JP7208113B2 - メカニカルシール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばポンプなどに用いられるメカニカルシール装置に関する。
例えば、流体を増圧するポンプ装置として、回転軸を回転させるモータと、回転軸により羽根車を回転させて流体を増圧するポンプとを備えた水中ポンプ装置が知られている。このような水中ポンプ装置は、モータケーシング及びポンプケーシングと回転軸との軸封を行う軸封装置(メカニカルシール装置)が用いられている。
この軸封装置は、メカニカルシールと、メカニカルシールを収容するハウジングと、を備えている。メカニカルシールは、ポンプケーシング及び回転軸、並びに、モータケーシング及び回転軸をそれぞれ軸封するために、固定環及び回転環を二つ有するものが用いられる。これら固定環及び回転環は、互いに摺動することで軸封を行うことから、固定環及び回転環の摺動面の潤滑と冷却を行うために、ハウジング内にオイル室が形成され、当該オイル室内に所定量の潤滑油が貯留される。
この潤滑油は、回転軸における軸封装置の摺動面の発熱やモータの発熱による膨張率を見込んで、オイル室全容積の80%程度としてオイル室内の上方部に空気溜りを保有させている場合がある。また、オイル室内の潤滑油は、長期間使用すると封入液量が減少する。このため、上方に位置する固定環及び回転環の摺動面は、貧潤滑となる可能性があり、その摺動及び熱により寿命が低減する可能性がある。
そこで、オイル室内におけるダブル型軸封装置(ダブルメカニカルシール装置)の外側を環状壁体で囲繞し、環状壁体の上端縁とモータ側ハウジングとの当接面に沿って上部のオイル流通溝を設け、環状体壁体の下端縁とポンプ側ハウジングとの当接面に沿って下部のオイル流通溝を設け、下部のシールリングとベローズを一体に結合させる下部リテーナの外周に、ポンプ軸と共に回転して環状壁体内の潤滑油を揚送させる軸流型の羽根車を装着させたもの知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、潤滑油が貯留されたシールケーシング内を上下方向に挿通する回転軸とシールケーシングとの間を軸封する軸封装置が、シールケーシングの、挿通された回転軸の上方の周囲に固定される固定環と、回転軸に固定されて固定環と摺動する回転環と、回転環を固定環に付勢するとともに、潤滑油を固定環及び回転環に供給する付勢部材と、を備えるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
実用新案登録第3051967号公報 特開2014-142051号公報
しかしながら、上述した特許文献1の軸封装置のように、羽根車等の部品を追加した場合には、部品点数が増加するとともに、部品の付け忘れにより性能が低下する可能性がある。
一方、上述した特許文献2の軸封装置のように、回転環を固定環に付勢する付勢部材を全体的に変形させ、オイル室内の潤滑油を上部に揚げる構造の場合には、付勢部材全体が潤滑油を持ち上げるため潤滑油の流れの影響を受け、付勢部材の荷重が下方に多くかかってしまう。そのため、下部の固定環及び回転環の摺動面に過剰な荷重がかかり、摺動面が過剰摩耗したり、上部の固定環及び回転環の摺動面には必要荷重がかからなかったりすることで、軸封装置が充分にシールできない可能性がある。更に、付勢部材の断面がL字状に形成されて内側のみ開放されている場合には、上部に揚げられた潤滑油がそのまま内側に落ちて、再度揚げられるような構成となっており、潤滑油の入替えが少なく、冷却効果が期待できなかった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、部品を追加することなく、固定環及び回転環の摺動面を潤滑し、冷却・放熱効果を向上させることができるメカニカルシール装置を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 