C、ESI):[M+H]=520.2、保持時間=1.89分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.72 (s, 1H), 9.34 (dd, J = 6.8, 1.6 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.64 (dd, J = 4.0, 1.6 Hz, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.49 - 7.47 (m, 2H), 7.41 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 73.6 Hz, 1H), 6.46 - 6.09 (m, 1H), 5.20 (s, 2H), 3.26 - 3.19 (m, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.88 (s, 3H)。
実施例8
Figure 0007256757000071

N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(4-(ジメチルカルバモイル)フェノキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
DMF(4.0mL)中のN-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[4-(ジメチルカルバモイル)フェノキシ]フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体6、150mg、0.281mmol)の溶液に、CsCO(183mg、0.562mmol)及び2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミド(69.0mg、0.416mmol)を加えた。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(93/7)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[4-(ジメチルカルバモイル)フェノキシ]フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド22.0mg(13%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=619.3、保持時間=1.50分;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.78 (s, 1H), 9.35 (dd, J = 7.1, 1.7 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4, 1.7 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.49 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.32 - 7.27 (m, 2H), 7.19 (t, J = 73.8 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.18 (s, 2H), 3.03 (s, 3H), 2.94 (s, 6H), 2.86 (s, 3H)。
実施例9
Figure 0007256757000072

N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-フルオロエチル)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(プロパ-2-エン-1-イル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000073

1,4-ジオキサン(100mL)中のN-[3-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(6.00g、11.23mmol)の溶液に、窒素下で、4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-2-エン-1-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(3.02g、18.0mmol、1.600当量)、Pd(dppf)Cl ジクロロメタン(459mg、0.562mmol)及びCsCO(6.60g、20.3mmol)の水(20mL)溶液を加えた。得られた溶液を85℃で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(32/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(プロパ-2-エン-1-イル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド4.10g(74%)を褐色の固体として与えた。LC/MS(方法L、ESI):[M+H]=496.1、保持時間=0.83分。
工程2: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2,3-ジヒドロキシプロピル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000074

テトラヒドロフラン(140mL)中のN-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(プロパ-2-エン-1-イル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(7.06g、14.2mmol)の溶液に、NMO(3.33g、28.4mmol)及び水(70mL)を加えた。これに続いて、OsO(7.23g、28.4mmol)を室温で加えた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次に、反応物をNa(50mL)(飽和)の添加によりクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2,3-ジヒドロキシプロピル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド4.02g(53%)を淡黄色の固体として得た。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=530.2、保持時間=0.95分。
工程3: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-オキソエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000075

CHCN(15mL)及び水(3.0mL)中のN-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2,3-ジヒドロキシプロピル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(670mg、1.27mmol)の溶液に、0℃で、NaIO(325mg、1.52mmol)を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を水と酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(92/8)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-オキソエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド482mg(77%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=498.2、保持時間=1.03分。
工程4: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000076

ジクロロメタン(20mL)中のN-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-オキソエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(487mg、0.979mmol)の溶液に、0℃で、NaBH(OAc)(300mg、1.42mmol)を加えた。得られた溶液を室温で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(93/7)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。収集した画分を合わせ、減圧下で濃縮して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド430mg(88%)を淡黄色の固体として得た。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=500.3、保持時間=1.00分。
工程5: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-フルオロエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000077

ジクロロメタン(10mL)中のN-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(200mg、0.400mmol)の溶液に、ジエチル(トリフルオロ-4-スルファニル)アミン(96.6mg、0.599mmol)を、窒素下に室温で加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(95/5)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件[カラム、シリカゲル;移動相、10分間でHO(NHHCO)/CHCN=90/10~HO(NHHCO)/CHCN=50/50に増加; 検出器、UV 254nm]にて分取HPLCでさらに精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(2-フルオロエチル)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド9.3mg(5%)をオフホワイトの固体として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=502.3、保持時間=1.48分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.74 (s, 1H), 9.34 (dd, J = 7.2, 1.6 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.65 (dd, J = 4.2, 1.4 Hz, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.45 - 7.40 (m, 2H), 7.39 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 7.23 (t, J = 73.6 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.74 - 4.72 (m, 1H), 4.61 - 4.59 (m, 1H), 3.08 - 3.07 (m, 1H), 3.06 (s, 3H), 3.02 - 3.00 (m, 1H), 2.89 (s, 3H)。
実施例10及び11
Figure 0007256757000078

