JP7255373B2 - 活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物および剥離型粘着シート - Google Patents

活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物および剥離型粘着シート Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウエハ、プリント基板、ガラス加工品、金属板、プラスチック板等の被加工部材を加工する際の一時的な表面保護用の剥離型粘着シートの粘着剤層に使用される活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物および剥離型粘着シートに関するものである。
従来、上記半導体ウエハからの集積回路の作製や穴開け等の加工工程においては、被加工部材の汚れや損傷を防ぐことを目的として一時的に上記被加工部材の表面を保護するための表面保護用の粘着シートが用いられている。そして、近年では加工技術の微細化や被加工部材の薄膜化等の理由で被加工部材に対して適度な粘着力が求められる一方、表面保護の役目を終えた後には表面保護用の粘着シートを剥離する必要があり、剥離する際には軽い力で糊残りなく剥離できることが求められている。また、近年では半導体ウエハに限らず様々な部材の加工時にも表面保護用の粘着シートが利用されている。
特許文献1は、半導体ウエハに対して優れた粘着力を示し、安定的な粘着物性を有する半導体ウエハ加工用粘着シートについて記載されている。そして、特許文献1の実施例では、半導体ウエハ加工用粘着シートの粘着剤層として、アクリル酸2-エチルヘキシル50重量部、アクリル酸ブチル10重量部、酢酸ビニル37重量部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル3重量部とを共重合させたアクリル系樹脂、5,000以上の分子量を持つ2~4官能のウレタンアクリレート、1,000以下の分子量を持つ少なくとも1種類以上の3~6官能のアクリレートモノマーを混合した樹脂組成物が開示されている。
また、アクリル系樹脂とウレタン(メタ)アクリレートとの配合においては、樹脂組成物としての相溶性の観点から、一般的にウレタン(メタ)アクリレートの極性が高いためにアクリル系樹脂としてはガラス転移温度の比較的高いものが用いられており、例えば、特許文献2では、ガラス転移温度が-40℃程度のアクリル系樹脂が用いられている。
特開平10-310748号公報 特開平11-293201号公報
上記特許文献1に開示されている樹脂組成物は、紫外線照射前の粘着力が充分ではなく、また、粘着シートを剥離した際に被加工部材側に残る粘着剤層により、被加工部材が汚染されてしまう傾向があり、さらなる改善が求められている。
更に、近年では、紫外線照射後において粘着力をより低下させることで剥離性を向上させることが求められているところ、アクリル系樹脂と比較して一般的に用いられるウレタン(メタ)アクリレート系化合物は極性が高く、そのために樹脂組成物としての相溶性が不充分となってしまい、紫外線照射後の剥離性が低下するという問題が生じるものであった。
また、特許文献2の開示技術では、アクリル系樹脂とウレタン(メタ)アクリレートとの相溶性は満足するものであるが、紫外線照射後の粘着力については、アクリル系樹脂のガラス転移温度が比較的高いため剥離応力がかかり、硬化後の粘着力の低下が不充分となる傾向にある。そのため、ガラス転移温度のより低いアクリル系樹脂を用いることが考えられるが、一般的に用いられるウレタン(メタ)アクリレートの極性が高いため相溶性が悪くなる傾向にあり、これまではガラス転移温度のより低いアクリル系樹脂を用いた活性エネルギー線硬化性粘着剤組成物は検討されてこなかったのが実情である。
そこで、本発明ではこのような背景下において、ガラス転移温度の低いアクリル系樹脂を用いた場合であっても、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物の相溶性に優れ、透明性が良好であり、活性エネルギー線照射前の粘着力が良好で、かつ、活性エネルギー線照射後の剥離性(耐汚染性、微粘着性)に優れた粘着剤を得ることができる活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、光重合開始剤および架橋剤を含有する活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物において、ポリイソシアネート、モノオールおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応してなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用いることにより、粘着剤組成物としての相溶性に優れ、透明性が良好であり、活性エネルギー線照射前の粘着力が良好で、かつ、活性エネルギー線照射後の剥離性(耐汚染性、微粘着性)に優れた粘着剤を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、光重合開始剤(C)および架橋剤(D)を含有する活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物であって、
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が、ポリイソシアネート(b1)中のイソシアネート基と、モノオール(b2)および、水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)の有する水酸基とが、それぞれウレタン結合を形成したウレタン(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を第1の要旨とする。
また、上記第1の要旨の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物が架橋剤(D)により架橋されてなる粘着剤層を有する剥離型粘着シートを第2の要旨とする。
本発明は、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、光重合開始剤(C)および架橋剤(D)を含有する活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物であって、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が、ポリイソシアネート(b1)中のイソシアネート基と、モノオール(b2)および、水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)の有する水酸基とが、それぞれウレタン結合を形成したウレタン(メタ)アクリレート系化合物であることから、アクリル系樹脂(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の相溶性に優れ、透明性が良好であり、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物中で各成分が均一に混じりあった状態になる。そして、この活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物が架橋剤(D)によって架橋された粘着剤を剥離型粘着シートの粘着剤層として用いた場合には、活性エネルギー線照射前の粘着力および照射後の微粘着性に優れ、また、被加工部材に対する耐汚染性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
また、「アクリル系樹脂」とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
なお、本発明において、「シート」とは、特に「フィルム」、「テープ」と区別するものではなく、これらも含めた意味として記載するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、通常、一度被加工部材と貼り合わせた後に剥離することを主とするものである、剥離型粘着シートの粘着剤層として用いられる。上記剥離型粘着シートは、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を基材シート上に塗工した状態で用いられ、被加工部材と貼り合せた後、活性エネルギー線を照射することにより粘着剤層が硬化して粘着力が低下し、容易に被加工部材から剥離することができるものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、光重合開始剤(C)および架橋剤(D)を含有してなるものである。以下、各成分について説明する。
[アクリル系樹脂(A)]
