JP7200665B2 - 車両の制動制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、車両の制動制御装置に関する。
特許文献1には、制動力の付与によって車両が減速すると、車両のピッチ角がノーズダイブ側に変化する旨が開示されている。そして、車両の制動が解除されるときには、車両のピッチ角がノーズリフト側に変化する旨も開示されている。
車両の制動解除に伴う車両のピッチング方向の回転速度であるピッチ角の変化速度が大きいと、車両の乗員が不快に感じるおそれがある。
上記課題を解決するための車両の制動制御装置は、前輪に制動力が付与されるときには車両前部を上方に変位させる力であるアンチダイブ力が発生し、後輪に制動力が付与されるときには車両後部を下方に変位させる力であるアンチリフト力が発生し、前記前輪に付与される制動力である前輪制動力と前記後輪に付与される制動力である後輪制動力とが互いに同じ値であるときには、前記アンチダイブ力及び前記アンチリフト力のうちの一方の力である第1力が他方の力である第2力よりも大きくなる車両に適用される。前記前輪制動力及び前記後輪制動力のうち、前記第1力を発生させる制動力を第1制動力とし、前記第2力を発生させる制動力を第2制動力とし、前記第2制動力に対する前記第1制動力の比率を制動力配分比率とした場合、制動制御装置は、前記車両に対する要求制動力が減少しているか否かを判定する減少判定部と、前記車両の減速中に前記減少判定部によって要求制動力が減少しているとの判定がなされていることを条件に、当該要求制動力の減少の開始時点の前記制動力配分比率である基準制動力配分比率よりも前記制動力配分比率を小さくしつつ、当該要求制動力の減少に応じて前記車両の制動力を減少させる比率変更減少制御を実施する制動制御部と、を備えている。
上記構成によれば、比率変更減少制御では、基準制動力配分比率よりも制動力配分比率が小さくなるように、前輪制動力及び後輪制動力がそれぞれ減少される。すなわち、比率変更減少制御が実施されると、第1制動力が第2制動力よりも優先的に減少される。そのため、制動力配分比率を基準制動力配分比率で保持しつつ第1制動力及び第2制動力をそれぞれ減少させる場合と比較し、車両の制動が解除された時点における第1力が小さくなりやすい。車両の制動の解除時点での第1力を小さくすることにより、車両の制動力の減少に起因する車両のピッチ角の変化速度を小さくすることができる。これにより、車両の制動の解除時に車両の乗員が不快に感じにくくなる。
(第1実施形態)
以下、車両の制動制御装置の第1実施形態を図1~図5に従って説明する。
図1には、本実施形態の制動制御装置50を備える車両の概略構成が図示されている。図1に示すように、車両の前輪11及び後輪12には、制動機構13の作動によって制動力がそれぞれ付与される。各制動機構13は、ホイールシリンダ131内の液圧であるWC圧PWCが高いほど、車輪11,12と一体回転する回転体132に摩擦材133を押し付ける力が大きくなるように構成されている。そのため、各制動機構13は、WC圧PWCが高いほど大きな制動力を車輪11,12に付与することができる。なお、以降の記載にあっては、前輪11に付与される制動力のことを「前輪制動力BPA」といい、後輪12に付与される制動力のことを「後輪制動力BPB」ということもある。
以下、車両の制動制御装置の第1実施形態を図1~図5に従って説明する。
図1には、本実施形態の制動制御装置50を備える車両の概略構成が図示されている。図1に示すように、車両の前輪11及び後輪12には、制動機構13の作動によって制動力がそれぞれ付与される。各制動機構13は、ホイールシリンダ131内の液圧であるWC圧PWCが高いほど、車輪11,12と一体回転する回転体132に摩擦材133を押し付ける力が大きくなるように構成されている。そのため、各制動機構13は、WC圧PWCが高いほど大きな制動力を車輪11,12に付与することができる。なお、以降の記載にあっては、前輪11に付与される制動力のことを「前輪制動力BPA」といい、後輪12に付与される制動力のことを「後輪制動力BPB」ということもある。
車両の制動装置20は、液圧発生装置21と、液圧発生装置21からブレーキ液が供給される制動アクチュエータ22とを備えている。液圧発生装置21には、ブレーキペダルなどの制動操作部材23が連結されている。そして、液圧発生装置21は、車両の運転者による制動操作部材23の操作量である制動操作量に応じた液圧を発生する。制動アクチュエータ22は、各ホイールシリンダ131に接続されている。そのため、制動操作部材23が操作されると、その操作量に応じた量のブレーキ液が各ホイールシリンダ131に供給される。すなわち、各車輪11,12に制動力が付与される。
また、制動アクチュエータ22の作動は、制動制御装置50によって制御することもできる。制動制御装置50によって制動アクチュエータ22を制御することにより、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBを個別に制御することができる。
次に、図2を参照し、車両制動時における車両のピッチング運動について説明する。図2では、前輪側のばね上荷重SWf及び後輪側のばね上荷重SWrが白抜きの矢印で表されている。ばね上荷重とは、車両重量及びピッチングモーメントPMによって車体からサスペンションに入力される垂直方向の荷重のことである。