(S)-N-(3-(5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(1-(ジメチルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド及び(R)-N-(3-(5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(1-(ジメチルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
N,N-ジメチルホルムアミド(5.0mL)中のN-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(200mg、0.494mmol)の溶液に、2-ブロモ-N,N-ジメチルプロパンアミド(133mg、0.739mmol)及びCsCO(323mg、0.991mmol)を加えた。得られた溶液を油浴中60℃で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチルと水に分配した。水相を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、以下の条件[カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm; 移動相、水(10mmol/L NHHCO)及びACN(7分で25.0%ACN~65.0%に増加); 検出器、UV 220nm]にて分取HPLCにより精製して、ラセミ混合物120mgを与えた。ラセミ混合物を以下の条件[カラム、CHIRALPAK IF、2*25cm、5um; 移動相、ヘキサン及びエタノール(50.0%エタノールを27分間保持); 検出器、UV 220/254nm]にてキラル分取HPLCにより分離して、2つの画分を与えた:
異性体1(第1のピーク): 18.08分で溶出、N-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[1-(ジメチルカルバモイル)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド40.0mg(16%)、白色の固体として、LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=504.2、保持時間=1.65分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.76 (s, 1H), 9.35 (dd, J = 7.2, 1.6 Hz, 1H), 8.68 (dd, J = 4.0, 1.6 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.64 (dd, J= 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J= 2.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 73.4 Hz, 1H), 5.65 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 3.05 (s, 3H), 2.88 (s, 3H), 1.60 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
異性体2(第2のピーク): 22.84分で溶出、N-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[1-(ジメチルカルバモイル)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド38.3mg(15%)、白色の固体として、LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=504.2、保持時間=1.65分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.76 (s, 1H), 9.35 (dd, J = 7.2, 1.6 Hz, 1H), 8.68 (dd, J = 4.0, 1.6 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.64 (dd, J= 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J= 2.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 73.4 Hz, 1H), 5.65 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 3.05 (s, 3H), 2.88 (s, 3H), 1.60 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
実施例12
Figure 0007256757000079

N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-((1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)オキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
工程1: tert-ブチル 7-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-[1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-4-[ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-アミド]-1H-ピラゾール-3-イル]フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボキシラートの合成
Figure 0007256757000080

トルエン(10mLl)中のN-[3-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(157mg、0.294mmol)の溶液に、CsCO(115mg、0.353mmol)、t-BuBrettPhos(14.3mg、0.0295mmol)、Pd(アリル)Cl(5.38mg、0.0148mmol)及びtert-ブチル 7-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボキシラート(87.5mg、0.351mmol)を窒素下で加えた。得られた溶液を油浴中100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル 7-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-[1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-4-[ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-アミド]-1H-ピラゾール-3-イル]フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボキシラート150mg(73%)を黄色の固体として与えた。TLC:R=0.4; 酢酸エチル/ヘキサン=4/1。
工程2: N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルオキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000081

Tert-ブチル 7-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-[1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-4-[ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-アミド]-1H-ピラゾール-3-イル]フェノキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-カルボキシラート(150mg、0.213mmol)を、1,4-ジオキサン中のHCl(5.0mL、4M)で、室温にて1時間処理した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件[カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm; 移動相、Waters(0.05% NHO)及びACN(10分で15.0% ACN~55.0%に増加); 検出器、UV 254/220nm]にて分取HPLCにより精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルオキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド120mg(93%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法E、ESI):[M+H]=603.3、保持時間=2.27分;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 9.74 (s, 1H), 9.35 (dd, J = 6.9, 1.5 Hz, 1H), 8.68 (dd, J = 4.4, 1.7 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.43 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 7.2, 4.2 Hz, 1H), 7.18 (dd, J = 9.0, 3.0 Hz, 1H), 7.13 (t, J = 73.8 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.82 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.17 (s, 2H), 3.77 (s, 2H), 3.03 (s, 3H), 2.93 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.86 (s, 3H), 2.65 (t, J = 5.7 Hz, 2H)。
実施例13
Figure 0007256757000082