本発明で用いるアクリル系樹脂(A)とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーと共重合可能なモノマーを重合させて得られる熱可塑性樹脂である。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーとしては、アルキル基の炭素数が、通常1~20、好ましくは1~12、さらには1~8、殊には4~8であることが好ましい。炭素数が大きすぎると、剥離性が低下する傾向にあり、被加工部材を汚染しやすくなる傾向がある。
具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート(SPa:10.560、SPma:9.933)、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート(SPa:9.769、SPma:9.447)、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート(SPa:9.221)、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の脂肪族の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において( )内のSPaとはアクリレートの溶解度パラメータにおけるSP値を、SPmaとはメタクリレートの溶解度パラメータにおけるSP値をそれぞれ示し、単位は、(cal/cm31/2である。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーのなかでも、共重合性、粘着特性、取り扱いやすさおよび原料入手しやすさの点で、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
アクリル系樹脂(A)の重合成分における上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーの含有量は、通常10~99重量%であることが好ましく、特に好ましくは20~98重量%、さらに好ましくは30~97重量%である。かかる含有量が少なすぎると、活性エネルギー線照射前の粘着力が低下しやすくなる傾向にあり、多すぎると活性エネルギー線照射前の粘着力が高くなりすぎる傾向がある。
上記共重合可能なモノマーとしては、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、その他の共重合性モノマー等を挙げることができる。
上記水酸基含有モノマーは、水酸基含有(メタ)アクリレート系モノマーであることが好ましく、具体的には、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(SPa:13.470)、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸等の1級水酸基含有モノマー;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2-ジメチル2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマー等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記水酸基含有モノマーのなかでも、後述の架橋剤(D)との反応性に優れる点で、1級水酸基含有モノマーが好ましく、より好ましくは2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、特に好ましくは2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
アクリル系樹脂(A)の重合成分における上記水酸基含有モノマーの含有量は、通常0.1~40重量%であり、好ましくは0.5~30重量%、より好ましくは1~20重量%である。かかる含有量が多すぎると、乾燥工程前に架橋が進行し、塗工性に問題が生じやすくなる傾向があり、少なすぎると架橋度が低下し、被加工部材への汚染性が増大しやすくなる傾向がある。
上記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(SPa:14.040)、(メタ)アクリル酸ダイマー、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミドN-グリコール酸、ケイ皮酸等が挙げられる。なかでも共重合性の点で(メタ)アクリル酸が好ましく用いられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合成分における上記カルボキシ基含有モノマーの含有量は、通常30重量%以下であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。かかる含有量が多すぎると、被加工部材を変質させやすい傾向がある。
本発明で用いるアクリル系樹脂(A)は、共重合可能なモノマーとして、上記水酸基含有モノマーおよびカルボキシ基含有モノマー以外に、その他の共重合性モノマーを適宜含有してもよい。
上記その他の共重合性モノマーとしては、例えば、
2-(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等のアセトアセチル基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等のグリシジル基含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルモノマー;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α-メチルスチレン等の芳香環を含有するモノマー;
ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のビフェニルオキシ構造含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;
エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、n-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、(メタ)アクリルアミドN-メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー;
2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基またはオキシアルキレン基を含有するモノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル系樹脂(A)の重合成分における上記その他の共重合性モノマーの含有量としては、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。その他の共重合性モノマーが多すぎると粘着特性が低下しやすくなる傾向がある。
本発明で用いるアクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー、重合可能なモノマーを適宜選択して重合することにより得ることができる。ただし、上記アクリル系樹脂(A)は、アクリル系樹脂の重合時の安定性の点から側鎖にラジカル重合性基を含有しないものとなるよう各モノマーを選択することが好ましい。
上記アクリル系樹脂(A)を得るための重合法としては通常、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の方法により適宜行うことができる。なかでも溶液ラジカル重合が、任意のモノマー組成で安全かつ安定的に、アクリル系樹脂(A)を製造できるため好ましい。
上記溶液ラジカル重合は、例えば、有機溶剤中に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー、共重合可能なモノマー等の重合成分および重合開始剤を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは通常50~98℃で0.1~20時間程度重合すればよい。
上記重合反応に用いられる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が具体例として挙げられる。
このようにして、本発明で用いるアクリル系樹脂(A)を得ることができる。
上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、活性エネルギー線照射後の粘着力をより低下させる点から比較的低めの温度、好ましくは-70~-40℃であり、より好ましくは-65~-45℃、さらに好ましくは-60~-50℃である。ガラス転移温度が高すぎると粘着特性が低下する傾向があり、低すぎると被加工部材への汚染性が高くなる傾向がある。
なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、アクリル系樹脂(A)を構成するそれぞれのモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度および重量分率を、下記のFoxの式に当てはめて算出した値である。
ここで、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K 7121-1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
Figure 0007255373000001
また、上記アクリル系樹脂(A)の溶解度パラメータにおけるSP値は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)との相溶性に優れる点から、9.0(cal/cm31/2以上、好ましくは9.2(cal/cm31/2以上、特に好ましくは9.3(cal/cm31/2以上であり、一方、好ましくは11(cal/cm31/2以下、特に好ましくは10.8(cal/cm31/2以下、更に好ましくは10.5(cal/cm31/2以下である。かかるSP値が低すぎる場合は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)との相溶性が低くなり、被加工部材に対する汚染性が高くなる傾向がある。また、SP値が高すぎる場合は、粘着剤とした時の粘着特性が低くなる傾向がある。
上記溶解度パラメータにおけるSP値は、アクリル系樹脂(A)を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー、共重合可能なモノマーの蒸発エネルギー(ΔE)とモル容積(ΔV)およびモル比から求めることができ、具体的には、下記式(1)により求めることができる。
Figure 0007255373000002
本発明で用いるアクリル系樹脂(A)は、一般的に活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物に用いられているアクリル系樹脂よりも、ガラス転移温度(Tg)および溶解度パラメータにおけるSP値が低いことが好ましい。すなわち、本発明で用いるアクリル系樹脂(A)は、極性が低いことが好ましい。そして、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、極性の低いアクリル系樹脂(A)を含有することにより、活性エネルギー照射後の剥離応力が低くなり、より剥離性に優れるものとすることができる。
上記極性が低いアクリル系樹脂(A)は、例えば、溶解度パラメータにおけるSP値が低い重合成分を適宜選択し、重合させることにより得ることができる。
上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、通常1万~250万、好ましくは10万~200万、特に好ましくは15万~150万、殊に好ましくは20万~120万である。重量平均分子量が小さすぎると、被加工部材に対する耐汚染性が低くなる傾向があり、大きすぎると塗工性が低下しやすくなる傾向があり、またコストの面で不利となる傾向がある。
さらに、アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、20以下であることが好ましく、特には10以下が好ましく、さらには7以下が好ましく、殊には5以下が好ましい。かかる分散度が高すぎると被加工部材への汚染性が増大する傾向がある。なお、分散度の下限は、製造の限界の点から、通常1.1である。
上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF-806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100~2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)を3本直列にして用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法によって得られる。
[ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)]
本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、カルバメート基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、一般的にウレタン(メタ)アクリレート系化合物の反応成分として用いられるジオールを用いず、モノオールを用いるものであり、ポリイソシアネート(b1)中のイソシアネート基と、モノオール(b2)および、水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)の有する水酸基とが、それぞれウレタン結合を形成しているものである。
なお、本発明においてウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ポリイソシアネート(b1)としては、例えば、
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;
水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式系ポリイソシアネート;
あるいはこれらポリイソシアネートの3量体化合物または多量体化合物、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業社製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等)
等が挙げられる。これらのポリイソシアネート(b1)は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらのなかでも、反応性および汎用性に優れる点で、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式系ジイソシアネートが好ましく、特に好ましくはイソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートであり、さらに好ましくは、イソホロンジイソシアネートである。
上記モノオール(b2)としては、水酸基を1個含有する化合物であればよいが、炭素数4以上であることが好ましく、より好ましくは炭素数4~20、特に好ましくは炭素数5~18、殊に好ましくは炭素数6~16である。
また、上記モノオール(b2)としては、例えば、脂肪族モノオール、芳香族モノオール、脂環式モノオール、ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。上記モノオール(b2)は、単独でもしくは2種類以上を併用してもよい。
上記脂肪族モノオールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノール、1-ヘキサデカノール、1-ヘプタデカノール、1-オクタデカノール、1-ノナデカノール、1-エイコサノール、1-ヘキサコサノール、1-ヘプタトリコンタノール、2-オクチルドデカノール等の直鎖飽和脂肪族モノオール、1-オレイルアルコール等の直鎖不飽和脂肪族モノオール、2-エチルヘキサノール、2-ヘキシルデカノール、イソオクタデカノール、3,5-ジメチル-1-ヘキサノール、2,2,4-トリメチル-1-ペンタノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール等の分岐鎖飽和脂肪族モノオール等が挙げられる。
上記芳香族モノオールとしては、例えば、フェノール、クレゾール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
上記脂環式モノオールとしては、例えば、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、上記脂肪族モノオールとポリオキシプロピレングリコールとの反応物が挙げられ、具体的には、ポリオキシプロピレンメチルエーテル、ポリオキシプロピレンエチルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレン-2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレン-2-オクチルドデカエーテル等が挙げられる。