制動力の付与によって車両10が減速すると、図2に実線の矢印で示すようなピッチングモーメントPMが車両10に発生し、ノーズダイブ側に車両がピッチング運動する。ノーズダイブとは、車両10の前部を下方に変位させるとともに車両10の後部を上方に変位させる車両の挙動のことである。一方、車両10の前部を上方に変位させるとともに車両10の後部を下方に変位させる車両10の挙動のことを、「ノーズリフト」という。ノーズダイブ側に車両10がピッチング運動すると、車両10のピッチ角APが大きくなる一方、ノーズリフト側に車両10がピッチング運動すると、ピッチ角APが小さくなる。
車両10がノーズダイブ側にピッチング運動すると、前輪側のばね上荷重SWfが大きくなるため、前輪用のサスペンションを構成する前輪用スプリング15Fが収縮する。その結果、図2に実線の矢印で示すように、前輪用スプリング15Fの復元力である前輪スプリング復元力FSfが車両10に付与される。また、車両10がノーズダイブ側にピッチング運動すると、後輪側のばね上荷重SWrが小さくなるため、後輪用のサスペンションを構成する後輪用スプリング15Rが伸長する。その結果、図2に実線の矢印で示すように、後輪用スプリング15Rの復元力である後輪スプリング復元力FSrが車両10に付与される。
また、車両10には、図2に黒塗りの矢印で示すように、アンチダイブ力FADとアンチリフト力FALとが発生し得る。アンチダイブ力FADは、前輪11に制動力が付与されるときに車両前部を上方に変位させる力であり、前輪制動力BPAが大きいほど大きくなる。アンチリフト力FALは、後輪12に制動力が付与されるときに車両後部を下方に変位させる力であり、後輪制動力BPBが大きいほど大きくなる。
車両10における前輪用のサスペンション及び後輪用のサスペンションのジオメトリは、前輪制動力BPAと後輪制動力BPBとが互いに同じ値であるときには、アンチリフト力FALのほうがアンチダイブ力FADよりも大きくなるように設定されることが多い。本実施形態では、アンチリフト力FALのほうがアンチダイブ力FADよりも大きくなるものとする。すなわち、本実施形態では、アンチリフト力FALが「第1力」に相当し、アンチダイブ力FADが「第2力」に相当する。また、アンチリフト力FALを発生させる後輪制動力BPBが「第1制動力」に相当し、アンチダイブ力FADを発生させる前輪制動力BPAが「第2制動力」に相当する。
図2に示すようにノーズダイブした状態で車両10が停止した場合、アンチダイブ力FAD及びアンチリフト力FALによって、車両10がノーズリフト側にピッチング運動する。すなわち、車両のピッチ角APが小さくなる。この際、前輪制動力BPAと後輪制動力BPBとの和である全体制動力のうち、後輪制動力BPBが占める割合が大きいほど、アンチリフト力FALが大きいため、ピッチ角APの変化速度が大きくなりやすい。一方、全体制動力のうち、前輪制動力BPAが占める割合が大きいほど、アンチリフト力FALが小さいため、ピッチ角APの変化速度が大きくなりにくい。
次に、図1を参照し、車両の制御構成について説明する。
車両10は、制御装置として、制動制御装置50の他に、自動運転制御装置60をも備えている。自動運転制御装置60は、車両10の自動運転時において、エンジンなどの車両の動力源及び制動装置20の制御量を算出し、算出した制御量を他の制御装置に出力する。例えば、自動運転制御装置60は、制動装置20の制御量として要求制動力BPRを算出すると、当該要求制動力BPRを制動制御装置50に出力する。自動運転制御装置60から要求制動力BPRが入力されると、制動制御装置50は、上記全体制動力が要求制動力BPRとなるように制動アクチュエータ22を作動させる。
車両10は、制御装置として、制動制御装置50の他に、自動運転制御装置60をも備えている。自動運転制御装置60は、車両10の自動運転時において、エンジンなどの車両の動力源及び制動装置20の制御量を算出し、算出した制御量を他の制御装置に出力する。例えば、自動運転制御装置60は、制動装置20の制御量として要求制動力BPRを算出すると、当該要求制動力BPRを制動制御装置50に出力する。自動運転制御装置60から要求制動力BPRが入力されると、制動制御装置50は、上記全体制動力が要求制動力BPRとなるように制動アクチュエータ22を作動させる。
なお、自動運転制御装置60は、カメラ101やレーダーなどから車両10の外部の情報を取得する。ここでいう情報としては、例えば、先行車の有無、先行車との車間距離、走行する路面に関する情報を挙げることができる。路面に関する情報としては、例えば、路面の旋回半径、及び、路面勾配を挙げることができる。
制動制御装置50は、機能部として、減少判定部51及び制動制御部52を有している。減少判定部51は、車両10への制動力の付与によって車両10が減速しているときに、車両10に対して要求されている制動力である要求制動力BPRが減少しているか否かを判定する。自動運転制御装置60から入力された要求制動力BPRを基に制動アクチュエータ22が制御されている場合、減少判定部51は、自動運転制御装置60から入力される要求制動力BPRが減少しているか否かを判定する。一方、運転者の制動操作によって車両10に制動力が付与されている場合、減少判定部51は、運転者の制動操作量BPINPUTを要求制動力BPRの相関値として取得し、制動操作量BPINPUTの変化態様を基に、要求制動力BPRが減少しているか否かを判定する。
なお、制動操作量BPINPUTとは、運転者による制動操作部材23の操作量、運転者の制動操作によって液圧発生装置21内で発生する液圧などを含んでいる。車両10には、こうした制動操作量BPINPUTを検出する操作量検出センサ102が設けられている。そして、制動制御装置50は、操作量検出センサ102の検出信号を基に、制動操作量BPINPUTを算出する。