潤滑液が貯留されたハウジング内を上下方向に挿通する回転軸の上方と前記ハウジングの上部ハウジング壁との間を軸封する第1メカニカルシールと、前記回転軸の下方と前記ハウジングの下部ハウジング壁との間を軸封する第2メカニカルシールと、前記上部ハウジング壁に固定される前記第1メカニカルシールの第1固定環と、前記下部ハウジング壁に固定される前記第2メカニカルシールの第2固定環と、前記回転軸に固定され、前記第1固定環と摺動する第1回転環と、前記回転軸に固定され、前記第2固定環と摺動する第2回転環と、前記回転軸に巻装され、前記第1回転環及び前記第2回転環をそれぞれ対応する前記第1固定環及び前記第2固定環に付勢するとともに、上方及び下方のうち少なくとも下方のスプリング端部を径方向外方に突出させたコイルスプリングと、を備えることを特徴とするメカニカルシール装置。
上記(1)の構成のメカニカルシール装置によれば、回転軸が回転されて第1回転環及び第2回転環が回転すると、コイルスプリングも回転することとなる。このコイルスプリングの少なくとも下方のスプリング端部は、常に潤滑液中に浸漬されている。そして、コイルスプリングが回転すると、コイルスプリングの径方向外方に突出したスプリング端部が、スプリング荷重に影響なく、ハウジング内の潤滑液に乱流を起こし、液面を波立たせる。そこで、潤滑液中に第1メカニカルシールが浸漬されていなくとも、液面が波立った潤滑液は、第1メカニカルシールに対してランダムに接触することができ、第1固定環及び第1回転環の摺動面を潤滑し、冷却・放熱効果を向上させることができる。
(2) 上方及び下方の前記スプリング端部が、前記コイルスプリングのコイル巻方向とは逆向きに向ってそれぞれ折り曲げ形成されていることを特徴とする上記(1)に記載のメカニカルシール装置。
上記(2)の構成のメカニカルシール装置によれば、コイルスプリングの両端にスプリング端部が設けられる際、それぞれのスプリング端部がコイルスプリングのコイル巻方向とは逆向きに向って折り曲げ形成される。そこで、上方のスプリング端部と下方のスプリング端部とでは、コイルスプリングが回転された際に周方向面(潤滑液と対向する面)が潤滑液に対して作用する方向がそれぞれ外径側と内径側とに分かれることとなり、ハウジング内の潤滑液に乱流が起こり易くなる。また、コイルスプリングは、上下反転した際の形状が同一となる。そこで、コイルスプリングを回転軸に巻装する際の取付方向指定が必要なくなり、組付け性が低下することがない。
(3) 前記スプリング端部が、軸方向に沿ってコイルスプリング中央側に折り曲げ形成されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のメカニカルシール装置。
上記(3)の構成のメカニカルシール装置によれば、スプリング端部がコイルスプリング中央側に折り曲げ形成されることで、コイルスプリングの端部側に隣接して設置されているメカニカルシールの構成部材に干渉することがなく、他の構成部材への影響が少ない。
(4) 前記スプリング端部の周方向面が、前記回転軸の回転方向と交差する平面を有することを特徴とする上記(1)~(3)の何れか1つに記載のメカニカルシール装置。
上記(4)の構成のメカニカルシール装置によれば、スプリング端部に形成された平面が、コイルスプリングが回転された際に潤滑液に対して抗するように作用し、ハウジング内の潤滑液に乱流が起こり易くなる。
本発明に係るメカニカルシール装置によれば、部品を追加することなく、固定環及び回転環の摺動面を潤滑し、冷却・放熱効果を向上させることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の一実施形態に係るメカニカルシール装置の概略断面図である。 図1に示したメカニカルシール装置を備えた水中ポンプの一例を示す要部断面図である。 (a)及び(b)は図1に示したコイルスプリングの斜視図及び正面図である。 本実施形態に係るメカニカルシール装置の作用を説明する水中ポンプの要部拡大断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るメカニカルシール装置20の概略断面図である。図2は、図1に示したメカニカルシール装置20を備えた水中ポンプの一例を示す要部断面図である。