上記モノオール(b2)の重量平均分子量としては、通常60~10,000であり、好ましくは100~8,000、より好ましくは120~6,000である。モノオール(b2)の重量平均分子量が大きすぎると、得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)とアクリル系樹脂(A)とが均一に混合しにくくなり、被加工部材への糊残りが生じやすくなる傾向がある。また、モノオール(b2)の重量平均分子量が小さすぎると、活性エネルギー線照射後に粘着剤層にクラックが発生しやすくなる傾向がある。
これらのモノオール(b2)のなかでも、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の極性を低くすることができ、アクリル系樹脂(A)との相溶性に優れる点から、炭素数4以上の直鎖アルキル鎖を有するモノオールが好ましく、より好ましくは炭素数4以上の直鎖アルキル基を有する脂肪族モノオールであり、特に好ましくは、炭素数4以上の直鎖アルキル基を有する直鎖不飽和脂肪族モノオールであり、殊に好ましくは、1-デカノール、1-オクタノールである。
水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)としては、水酸基を1個有するものが好ましく、例えば、
グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイル-オキシプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和基を2個含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3個以上含有する水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物
等が挙げられる。これらの水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらのなかでも、反応性および汎用性に優れる点で、エチレン性不飽和基を3個以上含有する水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)が好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、以上のような成分を、公知の反応手段により反応させることで製造することができ、通常、上記ポリイソシアネート(b1)、モノオール(b2)および水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)を、反応器に一括または別々に仕込み公知の反応手段によりウレタン化反応させて製造することができる。
なかでも、ポリイソシアネート(b1)と水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)とを予め反応させて得られる反応生成物に、モノオール(b2)を反応させる方法が、ウレタン化反応の安定性や副生成物の低減等の点で有用である。
上記の方法について、ポリイソシアネート(b1)と水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)との反応モル比は、例えば、ポリイソシアネート(b1)のイソシアネート基が2個である場合は、ポリイソシアネート:水酸基含有(メタ)アクリレートが1:1程度であり、ポリイソシアネート(b1)のイソシアネート基が3個である場合は、ポリイソシアネート:モノオール(b2)が1:1~2程度である。上記反応により反応生成物であるイソシアネート基を残存させた末端イソシアネート基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物を得ることができる。
また、上記反応生成物と、モノオール(b2)との反応モル比は、例えば、ポリイソシアネート(b1)のイソシアネート基が2個である場合は、反応生成物:モノオール(b2)が1:1程度であり、ポリイソシアネート(b1)のイソシアネート基が3個である場合は、反応生成物:モノオール(b2)が1:1~2程度である。
上記のウレタン化反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が得られる。
上記ウレタン化反応においては、反応を促進する目的で反応触媒を用いることが好ましく、かかる反応触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ-n-ブチル錫等の有機金属化合物、オクテン酸亜鉛、オクテン酸錫、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N-エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2-エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒、無機ジルコニウム、有機ジルコニウム、ジルコニウム単体等のジルコニウム系触媒、2-エチルヘキサン酸亜鉛/ジルコニウムテトラアセチルアセトナート等の2種類以上の触媒を併用したものが挙げられる。なお、これらの触媒は1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの触媒のなかでも、ジブチル錫ジラウレート、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン、2-エチルヘキサン酸ビスマス塩が好適である。
上記ウレタン化反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
また、反応温度は、通常30~90℃、好ましくは40~80℃であり、反応時間は、通常2~10時間、好ましくは3~8時間である。
このようにして得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、カルバメート基の末端全てに(メタ)アクリロイル基を有する一般的なウレタン(メタ)アクリレート系化合物とは異なり、カルバメート基の末端の一部にモノオール(b2)由来の構造単位を有するものである。そのため、一般的なウレタン(メタ)アクリレート系化合物よりも極性を低くすることができ、アクリル系樹脂(A)との相溶性に優れる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、活性エネルギー線照射後の剥離性に優れる点から、エチレン性不飽和基数が1分子あたり2~8個であることが好ましく、3~7個であることがより好ましい。
かかるエチレン性不飽和基数が多すぎると活性エネルギー線照射後の架橋密度が大きくなりすぎて、粘着剤層にクラックが発生しやすくなる傾向があり、少なすぎると充分な架橋密度が得られないため、活性エネルギー線照射後に剥離しにくくなる傾向がある。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の重量平均分子量は、通常500~10,000、好ましくは750~8,000、より好ましくは1,000~6,000である。かかる重量平均分子量が高すぎるとウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の粘度が高くなり、アクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、被加工部材への粘着剤層の部分的な残留(糊残り)が生じやすくなる傾向がある。重量平均分子量が低すぎると粘着シートからウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)がブリードして糊残りが生じやすくなる傾向がある。
なお、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(Waters社製、「ACQUITY APCシステム」)に、カラム:ACQUITY APC XT 450×1本、ACQUITY APC XT 200×1本、ACQUITY APC XT 45×2本を4本直列にして用いることにより測定される。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の溶解度パラメータにおけるSP値は、通常8~13(cal/cm31/2、好ましくは8.5~11.0(cal/cm31/2、特に好ましくは9.0~10.8(cal/cm31/2である。SP値が上記の範囲外である場合は、アクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、粘着剤層とした時の粘着特性が低下する傾向がある。なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)のSP値は、分子構造からFedorsによる方法により計算によって求めることができる。