制動制御部52は、制動アクチュエータ22の制御を通じ、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBを制御する。すなわち、制動制御部52は、減少判定部51によって要求制動力BPRが減少しているとの判定がなされているときには、制動アクチュエータ22の制御を通じ、第2制動力に対する第1制動力の比率である制動力配分比率RTを可変させる。本実施形態では、制動力配分比率RTとは、前輪制動力BPAに対する後輪制動力BPBの比率のことである。
次に、図3を参照し、後述する比率変更減少制御を実施するために制動制御装置50によって実行される処理ルーチンについて説明する。本処理ルーチンは、車両10に制動力が付与されているときには繰り返し実行される。
本処理ルーチンにおいて、ステップS11では、要求制動力BPRが判定制動力BPRTh以上であるか否かの判定が行われる。当該判定では、自動運転によって制動力が車両10に付与されている場合、自動運転制御装置60から制動制御装置50に入力された要求制動力BPRが用いられる。運転者の制動操作によって車両10に制動力が付与されている場合、制動操作量BPINPUTを基に、運転者が要求している制動力が要求制動力BPRとして算出され、当該要求制動力BPRが当該判定で用いられる。判定制動力BPRThは、車両10の制動に起因するピッチ角APの増大量が多いか否かの判断基準として設定されている。そのため、要求制動力BPRが判定制動力BPRTh以上である場合、車両10の制動に起因するピッチ角APの増大量が多いと判断できる。
そして、要求制動力BPRが判定制動力BPRTh未満である場合(S11:NO)、本処理ルーチンが一旦終了される。一方、要求制動力BPRが判定制動力BPRTh以上である場合(S11:YES)、処理が次のステップS12に移行される。ステップS12において、減少判定部51によって、要求制動力BPRが減少しているか否かの判定が行われる。すなわち、減少判定部51は、要求制動力BPRを時間微分した値と「-1」との積を、要求制動力BPRの減少速度DBPRとして算出する。そして、減少判定部51は、算出した減少速度DBPRが正の値であるときには要求制動力BPRが減少しているとの判定をなす。一方、減少判定部51は、減少速度DBPRが「0」又は負の値であるときには要求制動力BPRが減少しているとの判定をなさない。
要求制動力BPRが減少しているとの判定がなされていない場合(S12:NO)、本処理ルーチンが一旦終了される。一方、要求制動力BPRが減少しているとの判定がなされている場合(S12:YES)、処理が次のステップS13に移行される。ステップS13において、要求制動力の減少速度DBPRが判定減少速度DBPRTh以上であるか否かの判定が行われる。要求制動力BPRの減少によって前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBがそれぞれ減少される場合、前輪制動力BPAの減少に応じてアンチダイブ力FADが小さくなり、後輪制動力BPBの減少に応じてアンチリフト力FALが小さくなる。このとき、減少速度DBPRが小さい場合、前輪制動力BPAの減少に対してアンチダイブ力FADの減少の応答遅れが生じにくい。同様に、後輪制動力BPBの減少に対してアンチリフト力FALの減少の応答遅れが生じにくい。一方、減少速度DBPRが大きいと、前輪制動力BPAの減少に対してアンチダイブ力FADの減少の応答遅れが生じやすい。同様に、後輪制動力BPBの減少に対してアンチリフト力FALの減少の応答遅れが生じやすい。つまり、減少速度DBPRが大きい場合、前輪制動力BPAが「0」になっても、アンチリフト力FALが未だ「0」になっていない可能性がある。同様に、後輪制動力BPBが「0」になっても、アンチダイブ力FADが未だ「0」になっていない可能性がある。そこで、上記のような応答遅れが生じる可能性があるか否かを減少速度DBPRに基づいて判断するために、判定減少速度DBPRThが設定されている。
要求制動力の減少速度DBPRが判定減少速度DBPRTh未満である場合は、上記のような応答遅れが生じない。そのため、減少速度DBPRが判定減少速度DBPRTh未満である場合(S13:NO)、本処理ルーチンが一旦終了される。一方、減少速度DBPRが判定減少速度DBPRTh以上である場合は、上記のような応答遅れが生じる可能性がある。そのため、減少速度DBPRが判定減少速度DBPRTh以上である場合(S13:YES)、処理が次のステップS14に移行される。
ステップS14において、制動制御部52によって、基準制動力配分比率RTBが、現時点の制動力配分比率RTと同じ値とされる。つまり、基準制動力配分比率RTBは、要求制動力BPRが減少しているとの判定がなされた時点の制動力配分比率RT、すなわち要求制動力BPRの減少の開始時点の制動力配分比率RTである。続いて、次のステップS15では、制動制御部52によって、基準制動力配分比率RTBよりも制動力配分比率RTを小さくしつつ、要求制動力BPRの減少に応じて車両10の制動力BPを減少させる比率変更減少制御が実施される。比率変更減少制御では、後輪制動力BPBが前輪制動力BPAよりも優先的に減少される。具体的には、後輪制動力BPBの減少速度は、前輪制動力BPAの減少速度よりも大きい。そのため、前輪制動力BPAよりも先に後輪制動力BPBが「0」になる。すなわち、制動力配分比率RTが「0」になる。このように制動力配分比率RTが「0」になった以降では、後輪制動力BPBを「0」で保持しつつ、要求制動力BPRの減少に応じて前輪制動力BPAが減少される。つまり、比率変更減少制御は、第1制動力である後輪制動力BPBを第2制動力である前輪制動力BPAよりも先に「0」にする制御であるということもできる。