本実施形態に係るメカニカルシール装置20は、例えば水中ポンプのポンプ室2内の回転羽根3を駆動させる回転軸7の軸周をシールする軸封装置に好適に用いられる。
図2に示すように、水中ポンプは、モータ室1内の図示しないモータに回動連結されたポンプ室2内で回転する回転羽根3によって、フィルタ4を介して水を吸入口5から吸込み、吐出口6を経て所要部へ送水する。
モータ室1とポンプ室2との間には、モータに回転羽根3を回動連結してなる回転軸7の軸封装置であるメカニカルシール装置20により密封され、該メカニカルシール装置20の潤滑のための潤滑液である潤滑油11が封入された密封油室を画成するハウジング8が形成されている。即ち、潤滑油11が貯留されたハウジング8内を上下方向に回転軸7が挿通している。なお、潤滑液は潤滑油11に限らず、ハウジング8内に貯留された水等でもよい。
図1に示すように、本実施形態のメカニカルシール装置20は、所謂ダブルメカニカルシール装置であり、第1メカニカルシール20aと第2メカニカルシール20bとから構成されている。これら第1メカニカルシール20aと第2メカニカルシール20bとは、基本的には同様な構成を有している。以下の説明では、特に言及しない限りは、同様な構成を有するものとする。
第1メカニカルシール20aは、回転軸7の上方における外周面とハウジング8の上部ハウジング壁であるモータ側ハウジング壁9の内周面との間の隙間をシールする。
第1メカニカルシール20aは、第1弾性シール部材21aと、第1弾性シール部材21aに取り付けられる第1回転環30aと、第1回転環30aに対して摺動する第1固定環40aと、第1固定環40aとモータ側ハウジング壁9との間に取り付けられる第1カップガスケット50aと、を有する。
第2メカニカルシール20bは、回転軸7の下方における外周面とハウジング8の下部ハウジング壁であるポンプ側ハウジング壁10の内周面との間の隙間をシールする。
第2メカニカルシール20bは、第2弾性シール部材21bと、第2弾性シール部材21bに取り付けられる第2回転環30bと、第2回転環30bに対して摺動する第2固定環40bと、第2固定環40bとポンプ側ハウジング壁10との間に取り付けられる第2カップガスケット50bと、を有する。
第1弾性シール部材21aと第2弾性シール部材21bとは、回転軸7の軸心Cに沿って所定間隔で相互に反対方向を向くように回転軸7の外周面に取り付けられている。第1弾性シール部材21aと第2弾性シール部材21bとは、向きが異なる以外は、同様な構成を有する。
第1弾性シール部材21aは、回転軸7の外周面に密着して取り付けられる円筒部22aと、モータ側ハウジング壁9に近い円筒部22aの一端に一体に成形されるベローズ部24aと、を有する。円筒部22aを回転軸7の外周面に密着させるために、円筒部22aの外周面には締付リング23aが配置してあり、円筒部22aを回転軸7の外周面に締め付けている。
ベローズ部24aは、回転軸7の軸心Cの方向に沿って弾性変形可能であり、ベローズ部24aの外周部には、第1回転環30aの背面が凹凸嵌合されている。ベローズ部24aのリング状外周部と、第1回転環30aの外周部とは、第1取付金具60aの上端におけるカシメ部61aにより一体化されて回り止めされている。なお、本実施形態においては、第1回転摺動面32a、第1固定摺動面42a、第2回転摺動面32b及び第2固定摺動面42bにそれぞれ向かう側を前面(前方)と称し、それと反対側を向く面を背面(後方)とする。
第1取付金具60aのカシメ部61aには、ベローズ背面部62aが一体に成形されている。ベローズ背面部62aは、ベローズ部24aの背面(第1回転環30aとの当接面の反対側面)に接触してベローズ部24aを保持する。また、ベローズ背面部62aのカシメ部61aに対し軸方向反対側には、リング嵌合部63aが一体に成形されている。リング嵌合部63aは、締付リング23aに嵌合する。そのため、第1取付金具60aと第1弾性シール部材21aと第1回転環30aとは、一緒になって回転軸7と共に、その軸心C回りに回転可能になっている。