N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-ビニルフェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
ジオキサン(30mL)中のN-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(1.30g、2.65mmol)の溶液に、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(vinyl trifluoro-potassium borate)(389mg、2.90mmol)、KCO(612mg、4.43mmol)、Pd(dppf)Cl.CHCl(197mg、0.241mmol)及び水(4.0mL)を窒素下で加えた。得られた溶液を油浴中80℃で4時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を水と酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチルで溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-エテニルフェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド574mg(45%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法F、ESI):[M+H]=482.3、保持時間=1.39分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.77 (s, 1H), 9.35 (dd, J = 7.2, 1.6 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.62 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.69 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 6.7, 4.4 Hz, 1H), 7.27 (t, J = 73.6 Hz, 1H), 6.82 (dd, J = 17.6, 11.2 Hz, 1H), 5.87 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 5.31 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.89 (s, 3H)。
実施例14
Figure 0007256757000083

N-(3-(5-シクロプロピル-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
DMF(10mL)中のN-[3-[5-シクロプロピル-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体5、100mg、0.244mmol)の溶液に、CsCO(160mg、0.491mmol)を加えた。この混合物に2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミド(83mg、0.500mmol)を加えた。得られた溶液を油浴中60℃で30分間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(8% MeOH)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N-[3-[5-シクロプロピル-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド63.8mg(53%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=496.2、保持時間=1.64分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.74 (s, 1H), 9.35 (dd, J = 7.2, 4.0 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.65 (dd, J = 4.0, 1.6 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.32 - 7.23 (m, 4H), 7.16 (t, J = 74.0 Hz, 1H), 5.20 (s, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 2.03 - 1.97 (m, 1H), 0.99 - 0.94 (m, 2H), 0.73 - 0.68 (m, 2H)。
実施例15
Figure 0007256757000084

N-(3-(5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
N,N-ジメチルホルムアミド(150mL)中の粗 N-[3-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体2、3.80g、8.46mmol)の溶液に、CsCO(8.30g、25.5mmol)及び2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミド(2.20g、13.3mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、撹拌しながら水(1.0L)に注いだ。固体を濾過により収集した。粗生成物を、酢酸エチルからの再結晶化により1回精製して、N-[3-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド3.30g(2工程で72%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法D、ESI):[M+H]=536.1、保持時間=2.72分。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) 9.75 (s, 1H), 9.36 (dd, J = 7.2, 1.6, 1H), 8.71 - 8.69 (m, 2H), 8.30 (s, 1H), 7.76 (dd, J = 8.8, 2.4, 1H), 7.68 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 7.28 (t, J = 73.2 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.89 (s, 3H)。
実施例16
Figure 0007256757000085

N-(3-(5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
CsCO(31g、95mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(150mL)及びN-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(25g、62mmol)を、氷水浴を用いて0℃に冷却した。2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミド(12.5g、75.3mmol)を滴下した。2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミドの添加が完了したら、氷浴を取り外し、反応混合物を室温まで放温し、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を撹拌しながらHO(2L)に徐々に加えた。沈殿物を濾過により収集し、減圧下で乾燥した。MeOH(500mL)を粗生成物に加え、混合物を撹拌しながら0.5時間加熱還流した後、室温まで冷やした。固体を濾過により収集し、次に更にMeOH(500mL)を加え、混合物を30分間加熱還流した後、室温まで冷却した。固体を濾過により収集して、99.1%のHPLC純度で表題化合物を与えた。同じ反応(25gのN-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドというスケールで)を4回繰り返し、4回の操作からのN-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドのサンプル(全体で81g、すべて>99%のHPLC純度)を、結晶変換のために合わせた。
前の工程からのN-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(81g、165mmol)を、1Lの丸底フラスコに入れ、メタノール(400mL)を加えた。混合物を室温で3日間撹拌した。固体を濾過により収集し、減圧下で乾燥した。これが、結晶質物質のN-[3-[5-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド79.46g(98%)を黄色の固体としてもたらした。LC/MS(方法D、ESI):[M+H]=490.2、保持時間=2.63分。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.77 (s, 1H), 9.36 (dd, J = 7.0, 1.4 Hz, 1H), 8.70 - 8.69 (m, 2H), 8.31 (s, 1H), 7.64 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 7.0, 4.2 Hz, 1H), 7.27 (t, J = 73.2 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.89 (s, 3H)。
実施例17
Figure 0007256757000086