次のステップS16では、比率変更減少制御の実施中に要求制動力BPRが保持又は増大されているか否かの判定が行われる。すなわち、比率変更減少制御の実施中における要求制動力の減少速度DBPRが算出される。そして、減少速度DBPRが「0」である場合は、要求制動力BPRが保持されていると判断できる。また、減少速度DBPRが負の値である場合は、要求制動力BPRが増大されていると判断できる。要求制動力BPRが保持されているとの判定がなされている場合には、ステップS16の判定が「YES」となる。また、要求制動力BPRが増大されているとの判定がなされている場合には、ステップS16の判定が「YES」となる。
要求制動力BPRが保持又は増大されているとの判定がなされていない場合(S16:NO)、要求制動力BPRが減少しているため、処理が次のステップS17に移行される。ステップS17において、車両10の制動力BPが「0」になったか否かの判定が行われる。例えば、要求制動力BPRが「0」である場合、車両10の制動力BPが「0」になったと判断できる。車両10の制動力BPが「0」になったとの判定がなされていない場合(S17:NO)、車両10の制動が未だ解除されていないため、処理が前述したステップS15に移行される。すなわち、比率変更減少制御が継続される。一方、車両10の制動力BPが「0」になったとの判定がなされている場合(S17:YES)、車両10の制動が解除されたため、本処理ルーチンが終了される。すなわち、比率変更減少制御が終了される。
その一方で、ステップS16において、要求制動力BPRが保持又は増大されているとの判定がなされている場合(YES)、比率変更減少制御が終了され、処理が次のステップS18に移行される。ステップS18において、制動制御部52によって、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBをそれぞれ調整することにより、制動力配分比率RTを基準制動力配分比率RTBまで大きくする比率復元制御が実施される。すなわち、比率変更減少制御の実施中に要求制動力BPRが減少しているとの判定がなされなくなったときには、比率変更減少制御が終了され、比率復元制御が実施される。比率復元制御の実施中では、後輪制動力BPBの変更に応じてアンチリフト力FALの大きさが変わり、前輪制動力BPAの変更に応じてアンチダイブ力FADの大きさが変わる。そのため、後輪制動力BPBや前輪制動力BPAの変更速度が大きいと、アンチリフト力FALやアンチダイブ力FADの変化速度が大きくなり、車両10のピッチ角APが大きく変化するおそれがある。そのため、アンチリフト力FALやアンチリフト力FALの変化によって車両10のピッチ角APが変わるとしても、ピッチ角APが徐々に変化するように、後輪制動力BPBの変更速度及び前輪制動力BPAの変更速度が設定されている。
なお、要求制動力BPRが保持されている状況下での比率復元制御では、前輪制動力BPAと後輪制動力BPBとの総和を保持しつつ、制動力配分比率RTが変更される。一方、要求制動力BPRが増大されている状況下での比率復元制御では、要求制動力BPRの増大に応じて前輪制動力BPAと後輪制動力BPBとの総和を増大させつつ、制動力配分比率RTが変更される。
こうした比率復元制御が実施されている場合、処理が次のステップS19に移行される。ステップS19において、比率復元制御の実施によって制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBと同じ値になったか否かの判定が行われる。制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBと同じ値になったとの判定がなされていない場合(S19:NO)、処理が前述したステップS18に移行される。すなわち、比率復元制御が継続される。一方、制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBと同じ値になったとの判定がなされている場合(S19:YES)、比率復元制御が終了され、本処理ルーチンが一旦終了される。
ちなみに、要求制動力BPRは減少されているものの、要求制動力BPRが減少されているとの判定がなされる時点の要求制動力BPRが判定制動力BPRTh未満である場合、制動力配分比率RTを保持しつつ、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBが減少される。また、要求制動力BPRは判定制動力BPRTh以上ではあるものの、要求制動力の減少速度DBPRが判定減少速度DBPRTh未満である場合もまた、制動力配分比率RTを保持しつつ、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBが減少される。
次に、図4及び図5を参照し、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図4(a)~(e)には、車両10の制動が解除されるまで比率変更減少制御が実施される場合の例が図示されている。制動力BPの付与によって車両10が減速している最中に制動操作量BPINPUTの減少が開始されると、タイミングT11で要求制動力BPRが減少しているとの判定がなされる。図4に示す例では、タイミングT11における要求制動力BPRが判定制動力BPRTh以上であり、且つ、要求制動力の減少速度DBPRが判定減少速度DBPRTh以上である。そのため、基準制動力配分比率RTBをタイミングT11での制動力配分比率RTと同じ値とした上で、比率変更減少制御が開始される。