また、前記アクリル系樹脂(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)とのSP値の絶対差〔|(A)-(B)|〕は、通常3以下、好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下、特に好ましくは0.8以下である。SP値の絶対差が上記の範囲外である場合は、アクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、粘着剤層とした時の粘着特性が低下する傾向がある。
本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の60℃における粘度は、500~100,000mPa・sであることが好ましく、特に好ましくは1,000~50,000mPa・sである。かかる粘度が上記範囲外では、塗工性が低下する傾向がある。なお、粘度はE型粘度計により測定することができる。
本発明においてウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量は、通常、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して5~100重量部であり、好ましくは10~80重量部、特に好ましくは20~60重量部である。ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量が少なすぎると活性エネルギー線照射後に剥離しにくくなる傾向があり、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量が多すぎると活性エネルギー線照射後に粘着剤層にクラックが発生しやすくなる傾向がある。
[光重合開始剤(C)]
本発明で用いる光重合開始剤(C)は、光の作用によりラジカルを発生するものであればよく、例えば、
ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;
ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルサルファイド、3,3',4,4'-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4-ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;
2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-(3-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシ)-3,4-ジメチル-9H-チオキサントン-9-オンメソクロリド等のチオキサントン類;
2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類
等が挙げられる。なかでも、アセトフェノン類が好ましく、特に好ましくは1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。なお、これら光重合開始剤(C)は、単独で用いるか、または2種以上を併用することができる。
また、これら光重合開始剤(C)の助剤として、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4'-ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン、2-ジメチルアミノエチル安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸(n-ブトキシ)エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。これらの助剤も単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
光重合開始剤(C)の含有量は、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の合計(後述するエチレン性不飽和化合物を用いる場合には、エチレン性不飽和化合物も含める)100重量部に対して、0.1~20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.5~15重量部、殊に好ましくは1~10重量部である。光重合開始剤(C)の含有量が少なすぎると活性エネルギー線照射後の剥離性が低下しやすくなる傾向があり、多すぎると活性エネルギー線照射後に被加工部材に対する汚染性が高くなる傾向がある。
[架橋剤(D)]
上記架橋剤(D)としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤等が挙げられる。これらのなかでも、剥離型粘着シートの基材シートとの接着性を向上させる点やアクリル系樹脂(A)との反応性の点から、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
また、これらの架橋剤(D)は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。
これらのなかでも薬剤耐性や官能基との反応性の点でヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、2,4-トリレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体、2,4-トリレンジイソシアネートおよび2,6-トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、テトラメチルキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体が好ましい。
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、1,3'-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン等が挙げられる。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
上記オキサゾリン系架橋剤としては、例えば、2,2'-ビス(2-オキサゾリン)、1,2-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)エタン、1,4-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ブタン、1,8-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ブタン、1,4-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)シクロヘキサン、1,2-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ベンゼン等の脂肪族あるいは芳香族を含むビスオキサゾリン化合物、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリン等の付加重合性オキサゾリンの1種または2種以上の重合物等が挙げられる。
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記アミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
上記架橋剤(D)の含有量は、通常、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の合計(後述するエチレン性不飽和化合物を用いる場合には、エチレン性不飽和化合物も含める)100重量部に対して、0.1~30重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.2~20重量部、さらに好ましくは0.3~15重量部である。架橋剤(D)が少なすぎると、粘着剤の凝集力が低下し、糊残りの原因となる傾向があり、架橋剤(D)が多すぎると、柔軟性および粘着力が低下し、被加工部材との間に浮きが生じる傾向がある。
[エチレン性不飽和化合物]
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、活性エネルギー線照射後の剥離特性の点からエチレン性不飽和化合物を含有することも好ましい。上記エチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を有する化合物であれば、特に限定されずに用いることができ、なかでも、(メタ)アクリレート系化合物であることが好ましい。なお、上記エチレン性不飽和化合物は、前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)を除くものである。