第2弾性シール部材21bは、回転軸7の外周面に密着して取り付けられる円筒部22bと、ポンプ側ハウジング壁10に近い円筒部22bの一端に一体に成形されるベローズ部24bと、を有する。円筒部22bを回転軸7の外周面に密着させるために、円筒部22bの外周面には締付リング23bが配置してあり、円筒部22bを回転軸7の外周面に締め付けている。
ベローズ部24bは、回転軸7の軸心Cの方向に沿って弾性変形可能であり、ベローズ部24bの外周部には、第2回転環30bの背面が凹凸嵌合されている。ベローズ部24bのリング状外周部と、第2回転環30bの外周部とは、第2取付金具60bの下端におけるカシメ部61bにより一体化されて回り止めされている。
第2取付金具60bのカシメ部61bには、ベローズ背面部62bが一体に成形されている。ベローズ背面部62bは、ベローズ部24bの背面(第2回転環30bとの接合当接面の反対側面)に接触してベローズ部24bを保持する。また、ベローズ背面部62bのカシメ部61bに対し軸方向反対側には、リング嵌合部63bが一体に成形されている。リング嵌合部63bは、締付リング23bに嵌合する。そのため、第2取付金具60bと第2弾性シール部材21bと第2回転環30bとは、一緒になって回転軸7と共に、その軸心C回りに回転可能になっている。
第1弾性シール部材21a及び第2弾性シール部材21bは、たとえばゴムや合成樹脂、あるいはバネ材などの弾性変形が可能な材料で構成してある。締付リング23a,23bおよび第1及び第2取付金具60a,60bは、たとえば金属などで構成してある。第1及び第2回転環30a,30bは、たとえばカーボン、SiC、セラミック、あるいは超硬合金などの金属などで構成される。
第1回転環30aの第1回転摺動面32aに摺動する第1固定摺動面42aを持つ第1固定環40aは、第1カップガスケット50aにより保持されている。第1固定環40aの内径は、回転軸7の外径よりも大きく、第1固定環40aと回転軸7との間には、隙間が生じている。この関係は、第1回転環30aと回転軸7との間でも同じである。
第2回転環30bの第2回転摺動面32bに摺動する第2固定摺動面42bを持つ第2固定環40bは、第2カップガスケット50bにより保持されている。第2固定環40bの内径は、回転軸7の外径よりも大きく、第2固定環40bと回転軸7との間には、隙間が生じている。この関係は、第2回転環30bと回転軸7との間でも同じである。
なお、第1及び第2固定環40a,40bは、たとえば第1及び第2回転環30a,30bと同様な材質で構成されるが、必ずしも同一の材質で構成される必要はなく、異なる材質で構成されても良い。
第1固定環40aの第1固定摺動面42aに第1回転環30aの第1回転摺動面32aを密着させるために、また同時に、第2固定環40bの第2固定摺動面42bに第2回転環30bの第2回転摺動面32bを密着させるために、第1取付金具60aと第2取付金具60bとの間には、内径が回転軸よりも大きいコイル状のコイルスプリング70が配置されている。
コイルスプリング70の軸方向の上端は、図1に示すように、第1取付金具60aのベローズ背面部62aに当接し、下端は、第2取付金具60bのベローズ背面部62aに当接する。コイルスプリング70のバネ力は、第1及び第2弾性シール部材21a,21bにおけるそれぞれのベローズ部24a,24bの外周部を介して第1及び第2回転環30a,30bに伝わり、第1回転環30a及び第2回転環30bをそれぞれ対応する第1固定環40a及び第2固定環40bに向けて押圧付勢する。
本実施形態では、図3の(a),(b)に示すように、コイルスプリング70の軸方向の上方及び下方のスプリング端部71a,71bが、コイルスプリング70の径方向外方に突出している。即ち、スプリング端部71a,71bは、コイルスプリング70のコイル巻方向とは逆向きに向ってそれぞれ折り曲げ形成されると共に、コイルスプリング70の軸方向に沿ってコイルスプリング中央(つまり、コイルスプリングの軸方向中心)側にそれぞれ折り曲げ形成され、コイルスプリング70の径方向外方に突出されている。