図4(a)~(e)には、車両10の制動が解除されるまで比率変更減少制御が実施される場合の例が図示されている。制動力BPの付与によって車両10が減速している最中に制動操作量BPINPUTの減少が開始されると、タイミングT11で要求制動力BPRが減少しているとの判定がなされる。図4に示す例では、タイミングT11における要求制動力BPRが判定制動力BPRTh以上であり、且つ、要求制動力の減少速度DBPRが判定減少速度DBPRTh以上である。そのため、基準制動力配分比率RTBをタイミングT11での制動力配分比率RTと同じ値とした上で、比率変更減少制御が開始される。
図4(a),(c)には、制動力配分比率RTを基準制動力配分比率RTBで維持しつつ車両10の制動力BPを減少させる比較例における車体加速度DVS及び車両10の制動力BPの推移が破線でそれぞれ示されている。また、図4(d),(e)には、当該比較例における、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBの推移が破線でそれぞれ示されている。比較例では、要求制動力BPRが「0」となるタイミングT13で前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBがそれぞれ「0」になる。すなわち、車両の制動が解除される直前まで後輪12に制動力が付与されることとなる。
本実施形態では、前輪制動力BPAと後輪制動力BPBとが互いに同じ値であるときには、アンチリフト力FALのほうがアンチダイブ力FADよりも大きくなる。そのため、比較例の場合にあっては、要求制動力の減少速度DBPRが大きいと、後輪制動力BPBの減少に対してアンチリフト力FALの減少の応答遅れが生じ、後輪制動力BPBが「0」になってもアンチリフト力FALが未だ「0」になっていないことがある。すなわち、車両10の制動が解除されたにも拘わらず、アンチリフト力FALが未だ残っていることになる。この場合、残っているアンチリフト力FALの影響により、車両10の制動が解除された後でも車両のピッチ角APの変化が未だ終わらないこととなる。
この点、本実施形態では、比率変更減少制御の実施によって、図4(d),(e)に実線で示すように前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBがそれぞれ減少される。すなわち、タイミングT13よりも手前のタイミングT12で後輪制動力BPBが「0」となるように後輪制動力BPBが減少される。一方、タイミングT11からタイミングT12までの期間では前輪制動力BPAは緩やかに減少され、タイミングT12からタイミングT13までの期間では前輪制動力BPAが急に減少される。その結果、図4(a),(c)に示すように、制動力配分比率RTを基準制動力配分比率RTBから変更しつつも、比較例と同じように車両10の制動力BP及び車体加速度DVSを変化させることができる。
また、本実施形態では、図4(e)に示すようにタイミングT13よりも手前のタイミングT12で後輪制動力BPBが「0」となる。そのため、要求制動力の減少速度DBPRが大きいために後輪制動力BPBの減少に対してアンチリフト力FALの減少の応答遅れが生じたとしても、タイミングT12からタイミングT13までの期間でアンチリフト力FALが減少される。そのため、タイミングT13でのアンチリフト力FALを、比較例の場合よりも小さくすることができる。すなわち、車両10の制動が解除されたときには、アンチリフト力FALが十分に小さくなっている、又はアンチリフト力FALが「0」となっている。アンチリフト力FALが十分に小さい場合、又はアンチリフト力FALが「0」である場合、アンチダイブ力FADが未だ残っていたとしても、車両10のピッチ角APが変化しにくくなる。そのため、比較例の場合と比較し、車両10の制動の解除後において車両10のピッチ角APの変化速度を小さくすることができる。したがって、車両10の制動の解除時に車両10の乗員が不快を感じにくくなる。
本実施形態によれば、車両の制動の解除に際して、車両のピッチ角APが変化する期間を短くすることができる。これにより、車載のカメラ101の画角が変動する期間を短くすることができる。その結果、車両10の制動の解除における、カメラ101から得られる情報の精度の低下を抑制することができる。
図5(a)~(d)には、比率変更減少制御が途中で終了されて比率復元制御が実施される場合の例が図示されている。なお、図5(b),(c),(d)には、上記比較例における、車両10の制動力BP、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBの推移が破線でそれぞれ示されている。
制動力BPの付与によって車両10が減速している最中に制動操作量BPINPUTの減少が開始されると、タイミングT21で要求制動力BPRが減少しているとの判定がなされる。すると、基準制動力配分比率RTBをタイミングT21での制動力配分比率RTと同じ値とした上で、比率変更減少制御が開始される。このように比率変更減少制御が実施されると、図5(c),(d)に示すように、後輪制動力BPBが前輪制動力BPAよりも優先的に減少される。すなわち、制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBよりも小さくなる。