上記エチレン性不飽和化合物は、活性エネルギー線照射後の剥離特性に優れる点で、エチレン性不飽和基数が、1分子あたり通常2~10個であり、好ましくは、3~9個、特に好ましくは4~8個である。かかるエチレン性不飽和基数が多すぎると活性エネルギー線照射後の架橋密度が大きくなりすぎて、粘着剤層にクラックが発生しやすくなる傾向にあり、少なすぎると充分な架橋密度が得られないため、活性エネルギー線照射後に剥離しにくくなる傾向にある。
上記エチレン性不飽和化合物の溶解度パラメータにおけるSP値は、通常8~12(cal/cm31/2、好ましくは9~11.5(cal/cm31/2、特に好ましくは9.5~11(cal/cm31/2である。SP値が上記の範囲外である場合は、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)との相溶性が低下し、粘着剤とした時の粘着特性が低下する傾向がある。なお、上記エチレン性不飽和化合物のSP値は、分子構造からFedorsによる方法により計算によって求めることができる。
また、前記アクリル系樹脂(A)とエチレン性不飽和化合物とのSP値の絶対差〔|(A)-エチレン性不飽和化合物|〕は、通常3以下、好ましくは1以下、さらに好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.5以下である。SP値の絶対差が上記の範囲外である場合は、アクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、粘着剤層とした時の粘着特性が低下する傾向がある。
上記エチレン性不飽和化合物としては、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート等のエチレン性不飽和基を2個有する化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等のエチレン性不飽和基を3個有する化合物;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を4個以上有する化合物
等が挙げられる。
また、エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸のミカエル付加物あるいは2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも併用可能であり、かかる(メタ)アクリル酸のミカエル付加物としては、(メタ)アクリル酸ダイマー、(メタ)アクリル酸トリマー、(メタ)アクリル酸テトラマー等が挙げられる。
上記2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルは、特定の置換基をもつカルボン酸であり、例えば2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。さらに、その他オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
これらのなかでも、活性エネルギー線照射後の粘着特性に優れることから、水酸基を有さないエチレン性不飽和化合物が好ましく、より好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートであり、特に好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートである。上記エチレン性不飽和化合物は、単独でもしくは2種以上を併用してもよい。
また、本発明においては、エチレン性不飽和化合物から(メタ)アクリル酸を除いた化合物の骨格と、前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)から(メタ)アクリル酸を除いた化合物の骨格とが互いに同一であることが、相溶性および粘着特性に優れる点で好ましい。
上記エチレン性不飽和化合物の含有量は、通常、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して5~100重量部であり、好ましくは10~80重量部、特に好ましくは20~60重量部である。エチレン性不飽和化合物の含有量が少なすぎると活性エネルギー線照射後に剥離しにくくなる傾向があり、多すぎると剥離後の被加工部材に対する耐汚染性が低下する傾向がある。
[その他の成分]
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、例えば、少量の単官能モノマー、帯電防止剤、酸化防止剤、可塑剤、充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等の添加剤をさらに含有していてもよく、これらの添加剤は1種を単独でまたは2種以上を併せて用いることができる。特に酸化防止剤は、粘着剤層の安定性を保つのに有効である。酸化防止剤を配合する場合の含有量は、特に制限はないが、好ましくは活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物に対して0.01~5重量%である。
なお、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物には、上記添加剤の他にも、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されていてもよい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、活性エネルギー線照射後に被加工部材に対する耐汚染性が低くなる点から、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、クロマン系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂等の粘着付与樹脂を含まないことが好ましい。
かくして、アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、光重合開始剤(C)および架橋剤(D)、必要に応じて、エチレン性不飽和化合物、その他の成分等の任意成分を混合することにより、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物が得られる。
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、上記架橋剤(D)により架橋され、剥離型粘着シートの粘着剤層として、好適に用いられる。そして、この剥離型粘着シートは、被加工部材と貼り合せた後、活性エネルギー線照射することにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)〔および、エチレン性不飽和化合物を含有する場合は、エチレン性不飽和化合物〕が重合して粘着剤層が硬化し、粘着力の低下が起こることで剥離性を発揮する。この特性を利用して、各種の被加工部材を加工する際、一時的にその被加工部材の表面を保護する用途に用いられる。
以下、剥離型粘着シートについて説明する。
上記剥離型粘着シートによって保護される被加工部材としては、例えば、半導体ウエハ、プリント基板、ガラス加工品、金属板、プラスチック板等が挙げられる。
上記剥離型粘着シートは、通常、基材シート、本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物からなる粘着剤層、離型フィルムを有する。かかる剥離型粘着シートの作製方法としては、まず本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物をそのまま、または適当な有機溶剤により濃度調整し、離型フィルム上または基材シート上に直接塗工する。その後、例えば80~105℃、0.5~10分間加熱処理等により乾燥させ、これを基材シートまたは離型フィルムに貼付することにより剥離型粘着シートを得ることができる。また、粘着特性のバランスをとるために、乾燥後にさらにエージングを行ってもよい。
上記基材シートとしては、例えば、ポリエチレンナフタート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリイミド等からなる群から選ばれた少なくとも一つの合成樹脂からなるシート;アルミニウム、銅、鉄の金属箔、上質紙、グラシン紙等の紙、硝子繊維、天然繊維、合成繊維等からなる織物や不織布が挙げられる。これらの基材シートは、単層体としてまたは2種以上が積層された複層体として用いることができる。これらのなかでも、軽量化等の点から、合成樹脂からなるシートが好ましい。
さらに、上記離型フィルムとしては、例えば、上記基材シートで例示した各種合成樹脂シート、紙、織物、不織布等に離型処理したものを使用することができる。