更に、コイルスプリング70の軸方向の上下端には、ばねの座りを良くするための研削面74a,74bが予め形成されている。そこで、コイル巻方向とは逆向きに向ってそれぞれ折り曲げ形成されると共に、軸方向に沿ってコイルスプリング中央側にそれぞれ折り曲げ形成されたスプリング端部71a,71bの周方向面には、回転軸7の回転方向Xと交差する平面72a,72bがそれぞれ構成される。
次に、上記した実施形態に係るメカニカルシール装置20の作用を説明する。
本実施形態に係るメカニカルシール装置20では、回転軸7が回転されて第1回転環30a及び第2回転環30bが回転すると、コイルスプリング70も回転することとなる。このコイルスプリング70の少なくとも下方のスプリング端部71bは、潤滑油11の充填率や封入液量の減少に関わらず常に潤滑油11中に浸漬されている。
そして、コイルスプリング70が回転すると、コイルスプリング70の径方向外方に突出した少なくとも下方のスプリング端部71bが、ハウジング8内の潤滑油11に乱流を起こし、図4に示すように、液面11aを波立たせる。そこで、潤滑油11中に第1メカニカルシール20aが浸漬されていなくとも、液面11aが波立った潤滑油11は、第1メカニカルシール20aに対してランダムに接触することができ、第1固定環40aの第1固定摺動面42a及び第1回転環30aの第1回転摺動面32aを潤滑し、冷却・放熱効果を向上させることができる。
なお、本実施形態に係るメカニカルシール装置20では、コイルスプリング70の上方のスプリング端部71aも潤滑油11中に浸漬されている。そこで、コイルスプリング70が回転すると、スプリング端部71aもハウジング8内の潤滑油11に乱流を起こすことができ、液面11aを波立たせることに寄与することができる。
また、コイルスプリング70は、スプリング端部71a,71bが潤滑油11に乱流を起こすことで液面11aを波立たせるものであり、コイルスプリング全体を使って潤滑油11を上部に揚げるものではない。そこで、コイルスプリング70のスプリング荷重は、コイルスプリング全体が潤滑油11を持ち上げる場合のような潤滑油11の流れの影響を受けることがない。
また、本実施形態に係るメカニカルシール装置20では、コイルスプリング70の両端にスプリング端部71a,71bが設けられ、それぞれのスプリング端部71a,71bがコイルスプリング70のコイル巻方向とは逆向きに向って折り曲げ形成されている。
そこで、上方のスプリング端部71aと下方のスプリング端部71bとでは、コイルスプリング70が回転軸7の回転方向Xへ回転された際に周方向面(潤滑油11と対向する面)が潤滑油11に対して作用する方向がそれぞれ外径側と内径側とに分かれることとなり、ハウジング8内の潤滑油11に乱流が起こり易くなる。
即ち、図3の(a),(b)に示すように、コイル巻方向とは逆向きに向って折り曲げ形成された上方のスプリング端部71aは、コイルスプリング70が回転方向Xへ回転された際、折り曲げ部内側の周方向面が潤滑油11を内径側に向けて流す方向に形成されている。また、コイル巻方向とは逆向きに向って折り曲げ形成された下方のスプリング端部71bは、コイルスプリング70が回転方向Xへ回転された際、折り曲げ部外側の周方向面が潤滑油11を外径側に向けて流す方向に形成されている。そこで、コイルスプリング70が回転方向Xへ回転された際、コイルスプリング70の上端近傍においては内径側に向けて流され、コイルスプリング70の下端近傍においては外径側に向けて流されるハウジング8内の潤滑油11には、乱流が起こり易い。
更に、スプリング端部71a,71bの周方向面が、回転軸7の回転方向Xと交差する平面72a,72bを有している。
そこで、図3の(b)に示すように、スプリング端部71aに形成された平面72aは、コイルスプリング70が回転方向Xへ回転された際に潤滑油11に対して抗するように作用し、ハウジング8内の潤滑油11に乱流が起こり易くなる。
また、図3の(a),(b)に示すように、両端に設けられたそれぞれのスプリング端部71a,71bが、コイル巻方向とは逆向きに向って折り曲げ形成されたコイルスプリング70は、上下反転した際の形状が同一となる。そこで、コイルスプリング70を回転軸7に巻装する際の取付方向指定が必要なくなり、組付け性が低下することがない。