図5に示す例では、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBがそれぞれ減少している最中のタイミングT22で、制動操作量BPINPUT、すなわち要求制動力BPRが保持されるようになる。すると、比率変更減少制御が終了され、比率復元制御が開始される。比率復元制御の実施中では、制動力配分比率RTが、基準制動力配分比率RTB、すなわちタイミングT21での制動力配分比率RTに徐々に戻される。つまり、比率変更減少制御の実施によって制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBよりも小さくなったため、制動力配分比率RTが徐々に増大される。具体的には、後輪制動力BPBが増大される一方で、後輪制動力BPBの増大に応じて前輪制動力BPAが減少される。そして、タイミングT23で制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBと同じになると、比率復元制御が終了される。このように車両10に制動力BPが付与される状態が継続される場合にあっては、制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBに戻される。
ここで、車両10への制動力BPの付与が継続されるにも拘わらず、制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBから乖離したままにした場合、車両10の制動力の前後での配分バランスがアンバランスのままとなる。
この点、本実施形態では、車両10への制動力BPの付与を継続する際には、比率復元制御の実施によって制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBに戻される。そのため、制動力の前後での配分バランスがアンバランスのまま、車両10に制動力BPが付与される状態が継続することがなくなる。
なお、比率変更減少制御の実施中に要求制動力BPRが増大されることもあり得る。この場合であっても、比率変更減少制御が終了されて比率復元制御が開始される。その結果、要求制動力BPRの増大に応じて車両10の制動力BPを大きくしつつ、制動力配分比率RTが基準制動力配分比率RTBに徐々に戻される。
(第2実施形態)
次に、車両の制動制御装置50の第2実施形態を図6及び図7に従って説明する。第2実施形態では、制動制御装置50を備える車両の特性が第1実施形態と相違している。そこで、以下の説明においては、第1実施形態と相違している部分について主に説明するものとし、第1実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
次に、車両の制動制御装置50の第2実施形態を図6及び図7に従って説明する。第2実施形態では、制動制御装置50を備える車両の特性が第1実施形態と相違している。そこで、以下の説明においては、第1実施形態と相違している部分について主に説明するものとし、第1実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図6には、本実施形態の制動制御装置50を備える車両10Aの制動時における車両10Aのピッチング運動について説明する。
車両10Aにおける前輪用のサスペンション及び後輪用のサスペンションのジオメトリは、前輪制動力BPAと後輪制動力BPBとが互いに同じ値であるときには、アンチダイブ力FADのほうがアンチリフト力FALよりも大きくなるように設定されている。すなわち、本実施形態では、アンチダイブ力FADが「第1力」に相当し、アンチリフト力FALが「第2力」に相当する。また、アンチダイブ力FADを発生させる前輪制動力BPAが「第1制動力」に相当し、アンチリフト力FALを発生させる後輪制動力BPBが「第2制動力」に相当する。そのため、制動力配分比率RTとは、後輪制動力BPBに対する前輪制動力BPAの比率となる。
車両10Aにおける前輪用のサスペンション及び後輪用のサスペンションのジオメトリは、前輪制動力BPAと後輪制動力BPBとが互いに同じ値であるときには、アンチダイブ力FADのほうがアンチリフト力FALよりも大きくなるように設定されている。すなわち、本実施形態では、アンチダイブ力FADが「第1力」に相当し、アンチリフト力FALが「第2力」に相当する。また、アンチダイブ力FADを発生させる前輪制動力BPAが「第1制動力」に相当し、アンチリフト力FALを発生させる後輪制動力BPBが「第2制動力」に相当する。そのため、制動力配分比率RTとは、後輪制動力BPBに対する前輪制動力BPAの比率となる。
図6に示すようにノーズダイブした状態で車両10Aが停止した場合、アンチダイブ力FAD及びアンチリフト力FALによって、車両10Aがノーズリフト側にピッチング運動する。すなわち、車両10Aのピッチ角APが小さくなる。この際、前輪制動力BPAと後輪制動力BPBとの和である全体制動力が同じ値であっても、全体制動力のうち、前輪制動力BPAが占める割合が大きいほど、アンチダイブ力FADが大きいため、ピッチ角APの変化速度が大きくなりやすい。一方、全体制動力のうち、後輪制動力BPBが占める割合大きいほど、アンチダイブ力FADが小さいため、ピッチ角APの変化速度が大きくなりにくい。
そのため、本実施形態において、制動制御部52は、比率変更減少制御では、前輪制動力BPAを後輪制動力BPBよりも優先的に減少させる。具体的には、比率変更減少制御では、前輪制動力BPAの減少速度を後輪制動力BPBの減少速度よりも大きくする。そのため、後輪制動力BPBよりも先に前輪制動力BPAが「0」になる。すなわち、制動力配分比率RTが「0」になる。このように制動力配分比率RTが「0」になった以降では、前輪制動力BPAを「0」で保持しつつ、要求制動力BPRの減少に応じて後輪制動力BPBが減少される。つまり、比率変更減少制御は、第1制動力である前輪制動力BPAを第2制動力である後輪制動力BPBよりも先に「0」にする制御であるということもできる。
次に、図7を参照し、本実施形態の作用及び効果について説明する。図7(a)~(e)には、車両10Aの制動が解除されるまで比率変更減少制御が実施される場合の例が図示されている。