N-(3-(2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
1000mLの丸底フラスコ中で、N,N-ジメチルホルムアミド(400mL)中の炭酸カリウム(30g、217mmol)とN-[3-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(中間体7、60g、137mmol)の撹拌混合物を、氷水浴を用いて0℃まで冷やした。2-ブロモ-N,N-ジメチルアセトアミド(28g、169mmol、1.2当量)を滴下し、次に、反応物を室温まで放温し、撹拌を室温で一晩続けた。反応混合物を撹拌しながら水(4L)に徐々に加えた。固体を濾過により収集し、次に酢酸エチル(2L)に加え、混合物を還流温度まで加熱し、この温度で30分間撹拌した。混合物を室温まで放冷し、室温で2日間撹拌した。固体を濾過により収集した。固体を等量ずつ2つに分け、5Lの丸底フラスコ2つに加えた。酢酸エチル(各々3L)を2つのフラスコに加え、混合物を加熱還流した。混合物を還流温度で30分間撹拌し、室温まで放冷した後、続いて室温で48時間撹拌した。固体を濾過により収集し、真空下で乾燥して、N-[3-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド40g(56%)を白色の固体として与えた(HPLC純度99.0%)。
結晶変換:EtOAc(200mL)を、500mLフラスコ中のN-[3-[2,5-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-[(ジメチルカルバモイル)メチル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド68g(HPLCで純度99.0%)に加え、混合物を室温で2日間撹拌した。固体を濾過し、真空下にて室温で6時間乾燥して、結晶性物質を与えた(64.8g)(HPLC純度99.1%)。LC/MS(方法D、ESI):[M+H]=522.2、保持時間=2.62分;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.77 (s, 1H), 9.36 (dd, J = 6.8, 1.6 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.67 (dd, J = 4.4, 1.6 Hz, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.51 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.33 - 7.31 (m, 2H), 7.30 (t, J = 73.6 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 73.2 Hz, 1H), 5.23 (s, 2H), 3.05 (s, 3H), 2.89 (s, 3H)。
実施例18
Figure 0007256757000087

N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(3-(3-ヒドロキシ-1-メチルアゼチジン-3-イル)フェノキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
Figure 0007256757000088
工程1: tert-ブチル 3-[3-[4-(ジフルオロメトキシ)-3- [4-(ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル]フェノキシ]フェニル]-3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボキシラートの合成
Figure 0007256757000089

N-[5-[5-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(300mg、0.518mmol)、tert-ブチル 3-ヒドロキシ-3-(3-ヒドロキシフェニル)アゼチジン-1-カルボキシラート(275mg、1.04mmol)、[PdCl(アリル)]2(7.58mg、0.0207mmol)、RockPhos(24.3mg、0.0518mmol)、Cs2CO3(337mg、1.04mmol)、及びトルエン(4480mg、5.18mL、48.6mmol)の溶液を、窒素下、100℃で16時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、メタノール/ジクロロメタン(0~10%)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、tert-ブチル 3-[3-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-[4-(ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル]フェノキシ]フェニル]-3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボキシラート229mg(59%)を固体として与えた。LC/MS(方法L、ESI):[M+H]+=764.2。
工程2: N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(3-(3-ヒドロキシアゼチジン-3-イル)フェノキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000090

tert-ブチル 3-[3-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-[4-(ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボニルアミノ)-2-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-イル]フェノキシ]フェニル]-3-ヒドロキシ-アゼチジン-1-カルボキシラート(220mg、0.288mmol)、ジクロロメタン(3830mg、2.88mL、45.1mmol)、及びトリフルオロ酢酸(536mg、0.360mL、4.70mmol)の溶液を、周囲温度で16時間撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、さらに精製することなく用いて、N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(3-(3-ヒドロキシアゼチジン-3-イル)フェノキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(220mg、113%)を与えた。LC/MS(方法X、ESI):[M+H]+=534.1。
工程3: N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(3-(3-ヒドロキシ-1-メチルアゼチジン-3-イル)フェノキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000091

N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[3-(3-ヒドロキシアゼチジン-3-イル)フェノキシ]フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(220mg、0.326mmol)、1,3,5-トリオキサン(39.1mg、0.434mmol)、ジクロロメタン(4320mg、3.26mL、50.9mmol)、メタノール(516mg、0.652mL、15.8mmol)、及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(sodium tricacetoxyborohydride)(207mg、0.979mmol)の溶液を、周囲温度で3時間撹拌した。得られた懸濁液を水で抽出し、さらに精製することなく用いて、N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(3-(3-ヒドロキシ-1-メチルアゼチジン-3-イル)フェノキシ)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(190mg、100%)を与えた。LC/MS(方法X、ESI):[M+H]+=548.2。
工程4: N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(3-(3-ヒドロキシ-1-メチルアゼチジン-3-イル)フェノキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミドの合成
Figure 0007256757000092