また、本実施形態に係るメカニカルシール装置20では、スプリング端部71a,71bがコイルスプリング中央側(図3の(b)における上下方向中央側)にそれぞれ折り曲げ形成され、コイルスプリング70の端部から離れる方向に先端が延びている。
そこで、コイルスプリング70の端部側に隣接して設置されている第1及び第2メカニカルシール20a,20bの構成部材(第1取付金具60a及び第2取付金具60b等)に干渉することがなく、他の構成部材への影響が少ない。
従って、本実施形態に係るメカニカルシール装置20によれば、部品を追加することなく、従来のコイルスプリングに換えてコイルスプリング70を用いるだけで、潤滑油11中に第1メカニカルシール20aが浸漬されていなくとも、第1固定環40aの第1固定摺動面42a及び第1回転環30aの第1回転摺動面32aを潤滑し、冷却・放熱効果を向上させることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、上方及び下方のスプリング端部71a,71bを径方向外方に突出させたコイルスプリング70を例に説明したが、本発明のコイルスプリングはこれ限定されず、上方及び下方のうち少なくとも下方のスプリング端部を径方向外方に突出させたものでよい。
また、上記実施形態では、スプリング端部71a,71bが、コイル巻方向とは逆向きに向ってそれぞれ折り曲げ形成されると共に、軸方向に沿ってコイルスプリング中央側にそれぞれ折り曲げ形成され、コイルスプリング70の径方向外方に突出されているが、本発明のスプリング端部の形状はこれに限定されない。即ち、本発明のスプリング端部は、コイルスプリングの径方向外方に突出されていればよいので、コイル巻方向に対して鋭角な径方向外方に向って折り曲げ形成されても、コイル巻方向に対して直角な径方向外方に向って折り曲げ形成されてもよい。
7…回転軸
8…ハウジング
9…モータ側ハウジング壁(上部ハウジング壁)
10…ポンプ側ハウジング壁(下部ハウジング壁)
11…潤滑油(潤滑液)
20…メカニカルシール装置
20a…第1メカニカルシール
20b…第2メカニカルシール
30a…第1回転環
30b…第2回転環
40a…第1固定環
40b…第2固定環
70…コイルスプリング
71a…スプリング端部
71b…スプリング端部

Claims (3)

  1. 潤滑液が貯留されたハウジング内を上下方向に挿通する回転軸の上方と前記ハウジングの上部ハウジング壁との間を軸封する第1メカニカルシールと、
    前記回転軸の下方と前記ハウジングの下部ハウジング壁との間を軸封する第2メカニカルシールと、
    前記上部ハウジング壁に固定される前記第1メカニカルシールの第1固定環と、
    前記下部ハウジング壁に固定される前記第2メカニカルシールの第2固定環と、
    前記回転軸に固定され、前記第1固定環と摺動する第1回転環と、
    前記回転軸に固定され、前記第2固定環と摺動する第2回転環と、
    前記回転軸に巻装され、前記第1回転環及び前記第2回転環をそれぞれ対応する前記第1固定環及び前記第2固定環に付勢するとともに、上方及び下方のうち少なくとも下方のスプリング端部を径方向外方に突出させたコイルスプリングと、
    を備え
    上方及び下方の前記スプリング端部が、前記コイルスプリングのコイル巻方向とは逆向きに向ってそれぞれ折り曲げ形成されている、
    ことを特徴とするメカニカルシール装置。
  2. 前記スプリング端部が、軸方向に沿ってコイルスプリング中央側に折り曲げ形成されている
    ことを特徴とする請求項に記載のメカニカルシール装置。
  3. 前記スプリング端部の周方向面が、前記回転軸の回転方向と交差する平面を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のメカニカルシール装置。
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