また、上記活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物の塗工方法としては、一般的な塗工方法であれば特に限定されることなく、例えば、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。
上記剥離型粘着シートにおける粘着剤層の厚みは、通常、1~200μmであることが好ましく、さらには10~100μmがあることが好ましい。
活性エネルギー線としては、通常、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線を用いることが有利である。
上記紫外線の積算照射量は、通常50~3,000mJ/cm2、好ましくは100~1,000mJ/cm2である。また、照射時間は、光源の種類、光源と粘着剤層との距離、粘着剤層の厚み、その他の条件によっても異なるが、通常は数秒間、場合によっては1秒に満たないごく短時間でもよい。
上記剥離型粘着シートの粘着力は、基材シートの種類、被加工部材の種類等によっても異なるが、活性エネルギー線照射前は、1~30N/25mmが好ましく、さらには1~20N/25mmが好ましい。また、活性エネルギー線照射後の粘着力は、0.01~1N/25mmが好ましく、さらには0.05~0.5N/25mmが好ましい。
また、下記式により求められる活性エネルギー線照射前後の粘着力の変化率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
粘着力の変化率(%)=〔(活性エネルギー線照射前の粘着力-活性エネルギー線照射後の粘着力)/活性エネルギー線照射前の粘着力〕×100
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を、粘着剤層として用いた剥離型粘着シートは、これを被加工部材と貼り合せ、被加工部材の表面を一時的に保護した後に、活性エネルギー線を照射することにより、粘着剤層が硬化して粘着力が低下するため、容易に被加工部材から剥離することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」とあるのは、重量基準を意味する。
実施例および比較例の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物に含有される各成分は以下の通りである。
また、アクリル系樹脂の組成を後記の表1に示す。
<アクリル系樹脂>
[アクリル系樹脂(A-1)]
温度調節機、温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル29部を仕込み、撹拌しながら昇温し、内温が78℃で安定した段階で2-エチルヘキシルアクリレート80部、2-ヒドロキシエチルアクリレート10部、メチルメタクリレート10部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.037部を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下し、還流下で反応させた。次いで、反応開始(還流後)から3.5時間後に酢酸エチル1.5部とAIBN0.025部を溶解させた液を添加した。さらに、反応開始から5.5時間後にトルエン4部とAIBN0.05部を溶解させた液を添加した。反応開始から7.5時間後に酢酸エチル57.5部とトルエン100部を投入し反応を終了させ、溶液状のアクリル系樹脂(A-1)〔SP値:9.74(cal/cm31/2、重量平均分子量:85万、ガラス転移温度:-52℃、樹脂分濃度:35重量%〕を得た。
[アクリル系樹脂(A-2)]
上記アクリル系樹脂(A-1)において、重合成分をn-ブチルアクリレート59部、2-エチルヘキシルアクリレート36部、メチルアクリレート30部、2-ヒドロキシエチルアクリレート5部に変更した以外は同様にして、溶液状のアクリル系樹脂(A-2)〔SP値:9.77(cal/cm31/2、重量平均分子量:90万、ガラス転移温度:-58℃、樹脂分濃度:35重量%〕を得た。
Figure 0007255373000003
<ウレタン(メタ)アクリレート系化合物>
[ウレタンアクリレート(B-1)]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート31.5部、ジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(水酸基価48mgKOH/g)51.7部、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.06部、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.01部、溶剤として酢酸エチルを10部仕込み、60℃で反応させた。ついで、この系に1-デカノール6.8部仕込み、残存イソシアネート基が0.3重量%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B-1)〔SP値:10.34(cal/cm31/2、重量平均分子量:2,000、樹脂分濃度:90重量%、エチレン性不飽和基:5個〕を得た。
[ウレタンアクリレート(B-2)]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート31.9部と、ジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(水酸基価48mgKOH/g)52.4部を仕込み、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.06部、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.01部、溶剤として酢酸エチルを10部仕込み60℃で反応させた。ついで、この系に1-オクタノール5.8部仕込み、残存イソシアネート基が0.3重量%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B-2)〔SP値:10.36(cal/cm31/2、重量平均分子量:2,000、樹脂分濃度:90重量%、エチレン性不飽和基:5個〕を得た。
[ウレタンアクリレート(B-3)]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート31.9部、ジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(水酸基価48mgKOH/g)52.4部、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.06部、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.01部、溶剤として酢酸エチルを10部仕込み、60℃で反応させた。ついで、この系に2-エチルヘキサノールを5.7部仕込み、残存イソシアネート基が0.3重量%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B-3)〔SP値:10.35(cal/cm31/2、重量平均分子量:2,000、樹脂分濃度:90重量%、エチレン性不飽和基:5個〕を得た。
[ウレタンアクリレート(B’-1)]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート8.6部、ジペンタエリスリトールのアクリル酸付加物(水酸基価48mgKOH/g)91.4部、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.06部、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.01部仕込み、60℃で反応させた。残存イソシアネート基が0.3重量%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B’-1)〔SP値:10.51(cal/cm31/2、重量平均分子量:2,000、エチレン性不飽和基:10個〕を得た。
<光重合開始剤>
[光重合開始剤(C-1)]
・オムニラッド184(IGM RESIN社製)
<架橋剤>
[架橋剤(D-1)]
・コロネートL-55E(イソシアネート系架橋剤、東ソー社製)
<実施例1>
〔活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物の調製〕
上記アクリル系樹脂(A-1)285.7部(樹脂分100部)、ウレタンアクリレート(B-1)111.1部(樹脂分100部)、光重合開始剤(C-1)4.2部、架橋剤(D-1)12.0部(有効成分換算で4.0部)、希釈溶剤として酢酸エチル45部を混合し、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を得た。