制動力BPの付与によって車両10Aが減速している最中に制動操作量BPINPUTの減少が開始されると、タイミングT31で要求制動力BPRが減少しているとの判定がなされる。すると、基準制動力配分比率RTBをタイミングT31での制動力配分比率RTと同じ値とした上で、比率変更減少制御が開始される。
図7(a),(c),(d),(e)には、上記比較例における、車体加速度DVS、車両10Aの制動力BP、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBの推移が破線でそれぞれ示されている。比較例では、要求制動力BPRが「0」となるタイミングT33で前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBがそれぞれ「0」になる。すなわち、車両10Aの制動が解除される直前まで前輪11に制動力が付与されることとなる。
本実施形態では、前輪制動力BPAと後輪制動力BPBとが互いに同じ値であるときには、アンチダイブ力FADのほうがアンチリフト力FALよりも大きくなる。そのため、比較例の場合にあっては、要求制動力の減少速度DBPRが大きいと、前輪制動力BPAの減少に対してアンチダイブ力FADの減少の応答遅れが生じ、前輪制動力BPAが「0」になってもアンチダイブ力FADが未だ「0」になっていないことがある。すなわち、車両10Aの制動が解除されたにも拘わらず、アンチダイブ力FADが未だ残っていることになる。この場合、車両10Aの制動が解除された後でも車両10Aのピッチ角APの変化が未だ終わらないことがある。
この点、本実施形態では、比率変更減少制御の実施によって、図7(d),(e)に実線で示すように前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBがそれぞれ減少される。すなわち、タイミングT33よりも手前のタイミングT32で前輪制動力BPAが「0」となるように前輪制動力BPAが減少される。一方、タイミングT31からタイミングT32までの期間では後輪制動力BPBは緩やかに減少され、タイミングT32からタイミングT33までの期間では後輪制動力BPBの急に減少される。その結果、図7(a),(c)に示すように、制動力配分比率RTを基準制動力配分比率RTBから変更しつつも、比較例と同じように車両10Aの制動力BP及び車体加速度DVSを変化させることができる。
また、本実施形態では、図7(e)に示すようにタイミングT33よりも手前のタイミングT32で前輪制動力BPAが「0」となる。そのため、要求制動力の減少速度DBPRが大きいために前輪制動力BPAの減少に対してアンチダイブ力FADの減少の応答遅れが生じたとしても、タイミングT32からタイミングT33までの期間でアンチダイブ力FADが減少される。そのため、タイミングT33でのアンチダイブ力FADを、比較例の場合よりも小さくすることができる。すなわち、車両10Aの制動が解除されたときには、アンチダイブ力FADが十分に小さくなっている、又はアンチダイブ力FADが「0」になっている。アンチダイブ力FADが十分に小さい場合、又はアンチダイブ力FADが「0」である場合、アンチリフト力FALが未だ残っていたとしても、車両10Aのピッチ角APが変化しにくくなる。そのため、比較例の場合と比較し、車両10Aの制動の解除後において、車両10Aのピッチ角APの変化速度を小さくすることができる。したがって、車両10Aの制動の解除時に車両10Aの乗員が不快を感じにくくなる。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態において、比率変更減少制御では制動力配分比率RTを基準制動力配分比率RTBよりも小さくできるのであれば、上記各実施形態で説明した態様とは異なる態様で前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBを減少させるようにしてもよい。
・上記各実施形態において、比率変更減少制御では制動力配分比率RTを基準制動力配分比率RTBよりも小さくできるのであれば、上記各実施形態で説明した態様とは異なる態様で前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBを減少させるようにしてもよい。
図8(a),(b)には、第1実施形態での比率変更減少制御の変更例における前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBの推移が図示されている。すなわち、図8に示すように、タイミングT41で比率変更減少制御が開始されると、タイミングT41からタイミングT42までの期間では、後輪制動力BPBは減少される一方で、前輪制動力BPAは保持される。この場合であっても、制動力配分比率RTを、タイミングT41での制動力配分比率RTである基準制動力配分比率RTBよりも小さくすることができる。タイミングT42で後輪制動力BPBが「0」になると、制動力配分比率RTが「0」となるため、タイミングT42からは前輪制動力BPAが減少される。そして、タイミングT43で前輪制動力BPAも「0」になると、比率変更減少制御が終了される。
後輪制動力BPBが「0」になるまで前輪制動力BPAを保持させつつ後輪制動力BPBを減少させ、後輪制動力BPBが「0」になってから前輪制動力BPAを減少させることにより、第1実施形態の場合と比較し、後輪制動力BPBを早期に「0」とすることができる。その結果、車両10の制動が解除されるタイミングT43でアンチリフト力FALがより残りにくくなる。これにより、車両10の制動の解除後においてピッチ角APの変化速度を小さくするという効果をより高くすることができる。