N-[3-[2-(ジフルオロメトキシ)-5-[3-(3-ヒドロキシ-1-メチル-アゼチジン-3-イル)フェノキシ]フェニル]-1H-ピラゾール-4-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(190mg、0.330mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(3110mg、3.30mL、42.6mmol)、2-ブロモ-N,N-ジメチル-アセトアミド(65.7mg、0.0469mL、0.396mmol)、及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(174mg、0.230mL、1.32mmol)の溶液を、50℃で5日間撹拌した。残留物を減圧下で濃縮し、以下の条件[カラム:Gemini NX C18 110A Column、30×100mm、10um; 移動相:水(0.1% NH4OH)及びACN(15分で20% ACN~60%に増加); 検出器、UV 254/220nm]にて分取HPLCにより精製した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮して、N-(3-(2-(ジフルオロメトキシ)-5-(3-(3-ヒドロキシ-1-メチルアゼチジン-3-イル)フェノキシ)フェニル)-1-(2-(ジメチルアミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド(2.4mg、1%)を与えた。LC/MS(方法Y、ESI):[M+H]=633.2、保持時間=3.42分。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.01 (s, 1H), 9.75 (s, 1H), 9.36 (dd, J = 7.0, 1.7 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.2, 1.5 Hz, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.44 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.30 (dd, 1H), 7.38 - 6.89 (m, 7H), 3.32 (s, 2H), 3.20 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.04 (d, J = 14.2 Hz, 1H), 2.72 - 2.62 (m, 7H), 2.47 - 2.39 (m, 1H), 2.33 (p, J = 1.8 Hz, 1H), 2.16 (s, 3H)。
本明細書におけるスキーム及び実施例に記載されているものと同様の手順を使用して、以下の表1の代表的な化合物を調製した。以下の各化合物の絶対立体化学については記載しない場合もある:従って、構造が1回超記載される場合もあり、それぞれが単一の立体異性体を表す。
Figure 0007256757000093