〔剥離型粘着シートの作製〕
得られた活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を、基材シートとして、易接着ポリエチレンテレフタレートフィルム(膜厚50μm)(東レ社製、「ルミラーT60」)上に、アプリケーターで塗工した後、100℃で3分間乾燥し、離型フィルム(三井化学東セロ社製、「SP-PET 38 01-BU」)に貼付し、40℃にて3日間エージングすることにより、剥離型粘着シート(粘着剤層の厚み25μm)を得た。
得られた剥離型粘着シートを用いて下記の評価を行った。
〔紫外線(UV)照射前の粘着力〕
上記で得られた剥離型粘着シートから25mm×100mmの大きさの試験片を作製し、離型フィルムを剥がしたうえで、ステンレス板(SUS304BA板)に23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて質量2kgのゴムローラーを2往復させて加圧貼付し、同雰囲気下で30分間静置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
〔紫外線(UV)照射後の粘着力〕
上記で得られた剥離型粘着シートから25mm×100mmの大きさの試験片を作製し、離型フィルムを剥がしたうえで、ステンレス板(SUS304BA板)に23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて質量2kgのゴムローラーを2往復させて加圧貼付し、同雰囲気下で30分間静置した後、80Wの高圧水銀灯、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で紫外線照射(積算照射量200mJ/cm2)を行った。さらに23℃、相対湿度50%の雰囲気下で30分間静置した後、剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
上記の紫外線(UV)照射前の粘着力と照射後の粘着力から照射前後の粘着力の変化率を算出し、下記の通り評価した。

粘着力の変化率(%)=〔(UV照射前の粘着力-UV照射後の粘着力)
/UV照射前の粘着力〕×100
(評価基準)
◎・・・UV前後の粘着力の変化率が80%以上
○・・・UV前後の粘着力の変化率が70%以上、80%未満
△・・・UV前後の粘着力の変化率が60%以上、70%未満
×・・・UV前後の粘着力の変化率が60%未満
〔耐汚染性:紫外線(UV)照射前〕
異物が付着していない4インチ角のステンレス板(SUS304BA板)の表面に、上記で得られた剥離型粘着シートを貼付し、23℃、相対湿度65%の雰囲気下に1時間静置した後、ステンレス板の表面から剥離型粘着シートを剥離し、剥離後のステンレス板について、目視にて以下のように評価した。
(評価基準)
○・・・糊残りなし
△・・・わずかに糊残りあり
×・・・糊残りあり
〔耐汚染性:紫外線(UV)照射後〕
異物が付着していない4インチ角のステンレス板(SUS304BA板)の表面に、上記で得られた剥離型粘着シートを貼付し、23℃、相対湿度65%の雰囲気下に1時間静置した後、80Wの高圧水銀灯、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で紫外線照射(積算照射量200mJ/cm2)を行った。その後、ステンレス板の表面から剥離型粘着シートを剥離し、剥離後のステンレス板について、目視にて以下のように評価した。
(評価基準)
○・・・糊残りなし
△・・・わずかに糊残りあり
×・・・糊残りあり
〔ヘイズ値〕
剥離フィルムを剥がした剥離型粘着シートの拡散透過率および全光線透過率を、HAZE MATER NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定し、得られた拡散透過率と全光線透過率の値を下記式に代入してヘイズ値を求めた。なお、ヘイズ値が高い程、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物中の各成分が均一でないことを意味する。また、ヘイズ値は基材シートを含む値である。
ヘイズ値(%)=(拡散透過率/全光線透過率)×100
(評価基準)
◎・・・ヘイズ値が5%未満
○・・・ヘイズ値が5%以上、10%未満
△・・・ヘイズ値が10%以上、20%未満
×・・・ヘイズ値が20%以上
<実施例2~6、比較例1>
各成分を下記表2の通りに配合した以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物を得た。また、得られた実施例および比較例の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物について実施例1と同様の評価を行なった。実施例および比較例の評価結果を実施例1の評価結果とともに後記表3に示す。
Figure 0007255373000004
Figure 0007255373000005
上記の結果より、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物として、従来一般的に用いられてきたウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用いた比較例では、粘着剤組成物の相溶性が満足せず、紫外線照射前後の粘着力変化率も不充分なものとなったのに対して、特定構造のウレタン(メタ)アクリレートを用いた実施例においては、粘着剤組成物の相溶性が良好となり、紫外線照射前後の粘着力変化率も大きくなり、更に耐汚染性も良好であり、活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物として非常に有用であることがわかる。
本発明の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物は、半導体ウエハ、プリント基板、ガラス加工品、金属板、プラスチック板等を加工する際の一時的な表面保護用粘着フィルムに好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. アクリル系樹脂(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、光重合開始剤(C)および架橋剤(D)を含有する活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物であって、
    上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が、ポリイソシアネート(b1)中のイソシアネート基と、モノオール(b2)および、水酸基含有(メタ)アクリレート(b3)の有する水酸基とが、それぞれウレタン結合を形成したウレタン(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  2. 上記モノオール(b2)が炭素数4以上の直鎖アルキル鎖を有するモノオールであることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  3. 上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)のエチレン性不飽和基数が1分子あたり2~8個であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  4. 上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が、-70~-40℃であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  5. 上記アクリル系樹脂(A)の溶解度パラメータにおけるSP値が、9.0(cal/cm31/2以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  6. 上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の溶解度パラメータにおけるSP値が、8~13(cal/cm31/2であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  7. 上記架橋剤(D)が、イソシアネート系架橋剤であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性剥離型粘着剤組成物が架橋剤(D)により架橋されてなる粘着剤層を有することを特徴とする剥離型粘着シート。
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