また、第2実施形態の場合では、前輪制動力BPAが「0」になるまで後輪制動力BPBを保持させつつ前輪制動力BPAを減少させ、前輪制動力BPAが「0」になってから後輪制動力BPBを減少させるようにしてもよい。この構成によれば、第2実施形態の場合と比較し、前輪制動力BPAを早期に「0」とすることができる。その結果、車両10Aの制動が解除される時点でアンチダイブ力FADがより残りにくくなる。これにより、車両10Aの制動の解除後においてピッチ角APの変化速度を小さくするという効果をより高くすることができる。
・上記各実施形態において、比率変更減少制御の実施中に要求制動力BPRが保持されるようになった場合、比率変更減少制御の終了後に比率復元制御を実施しなくてもよい。この場合、制動力配分比率RTを、比率変更減少制御の終了時点の値で保持するようにしてもよい。また、比率変更減少制御の実施中に要求制動力BPRが保持される場合、制動力配分比率RTを増大させるものの、基準制動力配分比率RTBまでは制動力配分比率RTを大きくしない制御を実施するようにしてもよい。
・上記各実施形態において、比率変更減少制御の実施中に要求制動力BPRが増大される場合、比率変更減少制御の終了後に比率復元制御を実施しなくてもよい。この場合、制動力配分比率RTを比率変更減少制御の終了時点の値で保持しつつ、要求制動力BPRの増大に応じて車両の制動力BPを増大させるようにしてもよい。また、比率変更減少制御の実施中に要求制動力BPRが増大される場合、制動力配分比率RTを増大させるものの、基準制動力配分比率RTBまでは制動力配分比率RTを大きくしない制御を実施するようにしてもよい。
・上記各実施形態において、要求制動力BPRが判定制動力BPRTh未満であっても、要求制動力BPRの減少が開始されたとの判定がなされたときに比率変更減少制御を実施するようにしてもよい。
・上記各実施形態において、要求制動力BPRの減少が開始されたとの判定がなされた場合、要求制動力の減少速度DBPRが判定減少速度DBPRTh未満であっても比率変更減少制御を実施するようにしてもよい。
・制動装置は、前輪制動力BPA及び後輪制動力BPBを個別に制御できるものであれば、任意の構成であってもよい。例えば、制動装置は、ブレーキ液を用いずに、車輪に摩擦制動力を付与することのできる電動制動装置であってもよい。
・前輪制動力BPAは、制動機構13の作動によって前輪11に付与される摩擦制動力と、発電機の発電によって前輪11に付与される回生制動力との合計であってもよい。
・後輪制動力BPBは、制動機構13の作動によって後輪12に付与される摩擦制動力と、発電機の発電によって後輪12に付与される回生制動力との合計であってもよい。
・後輪制動力BPBは、制動機構13の作動によって後輪12に付与される摩擦制動力と、発電機の発電によって後輪12に付与される回生制動力との合計であってもよい。
10,10A…車両、11…前輪、12…後輪、50…制動制御装置、51…減少判定部、52…制動制御部。
Claims (5)
- 前輪に制動力が付与されるときには車両前部を上方に変位させる力であるアンチダイブ力が発生し、後輪に制動力が付与されるときには車両後部を下方に変位させる力であるアンチリフト力が発生し、前記前輪に付与される制動力である前輪制動力と前記後輪に付与される制動力である後輪制動力とが互いに同じ値であるときには、前記アンチダイブ力及び前記アンチリフト力のうちの一方の力である第1力が他方の力である第2力よりも大きくなる車両に適用され、
前記前輪制動力及び前記後輪制動力のうち、前記第1力を発生させる制動力を第1制動力とし、前記第2力を発生させる制動力を第2制動力とし、前記第2制動力に対する前記第1制動力の比率を制動力配分比率とした場合、
前記車両に対する要求制動力が減少しているか否かを判定する減少判定部と、
前記車両の減速中に前記減少判定部によって要求制動力が減少しているとの判定がなされていることを条件に、当該要求制動力の減少の開始時点の前記制動力配分比率である基準制動力配分比率よりも前記制動力配分比率を小さくしつつ、当該要求制動力の減少に応じて前記車両の制動力を減少させる比率変更減少制御を実施する制動制御部と、を備える
車両の制動制御装置。 - 前記制動制御部は、前記車両の減速中に前記減少判定部によって要求制動力が減少しているとの判定がなされている前記条件に加え、当該要求制動力の減少速度が判定減少速度以上であることを条件に、前記比率変更減少制御を実施する
請求項1に記載の車両の制動制御装置。 - 前記制動制御部は、前記車両の減速中に前記減少判定部によって要求制動力が減少しているとの判定がなされている前記条件に加え、当該判定がなされる前の前記車両の制動力が判定制動力以上であることを条件に、前記比率変更減少制御を実施する
請求項1又は請求項2に記載の車両の制動制御装置。 - 前記制動制御部は、前記比率変更減少制御の実施中に前記減少判定部によって要求制動力が減少しているとの判定がなされなくなったときには、当該比率変更減少制御を終了し、前記第1制動力及び前記第2制動力をそれぞれ調整することにより、前記制動力配分比率を前記基準制動力配分比率まで大きくする比率復元制御を実施する
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。 - 前記制動制御部は、前記比率変更減少制御では、前記第1制動力が「0」になるまで前記第2制動力を保持させつつ当該第1制動力を減少させ、前記第1制動力が「0」になってから前記第2制動力を減少させる
請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
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