Figure 0007256757000094

Figure 0007256757000095

Figure 0007256757000096

Figure 0007256757000097
酵素アッセイ
JAK酵素アッセイを以下の通り実施した:
Caliper LabChip(登録商標)技術(Caliper Life Sciences, Hopkinton, MA)を用いて、JAK3に由来するペプチド(Val-Ala-Leu-Val-Asp-Gly-Tyr-Phe-Arg-Leu-Thr-Thr、5-カルボキシフルオレセインでN末端が蛍光標識されている)のリン酸化をモニタリングすることによって、単離された組み換えJAK1及びJAK2キナーゼドメインの活性を測定した。阻害定数(Ki)を求めるために、化合物をDMSOで連続希釈し、最終DMSO濃度が2%になるように、精製酵素(1.5nM JAK1又は0.2nM JAK2)、100mM HEPESバッファ(pH7.2)、0.015% Brij-35、1.5μM ペプチド基質、ATP(25μM)、10mM MgCl、4mM DTTを含有するキナーゼ反応液 50μLに添加した。384ウェルポリプロピレンマイクロタイタープレート内で、反応物を22℃で30分間インキュベートし、次いで、最終EDTA濃度が50mMになるように、EDTA含有溶液(100mM HEPESバッファ(pH7.2)、0.015% Brij-35、150mM EDTA)25μLを添加することによって停止させた。キナーゼ反応の終結後、製造業者の仕様書に従ってCaliper LabChip(登録商標)3000を用い、リン酸化生成物の比率を総ペプチド基質の分率として求めた。次いで、ATP競合阻害用に改変したMorrison緊密結合モデル(Morrison, J.F., Biochim. Biophys. Acta. 185:269-296 (1969);William, J.W. and Morrison, J.F., Meth. Enzymol., 63:437-467 (1979))[K=Ki,app/(1+[ATP]/Km,app)]を用いてK値を求めた。代表的な化合物のデータを表2に示す。
細胞株におけるJAK1経路アッセイを以下の通り実施した:
JAK1依存性STATリン酸化を測定するために設計された細胞ベースアッセイにおいて、阻害剤の効力(EC50)を決定した。上述の通り、Jak/Statシグナル伝達経路をブロックすることによってIL-4、IL-13、及びIL-9のシグナル伝達を阻害すると、前臨床肺炎症モデルにおいて喘息の症状を軽減することができる(Mathew et al., 2001, J. Exp. Med. 193(9): 1087-1096;Kudlacz et. al., 2008, Eur. J. Pharmacol. 582(1-3): 154-161)。
あるアッセイアプローチでは、American Type Culture Collection(ATCC;Manassas, VA)から入手したTF-1ヒト赤白血病細胞を用いて、IL-13刺激の下流におけるJAK1依存性STAT6リン酸化を測定した。アッセイで使用する前に、0.5% 活性炭/デキストラン処理ウシ胎仔血清(FBS)、0.1mM 非必須アミノ酸(NEAA)及び1mM ピルビン酸ナトリウムを添加したOptiMEM培地(Life Technologies, Grand Island, NY)中で、TF-1細胞を一晩GM-CSF欠乏にさせた。300,000細胞/ウェルを用い、384ウェルプレートにて無血清OptiMEM培地中でアッセイを実施した。第2のアッセイアプローチでは、ATCCから入手したBEAS-2Bヒト気管支上皮細胞を、実験の1日前に、100,000細胞/ウェルで96ウェルプレートにプレーティングした。完全成長培地(気管支上皮基本培地+bulletkit;Lonza;Basel, Switzerland)においてBEAS-2Bアッセイを行った。
試験化合物をDMSOで1:2連続希釈し、次いで、使用直前に培地で1:50希釈した。最終DMSO濃度が0.2%になるように、希釈した化合物を細胞に添加し、37℃で30分間(TF-1アッセイの場合)又は1時間(BEAS-2Bアッセイの場合)インキュベートした。次いで、個々のロットについて予め求めておいた、それぞれのEC90濃度のヒト組み換えサイトカインで細胞を刺激した。37℃で15分間、細胞をIL-13(R&D Systems, Minneapolis, MN)で刺激した。TF-1細胞の反応は、10×lysisバッファ(Cell Signaling Technologies, Danvers, MA)を直接添加することによって停止させたが、BEAS-2B細胞のインキュベートは、培地を除去し、1×lysisバッファを添加することによって停止させた。得られたサンプルを-80℃でプレート内において冷凍した。MesoScale Discovery(MSD)技術(Gaithersburg, MD)を用いて、化合物によって媒介される、細胞溶解物におけるSTAT6リン酸化の阻害を測定した。DMSO対照について測定されたものに対してSTATリン酸化を50%阻害するために必要な化合物の濃度として、EC50値を決定した。代表的な化合物のデータを表2に示す。
Figure 0007256757000098

Claims (24)

  1. 下記1~18:
    Figure 0007256757000099

    Figure 0007256757000100

    Figure 0007256757000101

    からなる群より選択される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは立体異性体。
  2. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000102

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  3. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000103

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  4. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000104

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  5. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000105

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは立体異性体。
  6. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000106

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  7. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000107

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは立体異性体。
  8. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000108

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  9. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000109

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  10. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000110

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは立体異性体。
  11. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000111

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは立体異性体。
  12. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000112

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  13. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000113

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  14. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000114

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  15. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000115

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  16. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000116

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  17. 下記式のもの:
    Figure 0007256757000117

    である化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  18. 請求項1~17のいずれか記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは立体異性体と、薬学的に許容し得る担体、希釈剤、又は賦形剤とを含む医薬組成物。
  19. 炎症性疾患の処置において使用するための、請求項1~17のいずれか記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは立体異性体。
  20. 炎症性疾患を処置するための医薬を調製するための、請求項1~17のいずれか記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは立体異性体の使用。
  21. 前記炎症性疾患が喘息である、請求項20記載の使用。
  22. 患者におけるヤヌスキナーゼ活性の阻害に応答する疾患又は病態を予防し、処置し、又はその重篤度を低減するための医薬組成物であって、治療上有効な量の請求項1~17のいずれか記載の化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容し得る塩を含む医薬組成物。
  23. 前記疾患又は病態が喘息である、請求項22記載の医薬組成物。
  24. 前記ヤヌスキナーゼがJAK1である、請求項22記載の医薬組成物。
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